JPWO2012169395A1 - 水性樹脂組成物、水性塗料及びプラスチック成型品 - Google Patents

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Abstract

シクロアルキル(メタ)アクリレート(a1)、カルボキシル基を有する不飽和単量体(a2)及び水酸基を有する不飽和単量体(a3)を必須成分とする不飽和単量体の混合物を溶液重合して得られるガラス転移温度が60℃以上である重合体(A)を、水性媒体中に水分散して得られることを特徴とする水性樹脂組成物を提供する。この水性樹脂組成物は、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリカーボネート等のプラスチック成型品を塗装する水性塗料として用いることができる。該水性塗料をプラスチック成型品に塗装することで、光沢、鮮映性、密着性、耐溶剤性、耐温水白化性に優れる硬化塗膜を有するプラスチック成型品を得ることができる。

Description

本発明は、携帯電話、家電製品、OA機器等のプラスチック成型品用水性塗料に用いることができる水性樹脂組成物、水性塗料及びその硬化塗膜を有するプラスチック成型品に関する。
プラスチック用塗料は、携帯電話、家電製品、OA機器等のプラスチック成型品の商品価値向上のために装飾性と機能性付与を目的としてプラスチック表面に塗装される塗料である。具体的には、プラスチック用塗料を塗装する事により、プラスチック成型品表面にない多色仕上げ、外観および質感を付与させる事が可能となり、また機能面では耐磨耗性、耐変退色性、耐皮脂性、高光沢性、高耐候性、電気絶縁性等の耐性の付与を図る事ができる。
現在使用されているプラスチック用塗料のほとんどは、媒体が有機系溶剤で構成されている溶剤系塗料であり、該プラスチック用塗料を用いると塗装乾燥時に多量の有機溶剤が飛散する事から、必ずしも環境に適合する塗料とは言えない。この環境適合対策として、水性樹脂を用いることによる塗料の水性化が展開されている。
しかしながら水性樹脂の中でも、乳化重合により得られる水性エマルジョンを用いた水系のプラスチック用塗料は、溶剤系と比較してプラスチック成型品表面の濡れ性および浸透性に劣り、プラスチック素材との密着性および樹脂形態がエマルジョンである事による耐温水密着性および耐温水白化性に問題があった。また、エマルジョンからなるプラスチック用塗料をプラスチック表面に塗装した場合には、溶剤系塗料と比較して塗装表面の光沢、鮮映性、耐候性が劣るといった問題があった。
これらの問題を解決する方法として、平均粒子径が500nm以下で、エマルジョン粒子に架橋構造を持たせる事により、プラスチック用塗料の透明性、耐水性を向上させたエマルジョンが開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、この方法では光沢、耐候性が不十分であり、全てのプラスチック素材に対する密着性の面で問題がある。そこで、反応性乳化剤を用いてエマルジョンを微粒子化させる事により、プラスチック基材との密着性を向上させたエマルジョンが開示されている(例えば、特許文献2参照)。この方法でも、光沢および全てのプラスチック素材に対する密着性の面で問題がある。さらに、耐水性およびプラスチック基材との密着性を向上させるため、重量平均分子量が2,000以上のアルコール性水酸基を含有する水溶性高分子を分散安定剤に用いたエマルジョンが開示されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この方法でも、全てのプラスチック素材に対する密着性の面で問題があった。
このような各プラスチック基材に対する密着性、並びに耐温水密着性を向上させる手法として、(メタ)アクリル酸シクロへキシルを必須成分とした単量体を乳化剤の存在下、乳化重合することによって得られるガラス転移温度50℃以上の共重合体のエマルジョンが開示されている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、この方法では、PC樹脂からなるプラスチック素材に対する密着性の面で問題があり、さらに60℃の温水に浸漬すると白化するため、耐温水白化性にも問題もあった。
また、近年液晶テレビをはじめとする家電向けプラスチック用塗料に使用される樹脂に対しては、高度な耐アルコール性と、高温下での耐温水密着性および耐温水白化性が求められているが、今までの乳化重合により得られるエマルジョンを用いた水系のプラスチック用塗料では、該目的に対し十分な耐アルコール性、耐温水密着性、耐温水白化性を発現させることが不可能であり、さらに溶剤型塗料に比べて塗膜の光沢および鮮映性が著しく劣るという欠点があった。
特開平2−73803号公報 特開平6−116528号公報 特開2001−152076号公報 特許第3934152号公報
本発明等が解決しようとする課題は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(以下、「ABS樹脂」と略記する。)、ポリカーボネート(以下、「PC樹脂」と略記する。)等のプラスチック成型品に用いることができ、光沢、鮮映性、密着性、耐溶剤性、耐温水白化性に優れる硬化塗膜を得ることのできる水性樹脂組成物、水性塗料及びその硬化塗膜を有するプラスチック成型品を提供することである。
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意研究した結果、特定の不飽和単量体の混合物を溶液重合することによって得られ、特定のTgを有する重合体を水性媒体中に分散した水性樹脂組成物を用いることで、前記の課題を解決することを見出し、発明を完成させた。
すなわち、本発明は、シクロアルキル(メタ)アクリレート(a1)、カルボキシル基を有する不飽和単量体(a2)及び水酸基を有する不飽和単量体(a3)を必須成分とする不飽和単量体の混合物を溶液重合して得られるガラス転移温度が60℃以上である重合体(A)を、水性媒体中に分散して得られることを特徴とする水性樹脂組成物、水性塗料及びその硬化塗膜を有するプラスチック成型品を提供する。
本発明の水性樹脂組成物は、水性塗料用樹脂として用いることができる。また、該水性樹脂組成物及び硬化剤を含有する水性塗料は、高光沢でABS樹脂、PC樹脂からなる何れのプラスチック成型品に対しても優れた密着性、耐温水密着性、耐温水白化性、及び耐溶剤性を有する硬化塗膜を得ることができる。
本発明の水性樹脂組成物は、シクロアルキル(メタ)アクリレート(a1)、カルボキシル基を有する不飽和単量体(a2)及び水酸基を有する不飽和単量体(a3)を必須成分とする不飽和単量体の混合物を溶液重合して得られるガラス転移温度が60℃以上である重合体(A)を、水性媒体中に分散したものである。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートとアクリレートの一方又は両方をいう。
前記シクロアルキル(メタ)アクリレート(a1)としては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、これらのシクロアルキル(メタ)アクリレート(a1)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記シクロアルキル(メタ)アクリレート(a1)の中でも、耐温水白化性が特に良好であることから、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。
前記カルボキシル基を有する不飽和単量体(a2)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はこれら不飽和ジカルボン酸のハーフエステル等が挙げられる。また、これらの不飽和単量体(a2)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記水酸基を有する不飽和単量体(a3)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、これらの不飽和単量体(a3)は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記重合体(A)の原料としては、前記シクロアルキル(メタ)アクリレート(a1)、前記不飽和単量体(a2)、前記不飽和単量体(a3)以外の不飽和単量体(a4)を用いることもできる。
前記不飽和単量体(a4)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート;スチレン、ビニルアセテート、ビニルプロピオネートなどが挙げられる。
前記重合体(A)のガラス転移温度(Tg)は、60℃以上である必要がある。Tgが60℃未満では、得られる硬化塗膜の硬度が低く、プラスチック素材に対する密着性、耐温水密着性、耐溶剤性、耐磨耗性、耐擦り傷性に問題がある。
前記シクロアルキル(メタ)アクリレート(a1)の使用量は、密着性、耐温水密着性および耐溶剤性に優れる塗膜を形成できる水性塗料が得られることから、前記重合体(A)の原料である不飽和単量体成分中の質量比率で、1〜70質量%の範囲が好ましく、5〜60質量%の範囲がより好ましい。
前記カルボキシル基を有する不飽和単量体(a2)の使用量は、樹脂の貯蔵安定性に優れることから、前記重合体(A)の固形分酸価が10mg〜45mgKOH/gとなるような組成にすることが好ましい。
前記水酸基を有する不飽和単量体(a3)の使用量は、得られる硬化塗膜の耐溶剤性に優れることから、前記重合体(A)の固形分水酸基価が10mg〜150mgKOH/gとなるような組成にすることが好ましい。
前記重合体(A)の製造方法としては、例えば、下記の2つの溶液重合法が挙げられる。
(方法1)
有機溶媒中に、不飽和単量体を重合開始剤とともに滴下し、加熱攪拌して重合する方法。
(方法2)
有機溶媒中に、不飽和単量体の一部を重合開始剤とともに滴下して重合したのち、残りの不飽和単量体を重合開始剤とともに滴下して重合する方法。
上記の方法2をさらに詳しく説明すると、不飽和単量体を、不飽和単量体の混合物(I)と、カルボキシル基を有する不飽和単量体(a2)を必須成分とする不飽和単量体の混合物(II)とに分け、前記不飽和単量体の混合物(I)を重合開始剤(c1)とともに滴下して重合した後(第一段目)、さらに前記不飽和単量体(a2)を必須成分とする不飽和単量体の混合物(II)を重合開始剤(c2)とともに滴下して重合する(第二段目)。この方法2により得られた前記重合体(A)を本発明の水性樹脂組成物に用いることで、得られる硬化塗膜の耐溶剤性と樹脂の貯蔵安定性がより向上することから好ましい。
また、前記不飽和単量体の混合物(I)及び前記不飽和単量体の混合物(II)中の前記不飽和単量体(a2)の含有率については、前記不飽和単量体の混合物(I)中の前記不飽和単量体(a2)の含有率(x)と前記不飽和単量体の混合物(II)中の前記不飽和単量体(a2)の含有率(y)との質量比[(x)/(y)]が、1未満となる範囲が好ましく、特に0、すなわち前記不飽和単量体の混合物(I)中の前記不飽和単量体(a2)の含有率(x)が0質量%であることが得られる硬化塗膜の耐溶剤性と樹脂の貯蔵安定性より向上することから好ましい。
前記重合体(A)の合成の際に用いる有機溶剤としては、水と分離することなく混和する水混和性有機溶剤が好ましく、中でも水に対する溶解度(水100gに溶解する有機溶剤のグラム数)が25℃において3g以上の有機溶剤が好ましい。これら水混和性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル溶剤などが挙げられる。これら水混和性有機溶剤は、それぞれ単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記重合体(A)の合成で使用できるラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、アゾビスシアノ吉草酸等のアゾ化合物;tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物;過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の無機過酸化物が挙げられ、これらを単独又は2種以上併用できる。前記ラジカル重合開始剤は、前記重合体(A)の原料である不飽和単量体成分の合計100質量部に対して、0.1〜10質量部の範囲内で使用することが好ましい。
前記溶液重合をする際の反応容器中の不揮発分は、30〜90質量%であることが好ましく、50〜85質量%であることがより好ましい。また、重合体(A)を水性媒体中に分散する前に、後述する塩基性化合物で樹脂中のカルボキシル基を中和しておくことが好ましい。
前記重合体(A)中のカルボキシル基を中和するのに用いる塩基性化合物としては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルルアミン、ジプロピルルアミントリプロピルルアミン等のアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、2−(ジメチルアミノ)−2−メチルプロパノール、N−メチルジエタノールアミン等のアルカノールアミン;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の多価アミン;アンモニア、アンモニア水などが挙げられる。これらの塩基性化合物の中でも、水性樹脂組成物としての貯蔵安定性に優れ、揮発性が高いために硬化塗膜に残留しにくいことから、N,N−ジメチルエタノールアミンが好ましい。なお、これらの塩基性化合物は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
本発明の水性樹脂組成物には、更に、硬化剤として水分散性ポリイソシアネートを配合して使用できる。前記水分散性ポリイソシアネートとは、水性媒体中に加えて攪拌したときに水分散体を形成しうるポリイソシアネートをいう。このような水分散性ポリイソシアネートとしては、例えば、(1)疎水性ポリイソシアネートと親水性基を有するポリイソシアネートとの混合物、(2)疎水性ポリイソシアネートとイソシアネート基を有さず親水性基を有する分散剤との混合物、(3)親水性基を有するポリイソシアネートのみ等が挙げられる。なお、本発明において、親水性基とはアニオン性基、カチオン性基又はノニオン性基をいう。
前記疎水性ポリイソシアネートとは、親水性基を有さないものであり、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、エチル(2,6−ジイソシアナート)ヘキサノエート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12−ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアナート−4−イソシアナートメチルオクタン、2−イソシアナートエチル(2,6−ジイソシアナート)ヘキサノエート等の脂肪族トリイソシアネート;1,3−ビス(イソシアナートメチルシクロヘキサン)、1,4−ビス(イソシアナートメチルシクロヘキサン)、1,3−ジイソシアナートシクロヘキサン、1,4−ジイソシアナートシクロヘキサン、3,5,5−トリメチル(3−イソシアナートメチル)シクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,5−ジイソシアナートメチルノルボルナン、2,6−ジイソシアナートメチルノルボルナン等の脂環族ジイソシアネート;2,5−ジイソシアナートメチル−2−イソシネートプロピルノルボルナン、2,6−ジイソシアナートメチル−2−イソシネートプロピルノルボルナン等の脂環族トリイソシアネート;m−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’α’−テトラメチル−m−キシリレンジイソシアネート等のアラルキレンジイソシアネート;m−またはp−フェニレンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナート−3,3’−ジメチルジフェニル、3−メチル−ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアナートフェニル)チオホスフェート等の芳香族トリイソシアネート;前記のジイソシアネート又はトリイソシアネートのイソシアネート基同士を環化二量化して得られるウレトジオン構造を有するポリイソシアネート;前記のジイソシアネート又はトリイソシアネートのイソシアネート基同士を環化三量化して得られるイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネート;前記のジイソシアネート又はトリイソシアネートを水と反応させることにより得られるビュレット構造を有するポリイソシアネート;前記のジイソシアネート又はトリイソシアネートを二酸化炭素と反応させて得られるオキサダイアジントリオン構造を有するポリイソシアネート;アロファネート構造を有するポリイソシアネートなどが挙げられる。これらの中でも、緻密な架橋塗膜を形成し、硬化塗膜の耐アルコール性をより向上することができることから、イソシアヌレート構造を有するポリイソシアネートが好ましい。
前記親水性基を有するポリイソシアネートとしては、例えば、親水性基及びイソシアネート基を有するポリエーテル、ポリエステル、ポリウレタン、ビニル重合体、アルキド樹脂、フッ素樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、水分散性が良好であることから、親水性基とイソシアネート基とを有するポリエーテル又はビニル重合体が好ましい。これらの親水性基を有するポリイソシアネートは、単独で用いることも2種以上併用することもできる。
前記硬化剤が水分散性ポリイソシアネートの場合の配合量としては、本発明の水性塗料の硬化性及び硬化塗膜の塗膜外観や耐久性がより向上することから、水分散性ポリイソシアネート中のイソシアネート基の当量数(NCO)と、本発明の水性樹脂組成物中の水酸基の当量数(OH)との当量比[(NCO)/(OH)]が、0.1〜5の範囲が好ましく、0.3〜3の範囲がより好ましい。
本発明の水性塗料は、前記共重合体(A)、前記水分散性ポリイソシアネート(B)を含有するもので、これらを水に溶解又は分散させたものが挙げられる。これらを混合する方法としては、例えば、前記共重合体(A)を水分散して得られる水性樹脂組成物に、水分散性ポリイソシアネート(B)の水分散体等を添加し、攪拌する方法等が挙げられる。攪拌方法としては、例えば、各種の攪拌機を使用する方法があり、少量ならば攪拌棒等を用いた簡便な攪拌でも、容易に均一に混合することができる。攪拌機を使用することは、短時間で多量の水性塗料を調製できることから好ましい。
前記共重合体(A)を水分散して得られる水性樹脂組成物と前記水分散性ポリイソシアネート組成物(B)の混合比率は、密着性、耐温水密着性及び耐溶剤性に優れる硬化塗膜を得られることから、前記水分散性ポリイソシアネート(B)中のイソシアネート基(NCO)と前記共重合体(A)中の水酸基(OH)の当量比(NCO/OH)が、0.1〜5であることが好ましく、0.3〜3であることがより好ましい。
本発明の水性塗料は、そのままで顔料を含まないクリヤーな塗料として使用することができるし、有機系あるいは無機系の各種の顔料を配合して着色塗料として使用することもできる。また、かかる塗料には、必要に応じて、各種用途に適した添加剤、例えば、充填剤、レベリング剤、増粘剤、消泡剤、有機溶剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料分散剤のような、各種の添加剤類などをも配合して、使用することができる。
そして、本発明の水性塗料は、密着性、耐温水密着性、耐温水白化性及び耐溶剤性に優れる硬化塗膜を得ることができる。本発明の塗料を塗装することのできるプラスチック成型品としては、例えば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン等の家電製品の筐体;パソコン、スマートフォン、携帯電話、デジタルカメラ、ゲーム機等の電子機器の筐体;プリンター、ファクシミリ等のOA機器の筐体;自動車、鉄道車輌等の各種車輌の内装材に用いられる各種部品などが挙げられる。
本発明の塗料の塗装方法としては、例えば、グラビアコーター、ロールコーター、コンマコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、カーテンコーター、キスコーター、シャワーコーター、ホイーラーコーター、スピンコーター、ディッピング、スクリーン印刷、スプレー、アプリケーター、バーコーター等の方法が挙げられる。また、本発明の水性塗料を塗装後、硬化塗膜とする方法としては、常温〜約80℃の範囲で加熱乾燥させる方法が挙げられる。
以下に本発明を具体的な実施例を挙げてより詳細に説明する。なお、重合体の酸価及び水酸基価は、JIS試験方法K 0070−1992に準拠して測定したものである。また、重合体のガラス転移温度(以下、「Tg」と略記する。)、重量平均分子量(Mw)及び水性樹脂組成物の平均粒子径は、下記の測定条件で測定したものである。
[Tgの測定条件]
測定装置:示差走査熱量計(TA INSTRUMENTS株式会社製「DSC Q−100」)
雰囲気条件:窒素雰囲気下
温度範囲:−50〜150℃
昇温速度:10℃/分
測定用フィルム:ポリプロピレン板に3ミルのアプリケーターで樹脂をそのまま塗装し、100℃×2時間、150℃×2時間乾燥した。
なお、Tgの値は、同一サンプルについて2回測定を行い、2回目の測定で得られた中間点ガラス転移温度(Tmg)の値を採用した。
[重量平均分子量の測定条件]
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
(標準ポリスチレン)
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」
[平均粒子径の測定条件]
測定装置:日機装株式会社製「Nanotrac UPA−150」
(実施例1:水性樹脂組成物(1)の調製)
還流冷却器、撹拌機、温度計、滴下ロート、および窒素導入管を具備した反応容器に、ジエチレングリコールジメチルエーテル284.1質量部を仕込んで撹拌を開始し、135℃まで昇温した。ここに窒素気流下で、下記の表1に示す組成の不飽和単量体の混合物(I)とt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート9.3質量部とを3.5時間かけて連続滴下した。続いて、下記の表1に示す組成の不飽和単量体の混合物(II)とt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4.0質量部とを1.5時間かけて連続滴下した。同温度で2時間撹拌後、80℃まで冷却し、ジメチルエタノールアミン16.0質量部を添加後、さらにイオン交換水588.3質量部を添加し、水分散させることにより、不揮発分45.5質量%の水性樹脂組成物(1)を得た。この水性樹脂組成物(1)は、固形分酸価19.5mgKOH/g、固形分水酸基価35.2mgKOH/g、粘度1,000mPa・s(B型粘度計、25℃、ローター#3、30rpm)、平均粒子径160nm、重量平均分子量(Mw)16,500であった。
(実施例2〜4:水性樹脂組成物(2)〜(4)の調製)
下記の表1に示す組成に変更した以外は実施例1と同様に操作することにより、水性樹脂組成物(2)〜(4)を得た。
(実施例5:水性樹脂組成物(5)の調製)
還流冷却器、撹拌機、温度計、滴下ロート、および窒素導入管を具備した反応容器に、ジエチレングリコールジメチルエーテル165.8質量部を仕込んで撹拌を開始し、135℃まで昇温した。ここに窒素気流下で、下記表1−1に示す組成の不飽和単量体の混合物(I)とt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート14.0質量部とを3.5時間かけて連続滴下した。続いて、下記表1−2に示す組成の不飽和単量体の混合物(II)とt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート6.0質量部とを1.5時間かけて連続滴下した。同温度で1時間撹拌後、120℃に降温し、スチレン4.6質量部、t-ブチルパーオキシベンゾエート1.9質量部を仕込んで、さらに2時間撹拌してから70℃まで冷却し、メチルエチルケトン303.9質量部、ジメチルエタノールアミン16.0質量部を添加後、さらにイオン交換水713.4質量部を添加し、水分散させた。次いで、メチルエチルケトン303.9質量部を留去して水性樹脂組成物(5)を得た。この水性樹脂組成物(5)は、固形分酸価19.2mgKOH/g、固形分水酸基価34.9mgKOH/g、粘度1,200mPa・s(B型粘度計、25℃、ローター#3、30rpm)、平均粒子径150nm、重量平均分子量(Mw)13,500であった。
(実施例6〜11:水性樹脂組成物(6)〜(11)の調製)
下記の表1及び2に示す組成に変更した以外は実施例1と同様に操作することにより、水性樹脂組成物(6)〜(11)を得た。
(実施例12:水性樹脂組成物(12)の調製)
還流冷却器、撹拌機、温度計、滴下ロートおよび窒素導入管を具備した反応容器に、ジエチレングリコールジメチルエーテル284.1質量部を仕込んで撹拌を開始し、135℃まで昇温した。ここに窒素気流下で、メチルメタクリレート335.2質量部、シクロヘキシルメタクリレート198.9質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレートのカプロラクトン1モル付加物(株式会社ダイセル製「プラクセル FM−1」)100.9質量部、アクリル酸16.2質量部、及びメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(新中村化学工業株式会社製「NKエステル M−230G」)6.6質量部と、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート13.3質量部とを5時間かけて連続滴下した。135℃で2時間撹拌後、重合体の70質量%溶液を得た。80℃まで冷却し、ジメチルエタノールアミン16.0質量部を添加して30分撹拌後、イオン交換水1267.3質量部を添加して水分散させることにより、不揮発分30.2質量%の水性樹脂組成物(12)を得た。この水性樹脂組成物(12)は固形分酸価19.3mgKOH/g、固形分水酸基価35.2mgKOH/g、粘度2,000mPa・s(B型粘度計、25℃、ローター#3、30rpm)、平均粒子径25nm、重量平均分子量(Mw)16,000であった。
(比較例1〜4:水性樹脂組成物(R1)〜(R4)の調製)
下記の表2に示す組成に変更した以外は実施例1と同様に操作することにより、水性樹脂組成物(R1)〜(R4)を得た。
(比較例5:水性樹脂組成物(R5)の調製)
還流冷却管、撹拌機、温度計、滴下ロートを有する反応容器に、イオン交換水180質量部および界面活性剤(株式会社ADEKA製「アデカリアソープSR−10」)2質量部を仕込み、75℃に昇温した。続いて、界面活性剤(株式会社ADEKA製「アデカリアソープSR−10」)5質量部、シクロヘキシルメタクリレート170質量部、スチレン130質量部、ブチルアクリレート50質量部、メチルメタクリレート85質量部、メタクリル酸10質量部、イオン交換水200質量部からなるモノマー乳化物を3時間かけて滴下した。同時に重合開始剤として過硫酸アンモニウム1質量部をイオン交換水60質量部に溶解したものを3時間かけて80℃で滴下し重合した。同温度で2時間撹拌後、冷却し、アンモニア水3質量部を添加して水性樹脂組成物(R5)を得た。
上記で得られた水性樹脂組成物(1)〜(12)及び(R1)〜(R5)の組成及び性状値を表1及び2に示す。
Figure 2012169395
Figure 2012169395
上記の表1及び2中の略号は、下記のものである。
「MMA」:メチルメタクリレート
「BA」:n−ブチルアクリレート
「nBMA」:n−ブチルメタクリレート
「CHMA」:シクロヘキシルメタクリレート
「IBXMA」:イソボルニルメタクリレート
「St」:スチレン
「FM−1」:プラクセルFM1(ダイセル化学工業株式会社製:不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾 イプシロン−カプロラクトン)
「HEMA」:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
「AA」:アクリル酸
「MAA」:メタクリル酸
「M−230G」:NK エステル M−230G(新中村化学工業株式会社製:メトキシポリエチレングリコールメタクリレート)
「P−O」:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
「DMEA」:ジメチルエタノールアミン
「MDM」:ジエチレングリコールジメチルエーテル
(実施例13:水性塗料(1)の調製及び評価)
水性塗料の主剤として実施例1で得られた水性樹脂組成物(1)50質量部、及び硬化剤として水分散性ポリイソシアネート(DIC株式会社製「バーノック DNW−5500」、不揮発分80質量%の水分散性ポリイソシアネート;以下、「DNW−5500」と略記する。)4.5質量部を攪拌混合し、粘度がアネスト岩田株式会社製「粘度カップNK−2」で15秒(23℃)になるようにイオン交換水で希釈して水性塗料(1)を調製した。また、硬化剤中のイソシアネート基(NCO)と水性樹脂組成物(1)中の水酸基(OH)との当量比[(NCO)/(OH)]は1.0であった。なお、DNW−5500は塗装する直前に混合した。次いで、得られた水性塗料(1)を用いて、下記の塗膜評価を行った。
[評価用塗膜の作製]
上記で得られた水性塗料(1)を、ABS樹脂基材(厚さ1.0mm)、PC樹脂基材(厚さ2.0mm)にスプレーガンを用いて、乾燥膜厚が10〜15μmとなるように塗装後、乾燥機にて80℃、30分加熱乾燥した後、常温で2日乾燥して評価用塗膜を作製した。
[鮮映性の評価]
塗膜外観の目視評価を下記評価基準で行った。
評価基準 ○:鮮映性あり
×:鮮映性なし
[密着性の評価]
JIS K−5400 8.5.2に準じて評価を行った。塗膜表面にカッターにて1mm角で10×10個の切れ目を入れ、セロハンテープ(ニチバン株式会社製)による剥離試験を行い、残存する目数を下記評価基準で評価した。
評価基準 ◎:95〜100個
○:80〜94個
△:60〜79個
×:59個以下
[耐温水白化性の評価]
試験塗装板を60℃の温水に5時間浸漬した後、塗膜外観の目視評価を下記評価基準で行った。
評価基準 ◎:剥離、膨れ、白化は全くない状態
○:剥離、膨れ、白化は少なく、問題とならない状態
△:剥離、膨れ、白化はやや多く、ほぼ使用できない状態
×:剥離、膨れ、白化はひどく、全く使用できない状態
[耐温水密着性の評価]
試験塗装板を60℃の温水に5時間浸漬した後、取り出して常温にて1時間乾燥した。その後、密着性の評価と同様のセロハンテープによる剥離試験を行い、残存する目数を下記評価基準で評価した。
評価基準 ◎:95〜100個
○:80〜94個
△:60〜79個
×:59個以下
[耐アルコール性試験]
ABS試験板を大平理化学工業製「RUBBING TESTER」にセットし、エタノールを十分に浸み込ませたフェルトを用いて荷重500gにて基材が見えるまでの往復回数を計測した。往復回数300回以上が合格。
(実施例14〜27:水性塗料(2)〜(15)の調製及び評価)
表3〜5に示す組成に変更した以外は実施例13と同様に操作することにより、水性塗料(2)〜(15)を調製した後、同様に塗膜評価を行った。
(比較例6〜9:水性塗料(R1)〜(R4)の調製及び評価)
下記の表5に示す組成に変更した以外は実施例13と同様に操作することにより、水性塗料(R1)〜(R4)を得た後、同様に塗膜評価を行った。
(比較例10:水性塗料(R5)の調製及び評価)
比較例5で得られた水性樹脂組成物(R5)100質量部に対して、造膜助剤として2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート15質量部と消泡剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製「Disperbyk 011」)0.1 質量を攪拌混合し、粘度がアネスト岩田株式会社製「粘度カップNK−2」で15秒(23℃)になるようにイオン交換水で希釈して水性塗料(R5)を調製した。次いで、得られた水性塗料(R5)を用いて、実施例13と同様に塗膜評価を行った。
上記で得られた水性塗料(1)〜(15)及び(R1)〜(R5)の組成及び塗膜評価の結果を表3〜5に示す。なお、表3〜5に示す組成は各成分の溶液での質量部である。
Figure 2012169395
Figure 2012169395
Figure 2012169395
本発明の水性樹脂組成物を用いた水性塗料である実施例13〜27の水性塗料(1)〜(15)は、鮮映性が高く、密着性、耐温水白化性、耐温水密着性、耐アルコール性に優れた塗膜が得られることが分かった。
比較例6及び7の水性塗料(R1)及び(R2)は、シクロアルキル(メタ)アクリレートを有する不飽和単量を原料として使用しない重合体から得られる水性樹脂組成物を用いた水性塗料の例であるが、得られた塗膜の耐温水白化性に劣ることが分かった。
比較例8及び9の水性塗料(R3)及び(R4)は、ガラス転移温度が60℃未満である重合体から得られる水性樹脂組成物を用いた水性塗料の例であるが、得られた塗膜の耐温水密着性、耐アルコール性に劣ることが分かった。
比較例10の水性塗料(R5)は、乳化重合により得られる水性樹脂組成物を用いた水性塗料の例であるが、得られた塗膜の鮮映性が低く、耐温水白化性、耐アルコール性に劣ることが分かった。
すなわち、本発明は、シクロヘキシル(メタ)アクリレート(a1)、カルボキシル基を有する不飽和単量体(a2)及び水酸基を有する不飽和単量体(a3)を必須成分とする不飽和単量体の混合物を溶液重合して得られるガラス転移温度が60℃以上である重合体(A)を、水性媒体中に分散して得られることを特徴とする水性樹脂組成物、水性塗料及びその硬化塗膜を有するプラスチック成型品を提供する。
本発明の水性樹脂組成物は、シクロヘキシル(メタ)アクリレート(a1)、カルボキシル基を有する不飽和単量体(a2)及び水酸基を有する不飽和単量体(a3)を必須成分とする不飽和単量体の混合物を溶液重合して得られるガラス転移温度が60℃以上である重合体(A)を、水性媒体中に分散したものである。
前記重合体(A)の原料としては、前記シクロヘキシル(メタ)アクリレート(a1)、前記不飽和単量体(a2)、前記不飽和単量体(a3)以外の不飽和単量体(a4)を用いることもできる。
前記シクロヘキシル(メタ)アクリレート(a1)の使用量は、密着性、耐温水密着性および耐溶剤性に優れる塗膜を形成できる水性塗料が得られることから、前記重合体(A)の原料である不飽和単量体成分中の質量比率で、1〜70質量%の範囲が好ましく、5〜60質量%の範囲がより好ましい。
(実施例6〜10及び参考例1:水性樹脂組成物(6)〜(11)の調製)
下記の表1及び2に示す組成に変更した以外は実施例1と同様に操作することにより、水性樹脂組成物(6)〜(11)を得た。
Figure 2012169395
Figure 2012169395
(実施例1:水性塗料(1)の調製及び評価)
水性塗料の主剤として実施例1で得られた水性樹脂組成物(1)50質量部、及び硬化剤として水分散性ポリイソシアネート(DIC株式会社製「バーノック DNW−5500」、不揮発分80質量%の水分散性ポリイソシアネート;以下、「DNW−5500」と略記する。)4.5質量部を攪拌混合し、粘度がアネスト岩田株式会社製「粘度カップNK−2」で15秒(23℃)になるようにイオン交換水で希釈して水性塗料(1)を調製した。また、硬化剤中のイソシアネート基(NCO)と水性樹脂組成物(1)中の水酸基(OH)との当量比[(NCO)/(OH)]は1.0であった。なお、DNW−5500は塗装する直前に混合した。次いで、得られた水性塗料(1)を用いて、下記の塗膜評価を行った。
(実施例1〜25及び参考例2:水性塗料(2)〜(15)の調製及び評価)
表3〜5に示す組成に変更した以外は実施例1と同様に操作することにより、水性塗料(2)〜(15)を調製した後、同様に塗膜評価を行った。
(比較例6〜9:水性塗料(R1)〜(R4)の調製及び評価)
下記の表5に示す組成に変更した以外は実施例1と同様に操作することにより、水性塗料(R1)〜(R4)を得た後、同様に塗膜評価を行った。
Figure 2012169395
Figure 2012169395
Figure 2012169395
本発明の水性樹脂組成物を用いた水性塗料である実施例1〜2の水性塗料(1)〜(1)及び(12)〜(15)は、鮮映性が高く、密着性、耐温水白化性、耐温水密着性、耐アルコール性に優れた塗膜が得られることが分かった。
比較例6及び7の水性塗料(R1)及び(R2)は、シクロヘキシル(メタ)アクリレートを有する不飽和単量を原料として使用しない重合体から得られる水性樹脂組成物を用いた水性塗料の例であるが、得られた塗膜の耐温水白化性に劣ることが分かった。

Claims (8)

  1. シクロアルキル(メタ)アクリレート(a1)、カルボキシル基を有する不飽和単量体(a2)及び水酸基を有する不飽和単量体(a3)を必須成分とする不飽和単量体の混合物を溶液重合して得られるガラス転移温度が60℃以上である重合体(A)を、水性媒体中に分散して得られることを特徴とする水性樹脂組成物。
  2. 前記重合体が、不飽和単量体の混合物(I)を重合した後、さらにカルボキシル基を有する不飽和単量体(a2)を必須成分とする不飽和単量体の混合物(II)を追加して重合して得られた重合体であり、かつ前記不飽和単量体の混合物(I)中のカルボキシル基を有する不飽和単量体(a2)の質量比率(x)と前記不飽和単量体の混合物(II)中のカルボキシル基を有する不飽和単量体(a2)の質量比率(y)の比[(x)/(y)]が、1未満である請求項1記載の水性樹脂組成物。
  3. 前記シクロアルキル(メタ)アクリレート(a1)がシクロヘキシル(メタ)アクリレート及び/又はイソボルニル(メタ)アクリレートである請求項1又は2記載の水性樹脂組成物。
  4. シクロヘキシル(メタ)アクリレート及び/又はイソボルニル(メタ)アクリレートが全不飽和単量体中に1〜70質量%含有される請求項1〜3のいずれか1項記載の水性樹脂組成物。
  5. 前記重合体(A)の固形分酸価が10〜45mgKOH/gである請求項1〜4のいずれか1項記載の水性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の水性樹脂組成物と、硬化剤として水分散性ポリイソシアネート(B)とを含有することを特徴とする水性塗料。
  7. 前記水分散性ポリイソシアネート(B)中のイソシアネート基(NCO)と前記重合体(A)の水酸基(OH)の当量比(NCO/OH)が0.3〜3.0である請求項6記載の水性塗料。
  8. 請求項6又は7記載の水性塗料の硬化塗膜を有することを特徴とするプラスチック成型品。
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