JPWO2012131850A1 - ステータコア製造方法 - Google Patents
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Abstract
本願は、歪の小さい切断部を有するヨーク部を有するステータを製造するステータの製造方法を提供すること、を課題とする。そこで、1か所のみ切断部が成型されたヨーク部とティース部とを備えるコア鋼板を積層して成型されたステータコアに切断部を成型するステータコア製造方法において、成型前鋼板にコア鋼板の内径にティース部と内径穴を成型する内径穴成型工程と、成型前鋼板のうちコア鋼板が打ち抜かれる部分の外周部に1か所の下穴を成型する下穴成型工程と、内径穴から下穴に対して切断部を成型する切断部成型工程と、成型前鋼板からコア鋼板を抜き落とすコア鋼板打抜き工程と、を有することを特徴とする。
Description
本発明は、ヨーク部とティース部とを備えるコア鋼板を順送プレス工程により順次成型し、前記コア鋼板を積層したステータコアを成型するステータコア製造方法に関する。
コイルをステータコアのティース部に差し込むステータコアがある。ステータコアの真円度、及び端面の平行度は、プレスの加工精度により決定する。一度のプレスによりコア鋼板を製造することができる一体型のステータコアは、分割されたコアを個別に組み立てる分割型のステータコアと比較して、真円度、及び端面の平行度を上げることが容易である。
一体型のステータコアにおいては、例えばエッジワイズコイルをティース部に順に差し込むことでステータコアを製造する。しかし、図14に示すように、ステータコア100においては、最後のコイル109をティース部108に差し込むとき、最後のコイル109が最初に差し込んだ隣接するコイル105、及びコイル107と干渉する。すなわち、図14の点線Rの一部拡大図である図15に示すように、コイル109の挿入幅Sが、隣接するコイル105からコイル107までの被挿入幅Uよりも大きいため最後のコイル109をティース部108に挿入することができない。
そのため、コイルをティース部に順に挿入した場合には、最後のコイル109をティース部108に挿入することができないため問題となる。
従来この種の技術としては、図16に示す特許文献1に記載するステータコア200がある。図16に示すように、ステータコア200のステータ201には、ティース部203が内周に成型され、ステータ201の両脇には、切込み206が成型されている。ステータ201のティース部203に束ねられたコイルを挿入する際には、ステータ201の外周を押圧する。それにより、各ステータ201の両脇の切込み206によりステータ201の変形が許容される。ステータ201が外周から押圧され切込み部206が広げられることにより、ティース部203が内周方向に突出する。ティース部203が内周方向に突出されることにより、束ねたコイルを挿入することができる。
以上から、一つ一つのステータ201を外周から押圧し、束ねられたコイルをティース部203に挿入することができる。その他、特許文献2及び3にもコイルをティース部に挿入する発明の記載がある。
しかしながら、従来技術には、以下の問題があった。すなわち、ステータコア200では、束ねられたコイルをティース部203に挿入するためには、一つ一つのティース部203ごとに、ステータ201の外周を押圧しなければならない問題がある。そのため、全周にティース部203が12か所ある場合には、12回ステータ201の外周を押圧しなければコイルをティース部203に挿入することができない。12回ステータ201の外周を押圧しなければならないと、工程数が増え生産性が悪くなるため問題となる。
また、ステータコア200では、切込み206が内周の全周にわたって成型されている。切込み206が全周にわたって成型されていると、ステータコア200の真円度、及びステータコア200の端面の平行度が悪くなるため問題となる。ステータコアの真円度とは、中空円筒形状のステータコアの真円度をいう。端面の平行度とは、中空円筒形状のステータコアの中空部の内壁端面と中心軸の平行度をいう。ステータコアの真円度と端面の平行度により、ステータコアとステータコアの中空部に収納するロータがぶつからないように、立体的な管理をする。
ステータコアの真円度、及び端面の平行度が悪いと、ロータをステータコアとぶつからないようにするため、ロータを小さくする必要がある。ロータを小さくすると、ステータコアとロータとの隙間が大きくなり、ステータコアとロータ間の磁束密度が低くなる。その結果としてモータの出力が小さくなるため問題となる。
ステータコア200の真円度、及び端面の平行度が悪化する理由は、ステータ201の外周を押圧すると、切込み206によりステータ201の変形が許容される。ステータ201の押圧を止めると、ステータ201は元の位置に復元力により戻る。しかし、復元力により元のステータ201の形状に戻るが、実際には、全周にわたって切込み206が成型されるため1つ1つの復元力が相違してくる。そのため、切込み206の復元力の相違の合計で、ステータコア200の真円度、及び端面の平行度が悪化するからである。
そこで、本出願人は、図1に示す、コア鋼板を積層して成型され、ヨーク部12とティース部Tとを備えるステータコアとティース部Tを周回して装着されるステータ構造1について提案した。本ステータ構造1は、ヨーク部12に切断部50が1か所のみ成型されていることを特徴としており、切断部50が1か所のみ成型されていることにより、真円度、及び端面の平行度を保った状態でコイルCをティース部Tに挿入することができる。
その理由は、図2に示すように、ステータ構造1では、切断部50を離間させて最後のティース部T12にコイルC12を挿入することができるようになった。切断部50を離間する際には、ステータコアの弾性変形の範囲内で切断部50を離間させる。ステータコアの弾性変形の範囲内での離間幅であれば、切断部50が塑性変形せずに弾性力により元の真円度が高く、端面の平行度が高い形状に戻るためである。
しかしながら、特許文献4乃至特許文献9には、ヨーク部に切断部を成型する製造方法は開示されていない。
また、上述の本出願人が提案したステータ構造1においては、切断部の成型方法は、薄板の鋼板を順送プレス工程により成型しステータコア鋼板を成型した後に、切断部を成型する予定であった。しかし、第1に、順送プレス工程後に切断部を成型する場合には、打ち抜き・かしめ・積層後にワイヤカットなどの切断設備工程が必要となりコストアップにつながるため問題となる。
また、第2に、順送プレス工程で切断部を成型する場合には、ヨーク部に歪が成型されるため問題となる。すなわち、切断部はヨーク部に対して抜き落とすものではなく、パンチを押圧することにより一か所を切断するものである。そのため、略ドーナツ形状のヨーク部の一端をダイス及び押さえ部材により固定した状態で、パンチにより他端を切断し切断部を成型すると、パンチにより押圧された他端部分が押圧され塑性変形が起き歪が生じる。歪が生じることにより、ステータコア鋼板を積層しステータコアを成型した場合に磁気特性が悪くなり、最終製品であるモータの性能が悪く問題がある。
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、第1にコストを低減したステータの製造方法、及び、第2に歪の小さい切断部を有するヨーク部を有するステータを製造するステータの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様におけるステータコア製造方法は、以下の構成を有する。
(1)ヨーク部とティース部とを備えるコア鋼板を順送プレス工程により順次成型し、前記コア鋼板を積層したステータコアを成型するステータコア製造方法において、前記順送プレス工程で前記コア鋼板の円周方向に1か所のみ径方向の切断部を成型すること、を特徴とする。
(2)(1)に記載するステータコア製造方法において、前記ステータコアは、前記コア鋼板を転積して積層されていること、前記コア鋼板の転積角度に応じて前記切断部の切断位置を変更すること、が好ましい。
(3)(1)に記載するステータコア製造方法において、前記切断部の切断位置を所定量円周方向に変更すること、が好ましい。
(4)(2)又は(3)に記載するステータコア製造方法において、前記切断部を成型する切断パンチを複数設けること、前記切断パンチが稼働又は非稼働に切り替え可能なこと、が好ましい。
(5)(2)又は(3)に記載するステータコア製造方法において、前記切断パンチが移動すること、が好ましい。
(6)(1)乃至(5)に記載するステータコア製造方法において、成型前鋼板に前記コア鋼板の内径に前記ティース部と内径穴を成型する内径穴成型工程と、前記成型前鋼板のうち前記コア鋼板が打ち抜かれる部分の外周部に1か所の下穴を成型する下穴成型工程と、前記内径穴から前記下穴に対して前記切断部を成型する切断部成型工程と、前記成型前鋼板から前記コア鋼板を抜き落とす鋼板打抜き工程と、を有することが好ましい。
(7)(6)に記載するステータコア製造方法において、前記下穴は長穴形状であること、が好ましい。
(8)本発明の他の態様におけるステータコア製造装置は、ヨーク部とティース部とを備えるコア鋼板を順送プレス工程により順次成型し、前記コア鋼板を転積して積層したステータコアを成型するステータコア製造装置において、前記順送プレス工程で前記コア鋼板の半径方向に1か所のみ切断部を成型する切断パンチを有すること、を特徴とする。
(9)(8)に記載するステータコア製造装置において、前記コア鋼板の転積角度に応じて前記切断パンチが切断位置へ移動すること、が好ましい。
(10)(8)に記載するステータコア製造装置において、前記切断パンチが切断位置へ所定量円周方向に移動すること、が好ましい。
(11)(9)又は(10)に記載するステータコア製造装置において、前記切断パンチを複数設けること、前記切断パンチが稼働又は非稼働に切り替え可能なこと、が好ましい。
(12)(8)乃至(11)に記載するステータコア製造装置において、成型前鋼板に前記コア鋼板の内径に前記ティース部と内径穴を成型する内径穴成型装置と、前記成型前鋼板のうち前記コア鋼板が打ち抜かれる部分の外周部に1か所の下穴を成型する下穴成型装置と、前記成型前鋼板から前記コア鋼板を抜き落とす鋼板打抜き装置と、を有することが好ましい。
(13)(12)に記載するステータコア製造装置において、前記下穴成型装置は長穴形状の下穴を成型すること、が好ましい。
上記(1)又は(8)の構成を有することにより、順送プレス工程でコア鋼板の円周方向に1か所のみ径方向の切断部を成型することができる。順送プレス工程で切断部を成型することができることにより、切断設備工程を行う設備を別途設ける必要がない。したがって、コストの低減化を図ることができる。
上記(2)又は(9)の構成を有することにより、コア鋼板の転積角度に応じて切断部の切断位置をかえることができる。転積角度に応じて切断位置をかえることにより、コア鋼板を転積した場合であっても切断部を成型することができる。
上記(3)又は(10)の構成を有することにより、切断位置を所定量変更したコア鋼板を成型することができる。切断位置を所定量変更したコア鋼板を成型することにより、完成したステータコアに嵌合凸部、及び嵌合凹部を成型することができる。それにより、ステータコアを弾性変形させた場合に、ステータコアの積層方向のズレを抑えることができる。積層方向のズレを抑えることにより、ステータコアの真円度、及び端面の平行度が高い元の形状に戻ることができる。
上記(4)又は(11)の構成を有することにより、迅速に切断部を成型することができる。すなわち、切断パンチを複数設け、切断パンチを稼働又は非稼働を切り替えることにより、コア鋼板の位置を変えることなく切断部を成型することができるため、迅速に切断部を成型したコア鋼板を成型することができる。
上記(5)の構成を有することにより、低コストで切断部を成型したコア鋼板を成型することができる。すなわち、切断部を移動させることによりコア鋼板の位置を変えることなく切断部を成型することができる。切断パンチを複数設置する場合やコア鋼板の位置を変える場合と比較して切断パンチを移動させる場合が最もコストが掛からないためコストを低コストで切断部を成型したコア鋼板を成型することができる。
上記(6)又は(12)の構成を有することにより、順送プレス工程でコア鋼板に切断部を成型する際に生じるコア鋼板の歪を低減することができる。すなわち、切断部成型工程により成型される切断部の両端となるコア鋼板の一端と他端が同じ位置に位置するコア鋼板を製造することができる。その理由は、切断部成型工程の前に下穴成型工程を設け、コア鋼板に下穴が成型された状態で切断部を成型することにより、コア鋼板には反力が生じ塑性変形をすることなくコア鋼板の一端と他端が同じ位置に位置することができるためである。
上記(7)又は(13)の構成を有することにより、必要鋼板面積を小さくすることができる。すなわち、下穴を長穴形状とすることにより下穴の横幅を短くすることができるため鋼板面積を小さくすることができる。
(第1実施形態)
第1に、製造物であるステータコアの構成(切断部の構成、切断部の製造方法を含む)を説明し、第2に、コイルの構成の説明をし、第3に、ステータコアへのコイルの挿入方法を説明することでステータの製造方法について説明する。
第1に、製造物であるステータコアの構成(切断部の構成、切断部の製造方法を含む)を説明し、第2に、コイルの構成の説明をし、第3に、ステータコアへのコイルの挿入方法を説明することでステータの製造方法について説明する。
<ステータコアの全体構成>
図1に、ステータコア1にコイルCを挿入する工程図(1)を示す。図2に、ステータコア1にコイルCを挿入する工程図(2)を示す。図3に、図1の点線Pの部分拡大図を示す。図4に、図2の点線Qの部分拡大図を示す。図5に、ステータコア1にコイルCを挿入した工程図(3)を示す。
図1に、ステータコア1にコイルCを挿入する工程図(1)を示す。図2に、ステータコア1にコイルCを挿入する工程図(2)を示す。図3に、図1の点線Pの部分拡大図を示す。図4に、図2の点線Qの部分拡大図を示す。図5に、ステータコア1にコイルCを挿入した工程図(3)を示す。
図1の、ステータコア1は、薄板のステータコア鋼板80(請求項中の「コア鋼板」)が複数段積層されることにより中空円筒形状に成型される。ステータコア鋼板80については、後述する。本実施形態においては、ステータコア1の直径は、200mmである。ステータコア1の内周面には所定のピッチで12個のティース部Tが成型されている。ティース部Tのうち12個のティース部は、それぞれ第1ティース部T1、第2ティース部T2、・・・第12ティース部T12と示す。
ティース部Tには、平角導体の巻線を複数束ねて成型された12個のコイルCが各々支持されている。コイルCは、12個のティース部Tに対応するため、本実施形態においては12個のコイルCを有する。コイルCのうち12個のコイルは、それぞれ第1コイルC1、第2コイルC2、・・・第12コイルC12と示す。
(切断部の構成)
図1に示すように、ステータコア1は、径方向へ延びる切断部50が成型されている。切断部50は、薄板の鋼板の全てにわたって成型されているため、ステータコア1に引張力を加えると、図2に示すようにステータコア1は弾性変形し、切断部50は離間する。切断部50が離間するとは、切断部50のヨーク部12のうち第1ティース部T1側に成型された切断部一端51と、切断部50のヨーク部12のうち第12ティース部T2側に成型された切断部他端52が離間することである。切断部50に力が加わらないときには、図1、及び図3に示すように、切断部一端51と切断部他端52は当接した状態にある。
図1に示すように、ステータコア1は、径方向へ延びる切断部50が成型されている。切断部50は、薄板の鋼板の全てにわたって成型されているため、ステータコア1に引張力を加えると、図2に示すようにステータコア1は弾性変形し、切断部50は離間する。切断部50が離間するとは、切断部50のヨーク部12のうち第1ティース部T1側に成型された切断部一端51と、切断部50のヨーク部12のうち第12ティース部T2側に成型された切断部他端52が離間することである。切断部50に力が加わらないときには、図1、及び図3に示すように、切断部一端51と切断部他端52は当接した状態にある。
引張力を加えステータコア1が弾性変形すると、弾性変形の範囲で切断部50が離間し図4に示す隙間Lを開けることができる。隙間Lの幅は、切断部一端51から切断部他端52までの長さである。隙間Lの幅は、本実施形態においては約3mmの長さである。隙間Lの幅を約3mm開くこととしたのは、弾性変形の範囲であり、ステータコア1が弾性力により戻ったあとに、真円度、及び端面の平行度に影響を与えない範囲だからである。また、隙間Lの幅を約3mm開くことにより、最後の第12コイルC12を最後の第12ティース部T12に挿入することができる長さを確保できるからである。また、直径が200mmのステータコア1において、隙間Lの幅を約3mm離間させる程度では、真円度、及び端面の平行度に影響を与えることがないためである。
本実施形態においては隙間Lの幅Lを約3mmとしたが、弾性変形の範囲であり、ステータコア1が塑性変形しない領域であれば、隙間Lの幅は約3mmでなくてもよい。すなわち、弾性変形の範囲は、ステータコア1の素材によっても変更し、また、ステータコア1の大きさによっても変化するものである。そのため、隙間Lの幅は本実施形態における約3mmに限られない。
また、隙間Lの幅は、最後の第12ティース部T12に第12コイルC12を挿入できる幅が成型されるだけ離間すればよい。そのため、本実施形態においては、12個のティース部を有するが、ティース部が18個、24個等のように増えた場合や、9個、6個のように減った場合には、隙間Lの幅は変わってくる。
なお、図2、及び図4においては、切断部50の離間する隙間Lの幅を理解しやすいように、概念図として大きく記載したが、実際の隙間Lの幅は約3mmであるため小さい。
(コイルの構成)
図13に、第1コイルC1の外観斜視図を示す。図13で、第1コイルC1について説明するが、その他の第2コイルC2乃至第12コイルC12も同様の構成を有する。
図13に、第1コイルC1の外観斜視図を示す。図13で、第1コイルC1について説明するが、その他の第2コイルC2乃至第12コイルC12も同様の構成を有する。
図13に示すように、第1コイルC1は、平角導体をエッジワイズ曲げ加工して成型したコイルであり、図示しないエッジワイズ曲げ巻線装置によって成型される。第1コイルC1の端部は第1端部C1a及び第2端部C1bが設けられている。第1端部C1a又は第2端部C1bの片側が巻き初めとなり片側が巻き終わりとなる。第1コイルC1は略台形形状に巻回されており、第1端部C1a側に巻かれるほど短辺が長くなる構成となっている。
本実施形態においては、成形済み第1コイルC1として、エッジワイズコイルについて説明するが、断面が丸形でも、角形でも、成形されて形状が確定しているものであれば、他の種類のコイルでも同じである。
(ステータコア鋼板の製造方法)
図17乃至図20を用いてステータコア鋼板80の製造方法を説明する。ステータコアは順送プレス工程により製造する。図17に、ステータコア鋼板80の製造方法の第1工程を示し、図18に第2工程を示し、図19に第3工程を示し、図20に第4工程を示す。
図17乃至図20を用いてステータコア鋼板80の製造方法を説明する。ステータコアは順送プレス工程により製造する。図17に、ステータコア鋼板80の製造方法の第1工程を示し、図18に第2工程を示し、図19に第3工程を示し、図20に第4工程を示す。
(ステータコア鋼板の構成)
ステータコア鋼板80の製造方法は、図20に示すステータコア鋼板80を製造するための製造方法である。ステータコア鋼板80は、中空円状の鋼板ヨーク部81と鋼板ヨーク部81の内周面に成型される鋼板ティース部Zを有する。本実施形態においては、ステータコア鋼板80の直径は、200mmである。ステータコア鋼板80の厚みは、2〜3mmである。ステータコア鋼板80の内周面には所定のピッチで12個の鋼板ティース部Zが成型されている。鋼板ティース部Zのうち12個の鋼板ティース部は、それぞれ第1鋼板ティース部Z1、第2鋼板ティース部Z2、・・・第12鋼板ティース部Z12と示す。第4鋼板ティース部Z4から第12鋼板ティース部Z12の符号を図20において省略する。
ステータコア鋼板80の製造方法は、図20に示すステータコア鋼板80を製造するための製造方法である。ステータコア鋼板80は、中空円状の鋼板ヨーク部81と鋼板ヨーク部81の内周面に成型される鋼板ティース部Zを有する。本実施形態においては、ステータコア鋼板80の直径は、200mmである。ステータコア鋼板80の厚みは、2〜3mmである。ステータコア鋼板80の内周面には所定のピッチで12個の鋼板ティース部Zが成型されている。鋼板ティース部Zのうち12個の鋼板ティース部は、それぞれ第1鋼板ティース部Z1、第2鋼板ティース部Z2、・・・第12鋼板ティース部Z12と示す。第4鋼板ティース部Z4から第12鋼板ティース部Z12の符号を図20において省略する。
(第1工程)
図示しない第1成型前鋼板91は、第1工程を行う前の薄板の鋼板である。第1工程においては、プレス加工をすることにより、第1成型前鋼板91から鋼板ティース部Zを成型する内径穴部材91Aを打ち抜いた第2成型前鋼板92を成型するための工程である。第1工程は、図示しないプレス加工装置である内径穴成型装置を用いることにより行う。図17に示すように、内径穴部材91Aを打ち抜いた第2成型前鋼板92には、内径穴92Aが成型される。内径穴92Aにそった形で鋼板ティース部Zが成型される。
図示しない第1成型前鋼板91は、第1工程を行う前の薄板の鋼板である。第1工程においては、プレス加工をすることにより、第1成型前鋼板91から鋼板ティース部Zを成型する内径穴部材91Aを打ち抜いた第2成型前鋼板92を成型するための工程である。第1工程は、図示しないプレス加工装置である内径穴成型装置を用いることにより行う。図17に示すように、内径穴部材91Aを打ち抜いた第2成型前鋼板92には、内径穴92Aが成型される。内径穴92Aにそった形で鋼板ティース部Zが成型される。
(第2工程)
第2工程においては、図18に示すように、プレス加工をすることにより、第2成型前鋼板92から下穴部92Bを打ち抜き、下穴92Cを成型する。第2工程は図示しないプレス加工装置である下穴成型装置を用いることにより行う。下穴部92Bは、2つの鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部81と向かい合う部分とする。具体的には、下穴部92Bは長辺と短辺を有する長孔形状である。また、長孔形状の内径穴92Aに近い長辺921Cが、図20に示す完成品であるステータコア鋼板80の鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部内周辺811とほぼ平行となる位置に成型する。内径穴92Aに近い長辺921Cは、図20に示す、ステータコア鋼板80の外周801と接しない部分に位置する。第4工程において、ステータコア鋼板80をプレス加工した後に、下穴92Cの形状が、最終形状であるステータコア鋼板80の外周801に残らないようにするためである。
第2工程においては、図18に示すように、プレス加工をすることにより、第2成型前鋼板92から下穴部92Bを打ち抜き、下穴92Cを成型する。第2工程は図示しないプレス加工装置である下穴成型装置を用いることにより行う。下穴部92Bは、2つの鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部81と向かい合う部分とする。具体的には、下穴部92Bは長辺と短辺を有する長孔形状である。また、長孔形状の内径穴92Aに近い長辺921Cが、図20に示す完成品であるステータコア鋼板80の鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部内周辺811とほぼ平行となる位置に成型する。内径穴92Aに近い長辺921Cは、図20に示す、ステータコア鋼板80の外周801と接しない部分に位置する。第4工程において、ステータコア鋼板80をプレス加工した後に、下穴92Cの形状が、最終形状であるステータコア鋼板80の外周801に残らないようにするためである。
第2工程における下穴部92Bの打ち抜きプレス加工は、120°おきに行われる。すなわち、図21に示すように、プレス加工により第2成型前鋼板92に対して、120°おきに、下穴92C、92D又は92Eのいずれか1つの下穴が成型される。図21においては、下穴92Cを成型しているため、下穴92D、92Eは穴が成型されていないため点線で示した。下穴92C、92D、及び92Eは120°おきに離れた間隔で成型される。120°おきに下穴を成型するのは、ステータコア鋼板80を積層しステータコアを成型する際には、ステータコアの円筒度を高めるため転積を行う。ステータコア鋼板80を120°おきに転積するため、下穴についても120°おきに成型したことによる。
下穴92C,92D、及び92Eは、図示しない下穴成型装置により成型する。下穴92C、92D、及び92Eは、120°おき成型されるため、図示しない下穴成型装置は、図21に示す下穴92C、92D、及び92Eに対応する、第2成型前鋼板92に対して向かって正面方向に3か所位置するように設置されている。下穴成型装置を3か所に設置し、1つの下穴成型装置が稼働しているときは、その他の下穴成型装置を非稼働とすることにより、第2成型前鋼板92を移動させることなくそのままの位置で、120°おきに下穴部92Bを打ち抜き下穴92C、92D、及び92Eを成型することができる。
(第3工程)
第3工程においては、図19に示すように、プレス加工することにより、内径穴92Aのうちステータコア鋼板80の鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部内周辺811から下穴92Cにかけて切断部90を成型する。具体的には、図23に示すように、第2成型前鋼板92のうち切断部90を成型する際の一端932を押さえ76及びダイス77により挟み込み固定する。次に、切断部90を成型する際の他端931を切断パンチ75により加圧する。切断パンチ75により加圧されることにより、第2成型前鋼板92に切断部90が成型され、図19に示す第3成型前鋼板93が成型される。切断パンチ75、押さえ76、及び、ダイス77により切断部成型機700を構成する。
第3工程においては、図19に示すように、プレス加工することにより、内径穴92Aのうちステータコア鋼板80の鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部内周辺811から下穴92Cにかけて切断部90を成型する。具体的には、図23に示すように、第2成型前鋼板92のうち切断部90を成型する際の一端932を押さえ76及びダイス77により挟み込み固定する。次に、切断部90を成型する際の他端931を切断パンチ75により加圧する。切断パンチ75により加圧されることにより、第2成型前鋼板92に切断部90が成型され、図19に示す第3成型前鋼板93が成型される。切断パンチ75、押さえ76、及び、ダイス77により切断部成型機700を構成する。
本実施形態においては、切断部90を成型する際、鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部内周辺811と下穴92Cの長辺921Cとの距離が短い。そのため、押さえ76及びダイス77により固定され、切断パンチ75により切断する際に、第3成型前鋼板93に生じる歪が小さくすることができる。すなわち、鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部内周辺811と下穴92Cの長辺921Cの距離が短いことにより、切断パンチ75により加圧する面積が小さくなり、第3成型前鋼板93の歪が小さくなるためである。
また、一端932と他端931がプレス加工により最も離れた部分になる。しかし、本実施形態においては、切断され切断パンチ75により他端931が押圧され下方向の荷重が掛かった場合であっても、他端931は反力により一端932と同じ位置にまで戻ることができる。すなわち、切断部90を成型するための鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部内周辺811と下穴92Cの長辺921Cまでの距離は短い。しかし、鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部内周辺811と下穴92Cの長辺921Cまでの距離以外の鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部内周辺811から第2成型前鋼板92の外周920までの距離は長い。そのため、多くの部分が鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部内周辺811から第2成型前鋼板92の外周920までの長い距離を持つ。長い距離を持つことにより、切断され下方向の荷重が掛かった場合でも、その荷重に対抗する反力を有することになる。反力を有するため、他端931が一端932と同じ位置にまで戻ることができる。したがって、他端931が一端932と同じ位置に戻ることができるため、ステータコア鋼板80に歪が生じない。
仮に、図20に示すステータコア鋼板80に切断部90がない状態で、最後に切断部90を成型したとする場合、鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部内周辺811と下穴92Cの長辺921Cまでの距離は短い。しかし、ステータコア鋼板80に切断部90をプレス加工により成型すると、歪が発生する問題が生じる。その理由は、下穴92Cを成型しない場合、鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部内周辺811とステータコア鋼板80の外周801の距離は全周にわたって同じである。また、鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部内周辺811とステータコア鋼板80の外周801の距離は全周にわたって短い。そのため、下穴92Cを設けず切断パンチ75により切断部90を成型すると、鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部内周辺811とステータコア鋼板80の外周801の距離が全周にわたって短いため、歪が生じる。すなわち、一端932と他端931がプレス加工により最も離れた部分になるが、切断されるとプレスにより他端931が押圧され下方向の荷重が掛かる。他端931に反力が働き戻ろうとするが、鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部内周辺811とステータコア鋼板80の外周801の距離が全周にわたって短いため、反力が足りず完全に元の位置に戻ることができない。そのため、歪が生じるのである。
本実施形態においては、切断部成型機700によりプレス加工し、内径穴92Aから下穴92Cにかけて切断部90を成型する。図22において、切断部成型機700のうち切断パンチ751、752、753のみを図示する。図22に示すように、切断パンチ751、752及び753は、第2成型前鋼板92に対して向かって正面方向に3か所位置するように成型されている。すなわち、第2工程で成型された3か所に成型される下穴92C、92に対応する位置であり、中心から120°おきに切断パンチ751、752及び753が設置されている。
さらに、本実施形態においては、120°おきに3か所に設置されている切断部成型機700のうちの1つである切断パンチ753は、図22に示すように、120°おきに区切られた点線Vから所定分Wだけずれる位置に成型されている。図22では、切断部成型機700のうち切断パンチのみを示しその他を省略したが、その他の押さえ76及びダイス77も同様に設置されている。本実施形態においては、切断パンチ753が所定分Wずれる位置は、120°おきに区切られた点線Vから+4mmの位置である。切断部成型機700を3か所に設置し、1つの切断部成型機700が稼働しているときは、その他の切断部成型機700を非稼働とする。それにより、第2成型前鋼板92を移動させることなくそのままの位置で、切断部90を成型することができる。
切断パンチ753の位置を120°おきに区切られた点線Vから+4mmとすることにより、図25に示すように、ステータコア鋼板80を複数重ねてステータコア300を成型した際に、ステータコア300に嵌合凸部301、及び嵌合凹部302を成型することができる。嵌合凸部301及び嵌合凹部302を成型することにより、ステータコア300を弾性変形させ、切断部310を3mmずらした場合に、ステータコア300の積層方向のズレを抑えることができる。積層方向のズレを抑えることにより、ステータコア300の真円度、及び端面の平行度が高い元の形状に戻ることができる。その理由は、切断部310が3mm離間した後に切断部310が元に戻りきる際に、嵌合凸部301と嵌合凹部302は4mmあるため、嵌合凸部301と嵌合凹部302は外れることなくガイドの役割をすることができる。嵌合凸部301と嵌合凹部302のガイドを有することにより、切断部310が戻りきるときに、元の位置に戻ることができる。元の位置に戻ることができるためステータコア300は塑性変形せずに、真円度、及び端面の平行度の高い形状に戻ることができるからである。なお、嵌合凸部301及び嵌合凹部302が成型されたステータコア300に関しては第3実施形態においてさらに、詳細に説明している。
図19に示すように、第3工程において、第2成型前鋼板92に対して、120°おきにティース部Zの根元のヨーク部81に3か所にかしめ部933、934、935を成型する。かしめ部933、934、935を成型することにより、ステータコア鋼板80を積層した場合に、ステータコア鋼板80を所定位置に固定することができる。所定位置に固定することができることにより、切断部90が同じ位置に来るため、図1に示す切断部50を成型することができる。また、図2に示すように切断部50を弾性変形させることができる。本実施形態においてはかしめ部を3か所としたが、ステータコア鋼板80を積層した際に、所定位置に固定できれば、1か所又は2か所、及び3か所以上であっても良い。
(第4工程)
第4工程においては、図20に示すように、プレス加工することにより、第3成型前鋼板93からステータコア鋼板80を抜き落とし、ステータコア鋼板80を成型する。第4工程は図示しないプレス加工装置である鋼板抜打ち装置により成型する。内径穴92Aに近い長辺921Cは、図20に示す、ステータコア鋼板80の外周801と接しない部分に位置する。そのため、ステータコア鋼板80をプレス加工した後に、下穴92Cの形状が、ステータコア鋼板80に残らない。
第4工程においては、図20に示すように、プレス加工することにより、第3成型前鋼板93からステータコア鋼板80を抜き落とし、ステータコア鋼板80を成型する。第4工程は図示しないプレス加工装置である鋼板抜打ち装置により成型する。内径穴92Aに近い長辺921Cは、図20に示す、ステータコア鋼板80の外周801と接しない部分に位置する。そのため、ステータコア鋼板80をプレス加工した後に、下穴92Cの形状が、ステータコア鋼板80に残らない。
第4工程においては、図24に示す抜き出しパンチ78を用いる。図24では抜き出しパンチ78の概念断面図を示す。抜き出しパンチ78には、かしめ部933、934、935と嵌合するかしめ部嵌合凸部78Aが成型されている。それにより、第3成型前鋼板93からステータコア鋼板80Aを抜き出した後に、以前に抜き出したステータコア鋼板80B、80C、80Dのかしめ部935B、935C、935Dと嵌合させ固定させることができる。例えば、図24に示すように、ステータコア鋼板80Aのかしめ部935Aと、ステータコア鋼板80Bのかしめ部935Bが、抜き出しパンチ78が下降し抜き出すのと同時に、ステータコア鋼板80Aと80Bを固定することができる。
以上詳細に説明したように、第2成型前鋼板92にステータコア鋼板80の内径に鋼板ティース部Zを成型する内径穴92Aを成型する第1工程(内径穴成型工程)を有する。第2成型前鋼板92のうちステータコア鋼板80が打ち抜かれる部分の外周801に1か所の下穴92Cを成型する第2工程(下穴成型工程)を有する。内径穴92Aから下穴92Cに対して切断部90を成型する第3工程(切断部成型工程)を有する。第3成型前鋼板93からステータコア鋼板80を抜き落とす第4工程(鋼板打抜き工程)を有する。以上の4工程を有することにより、鋼板ヨーク部81に生じる歪を小さくすることができる。すなわち、内径穴成型工程、下穴成型工程、切断部成型工程、及び鋼板打ち抜き工程を行うことにより製造されたステータコア鋼板80は、歪が少ない状態で製造することができる。さらに具体的には、切断部成型工程により成型される切断部90の両端となるステータコア鋼板80の一端932と他端931が同じ位置に位置するステータコア鋼板80を製造することができる。その理由は、切断部成型工程の前に下穴成型工程を設け、ステータコア鋼板80に下穴92Cが成型された状態で切断部90を成型することにより、ステータコア鋼板80には反力が生じ塑性変形をすることなくステータコア鋼板80の一端932と他端931が同じ位置に位置することができるためである。ステータコア鋼板80は、本実施形態においては200枚程度積層することによりステータ1を成型する。ステータコア鋼板80の一端931と他端932が同じ位置にあることにより、ステータコア鋼板80を複数積層しても、ステータコア鋼板80の間に隙間が生じない。そのため、ステータ1をモールド成型する際に、ステータ1を押圧するプレス力を小さくすることができ、プレス力が大きいことにより生じる鉄損を軽減することができる。また、ステータコア鋼板80の間に隙間が生じないことにより、ステータ1の磁気特性が良くなる。したがって、ステータ1の性能を高めることができる。
また、ステータコア鋼板80の転積角度に応じて切断部成型工程で用いられる複数の切断パンチ751、752、753を設けること、切断パンチ751、752、753を稼働又は非稼働させること、切断パンチ753の位置を転積角度に応じた位置から円周方向に所定分Wずらすことにより、図25に示すように、切断部310に容易に嵌合凸部301及び嵌合凹部302を成型することができる。すなわち、切断部310に凹凸部を成型するためには、切断部分が異なる2種類のステータコア鋼板80が必要となるが、本発明によれば、切断パンチ753の位置を転積角度に応じた位置から円周方向に所定分Wずらすことにより、容易に切断部分が異なる2種類のステータコア鋼板80を製造することができる。
また、順送プレス工程で切断部931を成型することができることにより、切断設備工程を行う設備を別途設ける必要がない。したがって、コストの低減化を図ることができる。
また、ステータコア鋼板80の転積角度に応じて切断部931の切断位置を変更することにより、ステータコア鋼板80の転積角度に応じて切断部931の切断位置をかえることができる。転積角度に応じて切断位置をかえることにより、ステータコア鋼板80を転積した場合であっても切断部931を所定の位置に成型することができる。
また、切断部931の切断位置を所定量円周方向に変更することにより、切断位置を所定量変更したステータコア鋼板80を成型することができる。切断位置を所定量変更したステータコア鋼板80を成型することにより、例えば図3に示す完成したステータコア3に嵌合凸部33、及び嵌合凹部34を成型することができる。それにより、ステータコア3を弾性変形させた場合に、ステータコア3の積層方向のズレを抑えることができる。積層方向のズレを抑えることにより、ステータコア3の真円度、及び端面の平行度が高い元の形状に戻ることができる。
また、切断部931を成型する切断パンチ75を複数設けること、切断パンチ75が稼働又は非稼働に切り替え可能なことにより、順送プレス工程においてステータコア鋼板80の位置を変えることなく切断部931を成型することができる。そのため、迅速に切断部931を成型したステータコア鋼板80を成型することができる。
また、ステータコア鋼板80は転積して積層され、ステータコア鋼板80の転積角度に応じて切断部931の切断位置を変更すること、及び、切断部931の切断位置を所定量円周方向に変更することにより、ステータコア鋼板80の転積角度に応じて切断部931の切断位置をかえることができる。転積角度に応じて切断位置をかえることにより、ステータコア鋼板80を転積した場合であっても切断部931を所定の位置に成型することができる。
さらに、切断位置を所定量変更したステータコア鋼板80を成型することができる。切断位置を所定量変更したステータコア鋼板80を成型することにより、例えば図3に示す完成したステータコア3に嵌合凸部33、及び嵌合凹部34を成型することができる。それにより、ステータコア3を弾性変形させた場合に、ステータコア3の積層方向のズレを抑えることができる。積層方向のズレを抑えることにより、ステータコア3の真円度、及び端面の平行度が高い元の形状に戻ることができる。
本実施形態においては、切断パンチを複数設けることとしたが、切断パンチ75が移動することとすることもできる。切断パンチ75が移動することにより、低コストで切断部931を成型したステータコア鋼板80を成型することができる。すなわち、切断部931を移動させることによりステータコア鋼板80の位置を変えることなく切断部931を成型することができる。切断部931を複数設置する場合やステータコア鋼板80の位置を変える場合と比較して切断パンチ75を移動させる場合が最もコストが掛からない。そのためコストを低コストで切断部931を成型したステータコア鋼板80を成型することができる。
<ステータコアへのコイルの挿入方法>
(第1工程)
ステータコア鋼板80を積層してステータコア1を成型する。図1に示すように、ステータコア1のティース部Tに対して、コイルCを順番に挿入させる。具体的には、切断部50の一端に成型された第1ティース部T1に第1コイルC1を挿入させ、第2ティース部T2に第2コイルC2を挿入させ、・・・順番に11個のティース部Tに対して11個のコイルCを挿入する。
(第1工程)
ステータコア鋼板80を積層してステータコア1を成型する。図1に示すように、ステータコア1のティース部Tに対して、コイルCを順番に挿入させる。具体的には、切断部50の一端に成型された第1ティース部T1に第1コイルC1を挿入させ、第2ティース部T2に第2コイルC2を挿入させ、・・・順番に11個のティース部Tに対して11個のコイルCを挿入する。
図1、及び図3に示すように、11個のティース部Tに対して、11個のコイルCを挿入させた状態で、切断部50の他端に成型された第12ティース部T12に、第12コイルC12を挿入させることができない。すなわち、図3に示すように、第12コイルC12の第1端部C12a側の第12コイルC12の挿入幅である挿入幅Hが、第1コイルC1の第2端部C1bから第11コイルC11の第2端部C11bまでのコイルが挿入される被挿入幅Jよりも大きい。そのため、第1コイルC1、及び第11コイルC11が、第12コイルC12に干渉するため、第12コイルC12を挿入することができない。
(第2工程)
第12ティース部T12に、第12コイルC12を挿入させるため、ステータコア1の切断部50に対して円周方向に引張力を加える。具体的には、ヨーク部12のうち切断部50の両端部を上下方向から把持し、円周方向に広げる。切断部50に対して円周方向に引張力を加えることにより、ステータコア1が弾性変形する。図4に示すように、ステータコア1が弾性変形すると、弾性変形の範囲で切断部50を離間することができ隙間Lを成型することができる。隙間Lの幅は、本実施形態においては、約3mmの長さである。
第12ティース部T12に、第12コイルC12を挿入させるため、ステータコア1の切断部50に対して円周方向に引張力を加える。具体的には、ヨーク部12のうち切断部50の両端部を上下方向から把持し、円周方向に広げる。切断部50に対して円周方向に引張力を加えることにより、ステータコア1が弾性変形する。図4に示すように、ステータコア1が弾性変形すると、弾性変形の範囲で切断部50を離間することができ隙間Lを成型することができる。隙間Lの幅は、本実施形態においては、約3mmの長さである。
図4に示すように、隙間Lが成型されることにより、第1コイルC1の第2端部C1bから第11コイルC11の第2端部C11bまでの幅が被挿入幅Jから広がり被挿入幅Kとなる。被挿入幅Kから被挿入幅Jを除した幅の長さは、隙間Lの幅に比例する。
第1コイルC1の第2端部C1bのから第11コイルC11の第2端部C11bまでの被挿入幅Kは、第12コイルC12の第1端部C12a側の挿入幅Hよりも大きくなる。そのため、第1コイルC1、及び第11コイルC11に干渉されることなく、第12コイルC12を第12ティース部T12に挿入させることができる。
(第3工程)
第12ティース部T12に、第12コイルC12を挿入させた後に、切断部50に対して円周方向に加えた引張力を解除する。引張力が解除されるとステータコア1は、弾性力により図5に示す元のステータコア1の状態に戻る。図5に示す元のステータコア1の状態に戻ると切断部一端51と切断部他端52が当接するため、隙間Lがなくなる。隙間Lがなくなることにより、第1コイルC1と第12コイルC12が近接する。
第12ティース部T12に、第12コイルC12を挿入させた後に、切断部50に対して円周方向に加えた引張力を解除する。引張力が解除されるとステータコア1は、弾性力により図5に示す元のステータコア1の状態に戻る。図5に示す元のステータコア1の状態に戻ると切断部一端51と切断部他端52が当接するため、隙間Lがなくなる。隙間Lがなくなることにより、第1コイルC1と第12コイルC12が近接する。
また、ステータコア1は弾性力により図5の状態となるため、塑性変形しない。塑性変形をしないため、元のステータコア1のままの真円度、及び端面の平行度を保持することができる。
(切断部の離間)
第2工程、及び第3工程における切断部50の離間に際して行われる詳細事項について説明する。
第2工程、及び第3工程における切断部50の離間に際して行われる詳細事項について説明する。
切断部50に対して円周方向に引張力を加え、ステータコア1に隙間Lを成型する場合に、ステータコア1の真円度、及び端面の平行度に影響なく隙間Lを成型することができる。なぜならば、ステータコア1についての弾性変形の範囲内で引張力を加えるため、ステータコア1は、弾性力により元の形状に戻る。そのため、ステータコア1の真円度、及び端面の平行度は、引張力を加える前と変化がないためである。
ステータコア1に引張力を加える際に、本実施形態においては、隙間が約5mm以上開かない範囲で引張力を加える。隙間が約5mm以上開くとステータコア1が塑性変形し、弾性力により元の形状に戻らないためである。したがって、塑性変形しない領域でステータコア1に引張力を掛ける。
以上から、ステータコア1の真円度、及び端面の平行度に影響を与えずティース部TにコイルCを全て挿入することができる。
以上詳細に説明したように、第1実施形態のようにステータコア1によれば、以下の効果を有する。
ヨーク部12に切断部50が1か所のみ成型されていることにより、真円度、及び端面の平行度を保った状態でコイルCをティース部Tに挿入することができる。その理由は、図14に示す従来のステータコア100であれば、最後のティース部108に最後のコイル109を挿入することができなかった。しかし、本実施形態においては、切断部50を離間させて最後の第12ティース部T12に第12コイルC12を挿入することができる。切断部50を離間する際には、ステータコア1の弾性変形の範囲内で切断部50を離間させる。ステータコア1の弾性変形の範囲内での離間幅であれば、切断部50が塑性変形せずに弾性力により元の真円度が高く、端面の平行度が高い形状に戻るためである。
また、切断部50が1か所のみに成型されていることにより、第12ティース部T12に第12コイルC12を挿入する場合以外は、切断部50を離間させることなく、そのままの状態で第1ティース部T1に第1コイルC1等を挿入することができる。したがって、第12ティース部T12に第12コイルC12を挿入する場合の1回のみ切断部50を離間すればよいため、ステータコア1の真円度、及び端面の平行度が変わらない。また、1回のみ切断部50を離間すればよいため、組立効率がよく、製造コストを低減することができる。
また、切断部50を離間させることで、第12ティース部T12に第12コイルC12を容易に挿入することができる。その理由は、ステータコア1は鋼板を積層することにより成型されたものである。そのため、剛性が弱いため切断部50を弾性変形の範囲で数mm離間させることが容易にできる。第12ティース部T12の脇のヨーク部12に成型された切断部50を容易に離間させることができるため、第12コイルC12を挿入するのに必要な被挿入幅Jの隙間を成型することができる。
また、切断部50を弾性変形の範囲で数3mm離間させた場合において、切断部50を元に戻す際にはヨーク部12の弾性力により自然に元の形状に戻る。そのため、元に戻す力を必要としないため、容易であり、さらに、製造コストを低減することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係るステータコア2は、第1実施形態に係るステータコア1と比較して、ステータコア1における切断部50の形状がステータコア2における切断部20の形状が異なるのみである。第2実施形態においては、第1実施形態における切断部以外異なるところがない。そのため、第2実施形態においては切断部20を説明することにより、その他の部分の説明を割愛する。
第2実施形態に係るステータコア2は、第1実施形態に係るステータコア1と比較して、ステータコア1における切断部50の形状がステータコア2における切断部20の形状が異なるのみである。第2実施形態においては、第1実施形態における切断部以外異なるところがない。そのため、第2実施形態においては切断部20を説明することにより、その他の部分の説明を割愛する。
なお、第2実施形態ではその他の部分の説明を割愛するが、第1実施形態と同様の作用、及び効果を有する。
(切断部の径方向の形状の変形例)
図6に、ステータコア2のうち切断部20の形状(1)の部分拡大図を示す。図6に示すように、ステータコア2は、径方向へ延びる切断部20が成型されている。切断部20は、薄板の鋼板の全てにわたって成型されているため、ステータコア2に引張力を加えると、切断部20は離間する。切断部20が離間するとは、切断部20のヨーク部12のうち第1ティース部T1側に成型された切断部一端21と、切断部20のヨーク部12のうち第12ティース部T12側に成型された切断部他端22が離間することである。切断部20に力が加わらないときには、切断部一端21と切断部他端22は当接した状態にある。
図6に、ステータコア2のうち切断部20の形状(1)の部分拡大図を示す。図6に示すように、ステータコア2は、径方向へ延びる切断部20が成型されている。切断部20は、薄板の鋼板の全てにわたって成型されているため、ステータコア2に引張力を加えると、切断部20は離間する。切断部20が離間するとは、切断部20のヨーク部12のうち第1ティース部T1側に成型された切断部一端21と、切断部20のヨーク部12のうち第12ティース部T12側に成型された切断部他端22が離間することである。切断部20に力が加わらないときには、切断部一端21と切断部他端22は当接した状態にある。
切断部一端21に先端曲面形状の嵌合凸部23、及び切断部他端22に嵌合凸部23に嵌合する形の曲面形状の嵌合凹部24を成型することができる。嵌合凸部23、及び嵌合凹部24は、径方向Xに成型されている。
嵌合凸部23の長さNは、切断部20が離間する隙間Lの幅よりも大きい。嵌合凸部23と嵌合する嵌合凹部24の深さは嵌合凸部23の長さNと同じ長さである。例えば、隙間Lの幅が約3mmである場合には、嵌合凸部23の長さN、及び嵌合凹部24の深さを4mm以上とする。
図7に、ステータコア2のうち切断部20の形状(2)の部分拡大図を示す。また、切断部20の形状を上記図6の先端曲面形状以外に、図7に示す先端三角形状とすることもできる。図7に示すように、切断部20に先端三角形状の嵌合凸部25、及び嵌合凸部25に嵌合する形の三角凹部形状の嵌合凹部26を成型することができる。嵌合凸部25、及び嵌合凹部26は、径方向Xに成型されている。
嵌合凸部25の長さNは、切断部20が離間する隙間Lの幅よりも大きい。嵌合凸部25と嵌合する嵌合凹部26の深さは嵌合凸部25の長さNと同じ長さである。例えば、隙間Lの幅が約3mmである場合には、嵌合凸部25の長さN、及び嵌合凹部26の深さを4mm以上とする。
(切断部の径方向の形状の作用効果)
図6に示す、嵌合凸部23、及び嵌合凹部24を成型することにより、ステータコア2を弾性変形させた場合に、図6に示すステータコア2の径方向Xのズレを抑えることができる。径方向Xのズレを抑えることにより、ステータコア2の真円度、及び端面の平行度が高い元の形状に戻ることができる。
図6に示す、嵌合凸部23、及び嵌合凹部24を成型することにより、ステータコア2を弾性変形させた場合に、図6に示すステータコア2の径方向Xのズレを抑えることができる。径方向Xのズレを抑えることにより、ステータコア2の真円度、及び端面の平行度が高い元の形状に戻ることができる。
その理由は、切断部20を離間した後に切断部20が弾性力により元に戻りきる際に、嵌合凸部23と嵌合凹部24がガイドの役割をする。嵌合凸部23と嵌合凹部24のガイドを有することにより、切断部20が戻りきるときに、元の位置に戻ることができる。元の位置に戻ることができるためステータコア2は塑性変形せずに、真円度、及び端面の平行度の高い形状に戻ることができる。
また、コイル組み付け時に切断部20が離間する隙間Lの幅約3mmよりも嵌合凸部23及び嵌合凹部24の長さNを4mm以上と大きくすることで嵌合凸部23、及び嵌合凹部24が外れることがない。そのため、嵌合凸部23、及び嵌合凹部24ガイドの役割を果たすことができ、ステータコア2が外れることがない。
また、径方向Xに嵌合凸部23、及び嵌合凹部24を有するステータコア2を成型するのは、鋼板を成型するためのプレス用の1つの型を用いることで成型することができる。プレス用の1つの型により嵌合凸部23、及び嵌合凹部24を有するステータコア2を製造することができるため、積層方向に嵌合部を成型する場合よりも製造コストを低減することができる。積層方向に嵌合部を有するステータコアを成型する場合には、少なくとも2つのパターンの鋼板が必要となるためである。
なお、図7に示す嵌合凸部25、及び嵌合凹部26を成型した場合も、上述した図6の先端曲面形状とした嵌合凸部23、及び嵌合凹部24と同様の効果を得ることができる。
同様の効果を得ることができるため、図7の嵌合凸部23、及び嵌合凹部26の説明を割愛する。
(第3実施形態)
第3実施形態に係るステータコア3は、第1実施形態に係るステータコア1と比較して、ステータコア1における切断部50の形状とステータコア3における切断部30の形状とが異なるのみである。第3実施形態においては、第1実施形態における切断部以外異なるところがない。そのため、第3実施形態においては切断部30を説明することにより、その他の部分の説明を割愛する。
第3実施形態に係るステータコア3は、第1実施形態に係るステータコア1と比較して、ステータコア1における切断部50の形状とステータコア3における切断部30の形状とが異なるのみである。第3実施形態においては、第1実施形態における切断部以外異なるところがない。そのため、第3実施形態においては切断部30を説明することにより、その他の部分の説明を割愛する。
なお、第3実施形態ではその他の部分の説明を割愛するが、第1実施形態と同様の作用、及び効果を有する。
(切断部の形状の積層方向の形状の変形例)
図8に、第3実施形態に係るステータコア3の外観斜視図を示す。図9に第3実施形態に係る図8のステータコア3の一点鎖線Dの部分拡大図を示す。
図8に、第3実施形態に係るステータコア3の外観斜視図を示す。図9に第3実施形態に係る図8のステータコア3の一点鎖線Dの部分拡大図を示す。
図8に示すように、ステータコア3は、径方向へ延びる切断部30が成型されている。切断部30は、8薄板の鋼板の全てにわたって成型されているため、ステータコア3に引張力を加えると、切断部30は離間する。切断部30が離間するとは、切断部30のヨーク部12のうち第1ティース部T1側に成型された切断部一端31と、切断部30のヨーク部12のうち第12ティース部T12側に成型された切断部他端32が離間することである。切断部30に力が加わらないときには、図8に示すように、切断部一端31と切断部他端32は当接した状態にある。
図9に示すように、切断部一端31に嵌合凸部33、及び切断部他端32に嵌合凸部33に嵌合する形の嵌合凹部34を成型することができる。嵌合凸部33、及び嵌合凹部34は、積層方向Yに成型されている。
嵌合凸部33の長さMは、切断部30が離間する隙間Lの幅よりも大きい。嵌合凸部33と嵌合する嵌合凹部34の深さは嵌合凸部33の長さMと同じ長さである。例えば、隙間Lの幅が約3mmである場合には、嵌合凸部33の長さM、及び嵌合凹部34の深さを4mm以上とする。
(切断部の積層方向の形状の作用効果)
図8、及び図9に示す、嵌合凸部33、及び嵌合凹部34を成型することにより、ステータコア3を弾性変形させた場合に、図9に示すステータコア3の積層方向Yのズレを抑えることができる。積層方向Yのズレを抑えることにより、ステータコア3の真円度、及び端面の平行度が高い元の形状に戻ることができる。
図8、及び図9に示す、嵌合凸部33、及び嵌合凹部34を成型することにより、ステータコア3を弾性変形させた場合に、図9に示すステータコア3の積層方向Yのズレを抑えることができる。積層方向Yのズレを抑えることにより、ステータコア3の真円度、及び端面の平行度が高い元の形状に戻ることができる。
その理由は、切断部30を離間した後に切断部30が元に戻りきる際に、嵌合凸部33と嵌合凹部34がガイドの役割をする。嵌合凸部33と嵌合凹部34のガイドを有することにより、切断部30が戻りきるときに、元の位置に戻ることができる。元の位置に戻ることができるためステータコア3は塑性変形せずに、真円度、及び端面の平行度の高い形状に戻ることができる。
また、コイル組み付け時に切断部30が離間する隙間Lの幅よりも嵌合凸部33及び嵌合凹部34の長さMを大きくすることで嵌合凸部33、及び嵌合凹部34が外れることがない。そのため、嵌合凸部33、及び嵌合凹部34ガイドの役割を果たすことができ、ステータコア3が外れることがない。
また、積層方向の厚みは半径方向の厚みよりも大きいため、積層方向には嵌合凸部33及び嵌合凹部34を複数成型できる。すなわち、本第3実施形態においては、嵌合凸部33及び嵌合凹部34を1つしか設けていないが、複数設けることができる。複数設けることができることにより、切断部30が戻りきるときに、より確実に切断部30を元の位置に戻すことができる。
(第4実施形態)
第4実施形態に係るステータコア4は、第1実施形態に係るステータコア1と比較して、ステータコア4のヨーク部12の外周に突出した一端凸部41と他端凸部42が成型されていること以外に異なるところがない。そのため、第4実施形態においては切断部70を説明することにより、その他の部分の説明を割愛する。
第4実施形態に係るステータコア4は、第1実施形態に係るステータコア1と比較して、ステータコア4のヨーク部12の外周に突出した一端凸部41と他端凸部42が成型されていること以外に異なるところがない。そのため、第4実施形態においては切断部70を説明することにより、その他の部分の説明を割愛する。
なお、第4実施形態ではその他の部分の説明を割愛するが、第1実施形態と同様の作用、及び効果を有する。
(一端凸部と他端凸部の構成)
図10に、第4実施形態に係るステータコア4の正面図を示す。図11に、第4実施形態に係る図10の点線Eの部分拡大図(1)を示す。図12に、第4実施形態に係る図10の点線Eの部分拡大図(2)を示す。
図10に、第4実施形態に係るステータコア4の正面図を示す。図11に、第4実施形態に係る図10の点線Eの部分拡大図(1)を示す。図12に、第4実施形態に係る図10の点線Eの部分拡大図(2)を示す。
図12に示すように、ヨーク部12の外周に突出した一端凸部41と他端凸部42が成型されている。一端凸部41は、切断部70の両端部の切断部一端71側に成型されている。他端凸部42は、切断部70の両端部の切断部他端72側に成型されている。図10に示すように、一端凸部41と他端凸部42により外周凸部40を構成する。
一端凸部41が他端凸部42と当接する当接面に半楕円形状の一端隙間成型凹部43が成型されている。他端凸部42が一端凸部41と当接する当接面に半楕円形状の他端隙間成型凹部44が成型されている。一端隙間成型凹部43と他端隙間成型凹部44が当接すると、隙間成型凹部は中空楕円円筒形状の貫通孔となる。
本実施形態においては、隙間成型凹部を貫通孔としたが、凹部形状であり、貫通しておらず孔形状でなくてもよい。
(一端凸部と他端凸部の作用効果)
一端凸部41と他端凸部42は、第2工程において、図11に示す切断部70が当接した状態から、図12に示すように切断部70を離間させ隙間Lが成型された状態にするために使用する。隙間Lの幅は、第4実施形態においては、約3mmの長さである。
一端凸部41と他端凸部42は、第2工程において、図11に示す切断部70が当接した状態から、図12に示すように切断部70を離間させ隙間Lが成型された状態にするために使用する。隙間Lの幅は、第4実施形態においては、約3mmの長さである。
第4実施形態におけるステータコア4は、一端凸部41が他端凸部42と当接する当接面に半楕円形状の一端隙間成型凹部43と、他端凸部42が一端凸部41と当接する当接面に半楕円形状の他端隙間成型凹部44が成型されている。
図10、及び図11に示すように、一端隙間成型凹部43と他端隙間成型凹部44により成型される中空楕円円筒形状の貫通孔に、楕円円筒形状の工具60を挿入する。工具60は、楕円円筒形状の貫通孔よりも一回り小さい形状であることにより、貫通孔に挿入することができる。
図12に示すように、工具60を貫通孔に挿入した状態で、工具60を中心点Fを中心に90度回転させる。工具60を90度回転させることにより、楕円形状の長軸60Aから短軸60Bを除した分だけ、一端凸部41と他端凸部42を離間させることができる。したがって、楕円円筒形状の工具60を90度回転させるだけで切断部70を容易に離間させることができる。
また、楕円円筒形状の工具60は90度回転させることにより、正確に楕円形状の長軸60Aから短軸60Bを除した分だけ、一端凸部41と他端凸部42を離間させることができる。
したがって、工具60を用いることにより正確に弾性変形の範囲内でステータコア4に力を加えることができる。そのため、ステータコア4は塑性変形することなく、工具60を元の位置に戻すことができる。したがって、ステータコア4の真円度、及び端面の平行度は工具60を用いる前と変化がない。
また、工具60を用いることにより、一端凸部41と他端凸部42をこじ開けることができる。そのため、切断部70を容易に離間させることができる。
また、切断部70の一端凸部41と他端凸部42が成型されていることにより、真円度、及び端面の平行度を保った状態でステータコア4の切断部70を離間させることができる。
その理由は、一端凸部41と他端凸部42は、真円度、及び端面の平行度を保つ必要があるヨーク部12の外周に成型されている。そのため、真円度、及び端面の平行度を保つ必要があるヨーク部12を直接離間させる場合と比較して、ヨーク部12の外周に成型された一端凸部41と他端凸部42を離間させた場合の方がヨーク部12の真円度、及び端面の平行度を保った状態で切断部70を離間させることができるからである。
また、ヨーク部12に直接力を加えると、ヨーク部12が変形して真円度、及び端面の平行度を保つことができない事態が生じる恐れがある。しかし、ヨーク部12の外周に成型された一端凸部41と他端凸部42に直接力を加えた場合、真円度、及び端面の平行度を保つ必要のあるヨーク部12が変形することはない。そのため、真円度、及び端面の平行度を保つことができる。
また、ヨーク部12の外周に成型された一端凸部41と他端凸部42を離間させることは、ヨーク部12に直接力を加え離間させるよりも容易である。
その理由は、切断部70を離間させるには、ステータコア4から遠くに成型された外周凸部40の方が力が小さくて済むためである。したがって、外周凸部40を離間させることでヨーク部12に成型された切断部70を容易に離間させることができる。そのため、最後の第12ティース部T12に第12コイルC12を挿入するための組立効率が向上し、製造コストを低減することができる。
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で色々な応用が可能である。
例えば、第2実施形態に係る径方向の嵌合凸部、及び嵌合凹部と第3実施形態に係る積層方向の嵌合凸部、及び嵌合凹部とを組み合わせることができる。両方を組み合わせることにより、切断部が弾性力により戻りきるときに、より確実に切断部を元の位置に戻すことができる。
例えば、第1実施形態乃至第4実施形態のステータコアを組み合わせた構成をとることにより、それぞれの構成の作用効果を得ることができる。
例えば、図21に示す下穴92Cの形状は、長方形状の長穴形状であってもよい。長方形状の長穴形状であることにより、必要鋼板面積を小さくすることができる。すなわち長穴形状であることにより下穴の横幅を小さくすることができるため、成型前鋼板の面積を完成品であるステータコア鋼板80の大きさに近づけることができるため、小さくすることができる。小さくすることができることにより、材料費を節減でき結果コストを低減することができる。
例えば、本実施形態においては切断パンチ75を複数設けることとしたが、切断パンチ75を移動させることによっても、ステータコア鋼板の転積角度に応じた切断部及び円周方向に所定量移動した切断部を成型することができる。切断パンチ75を移動させることにより低コストで切断部を有するステータコア鋼板80を製造することができる。
1 ステータコア
C コイル
C1〜C12 第1コイル〜第12コイル
T ティース部
T1〜T12 第1ティース部〜第12ティース部
12 ヨーク部
50 切断部
51 切断部一端
52 切断部他端
80 ステータコア鋼板
801 外周
81 鋼板ヨーク部
Z ティース部
90 切断部
92 第2成型前鋼板
92A 内径穴
92C 下穴
93 第3成型前鋼板
931 他端
932 一端
C コイル
C1〜C12 第1コイル〜第12コイル
T ティース部
T1〜T12 第1ティース部〜第12ティース部
12 ヨーク部
50 切断部
51 切断部一端
52 切断部他端
80 ステータコア鋼板
801 外周
81 鋼板ヨーク部
Z ティース部
90 切断部
92 第2成型前鋼板
92A 内径穴
92C 下穴
93 第3成型前鋼板
931 他端
932 一端
(1)ヨーク部とティース部とを備えるコア鋼板を順送プレス工程により順次成型し、前記コア鋼板を積層したステータコアを成型するステータコア製造方法において、成型前鋼板に前記コア鋼板の内径に前記ティース部を成型する内径穴を成型する内径穴成型工程と、前記成型前鋼板のうち前記コア鋼板が打ち抜かれる部分の外周部に1か所の下穴を成型する下穴成型工程と、前記内径穴から前記下穴に対して前記順送プレス工程で前記コア鋼板の円周方向に1か所のみ径方向の切断部を成型する切断部成型工程と、前記成型前鋼板から前記コア鋼板を抜き落とす鋼板打抜き工程と、を有することを特徴とする。
(2)(1)に記載するステータコア製造方法において、前記切断部を成型する切断パンチを複数設けること、前記切断パンチが稼働又は非稼働に切り替え可能なこと、が好ましい。
(3)(2)に記載するステータコア製造方法において、前記切断パンチが移動すること、が好ましい。
(4)(1)に記載するステータコア製造方法において、前記下穴は長穴形状であること、が好ましい。
(5)ヨーク部とティース部とを備えるコア鋼板を順送プレス工程により順次成型し、前記コア鋼板を積層したステータコアを成型するステータコア製造装置において、前記順送プレス工程で前記コア鋼板の半径方向に1か所のみ切断部を成型する切断パンチを有すること、前記ステータコアは、前記コア鋼板を転積して積層されていること、前記コア鋼板の転積角度に応じて前記切断パンチが切断位置へ移動すること、を特徴とする。
(6)(5)に記載するステータコア製造装置において、前記切断パンチが切断位置へ所定量円周方向に移動すること、が好ましい。
(7)(5)又は(6)に記載するステータコア製造装置において、前記切断パンチを複数設けること、前記切断パンチが稼働又は非稼働に切り替え可能なこと、が好ましい。
(8)(5)乃至(7)のいずれか1つに記載するステータコア製造装置において、成型前鋼板に前記コア鋼板の内径に前記ティース部を成型する内径穴を成型する内径穴成型装置と、前記成型前鋼板のうち前記コア鋼板が打ち抜かれる部分の外周部に1か所の下穴を成型する下穴成型装置と、前記成型前鋼板から前記コア鋼板を抜き落とす鋼板打抜き装置と、が好ましい。
(9)(8)に記載するステータコア製造装置において、前記下穴成型装置は長穴形状の下穴を成型すること、が好ましい。
上記(1)の構成を有することにより、順送プレス工程でコア鋼板の円周方向に1か所のみ径方向の切断部を成型することができる。順送プレス工程で切断部を成型することができることにより、切断設備工程を行う設備を別途設ける必要がない。したがって、コストの低減化を図ることができる。
また、順送プレス工程でコア鋼板に切断部を成型する際に生じるコア鋼板の歪を低減することができる。すなわち、切断部成型工程により成型される切断部の両端となるコア鋼板の一端と他端が同じ位置に位置するコア鋼板を製造することができる。その理由は、切断部成型工程の前に下穴成型工程を設け、コア鋼板に下穴が成型された状態で切断部を成型することにより、コア鋼板には反力が生じ塑性変形をすることなくコア鋼板の一端と他端が同じ位置に位置することができるためである。
また、順送プレス工程でコア鋼板に切断部を成型する際に生じるコア鋼板の歪を低減することができる。すなわち、切断部成型工程により成型される切断部の両端となるコア鋼板の一端と他端が同じ位置に位置するコア鋼板を製造することができる。その理由は、切断部成型工程の前に下穴成型工程を設け、コア鋼板に下穴が成型された状態で切断部を成型することにより、コア鋼板には反力が生じ塑性変形をすることなくコア鋼板の一端と他端が同じ位置に位置することができるためである。
上記(2)又は(7)の構成を有することにより、迅速に切断部を成型することができる。すなわち、切断パンチを複数設け、切断パンチを稼働又は非稼働を切り替えることにより、コア鋼板の位置を変えることなく切断部を成型することができるため、迅速に切断部を成型したコア鋼板を成型することができる。
上記(3)の構成を有することにより、低コストで切断部を成型したコア鋼板を成型することができる。すなわち、切断部を移動させることによりコア鋼板の位置を変えることなく切断部を成型することができる。切断パンチを複数設置する場合やコア鋼板の位置を変える場合と比較して切断パンチを移動させる場合が最もコストが掛からないためコストを低コストで切断部を成型したコア鋼板を成型することができる。
上記(4)又は(9)の構成を有することにより、必要鋼板面積を小さくすることができる。すなわち、下穴を長穴形状とすることにより下穴の横幅を短くすることができるため鋼板面積を小さくすることができる。
上記(5)の構成を有することにより、コア鋼板の転積角度に応じて切断部の切断位置をかえることができる。転積角度に応じて切断位置をかえることにより、コア鋼板を転積した場合であっても切断部を成型することができる。
上記(6)の構成を有することにより、切断位置を所定量変更したコア鋼板を成型することができる。切断位置を所定量変更したコア鋼板を成型することにより、完成したステータコアに嵌合凸部、及び嵌合凹部を成型することができる。それにより、ステータコアを弾性変形させた場合に、ステータコアの積層方向のズレを抑えることができる。積層方向のズレを抑えることにより、ステータコアの真円度、及び端面の平行度が高い元の形状に戻ることができる。
上記(8)の構成を有することにより、順送プレス工程でコア鋼板に切断部を成型する際に生じるコア鋼板の歪を低減することができる。すなわち、切断部成型工程により成型される切断部の両端となるコア鋼板の一端と他端が同じ位置に位置するコア鋼板を製造することができる。その理由は、切断部成型工程の前に下穴成型工程を設け、コア鋼板に下穴が成型された状態で切断部を成型することにより、コア鋼板には反力が生じ塑性変形をすることなくコア鋼板の一端と他端が同じ位置に位置することができるためである。
上記(1)又は(5)の構成を有することにより、順送プレス工程でコア鋼板の円周方向に1か所のみ径方向の切断部を成型することができる。順送プレス工程で切断部を成型することができることにより、切断設備工程を行う設備を別途設ける必要がない。したがって、コストの低減化を図ることができる。
図13に示すように、第1コイルC1は、平角導体をエッジワイズ曲げ加工して成型したコイルであり、図示しないエッジワイズ曲げ巻線装置によって成型される。第1コイルC1の端部は第1端部C101a及び第2端部C101bが設けられている。第1端部C101a又は第2端部C101bの片側が巻き初めとなり片側が巻き終わりとなる。第1コイルC1は略台形形状に巻回されており、第1端部C101a側に巻かれるほど短辺が長くなる構成となっている。
仮に、図20に示すステータコア鋼板80に切断部90がない状態で、最後に切断部90を成型したとする場合、鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部内周辺811とステータコア鋼板80の外周801までの距離は短い。しかし、ステータコア鋼板80に切断部90をプレス加工により成型すると、歪が発生する問題が生じる。その理由は、下穴92Cを成型しない場合、鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部内周辺811とステータコア鋼板80の外周801の距離は全周にわたって同じである。また、鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部内周辺811とステータコア鋼板80の外周801の距離は全周にわたって短い。そのため、下穴92Cを設けず切断パンチ75により切断部90を成型すると、鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部内周辺811とステータコア鋼板80の外周801の距離が全周にわたって短いため、歪が生じる。すなわち、一端932と他端931がプレス加工により最も離れた部分になるが、切断されるとプレスにより他端931が押圧され下方向の荷重が掛かる。他端931に反力が働き戻ろうとするが、鋼板ティース部Zの間の鋼板ヨーク部内周辺811とステータコア鋼板80の外周801の距離が全周にわたって短いため、反力が足りず完全に元の位置に戻ることができない。そのため、歪が生じるのである。
本実施形態においては、切断部成型機700によりプレス加工し、内径穴92Aから下穴92Cにかけて切断部90を成型する。図22において、切断部成型機700のうち切断パンチ751、752、753のみを図示する。図22に示すように、切断パンチ751、752及び753は、第2成型前鋼板92に対して向かって正面方向に3か所位置するように成型されている。すなわち、第2工程で成型された3か所に成型される下穴92C、92D、92Eに対応する位置であり、中心から120°おきに切断パンチ751、752及び753が設置されている。
以上詳細に説明したように、第2成型前鋼板92にステータコア鋼板80の内径に鋼板ティース部Zを成型する内径穴92Aを成型する第1工程(内径穴成型工程)を有する。第2成型前鋼板92のうちステータコア鋼板80が打ち抜かれる部分の外周801に1か所の下穴92Cを成型する第2工程(下穴成型工程)を有する。内径穴92Aから下穴92Cに対して切断部90を成型する第3工程(切断部成型工程)を有する。第3成型前鋼板93からステータコア鋼板80を抜き落とす第4工程(鋼板打抜き工程)を有する。以上の4工程を有することにより、鋼板ヨーク部81に生じる歪を小さくすることができる。すなわち、内径穴成型工程、下穴成型工程、切断部成型工程、及び鋼板打ち抜き工程を行うことにより製造されたステータコア鋼板80は、歪が少ない状態で製造することができる。さらに具体的には、切断部成型工程により成型される切断部90の両端となるステータコア鋼板80の一端932と他端931が同じ位置に位置するステータコア鋼板80を製造することができる。その理由は、切断部成型工程の前に下穴成型工程を設け、ステータコア鋼板80に下穴92Cが成型された状態で切断部90を成型することにより、ステータコア鋼板80には反力が生じ塑性変形をすることなくステータコア鋼板80の一端932と他端931が同じ位置に位置することができるためである。ステータコア鋼板80は、本実施形態においては200枚程度積層することによりステータ1を成型する。ステータコア鋼板80の一端932と他端931が同じ位置にあることにより、ステータコア鋼板80を複数積層しても、ステータコア鋼板80の間に隙間が生じない。そのため、ステータ1をモールド成型する際に、ステータ1を押圧するプレス力を小さくすることができ、プレス力が大きいことにより生じる鉄損を軽減することができる。また、ステータコア鋼板80の間に隙間が生じないことにより、ステータ1の磁気特性が良くなる。したがって、ステータ1の性能を高めることができる。
また、順送プレス工程で切断部90を成型することができることにより、切断設備工程を行う設備を別途設ける必要がない。したがって、コストの低減化を図ることができる。
また、ステータコア鋼板80の転積角度に応じて切断部90の切断位置を変更することにより、ステータコア鋼板80の転積角度に応じて切断部90の切断位置をかえることができる。転積角度に応じて切断位置をかえることにより、ステータコア鋼板80を転積した場合であっても切断部90を所定の位置に成型することができる。
また、切断部90の切断位置を所定量円周方向に変更することにより、切断位置を所定量変更したステータコア鋼板80を成型することができる。切断位置を所定量変更したステータコア鋼板80を成型することにより、例えば図8に示す完成したステータコア3に嵌合凸部33、及び嵌合凹部34を成型することができる。それにより、ステータコア3を弾性変形させた場合に、ステータコア3の積層方向のズレを抑えることができる。積層方向のズレを抑えることにより、ステータコア3の真円度、及び端面の平行度が高い元の形状に戻ることができる。
また、切断部90を成型する切断パンチ75を複数設けること、切断パンチ75が稼働又は非稼働に切り替え可能なことにより、順送プレス工程においてステータコア鋼板80の位置を変えることなく切断部90を成型することができる。そのため、迅速に切断部931を成型したステータコア鋼板80を成型することができる。
また、ステータコア鋼板80は転積して積層され、ステータコア鋼板80の転積角度に応じて切断部90の切断位置を変更すること、及び、切断部90の切断位置を所定量円周方向に変更することにより、ステータコア鋼板80の転積角度に応じて切断部90の切断位置をかえることができる。転積角度に応じて切断位置をかえることにより、ステータコア鋼板80を転積した場合であっても切断部90を所定の位置に成型することができる。
本実施形態においては、切断パンチを複数設けることとしたが、切断パンチ75が移動することとすることもできる。切断パンチ75が移動することにより、低コストで切断部90を成型したステータコア鋼板80を成型することができる。すなわち、切断部90を移動させることによりステータコア鋼板80の位置を変えることなく切断部90を成型することができる。切断部90を複数設置する場合やステータコア鋼板80の位置を変える場合と比較して切断パンチ75を移動させる場合が最もコストが掛からない。そのためコストを低コストで切断部90を成型したステータコア鋼板80を成型することができる。
また、切断部50を弾性変形の範囲で数mm離間させた場合において、切断部50を元に戻す際にはヨーク部12の弾性力により自然に元の形状に戻る。そのため、元に戻す力を必要としないため、容易であり、さらに、製造コストを低減することができる。
図8に示すように、ステータコア3は、径方向へ延びる切断部30が成型されている。切断部30は、薄板の鋼板の全てにわたって成型されているため、ステータコア3に引張力を加えると、切断部30は離間する。切断部30が離間するとは、切断部30のヨーク部12のうち第1ティース部T1側に成型された切断部一端31と、切断部30のヨーク部12のうち第12ティース部T12側に成型された切断部他端32が離間することである。切断部30に力が加わらないときには、図8に示すように、切断部一端31と切断部他端32は当接した状態にある。
Claims (13)
- ヨーク部とティース部とを備えるコア鋼板を順送プレス工程により順次成型し、前記コア鋼板を積層したステータコアを成型するステータコア製造方法において、
前記順送プレス工程で前記コア鋼板の円周方向に1か所のみ径方向の切断部を成型すること、
を特徴とするステータコア製造方法。 - 請求項1に記載するステータコア製造方法において、
前記ステータコアは、前記コア鋼板を転積して積層されていること、
前記コア鋼板の転積角度に応じて前記切断部の切断位置を変更すること、
を特徴とするステータコア製造方法。 - 請求項1に記載するステータコア製造方法において、
前記切断部の切断位置を所定量円周方向に変更すること、
を特徴とするステータコア製造方法。 - 請求項2又は請求項3に記載するステータコア製造方法において、
前記切断部を成型する切断パンチを複数設けること、
前記切断パンチが稼働又は非稼働に切り替え可能なこと、
を特徴とするステータコア製造方法。 - 請求項2又は請求項3に記載するステータコア製造方法において、
前記切断パンチが移動すること、
を特徴とするステータコア製造方法。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載するステータコア製造方法において、
成型前鋼板に前記コア鋼板の内径に前記ティース部と内径穴を成型する内径穴成型工程と、
前記成型前鋼板のうち前記コア鋼板が打ち抜かれる部分の外周部に1か所の下穴を成型する下穴成型工程と、
前記内径穴から前記下穴に対して前記切断部を成型する切断部成型工程と、
前記成型前鋼板から前記コア鋼板を抜き落とす鋼板打抜き工程と、
を有することを特徴とするステータコア製造方法。 - 請求項6に記載するステータコア製造方法において、
前記下穴は長穴形状であること、
を特徴とするステータコア製造方法。 - ヨーク部とティース部とを備えるコア鋼板を順送プレス工程により順次成型し、前記コア鋼板を積層したステータコアを成型するステータコア製造装置において、
前記順送プレス工程で前記コア鋼板の半径方向に1か所のみ切断部を成型する切断パンチを有すること、
を特徴とするステータコア製造装置。 - 請求項8に記載するステータコア製造装置において、
前記ステータコアは、前記コア鋼板を転積して積層されていること、
前記コア鋼板の転積角度に応じて前記切断パンチが切断位置へ移動すること、
を特徴とするステータコア製造装置。 - 請求項8に記載するステータコア製造装置において、
前記切断パンチが切断位置へ所定量円周方向に移動すること、
を特徴とするステータコア製造装置。 - 請求項9又は請求項10に記載するステータコア製造装置において、
前記切断パンチを複数設けること、
前記切断パンチが稼働又は非稼働に切り替え可能なこと、
を特徴とするステータコア製造装置。 - 請求項8乃至請求項11に記載するステータコア製造装置において、
成型前鋼板に前記コア鋼板の内径に前記ティース部と内径穴を成型する内径穴成型装置と、
前記成型前鋼板のうち前記コア鋼板が打ち抜かれる部分の外周部に1か所の下穴を成型する下穴成型装置と、
前記成型前鋼板から前記コア鋼板を抜き落とす鋼板打抜き装置と、
を有することを特徴とするステータコア製造装置。 - 請求項12に記載するステータコア製造装置において、
前記下穴成型装置は長穴形状の下穴を成型すること、
を特徴とするステータコア製造装置。
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