JPWO2012153444A1 - 炊飯器および炊飯器用鍋 - Google Patents

炊飯器および炊飯器用鍋 Download PDF

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武彦 重岡
新田 浩朗
浩朗 新田
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章 片岡
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Abstract

炊飯器用鍋を構成する内鍋本体(25)の底部の内面に複数の凹部(27)を適切な位置に適切な形状で配設することにより、炊飯時に加熱したとき凹部が沸騰の起点となり、炊飯性能を高めるとともに、内鍋本体(25)の凸部(28)と内鍋磁性板(26)の繋止部(29)とを位置合わせてして圧着し、内鍋本体(25)と内鍋磁性板(26)を確実に固定して内鍋(22)を構成することにより、内鍋(22)を軽量で扱いやすく、且つ、加工性に優れ製造コストが安く構成することができる。

Description

本発明は、電磁誘導作用による加熱により炊飯動作を行う炊飯器、および当該炊飯器の炊飯器本体に着脱自在に収納される炊飯器用鍋に関するものである。
近年、電磁誘導加熱を利用した炊飯器が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。図7は、特許文献1に記載された従来の炊飯器の内鍋1および誘導コイル3を示す断面図である。図7に示すように、この従来の炊飯器には、上端開口部に外方に突出するフランジ2を形成した内鍋1が着脱自在に設けられている。内鍋1は、アルミダイカストで熱伝導層1aが形成されており、この熱伝導層1aの外面に磁性金属材料であるフェライト系ステンレスより形成された発熱層1bが熱伝導層1aと同時にアウトサート加工により形成されている。さらに、熱伝導層1aの内面にはフッ素コーティング1cが施されている。
上記のように、磁性金属材料よりなる発熱層1bが、熱伝導層1aであるアルミダイカストによりアウトサート加工されて、内鍋が形成されている。このため、内鍋1の材料として、異なる金属を張り合わして構成されたクラッド材を使う必要がなくなっている。従って、この内鍋1の構成は、クラッド材を生産する大規模な設備が不要となるとともに、加工性に優れ、製造コストが削減できるものであった。
また、熱伝導層1aがアルミダイカストにより形成されているため、熱伝導層1aの厚みを自由に設定できる構成である。このように構成された炊飯器の内鍋1は、誘導コイル3の近傍の肉厚のみを厚くすることが可能となり、内鍋重量の増加を最小限に抑えながら炊飯性能を向上させることができる構成である。
また、誘導加熱調理器用の鍋としては、非磁性金属材で形成された容器本体に対して、加圧手段による加圧操作によって、当該容器本体の底部の外側平面部に強磁性金属板を一体結合した構成がある(例えば、特許文献2参照。)。
図8は、特許文献2に記載された誘導加熱調理器用の鍋の縦断面図であり、強磁性金属板が重畳された鍋を模式的に示している。図9は、特許文献2に記載された圧入前の強磁性金属板の形状を示す縦断面図である。
図8に示すように、非磁性金属材からなる基材11で構成された容器本体12は、その鍋底部の外側平面部13に強磁性金属板14が重畳されている。強磁性金属板14は、加圧加工により鍋底部の外側平面部13に一体結合されている。図9に示すように、強磁性金属板14は、複数の開口部17を有し、開口部17の開口縁部15を鍋底部の外側平面部13側に向けて屈曲した屈曲部16を有している。強磁性金属板14は、剛性を有しており、屈曲部16を鍋底部の外側平面部13に向けた姿勢で加圧される。強磁性金属板14が加圧されて、屈曲部16が容器本体12の底部内に圧入されることにより、鍋底部の内側平面部18には、強磁性金属板14の屈曲部16に対応する位置に圧迫痕部19が形成される。このように、鍋底部の内側平面部18においては、その表面状態が変化しており、表面状態の差異がもたらす模様が形成されている。
また、特許文献2に記載された調理用容器である鍋においては、素材としてアルミニウムを用いて調理用容器として使用し易く構成されている。また、調理用容器の内側平面部18には模様が形成されており、調理用容器の内面に美観を付与すると共に、その調理用容器を用いて、殊に電磁調理器を用いて調理する際の沸騰状態に変化をもたらすことが可能な構成である。
特開平06−304065号公報 国際公開第02/001991号パンフレット
しかしながら、前者の炊飯器では、内鍋1はアルミニウムよりなる熱伝導層1aをアルミダイカストで形成するとともに、磁性材料をアウトサート加工して発熱層1bを形成しているため、アルミ層の厚みを薄くすることができず重くなってしまう上に、アルミダイカストによる鋳込み時間が必要であり、コスト高になってしまうという課題があった。
また、後者の誘導加熱調理器用の鍋である調理用容器を炊飯に用いる場合、鍋底部の内側平面部18に形成された強磁性金属板14の屈曲部16に対応する圧迫痕部19の表面模様では、沸騰時においても水に沈んだ状態のお米が存在する。このため、炊飯する際の沸騰状態におけるお米に対する熱伝導の効果が十分に発揮されないという課題があった。特に、調理器用容器においては、一般に調理物のこびりつき防止や洗浄性の向上のため、フッ素コーティングなどの離型処理が施されている場合がある。その場合には、圧迫痕部19の表面模様がフッ素コーティングなどの離型処理により、消えてしまう場合や、ぼんやりとしてしまう場合があり、炊飯する際の沸騰状態におけるお米に対する熱伝導が十分に発揮されないという心配があった。
本発明は、前記従来技術における課題を解決するものであり、アルミニウムで構成された内鍋本体の底部に磁性金属で構成された内鍋磁性板を確実に固定し、且つ、内鍋本体の底部の内面における所定領域に所定形状を有する複数の凹部を形成することにより、安価で、高い炊飯性能を有する炊飯器用鍋およびそれを用いた炊飯器を提供することを目的とする。
従来技術における前記課題を解決するために、本発明の炊飯器用鍋は、炊飯器本体と、
前記炊飯器本体内に着脱自在に収納される炊飯器用鍋と、
前記炊飯器用鍋の下方に位置し、前記炊飯器用鍋を電磁誘導作用により発熱させる誘導コイルと、
前記誘導コイルを制御する制御部と、を備えた炊飯器に用いる炊飯器用鍋であって、
前記炊飯器用鍋は、アルミニウムで構成された内鍋本体と、前記内鍋本体の底部の外面に配設された磁性金属で構成された内鍋磁性板とを有し、
前記内鍋本体は、前記内鍋本体の底部の内面に配設された複数の凹部と、前記内鍋本体の底部の外面に配設された複数の凸部と、を有し、前記凹部と前記凸部が一体的に形成され、
前記内鍋磁性板は、前記凸部に対応して前記内鍋本体の底部に向かって突出した外縁部分を持つ開口形状の複数の繋止部を有し、
前記炊飯器用鍋は、前記凸部と前記繋止部とを合わせて圧着し、前記内鍋本体に前記内鍋磁性板を固定して構成されている。
上記のように構成された本発明に係る炊飯器用鍋である内鍋においては、内鍋本体の底部の内面に複数の凹部が配設されており、内鍋本体の底部の外面に複数の凸部が配設されて、同時に一体的に形成されている。このため、内鍋本体は、一度の加工で形成できるとともに、内鍋本体の底部の内面に形成される複数の凹部の形状および位置を適切に配設することにより、炊飯時に加熱したとき凹部が沸騰の起点となるよう構成されている。このように構成されているため、本発明に係る炊飯器用鍋を用いた炊飯器においては、炊き上げ時の水蒸気の通り道であるカニ穴(炊きあがった時に生じるご飯表面の穴)の位置や、炊飯器用鍋の内部で生じる対流の位置などが一定となり、安定した炊飯性能を得ることができる。また、洗米時に米粒の滑りを抑制して、お米を研ぎやすくすることができるとともに、洗米時における排水時に米粒の流出を抑えることができる。さらに、本発明に係る炊飯器用鍋を用いた炊飯器は、保温時におけるご飯のべちゃつきを抑制することができる構成となる。
また、本発明に係る炊飯器用鍋においては、内鍋本体の凸部と内鍋磁性板の繋止部とを合わせて圧着し、内鍋本体に内鍋磁性板を固定して鍋が構成されているため、電磁誘導加熱および調理を行うことが可能な炊飯器用鍋を軽量で扱いやすく、且つ、加工性に優れ、低い製造コストで構成することができる。
本発明においては、内鍋本体の底部の内面に複数の凹部を配設して、炊飯時に加熱したときに生じる沸騰泡の制御を行うことが可能な構成となり、一定で安定した炊飯性能を得ることができる炊飯器用鍋および炊飯器を提供することができる。さらに、本発明によれば、内鍋本体の凸部と内鍋磁性板の繋止部とを合わせて圧着固定することにより、簡単に炊飯器用鍋を製造することができるため、加工性に優れ、製造コストを大幅に低減することができる炊飯器用鍋および炊飯器を提供することができる。
本発明に係る実施の形態1の炊飯器用鍋を備えた炊飯器を示す断面図 (a)図1に示した炊飯器用鍋における内鍋本体を示す平面図、(b)内鍋本体の縦断面図、(c)内鍋本体の下面図、(d)内鍋本体の要部を拡大した断面図 (a)実施の形態1における炊飯器用鍋における内鍋磁性板を示す平面図、(b)内鍋磁性板の縦断面図、(c)内鍋磁性板の要部を拡大した断面図 (a)実施の形態1における炊飯器用鍋の組立て圧着時の工程図、(b)組立て圧着された実施の形態1の炊飯器用鍋の要部を拡大した断面図 円錐形のくぼみの中の気泡の成長を説明する図 本発明に係る実施の形態2における炊飯器用鍋の組立て圧着時の工程図 従来の炊飯器の内鍋および誘導コイルを示す断面図 従来の強磁性金属板が重畳された鍋を模式的に示す縦断面図 従来の圧入前の強磁性金属板の形状を示す縦断面図
前記の課題を解決するために、本発明に係る第1の態様の炊飯器用鍋は、炊飯器本体と、
前記炊飯器本体内に着脱自在に収納される炊飯器用鍋と、
前記炊飯器用鍋の下方に位置し、前記炊飯器用鍋を電磁誘導作用により発熱させる誘導コイルと、
前記誘導コイルを制御する制御部と、を備えた炊飯器に用いる炊飯器用鍋であって、
前記炊飯器用鍋である内鍋は、アルミニウムで構成された内鍋本体と、前記内鍋本体の底部の外面に配設された磁性金属で構成された内鍋磁性板と、を有し、
前記内鍋本体は、前記内鍋本体の底部の内面に配設された複数の凹部と、前記内鍋本体の底部の外面に配設された複数の凸部と、を有し、前記凹部と前記凸部が一体的に形成され、
前記内鍋磁性板は、前記凸部に対応して前記内鍋本体の底部に向かって突出した外縁部分を持つ開口形状の複数の繋止部を有し、
前記炊飯器用鍋は、前記凸部と前記繋止部とを置合わせて圧着し、前記内鍋本体に前記内鍋磁性板を固定して構成されている。
本発明に係る第1の態様の炊飯器用鍋である内鍋においては、内鍋本体の底部の内面に複数の凹部を配設するとともに、内鍋本体の底部の外面に複数の凸部を配設し、同時に一体的に形成されているため、内鍋本体の凹部と凸部を一度の加工で形成できる。また、内鍋本体の底部の内面において、複数の凹部を所望の形状に形成し、適切な位置に配設することにより、炊飯時に加熱したとき凹部が沸騰の起点となるため、炊き上げ時の水蒸気の通り道であるカニ穴(炊きあがった時に生じるご飯表面の穴)の位置や、内鍋の内部で生じる対流の位置などが一定となり、安定した炊飯性能を得ることができる。さらに、第1の態様の炊飯器用鍋においては、洗米時に米粒の滑りを抑制して、研ぎやすくすることができるとともに、洗米時における排水時に米粒の流出を抑えることができる。また、当該炊飯器用鍋を用いた炊飯器においては、保温時のご飯のべちゃつきを抑制することができる。
さらに、第1の態様の炊飯器用鍋においては、内鍋本体の凸部と内鍋磁性板の繋止部を合わせて圧着して、内鍋本体に内鍋磁性板を固定しているため、電磁誘導加熱および調理を行うことが可能な鍋を、軽量で扱いやすく、且つ、加工性に優れ、製造コストを安く構成することができる。
本発明に係る第1の態様の炊飯器用鍋である内鍋について詳述すると、内鍋本体の凸部と内鍋磁性板の繋止部とを合わせて圧着することにより、内鍋磁性板に設けた繋止部の開口時に生じるバリが内鍋本体の底面に突き刺さるとともに、繋止部に生じるバリの反対面に形成する微細な端部のダレ部分(曲面部分)に、内鍋本体の凸部がつぶれて係合し、内鍋磁性板の繋止部の開口の全体に拡がる。このとき、内鍋本体の押しつぶされた凸部の一部が内鍋磁性板の繋止部の外縁部分に引っ掛かり、内鍋本体の凸部がリベットのように働いて、内鍋本体に内鍋磁性板が強固に固定される。
本発明に係る第2の態様の炊飯器用鍋は、特に、第1の態様の前記内鍋磁性板の繋止部が、前記内鍋本体の底部に向かって突出した外縁部分を有し、前記内鍋本体の底部に向かって徐々に小さくなる略バーリング形状の開口であってもよい。
上記のように構成された第2の態様の炊飯器用鍋においては、内鍋磁性板の繋止部の外縁部分が内鍋本体の底部に向かって突出し、繋止部の開口が内鍋本体の底部に向かって徐々に小さくなる略バーリング形状である。このため、内鍋本体の凸部と内鍋磁性板の繋止部とを合わせて圧着したとき、内鍋本体の凸部が内鍋磁性板の略バーリング形状の繋止部にはまり込み、略バーリング形状の繋止部の開口を塞ぐとともに、内鍋磁性板の略バーリング形状の繋止部の外縁部分が内鍋本体にくい込み、より強固に内鍋本体に内鍋磁性板を固定することができる。
本発明に係る第3の態様の炊飯器用鍋は、特に、第2の態様における前記内鍋磁性板の外径が前記内鍋本体の底部投影面より内側に位置するように構成してもよい。
上記のように構成された第3の態様の炊飯器用鍋においては、内鍋本体の底部投影面より内鍋磁性板の外径が内側に位置するよう構成されているため、内鍋磁性板の外側に位置するアルミニウムで構成された内鍋本体の底部が、妨磁効果を発揮して、炊飯器の誘導コイルから生ずる漏れ磁束を防止することができる。
本発明に係る第4の態様の炊飯器用鍋は、特に、第1乃至第3のいずれか1つの態様における前記内鍋本体の底部の内面に配設された複数の前記凹部の位置と、前記内鍋本体の底部の外面に配設された複数の前記凸部の位置とは、前記内鍋本体の厚さ方向において重ならないように配置してもよい。
上記のように構成された第4の態様の炊飯器用鍋においては、内鍋本体の底部の内面に配設する複数の凹部が形成されている部分が、厚みが薄く、且つ、内鍋磁性板の繋止部の開口に位置しないため、炊飯器の誘導コイルで加熱される内鍋磁性板の熱を受け易い構成となる。このため、内鍋本体の底部の内面に配設する複数の凹部が他の部分より温度が高くなり、炊飯時に加熱したとき沸騰の起点となる凹部における気泡がより強く(より多く、より頻繁に)生成する構成となり、さらなる炊飯性能の向上を図ることができる。
本発明に係る第5の態様の炊飯器用鍋は、特に、第1乃至第3のいずれか1つの態様における前記内鍋本体の底部の内面に配設された複数の前記凹部の位置と、前記内鍋本体の底部の外面に配設された複数の前記凸部の位置とは、前記内鍋本体の厚さ方向において一致するように配置してもよい。
上記のように構成された第5の態様の炊飯器用鍋においては、一度の加工工程で凹部と凸部の形状を形成することができるとともに、内鍋本体の厚みが薄い材料である場合にも対応することができる。
炊飯器用鍋における内鍋本体の厚みがある程度以上ある場合には、一方の面に凹部あるいは凸部を形成しても、他方の反対面には大きな変形を生じさせることがない。しかし、内鍋本体を厚みが薄い材料により形成した場合には、一方の面に凹部あるいは凸部を形成すると、ほぼ同様の形状を持つ凸部あるいは凹部が他方の面の反対側に形成される。このため、内鍋本体の底部の内面に配設した複数の凹部の間に、内鍋本体の底部の外面に複数の凸部を形成した場合には、内面の複数の凹部と外面の複数の凸部が干渉してしまい、凹部あるいは凸部の配置や数に制約が生じる。
そこで、本発明に係る第5の態様の炊飯器用鍋においては、内鍋本体の底部の内面に配設する複数の凹部と内鍋本体の底部の外面に配設する複数の凸部の位置を合わせて、凹部の形成時に凸部が同時に形成できるよう構成されている。このため、第5の態様の炊飯器用鍋における内鍋本体は、一度の加工工程で凹部と凸部を形成することができるとともに、内鍋本体の厚みが薄い材料にも対応することができる構成となる。
本発明に係る第6の態様の炊飯器は、第1乃至第5のいずれか1つの態様の炊飯器用鍋を内鍋として用いることにより、前述の第1乃至第5の態様におけるいずれかの作用効果を奏するものであり、安価で、炊飯性能の高い炊飯器を提供することができる。
以下、本発明に係る炊飯器用鍋を用いた炊飯器の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に記載した具体的な構成に限定されるものではなく、実施の形態において説明する技術的思想と同様の技術的思想および当技術分野における技術常識に基づいて構成されるものを含むものである。
(実施の形態1)
図1は本発明に係る実施の形態1の炊飯器を示す断面図である。図1においては、炊飯器本体に対して直脱自在の炊飯器用鍋である内鍋を収納した炊飯器が示されている。図2の(a)は図1に示す炊飯器用鍋である内鍋22における内鍋本体25を示す平面図であり、図2の(b)は内鍋本体25の縦断面図であり、図2の(c)は内鍋本体25の下面図であり、図2の(d)は内鍋本体25の要部を拡大した断面図である。図3の(a)は内鍋本体25の底面に埋設される内鍋磁性板26を示す平面図であり、図3の(b)は内鍋磁性板26の縦断面図であり、図3の(c)は内鍋磁性板26の要部を拡大した断面図である。図4の(a)は実施の形態1における炊飯器用鍋である内鍋22の組立て圧着時の説明図であり、図4の(b)は組立て圧着された内鍋22の要部を拡大した断面図である。
図1において、炊飯器本体21は、上面が開口しており、この炊飯器本体21の内部に配設した保護枠23内に、炊飯器用鍋である内鍋22が着脱自在に収納されるよう構成されている。内鍋22の下方において、保護枠23の外側には加熱部である誘導コイル24が設けられている。米と水が入れられた内鍋22が誘導コイル24により加熱されることにより、炊飯されるよう構成されている。
炊飯器用鍋である内鍋22は、図2において(a)〜(d)に示すアルミニウムで形成された内鍋本体25と、図3において(a)〜(c)に示すステンレスなどの磁性金属で構成された内鍋磁性板26とにより構成されている。
図4において(a)〜(b)に示すように、内鍋本体25の底部の外面には、内鍋22の底部投影面より外径が小さく、内鍋本体25の底部外周より内側に内鍋磁性板26が埋設されている。
図2の(a)に示すように、内鍋本体25の底部の内面には、複数の凹部27が所定の領域において所定間隔を有して配設されている。また、図2の(c)に示すように、内鍋本体25の底部の外面には、複数の凸部28が所定の領域において所定間隔を有して配設されている。内鍋本体25の加工時において、底部の内面に形成される凹部27と、底部の外面に形成される凸部28は同時に一体加工により形成される。
図3の(c)に示すように、内鍋磁性板26においては、内鍋本体25の凸部28に対応する位置に開口した複数の繋止部29が配設されている。内鍋磁性板26の各繋止部29の開口の外縁部分は、内鍋本体25の底部に向かって突出し、繋止部29の開口が内鍋本体25の底部に向かって徐々に小さくなる略バーリング形状を有している。したがって、各繋止部29の開口の外縁部分において、内鍋本体25の底部に向かう方向と反対の方向の縁部分は略曲面(ダレ形状)に形成されている。
上記のように構成された内鍋本体25と内鍋磁性板26は、図4の(a)〜(b)に示すように、内鍋本体25の凸部28と内鍋磁性板26の繋止部29が合わせされて圧着され、内鍋本体25に内鍋磁性板26が固着されている。
なお、内鍋本体25の底部の内面および外面に配設された凹部27および凸部28は、内鍋22の底部の中心位置を中心とする複数の同心円上に略等分間隔で配置されている。また、凹部27と凸部28の上下方向(厚み方向)の位置が重ならないように、凹部27と凸部28を配置する同心円の径を互い違いに形成されている。例えば、隣り合う同心円上の凹部27の間に凸部28の同心円が配置される、或いは、隣り合う同心円上の凸部28の間に凹部27の同心円が配置されるように構成されている。または、同じ同心円上において、凹部27の間に凸部28が配置されるように、凹部27と凸部28を互い違いに配設してもよい。上記のように凹部27と凸部28が配置されることにより、凹部27と凸部28の位置が干渉しなくなる。
上記のように、実施の形態1の炊飯器における内鍋本体25の底部の内面に配設された複数の凹部27は、内鍋本体25の底部の外面に配設された複数の凸部28と上下方向(厚み方向)の位置が重ならないように構成されている。
実施の形態1の炊飯器において、炊飯器本体21の上部には、炊飯器本体21の上面開口部を覆うように回動自在に取り付けられた蓋30が設けられている。蓋30の内面側には内鍋パッキン31を備えた加熱板32が取り付けられている。蓋30には加熱板32を誘導加熱する加熱板加熱部35が設けられている。加熱板加熱部35は誘導コイルにより構成されている。また、加熱板32の温度を検知する加熱板温度検知部36が設けられている。
また、炊飯器本体21の下部には、内鍋22の温度を検知する内鍋温度検知手段である内鍋温度検知部33が設けられている。
上記のように構成された実施の形態1の炊飯器においては、当該炊飯器の操作部(図示省略)からの指令信号や、内鍋温度検知部33および加熱板温度検知部36からの検知信号などの各種情報が制御部34に入力される。制御部34は回路基板に搭載されたマイクロコンピュータにより構成されている。制御部34は、入力された各種情報に基づき、所定のシーケンスで加熱部である誘導コイル24を制御することにより、当該炊飯器における炊飯工程が実施される。
以上のように構成された本発明に係る実施の形態1の炊飯器における炊飯工程の動作について説明する。
まず、ユーザは、炊飯を行う米とその米量に対応する水とを内鍋22に入れて、その内鍋22を炊飯器本体21内に装着する。そして、ユーザは、操作部において所望の炊飯動作を設定して炊飯開始スイッチ(図示しない)を操作して、炊飯工程を開始させる。
炊飯工程は、時間順に前炊き工程、炊き上げ工程、沸騰維持工程、蒸らし工程に大分される。前炊き工程においては、内鍋22の温度が米の吸水に適した温度(50℃)になるように、加熱部である誘導コイル24を制御して、内鍋22内の米と水とを加熱する。次に、炊き上げ工程において、内鍋22の温度が所定値(100℃)になるまで、加熱部である誘導コイル24を制御して内鍋22を所定の熱量で加熱する。この時の温度上昇速度によって、炊飯量が判定される。
沸騰維持工程においては、内鍋22の水が無くなり、内鍋22の温度が100℃を超えた温度である所定値になるまで、加熱部である誘導コイル24および加熱板加熱部35が通電されて、米と水を加熱する。最後に蒸らし工程において、一定時間の間に複数回、炊飯量に応じて誘導コイル24および加熱板加熱部35による加熱(追い炊き)と加熱の停止(休止)を繰り返す。
炊き上げ工程〜沸騰維持工程では、加熱部である誘導コイル24への連続通電により内鍋22内の水が50℃から100℃まで急激に温度上昇する。この時、内鍋22内の水は初期の未沸騰の自然対流状態(第1段階)から、次第に内鍋22の内面で発生した気泡が水面まで達しない核沸騰状態(第2段階)となり、100℃に達する時点では内鍋22の内面で発生した気泡が水面まで達する核沸騰状態(第3段階)が起こる。
次に、自然対流状態と核沸騰状態について、上記の「第1段階」〜「第3段階」を具体例として説明する。ここで、誘導コイル24によるジュール発熱量Qを内鍋22の発熱部表面積Aで除したものを、内鍋22の表面熱流束q=Q/Aとする。また、内鍋22の表面温度Tから内鍋22内の圧力における飽和温度Tsatを差し引いたものを、過熱度ΔTsat=T−Tsatとする。
まず、内鍋22内の水が未沸騰の自然対流状態である「第1段階」では、内鍋22が誘導コイル24により加熱される。過熱度ΔTsatが小さい期間は、伝熱により内鍋22の内面が発熱し、その内鍋22の内面と接している内鍋22内の水が局所的に加熱される。その結果、内鍋22内の水中において密度差が生じる。この密度差に基づき局所的な浮力が発生し、内鍋22内の水に流れが誘発される。このような局所的な密度の不均一によって、内鍋22内の水に未沸騰の自然対流が発生する。この時の、水から米への伝熱は自然対流伝熱である。
そして、内鍋22の内面で発生した気泡が水面まで達しない核沸騰状態である「第2段階」では、過熱度ΔTsatが大きくなるにつれて、内鍋22の内面に微細な気泡が生じては離脱する核沸騰が起こるようになる。初期の核沸騰状態では、微細な気泡が有している熱量は十分ではないため、水面に向かって上昇するにつれて気泡の温度が水温に近づき、再凝縮する。その結果、気泡は液化し、消滅する。このように「第2段階」は、気泡が水面に達しない核沸騰状態である。この時の、水から米への伝熱は自然対流伝熱と沸騰伝熱である。
さらに、内鍋22の内面で発生した気泡が水面まで達する核沸騰状である「第3段階」では、誘導コイル24によるジュール発熱量Qを増加していくと、気泡の発生点が密になり、気泡が頻繁に内鍋22の内面から離脱するようになるとともに、離脱した気泡が水面にまで達し、内鍋22内の水の全体が激しく撹拌される。このように「第3段階」では、内鍋22内の水が完全な核沸騰状態となる。この時の、水から米への伝熱は沸騰伝熱である。
次に、炊飯工程の動作において、実際に内鍋22内で起こっている現象について説明する。
前述のように、「第1段階」の状態においては、水から米への熱伝導は、自然対流伝熱が支配的であり、内鍋22の表面状態の差による熱流束qに大きな差は認められない。
次に、「第2段階」の状態では、水から米への熱伝導は、内鍋22の表面での気泡の発生の仕方によって、自然対流伝熱が支配的となる場合と、沸騰伝熱が支配的となる場合とに分かれる。すなわち、前者は内鍋22の内面で気泡が大きく成長する場合であり、ジュール発熱量Qの大部分が気泡の成長に費やされるため、水から米への伝熱は、内鍋22の内面から内鍋22内の水への伝熱と、気泡から水への伝熱であり、いずれの伝熱も自然対流伝熱により米に熱が伝えられる。
一方、後者は内鍋22の内面で気泡が容易に離脱する場合であり、前述のように、気泡は微細であり、この気泡が浮力で水面に向かって上昇するが、気泡が有している熱量が十分ではないため、上昇するにつれて気泡の温度が水温に近づき、再凝縮し、その結果液化し、気泡は消滅する。しかしながら、気泡は頻繁に水面に向かって上昇することにより、内鍋22内の水に強制的な対流が生じ、沸騰伝熱と強制対流伝熱により米に熱が伝えられる。自然対流伝熱より強制対流伝熱の方が、熱媒体が均一攪拌されるため、米への均一な伝熱が実現できる。したがって、内鍋22の内面を気泡が離脱し易い表面状態とすることにより、米の均一加熱が可能となる。
そして、「第3段階」の状態では、気泡が頻繁に内鍋22の内面から離脱し水面まで達し、内鍋22内の水全体が激しく撹拌される。しかしながら、内鍋22の内面での気泡の生じ方による沸騰伝熱において、米が均一加熱されるとは限らない。すなわち、内鍋22の内面で気泡が容易に離脱する場合には、気泡が大きく成長する場合と比較して、気泡と米との接触機会が多くなることにより、米への伝熱の機会が増える。したがって、内鍋22の内面を気泡が離脱し易い表面状態とすることにより、米の均一加熱が可能となる。
さらに、内鍋22の内面からの沸騰状態を観察していると、沸騰による気泡の生成・離脱がつねに同一点から生じていることが分かる。これは、気泡が離脱する際に、内鍋22の内面にある微細な凹凸のくぼみ(くぼみの最下部を沸騰核とする)の中に水が浸入することができず、気泡の一部が絶えず取り残され、この気泡が蒸気分子の初期の集団となって、この気泡に向かって水が蒸発していき、気泡を成長させていくためと考えられる。つまり、加熱表面からの沸騰では、水はその体積中に均質核生成過程による蒸気分子の集団形成をすることなしに、加熱表面のくぼみの中の蒸気相に向けて、小さな過熱度で蒸発を行い、気泡を発生させている。
以下、気泡の成長に関して、出口半径Rの円錐形のくぼみの中に捕らえられている気泡が、成長していくにつれ、その気泡の曲率1/Rがどのように変化していくかについて説明する。図5は出口半径Rの円錐形のくぼみの中に捕らえられている気泡を示す図である。図5において、(a)は気泡の境界面Xが円錐形のくぼみの側面Yと90°を保つ状態を示しており、(b)は気泡の境界面Xと加熱面の平坦面Zとの接触角が90°を保つ状態を示しており、(c)が気泡の境界面Xが円錐形のくぼみの出口の回りの縁から遠ざかった場合を示している。
気泡の境界面Xと加熱面との接触角を90°と仮定すると、気泡の成長に伴う気泡の境界面Xの曲率1/Rは、気泡の境界面Xがちょうど円錐形のくぼみの出口の回りの縁に接しており、かつくぼみの側面Yと90°を保つ状態で最小値をとる(図5の(a)参照)。その後、気泡の境界面Xが、くぼみの出口の回りの縁には接しているが、加熱面の平坦面Zと90°の接触角となる状態まで、気泡の境界面Xの曲率1/Rは増加し続ける(安定平衡状態)。そして、気泡の境界面Xが、くぼみの出口の回りの縁に接し、且つ加熱面の平坦面Zと90°の接触角となったとき、曲率1/Rは最大値となる(図5の(b)参照)。気泡の曲率1/Rが最大値をとった後、気泡の境界面Xの接触位置がくぼみの出口回りの縁から遠ざかって、気泡の体積が増大していくにつれて、気泡の曲率1/Rは再び減少していく(図5の(c)参照)。このように、気泡の体積が増大するにつれて、曲率1/Rは低下し、不安定状態となり、気泡離脱に向けて成長し続ける。
上記の説明で明らかなように、加熱表面から気泡をコントロールしながら離脱させるためには、くぼみを故意に設ければよい。そのために、内鍋本体25の底部の内面の所定領域に複数の凹部27を形成することにより所望の気泡を得ることができる。複数の凹部27が気泡の起点となり、凹部27を内鍋22の形状や誘導コイル24により加熱される部分に合わせて適所に配置することにより、炊き上げ時の水蒸気の通り道であるカニ穴(炊きあがった時に生じるご飯表面の穴)の位置や、内鍋22の内部で生じる対流の位置などが一定となり、安定した炊飯性能を得ることができるようになる。
実施の形態1の炊飯器における炊飯器用鍋においては、内鍋本体25の底部の内面に配設する複数の凹部27が、内鍋本体25の底部の外面に配設する複数の凸部28の位置と重ならないように配置されている。このため、内鍋本体25の底部の内面に配設する複数の凹部27の部分は、板厚が薄く、且つ、内鍋磁性板26の繋止部29の開口の位置に配置されず、炊飯器の誘導コイル24により加熱される内鍋磁性板26に対向する位置となる。この結果、内鍋本体25の底部の内面の凹部27は、内鍋磁性板26からの熱を受けやすい構造であるため、他の部分より温度が高くなり、炊飯時に加熱したとき沸騰の起点となる凹部27での気泡をより強く(より多く、より頻繁に)発生させることができる。このため、実施の形態1の炊飯器においては、炊飯性能のさらなる向上を図ることができる。
上記のように、内鍋本体25の底部の内面に複数の凹部27を形成するとともに、内鍋本体25の底部の外面に複数の凸部28を同時に形成するため、内鍋本体25は一度の加工で形成することができる。また、内鍋本体25の底部の内面に複数の凹部27を適切な形状に形成し、複数の凹部27の位置を適切に配設することにより、炊飯時に加熱したとき、内鍋本体25の底部の内面の凹部27が確実に沸騰の起点となる。このため、炊き上げ時の水蒸気の通り道であるカニ穴(炊きあがった時に生じるご飯表面の穴)の位置や、内鍋22の内部で生じる対流の位置などが一定となり、安定した炊飯性能を得ることができる。
また、実施の形態1の炊飯器における炊飯器用鍋は、洗米時における米粒の滑りを抑制して研ぎやすくすることができるとともに、洗米時における排水時に米粒の流出を抑えることができる。さらに、実施の形態1の炊飯器においては、上記のように構成された炊飯器用鍋を用いることにより、保温時におけるご飯のべちゃつきを抑制することができる。
実施の形態1の炊飯器における炊飯器用鍋においては、内鍋磁性板26の繋止部29の開口の外縁部分が内鍋本体25の底部に向かって突出し、繋止部29の開口が内鍋本体25の底部に向かって徐々に小さくなる略バーリング形状を有している。このため、内鍋本体25の凸部28と内鍋磁性板26の繋止部29の開口部分を合わせて圧着したときに、内鍋本体25の凸部28が内鍋磁性板26の略バーリング形状を持つ繋止部29にはまり込み、繋止部29の開口を塞ぐようになる。また、内鍋磁性板26の略バーリング形状の繋止部29の外縁部分が内鍋本体25にくい込み、より強固に内鍋本体25に内鍋磁性板26を固定することができる。
上記ように、実施の形態1における炊飯器用鍋は、内鍋本体25の底部の外面に略バーリング形状の繋止部29を有する内鍋磁性板26をプレス加工により圧着することにより形成することができ、鋳造設備などの大型の製造設備が不要となり、簡単な設備を用いて低コストで製造することができる。このため、実施の形態1における炊飯器用鍋は、加熱効率の高い電磁誘導加熱方式の鍋を低価格で提供することができる。
また、実施の形態1の炊飯器においては、内鍋磁性板26の外径が内鍋本体25の底部の投影面より内側となるよう設定されている。このため、内鍋磁性板26より外側となるアルミニウムで構成された内鍋本体25の底部の外周部分が、妨磁効果を発揮して、炊飯器の誘導コイル24からより生ずる漏れ磁束を防止することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明に係る実施の形態2の炊飯器およびその炊飯器に用いられる炊飯器用鍋である内鍋について説明する。図6は、本発明に係る実施の形態2の炊飯器における炊飯器用内鍋の組立て圧着時の工程図である。
実施の形態2の炊飯器において、前述の実施の形態1の炊飯器と異なる点は、炊飯器用鍋である内鍋の構成であり、その他の点は実施の形態1の炊飯器と同じ構成である。実施の形態2の炊飯器において、実施の形態1の炊飯器の内鍋以外の基本構成は同じであるため、内鍋を中心に説明する。以下の実施の形態2の説明において、実施の形態1の炊飯器における構成要素と同じ機能、構成を有するものには同じ符号を付し、その詳細な説明は省略して実施の形態1の説明を適用する。
図6の(a)に示すように、実施の形態2の炊飯器における炊飯器用鍋である内鍋40は、内鍋本体41と内鍋磁性板42とにより構成されている。内鍋40における内鍋磁性板42には、内鍋本体41の底部に向かって突出する外縁部分を有する複数の繋止部43である開口が形成されている。また、内鍋40における内鍋本体41の底部の内面には、複数の凹部44が形成されており、内鍋本体41の底部の外面には複数の凸部45が形成されている。内鍋本体41の底部に形成された凹部44と凸部45は、内鍋本体41の加工時において同時に形成できる構成である。
上記のように、実施の形態2の炊飯器における内鍋40は、内鍋本体41の底部の内面に配設する複数の凹部44と、内鍋本体41の底部の外面に配設する複数の凸部45は、それぞれの位置が内鍋本体41の内面と外面における対向する位置に形成されており、凹部44の形成時に凸部45が同時に形成できる構成である。このため、一度の加工工程で内鍋本体41の凹部44と凸部45の形状が形成できるとともに、内鍋本体41の厚さが薄いものにも対応できる構成である。
即ち、内鍋本体41の厚みがある程度以上に厚い場合、一方の面に凹部44あるいは凸部45を形成しても、他方の面の反対側に大きな変形を生じさせることなく形成することができる。しかし、内鍋本体41の厚みが薄い場合には、一方の面に凹部44あるいは凸部45を形成したとき、ほぼ同様の形状(逆形状)の凸部45あるいは凹部44が他方の面の反対側に形成される。このため、内鍋本体41の底部の内面に形成した複数の凹部44と、内鍋本体41の底部の外面に形成した複数の凸部45との間における干渉を防止するために、内鍋本体41の底部の内面における凹部44、および内鍋本体41の底部の外面における凸部45の配置状態や配置数が制約される。
そこで、実施の形態2の炊飯器における内鍋40においては、内鍋本体41の底部の内面に配設する複数の凹部44と内鍋本体41の底部の外面に配設する複数の凸部45のそれぞれの位置を合わせて、凹部44の形成時に凸部45が同時に形成できるように構成されている。このため、内鍋本体41においては、一度の加工工程で凹部44と凸部45の形状を形成できるとともに、内鍋本体41の厚さが薄いものにも対応できる構成である。
実施の形態2の炊飯器における内鍋40においては、図6の(c)に示すように、内鍋本体41の凹部44と内鍋磁性板42の繋止部43を合わせて圧着して、内鍋本体41に内鍋磁性板42を固着している。このため、電磁誘導加熱および調理を行うことが可能な内鍋40が、軽量で扱いやすい構成となり、且つ、加工性に優れ製造コストを低減できる構成となる。
以下、実施の形態2の炊飯器における内鍋40の製造工程について詳述する。
図6の(a)に示すように、内鍋40は、底部の内面に複数の凹部44を有し、底部の外面に複数の凸部45を有する内鍋本体41と、略バーリング形状の繋止部29の開口を有する内鍋磁性板42とを備えている。
図6の(b)に示すように、内鍋本体41の底部の外面に形成された凸部45と、内鍋磁性板42の繋止部43とが合わせされて、凸部45が繋止部43の内部に挿入される。
次に、図6の(c)に示すように、内鍋本体41の凸部45をつぶすように、内鍋本体41と内鍋磁性板42が圧着される。この圧着時において、内鍋磁性板42に形成された繋止部43の開口加工時に生じるバリが内鍋本体41の底部の外面に突き刺さる。繋止部43においては、開口加工時に生じたバリの反対側の外縁部分には微細なダレ部分(曲面部分)が生じている。このため、圧着時において、内鍋本体41の凸部45がつぶれて、外側に広がり、内鍋磁性板42の繋止部43外縁部分のダレ部分(曲面部分)に係合して押さえ付ける構成となる。即ち、内鍋本体41の凸部45がつぶれて、内鍋磁性板42の繋止部43の外縁部分に拡がって引っ掛かる。このため、内鍋本体41の凸部45がリベットのように働いて、内鍋本体41に対して内鍋磁性板42が強固に固定される。
本発明に係る実施の形態1および実施の形態2の炊飯器においては、内鍋22、40に対する加熱時や、調理後の水洗する際において、熱の変化により熱膨張収縮のストレスが内鍋20、40に加わる。このため、内鍋本体25、41の凸部28、45と内鍋磁性板26、42の繋止部29、43を位置合わせして圧着して、内鍋本体25、41に内鍋磁性板26、42を固定する固定部は、熱膨張収縮のストレスが集中しないように、等間隔に設けることが好ましい。
また、内鍋本体25、41の底部の内面に形成する複数の凹部27、44は、炊飯性能を重視し、誘導コイル24の仕様、内鍋22、40の形状や厚みなどを考慮して形成され、配置される。例えば、内鍋本体25、41の底部の内面に形成する複数の凹部27、44は、気泡がまんべんなく均一に発生するように、或いは、発生する気泡によって対流を起こして、炊飯されるお米に均一に熱が伝わるように、炊飯性能を重視して、配置される位置が設定される。
なお、アルミニウムで構成される内鍋本体が、厚みの厚い材料で形成されるものにおいては、前述の実施の形態1において説明したように、内鍋本体25の底部の内外面に配設する凹部27と凸部28の位置は厚み方向に重ならないように配置した方がよい。このように、内鍋本体25における凹部27と凸部28の位置を配置することにより、炊飯器としての炊飯性能を向上させることができる。
また、アルミニウムで構成される内鍋本体が、厚みの薄い材料で形成されるものにおいては、前述の実施の形態2において説明したように、内鍋本体41の底部の内面に配設する複数の凹部44と内鍋本体41の底部の外面に配設する複数の凸部45の位置を合わせて、凹部44の形成時に同時に凸部45を形成するように構成した方がよい。このように構成することにより、炊飯器としての炊飯性能とコストをバランスさせることができる。
さらに、内鍋22、40の温度を検知する内鍋温度検知部33が、アルミニウムで構成された内鍋本体25、41の温度を確実に、精度高く測定できるように、内鍋磁性板26、42は内鍋温度検知部33の位置に対応する中央部分に開口部分を形成した構成とした方がよい。
また、内鍋22、40の表面は、炊飯したご飯などが付着しにくいように、フッ素樹脂コートや離型塗料の塗装などの非接着処理の表面処理をした方がよい。このように内鍋22、40を表面処理することにより、洗浄性が良くなるとともに、内鍋本体25、41に内鍋磁性板26、42を固定したときに、微細な亀裂を生じたとしても、表面処理において亀裂が塞ぐことが可能な構成となる。
なお、内鍋磁性板26、42のすべての繋止部29、43に対しては、内鍋本体25、41の凸部28、45を形成して挿入し圧着固定する必要はなく、内鍋磁性板26、42が確実に内鍋本体25、41に固着されるよう構成されていればよい。
本発明の炊飯器に備えられる炊飯器用鍋を用いることにより、米を均一加熱することが可能となり、ご飯の食味を向上させることができ、家庭用または業務用の炊飯器として有用である。
21 炊飯器本体
22、40 内鍋
24 誘導コイル
25、41 内鍋本体
26、42 内鍋磁性板
27、44 凹部
28、45 凸部
29、43 繋止部

Claims (6)

  1. 炊飯器本体と、
    前記炊飯器本体内に着脱自在に収納される炊飯器用鍋と、
    前記炊飯器用鍋の下方に位置し、前記炊飯器用鍋を電磁誘導作用により発熱させる誘導コイルと、
    前記誘導コイルを制御する制御部と、を備えた炊飯器に用いる炊飯器用鍋であって、
    前記炊飯器用鍋は、アルミニウムで構成された内鍋本体と、前記内鍋本体の底部の外面に配設された磁性金属で構成された内鍋磁性板と、を有し、
    前記内鍋本体は、前記内鍋本体の底部の内面に配設された複数の凹部と、前記内鍋本体の底部の外面に配設された複数の凸部と、を有し、前記凹部と前記凸部が一体的に形成され、
    前記内鍋磁性板は、前記凸部に対応して前記内鍋本体の底部に向かって突出した外縁部分を持つ開口形状の複数の繋止部を有し、
    前記炊飯器用鍋は、前記凸部と前記繋止部とを合わせて圧着し、前記内鍋本体に前記内鍋磁性板を固定して構成された炊飯器用鍋。
  2. 前記内鍋磁性板の繋止部は、前記内鍋本体の底部に向かって突出した外縁部分を有し、前記内鍋本体の底部に向かって徐々に小さくなる略バーリング形状の開口である請求項1に記載の炊飯器用鍋。
  3. 前記内鍋磁性板の外径が前記内鍋本体の底部投影面より内側に位置するように構成された請求項2に記載の炊飯器用鍋。
  4. 前記内鍋本体の底部の内面に配設された複数の前記凹部の位置と、前記内鍋本体の底部の外面に配設された複数の前記凸部の位置とは、前記内鍋本体の厚さ方向において重ならないように配置された請求項1乃至3のいずれか1項に記載の炊飯器用鍋。
  5. 前記内鍋本体の底部の内面に配設された複数の前記凹部の位置と、前記内鍋本体の底部の外面に配設された複数の前記凸部の位置とは、前記内鍋本体の厚さ方向において一致するように配置された請求項1乃至3のいずれか1項に記載の炊飯器用鍋。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の炊飯器用鍋を用いた炊飯器。
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