JPWO2012147972A1 - ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも1種の溶液重合により合成されたジエン系ゴム90〜100質量%及び他のジエン系ゴム0〜10質量%からなるゴム成分(A)、ASTM D3765−92記載の方法に準拠して測定された臭化n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(CTAB)吸着比表面積が140m2/g未満であるシリカ(B)、ポリスルフィド化合物及びチオエステル化合物から少なくとも1種選ばれるシランカップリング剤(C)及び加硫促進剤(D)を含むゴム組成物であって、加硫後の該ゴム組成物の該シリカの平均凝集アグリゲート面積(nm2)が3100以下であることを特徴とするゴム組成物であり、低発熱性を向上したゴム組成物を提供するものである。

Description

本発明は、低発熱性を向上する、シリカを含むゴム組成物に関するものである。
近年、環境問題への関心の高まりに伴う世界的な二酸化炭素排出の規制の動きに関連して、自動車の低燃費化に関する要求が高まりつつある。このような要求に対応するため、タイヤ性能についても転がり抵抗の低減が求められている。従来、タイヤの転がり抵抗を減少する手法として、タイヤ構造を最適化する手法も検討されてきたが、タイヤに適用するゴム組成物としてより発熱性の低いゴム組成物を用いることが、現在、最も一般的な手法として行われている。
このような発熱性の低いゴム組成物を得る方法として、充填材としてシリカ等の無機充填材を使用する方法が知られている。
しかし、シリカ配合ゴム組成物において、シリカはゴム組成物中で凝集してしまうため(シリカ表面の水酸基が原因で凝集してしまうため)、凝集を防止するためにシランカップリング剤が用いられる。
従って、シランカップリング剤を配合して上記問題を好適に解決するために、シランカップリング剤のカップリング機能の活性を高める目的で種々の試みがなされている。
例えば、特許文献1では、基本成分として、少なくとも(i)1種のジエンエラストマー、(ii)補強性充填剤として白色充填剤、(iii)カップリング剤(白色充填剤/ジエンエラストマー)としてポリ硫化アルコキシシランを、(iv)エナミン及び(v)グアニジン誘導体と一緒に含むゴム組成物が提案されている。
また、特許文献2では、基本成分として、少なくとも(i)1種のジエンエラストマー、(ii)補強性充填剤として白色充填剤、(iii)カップリング剤(白色充填剤/ジエンエラストマー)としてポリ硫化アルコキシシランを、(iv)ジチオリン酸亜鉛及び(v)グアニジン誘導体と一緒に含むゴム組成物が開示されている。
特許文献3では、少なくとも、(i) ジエンエラストマー、(ii) 強化充填剤としての無機充填剤、(iii)(無機充填剤/ジエンエラストマー)カップリング剤としての多硫化アルコキシシラン(PSAS)をベースとし、(iv) アルジミン(R−CH=N−R)及び(v) グアニジン誘導体とが併用されているゴム組成物が記載されている。
さらに、特許文献4では、少なくとも:(i)ジエンエラストマー、(ii)補強フィラーとしての無機フィラー、(iii)カップリング剤としての多硫化アルコキシシランに基づき、(iv)1,2−ジヒドロピリジン及び(v)グアニジン誘導体を伴うゴム組成物が提案されている。特許文献5では、混練条件を考慮して、シランカップリング剤のカップリング機能の活性を高める技術も提案されている。
また、特許文献6では、ゴム組成物に平均粒子径が10μm以下であるシリカ及び特定のシランカップリング剤を配合することにより、シリカの凝集を抑制する発明が開示されている。
特許文献7では、ゴム組成物に、臭化n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(CTAB)吸着比表面積が好ましくは60〜250×1022/kgであるシリカとカテキンを含む茶抽出物とを配合することによりゴム組成物中にシリカの大きな凝集塊が存在しないようにする技術が提案されている。
さらに、特許文献8及び9には、ゴム成分中に含まれる充填材の分散状態が、暗視野法によって試料のカット面を観察する分散評価法において、全観察視野面積に対して、円相当径10μm以上の充填材凝集塊の占める面積の割合が、2.0%以下であること特徴とするゴム組成物が開示されている、
しかしながら、シリカを含有するゴム組成物において、低発熱性をさらに向上する技術が要望されている。
特表2002−521515号公報 特表2002−521516号公報 特表2003−530443号公報 特表2003−523472号公報 国際公開2008/123306号パンフレット 特開2009−256576号公報 特開2010−031260号公報 特開2010−248422号公報 特開2010−248423号公報
本発明は、このような状況下で、低発熱性を向上したゴム組成物を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために、ゴム組成物中のシリカの分散状態に着目して、種々の測定方法でシリカの分散状態を評価することを試みた。その結果、特定の測定方法による平均凝集アグリゲート面積を特定の値以下にすればゴム組成物のヒステリシス特性(特に、tanδ)を低減し、低発熱性を向上することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも1種の溶液重合により合成されたジエン系ゴム90〜100質量%及び他のジエン系ゴム0〜10質量%からなるゴム成分(A)、ASTM D3765−92記載の方法に準拠して測定された臭化n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(CTAB)吸着比表面積が140m2/g未満であるシリカ(B)、ポリスルフィド化合物及びチオエステル化合物から少なくとも1種選ばれるシランカップリング剤(C)及び加硫促進剤(D)を含むゴム組成物であって、加硫後の該ゴム組成物の該シリカの平均凝集アグリゲート面積(nm2)が3100以下であることを特徴とするゴム組成物である。
[平均凝集アグリゲート面積の測定法:
加硫後のゴム組成物試料の上面を、集束イオンビームを用いて、該試料の上面に対し角度38°をなす方向に切削した後、切削により形成された該試料の平滑面を、該平滑面に対し垂直な方向から走査型電子顕微鏡を用いて、加速電圧5kVで撮影する。得られた画像を、Otsu法により該試料のゴム部分と充填材であるシリカ部分との2値化像に変換して得られた2値化像に基づき、シリカ部分の凝集アグリゲート面積を求め、シリカ部分の全表面積と凝集アグリゲートの個数とから、単位面積(3μm×3μm)あたりのシリカ部分の平均凝集アグリゲート面積を数平均(相加平均)により算出する。算出に当たり、画像の端(辺)に接している粒子はカウントせず、20ピクセル以下の粒子は、ノイズと見做しカウントしない。]
本発明によれば、低発熱性を向上したゴム組成物を提供することができる。
本発明に係る平均凝集アグリゲート面積の測定法により、本発明のゴム組成物中のシリカの凝集アグリゲートを撮影したFIB−SEM画像の一例を示す写真である。 図1に示す画像の2値化像の一例を示す写真である。 図1と同じ方法によりシリカの凝集アグリゲートを撮影したFIB−SEM画像の他の参考例を示す写真である。 図3に示す画像の2値化像の一例を示す写真である。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のゴム組成物は、少なくとも1種の溶液重合により合成されたジエン系ゴム90〜100質量%及び他のジエン系ゴム0〜10質量%からなるゴム成分(A)、ASTM D3765−92記載の方法に準拠して測定された臭化n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(CTAB)吸着比表面積が140m2/g未満であるシリカ(B)、ポリスルフィド化合物及びチオエステル化合物から少なくとも1種選ばれるシランカップリング剤(C)及び加硫促進剤(D)を含むゴム組成物であって、加硫後の該ゴム組成物の該シリカの平均凝集アグリゲート面積(nm2)が3100以下であることを特徴とする。ゴム組成物の低発熱性をさらに向上する観点から、該シリカの平均凝集アグリゲート面積(nm2)は、3000以下であることが好ましく、2950以下であることがさらに好ましい。該シリカの平均凝集アグリゲート面積(nm2)は300以上であることが好ましく、300〜3100がより好ましく、300〜3000がさらに好ましく、300〜2950が特に好ましい。
ここで、平均凝集アグリゲート面積の測定法は、加硫後のゴム組成物試料の上面を、集束イオンビームを用いて、該試料の上面に対し角度38°をなす方向に切削した後、切削により形成された該試料の平滑面を、該平滑面に対し垂直な方向から走査型電子顕微鏡を用いて、加速電圧5kVで撮影する。得られた画像を、Otsu法により該試料のゴム部分と充填材であるシリカ部分との2値化像に変換して得られた2値化像に基づき、シリカ部分の凝集アグリゲート面積を求め、シリカ部分の全表面積と凝集アグリゲートの個数とから、単位面積(3μm×3μm)あたりのシリカ部分の平均凝集アグリゲート面積を数平均(相加平均)により算出するものである。但し、算出に当たり、画像の端(辺)に接している粒子はカウントせず、20ピクセル以下の粒子は、ノイズと見做しカウントしない。
本発明に係る平均凝集アグリゲート面積の測定にあたり、集束イオンビーム加工観察装置(FIB)と走査電子顕微鏡(SEM)とを一つの装置にしたFIB−SEMを用いることが好ましい。また、走査電子顕微鏡(SEM)として、極低加速電圧走査電子顕微鏡を用いることが好ましい。
FIB−SEMとしては、FEI社製、商品名「NOVA200」(登録商標)、SII Nano Technology Inc.製、商品名「SMI-3050MS2」(登録商標)などが挙げられ、FEI社製、商品名「NOVA200」(登録商標)が好ましい。
2値化像への変換は、Otsu法による画像処理装置を用いる。
本発明に係る平均凝集アグリゲート面積の測定において、加硫後のゴム組成物試料の上面を、集束イオンビームを用いて、該試料の上面に対し角度38°をなす方向に切削した後、切削により形成された該試料の平滑面を、該平滑面に対し垂直な方向から走査型電子顕微鏡を用いて、加速電圧5kVで撮影する。この方法では、従来の明るさの違いや、ピントのずれ等の影響なしで、試料の平坦な断面につき、断面の表面情報のみを含んだ高精度の画像を取得することができる。これにより、得られた高精度画像に基づき、高分子材料中のフィラーの分散状態を数値化して、シリカを含有する加硫後のゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積を、定量的に評価することが可能となった。試料をFIBで切削した場合、FIBの照射方向に平行な方向に形成される切削面が凹凸のない平滑面となり、FIBの照射方向に垂直な方向に形成される切削面は凹凸を有する粗面となる。従って、本発明において撮影に供される平滑面とは、FIBの照射方向に平行な方向に形成される切削面を意味する。
次に、Otsu法を用いて、得られた画像の2値化の閾値を決定する。これによる該試料のゴム部分と充填材であるシリカ部分との2値化像に変換して得られた2値化像に基づき、シリカ部分の凝集アグリゲート面積を求め、シリカ部分の全表面積と凝集アグリゲートの個数とから、単位面積(3μm×3μm)あたりのシリカ部分の平均凝集アグリゲート面積を数平均(相加平均)により算出する。算出に当たり、画像の端(辺)に接している粒子はカウントせず、20ピクセル以下の粒子は、ノイズと見做しカウントしない。
図1は、本発明に係る平均凝集アグリゲート面積の測定法により、本発明のゴム組成物中のシリカの凝集アグリゲートを撮影したFIB−SEM画像の一例を示す写真であり、図2は、図1に示す画像の2値化像の一例を示す写真である。
また、図3は、図1と同じ方法によりシリカの凝集アグリゲートを撮影したFIB−SEM画像の他の参考例を示す写真であり、図4は、図3に示す画像の2値化像の一例を示す写真である。
本発明における凝集アグリゲートとは、複数のアグリゲートが凝集したものをいい、単一のアグリゲートも包含される。ここで、アグリゲート(一次凝集体)とは、シリカの基本粒子同士が融着し,連鎖状ないしは不規則な鎖状に枝分かれした複雑な凝集形態を示すものであり、数十〜数百ナノメターのサイズである。
本発明における凝集アグリゲートは、通常数十ミクロンから数百ミクロンの大きさと考えられているアグロメレート(二次凝集体)と比較してはるかに小さく、両者は全く異なる概念である。
シリカの臭化n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(CTAB)吸着比表面積(以下、「CTAB吸着比表面積」と略称する。)の測定方法は、上述のように、ASTM D3765−92記載の方法に準拠して測定されるものである。但し、ASTM D3765−92記載の方法は、カーボンブラックのCTAB吸着比表面積を測定する方法であるので、若干の修正を加えた。すなわち、カーボンブラックの標準品であるIRB#3(83.0m2/g)を使用せず、別途、臭化n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(CTAB)標準液を調製し、これによって含水ケイ酸OT(ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)溶液の標定を行い、含水ケイ酸表面に対するCTAB1分子当たりの吸着断面積を0.35nm2としてCTABの吸着量から、比表面積(m2/g)を算出した。これは、カーボンブラックと含水ケイ酸とでは表面が異なるので、同一表面積でもCTABの吸着量に違いがあると考えられるからである。
[ゴム成分(A)]
本発明のゴム組成物に用いられるゴム成分(A)は、少なくとも1種の溶液重合により合成されたジエン系ゴム90〜100質量%及び他のジエン系ゴム0〜10質量%からなるものであるが、溶液重合により合成されたジエン系ゴムとして、無変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、分子鎖末端をスズ化合物で変性された変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム(以下、「BR」ということがある。)及び合成ポリイソプレンゴム(以下、「IR」ということがある。)から選ばれる少なくとも1種のゴムであることが好ましく、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(以下、「溶液重合SBR」ということがある。)であることがより好ましい。溶液重合SBRとして、無変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(以下、「無変性溶液重合SBR」ということがある。)及び/又は分子鎖末端をスズ化合物で変性された変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(以下、「スズ変性溶液重合SBR」ということがある。)であることが好ましい。
無変性溶液重合SBRは、アニオン重合又は配位重合により得られるが、アニオン重合により製造することが好ましい。
このアニオン重合に使用する重合開始剤は、アルカリ金属化合物であるが、リチウム化合物が好ましい。リチウム化合物としては、通常のリチウム化合物だけでなく、後述するようにスズ変性溶液重合SBRを得る場合は、スズ原子を有するリチウム化合物を使用しても良い。
リチウム化合物としては、ヒドロカルビルリチウムが好ましい。ヒドロカルビルリチウムを用いることにより、重合開始末端がヒドロカルビル基であるスチレン−ブタジエン共重合体ゴムが得られる。
ヒドロカルビルリチウムとしては、炭素数2〜20のヒドロカルビル基を有するものが良く、例えば、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンジエンとブチルリチウムとの反応生成物などが挙げられる。
また、所望により、ランダマイザーとして、一般に使用されている公知の化合物の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。具体的には、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2,2−ビス(2−テトラヒドロフリル)−プロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピぺリジノエタンなどのエーテル類及び第3アミン類などを挙げることができる。また、カリウム−tert−アミレート、カリウム−tert−ブトキシドなどのカリウム塩類、ナトリウム−tert−アミレートなどのナトリウム塩類も用いることができる。
アニオン重合によるスチレン−ブタジエン共重合体の製造方法としては特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。具体的には、反応に不活性な有機溶剤、例えば脂肪族,脂環族,芳香族炭化水素化合物などの炭化水素系溶剤中において、有機リチウム化合物を重合開始剤として、所望により上述のランダマイザーの存在下で、スチレンと1,3−ブタジエンをアニオン重合させることにより、目的のスチレン−ブタジエン共重合体が得られる。この重合反応における温度は、通常−80〜150℃、好ましくは−20〜100℃の範囲で選定される。重合反応は、発生圧力下で行うことができるが、通常は単量体を実質的に液相に保つ十分な圧力で操作することが望ましい。またより高い圧力を用いることができ、このような圧力は重合反応に関して不活性なガスで反応器を加圧する等の適当な方法で得られる。
スズ変性溶液重合SBRは、上述のようにして得られた無変性溶液重合SBRの重合反応完了後、重合停止前にスチレン−ブタジエン共重合体の重合活性末端に、変性剤としてのスズ化合物を反応させることにより得られる。
上記スズ化合物としては、例えば四塩化スズ,トリブチルスズクロリド,トリオクチルスズクロリド,ジオクチルスズジクロリド,ジブチルスズジクロリド,塩化トリフェニルスズなどが挙げられる。
また、スズ変性溶液重合SBRは、アニオン重合の開始剤としてスズ原子を有するリチウム化合物を用いても得られる。
スズ原子を有するリチウム化合物としては、トリブチルスズリチウム,トリオクチルスズリチウムなどのトリオルガノスズリチウム化合物が挙げられる。
無変性溶液重合SBR及びスズ変性溶液重合SBRは、スチレン成分が5〜50質量%の範囲で含まれることが好ましく、10〜50質量%の範囲で含まれることがより好ましく、15〜45質量%の範囲で含まれることがさらに好ましい。また、ブタジエン部分のビニル含有量が70質量%以下であることが好ましい。
本発明のゴム組成物に用いられるゴム成分(A)中の他のジエン系ゴムとしては、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(以下、「乳化重合SBR」ということがある。)及び/又は天然ゴムであることが好ましい。これらのジエン系ゴムは、1種単独でも、2種以上のブレンドとして用いても良い。
[シリカ(B)]
本発明のゴム組成物に用いられるシリカ(B)としては市販のあらゆるものが使用でき、なかでも湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカを用いるのが好ましく、湿式シリカを用いるのがさらに好ましい。湿式シリカは、沈降法シリカとゲル法シリカに類別されるが、混練のせん断によりゴム組成物中に分散されやすく、分散後の表面反応による補強性に優れる沈降法シリカが特に好ましい。
また、シリカ(B)のCTAB吸着比表面積としては、140m2/g未満であることを特徴とするが、60m2/g以上かつ140m2/g未満であることが好ましい。60m2/g以上であれば耐摩耗性が向上するので好ましい。
CTAB吸着比表面積がこの範囲内である沈降法シリカとしては、Rhodia(株)製、商品名「Zeosil 1115」(登録商標)(CTAB吸着比表面積=120m2/g)、商品名「Zeosil 115」(登録商標)(CTAB吸着比表面積=110m2/g)、商品名「Zeosil 125」(登録商標)(CTAB吸着比表面積=115m2/g)等が好適に挙げられる。
本発明のゴム組成物は、所望により、上述のシリカ(B)に加えてカーボンブラックを含有しても良い。カーボンブラックを含有することにより、電気抵抗を下げて帯電を抑止する効果を享受できる。このカーボンブラックとしては、特に制限はなく、例えば高、中又は低ストラクチャーのSAF、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEF、GPF、SRFグレードのカーボンブラック、特にSAF、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEFグレードのカーボンブラックを用いるのが好ましい。窒素吸着比表面積(N2SA、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定する)が30〜250m2/gであることが好ましい。このカーボンブラックは1種を単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分(A)100質量部に対して、シリカ(B)を25〜150質量部含有することが好ましい。25質量部以上であれば、ウエット性能を確保する観点から好ましく、150質量部以下であれば、転がり抵抗低減の観点から好ましい。更には、シリカ(B)を25〜120質量部含有することがより好ましく、シリカ(B)を30〜85質量部含有することが更に好ましい。
また、本発明のゴム組成物において、ゴム成分(A)100質量部に対して、シリカ(B)及び所望により加えられるカーボンブラック等からなる充填材を25〜170質量部含有することが好ましい。25質量部以上であれば、ゴム組成物の補強性向上の観点から好ましく、170質量部以下であれば、転がり抵抗低減の観点から好ましい。
前記充填材中、シリカ(B)が40質量%以上であることがウェット性能と転がり抵抗の両立の観点から好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。
[シランカップリング剤(C)]
本発明のゴム組成物に用いられるシランカップリング剤(C)としては、ポリスルフィド化合物及びチオエステル化合物から少なくとも1種選ばれるシランカップリング剤であることを要する。ポリスルフィド化合物及びチオエステル化合物は、混練中のやけ(スコーチ)が起こらず、加工性を良好にできるため好ましい。
ポリスルフィド化合物及びチオエステル化合物から少なくとも1種選ばれるシランカップリング剤(C)として、下記一般式(I)〜(IV)で表わされる化合物からなる群から1種以上選択される化合物であることが好ましい。
本発明方法に係るゴム組成物は、このようなシランカップリング剤(C)を用いることにより、ゴム加工時の作業性に更に優れると共に、より耐摩耗性の良好な空気入りタイヤを与えることができる。
ポリスルフィド化合物の好適例が、下記一般式(I)又は(III)で表わされる化合物であり、チオエステル化合物の好適例が、下記一般式(II)又は(IV)で表わされる化合物である。
以下、下記一般式(I)〜(IV)を順に説明する。
式中、R1は同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基又は炭素数2〜8の直鎖もしくは分枝のアルコキシアルキル基、R2は同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基、R3は同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖もしくは分枝のアルキレン基、aは平均値として2〜6であり、p及びrは同一でも異なっていても良く、各々平均値として0〜3、但しp及びrの双方が3であることはない。
上記一般式(I)で表わされるシランカップリング剤(C)の具体例として、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(3−モノエトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−モノエトキシジメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−モノエトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3−モノメトキシジメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−モノメトキシジメチルシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−モノメトキシジメチルシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−モノエトキシジメチルシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−モノエトキシジメチルシリルエチル)トリスルフィド、ビス(2−モノエトキシジメチルシリルエチル)ジスルフィド等が挙げられる。
式中、R4は−Cl、−Br、R9O−、R9C(=O)O−、R910C=NO−、R910CNO−、R910N−及び−(OSiR910h(OSiR91011)から選択される一価の基(R9、R10及びR11は同一でも異なっていても良く、各々水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基であり、hは平均値として1〜4である。)であり、R5はR4、水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基、R6はR4、R5、水素原子又は−[O(R12O)j]0.5 −基(R12は炭素数1〜18のアルキレン基、jは1〜4の整数である。)、R7は炭素数1〜18の二価の炭化水素基、R8は炭素数1〜18の一価の炭化水素基を示し、x、y及びzは、x+y+2z=3、0≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦1の関係を満たす数である。
上記一般式(II)において、R8、R9、R10及びR11は同一でも異なっていても良く、好ましくは各々炭素数1〜18の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基、アルケニル基、アリール基及びアラルキル基からなる群から選択される基であることが好ましい。また、R5が炭素数1〜18の一価の炭化水素基である場合は、直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基、アルケニル基、アリール基及びアラルキル基からなる群から選択される基であることが好ましい。R12は直鎖、環状又は分枝のアルキレン基であることが好ましく、特に直鎖状のものが好ましい。R7は例えば炭素数1〜18のアルキレン基、炭素数2〜18のアルケニレン基、炭素数5〜18のシクロアルキレン基、炭素数6〜18のシクロアルキルアルキレン基、炭素数6〜18のアリーレン基、炭素数7〜18のアラルキレン基を挙げることができる。前記アルキレン基及びアルケニレン基は、直鎖状、枝分かれ状のいずれであっても良く、前記シクロアルキレン基、シクロアルキルアルキレン基、アリーレン基及びアラルキレン基は、環上に低級アルキル基等の置換基を有していても良い。このR7としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、特に直鎖状アルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基を好ましく挙げることができる。
上記一般式(II)におけるR5、R8、R9、R10及びR11の炭素数1〜18の一価の炭化水素基の具体例としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,オクチル基,デシル基,ドデシル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基,ビニル基,プロぺニル基,アリル基,ヘキセニル基,オクテニル基,シクロペンテニル基,シクロヘキセニル基,フェニル基,トリル基,キシリル基,ナフチル基,ベンジル基,フェネチル基,ナフチルメチル基等が挙げられる。
上記一般式(II)におけるR12の例としては、メチレン基,エチレン基,トリメチレン基,テトラメチレン基,ペンタメチレン基,ヘキサメチレン基,オクタメチレン基,デカメチレン基,ドデカメチレン基等が挙げられる。
前記一般式(II)で表されるシランカップリング剤(C)の具体例としては、3−ヘキサノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリエトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリエトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリエトキシシラン、3−ヘキサノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−デカノイルチオプロピルトリメトキシシラン、3−ラウロイルチオプロピルトリメトキシシラン、2−ヘキサノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−オクタノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−デカノイルチオエチルトリメトキシシラン、2−ラウロイルチオエチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。これらの内、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン[Momentive Performance Materials Inc. 製、商品名「NXTシラン」(登録商標)]が特に好ましい。
式中、R13は同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基又は炭素数2〜8の直鎖もしくは分枝のアルコキシアルキル基、R14は同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基、R15は同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖もしくは分枝のアルキレン基、R16は一般式
(−S−R17−S−)、(−R18−Sm1−R19−)及び(−R20−Sm2−R21−Sm3−R22−)のいずれかの二価の基(R17〜R22は同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜20の二価の炭化水素基、二価の芳香族基又は硫黄及び酸素以外のヘテロ元素を含む二価の有機基であり、m1、m2、m3は同一でも異なっていても良く、各々平均値として1以上4未満である。)であり、kは同一でも異なっていても良く、各々平均値として1〜6であり、s及びtは同一でも異なっていても良く、各々平均値として0〜3、但しs及びtの双方が3であることはない。
上記一般式(III)で表わされるシランカップリング剤(C)の具体例として、
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S2−(CH26−S2−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S2−(CH210−S2−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S3−(CH26−S3−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S4−(CH26−S4−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S−(CH26−S2−(CH26−S−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S−(CH26−S2.5−(CH26−S−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S−(CH26−S3−(CH26−S−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S−(CH26−S4−(CH26−S−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S−(CH210−S2−(CH210−S−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S4−(CH26−S4−(CH26−S4−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S2−(CH26−S2−(CH26−S2−(CH23−Si(OCH2CH33
平均組成式(CH3CH2O)3Si−(CH23−S−(CH26−S2−(CH26−S2−(CH26−S−(CH23−Si(OCH2CH33等で表される化合物が好適に挙げられる。
上記一般式(III)で表わされるシランカップリング剤(C)の合成例は、例えば、国際公開2004−000930号に記載されている。
式中、R23は炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、Gは同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜9のアルカンジイル基又はアルケンジイル基であり、Zaは同一でも異なっていても良く、各々二つの珪素原子と結合することのできる基で、且つ [−0−]0.5、[−0−G−]0.5又は[−O−G−O−] 0.5から選ばれる基であり、Zbは同一でも異なっていても良く、各々二つの珪素原子と結合することのできる基で、且つ [−O−G−O−] 0.5で表される官能基であり、Zcは同一でも異なっていても良く、各々−Cl、−Br、−ORa、RaC(=O)O−、RabC=NO−、RabN−、Ra−、HO−G−O−(Gは上記表記と一致する。)で表される官能基であり、Ra及びRbは同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基である。m、n、u、v、wは同一でも異なっていても良く、1≦m≦20、0≦n≦20、0≦u≦3、0≦v≦2、0≦w≦1であり、且つ(u/2)+v+2w=2又は3である。A部が複数である場合、複数のA部におけるZa u、Zb v及びZc wそれぞれにおいて、同一でも異なっていても良く、B部が複数である場合、複数のB部におけるZa u、Zb v及びZc wそれぞれにおいて、同一でも異なっても良い。
上記一般式(IV)で表わされるシランカップリング剤(C)の具体例として、化学式(V)、化学式(VI)及び化学式(VII)が挙げられる。
式中、Lはそれぞれ独立して炭素数1〜9のアルカンジイル基又はアルケンジイル基であり、x=m、y=nである。
化学式(V)で表されるシランカップリング剤としては、[Momentive Performance Materials Inc. 製、商品名「NXT Low−V Silane」(登録商標)]を市販品として入手できる。
また、化学式(VI)で表されるシランカップリング剤としては、[Momentive Performance Materials Inc. 製、商品名「NXT Ultra Low−V Silane」(登録商標)]を同様に市販品として入手することができる。
更に、化学式(VII)で表されるシランカップリング剤としては、[Momentive Performance Materials Inc. 製、商品名「NXT−Z」(登録商標)]を挙げることができる。
上記一般式(II)、化学式(V)及び化学式(VI)で得られるシランカップリング剤は、保護されたメルカプト基を有するので、加硫工程以前の工程での加工中に初期加硫(スコーチ)の発生を防止することができるため、加工性が良好となる。
また、化学式(V)、(VI)及び(VII)で得られるシランカップリング剤はアルコキシシラン炭素数が多いため、揮発性化合物VOC(特にアルコール)の発生が少なく、作業環境上好ましい。また、化学式(VII)のシランカップリング剤はタイヤ性能として低発熱性を得ることから更に好ましい。
本発明に係るシランカップリング剤(C)は、上記一般式(I)〜(IV)で表わされる化合物の内、上記一般式(I)で表わされる化合物が特に好ましい。シランカップリング剤(C)の活性を高める目的で、加硫促進剤(D)を混練の第一段階で加える場合に、ゴム成分(A)と反応するポリスルフィド結合部位の活性化を起こし易いからである。
本発明においては、シランカップリング剤(C)は一種を単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明のゴム組成物のシランカップリング剤(C)の配合量は、シリカの1〜20質量%であることが好ましい。1質量%未満ではゴム組成物の低発熱性向上の効果が発揮しにくくなり、20質量%を超えると、ゴム組成物のコストが過大となり、経済性が低下するからである。更にはシリカの3〜20質量%であることがより好ましく、シリカの4〜10質量%であることが特に好ましい。
本発明のゴム組成物におけるCTAB吸着比表面積が140m2/g未満であるシリカ(B)を用いた場合において、加硫後のゴム組成物のシリカの平均凝集アグリゲート面積(nm2)を3100以下とするためには、ゴム組成物の製造方法に何ら制限は無く、どのような混練方法で製造しても良いが、以下の(1)〜(5)の製造方法が、通常の設備で生産でき、生産性が高い等の観点から好ましい。
(1)ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階でゴム成分(A)、シリカ(B)の全部又は一部、シランカップリング剤(C)の全部又は一部及び加硫促進剤(D)を加えて混練し、且つ該第一段階におけるゴム組成物中の有機酸化合物のモル量を加硫促進剤(D)のモル量の1.5倍以下に制限するゴム組成物の製造方法。この場合、加硫促進剤(D)が、グアニジン類、スルフェンアミド類及びチアゾール類から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
(2)ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で、ゴム成分(A)、シリカ(B)の全部又は一部、及びシランカップリング剤(C)の全部又は一部を混練りした後、該第一段階の途中で加硫促進剤(D)を加えて更に混練するゴム組成物の製造方法。この場合、加硫促進剤(D)が、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類及びキサントゲン酸塩類から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
(3)ゴム組成物を3段階以上の混練段階で混練し、混練の第一段階(X)でゴム成分(A)、シリカ(B)の全部又は一部、及びシランカップリング剤(C)の全部又は一部を混練し、混練の第二段階以降でかつ最終段階より前の段階(Y)で加硫促進剤(D)を加えて混練し、混練の最終段階(Z)で加硫剤を加えて混練するゴム組成物の製造方法。この場合、加硫促進剤(D)が、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類及びキサントゲン酸塩類から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
(4)ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で、ゴム成分(A)、シリカ(B)の全部又は一部、及びシランカップリング剤(C)の全部又は一部、及び加硫促進剤(D)を混練するゴム組成物の製造方法。この場合、加硫促進剤(D)が、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類及びキサントゲン酸塩類から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。(4)において、更に下記の(5)とすることが望ましい。
(5)ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階でゴム成分(A)、シリカ(B)の全部又は一部、シランカップリング剤(C)の全部又は一部及び該加硫促進剤(D)を加えて混練し、且つ該第一段階におけるゴム組成物中の有機酸化合物のモル量を加硫促進剤(D)のモル量の1.5倍以下に制限するゴム組成物の製造方法。この場合、加硫促進剤(D)が、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類及びキサントゲン酸塩類から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
上述の(1)〜(5)の製造方法において、第一段階、第二段階などの最終段階より前の混練段階とは、ゴム成分、充填材、カップリング剤などの、架橋に関わる薬品(加硫剤や加硫促進剤)以外の原材料を配合し、混練する工程であり、充填材のゴム組成物への分散を行い、ゴム成分を補強する為の工程である。なお、第二段階以降でかつ最終段階より前の混練段階においては、原材料を追加配合せずに、混練のみを行う混練工程は含まれず、ウエットマスターバッチなどの特殊な混合方法も含まれない。
第一段階、第二段階などの最終段階より前の混練段階におけるゴム組成物の最高温度は120〜190℃であることが好ましく、130〜175℃であることがより好ましく、150〜170℃であることがさらに好ましい。なお、混練時間は0.5分から20分であることが好ましく、0.5分から10分であることがより好ましく、0.5分から5分であることがさらに好ましい。
また、混練の最終段階とは、架橋に関わる薬品(加硫剤、加硫促進剤)を配合し、混練する工程をいう。この最終段階におけるゴム組成物の最高温度は60〜140℃であることが好ましく、80〜120℃であることがより好ましく、100〜120℃であることがさらに好ましい。なお、混練時間は0.5分から20分であることが好ましく、0.5分から10分であることがより好ましく、0.5分から5分であることがさらに好ましい。
[加硫促進剤(D)]
本発明のゴム組成物に用いられる加硫促進剤(D)として、グアニジン類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、チオウレア類及びキサントゲン酸塩類が好ましく挙げられる。
本発明のゴム組成物に用いられるグアニジン類としては、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩、1,3−ジ−o−クメニルグアニジン、1,3−ジ−o−ビフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−クメニル−2−プロピオニルグアニジン等が挙げられ、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン及び1−o−トリルビグアニドは反応性が高いので好ましい。
本発明のゴム組成物に用いられるスルフェンアミド類としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−メチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−エチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−プロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−2−エチルヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−デシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−ステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジメチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジエチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジペンチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジオクチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジ−2−エチルヘキシルベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−デシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジドデシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジステアリル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等が挙げられる。これらの内、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド及びN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドは、反応性が高いので好ましい。
本発明のゴム組成物に用いられるチアゾール類としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2−(N,N−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、4−メチル−2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−(4−メチル−2−ベンゾチアゾリル)ジスルフィド、5−クロロ−2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム、2−メルカプト−6−ニトロベンゾチアゾール、2−メルカプト-ナフト[1,2−d]チアゾール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾール、6−アミノ−2−メルカプトベンゾチアゾール等が挙げられる。これらの内、2−メルカプトベンゾチアゾール及びジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドは、反応性が高く好ましい。
本発明のゴム組成物に用いられるチウラム類としては、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラプロピルチウラムジスルフィド、テトライソプロピルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラペンチルチウラムジスルフィド、テトラヘキシルチウラムジスルフィド、テトラヘプチルチウラムジスルフィド、テトラオクチルチウラムジスルフィド、テトラノニルチウラムジスルフィド、テトラデシルチウラムジスルフィド、テトラドデシルチウラムジスルフィド、テトラステアリルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエチルチウラムモノスルフィド、テトラプロピルチウラムモノスルフィド、テトライソプロピルチウラムモノスルフィド、テトラブチルチウラムモノスルフィド、テトラペンチルチウラムモノスルフィド、テトラヘキシルチウラムモノスルフィド、テトラヘプチルチウラムモノスルフィド、テトラオクチルチウラムモノスルフィド、テトラノニルチウラムモノスルフィド、テトラデシルチウラムモノスルフィド、テトラドデシルチウラムモノスルフィド、テトラステアリルチウラムモノスルフィド、テトラベンジルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等が挙げられる。これらの内、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド及びテトラベンジルチウラムジスルフィドは、反応性が高いので好ましい。
本発明のゴム組成物に用いられるジチオカルバミン酸塩類としては、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジイソプロピルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジペンチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘキシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジヘプチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸亜鉛、ジデシルジチオカルバミン酸亜鉛、ジドデシルジチオカルバミン酸亜鉛、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジプロピルジチオカルバミン酸銅、ジイソプロピルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、ジペンチルジチオカルバミン酸銅、ジヘキシルジチオカルバミン酸銅、ジヘプチルジチオカルバミン酸銅、ジオクチルジチオカルバミン酸銅、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸銅、ジデシルジチオカルバミン酸銅、ジドデシルジチオカルバミン酸銅、N-ペンタメチレンジチオカルバミン酸銅、ジベンジルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジイソプロピルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジペンチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘキシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジヘプチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジオクチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸ナトリウム、ジデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジドデシルジチオカルバミン酸ナトリウム、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸ナトリウム、ジベンジルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジイソプロピルジチオカルバミン酸第二鉄、ジブチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジペンチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘキシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジヘプチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジオクチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジ(2−エチルヘキシル)ジチオカルバミン酸第二鉄、ジデシルジチオカルバミン酸第二鉄、ジドデシルジチオカルバミン酸第二鉄、N−ペンタメチレンジチオカルバミン酸第二鉄、ジベンジルジチオカルバミン酸第二鉄等が挙げられる。これらの内、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛及びジメチルジチオカルバミン酸銅は、反応性が高いため好ましい。
本発明のゴム組成物に用いられるチオウレア類としては、N,N’−ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、N,N’−ジメチルチオ尿素、N,N’−ジブチルチオ尿素、エチレンチオ尿素、N,N’−ジイソプロピルチオ尿素、N,N’−ジシクロヘキシルチオ尿素、1,3−ジ(o−トリル)チオ尿素、1,3−ジ(p−トリル)チオ尿素、1,1−ジフェニル−2−チオ尿素、2,5−ジチオビ尿素、グアニルチオ尿素、1−(1−ナフチル)−2−チオ尿素、1−フェニル−2−チオ尿素、p−トリルチオ尿素、o−トリルチオ尿素等が挙げられる。これらの内、N,N’−ジエチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’−ジフェニルチオ尿素及びN,N’−ジメチルチオ尿素は、反応性が高いので好ましい。
本発明のゴム組成物に用いられるキサントゲン酸塩類としては、メチルキサントゲン酸亜鉛、エチルキサントゲン酸亜鉛、プロピルキサントゲン酸亜鉛、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、ブチルキサントゲン酸亜鉛、ペンチルキサントゲン酸亜鉛、ヘキシルキサントゲン酸亜鉛、ヘプチルキサントゲン酸亜鉛、オクチルキサントゲン酸亜鉛、2−エチルヘキシルキサントゲン酸亜鉛、デシルキサントゲン酸亜鉛、ドデシルキサントゲン酸亜鉛、メチルキサントゲン酸カリウム、エチルキサントゲン酸カリウム、プロピルキサントゲン酸カリウム、イソプロピルキサントゲン酸カリウム、ブチルキサントゲン酸カリウム、ペンチルキサントゲン酸カリウム、ヘキシルキサントゲン酸カリウム、ヘプチルキサントゲン酸カリウム、オクチルキサントゲン酸カリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸カリウム、デシルキサントゲン酸カリウム、ドデシルキサントゲン酸カリウム、メチルキサントゲン酸ナトリウム、エチルキサントゲン酸ナトリウム、プロピルキサントゲン酸ナトリウム、イソプロピルキサントゲン酸ナトリウム、ブチルキサントゲン酸ナトリウム、ペンチルキサントゲン酸ナトリウム、ヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、ヘプチルキサントゲン酸ナトリウム、オクチルキサントゲン酸ナトリウム、2−エチルヘキシルキサントゲン酸ナトリウム、デシルキサントゲン酸ナトリウム、ドデシルキサントゲン酸ナトリウム等が挙げられる。これらの内、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛は、反応性が高いので好ましい。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分(A)100質量部に対して、加硫促進剤(D)を0.1〜10質量部含有することが好ましく、0.2〜7質量部含有することがさらに好ましい。この内、混練の最終段階より以前の段階で、加硫促進剤(D)を0.1〜5質量部加えることが好ましく、混練の最終段階で、0.1〜5質量部加えることが好ましい。
[有機酸化合物]
本発明のゴム組成物に配合される有機酸化合物としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、カプリン酸、ペラルゴン酸、カプリル酸、エナント酸、カプロン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ネルボン酸等の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸並びにロジン酸や変性ロジン酸等の樹脂酸などから選ばれる有機酸、前記有機酸の金属塩又はエステル、フェノール誘導体などが挙げられる。
本発明においては、加硫促進助剤としての機能を十分に発揮する必要があることから有機酸化合物中の50モル%以上がステアリン酸であることが好ましい。
本発明のゴム組成物において、通常、ゴム組成物に配合される亜鉛華等の加硫活性剤、老化防止剤等の各種配合剤は、必要に応じ、混練の第一段階又は最終段階、あるいは第一段階と最終段階の中間段階において混練りされる。
本発明における混練装置として、バンバリーミキサー、ロール、インテンシブミキサー等が用いられる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を下記の方法により評価した。
<加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積>
加硫後のゴム組成物試料として、加硫ゴムシートをカミソリでカットすることにより作製した。その形状は5mm×5mm×厚み1mmであった。
FIB−SEM(FEI社製、NOVA200)を用いて、該試料の上面を、電圧30kVの条件で集束イオンビームを用いて、該試料の上面に対し角度38°をなす方向に切削した。切削により形成された該試料の平滑面を、該平滑面に対し垂直な方向からSEMを用いて、加速電圧5kVで撮影した。得られた画像を、Otsu法により該試料のゴム部分と充填材であるシリカ部分との2値化像に変換して得られた2値化像に基づき、シリカ部分の凝集アグリゲート面積を求め、シリカ部分の全表面積と凝集アグリゲートの個数とから、単位面積(3μm×3μm)あたりのシリカ部分の平均凝集アグリゲート面積を数平均(相加平均)により算出した。算出に当たり、画像の端(辺)に接している粒子はカウントせず、20ピクセル以下の粒子は、ノイズと見做しカウントしなかった。
<低発熱性(tanδ指数)>
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度60℃、動歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定した。比較例1、6、10、15、20又は25のtanδの逆数を100として下記式にて指数表示した。指数値が大きい程、低発熱性であり、ヒステリシスロスが小さいことを示す。
低発熱性指数={(比較例1、6、10、15、20又は25の加硫ゴム組成物のtanδ)/(供試加硫ゴム組成物のtanδ)}×100
後述する実施例1〜6及び比較例1〜29に用いられる原材料は以下のように略記する。
(1)乳化重合SBR−1: JSR株式会社製、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、商品名「#1500」
(2)無変性溶液重合SBR−2: 旭化成株式会社製、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、商品名「タフデン2000」
(3)スズ変性溶液重合SBR−3: JSR株式会社製、溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、商品名「SL563」
(4)カーボンブラックN220: 旭カーボン株式会社製、商品名「#80」
(5)シリカ−1: Rhodia(株)製、商品名「Zeosil 1115」(登録商標)(CTAB吸着比表面積=120m2/g)
(6)シランカップリング剤Si75: ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド(平均硫黄鎖長:2.35)、Evonik社製シランカップリング剤、商品名「Si75」(登録商標)
(7)老化防止剤6PPD: N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック6C」
(8)1,3−ジフェニルグアニジン: 三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラーD」
(9)老化防止剤TMDQ: 2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック224」
(10) 加硫促進剤MBTS: ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラーDM」
(11) 加硫促進剤TBBS: N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラーNS」
実施例1
混練の第一段階において、バンバリーミキサーにて、ゴム成分(A)として100質量部の無変性溶液重合SBR−2、10質量部のカーボンブラックN220、シリカ(B)として50質量部のシリカ−1、シランカップリング剤(C)として4質量部のシランカップリング剤Si75及び30質量部のアロマティックオイル、を60秒混練した後に、加硫促進剤(D)としてグアニジン類である1質量部の1,3−ジフェニルグアニジンを加えて、さらに混練し、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度が150℃になるように調整した。
次に、混練の最終段階において、2質量部のステアリン酸、1質量部の老化防止剤6PPD、1質量部の老化防止剤TMDQ、2.5質量部の亜鉛華、0.6質量部の1,3−ジフェニルグアニジン、1質量部の加硫促進剤MBTS、0.6質量部の加硫促進剤TBBS及び1.5質量部の硫黄を加えて混練の最終段階におけるゴム組成物の最高温度が110℃になるように調整した。
このゴム組成物から得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第1表に示す。
比較例1
混練の第一段階において1質量部の1,3−ジフェニルグアニジンを加えず、混練の最終段階において2質量部のステアリン酸及び1質量部の老化防止剤6PPDのいずれも加えず、混練の第一段階において2質量部のステアリン酸及び1質量部の老化防止剤6PPDを加えた以外は、実施例1と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第1表に示す。
比較例2
ゴム成分(A)として25質量部の乳化重合SBR−1及び75質量部の無変性溶液重合SBR−2を用いた以外は比較例1と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第1表に示す。
比較例3
ゴム成分(A)として50質量部の乳化重合SBR−1及び50質量部の無変性溶液重合SBR−2を用いた以外は比較例1と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第1表に示す。
比較例4
ゴム成分(A)として67質量部の乳化重合SBR−1及び33質量部の無変性溶液重合SBR−2を用いた以外は比較例1と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第1表に示す。
比較例5
ゴム成分(A)として100質量部の乳化重合SBR−1を用いた以外は比較例1と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第1表に示す。
実施例2
ゴム成分(A)として100質量部のスズ変性溶液重合SBR−3を用いた以外は実施例1と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第2表に示す。
比較例6
ゴム成分(A)として100質量部のスズ変性溶液重合SBR−3を用いた以外は比較例1と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第2表に示す。
比較例7
ゴム成分(A)として25質量部の乳化重合SBR−1及び75質量部のスズ変性溶液重合SBR−2を用いた以外は比較例1と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第2表に示す。
比較例8
ゴム成分(A)として50質量部の乳化重合SBR−1及び50質量部のスズ変性溶液重合SBR−3を用いた以外は比較例1と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第2表に示す。
比較例9
ゴム成分(A)として67質量部の乳化重合SBR−1及び33質量部のスズ変性溶液重合SBR−3を用いた以外は比較例1と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第2表に示す。
実施例3
混練の第一段階において、バンバリーミキサーにて、ゴム成分(A)として100質量部の無変性溶液重合SBR−2、30質量部のカーボンブラックN220、シリカ(B)として30質量部のシリカ−1、シランカップリング剤(C)として2質量部のシランカップリング剤Si75及び30質量部のアロマティックオイル、を60秒混練した後に、加硫促進剤(D)としてグアニジン類である1質量部の1,3−ジフェニルグアニジンを加えて、さらに混練し、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度が150℃になるように調整した。
次に、混練の最終段階において、2質量部のステアリン酸、1質量部の老化防止剤6PPD、1質量部の老化防止剤TMDQ、2.5質量部の亜鉛華、1質量部の加硫促進剤MBTS、0.6質量部の加硫促進剤TBBS及び1.5質量部の硫黄を加えて混練の最終段階におけるゴム組成物の最高温度が110℃になるように調整した。
このゴム組成物から得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第3表に示す。
比較例10
混練の第一段階において1質量部の1,3−ジフェニルグアニジンを加えず、混練の最終段階において2質量部のステアリン酸及び1質量部の老化防止剤6PPDのいずれも加えず、混練の第一段階において2質量部のステアリン酸及び1質量部の老化防止剤6PPDを加えた以外は、実施例3と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第3表に示す。
比較例11
ゴム成分(A)として25質量部の乳化重合SBR−1及び75質量部の無変性溶液重合SBR−2を用いた以外は比較例10と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第3表に示す。
比較例12
ゴム成分(A)として50質量部の乳化重合SBR−1及び50質量部の無変性溶液重合SBR−2を用いた以外は比較例10と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第3表に示す。
比較例13
ゴム成分(A)として67質量部の乳化重合SBR−1及び33質量部の無変性溶液重合SBR−2を用いた以外は比較例10と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第3表に示す。
比較例14
ゴム成分(A)として100質量部の乳化重合SBR−1を用いた以外は比較例10と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第3表に示す。
実施例4
混練の第一段階において、バンバリーミキサーにて、ゴム成分(A)として100質量部の無変性溶液重合SBR−2、10質量部のカーボンブラックN220、シリカ(B)として75質量部のシリカ−1、シランカップリング剤(C)として6質量部のシランカップリング剤Si75及び30質量部のアロマティックオイル、を60秒混練した後に、加硫促進剤(D)としてグアニジン類である1質量部の1,3−ジフェニルグアニジンを加えて、さらに混練し、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度が150℃になるように調整した。
次に、混練の最終段階において、2質量部のステアリン酸、1質量部の老化防止剤6PPD、1質量部の老化防止剤TMDQ、2.5質量部の亜鉛華、0.6質量部の1,3−ジフェニルグアニジン、1質量部の加硫促進剤MBTS、0.6質量部の加硫促進剤TBBS及び1.5質量部の硫黄を加えて混練の最終段階におけるゴム組成物の最高温度が110℃になるように調整した。
このゴム組成物から得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第4表に示す。
比較例15
混練の第一段階において1質量部の1,3−ジフェニルグアニジンを加えず、混練の最終段階において2質量部のステアリン酸及び1質量部の老化防止剤6PPDのいずれも加えず、混練の第一段階において2質量部のステアリン酸及び1質量部の老化防止剤6PPDを加えた以外は、実施例4と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第4表に示す。
比較例16
ゴム成分(A)として25質量部の乳化重合SBR−1及び75質量部の無変性溶液重合SBR−2を用いた以外は比較例15と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第4表に示す。
比較例17
ゴム成分(A)として50質量部の乳化重合SBR−1及び50質量部の無変性溶液重合SBR−2を用いた以外は比較例15と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第4表に示す。
比較例18
ゴム成分(A)として67質量部の乳化重合SBR−1及び33質量部の無変性溶液重合SBR−2を用いた以外は比較例15と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第4表に示す。
比較例19
ゴム成分(A)として100質量部の乳化重合SBR−1を用いた以外は比較例15と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第4表に示す。
実施例5
混練の第一段階において、バンバリーミキサーにて、ゴム成分(A)として100質量部の無変性溶液重合SBR−2、5質量部のカーボンブラックN220、シリカ(B)として100質量部のシリカ−1、シランカップリング剤(C)として8質量部のシランカップリング剤Si75及び40質量部のアロマティックオイル、を60秒混練した後に、加硫促進剤(D)としてグアニジン類である1質量部の1,3−ジフェニルグアニジンを加えて、さらに混練し、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度が150℃になるように調整した。
次に、混練の最終段階において、2質量部のステアリン酸、1質量部の老化防止剤6PPD、1質量部の老化防止剤TMDQ、2.5質量部の亜鉛華、0.9質量部の1,3−ジフェニルグアニジン、1質量部の加硫促進剤MBTS、0.6質量部の加硫促進剤TBBS及び1.5質量部の硫黄を加えて混練の最終段階におけるゴム組成物の最高温度が110℃になるように調整した。
このゴム組成物から得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第5表に示す。
比較例20
混練の第一段階において1質量部の1,3−ジフェニルグアニジンを加えず、混練の最終段階において2質量部のステアリン酸及び1質量部の老化防止剤6PPDのいずれも加えず、混練の第一段階において2質量部のステアリン酸及び1質量部の老化防止剤6PPDを加えた以外は、実施例5と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第5表に示す。
比較例21
ゴム成分(A)として25質量部の乳化重合SBR−1及び75質量部の無変性溶液重合SBR−2を用いた以外は比較例20と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第5表に示す。
比較例22
ゴム成分(A)として50質量部の乳化重合SBR−1及び50質量部の無変性溶液重合SBR−2を用いた以外は比較例20と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第5表に示す。
比較例23
ゴム成分(A)として67質量部の乳化重合SBR−1及び33質量部の無変性溶液重合SBR−2を用いた以外は比較例20と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第5表に示す。
比較例24
ゴム成分(A)として100質量部の乳化重合SBR−1を用いた以外は比較例20と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第5表に示す。
実施例6
混練の第一段階において、バンバリーミキサーにて、ゴム成分(A)として100質量部の無変性溶液重合SBR−2、5質量部のカーボンブラックN220、シリカ(B)として120質量部のシリカ−1、シランカップリング剤(C)として9.6質量部のシランカップリング剤Si75及び50質量部のアロマティックオイル、を60秒混練した後に、加硫促進剤(D)としてグアニジン類である1質量部の1,3−ジフェニルグアニジンを加えて、さらに混練し、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度が150℃になるように調整した。
次に、混練の最終段階において、2質量部のステアリン酸、1質量部の老化防止剤6PPD、1質量部の老化防止剤TMDQ、2.5質量部の亜鉛華、1.2質量部の1,3−ジフェニルグアニジン、1.2質量部の加硫促進剤MBTS、0.7質量部の加硫促進剤TBBS及び1.7質量部の硫黄を加えて混練の最終段階におけるゴム組成物の最高温度が110℃になるように調整した。
このゴム組成物から得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第6表に示す。
比較例25
混練の第一段階において1質量部の1,3−ジフェニルグアニジンを加えず、混練の最終段階において2質量部のステアリン酸及び1質量部の老化防止剤6PPDのいずれも加えず、混練の第一段階において2質量部のステアリン酸及び1質量部の老化防止剤6PPDを加えた以外は、実施例6と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第6表に示す。
比較例26
ゴム成分(A)として25質量部の乳化重合SBR−1及び75質量部の無変性溶液重合SBR−2を用いた以外は比較例25と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第6表に示す。
比較例27
ゴム成分(A)として50質量部の乳化重合SBR−1及び50質量部の無変性溶液重合SBR−2を用いた以外は比較例25と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第6表に示す。
比較例28
ゴム成分(A)として67質量部の乳化重合SBR−1及び33質量部の無変性溶液重合SBR−2を用いた以外は比較例25と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第6表に示す。
比較例29
ゴム成分(A)として100質量部の乳化重合SBR−1を用いた以外は比較例25と同様に混練した。得られた加硫ゴム組成物の平均凝集アグリゲート面積及び低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第6表に示す。
第1表及び第2表より明らかなように、実施例1のゴム組成物は、比較例1〜5のゴム組成物と比較して低発熱性(tanδ指数)が良好であり、実施例2のゴム組成物は、比較例6〜9のゴム組成物と比較して低発熱性(tanδ指数)が良好であった。
また、第3〜6表より明らかなように、実施例3のゴム組成物は、比較例10〜14のゴム組成物と比較して低発熱性(tanδ指数)が良好であり、実施例4のゴム組成物は、比較例15〜19のゴム組成物と比較して低発熱性(tanδ指数)が良好であり、実施例5のゴム組成物は、比較例20〜24のゴム組成物と比較して低発熱性(tanδ指数)が良好であり、実施例6のゴム組成物は、比較例25〜29のゴム組成物と比較して低発熱性(tanδ指数)が良好であった。
本発明のゴム組成物は、低発熱性に優れるので、乗用車用、小型トラック用、軽乗用車用、軽トラック用及び大型車両用(トラック・バス用、建設車両用等)等の各種空気入りタイヤの各部材、特に空気入りラジアルタイヤのトレッド用部材として好適に用いられる。

Claims (8)

  1. 少なくとも1種の溶液重合により合成されたジエン系ゴム90〜100質量%及び他のジエン系ゴム0〜10質量%からなるゴム成分(A)、ASTM D3765−92記載の方法に準拠して測定された臭化n−ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(CTAB)吸着比表面積が140m2/g未満であるシリカ(B)、ポリスルフィド化合物及びチオエステル化合物から少なくとも1種選ばれるシランカップリング剤(C)及び加硫促進剤(D)を含むゴム組成物であって、加硫後の該ゴム組成物の該シリカの平均凝集アグリゲート面積(nm2)が3100以下であることを特徴とするゴム組成物。
    [平均凝集アグリゲート面積の測定法:
    加硫後のゴム組成物試料の上面を、集束イオンビームを用いて、該試料の上面に対し角度38°をなす方向に切削した後、切削により形成された該試料の平滑面を、該平滑面に対し垂直な方向から走査型電子顕微鏡を用いて、加速電圧5kVで撮影する。得られた画像を、Otsu法により該試料のゴム部分と充填材であるシリカ部分との2値化像に変換して得られた2値化像に基づき、シリカ部分の凝集アグリゲート面積を求め、シリカ部分の全表面積と凝集アグリゲートの個数とから、単位面積(3μm×3μm)あたりのシリカ部分の平均凝集アグリゲート面積を数平均(相加平均)により算出する。算出に当たり、画像の端(辺)に接している粒子はカウントせず、20ピクセル以下の粒子は、ノイズと見做しカウントしない。]
  2. 前記溶液重合により合成されたジエン系ゴムが、無変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、分子鎖末端をスズ化合物で変性された変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム及び合成ポリイソプレンゴムから選ばれる少なくとも1種のゴムである請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記他のジエン系ゴムが、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴム及び/又は天然ゴムである請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記シランカップリング剤(C)が、下記一般式(I)〜(IV)で表わされる化合物からなる群から1種以上選択される化合物である請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物。
    (式中、R1は同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基又は炭素数2〜8の直鎖もしくは分枝のアルコキシアルキル基、R2は同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基、R3は同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖もしくは分枝のアルキレン基、aは平均値として2〜6であり、p及びrは同一でも異なっていても良く、各々平均値として0〜3、但しp及びrの双方が3であることはない。)
    {式中、R4は−Cl、−Br、R9O−、R9C(=O)O−、R910C=NO−、R910CNO−、R910N−及び−(OSiR910h(OSiR91011)から選択される一価の基(R9、R10及びR11は同一でも異なっていても良く、各々水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基であり、hは平均値として1〜4である。)であり、R5はR4、水素原子又は炭素数1〜18の一価の炭化水素基、R6はR4、R5、水素原子又は−[O(R12O)j]0.5 −基(R12は炭素数1〜18のアルキレン基、jは1〜4の整数である。)、R7は炭素数1〜18の二価の炭化水素基、R8は炭素数1〜18の一価の炭化水素基を示し、x、y及びzは、x+y+2z=3、0≦x≦3、0≦y≦2、0≦z≦1の関係を満たす数である。}
    {式中、R13は同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基又は炭素数2〜8の直鎖もしくは分枝のアルコキシアルキル基、R14は同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖、環状もしくは分枝のアルキル基、R15は同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜8の直鎖もしくは分枝のアルキレン基、R16は一般式
    (−S−R17−S−)、(−R18−Sm1−R19−)及び(−R20−Sm2−R21−Sm3−R22−)のいずれかの二価の基(R17〜R22は同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜20の二価の炭化水素基、二価の芳香族基又は硫黄及び酸素以外のヘテロ元素を含む二価の有機基であり、m1、m2、m3は同一でも異なっていても良く、各々平均値として1以上4未満である。)であり、kは同一でも異なっていても良く、各々平均値として1〜6であり、s及びtは同一でも異なっていても良く、各々平均値として0〜3、但しs及びtの双方が3であることはない。}
    {式中、R23は炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、Gは同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜9のアルカンジイル基又はアルケンジイル基であり、Zaは同一でも異なっていても良く、各々二つの珪素原子と結合することのできる基で、且つ [−0−]0.5、[−0−G−]0.5又は[−O−G−O−] 0.5から選ばれる基であり、Zbは同一でも異なっていても良く、各々二つの珪素原子と結合することのできる基で、且つ [−O−G−O−] 0.5で表される官能基であり、Zcは同一でも異なっていても良く、各々−Cl、−Br、−ORa、RaC(=O)O−、RabC=NO−、RabN−、Ra−、HO−G−O−(Gは上記表記と一致する。)で表される官能基であり、Ra及びRbは同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基である。m、n、u、v、wは同一でも異なっていても良く、1≦m≦20、0≦n≦20、0≦u≦3、0≦v≦2、0≦w≦1であり、且つ(u/2)+v+2w=2又は3である。A部が複数である場合、複数のA部におけるZa u、Zb v及びZc wそれぞれにおいて、同一でも異なっていても良く、B部が複数である場合、複数のB部におけるZa u、Zb v及びZc wそれぞれにおいて、同一でも異なっても良い。}
  5. 前記シランカップリング剤(C)が、上記一般式(I)で表わされる化合物である請求項4に記載のゴム組成物。
  6. 前記ゴム成分(A)100質量部に対して、前記シリカ(B)を25〜150質量部含有する請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. 前記シリカ(B)が、沈降法シリカである請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. さらに、カーボンブラックを含有する請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物。
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