JPWO2012160923A1 - 反応進行装置、交換製品及び交換製品の製造方法 - Google Patents

反応進行装置、交換製品及び交換製品の製造方法 Download PDF

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Abstract

生化学反応の前に流路へ供給される液体の影響を生化学反応が受けにくい反応進行装置を提供する。検査チップは、プリズム、金膜、捕捉体、流路部材、蓋部材及びシール部材を備える。流路部材には流路が形成される。蓋部材にはノズル挿入孔が形成される。流路の端部には先端収容孔がある。流路とノズル挿入孔とは異なる方向に延在する。ノズル挿入孔は先端収容孔へ至る。ノズル挿入孔の延在方向から見た場合にノズル挿入孔が先端収容孔を内包する。ノズル挿入孔の延在方向から見た場合の先端収容孔がノズルの延在方向から見た場合の先端を内包可能である。ノズルの先端にある液体出入口を経由して流路へ液体が供給され流路から液体が回収される。捕捉体は、流路の内部に定着する。

Description

本発明は、生化学反応を進行させる反応進行装置及びこれに関連する技術に関する。
生化学検査において抗原抗体反応等の生化学反応が利用される。例えば、流路の内部に抗体が定着させられ、抗原を含む試料液が流路へ供給され、試料液に含まれる抗原と流路の内部に定着する抗体とが結合させられる。抗体への抗原の結合の有無、抗体への抗原の結合量等は、表面プラズモン共鳴(SPR)、表面プラズモン励起蛍光分光(SPFS)等により計測される。試料液が流路に供給される前に、洗浄液、バッファー液等が流路へ供給される場合もある。試料液、洗浄液、バッファー液等の液体は、多くの場合において、ノズルにより流路へ供給され、ノズルにより流路から回収される。
特許文献1の送液装置においては、リガンドが流路の内部に定着させられる(段落0024)。アナライトを含むアナライト溶液が流路へ供給され、リガンドとアナライトとが結合させられる(段落0026)。アナライト溶液が流路へ供給される前には、洗浄液が流路へ供給される(段落0025)。アナライト溶液等の液体は、ピペットにより流路へ供給され、ピペットにより流路から回収される。ピペットの先端は、流路の液体出入口の近傍に配置される(図1及び図4)。
特開2006−105607号公報
抗原と抗体とが結合する反応は、一般的には、可逆反応である。したがって、抗体に結合する抗原の量は、試料液に含まれる抗原の濃度に依存する。このことは、試料液の前に流路へ供給された液体が試料液に混入した場合は、生化学検査の結果が不正確になる可能性があることを意味する。
しかし、従来の技術においては、流路から液体を十分に回収することが困難であり、試料液の前に流路へ供給された液体が試料液に混入する可能性が高い。
本発明は、この問題を解決するためになされる。本発明の目的は、生化学反応の前に流路へ供給された液体の影響を生化学反応が受けにくい反応進行装置及びこれに関連する技術を提供することを目的とする。
(反応進行装置)
本発明の第1から第12までの局面は、生化学反応を進行させる反応進行装置に向けられる。
本発明の第1の局面においては、ノズル、送液ポンプ、構造物及び反応物含有体が設けられる。
ノズルは、第1の方向に延在する。ノズルは、先端を有する。ノズルには、液体を収容する液体収容空間が形成される。液体収容空間は、先端に液体出入口を有する。
送液ポンプには、ノズルが取りつけられる。送液ポンプは、液体収容空間を陽圧又は陰圧にする。液体収容空間が陽圧にされた場合は、液体が液体収容空間から液体出入口を経由して吐出される。液体収容空間が陰圧にされた場合は、液体が液体出入口を経由して液体収容空間へ吸入される。
構造物には、ノズル挿入孔及び流路が形成される。ノズル挿入孔及び流路は、それぞれ、第2の方向及び第3の方向に延在する。第2の方向及び第3の方向は、異なる。流路の端部には、先端収容孔がある。ノズル挿入孔は、先端収容孔へ至る。第2の方向から見た場合にノズル挿入孔が先端収容孔を内包する。第2の方向から見た場合の先端収容孔は第1の方向から見た場合の先端を内包可能である。
反応物含有体は、流路の内部に定着する。反応物含有体は、生化学反応の反応物を含む。
本発明の第2の局面は、本発明の第1の局面にさらなる事項を付加する。本発明の第2の局面においては、先端が第1の方向に平行な第1の回転対称軸についての回転対称性を持つ。ノズル挿入孔及び先端収容孔が第2の方向に平行な第2の回転対称軸についての回転対称性を持つ。
本発明の第3の局面は、本発明の第2の局面にさらなる事項を付加する。本発明の第3の局面においては、第1の方向から見た場合に先端が円形状を持つ。第2の方向から見た場合にノズル挿入孔及び先端収容孔が円形状を持つ。
本発明の第4の局面は、本発明の第3の局面にさらなる事項を付加する。本発明の第4の局面においては、第2の方向から見た場合のノズル挿入孔の径φf、第2の方向から見た場合の先端収容孔の径φr及び第1の方向から見た場合の先端の径φnがφf>φr>φnを満たす。
本発明の第5の局面は、本発明の第4の局面にさらなる事項を付加する。本発明の第5の局面においては、径φr、径φn及び先端の振れ量Δnがφr>φn+2Δnを満たす。
本発明の第6の局面は、本発明の第2の局面にさらなる事項を付加する。
本発明の第6の局面においては、第2の方向から見た場合のノズル挿入孔の内接円径φfi、第2の方向から見た場合の先端収容孔の内接円径φri及び外接円径φrc並びに第1の方向から見た場合の先端の外接円径φncがφfi>φrc及びφri>φncを満たす。
本発明の第7の局面は、本発明の第6の局面にさらなる事項を付加する。本発明の第7の局面においては、内接円径φri、外接円径φnc及び先端の振れ量Δnがφri>φnc+2Δnを満たす。
本発明の第8の局面は、本発明の第1から第7までのいずれかの局面にさらなる事項を付加する。本発明の第8の局面においては、構造物が流路部材、蓋部材及び閉塞物を備える。
流路部材は、第1の主面及び第2の主面を有する。流路部材には、流路が形成される。流路は、第1の主面及び第2の主面にそれぞれ第1の開口及び第2の開口を有する。
蓋部材は、第1の主面に接合される。蓋部材には、ノズル挿入孔が形成される。
閉塞物は、第2の主面に接合される。閉塞物は、第2の開口を閉塞する。
本発明の第9の局面は、本発明の第8の局面にさらなる事項を付加する。
本発明の第9の局面においては、閉塞物が誘電体媒体及び導電体膜を備える。
誘電体媒体は、入射面、反射面及び出射面を有する。入射面から入射した光が反射面に反射され出射面から出射するように入射面、反射面及び出射面が配置される。
導電体膜は、第3の主面及び第4の主面を有する。第3の主面は、第2の主面に接合される。第4の主面は、反射面に密着する。
本発明の第10の局面は、本発明の第8又は第9の局面にさらなる事項を付加する。本発明の第10の局面においては、流路部材及び蓋部材が樹脂からなり、閉塞物の全部又は一部が樹脂からなる。
本発明の第11の局面は、本発明の第8から第10までのいずれかの局面にさらなる事項を付加する。本発明の第11の局面においては、シール部材がさらに設けられる。蓋部材は、ノズル挿入口を含むシール面を有する。ノズル挿入孔は、ノズル挿入口から先端収容孔へ至る。シール部材は、シール面に貼られる。
本発明の第12の局面は、本発明の第1から第11までの局面にさらなる事項を付加する。本発明の第12の局面においては、ノズルが樹脂からなる。
(交換製品)
本発明の第13の局面は、生化学反応を進行させる反応進行装置用の交換製品に向けられる。
本発明の第13の局面においては、ノズル、構造物及び反応物含有体が設けられる。
ノズルは、第1の方向に延在する。ノズルは、先端を有する。ノズルには、液体を収容する液体収容空間が形成される。液体収容空間は、先端に液体出入口を有する。
構造物には、ノズル挿入孔及び流路が形成される。ノズル挿入孔及び流路は、それぞれ、第2の方向及び第3の方向に延在する。第2の方向及び第3の方向は、異なる。流路の端部には、先端収容孔がある。ノズル挿入孔は、先端収容孔へ至る。第2の方向から見た場合にノズル挿入孔が先端収容孔を内包する。第2の方向から見た場合の先端収容孔は第1の方向から見た場合の先端を内包可能である。
反応物含有体は、流路の内部に定着する。反応物含有体は、生化学反応の反応物を含む。
(交換製品の製造方法)
本発明の第14及び第15の局面は、生化学反応を進行させる反応進行装置用の交換製品の製造方法に向けられる。
本発明の第14の局面においては、複数のノズルが作製される。ノズルは、第1の方向に延在する。ノズルは、先端を有する。ノズルには、液体を収容する液体収容空間が形成される。液体収容空間は、先端に液体出入口を有する。第1の方向から見た場合に先端は円形状を持つ。
複数のノズルについての先端の最大振れ量Δn(max)が求められる。
構造物が作製される。構造物には、ノズル挿入孔及び流路が形成される。ノズル挿入孔及び流路は、それぞれ、第2の方向及び第3の方向に延在する。第2の方向及び第3の方向は、異なる。流路の端部には、先端収容孔がある。ノズル挿入孔は、先端収容孔へ至る。第2の方向から見た場合にノズル挿入孔が先端収容孔を内包する。第2の方向から見た場合の先端収容孔は第1の方向から見た場合の先端を内包可能である。第2の方向から見た場合にノズル挿入孔及び先端収容孔は円形状を持つ。第2の方向から見た場合のノズル挿入孔の径φf、第2の方向から見た場合の先端収容孔の径φr、第1の方向から見た場合の先端の径φn及び先端の最大振れ量Δn(max)はφf>φr>φn+2Δn(max)を満たす。
反応物含有体が作製される。反応物含有体は、流路の内部に定着する。反応物含有体は、生化学反応の反応物を含む。
本発明の第15の局面においては、複数のノズルが作製される。ノズルは、第1の方向に延在する。ノズルは、先端を有する。ノズルには、液体を収容する液体収容空間が形成される。液体収容空間は、先端に液体出入口を有する。先端は、第1の方向に平行な第1の回転対称軸についての回転対称性を持つ。
複数のノズルについての先端の最大振れ量Δn(max)が求められる。
構造物が作製される。構造物には、ノズル挿入孔及び流路が形成される。ノズル挿入孔及び流路は、それぞれ、第2の方向及び第3の方向に延在する。第2の方向及び第3の方向は、異なる。流路の端部には、先端収容孔がある。ノズル挿入孔は、先端収容孔へ至る。第2の方向から見た場合にノズル挿入孔が先端収容孔を内包する。第2の方向から見た場合の先端収容孔は第1の方向から見た場合の先端を内包可能である。ノズル挿入孔及び先端収容孔が第2の方向に平行な第2の回転対称軸についての回転対称性を持つ。第2の方向から見た場合のノズル挿入孔の内接円径φfi、第2の方向から見た場合の先端収容孔の内接円径φri及び外接円径φrc、第1の方向から見た場合の先端の外接円径φnc並びに先端の最大振れ量Δn(max)は、φfi>φrc及びφri>φnc+2Δn(max)を満たす。
反応物含有体が作製される。反応物含有体は、流路の内部に定着する。反応物含有体は、生化学反応の反応物を含む。
本発明の第1、第13、第14及び第15の局面によれば、ノズルの先端が流路に配置され、流路から液体が容易に回収される。また、流路の端面の近傍に狭い空間が形成されず、流路の端面の近傍に液体が残留しにくくなる。これにより、生化学反応の前に液体が流路へ供給される場合に、当該液体が流路から十分に回収され、生化学反応が当該液体の影響を受けにくくなる。
本発明の第2、第14及び第15の局面によれば、第2の回転対称軸の周りにノズルが回転されても先端が先端収容孔に収容され、ノズル挿入孔へノズルが容易に挿入される。
本発明の第3及び第14の局面によれば、第2の回転対称軸の周りに任意の角度でノズルが回転されても先端が先端収容孔に収容され、ノズル挿入孔へノズルが容易に挿入される。
本発明の第5、第7、第14及び第15の局面によれば、先端が振れしても先端が先端収容孔に収容され、ノズル挿入孔へノズルが容易に挿入される。
本発明の第8の局面によれば、構造物の製造が容易になる。
本発明の第9の局面によれば、表面プラズモン共鳴又は表面プラズモン励起蛍光分光による計測が可能になる。
本発明の第10の局面によれば、構造物が安価に製造される。
本発明の第11の局面によれば、流路の密閉性が向上する。
本発明の第12の局面によれば、ノズルが安価に製造される。
これらの及びこれら以外の本発明の目的、特徴、局面及び利点は、添付図面とともに考慮されたときに下記の本発明の詳細な説明によってより明白となる。
計測装置の望ましい実施形態を示す模式図である。 検査チップの望ましい実施形態を示す断面図である。 検査チップの望ましい実施形態を示す断面図である。 検査チップの望ましい実施形態を示す分解斜視図である。 ノズルの望ましい実施形態を示す斜視図である。 ポンプの望ましい実施形態を示す断面図である。 ノズル挿入孔、先端収容孔及び先端の大きさの関係を示す模式図である。 検査チップの比較例を示す断面図である。 先端が振れたノズルの側面図である。 ノズル挿入孔、先端収容孔及び先端の大きさの関係を示す模式図である。 計測の手順を示すフローチャートである。 検査チップ、試薬チップ及び送液ポンプの状態を示す図である。 検査チップ、試薬チップ及び送液ポンプの状態を示す図である。 検査チップ、試薬チップ及び送液ポンプの状態を示す図である。 検査チップ、試薬チップ及び送液ポンプの状態を示す図である。 検査チップ、試薬チップ及び送液ポンプの状態を示す図である。 検査チップ、試薬チップ及び送液ポンプの状態を示す図である。
(概略)
この望ましい実施形態は、計測装置、当該計測装置に含まれる反応進行装置、当該反応進行装置用の交換製品及び当該交換製品の製造方法に関する。
図1の模式図は、計測装置の望ましい実施形態を示す。図2から図4までの模式図は、検査チップの望ましい実施形態を示す。図2及び図3は、ノズルが挿入された状態の断面を示す。図4は、分解斜視図である。図5の模式図は、ノズルの望ましい実施形態を示す。図5は、斜視図である。図6は、送液ポンプの望ましい実施形態を示す。図6は、ノズルが取りつけられた状態の断面を示す。
図1に示す計測装置1000は、表面プラズモン励起蛍光分光(SPFS)による計測を行う。計測装置1000が表面プラズモン共鳴(SPR)による計測を行ってもよい。計測装置1000に含まれる反応進行装置1210は、SPFS及びSPRによる計測以外にも使用される。例えば、反応進行装置1210は、エライザ(ELISA)、イムノクロマトグラフィー等による計測にも用いられる。
図1に示すように、計測装置1000は、測定機構1002、送液機構1004、制御部1006、表示部1008、検査チップ1010及び試薬チップ1012を備える。これら以外の構成物が計測装置1000に付加されてもよい。
測定機構1002は、レーザーダイオード1100、第1のバンドバスフィルター1102、直線偏光フィルター1104、減光(ND)フィルター1106、半波長板1108、半波長板駆動機構1110、整形光学系1112、ミラー1114、ミラー駆動機構1116、集光レンズ1118、第2のバンドパスフィルター1120、バンドパスフィルター駆動機構1122、結像レンズ1124、光電子増倍管1126、検査チップ搬送機構1128及び光吸収体1130を備える。これら以外の構成物が測定機構1002に付加されてもよい。
送液機構1004は、送液ポンプ1140及び送液ポンプ搬送機構1142を備える。これらの以外の構成物が送液機構1004に付加されてもよい。
制御部1006は、半波長板駆動機構1110、ミラー駆動機構1116、バンドパスフィルター駆動機構1122、検査チップ搬送機構1128、送液ポンプ1140及び送液ポンプ搬送機構1142を制御し、光電子増倍管1126から光量の測定結果を取得する。制御部1006は、プログラムがインストールされたコンピューターである。制御部1006の機能の全部又は一部がプログラムを伴わないハードウエアに担われてもよい。ハードウエアは、オペアンプ、コンパレーター等の電子回路であってもよいし、機械的機構であってもよい。
図2から図4までに示すように、検査チップ1010は、プリズム1150、金膜1152、捕捉体1154、流路部材1156、蓋部材1158及びシール部材1160を備える。これら以外の構成物が検査チップ1010に付加されてもよい。検査チップ1010は、センサーチップ、分析チップ、試料セル等とも呼ばれる。流路部材1156には、流路1162が形成される。蓋部材1158には、ノズル挿入孔1164及び貫通孔1166が形成される。流路1162は、流路本体1168、先端収容孔1170及び端部孔1172を有する。
図1に示すように、試薬チップ1012は、ノズル1180、検体容器1182、希釈容器1184、希釈液容器1186、標識抗体液容器1188、洗浄液容器1190及びホルダ1192を備える。希釈液容器1186、標識抗体液容器1188及び洗浄液容器1190には、それぞれ、希釈液1194、標識抗体液1196及び洗浄液1198が予め収容される。検体容器1182には、試薬チップ1012が計測装置1000に取りつけられる前に検体1200が収容される。希釈容器1184には、試薬チップ1012が計測装置1000に取りつけられた後に試料液1202が収容される。
検査チップ1010及び試薬チップ1012は、検体1200ごとに交換される交換製品1216である。
送液機構1004、検査チップ1010及び試薬チップ1012は、生化学反応を進行させる反応進行装置1210を構成する。
第1のバンドバスフィルター1102、直線偏光フィルター1104、減光フィルター1106、半波長板1108、整形光学系1112及びミラー1114は、励起光学系1212を構成する。集光レンズ1118、第2のバンドパスフィルター1120及び結像レンズ1124は、検出光学系1214を構成する。
(生化学反応の進行の概略)
生化学反応が進行させられる場合は、送液機構1004により洗浄液1198が流路1162へ供給され、流路1162が洗浄され、送液機構1004により洗浄液1198が流路1162から回収される。続いて、送液機構1004により試料液1202が流路1162へ供給され、試料液1202に含まれる抗原と捕捉体1154に含まれる抗体とが結合させられ、送液機構1004により試料液1202が流路1162から回収される。さらに続いて、送液機構1004により標識抗体液1196が流路1162へ供給され、捕捉体1154に含まれる抗体に結合した抗原と標識抗体液1196に含まれる標識抗体とが結合させられる。洗浄液1198が流路1162から回収されるときには、ノズル1180の先端1252が先端収容孔1170に達するまでノズル1180がノズル挿入孔1164に深く挿入される。
(計測の概略)
計測が行われる場合は、励起光1211がプリズム1150に照射される。照射された励起光1211は、プリズム1150と金膜1152との界面で反射される。プリズム1150と金膜1152との界面で励起光1211が反射される場合は、プリズム1150と金膜1152との界面から金膜1152の側にエバネッセント波がもれだし、金膜1152の表面のプラズモンとエバネッセント波とが干渉する。プラズモンとエバネッセント波とが共鳴する場合にエバネッセント波の電場は著しく増強される。増強された電場は標識抗体を励起し、標識抗体から表面プラズモン励起蛍光1218が放射される。表面プラズモン励起蛍光1218の光量は、光電子増倍管1126により測定される。表面プラズモン励起蛍光1218の光量の測定結果から抗原の有無、抗原の捕捉量等が制御部1006により算出され、算出結果が表示部1008に表示される。
(検査チップ)
図2から図4までに示すように、検査チップ1010においては、プリズム1150、金膜1152、捕捉体1154、流路部材1156、蓋部材1158及びシール部材1160が積層される。
プリズム1150は、励起光1211の入射面1220、反射面1222及び出射面1224を有する。蓋部材1158は、接合面1226及びシール面1228を有する。金膜1152の一方の主面1230は、反射面1222に密着する。金膜1152の他方の主面1232と流路部材1156の一方の主面1234とは、接合される。流路部材1156の他方の主面1236は、蓋部材1158の接合面1226に接合される。蓋部材1158のシール面1228にはシール部材1160が貼られる。金膜1152の他方の主面1232には、捕捉体1154が固定される。捕捉体1154は、流路1162の内部に定着する。
流路1162は、流路部材1156の主面1234及び1236に、それぞれ、開口1235及び1237を有する。一方の開口1235は、反射面1222に金膜1152が形成されたプリズム1150(以下では、「プリズム−金膜複合体1148」という。)により閉塞される。SPFS又はSPRによる計測以外に反応進行装置1210が用いられる場合は、プリズム−金膜複合体1148以外の閉塞物により一方の開口1235が閉塞される場合もある。他方の開口1237は、先端挿入孔1170及び端部孔1172を除いて、蓋部材1158により閉塞される。
流路1162は、流路部材1156に平行に延在する。ノズル挿入孔1164は、流路部材1156に垂直に延在する。流路1162とノズル挿入孔1164とは垂直に延在する。ただし、流路1162とノズル挿入孔1164とは、異なる方向に延在すればよく、垂直に延在しなくてもよい。
先端収容孔1170は流路1162の一方の端部にある。端部孔1172は流路1162の他方の端部にある。流路本体1168は、先端収容孔1170から端部孔1172へ至る。
ノズル挿入孔1164は、ノズル挿入口1240から先端収容孔1170へ至る。ノズル挿入口1240は、シール面1228にある。貫通孔1166は、液体出口1242から端部孔1172へ至る。液体出口1242は、シール面1228にある。
望ましくは、流路1162が水平方向に延在し、ノズル挿入孔1164及び貫通孔1166が鉛直方向に延在し、シール面1228が鉛直方向上方を向くように、検査チップ1010が保持される。これにより、流路1162から液体がこぼれにくくなる。貫通孔1166及び端部孔1172が、それぞれ、ノズル挿入孔1164及び先端収容孔1170とは別のノズル挿入孔及び先端収容孔とされてもよい。
(試薬チップ)
図1に示すように、ノズル1180、検体容器1182、希釈容器1184、希釈液容器1186、標識抗体液容器1188及び洗浄液容器1190は、ホルダ1192により結合される。これらが分離して提供されてもよい。
(ノズル及び送液ポンプ)
図5及び図6に示すように、ノズル1180には、液体を収容する液体収容空間1250が形成される。液体収容空間1250は、先端1252に液体出入口1254を有し、根元端1256に開口1258を有する。ノズル1180の径は、根元端1256から先端1252へ向かって細くなる。ノズル1180の径が根元端1256から先端1252へ向かって太くなってもよい。ノズル1180の径が均一であってもよい。ノズル1180の径が不規則に変化してもよい。ノズル1180は、望ましくは、樹脂からなる。これにより、ノズル1180が安価に製造される。
(送液ポンプへのノズルの取りつけ)
図6に示すように、ノズル1180が送液ポンプ1140に取りつけられる場合は、ポンプ先端1260が開口1258に圧入される。他の方式によりノズル1180が送液ポンプ1140へ取りつけられてもよい。ノズル1180が樹脂からなる場合は、ノズル1180が弾性を持つので、ノズル1180とポンプ先端1260とが密着する。ノズル1180に代えて又はノズル1180に加えてポンプ先端1260が樹脂からなることも許される。ノズル1180及びポンプ先端1260の両方がガラス等の剛性を持つ材質からなる場合は、望ましくは、Oリング等を挟んでノズル1180とポンプ先端1260とが密着させられる。
(液体の吐出及び吸入)
送液ポンプ1140は、液体収容空間1250を陽圧又は陰圧にする。液体収容空間1250が陽圧にされた場合は、液体出入口1254を経由して液体が液体収容空間1250から吐出される。液体収容空間1250が陰圧にされた場合は、液体出入口1254を経由して液体が液体収容空間1250へ吸入される。
液体が流路1162へ供給される場合は、図2及び図3に示すように、シール部材1160を破ってノズル挿入孔1164にノズル1180が挿入され、液体出入口1254を経由して液体収容空間1250から液体が吐出される。流路1162から液体が回収される場合は、ノズル挿入孔1164にノズル1180が挿入された状態において、液体出入口1254を経由して液体収容空間1250へ液体が吸入される。
(先端の位置)
ノズル挿入孔1164にノズル1180が挿入される場合は、ノズル挿入孔1164と流路1162との境界を先端1252が越え、先端収容孔1170に先端1252が収容される。これにより、先端1252が流路1162の内部に配置され、流路1162から液体が容易に回収される。したがって、洗浄液1198の後に試料液1202が流路1162に供給される場合に、洗浄液1198が流路1162から十分に回収され、試料液1202が洗浄液1198に希釈されず、試料液1202に含まれる抗原と捕捉体1154に含まれる抗体との生化学反応(相互作用)が洗浄液1198の影響を受けにくくなる。2個以上のノズル挿入孔及び先端収容孔が設けられてもよく、液体が流路1162へ供給される場合にノズル1180が挿入されるノズル挿入孔及び先端収容孔が、液体が流路1162から回収される場合にノズル1180が挿入されるノズル挿入孔及び先端収容孔と異なってもよい。
望ましくは、液体が流路1162へ供給される場合及び流路1162から回収される場合の両方において先端1252が先端収容孔1170に収容される。これにより、液体の供給及び回収が同じ位置で行われ、送液ポンプ1140の搬送が減少する。ただし、液体が回収される場合に先端1252が先端収容孔1170に収容されることは必要であるが、液体が供給される場合に先端1252が先端収容孔1170に収容されることは必ずしも必要ではなく先端1252が先端収容孔1170から外れて収容されてもよい。
(ノズル挿入孔、先端収容孔及び先端の大きさの関係)
図7の模式図は、ノズル挿入孔、先端収容孔及び先端の大きさの関係を示す。
図7に示すように、ノズル挿入孔1164の延在方向から見た場合にノズル挿入孔1164及び先端収容孔1170は円形状を持つ。ノズル1180の延在方向から見た場合に先端1252は円形状を持つ。ノズル挿入孔1164の延在方向から見た場合のノズル挿入孔1164の径φf、ノズル挿入孔1164の延在方向から見た場合の先端収容孔1170の径φr及びノズル1180の延在方向から見た場合の先端1252の径φnは、
φf>φr>φn・・・・・(式1)
を満たす。
ノズル挿入孔1164の延在方向から見た場合に、ノズル挿入孔1164は先端収容孔1170を内包する。これにより、図2に示すように、流路1162の端面1270の近傍に狭い空間が形成されず、流路1162の端面1270の近傍に液体が残留しにくくなる。これに対して、図8の模式図に示す検査チップの比較例のように、ノズル挿入孔9164の延在方向から見た場合に先端収容孔9170がノズル挿入孔9164に内包されないときは、端面9270の近傍に狭い空間9272が形成され、空間9272に液体が残留しやすくなる。
ノズル挿入孔1164の延在方向から見た場合の先端収容孔1170は、ノズル1180の延在方向から見た場合の先端1252を内包可能である。これにより、流路1162の一部を占める先端収容孔1170へ先端1252を収容可能になる。
一方が他方を「内包」するとは、他方の全体が一方の内部にあり、他方が一方の一部を占めることをいう。
流路本体1168の幅は、典型的には、先端収容孔1170及び端部孔1172の径より狭いが、同程度であってもよい、先端収容孔1170及び端部孔1172の径は、同じであってもよし、異なってもよい。
(回転対称性)
ノズル挿入孔1164及び先端収容孔1170は、それぞれ、ノズル挿入孔1164の延在方向に平行な回転対称軸1274についての無限回の回転対称性を持つ。先端1252は、ノズル1180の延在方向に平行な回転対称軸1276についての無限回の回転対称性を持つ。これにより、回転対称軸1276の周りに任意の角度でノズル1180が回転されても先端1252を先端収容孔1170に収容可能であり、ノズル挿入孔1164へのノズル1180の挿入が容易になる。
ノズル1180の回転に対する制約が増加するが、ノズル挿入孔1164、先端収容孔1170及び先端1252の回転対称性が低下してもよい。例えば、ノズル挿入孔1164の延在方向から見た場合に、ノズル挿入孔1164及び先端収容孔1170が正多角形形状を持ってもよい。ノズル1180の延在方向から見て先端1252が正多角形形状を持ってもよい。この場合は、ノズル挿入孔1164及び先端収容孔1170は、回転対称軸1274についての有限回の回転対称性を持つ。先端1252は、回転対称軸1276についての有限回の回転対称性を持つ。これにより、回転対称軸1276の周りに特定の角度でノズル1180が回転されても先端1252を先端収容孔1170に収容可能であり、ノズル挿入孔1164へのノズル1180の挿入が容易になる。
回転対称性が低下する場合においても、ノズル挿入孔1164の延在方向から見た場合に、ノズル挿入孔1164は先端収容孔1170を内包する。また、ノズル挿入孔1164の延在方向から見た場合の先端収容孔1170は、ノズル1180の延在方向から見た場合の先端1252を内包可能である。
(先端の振れの対策)
図9は、先端が振れたノズルの側面図である。図9に示すように先端1252が振れても先端1252を先端収容孔1170に収容可能にするため、望ましくは、径φr、径φn及び先端1252の振れ量Δnは、
φr>φn+2Δn・・・・・(式2)
を満たす。これにより、ノズル挿入孔1164へのノズル1180の挿入が容易になる。
先端1252の振れとは、先端1252の近傍を除く部分の回転対称軸と先端1252の回転対称軸とが一致しないことをいい、「偏芯」とも呼ばれる。
径φrと径φnとの差φr−φnの具体値は、先端1252の振れ量Δnに依存するが、概ね、0.1mm以上である。
(円形状を持たない場合への一般化)
図10に示すように、ノズル挿入孔1164及び先端収容孔1170が円形状を持たず、先端1252が円形状を持たない場合には、式1が式3及び式4へ一般化され、式2が式5へ一般化される。すなわち、ノズル挿入孔1164の延在方向から見た場合のノズル挿入孔1164の内接円径φfi、ノズル挿入孔1164の延在方向から見た場合の先端収容孔1170の内接円径φri及び外接円径φrc、ノズル1180の延在方向から見た場合の先端1252の外接円径φnc並びに先端1252の振れ量Δnは、
φfi>φrc・・・・・(式3)
φri>φnc・・・・・(式4)
φri>φnc+2Δn・・・・・(式5)
を満たす。
(振れ量のバラツキの考慮)
複数のノズル1180が作製され、ノズル1180ごとに先端1252の振れ量Δnが異なる場合は、望ましくは、複数のノズル1180についての先端1252の最大振れ量Δn(max)が求められる。最大振れ量Δn(max)は、良品選別の基準であってもよく、ノズル1180を作製する設備又は工程の実力であってもよい。また、径φr、径φn及び最大振れ量Δn(max)が、
φr>φn+2Δn(max)・・・・・(式6)
を満たすように、プリズム1150、金膜1152、捕捉体1154、流路部材1156、蓋部材1158及びシール部材1160が作製され、検査チップ1010が作製される。これにより、先端1252の振れ量によらずノズル挿入孔1164へのノズル1180の挿入が容易になる。
ノズル挿入孔1164及び先端収容孔1170が円形状を持たず、先端1252が円形状を持たない場合には、式6が式7へ一般化される。すなわち、内接円径φri、外接円径φnc及び最大振れ量Δn(max)は、
φri>φnc+2Δn(max)・・・・・(式7)
を満たす。
(プリズムの形状)
プリズム1150は台形柱体である。台形柱体の一方の傾斜側面が入射面1220にされ、台形柱体の幅広の平行側面が反射面1222にされ、台形柱体の他方の傾斜側面が出射面1224にされる。
入射面1220から入射した励起光1211が反射面1222に反射され出射面1224から出射するように入射面1220、反射面1222及び出射面1224は配置される。プリズム1150の外形形状が台形柱体以外でもよく、プリズム1150が「プリズム」の範疇に含まれない形状物に置きかえられてもよい。例えば、プリズム1150の外形形状が円柱体であってもよく、プリズム1150が板へ置きかえられてもよい。
(プリズムの材質)
プリズム1150は、励起光1211に対して透明な材質からなる誘電体媒体である。プリズム1150は、ガラス、樹脂等からなる。プリズム1150は、望ましくは、屈折率が1.4〜1.6であって複屈折が小さい樹脂からなる。これにより、プリズム1150が安価に製造される。プリズム1150が樹脂からなる場合は、望ましくは、射出成形によりプリズム1150が製造される。ただし、プリズム1150が他の方法により製造されてもよい。
SPFS又はSPRによる計測以外に反応進行装置1210が用いられ、プリズム−金膜複合体1148以外の閉塞物により開口1235が閉塞される場合は、望ましくは閉塞物の全部又は一部が樹脂からなり、さらに望ましくは閉塞物の全部が樹脂からなる。
(金膜の膜厚及び材質)
金膜1152は、薄膜である。金膜1152の膜厚は、望ましくは、30〜70nmである。ただし、金膜1152の膜厚がこの範囲外であってもよい。
金膜1152が金以外の表面プラズモン共鳴を発生させる導電体からなる膜に置きかえられてもよい。例えば、金膜1152が銀、銅、アルミニウム等の金属又はこれらの金属を含む合金からなる膜に置きかえられてもよい。金膜1152は、スパッタリング、蒸着、メッキ等により反射面1222に形成される。ただし、金膜1152が他の方法により形成されてもよい。
(捕捉体)
捕捉体1154は、検出の対象の抗原と反応する抗体を含む。より一般的には、捕捉体1154は、生化学反応の第1の反応物と反応する第2の反応物を含む。検出の対象の抗原を含む試料液1202が捕捉体1154に接触した場合は、試料液1202に含まれる検出の対象の抗原が捕捉体1154に含まれる抗体と結合し、試料液1202に含まれる検出の対象の抗原が捕捉体1154に捕捉される。捕捉体1154は、生化学反応の反応場を提供する。
捕捉体1154は、望ましくは、表面処理により金膜1152の他方の主面1232に固定される。
捕捉体1154が抗体を含む場合は、捕捉体1154はタンパク質を含む。捕捉体1154がタンパク質を含む場合は、望ましくは、捕捉体1154に保存用の試薬が塗布される。これにより、捕捉体1154の捕捉性能が長時間にわたって維持される。保存用の試薬は、望ましくは、捕捉体1154の捕捉性能に影響を与えない保湿剤である。例えば、保存用の試薬は、ショ糖水溶液を主成分とする液体である。検査チップ1010は、保存用の試薬が捕捉体1154に塗布され乾燥させられた状態で保管される。このため、試料液1202が捕捉体1154に接触させられる前には、捕捉体1154が洗浄液1198で洗浄される。
(流路部材及び蓋部材)
流路部材1156は、望ましくは、粘着シートからなり、プリズム−金膜複合体1148と蓋部材1158とを接合する接合媒体を兼ねる。ただし、流路部材1156が粘着シート以外の弾性体からなることも許される。例えば、流路部材1156が弾性シート、Oリング等からなることも許される。流路部材1156が接合媒体でない場合は、プリズム−金膜複合体1148と蓋部材1158とは、接着、レーザー溶着、超音波溶着、クランプ圧着等により接合される。流路部材1156は、望ましくは、樹脂からなる。
蓋部材1158は、直方体形状を持つ。蓋部材1158は、表面プラズモン励起蛍光1218及び散乱光に対して透明な材質からなる。蓋部材1158は、望ましくは、樹脂からなり、射出成形により製造される。
別体の流路部材1156及び蓋部材1158にそれぞれ流路1162及びノズル挿入孔1164が形成され流路部材1156及び蓋部材1158が接合される場合は、流路1162及びノズル挿入孔1164が形成された構造物の製造が容易になる。ただし、流路部材1156及び蓋部材1158が流路1162及びノズル挿入孔1164が形成された一体の構造物へ置き換えられてもよい。
(シール部材)
シール部材1160は、シール面1228に貼られる。シール部材1160は、ノズル挿入口1240を閉塞し、流路1162を密閉する。
シール部材1160は、望ましくは、樹脂からなる。シール部材1160が、樹脂からなるシートとアルミニウムからなるシートとの積層体であってもよい。
(励起光及び反射光の光路)
図1に示すように、励起光1211は、励起光学系1212によりレーザーダイオード1100から入射面1220へ導かれる。励起光1211は、第1のバンドバスフィルター1102、直線偏光フィルター1104、減光フィルター1106、半波長板1108及び整形光学系1112を順次に通過し、ミラー1114に反射される。出射面1224から出射した反射光1280は、光吸収体1130に吸収される。
(レーザーダイオード)
レーザーダイオード1100は、概ね単色光であって直線偏光の励起光1211のビームを放射する。レーザーダイオード1100の光量及び波長は安定化される。
レーザーダイオード1100が他の形式の光源に置きかえられてもよい。例えば、レーザーダイオード1100が発光ダイオード、水銀灯、レーザーダイオード以外のレーザー等に置きかえられてもよい。光源から放射される光がビームでない場合は、レンズ、ミラー、スリット等により光がビームに変換される。光源から放射される光が単色光でない場合は、回折格子等により光が単色光に変換される。光源から放射される光が直線偏光でない場合は、偏光子等により光が直線偏光に変換される。
(第1のバンドパスフィルター)
励起光1211が第1のバンドパスフィルター1102を透過するときに、励起光1211の波長の分布が狭められる。これにより、レーザーダイオード1100から放射される励起光1211の波長の分布が広くても、波長の分布が狭い励起光1211が得られる。レーザーダイオード1100から放射される励起光1211の波長の分布が十分に狭い場合は、第1のバンドパスフィルター1102が省略されてもよい。
(直線偏光フィルター)
励起光1211が直線偏光フィルター1104を透過するときに、励起光1211の偏光方向の分布が狭められる。これにより、レーザーダイオード1100から放射される励起光1211の偏光方向の分布が広くても、偏光方向の分布が狭い励起光1211が得られる。レーザーダイオード1100から放射される励起光1211の偏光方向の分布が十分に狭い場合は、直線偏光フィルター1104が省略されてもよい。
(減光フィルター)
励起光1211が減光フィルター1106を透過するときに、励起光1211の光量が減少させられる。レーザーダイオード1100から放射される励起光1211の光量が適切である場合は、減光フィルター1106が省略されてもよい。
(半波長板及び半波長板駆動機構)
励起光1211が半波長板1108を通過するときに励起光1211の偏光方向が調整される。
半波長板1108は、半波長板駆動機構1110により半波長板1108に垂直な回転軸の周りに回転させられる。半波長板駆動機構1110は、ロータリーステッピングモーター等により半波長板1108を自転させる。半波長板1108を通過する励起光1211の偏光方向は、半波長板1108の回転角により調整される。励起光1211の偏光方向は、反射面1222からのエバネッセント波のしみだしが最大になる偏光方向と反射面1222からのエバネッセント波のしみだしがなくなる偏光方向との間に調整されうる。初期状態においては、反射面1222に主にp偏光成分が入射すると予想される回転角に半波長板1108の回転角が設定される。
半波長板駆動機構1110が光軸の周りにレーザーダイオード1100を回転させる機構に置きかえられてもよい。偏光方向の最適化が省略される場合は、半波長板駆動機構1110が省略され、半波長板1108が固定されてもよい。偏光方向の最適化が省略されるとともに反射面1222に主にp偏光成分が入射する姿勢でレーザーダイオード1100が保持される場合は、半波長板1108及び半波長板駆動機構1110が省略されてもよい。
(整形光学系)
励起光1211が整形光学系1112を通過するときに励起光1211のビームの大きさ、断面形状等がスリット、ズーム光学系等により整形される。
(ミラー及びミラー駆動機構)
励起光1211がミラー1114に反射されるときに励起光1211の進行方向がレーザーダイオード1100の光軸方向から入射面1220へ向かう方向へ屈曲させられる。
ミラー1114は、ミラー駆動機構1116により励起光1211の光路に垂直な方向に回転させられ、レーザーダイオード1100の光軸方向に移動させられる。
ミラー1114及びミラー駆動機構1116により反射面1222への励起光1211の入射角θが調整される場合は、ミラー駆動機構1116によりミラー角度が調整されながら、入射角θの変化による照射位置の移動をキャンセルするようにミラー駆動機構1116によりミラー位置が調整される。これにより、入射角θのみが調整され、反射面1222における励起光1211の照射位置が維持される。
ミラー駆動機構1116は、ロータリーステッピングモーター等によりミラー面に平行な回転軸の周りにミラー1114を自転させ、ミラー角度を調整する。
ミラー駆動機構1116は、リニアステージ等の上においてリニアステッピングモーター等によりレーザーダイオード1100の光軸方向に沿ってミラー1114を移動させ、ミラー位置を調整する。
ミラー1114及びミラー駆動機構1116には、簡単な機構により入射角θを調整できるという利点がある。ただし、レーザーダイオード1100及び励起光学系1212の位置及び姿勢を調整する機構により入射角θが調整されてもよい。又は、検査チップ1010の姿勢を調整する機構により入射角θが調整されてもよい。
(表面プラズモン励起蛍光の光路)
表面プラズモン励起蛍光1218は、検出光学系1214により捕捉体1154から光電子増倍管1126へ導かれる。表面プラズモン励起蛍光1218は、集光レンズ1118、第2のバンドパスフィルター1120及び結像レンズ1124を順次に通過する。
(集光レンズ及び結像レンズ)
集光レンズ1118は、表面プラズモン励起蛍光1218を集光し平行光へ変換する。結像レンズ1124は、表面プラズモン励起蛍光1218を光電子増倍管1126へ結像する。集光レンズ1118及び結像レンズ1124は、共役光学系を構成する。これにより、迷光の影響が抑制される。
(第2のバンドパスフィルター及びバンドパスフィルター駆動機構)
第2のバンドパスフィルター1120は、バンドパスフィルター駆動機構1122により集光レンズ1118と結像レンズ1124との間の測定光の光路に挿抜される。「測定光」は、散乱光及び表面プラズモン励起蛍光1218である。
表面プラズモン励起蛍光1218の光量が測定される場合は、測定光の光路へ第2のバンドパスフィルター1120が挿入され、第2のバンドパスフィルター1120により励起光1211と同じ波長の光が選択的に減衰させられる。これにより、散乱光が減衰させられ、主に表面プラズモン励起蛍光1218が光電子増倍管1126へ導かれ、計測の感度及び精度が向上する。散乱光の光量が測定される場合は、測定光の光路から第2のバンドパスフィルター1120が抜去される。
測定光の光路に減光フィルターが挿抜されてもよい。表面プラズモン励起蛍光1218の光量が測定される場合は、測定光の光路から減光フィルターが抜去される。散乱光の光量が測定される場合は、測定光の光路へ減光フィルターが挿入される。これにより、光電子増倍管1126へ導かれる表面プラズモン励起蛍光1218及び散乱光の光量の差が小さくなり、光量の測定が容易になる。表面プラズモン励起蛍光1218の光量が相対的に高感度の光電子増倍管1126により測定され、散乱光の光量が相対的に低感度のフォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトレジスタ等により測定されてもよい。
(光電子増倍管)
測定光の光量は光電子増倍管1126により測定される。光電子増倍管1126には感度及び信号対雑音(S/N)比が良好であるという利点がある。ただし、光電子増倍管1126が他の形式の光量センサに置きかえられてもよい。例えば、光電子増倍管1126が冷却電荷結合素子(CCD)カメラ等に置きかえられてもよい。
(検査チップ及び試薬チップの準備及び取りつけ)
図11のフローチャートは、計測の手順を示す。図12から図17までの模式図は、検査チップ、試薬チップ及び送液ポンプの状態を示す。
計測においては、検査チップ1010及び試薬チップ1012が準備され計測装置1000に取りつけられる(ステップS101)。計測装置1000に取りつけられた検査チップ1010及び試薬チップ1012は、前処理室1800に配置される。試薬チップ1012が準備されるときには、検体容器1182に検体1200が収容される。検体1200は、典型的には、血液等の人間からの採取物であるが、人間以外の生物からの採取物であってもよく、非生物からの採取物であってもよい。
(送液ポンプへのノズルの取りつけ)
検査チップ1010及び試薬チップ1012が前処理室1800に配置された後に、送液ポンプ1140にノズル1180が取りつけられる(ステップS102)。このとき、送液ポンプ搬送機構1142が制御部1006に制御され、図12に示すように、送液ポンプ1140がノズル1180へ向かって搬送され、ポンプ先端1260が開口1258に圧入される。圧入量は、圧入トルク又は送液ポンプ1140の搬送距離により調整される。
(先端の検出)
ノズル1180が取りつけられた後に、先端1252が検出される(ステップS103)。このとき、送液ポンプ搬送機構1142が制御部1006に制御され、図13に示すように、先端1252が検査チップ1010の上面に押し当てられ、トルクの変化等により先端1252が検査チップ1010の上面に当たっていることが検出される。これにより、検査チップ1010と先端1252との相対的な位置関係が特定され、先端収容孔1170に先端1252を収容することが可能になる。ノズル1180の投影画像から先端1252が検出されてもよい。
(検査チップの洗浄)
先端1252が検出された後に、検査チップ1010が洗浄される(ステップS104)。
このとき、送液ポンプ搬送機構1142が制御部1006に制御され、図14に示すように、ノズル1180が洗浄液溶液1190に挿入され、先端1252が洗浄液1198に浸漬される。先端1252が洗浄液1198に浸漬された状態において、送液ポンプ1140が制御部1006に制御され、液体収容空間1250に洗浄液1198が吸入される。
液体収容空間1250に洗浄液1198が吸入された後に、送液ポンプ搬送機構1142が制御部1006に制御され、図15に示すように、ノズル1180がノズル挿入孔1164に挿入され、先端1252が先端収容孔1170に収容され、洗浄液1198が検査チップ1010へ送液される。先端1252が先端収容孔1170に収容された状態において、送液ポンプ1140が制御部1006に制御され、液体収容空間1250から液体出入口1254を経由して流路1162へ洗浄液1198が供給され、洗浄に必要な時間が経過した後に流路1162から液体出入口1254を経由して液体収容空間1250へ洗浄液1198が回収される。このとき、ノズル挿入孔1164と流路1162との境界を超えて先端1252が深く挿入されるので、洗浄液1198は流路1162から略完全に回収される。回収された洗浄液1198は、洗浄液容器1190又は別途設けられた廃液容器へ廃棄される。液体の供給及び回収が2回以上繰り返されてもよい。
洗浄液容器1190から検査チップ1010への洗浄液1198の送液が2回以上繰り返されてもよい。検査チップ1010の洗浄により、保存用の試薬等の生化学反応の阻害物が除去され、生化学反応を適切に進行可能な状態になる。洗浄液1198に代えて又は洗浄液1198に加えてバッファー液、処理液等の液体が流路1162へ供給され流路1162から回収されてもよい。
(抗原と抗体との免疫反応)
検査チップ1010が洗浄された後に、抗体と抗原との免疫反応が進行させられる(ステップS105)。
このとき、送液ポンプ搬送機構1142及び送液ポンプ1140が制御部1006により制御され、検体容器1182から希釈容器1184へ検体1200が送液され、希釈液容器1186から希釈容器1184へ希釈液1194が送液され、検体1200が希釈される。希釈容器1184には、調製された試料液1202が収容される。試薬チップ1012が計測装置1000に取りつけられる前に計測装置1000の外部で試料液1202が調製されてもよい。検体1200がそのまま試料液1202として使用されてもよい。検体1200の希釈に代えて、又は、検体1200の希釈に加えて、血球分離、試薬の混合等の前処理が行われてもよい。
試料液1202が調製された後に、送液ポンプ搬送機構1142が制御部1006に制御され、図16に示すように、ノズル1180が希釈容器1184に挿入され、先端1252が試料液1202に浸漬される。先端1252が試料液1202に浸漬された状態において、送液ポンプ1140が制御部1006に制御され、液体収容空間1250に試料液1202が吸入される。
液体収容空間1250に試料液1202が吸入された後に、送液ポンプ搬送機構1142が制御部1006に制御され、再び図15に示すように、ノズル1180がノズル挿入孔1164に挿入され、先端1252が先端収容孔1170に収容され、試料液1202が検査チップ1010へ送液される。先端1252が先端収容孔1170に収容された状態において、送液ポンプ1140が制御部1006に制御され、液体収容空間1250から液体出入口1254を経由して流路1162へ試料液1202が供給され、免疫反応に必要な時間が経過した後に流路1162から液体出入口1254を経由して液体収容空間1250へ試料液1202が回収される。これにより、試料液1202が捕捉体1154に接触し、捕捉体1154に含まれる抗体と試料液1202に含まれる抗原とが結合する。洗浄液1198は略完全に回収されているので、試料液1202は洗浄液1198に希釈されず、抗体と抗原との免疫反応は洗浄液1198の影響を受けない。ノズル挿入孔1164と流路1162との境界を越えて先端1252が深く挿入されるので、試料液1202は流路1162から略完全に回収される。回収された試料液1202は、希釈容器1184又は別途設けられた廃液容器へ廃棄される。
(入射角の測定角への設定)
抗体と抗原との免疫反応の後に、入射角が測定角に設定される(ステップS106)。
このとき、検査チップ搬送機構1128が制御部1006により制御され、検査チップ1010が前処理室1800から測定位置1802へロードされる。また、バンドパスフィルター駆動機構1122が制御部1006に制御され、第2のバンドパスフィルター1120が測定光の光路から抜去される。これにより、散乱光が遮蔽されなくなり、散乱光の光量が光電子増倍管1126により測定可能になる。
検査チップ1010が測定位置1802へロードされ第2のバンドパスフィルター1120が抜去された状態において、ミラー駆動機構1116が制御部1006に制御され、入射角θが予想される共鳴角の近傍で走査される。入射角θは、全反射条件を満たす。入射角θが走査されている間に、制御部1006が光電子増倍管1126から散乱光の光量の測定結果を取得する。これにより、入射角θと散乱光の光量との関係が得られる。制御部1006は、入射角θと散乱光の光量との関係から散乱光の光量が極大になる入射角θである共鳴角θrを特定し、共鳴角θrから測定が行われる入射角θである測定角θmを決定する。概ね、測定角θmは共鳴角θrに一致するが、何らかの補正が行われてもよい。散乱光の光量が極大になる入射角θに代えて反射光1280の光量が極小になる入射角θが共鳴角θrとされてもよい。ただし、反射光1280の光量が極小になる入射角θと電場の増強度が極大になる入射角θとは若干ずれるので、反射光の光量が極小になる入射角θが共鳴角θrとされる場合は、反射光の光量が極小になる入射角θに微小角が加減されて測定角θmが決定される。測定角θmが決定された後に、ミラー駆動機構1116が制御部1006に制御され、入射角θが測定角θmに設定される。望ましくは、半波長板駆動機構1110が制御部1006に制御され、励起光1211の偏光方向が最適化される。
(抗原と標識抗体との免疫反応)
入射角θが測定角θmに設定された後に、抗原と標識抗体との免疫反応が進行させられる(ステップS107)。
このとき、送液ポンプ搬送機構1142が制御部1006に制御され、図17に示すように、ノズル1180が標識抗体液容器1188に挿入され、先端1252が標識抗体液1196に浸漬される。先端1252が標識抗体液1196に浸漬された状態において、送液ポンプ1140が制御部1006に制御され、液体収容空間1250に標識抗体液1196が吸入される。
液体収容空間1250に標識抗体液1196が吸入された後に、送液ポンプ搬送機構1142が制御部1006に制御され、再び図15に示すように、ノズル1180がノズル挿入孔1164に挿入され、先端1252が先端収容孔1170に収容され、標識抗体液1196が検査チップ1010へ送液される。先端1252が先端収容孔1170に収容された状態において、送液ポンプ1142が制御部1006に制御され、液体収容空間1250から液体出入口1254を経由して流路1162へ標識抗体液1196が供給される。これにより、標識抗体液1196が捕捉体1154に接触し、標識抗体液1196に含まれる標識抗体と捕捉体1154に含まれる抗体とが結合する。洗浄液1198及び試料液1202は略完全に回収されているので、標識抗体液1196は洗浄液1198及び試料液1202に希釈されず、抗原と標識抗体との免疫反応は洗浄液1198及び試料液1202の影響を受けない。入射角θが測定角θmに設定される前に抗原と標識抗体との免疫反応が進行させられてもよい。
(表面プラズモン励起蛍光の光量の測定)
抗原と標識抗体との免疫反応の後に、表面プラズモン励起蛍光1218の光量が測定される(ステップS108)。このとき、バンドパスフィルター駆動機構1122が制御部1006に制御され、第2のバンドパスフィルター1120が測定光の光路へ挿入される。また、制御部1006は、光電子増倍管1126から表面プラズモン励起蛍光1218の光量の測定結果を取得する。表面プラズモン励起蛍光1218の光量の測定結果は、抗原の有無、抗原の捕捉量等に換算され、表示部1008に表示される。
(送液ポンプの手動搬送等)
送液ポンプ1140は、望ましくは、制御部1006に制御される送液ポンプ搬送機構1142により自動搬送されるが、送液ポンプ1140の搬送の全部又は一部が手動で行われてもよい。送液ポンプ1140が手動搬送される場合も、上記の検査チップ1010の構造は、洗浄液1198の略完全な回収に有用である。
送液ポンプ1140が送液元と送液先とを往復搬送されることも必須ではない。すなわち、送液元から送液ポンプ1140へ液体がチューブ等により送液され、送液ポンプ1140が専ら上下に昇降されてもよい。
本発明は詳細に示され記述されたが、上記の記述は全ての局面において例示であって限定的ではない。したがって、本発明の範囲からはずれることなく無数の修正及び変形が案出されうると解される。
1000 計測装置
1010 検査チップ
1140 送液ポンプ
1150 プリズム
1152 金膜
1154 捕捉体
1156 流路部材
1158 蓋部材
1160 シール部材
1162 流路
1164 ノズル挿入孔
1170 先端収容孔
1180 ノズル
1210 反応進行装置
1252 先端

Claims (15)

  1. 生化学反応を進行させる反応進行装置であって、
    第1の方向に延在し、先端を有し、液体を収容する液体収容空間が形成され、前記液体収容空間が前記先端に液体出入口を有するノズルと、
    前記ノズルが取りつけられ、前記液体収容空間を陽圧にすることによって前記液体出入口を経由して前記液体を前記液体収容空間から吐出させ、前記液体収容空間を陰圧にすることによって前記液体出入口を経由して前記液体を前記液体収容空間へ吸入させる送液ポンプと、
    第2の方向に延在するノズル挿入孔及び前記第2の方向とは異なる第3の方向に延在する流路が形成され、前記流路が先端収容孔を端部に有し、前記ノズル挿入孔が前記先端収容孔へ至り、前記第2の方向から見た場合に前記ノズル挿入孔が前記先端収容孔を内包し、前記第2の方向から見た場合の前記先端収容孔が前記第1の方向から見た場合の前記先端を内包可能である構造物と、
    前記流路の内部に定着し、前記生化学反応の反応物を含む反応物含有体と、
    を備える反応進行装置。
  2. 請求項1の反応進行装置において、
    前記先端が前記第1の方向に平行な第1の回転対称軸についての回転対称性を持ち、
    前記ノズル挿入孔及び前記先端収容孔が前記第2の方向に平行な第2の回転対称軸についての回転対称性を持つ、
    反応進行装置。
  3. 請求項2の反応進行装置において、
    前記第1の方向から見た場合に前記先端が円形状を持ち、
    前記第2の方向から見た場合に前記ノズル挿入孔及び前記先端収容孔が円形状を持つ
    反応進行装置。
  4. 請求項3の反応進行装置において、
    前記第2の方向から見た場合の前記ノズル挿入孔の径φf、前記第2の方向から見た場合の前記先端収容孔の径φr及び前記第1の方向から見た場合の前記先端の径φnがφf>φr>φnを満たす
    反応進行装置。
  5. 請求項4の反応進行装置において、
    前記径φr、前記径φn及び前記先端の振れ量Δnがφr>φn+2Δnを満たす
    反応進行装置。
  6. 請求項2の反応進行装置において、
    前記第2の方向から見た場合の前記ノズル挿入孔の内接円径φfi、前記第2の方向から見た場合の前記先端収容孔の内接円径φri及び外接円径φrc並びに前記第1の方向から見た場合の前記先端の外接円径φncがφfi>φrc及びφri>φncを満たす
    反応進行装置。
  7. 請求項6の反応進行装置において、
    前記内接円径φri、前記外接円径φnc及び前記先端の振れ量Δnがφri>φnc+2Δnを満たす
    反応進行装置。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれかの反応進行装置において、
    前記構造物は、
    第1の主面及び第2の主面を有し、前記流路が形成され、前記流路が前記第1の主面及び前記第2の主面にそれぞれ第1の開口及び第2の開口を有する流路部材と、
    前記第1の主面に接合され、前記ノズル挿入孔が形成される蓋部材と、
    前記第2の主面に接合され、前記第2の開口を閉塞する閉塞物と、
    を備える反応進行装置。
  9. 請求項8の反応進行装置において、
    前記閉塞物は、
    入射面、反射面及び出射面を有し、前記入射面から入射した光が前記反射面に反射され前記出射面から出射するように前記入射面、前記反射面及び前記出射面が配置された誘電体媒体と、
    第3の主面及び第4の主面を有し、前記第3の主面が前記第2の主面に接合され、前記第4の主面が前記反射面に密着する導電体膜と、
    を備える反応進行装置。
  10. 請求項8又は請求項9の反応進行装置において、
    前記流路部材及び前記蓋部材が樹脂からなり、
    前記閉塞物の全部又は一部が樹脂からなる
    反応進行装置。
  11. 請求項8から請求項10までのいずれかの反応進行装置において、
    前記蓋部材がノズル挿入口を含むシール面を有し、
    前記ノズル挿入孔が前記ノズル挿入口から前記先端収容孔へ至り、
    前記反応進行装置は、
    前記シール面に貼られるシール部材
    をさらに備える反応進行装置。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれかの反応進行装置において、
    前記ノズルが樹脂からなる
    反応進行装置。
  13. 生化学反応を進行させる反応進行装置用の交換製品であって、
    第1の方向に延在し、先端を有し、液体を収容する液体収容空間が形成され、前記液体収容空間が前記先端に液体出入口を有するノズルと、
    第2の方向に延在するノズル挿入孔及び前記第2の方向とは異なる第3の方向に延在する流路が形成され、前記流路が先端収容孔を端部に有し、前記ノズル挿入孔が前記先端収容孔へ至り、前記第2の方向から見た場合に前記ノズル挿入孔が前記先端収容孔を内包し、前記第2の方向から見た場合の前記先端収容孔が前記第1の方向から見た場合の前記先端を内包可能である構造物と、
    前記流路の内部に定着し、前記生化学反応の反応物を含む反応物含有体と、
    を備える交換製品。
  14. 生化学反応を進行させる反応進行装置用の交換製品の製造方法であって、
    (a) 第1の方向に延在し、先端を有し、液体を収容する液体収容空間が形成され、前記液体収容空間が前記先端に液体出入口を有し、前記第1の方向から見た場合に前記先端が円形状を持つ複数のノズルを作製する工程と、
    (b) 前記複数のノズルについての前記先端の最大振れ量Δn(max)を求める工程と、
    (c) 第2の方向に延在するノズル挿入孔及び前記第2の方向とは異なる第3の方向に延在する流路が形成され、前記流路が先端収容孔を端部に有し、前記ノズル挿入孔が前記先端収容孔へ至り、前記第2の方向から見た場合に前記ノズル挿入孔が前記先端収容孔を内包し、前記第2の方向から見た場合の前記先端収容孔が前記第1の方向から見た場合の前記先端を内包可能であり、前記第2の方向から見た場合に前記ノズル挿入孔及び前記先端収容孔が円形状を持ち、前記第2の方向から見た場合の前記ノズル挿入孔の径φf、前記第2の方向から見た場合の前記先端収容孔の径φr、前記第1の方向から見た場合の前記先端の径φn及び前記最大振れ量Δn(max)がφf>φr>φn+2Δn(max)を満たす構造物を作製する工程と、
    (d) 前記流路の内部に定着し、前記生化学反応の反応物を含む反応物含有体を作製する工程と、
    を備える交換製品の製造方法。
  15. 生化学反応を進行させる反応進行装置用の交換製品の製造方法であって、
    (a) 第1の方向に延在し、先端を有し、液体を収容する液体収容空間が形成され、前記液体収容空間が前記先端に液体出入口を有し、前記先端が前記第1の方向に平行な第1の回転対称軸についての回転対称性を持つ複数のノズルを作製する工程と、
    (b) 前記複数のノズルについての前記先端の最大振れ量Δn(max)を求める工程と、
    (c) 第2の方向に延在するノズル挿入孔及び前記第2の方向とは異なる第3の方向に延在する流路が形成され、前記流路が先端収容孔を端部に有し、前記ノズル挿入孔が前記先端収容孔へ至り、前記第2の方向から見た場合に前記ノズル挿入孔が前記先端収容孔を内包し、前記第2の方向から見た場合の前記先端収容孔が前記第1の方向から見た場合の前記先端を内包可能であり、前記ノズル挿入孔及び前記先端収容孔が前記第2の方向に平行な第2の回転対称軸についての回転対称性を持ち、前記第2の方向から見た場合の前記ノズル挿入孔の内接円径φfi、前記第2の方向から見た場合の前記先端収容孔の内接円径φri及び外接円径φrc、前記第1の方向から見た場合の前記先端の外接円径φnc並びに前記最大振れ量Δn(max)がφfi>φrc及びφri>φnc+2Δn(max)を満たす構造物を作製する工程と、
    (d) 前記流路の内部に定着し、前記生化学反応の反応物を含む反応物含有体を作製する工程と、
    を備える交換製品の製造方法。
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