JPWO2012127571A1 - 圧延制御装置、圧延制御方法および圧延制御プログラム - Google Patents

圧延制御装置、圧延制御方法および圧延制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】製品品質を低下させることなく、圧延操業をしながら様々な条件でのデータサンプルを取得すること。【解決手段】複数の圧延スタンド1によって圧延された被圧延材の板厚を設定板厚に近付けるように、フィードバック制御によって複数の圧延スタンド1のロールギャップを制御するロールギャップ制御部111と、ライン速度の変化を設定するセットアップ計算部105と、複数の圧延スタンド1のうち、最後段以外のロールギャップを制御するための設定板厚の時系列の変化を、ライン速度の時系列の変化に基づいて設定する圧下率変更仕様計算部108と、時系列に変化するように設定されたライン速度及び設定板厚に基づいて実行された圧延における圧延状態の実測値に基づいて摩擦係数、変形抵抗を計算する摩擦係数計算部102及び変形抵抗計算部103とを含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、圧延制御装置、圧延制御方法および圧延制御プログラムに関し、特に、実際の製品を生産するための圧延をしながらの圧延制御のパラメータの学習に関する。
圧延機においては、被圧延材にかかる張力および圧延荷重を、上下作業ロール間の間隔であるロールギャップと、当該圧延機前後設備のロール速度を用いて制御することで圧延操業が行われる。圧延操業においては、圧延機の制御操作量であるロールギャップとロール速度を予め設定したパターンに従って操作し、圧延機の制御状態量である被圧延材の板厚や張力、圧延荷重を設定値に維持するためのフィードバック制御が実施されている。
上述したようなロールギャップ及びロール速度を操作するためのパターンを生成する際には、被圧延材の変形抵抗及び被圧延材と圧延機のワークロールとの摩擦係数を用いて計算を行う。従って、圧延操業を停止することなく目標板厚を変更する走間板厚変更や、圧延速度の加減速等における圧延結果の精度が高いパターンを生成するためには、上記変形抵抗及び摩擦係数を高精度に求める必要がある。
しかしながら、この変形抵抗及び摩擦係数は、ワークロールやロールクーラントの摩擦などの操業状態や、非圧延材の材料の状態で変化する動的なパラメータであり、条件が異なれば求め直す必要がある。従って、圧延操業をしながら測定される値に基づいて変形抵抗及び摩擦係数を求めることにより、サンプル数を増やすことが望まれる。
従来、圧延操業中に好適なパラメータを求める方法は各種提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。しかしながら、上記文献に開示された方法は、パラメータを補正するための好適なパラメータを求めるための方法であり、圧延操業をしながら様々な条件でのデータサンプルを取得する本願発明とはその趣旨が異なる。
特開平6−15318号公報 特開2007−245204号公報 特開2009−208115号公報
摩擦係数μは、圧延速度を用いた数式モデルで演算が可能である。一般に摩擦係数は低速部において、その挙動が顕著となる。速度に対するサンプル数を確保するためには、広範囲は速度帯域でのデータが採取が望まれる。また、変形抵抗kは、圧下率、圧延速度を用いた数式モデルで演算が可能である。変形抵抗の算出時に、圧下率を意図的に操作することで、変形抵抗のデータサンプル数を増やし、変形抵抗の演算精度の向上が可能である。
しかしながら、1サイクル辺りに多くの圧下率を変更したり、最終的な圧下率の変更量を過大にするとオフゲージ、即ち、圧延後の板厚が製品品質を満足しなくなる問題が発生するため、圧延操業をしながらのデータサンプルの取得は困難である。このため、製品への影響が発生しないよう、板厚制御が補える範囲で圧下率、すなわち板厚設定値を変更する必要がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、製品品質を低下させることなく、圧延操業をしながら様々な条件でのデータサンプルを取得することを目的とする。
本発明の一態様は、被圧延材を複数の対のロールで圧延するタンデム圧延機を制御する圧延制御装置であって、前記複数の対のロールによって圧延された被圧延材の板厚を指定された設定板厚に近付けるように、フィードバック制御によって前記複数の対のロールのロールギャップを制御するロールギャップ制御部と、前記被圧延材の搬送速度の時系列の変化を設定する搬送速度設定部と、前記複数の対のロールのうち、最後段のロール以外のロールのロールギャップを制御するための設定板厚の時系列の変化を、前記設定された搬送速度の時系列の変化に基づいて設定する設定板厚変化設定部と、時系列に変化するように設定された前記搬送速度及び前記設定板厚に基づいて実行された圧延における圧延状態の実測値に基づいて前記圧延機の制御におけるパラメータを計算するパラメータ計算部とを含むことを特徴とする圧延制御装置。
また、本発明の他の態様は、被圧延材を複数の対のロールで圧延するタンデム圧延機を制御する圧延制御方法であって、前記複数の対のロールによって圧延された被圧延材の板厚を指定された設定板厚に近付けるように、フィードバック制御によって前記複数の対のロールのロールギャップを制御し、前記被圧延材の搬送速度の時系列の変化を設定し、前記複数の対のロールのうち、最後段のロール以外のロールのロールギャップを制御するための設定板厚の時系列の変化を、前記設定された搬送速度の時系列の変化に基づいて設定し、時系列に変化するように設定された前記搬送速度及び前記設定板厚に基づいて実行された圧延における圧延状態の実測値に基づいて前記圧延機の制御におけるパラメータを計算することを特徴とする。
また、本発明の更に他の態様は、被圧延材を複数の対のロールで圧延するタンデム圧延機を制御する圧延制御プログラムであって、前記複数の対のロールによって圧延された被圧延材の板厚を指定された設定板厚に近付けるように、フィードバック制御によって前記複数の対のロールのロールギャップを制御するステップと、前記被圧延材の搬送速度の時系列の変化を設定するステップと、前記複数の対のロールのうち、最後段のロール以外のロールのロールギャップを制御するための設定板厚の時系列の変化を、前記設定された搬送速度の時系列の変化に基づいて設定するステップと、時系列に変化するように設定された前記搬送速度及び前記設定板厚に基づいて実行された圧延における圧延状態の実測値に基づいて前記圧延機の制御におけるパラメータを計算するステップとを情報処理装置に実行させることを特徴とする。
本発明によれば、製品品質を低下させることなく、圧延操業をしながら様々な条件でのデータサンプルを取得することができる。
本発明の実施形態に係る圧延機及び圧延制御装置の全体構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る圧延制御装置のハードウェア構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る圧延モードの判断動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る圧延制御のタイミングチャートである。 本発明の実施形態に係る設定板厚変更量の算出態様を示す図である。 本発明の実施形態に係る圧下率変更レートの決定態様を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る最大圧下率変更量の適用例を示す図である。 本発明の実施形態に係る異常検知部の動作を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態に係る圧延制御のタイミングチャートである。
実施の形態1.
本実施形態においては、4つの圧延スタンドを含むタンデム圧延機において、最後段以外の圧延スタンドのロールギャップ等の圧延条件を変化させながら圧延を行うことにより、様々な条件におけるデータサンプルを収集して変形抵抗や摩擦係数を計算して圧延モデルを学習する制御の例について説明する。
図1は、本実施形態に係る圧延機10及び圧延制御装置100の機能構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る圧延機10は、4つの圧延スタンド1を含み、夫々の圧延スタンド1の間、最前段の圧延スタンド1の前段及び最後段の圧延スタンド1の後段には、被圧延材Mの板厚h〜hを計測する板厚計2が設けられている。また、夫々の圧延スタンド1には、被圧延材に対する圧延荷重P〜Pを測定する圧延荷重計測装置3が設けられている。
更に、夫々の圧延スタンド1には、実際に被圧延材を圧延するワークロールのロール速度RV〜RVを計測するPLG(Pulse Logic Generater)4が設けられており、これがロール速度測定装置として用いられる。尚、図1に示すように、圧延スタンド1のワークロールは、モータMによって駆動される。
本実施形態に係る圧延機10においては、コイル状に巻き取られた板状の被圧延材Mが巻き出されて圧延機10に供給され、図1に示す複数の圧延スタンド1によって順番に圧延される。本実施形態に係る圧延制御装置100においては、被圧延材が巻き取られた1つのコイル毎に圧延制御が行われる。尚、異なるコイルの被圧延材を連続して圧延する場合、圧延中のコイルに含まれる被圧延材の終端と、次に圧延を行うコイルの被圧延材の先端とを溶接等によって接続することにより、連続して圧延を行う。その際、圧延が完了したコイルの被圧延材は、ロール速度を遅くした上で後段のコイルの被圧延材から切り離す。この被圧延材を切り離す際のロール速度の制御が、本実施形態に係る要旨の1つである。
他方、圧延制御装置100は、図1に示すように、圧延状態監視部101、摩擦係数計算部102、変形抵抗計算部103、圧延荷重計算部104、セットアップ計算部105、速度変更量計算部106、カット速度変更部107、圧下率変更仕様計算部108、設定板厚変更部109、積分器リセット部110、ロールギャップ制御部111、異常監視部112、圧下率変更量修正部113及び警報出力部114を含む。
圧延状態監視部101は、圧延機10から上述したh〜h、P〜P、RV〜RVの情報を取得することにより、圧延機10における圧延状態を監視する。摩擦係数計算部102及び変形抵抗計算部103は、圧延状態監視部101から上述したh〜h、P〜P、RV〜RVの情報を取得し、以下の式(1)に基づいて摩擦係数μ、変形抵抗kを夫々計算する。
Figure 2012127571
式(1)において、Pは圧延スタンド1の圧延荷重、bは被圧延材の板幅、kは被圧延材の変形抵抗、fは、被圧延材の張力補正項、fは、被圧延材とワークロールとの摩擦系数補正項である。またZは、圧延荷重の計算値を実績の圧延荷重から学習するための公知の学習係数である。また、fのパラメータであるHは、圧延スタンドの入側の被圧延材の板厚、hは、圧延スタンドの出側の被圧延材の板厚である。例えば、図1において最も左側に配置された圧延スタンド1における圧延状態を計算する場合、圧延荷重PはP、張力補正項fのパラメータであるHはh、hはhが夫々用いられる。
圧延荷重計算部104は、摩擦係数計算部102が計算した摩擦係数μ、変形抵抗計算部103が計算した変形抵抗k並びに圧延状態監視部101が取得した圧延実績に基づき、次のコイルの圧延における圧延荷重を決定する。即ち、摩擦係数計算部102、変形抵抗計算部103及び圧延荷重計算部104が、圧延機10の制御におけるパラメータを計算するパラメータ計算部として機能する。
セットアップ計算部105は、圧延機10において圧延されるコイル毎に、圧延機10におけるライン速度及び各圧延スタンドにおける圧下率を含む圧延条件を決定する。本実施形態においては、圧延機10において様々な条件で圧延を実行することにより様々なデータサンプルを取得することが目的である。セットアップ計算部105は、その様々な条件を制御する。
速度変更量計算部106は、セットアップ計算部105によって決定された圧延条件に基づき、モータMが圧延スタンド1のワークロールを駆動する際の速度、即ち圧延速度を決定する。そして、速度変更部107は、速度変更量計算部106によって決定された圧延速度に基づき、モータMがワークロールを駆動する際の回転速度を制御する。
圧下率変更仕様計算部108は、セットアップ計算部105によって決定された圧延条件に基づき、圧延スタンド1のワークロールによって圧延される被圧延材の圧下率の設定を制御する。具体的には、圧下率変更仕様計算部108は。圧下率の変更を開始するタイミング及び終了するタイミングに加えて、圧下率の変更量を決定する。
設定板厚変更部109は、圧下率変更仕様計算部108によって決定された圧下率の変更開始タイミング、変更終了タイミング及び変更量に基づき、設定板厚を決定する。この設定板厚とは、即ち、圧延結果のフィードバック制御において用いられる目標値である。積分器リセット部110は、設定板厚変更部109から入力される設定板厚の変化に応じて、上記フィードバック制御における積分期間をリセットするためのリセット信号を出力する。
ロールギャップ制御部111は、圧延状態監視部101から入力されるh〜hの情報と、設定板厚変更部109から入力される設定板厚とに基づき、以下の式(2)に基づいて圧延スタンド1のロールギャップを調整する。
Figure 2012127571
ΔSは、ロールギャップ制御部111がフィードバック制御のための制御値として出力するロールギャップ変更量、Δhは、圧延状態監視部101から入力される圧延スタンド1の出側の板厚の設定板厚からの偏差である。また、Cは、圧延スタンド1及び被圧延材Mの性質によって決定される定数である。
本実施形態において、圧延状態監視部101は、所定のサンプリング周期でh〜h、P〜P、RV〜RVの情報を取得する。そして、ロールギャップ制御部111は、そのサンプリング周期に応じて、上記式(2)に基づいてロールギャップ変更量を算出して出力することにより、フィードバック制御を行う。また、ロールギャップ制御部111は、積分器リセット部110からリセット信号が入力されるまで、圧延状態監視部101から圧延状態の情報が入力された全期間を積分期間とし、リセット信号が入力されると、積分期間をリセットする。
尚、図1に示すように、圧延機10は、4つの圧延スタンド1を含む。従って、本実施形態に係る設定板厚変更部109及びロールギャップ制御部111は、夫々の圧延スタンド1毎に設定板厚を制御する。そして、図1に示す4つの圧延スタンド1のうち、最後段である4番目の圧延スタンドの設定板厚を最終的な目標板厚である製品板厚とし、1〜3番目の設定板厚は、被圧延材の元板厚から製品板厚に徐々に近づくように設定される。
異常監視部112は、圧延状態監視部101が取得した圧延状態の情報のうち、最終的な製品板厚となるhの情報に基づき、予め定められた製品板厚としての許容範囲が満たされているか否かを監視する。hの値が、製品板厚としての許容範囲を外れた場合、異常監視部112は、異常を検知したことを示す異常検知信号を出力する。また、異常監視部112は、圧延状態監視部101が取得したh〜h、P〜P、RV〜RVの情報に基づき、圧延スタンド1と被圧延材とのスリップを検知する。即ち、異常監視部112は、圧延の異常を検知する異常検知部である。
圧下率変更量修正部113は、異常監視部112が出力する異常検知信号に基づき、圧下率変更仕様計算部108に圧下率の設定値を修正させるための制御信号を出力する。警報出力部114は、異常監視部112が出力する異常検知信号に基づき、オフゲージの発生をオペレータに通知する。
図1に示すような圧延制御装置100は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって実現される。ここで、圧延制御装置100の各機能ブロックを構成するハードウェアについて、図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る圧延制御装置100の各機能ブロックを実現するためのハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、本実施形態に係る圧延制御装置100は、一般的なサーバやPC(Personal Computer)等の情報処理端末と同様の構成を有する。
即ち、本実施形態に係る圧延制御装置100は、CPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)202、ROM(Read Only Memory)203、HDD(Hard Disk Drive)204およびI/F205がバス208を介して接続されている。また、I/F205にはLCD(Liquid Crystal Display)206および操作部207が接続されている。
CPU201は演算手段であり、圧延制御装置100全体の動作を制御する。RAM202は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU201が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM203は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。
HDD204は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納されている。I/F205は、バス208と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。また、I/F205は、圧延制御装置100が圧延機10との間で情報をやり取りするための入出力部としても機能する。
LCD206は、オペレータが圧延制御装置100の状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部207は、キーボードやマウス等、オペレータが圧延制御装置100に情報を入力するためのユーザインタフェースである。このようなハードウェア構成において、ROM203やHDD204若しくは図示しない光学ディスク等の記録媒体に格納されたプログラムがRAM202に読み出され、CPU201がそのプログラムに従って演算を行うことにより、ソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、本実施形態に係る圧延制御装置100の機能が実現される。
このような圧延制御装置100において、本実施形態に係る要旨は、セットアップ計算部105による圧延条件の設定や、圧下率変更仕様計算部108及び設定板厚変更部109による設定板厚の決定、並びに、そのようにして決定された圧延条件での圧延操業における摩擦係数μ、変形抵抗kの計算による圧延モデルの学習にある。以下、本実施形態の要旨に係る動作について説明する。
上述したように、本実施形態に係る圧延機においては、コイル毎に圧延制御が行われる。そして、本実施形態に係るセットアップ計算部105は、通常の圧延操業を行うか、圧延モデルを学習する学習圧延を行うかの判断を行う。図3は、セットアップ計算部105による操業モードの判断動作を示すフローチャートである。
図2に示すように、操業モードの判断動作を開始すると、セットアップ計算部105は、次に圧延するべきコイルの材量種が、現在圧延中の被圧延材のコイルの材量種と同一であるか否か判断する(S301)。尚、圧延するべきコイルの材料種類は、オペレータの手作業によって圧延制御装置100に入力される。
S301の判断の結果、次に圧延するべきコイルの材料種が、現在圧延中の被圧延材のコイルの材料種と同一である場合(S301/NO)、セットアップ計算部105は、次に、毎コイル学習モードで圧延操業を行う設定となっているか否か確認する(S302)。S302の判断の結果、毎コイル学習モードでなければ(S302/NO)、セットアップ計算部105は、通常圧延のモードであることを判断し(S304)、処理を終了する。
他方、S301の判断の結果、次に圧延するべきコイルの材料種が、現在圧延中の被圧延材のコイルの材料種と異なる場合(S301/YES)、またはS302の判断の結果、毎コイル学習モードで圧延操業を行う設定となっている場合(S302/YES)、セットアップ計算部105は、学習圧延のモードであることを判断し(S303)、処理を終了する。
ここで、図4に、学習圧延モードにおける“ライン速度”、“モード判断タイミング”、“設定板厚変更タイミング”、“設定板厚変更量”、“積分器リセットタイミング”、“パラメータ計算タイミング”、“圧延荷重モデル計算タイミング”を示すタイミングチャートを示す
図4に示す“ライン速度”は、セットアップ計算部105によって決定された圧延条件に基づいて速度変更量計算部106が計算し、速度変更部107によって制御される。図4に示すように、被圧延材の搬送速度である“ライン速度”は、定期的に減速されている。これは、上述したように、異なるコイル同士を溶接して接続することにより連続して圧延を行う場合において、圧延が完了した被圧延材をカットするためのカット速度であり、本実施形態に係る圧延機10のライン速度制御において最も低速な最低速度である。
また、図4に示すように、本実施形態に係るライン速度は、カット速度から加速する加速期間、その後の定常期間、定常期間の速度からカット速度に減速する減速期間夫々の期間毎に変化する。このうち、定常期間における定常の速度は、通常の圧延操業における被圧延材の搬送速度である圧延速度であり、定常期間は即ち通常期間である。
尚、図4に示す“ライン速度”は、図1に示すように4つ含まれる圧延スタンド1のいずれか1つについてのロール速度に対応している。ここで、圧延によって引き延ばされた分の被圧延材の長さに対応するため、タンデム圧延機に含まれる複数の圧延スタンド1は、後段に配置されたもの程、ロール速度が速く設定される。従って、図4に示すようなライン速度の加速、定常、減速の制御は、上述したような圧延スタンド毎のロール速度の違いに対応して制御される。
“モード判断タイミング”は、図3において説明した動作を実行するタイミングであり、上述したカット速度のための減速を開始するよりも前のタイミングである。尚、本実施形態におけるモード判断タイミングは、セットアップ計算部105が、速度変更部107によるライン速度の変更制御に応じて判断する。
“設定板厚変更タイミング”は、ロールギャップ制御部111がフィードバック制御において用いるΔhを算出するための設定板厚を変化させる方向を変更するタイミングを示す信号であり、圧下率変更仕様計算部108によって制御される。圧下率変更仕様計算部108は、図4に示すように、基準値から正方向に変更するタイミングと負方向に変更するタイミングとを示す信号によって設定板厚変更タイミングを示す。
この設定板厚変更タイミングは、図4に示すように、ライン速度の減速期間、加速期間、定常期間夫々の期間を4分割することによって求められる。具体的には、元の設定板厚から最大の設定板厚になるように正方向に変更する第一の期間、最大の設定板厚から元の設定板厚になるように負方向に変更する第二の期間、元の設定板厚から最小の設定板厚になるように負方向に変更する第三の期間、最小の設定板厚から元の設定板厚になるように正方向に変更する第四の期間の4つの期間が、上記減速期間、加速期間、定常期間夫々の期間を4分割することによって求められる。
換言すると、本実施形態に係る圧下率変更仕様計算部108は、加速期間、減速期間及び通常期間の夫々において、標準の設定板厚から設定板厚を厚くする第一の期間、標準よりも厚い設定板厚から標準の設定板厚に戻す第二の期間、標準の設定板厚から設定板厚を薄くする第三の期間、標準よりも薄い設定板厚から標準の設定板厚に戻す第四の期間の4つの期間を設定する。
“設定板厚変更量”は、上述した“設定板厚変更タイミング”に応じた設定板厚の変更量を示す信号であり、設定板厚変更部109によって制御される。設定板厚変更部109は、図4に示すように、元の設定板厚からの正方向の変更量と負方向の変更量とを示す信号によって設定板厚変更量を示す。設定板厚変更部109は、圧下率変更仕様計算部108から“設定板厚変更タイミング”及び圧下率の変更レートを取得して、“設定板厚変更量”を計算する。
尚、上述したように、圧延機10には、4つの圧延スタンド1が含まれるが、図4に示す“設定板厚変更量”は、図4に示すようにライン速度の変化に基づいて設定された“設定板厚変更タイミング”に応じて、夫々の圧延スタンド1に対するロールギャップ制御に対して同じタイミングで適用される。
“積分器リセットタイミング”は、積分器リセット部110が、ロールギャップ制御部111による積分期間をリセットするタイミングを示すリセット信号であり、積分器リセット部110によって制御される。積分器リセット部110は、設定板厚変更部109が出力する“設定板厚変更量”を参照し、“設定板厚変更量”の変更レートが変化するタイミング、即ち、“設定板厚変更量”がクランク状に変化するタイミングにおいて、リセット信号を出力する。
“パラメータ計算タイミング”は、摩擦係数計算部102及び変形抵抗計算部103が、摩擦係数μ及び変形抵抗kを計算する期間を示す信号であり、摩擦係数計算部102及び変形抵抗計算部103夫々によって制御される。図4に示すように、本実施形態に係る“パラメータ計算タイミング”は、加速期間、定常期間及び減速期間を1サイクルとして設定される。
“圧延荷重モデル計算タイミング”は、摩擦係数計算部102及び変形抵抗計算部103によって計算されたパラメータに基づき、圧延荷重計算部104が、圧延荷重モデルを計算するタイミングを示す信号であり、圧延荷重計算部104によって制御される。
図4に示すように、ライン速度の加速期間、定常期間、減速期間夫々に応じて、設定板厚を変更しながら圧延操業を行うことにより、様々な圧延条件下でのh〜h、P〜P、RV〜RVの情報を取得してパラメータを計算することが、本実施形態に係る要旨である。尚、本実施形態においては、製品を製造している際、即ち、実際の圧延操業中における学習を前提としている。そのため、最終段である4つめの圧延スタンド1の出側板厚は、目標板厚となるように圧延される。そのため、図4に示す“設定板厚変更量”は。4つの圧延スタンド1には適用されず、4つ目の圧延スタンド1には、通常の設定板厚が適用される。
ただし、4つの圧延スタンド1の入側板厚は、3つ目の圧延スタンド1によって、図4の“設定板厚変更量”に従って圧延された状態となっている。そのような板厚の変化に対応するため、積分器リセット部110は、4つ目の圧延スタンド1のためのフィードバック制御に対しても、所定のタイミングでリセット信号を出力する。この所定のタイミングとは、3つ目の圧延スタンド1によって図4の“設定板厚変更量”に従って圧延されたことにより被圧延材の板厚がクランク状に変化する部分が、4つ目の圧延スタンド1に到達するタイミングである。
ここで、とある部分が3つ目の圧延スタンドにおいて圧延された後、4つ目の圧延スタンドに到達するまでの期間は、計算により求めることが可能である。従って、積分器リセット部110は、3つ目の圧延スタンド1のためのフィードバック制御に対して積分リセット信号を出力した後、上記計算によって求めた期間だけ遅延させて、4つ目の圧延スタンド1のためのフィードバック制御に対してリセット信号を出力させる。
図4に示す“設定板厚変更タイミング”及び“設定板厚変更量”の計算が本実施形態に係る要旨の1つである。図5(a)〜(c)を参照して、“設定板厚変更タイミング”及び“設定板厚変更量”の計算態様について説明する。図5(a)〜(c)は、セットアップ計算部105及び圧下率変更仕様計算部108による、“設定板厚変更タイミング”及び“設定板厚変更量”の計算態様を示す機能ブロック図である。
図5(a)は、ライン速度の加速期間における“設定板厚変更タイミング”及び“設定板厚変更量”の計算態様を示す図である。図5(a)に示すように、セットアップ計算部105から圧下率変更仕様計算部108に対して、加速レート及び最大圧延速度並びに最大圧下率変更量が入力される。また、圧下率変更仕様計算部108に対しては、図1に示すように、圧延状態監視部101から、ライン速度の測定値RV〜RVが現ライン速度として入力される。
尚、図4において説明したように、本実施形態における圧延荷重モデルの計算タイミングは、ライン速度がカット速度に落ち込んでいる期間である。従って、圧延状態監視部101から現ライン速度として圧下率変更仕様計算部108に入力されるライン速度の測定値RV〜RVは、カット速度である。
圧下率変更仕様計算部108においては、上記入力された情報のうち、現ライン速度、加速レート及び最大圧延速度に基づき、ライン速度の加速に要する時間、即ち図4において説明した加速期間を計算し、図4において説明したようにその時間を4分割することにより、“設定板厚変更タイミング”を算出する。即ち、図5(a)に示す加速レート及び最大圧延速度は、被圧延材の搬送速度の時系列の変化を設定するための情報であり、セットアップ計算部105が、搬送速度設定部として機能する。
また、圧下率変更仕様計算部108は、セットアップ計算部105より入力された最大圧下率変更量及び予め定められた圧下率変更レート並びに上記算出した“設定板厚変更タイミング”に基づき、“設定板厚変更量”を算出する。即ち、圧下率変更仕様計算部108が、設定板厚の時系列の変化を設定する設定板厚変化設定部として機能する。
ここで、上記予め定められた圧下率変更レートについて、図6を参照して説明する。上述したように、1〜3番目の圧延スタンド1において、図4に示すような学習圧延、即ち、設定板厚を変化させながらの圧延を行うことにより、4番目の圧延スタンド1には、搬送方向の位置に応じて板厚がクランク状に変化する被圧延材が供給されることになる。しかしながら、本実施形態に係る学習圧延の前提は製造時においても学習圧延を可能とすることであるため、4番目の圧延スタンド1において製品板厚が実現される必要がある。
図6は、上記式(2)のようなフィードバック制御を行う場合の、入側板厚及び出側板厚の変化の例を示す図である。図6に示すように、入側板厚がクランク状に変化する場合、出側板厚においては、クランク状の変化点において入側板厚の変化レートに応じた偏差gが発生する。これは、式(2)のような積分演算による制御を行う以上必ず発生してしまう。
図6に示す偏差gが、製品板厚の許容範囲を超えるレベルであると、オフゲージとなり、製品としての仕様が満足されないこととなる。このため、入側板厚の変化レートは、偏差gが製品板厚としての許容範囲を超えないようになっていることが求められる。従って、圧下率変更仕様計算部108に設定されている圧下率変更レートは、4番目の圧延スタンド1の出側板厚にオフゲージが発生しないような3番目の圧延スタンド1の出側板厚の変化レートである。
また、セットアップ計算部105から入力される最大圧下率変更量は、スリップの発生を回避するためにセットアップ計算部105によって設定される閾値である。夫々の圧延スタンド1における圧延において、圧下率が高すぎても低すぎても、ワークロールと被圧延材との間にスリップが発生し、製品品質に重大な影響が出る。このような事態を回避するため、セットアップ計算部105は、最大圧下率変更量として圧下率の変更量に閾値を設定し、スリップの発生を防ぐ。
図7は、圧下率変更レート、設定板厚変更タイミング及び最大圧下率変更量に基づいて“設定板厚変更量”を求める態様を示す図である。図7に示すように、“設定板厚変更量”は、典型的には圧下率変更レート及び設定板厚変更タイミングに基づき、図7に示す“計算結果”のように求めることができる。これに対して、圧下率変更仕様計算部108は、セットアップ計算部105から入力された最大圧下率変更量を適用し、“計算結果”として求めた“設定板厚変更量”に、閾値としての最大圧下率変更量を超えている部分があれば、図7の“実際”のように修正した結果を“設定板厚変更量”として算出する。
図5(b)は、ライン速度の定常期間における“設定板厚変更タイミング”及び“設定板厚変更量”の計算態様を示す図である。図5(b)に示すように、セットアップ計算部105から圧下率変更仕様計算部108に対して、コイル長及び最大圧延速度が入力される。これにより、圧下率変更仕様計算部108においては、上記入力された情報のうち、コイル長及び最大圧延速度に基づき、通常圧延に要する時間、即ち図4において説明した通常期間を計算し、図5(a)の場合と同様に、“設定板厚変更タイミング”及び“設定板厚変更量”を計算する。
図5(c)は、ライン速度の減速期間における“設定板厚変更タイミング”及び“設定板厚変更量”の計算態様を示す図である。図5(c)に示すように、セットアップ計算部105から圧下率変更仕様計算部108に対して、減速レート及び最大圧延速度並びに最大圧下率変更量が入力される。また、圧下率変更仕様計算部108に対しては、図1に示すように、圧延状態監視部101から、ライン速度の測定値RV〜RVが現ライン速度として入力される。これにより、圧下率変更仕様計算部108においては、上記入力された情報のうち、現ライン速度、減速レート及びカット速度に基づき、ライン速度の減速に要する時間、即ち図4において説明した減速期間を計算し、図5(a)の場合と同様に、“設定板厚変更タイミング”及び“設定板厚変更量”を計算する。
尚、上述したように、圧延荷重モデルの計算タイミングは、ライン速度がカット速度に落ち込んでいる期間であるため、圧延状態監視部101から現ライン速度として圧下率変更仕様計算部108に入力されるライン速度の測定値RV〜RVは、カット速度である。しかしながら、セットアップ計算部105から圧下率変更仕様計算部108に対してカット速度を入力しても良い。
このように、本実施形態に係る圧延制御装置10においては、タンデム圧延機における最後段の圧延スタンド以外の圧延スタンドにおいて、ライン速度の加速期間、定常期間、減速期間毎に、設定板厚を時系列に変化させて圧延を行うことにより、多様な条件下でのデータサンプルを取得することができ、製品品質を低下させることなく、圧延操業をしながら様々な条件でのデータサンプルを取得することが可能となる。また、図6において説明したような圧下率の変更レートの制御や、図7において説明したような圧下率変更量の制御を行うことにより、実際の製品の製造中において、より高精度に製品仕様を満足しつつ圧延モデルの学習を行うことが可能となる。
次に、図8を参照して、異常監視部112及び圧下率変更量修正部による以上監視動作について説明する。図8に示すように、圧延操業が開始され、セットアップ計算部105によって設定された圧延モデルにより圧下率の変更が開始される。異常監視部112が、圧延状態監視部101から入力されるh〜h、P〜P、RV〜RV等の圧延状態の実測値に基づいてオフゲージを検知すると(S802/YES)、オフゲージの発生及びオフゲージ発生時の圧延状態を圧下率変更量修正部113に通知する。これにより、圧下率変更量修正部113が、オフゲージが解消されるように、圧下率変更仕様計算部108に記憶されている圧下率変更レートを修正する(S803)。
他方、オフゲージではなく(S802/NO)、スリップを検知した場合(S803/YES)、異常監視部112は、スリップの発生及びスリップ発生時の圧延状態を圧下率変更量修正部113に通知する。これにより、圧下率変更量修正部113が、スリップが解消されるように修正された最大圧下率変更量を圧下率変更仕様計算部108に入力する(S805)。S803及びS805のいずれかの処理が完了すると、異常検知部112は、警報出力部114を制御し、警報を出力させる(S806)。異常検知部112は、圧下率の変更が終了するまでS802からの処理を繰り返し(S807/NO)、圧下率の変更が終了したら(S807/YES)、処理を終了する。
尚、上記実施形態においては、4つの圧延スタンドを含むタンデム圧延機において、1〜3番目の圧延スタンドの圧下率を時系列に変化させることにより、様々な圧延条件でのパラメータを収集することを例として説明した。しかしながら、これは一例であり、少なくとも最後の圧延スタンドにおいて製品の目標板厚となるように制御するのではあれば、他の圧延スタンドにおける制御は任意である。
実施の形態2.
実施の形態1においては、図6において説明したように、4番目の圧延スタンドの出側板厚において生じる偏差gがオフゲージとならないように圧下率変更レートが定められている場合を例として説明した。この圧下率変更レートによって十分なサンプルが収集可能であれば問題ないが、図4に示すように設定板厚変更タイミングが決定した上で圧下率変更レートが定まると、圧下率を変化させることが可能な範囲が定まってしまう。その範囲が十分でない場合、十分なサンプルを収集することができない。
これに対して、圧延スタンド1のフィードバック制御を、上記式(2)に示すような積分の式ではなく、二重積分の式によって行うことにより、図6に示すような偏差gを吸収することが可能となる。従って、ロールギャップ制御部111が二重積分によるフィードバック制御を行う場合、圧下率変更仕様計算部108は、予め定められた圧下率変更レートよりも高いレートで圧下率を変更させるように“設定板厚変更量”を求めても良く、更には、予め定められる圧下率変更レートを省略しても良い。
尚、範囲が十分でない場合とは、例えば、設定板厚変更タイミング及び圧下率変更レートによって定まる最大の圧下率の変更量が、セットアップ計算部105から入力される最大圧下率変更量未満である場合や、最大圧下率変更量の70%、80%等、所定の割合以下である場合等が考えられる。また、二重積分の具体的態様については、公知の様々な方法を用いることが可能であり、詳細な説明を省略する。
実施の形態3.
図6において説明したような偏差gの問題は、フィードバックによって入側板厚の変化に対応するために生じる。これに対して、4番目の圧延スタンド1における入側板厚は、3番目の圧延スタンド1における出側板厚であるため、4番目の圧延スタンド1における入側板厚の変化は事前に検知可能であり、フィードフォワード制御を行うことができる。
即ち、ロールギャプ制御部111は、4番目の圧延スタンド1のロールギャップ制御に対しては、フィードバック制御に加えて、3番目の圧延スタンド1の出側板厚に応じてフィードフォワード制御を行うことにより、図6に示すような偏差gを解消することができる。これにより、図6に示すような偏差gに対応するために3番目の圧延スタンド1の出側板厚の変化レートを制御する必要がなくなり、圧下率変更仕様計算部108は、実施の形態2と同様に、所望のレートによって圧下率を変更させるように、“設定板厚変更量”を算出することが可能となる。
尚、フィードフォワードの具体的態様については、公知の様々な方法を用いることが可能であり、詳細な説明を省略する。
実施の形態4.
実施の形態1においては、カット速度からの加速期間、定常期間、カット速度への減速期間を前提として、夫々の期間毎に設定板厚をクランク状に変化させることによって様々なデータサンプルを収集する態様について説明した。この場合、ライン速度の低速期間において収集されるサンプルは、減速期間の終了間際及び加速期間の開始直後のみである。従って、低速期間におけるサンプル数を増やすために、カット速度からの加速期間及びカット速度への減速期間以外を定常期間と定めるのではなく、データサンプル収集のためにライン速度を変化させても良い。そのような例について、図9に示す。
図9は、学習圧延モードにおけるタイミングチャートであり、図4に対応する。図9においては、図4において定常期間であった期間Tについても、ライン速度が変化している。図9の例においては、設定板厚変更量がクランク状に変化するタイミングに合わせて、ライン速度の変化レートが変化している。このような態様により、より多様な圧延条件におけるデータサンプルを収集することが可能となる。
1 圧延機スタンド
2 板厚計
3 圧延荷重計測装置
4 PLG
10 圧延機
100 圧延制御装置
101 圧延状態監視部
102 摩擦係数計算部
103 変形抵抗計算部
104 圧延荷重計算部
105 セットアップ計算部
106 速度変更量計算部
107 速度変更部
108 圧下率変更仕様計算部
109 設定板厚変更部
110 積分器リセット部
111 ロールギャップ制御部
112 異常監視部
113 圧下率変更量修正部
114 警報出力部
201 CPU
202 RAM
203 ROM
204 HDD
205 I/F
206 LCD
207 操作部

Claims (10)

  1. 被圧延材を複数の対のロールで圧延するタンデム圧延機を制御する圧延制御装置であって、
    前記複数の対のロールによって圧延された被圧延材の板厚を指定された設定板厚に近付けるように、フィードバック制御によって前記複数の対のロールのロールギャップを制御するロールギャップ制御部と、
    前記被圧延材の搬送速度の時系列の変化を設定する搬送速度設定部と、
    前記複数の対のロールのうち、最後段のロール以外のロールのロールギャップを制御するための設定板厚の時系列の変化を、前記設定された搬送速度の時系列の変化に基づいて設定する設定板厚変化設定部と、
    時系列に変化するように設定された前記搬送速度及び前記設定板厚に基づいて実行された圧延における圧延状態の実測値に基づいて前記圧延機の制御におけるパラメータを計算するパラメータ計算部とを含み、
    時系列に変化する前記搬送速度には、少なくとも圧延を行うための通常の速度である圧延速度及び最も低速度である最低速度があり、
    前記搬送速度設定部は、前記最低速度から前記圧延速度に加速する加速期間、前記圧延速度から最低速度に減速する減速期間及び前記圧延速度である通常期間の3つの期間を設定し、
    前記設定板厚変化設定部は、前記設定された加速期間、減速期間及び通常期間の夫々において、標準の設定板厚から設定板厚を厚くする第一の期間、標準よりも厚い設定板厚から標準の設定板厚に戻す第二の期間、標準の設定板厚から設定板厚を薄くする第三の期間、標準よりも薄い設定板厚から標準の設定板厚に戻す第四の期間の4つの期間を設定することを特徴とする圧延制御装置。
  2. 前記設定板厚変化設定部は、前記最後段のロールによる圧延によって圧延された被圧延材の板厚が、予め定められた製品板厚の許容範囲を満たすように定められた設定板厚の変更レートに基づいて、前記設定板厚の時系列の変化を設定することを特徴とする請求項1に記載の圧延制御装置。
  3. 前記ロールギャップ制御部は、前記最後段のロールのロールギャップの制御において、圧延された被圧延材の板厚の実測値と設定板厚との偏差の二重積分によって前記ロールギャップを制御することを特徴とする請求項1に記載の圧延制御装置。
  4. 前記ロールギャップ制御部は、前記最後段の前段のロールによって圧延された被圧延材の板厚の実測値に基づくフィードフォワード制御を加えて、前記最後段のロールのロールギャップを制御することを特徴とする請求項1に記載の圧延制御装置。
  5. 前記設定板厚変化設定部は、前記ロールと前記被圧延材とのスリップが発生しないように定められた設定板厚の範囲に基づいて、前記設定板厚の時系列の変化を設定することを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の圧延制御装置。
  6. 前記設定板厚変化設定部は、前記設定された加速期間、減速期間及び通常期間の夫々の期間を四分割することにより前記第一の期間、第二の期間、第三の期間及び第四の期間を設定することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の圧延制御装置。
  7. 前記搬送速度設定部は、前記加速期間における加速レート、前記減速期間における減速レート及び前記通常期間において圧延を行うべき被圧延材の搬送長を設定し、
    前記設定板厚変化設定部は、
    前記加速期間において加速される速度の範囲及び前記加速レートに基づいて前記加速期間を判断し、
    前記減速期間において減速される速度の範囲及び前記減速レートに基づいて前記減速期間を判断し、
    前記通常期間において前記被圧延材が搬送される速度及び前記被圧延材の搬送長に基づいて前記通常期間を判断することを特徴とする請求項6に記載の圧延制御装置。
  8. 前記圧延状態の実測値に基づき、圧延に異常が発生したことを検知する異常検知部を含むことを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項に記載の圧延制御装置。
  9. 被圧延材を複数の対のロールで圧延するタンデム圧延機を制御する圧延制御方法であって、
    前記複数の対のロールによって圧延された被圧延材の板厚を指定された設定板厚に近付けるように、フィードバック制御によって前記複数の対のロールのロールギャップを制御し、
    前記被圧延材の搬送速度の時系列の変化を、少なくとも圧延を行うための通常の速度である圧延速度及び最も低速度である最低速度の間で、前記最低速度から前記圧延速度に加速する加速期間、前記圧延速度から最低速度に減速する減速期間及び前記圧延速度である通常期間の3つの期間を設定して制御し、
    前記複数の対のロールのうち、最後段のロール以外のロールのロールギャップを制御するための設定板厚の時系列の変化を、前記設定された加速期間、減速期間及び通常期間の夫々において、標準の設定板厚から設定板厚を厚くする第一の期間、標準よりも厚い設定板厚から標準の設定板厚に戻す第二の期間、標準の設定板厚から設定板厚を薄くする第三の期間、標準よりも薄い設定板厚から標準の設定板厚に戻す第四の期間の4つの期間として設定し、
    時系列に変化するように設定された前記搬送速度及び前記設定板厚に基づいて実行された圧延における圧延状態の実測値に基づいて前記圧延機の制御におけるパラメータを計算することを特徴とする圧延制御方法。
  10. 被圧延材を複数の対のロールで圧延するタンデム圧延機を制御する圧延制御プログラムであって、
    前記複数の対のロールによって圧延された被圧延材の板厚を指定された設定板厚に近付けるように、フィードバック制御によって前記複数の対のロールのロールギャップを制御するステップと、
    前記被圧延材の搬送速度の時系列の変化を、少なくとも圧延を行うための通常の速度である圧延速度及び最も低速度である最低速度の間で、前記最低速度から前記圧延速度に加速する加速期間、前記圧延速度から最低速度に減速する減速期間及び前記圧延速度である通常期間の3つの期間を設定して制御するステップと、
    前記複数の対のロールのうち、最後段のロール以外のロールのロールギャップを制御するための設定板厚の時系列の変化を、前記設定された加速期間、減速期間及び通常期間の夫々において、標準の設定板厚から設定板厚を厚くする第一の期間、標準よりも厚い設定板厚から標準の設定板厚に戻す第二の期間、標準の設定板厚から設定板厚を薄くする第三の期間、標準よりも薄い設定板厚から標準の設定板厚に戻す第四の期間の4つの期間として設定するステップと、
    時系列に変化するように設定された前記搬送速度及び前記設定板厚に基づいて実行された圧延における圧延状態の実測値に基づいて前記圧延機の制御におけるパラメータを計算するステップとを情報処理装置に実行させることを特徴とする圧延制御プログラム。
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