JPWO2013005267A1 - デルタシグマ変調器、並びに、これを備えた受信装置および無線通信装置 - Google Patents

デルタシグマ変調器、並びに、これを備えた受信装置および無線通信装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2013005267A1
JPWO2013005267A1 JP2013522376A JP2013522376A JPWO2013005267A1 JP WO2013005267 A1 JPWO2013005267 A1 JP WO2013005267A1 JP 2013522376 A JP2013522376 A JP 2013522376A JP 2013522376 A JP2013522376 A JP 2013522376A JP WO2013005267 A1 JPWO2013005267 A1 JP WO2013005267A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
circuit
quantizer
delta
sigma modulator
digital
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013522376A
Other languages
English (en)
Inventor
陽介 三谷
陽介 三谷
松川 和生
和生 松川
幸嗣 小畑
幸嗣 小畑
道正 志郎
志郎 道正
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2013522376A priority Critical patent/JPWO2013005267A1/ja
Publication of JPWO2013005267A1 publication Critical patent/JPWO2013005267A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M3/00Conversion of analogue values to or from differential modulation
    • H03M3/30Delta-sigma modulation
    • H03M3/39Structural details of delta-sigma modulators, e.g. incremental delta-sigma modulators
    • H03M3/412Structural details of delta-sigma modulators, e.g. incremental delta-sigma modulators characterised by the number of quantisers and their type and resolution
    • H03M3/422Structural details of delta-sigma modulators, e.g. incremental delta-sigma modulators characterised by the number of quantisers and their type and resolution having one quantiser only
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M3/00Conversion of analogue values to or from differential modulation
    • H03M3/30Delta-sigma modulation
    • H03M3/39Structural details of delta-sigma modulators, e.g. incremental delta-sigma modulators
    • H03M3/436Structural details of delta-sigma modulators, e.g. incremental delta-sigma modulators characterised by the order of the loop filter, e.g. error feedback type
    • H03M3/438Structural details of delta-sigma modulators, e.g. incremental delta-sigma modulators characterised by the order of the loop filter, e.g. error feedback type the modulator having a higher order loop filter in the feedforward path
    • H03M3/44Structural details of delta-sigma modulators, e.g. incremental delta-sigma modulators characterised by the order of the loop filter, e.g. error feedback type the modulator having a higher order loop filter in the feedforward path with provisions for rendering the modulator inherently stable
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B1/38Transceivers, i.e. devices in which transmitter and receiver form a structural unit and in which at least one part is used for functions of transmitting and receiving
    • H04B1/40Circuits
    • H04B1/44Transmit/receive switching
    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03MCODING; DECODING; CODE CONVERSION IN GENERAL
    • H03M3/00Conversion of analogue values to or from differential modulation
    • H03M3/30Delta-sigma modulation
    • H03M3/39Structural details of delta-sigma modulators, e.g. incremental delta-sigma modulators
    • H03M3/436Structural details of delta-sigma modulators, e.g. incremental delta-sigma modulators characterised by the order of the loop filter, e.g. error feedback type
    • H03M3/438Structural details of delta-sigma modulators, e.g. incremental delta-sigma modulators characterised by the order of the loop filter, e.g. error feedback type the modulator having a higher order loop filter in the feedforward path
    • H03M3/454Structural details of delta-sigma modulators, e.g. incremental delta-sigma modulators characterised by the order of the loop filter, e.g. error feedback type the modulator having a higher order loop filter in the feedforward path with distributed feedback, i.e. with feedback paths from the quantiser output to more than one filter stage

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)
  • Amplifiers (AREA)

Abstract

デルタシグマ変調器は、演算増幅器(104)を有する積分器を備えたフィルタ回路(100)と、フィルタ回路(100)の出力部と量子化器(101)の入力部との間に接続された第1抵抗素子(201)を含む第1の加算回路(120)と、第2抵抗素子(202)を含む第1のフィードフォワード回路(121)、および量子化器(101)によって量子化されたデジタル出力信号をアナログ信号として量子化器(101)の入力部にフィードバックする第1のフィードバック回路(103)のうち、少なくともいずれか一方を有する第2の加算回路(123)とを備えている。そして、第1の加算回路(120)および第1のフィードバック回路(103)のうち、少なくともいずれか一方が位相補償手段(300)を備えている。

Description

本発明は、デルタシグマ変調器、並びに、これを備えた受信装置および無線通信装置に関するものであり、特に、演算増幅器を用いた積分器を有するデルタシグマ変調器に関するものである。
連続時間型デルタシグマ変調器のループフィルタ(フィルタ回路)には、一般的に、演算増幅器を用いた積分器の縦続接続によって構成されたActive-RC型フィルタや、電流電圧変換アンプ(OTA:Operational Transconductance Amplifier)と容量素子とを用いて構成される積分器を縦続接続したgm−C型フィルタが採用されている。
一般的に、演算増幅器を用いた積分器によって構成されたループフィルタ(フィルタ回路)の出力部と量子化器の入力部との間のノードには、アナログ入力信号もしくは縦続接続された積分器の少なくとも一段の出力信号からのフィードフォワード信号、または量子化器のデジタル出力信号をデジタルアナログ変換したフィードバック信号(アナログ信号)が加算される。この量子化器の入力部への信号加算の手段としては、演算増幅器と抵抗素子とを用いて信号を加算する方法、および抵抗素子のみを用いて信号を加算する方法等が知られている。
非特許文献1では、演算増幅器を用いた積分器を縦続接続した連続時間型デルタシグマ変調器において、演算増幅器と抵抗素子とを用いて量子化器の入力部に信号を加算する技術が開示されている。
非特許文献2では、抵抗素子のみを用いて量子化器の入力部に信号を加算する5次の連続時間型デルタシグマ変調器に関する技術が開示されている。
また、特許文献1では、消費電力を抑えつつ位相補償を実現したgm−C型のフィルタ回路およびそれを用いたデルタシグマA/D(Analog to Digital)変換器に関する技術が開示されている。
特許第4567420号公報
Lukas Dorrer, 他3名, "A 10-bit, 4mW continuous-time sigma-delta ADC for UMTS in a 0.12μm CMOS process", Circuits and Systems, 2003. ISCAS '03., 25-28 May 2003, p.I-1057-1060 vol.1 Kazuo Matsukawa, 他5名, "A fifth-order continuous-time delta-sigma modulator with single-opamp resonator", IEEE JSSC, vol.45, no.4, Apr. 2010, p.697-706
しかしながら、非特許文献1のように演算増幅器と抵抗素子とを用いて量子化器の入力部に信号を加算する構成において、デルタシグマ変調器の精度を高めるためには、信号加算用の演算増幅器から出力する信号の精度を高める必要がある。すなわち、信号加算用の演算増幅器には、誤差をできるだけ抑制した信号を出力することが求められる。このため、信号加算用の演算増幅器の消費電力は、他の演算増幅器の何倍もの電力になり、同時に、回路面積の増加を伴う。
これに対して、非特許文献2のように、抵抗素子のみを用いて量子化器の入力部に信号を加算する構成においては、信号加算用の演算増幅器が不要であり、この信号加算用の演算増幅器による消費電力および回路面積の増加を抑制することができる。
図11は、抵抗素子のみを用いて加算回路を構成した1次のデルタシグマ変調器の構成例を示している。
図11のデルタシグマ変調器は、入力端子N600、フィルタ回路600、量子化器601、デジタルアナログ変換器(DAC:Digital to Analog Converter)602,603、抵抗素子701,702、および反転素子900を備えている。ここで、容量820は量子化器601の入力ノードN601の寄生容量を示している。フィルタ回路600は、演算増幅器604、抵抗素子700、および容量素子801を備えた積分器を備えている。
入力端子N600から入力されたアナログ入力信号は、フィルタ回路600および抵抗素子701を介して量子化器601に入力される。量子化器601によって量子化されたデジタル出力信号は、デジタルアナログ変換器602によって、アナログ信号としてフィルタ回路600にフィードバックされるとともに、デジタルアナログ変換器603によって、アナログ信号として量子化器601の入力部(ノードN601)にフィードバックされる。一方で、アナログ入力信号は、反転素子900および抵抗素子702を介して量子化器601の入力部に加算される。
ここで、デルタシグマ変調器は負帰還ループであるため、演算増幅器604の有限ゲイン帯域幅が低い場合、ループフィルタ(フィルタ回路600)全体の位相余裕が不足し、デルタシグマ変調器の安定性が低下する。加えて、図11のような抵抗素子のみを用いて信号を加算する構成は、抵抗素子701およびノードN601の寄生容量820によるポール(極)が生じ、デルタシグマ変調器の安定性を低下させる。
図12(a)は図11に示したデルタシグマ変調器に係る振幅および位相の周波数特性の一例を示した図である。図12(a)において、上図は振幅の周波数特性を示しており、下図は位相の周波数特性を示している(後述する図12(b)、図15についても同様)。また、図内のp1は演算増幅器604のポール周波数を示しており、pRCは量子化器601の入力部に接続された、抵抗素子701による加算回路のポール周波数を示している。
図12(a)において、図11に示したデルタシグマ変調器は、寄生容量820、抵抗素子701,702、および演算増幅器604の有限ゲイン帯域幅等の影響によって、位相余裕が45度以下となっている(矢印A)。すなわち、デルタシグマ変調器は安定条件を満たしておらず、回路が発振する可能性がある。
図13(a),(b)は図11に示したデルタシグマ変調器に係るスペクトル例およびノイズ伝達関数の極零配置例をそれぞれ示している。図13(b)に示すように、極p10がz平面における単位円の外部にあり、この図からも図11に示したデルタシグマ変調器は、安定条件を満たしていないことがわかる。
この対策として、演算増幅器604の有限ゲイン帯域幅を高める方法が考えられる。有限ゲイン帯域幅は、例えば演算増幅器604の出力段の電流を増加させることにより高めることができる。
図12(b)は図11に示したデルタシグマ変調器において、演算増幅器604の有限ゲイン帯域幅を10倍にしたときの振幅および位相の周波数特性の一例を示した図である。図12(b)において、実線は演算増幅器604の有限ゲイン帯域幅を10倍にしたときの周波数特性の一例を示した図であり、破線は図12(a)に示した元の周波数特性である。演算増幅器604の有限ゲイン帯域幅を10倍にしたことに伴い、演算増幅器604のポール周波数はp1からp1’に変化している。
図12(b)に示すように、有限ゲイン帯域幅を10倍に高めることにより、高周波領域における位相が戻され、位相余裕が45度以下(矢印A)から45度以上(矢印B)へと改善されている。従って、デルタシグマ変調器は安定条件を満たすことができる。
図14(a),(b)は演算増幅器604の有限ゲイン帯域幅を10倍にしたときの図11のデルタシグマ変調器に係るスペクトルの一例およびノイズ伝達関数の極零配置の一例をそれぞれ示している。図14(b)に示すように、極が全てz平面における単位円内に入っており、この図からもデルタシグマ変調器は安定条件を満たしていることが分かる。
図15は2次のデルタシグマ変調器における振幅および位相の周波数特性の一例を示している。図15において、破線は演算増幅器の有限ゲイン帯域幅を変化させる前の周波数特性であり、実線は演算増幅器の有限ゲイン帯域幅を10倍に増加させた場合の周波数特性を示している。図12(b)と同様に図15では、演算増幅器の有限ゲイン帯域幅を10倍としたことに伴い、ポール周波数がp1からp1’に変化している。そして、図15に示すように、2次のデルタシグマ変調器においても有限ゲイン帯域幅を10倍に高めることにより、位相余裕が45度以下(矢印A)から45度以上(矢印B)へと改善されている。これにより、デルタシグマ変調器は安定条件を満たすことができる。
上述のように、抵抗素子のみを用いて量子化器601の入力部に信号を加算する構成において、演算増幅器604の有限ゲイン帯域幅を高めることによってデルタシグマ変調器の安定性を保つことができる。しかしながら、この場合にも、演算増幅器604の消費電流および回路面積を増加させる必要が生じてしまう。
また、更なるデルタシグマ変調器の精度を高める場合、量子化器601の高精度化(ビット数の増加)、および量子化器601の入力部に接続されているデジタルアナログ変換器603の高精度化等が必要となる。これにより、寄生容量820が更に増加することが考えられ、図11の構成に係るデルタシグマ変調器の安定性は更に著しく低下する。すると、演算増幅器604の電流を増加させるだけでは位相余裕の低下を補償できず、デルタシグマ変調器は安定条件を満たせない可能性がでてくる。このため、量子化器601およびデジタルアナログ変換器603の分解能を上げることができなくなり、すなわちデルタシグマ変調器の精度を高めることが困難となる。
上記の点に鑑み、本発明は、演算増幅器に高い有限ゲイン帯域幅を必要とせず、消費電力および回路面積(回路コスト)を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器を提供することを目的とする。
本発明の第1態様では、デルタシグマ変調器は、演算増幅器を用いた積分器を少なくとも1つ備えたフィルタ回路と、前記フィルタ回路の出力信号を量子化する量子化器と、前記量子化器のデジタル出力信号をデジタルアナログ変換し、前記フィルタ回路にアナログ信号としてフィードバックする第1のデジタルアナログ変換器と、前記フィルタ回路の出力部と前記量子化器の入力部との間に設けられ、第1抵抗素子を含む受動素子によって構成された第1の加算回路と、前記フィルタ回路の入力部と前記量子化器の入力部とを第2抵抗素子を介して接続する第1のフィードフォワード回路、および前記量子化器のデジタル出力信号を前記量子化器の入力部にアナログ信号としてフィードバックする第1のフィードバック回路のうち、少なくともいずれか一方を有する第2の加算回路とを備えている。そして、前記第1の加算回路および前記第1のフィードバック回路のうち、少なくともいずれか一方が位相補償手段を備えている。
この態様によると、デルタシグマ変調器は、第1の加算回路および第1のフィードバック回路のうち、少なくともいずれか一方が位相補償手段を備えている。これにより、量子化器の入力部における寄生容量、第1および第2の加算回路、並びに演算増幅器の有限ゲイン帯域幅の影響等による位相余裕の低下を補償することができ、安定条件を満たすことができる。このとき、デルタシグマ変調器は、受動素子によって第1の加算回路を構成しているため、信号加算用の演算増幅器を備えていない。また、位相補償手段を第1の加算回路および第1のフィードバック回路のうち、少なくともいずれか一方が備えているため、演算増幅器の有限ゲイン帯域幅を高める必要もない。これにより、消費電力および回路面積(回路コスト)を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器を実現することができる。
本発明の第2態様では、デルタシグマ変調器は、演算増幅器を用いた積分器を、複数段、縦続に接続したフィルタ回路と、前記フィルタ回路の出力信号を量子化する量子化器と、前記量子化器のデジタル出力信号をデジタルアナログ変換し、前記フィルタ回路にアナログ信号としてフィードバックする第1のデジタルアナログ変換器と、前記フィルタ回路の出力部と前記量子化器の入力部との間に設けられ、第1抵抗素子を含む受動素子によって構成された第1の加算回路と、前記フィルタ回路の入力部と前記量子化器の入力部とを第2抵抗素子を介して接続する第1のフィードフォワード回路、前記量子化器のデジタル出力信号を前記量子化器の入力部にアナログ信号としてフィードバックする第1のフィードバック回路、および複数の前記積分器のうち、少なくとも1つの出力信号を、受動素子を介してフィードフォワードした第2のフィードフォワード回路のうち、少なくともいずれか1つを有する第2の加算回路とを備えている。そして、前記第1の加算回路、前記第1のフィードバック回路、および前記第2のフィードフォワード回路のうち、少なくともいずれか1つが位相補償手段を備えている。
この態様によると、デルタシグマ変調器は、第1の加算回路、第1のフィードバック回路、および第2のフィードフォワード回路のうち、少なくともいずれか1つが位相補償手段を備えている。これにより、第1態様と同様に位相余裕の低下を補償することができ、デルタシグマ変調器は安定条件を満たすことができる。また、第1態様と同様にデルタシグマ変調器は信号加算用の演算増幅器を備えておらず、演算増幅器の有限ゲイン帯域幅を高める必要もない。これにより、消費電力および回路面積(回路コスト)を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器を実現することができる。
そして、第1または第2態様のデルタシグマ変調器の前記第1の加算回路は、前記位相補償手段として、前記第1抵抗素子に並列に接続された容量素子を備えているのが好ましい。
これにより、第1の加算回路は、第1抵抗素子と容量素子とが並列接続された回路、すなわち受動素子によって構成され、かつ、位相補償手段を備えた回路を有している。これにより、デルタシグマ変調器は信号加算用の演算増幅器を用いることなく加算回路を実現することができるとともに、第1抵抗素子に並列に接続された容量素子によって位相余裕の低下を補償することができ、安定条件を満たすことができる。これにより、消費電力および回路面積(回路コスト)を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器を実現することができる。
本発明の第3態様では、デルタシグマ変調器は、演算増幅器を用いた積分器を少なくとも1つ備えたフィルタ回路と、前記フィルタ回路の出力信号を量子化する量子化器と、前記量子化器のデジタル出力信号をデジタルアナログ変換し、前記フィルタ回路にアナログ信号としてフィードバックする第1のデジタルアナログ変換器と、前記フィルタ回路の出力部と前記量子化器の入力部との間に設けられ、第1抵抗素子を含む受動素子によって構成された第1の加算回路と、前記量子化器のデジタル出力信号をデジタルアナログ変換し、前記量子化器の入力部にアナログ信号としてフィードバックする第2のデジタルアナログ変換器と、前記量子化器の出力部と前記第2のデジタルアナログ変換器の入力部との間に設けられたハイパスフィルタとを備えている。
この態様によると、量子化器によって量子化されたデジタル出力信号に含まれる量子化前のアナログ信号の高周波成分のみをハイパスフィルタによって通過させ、第2のデジタルアナログ変換器によってデジタルアナログ変換し、アナログ信号として量子化器の入力部に加算することができる。これにより、位相余裕の低下を補償することができ、デルタシグマ変調器は安定条件を満たすことができる。また、デジタルのハイパスフィルタを用いるため、アナログ回路によってハイパスフィルタを実現する場合と比較して、消費電力および回路面積(回路コスト)を抑制することができる。これにより、消費電力および回路面積(回路コスト)を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器を実現することができる。
本発明の第4態様では、デルタシグマ変調器は、演算増幅器を用いた積分器を少なくとも1つ備えたフィルタ回路と、前記フィルタ回路の出力信号を量子化する量子化器と、前記量子化器のデジタル出力信号をデジタルアナログ変換し、前記フィルタ回路にアナログ信号としてフィードバックする第1のデジタルアナログ変換器と、前記フィルタ回路の出力部と前記量子化器の入力部との間に設けられた第1抵抗素子と、前記フィルタ回路の入力部と前記量子化器の入力部とを第2抵抗素子を介して接続する第1のフィードフォワード回路と、前記第1抵抗素子に並列に接続された容量素子とを備えている。
この態様によると、デルタシグマ変調器は、受動素子である第1抵抗素子および第2抵抗素子による加算回路を有しており、信号加算用の演算増幅器を備えていない。また、位相補償手段としての容量素子が第1抵抗素子と並列に接続されているため、演算増幅器の有限ゲイン帯域幅を高める必要もない。これにより、消費電力および回路面積(回路コスト)を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器を実現することができる。
本発明の第5態様では、受信装置は、アンテナと、請求項1から9のいずれか1項に記載のデルタシグマ変調器を有しており、前記アンテナからの受信信号の信号処理を行う受信部とを備えている。
本発明の第6態様では、無線通信装置は、アンテナと、請求項1から9のいずれか1項に記載のデルタシグマ変調器を有しており、前記アンテナからの受信信号の信号処理を行う受信部と、送信信号を変調する送信部と、前記受信部および前記送信部と前記アンテナとの間に設けられ、前記アンテナから前記受信部への前記受信信号の供給と、前記送信部から前記アンテナへの前記送信信号の供給とを切替える送受切替部とを備えている。
この第5および第6態様によると、低消費電力かつ低コストを実現しつつ、高品質な音声および映像の受信ができる受信装置、および高品質な音声および映像の送受信ができる無線通信装置を実現することができる。
本発明によれば、量子化器の入力部における寄生容量、第1および第2の加算回路、並びに演算増幅器の有限ゲイン帯域幅の影響等に起因する高周波領域における位相遅延の補償を、加算用の演算増幅器の追加および積分器の演算増幅器の有限ゲイン帯域幅を高めることを行わずに実現することができる。これにより、消費電力および回路面積(回路コスト)を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器、並びにこれを備えた受信装置および無線通信装置を実現することができる。
第1の実施形態に係るデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。 第1の実施形態に係るデルタシグマ変調器の振幅および位相の周波数特性例を示す図である。 第1の実施形態に係るデルタシグマ変調器のスペクトル例およびノイズ伝達関数の極零配置例を示す図である。 第2の実施形態に係るデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。 第2の実施形態に係るデルタシグマ変調器の振幅および位相の周波数特性を示す図である。 第3の実施形態に係るデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。 第3の実施形態に係るデルタシグマ変調器の他の構成例を示す図である。 第4の実施形態に係るデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。 第5の実施形態に係るデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。 適用例としての無線通信装置の構成例を示すブロック図である。 1次のデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。 1次のデルタシグマ変調器の振幅および位相の周波数特性例を示す図である。 1次のデルタシグマ変調器のスペクトル例およびノイズ伝達関数の極零配置例を示す図である。 1次のデルタシグマ変調器のスペクトル例およびノイズ伝達関数の極零配置例を示す図である。 2次のデルタシグマ変調器の振幅および位相の周波数特性例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
なお、以下の各実施形態に用いる図面において、同一の構成要素は同一の符号を付し、かつ重複する説明は可能な限り省略する。
<第1の実施形態>
図1は第1の実施形態に係るデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。
図1に示すデルタシグマ変調器は、入力端子N100、フィルタ回路100、量子化器101、第1のデジタルアナログ変換器102、デジタルアナログ変換器103(第1のフィードバック回路)、第1抵抗素子201(抵抗値はRsum1)、第2抵抗素子202(抵抗値はRsum2)、容量素子300(容量値はCsum1)、および反転素子400を備えている。ここで、容量320は量子化器101の入力ノードN103の寄生容量を示している。
フィルタ回路100は、演算増幅器104、抵抗素子200、および容量素子301によって構成された積分器を備えている。
入力端子N100から入力されたアナログ入力信号は、フィルタ回路100および、受動素子である第1抵抗素子201と容量素子300とが並列接続された第1の加算回路120を介して量子化器101に入力される。量子化器101によって量子化されたデジタル出力信号は、第1のデジタルアナログ変換器102によってデジタルアナログ変換され、アナログ信号としてフィルタ回路100にフィードバックされるとともに、デジタルアナログ変換器103によってデジタルアナログ変換され、アナログ信号として量子化器101の入力部(ノードN103)にフィードバックされる。一方で、アナログ入力信号は、反転素子400および第2抵抗素子202を有する第1のフィードフォワード回路121によって、量子化器101の入力部(ノードN103)に加算される。ここで、第2の加算回路123は、デジタルアナログ変換器103(第1のフィードバック回路)と第1のフィードフォワード回路121とを有している。
具体的には、入力端子N100は抵抗素子200の一端と接続されており、抵抗素子200の他端はノードN101に接続されている。そして、ノードN101は演算増幅器104の反転入力端子および容量素子301の一端と接続されている。容量素子301の他端はノードN102と接続されている。そして、ノードN102は演算増幅器104の出力部、および第1抵抗素子201の一端と接続されている。第1抵抗素子201の他端は、量子化器101の入力ノードN103に接続されている。そして、第1抵抗素子201には、位相補償手段として、容量素子300が並列に接続されている。なお、演算増幅器104の非反転入力端子は、接地されている。
一方で、入力端子N100は反転素子400を介して第2抵抗素子202の一端と接続されており、第2抵抗素子202の他端は量子化器101の入力ノードN103に接続されている。
量子化器101では、ノードN103から入力されたアナログ信号が量子化される。そして、量子化器101のデジタル出力信号は、第1のデジタルアナログ変換器102およびデジタルアナログ変換器103へとフィードバックされる。第1のデジタルアナログ変換器102にフィードバックされたデジタル出力信号は、デジタルアナログ変換され、ノードN101を通って演算増幅器104の反転入力端子に入力される。同様に、デジタルアナログ変換器103にフィードバックされたデジタル出力信号は、デジタルアナログ変換され、アナログ信号としてノードN103に加算され、量子化器101に入力される。
ここで、容量素子300による位相補償の原理について説明する。容量素子300は、フィルタ回路100の出力部と量子化器101の入力部との間に直列に接続されており、これは伝達関数における零点を形成する。そして、この零点は位相余裕を改善させる作用を持つ。
図2は本実施形態に係るデルタシグマ変調器の振幅および位相の周波数特性の一例を示している。図2において、上図は振幅の周波数特性を示しており、下図は位相の周波数特性を示している(後述する図5についても同様)。また、実線は本実施形態に係るデルタシグマ変調器の振幅および位相の周波数特性を示しており、破線は図12(a)に示した元のデルタシグマ変調器の周波数特性を示している。そして、矢印C,Aはそれぞれの周波数特性において、ループゲインが1となる、すなわち0dBとなったときの位相余裕を示したものである。また、図内のp1は演算増幅器104のポール周波数を示しており、pRCは量子化器101の入力部に接続された第1抵抗素子201および容量素子300を有する第1の加算回路120のポール周波数を示している。本実施形態において、演算増幅器104の有限ゲイン帯域幅は元のデルタシグマ変調器から変更していないため、ポール周波数p1は変化していない。
図2に示すように、位相余裕が元のデルタシグマ変調器においては45度以下(矢印A)であったのに対して、本実施形態では45度以上(矢印C)に改善している。従って、本実施形態に係るデルタシグマ変調器は安定条件を満たすことができる。
なお、図1の構成において、容量素子300の容量値Csum1は、次のような条件を満たすように定めるのが好ましい。
Figure 2013005267
ここで、Cpは寄生容量320の容量値である。そして、この上式の容量値Csum1は、ノードN103の寄生容量320の影響を打ち消すように設定された値となる。
ここで、上式は演算増幅器104の有限ゲイン帯域幅の影響がないものとして考えた場合における算出例であり、演算増幅器104の有限ゲイン帯域幅の影響が無視できない場合には、容量値Csum1は、フィルタ回路100、第1および第2の加算回路120,123、並びにノードN103の寄生容量320の影響等を考慮して、安定条件を満たすことが可能な容量値に設定するのが好ましい。
図3(a),(b)は、本実施形態に係るデルタシグマ変調器のスペクトル例およびノイズ伝達関数の極零配置例をそれぞれ示している。本実施形態のデルタシグマ変調器は、図3(b)に示すように、極が全てz平面における単位円内に入っており、安定条件を満たしていることが分かる。すなわち、演算増幅器104の有限ゲイン帯域幅を高めることなく、安定条件を満たすことができる。
以上のように、本実施形態に係るデルタシグマ変調器は、演算増幅器104の有限ゲイン帯域幅を高めることなく、ノードN103の寄生容量320、第1および第2の加算回路120,123、並びに演算増幅器104の有限ゲイン帯域幅等の影響による位相余裕の低下を補償する、すなわち安定条件を満たすことができる。そのため、消費電力およびチップ面積を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器を実現することができる。
なお、本実施形態に係るデルタシグマ変調器は、第2の加算回路123として第2抵抗素子202を有する第1のフィードフォワード回路121およびデジタルアナログ変換器103(第1のフィードバック回路)を備えていたが、いずれか一方を備えていればよい。
<第2の実施形態>
図4は第2の実施形態に係るデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。図4は2つの縦続接続された積分器を有する2次のデルタシグマ変調器の一例である。
図4のデルタシグマ変調器において、図1と異なるのは、フィルタ回路100Aに、演算増幅器105、抵抗素子203および容量素子302によって構成された積分器が追加されている点である。そして、反転素子401および容量素子303(容量値はCsum2)が追加され、容量素子300および反転素子400は省かれている。
入力端子N100から入力されたアナログ入力信号は、2つの縦続接続された積分器を有するフィルタ回路100Aおよび第1抵抗素子201(第1の加算回路120)を介して量子化器101に入力される。量子化器101によって量子化されたデジタル出力信号は、図1と同様に、第1のデジタルアナログ変換器102およびデジタルアナログ変換器103によってデジタルアナログ変換され、アナログ信号としてフィードバックされる。一方で、演算増幅器104の出力信号は、反転素子401および容量素子303を有する第2のフィードフォワード回路122によって、量子化器101の入力部(ノードN103)に加算される。また、図1と同様にアナログ入力信号は、第2抵抗素子202を有する第1のフィードフォワード回路121によって、量子化器101の入力部(ノードN103)に加算される。ここで、第2の加算回路123Aは、デジタルアナログ変換器103(第1のフィードバック回路)、第1のフィードフォワード回路121および第2のフィードフォワード回路122を有している。
図4では、1段目の積分器の演算増幅器104の出力部が接続されたノードN102と、第1抵抗素子201の一端との間に2段目の積分器が接続されている。具体的には、ノードN102と、2段目の積分器の演算増幅器105の反転入力端子に接続されたノードN104との間には、抵抗素子203が接続されている。そして、ノードN104は容量素子302を介して、ノードN105に接続されている。ノードN105は演算増幅器105の出力部、および第1抵抗素子201の一端と接続されている。なお、演算増幅器104,105の非反転入力端子は、接地されている。
一方で、ノードN102は反転素子401を介して容量素子303の一端と接続されており、容量素子303の他端が量子化器101の入力ノードN103に接続されることにより第2のフィードフォワード回路122を構成している。すなわち、第2のフィードフォワード回路122は、本実施形態に係る位相補償手段として、量子化器101の入力部と演算増幅器104の出力部との間に設けられた容量素子303を有している。また、第1のフィードフォワード回路121からは反転素子400が省かれている。
ここで、図5を参照しながら、容量素子303による位相補償の原理について説明する。
図5において、実線は本実施形態における振幅および位相の周波数特性を示しており、破線は図15に破線で示した元の2次のデルタシグマ変調器に係る振幅および位相の周波数特性を示している。また、図内のp1は演算増幅器104,105におけるポール周波数を示している。本実施形態において、演算増幅器104,105の有限ゲイン帯域幅は元の2次のデルタシグマ変調器から変更していないため、ポール周波数p1は変化していない。
図4において、容量素子303は、演算増幅器104の出力部と量子化器101の入力部との間に反転素子401を介して直列に接続されており、これは伝達関数における零点を形成する。そして、この零点は位相余裕を改善させる作用を持つ。従って、容量素子303の容量値Csum2を、演算増幅器104,105の有限ゲイン帯域幅、第1および第2の加算回路120,123A、並びにノードN103の寄生容量320の影響等を考慮して、安定条件を満たすことが可能な適切な容量値に設定することにより、図5に示すように、デルタシグマ変調器の高周波領域における位相が戻される。これにより、位相余裕が元の2次のデルタシグマ変調器においては45度以下(矢印A)であったのに対して、本実施形態では45度以上(矢印C)に改善している。従って、デルタシグマ変調器は安定条件を満たすことができる。
以上のように、本実施形態に係るデルタシグマ変調器は、演算増幅器104,105の有限ゲイン帯域幅を高めることなく、ノードN103の寄生容量320、第1および第2の加算回路120,123A、並びに演算増幅器104,105の有限ゲイン帯域幅等の影響による位相余裕の低下を補償する、すなわち安定条件を満たすことができる。これにより、消費電力およびチップ面積を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器を実現することができる。
なお、本実施形態において、デジタルアナログ変換器103(第1のフィードバック回路)は、必ずしも必要ではなく、なくても同様の効果が得られる。
また、第1の実施形態と第2の実施形態とは、組み合わせることが可能であり、第3の実施形態ではその組合せの例および他の例について説明する。
<第3の実施形態>
図6は第3の実施形態に係るデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。
図6のデルタシグマ変調器において、図4と異なるのは、第1抵抗素子201に容量素子300が並列に接続されている点である。
入力端子N100から入力されたアナログ入力信号は、2つの縦続接続された積分器を有するフィルタ回路100Aおよび第1抵抗素子201と容量素子300とが並列接続された第1の加算回路120を介して量子化器101に入力される。以下、図4と同様に、量子化器101によって量子化されたデジタル出力信号は、第1のデジタルアナログ変換器102およびデジタルアナログ変換器103によってデジタルアナログ変換され、アナログ信号としてフィードバックされる。一方で、演算増幅器104の出力信号およびアナログ入力信号は、第2のフィードフォワード回路122および第1のフィードフォワード回路121によって、それぞれ、量子化器101の入力部(ノードN103)に加算される。本実施形態において、第2の加算回路123Aは、図4と同様に、デジタルアナログ変換器103(第1のフィードバック回路)、第1のフィードフォワード回路121および第2のフィードフォワード回路122を有している。そして、本実施形態に係るデルタシグマ変調器は、位相補償手段として、第2のフィードフォワード回路122において、量子化器101の入力部と演算増幅器104の出力部との間に設けられた容量素子303を有しており、第1の加算回路120において、第1抵抗素子201と並列に接続された容量素子300を有している。
図6において、容量素子300,303は、伝達関数における零点を形成する。そして、この零点は位相余裕を改善させる作用を持つ。従って、例えば容量素子300の容量値Csum1および容量素子303の容量値Csum2を第1および第2の実施形態に示したような適切な容量値に設定することによって、デルタシグマ変調器の高周波領域における位相が戻される。これにより、位相余裕が確保され、デルタシグマ変調器は安定条件を満たすことができる。
(第3の実施形態の他の例)
図7(a),(b)は第3の実施形態に係るデルタシグマ変調器の他の構成例を示す図である。
図7(a)は図6のデルタシグマ変調器に加えて、第2のフィードフォワード回路122の容量素子303に並列に第3抵抗素子204を設けた例を示している。図7(a)においても、図6と同様に、容量素子300,303の容量値Csum1,Csum2を、適切な容量値に設定することにより、デルタシグマ変調器の高周波領域における位相が戻される。これにより、位相余裕が確保され、デルタシグマ変調器は安定条件を満たすことができる。
図7(b)は3つの縦続接続された積分器を有する3次のデルタシグマ変調器の例を示している。図7(b)のデルタシグマ変調器において、図7(a)と異なるのは、フィルタ回路100Bに演算増幅器106、抵抗素子205、および容量素子304によって構成された積分器が追加された点である。そして、第2のフィードフォワード回路122には、演算増幅器105の出力部とノードN103との間に反転素子402、並びに並列接続された抵抗素子206および容量素子305(容量値はCsum3)が追加されている。また、反転素子400が追加され、反転素子401が省かれている。
そして、容量素子300,303,305の容量値Csum1,Csum2,Csum3を、図6と同様に適切な容量値に設定することにより、デルタシグマ変調器の高周波領域における位相が戻される。これにより、位相余裕が確保され、デルタシグマ変調器は安定条件を満たすことができる。
以上のように、本実施形態に係るデルタシグマ変調器は、フィルタ回路100A,100Bの演算増幅器104,105,106の有限ゲイン帯域幅を高めることなく、ノードN103の寄生容量320、第1および第2の加算回路120,123A、並びに演算増幅器104,105,106の有限ゲイン帯域幅等の影響による位相余裕の低下を補償する、すなわち安定条件を満たすことができる。これにより、消費電力およびチップ面積を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器を実現することができる。
なお、上記の図7(a),(b)に係るデルタシグマ変調器は、第2の加算回路123Aとして、第1のフィードフォワード回路121、デジタルアナログ変換器103(第1のフィードバック回路)、および第2のフィードフォワード回路122のうち、少なくともいずれか1つを備えていればよい。
また、第1〜3の実施形態は、差動回路にしても同様の効果が得られる。第4の実施形態では、図6のデルタシグマ変調器を差動回路にした例について説明する。
<第4の実施形態>
図8は第4の実施形態に係るデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。
図8に示すデルタシグマ変調器は、差動入力端子Vin+,Vin−、フィルタ回路100C、量子化器101A、第1のデジタルアナログ変換器102A、デジタルアナログ変換器103A(第1のフィードバック回路)、第1抵抗素子201A,201B、第2抵抗素子202A,202B、および容量素子300A,300B,303A,303B(それぞれの容量値はCsum1A,Csum1B,Csum2A,Csum2B)を備えている。ここで、容量320A,320Bは量子化器101Aの入力ノードN103A,N103Bのそれぞれにおける寄生容量を示している。また、差動のデルタシグマ変調器には、図1における反転素子400および図4および図6における反転素子401のような反転素子は必要としない。そのため、図8において反転素子は省いている。
フィルタ回路100Cは、演算増幅器104Aを用いた積分器107、および演算増幅器105Aを用いた積分器108を備えている。
差動入力端子Vin+,Vin−から入力されたアナログ入力信号は、フィルタ回路100Cと、第1抵抗素子201Aおよび容量素子300A並びに第1抵抗素子201Bおよび容量素子300Bがそれぞれ並列接続された第1の加算回路120とを介して量子化器101Aに入力される。量子化器101Aによって量子化されたデジタル出力信号は、出力端子Doutから出力される。また、このデジタル出力信号は、第1のデジタルアナログ変換器102Aによってデジタルアナログ変換され、アナログ信号としてフィルタ回路100Cにフィードバックされるとともに、デジタルアナログ変換器103Aによってデジタルアナログ変換され、アナログ信号として量子化器101Aの入力部にフィードバックされる。一方で、アナログ入力信号は、第2抵抗素子202A,202Bを有する第1のフィードフォワード回路121によって、量子化器101Aの入力部に加算される。また、積分器107の出力信号は、容量素子303A,303Bを有する第2のフィードフォワード回路122によって、量子化器101Aの入力部に加算される。
そして、容量素子300A,300Bの容量値Csum1A,Csum1Bおよび容量素子303A,303Bの容量値Csum2A,Csum2Bを、演算増幅器104A,105Aの有限ゲイン帯域幅、第1および第2の加算回路120,123B、並びにノードN103A,N103Bの寄生容量320A,320Bの影響等を考慮して、安定条件を満たすことが可能な適切な容量値に設定することにより、デルタシグマ変調器の高周波領域における位相が戻される。これにより、位相余裕が確保され、デルタシグマ変調器は安定条件を満たすことができる。
以上の本実施形態に示すような回路構成を用いることにより、差動のデルタシグマ変調器においても、演算増幅器104A,105Aの有限ゲイン帯域幅を高めることなく、安定条件を満たすことができる。これにより、消費電力およびチップ面積を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器を実現することができる。
<第5の実施形態>
図9は第5の実施形態に係るデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。
図9のデルタシグマ変調器において、図1と異なるのは、デジタルアナログ変換器103を有する第1のフィードバック回路111に、第2のデジタルアナログ変換器109および位相補償手段としてのハイパスフィルタ110が追加されている点である。そして、第1の加算回路120からは、容量素子300が省かれている。すなわち、第2の加算回路123Cは、第1のフィードバック回路111と第1のフィードフォワード回路121とを有している。そして、第1のフィードバック回路111は位相補償手段として、ハイパスフィルタ110を備えている。
入力端子N100から入力されたアナログ入力信号は、演算増幅器104を有する積分器を備えたフィルタ回路100および第1抵抗素子201(第1の加算回路120)を介して量子化器101に入力される。量子化器101によって量子化されたデジタル出力信号は、図1と同様に、第1のデジタルアナログ変換器102およびデジタルアナログ変換器103によってデジタルアナログ変換され、アナログ信号としてフィードバックされる。さらに、ハイパスフィルタ110および第2のデジタルアナログ変換器109を介して、量子化器101から出力されたデジタル出力信号に含まれる量子化前のアナログ信号の高周波成分の信号のみがデジタルアナログ変換され、アナログ信号として量子化器101の入力部にフィードバックされる。
これにより、量子化器101によって量子化されたデジタル出力信号に含まれる量子化前のアナログ信号の高周波信号成分のみを量子化器101の入力部に加算することができる。これにより、量子化器101の入力ノードN103の寄生容量320、第1および第2の加算回路120,123C、並びに演算増幅器104の有限ゲイン帯域幅等の影響による位相余裕の低下を補償することが可能となる。また、デジタルのハイパスフィルタ110を用いるため、回路面積(回路コスト)の抑制に有利である。
なお、本実施形態に係るデルタシグマ変調器も差動回路にすることが可能であり、差動回路でも同様の効果が得られる。
また、本実施形態において、第2抵抗素子202を有する第1のフィードフォワード回路121およびデジタルアナログ変換器103は必ずしも必要ではなく、なくても同様の効果が得られる。
<適用例>
図10は無線通信装置50の構成を示すブロック図である。
図10の無線通信装置50は、アンテナ500、送受切替部508、送信部507、および受信部501を備えている。
受信部501は、低雑音増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)502、ミキサ503、ローパスフィルタ504、上述した第1〜第5の実施形態のいずれか1つに記載のデルタシグマ変調器505、およびデジタルベースバンド処理部506を備えている。
このような構成を用いることにより、広帯域の信号に対して精度を保った無線通信装置50を実現することが可能となる。したがって、例えば携帯電話に適用すれば、装置の消費電力および回路面積を抑制しつつ、高品質な送受話をすることが可能となる。
なお、上述したデルタシグマ変調器は受信装置に使用することも可能である。受信装置の構成は、例えば図10において、送受切替部508および送信部507を省いた構成となる。すなわち、この場合の受信装置は、アンテナ500および受信部501を備えている。そして、アンテナ500から入力された信号は、受信部501のLNA502に入力される。
これにより、広帯域の信号に対して精度を保った受信装置を実現することが可能となる。したがって、例えばデジタルテレビチューナーやラジオチューナーに適用すれば、受信装置の消費電力および回路面積を抑制しつつ、高品質な音声および映像の受信をすることが可能となる。
なお、上記の各実施形態では、安定条件を位相余裕が45度以上あることとしているが、使用環境等によって安定条件として要求される位相余裕は異なる場合があり、容量値Csum1,Csum2,Csum3は要求される位相余裕(安定条件)を満たす範囲で変更されてもかまわない。
また、上記の各実施形態の回路は置き換えて使用したり、組み合わせて使用することが可能である。例えば、図9の第1のフィードバック回路111を図4、図6または図7に適用してもよい。
本発明に係るデルタシグマ変調器は、小面積かつ低消費電力を実現しつつ、デルタシグマ変調器の安定性を保つことができる。したがって、携帯電話、無線LAN等の通信機器、並びに音声機器、および映像機器等の受信装置等におけるデータ変換回路として有用である。また、本発明に係る無線通信装置および受信装置は、携帯電話、無線LAN等の通信機器、およびデジタルテレビチューナー、ラジオチューナー等の映像機器、音声機器等の受信装置に有用である。
100,100A,100B,100C フィルタ回路
101,101A 量子化器
102,102A 第1のデジタルアナログ変換器
103,103A デジタルアナログ変換器(第1のフィードバック回路)
104,104A 演算増幅器
105,105A 演算増幅器
106 演算増幅器
109 第2のデジタルアナログ変換器
110 ハイパスフィルタ(位相補償手段)
111 第1のフィードバック回路
120 第1の加算回路
121 第1のフィードフォワード回路
122 第2のフィードフォワード回路
123,123A,123B,123C 第2の加算回路
201,201A,201B 第1抵抗素子
202,202A,202B 第2抵抗素子
204 第3抵抗素子
300,300A,300B 容量素子(位相補償手段)
303,303A,303B 容量素子(位相補償手段)
305 容量素子(位相補償手段)
50 無線通信装置
500 アンテナ
501 受信部
505 デルタシグマ変調器
507 送信部
508 送受切替部
本発明は、デルタシグマ変調器、並びに、これを備えた受信装置および無線通信装置に関するものであり、特に、演算増幅器を用いた積分器を有するデルタシグマ変調器に関するものである。
連続時間型デルタシグマ変調器のループフィルタ(フィルタ回路)には、一般的に、演算増幅器を用いた積分器の縦続接続によって構成されたActive-RC型フィルタや、電流電圧変換アンプ(OTA:Operational Transconductance Amplifier)と容量素子とを用いて構成される積分器を縦続接続したgm−C型フィルタが採用されている。
一般的に、演算増幅器を用いた積分器によって構成されたループフィルタ(フィルタ回路)の出力部と量子化器の入力部との間のノードには、アナログ入力信号もしくは縦続接続された積分器の少なくとも一段の出力信号からのフィードフォワード信号、または量子化器のデジタル出力信号をデジタルアナログ変換したフィードバック信号(アナログ信号)が加算される。この量子化器の入力部への信号加算の手段としては、演算増幅器と抵抗素子とを用いて信号を加算する方法、および抵抗素子のみを用いて信号を加算する方法等が知られている。
非特許文献1では、演算増幅器を用いた積分器を縦続接続した連続時間型デルタシグマ変調器において、演算増幅器と抵抗素子とを用いて量子化器の入力部に信号を加算する技術が開示されている。
非特許文献2では、抵抗素子のみを用いて量子化器の入力部に信号を加算する5次の連続時間型デルタシグマ変調器に関する技術が開示されている。
また、特許文献1では、消費電力を抑えつつ位相補償を実現したgm−C型のフィルタ回路およびそれを用いたデルタシグマA/D(Analog to Digital)変換器に関する技術が開示されている。
特許第4567420号公報
Lukas Dorrer, 他3名, "A 10-bit, 4mW continuous-time sigma-delta ADC for UMTS in a 0.12μm CMOS process", Circuits and Systems, 2003. ISCAS '03., 25-28 May 2003, p.I-1057-1060 vol.1 Kazuo Matsukawa, 他5名, "A fifth-order continuous-time delta-sigma modulator with single-opamp resonator", IEEE JSSC, vol.45, no.4, Apr. 2010, p.697-706
しかしながら、非特許文献1のように演算増幅器と抵抗素子とを用いて量子化器の入力部に信号を加算する構成において、デルタシグマ変調器の精度を高めるためには、信号加算用の演算増幅器から出力する信号の精度を高める必要がある。すなわち、信号加算用の演算増幅器には、誤差をできるだけ抑制した信号を出力することが求められる。このため、信号加算用の演算増幅器の消費電力は、他の演算増幅器の何倍もの電力になり、同時に、回路面積の増加を伴う。
これに対して、非特許文献2のように、抵抗素子のみを用いて量子化器の入力部に信号を加算する構成においては、信号加算用の演算増幅器が不要であり、この信号加算用の演算増幅器による消費電力および回路面積の増加を抑制することができる。
図11は、抵抗素子のみを用いて加算回路を構成した1次のデルタシグマ変調器の構成例を示している。
図11のデルタシグマ変調器は、入力端子N600、フィルタ回路600、量子化器601、デジタルアナログ変換器(DAC:Digital to Analog Converter)602,603、抵抗素子701,702、および反転素子900を備えている。ここで、容量820は量子化器601の入力ノードN601の寄生容量を示している。フィルタ回路600は、演算増幅器604、抵抗素子700、および容量素子801を備えた積分器を備えている。
入力端子N600から入力されたアナログ入力信号は、フィルタ回路600および抵抗素子701を介して量子化器601に入力される。量子化器601によって量子化されたデジタル出力信号は、デジタルアナログ変換器602によって、アナログ信号としてフィルタ回路600にフィードバックされるとともに、デジタルアナログ変換器603によって、アナログ信号として量子化器601の入力部(ノードN601)にフィードバックされる。一方で、アナログ入力信号は、反転素子900および抵抗素子702を介して量子化器601の入力部に加算される。
ここで、デルタシグマ変調器は負帰還ループであるため、演算増幅器604の有限ゲイン帯域幅が低い場合、ループフィルタ(フィルタ回路600)全体の位相余裕が不足し、デルタシグマ変調器の安定性が低下する。加えて、図11のような抵抗素子のみを用いて信号を加算する構成は、抵抗素子701およびノードN601の寄生容量820によるポール(極)が生じ、デルタシグマ変調器の安定性を低下させる。
図12(a)は図11に示したデルタシグマ変調器に係る振幅および位相の周波数特性の一例を示した図である。図12(a)において、上図は振幅の周波数特性を示しており、下図は位相の周波数特性を示している(後述する図12(b)、図15についても同様)。また、図内のp1は演算増幅器604のポール周波数を示しており、pRCは量子化器601の入力部に接続された、抵抗素子701による加算回路のポール周波数を示している。
図12(a)において、図11に示したデルタシグマ変調器は、寄生容量820、抵抗素子701,702、および演算増幅器604の有限ゲイン帯域幅等の影響によって、位相余裕が45度以下となっている(矢印A)。すなわち、デルタシグマ変調器は安定条件を満たしておらず、回路が発振する可能性がある。
図13(a),(b)は図11に示したデルタシグマ変調器に係るスペクトル例およびノイズ伝達関数の極零配置例をそれぞれ示している。図13(b)に示すように、極p10がz平面における単位円の外部にあり、この図からも図11に示したデルタシグマ変調器は、安定条件を満たしていないことがわかる。
この対策として、演算増幅器604の有限ゲイン帯域幅を高める方法が考えられる。有限ゲイン帯域幅は、例えば演算増幅器604の出力段の電流を増加させることにより高めることができる。
図12(b)は図11に示したデルタシグマ変調器において、演算増幅器604の有限ゲイン帯域幅を10倍にしたときの振幅および位相の周波数特性の一例を示した図である。図12(b)において、実線は演算増幅器604の有限ゲイン帯域幅を10倍にしたときの周波数特性の一例を示した図であり、破線は図12(a)に示した元の周波数特性である。演算増幅器604の有限ゲイン帯域幅を10倍にしたことに伴い、演算増幅器604のポール周波数はp1からp1’に変化している。
図12(b)に示すように、有限ゲイン帯域幅を10倍に高めることにより、高周波領域における位相が戻され、位相余裕が45度以下(矢印A)から45度以上(矢印B)へと改善されている。従って、デルタシグマ変調器は安定条件を満たすことができる。
図14(a),(b)は演算増幅器604の有限ゲイン帯域幅を10倍にしたときの図11のデルタシグマ変調器に係るスペクトルの一例およびノイズ伝達関数の極零配置の一例をそれぞれ示している。図14(b)に示すように、極が全てz平面における単位円内に入っており、この図からもデルタシグマ変調器は安定条件を満たしていることが分かる。
図15は2次のデルタシグマ変調器における振幅および位相の周波数特性の一例を示している。図15において、破線は演算増幅器の有限ゲイン帯域幅を変化させる前の周波数特性であり、実線は演算増幅器の有限ゲイン帯域幅を10倍に増加させた場合の周波数特性を示している。図12(b)と同様に図15では、演算増幅器の有限ゲイン帯域幅を10倍としたことに伴い、ポール周波数がp1からp1’に変化している。そして、図15に示すように、2次のデルタシグマ変調器においても有限ゲイン帯域幅を10倍に高めることにより、位相余裕が45度以下(矢印A)から45度以上(矢印B)へと改善されている。これにより、デルタシグマ変調器は安定条件を満たすことができる。
上述のように、抵抗素子のみを用いて量子化器601の入力部に信号を加算する構成において、演算増幅器604の有限ゲイン帯域幅を高めることによってデルタシグマ変調器の安定性を保つことができる。しかしながら、この場合にも、演算増幅器604の消費電流および回路面積を増加させる必要が生じてしまう。
また、更なるデルタシグマ変調器の精度を高める場合、量子化器601の高精度化(ビット数の増加)、および量子化器601の入力部に接続されているデジタルアナログ変換器603の高精度化等が必要となる。これにより、寄生容量820が更に増加することが考えられ、図11の構成に係るデルタシグマ変調器の安定性は更に著しく低下する。すると、演算増幅器604の電流を増加させるだけでは位相余裕の低下を補償できず、デルタシグマ変調器は安定条件を満たせない可能性がでてくる。このため、量子化器601およびデジタルアナログ変換器603の分解能を上げることができなくなり、すなわちデルタシグマ変調器の精度を高めることが困難となる。
上記の点に鑑み、本発明は、演算増幅器に高い有限ゲイン帯域幅を必要とせず、消費電力および回路面積(回路コスト)を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器を提供することを目的とする。
本発明の第1態様では、デルタシグマ変調器は、演算増幅器を用いた積分器を少なくとも1つ備えたフィルタ回路と、前記フィルタ回路の出力信号を量子化する量子化器と、前記量子化器のデジタル出力信号をデジタルアナログ変換し、前記フィルタ回路にアナログ信号としてフィードバックする第1のデジタルアナログ変換器と、前記フィルタ回路の出力部と前記量子化器の入力部との間に設けられ、第1抵抗素子を含む受動素子によって構成された第1の加算回路と、前記フィルタ回路の入力部と前記量子化器の入力部とを第2抵抗素子を介して接続する第1のフィードフォワード回路、および前記量子化器のデジタル出力信号を前記量子化器の入力部にアナログ信号としてフィードバックする第1のフィードバック回路のうち、少なくともいずれか一方を有する第2の加算回路とを備えている。そして、前記第1の加算回路および前記第1のフィードバック回路のうち、少なくともいずれか一方が位相補償手段を備えている。
この態様によると、デルタシグマ変調器は、第1の加算回路および第1のフィードバック回路のうち、少なくともいずれか一方が位相補償手段を備えている。これにより、量子化器の入力部における寄生容量、第1および第2の加算回路、並びに演算増幅器の有限ゲイン帯域幅の影響等による位相余裕の低下を補償することができ、安定条件を満たすことができる。このとき、デルタシグマ変調器は、受動素子によって第1の加算回路を構成しているため、信号加算用の演算増幅器を備えていない。また、位相補償手段を第1の加算回路および第1のフィードバック回路のうち、少なくともいずれか一方が備えているため、演算増幅器の有限ゲイン帯域幅を高める必要もない。これにより、消費電力および回路面積(回路コスト)を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器を実現することができる。
本発明の第2態様では、デルタシグマ変調器は、演算増幅器を用いた積分器を、複数段、縦続に接続したフィルタ回路と、前記フィルタ回路の出力信号を量子化する量子化器と、前記量子化器のデジタル出力信号をデジタルアナログ変換し、前記フィルタ回路にアナログ信号としてフィードバックする第1のデジタルアナログ変換器と、前記フィルタ回路の出力部と前記量子化器の入力部との間に設けられ、第1抵抗素子を含む受動素子によって構成された第1の加算回路と、前記フィルタ回路の入力部と前記量子化器の入力部とを第2抵抗素子を介して接続する第1のフィードフォワード回路、前記量子化器のデジタル出力信号を前記量子化器の入力部にアナログ信号としてフィードバックする第1のフィードバック回路、および複数の前記積分器のうち、少なくとも1つの出力信号を、受動素子を介してフィードフォワードした第2のフィードフォワード回路のうち、少なくともいずれか1つを有する第2の加算回路とを備えている。そして、前記第1の加算回路、前記第1のフィードバック回路、および前記第2のフィードフォワード回路のうち、少なくともいずれか1つが位相補償手段を備えている。
この態様によると、デルタシグマ変調器は、第1の加算回路、第1のフィードバック回路、および第2のフィードフォワード回路のうち、少なくともいずれか1つが位相補償手段を備えている。これにより、第1態様と同様に位相余裕の低下を補償することができ、デルタシグマ変調器は安定条件を満たすことができる。また、第1態様と同様にデルタシグマ変調器は信号加算用の演算増幅器を備えておらず、演算増幅器の有限ゲイン帯域幅を高める必要もない。これにより、消費電力および回路面積(回路コスト)を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器を実現することができる。
そして、第1または第2態様のデルタシグマ変調器の前記第1の加算回路は、前記位相補償手段として、前記第1抵抗素子に並列に接続された容量素子を備えているのが好ましい。
これにより、第1の加算回路は、第1抵抗素子と容量素子とが並列接続された回路、すなわち受動素子によって構成され、かつ、位相補償手段を備えた回路を有している。これにより、デルタシグマ変調器は信号加算用の演算増幅器を用いることなく加算回路を実現することができるとともに、第1抵抗素子に並列に接続された容量素子によって位相余裕の低下を補償することができ、安定条件を満たすことができる。これにより、消費電力および回路面積(回路コスト)を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器を実現することができる。
本発明の第3態様では、デルタシグマ変調器は、演算増幅器を用いた積分器を少なくとも1つ備えたフィルタ回路と、前記フィルタ回路の出力信号を量子化する量子化器と、前記量子化器のデジタル出力信号をデジタルアナログ変換し、前記フィルタ回路にアナログ信号としてフィードバックする第1のデジタルアナログ変換器と、前記フィルタ回路の出力部と前記量子化器の入力部との間に設けられ、第1抵抗素子を含む受動素子によって構成された第1の加算回路と、前記量子化器のデジタル出力信号をデジタルアナログ変換し、前記量子化器の入力部にアナログ信号としてフィードバックする第2のデジタルアナログ変換器と、前記量子化器の出力部と前記第2のデジタルアナログ変換器の入力部との間に設けられたハイパスフィルタとを備えている。
この態様によると、量子化器によって量子化されたデジタル出力信号に含まれる量子化前のアナログ信号の高周波成分のみをハイパスフィルタによって通過させ、第2のデジタルアナログ変換器によってデジタルアナログ変換し、アナログ信号として量子化器の入力部に加算することができる。これにより、位相余裕の低下を補償することができ、デルタシグマ変調器は安定条件を満たすことができる。また、デジタルのハイパスフィルタを用いるため、アナログ回路によってハイパスフィルタを実現する場合と比較して、消費電力および回路面積(回路コスト)を抑制することができる。これにより、消費電力および回路面積(回路コスト)を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器を実現することができる。
本発明の第4態様では、デルタシグマ変調器は、演算増幅器を用いた積分器を少なくとも1つ備えたフィルタ回路と、前記フィルタ回路の出力信号を量子化する量子化器と、前記量子化器のデジタル出力信号をデジタルアナログ変換し、前記フィルタ回路にアナログ信号としてフィードバックする第1のデジタルアナログ変換器と、前記フィルタ回路の出力部と前記量子化器の入力部との間に設けられた第1抵抗素子と、前記フィルタ回路の入力部と前記量子化器の入力部とを第2抵抗素子を介して接続する第1のフィードフォワード回路と、前記第1抵抗素子に並列に接続された容量素子とを備えている。
この態様によると、デルタシグマ変調器は、受動素子である第1抵抗素子および第2抵抗素子による加算回路を有しており、信号加算用の演算増幅器を備えていない。また、位相補償手段としての容量素子が第1抵抗素子と並列に接続されているため、演算増幅器の有限ゲイン帯域幅を高める必要もない。これにより、消費電力および回路面積(回路コスト)を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器を実現することができる。
本発明の第5態様では、受信装置は、アンテナと、第1から第4態様のいずれか1態様に記載のデルタシグマ変調器を有しており、前記アンテナからの受信信号の信号処理を行う受信部とを備えている。
本発明の第6態様では、無線通信装置は、アンテナと、第1から第4態様のいずれか1態様に記載のデルタシグマ変調器を有しており、前記アンテナからの受信信号の信号処理を行う受信部と、送信信号を変調する送信部と、前記受信部および前記送信部と前記アンテナとの間に設けられ、前記アンテナから前記受信部への前記受信信号の供給と、前記送信部から前記アンテナへの前記送信信号の供給とを切替える送受切替部とを備えている。
この第5および第6態様によると、低消費電力かつ低コストを実現しつつ、高品質な音声および映像の受信ができる受信装置、および高品質な音声および映像の送受信ができる無線通信装置を実現することができる。
本発明によれば、量子化器の入力部における寄生容量、第1および第2の加算回路、並びに演算増幅器の有限ゲイン帯域幅の影響等に起因する高周波領域における位相遅延の補償を、加算用の演算増幅器の追加および積分器の演算増幅器の有限ゲイン帯域幅を高めることを行わずに実現することができる。これにより、消費電力および回路面積(回路コスト)を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器、並びにこれを備えた受信装置および無線通信装置を実現することができる。
第1の実施形態に係るデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。 第1の実施形態に係るデルタシグマ変調器の振幅および位相の周波数特性例を示す図である。 第1の実施形態に係るデルタシグマ変調器のスペクトル例およびノイズ伝達関数の極零配置例を示す図である。 第2の実施形態に係るデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。 第2の実施形態に係るデルタシグマ変調器の振幅および位相の周波数特性を示す図である。 第3の実施形態に係るデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。 第3の実施形態に係るデルタシグマ変調器の他の構成例を示す図である。 第4の実施形態に係るデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。 第5の実施形態に係るデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。 適用例としての無線通信装置の構成例を示すブロック図である。 1次のデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。 1次のデルタシグマ変調器の振幅および位相の周波数特性例を示す図である。 1次のデルタシグマ変調器のスペクトル例およびノイズ伝達関数の極零配置例を示す図である。 1次のデルタシグマ変調器のスペクトル例およびノイズ伝達関数の極零配置例を示す図である。 2次のデルタシグマ変調器の振幅および位相の周波数特性例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
なお、以下の各実施形態に用いる図面において、同一の構成要素は同一の符号を付し、かつ重複する説明は可能な限り省略する。
<第1の実施形態>
図1は第1の実施形態に係るデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。
図1に示すデルタシグマ変調器は、入力端子N100、フィルタ回路100、量子化器101、第1のデジタルアナログ変換器102、デジタルアナログ変換器103(第1のフィードバック回路)、第1抵抗素子201(抵抗値はRsum1)、第2抵抗素子202(抵抗値はRsum2)、容量素子300(容量値はCsum1)、および反転素子400を備えている。ここで、容量320は量子化器101の入力ノードN103の寄生容量を示している。
フィルタ回路100は、演算増幅器104、抵抗素子200、および容量素子301によって構成された積分器を備えている。
入力端子N100から入力されたアナログ入力信号は、フィルタ回路100および、受動素子である第1抵抗素子201と容量素子300とが並列接続された第1の加算回路120を介して量子化器101に入力される。量子化器101によって量子化されたデジタル出力信号は、第1のデジタルアナログ変換器102によってデジタルアナログ変換され、アナログ信号としてフィルタ回路100にフィードバックされるとともに、デジタルアナログ変換器103によってデジタルアナログ変換され、アナログ信号として量子化器101の入力部(ノードN103)にフィードバックされる。一方で、アナログ入力信号は、反転素子400および第2抵抗素子202を有する第1のフィードフォワード回路121によって、量子化器101の入力部(ノードN103)に加算される。ここで、第2の加算回路123は、デジタルアナログ変換器103(第1のフィードバック回路)と第1のフィードフォワード回路121とを有している。
具体的には、入力端子N100は抵抗素子200の一端と接続されており、抵抗素子200の他端はノードN101に接続されている。そして、ノードN101は演算増幅器104の反転入力端子および容量素子301の一端と接続されている。容量素子301の他端はノードN102と接続されている。そして、ノードN102は演算増幅器104の出力部、および第1抵抗素子201の一端と接続されている。第1抵抗素子201の他端は、量子化器101の入力ノードN103に接続されている。そして、第1抵抗素子201には、位相補償手段として、容量素子300が並列に接続されている。なお、演算増幅器104の非反転入力端子は、接地されている。
一方で、入力端子N100は反転素子400を介して第2抵抗素子202の一端と接続されており、第2抵抗素子202の他端は量子化器101の入力ノードN103に接続されている。
量子化器101では、ノードN103から入力されたアナログ信号が量子化される。そして、量子化器101のデジタル出力信号は、第1のデジタルアナログ変換器102およびデジタルアナログ変換器103へとフィードバックされる。第1のデジタルアナログ変換器102にフィードバックされたデジタル出力信号は、デジタルアナログ変換され、ノードN101を通って演算増幅器104の反転入力端子に入力される。同様に、デジタルアナログ変換器103にフィードバックされたデジタル出力信号は、デジタルアナログ変換され、アナログ信号としてノードN103に加算され、量子化器101に入力される。
ここで、容量素子300による位相補償の原理について説明する。容量素子300は、フィルタ回路100の出力部と量子化器101の入力部との間に直列に接続されており、これは伝達関数における零点を形成する。そして、この零点は位相余裕を改善させる作用を持つ。
図2は本実施形態に係るデルタシグマ変調器の振幅および位相の周波数特性の一例を示している。図2において、上図は振幅の周波数特性を示しており、下図は位相の周波数特性を示している(後述する図5についても同様)。また、実線は本実施形態に係るデルタシグマ変調器の振幅および位相の周波数特性を示しており、破線は図12(a)に示した元のデルタシグマ変調器の周波数特性を示している。そして、矢印C,Aはそれぞれの周波数特性において、ループゲインが1となる、すなわち0dBとなったときの位相余裕を示したものである。また、図内のp1は演算増幅器104のポール周波数を示しており、pRCは量子化器101の入力部に接続された第1抵抗素子201および容量素子300を有する第1の加算回路120のポール周波数を示している。本実施形態において、演算増幅器104の有限ゲイン帯域幅は元のデルタシグマ変調器から変更していないため、ポール周波数p1は変化していない。
図2に示すように、位相余裕が元のデルタシグマ変調器においては45度以下(矢印A)であったのに対して、本実施形態では45度以上(矢印C)に改善している。従って、本実施形態に係るデルタシグマ変調器は安定条件を満たすことができる。
なお、図1の構成において、容量素子300の容量値Csum1は、次のような条件を満たすように定めるのが好ましい。
Figure 2013005267
ここで、Cpは寄生容量320の容量値である。そして、この上式の容量値Csum1は、ノードN103の寄生容量320の影響を打ち消すように設定された値となる。
ここで、上式は演算増幅器104の有限ゲイン帯域幅の影響がないものとして考えた場合における算出例であり、演算増幅器104の有限ゲイン帯域幅の影響が無視できない場合には、容量値Csum1は、フィルタ回路100、第1および第2の加算回路120,123、並びにノードN103の寄生容量320の影響等を考慮して、安定条件を満たすことが可能な容量値に設定するのが好ましい。
図3(a),(b)は、本実施形態に係るデルタシグマ変調器のスペクトル例およびノイズ伝達関数の極零配置例をそれぞれ示している。本実施形態のデルタシグマ変調器は、図3(b)に示すように、極が全てz平面における単位円内に入っており、安定条件を満たしていることが分かる。すなわち、演算増幅器104の有限ゲイン帯域幅を高めることなく、安定条件を満たすことができる。
以上のように、本実施形態に係るデルタシグマ変調器は、演算増幅器104の有限ゲイン帯域幅を高めることなく、ノードN103の寄生容量320、第1および第2の加算回路120,123、並びに演算増幅器104の有限ゲイン帯域幅等の影響による位相余裕の低下を補償する、すなわち安定条件を満たすことができる。そのため、消費電力およびチップ面積を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器を実現することができる。
なお、本実施形態に係るデルタシグマ変調器は、第2の加算回路123として第2抵抗素子202を有する第1のフィードフォワード回路121およびデジタルアナログ変換器103(第1のフィードバック回路)を備えていたが、いずれか一方を備えていればよい。
<第2の実施形態>
図4は第2の実施形態に係るデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。図4は2つの縦続接続された積分器を有する2次のデルタシグマ変調器の一例である。
図4のデルタシグマ変調器において、図1と異なるのは、フィルタ回路100Aに、演算増幅器105、抵抗素子203および容量素子302によって構成された積分器が追加されている点である。そして、反転素子401および容量素子303(容量値はCsum2)が追加され、容量素子300および反転素子400は省かれている。
入力端子N100から入力されたアナログ入力信号は、2つの縦続接続された積分器を有するフィルタ回路100Aおよび第1抵抗素子201(第1の加算回路120)を介して量子化器101に入力される。量子化器101によって量子化されたデジタル出力信号は、図1と同様に、第1のデジタルアナログ変換器102およびデジタルアナログ変換器103によってデジタルアナログ変換され、アナログ信号としてフィードバックされる。一方で、演算増幅器104の出力信号は、反転素子401および容量素子303を有する第2のフィードフォワード回路122によって、量子化器101の入力部(ノードN103)に加算される。また、図1と同様にアナログ入力信号は、第2抵抗素子202を有する第1のフィードフォワード回路121によって、量子化器101の入力部(ノードN103)に加算される。ここで、第2の加算回路123Aは、デジタルアナログ変換器103(第1のフィードバック回路)、第1のフィードフォワード回路121および第2のフィードフォワード回路122を有している。
図4では、1段目の積分器の演算増幅器104の出力部が接続されたノードN102と、第1抵抗素子201の一端との間に2段目の積分器が接続されている。具体的には、ノードN102と、2段目の積分器の演算増幅器105の反転入力端子に接続されたノードN104との間には、抵抗素子203が接続されている。そして、ノードN104は容量素子302を介して、ノードN105に接続されている。ノードN105は演算増幅器105の出力部、および第1抵抗素子201の一端と接続されている。なお、演算増幅器104,105の非反転入力端子は、接地されている。
一方で、ノードN102は反転素子401を介して容量素子303の一端と接続されており、容量素子303の他端が量子化器101の入力ノードN103に接続されることにより第2のフィードフォワード回路122を構成している。すなわち、第2のフィードフォワード回路122は、本実施形態に係る位相補償手段として、量子化器101の入力部と演算増幅器104の出力部との間に設けられた容量素子303を有している。また、第1のフィードフォワード回路121からは反転素子400が省かれている。
ここで、図5を参照しながら、容量素子303による位相補償の原理について説明する。
図5において、実線は本実施形態における振幅および位相の周波数特性を示しており、破線は図15に破線で示した元の2次のデルタシグマ変調器に係る振幅および位相の周波数特性を示している。また、図内のp1は演算増幅器104,105におけるポール周波数を示している。本実施形態において、演算増幅器104,105の有限ゲイン帯域幅は元の2次のデルタシグマ変調器から変更していないため、ポール周波数p1は変化していない。
図4において、容量素子303は、演算増幅器104の出力部と量子化器101の入力部との間に反転素子401を介して直列に接続されており、これは伝達関数における零点を形成する。そして、この零点は位相余裕を改善させる作用を持つ。従って、容量素子303の容量値Csum2を、演算増幅器104,105の有限ゲイン帯域幅、第1および第2の加算回路120,123A、並びにノードN103の寄生容量320の影響等を考慮して、安定条件を満たすことが可能な適切な容量値に設定することにより、図5に示すように、デルタシグマ変調器の高周波領域における位相が戻される。これにより、位相余裕が元の2次のデルタシグマ変調器においては45度以下(矢印A)であったのに対して、本実施形態では45度以上(矢印C)に改善している。従って、デルタシグマ変調器は安定条件を満たすことができる。
以上のように、本実施形態に係るデルタシグマ変調器は、演算増幅器104,105の有限ゲイン帯域幅を高めることなく、ノードN103の寄生容量320、第1および第2の加算回路120,123A、並びに演算増幅器104,105の有限ゲイン帯域幅等の影響による位相余裕の低下を補償する、すなわち安定条件を満たすことができる。これにより、消費電力およびチップ面積を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器を実現することができる。
なお、本実施形態において、デジタルアナログ変換器103(第1のフィードバック回路)は、必ずしも必要ではなく、なくても同様の効果が得られる。
また、第1の実施形態と第2の実施形態とは、組み合わせることが可能であり、第3の実施形態ではその組合せの例および他の例について説明する。
<第3の実施形態>
図6は第3の実施形態に係るデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。
図6のデルタシグマ変調器において、図4と異なるのは、第1抵抗素子201に容量素子300が並列に接続されている点である。
入力端子N100から入力されたアナログ入力信号は、2つの縦続接続された積分器を有するフィルタ回路100Aおよび第1抵抗素子201と容量素子300とが並列接続された第1の加算回路120を介して量子化器101に入力される。以下、図4と同様に、量子化器101によって量子化されたデジタル出力信号は、第1のデジタルアナログ変換器102およびデジタルアナログ変換器103によってデジタルアナログ変換され、アナログ信号としてフィードバックされる。一方で、演算増幅器104の出力信号およびアナログ入力信号は、第2のフィードフォワード回路122および第1のフィードフォワード回路121によって、それぞれ、量子化器101の入力部(ノードN103)に加算される。本実施形態において、第2の加算回路123Aは、図4と同様に、デジタルアナログ変換器103(第1のフィードバック回路)、第1のフィードフォワード回路121および第2のフィードフォワード回路122を有している。そして、本実施形態に係るデルタシグマ変調器は、位相補償手段として、第2のフィードフォワード回路122において、量子化器101の入力部と演算増幅器104の出力部との間に設けられた容量素子303を有しており、第1の加算回路120において、第1抵抗素子201と並列に接続された容量素子300を有している。
図6において、容量素子300,303は、伝達関数における零点を形成する。そして、この零点は位相余裕を改善させる作用を持つ。従って、例えば容量素子300の容量値Csum1および容量素子303の容量値Csum2を第1および第2の実施形態に示したような適切な容量値に設定することによって、デルタシグマ変調器の高周波領域における位相が戻される。これにより、位相余裕が確保され、デルタシグマ変調器は安定条件を満たすことができる。
(第3の実施形態の他の例)
図7(a),(b)は第3の実施形態に係るデルタシグマ変調器の他の構成例を示す図である。
図7(a)は図6のデルタシグマ変調器に加えて、第2のフィードフォワード回路122の容量素子303に並列に第3抵抗素子204を設けた例を示している。図7(a)においても、図6と同様に、容量素子300,303の容量値Csum1,Csum2を、適切な容量値に設定することにより、デルタシグマ変調器の高周波領域における位相が戻される。これにより、位相余裕が確保され、デルタシグマ変調器は安定条件を満たすことができる。
図7(b)は3つの縦続接続された積分器を有する3次のデルタシグマ変調器の例を示している。図7(b)のデルタシグマ変調器において、図7(a)と異なるのは、フィルタ回路100Bに演算増幅器106、抵抗素子205、および容量素子304によって構成された積分器が追加された点である。そして、第2のフィードフォワード回路122には、演算増幅器105の出力部とノードN103との間に反転素子402、並びに並列接続された抵抗素子206および容量素子305(容量値はCsum3)が追加されている。また、反転素子400が追加され、反転素子401が省かれている。
そして、容量素子300,303,305の容量値Csum1,Csum2,Csum3を、図6と同様に適切な容量値に設定することにより、デルタシグマ変調器の高周波領域における位相が戻される。これにより、位相余裕が確保され、デルタシグマ変調器は安定条件を満たすことができる。
以上のように、本実施形態に係るデルタシグマ変調器は、フィルタ回路100A,100Bの演算増幅器104,105,106の有限ゲイン帯域幅を高めることなく、ノードN103の寄生容量320、第1および第2の加算回路120,123A、並びに演算増幅器104,105,106の有限ゲイン帯域幅等の影響による位相余裕の低下を補償する、すなわち安定条件を満たすことができる。これにより、消費電力およびチップ面積を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器を実現することができる。
なお、上記の図7(a),(b)に係るデルタシグマ変調器は、第2の加算回路123Aとして、第1のフィードフォワード回路121、デジタルアナログ変換器103(第1のフィードバック回路)、および第2のフィードフォワード回路122のうち、少なくともいずれか1つを備えていればよい。
また、第1〜3の実施形態は、差動回路にしても同様の効果が得られる。第4の実施形態では、図6のデルタシグマ変調器を差動回路にした例について説明する。
<第4の実施形態>
図8は第4の実施形態に係るデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。
図8に示すデルタシグマ変調器は、差動入力端子Vin+,Vin−、フィルタ回路100C、量子化器101A、第1のデジタルアナログ変換器102A、デジタルアナログ変換器103A(第1のフィードバック回路)、第1抵抗素子201A,201B、第2抵抗素子202A,202B、および容量素子300A,300B,303A,303B(それぞれの容量値はCsum1A,Csum1B,Csum2A,Csum2B)を備えている。ここで、容量320A,320Bは量子化器101Aの入力ノードN103A,N103Bのそれぞれにおける寄生容量を示している。また、差動のデルタシグマ変調器には、図1における反転素子400および図4および図6における反転素子401のような反転素子は必要としない。そのため、図8において反転素子は省いている。
フィルタ回路100Cは、演算増幅器104Aを用いた積分器107、および演算増幅器105Aを用いた積分器108を備えている。
差動入力端子Vin+,Vin−から入力されたアナログ入力信号は、フィルタ回路100Cと、第1抵抗素子201Aおよび容量素子300A並びに第1抵抗素子201Bおよび容量素子300Bがそれぞれ並列接続された第1の加算回路120とを介して量子化器101Aに入力される。量子化器101Aによって量子化されたデジタル出力信号は、出力端子Doutから出力される。また、このデジタル出力信号は、第1のデジタルアナログ変換器102Aによってデジタルアナログ変換され、アナログ信号としてフィルタ回路100Cにフィードバックされるとともに、デジタルアナログ変換器103Aによってデジタルアナログ変換され、アナログ信号として量子化器101Aの入力部にフィードバックされる。一方で、アナログ入力信号は、第2抵抗素子202A,202Bを有する第1のフィードフォワード回路121によって、量子化器101Aの入力部に加算される。また、積分器107の出力信号は、容量素子303A,303Bを有する第2のフィードフォワード回路122によって、量子化器101Aの入力部に加算される。
そして、容量素子300A,300Bの容量値Csum1A,Csum1Bおよび容量素子303A,303Bの容量値Csum2A,Csum2Bを、演算増幅器104A,105Aの有限ゲイン帯域幅、第1および第2の加算回路120,123B、並びにノードN103A,N103Bの寄生容量320A,320Bの影響等を考慮して、安定条件を満たすことが可能な適切な容量値に設定することにより、デルタシグマ変調器の高周波領域における位相が戻される。これにより、位相余裕が確保され、デルタシグマ変調器は安定条件を満たすことができる。
以上の本実施形態に示すような回路構成を用いることにより、差動のデルタシグマ変調器においても、演算増幅器104A,105Aの有限ゲイン帯域幅を高めることなく、安定条件を満たすことができる。これにより、消費電力およびチップ面積を抑制しつつ、安定性の高いデルタシグマ変調器を実現することができる。
<第5の実施形態>
図9は第5の実施形態に係るデルタシグマ変調器の構成例を示す図である。
図9のデルタシグマ変調器において、図1と異なるのは、デジタルアナログ変換器103を有する第1のフィードバック回路111に、第2のデジタルアナログ変換器109および位相補償手段としてのハイパスフィルタ110が追加されている点である。そして、第1の加算回路120からは、容量素子300が省かれている。すなわち、第2の加算回路123Cは、第1のフィードバック回路111と第1のフィードフォワード回路121とを有している。そして、第1のフィードバック回路111は位相補償手段として、ハイパスフィルタ110を備えている。
入力端子N100から入力されたアナログ入力信号は、演算増幅器104を有する積分器を備えたフィルタ回路100および第1抵抗素子201(第1の加算回路120)を介して量子化器101に入力される。量子化器101によって量子化されたデジタル出力信号は、図1と同様に、第1のデジタルアナログ変換器102およびデジタルアナログ変換器103によってデジタルアナログ変換され、アナログ信号としてフィードバックされる。さらに、ハイパスフィルタ110および第2のデジタルアナログ変換器109を介して、量子化器101から出力されたデジタル出力信号に含まれる量子化前のアナログ信号の高周波成分の信号のみがデジタルアナログ変換され、アナログ信号として量子化器101の入力部にフィードバックされる。
これにより、量子化器101によって量子化されたデジタル出力信号に含まれる量子化前のアナログ信号の高周波信号成分のみを量子化器101の入力部に加算することができる。これにより、量子化器101の入力ノードN103の寄生容量320、第1および第2の加算回路120,123C、並びに演算増幅器104の有限ゲイン帯域幅等の影響による位相余裕の低下を補償することが可能となる。また、デジタルのハイパスフィルタ110を用いるため、回路面積(回路コスト)の抑制に有利である。
なお、本実施形態に係るデルタシグマ変調器も差動回路にすることが可能であり、差動回路でも同様の効果が得られる。
また、本実施形態において、第2抵抗素子202を有する第1のフィードフォワード回路121およびデジタルアナログ変換器103は必ずしも必要ではなく、なくても同様の効果が得られる。
<適用例>
図10は無線通信装置50の構成を示すブロック図である。
図10の無線通信装置50は、アンテナ500、送受切替部508、送信部507、および受信部501を備えている。
受信部501は、低雑音増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)502、ミキサ503、ローパスフィルタ504、上述した第1〜第5の実施形態のいずれか1つに記載のデルタシグマ変調器505、およびデジタルベースバンド処理部506を備えている。
このような構成を用いることにより、広帯域の信号に対して精度を保った無線通信装置50を実現することが可能となる。したがって、例えば携帯電話に適用すれば、装置の消費電力および回路面積を抑制しつつ、高品質な送受話をすることが可能となる。
なお、上述したデルタシグマ変調器は受信装置に使用することも可能である。受信装置の構成は、例えば図10において、送受切替部508および送信部507を省いた構成となる。すなわち、この場合の受信装置は、アンテナ500および受信部501を備えている。そして、アンテナ500から入力された信号は、受信部501のLNA502に入力される。
これにより、広帯域の信号に対して精度を保った受信装置を実現することが可能となる。したがって、例えばデジタルテレビチューナーやラジオチューナーに適用すれば、受信装置の消費電力および回路面積を抑制しつつ、高品質な音声および映像の受信をすることが可能となる。
なお、上記の各実施形態では、安定条件を位相余裕が45度以上あることとしているが、使用環境等によって安定条件として要求される位相余裕は異なる場合があり、容量値Csum1,Csum2,Csum3は要求される位相余裕(安定条件)を満たす範囲で変更されてもかまわない。
また、上記の各実施形態の回路は置き換えて使用したり、組み合わせて使用することが可能である。例えば、図9の第1のフィードバック回路111を図4、図6または図7に適用してもよい。
本発明に係るデルタシグマ変調器は、小面積かつ低消費電力を実現しつつ、デルタシグマ変調器の安定性を保つことができる。したがって、携帯電話、無線LAN等の通信機器、並びに音声機器、および映像機器等の受信装置等におけるデータ変換回路として有用である。また、本発明に係る無線通信装置および受信装置は、携帯電話、無線LAN等の通信機器、およびデジタルテレビチューナー、ラジオチューナー等の映像機器、音声機器等の受信装置に有用である。
100,100A,100B,100C フィルタ回路
101,101A 量子化器
102,102A 第1のデジタルアナログ変換器
103,103A デジタルアナログ変換器(第1のフィードバック回路)
104,104A 演算増幅器
105,105A 演算増幅器
106 演算増幅器
109 第2のデジタルアナログ変換器
110 ハイパスフィルタ(位相補償手段)
111 第1のフィードバック回路
120 第1の加算回路
121 第1のフィードフォワード回路
122 第2のフィードフォワード回路
123,123A,123B,123C 第2の加算回路
201,201A,201B 第1抵抗素子
202,202A,202B 第2抵抗素子
204 第3抵抗素子
300,300A,300B 容量素子(位相補償手段)
303,303A,303B 容量素子(位相補償手段)
305 容量素子(位相補償手段)
50 無線通信装置
500 アンテナ
501 受信部
505 デルタシグマ変調器
507 送信部
508 送受切替部

Claims (11)

  1. 演算増幅器を用いた積分器を少なくとも1つ備えたフィルタ回路と、
    前記フィルタ回路の出力信号を量子化する量子化器と、
    前記量子化器のデジタル出力信号をデジタルアナログ変換し、前記フィルタ回路にアナログ信号としてフィードバックする第1のデジタルアナログ変換器と、
    前記フィルタ回路の出力部と前記量子化器の入力部との間に設けられ、第1抵抗素子を含む受動素子によって構成された第1の加算回路と、
    前記フィルタ回路の入力部と前記量子化器の入力部とを第2抵抗素子を介して接続する第1のフィードフォワード回路、および前記量子化器のデジタル出力信号を前記量子化器の入力部にアナログ信号としてフィードバックする第1のフィードバック回路のうち、少なくともいずれか一方を有する第2の加算回路とを備えており、
    前記第1の加算回路および前記第1のフィードバック回路のうち、少なくともいずれか一方が位相補償手段を備えている
    ことを特徴とするデルタシグマ変調器。
  2. 演算増幅器を用いた積分器を、複数段、縦続に接続したフィルタ回路と、
    前記フィルタ回路の出力信号を量子化する量子化器と、
    前記量子化器のデジタル出力信号をデジタルアナログ変換し、前記フィルタ回路にアナログ信号としてフィードバックする第1のデジタルアナログ変換器と、
    前記フィルタ回路の出力部と前記量子化器の入力部との間に設けられ、第1抵抗素子を含む受動素子によって構成された第1の加算回路と、
    前記フィルタ回路の入力部と前記量子化器の入力部とを第2抵抗素子を介して接続する第1のフィードフォワード回路、前記量子化器のデジタル出力信号を前記量子化器の入力部にアナログ信号としてフィードバックする第1のフィードバック回路、および複数の前記積分器のうち、少なくとも1つの出力信号を、受動素子を介してフィードフォワードした第2のフィードフォワード回路のうち、少なくともいずれか1つを有する第2の加算回路とを備えており、
    前記第1の加算回路、前記第1のフィードバック回路、および前記第2のフィードフォワード回路のうち、少なくともいずれか1つが位相補償手段を備えている
    ことを特徴とするデルタシグマ変調器。
  3. 請求項1または2記載のデルタシグマ変調器において、
    前記第1の加算回路は、前記位相補償手段として、前記第1抵抗素子に並列に接続された容量素子を備えている
    ことを特徴とするデルタシグマ変調器。
  4. 請求項1または2記載のデルタシグマ変調器において、
    前記第1のフィードバック回路は、
    前記量子化器のデジタル出力信号をデジタルアナログ変換し、前記量子化器の入力部にアナログ信号として出力する第2のデジタルアナログ変換器と、
    前記位相補償手段としての、前記量子化器の出力部と前記第2のデジタルアナログ変換器の入力部との間に設けられたハイパスフィルタとを備えている
    ことを特徴とするデルタシグマ変調器。
  5. 請求項2記載のデルタシグマ変調器において、
    前記第2の加算回路は、前記第2のフィードフォワード回路を有しており、
    前記第1の加算回路および前記第2のフィードフォワード回路のうち、少なくともいずれか一方が、前記位相補償手段として、前記量子化器の入力部に接続された少なくとも1つの容量素子を備えている
    ことを特徴とするデルタシグマ変調器。
  6. 請求項2記載のデルタシグマ変調器において、
    前記第2の加算回路は、前記第1のフィードフォワード回路と、前記第2のフィードフォワード回路とを有しており、
    前記第2のフィードフォワード回路が有する受動素子は、前記位相補償手段として、容量素子を含んでいる
    ことを特徴とするデルタシグマ変調器。
  7. 請求項2記載のデルタシグマ変調器において、
    前記第2の加算回路は、第3抵抗素子を含む受動素子によって構成された前記第2のフィードフォワード回路を有しており、
    前記第2のフィードフォワード回路は、前記位相補償手段として、前記第3抵抗素子に並列に接続された容量素子を備えている
    ことを特徴とするデルタシグマ変調器。
  8. 演算増幅器を用いた積分器を少なくとも1つ備えたフィルタ回路と、
    前記フィルタ回路の出力信号を量子化する量子化器と、
    前記量子化器のデジタル出力信号をデジタルアナログ変換し、前記フィルタ回路にアナログ信号としてフィードバックする第1のデジタルアナログ変換器と、
    前記フィルタ回路の出力部と前記量子化器の入力部との間に設けられた第1抵抗素子と、
    前記フィルタ回路の入力部と前記量子化器の入力部とを第2抵抗素子を介して接続する第1のフィードフォワード回路と、
    前記第1抵抗素子に並列に接続された容量素子とを備えている
    ことを特徴とするデルタシグマ変調器。
  9. 演算増幅器を用いた積分器を少なくとも1つ備えたフィルタ回路と、
    前記フィルタ回路の出力信号を量子化する量子化器と、
    前記量子化器のデジタル出力信号をデジタルアナログ変換し、前記フィルタ回路にアナログ信号としてフィードバックする第1のデジタルアナログ変換器と、
    前記フィルタ回路の出力部と前記量子化器の入力部との間に設けられ、第1抵抗素子を含む受動素子によって構成された第1の加算回路と、
    前記量子化器のデジタル出力信号をデジタルアナログ変換し、前記量子化器の入力部にアナログ信号としてフィードバックする第2のデジタルアナログ変換器と、
    前記量子化器の出力部と前記第2のデジタルアナログ変換器の入力部との間に設けられたハイパスフィルタとを備えている
    ことを特徴とするデルタシグマ変調器。
  10. アンテナと、
    請求項1から9のうちいずれか1項に記載のデルタシグマ変調器を有しており、前記アンテナからの受信信号の信号処理を行う受信部とを備えている
    ことを特徴とする受信装置。
  11. アンテナと、
    請求項1から9のうちいずれか1項に記載のデルタシグマ変調器を有しており、前記アンテナからの受信信号の信号処理を行う受信部と、
    送信信号を変調する送信部と、
    前記受信部および前記送信部と前記アンテナとの間に設けられ、前記アンテナから前記受信部への前記受信信号の供給と、前記送信部から前記アンテナへの前記送信信号の供給とを切替える送受切替部とを備えている
    ことを特徴とする無線通信装置。
JP2013522376A 2011-07-01 2011-11-29 デルタシグマ変調器、並びに、これを備えた受信装置および無線通信装置 Pending JPWO2013005267A1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013522376A JPWO2013005267A1 (ja) 2011-07-01 2011-11-29 デルタシグマ変調器、並びに、これを備えた受信装置および無線通信装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011147542 2011-07-01
JP2011147542 2011-07-01
JP2013522376A JPWO2013005267A1 (ja) 2011-07-01 2011-11-29 デルタシグマ変調器、並びに、これを備えた受信装置および無線通信装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2013005267A1 true JPWO2013005267A1 (ja) 2015-02-23

Family

ID=47436642

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013522376A Pending JPWO2013005267A1 (ja) 2011-07-01 2011-11-29 デルタシグマ変調器、並びに、これを備えた受信装置および無線通信装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US9178530B2 (ja)
JP (1) JPWO2013005267A1 (ja)
CN (1) CN103609024A (ja)
WO (1) WO2013005267A1 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9019136B2 (en) * 2012-12-12 2015-04-28 Mediatek Inc. Sigma-delta modulators with high speed feed-forward architecture
US8860491B1 (en) * 2013-07-09 2014-10-14 Analog Devices, Inc. Integrator output swing reduction technique for sigma-delta analog-to-digital converters
EP2882106A1 (en) * 2013-12-06 2015-06-10 Nxp B.V. Sigma-delta modulator
JP6910301B2 (ja) * 2015-02-20 2021-07-28 コミサリヤ・ア・レネルジ・アトミク・エ・オ・エネルジ・アルテルナテイブ 高直線性シグマ−デルタ変換器
US9537497B2 (en) * 2015-05-14 2017-01-03 Mediatek Inc. Continuous time delta sigma modulator, analog to digital converter and associated compensation method
US9559719B1 (en) * 2015-12-21 2017-01-31 Intel IP Corporation Single amplifer bi-quad sigma-delta modulator
US10020818B1 (en) 2016-03-25 2018-07-10 MY Tech, LLC Systems and methods for fast delta sigma modulation using parallel path feedback loops
US10530372B1 (en) 2016-03-25 2020-01-07 MY Tech, LLC Systems and methods for digital synthesis of output signals using resonators
US9641192B1 (en) * 2016-06-14 2017-05-02 Semiconductor Components Industries, Llc Methods and apparatus for a delta sigma ADC with parallel-connected integrators
WO2018094380A1 (en) 2016-11-21 2018-05-24 MY Tech, LLC High efficiency power amplifier architectures for rf applications
KR101961363B1 (ko) * 2017-07-06 2019-03-22 서강대학교산학협력단 피드-포워드 델타-시그마 변조기
US10211848B1 (en) * 2018-03-27 2019-02-19 Synaptics Incorporated Delta sigma modulator systems and methods
JP7458215B2 (ja) 2020-03-17 2024-03-29 日清紡マイクロデバイス株式会社 デルタシグマadc回路
US11933919B2 (en) 2022-02-24 2024-03-19 Mixed-Signal Devices Inc. Systems and methods for synthesis of modulated RF signals

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL1011002C2 (nl) * 1999-01-12 2000-07-20 Univ Eindhoven Tech Versterkerschakeling.
JP4567420B2 (ja) 2004-11-15 2010-10-20 富士通株式会社 フィルタ回路及びシグマデルタa/d変換器
US7522079B1 (en) * 2007-09-06 2009-04-21 National Semiconductor Corporation Sigma-delta modulator with DAC resolution less than ADC resolution and increased tolerance of non-ideal integrators
CN102067457B (zh) 2008-04-28 2013-06-05 松下电器产业株式会社 积分器、谐振器以及过采样a/d转换器

Also Published As

Publication number Publication date
US20140113575A1 (en) 2014-04-24
CN103609024A (zh) 2014-02-26
WO2013005267A1 (ja) 2013-01-10
US9178530B2 (en) 2015-11-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2013005267A1 (ja) デルタシグマ変調器、並びに、これを備えた受信装置および無線通信装置
US7928878B1 (en) Analog to digital converter with low out of band peaking
JP4875767B2 (ja) 積分器、共振器及びオーバーサンプリングa/d変換器
US9019136B2 (en) Sigma-delta modulators with high speed feed-forward architecture
US8581763B2 (en) Delta-sigma modulator and signal processing system
JP6945331B2 (ja) アナログ・ディジタル変換器およびミリ波レーダシステム
US7365668B2 (en) Continuous-time delta-sigma analog digital converter having operational amplifiers
US8981978B2 (en) Resonator and oversampling A/D converter
US7034728B2 (en) Bandpass delta-sigma modulator with distributed feedforward paths
US9143145B2 (en) Delta-sigma modulator
US8223051B2 (en) Multi-bit sigma-delta modulator with reduced number of bits in feedback path
CN104115406A (zh) 连续时间的mashς-δ模数转换
US6967606B2 (en) Loop filter for a continuous time sigma delta analog to digital converter
EP2340613B1 (en) Sigma-delta modulator
KR102583962B1 (ko) 다중 모드를 지원하는 연속시간 델타 시그마 모듈레이터
JP5462888B2 (ja) 共振器、デルタシグマ変調器、および無線通信装置
US9013342B2 (en) Low-power sigma-delta converter
JP6358267B2 (ja) 積分器、デルタシグマ変調器および通信装置
JP4567420B2 (ja) フィルタ回路及びシグマデルタa/d変換器
US8736474B1 (en) Delta-sigma modulator for converting an analog input signal to a digital output signal using delta-sigma modulation
Yang et al. Design of a 6 th-order Continuous-time Bandpass Delta-Sigma Modulator with 250 MHz IF, 25 MHz Bandwidth, and over 75 dB SNDR