JPWO2012120603A1 - 車両の空調装置 - Google Patents

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Abstract

空調装置において、車室(1)に送られる空気の冷却は、蒸気圧縮式のヒートポンプである冷却機(2)によって行われる。また、上記空気の加熱は、内燃機関(7)の熱を利用して実現したり、ペルチェ素子(16)によって実現したりすることが可能とされる。冷却機(2)としては従来の空調装置に設けられていたものを利用することができるため、空調装置の構造が大幅に変わることを避けることができる。また、モータジェネレータのみでの走行時など、車室(1)の空調を行うための熱源として内燃機関(7)を利用することが困難な状況であっても、車室(1)に送られる空気をペルチェ素子(16)で加熱することができるため、車室の空調(暖房)を行うことが可能になる。従って、車室の空調を行うための熱源として内燃機関(7)を利用することが困難な車両において、構造を大幅に変えることなく車室の空調を行うことができる。

Description

本発明は、車両の空調装置に関する。
内燃機関を搭載した自動車等の車両では、車室に送られる空気を冷却機で冷却したり、同空気を内燃機関の熱を利用して加熱したりすることによって、車室内の温度を調節するようにしていた。しかし近年では、車室の空調(温度調節)を行うための熱源として内燃機関を利用することが困難な車両が増えてきている。こうした車両としては、例えば、原動機として内燃機関を搭載せずモータのみを搭載した電気自動車や、原動機としてモータと内燃機関とを搭載して同機関の運転を頻繁に停止させるハイブリッド自動車などがあげられる。
このような実情から、例えば特許文献1に示されるペルチェ素子を用いて車室の空調を行うことが考えられる。同ペルチェ素子は、吸熱を行う冷却部と放熱を行う加熱部とを備えており、電極の極性を反転させることによって上記冷却部と上記放熱部とを入れ替えることが可能となっている。そして、車室の温度を低下させるべく空調装置によって冷房を行う際には、同車室に送られる空気がペルチェ素子の冷却部によって冷却される。一方、車室の温度を上昇させるべく空調装置によって暖房を行う際には、ペルチェ素子における電極の極性が上記冷房の場合から反転され、それによって車室に送られる空気がペルチェ素子の加熱部によって加熱される。
特開平10−35268公報(段落[0012]〜[0014]、図1)
上述したようにペルチェ素子を用いて車室の空調を行うようにすれば、車室の空調を行うための熱源として内燃機関を利用することが困難な車両であっても、車室の空調(暖房)を行うことができるようにはなる。
ただし、こうしたペルチェ素子を用いた空調装置では、車室に送られる空気を冷却機で冷却したり内燃機関の熱を利用して加熱したりしていた従来の空調装置に対し、装置の構造が大幅に変わることは避けられない。このように空調装置の構造が大幅に変わると、同装置を製造するに当たって従来の設備等を活用することができなくなり、装置を製造するための設備等を新しくしなければならなくなる。その結果、製造のための設備等を新しくしなければならなくなる分、空調装置を製造する際のコストアップが生じるという問題がある。
このため、車室に送られる空気を冷却機で冷却したり内燃機関の熱を利用して加熱したりしていた従来の空調装置を利用しつつ、車室の空調を行うための熱源として内燃機関を利用することが困難な車両において車室の空調(暖房)を行えるようにすることが望まれている。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、車室の空調を行うための熱源として内燃機関を利用することが困難な車両において、構造を大幅に変えることなく車室の空調を行うことができる車両の空調装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に従う車両の空調装置では、車室の温度を調節すべく同車室に送られる空気の冷却や加熱を行う際、同空気の冷却が冷却機によって行われるとともに、同空気の加熱がペルチェ素子によって行われるようにしている。ここで、上記冷却機としては従来の空調装置に設けられていたものを利用することができるため、空調装置の構造が大幅に変わることを避けることができる。また、車室の空調を行うための熱源として内燃機関を利用することが困難な車両であっても、車室に送られる空気をペルチェ素子で加熱することができるため、車室の空調(暖房)を行うことが可能になる。従って、車室の空調を行うための熱源として内燃機関を利用することが困難な車両において、構造を大幅に変えることなく車室の空調を行うことができる。
なお、従来の空調装置では、車両に搭載される内燃機関と熱交換される冷却水を循環させる循環回路を備え、その冷却水によって車室に送られる空気を加熱することが行われていた。従って、内燃機関を搭載した車両では、上記ペルチェ素子による車室に送られる空気の加熱の仕方として、同ペルチェ素子の加熱部により上記循環回路の冷却水を加熱し、その冷却水を通じて上記空気を加熱するという仕方を採用することが可能である。この場合、従来の空調装置に設けられていた上記循環回路を利用して、車室に送られる空気のペルチェ素子による加熱を実現することができる。このため、空調装置の構造が従来から大幅に変わることを避けることができる。また、内燃機関が運転されて熱を発しているとき、その熱を循環回路を循環する冷却水により回収して車室の空調(暖房)に利用することもできる。
本発明の一態様では、上記循環回路は、そこを循環する冷却水の内燃機関の内部の通過を実現する第1経路と、同冷却水の内燃機関のバイパスを実現する第2経路とを備えており、冷却水を循環させるための経路として上記第1経路と上記第2経路との一方を用いる。この場合、上記循環回路で冷却水を循環させるための経路として、内燃機関の発熱が少ないときに上記第2経路を選択する一方、内燃機関の発熱が多いときに上記第1経路を選択することが可能になる。内燃機関の発熱が少ないとき、上記循環回路で冷却水を循環させるための経路として上述したように第2経路を選択すれば、ペルチェ素子の加熱部により加熱された冷却水の熱が内燃機関によって奪われることはなくなるため、同ペルチェ素子の加熱部による効果的な冷却水の加熱を行うことができる。また、内燃機関の発熱が多いとき、上記循環回路で冷却水を循環させるための経路として上述したように第1経路を選択すれば、冷却水を内燃機関によって加熱することができるため、ペルチェ素子の加熱部による冷却水の加熱を停止したり、同加熱の際の熱量を小さくしたりすることができる。
本発明の一態様では、上記循環回路は、そこを循環する冷却水の温度が予め定められた判定値以上のとき、その冷却水を流して同冷却水と外気との熱交換を行わせるラジエータを備える。また、ペルチェ素子は、冷却水回路を循環する冷却水との間で熱交換を行う冷却部を備える。そして、冷却水回路は、そこを循環する冷却水を上記循環回路のラジエータに導いて同ラジエータにて同冷却水と外気との熱交換を行わせる。こうした熱交換により冷却水回路の冷却水の温度が過度に低くなることは抑制され、ひいては同冷却水と熱交換されるペルチェ素子の冷却部も過度に温度低下することが抑制される。ここで、ペルチェ素子は、その加熱部による加熱が行われるとき、同素子の冷却部から加熱部への熱の移動が行われるものである。このため、ペルチェ素子では、冷却部と加熱部との温度差が小さいほど、冷却部から加熱部への熱の移動、言い換えれば加熱部による加熱を効率よく行うことができる。従って、上述したようにペルチェ素子における冷却部の温度低下を抑制することで、ペルチェ素子の加熱部と冷却部との温度差を小さく抑えることができ、ペルチェ素子の加熱部による加熱を効率よく行うことができる。
本発明の一態様では、ペルチェ素子は、冷却水回路を循環して車両に搭載された電気機器を冷却する冷却水との間で熱交換を行う冷却部を備える。ここで、ペルチェ素子は、その加熱部による加熱が行われるとき、同素子の冷却部から加熱部への熱の移動が行われるため、冷却部では温度低下が生じる。このペルチェ素子の冷却部と冷却水回路の冷却水との熱交換により温度低下した同冷却水を上記電気機器の冷却に用いることで、その冷却を効果的に行うことができる。また、冷却水回路の冷却水は上記電気機器からの熱を受けて過度に温度低下することが抑制されるため、ペルチェ素子の冷却部も過度に温度低下することは抑制される。同ペルチェ素子では、冷却部と加熱部との温度差が小さいほど、冷却部から加熱部への熱の移動、言い換えれば加熱部による加熱を効率よく行うことが可能になる。従って、上述したようにペルチェ素子における冷却部の温度低下が抑制されることで、ペルチェ素子の加熱部と冷却部との温度差が小さく抑えられる。その結果、ペルチェ素子の加熱部による加熱が効率よく行われるようになる。
本発明の一態様では、上記冷却水回路は、そこを循環する冷却水を流して同冷却水と外気との熱交換を行わせる熱交換器を備える。この構成により、冷却水回路の冷却水がペルチェ素子の冷却部により冷却されている状態において、電気機器からの受熱だけでは冷却水回路の冷却水の温度低下を抑制しきれない場合には、冷却水回路の熱交換器での上記冷却水と外気との熱交換により同冷却水の温度が過度に低くなることは抑制される。このため、同冷却水と熱交換されるペルチェ素子の冷却部も過度に温度低下することが抑制される。このようにペルチェ素子における冷却部の温度低下が抑制されることで、ペルチェ素子の加熱部と冷却部との温度差が小さく抑えられる。その結果、ペルチェ素子の加熱部による加熱が効率よく行われるようになる。
本発明の一態様では、内燃機関を停止させた状態での車両の走行時に車室の暖房を行う際、循環回路における冷却水を循環させるための経路を第2経路に切り換えるとともにペルチェ素子の加熱部を加熱させる制御部を備える。この制御部は、内燃機関を運転した状態での車両の走行時に車室の暖房を行う際には、循環回路における冷却水を循環させるための経路を第1経路に切り換えるとともに、ペルチェ素子の加熱部の加熱を停止させる。内燃機関を停止させた状態での車両の走行時に車室の暖房を行う際、循環回路で冷却水を循環させるための経路として上述したように第2経路を選択することで、ペルチェ素子の加熱部により加熱された冷却水の熱が内燃機関によって奪われることはなくなる。このため、ペルチェ素子の加熱部による効果的な冷却水の加熱を行うことができる。また、内燃機関を運転した状態での車両の走行時に車室の暖房を行う際、循環回路で冷却水を循環させるための経路として上述したように第1経路を選択することで、上記冷却水をペルチェ素子の加熱部で加熱しなくても内燃機関によって加熱することができる。このため、ペルチェ素子の加熱部の加熱を停止することができ、それによってペルチェ素子の無駄な駆動を回避することができる。
第1実施形態の空調装置全体を示す略図。 同空調装置における第1モードを示す略図。 同空調装置における第2モードを示す略図。 同空調装置における第3モードを示す略図。 同空調装置における第4モードを示す略図。 同空調装置における第5モードを示す略図。 車室の空調を行う手順を示すフローチャート。 第2実施形態の空調装置全体を示す略図。 同空調装置における第1モードを示す略図。 同空調装置における第2モードを示す略図。 同空調装置における第3モードを示す略図。 同空調装置における第4モードを示す略図。 同空調装置における第5モードを示す略図。
[第1実施形態]
以下、本発明を、ハイブリッド自動車の空調装置に具体化した第1実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
このハイブリッド自動車は、モータジェネレータと内燃機関とを原動機として搭載しており、走行状態や走行要求に応じて使用する原動機を切り換える。詳しくは、モータジェネレータのみを原動機として使用したり、内燃機関のみを原動機として使用したり、内燃機関とモータジェネレータとの両方を原動機として使用したりする。
こうしたハイブリッド自動車の空調装置には、図1に示すように、車室1に送られる空気を冷却する冷却機2が設けられている。この冷却機2は、蒸気圧縮式のヒートポンプである。同冷却機2は、冷媒を圧縮するコンプレッサ3と、そのコンプレッサ3で圧縮されて昇温した冷媒を外気により冷却するコンデンサ4と、そのコンデンサ4で冷却された冷媒を膨張させる膨張弁5と、その膨張弁5で膨張して温度低下した冷媒を車室1に送られる空気との間で熱交換させるエバポレータ6とを備えている。このため、上記空調装置では、冷却機2のコンプレッサ3を駆動して冷媒を循環させると、エバポレータ6を低温の冷媒が通過して車室1に送られる空気が同冷媒によって冷却される。
また、上記空調装置には、内燃機関7と熱交換される冷却水を循環させるとともに車室1に送られる空気を同冷却水によって加熱する循環回路8が設けられている。この循環回路8は、同回路8内の冷却水を循環させるための電動式のポンプ9と、同回路8内の冷却水と車室1に送られる空気とを熱交換させることで同空気を上記冷却水によって加熱するヒータコア10とを備えている。また、循環回路8は、そこを循環する冷却水の内燃機関7の内部の通過を実現する第1経路8aと、上記冷却水の内燃機関7のバイパスを実現する第2経路8bと、循環回路8の冷却水を循環させるための経路を第1経路8a及び第2経路8bのうちのいずれか一方に切り換える切換弁11とを備えている。この切換弁11の切り換え動作により、第1経路8aと第2経路8bとのいずれか一方が循環回路8の冷却水を循環させるための経路として用いられる。そして、循環回路8において第1経路8aを通過して冷却水が循環しているときに内燃機関7が熱を発すると、その冷却水が内燃機関7からの熱を受けることによって温度上昇する。
第1経路8aは、冷却水を外気と熱交換させるラジエータ12と、第1経路8aの冷却水の温度に基づき同冷却水のラジエータ12の通過を禁止したり許容したりするサーモスタット13とを備えている。サーモスタット13は、第1経路8a内の冷却水の温度が予め定められた判定値未満のときに上記冷却水のラジエータ12の通過を禁止する一方、上記冷却水の温度が判定値以上のときに同冷却水のラジエータ12の通過を許容する。従って、冷却水が第1経路8aを通って循環回路8を循環する際、その冷却水の温度が上記判定値以上になると、同冷却水がラジエータ12に流されるようになる。そして、ラジエータ12にて冷却水と外気との熱交換が行われることで、その冷却水が冷却されて同冷却水の過度の温度上昇が抑制される。
循環回路8には、ヒータコア10の上流と下流とを繋ぐ通路14、及び、ヒータコア10を循環回路8との間での冷却水の流通を遮断した状態とすることが可能な遮断弁15が設けられている。この遮断弁15は、ヒータコア10と通路14とに対して選択的に冷却水を流すべく切り換え動作する。そして、遮断弁15の切り換え動作を通じて通路14に冷却水を流すことで、ヒータコア10に同冷却水が流されることはなくなり、同ヒータコア10は循環回路8との間での冷却水の流通が遮断された状態となる。一方、遮断弁15の切り換え動作を通じて通路14に冷却水が流されないようにすると、ヒータコア10に同冷却水が流されるようになり、同ヒータコア10の循環回路8に対する遮断状態が解除される。従って、循環回路8を循環する冷却水の温度が高いとき、ヒータコア10の循環回路8に対する遮断状態を解除して同ヒータコア10に冷却水を流すと、車室1に送られる空気が同冷却水によって加熱されるようになる。
上記空調装置での車室1内の温度調節は、車室1に送られる空気を冷却機2のエバポレータ6で冷却したり、同空気を循環回路8のヒータコア10で加熱したりすることによって実現される。上記ヒータコア10を通過する循環回路8の冷却水は内燃機関7からの熱を受けて温度上昇するため、上記車室1に送られる空気の加熱には内燃機関7の熱が利用されることとなる。ただし、ハイブリッド自動車ではモータジェネレータでの走行時など内燃機関7の運転を頻繁に停止させる状況が生じ、そうした状況のもとでは車室1の温度調節(空調)を行うための熱源として内燃機関7を利用することが困難になる。このため、上記空調装置では、車室1の温度調節を行うための熱源として内燃機関7を利用することが困難な状況のもとでも、車室1に送られる空気を加熱することができるよう循環回路8の冷却水を加熱するペルチェ素子16が設けられている。
ペルチェ素子16は、放熱を行う加熱部16aと吸熱を行う冷却部16bとを備えており、その加熱部16aによって循環回路8内を循環する冷却水を加熱する。同ペルチェ素子16は、その加熱部16aによる冷却水の加熱が行われるとき、冷却部16bから加熱部16aへの熱の移動が行われるものである。このため、ペルチェ素子16では、冷却部16bと加熱部16aとの温度差が小さいほど、冷却部16bから加熱部16aへの熱の移動、言い換えれば加熱部16aによる冷却水の加熱を効率よく行うことができる。こうしたペルチェ素子16の加熱部16aにより加熱された冷却水は、ヒータコア10を通過する際に車室1に送られる空気を加熱する。従って、ペルチェ素子16は、その加熱部16aで循環回路8の冷却水を加熱することにより、同冷却水を通じて車室1に送られる空気を加熱することが可能になる。
上記空調装置には、ペルチェ素子16の冷却部16bと熱交換される冷却水を循環させる冷却水回路17が設けられている。冷却水回路17は、そこを循環する冷却水を循環回路8(第1経路8a)のラジエータ12に導いて同ラジエータ12にて上記冷却水と外気との熱交換を行わせるものである。そして、冷却水回路17は、第1経路8aにおけるラジエータ12の上流から下流に亘る部分を循環回路8と共有している。この冷却水回路17には、同回路17内の冷却水を循環させるための電動式のポンプ18が設けられている。また、冷却水回路17には、ペルチェ素子16の冷却部16bに対応した部分と上記第1経路8aとの共有部分との間での冷却水の行き来を禁止したり許容したりする制御弁19が設けられている。上記冷却水の行き来は、制御弁19の閉弁によって禁止される一方、同制御弁19の開弁時には許容される。
冷却水回路17の冷却水がペルチェ素子16の冷却部16bによって冷却されるとき、制御弁19の開弁及びポンプ18の駆動により、上記冷却水を循環回路8(第1経路8a)のラジエータ12に導いて同ラジエータ12にて同冷却水と外気との熱交換を行わせれば、冷却水回路17の冷却水の温度が過度に低くなることは抑制される。このため、冷却水回路17の冷却水と熱交換されるペルチェ素子16の冷却部16bも過度に温度低下することが抑制される。ペルチェ素子16は、上述したように加熱部16aと冷却部16bとの温度差が小さいほど冷却部16bから加熱部16aへの熱の移動、言い換えれば加熱部16aによる循環回路8の冷却水の加熱を効率よく行うことが可能になる。従って、ペルチェ素子16における冷却部16bの温度低下を抑制することで、ペルチェ素子16の加熱部16aと冷却部16bとの温度差を小さく抑え、それによってペルチェ素子16の加熱部16aによる循環回路8の冷却水の加熱を効率よく行うことができる。
上記空調装置は、モータジェネレータや内燃機関7の各種運転制御等を行うべくハイブリッド自動車に搭載された電子制御装置20を備えている。この電子制御装置20は、空調装置における各種機器の駆動制御、すなわちコンプレッサ3、ポンプ9、切換弁11、遮断弁15、ペルチェ素子16、ポンプ18、及び制御弁19等の駆動制御を行う。こうした電子制御装置20による空調装置の各種機器の駆動制御を通じて、ハイブリッド自動車における車室1の空調(温度調節等)が行われる。なお、このハイブリッド自動車では車室1の空調を行うに当たり、空調装置の動作モードが第1〜第5モードのうちのいずれかに切り換えられる。以下、車室1の空調を行うための空調装置の第1〜第5モードについて個別に詳しく説明する。
[第1モード]
このモードは、ハイブリッド自動車のモータジェネレータのみによる走行時、言い換えれば内燃機関7を停止させた状態での走行時に車室1を暖房するために行われる。ハイブリッド自動車のモータジェネレータのみによる走行時には、内燃機関7からの発熱が少なくなることから、車室1の暖房(温度上昇)を行うための熱源として内燃機関7を利用することが困難になる。このため、第1モードでは、車室1に送られる空気を加熱して同車室1を暖房する際、その空気の加熱がペルチェ素子16によって行われる。
具体的には、図2に示すように、循環回路8のポンプ9を駆動して同回路8内の冷却水を循環させるとともに、同冷却水を循環させる経路として第2経路8bが用いられるよう切換弁11を切り換え動作させる。更に、遮断弁15の切り換え動作を通じてヒータコア10の循環回路8に対する遮断状態が解除されるとともに、ペルチェ素子16を駆動して循環回路8を循環する冷却水を同ペルチェ素子16の加熱部16aで加熱する。以上により、ペルチェ素子16によって加熱されて温度上昇した冷却水がヒータコア10を流れる。その結果、車室1に送られる空気が上記冷却水によって加熱され、同加熱された空気が車室1に送られることで同車室1が暖房される。
また、上述したペルチェ素子16の駆動を通じて循環回路8の冷却水がペルチェ素子16の加熱部16aによって加熱されているとき、同ペルチェ素子16では冷却部16bから加熱部16aへの熱の移動が行われることから、その冷却部16bの温度が低下するようになる。同冷却部16bの温度が過度に低下することを避けるため、このときには冷却水回路17の制御弁19を開弁して冷却水回路17におけるペルチェ素子16の冷却部16bに対応した部分と上記第1経路8aとの共有部分との間での冷却水の行き来を許容するとともにポンプ18を駆動することで、冷却水回路17内の冷却水を循環させる。
このように冷却水回路17の冷却水を循環させると、その冷却水がペルチェ素子16の冷却部16bによって冷却されるとしても、同冷却水がラジエータ12を通過する際に外気との間で熱交換されて同冷却水の温度が過度に低下することは抑制される。更に、このように温度低下が抑制される冷却水とペルチェ素子16の冷却部16bとが熱交換されるため、その冷却部16bが過度に温度低下することも抑制される。従って、同冷却部16bの温度低下によりペルチェ素子16の加熱部16aと冷却部16bとの温度差が大きくなることを抑制でき、ひいてはペルチェ素子16での循環回路8の冷却水の加熱を効率よく行うことができるようになる。
なお、第1モードでは、冷却機2のコンプレッサ3は駆動停止状態とされる。このため、車室1に送られる空気が冷却機2により冷却されることはない。
[第2モード]
このモードは、ハイブリッド自動車のモータジェネレータと内燃機関7との併用による走行時もしくは同機関7のみによる走行時、言い換えれば内燃機関7を運転した状態での走行時に車室1を暖房するために行われる。こうした状況のもとでは、内燃機関7からの発熱が多くなることから、車室1の暖房(温度上昇)を行うための熱源として内燃機関7を利用することが可能になる。このため、第1モードでは、車室1に送られる空気を加熱して同車室1を暖房する際、その空気の加熱が内燃機関7の熱を利用して行われる。
具体的には、図3に示すように、循環回路8のポンプ9を駆動して同回路8内の冷却水を循環させるとともに、同冷却水を循環させる経路として第1経路8aが用いられるよう切換弁11を切り換え動作させる。更に、遮断弁15の切り換え動作を通じてヒータコア10の循環回路8に対する遮断状態が解除される。以上により、内燃機関7からの受熱により温度上昇した冷却水がヒータコア10を流れる。その結果、車室1に送られる空気が上記冷却水によって加熱され、同加熱された空気が車室1に送られることで車室1が暖房される。
循環回路8を循環する冷却水が内燃機関7からの受熱等を通じて温度上昇することにより、第1経路8aを通過する冷却水の温度が上記判定値以上になると、サーモスタット13が同冷却水のラジエータ12の通過を許容するようになる。その結果、循環回路8を循環する冷却水がラジエータ12に流される。このようにラジエータ12に流された冷却水は外気により冷却されることから、循環回路8を循環する冷却水の温度が過度に上昇することは抑制される。
なお、第2モードでは、ペルチェ素子16は駆動停止状態とされる。このため、循環回路8を循環する冷却水がペルチェ素子16の加熱部16aによって加熱されることはない。また、第2モードでも、冷却機2のコンプレッサ3は駆動停止状態とされる。このため、車室1に送られる空気が冷却機2により冷却されることはない。
[第3モード]
このモードは、車室1を冷房する際に行われる。具体的には、図4に示すように、冷却機2のコンプレッサ3を駆動して同冷却機2の冷媒を循環させることにより、エバポレータ6を低温の冷媒が通過して車室1に送られる空気が同冷媒によって冷却されるようにする。そして、このように冷却された空気が車室1に送られることで同車室1が冷房されるようになる。
なお、第3モードでは、車室1に送られる空気の加熱は行われないため、ペルチェ素子16によって循環回路8の冷却水を加熱する必要はないことから、同ペルチェ素子16が駆動停止状態とされる。また、ハイブリッド自動車のモータジェネレータのみによる走行時には、循環回路8のポンプ9の駆動が停止されて同回路8での冷却水の循環が停止される。
一方、ハイブリッド自動車のモータジェネレータと内燃機関7との併用による走行時、もしくは内燃機関7のみによる走行時には、内燃機関7の温度の過上昇を抑制すべく同機関を冷却する必要が生じる。このため、循環回路8のポンプ9の駆動を通じて同回路8内での冷却水の循環が行われるとともに、同冷却水を循環させる経路として第1経路8aが用いられるよう切換弁11が切り換え動作される。なお、このときには循環回路8を循環する高温の冷却水がヒータコア10に流れないよう、遮断弁15の切り換え動作を通じてヒータコア10が循環回路8に対し遮断状態とされる。
[第4モード]
このモードは、ハイブリッド自動車のモータジェネレータのみによる走行時、言い換えれば内燃機関7を停止させた状態での走行時に、車室1を除湿暖房するために行われる。具体的には、図5に示すように、第1モード(図2)と同様に車室1に送られる空気の加熱が行われるとともに、第3モード(図4)と同様に車室1に送られる空気の冷却が行われる。その結果、車室1に送られる空気は、ヒータコア10にて加熱された状態でエバポレータ6にて除湿されるようになり、それによって温度上昇し且つ水分の少ない状態となる。こうした空気を車室1に送ることで同車室1の除湿暖房が行われる。
[第5モード]
このモードは、ハイブリッド自動車のモータジェネレータと内燃機関7との併用による走行時もしくは同機関7のみによる走行時、言い換えれば内燃機関7を運転した状態での走行時に、車室1を除湿暖房するために行われる。具体的には、図6に示すように、第2モード(図3)と同様に車室1に送られる空気の加熱が行われるとともに、第3モード(図4)と同様に車室1に送られる空気の冷却が行われる。これにより、第4モードと同様に車室1の除湿暖房が行われる。
次に、車室1の空調(温度調節等)の実行手順について、空調ルーチンを示す図7のフローチャートを参照して説明する。この空調ルーチンは、電子制御装置20を通じて、例えば所定時間毎の時間割り込みにて周期的に実行される。
同ルーチンでは、車室1の冷房要求、暖房要求、及び除湿要求といった各種要求の有無に基づき、空調装置の動作モードが第1〜第5モードのうちのいずれかに切り換えられる。なお、車室1の冷房要求や暖房要求の有無は、例えば、同車室1内の実際の温度、及び、乗員により設定される車室の目標温度等に基づいて判断することが可能である。また、車室1の除湿要求の有無は、例えば、乗員により操作される除湿に関係するスイッチの操作位置等に応じて判断することが可能である。
空調ルーチンにおいては、車室1の冷房要求があれば(S101:NO)、車室1の冷房を行うべく空調装置が第3モードで動作される(S110)。
一方、S101で車室1の冷房要求がない旨判断されると、車室1の暖房要求があるか否かが判断される(S102)。ここで肯定判定であれば、モータジェネレータのみでの走行時であるか否か、言い換えれば内燃機関7の熱を利用しての車室1の暖房が困難な状況であるか否かが判断される(S103)。このS103で肯定判定がなされると、車室1の除湿要求があるか否かが判断される(S104)。そして、S104で肯定判定であれば車室1の暖房を行うべく空調装置が第1モードで動作され(S105)、S104で否定判定であれば車室1の除湿暖房を行うべく空調装置が第4モードで動作される(S106)。なお、空調装置が第1モードまたは第4モードで動作するとき、電子制御装置20及び切換弁11は、循環回路8における冷却水を循環させるための経路を第2経路8bに切り換えるとともにペルチェ素子16の加熱部16aを加熱させる制御部として機能する。
上記S103で否定判定、すなわちモータジェネレータのみでの走行時ではなく、モータジェネレータと内燃機関7との併用による走行時、もしくは内燃機関7のみでの走行時である旨判断された場合、車室1の除湿要求があるか否かが判断される(S107)。そして、S107で肯定判定であれば車室1の暖房を行うべく空調装置が第2モードで動作され(S108)、S107で否定判定であれば車室1の除湿暖房を行うべく空調装置が第5モードで動作される(S109)。なお、空調装置が第2モードまたは第5モードで動作するとき、電子制御装置20及び切換弁11は、循環回路8における冷却水を循環させるための経路を第1経路8aに切り換えるとともにペルチェ素子16の加熱部16aを加熱させる制御部として機能する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)車室1の温度調節(空調)のために同車室1に送られる空気を冷却する場合、その冷却は蒸気圧縮式のヒートポンプである冷却機2によって行われる。また、車室1の温度調節(空調)のために同車室1に送られる空気を加熱する場合、その加熱については内燃機関7の熱を利用して実現したり、ペルチェ素子16によっても実現したりすることが可能である。ここで、上記冷却機2としては従来の空調装置に設けられていたものを利用することができるため、空調装置の構造が大幅に変わることを避けることができる。また、モータジェネレータのみでの走行時など、車室1の空調を行うための熱源として内燃機関7を利用することが困難な状況であっても、車室1に送られる空気をペルチェ素子16で加熱することができるため、車室の空調(暖房)を行うことが可能になる。従って、車室の空調を行うための熱源として内燃機関7を利用することが困難な車両において、構造を大幅に変えることなく車室の空調を行うことができる。
(2)内燃機関7と熱交換される冷却水を循環させる循環回路(本実施形態の循環回路8に相当)を設けること、及び同回路の冷却水の熱で車室1に送られる空気を加熱することは、従来の空調装置においても行われていた。この実施形態の空調装置では、ペルチェ素子16の加熱部16aで循環回路8の冷却水を加熱するようにしている。このため、車室1に送られる空気は、上記冷却水を通じてペルチェ素子16の加熱部16aで加熱されるようになる。この場合、従来の空調装置にも設けられていた上記循環回路を利用して、車室1に送られる空気のペルチェ素子16による加熱を実現することができる。このため、空調装置の構造が従来から大幅に変わることを避けることができる。また、モータジェネレータと内燃機関7との併用による走行時や内燃機関7のみでの走行時など、内燃機関7が運転されて熱を発しているとき、その熱を循環回路8で循環する冷却水により回収して車室1の空調(暖房)に利用することもできる。
(3)上記循環回路8は、そこを循環する冷却水の内燃機関7の内部の通過を実現する第1経路8aと、同冷却水の内燃機関7のバイパスを実現する第2経路8bとを備えており、冷却水を循環させるための経路として上記第1経路8aと上記第2経路8bとの一方を用いる。この場合、循環回路8で冷却水を循環させるための経路として、内燃機関7の発熱が少ないときに第2経路8bを選択する一方、内燃機関7の発熱が多いときに第1経路8aを選択することが可能になる。
具体的には、内燃機関7を停止させた状態(内燃機関7の発熱が少ない状態)でのハイブリッド自動車の走行時に車室1の暖房を行う際には、電子制御装置20及び切換弁11により、循環回路8における冷却水を循環させるための経路が第2経路8bに切り換えられる。更に、このときにはペルチェ素子16の加熱部16aが加熱され、その加熱部16aにより循環回路8の冷却水が加熱される。また、内燃機関7を運転した状態(内燃機関7の発熱が多い状態)でのハイブリッド自動車の走行時に車室1の暖房を行う際には、電子制御装置20及び切換弁11により、循環回路8における冷却水を循環させるための経路が第1経路8aに切り換えられる。更に、このときにはペルチェ素子16の加熱部16aの加熱が停止され、それによって加熱部16aによる循環回路8の冷却水の加熱も停止される。
内燃機関7を停止させた状態でのハイブリッド自動車の走行時に車室1の暖房を行う際、循環回路8で冷却水を循環させるための経路として上述したように第2経路8bを選択することで、ペルチェ素子16の加熱部16aにより加熱された冷却水の熱が内燃機関7によって奪われることはなくなる。このため、ペルチェ素子16の加熱部16aによる効果的な冷却水の加熱を行うことができる。また、内燃機関7を運転した状態でのハイブリッド自動車の走行時に車室1の暖房を行う際、循環回路8で冷却水を循環させるための経路として上述したように第1経路8aを選択することで、上記冷却水をペルチェ素子16の加熱部16aで加熱しなくても内燃機関7によって加熱することができる。このため、ペルチェ素子16の加熱部16aの加熱を停止することができ、それによってペルチェ素子16の無駄な駆動を回避することができる。
(4)ペルチェ素子16の冷却部16bと熱交換する冷却水を循環させる冷却水回路17は、その冷却水を循環回路8のラジエータ12に導いて同ラジエータ12にて同冷却水と外気との熱交換を行わせる。こうした熱交換により冷却水回路17の冷却水の温度が過度に低くなることは抑制され、ひいては同冷却水と熱交換されるペルチェ素子16の冷却部16bも過度に温度低下することが抑制される。このペルチェ素子16は、冷却部16bと加熱部16aとの温度差が小さいほど、冷却部16bから加熱部16aへの熱の移動、言い換えれば加熱部16aによる循環回路8の冷却水の加熱を効率よく行うことができる。従って、上述したようにペルチェ素子16における冷却部16bの温度低下を抑制することで、ペルチェ素子16の加熱部16aと冷却部16bとの温度差を小さく抑えることができ、ペルチェ素子16の加熱部による上記冷却水の加熱を効率よく行うことができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を図8〜図13に基づき説明する。
図8に示すように、この実施形態の空調装置では、冷却水回路17が第1実施形態と異なっている。同冷却水回路17は、循環回路8から独立して設けられている。また、冷却水回路17は、そこを循環する冷却水により、モータジェネレータ21やインバータ等の電子機器22といった各種の電気機器を冷却する。上記モータジェネレータ21は、ハイブリッド自動車の原動機として機能するものであり、電子制御装置20によって駆動制御される。更に、冷却水回路17は、そこを循環する冷却水を流して同冷却水と外気との熱交換を行わせる熱交換器23を備えている。
ここで、上記空調装置の第1〜第5モードにおける第1実施形態と異なる部分について詳しく説明する。上記空調装置の第1〜第5モードをそれぞれ図9〜図13に示す。これらの図から分かるように、第1〜第5モードのいずれにおいても、冷却水回路17内の冷却水がポンプ18の駆動を通じて循環される。これにより、ハイブリッド自動車におけるモータジェネレータ21やインバータ等の電子機器22といった各種の電気機器が、冷却水回路17の冷却水によって冷却される。
また、第1モード(図9)及び第4モード(図12)では、ペルチェ素子16の駆動により冷却部16bから加熱部16aへの熱の移動、言い換えれば加熱部16aによる循環回路8の冷却水の加熱が行われる。このときのペルチェ素子16の冷却部16bでは温度低下が生じる。そして、同冷却部16bと冷却水回路17の冷却水との熱交換により温度低下した同冷却水が、上記電気機器(モータジェネレータ21、電子機器22)の冷却に用いられる。一方、冷却水回路17内を循環する冷却水は上記電気機器からの熱を受けることから、同冷却水の温度が過度に低下することは抑制される。
本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(5)空調装置の第1モード及び第4モードにおいて、ペルチェ素子16の冷却部16bの温度低下に伴い同冷却部16bによって冷却水回路17の冷却水が冷却されるとしても、その冷却水は上記電気機器からの熱を受けるため、同冷却水の温度が過度に低下することは抑制される。このため、上記冷却水と熱交換されるペルチェ素子16の冷却部16bも過度に温度低下することは抑制される。このように冷却部16bの温度低下を抑制することで、ペルチェ素子16における加熱部16aと冷却部16bとの温度差が小さく抑えられ、ひいてはペルチェ素子16の加熱部16aによる加熱が効率よく行われるようになる。
(6)冷却水回路17の冷却水がペルチェ素子16の冷却部16bにより冷却されている状態において、上記電気機器からの受熱だけでは冷却水回路17の冷却水の温度低下を抑制しきれない場合、冷却水回路17の熱交換器23での上記冷却水と外気との熱交換により同冷却水の温度が過度に低くなることは抑制される。このため、同冷却水と熱交換されるペルチェ素子16の冷却部16bも過度に温度低下することが抑制される。従って、上記電気機器からの受熱だけでは冷却水回路17の冷却水の温度低下を抑制しきれない場合であっても、ペルチェ素子16の加熱部16aと冷却部16bとの温度差が小さく抑えられ、ひいてはペルチェ素子16の加熱部16aによる循環回路8の冷却水の加熱が効率よく行われるようになる。
[その他の実施形態]
なお、上記各実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・第1及び第2実施形態において、第2モードもしくは第5モードで循環回路8の冷却水のペルチェ素子16による補助的な加熱を行ってもよい。
・第1及び第2実施形態において、循環回路8における第2経路8b及び切換弁11を省略して、同回路8を循環する冷却水が常に内燃機関7を通過するようにしてもよい。
・第1及び第2実施形態において、ペルチェ素子16の冷却部16bを必ずしも冷却水回路17の冷却水と熱交換させる必要はない。
・第1及び第2実施形態において、ペルチェ素子16の加熱部16aにより車室1に送られる空気を直接的に加熱してもよい。
1…車室、2…冷却機、3…コンプレッサ、4…コンデンサ、5…膨張弁、6…エバポレータ、7…内燃機関、8…循環回路、9…ポンプ、10…ヒータコア、8a…第1経路、8b…第2経路、11…切換弁、12…ラジエータ、13…サーモスタット、14…通路、15…遮断弁、16…ペルチェ素子、16a…加熱部、16b…冷却部、17…冷却水回路、18…ポンプ、19…制御弁、20…電子制御装置、21…モータジェネレータ、22…電子機器、23…熱交換器。
本発明の一態様では、上記循環回路は、そこを循環する冷却水の温度が予め定められた判定値以上のとき、その冷却水を流して同冷却水と外気との熱交換を行わせるラジエータを備える。また、ペルチェ素子は、冷却水回路を循環する冷却水との間で熱交換を行う冷却部を備える。そして、冷却水回路は、内燃機関の停止時で且つペルチェ素子の加熱部の加熱時に、同冷却水回路を循環する冷却水を上記循環回路のラジエータに導いて同ラジエータにて同冷却水と外気との熱交換を行わせる。こうした熱交換により冷却水回路の冷却水の温度が過度に低くなることは抑制され、ひいては同冷却水と熱交換されるペルチェ素子の冷却部も過度に温度低下することが抑制される。ここで、ペルチェ素子は、その加熱部による加熱が行われるとき、同素子の冷却部から加熱部への熱の移動が行われるものである。このため、ペルチェ素子では、冷却部と加熱部との温度差が小さいほど、冷却部から加熱部への熱の移動、言い換えれば加熱部による加熱を効率よく行うことができる。従って、上述したようにペルチェ素子における冷却部の温度低下を抑制することで、ペルチェ素子の加熱部と冷却部との温度差を小さく抑えることができ、ペルチェ素子の加熱部による加熱を効率よく行うことができる。

Claims (7)

  1. 車室に送られる空気を冷却したり加熱したりすることで車室内の温度を調節する車両の空調装置において、
    前記車室に送られる空気を冷却する冷却機と、
    前記車室に送られる空気を加熱するペルチェ素子と、
    を備えることを特徴とする車両の空調装置。
  2. 請求項1記載の車両の空調装置において、
    車両に搭載される内燃機関と熱交換される冷却水を循環させるとともに前記車室に送られる空気を前記冷却水によって加熱する循環回路を備えており、
    前記ペルチェ素子は、その加熱部による前記循環回路の冷却水の加熱を通じて、前記車室に送られる空気を加熱する
    ことを特徴とする車両の空調装置。
  3. 前記循環回路は、そこを循環する冷却水の内燃機関の内部の通過を実現する第1経路と、前記冷却水の内燃機関のバイパスを実現する第2経路とを備えており、冷却水を循環させるための経路として前記第1経路と前記第2経路との一方を用いる請求項2記載の車両の空調装置。
  4. 前記循環回路は、そこを循環する冷却水の温度が予め定められた判定値以上のとき、その冷却水を流して同冷却水と外気との熱交換を行わせるラジエータを備えており、
    前記ペルチェ素子は、冷却水回路を循環する冷却水との間で熱交換を行う冷却部を備えており、
    前記冷却水回路は、そこを循環する冷却水を前記ラジエータに導いて同ラジエータにて前記冷却水と外気との熱交換を行わせる請求項2または3記載の車両の空調装置。
  5. 前記ペルチェ素子は、冷却水回路を循環する冷却水との間で熱交換を行う冷却部を備えており、
    前記冷却水回路は、そこを循環する冷却水により車両に搭載された電気機器を冷却する請求項2または3記載の車両の空調装置。
  6. 前記冷却水回路は、そこを循環する冷却水を流して同冷却水と外気との熱交換を行わせる熱交換器を備えている請求項5記載の車両の空調装置。
  7. 請求項3記載の車両の空調装置において、
    前記内燃機関を停止させた状態での車両の走行時に前記車室の暖房を行う際には、前記循環回路における冷却水を循環させるための経路を前記第2経路に切り換えるとともに前記ペルチェ素子の加熱部を加熱させ、前記内燃機関を運転した状態での車両の走行時に前記車室の暖房を行う際には、前記循環回路における冷却水を循環させるための経路を前記第1経路に切り換えるとともに前記ペルチェ素子の加熱部の加熱を停止させる制御部を備えることを特徴とする車両の空調装置。
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