JP2002331035A - バルーン用パリソン - Google Patents

バルーン用パリソン

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JP2002331035A
JP2002331035A JP2001142327A JP2001142327A JP2002331035A JP 2002331035 A JP2002331035 A JP 2002331035A JP 2001142327 A JP2001142327 A JP 2001142327A JP 2001142327 A JP2001142327 A JP 2001142327A JP 2002331035 A JP2002331035 A JP 2002331035A
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parison
birefringence
molding
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JP2001142327A
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English (en)
Inventor
Mitsuharu Korogi
興梠光治
Akitoshi Sakata
坂田哲年
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリアミドエラストマー製の種々のサイズのバ
ルーンにおいて、二軸延伸ブロー成形をする際に安定し
てバルーンを作成できるバルーン用パリソンを提供す
る。 【解決手段】ポリアミドエラストマーからなり、複屈折
の最大値と最小値の差が0.22×10-3以下であるこ
とを特徴とするバルーン用パリソンを提供した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バルーン用パリソ
ンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、血管などの脈管において狭窄ある
いは閉塞が生じた場合、脈管の狭窄部位あるいは閉塞部
位を拡張して、血管末梢側の血流を改善するために行な
う脈管成形術(PTA:Percutaneous Transluminal An
gioplasty、PTCA:Percutaneous Transluminal Cor
onary Angioplastyなど)は、多くの医療機関において
多数の術例があり、この種の症例における手術としては
一般的になっている。
【0003】バルーンカテーテルは、主に冠状動脈の狭
窄部位を拡張するために、ガイドカテーテルとガイドワ
イヤーとのセットで使用される。このバルーンカテーテ
ルを用いた脈管成形術は、まずガイドカテーテルを大腿
動脈から挿入して大動脈を経て冠状動脈の入口に先端を
位置させた後、バルーンカテーテルを貫通させたガイド
ワイヤーを冠状動脈の狭窄部位を超えて前進させ、その
後バルーンカテーテルをガイドワイヤーに沿って前進さ
せ、バルーンを狭窄部位に位置させた状態で膨張させて
狭窄部位を拡張する手順で行ない、そしてバルーンを収
縮させて体外に除去するのである。しかし、バルーンカ
テーテルは、動脈狭窄の治療だけに限定されず、血管の
中への挿入、ならびに種々の体腔への挿入を含む多くの
医療的用途に有用である。
【0004】バルーンは、通常単孔チューブを二軸延伸
ブロー成形することにより製造されるものであり、特に
バルーンの成形に用いる単孔チューブをバルーン用パリ
ソンと呼んでいる。バルーン用パリソンは、通常熱可塑
性樹脂を押出成形することにより製造されることが多
い。
【0005】押出成形ではダイス形状、押出機の設定温
度、吐出量、バルーン用パリソンを引取る速度、エア圧
力などの押出条件を調整することにより、所望サイズの
バルーン用パリソンを得ることができる。
【0006】PTCAバルーンカテーテルのバルーンに
は大小各種サイズがあり、所望のバルーンを作成するた
めにはそれぞれのサイズに適したバルーン用パリソンを
作成する必要がある。またPTCAカテーテルはモデル
チェンジのサイクルが速く、バルーン各部の仕様が短期
間に変化するため、バルーン用パリソンの仕様、二軸延
伸ブロー成形条件をその度に決定する必要がある。しか
しポリアミドエラストマーからなるバルーンの場合、バ
ルーンサイズ、二軸延伸ブロー成形条件を変えると膨ら
まなかったり膨らんだ途端に破裂するなど成形できない
ことがあった。また成形できてもバルーン表面に割れ、
ひび、ピンホール、くぼみ、未拡張部分等の外観不良も
多く発生していた。
【0007】二軸延伸ブロー成形をする際に安定してバ
ルーンを作成するためには、寸法精度が高いバルーン用
パリソン、すなわち内外径が一定であり、真円度、同芯
度の高いバルーン用パリソンを用いることが従来の技術
であったが、寸法精度が高いバルーン用パリソンを用い
ても成形不良が発生する場合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明が前述
の状況に鑑み、目的とするところは、種々のサイズのバ
ルーンにおいて、二軸延伸ブロー成形をする際に安定し
てバルーンを作成できるバルーン用パリソンを提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するべく
鋭意検討を重ねた結果、ポリアミドエラストマーからな
り、複屈折の最大値と最小値の差が0.22×10-3
下であることを特徴とするバルーン用パリソンを使用す
ると、バルーン作成時の二軸延伸ブロー成形工程の成形
不良が減少し、安定してバルーンを作成できることを見
出し、本発明に到達した。
【0010】複屈折の最大値と最小値の差が小さいと、
バルーン用パリソンの配向状態が均一であるために、二
軸延伸ブロー成形時にもバルーン用パリソンが均一に延
伸され、成形不良が少なくなると考えられる。
【0011】この様なバルーン用パリソンを作成するに
は、ギアポンプをを使用した押出法、またはチューブ内
の内腔確保用にエアーを供給する機構としてスパイダー
方式を有する押出法が好ましく、またこれらの両方を使
用した押出法を使用することが更に好ましい。
【0012】また、本発明の一形態として、上記のバル
ーン用パリソンを用い二軸延伸ブロー成形したバルー
ン、またはその製法をもクレームする。ここで本発明で
いう製法とは、単に高収率で得られた複屈折の最大値と
最小値の差が0.22×10-3以下であるバルーン用パ
リソンを用いてバルーンを作成する方法以外に、低収率
で得られた複屈折の最大値と最小値の差が0.22×1
-3以下のバルーン用パリソンを選別してバルーンを作
成する製法も含まれる。
【0013】更に、二軸延伸ブロー成形する際に、バル
ーンがバルーン用パリソンに対し軸方向に2.0倍以
上、4.0倍以下に延伸され、径方向に2.4倍以上、
3.4倍以下に延伸することにより、更に安定してバル
ーンを製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、ポリアミドエラストマ
ーからなる複屈折の最大値と最小値の差が0.22×1
-3以下であることを特徴とするバルーン用パリソンに
関する。複屈折の最大値と最小値の差が0.22×10
-3よりも大きくなると、二軸延伸時に膨らまない部分が
できたり、膨らんだ途端に破裂したり、また成形できた
としても割れ、ひび、ピンホール、くぼみ、未拡張部分
等の外観不良が発生しやすい。
【0015】本発明では、高収率で得られた複屈折の最
大値と最小値の差が0.22×10 -3以下のバルーン用
パリソンを使用しバルーンを作成する製法以外に、該特
性を有するバルーン用パリソンを低収率で含んで得られ
たバルーン用パリソンから、複屈折の最大値と最小値の
差が0.22×10-3以下となるものを選別してバルー
ンを作成する方法も含む。選別により二軸延伸工程での
成形ロスが低減できるために、生産コスト低減に有効で
ある。
【0016】本発明のバルーン用パリソンの製造方法に
ついては特に限定がないが、押出成形で作成するのが一
般的である。押出成形で本発明のバルーン用パリソンを
作成する場合、バルーン用パリソンの延伸状態を均一に
するためにギアポンプを使用することが望ましい。更に
チューブ内の内腔確保用にエアーを供給する機構として
スパイダー方式を利用することで延伸状態を均一にする
ことが容易となる。これらの方法を用いることで、複屈
折の最大値と最小値の差を小さく抑えることが容易とな
る。
【0017】ここでスパイダー方式とは、通常チューブ
押出時にチューブ内に内腔確保用のエアーを供給する
が、このエアーを押出機内を流動している樹脂内に横切
らせた数本の配管を通して導入する方式のことをいう。
チューブ内の内腔確保用にエアーを供給する他の一般的
な方法としては、押出機内に流動している樹脂自体を螺
旋状に分流させ、この間にエアーラインを流動している
樹脂に導く方法であるスパイラル方式等がある。
【0018】本発明のバルーンを得るためには寸法精度
が高いことが望ましい。寸法精度が高いバルーン用パリ
ソンを成形するにはギアポンプ、バルーン用パリソン外
径を一定値にするように引取速度を調整する外径制御機
構、押出成形中のバルーン用パリソン肉厚を測定する超
音波式オンライン肉厚測定装置を利用することが好適で
ある。
【0019】本発明のバルーンを得るためには、バルー
ン用パリソン中に異物がないことが望ましく、そのよう
なバルーン用パリソンを押出成形で作成するためには押
出時にフィルターを用いることが望ましい。
【0020】以下に本発明で使用するポリアミドエラス
トマーについて説明するが、本発明はこれにより制限さ
れるものではない。本発明で使用するポリアミドエラス
トマーとしては、ハードセグメントとソフトセグメント
からなるブロック共重合体が用いられ、好適にはポリア
ミドからなるハードセグメントと、ポリエーテルからな
るソフトセグメントを用いたブロック共重合体が用いら
れる。更にこのハードセグメントを構成するポリアミド
には、ポリアミド6、6−6、6−10、6−12、1
1、12等が使用できるが、特にポリアミド12が好ま
しい。更にソフトセグメントを構成するポリエーテルに
は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等が使用できるが、
特にポリテトラメチレングリコールが好ましい。一方、
ポリアミドエラストマーの硬度は、バルーンに要求され
る柔軟性によりあらゆる硬度のものが用いられるが、好
適にはショアD硬度で25から72のものが、更には好
適にはショアD硬度で50から72のものが用いられ
る。
【0021】次に複屈折について説明する。プラスチッ
ク成形品中の配向は、成形加工における流動や変形を通
じて形成されるが、これによって様々な性質に異方性が
生じる。その代表例が屈折率の異方性である。光学的異
方性を有する物体において観測される2つの屈折率の差
が複屈折として定義される。複屈折は材料の配向の大き
さの尺度である。複屈折で示される配向は分子配向、結
晶配向、形態配向の総和である。今後バルーン用パリソ
ン上の位置やバルーン用パリソンの向きを記述するため
に、図1に示すバルーン用パリソン1の中心軸2をz方
向、断面円周方向をθ方向、断面円の半径方向をr方
向、バルーン用パリソン中心軸上でr=0となる円柱座
標系を用いて説明する。本発明で言う複屈折とは、図1
に示すz方向と、θ方向との屈折率の差Δn=nz−n
θを示すものとする。
【0022】また、複屈折は試料を透過する光の波長に
よって値が異なる。本発明で言う複屈折とは波長590
nmの光を透過させた場合の複屈折とする。
【0023】複屈折の測定方法としては種々の方法が公
知であり、屈折率測定を経由した方法と、レタデーショ
ンを測定しこれを試料厚みで割って複屈折を算出する方
法とに分類される。
【0024】本発明で定義するところの複屈折はいずれ
の方法を用いて測定しても本発明の効果を阻害すること
はないが、レタデーションを試料厚みで割って算出する
方法が測定の簡便さから有益である。レタデーションを
試料厚みで割って複屈折を算出する場合、試料の厚みが
未知であればレタデーションに加えて厚みも測定する必
要がある。
【0025】レタデーションを測定する方法としては種
々の方法が公知であり、偏光顕微鏡を用いる方法、回転
する偏光板を用いる方法などがあるが、平行ニコル回転
法(平行ニコル状態にした偏光板の間に試料を置き、偏
光板を回転させたときの透過光強度の回転角依存からレ
タデーションを求める方法)が測定の簡便さから有益で
ある。
【0026】試料厚みの測定方法はとくに限定なく、バ
ルーン用パリソン上の特定の点の厚みを測れる方法であ
ればよい。レーザー共焦点式変位計、超音波式厚み計、
切断面を拡大して測定する方法などがあるが、高い測定
精度が得られ、バルーン用パリソンを切断することなく
任意の微小点の肉厚を測定できるという点でレーザー共
焦点式変位計が有益である。
【0027】たとえ完全に軸対称な形状であっても、バ
ルーン用パリソンの複屈折は試料断面円周上の位置によ
り値が異なるのが普通である。すなわち、同一のバルー
ン用パリソン上であってもバルーン用パリソン上の位置
を示すθ座標が異なれば複屈折の値が異なるということ
である。
【0028】複屈折の最大値−最小値は本来、同一バル
ーン用パリソン上の様々なθ(θ=0〜360°)にお
ける複屈折の最大値と最小値の差を意味する。複屈折の
最大値−最小値はバルーン用パリソンの配向の均一性の
指標であり、0に近いほど均一である。複屈折の測定原
理上、バルーン用パリソン中心軸に垂直な向きの光を当
てて測定するために、バルーン用パリソン上の特定の位
置θとその反対側の位置θ+180°を合わせて測定せ
ざるをえない。その結果複屈折の測定値は互いに相対す
る位置の平均値になる。これを分離するためにはバルー
ン用パリソンを中心軸に平行に切断しなければならない
が、これはかなり困難な作業であるために、本発明で言
うところの複屈折の最大値−最小値は、バルーン用パリ
ソンを中心軸に平行に切断せずにθ=0〜180°の範
囲で測定した場合の複屈折の最大値−最小値とする。複
屈折の最大値−最小値をこのように定めたとしても、バ
ルーン用パリソンの配向の均一性の指標となる。
【0029】本発明のバルーンは複屈折の最大値と最小
値の差が0.22×10-3以下であることを特徴とする
バルーン用パリソンを二軸延伸ブロー成形して得られる
ものである。
【0030】図2は、本発明のバルーンの一実施例を示
す概略断面図である。本発明のバルーン3は、圧力流体
の導入により膨張または収縮する直管部4と、この直管
部4の両端と連接し外側に向かうにつれて縮径する近位
側テーパー部5aおよび遠位側テーパー部5bと、これ
らテーパー部5a、5bと連接する円筒上の近位側スリ
ーブ部6aおよび遠位側スリーブ部6bとから構成され
る。
【0031】本発明のバルーンは例えば図3に示す装置
を用いて製造される。すなわちバルーンに成形されるの
に適切な材質、直径、肉厚であるバルーン用パリソン7
を金型8内に導入し、バルーン用パリソンのバルーン成
形部分9の軸方向の応力変化をフォースゲージ10で検
知し、固定部11、12をバルーン用パリソン7を保持
したまま軸方向でかつ各々反対側へスライドテーブル1
3上を移動させ、同時または前後して拡張流体14をバ
ルーン用パリソン内に注入し、これらの操作によりトー
タルとして二軸延伸ブロー成形しバルーンを製造する。
これらの各延伸は別々に行っても、それぞれの段階を更
に多段に分けて行っても良い。
【0032】二軸延伸ブロー成形する際には、バルーン
がバルーン用パリソンに対し軸方向に2.0倍以上、
4.0倍以下に延伸され、径方向に2.4倍以上、3.
4倍以下に延伸されて形成されていることが好ましい。
軸方向の延伸が2.0倍よりも小さいと、押し出しによ
り形状、複屈折が安定的に得られるパリソンからは実用
に対し肉厚のバルーンしか得られず、4.0倍よりも大
きいと、バルーン成形中に破裂することが多くなる。一
方、径方向の延伸が2.4倍よりも小さいと未拡張部分
が残ることが多く均一な外観のバルーンが得られにく
く、3.4倍よりも大きく延伸するとバルーン成形中に
破裂することが多くなる。
【0033】ここで言う軸方向の延伸倍率は、二軸延伸
前に予めバルーン用パリソンに付けておいた目盛りがバ
ルーンの直管部とその両端の外側に向かうにつれて縮径
するテーパー部になった時に何倍に延ばされているかを
測定した値であり、径方向の延伸倍率は、(流体により
バルーンが非延伸状態で拡張された時のバルーンの直
径)/(バルーン用パリソンの直径)で表される値を意
味する。但し、特段の事情がない限り、「流体によりバ
ルーンが非延伸状態で拡張された時のバルーンの直径」
の値は、バルーンを二軸延伸する際に使用した金型の直
径の値で置き換えて使用しても良い。
【0034】なお、本発明のバルーン用パリソンにより
作成されたバルーンを用いたバルーンカテーテルは、人
体のあらゆる体腔、血管に使用でき、更に好ましくは冠
動脈、手足の血管、人造、肝臓の血管などに使用でき
る。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例に基づいて更
に詳細に説明するが、これらは本発明を何ら制限するも
のではない。
【0036】(実施例1)ポリアミド系エラストマーP
EBAX7033SA01(エルフ・アトケム社製)を
ギアポンプ、スパイダ方式のダイ、外径制御機構を備え
た25mm単軸押出機を用いて、引取速度の平均値が3
6m/分となるようにし、設定温度220℃で、内径
0.38mm、外径0.86mmのバルーン用パリソン
を作成した。
【0037】王子計測機器(株)製KOBRA−CCD
を用いて平行ニコル回転法によりバルーン用パリソンの
レタデーションを測定した。バルーン用パリソンが水平
になるようサンプルホルダーに固定し、波長590nm
の鉛直方向の光を当てて測定した。平行ニコル回転法で
は1/2波長の範囲のレタデーションしか測定すること
ができず、レタデーションの値を決定するためには次数
を別途与える必要がある。次数を判断するために、ベレ
ック式コンペンセータ、白色光源、偏光子、検光子を備
えた王子計測機器(株)製簡易レタデーション測定機を
用い、バルーン用パリソンを水平面に置き鉛直方向の白
色光を当ててバルーン用パリソンのレタデーションの大
まかな値を測定した。この測定値を元に次数を判断し、
レタデーションの値を決定した。このようにして得られ
るレタデーションは、バルーン用パリソン中心軸と交わ
る鉛直線で貫かれる上下2つのバルーン用パリソンの部
分のレタデーションの和である。バルーン用パリソンの
レタデーションを測定した後、バルーン用パリソンをサ
ンプルホルダーに固定したまま、バルーン用パリソン中
心軸と交わる鉛直線で貫かれる部分の2か所の肉厚(図
1のt1、t2で示す)をキーエンス製レーザーフォーカ
ス変位計LT8010を用いて測定した。レタデーショ
ンを厚さ(t1+t2)で割って複屈折を算出した。中心
軸を中心としてバルーン用パリソンを0〜180°の範
囲で適当に回転させてサンプルホルダーに固定し、同じ
方法で複屈折を算出した。このようにして10回測定し
た場合の複屈折の最大値−最小値を算出した。この測定
を10本に対して実施したところ、10本全てが0.2
2×10-3以下であり、その平均値は0.15×10-3
であった。
【0038】該バルーン用パリソンを95℃に保持され
た直径2.5mmの金型内で窒素加圧4.1MPa、軸
方向延伸距離60mmで二軸延伸ブロー成形し外径2.
5mm、肉厚20μmのバルーンを作成した(この時の
軸方向の延伸倍率は3.3倍、径方向の延伸倍率は2.
9倍であった)。作成したバルーン10個について外観
検査を行なった。外観検査はバルーン表面に割れ、ひ
び、ピンホール、くぼみ、未拡張部分など外観不良がな
いか検査した。10個全てのバルーンに外観不良はな
く、バルーンの成形収率は100%であった。
【0039】(実施例2)バルーン用パリソンを押し出
して作成する際にギアポンプを使用しなかったこと以外
は実施例1と同様にして、内径0.38mm、外径0.
86mmのバルーン用パリソンを作成した。実施例1と
同様の方法で複屈折の最大値−最小値を算出したとこ
ろ、10本中7本は0.22×10-3以下であり(該7
本の平均値は0.17×10-3であった。)、3本は
0.22×10-3以上であった(該3本の平均値は0.
24×10-3であった。)。該バルーン用パリソンを9
5℃に保持された直径2.5mmの金型内で窒素加圧
4.1MPa、軸方向延伸距離60mmで二軸延伸ブロ
ー成形し外径2.5mm、肉厚20μmのバルーンを作
成した(この時の軸方向の延伸倍率は3.3倍、径方向
の延伸倍率は2.9倍であった)。作成したバルーン1
0個について外観検査を行なった。外観検査の結果、複
屈折の最大値と最小値の差が0.22×10-3以下であ
った7本についてはバルーン表面に割れ、ひび、ピンホ
ール、くぼみ、未拡張部分など外観不良がなかったが、
複屈折の最大値と最小値の差が0.22×10-3以上で
あった3本については3個全てにテーパー部にくびれが
生じた。バルーンの成形収率は70%であった。
【0040】(実施例3)バルーン用パリソンを押し出
して作成する際にチューブ内の内腔確保用にエアーを供
給する機構としてスパイラル機構を有する押出法を使用
したこと以外は実施例1と同様にして、内径0.38m
m、外径0.86mmのバルーン用パリソンを作成し
た。実施例1と同様の方法で複屈折の最大値−最小値を
算出したところ、10本中8本は0.22×10-3以下
であり(該7本の平均値は0.18×10-3であっ
た。)、3本は0.22×10-3以上であった(該3本
の平均値は0.23×10-3であった。)。該バルーン
用パリソンを95℃に保持された直径2.5mmの金型
内で窒素加圧4.1MPa、軸方向延伸距離60mmで
二軸延伸ブロー成形し外径2.5mm、肉厚20μmの
バルーンを作成した(この時の軸方向の延伸倍率は3.
3倍、径方向の延伸倍率は2.9倍であった)。作成し
たバルーン10個について外観検査を行なった。外観検
査の結果、複屈折の最大値と最小値の差が0.22×1
-3以下であった8本についてはバルーン表面に割れ、
ひび、ピンホール、くぼみ、未拡張部分など外観不良が
なかったが、複屈折の最大値と最小値の差が0.22×
10-3以上であった2本については2個全てにテーパー
部にくびれが生じた。バルーンの成形収率は80%であ
った。
【0041】(実施例4)押出時の引取速度を実施例1
に対して高く設定した以外は実施例1と同様の方法で、
内径0.30mm、外径0.70mmのバルーン用パリ
ソンを作成した。実施例1と同様の方法で複屈折の最大
値−最小値を算出したところ、10本全てが0.22×
10-3以下であり、その平均値は0.14×10-3であ
った。該バルーン用パリソンを95℃に保持された直径
2.5mmの金型内で窒素加圧4.1MPa、軸方向延
伸距離60mmで二軸延伸ブロー成形し外径2.5m
m、肉厚20μmのバルーンを作成した(この時の軸方
向の延伸倍率は3.3倍、径方向の延伸倍率は3.6倍
であった)。作成したバルーン10個について外観検査
を行なった。外観検査の結果、6本についてはバルーン
表面に割れ、ひび、ピンホール、くぼみ、未拡張部分な
ど外観不良がなかったが、残りの4本全ては成形中に破
裂した。バルーンの成形収率は60%であった。
【0042】(実施例5)実施例1で作製したバルーン
用パリソンを使用し、95℃に保持された直径2.5m
mの金型内で窒素加圧4.1MPa、軸方向延伸距離1
00mmで二軸延伸ブロー成形し外径2.5mm、肉厚
20μmのバルーンを作成した(この時の軸方向の延伸
倍率は4.8倍、径方向の延伸倍率は2.9倍であっ
た)。作成したバルーン10個について外観検査を行な
った。外観検査の結果、5本についてはバルーン表面に
割れ、ひび、ピンホール、くぼみ、未拡張部分など外観
不良がなかったが、残りの5本全ては成形中に破裂し
た。バルーンの成形収率は50%であった。
【0043】(比較例1)バルーン用パリソンを押し出
して作成する際にギアポンプを使用せず、更にチューブ
内の内腔確保用にエアーを供給する機構としてスパイラ
ル機構を有する押出法を使用したこと以外は実施例1と
同様にして、内径0.38mm、外径0.86mmのバ
ルーン用パリソンを作成した。実施例1と同様の方法で
複屈折の最大値−最小値を算出したところ、10本全て
が0.22×10-3以上であった(該10本の平均値は
0.29×10-3であった。)。該バルーン用パリソン
を95℃に保持された直径2.5mmの金型内で窒素加
圧4.1MPa、軸方向延伸距離60mmで二軸延伸ブ
ロー成形し外径2.5mm、肉厚20μmのバルーンを
作成した(この時の軸方向の延伸倍率は3.3倍、径方
向の延伸倍率は2.9倍であった)。作成したバルーン
10個について外観検査を行なった。外観検査の結果、
2本についてはバルーン表面に割れ、ひび、ピンホー
ル、くぼみ、未拡張部分など外観不良がなかったが、残
りの内4本は成形中に破裂し、更に残りの4本はテーパ
ー部にくびれが存在した。バルーンの成形収率は20%
であった。
【0044】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明によるバルー
ン用パリソンは、複屈折の最大値と最小値の差を小さく
するような条件で成形することによりバルーン成形時の
延伸状態が均一になり、外観、形状が良好なバルーンが
高い収率で得られるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバルーン用パリソンの複屈折測定方法
の説明を補足する図である。
【図2】本発明のバルーン断面図である。
【図3】本発明に関るバルーン成形装置概略図である。
【符号の説明】
1 バルーン用パリソン 2 バルーン用パリソン中心軸 3 バルーン 4 直管部 5a 近位側テーパー部 5b 遠位側テーパー部 6a 近位側スリーブ部 6b 遠位側スリーブ部 7 バルーン用パリソン 8 金型 9 バルーン用パリソンのバルーン成形部分 10 フォースゲージ 11 固定部 12 固定部 13 スライドテーブル 14 拡張流体
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年6月11日(2001.6.1
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアミドエラストマーからなり、複屈折
    の最大値と最小値の差が0.22×10-3以下であるこ
    とを特徴とするバルーン用パリソン。
  2. 【請求項2】ギアポンプを使用した押出法により作成さ
    れた、請求項1記載のバルーン用パリソン。
  3. 【請求項3】チューブ内の内腔確保用にエアーを供給す
    る機構としてスパイダー方式を有する押出法により作成
    された、請求項1または2記載のバルーン用パリソン。
  4. 【請求項4】請求項1から3記載のバルーン用パリソン
    を用い、二軸延伸ブロー成形して製造されることを特徴
    とするバルーンまたはこのバルーンの製造方法。
  5. 【請求項5】二軸延伸ブロー成形する際に、バルーンが
    バルーン用パリソンに対し軸方向に2.0倍以上、4.
    0倍以下に延伸され、径方向に2.4倍以上、3.4倍
    以下に延伸されて形成されていることを特徴とする請求
    項4記載のバルーン、またはこのバルーンの製造方法。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH02165911A (ja) * 1988-12-20 1990-06-26 Mitsui Petrochem Ind Ltd 飽和結晶性ポリエステルの成形方法
JPH1081765A (ja) * 1996-09-06 1998-03-31 Kureha Chem Ind Co Ltd インフレーションフィルム用樹脂及びインフレーションフィルム
JP2000271209A (ja) * 1999-03-26 2000-10-03 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 高柔軟性、高強度を有する薄肉化バルーン及びバルーンカテーテル

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