JPWO2012153602A1 - 車体前部構造体 - Google Patents

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Abstract

少なくとも繊維強化樹脂からなる構造体であって、構成要素として、上部で車幅方向に延びるアッパと、下部で車幅方向に延びるロアと、アッパとロアの車幅方向両端に接続され車体高さ方向に延びる2つのサイドと、アッパの両端部から車体後方に延びるアッパサイドとを有する構造体において、アッパが次の構成a)〜c)を備えている車体前部構造体。a)アッパの延設方向における中央部を除く第1の部位が、車体後方に開いた略コ字状の横断面を有すること。b)第1の部位が、上記略コ字状横断面の上面と縦面に沿う壁を有する略L字状横断面の金属製フレームと、略コ字状横断面の上面と縦面と下面に沿う壁を有する略コ字状横断面の繊維強化樹脂製フレームとの一体化構造に構成されていること。c)アッパの延設方向における中央部である第2の部位が、第1の部位における略コ字状横断面の少なくとも上面の延長面と縦面の延長面に沿う壁を有する上記金属製フレームの延設部を有し、該金属製フレームの延設部は金属のみからなるアッパ形成部を構成していること。歩行者が衝突するアッパ中央部のフレーム断面重量を軽量化して、歩行者が衝突時に車体前部構造より受ける衝撃力を低減できる高い歩行者保護性能の車体前部構造を実現できる。

Description

本発明は、車体前部構造体に関し、とくに、軽量化をはかりつつ構造体全体として必要な剛性を確保し、かつ、衝突時の歩行者保護性能を高めるようにした車体前部構造体に関する。
車体前部には、特にラジエータの前面側周囲には、通常、例えば図5に示すような車体前部構造体101が設けられる。車体前部構造体101は、例えば、構造体101の上部で車幅方向に延びるアッパ102と、下部で車幅方向に延びるロア103と、アッパ102とロア103の車幅方向両端に接続され上下方向に延びる2つのサイド104と、アッパ102の両端部から車体後方に延びるアッパサイド105を有している。サイド104とアッパサイド105には、フロントサイドフレーム106が連結され、車体前部構造体101は車体骨格フレームの一部となっている。
このような車体前部構造体101は、通常、図6に示すように、車体前部201において歩行者202の腰部から脚部にかけての高さにある。歩行者202が車体前部201に衝突した際には、腰部、脚部に大きな衝撃力が作用するため、上記のような車体前部構造体101には歩行者を保護する性能が必要となる。特に、上記アッパ102は歩行者202の腰部や大腿部が衝突する高さにあるため、とくに高い歩行者保護性能が必要となる。このため、例えば特許文献1では、中空矩形形状の金属製パイプを衝撃緩和部材として用い、衝撃時に塑性変形させることで衝突エネルギーを吸収させ、高い衝撃吸収性能を持たせて歩行者保護を図っている。一方で、歩行者202がアッパ102から受ける衝撃力は図7に示すように、衝突直後から極めて短い時間301で最大となる。歩行者が衝突によって受ける障害の度合いは、受けた衝撃力に大きく依存し、アッパ(特に衝突部直近)の質量が大きいほど高い衝撃力となる。従って、特許文献1にあるような金属製の閉断面フレームでは質量が大きいため、衝撃エネルギーが金属フレームの塑性変形によって逐次吸収できたとしても歩行者に多大な被害を及ぼすことになる。このため、アッパ102を比重の小さい樹脂材料を用いて軽量化することも考えられるが、樹脂製の場合には金属製と異なり脆性的に破壊するため、歩行者衝突時にアッパ102が分断破壊し、歩行者が車体前部構造体101の後方にあるエンジン部などから衝撃力を受ける可能性がある。また、乗員保護の観点からも、アッパ102に設けられることが多いフードの係止構造がアッパ破壊により脱離すると、フードの開放が起こり好ましくない。特許文献2には、バルクヘッド(車体前部構造体)のアッパ102に相当する部分が、歩行者衝突と共に車体後方に回動可能に取り付けられることにより、衝撃エネルギーを逃がす構造も開示されている。しかし、この構造ではバルクヘッドが回動できるだけの十分なスペースが必要となるため、スペースが確保できない車両には適用が難しい。
また、強度以外にも車体前部構造体101には、車体を維持するための役割も求められることから、構造体全体として脆弱すぎるものは好ましくなく、例えば車体上下方向の剛性はフード重量を支持できることなど、車体前部に必要な剛性も確保されなければならない。特許文献3には、ラジエータコアサポートアッパとロアを後ろ側に開いた開断面を有した金属で構成し、アッパとロアをつなぐ部材とアッパ、ロアの補強部(斜めリブ)を樹脂でアッパ、ロア共に一体成形した構造が開示されている。しかし、アッパの剛性については、アッパの開断面内の補強部(斜めリブ)ではねじり剛性以外車体前後方向の剛性にはほとんど寄与しないため、十分な剛性の確保が望めない。また、アッパとロアに金属を用いているため、車両への基本的要求である軽量化を実現することが難しい。
特開2010−173556号公報 特許第4211485号公報 特許第4025008号公報
そこで、本発明の課題は、上記のような現状に鑑み、衝突時の歩行者保護性能を高めるために、歩行者が衝突した際の初期段階の衝撃力を低下させ、かつ衝突エネルギーを吸収可能な車体前部構造体を提供することにあり、しかも、それを構造体として必要な剛性を確保した上で、車体の軽量化を図りつつ達成することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る車体前部構造体は、少なくとも繊維強化樹脂からなる車体の前部構造体であって、構造体の構成要素として、上部で車幅方向に延びるアッパと、下部で車幅方向に延びるロアと、アッパとロアの車幅方向両端に接続され車体高さ方向に延びる2つのサイドと、アッパの両端部から車体後方に延びるアッパサイドとを有する車体前部構造体において、前記アッパが次の構成を備えていることを特徴とするものからなる。
a)車幅方向に延びるアッパの、延設方向における少なくとも中央部を除く第1の部位が、車体後方に開いた略コ字状の横断面を有すること。
b)前記第1の部位が、前記略コ字状横断面の上面と縦面に沿う壁を有する略L字状横断面の金属製フレームと、前記略コ字状横断面の上面と縦面と下面に沿う壁を有する略コ字状横断面の繊維強化樹脂製フレームとの一体化構造に構成されていること。
c)車幅方向に延びるアッパの、延設方向における中央部である第2の部位が、前記第1の部位における前記略コ字状横断面の少なくとも上面の延長面と縦面の延長面に沿う壁を有する前記金属製フレームの延設部を有し、該金属製フレームの延設部は金属のみからなるアッパ形成部を構成していること。
ここで「少なくとも繊維強化樹脂からなる」とは、基本的には繊維強化樹脂で構成されるが、他の部材との取付等のために、金属部品等を取り付けたり、インサート成形により組み込んだりすることが可能であることを意味している。
このような本発明に係る車体前部構造体においては、アッパには金属製フレームが含まれるものの、ほぼ全体を通して繊維強化樹脂から構成されるので、構造体全体の強度、剛性が高く確保されるとともに、軽量化の達成が可能になっている。この車体前部構造体のうち、アッパの第1の部位は、上記略コ字状横断面の上面と縦面に沿う壁を有する略L字状横断面の金属製フレームと、略コ字状横断面の上面と縦面と下面に沿う壁を有する略コ字状横断面の繊維強化樹脂製フレームとの一体化構造に形成されている。すなわち、アッパを金属で構成することにより金属の高い弾性を用いて、フレームを構成できる。また、略L字状とすることで、略L字状横断面の金属製フレームを相合わせて略矩形の閉断面を形成するよりも金属製フレームの重量を軽量化でき、歩行者の衝突時に高い保護性能を有する。一方で、略L字状の金属製フレームの曲げ剛性が閉断面フレームに比べて大きく低下するが、樹脂製のフレームと一体化構造を取ることで、これを解決する。すなわち、金属製フレームでは金属の高い弾性率を利用し、他方樹脂製フレームでは略コ字状断面とすることで金属製の略L字状フレームでは不足する断面2次モーメントを高める。結果、車体前部構造に必要な剛性を確保することが可能となる。上記アッパの横断面の車体上下方向の曲げ剛性は略L字状の金属製フレームの上面と、略コ字状の樹脂製フレームの上面および下面によって断面剛性を高く維持できるので、フードから荷重が作用したとき等に十分な剛性を確保できる。一方、前後方向の曲げ剛性については、略L字状の金属フレームの縦面と略コ字状の樹脂製フレームの縦面によって車両骨格として必要な剛性を確保しているが、上下方向の剛性よりは小さくなる。従って、歩行者が衝突後にフレームの変形による衝撃エネルギーの吸収が可能となる。そして、この略コの字状横断面の繊維強化樹脂製フレームがアッパの全長にわたって延びていると、アッパの強度、剛性を高めるが、本発明では、アッパの延設方向における中央部である第2の部位においては、繊維強化樹脂製フレームは略コ字状横断面の形態のままでは延設されず、繊維強化樹脂製フレームが全く設けられてないか、あるいは設けられても、略コ字状横断面の下面に沿う延長壁のみが設けられる。この部分の金属製フレームについては、上記略コ字状横断面の少なくとも上面の延長面と縦面の延長面に沿う壁を有する延設部が設けられ、この金属製フレームの延設部は、金属のみからなるアッパ形成部を構成している。すなわち、アッパの延設方向における中央部である第2の部位においては、金属製フレームが実質的に全面露出され、該露出部には繊維強化樹脂製フレームは設けられない。したがって、この第2の部位においては、金属製フレームと略コ字状横断面の繊維強化樹脂製フレームとの一体化構造は構成されないので、他のアッパ部位に比べて、フレームの断面重量は小さく構成されている。その結果、とくにアッパに関して、車体前部に歩行者が衝突した際に、歩行者が車体から受ける衝撃力を低下させることが可能で、歩行者保護性能が効果的に高められることになる。また、第2の部位が金属で構成されていることから、歩行者衝突時に第2の部位の金属部が塑性変形してエネルギーを吸収し、かつその高い破断強度よりアッパが分断破壊することも防ぐことができるため、歩行者が後方のエンジン部など大質量に更に衝突し衝撃荷重を受けることも防止できる。したがって、このアッパは、上述の望ましい歩行者保護性能のための強度、剛性を兼ね備えることとなる。なお、この本発明に係る車体前部構造体の構造においては、実質的に新たな設置スペースは要求されず、かつ、回動部分は皆無であるから、部材回動用スペースも不要であり、設置スペース的な不利は発生せず、本発明は容易に実施できる。
上記本発明に係る車体前部構造体において、上記第2の部位、つまり、金属製フレームが露出している部位は、アッパの延設方向における中央から両側に少なくとも100mm以上200mm以下の範囲に設けられていることが好ましい。歩行者の腰部、大腿部の平均的な幅はおおよそ100mmから200mm以下の範囲にあるため、このような範囲に設定されていることにより、金属製フレームの露出部分を必要最低限に確保できるため、剛性等を不要に下げずに上述した望ましい歩行者保護性能がより確実に達成される。
また、上記第1の部位に設けられた略L字状横断面の金属製フレームがアッパサイドまで延設され、該アッパサイドとアッパとが一体化されている構造とすることもできる。ここで、「金属製フレームがアッパサイドまで延設され」とは、アッパとアッパサイドとが車体前部構造として組み上げられた際にフレームが一体化して用いられていることを意味している。例えば、金属製の略L字状の横断面を有するアッパとアッパサイドがそれぞれ別体であって溶接等で一体化してよいし、あるいは一つのフレームとして用いられていてもよい。アッパサイドまで金属製フレームが延設され、アッパと該アッパサイドとが一体に設けられると、該一体化された部位の剛性とサイドの剛性との差が大きくなり、サイドとの接続部分から歩行者が衝突した場合にその接続部分の強度が脆弱となって、この部位で意図的に破壊を起こさせることで衝撃エネルギー吸収を図ることが可能となる。サイドとの接続部分で破壊しても、アッパとアッパサイドおよび、サイドとロアはそれぞれ車体骨格に取り付いた状態は維持されるため、歩行者衝突後も歩行者に加えて乗員も適切に保護することも可能となる。
また、上記アッパに加え、上記ロア、サイド、アッパサイドも車体後方に開いた略コ字状横断面を有していることが好ましい。このように実質的にすべての部位が車体後方に(一方側に)開いた略コ字状横断面を有していることにより、繊維強化樹脂からなる車体前部構造体の成形の際の型抜きが容易化され、全体を一体成形することが可能になる。射出成形とする場合には、構造体の構成に用いられる繊維強化樹脂のマトリックス樹脂には、とくに熱可塑性樹脂を使用すると良い。また、強化繊維としては、短繊維を使用することが好ましく、それによって短繊維の強化繊維をマトリックス樹脂とともに良好に成形型内に射出できるようになる。強化繊維の種類はとくに限定されず、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、さらにはこれらを組み合わせたハイブリッド構成の強化繊維の使用が可能である。しかし、成形のし易さ、強度、剛性を確保しながら軽量化できる点などから、炭素繊維の使用が好ましい。ただし、強化繊維の全部が炭素繊維である必要はなく、他の繊維が含まれていてもよい。繊維強化樹脂の強化繊維の一部としてあるいは全体として炭素繊維が含まれていることで、成形性の向上や、強度、剛性の確保、軽量化が可能になる。
また、本発明に係る車体前部構造体においては、車体前後方向における幅が、ロアの方がアッパよりも大きいことも好ましい形態の一つである。すなわち、本発明の車体前部構造では、フレーム全体が射出成形による一体成形が可能なように車体後方に開いた略コ字状横断面を有する形態とすることができるが、その場合、捩り剛性については低くなりやすい構造となる。特に、フロントサイドメンバから車体前部構造体に車体前後方向の荷重が作用した場合には、ロアがアッパに対して捩れるような変形を生じさせる。したがって、車体前部構造体全体としては適切に強度、剛性を高めることが要求されるので、この要求を極力満たすために、ロア側の車体前後方向の幅を相対的に大きくすることで、捩り剛性を高めるのである。
また、さらに好ましい形態として、上記サイドにおける車体前後方向の幅が、アッパとの接続部側よりもロアとの接続部側の方が大きくなるようにすることで、同様に車体前部構造体全体としての剛性を更に高めることができる。
さらに同様の目的から、上記サイドの略コ字状横断面内に剛性増大要素が設けられていることも好ましい。また、上記ロアの両端部に、それ以外の部分よりも剛性を増大させる剛性増大要素が設けられていることも好ましい。このような剛性増大要素は、例えば、リブまたは壁増厚構造から構成することができる。
このように、本発明に係る車体前部構造体によれば、とくにアッパを金属製フレームと繊維強化樹脂製フレームから構成し、その中央部に繊維強化樹脂に被覆されない金属製フレームが露出した特定の部位を構成することで、歩行者が衝突するアッパ中央部のフレーム断面重量を軽量化して、歩行者が衝突時に車体前部構造より受ける衝撃力を低減できる高い歩行者保護性能の車体前部構造を実現できる。また、この望ましい性能を、設置スペースを増大させることなく、かつ車体の剛性と強度を確保しつつ軽量化も満たすことが可能となる。
本発明の一実施態様に係る車体前部構造体の前方側から見た斜視図である。 図1の車体前部構造体の後方側から見た斜視図である。 図1の車体前部構造体における図1のA−A線に沿って見たアッパ部位の横断面図(図3(A))と図1のB−B線に沿って見たアッパ部位の各種形態例を示す横断面図(図3(B)、(C)、(D))である。 図2の車体前部構造体の拡大部分斜視図である。 従来の車体前部構造体の一例を示す斜視図である。 図5の車体前部構造体を有する車体前部に歩行者が衝突した際の一例を示す概略説明図である。 図6に示した衝突後の衝撃力と時間との関係の一例を示すグラフである。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1および図2は、本発明の一実施態様に係る車体前部構造体1を示している。車体前部構造体1は、少なくとも繊維強化樹脂を用いて構成され、繊維強化樹脂部は射出成形により全体が一体成形された構造体からなる。車体前部構造体1の構成要素として、上部で車幅方向に延びるアッパ2と、下部で車幅方向に延びるロア3と、アッパ2とロア3の車幅方向両端に接続され車体高さ方向に延びる2つのサイド4と、アッパ2の両端部から車体後方に延びるアッパサイド5とを有している。本実施態様では、アッパ2に加え、ロア3、サイド4、アッパサイド5の全ての部位が、図2に示すように、車体後方に開いた略コ字状横断面を有しており、成形時に車体後方への型抜きが可能とされることにより、全体が射出成形により一体成形されている。
上記車体前部構造体1において、アッパ2は次のような構成を備えている。まず、車幅方向に延びるアッパ2の、延設方向における中央部6を除く第1の部位7は、図3(A)にも示すように、車体後方に開いた略コ字状の横断面を有するとともに、この第1の部位7は、略コ字状横断面の上面と縦面に沿う壁8a、8bを有する略L字状横断面の金属製フレーム8と、略コ字状横断面の上面と縦面と下面に沿う壁9a、9b、9cを有する略コ字状横断面の繊維強化樹脂製フレーム9との一体化構造に構成されている。また、車幅方向に延びるアッパ2の、延設方向における中央部である第2の部位6は、図3(B)に示すように、上記第1の部位7における上記略コ字状横断面の上面の延長面と縦面の延長面に沿う壁を有する金属製フレーム8の延設部8cを有し、該金属製フレーム8の延設部8cは金属のみからなる(つまり、繊維強化樹脂で覆われずに金属表面が露出した)アッパ形成部を構成している。そして、本実施態様では、繊維強化樹脂製の壁として、金属製フレーム8の延設部8cを覆わないように、繊維強化樹脂製フレーム9の上記略コ字状横断面の下面に沿う壁9cの延設部9dのみが、第2の部位6に残されている。ここで、上記金属製フレーム9は、前述したように、アッパサイド5まで延設されていてもよく、その構成のアッパサイド5がアッパ2と一体化されている構造を採用することもできる。
なお、上記アッパ2の中央部の第2の部位6は、図3(C)、(D)に示すように、図3(B)に示した形態とは別の形態を採ることも可能である。図3(C)に示す第2の部位6aの形態では、上記金属製フレーム8の延設部8cのみが設けられ、繊維強化樹脂製フレーム9の延設部9dは設けられていない。また、図3(D)に示す第2の部位6bの形態では、繊維強化樹脂製フレーム9の延設部は全く設けられず、略コ字状横断面の金属製フレーム8の延設部8dのみが設けられている。
第2の部位についていずれの形態を採用する場合にあっても、前述したように、まず、車体前部構造体1が繊維強化樹脂を用いて構成されることにより、構造体全体の強度、剛性が高く確保されつつ、全体の軽量化が達成されている。そして、とくに、アッパ2の第1の部位7が、略L字状横断面の金属製フレーム8と、略コ字状横断面の繊維強化樹脂製フレーム9との一体化構造に構成されていることにより、金属の高い弾性率と樹脂フレームの断面寸法効果を利用してフレームに必要な剛性を確保しつつ、金属製フレーム部を略矩形の閉断面を形成する場合に比べ軽量化でき、衝突時の歩行者保護性能を高めることができる。また、とくにアッパ2の中央部である第2の部位6においては、金属製フレーム8が露出され、金属製フレーム8と繊維強化樹脂製フレーム9との一体化構造が構成されないことで、他のアッパ部位に比べて、フレームの断面重量は小さくされ、車体前部に歩行者が衝突した際に、歩行者が車体から受ける衝撃力を低下させることが可能になって、歩行者保護性能が効率よく一層高められる。更に、第2の部位6が金属で構成されているため、歩行者衝突時に第2の部位6の金属部が塑性変形してエネルギーを吸収し、かつその高い破断強度により、アッパ2が分断破壊することも防ぐことができるため、歩行者が車体前部構造体1の後方のエンジン部など大質量に更に衝突し衝撃荷重を受けることも防止できる。
上記第2の部位6のアッパ2の延設方向における長さCは、例えば、第2の部位6がアッパ2の延設方向における中央から両側に少なくとも100mm以上200mm以下の範囲に設けられるように設定されることが好ましい。これは、衝突時の歩行者保護をより効果的に行うための望ましい範囲であり、歩行者の腰部、大腿部の幅がおおよそ100mmから200mm以下の範囲にあることを考慮しつつ、かつ、金属製フレーム8の露出部分を必要最低限に抑えて剛性等を不要に低下させないことを考慮しながら、とくに歩行者保護の観点からこのような範囲に設定するのである。
また、図2に示すように、ロア3の車体前後方向における幅Wは、アッパ2の車体前後方向における幅Wよりも大きく設定されている。前述したように、車体前部構造体1のフレーム全体が射出成形により一体成形が可能なように車体後方に開いた略コ字状横断面を有する形態とすることができるが、その場合、捩り剛性については低くなりやすい構造となる。特に、フロントサイドメンバ(図5参照)から車体前部構造体1に車体前後方向の荷重が作用した場合には、ロア3がアッパ2に対して捩れるような変形を生じさせる傾向になる。これを抑制するために、車体前部構造体1全体としては適切に強度、剛性を高めることが望ましく、この要求を極力満たすために、ロア3側の車体前後方向の幅Wを相対的に大きくすることで、捩り剛性を高めるようにしている。
また、図2に示すように、サイド4における車体前後方向の幅が、アッパ2との接続部側の幅WSUよりもロア3との接続部側の幅WSLの方が大きくなるようにすることで、同様に車体前部構造体1全体としての剛性を更に高めるようにしている。
さらに同様の目的から、図2に示すように、サイド4の略コ字状横断面内に剛性増大要素としてのリブ10が設けられている。また、図2、図4に示すように、ロア3の両端部に、それ以外の部分よりも剛性を増大させる剛性増大要素としてのリブ11が設けられている。図示例では、リブ11がトラス状に配置されており、この部分の剛性を大きく増大させている。このような剛性増大要素としては、リブの他、繊維強化樹脂からなる壁を増厚した構造から構成することもできる。
このように、本発明においては、アッパ2に特定の構造を採用することに加え、他の各部についても各種の工夫を加えた構造を採用することができる。
本発明に係る車体前部構造体は、とくに構造体の必要な剛性を確保しつつ衝突時の歩行者保護性能の向上が求められる、あらゆる車体に適用可能である。
1 車体前部構造体
2 アッパ
3 ロア
4 サイド
5 アッパサイド
6、6a、6b アッパの中央部(第2の部位)
7 アッパの中央部を除く第1の部位
8 金属製フレーム
8a 略コ字状横断面の上面に沿う壁
8b 略コ字状横断面の縦面に沿う壁
8c、8d 金属製フレームの延設部
9 繊維強化樹脂製フレーム
9a 略コ字状横断面の上面に沿う壁
9b 略コ字状横断面の縦面に沿う壁
9c 略コ字状横断面の下面に沿う壁
9d 繊維強化樹脂製フレームの延設部
10、11 剛性増大要素としてのリブ

Claims (10)

  1. 少なくとも繊維強化樹脂からなる車体の前部構造体であって、構造体の構成要素として、上部で車幅方向に延びるアッパと、下部で車幅方向に延びるロアと、アッパとロアの車幅方向両端に接続され車体高さ方向に延びる2つのサイドと、アッパの両端部から車体後方に延びるアッパサイドとを有する車体前部構造体において、前記アッパが次の構成を備えていることを特徴とする車体前部構造体。
    a)車幅方向に延びるアッパの、延設方向における少なくとも中央部を除く第1の部位が、車体後方に開いた略コ字状の横断面を有すること。
    b)前記第1の部位が、前記略コ字状横断面の上面と縦面に沿う壁を有する略L字状横断面の金属製フレームと、前記略コ字状横断面の上面と縦面と下面に沿う壁を有する略コ字状横断面の繊維強化樹脂製フレームとの一体化構造に構成されていること。
    c)車幅方向に延びるアッパの、延設方向における中央部である第2の部位が、前記第1の部位における前記略コ字状横断面の少なくとも上面の延長面と縦面の延長面に沿う壁を有する前記金属製フレームの延設部を有し、該金属製フレームの延設部は金属のみからなるアッパ形成部を構成していること。
  2. 前記第2の部位が、アッパの前記延設方向における中央から両側に少なくとも100mm以上200mm以下の範囲に設けられている、請求項1に記載の車体前部構造体。
  3. 前記第1の部位に設けられた略L字状横断面の金属製フレームが、前記アッパサイドまで延設されており、該アッパサイドが前記アッパと一体化されている、請求項1または2に記載の車体前部構造体。
  4. 前記アッパに加え、前記ロア、サイド、アッパサイドも車体後方に開いた略コ字状横断面を有している、請求項1〜3のいずれかに記載の車体前部構造体。
  5. 射出成形により一体成形されている、請求項1〜4のいずれかに記載の車体前部構造体。
  6. 車体前後方向における幅が、前記ロアの方が前記アッパよりも大きい、請求項1〜5のいずれかに記載の車体前部構造体。
  7. 前記サイドにおける車体前後方向の幅が、アッパとの接続部側よりもロアとの接続部側の方が大きい、請求項1〜6のいずれかに記載の車体前部構造体。
  8. 前記サイドの略コ字状横断面内に剛性増大要素が設けられている、請求項4〜7のいずれかに記載の車体前部構造体。
  9. 前記ロアの両端部に、それ以外の部分よりも剛性を増大させる剛性増大要素が設けられている、請求項1〜8のいずれかに記載の車体前部構造体。
  10. 前記剛性増大要素が、リブまたは壁増厚構造からなる、請求項8または9に記載の車体前部構造体。
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