JPWO2013011821A1 - Esd保護デバイスおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

絶縁信頼性が高く、良好な放電特性を有する、ESD保護デバイスを提供する。互いに対向するように配置された第1および第2の放電電極と、第1および第2の放電電極間に跨るように形成された放電補助電極(18)と、第1および第2の放電電極ならびに放電補助電極(18)を保持する絶縁体基材(12)とを備える、ESD保護デバイスにおいて、放電補助電極(18)が、第1の金属を主成分とするコア部(22)と第2の金属を含む金属酸化物を主成分とするシェル部(23)とからなるコア−シェル構造を有する複数の金属粒子(24)の集合体から構成される。この金属粒子(24)は、金属酸化物を主成分とするシェル部(23)で実質的に完全に覆われた状態であるので、放電時の絶縁信頼性を高くすることができる。複数の金属粒子(24)間はガラス質含有物質(27)で結合されることが好ましい。

Description

この発明は、ESD(Electrostatic Discharge; 静電気放電)保護デバイスおよびその製造方法に関するもので、特に、ESD保護デバイスにおいて静電気放電を促進するために設けられる放電補助電極についての改良に関するものである。
この発明にとって興味ある過電圧保護素子が、たとえば特開2008−85284号公報(特許文献1)に記載されている。
特許文献1には、放電を促進するために設けられる放電補助電極となるべき過電圧保護素子材料として、非導体粉末(たとえば、炭化ケイ素:粒径1〜50μm)と、金属導体粉末(たとえば、銅:粒径0.01〜5μm)と、粘着剤(たとえば、ガラス粉末)とを含むものが記載されている。
また、特許文献1には、過電圧保護素子の製造方法として、所定の割合で非導体粉末と金属導体粉末と粘着剤とを均一に混合させて、材料ペーストを形成する工程と、基板上にその材料ペーストを印刷する工程と、その基板に焼成処理(温度:300〜1200℃)を施す工程とを含むものが記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術には、以下のような解決すべき課題がある。
まず、金属導体粉末の表面が露出しているため、放電時に露出した金属導体同士が結合し、絶縁信頼性が低下することがある。また、非導体粉末として用いられる炭化ケイ素は、絶縁抵抗の比較的低い半導体であるため、絶縁信頼性を向上させることが困難である。
上記のような課題を解決し得るものとして、たとえば国際公開第2009/098944号パンフレット(特許文献2)に記載されたものがある。
特許文献2には、放電補助電極として、無機材料(Al等)によりコートされた導電材料(Cu粉末等)を分散させたものを用いることが記載されている。特許文献2に記載の技術によれば、特許文献1に記載の技術に比べて、導電材料の露出が少ないため、絶縁信頼性を高くすることができる。また、導電材料の含有量を増やしても、導電材料同士の短絡が生じにくいため、導電材料を増やすことによって、放電しやすくすることができ、それによって、ピーク電圧を下げることができる。
しかしながら、特許文献2に記載の技術についても、以下のような解決すべき課題がある。
特許文献2に記載の技術における、「無機材料によりコートされた導電材料」は、特許文献2の段落[0034]および[0094]ならびに図4に記載されているように、無機材料からなる微粒子を導電材料の表面にコートしたものにすぎない。したがって、導電材料の表面を完全に無機材料で覆うのは比較的困難である。また、焼成前の段階で、仮に、導電材料の表面を無機材料で完全に覆っていたとしても、図12に示すように、焼成時に導電材料1が熱膨張した際には、無機材料2で完全に覆いきれなくなり、焼成後は、導電材料1が露出してしまう可能性がある。そのため、絶縁信頼性に関しては、一層の改善が求められるところである。
特開2008−85284号公報 国際公開第2009/098944号パンフレット
そこで、この発明の目的は、上述したような問題を解決し得る、すなわち、絶縁信頼性が高く、また、良好な放電特性を有する、ESD保護デバイスおよびその製造方法を提供しようとすることである。
この発明は、互いに対向するように配置された第1および第2の放電電極と、第1および第2の放電電極間に跨るように形成された放電補助電極と、第1および第2の放電電極ならびに放電補助電極を保持する絶縁体基材とを備える、ESD保護デバイスにまず向けられるものであって、上述した技術的課題を解決するため、放電補助電極が、第1の金属を主成分とするコア部と第2の金属を含む金属酸化物を主成分とするシェル部とからなるコア−シェル構造を有する複数の金属粒子の集合体から構成されていることを特徴としている。
このように、放電補助電極を構成する金属粒子は、金属酸化物を主成分とするシェル部で完全にまたはほぼ完全に覆われた状態であるので、放電時の絶縁信頼性を高くすることができる。
上記複数の金属粒子は、ガラス質含有物質で互いに結合されていることが好ましい。これによって、落下衝撃後のピーク電圧特性の劣化を抑制することができる。
上記第2の金属を含む金属酸化物は、当該金属酸化物のアモルファス成分を含むこともある。この場合には、複数の金属粒子間がシェル部に由来するガラス質含有物質で結合されるため、上記の場合と同様、落下衝撃後のピーク電圧特性の劣化を抑制することができる。
上記シェル部の厚みは100〜350nmであることが好ましい。これによって、高い絶縁信頼性だけでなく、良好な放電特性、特に、より低いピーク電圧を実現することができる。
好ましい実施態様では、第2の金属は、第1の金属よりも酸化されやすいものである。これによって、後述する製造方法を適用して、第1の金属を主成分とするコア部と第2の金属を含む金属酸化物を主成分とするシェル部とからなるコア−シェル構造を有する複数の金属粒子を容易に得ることができる。
上記実施態様において、好ましくは、第1の金属は、銅または銅を主成分とした銅系合金である。これによって、比較的安価にESD保護デバイスを提供することができる。また、銅は比較的高融点であるので、放電時の絶縁信頼性をより向上させることができる。融点が低いと放電時の熱で金属粒子が溶融して焼結し、ショートするおそれがあるからである。
また、上記実施態様において、好ましくは、第2の金属を含む金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウムおよび酸化ニッケルから選ばれる少なくとも1種である。これらの酸化物は、絶縁性が高いため、放電時の絶縁信頼性をより向上させることができる。
なお、コア部は、第1の金属だけでなく、副成分として第2の金属を含むこともある。コア部に第2の金属を含むと、何らかの理由でシェル部が破れた際に、放電時の熱によってシェル部を修復することができる。
この発明に係るESD保護デバイスにおいて、好ましくは、第1および第2の放電電極ならびに放電補助電極は、絶縁体基材の内部に配置され、絶縁体基材は、第1および第2の放電電極間のギャップを配置する空洞を有し、絶縁体基材の表面上に形成されかつ第1および第2の放電電極にそれぞれ電気的に接続される、第1および第2の外部端子電極をさらに備える。これによって、ESD保護デバイスの耐湿性を向上させることができる。
この発明は、また、ESD保護デバイスの製造方法にも向けられる。
この発明に係るESD保護デバイスの製造方法は、第1の金属および第1の金属よりも酸化されやすい第2の金属を含む合金からなる合金粉末を用意する工程と、絶縁体基材を用意する工程と、上記合金粉末を含む未焼成の放電補助電極を絶縁体基材の表面または内部に形成する工程と、放電補助電極上において互いに対向するように配置される第1および第2の放電電極を絶縁体基材の表面または内部に形成する工程と、未焼成の放電補助電極を、第1の金属が酸化されず、第2の金属が酸化される酸素濃度を有する雰囲気下で焼成する工程とを備え、焼成する工程は、合金粉末を構成する各金属粒子において、第2の金属を当該金属粒子の表面に向かって移動させ、表面に達した時点で酸化させて、第2の金属を含む金属酸化物とし、当該金属酸化物をもって、金属粒子におけるシェル部を形成する工程を含むことを特徴としている。
上述の放電補助電極を形成する工程と第1および第2の放電電極を形成する工程とは、いずれが先に実施されてもよい。
上記合金粉末は、好ましくは、アトマイズ法を用いて製造される。アトマイズ法によれば、合金の組成の制御が容易である。本件発明者は、合金を構成する第1の金属と第2の金属との組成比を変えれば、焼成工程によって、第2の金属を含む金属酸化物をもって形成されたシェル部の厚みを制御できるという知見を得ている。また、合金粉末を構成する金属粒子の粒径を変えることによっても、第2の金属を含む金属酸化物をもって形成されたシェル部の厚みを制御できることもわかっている。
前述したように、複数の金属粒子がガラス質含有物質によって互いに結合されている好ましい構造を得ようとする場合、この発明に係るESD保護デバイスの製造方法は、以下のように実施される。
第1の方法は、絶縁体基材がガラス質含有物質を含む場合に適用されるものであり、上記絶縁体基材を用意する工程において、少なくとも焼成後にガラス質含有物質を生成する材料を含む未焼成の絶縁体基材が用意され、焼成する工程において、この未焼成の絶縁体基材を焼結させるとともに、ガラス質含有物質を生成するようにし、このガラス質含有物質で複数の金属粒子間を結合するようにされる。
第2の方法は、ガラスそのものを未焼成の放電補助電極に予め含有させておくことを特徴としており、ガラス質含有物質が用意され、絶縁体基材の表面または内部に形成される未焼成の放電補助電極は、ガラス質含有物質をさらに含むようにされ、焼成する工程において、複数の金属粒子間をガラス質含有物質で結合するようにされる。
第3の方法は、焼成時にガラスを生成する物質を未焼成の放電補助電極に予め含有させておくことを特徴としており、焼成によりガラスを生成するガラス前駆体が用意され、絶縁体基材の表面または内部に形成される未焼成の放電補助電極は、ガラス前駆体をさらに含むようにされ、焼成する工程において、ガラス前駆体からガラスを生成し、このガラスで複数の金属粒子間を結合するようにされる。
第4の方法は、焼成時にシェル部と反応してガラスを生成することを特徴としており、焼成時に、金属粒子のシェル部と反応してガラスを生成する、酸化物、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種のガラス生成物質が用意され、絶縁体基材の表面または内部に形成される未焼成の放電補助電極は、ガラス生成物質をさらに含むようにされ、焼成する工程において、金属粒子のシェル部とガラス生成物質とを反応させてガラスを生成し、このガラスで複数の金属粒子間を結合するようにされる。
第5の方法は、放電補助電極とは別に形成されたガラス層からガラスを供給することを特徴としており、未焼成の放電補助電極に接するように、少なくとも焼成後にガラス質含有物質を生成する材料を含むガラス層を形成し、焼成する工程において、複数の金属粒子間をガラス層で生成するガラス質含有物質で結合するようにされる。
この発明に係るESD保護デバイスの製造方法の好ましい実施形態において、絶縁体基材を用意する工程は、第1および第2のセラミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシートを用意する工程を含む。この場合、未焼成の放電補助電極を形成する工程ならびに第1および第2の放電電極を形成する工程は、第1のセラミックグリーンシート上において実施される。また、この好ましい実施形態では、第1および第2の放電電極間のギャップを覆うように焼失層を形成する工程と、第1のセラミックグリーンシート上に、未焼成の放電補助電極、第1および第2の放電電極ならびに焼失層を覆うように第2のセラミックグリーンシートを積層し、未焼成の絶縁体基材を得る工程と、絶縁体基材の表面上に、第1および第2の放電電極にそれぞれ電気的に接続される、第1および第2の外部端子電極を形成する工程とがさらに実施される。そして、焼成する工程において、セラミックグリーンシートを焼結させて絶縁体基材を得るとともに、焼失層を焼失させることが行なわれる。
この発明に係るESD保護デバイスによれば、繰り返して静電気を印加しても特性の劣化が生じにくく、放電時の絶縁信頼性を高くすることができる。また、金属粒子の含有量を増やしても、金属粒子同士の短絡が生じにくいため、金属粒子を増やすことによって、放電しやすくすることができ、それによって、ピーク電圧を下げることができる。したがって、この発明に係るESD保護デバイスは、半導体装置などの種々の機器または装置の保護のために広く用いることができる。
この発明に係るESD保護デバイスの製造方法によれば、第1の金属が酸化されず、第2の金属が酸化される酸素濃度を有する雰囲気下で焼成工程を実施し、この焼成工程において、合金粉末を構成する各金属粒子において、第2の金属を当該金属粒子の表面に析出させた時点で、第2の金属を酸化させるようにしているので、金属酸化物を主成分とするシェル部で完全にまたはほぼ完全に覆われた状態となった金属粒子を容易に得ることができる。
この発明の第1の実施形態によるESD保護デバイス11を示す断面図である。 図1に示した放電補助電極18において集合体を構成する金属粒子24を模式的に示す断面図である。 図2に示した金属粒子24を得るために用意された金属粒子25において、焼成工程で生じる第2の金属としてのAlの挙動を模式的に示す断面図である。 図1に示した放電補助電極18を拡大して模式的に示す断面図である。 この発明の好ましい製造方法の一例を実施して得られたもので、この発明の第2の実施形態によるESD保護デバイス11aを示す断面図である。 実験例において作製したESD保護デバイス42の製造工程を説明するためのもので、第1のセラミックグリーンシート31上に、未焼成の放電補助電極32を形成した状態を示す平面図である。 実験例において作製したESD保護デバイス42の製造工程を説明するためのもので、図6に示した工程の後、未焼成の第1および第2の放電電極33および34を形成した状態を示す平面図である。 実験例において作製したESD保護デバイス42の製造工程を説明するためのもので、図7に示した工程の後、未焼成の焼失層35を形成した状態を示す平面図である。 実験例において作製したESD保護デバイス42の製造工程を説明するためのもので、図8に示した工程の後、第2のセラミックグリーンシート36を積層した状態を示す断面図である。 実験例において作製したESD保護デバイス42の製造工程を説明するためのもので、図9に示した工程の後、未焼成の外部端子電極38および39を形成した状態を示す断面図である。 実験例において、図10に示した工程の後、焼成工程を実施し、完成したESD保護デバイス42を示す断面図である。 特許文献2に記載の技術が遭遇し得る課題を説明するためのもので、焼成後の導電材料1および無機材料2の状態を模式的に示す断面図である。
図1を参照して、この発明の第1の実施形態によるESD保護デバイス11について説明する。
ESD保護デバイス11は、絶縁体基材12を備えている。絶縁体基材12は、たとえば、ガラスセラミック等の低温焼結セラミック(LTCC)、窒化アルミニウム、アルミナ等の高温焼結セラミック(HTCC)、フェライト等の磁性体セラミックから構成される。絶縁体基材12は、少なくとも上層部13と下層部14とを含む積層構造を有している。
絶縁体基材12の内部であって、上層部13と下層部14との間には、所定のギャップGを隔てて互いに対向するように配置された第1および第2の放電電極16および17と、第1および第2の放電電極16および17間に跨るように形成された放電補助電極18とが設けられている。絶縁体基材12における上記ギャップGが位置する部分は、空洞19とされる。
絶縁体基材12の外表面上には、第1および第2の外部端子電極20および21が形成される。第1および第2の外部端子電極20および21は、それぞれ、前述した第1および第2の放電電極16および17に電気的に接続される。
このようなESD保護デバイス11において、放電補助電極18は、図2に示すように、第1の金属を主成分とするコア部22と第2の金属を含む金属酸化物を主成分とするシェル部23とからなるコア−シェル構造を有する複数の金属粒子24の集合体から構成されている。このように、放電補助電極18を構成する金属粒子24が、コア−シェル構造を有し、金属酸化物を主成分とするシェル部23で完全にまたはほぼ完全に覆われた状態とされると、放電時の絶縁信頼性を高くすることができる。シェル部23は、微粒子が集まった状態ではなく、図2に示すように、膜状に形成されていることに注目すべきである。
図2に示すように、金属粒子24には、絶縁信頼性を実質的に損なわない限り、金属酸化物を主成分とするシェル部23によって覆われない部分、すなわち、欠陥部28がわずかに存在していてもよい。金属粒子24のコア部22の全周囲の長さをL1とし、欠陥部28を除くシェル部23で被覆されたコア部22の周囲の長さをL2としたとき、L2/L1の比率が75%以上のものを、この発明でいう「コア−シェル構造」が達成されたものと定義する。
なお、図2および後述する図4では、金属粒子24は、ほぼ円形の断面を有するように図示されたが、実際には、後述する製造方法において実施される、未焼成の放電補助電極を焼成する工程の結果、より複雑な凹凸がコア部22の表面に形成される。
後述する実験例からわかるように、シェル部の厚みは100〜350nmであることが好ましい。これによって、高い絶縁信頼性だけでなく、良好な放電特性、特に、より低いピーク電圧を実現することができる。おそらく、シェル部の厚みが100nm未満であると、絶縁膜が薄いため、ESD印加時に生じる衝撃でシェル部が部分的に破壊されているか、コア部の第1の金属成分がシェル部に拡散することによってシェル部の絶縁性が劣化すると推察される。また、シェル部の厚みが350nmを超えると、絶縁膜が厚いため、ESD印加時の沿面放電量が低下していると推察される。
第2の金属として、第1の金属よりも酸化されやすいものが用いられると、後述する製造方法を適用して、第1の金属を主成分とするコア部22と第2の金属を含む金属酸化物を主成分とするシェル部23とからなるコア−シェル構造を有する複数の金属粒子24を容易に得ることができる。
たとえば、第1の金属として、銅または銅を主成分とした銅系合金が用いられる。第1の金属として、銅または銅系合金が用いられると、第2の金属としては、たとえば、アルミニウム、ニッケル、ビスマス、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム、マグネシウム、リン、ケイ素、錫などを用いることができる。なお、第1の金属として、銅または銅系金属が用いられ、放電補助電極18が絶縁体基材12と共焼成される場合には、絶縁体基材12はLTCCから構成されることが好ましい。
第1の金属として、その他、銀、アルミニウム、モリブデン、タングステン等を用いることもできる。いずれの場合にしても、第2の金属としては、第1の金属よりも酸化されやすいものを選べばよい。
上記のように、第2の金属として、第1の金属よりも酸化されやすいものが選ばれるが、第2の金属を含む金属酸化物は、特に、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウムおよび酸化ニッケルから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらの酸化物は、絶縁性が高いため、放電時の絶縁信頼性をより向上させることができるからである。
ESD保護デバイス11は、たとえば、次にようにして製造される。
まず、絶縁体基材12となるべき複数のセラミックグリーンシートが用意される。複数のセラミックグリーンシートのうち、第1のセラミックグリーンシートは、絶縁体基材12のたとえば下層部14を形成するためのものであり、第2のセラミックグリーンシートは、同じく上層部13を形成するためのものである。
また、放電補助電極18を形成するためのものであって、第1の金属および第1の金属よりも酸化されやすい第2の金属を含む合金からなる合金粉末が用意される。この合金粉末は、好ましくは、アトマイズ法を用いて製造される。アトマイズ法によれば、合金の組成の制御が容易である。また、アトマイズ法によって製造された合金粉末を用いれば、放電補助電極18に含まれる金属粒子を高充填にすることができる。
次に、第1のセラミックグリーンシート上に、上記合金粉末を含むペーストを用いて、放電補助電極18となるべき未焼成のペースト膜が所定のパターンをもって形成される。この放電補助電極18を形成するためのペーストに、所望の特性を満たす範囲で、たとえばSiCを含有させてもよい。
次に、第1のセラミックグリーンシート上であって、上記未焼成の放電補助電極18としてのペースト膜上において所定のギャップGを隔てて互いに対向するように、第1および第2の放電電極16および17が形成される。放電電極16および17は、たとえば、導電性ペーストを付与することによって形成される。
次に、第1および第2の放電電極16および17間のギャップGを覆うように焼失層が形成される。焼失層は、後述する焼成工程において焼失して、前述した空洞19を絶縁体基材12の内部に残すためのものである。焼失層は、たとえば、樹脂ビーズを含むペーストによって形成される。
なお、上述した放電補助電極18、第1および第2の放電電極16および17ならびに焼失層をそれぞれ形成するために用いるペーストは、直接付与対象物上に付与されても、あるいは、転写法などを用いて付与されてもよい。
次に、第1のセラミックグリーンシート上に、未焼成の放電補助電極18、第1および第2の放電電極16および17ならびに焼失層を覆うように第2のセラミックグリーンシートが積層され、圧着される。これによって、未焼成の絶縁体基材12が得られる。
次に、未焼成の絶縁体基材12の表面上に、第1および第2の外部端子電極20および21が形成される。外部端子電極20および21は、たとえば、導電性ペーストを付与することによって形成される。
次に、焼成工程が実施される。焼成工程は、未焼成の放電補助電極18に含まれる合金粉末を構成する第1の金属が酸化されず、第2の金属が酸化される酸素濃度を有する雰囲気下で実施される。
焼成工程では、セラミックグリーンシートが焼結してなる絶縁体基材12が得られるとともに、放電電極16および17、放電補助電極18ならびに外部端子電極20および21が焼結する。
上述の焼成工程では、放電補助電極18に含まれる合金粉末を構成する各金属粒子において、次のような現象が生じる。合金を構成する第1の金属がCuであり、第2の金属がAlであるとして、図3を参照しながら説明する。図3には、合金粉末を構成する1個の金属粒子25が示されている。
焼成工程を進めると、CuおよびAlからなる金属粒子25において、Alは、矢印で示すように、当該金属粒子25の表面に向かって移動し、表面に達した時点で酸化され、Alとなる。したがって、金属粒子25のシェル部が、Alによって形成される。このような現象からわかるように、金属粒子25のコア部には、第2の金属としてのAlが残ることもある。
上記合金粉末がアトマイズ法を用いて製造されると、合金の組成の制御が容易であることは、前述したとおりであるが、合金を構成する第1の金属と第2の金属との組成比を変えれば、上記焼成工程によって、第2の金属を含む金属酸化物をもって形成されたシェル部の厚みを制御できるということがわかっている。したがって、前述した100〜350nmといったシェル部の好ましい厚みを得るため、たとえば、第1の金属と第2の金属との組成比を制御することが行なわれる。また、金属粒子25の粒径を変えることによっても、第2の金属を含む金属酸化物をもって形成されたシェル部の厚みを制御できることもわかっている。
この焼成工程では、また、焼失層が焼失し、空洞19が絶縁体基材12の内部に形成される。
以上のようにして、ESD保護デバイス11が完成される。
このESD保護デバイス11の放電補助電極18において、好ましくは、図4に示すような構造が実現される。図4において、絶縁体基材12の下層部14に接する状態で放電補助電極18が形成され、かつ、放電補助電極18が、コア部22とシェル部23とからなるコア−シェル構造を有する複数の金属粒子24の集合体から構成されている状態が図示されている。
図4に示すように、放電補助電極18において、複数の金属粒子24は、ガラス質含有物質27で互いに結合されている。これによって、落下衝撃後のピーク電圧特性の劣化を抑制することができる。このように、複数の金属粒子24がガラス質含有物質27によって互いに結合されている構造を得るには、ESD保護デバイス11を製造するにあたって、以下の方法のいずれかが採用される。なお、これらの方法のうち、複数の方法が組み合わされて実施されてもよい。
第1の方法は、絶縁体基材12が、ガラスセラミック等の低温焼結セラミック(LTCC)からなる場合のように、ガラス質含有物質を含む場合に採用される。この場合、絶縁体基材12を用意する工程において、少なくとも焼成後にガラス質含有物質27を生成する材料を含む未焼成の絶縁体基材12が用意され、焼成工程において、この未焼成の絶縁体基材12を焼結させるとともに、ガラス質含有物質27を生成するようにされる。このガラス質含有物質27は、焼成工程において、複数の金属粒子24間を結合する状態となるように、放電補助電極18中へと拡散する。
第2の方法は、ガラスそのものを未焼成の放電補助電極18に予め含有させておく場合に採用される。すなわち、ガラス質含有物質が用意され、未焼成の放電補助電極18を形成するために用いられるペースト中に、このガラス質含有物質が含有される。そして、焼成工程において、ペースト中のガラス質含有物質が流動し、複数の金属粒子24間がガラス質含有物質27で結合された状態とされる。ここで、ガラス質含有物質としては、たとえば、SiO−B−CaO系ガラス、SiO−B−LiO系ガラス、またはSiO−B−Al−LiO−CaO系ガラスなどが用いられる。
第3の方法は、焼成時にガラスを生成する物質を未焼成の放電補助電極18に予め含有させておく場合に採用される。すなわち、焼成によりガラスを生成するガラス前駆体が用意され、未焼成の放電補助電極18を形成するために用いられるペースト中に、ガラス前駆体をさらに含むようにされ、焼成工程において、ガラス前駆体からガラスを生成し、このガラスで複数の金属粒子24間を結合するようにされる。ここで、ガラス前駆体としては、たとえばSiO−BaO−Al−MnO系セラミックが用いられる。
第4の方法は、焼成時にシェル部23と反応してガラスを生成する場合に採用される。すなわち、焼成時に、金属粒子24のシェル部23と反応してガラスを生成する、酸化物、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種のガラス生成物質が用意され、未焼成の放電補助電極18を形成するために用いられるペースト中に、ガラス生成物質をさらに含むようにされ、焼成工程において、金属粒子24のシェル部23とガラス生成物質とを反応させてガラスを生成し、このガラスで複数の金属粒子24間を結合するようにされる。ここで、シェル部23の主成分となる金属酸化物がたとえばAlであるとき、ガラス生成物質としては、たとえば、Al、ZrO、TiOもしくはZnOのような酸化物、NaCOもしくはLiCOのようなアルカリ金属塩、または、BaCOもしくはMgCOのようなアルカリ土類金属塩が用いられる。
第5の方法は、放電補助電極18とは別に形成されたガラス層からガラスを供給する場合に採用される。この第5の方法を、図5を参照しながら説明する。図5には、第5の方法を実施して得られた、この発明の第2の実施形態によるESD保護デバイス11aが示されている。図5において、図1に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図5に示したESD保護デバイス11aは、放電補助電極18と絶縁体基材12との間の界面に沿って、ガラス層26が形成されていることを特徴としている。ESD保護デバイス11aを製造するため、未焼成の放電補助電極18に接するように、ガラス層26が形成される。ガラス層26は、少なくとも焼成後にガラス質含有物質を生成する材料を含むペーストを塗布することによって形成される。焼成工程では、ガラス層26で生成したガラス質含有物質が放電補助電極18中へ拡散し、このガラス質含有物質によって、複数の金属粒子24間が結合される。ここで、ガラス質含有物質としては、たとえば、SiO−B−CaO系ガラス、SiO−B−LiO系ガラス、またはSiO−B−Al−LiO−CaO系ガラスなどが用いられる。
なお、ガラス層26は、ガラス質含有物質の放電補助電極18中への拡散の結果、完成品としてのESD保護デバイス11aでは明瞭に認められないことがある。
上記の方法以外でも、複数の金属粒子24間がガラス質含有物質によって結合された状態を得ることができる場合もある。シェル部23の主成分となる第2の金属を含む酸化物の一部がアモルファス成分となる場合である。たとえば、シェル部の主成分がAlであるとき、このAlの一部がアモルファス成分となり得る。この場合には、複数の金属粒子24間がシェル部23に由来するガラス質含有物質で結合される。
この発明の範囲内において、さらに、以下のような変形例も可能である。
図示の実施形態では、放電電極16および17ならびに放電補助電極18が、絶縁体基材12の内部に配置されたが、絶縁体基材の外表面上に配置されてもよい。
また、放電電極16および17ならびに放電補助電極18が絶縁体基材12の内部に配置される場合であっても、空洞19は、必ずしも形成されていなくてもよい。
また、前述した製造方法では、放電電極16および17ならびに放電補助電極18を焼結させるための焼成と同時に、絶縁体基材12を焼結させるための焼成を実施したが、焼結したセラミックからなる絶縁体基材を予め用意し、この絶縁体基材上に、放電電極および放電補助電極を形成するようにしてもよい。
次に、この発明による効果を確認するために実施した実験例について説明する。
[実験例1]
〈評価試料の作製〉
(1)セラミックグリーンシートの作製
セラミック材料として、Ba、Al、およびSiを主たる成分とする材料を用意した。そして、各材料を所定の組成になるよう調合し、800〜1000℃で仮焼した。得られた仮焼粉末をジルコニアボールミルで12時間粉砕し、セラミック粉末を得た。
次に、このセラミック粉末に、トルエンおよびエキネンを含む有機溶剤を加え、これらを混合した後、さらに、バインダおよび可塑剤を加え、再びこれらを混合することにより、スラリーを得た。
次に、このスラリーをドクターブレード法により成形し、厚さ50μmのセラミックグリーンシートを作製した。ここで作製されたセラミックグリーンシートの1つが、図6ないし図10において、セラミックグリーンシート31として図示され、また、他の1つが、図9および図10において、セラミックグリーンシート36として図示されている。
(2)放電補助電極用ペーストの作製
(2)−1.金属粉末の準備
放電補助電極を形成するために用いられるペーストに含有させるべき金属粉末として、以下の表1に示した金属粉末M−1〜M−19をそれぞれアトマイズ法で作製した。表1に示した「粒度分布」はレーザー回折式粒度分布法により、「比重」は気相置換法により、「組成」はICP-AES法(誘導結合プラズマ発光分析)により求めた。
Figure 2013011821
(2)−2.ガラス粉末の準備
放電補助電極を形成するために用いられるペーストに必要に応じて含有させるべきガラス粉末として、以下の表2に示されたガラス粉末G−1〜G−7をそれぞれ用意した。表2の「Ts」は、示差熱分析によって測定したガラス軟化点であり、「SSA」は、ガス吸着法によって測定した比表面積である。「粒度分布」は、金属粉末の場合と同様の方法により求めたものである。
Figure 2013011821
(2)−3.ガラス前駆体粉末の準備
放電補助電極を形成するために用いられるペーストに必要に応じて含有させるべきガラス前駆体粉末として、以下の表3に示されたガラス前駆体粉末C−1およびC−2をそれぞれ用意した。より詳細には、表3の「SSA」の欄に示す比表面積を有するSiO−BaO−Al−MnOを主成分としたセラミック粉末を、温度720〜780℃で仮焼することにより、ガラス前駆体粉末を作製した。得られた仮焼後のガラス前駆体粉末の比表面積は、表3の「仮焼後のSSA」の欄に示されている。「SSA」は、ガラス粉末の場合と同様の方法により求めたものである。
Figure 2013011821
なお、ガラス前駆体粉末C−1およびC−2がガラスを生成し得ることを確認するため、当該ガラス前駆体粉末の圧粉体を、後述する焼成工程で採用される焼成プロファイルと同じ焼成プロファイルで焼成し、得られた焼結体の断面像についてTEM(透過型電子顕微鏡)観察、電子線回折およびEDS(エネルギー分散型X線分析装置)分析を行なった。その結果、焼結体には、結晶成分とガラス成分とが存在し、ガラス成分は、SiO、BaO、AlおよびMnOを含むガラスであることが確認された。
(2)−4.酸化物粉末の準備
放電補助電極を形成するために用いられるペーストに必要に応じて含有させるべき酸化物粉末として、以下の表4に示された酸化物粉末O−1〜O−6をそれぞれ用意した。表4の「粒度分布」は、金属粉末の場合と同様の方法により求めたものであり、「SSA」は、ガラス粉末の場合と同様の方法により求めたものである。
Figure 2013011821
(2)−5.アルカリ金属塩/アルカリ土類金属塩粉末の準備
放電補助電極を形成するために用いられるペーストに必要に応じて含有させるべきアルカリ金属塩粉末およびアルカリ土類金属塩粉末として、以下の表5に示された金属塩粉末R−1〜R−4をそれぞれ用意した。表5の「粒度分布」は、金属粉末の場合と同様の方法により求めたものである。
Figure 2013011821
(2)−6.有機ビヒクルの準備
放電補助電極を形成するために用いられるペーストにおける上述した金属粉末等を分散させる分散媒となるべき有機ビヒクルとして、重量平均分子量が5×10のエトセル樹脂と重量平均分子量が8×10のアルキッド樹脂とをターピネオールに溶解することによって、有機ビヒクルを得た。有機ビヒクル中において、エトセル樹脂の含有率を9.0重量%、アルキッド樹脂の含有率を4.5重量%、ターピネオールの含有率を86.5重量%とした。
(2)−7.分散処理
次に、上記金属粉末と、上記有機ビヒクルと、必要に応じて、ガラス粉末、ガラス前駆体粉末、酸化物粉末、またはアルカリ金属塩/アルカリ土類金属塩粉末とを、表6〜表9に示す体積比となるように調合し、三本ロールにて分散処理し、放電補助電極用ペーストP−1〜P−58を得た。以下、放電補助電極用ペーストP−1〜P−58を、その組成に応じた分類に従って、より詳細に説明する。
放電補助電極用ペーストP−1〜P−19は、表6に示すように、上記有機ビヒクル中に、表1に示した金属粉末M−1〜M−19のいずれかを分散させてなるものである。
Figure 2013011821
放電補助電極用ペーストP−20〜P−33は、表7に示すように、上記有機ビヒクル中に、表1に示した金属粉末M−2と、表2に示したガラス粉末G−1〜G−7のいずれかと、を分散させてなるものである。
Figure 2013011821
放電補助電極用ペーストP−34〜P−37は、表8に示すように、上記有機ビヒクル中に、表1に示した金属粉末M−2と、表3に示したガラス前駆体粉末C−1およびC−2のいずれかと、を分散させてなるものである。
Figure 2013011821
放電補助電極用ペーストP−38〜P−58は、表9に示すように、上記有機ビヒクル中に、表1に示した金属粉末M−2と、表4に示した酸化物粉末O−1〜O−6いずれかまたは表5に示したアルカリ金属塩/アルカリ土類金属塩粉末R−1〜R−4のいずれかと、を分散させてなるものである。
Figure 2013011821
(3)放電電極用ペーストの作製
平均粒径1μmのCu粉末を40重量%と、平均粒径3μmのCu粉末を40重量%と、エチルセルロースをターピネオールに溶解して作製した有機ビヒクルを20重量%とを調合し、3本ロールにより混合することにより、放電電極用ペーストを作製した。
(4)焼失層用樹脂ビーズペーストの作製
焼成時に焼失して空洞となる焼失層を形成するために樹脂ビーズペーストを作製した。平均粒径1μmの架橋アクリル樹脂ビーズ38重量%と、エチルセルロースをジヒドロターピニルアセテートに溶解して作製した有機ビヒクル62重量%とを調合し、3本ロールにより混合することにより、焼失層用樹脂ビーズペーストを作製した。
(5)外部端子電極用ペーストの作製
平均粒径が約1μmのCu粉末を80重量%と、転移点620℃、軟化点720℃で平均粒径が約1μmのホウケイ酸アルカリ系ガラスフリットを5重量%と、エチルセルロースをターピネオールに溶解して作製した有機ビヒクルを15重量%とを調合し、3本ロールにより混合することにより、外部端子電極用ペーストを作製した。
(6)各ペーストの印刷
まず、図6に示すように、セラミックグリーンシート31の一方主面上に放電補助電極用ペーストを塗布することによって、150μm×100μmの寸法の未焼成の放電補助電極32を形成した。ここで、放電補助電極用ペーストとして、前述した放電補助電極用ペーストP−1〜P−58のいずれかを、表10、表11および表12の「放電補助電極ペースト記号」の欄に示すように用いた。
次いで、セラミックグリーンシート31の上記主面上であって、未焼成の放電補助電極32と一部重なるように、放電電極用ペーストを塗布することによって、図7に示すように、未焼成の第1および第2の放電電極33および34を形成した。未焼成の第1および第2の放電電極33および34は、未焼成の放電補助電極32の上において、20μmのギャップGを隔てて互いに対向するものであり、対向部の幅Wは100μmとした。図7には、その他の部分の寸法も表示されている。
次いで、図8に示すように、未焼成の第1および第2の放電電極33および34のギャップGを覆うようにして焼失層用樹脂ビーズペーストを塗布して、140μm×150μmの寸法の未焼成の焼失層35を形成した。
(7)積層・圧着
上記のように、未焼成の放電補助電極層32、未焼成の放電電極33および34ならびに未焼成の焼失層35を形成した第1のセラミックグリーンシート31の主面上に、図9に示すように、ペーストが塗布されていない第2のセラミックグリーンシート36を複数枚、積層・圧着し、未焼成の絶縁体基材37を得た。この絶縁体基材37は、焼成後の厚みが0.3mmになるようにした。
(8)カットおよび外部電極用ペーストの印刷
上記絶縁体基材37を、焼成後において1.0mm×0.5mmの平面寸法となるように、マイクロカッターにてカットした。なお、図7に示した寸法および図6ないし図9に示したセラミックグリーンシート31等の外形状は、このカット工程の後の段階でのものであると理解すべきである。
次いで、図10に示すように、絶縁体基材37の外表面上に外部電極用ペーストを塗布し、それによって、第1および第2の放電電極33および34とそれぞれ接続される未焼成の第1および第2の外部端子電極38および39を形成した。このようにして、未焼成のESD保護デバイス40を得た。
(9)焼成
上記未焼成のESD保護デバイス40を、980〜1000℃の範囲にある適当な最高温度で焼成し、図11に示すような空洞部41を有するESD保護デバイス42を得た。
焼成にあたっては、焼成炉の雰囲気を、N2/H2/H2Oを用いて制御することによって、表10〜表12の「焼成条件」の欄に示すように、酸素濃度の互いに異なる以下の3つの焼成条件A、BおよびCのいずれかを採用した。
●焼成条件A
銅が酸化せず、アルミニウム、ケイ素、マグネシウムおよびニッケルが酸化する酸素濃度。
●焼成条件B
銅およびニッケルが酸化せず、アルミニウム、ケイ素およびマグネシウムが酸化する酸素濃度。
●焼成条件C
銅、アルミニウム、ケイ素、マグネシウムおよびニッケルが酸化する酸素濃度。
なお、上記各金属が温度T(K)において酸化する酸素分圧は、以下の式により算出した。
・ln(CuPO2)>{-338904+(-33TlogT)+247T}/(8.314T)
・ln(AlPO2)>{-1117993+(-11TlogT)+244T}/(8.314T)
・ln(SiPO2)>{-881150+(-13TlogT)+218T}/(8.314T)
・ln(MgPO2)>{-1207921+(-25TlogT)+284T}/(8.314T)
・ln(NiPO2)>{-489110+197T}/(8.314T)
〈特性評価〉
次に、上述のようにして作製した各試料に係るESD保護デバイスについて、以下の方法で各特性を調べた。
(1)放電補助電極中に含まれる金属粒子構造特性
各ESD保護デバイスを、エポキシ樹脂に埋め、硬化させた。硬化後、研磨によって、長さ方向に延びる辺と厚み方向に延びる辺とによって規定されるLT面を露出させた。なお、研磨は、幅方向寸法の1/2に達するまで行なった。次いで、研磨によって露出した放電補助電極に対して、FIB(収束イオンビーム)加工を行なった。FIB加工によってサンプリングした放電補助電極に対して、TEM(透過型電子顕微鏡)観察および各種金属と酸素についてのEDS(エネルギー分散型X線分析装置)による分析を行なった。このTEM観察およびESD分析から、放電補助電極の金属粒子が金属酸化物のシェル部を有するコア-シェル構造金属粒子であるかの判定を行なった。
表10〜表12の「コア−シェル構造」の欄において、金属酸化物のシェル部が認められたものを「○」と表示し、金属酸化物のシェル部が認められなかったものを「×」と表示した。なお、「コア−シェル構造」についての「○」および「×」の判定基準は、図2を参照して前述したように、金属粒子のコア部の全周囲の長さをL1とし、欠陥部を除くシェル部で被覆されたコア部の周囲の長さをL2としたとき、L2/L1の比率が75%以上のものを「○」と判定し、75%未満のものを「×」と判定するようにした。
さらに、金属酸化物のシェル部が認められたものについて、金属酸化物の種類を分析するとともに、画像解析からシェル部の厚みを算出した。これらの結果が、表10〜表12の「シェル部」における「金属酸化物種」および「厚み」の各欄にそれぞれ示されている。
(2)ガラス質含有物質による結合性
「コア−シェル構造」について「○」と判定された試料について、放電補助電極における複数の金属粒子間がガラス質含有物質で結合されているかを調査した。すなわち、コア−シェル構造を有する、ある特定の金属粒子のシェル部とこれに隣接する金属粒子のシェル部との間に存在する接合部を電子線回折装置により解析し、電子線回折パターンが見られない場合を、金属粒子間がガラス質含有物質で結合されていると判定した。表10〜表12の「ガラス質含有物質との結合性」の欄において、金属粒子間がガラス質含有物質で結合されていると判定したものを「○」と表示し、結合されていないと判定したものを「×」と表示した。
(3)初期ショート特性
各試料に係るESD保護デバイスの外部端子電極間に50Vの直流電圧を印加して、絶縁抵抗を測定した。10Ω以上の絶縁抵抗を示したものを初期ショート特性が良好であると判定し、表10〜表12の「初期ショート」の欄に「○」と表示し、10Ω未満の絶縁抵抗を示したものを初期ショート特性が不良であると判定し、同欄に「×」と表示した。
なお、初期ショート特性が不良と判定されたESD保護デバイスについては、実用に供し得ないと判定し、以降の特性評価(ショート耐性、ピーク電圧特性、落下衝撃後のピーク電圧特性)を実施しなかった。
(4)ショート耐性
各試料に係るESD保護デバイスに対して、0.2kV印加を10回→0.4kV印加を10回→0.6kV印加を10回→1kV印加を10回→2kV印加を10回→4kV印加を10回順次実施した。印加毎に各試料の絶縁抵抗を測定し、1度も108Ω未満の抵抗値が測定されなかったものをショート耐性が最も優れていると判定し、表10〜表12の「ショート耐性」の欄に「◎」と表示し、1度でも10Ω以上108Ω未満の抵抗値が測定されたものをショート耐性がより良好であると判定し、同欄に「○」と表示し、1度でも106Ω未満の抵抗値が測定されたものをショート耐性が不良であると判定し、同欄に「×」と表示した。
(5)ピーク電圧特性
静電気試験ガンを用いて、各試料に係るESD保護デバイスに8kVの静電気を印加した。その際に、オシロスコープで測定される電圧をピーク電圧(Vpeak1)と定義し、ピーク電圧(Vpeak1)が400V未満のものをピーク電圧特性が最も優れていると判定し、表10〜表12の「ピーク電圧」の欄に「◎」と表示し、ピーク電圧(Vpeak1)が400V以上かつ700V未満のものをピーク電圧特性がより良好であると判定し、同欄に「○」と表示し、ピーク電圧(Vpeak1)が700V以上のものをピーク電圧特性が不良であると判定し、同欄に「×」と表示した。
(6)落下衝撃後のピーク電圧特性
各試料に係るESD保護デバイスに対して、地上1.8mの地点から50回垂直落下させた後、上記ピーク電圧(Vpeak1)測定の場合と同様、静電気試験ガンを用いて、ESD保護デバイスに8kVの静電気を印加し、その際に、オシロスコープで測定される電圧を落下衝撃後のピーク電圧(Vpeak2)と定義した。
そして、上記Vpeak1とこのVpeak2との比率:Vpeak2/Vpeak1につき、「1.00≦Vpeak2/Vpeak1≦1.25」となるものを落下衝撃後のピーク電圧特性が特に優れているであると判定し、表10〜表12の「落下衝撃後のピーク電圧」の欄に「◎」と表示し、「1.25<Vpeak2/Vpeak1≦1.50」となるものを落下衝撃後のピーク電圧特性がより良好であると判定し、同欄に「○」と表示し、「Vpeak2/Vpeak1>1.50」となるものを落下衝撃後のピーク電圧特性が劣化しているものと判定し、同欄に「×」と表示した。
(7)総合評価
上記「ショート耐性」、「ピーク電圧」および「落下衝撃後のピーク電圧」の評価において、すべて「◎」と評価された試料については、表10〜表12の「総合評価」の欄に「◎」と表示し、「◎」と「○」とが混在する試料については、同欄に「○」と表示し、「初期ショート」が「×」と評価された試料については、同欄に「×」と表示した。
Figure 2013011821
Figure 2013011821
Figure 2013011821
表10において、試料番号に*を付しているものは、この発明の範囲外の試料である。
この発明の範囲内の試料1〜18および27〜58のESD保護デバイスでは、放電補助電極内の金属粒子構造が金属酸化物をシェル部に有するコア−シェル構造であり、さらに、コア−シェル構造を有する複数の金属粒子間がガラス質含物質で結合されているため、落下衝撃後のピーク電圧特性が「◎」と評価された。
特に、試料2〜5、7、10〜15、18および27〜58のESD保護デバイスでは、放電補助電極内の金属粒子構造が厚み100〜350nmのシェル部を有するコア−シェル構造であるため、ショート耐性とピーク電圧特性が「◎」と評価された。
これらに対して、この発明の範囲外の試料19のESD保護デバイスでは、「放電補助電極ペースト」として「P−19」を用い、この「P−19」は、表6に示すように、合金粉末ではなく、銅粉末を含む「M−19」を用いたため、放電補助電極内の金属粒子構造が金属酸化物をシェル部に有するコア−シェル構造とはなり得ず、初期ショート特性が「×」と評価された。
この発明の範囲外の試料20〜22のESD保護デバイスにおいても、放電補助電極内の金属粒子構造が金属酸化物をシェル部に有するコア−シェル構造でないため、初期ショートが「×」と評価された。これは、焼成時において、CuおよびNiが還元する酸素濃度が適用されたため、NiOのシェル部が形成されなかったことが原因と考えられる。
この発明の範囲外の試料23〜26のESD保護デバイスにおいても、放電補助電極内の金属粒子構造が金属酸化物をシェル部に有するコア−シェル構造でないため、初期ショートが「×」と評価された。これは、焼成時において、Cuが酸化する酸素濃度が適用されたため、金属粒子の導電性が著しく低下したことが原因と考えられる。
[実験例2]
実験例2は、前述の図5に示したガラス層26からのガラスによって、放電補助電極における複数の金属粒子間を結合し得ることを確認するために実施した。なお、実験例2では、ガラスを含有しない、ガラス層に相当する層を形成した試料も比較例として作製したので、「ガラス層」および「ガラス層に相当する層」を、放電補助電極に接する層であるという意味で「接触層」と総称する。
〈評価試料の作製〉
接触層を形成するためのペーストとして、以下の表13に示す組成のペーストS−1およびS−2を用意した。
Figure 2013011821
表13において、「酸化物種」の「O−2」は、表4に示した酸化物「O−2」であり、「ガラス」の「G−6」は、表2に示したガラス「G−6」である。
実験例1における「(6)各ペーストの印刷」の工程において、図6に示したセラミックグリーンシート31の一方主面上に放電補助電極用ペーストを塗布することによって、150μm×100μmの寸法の未焼成の放電補助電極32を形成する前に、セラミックグリーンシート31の一方主面上に上記接触層用ペーストを塗布することによって、150μm×100μmの寸法の未焼成の接触層を形成したことを除いて、実験例1の場合と同様の要領で試料に係るESD保護デバイスを作製した。
〈特性評価〉
上述のようにして作製した各試料に係るESD保護デバイスについて、実験例1の場合と同様の方法で各特性を調べた。その結果が表14に示されている。
Figure 2013011821
試料101のESD保護デバイスでは、放電補助電極内の金属粒子構造が金属酸化物をシェル部に有するコア−シェル構造であり、さらに、シェル部が接触層に含まれる酸化物(Al)粒子と反応してガラス質含有物質を生成するため、コア−シェル構造を有する複数の金属粒子間がガラス質含有物質で結合されており、落下衝撃後のピーク電圧特性が「◎」と評価された。
試料102のESD保護デバイスでも、放電補助電極内の金属粒子構造が金属酸化物をシェル部に有するコア−シェル構造であるが、シェル部のAlの一部がアモルファス成分となるため、コア−シェル構造を有する金属粒子間がシェル部に由来するガラス質含有物質で結合されるため、落下衝撃後のピーク電圧特性が「○」と評価された。
試料103のESD保護デバイスでは、放電補助電極内の金属粒子構造が金属酸化物をシェル部に有するコア−シェル構造であり、接触層のガラスが放電補助電極内部に拡散することで、コア−シェル構造を有する複数の金属粒子間がガラス質含有物質で結合されているため、落下衝撃後のピーク電圧特性が「◎」と評価された。
11,11a,42 ESD保護デバイス
12 絶縁体基材
16,17 放電電極
18 放電補助電極
19,41 空洞
20,21 外部端子電極
22 コア部
23 シェル部
24,25 金属粒子
26 ガラス層
27 ガラス質含有物質
31,36 セラミックグリーンシート
32 未焼成の放電補助電極
33,34 未焼成の放電電極
35 未焼成の焼失層
37 未焼成の絶縁体基材
38,39 未焼成の外部端子電極
40 未焼成のESD保護デバイス
G ギャップ

Claims (17)

  1. 互いに対向するように配置された第1および第2の放電電極と、
    前記第1および第2の放電電極間に跨るように形成された放電補助電極と、
    前記第1および第2の放電電極ならびに前記放電補助電極を保持する絶縁体基材と
    を備え、
    前記放電補助電極は、第1の金属を主成分とするコア部と第2の金属を含む金属酸化物を主成分とするシェル部とからなるコア−シェル構造を有する複数の金属粒子の集合体から構成されている、
    ESD保護デバイス。
  2. 前記複数の金属粒子の集合体は、複数の前記金属粒子間を結合するガラス質含有物質を含む、請求項1に記載のESD保護デバイス。
  3. 前記第2の金属を含む前記金属酸化物は、当該金属酸化物のアモルファス成分を含む、請求項1または2に記載のESD保護デバイス。
  4. 前記シェル部の厚みが100〜350nmである、請求項1ないし3のいずれかに記載のESD保護デバイス。
  5. 前記第2の金属は、前記第1の金属よりも酸化されやすい、請求項1ないし4のいずれかに記載のESD保護デバイス。
  6. 前記第1の金属は、銅または銅を主成分とした銅系合金である、請求項5に記載のESD保護デバイス。
  7. 前記第2の金属を含む前記金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウムおよび酸化ニッケルから選ばれる少なくとも1種である、請求項5または6に記載のESD保護デバイス。
  8. 前記コア部は、副成分として前記第2の金属を含む、請求項5ないし7のいずれかに記載のESD保護デバイス。
  9. 前記第1および第2の放電電極ならびに前記放電補助電極は、前記絶縁体基材の内部に配置され、前記絶縁体基材は、前記第1および第2の放電電極間のギャップを配置する空洞を有し、前記絶縁体基材の表面上に形成されかつ前記第1および第2の放電電極にそれぞれ電気的に接続される、第1および第2の外部端子電極をさらに備える、請求項1ないし8のいずれかに記載のESD保護デバイス。
  10. 第1の金属および前記第1の金属よりも酸化されやすい第2の金属を含む合金からなる合金粉末を用意する工程と、
    絶縁体基材を用意する工程と、
    前記合金粉末を含む未焼成の放電補助電極を前記絶縁体基材の表面または内部に形成する工程と、
    前記放電補助電極上において互いに対向するように配置される第1および第2の放電電極を前記絶縁体基材の表面または内部に形成する工程と、
    前記未焼成の放電補助電極を、前記第1の金属が酸化されず、前記第2の金属が酸化される酸素濃度を有する雰囲気下で焼成する工程と
    を備え、
    前記焼成する工程は、前記合金粉末を構成する各金属粒子において、前記第2の金属を当該金属粒子の表面に向かって移動させ、表面に達した時点で酸化させて、前記第2の金属を含む金属酸化物とし、当該金属酸化物をもって、前記金属粒子におけるシェル部を形成する工程を含む、
    ESD保護デバイスの製造方法。
  11. 前記合金粉末を用意する工程は、アトマイズ法を用いて前記合金粉末を製造する工程を含む、請求項10に記載のESD保護デバイスの製造方法。
  12. 前記絶縁体基材を用意する工程は、少なくとも焼成後にガラス質含有物質を生成する材料を含む未焼成の絶縁体基材を用意する工程を含み、
    前記焼成する工程は、前記未焼成の絶縁体基材を焼結させるとともに、前記ガラス質含有物質を生成する工程と、複数の前記金属粒子間を前記絶縁体基材において生成した前記ガラス質含有物質で結合する工程とを含む、
    請求項10または11に記載のESD保護デバイスの製造方法。
  13. ガラス質含有物質を用意する工程をさらに備え、
    前記未焼成の放電補助電極を絶縁体基材の表面または内部に形成する工程において形成される前記未焼成の放電補助電極は、前記ガラス質含有物質をさらに含み、
    前記焼成する工程は、複数の前記金属粒子間を前記ガラス質含有物質で結合する工程を含む、
    請求項10または11に記載のESD保護デバイスの製造方法。
  14. 焼成によりガラスを生成するガラス前駆体を用意する工程をさらに備え、
    前記未焼成の放電補助電極を絶縁体基材の表面または内部に形成する工程において形成される前記未焼成の放電補助電極は、前記ガラス前駆体をさらに含み、
    前記焼成する工程は、前記ガラス前駆体からガラスを生成する工程と、複数の前記金属粒子間を前記ガラス前駆体から生成した前記ガラスで結合する工程とを含む、
    請求項10または11に記載のESD保護デバイスの製造方法。
  15. 焼成時に、前記金属粒子の前記シェル部と反応してガラスを生成する、酸化物、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種のガラス生成物質を用意する工程をさらに備え、
    前記未焼成の放電補助電極を絶縁体基材の表面または内部に形成する工程において形成される前記未焼成の放電補助電極は、前記ガラス生成物質をさらに含み、
    前記焼成する工程は、前記金属粒子の前記シェル部と前記ガラス生成物質とを反応させてガラスを生成する工程と、複数の前記金属粒子間を前記シェル部と前記ガラス生成物質との反応によって生成した前記ガラスで結合する工程とを含む、
    請求項10または11に記載のESD保護デバイスの製造方法。
  16. 前記未焼成の放電補助電極に接するように、少なくとも焼成後にガラス質含有物質を生成する材料を含むガラス層を形成する工程をさらに備え、
    前記焼成する工程は、複数の前記金属粒子間を前記ガラス層で生成する前記ガラス質含有物質で結合する工程を含む、
    請求項10または11に記載のESD保護デバイスの製造方法。
  17. 前記絶縁体基材を用意する工程は、第1および第2のセラミックグリーンシートを含む複数のセラミックグリーンシートを用意する工程を含み、
    前記未焼成の放電補助電極を形成する工程ならびに前記第1および第2の放電電極を形成する工程は、前記第1のセラミックグリーンシート上において実施され、
    前記第1および第2の放電電極間のギャップを覆うように焼失層を形成する工程と、
    前記第1のセラミックグリーンシート上に、前記未焼成の放電補助電極、前記第1および第2の放電電極ならびに前記焼失層を覆うように前記第2のセラミックグリーンシートを積層し、未焼成の前記絶縁体基材を得る工程と、
    前記絶縁体基材の表面上に、前記第1および第2の放電電極にそれぞれ電気的に接続される、第1および第2の外部端子電極を形成する工程と
    をさらに備え、
    前記焼成する工程は、前記セラミックグリーンシートを焼結させて前記絶縁体基材を得る工程および前記焼失層を焼失させる工程を含む、
    請求項10ないし16のいずれかに記載のESD保護デバイスの製造方法。
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