JPWO2012133584A1 - 二次電池用正極活物質、二次電池用正極、および二次電池の製造方法 - Google Patents

二次電池用正極活物質、二次電池用正極、および二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、二次電池用正極活物質の製造方法に関する。例えば、二次電池用正極活物質であるリン酸鉄リチウムについて、従来の製造方法では、耐圧容器中で合成されるため、生産性に劣る、粉砕工程により炭素で被覆されていない面が生じる、有機化合物を単純に混ぜた後に、一軸加圧成型している場合、有機化合物が均一に被覆できないなどの問題があった。本発明は、二次電池用正極活物質の製造に際し、溶融工程(I)、冷却工程(II)、粉砕工程(III)、加熱工程(IV)の各工程を、この順に行う製造方法とすることにより、二次電池用正極活物質の電気伝導性を高めると共に、組成や粒径の良好な制御を図ったものである。

Description

本発明は、二次電池用正極活物質、二次電池用正極、および二次電池の製造方法に関する。
近年、CO2排出規制や省エネルギーの観点から、プラグインハイブリッド自動車や電気自動車の開発が進められている。電気自動車の普及には、二次電池の安全性を維持しつつ、高容量化、高エネルギー密度化することが課題とされている。電気自動車用の次世代のリチウムイオン二次電池等の正極材料として、資源面、安全面、コスト面、安定性等の点での優位性から、オリビン型の結晶構造を有する化合物が注目されている。しかし、該オリビン型の結晶構造を有する化合物は、従来の正極材料よりも電気伝導性が低いため、微粒子化やカーボンコート等の手法により電気伝導性を向上させる必要がある。
特許文献1には、リン酸鉄リチウムを水熱法で合成した後、ショ糖と混合して焼成し、次に粉砕することで、リン酸鉄リチウムの表面に導電性カーボン層が形成された正極材料の製造方法が記載されている。さらに、得られた正極材料にアセチレンブラックを混在させることが記載されている。
特許文献2には、FePO4とLi2CO3とを、イソプロパノールの存在下に粉砕し、還元性ガス中で焼成してオリビン型のリン酸化合物を得た後、アセトンに溶解した酢酸セルロース等の炭素源の溶液で含浸させて焼成することにより炭素を含むオリビン型のリン酸化合物を得る方法が記載されている。
特許文献3には、リン源、リチウム源、鉄源となりうる化合物からなる原料を溶融してリン酸鉄リチウムの前駆体ガラスを得て、次に該前駆体ガラスを粉砕して得た前駆体ガラス粉末に、炭素源として有機化合物を混合し、不活性または還元雰囲気で焼成することによって、結晶化ガラスに有機化合物由来の炭素系導電性活物質を賦活する方法が記載されている。
日本特開2008−034306号公報 日本特表2004−509447号公報 日本特開2009−087933号公報
特許文献1に記載された方法は、リン酸リチウムと、2価の塩化鉄の4水和物と水とを耐圧容器中に入れることによりリン酸鉄リチウムからなる正極材料を合成する方法であるため、生産性に劣る。リン酸鉄リチウムとショ糖とを焼成した後に粉砕が行われるため、粉砕物の粒子表面に炭素で被覆されていない面が生じる。よって、正極材料が充分な電気伝導性を発揮できないおそれがある。
特許文献2に記載された方法では、粉砕工程が省略されているため、オリビン型化合物の粒径の制御がされておらず、所望の特性を得られない。
特許文献3に記載された方法では、前駆体ガラスを粉砕したガラス粉末に有機化合物を単純に混ぜた後に、一軸加圧成型によりペレットを成形しているため、有機化合物がガラス粉末の表面に均一に被覆できない、また、ペレット状にした後に熱処理を行っているため粒子が粗大になってしまい、電池性能が不充分になるおそれがある。
本発明の目的は、二次電池用正極活物質の電気伝導性を高めると共に、組成や粒径を良好に制御できる製造方法の提供にある。本発明の他の目的は、特性や信頼性に優れる二次電池用正極および二次電池の製造方法の提供にある。
本発明は、下記[1]〜[16]の構成を要旨とするものである。
[1]元素A、元素M、元素Xおよび元素Zを含む原料を、元素A、元素M、元素Xおよび元素Zのモル比が下式(2)で表されるモル比となるように調整してなる原料調合物を加熱して溶融物を得る工程、
前記溶融物を冷却して固化物を得る冷却工程、
前記固化物と有機化合物とを含む、粉砕物を得る粉砕工程、および
前記粉砕物を不活性ガス中または還元ガス中で加熱して、下式(2)で表される組成を有する化合物の表面の少なくとも一部を導電性炭素で被覆した二次電池用正極活物質を得る加熱工程、
をこの順に実施することを特徴とする二次電池用正極活物質の製造方法であって、
前記有機化合物が、不活性ガス中または還元ガス中にて700℃で8時間の加熱をした時の残渣の割合が、15質量%以下である有機化合物であることを特徴とする二次電池用正極活物質の製造方法。
abcde (2)
(式(2)中、AはLi、NaおよびKからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、MはFe、Mn、CoおよびNiからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、XはSi、Zはハロゲン原子を示し、aは0.8≦a≦2.7、bは0.6≦b≦1.4、cは0.9≦c≦1.1であり、dはa、b、c、eの数値、および、Mの価数およびXの価数に依存する数であり、eはe≦aであり、0≦e≦2.2である。)
本発明において、式(2)で表される組成を有する化合物の表面とは、式(2)で表される組成を有する化合物粒子の表面を意味するものとする。
[2]下式(1)で表される組成を有する溶融物を得る溶融工程、
前記溶融物を冷却して固化物を得る冷却工程、
前記固化物と有機化合物とを含む、粉砕物を得る粉砕工程、および
前記粉砕物を不活性ガス中または還元ガス中で加熱して、下式(2)で表される組成を有する化合物の表面の少なくとも一部を導電性炭素で被覆した二次電池用正極活物質を得る加熱工程、
をこの順に実施することを特徴とする二次電池用正極活物質の製造方法であって、
前記有機化合物が、不活性ガス中または還元ガス中にて700℃で8時間の加熱をした時の残渣の割合が、15質量%以下である有機化合物である、請求項1に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
abcd1e1 (1)
(式(1)中、AはLi、NaおよびKからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、MはFe、Mn、CoおよびNiからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、XはSi、Zはハロゲン原子を示し、aは0.8≦a≦2.7、bは0.6≦b≦1.4、cは0.9≦c≦1.1であり、d1はa、b、c、e1の数値、および、Mの価数およびXの価数に依存する数であり、加熱工程後にdとなる数であり、e1はe1≦aであり、0≦e1≦2.2であり、加熱工程後にeとなる数であり、0≦e≦e1である。)
abcde (2)
(式(2)中、A、MおよびXは前記と同じ種類の元素を示し、a、bおよびcは前記と同じ数値範囲を示すが、前記とは独立した値であり、dはa、b、c、eの数値、および、Mの価数およびXの価数に依存する数であり、eはe≦aであり、0≦e≦2.2である。)
[3]前記粉砕工程が、前記固化物と前記有機化合物との混合物を粉砕する工程、または、前記固化物と前記有機化合物とをそれぞれ粉砕した後に混合する工程、である、前記[1]または[2]に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
[4]前記有機化合物が、水酸基または水酸基の誘導基、カルボキシル基またはカルボキシル基の誘導基、スルホン酸基またはスルホン酸基の誘導基、およびエーテル性酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種を有する脂肪族非環状ポリマー、脂肪酸、セルロースまたはセルロースの誘導体、二環性モノテルペンまたは二環性モノテルペンの誘導体、および、複素環式アミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、前記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
[5]前記有機化合物が、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、メラミンおよびカンファーからなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
[6]前記粉砕工程における前記有機化合物の使用量が、固化物の質量と有機化合物の質量との合計量に対して、1〜50質量%である、前記[1]〜[5]のいずれか一項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
[7]前記粉砕工程における粉砕が、溶媒の存在下に行われる、前記[1]〜[6]のいずれか一項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
[8]前記溶媒が、水、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、ヘキサンおよびトルエンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記[7]に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
[9]前記溶融工程が、
Aを含む化合物が、Aの炭酸塩、Aの炭酸水素塩、Aの水酸化物、Aのケイ酸塩、Aのリン酸塩、Aのホウ酸塩、Aのフッ化物、Aの塩化物、Aの硝酸塩、Aの硫酸塩およびAの有機酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(ただし、該少なくとも1種の一部または全部は、それぞれ水和塩を形成していてもよい。)として含まれ、
Mを含む化合物が、Mの酸化物、Mの水酸化物、Mのオキシ水酸化物、Mのケイ酸塩、Mのリン酸塩、Mのホウ酸塩、金属M、Mのフッ化物、Mの塩化物、Mの硝酸塩、Mの硫酸塩、Mの有機酸塩およびMのアルコキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種として含まれ、
Xを含む化合物が、Xの酸化物、Xのアルコキシド、および、AまたはMのケイ酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種として含まれ、
Zを含む化合物が、AまたはMのフッ化物、および、AまたはMの塩化物からなる群より選ばれる少なくとも1種として含まれる、
原料調合物を加熱して、前記溶融物を得る工程である、前記[1]〜[8]のいずれか一項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
[10]前記加熱工程を500〜1,000℃で行う、前記[1]〜[9]のいずれか一項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
[11]前記冷却工程における前記溶融物の冷却速度が−103℃/秒〜−1010℃/秒である、前記[1]〜[10]のいずれか一項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
[12]AがLiであり、MがFeおよびMnからなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記[1]〜[11]のいずれか一項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
[13]前記二次電池用正極活物質の比表面積が10〜70m2/gである、前記[1]〜[12]のいずれか一項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
[14]前記二次電池用正極活物質が、表面の少なくとも一部が導電性炭素で被覆されたオリビン型結晶構造の粒子である、前記[1]〜[13]のいずれか一項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
[15]前記[1]〜[14]のいずれか一項に記載の製造方法で二次電池用正極活物質を得て、次に該二次電池用正極活物質を用いて二次電池用正極を製造することを特徴とする二次電池用正極の製造方法。
[16]前記[15]に記載の製造方法で二次電池用正極を得て、次に該二次電池用正極を用いて二次電池を製造することを特徴とする二次電池の製造方法。
本発明の製造方法によれば、二次電池用正極活物質の電気伝導性を高めると共に、組成や粒径を良好に制御できる。従って、該二次電池用正極活物質を用いることによって、特性や信頼性に優れる二次電池用正極および二次電池を安価にかつ簡便に製造できる。
例21で製造したケイ酸化合物のX線回折パターンを示す図である。
<二次電池用正極活物質の製造方法>
本発明の二次電池用正極活物質の製造方法は、以下の(I)〜(IV)の各工程を、この順に行う。(I)〜(IV)の工程前、工程間、および工程後には、各工程に影響を及ぼさない限り、他の工程を行ってもよい。
溶融工程(I):元素A、元素M、元素Xおよび元素Zを含む原料を、元素A、元素M、元素Xおよび元素Zのモル比が下式(2)で表されるモル比となるように調整してなる原料調合物を加熱して溶融物(1)を得る工程、
冷却工程(II):前記溶融物(1)を冷却して固化物を得る工程、
粉砕工程(III):前記固化物と有機化合物とを含む粉砕物を得る工程、
加熱工程(IV):前記粉砕物を不活性ガス中または還元ガス中で加熱して、下式(2)で表される組成を有する化合物(2)の表面の少なくとも一部を導電性炭素で被覆した二次電池用正極活物質を得る工程。
abcde (2)
(式(2)中、AはLi、NaおよびKからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、MはFe、Mn、CoおよびNiからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、XはSi、Zはハロゲンを示し、aは0.8≦a≦2.7、bは0.6≦b≦1.4、cは0.9≦c≦1.1であり、dはa、b、c、eの数値、および、Mの価数およびXの価数に依存する数であり、eはe≦aであり、0≦e≦2.2である。 )
以下、各工程について具体的に説明する。
[溶融工程(I)]
溶融工程(I)は、下式(1)で表される組成を有する溶融物(1)を得る工程である。
abcd1e1 (1)
(式(1)中、AはLi、NaおよびKからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、MはFe、Mn、CoおよびNiからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、XはSi、Zはハロゲンを示し、aは0.8≦a≦2.7、bは0.6≦b≦1.4、cは0.9≦c≦1.1であり、d1はa、b、c、e1の数値、および、Mの価数およびXの価数に依存する数であり、第1の加熱工程後にdとなる数であり、e1はe1≦aであり、0≦e1≦2.2であり、第1の加熱工程後にeとなる数であり、0≦e≦e1である。)
溶融工程(I)においては、まず各元素源(A、M、X、Z)を含む原料を、上式(1)で表される組成となるように調整して原料調合物をまず準備するのが好ましい。
aが0.8≦a≦2.7、bが0.6≦b≦1.4、cが0.9≦c≦1.1、e1がe1≦aであり、0≦e1≦2.2であり、0≦e≦e1である場合に、原料調合物を良好に溶融することができ、均一な溶融物が得られる。また、後工程の加熱工程(IV)で化合物(2)を得ることができ、さらにはオリビン型結晶構造を含む化合物(2)、特にオリビン型結晶構造のみからなる化合物(2)が得られるので好ましい。
aおよびbは、1.2≦a≦2.6および0.7≦b≦1.3がより好ましく、1.8≦a≦2.2および0.7≦b≦1.3が特に好ましい。aおよびbが上記範囲内であると、多電子型の反応(単位モル数当たり1molを超えるAを引き抜く反応)を示す化合物(2)が得られ、この化合物(2)を二次電池用正極活物質として用いたときに理論電気容量を高めることができる。理論電気容量をより一層高めるために、aの値は1.8≦a≦2.2であることが特に好ましい。
e1の値は、0≦e1≦1.2がより好ましく、0≦e1≦0.7が特に好ましい。上記範囲内であると、化合物(2)を製造しやすい。
d1の値はa、b、c、e1の数値、および、Mの価数およびXの価数に依存する数である。加熱工程(IV)で変化しうる値であって、加熱工程(IV)後にdとなる値である。例えば、加熱工程(IV)で成分の酸化還元、揮発等によりd1の値が増減する場合には、該増減を考慮に入れた値とするのが好ましい。加熱工程(IV)で得られる化合物(2)の組成におけるdの値は、a、b、c、e1の数値、および、Mの価数(N1とする)およびXの価数(N2とする)に依存する数である。a=2、b=1、c=1、e1=1、N1=+2、N2=+4であればd=4であり、一般にはd=(a+bN1+cN2−e1)/2で表される。
A、はLi、NaおよびKからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である。Aは二次電池用正極活物質として適しているため、Liを必須とするのが好ましく、Liのみであることが特に好ましい。Liを含む化合物(2)は、二次電池の単位体積(質量)当たりの容量を高くする。
MはFe、Mn、CoおよびNiからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素である。Mは1種のみ、または、2種からなるのが好ましい。特に本発明の製造方法で製造する化合物(2)を二次電池用正極活物質に使用する場合には、MはFeのみ、Mnのみ、またはFeおよびMnからなるのが、コストの点で好ましい。Mの価数は、本発明の製造方法の各工程で変化しうる数値であり、+2〜+4の範囲である。Mの価数は、MがFeの場合は+2、+8/3、+3、Mnの場合は+2、+3、+4、Coの場合は+2、+8/3、+3、Niの場合は+2、+4が好ましい。
XはSiである。Xの価数は、基本的にSiの場合は+4である。
Zはハロゲンである。該ハロゲンとしては、塩素(Cl)、フッ素(F)、臭素(Br)、ヨウ素(I)が挙げられ、性能の面から、塩素またはフッ素が好ましく、フッ素が特に好ましい。
なお、溶融物(1)は、A、M、X、酸素(O)およびZ以外の元素を含んでいてもよい。該元素としては、La、Ca、MgおよびZnからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素(以下、Yという)が好ましい。Yを含有させることで、溶融物(1)を溶融しやすくすることができる。Yの含有量(複数の元素の場合には合計量)は、溶融物になったときの各元素の酸化物換算量(単位:モル%)が0.1〜3%が好ましい。
溶融工程(I)では、まず溶融物(1)を得られるように各元素源を選択して混合し、原料調合物を得ることが好ましい。原料調合物は、Aを含む化合物、Mを含む化合物や金属、Xを含む化合物およびZを含む化合物等からなり、必要に応じてYを含む化合物を含むのが好ましい。
Aを含む化合物としては、Aの炭酸塩(A2CO3)、Aの炭酸水素塩(AHCO3)、Aの水酸化物(AOH)、Aのケイ酸塩(A2O・2SiO2、A2O・SiO2、2A2O・SiO2等)、Aのリン酸塩(A3PO4)、Aのホウ酸塩(A3BO3)、Aのフッ化物(AF)、Aの塩化物(ACl)、Aの硝酸塩(ANO3)、Aの硫酸塩(A2SO4)、Aの酢酸塩(CH3COOA)やシュウ酸塩((COOA)2)等の有機酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(ただし、該少なくとも1種の一部または全部は、それぞれ水和塩を形成していてもよい。)が好ましい。なかでも、安価でかつ取扱いが容易な点で、A2CO3、AHCO3、AFがより好ましい。
Mを含む化合物としては、Mの酸化物(FeO、Fe34、Fe23、MnO、Mn23、MnO2、CoO、Co34、Co23、NiO等)、Mのオキシ水酸化物(MO(OH))、Mの水酸化物(M(OH)、M(OH)等)、Mのケイ酸塩(MO・SiO2、2MO・SiO2等)、Mのリン酸塩(M3(PO42等)、Mのホウ酸塩(M3(BO32等)、Mのフッ化物(MF2)、Mの塩化物(MCl2、MCl3等)、Mの硝酸塩(M(NO32、M(NO33等)、Mの硫酸塩(MSO4、M2(SO43等)、Mの酢酸塩(M(CH3COO)2)やシュウ酸塩(M(COO)2)等の有機酸塩およびMのアルコキシド(M(OCH32、M(OC252等)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。入手のしやすさやコストから、Fe34、Fe23、MnO、Mn23、MnO2、Co34およびNiOからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物がより好ましい。特にMが、Feである場合の該化合物としては、Fe34および/またはFe23が好ましく、MがMnである場合の該化合物としては、MnOが好ましい。Mを含む化合物は、1種であっても、2種以上であってもよい。
Xを含む化合物としては、Xの酸化物(SiO2等)、Xのアルコキシド(Si(OCH34、Si(OC254等)、AまたはMのケイ酸塩、なかでも、SiO2が安価であるので好ましい。
Zを含む化合物としては、AまたはMのフッ化物、および、AまたはMの塩化物からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、Aのフッ化物が特に好ましい。
各原料の好適な組み合わせは、Aを含む化合物がAの炭酸塩、Aの炭酸水素塩およびAFからなる群より選ばれる少なくとも1種;Mを含む化合物がMの酸化物;Xを含む化合物がXの酸化物;である場合の組み合わせ、または、Aを含む化合物がAの炭酸塩、Aの炭酸水素塩およびAFからなる群より選ばれる少なくとも1種;Mを含む化合物がMの酸化物;Xを含む化合物がXの酸化物;Zを含む化合物がAのフッ化物である場合の組み合わせである。
原料調合物の組成は、原則として、当該原料調合物から得られる溶融物の組成と理論上対応するものである。ただし、該原料調合物中には、溶融中に揮発等により失われやすい成分(例えばLi、F等)が存在するため、得られる溶融物(1)の組成は各原料の仕込み量から計算される酸化物基準のモル%と若干相違する場合がある。そのような場合、揮発等により失われる量を考慮して、各原料の仕込み量を設定することが好ましい。
原料調合物中の各原料の純度は特に限定されない。反応性や二次電池用正極材料の物性等を考慮すると、水和水を除く純度が99質量%以上であることが好ましい。
各原料としては、粉砕した原料を用いるのが好ましい。各原料は、粉砕してから混合しても、混合した後に粉砕してもよい。粉砕は、ミキサー、ボールミル、ジェットミル、遊星ミル等を用いて、乾式または湿式で行うことが好ましく、溶媒の除去工程が不要なことから、乾式が好ましい。原料調合物中の各原料の粒度は、混合操作、混合物の溶融容器への充填操作、混合物の溶融性等に悪影響を及ぼさない範囲であれば、限定されない。
溶融工程(I)においては、前記の方法で得た原料調合物を、次に加熱して溶融する。加熱は、原料調合物を容器等に入れ、加熱炉を用いて加熱し、溶融することが好ましい。該容器としては、アルミナ製、カーボン製、炭化ケイ素製、ホウ化ジルコニウム製、ホウ化チタン製、窒化ホウ素製、炭素製、白金製、ロジウムを含む白金合金製等、耐火物系煉瓦、および還元材料(例えばグラファイト)等の材料からなる容器が挙げられる。該容器は蓋を装着することが加熱炉中での揮発および蒸発防止のために好ましい。加熱炉は、抵抗加熱炉、高周波誘導炉、またはプラズマアーク炉が好ましい。抵抗加熱炉はニクロム合金等の合金製、炭化ケイ素製、またはケイ化モリブデン製の発熱体を備えた電気炉であるのが好ましい。
加熱温度は1,300〜1,600℃が好ましく、1,400〜1,550℃が特に好ましい。ここで、溶融とは各原料が融解し、目視で透明な状態となることをいう。加熱温度が上記範囲の下限値以上であると溶融が容易になり、上限値以下であると原料の揮発がしにくくなる。加熱時間は0.2〜2時間が好ましく、0.5〜2時間が特に好ましい。加熱時間が上記範囲の下限値以上であると溶融物の均一性が充分になり、上限値以下であると原料が揮発しにくい。溶融工程(I)において、溶融物の均一性を上げるために撹拌してもよい。また、次の冷却工程(II)を行うまで、溶融温度より低い温度で溶融物を清澄させてもよい。
加熱は、空気中、不活性ガス中または還元ガス中で実施することが好ましい。溶融の条件は、容器または加熱炉の種類や熱源等の加熱方法等の条件により、適宜変更できる。圧力は、常圧、加圧、減圧(0.9×105Pa以下)のいずれであってもよい。溶融の条件は還元ガス中が好ましい。酸化ガス中であってもよい。酸化ガス中で溶融した場合には、次の加熱工程(IV)において還元(例えばM3+からM2+への変化)を行うのが好ましい。
ここで、不活性ガスとは、窒素ガス(N2)、およびヘリウムガス(He)やアルゴンガス(Ar)等の希ガスからなる群より選ばれる少なくとも1種の不活性ガスを99体積%以上含む気体をいう。還元ガスとは、上記した不活性ガスに、還元性を有するガスを添加し、実質的に酸素を含まない気体をいう。還元性を有するガスとしては、水素ガス(H2)、一酸化炭素ガス(CO)およびアンモニアガス(NH3)等が挙げられる。不活性ガス中の還元性を有するガスの量は、全気体体積中に含まれる還元性を有するガスの量が0.1体積%以上であるのが好ましく、1〜10体積%が特に好ましい。酸素の含有量は、該気体体積中に1体積%以下が好ましく、0.1体積%以下が特に好ましい。
[冷却工程(II)]
冷却工程(II)は、溶融工程(I)で得られた溶融物(1)を室温(20〜25℃)付近まで冷却して固化物を得る工程である。固化物は非晶質物であることが好ましいが、固化物の一部は結晶化物であってもよい。固化物が非晶質物を含むことで、次の粉砕工程(III)が実施しやすくなり、化合物(2)の組成および粒度を制御しやすくなる。固化物が結晶化物を含む場合、後工程の加熱工程(IV)で結晶化物が結晶核となり、結晶化しやすくなる。固化物中の結晶化物量は固化物の全質量に対して0〜30質量%であることが好ましい。結晶化物を多く含むと粒状やフレーク状の固化物を得ることが困難となる。また、冷却機器の損耗を早め、その後の粉砕工程(III)の負担が大きくなる。
溶融物の冷却は、空気中、不活性ガス中、または還元ガス中で冷却する方法により実施するのが、設備等が簡便であることから好ましい。
冷却速度は−1×103℃/秒以上が好ましく、−1×104℃/秒以上が特に好ましい。本明細書では、冷却する場合の単位時間当たりの温度変化(すなわち冷却速度)を負の値で示し、加熱する場合の単位時間当たりの温度変化(すなわち加熱速度)を正の値で示す。冷却速度を該値以上にすると非晶質物が得られやすい。冷却速度の上限値は製造設備や大量生産性の点からは−1×1010℃/秒程度が好ましく、実用性の点からは−1×108℃/秒が特に好ましい。溶融物の冷却速度は1000℃から50℃までの冷却速度を−10℃/秒〜−1010 ℃/秒とすることが特に好ましい。
冷却方法としては、高速で回転する双ローラの間に溶融物を滴下して冷却する方法、回転する単ローラに溶融物を滴下して冷却する方法、または溶融物を冷却したカーボン板や金属板にプレスして冷却する方法を採用するのが好ましい。なかでも、双ローラを用いた冷却方法が、冷却速度が速く、大量に処理できるのでより好ましい。双ローラとしては、金属製、カーボン製、またはセラミックス製のものを用いることが好ましい。
固化物は、フレーク状または繊維状が好ましい。フレーク状の場合には、平均厚さが200μm以下が好ましく、100μm以下が特に好ましい。フレーク状の平均厚さに垂直な面の平均直径は、特に限定されない。繊維状の場合には、平均直径が50μm以下が好ましく、30μm以下が特に好ましい。平均厚さや平均直径の上限値以下であると、続く粉砕工程(III)の負担を軽減でき、加熱工程(IV)における結晶化効率を高くすることができる。平均厚さおよび平均直径は、ノギスやマイクロメータにより測定できる。また、平均直径は、顕微鏡観察により測定することもできる。
[粉砕工程(III)]
粉砕工程(III)は、冷却工程(II)で得られた固化物と有機化合物とを含む粉砕物を得る工程である。該粉砕工程(III)は、固化物と有機化合物との混合物を粉砕する工程、または、固化物と有機化合物とをそれぞれ粉砕した後に混合する工程、であるのが好ましい。有機化合物を有効に使用できる点からは、前者が好ましい。また、固化物を粉砕した後に有機化合物を粉砕せずに混合してもよい。
次工程の加熱工程(IV)で得られる化合物(2)は絶縁体であるため、二次電池用正極活物質として使用するためには、電気伝導度を高める必要がある。有機化合物の少なくとも一部は加熱工程(IV)で炭化され、導電性炭素として化合物(2)の表面の少なくとも一部を被覆する。該導電性炭素は化合物(2)の導電材として機能するため、二次電池用正極活物質の電気伝導性を高めることができる。
本発明に用いる有機化合物は、不活性ガス中または還元ガス中にて700℃で8時間の加熱をした時の残渣の割合が、15質量%以下である有機化合物である。該有機化合物を用いることで、化合物(2)から得られる二次電池用正極活物質の電気伝導性が向上する。また、化合物(2)と有機化合物に基づく導電性炭素との密着性を高めることができる。なお、密着性が高いとは、二次電池用正極活物質を正極として繰り返し使用した場合にも、導電性炭素が剥がれないことを意味している。
不活性ガス中または還元ガス中にて700℃で8時間の加熱をした時の残渣の割合は、0質量%超10質量%以下である有機化合物が特に好ましい。
密着性の向上理由は、必ずしも明確ではないが、以下のように推定される。有機化合物を不活性ガス中または還元ガス中で加熱すると熱分解反応し、酸素や水素が離脱して炭化する。700℃で8時間の加熱をした時の残渣の割合が上記範囲である有機化合物は、固化物の表面に吸着した部分が加熱工程(IV)で優先的にかつ均一に炭化して残り、余分な部分はガス中に揮発する。固化物は加熱工程(IV)で結晶化して化合物(2)となるため、化合物(2)の表面に効率よく導電性炭素を被覆することができる。
不活性ガス中または還元ガス中にて700℃で8時間の加熱をした時の残渣の割合は、次のように求める。アルミナ製コウ鉢に有機化合物の1g(W1)のみを入れ、N2ガスを1.5L/分のフロー中、200℃/時間で700℃まで昇温し、700℃で8時間保持した後、室温まで冷却して重量(W2)を測定する。加熱前の重量に対する加熱後の重量の割合を計算し、残渣の割合(質量%)とする。
残渣の割合=(W2)/(W1)×100(質量%)
上記で定義された方法で求めた残渣の割合は0質量%であってもよい。アルミナ製コウ鉢で有機化合物のみを加熱したときの残渣の割合が0質量%であったとしても、本発明の製造方法においては、固化物の表面に吸着した状態で有機化合物を加熱するため、有意の量の導電性炭素として残り、化合物(2)の表面の少なくとも一部を被覆することができるからである。
該残渣の割合が、15質量%以下である有機化合物は、熱分解速度が速い化合物である。したがって該有機化合物は、加熱工程(IV)において効率よく炭化し、導電性炭素として化合物(2)の表面の少なくとも一部を被覆することができる。
有機化合物は、水酸基または水酸基の誘導基、カルボキシル基またはカルボキシル基の誘導基、スルホン酸基またはスルホン酸基の誘導基、およびエーテル性酸素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種を有する脂肪族非環状ポリマー、脂肪酸、セルロースまたはセルロースの誘導体、二環性モノテルペンまたは二環性モノテルペンの誘導体、および、複素環式アミンからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。該有機化合物は1種を用いても、2種以上を用いてもよい。
該脂肪族非環状ポリマーは、水酸基または水酸基の誘導基、カルボキシル基またはカルボキシル基の誘導基、スルホン酸基またはスルホン酸基の誘導基、およびエーテル性酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種を有する脂肪族非環状モノマー単位を構成単位とするポリマーであるのが好ましい。該モノマー単位としては、ビニルアルコール、アクリル酸、ビニルスルホン酸、エチレングリコール、環状エーテル(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等)等に基づく構成単位が挙げられる。化合物(2)への密着性の点から、ビニルアルコール、アクリル酸およびエチレングリコールからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
該脂肪族非環状ポリマーの好ましい例としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸等が挙げられる。
なお、水酸基の誘導基としては、アルコキシ基、シリル基等が挙げられ、カルボキシル基の誘導基としては、エステル基、アミド基等が挙げられ、スルホン酸基の誘導基としては、スルホン酸エステル、スルホン酸アミド等が挙げられる。
脂肪酸としては、炭素数が10〜30の飽和脂肪酸が好ましく、炭素数が10〜20の飽和脂肪酸が特に好ましい。好ましい例としては、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等が挙げられる。
セルロースまたはセルロースの誘導体としては、セルロース、エチルセルロース、セルロースエステル、セルロースエーテル等が挙げられる。
二環性モノテルペンまたは二環性モノテルペンの誘導体としては、カンファー等が挙げられる。
複素環式アミンとしては、アミノ基を分子内に1〜3個有する化合物が好ましい。好ましい例としては、メラミン等が挙げられる。
有機化合物の数平均分子量は特に限定されないが、100〜50,000が好ましく、100〜20,000が特に好ましい。数平均分子量が上記範囲の下限値以上であると、加熱工程(IV)で有機化合物が揮発せず、導電性炭素が残りやすい。上記範囲の上限値以下であると、粉砕工程(III)で固化物の表面に有機化合物を付着させやすい。
より好ましい有機化合物は、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ステアリン酸、エチルセルロース、メラミン、カンファーおよびポリアクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である。特に好ましい有機化合物は、エチルセルロース、メラミンおよびカンファーからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
有機化合物の質量の割合は、有機化合物中の炭素換算量(質量)が、化合物(2)の質量と、該有機化合物中の炭素換算量(質量)との合計質量に対して、0.1〜60質量%となる量が好ましく、0.1〜40質量%となる量がより好ましく、1〜20質量%となる量が特に好ましい。有機化合物の質量の割合を上記範囲の下限値以上とすることで、二次電池用正極活物質の電気伝導性を充分に高めることができる。上記範囲の上限値以下とすることで、化合物(2)を被覆する導電性炭素の厚さが厚くなりすぎず、二次電池用正極とした際に、二次電池用正極活物質に電解液を充分に行きわたらせることができる。
有機化合物の使用量は、上述を満たすように選択される。固化物の質量と有機化合物の質量との合計量に対しては、1〜50質量%が好ましく、2〜48質量%がより好ましく、3〜45質量%が特に好ましい。なお、本明細書では、有機化合物の使用量を炭素源仕込み量(単位:質量%)ともいう。
粉砕工程(III)においては、有機化合物に加えて炭素系導電性物質を混合してもよい。炭素系導電性物質も加熱工程(IV)後に化合物(2)の表面に導電性炭素として固着し、導電材として機能するものである。炭素系導電性物質としては、カーボンブラック、グラファイト、アセチレンブラック、カーボンファイバおよびアモルファスカーボン等が好ましい。アモルファスカーボンとしては、FTIR分析において、正極材料の導電性低下の原因となるC−O結合ピークやC−H結合ピークが実質的に検出されないものが好ましい。
また、冷却工程(II)で得られる固化物は通常の場合、非晶質物を多く含む、または、非晶質物からなるため、粉砕がしやすい利点がある。また粉砕に使用する装置に負担をかけずに粉砕ができかつ粒径の制御がしやすい利点がある。一方、従来の固相反応は、加熱工程の後で粉砕を行うが、粉砕によって残留応力が生じ、電池特性を悪化させる場合があることに本発明者は気づいた。よって、本発明の製造方法では、加熱工程の前に粉砕し、生じた残留応力は、後工程の加熱工程で低減または除去する方法を採用する。
粉砕は、カッターミル、ジョークラッシャー、ハンマーミル、ボールミル、ジェットミル、遊星ミル等を用いて行うことが好ましい。また、粒子径により各手法を段階的に用いることで、効率よく粉砕を進めることができる。例えば、カッターミルで予備的な粉砕をした後、遊星ミルやボールミルを用いで粉砕することによって、粉砕にかかる時間を短縮できるので好ましい。生産性の観点から、特にボールミルを用いることが好ましい。粉砕メディアとしては、ジルコニアボール、アルミナボール、ガラスボール等を用いることが好ましい。特に、ジルコニアボールは磨耗率が低く、不純物の混入を抑制できるので好ましい。
粉砕メディアの径は0.1〜30mmが好ましい。粉砕を多段階にし、大きい粉砕メディアで粉砕を行った後、粉砕メディアと粉砕物を分離し、さらに小さい粉砕メディアを用いて粉砕してもよい。該方法であると、未粉砕粒子の残存を抑制できる。
粉砕容器は特に限定されないが、容器内に粉砕メディアと固化物とを容器内容積の30〜80%まで入れると粉砕効率がよい。ボールミルを用いる場合、粉砕時間は6〜360時間が好ましく、6〜120時間がより好ましく、12〜96時間が特に好ましい。粉砕時間が上記範囲の下限値以上であると充分に粉砕を進めることができ、上限値以下であると過粉砕が抑制できる。
粉砕は乾式または湿式のいずれで行ってもよいが、粉砕物の粒度を小さくできると共に、粉砕物と有機化合物とを均一に混合できる点から、湿式で行うのが好ましい。すなわち、粉砕工程(III)は溶媒(粉砕溶媒)を用いて実施するのが好ましい。粉砕溶媒は、粉砕メディアが入った状態で、容器内容積の30〜80%まで充填すると粉砕効率がよくなる。粉砕工程(III)を湿式で行った場合は、粉砕溶媒を沈降、濾過、減圧乾燥、加熱乾燥等で除去した後に、加熱工程(IV)を実施するのが好ましい。ただし、粉砕溶媒に対する固形分の割合が30%以上の場合には、粉砕溶媒を含んだ粉砕物のままで加熱工程(IV)に供してもよい。
粉砕溶媒としては、固化物が溶けにくく、有機化合物となじみのよい適度の極性を持つ溶媒であって、固化物および有機化合物と混合した際に粘度が著しく上昇しない溶媒が好ましい。コストや安全性の面からは水が好ましい。一方、固化物が溶出してしまう等の問題が発生する場合には、有機溶媒が好ましい。有機溶媒としては、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、ヘキサン、トルエン等が挙げられる。粉砕溶媒は、水、アセトンおよびイソプロピルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、特にアセトンが好ましい。
粉砕溶媒の使用量は、固化物および有機化合物の合計量(質量)の固化物、有機化合物および溶媒の合計量(質量)に対する割合である濃度が1〜80%となる量が好ましく、10〜40%となる量が特に好ましい。粉砕溶媒の使用量を上記範囲の下限値以上とすることで、生産性を高めることができる。上記範囲の上限値以下とすることで、固化物および有機化合物の混合、粉砕を効率よく進めることができる。
粉砕物の平均粒径は、体積基準のメディアン径で10nm〜10μmが好ましく、100nm〜5μmが特に好ましい。平均粒径が上記範囲の下限値以上であると、加熱工程(IV)を実施するときに、化合物(2)同士が焼結して粒径が大きくなりすぎることがないために好ましい。上記範囲の上限値以下であると、加熱工程(IV)での加熱温度や時間を低減できるため好ましい。ただし、粒径が10nm未満というような非常に細かい粒子が多く含まれると、加熱工程(IV)を実施するときに焼結助剤の作用をし、加熱後の平均粒径が大きくなる場合がある。平均粒径の測定は、例えば沈降法やレーザー回折/散乱式粒子径測定装置、フロー式粒子画像分析装置で測定できる。
[加熱工程(IV)]
加熱工程(IV)は、粉砕工程(III)で得られた粉砕物を不活性ガス中または還元ガス中で加熱し、粉砕物から化合物(2)を合成しつつ、該化合物(2)の表面の少なくとも一部を導電性炭素で被覆した二次電池用正極活物質を得る工程である。加熱工程(IV)においては、化合物(2)の粒子を得ることが好ましく、化合物(2)の結晶粒子を得ることがより好ましく、オリビン型の結晶構造を有する化合物(2)の結晶粒子を得ることが特に好ましい。化合物(2)は非晶質物を含まないことが好ましい。化合物(2)が非晶質物を含まない場合には、X線回折でハローパターンが検出されない。
式(2)における元素A、元素M、a、bおよびcの好ましい範囲は、式(1)におけるのと同じである。eの値は、0≦e≦1.2がより好ましく、0≦e≦0.7が特に好ましい。
加熱温度は、500〜1,000℃が好ましく、600〜900℃が特に好ましい。加熱温度が上記範囲の下限値以上であると、反応が生じやすく、上記範囲の上限値以下であると粉砕物が融解しにくく、結晶系や粒子径を制御しやすい。加熱は、一定温度で保持することに限らず、多段階に保持温度を設定して行ってもよい。加熱温度を高くするほど、生成する粒子の粒子径が大きくなる傾向があるため、所望の粒子径に応じて加熱温度を設定するのが好ましい。加熱時間(加熱温度による保持時間)は所望の粒子径を考慮して1〜72時間が好ましい。加熱は、電気、石油、ガス等を熱源とする、ボックス炉、トンネルキルン炉、ローラーハース炉、ローラーキルン炉、マイクロウェーブ加熱炉等で行うのが好ましい。
加熱は不活性ガス中または還元ガス中で実施する。圧力は、常圧、加圧、減圧(0.9×105Pa以下)のいずれであってもよい。また、加熱炉内に還元剤(例えばグラファイト)を入れた容器を装填してもよい。このような加熱工程(IV)によれば、粉砕物中のMイオンの還元(例えばM3+からM2+への変化)を促進できる。これによって、化合物(2)、特に化合物(2)の結晶粒子が得られる。
加熱の後は、通常は室温まで冷却する。該冷却における冷却速度は−30℃/時間〜−300℃/時間が好ましい。冷却速度を該範囲にすることにより、加熱による歪みを除去でき、生成物が結晶体である場合は、結晶構造を保ったまま目的物を得ることができる。また、冷却は、放置して室温まで冷却してもよい。冷却は、放置して室温まで冷却させるのが好ましい。冷却は不活性ガス中または還元ガス中で行うのが好ましい。
本発明における二次電池用正極活物質は、化合物(2)が結晶部分を含むことが好ましく、特に結晶であることが好ましい。多電子型の理論電気容量の二次電池用正極活物質に近づけることができる。本明細書に記載する方法で製造した場合、通常はオリビン型結晶構造の粒子を備える二次電池用正極活物質を得ることができる。
本発明における二次電池用正極活物質の比表面積は10〜70m2/gが好ましい。15〜60m2/gがより好ましく、20〜50m2/gが特に好ましい。比表面積を該範囲とすることにより、導電性が高くなる。比表面積は、例えば窒素吸着法による比表面積測定装置で測定できる。
二次電池用正極活物質を構成する化合物(2)の結晶粒子は、一次粒子および二次粒子の双方を含む。なお、得られた二次電池用正極活物質中に二次粒子が存在する場合、一次粒子が破壊されない程度の範囲で解砕および粉砕してもよい。結晶粒子の平均粒径は導電性を高めるために、体積基準のメディアン径で10nm〜10μmが好ましく、100nm〜2μmが特に好ましい。なお、該化合物(2)の平均粒径は、結晶粒子だけでなく非晶質粒子を含んでいたとしても同様に、体積基準のメディアン径で10nm〜10μmが好ましく、100nm〜2μmが特に好ましい。
二次電池用正極活物質を構成する化合物(2)は、理論容量の点からケイ酸を含む化合物が好ましい。
化合物(2)は、式(3)で表される化合物が好ましい。mは0<m<1が好ましく、容量、電圧が向上することから、0.3<m<1がより好ましく、0.5<m<1がさらに好ましい。
Li2+f(FeMn1−mSiO4+h (3)
(fは−0.1≦a≦0.4であり、gは0.7≦b≦1.3であり、mは0≦m≦1である。hはf、g、およびFeMn1−mの平均価数に依存する数である。)
二次電池用正極活物質を構成する化合物(2)の例を以下に示す。
Li2FeSiO4、Li2MnSiO4、Li2CoSiO4、Li2NiSiO4、Li2Fe0.5Mn0.5SiO4、Li2Fe0.25Mn0.25Co0.25Ni0.25SiO4
本発明の製造方法は、二次電池用正極活物質を構成する化合物(2)の組成や粒径等の制御がしやすく、さらに化合物(2)の表面の少なくとも一部を導電性炭素で効率よく被覆できると共に、導電性炭素の密着性を高めることができるため、電気伝導性を含む特性や信頼性に優れる二次電池用正極活物質を安価にかつ簡便に製造できる。特に、オリビン型結晶構造を有する化合物(2)を備える二次電池用正極活物質の製造性、特性、信頼性等を高めることができる。さらに、化学組成や粒子径の均一性に優れ、かつ高い結晶性を有する化合物(2)を備える二次電池用正極活物質を得ることができる。
<二次電池用正極および二次電池の製造方法>
本発明の製造方法によって得られる二次電池用正極活物質を用いることによって、二次電池用正極および二次電池を製造できる。二次電池としては、金属リチウム二次電池、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池等が挙げられるが、リチウムイオン二次電池が好ましい。電池形状は制限されることはなく、例えば円筒状、角型、コイン型等の種々の形状およびサイズを適宜採用できる。
二次電池用正極は、本発明の製造方法で得られる二次電池用正極活物質を用いて、公知の電極の製造方法にしたがって製造できる。例えば、本発明の二次電池用正極活物質を必要に応じて公知の結着材(ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルクロライド、エチレンプロピレンジエンポリマー、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロセルロース等)と混合した後、得られた混合粉末をステンレス鋼製等の支持体上に圧着成形したり、金属製容器に充填すればよい。また、例えば、該混合粉末を有機溶剤(N−メチルピロリドン、トルエン、シクロヘキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等)と混合して得られたスラリーを、アルミニウム、またはステンレス等の金属基板上に塗布する等の方法も採用できる。
二次電池の構造は、本発明の製造方法で得られる二次電池用正極を電極として用いる以外は、公知の二次電池における構造を採用することができる。セパレータ、電池ケース等についても同様である。負極としては、活物質として公知の負極用活物質を使用でき、炭素材料、アルカリ金属材料およびアルカリ土類金属材料からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。電解液としては、非水系の電解液が好ましい。すなわち、本発明の製造方法で得られる二次電池としては、非水電解質リチウムイオン二次電池が好ましい。
本発明の製造方法で得られる二次電池は、プラグインハイブリッド自動車や電気自動車に搭載する二次電池として、また、電力貯蔵用の蓄電池として有用である。
本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は以下の説明に限定されない。例1〜14は参考例、例21〜29は実施例、例41、49は比較例、例30〜33、42〜48は参考例である。なお、有機化合物の残渣の割合、得られる二次電池用正極活物質の平均粒径、比表面積、残炭素の割合および二次電池の初期放電容量は、以下に示す方法で測定した。
(有機化合物の残渣の割合)
前述の通りに測定し、計算した。
(残炭素の割合)
二次電池用正極活物質の残炭素の割合(質量%)を炭素分析装置(堀場製作所社製、装置名:EMIA−321V)を用いて測定した。
(二次電池用正極活物質の平均粒径)
二次電池用正極活物質を水で希釈した後、フロー式粒子画像分析装置(シスメックス社製、装置名:FPIA−3000)を用いて、体積基準のメディアン径を測定した。
(二次電池用正極活物質の比表面積)
窒素吸着法による比表面積測定装置(島津製作所社製、装置名:ASAP2020)にて測定した。
(二次電池の初期放電容量)
二次電池の充放電特性を、充放電評価装置(東洋システム社製、装置名:TOSCAT−3000)を用いて測定した。二次電池を25℃において4.5Vまで定電流で、その後4.5Vで1.5mA/gとなるまで定電圧充電し、15mA/gで1.5Vまでの放電容量を評価した。
[例1〜14]
有機化合物の残渣の割合を測定した。例1〜10の有機化合物の残渣の割合は、15質量%以下であった。例11〜14の有機化合物の残渣の割合は、15質量%を超えていた。結果を表1に示す。なお、有機化合物の名称のなかの数値は数平均分子量を意味する。
Figure 2012133584
[例21]
(溶融工程(I))
溶融物の組成がLi2O、FeO、MnO、SiO2換算量(単位:モル%)で、それぞれ33.3モル%、16.7モル%、16.7モル%、33.3モル%となるように、炭酸リチウム(Li2CO3)、四酸化三鉄(Fe34)、二酸化マンガン(MnO2)、二酸化ケイ素(SiO2)を秤量し、乾式で混合・粉砕して、原料調合物を得た。
該原料調合物を、ロジウムを20質量%含む白金合金製のるつぼに充填した。次に、るつぼをケイ化モリブデン製の発熱体を備える電気炉(モトヤマ社製、装置名:NH−3035)の中に入れた。該電気炉を2L/分でN2ガスを流通しつつ、+300℃/時間の速度で昇温し、1,450℃で0.5時間加熱して、溶融物を得た。
(冷却工程(II))
溶融工程(I)で得たるつぼ中の溶融物を、毎分400回転する直径約15cmのステンレス製双ローラを通すことにより、−1×105℃/秒で室温になるまで冷却し、フレーク状の固化物を得た。該フレーク状固化物の厚さは、5枚測定して、49〜89μmであった。
(粉砕工程(III))
冷却工程(II)で得たフレーク状固化物を、カッターミルにより30秒間粉砕し、目開き150μmのふるいを通した。ふるい後の粉砕物10gと、メラミン2.5gと、粉砕メディアとして直径5mmのジルコニア製ボールの400gと、粉砕溶媒としてアセトンの75mLとを、共にPP製ボトル(250mL)に入れ、卓上型ポットミル架台(アズワン社製、装置名:PM−001)を用いて、毎分280回転で72時間粉砕した。次に、得られた溶液をジルコニアボールと分離し、直径1mmのジルコニア製ボールの400gと共にPP製ボトル(250mL)に入れ、同様に卓上型ポットミル架台を用いて毎分280回転で72時間粉砕した。メラミンの質量は、固化物の質量とメラミンの質量との合計量に対して20質量%である(本明細書では、炭素源仕込み量ともいう。)。得られた粉砕物の平均粒径は、体積基準のメディアン径で0.19μmであった。
(加熱工程(IV))
粉砕工程(III)で得た粉砕物を、乾燥してからアルミナ製コウ鉢に入れた。次に、アルミナ製コウ鉢を還元雰囲気焼成炉(モトヤマ社製、装置名:SKM−3035F−SP)の中に入れた。該焼成炉内を1.5L/分で3体積%H2−N2ガスを流通しつつ、700℃で8時間加熱して、二次電池用正極活物質を得た。得られた二次電池用正極活物質の比表面積は、29.8m2/gであった。該二次電池用正極活物質は、加熱工程(IV)により析出させたケイ酸化合物の結晶粒子の表面の少なくとも一部をメラミンに由来する導電性炭素で被覆したものである。得られたケイ酸化合物の鉱物相を、X線回折装置(リガク社製、装置名:RINT TTRIII)を用いて調べたところ、オリビン型の結晶であることが確認された。図1にケイ酸化合物のX線回折パターンを示す。また、該二次電池用正極活物質における残炭素の割合は3.1質量%であった。
(正極シートの製造)
加熱工程(IV)で得た二次電池用正極活物質と、アセチレンブラックと、ポリフッ化ビニリデンを12.1質量%含むポリフッ化ビニリデン溶液(溶媒:N−メチルピロリドン)とを混合し、さらにN−メチルピロリドンを添加してスラリーを製造した。正極活物質とアセチレンブラックとポリフッ化ビニリデンの質量比は80:12:8とした。次に、スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔にドクターブレードを用いて片面塗工した後、120℃で乾燥し、さらにロールプレス圧延を2回行うことによって、正極シートを製造した。
(二次電池の製造および評価)
該正極シートを直径18mmに打ち抜いたものを正極として用いると共に、厚さ500μmの金属リチウム箔を負極として用い、さらに負極集電体として厚さ1mmのステンレス板、セパレータとして厚さ25μmの多孔質ポリプロピレン、さらに電解液としてエチレンカーボネート(EC)とジエチレンカーボネート(DEC)との混合溶媒(体積比、EC:DEC=1:1)に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1mol/Lの濃度で溶解した混合溶液を用いて、ステンレス製簡易密閉セル型電池をアルゴングローブボックス内で組み立てた。得られた二次電池の初期放電容量を表2に示す。
[例22〜29:二次電池用正極活物質の製造および評価]
表2の処方で、例21と同様に二次電池用正極活物質の製造し、評価した。結果を表2に示す。
[例30:二次電池用正極活物質の製造および評価]
(溶融工程(I))
溶融物の組成がLi2O、FeO、MnO、SiO2、P25、B23、Al23換算量(モル%)で、それぞれ33.0モル%、16.9モル%、16.9モル%、32.2モル%、0.4モル%、0.4モル%、0.2モル%となるように、炭酸リチウム(Li2CO3)、四酸化三鉄(Fe34)、二酸化マンガン(MnO2)、二酸化ケイ素(SiO2)、リン酸二水素アンモニウム(NH42PO4)、酸化ホウ素(B23)、酸化アルミニウム(Al23)を秤量し、乾式で混合・粉砕して、原料調合物を得た。
該原料調合物を例21と同様にして加熱し、溶融物を得、フレーク状の固化物を得た。次いで、有機化合物をカンファーに変更する以外は、例21と同様にして粉砕工程(III)を行い、平均粒径が体積基準のメディアン径で0.16μmの粉砕物を得た。次いで、例21と同様にして加熱工程(IV)を行い、二次電池用正極活物質を得た。
該二次電池用正極活物質を用いて例21と同様にして、正極シートの製造、二次電池の製造および評価を行った。結果を表2に示す。
[例31:二次電池用正極活物質の製造および評価]
(溶融工程(I))
溶融物の組成がLi2O、FeO、MnO、SiO2、P25換算量(モル%)で、それぞれ32.8モル%、17.2モル%、17.2モル%、31.1モル%、1.7モル%となるように、炭酸リチウム(Li2CO3)、四酸化三鉄(Fe34)、二酸化マンガン(MnO2)、二酸化ケイ素(SiO2)、リン酸二水素アンモニウム(NH42PO4)を秤量し、乾式で混合・粉砕して、原料調合物を得た。
該原料調合物が異なる以外は例30と同様にして、二次電池用正極活物質の製造、正極シートの製造、二次電池の製造および評価を行った。結果を表2に示す。
[例32:二次電池用正極活物質の製造および評価]
(溶融工程(I))
溶融物の組成がLi2O、FeO、MnO、SiO2、B23換算量(モル%)で、それぞれ32.8モル%、17.2モル%、17.2モル%、31.1モル%、1.7モル%となるように、炭酸リチウム(Li2CO3)、四酸化三鉄(Fe34)、二酸化マンガン(MnO2)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化ホウ素(B23)を秤量し、乾式で混合・粉砕して、原料調合物を得た。
該原料調合物が異なる以外は例30と同様にして、二次電池用正極活物質の製造、正極シートの製造、二次電池の製造および評価を行った。結果を表2に示す。
[例33:二次電池用正極活物質の製造および評価]
(溶融工程(I))
溶融物の組成がLi2O、FeO、P25換算量(モル%)で、それぞれ25モル%、50モル%、25モル%となるように、炭酸リチウム(Li2CO3)、四酸化三鉄(Fe34)、リン酸二水素アンモニウム(NH42PO4)を秤量し、乾式で混合・粉砕して、原料調合物を得た。
該原料調合物が異なる以外は例30と同様にして、二次電池用正極活物質の製造、正極シートの製造、二次電池の製造および評価を行った。結果を表2に示す。
[例41:二次電池用正極活物質の製造および評価]
粉砕工程(III)において、有機化合物を添加しない以外は、例21と同様にして、二次電池用正極活物質の製造、正極シートの製造、二次電池の製造および評価を行った。結果を表3に示す。
[例42:二次電池用正極活物質の製造および評価]
有機化合物としてD−グルコース(関東化学社製、試薬)の0.12g(炭素源仕込み量:1.0質量%)およびスクロース(関東化学社製、試薬)の2.15g(炭素源仕込み量:17.1質量%)と、炭素系導電性物質としてアセチレンブラック(電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)の0.3g(炭素源仕込み量:2.4質量%)とを添加する以外は、例21と同様にして、二次電池用正極活物質の製造、正極シートの製造、二次電池の製造および評価を行った。結果を表3に示す。
[例43〜45:二次電池用正極活物質の製造および評価]
有機化合物を、アスコルビン酸(関東化学社製、試薬)に変更する、または、有機化合物を添加せずに炭素系導電性物質としてアセチレンブラック(電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)またはカーボンファイバ(昭和電工社製、商品名:VGCF−H)を用いる以外は、例21と同様にして、二次電池用正極活物質の製造、正極シートの製造、二次電池の製造および評価を行った。結果を表3に示す。
[例46:二次電池用正極活物質の製造および評価]
有機化合物としてD−グルコース(関東化学社製、試薬)の0.12g(炭素源仕込み量:1.0質量%)およびスクロース(関東化学社製、試薬)の2.15g(炭素源仕込み量:17.1質量%)と、炭素系導電性物質としてアセチレンブラック(電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)の0.3g(炭素源仕込み量:2.4質量%)とを添加する以外は、例30と同様にして、二次電池用正極活物質の製造、正極シートの製造、二次電池の製造および評価を行った。結果を表3に示す。
[例47:二次電池用正極活物質の製造および評価]
有機化合物としてD−グルコース(関東化学社製、試薬)の0.12g(炭素源仕込み量:1.0質量%)およびスクロース(関東化学社製、試薬)の2.15g(炭素源仕込み量:17.1質量%)と、炭素系導電性物質としてアセチレンブラック(電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)の0.3g(炭素源仕込み量:2.4質量%)とを添加する以外は、例31と同様にして、二次電池用正極活物質の製造、正極シートの製造、二次電池の製造および評価を行った。結果を表3に示す。
[例48:二次電池用正極活物質の製造および評価]
有機化合物としてD−グルコース(関東化学社製、試薬)の0.12g(炭素源仕込み量:1.0質量%)およびスクロース(関東化学社製、試薬)の2.15g(炭素源仕込み量:17.1質量%)と、炭素系導電性物質としてアセチレンブラック(電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)の0.3g(炭素源仕込み量:2.4質量%)とを添加する以外は、例32と同様にして、二次電池用正極活物質の製造、正極シートの製造、二次電池の製造および評価を行った。結果を表3に示す。
[例49:二次電池用正極活物質の製造および評価]
有機化合物としてD−グルコース(関東化学社製、試薬)の0.12g(炭素源仕込み量:1.0質量%)およびスクロース(関東化学社製、試薬)の2.15g(炭素源仕込み量:17.1質量%)と、炭素系導電性物質としてアセチレンブラック(電気化学工業社製、商品名:デンカブラック)の0.3g(炭素源仕込み量:2.4質量%)とを添加する以外は、例33と同様にして、二次電池用正極活物質の製造、正極シートの製造、二次電池の製造および評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2012133584
Figure 2012133584
表2、表3から、例21〜29の二次電池用正極活物質を用いて製造した二次電池は、粉砕工程(III)で有機化合物や炭素系導電性物質を添加せずに製造した例41の二次電池用正極活物質を用いて製造した二次電池に比べて初期放電容量が非常に高いことが確認された。
本発明の製造方法によって得られる二次電池用正極活物質を用いることによって、二次電池用正極および二次電池を製造できる。本発明の製造方法により得られる二次電池は、プラグインハイブリッド自動車や電気自動車に搭載する二次電池として、また、電力貯蔵用の蓄電池として有用である。
なお、2011年3月28日に出願された日本特許出願2011−071049号の明細書、特許請求の範囲、図面及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (16)

  1. 元素A、元素M、元素Xおよび元素Zを含む原料を、元素A、元素M、元素Xおよび元素Zのモル比が下式(2)で表されるモル比となるように調整してなる原料調合物を加熱して溶融物を得る工程、
    前記溶融物を冷却して固化物を得る冷却工程、
    前記固化物と有機化合物とを含む、粉砕物を得る粉砕工程、および
    前記粉砕物を不活性ガス中または還元ガス中で加熱して、下式(2)で表される組成を有する化合物の表面の少なくとも一部を導電性炭素で被覆した二次電池用正極活物質を得る加熱工程、
    をこの順に実施することを特徴とする二次電池用正極活物質の製造方法であって、
    前記有機化合物が、不活性ガス中または還元ガス中にて700℃で8時間の加熱をした時の残渣の割合が、15質量%以下である有機化合物であることを特徴とする二次電池用正極活物質の製造方法。
    abcde (2)
    (式(2)中、AはLi、NaおよびKからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、MはFe、Mn、CoおよびNiからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、XはSi、Zはハロゲンを示し、aは0.8≦a≦2.7、bは0.6≦b≦1.4、cは0.9≦c≦1.1であり、dはa、b、c、eの数値、および、Mの価数およびXの価数に依存する数であり、eはe≦aであり、0≦e≦2.2である。)
  2. 下式(1)で表される組成を有する溶融物を得る溶融工程、
    前記溶融物を冷却して固化物を得る冷却工程、
    前記固化物と有機化合物とを含む、粉砕物を得る粉砕工程、および
    前記粉砕物を不活性ガス中または還元ガス中で加熱して、下式(2)で表される組成を有する化合物の表面の少なくとも一部を導電性炭素で被覆した二次電池用正極活物質を得る加熱工程、
    をこの順に実施することを特徴とする二次電池用正極活物質の製造方法であって、
    前記有機化合物が、不活性ガス中または還元ガス中にて700℃で8時間の加熱をした時の残渣の割合が、15質量%以下である有機化合物である、請求項1に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
    abcd1e1 (1)
    (式(1)中、AはLi、NaおよびKからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、MはFe、Mn、CoおよびNiからなる群より選ばれる少なくとも1種の元素、XはSi、Zはハロゲンを示し、aは0.8≦a≦2.7、bは0.6≦b≦1.4、cは0.9≦c≦1.1であり、d1はa、b、c、e1の数値、および、Mの価数およびXの価数に依存する数であり、加熱工程後にdとなる数であり、e1はe1≦aであり、0≦e1≦2.2であり、加熱工程後にeとなる数であり、0≦e≦e1である。)
    abcde (2)
    (式(2)中、A、MおよびXは前記と同じ種類の元素を示し、a、bおよびcは前記と同じ数値範囲を示すが、前記とは独立した値であり、dはa、b、c、eの数値、および、Mの価数およびXの価数に依存する数であり、eはe≦aであり、0≦e≦2.2である。)
  3. 前記粉砕工程が、前記固化物と前記有機化合物との混合物を粉砕する工程、または、前記固化物と前記有機化合物とをそれぞれ粉砕した後に混合する工程、である、請求項1または2に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
  4. 前記有機化合物が、水酸基または水酸基の誘導基、カルボキシル基またはカルボキシル基の誘導基、スルホン酸基またはスルホン酸基の誘導基、およびエーテル性酸素からなる群より選ばれる少なくとも1種を有する脂肪族非環状ポリマー、脂肪酸、セルロースまたはセルロースの誘導体、二環性モノテルペンまたは二環性モノテルペンの誘導体、および、複素環式アミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
  5. 前記有機化合物が、ポリビニルアルコール、エチルセルロース、メラミンおよびカンファーからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
  6. 前記粉砕工程における前記有機化合物の使用量が、固化物の質量と有機化合物の質量との合計量に対して、1〜50質量%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
  7. 前記粉砕工程における粉砕が、溶媒の存在下に行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
  8. 前記溶媒が、水、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、ヘキサンおよびトルエンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項7に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
  9. 前記溶融工程が、
    Aを含む化合物が、Aの炭酸塩、Aの炭酸水素塩、Aの水酸化物、Aのケイ酸塩、Aのリン酸塩、Aのホウ酸塩、Aのフッ化物、Aの塩化物、Aの硝酸塩、Aの硫酸塩およびAの有機酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種(ただし、該少なくとも1種の一部または全部は、それぞれ水和塩を形成していてもよい。)として含まれ、
    Mを含む化合物が、Mの酸化物、Mの水酸化物、Mのオキシ水酸化物、Mのケイ酸塩、Mのリン酸塩、Mのホウ酸塩、金属M、Mのフッ化物、Mの塩化物、Mの硝酸塩、Mの硫酸塩、Mの有機酸塩およびMのアルコキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種として含まれ、
    Xを含む化合物が、Xの酸化物、Xのアルコキシド、および、AまたはMのケイ酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種として含まれ、
    Zを含む化合物が、AまたはMのフッ化物、および、AまたはMの塩化物からなる群より選ばれる少なくとも1種として含まれる、
    原料調合物を加熱して、前記溶融物を得る工程である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
  10. 前記加熱工程を500〜1,000℃で行う、請求項1〜9のいずれか一項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
  11. 前記冷却工程における前記溶融物の冷却速度が−103℃/秒〜−1010℃/秒である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
  12. AがLiであり、MがFeおよびMnからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
  13. 前記二次電池用正極活物質の比表面積が10〜70m2/gである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
  14. 前記二次電池用正極活物質が、表面の少なくとも一部が導電性炭素で被覆されたオリビン型結晶構造の粒子である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の製造方法で二次電池用正極活物質を得て、次に該二次電池用正極活物質を用いて二次電池用正極を製造することを特徴とする二次電池用正極の製造方法。
  16. 請求項15に記載の製造方法で二次電池用正極を得て、次に該二次電池用正極を用いて二次電池を製造することを特徴とする二次電池の製造方法。
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