また、次に示す課題もある。近年、液晶表示装置のバックライトユニットとして、光源からの光を薄板状の面発光導光板の側面(光入射面)に入射させ、拡散した光を面発光導光板の前面(発光面)から液晶表示素子(液晶パネル)の背面の全域に向けて出射するサイドライト方式の面光源装置が広く用いられている。しかし、薄板状の面発光導光板の側面という狭い面に対向させて大光量の光源(例えば、LED)を多数設置することは困難であるため、サイドライト方式の面光源装置では、輝度を十分に向上させることが困難であるという問題があった。
この問題の対策として、面光源装置の厚み方向に配列された複数の光源(複数の発光素子列)と、面発光導光板と、複数の光源からの光を面発光導光板の側面(光入射面)に導く光路変更部材(例えば、光反射ミラーなど)を有する面光源装置の提案がある(例えば、特開2005−250020号公報参照)。
しかしながら、提案された先行文献(特開2005−250020号公報)の面光源装置では、複数の光源を面発光導光板の側面に対向させ、かつ面発光導光板の厚み方向に配列しているので、面発光導光板の厚みを厚くする必要があり、その結果、面光源装置の厚みが増加するという問題があった。
また、厚みが増加した面光源装置を用いた液晶表示装置では、液晶パネルの表示面の輝度を向上させることはできるが、液晶表示装置の厚みが増加するという問題があった。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る液晶表示装置1(面光源装置100を含む)の構成を概略的に示す構成図である。また、図2は、図1に示される角度強度分布整形部材110の構成を概略的に示す構成図である。図3は、角度強度分布整形部材110の光入射面110aをより詳細に示した構成図である。
液晶表示装置1は、矩形の表示面11aおよびその反対側の背面11bを持つ液晶表示素子(以下、液晶パネルという。)11を備えた透過型の液晶表示装置1である。説明を容易にするために、各図中にxyz直交座標系の座標軸を示す。以下の説明において、液晶パネル11の表示面11aの短辺方向をy軸方向(図1が描かれている紙面に垂直な方向)とし、液晶パネル11の表示面11aの長辺方向をx軸方向(図1において左右方向)とし、xy平面に垂直な方向をz軸方向(図1における上下方向)とする。また、図1において、左から右に向かう方向を、x軸の正方向(+x軸方向)とし、その反対方向を、x軸の負方向(−x軸方向)とする。また、図1が描かれている紙面の手前から紙面に向かう方向を、y軸の正方向(+y軸方向)とし、その反対方向を、y軸の負方向(−y軸方向)とする。さらに、図1において、下から上に向かう方向を、z軸の正方向(+z軸方向)とし、その反対方向を、z軸の負方向(−z軸方向)とする。
図1に示されるように、実施の形態1に係る液晶表示装置1は、透過型の液晶パネル11、第1の光学シート12、第2の光学シート13および面光源装置100を有している。面光源装置100は、第2の光学シート13および第1の光学シート12を通して液晶パネル11の背面11bに光を照射する面光源装置である。これらの構成要素11,12,13,100は、+z軸方向から−z軸方向に向けて順に配列されている。
液晶パネル11の表示面11aは、xy平面に平行な面である。液晶パネル11の液晶層は、xy平面に平行な方向に広がる面状の構造を有している。液晶パネル11の表示面11aは、通常、矩形であり、表示面11aの隣接する2辺(実施の形態1においては、y軸方向の短辺とx軸方向の長辺)は、直交している。ただし、表示面11aの形状は、他の形状であってもよい。
図1に示されるように、面光源装置100は、薄板状の面発光導光板15、第1の光源18、第2の光源101および角度強度分布整形部材110を有している。また、面光源装置100は、光の進行方向を変更するためにシリンドリカルミラー102を有している。なお、必要に応じて、面光源装置100は、光反射シート17を有する。面発光導光板15、光反射シート17、角度強度分布整形部材110は、+z軸方向から−z軸方向に向けて順に配列されている。シリンドリカルミラー102は光路変更部材としての機能を有している。角度強度分布整形部材110は、第2の光源101の角度強度分布を整形する部材としての機能を有している。
第1の光源18の発光部は、面発光導光板15の光入射面(側面)15cに対向して配置されている。第1の光源18は、第1の光線L11を出射する。第1の光源18は、例えば、複数の発光ダイオード(LED)素子をy軸方向に略等間隔で配列した光源装置である。第1の光源18から出射する第1の光線L11は、広い角度強度分布を有している。実施の形態1の第1の光線L11は、xy平面上において、全角120度の略ランバート分布の角度強度分布を持つ。第1の光源18は、光入射面15cのz軸方向の長さの範囲内に配置されている。すなわち、第1の光源18は、面発光導光板15の厚みの範囲内に配置されることが望ましい。図1には、第1の光源18から出射した第1の光線L11が、直接、光入射面15cから面発光導光板15に入射する場合が示されている。しかし、レンズなどの他の光学素子を介して第1の光線L11を光入射面15cに入射させてもよい。なお、出射とは、ある方向に向けて光を発することである。なお、光の最高強度の50%での角度を全角とする。
第2の光源101は、光反射シート17の裏面側(−z軸方向)に配置されている。第2の光源101は、例えば、レーザ発光素子をy軸方向に略等間隔に配置した光源装置である。第2の光源101は、自然数の倍数となる個数のレーザ発光素子を備える。つまり、レーザ発光素子の個数は偶数となる。第2の光源101から出射する第2の光線L12は、狭い角度強度分布を有している。実施の形態1の第2の光線L12は、xy平面上において、全角35度の略ガウシアン分布の角度強度分布を持つ。
また、図2に示すように、第2の光源101は、第2の光線L12を出射する発光部をz軸を回転軸として−x軸方向から任意の角度回転した方向に向けて配置される。隣り合う第2光源101は、互いにx軸に対し同じ角度だけ逆向きに回転して配置される。つまり、隣り合う第2光源101は、回転方向のみ正負が異なり、回転角度は全て同じである。第2の光源101の第2の光線L12を出射する発光部は、角度強度分布整形部材110の光入射面110aに対向して配置されている。
角度強度分布整形部材110は、xy平面に平行に配置された板状の部材で構成される。角度強度分布整形部材110は、例えば、厚み1mmの板状の部材である。また、x軸方向の大きさは90mm、y軸方向の大きさは255mmである。角度強度分布整形部材110は、例えば、PMMAなどのアクリル樹脂の透明材料で作製されている。
図1に示すように、角度強度分布整形部材110の光入射面110aは第2の光源101の発光部と対向している。また、角度強度整形部材110の光出射面110cはシリンドリカルミラー102の反射面102aと対向している。シリンドリカルミラー102は、光路変更部材としての機能を有する。
図2は角度強度分布整形部材110と第2光源101との配置を示した構成図である。図2は角度強度分布整形部材110のxy平面における形状を示している。第2光源101は6個のレーザ発光素子101a,101b,101c,101d,101e,101fがy軸方向に配置されている。図2の左側(図2中−y軸方向)から順にレーザ発光素子101a、レーザ発光素子101b、レーザ発光素子101c、レーザ発光素子101d、レーザ発光素子101e、レーザ発光素子101fと並ぶ。
角度強度分布整形部材110の光入射面110aは、レーザ発光素子101a,101b,101c,101d,101e,101fと対向して、交互にz軸回りに回転した凹凸形状となっている。レーザ発光素子101aと対向する面は光入射面110aaである。レーザ発光素子101bと対向する面は光入射面110abである。レーザ発光素子101cと対向する面は光入射面110acである。レーザ発光素子101dと対向する面は光入射面110adである。レーザ発光素子101eと対向する面は光入射面110aeである。レーザ発光素子101fと対向する面は光入射面110afである。すなわち、角度強度分布整形部材110は、第2の光源101のレーザ発光素子101a,101b,101c,101d,101e,101fと対向する同数の光入射面110aa,110ab,110ac,110ad,110ae,110afを有している。また、各レーザ発光素子101a,101b,101c,101d,101e,101fから出射する第2の光線L12は、対応する光入射面110aa,110ab,110ac,110ad,110ae,110afに対して垂直に入射する。
本実施の形態1においては、第2の光源101から出射する各第2の光線L12の方向はz軸を回転軸として−x軸方向から±20度回転した方向に向けられている。第2の光線L12a,L12c,L12eは、+z軸方向から見て時計回りに20度回転している。また、第2の光線L12b,L12d,L12fは、+z軸方向から見て反時計回りに20度回転している。つまり、xy平面上で、各レーザ発光素子101a,101b,101c,101d,101e,101fの出射する第2の光線L12a,L12b,L12c,L12d,L12e,L12fの方向は、第2の光源101から光入射面15cに向けての光路に対して20度傾いている。ここで示した、光路とは、各レーザ発光素子101a,101b,101c,101d,101e,101fの出射する第2の光線L12a,L12b,L12c,L12d,L12e,L12fをまとめた光束の光路を意味する。第2の光源101は、xy平面上に配置されている。つまり、第2の光源101の発光部は、xy平面上に配置されている。また、対応する光入射面110aa,110ac,110aeは、yz平面に対して+z軸方向から見て時計回りに20度回転している。対応する光入射面110ab,110ad,110afは、yz平面に対して+z軸方向から見て反時計回りに20度回転している。
角度強度分布整形部材110は、光入射面110aに微細光学構造111を有している。微細光学構造111は、入射する光の進行方向を屈折により変化させる作用を有する。図3に示すように、例えば、微細光学構造111は、円柱の側面形状が凹形状として光入射面110aに沿ってy軸方向に一定間隔で形成されている。つまり、微細光学構造111は、円柱の側面形状が凹形状として光入射面110aに形成されている。微細光学構造111の凹形状は、y軸方向に一定間隔で形成されている。ここで、円柱の中心軸はz軸と平行である。図3で示した凹形状は、円柱を中心軸を通る平面と平行な面で切断した側面形状である。微細光学構造111をxy平面で切断した断面は、第2の光源101側に凹形の円弧形状をしている。また、光入射面110aをzx平面で切断した断面は、z軸方向に延びる直線形状をしている。
本実施の形態1に係る角度強度分布整形部材110の微細光学構造111は、xy平面上で、半径40μmの凹形の円弧形状である。円弧形状の中心は、各光入射面110aa,110ab,110ac,110ad,110ae,110afと平行な平面上にある。凹形の深さは20μmである。円弧形状の間隔は、円弧の中心の間隔で80μmである。
光入射面110aに入射する第2の光線L12は、光入射面110aに入射する際に微細光学構造111により拡散する。したがって、角度強度分布整形部材110に入射した第2の光線L12の角度強度分布の全角は、第2の光源101から出射した直後の角度強度分布の全角と比べて大きくなる。また、第2の光線L12はランダムな方向に進む。ただし、図2においては、第2の光線L12の光路を明確にするために、微細光学構造111による拡散作用を考慮していない。
第2の光源101から出射する第2の光線L12は、xy平面上において、全角が35度の狭い角度強度分布を有する。角度強度分布の形状は略ガウシアン分布をしている。隣り合うレーザ発光素子101a,101bから出射した各々の第2の光線L12a,L12bは角度強度分布整形部材110の中で足し合わされる。隣り合うレーザ発光素子101c,101dから出射した各々の第2の光線L12c,L12dは角度強度分布整形部材110の中で足し合わされる。隣り合うレーザ発光素子101e,101fから出射した各々の第2の光線L12e,L12fは角度強度分布整形部材110の中で足し合わされる。これにより、第2の光線L12の光出射面110cにおいて、角度強度分布の全角は大きな角度となっている。
具体的に説明すると、レーザ発光素子101aは、レーザ発光素子101bと隣り合って配置されている。図2中、レーザ発光素子101aは、−x軸方向に対してz軸を中心に時計回りに20度回転している。レーザ発光素子101bは、−x軸方向に対してz軸を中心に反時計回りに20度回転している。その結果、第2の光線L12aの光線の軸は、−x軸方向に対してz軸を中心に時計回りに20度の方向を向いている。第2の光線L12bの光線の軸は、−x軸方向に対してz軸を中心に反時計回りに20度の方向を向いている。つまり、2つの光線L12a,L12bの光線の軸は、x軸に対し対称な方向を向いている。ここで光線の軸とは、任意の平面における光線の角度強度分布の加重平均となる角度方向の軸である。加重平均となる角度は、各角度に光の強度の重みづけをして平均することで求められる。光強度のピーク位置が角度強度分布の中心からずれている場合、光線の軸は光強度のピーク位置の角度とはならない。光線の軸は、角度強度分布の面積の中の重心位置の角度となる。
これらの光線L12a,L12bを足し合わせた光線の角度強度分布は、光線の軸が−x軸方向を向いている。また、これらの光線を足し合わせた光線の角度強度分布は、元の光線L12a,L12bの角度強度分布より広い全角を有する。また、隣り合う光源101c,101dから出射する光線L12c,L12dを足し合わせた光線も同様に足しあわされる。また、隣り合う光源101e,101fから出射する光線L12e,L12fを足し合わせた光線も同様に足しあわされる。
図4および図5は、実施の形態1における第1の光線L11および第2の光線L12のxy平面上における角度強度分布を示した特性図である。図4は、角度強度分布整形部材110の光出射面110c上の第2の光線L12aの角度強度分布121aと第2の光線L12bの角度強度分布121bとを足し合わせた光線の角度強度分布122を示す図である。角度強度分布121aは、角度強度分布整形部材110の光出射面110c上の第2の光線L12aの角度強度分布である。角度強度分布121bは、角度強度分布整形部材110の光出射面110c上の第2の光線L12bの角度強度分布である。角度強度分布122は、角度強度分布整形部材110の光出射面110c上で第2の光線L12aの角度強度分布と第2の光線L12bの角度強度分布とを足し合わせた角度強度分布である。横軸は角度[度]を示し、縦軸は光の強度[a.u.]を示している。単位a.u.は、任意単位系を示している。ここで、角度は−x軸方向からz軸を中心に回転した角度である。+z軸方向から見て、時計まわりをプラス側とし、反時計まわりをマイナス側とする。
図5は、3つの角度強度分布180,120,122を比較する図である。3つの角度強度分布は、面発光導光板15に入射した第1の光線L11の角度強度分布180、第2の光源101から出射した直後の第2の光線L12の角度強度分布120および角度強度分布整形部材110の光出射面110cに入射する第2の光線L12の角度強度分布122である。角度強度分布180は、面発光導光板15に入射した第1の光線L11の角度強度分布である。角度強度分布120は、第2の光源101から出射した直後の第2の光線L12の角度強度分布である。角度強度分布122は、角度強度分布整形部材110の光出射面110c上の第2の光線L12の角度強度分布である。横軸は角度[度]を示し、縦軸は光の強度[a.u.]を示している。ここで、角度は−x軸方向からz軸を中心に回転した角度である。+z軸方向から見て、時計まわりをプラス側とし、反時計まわりをマイナス側とする。
図4に示すように、角度強度分布整形部材110の光出射面110cにおける第2の光線L12aは、略+20度回転した方向に最高強度を有する。これは、第2の光源101aがz軸を中心に+20度回転して配置されることに起因する。また、角度強度分布整形部材110の光出射面110cにおける第2の光線L12aは、第2の光源101aから出射される第2の光線L12aとは異なる角度強度分布を有する。第2の光源101aから出射した直後の第2の光線L12aは全角35度の略ガウシアン分布である。この第2の光線L12aが角度強度分布整形部材110と同等の屈折率の部材に入射するとき、その角度強度分布は屈折により狭められ、全角は略24度となる。しかしながら、本実施の形態1の角度強度分布整形部材110はその光入射面110aaに微細光学構造111を有している。第2の光線L12aは微細光学構造111により拡散され、角度強度分布121aの全角は約40度に広げられる。また、角度強度分布121aは、緩やかに変化する形状となる。
角度強度分布整形部材110の光出射面110cにおける第2の光線L12bは、略−20度回転した方向に最高強度を有する。これは、第2の光源101bがz軸を中心に−20度回転して配置されることに起因する。また、角度強度分布整形部材110の光出射面110cにおける第2の光線L12bは、第2の光源101bから出射される第2の光線L12bとは異なる角度強度分布を有する。第2の光源101bから出射した直後の第2の光線L12bは全角35度の略ガウシアン分布である。この第2の光線L12bが角度強度分布整形部材110と同等の屈折率の部材に入射するとき、その角度強度分布は屈折により狭められ、全角は略24度となる。しかしながら、本実施の形態1の角度強度分布整形部材110はその光入射面110abに微細光学構造111を有している。第2の光線L12bは微細光学構造111により拡散され、角度強度分布121bの全角は約40度に広げられる。また、角度強度分布121bは、緩やかに変化する形状となる。
以上より、角度強度分布整形部材110の光出射面110cにおいて、2つの光線の角度強度分布121a,121bは、x軸(角度0度)を中心として対称な形状を有する。また、2つの光線L12a,L12bを足し合わせた光線の角度強度分布122の光線の軸は、x軸(角度0度)上にある。角度強度分布122の全角は、約80度である。
図5に示すように、xy平面上において、第2の光源101から出射した第2の光線L12の角度強度分布は、全角の狭い略ガウシアン分布形状である。角度強度分布整形部材110を介すことにより、光出射面110cにおける第2の光線L12の角度強度分布122は、全角の広い略ランバート分布形状となる。これにより、面発光導光板15に入射した直後の第2の光線L12は、面発光導光板15に入射した直後の第1の光線L11と略近似した角度強度分布を有する。
角度強度分布整形部材110に入射した第2の光線L12は、角度強度分布整形部材110の中を−x軸方向に向かって進行する。その後、第2の光線L12は、角度強度分布整形部材110の光出射面110cからシリンドリカルミラー102に向かって出射する。シリンドリカルミラー102は、光路変更部材としての機能を有する。
シリンドリカルミラー102の反射面102aは、角度強度分布整形部材110の光出射面110cと対向して配置されている。また、反射面102aは、反射面102aは面発光導光板15の光入射面15cとも対向して配置されている。図1に示したように、反射面102aのxz平面で切断された断面は、光入射面15c側に凹形の円弧形状をしている。また、反射面102aのxy平面で切断された断面は、y軸方向に延びる直線状である。なお、反射面102aは、シリンドリカルミラー102の反射面である。光入射面15cは面発光導光板15の端面である。また、シリンドリカルミラー102は、光路変更部材としての機能を有する。
図1に示した例では、実施の形態1におけるシリンドリカルミラー102は、円筒を円筒の軸(y軸と平行な軸)を通る平面で2個に分割した2分の1円筒形状である。また、シリンドリカルミラー102はその凹面側を反射面102aとしている。反射面102aは、円筒を円筒の軸(y軸と平行な軸)を通る平面でn個に分割したn分の1円筒形状(nは1より大きい数)とすることができる。
シリンドリカルミラー102の反射面102aには、光を反射する金属膜の層が設けられている。反射面102aの接線の方向は、各位置に応じて異なる。そのため、光束(光線の束であり、大きさを有する光)が反射面102aに入射すると、光束を構成する各光線は入射位置に応じて異なる出射角度で反射する。
シリンドリカルミラー102の基材は、アクリル樹脂(例えば、PMMA)である。反射面102aは、アルミニウムを蒸着した面である。ただし、シリンドリカルミラー102を構成する材料及び形状は、この例に限定されない。例えば、基材に加工性に優れた他の樹脂や金属を採用してもよい。また、光反射面102aに蒸着する金属膜に、銀又は金などの反射率の高い他の金属を採用してもよい。
角度強度分布整形部材110の光出射面110cから−x軸方向に向かって出射した第2の光線L12は、シリンドリカルミラー102の反射面102aで2回反射する。その後、第2の光線L12は、面発光導光板15の光入射面15cに向かって出射する。−x軸方向に進行する第2の光線L12は、反射面102aで反射して、進行方向を+z軸方向に向ける。この反射は1回目の反射である。+z軸方向に進行する第2の光線L12は、反射面102aで反射して、進行方向を+x軸方向に向ける。この反射は2回目の反射である。
シリンドリカルミラー102はzx平面上において曲率を有している。また、光出射面110cから出射されシリンドリカルミラー102の反射面102aに入射する第2の光線L12は、z軸方向において角度強度分布整形部材110の厚み(z軸方向の大きさ)と同等の光束の直径を有する。したがった、シリンドリカルミラー102の反射面202aに入射した第2の光線L12の各光線は入射位置に応じて異なる出射角度で反射する。すなわち、第2の光線L12の角度強度分布は広がる。このため、シリンドリカルミラー102は、角度強度分布を整形部材としての機能も有する。
面発光導光板15は、表面15a、背面15bおよび複数の側面を有する。背面15bは表面15aと対向する面である。複数の側面は、表面15aと背面15bとをつなぐ細長い面である。面発光導光板15は、透光性の光学部材である。また、面発光導光板15は、背面15b上に複数の微小光学素子16を有している。図1に示すように、本実施の形態1においては、表面15aと背面15bとは略平行である。また表面15aおよび背面15bの面の両方はxy平面と平行である。表面15aおよび背面15bの両方と平行な面を面発光導光板15の基準平面と呼ぶ。
面発光導光板15と微小光学素子16とは光学部材14を構成している。微小光学素子16は、面発光導光板15の光入射面15cから入射した光線を、表面15a側に向ける機能を有する。微小光学素子16の占める面積が広い領域では、表面15aに向かう照明光L14の量が多くなる。微小光学素子16の占める面積が広い領域とは、例えば、1つの微小光学素子16が広い領域を占める場合や、微小光学素子16の配列密度が高い領域のことである。このため、面発光導光板15の光入射面15cから+x方向に離れるほど、微小光学素子16が占める面積が増加するように、微小光学素子16の単位面積当たりの個数および形状を決定することが望ましい。
なお、図1、図6および図7に示す微小光学素子16の形状および単位面積当たりの個数は一例である。図1および図6に示す微小光学素子16は、光入射面15cから+x方向に離れるほど微小光学素子16の形状を大きくすることで、微小光学素子16の占める面積を大きくしている。図7に示す微小光学素子16は、微小光学素子16の大きさは同じで、光入射面15cから+x方向に離れるほど微小光学素子16の配列密度(単位面積当たりの個数)を高くしている。これらのように、微小光学素子16の占める面積は、微小光学素子16の単位面積当たりの個数および形状により変えることができる。
面発光導光板15の表面15aは、液晶パネル11の表示面11aに対して平行に配置されている。面発光導光板15は、光入射面15cから面発光導光板15の中心に向けて所定の長さの混合領域15eを備えている。例えば、混合領域15eは、光入射面15cから+x軸方向に10mmの領域である。混合領域15eにおいて、面発光導光板15は、表面15aおよび背面15bともに微小光学素子16のような光学構造を有さず、空気層に面している。光入射面15cから混合領域15eに入射した光は、空気層との界面で全反射しながら+x軸方向に進む(伝播する)。空気層とは、光学部材を取り巻く空気のことである。空気層との界面とは、空気層と接している表面15a、背面15bなどの面である。
面発光導光板15は、領域15fの背面15bに微小光学素子16を有している。領域15fは、混合領域15eの+x軸方向に隣接する領域である。背面15bは、液晶パネル11に対して反対側の面である。微小光学素子16は、混合光線L13を照明光L14に変える機能を有する。混合光線L13は、面発光導光板15の内部を伝播する第1の光線L11と第2の光線L12とが混合した光線である。照明光L14は、略+z軸方向に向けて出射する光である。照明光L14は、液晶パネル11の背面11bに向けて面発光導光板15から出射する。
面発光導光板15は、透明材料で作製された部品である。例えば、z軸方向の厚みが4mmの薄板状の部材である。図6および図7に示すように、面発光導光板15の背面15bには、複数の微小光学素子16が備えられている。微小光学素子16は、−z軸方向に突出した半球状の凸レンズ形状の素子である。
なお、面発光導光板15の材質および微小光学素子16の材質は、例えばアクリル樹脂(PMMA)とすることができる。ただし、面発光導光板15の材質および微小光学素子16の材料は、アクリル樹脂に限定されない。面発光導光板15の材質および微小光学素子16の材料としては、光透過率が良く、成形加工性に優れた材料が採用され得る。例えば、アクリル樹脂に代えて、ポリカーボネート樹脂などの別の樹脂材料を採用できる。あるいは、面発光導光板15の材質および微小光学素子16の材質は、ガラス材料を採用できる。また、面発光導光板15の厚みは、4mmに限定されるものではなく、液晶表示装置1の薄型化および軽量化の両方を考慮すると、厚みの薄い面発光導光板15を採用することが望ましい。
また、微小光学素子16の形状は、凸レンズ状に限定されず、微小光学素子16が混合光線L13を略+z軸方向に反射して混合光線L13が液晶パネル11の背面11bに向けて出射する機能を持つ部材であればよい。混合光線L13は、面発光導光板15の内部を+x軸方向に進行する光である。この機能を有すれば、微小光学素子16の形状は、他の形状であってもよい。例えば、微小光学素子16は、プリズム形状またはランダムな凹凸パターンなどであってもよい。
混合光線L13は、面発光導光板15と空気層との界面で全反射する。そして、混合光線L13は、面発光導光板15の内部を伝播する。混合光線L13は、反射をしながら+x軸方向に進む。しかし、混合光線L13が微小光学素子16に入射すると、微小光学素子16の曲面で反射して進行方向を変える。混合光線L13の進行方向が変化すると、混合光線L13の中には、面発光導光板15の表面と空気層との界面での全反射条件を満たさなくなる光線が生じる。光線が全反射条件を満たさなくなると、光線は、面発光導光板15の発光面15aから液晶パネル11の背面11bに向かって出射する。
微小光学素子16の配置密度は、面発光導光板15の上のxy平面内の位置で変化している。配置密度とは、単位面積当たりの微小光学素子16の数、または、単位面積当たりの微小光学素子16の占める面積(大きさ)である。微小光学素子16の配置密度の変化により、照明光L14の面内輝度分布を制御することができる。照明光L14は、面発光導光板15から出射する光である。なお、面内輝度分布とは、任意の平面において、2次元で表される位置に対する輝度の高低を示す分布である。ここでの面内とは、表面15aまたは表示面11aのことである。
第1の光線L11は、例えば、青緑色の光線である。第2の光線L12は、例えば、赤色の光線である。第1の光線L11および第2の光線L12の両方は、面発光導光板15の光入射面15cから面発光導光板15に入射する。混合領域15eは、面発光導光板15の光入射面15cの近傍に配置されている。混合領域15eは第1の光線L11および第2の光線L12を混合する機能を有する。第1の光線L11および第2の光線L12の両方は、混合領域15eを進行することにより混合され、混合光線(例えば、白色の光線)L13となる。
混合光線L13は、面発光導光板15の背面15bに備えられた微小光学素子16により照明光L14に変換される。照明光L14は、略+z軸方向に進行し、液晶パネル11の背面11bに向けて進む。照明光L14は、第2の光学シート13および第1の光学シート12を透過して液晶パネル11の背面11bを照射する。第1の光学シート12は、面発光導光板15の表面15aから出射した照明光L14を、液晶パネル11の背面11bに向ける機能を持つ。第2の光学シート13は、照明光L14による細かな照明むらなどの光学的な影響を抑制する機能を持つ。
微小光学素子16は、面発光導光板15の背面15bのうちの、領域15fに配置されている。領域15fは、光入射面15cから任意の長さだけ離れた位置から側面15dまでの領域である。任意の長さとは、混合領域15eの長さである。微小光学素子16が配置された領域15fの面積は、液晶パネル11の有効画像表示領域の面積と略同じである。しかし、液晶パネル11の有効画像表示領域の面積より幾分大きいことが好ましい。領域15fの中心位置は、液晶パネル11の有効画像表示領域(xy平面に平行な領域)の中心位置と同じであることが望ましい。または、領域15fの中心位置は、液晶パネル11の有効画像表示領域の中心位置の近傍に位置しても構わない。
このような構成により、面発光導光板15の表面15aから出射した照明光L14は、液晶パネル11の有効画像表示領域の全域を照明する。そして液晶パネル11の表示面11aを見る鑑賞者は、表示面11aに輝度むらおよび色むらの両方が低減された画像を見ることができる。つまり、液晶パネル11の表示面11aの周辺部が暗くなることを回避することができる。
面光源装置100は、光反射シート17を有している。光反射シート17は、面発光導光板15の背面15bに対向して配置されている。面発光導光板15の背面15bから出射した光は、光反射シート17で反射し、背面15bから面発光導光板15に入射し、面発光導光板15の表面15aから出射して、照明光L14として液晶パネル11の背面11bを照明する。光反射シート17としては、例えば、ポリエチレンテレフタラートなどの樹脂を基材とした光反射シートを用いることができる。また、光反射シート17としては、基板の表面に金属を蒸着した光反射シートを用いてもよい。
図8は、実施の形態1に係る液晶表示装置1の制御系の構成を示すブロック図である。図8に示すように、液晶表示装置1は、液晶パネル11、液晶パネル駆動部22、第1の光源18、第2の光源101、光源駆動部23および制御部21を有している。液晶パネル駆動部22は、液晶パネル11を駆動する。液晶パネル駆動部22は、液晶パネル制御信号26に基づいて液晶パネル11を駆動し、液晶パネル11に映像を表示させる。光源駆動部23は、第1の光源18および第2の光源101の両方を駆動する。光源駆動部23は、光源制御信号27に基づいて第1の光源18および第2の光源101の両方を駆動して、液晶パネル11に表示される映像の輝度を調整する。制御部21は、液晶パネル駆動部22の動作および光源駆動部23の動作を制御する。制御部21は、入力された映像信号25に画像処理を施し、入力された映像信号25に基づく液晶パネル制御信号26および光源制御信号27の両方を生成する。制御部21は、液晶パネル制御信号26を液晶パネル駆動部22に供給する。制御部21は、光源制御信号27を光源駆動部23に供給する。
液晶パネル駆動部22は、制御部21から受け取った液晶パネル制御信号26に基づいて、液晶パネル11の液晶層の光透過率を画素単位で変化させる。液晶パネル11の各画素は、例えば、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3つの副画素(第1から第3の副画素)から構成されている。第1の副画素は、赤色の光のみを透過するカラーフィルタを有している。第2の副画素は、緑色の光のみを透過するカラーフィルタを有している。第3の副画素は、青色の光のみを透過するカラーフィルタを有している。
制御部21は、液晶パネル駆動部22に、液晶パネル11の各副画素の光透過率を制御させることで、液晶パネル11にカラー画像を表示させる。言い換えれば、液晶パネル11は、面発光導光板15から入射した照明光L14を空間的に変調することで画像光を作り出して、画像光を表示面11aから出射する。ここで、画像光とは、画像情報を有する光のことである。
面発光導光板15は、光源18,101から出射する角度強度分布の異なる光線L11,L12を入射し、表面15aから出射する。第1の光線L11の角度強度分布と第2の光線L12の角度強度分布との違いは、面内輝度分布の輝度むらの原因となる。また、第1の光源18および第2の光源101が、それぞれ異なる色の光を発する。この場合、面内輝度分布の輝度むらは色むらとなって表示面11aに現れてしまう。
しかし、実施の形態1に係る面光源装置100は、角度強度分布整形部材110を用いて、レーザ発光素子101a,101b,101c,101d,101e,101fから出射する第2の光線L12の非常に狭い角度強度分布を、LED素子から出射する第1の光線L11の角度強度分布と略等しくなるように整形する。これにより、面光源装置100は、表示面11aにおける色むらの発生を抑制している。
青緑色の第1の光線L11および赤色の第2の光線L12の両方は、面発光導光板15の光入射面15cに入射する。2つの光線L11,L12は、面発光導光板15の光入射面15c近傍に設けられた混合領域15eを伝播することにより混ざり合って白色の混合光線L13となる。その後、混合光線L13は、微小光学素子16により液晶パネル11に向けて面発光導光板15から出射する。
実施の形態1に係る面発光導光板15では、各色の光線L11,L12は、同等の角度強度分布で領域15fに入射する。領域15fは、微小光学素子16を備えている。したがって、照明光L14は、xy平面において、色むらのない白色の面状の光として面発光導光板15から出射する。なお、制御部21が光源駆動部23を制御して、第1の光線L11の輝度と第2の光線L12の輝度との割合を調整することができる。
液晶表示装置1は、表示色の色純度を高めることで、色再現範囲を広げることができる。この場合、液晶表示装置1は、液晶パネル11のカラーフィルタの透過波長帯域の幅を狭く設定しなければならない。しかし、透過波長帯域の幅を狭く設定すると、カラーフィルタを透過する光の透過光量は、減少する。このため、表示色の色純度を高めようとする場合、カラーフィルタを透過する光の透過光量の減少によって輝度が落ちるという問題が発生する。
さらに、従来使用されていた蛍光ランプは、赤色領域の発光スペクトルのピークがオレンジ色の波長領域にある。同様に、黄色蛍光体を利用した白色のLEDも、赤色領域の発光スペクトルのピークがオレンジ色の波長領域にある。すなわち、赤色領域の波長のピークは、赤色領域からずれたオレンジ色の領域にある。特に、赤色において色純度を高めようとすると、極めて透過光量が落ち、著しく輝度が低下してしまう。
実施の形態1に係る液晶表示装置1においては、第1の光源18は、青緑色の第1の光線L11を出射するLED素子を有している。青緑色の第1の光線L11は、青色と緑色の光とを混ぜている。また、第2の光源101は、赤色の第2の光線L12を出射する単色のレーザ発光素子を有している。第2の光線L12のスペクトルは、例えば、640nm付近にピークを有する。また、第2の光線L12の波長幅は、半値全幅で1nmと非常に狭い。つまり、第2の光線L12は色純度が高い。このように、第2の光源101が、赤色のレーザ発光素子を用いることにより、赤色の色純度を向上させることができる。すなわち、液晶表示装置1は、表示色の色再現範囲を広げることができる。
なお、実施の形態1においては、第2の光源101が640nm付近にピークを有するレーザ発光素子を有する場合を説明したが、本発明は、これに限定されない。第2の光源101が、より短波長側の赤色レーザ発光素子を使用することにより、波長に対する視感度が上がるため、輝度/投入電力の比を向上することが可能となり、より消費電力低減効果が得られる。輝度/投入電力の比とは、入力される投入電力に対する得られる輝度の割合である。また、より長波長側の赤色レーザ発光素子を使用することにより、色再現範囲を広げ色鮮やかな画像を提供することが可能となる。
スペクトル幅が非常に狭く色純度を向上させることが可能なレーザ発光素子は、非常に狭い角度強度分布を有する。このレーザ発光素子と広い角度強度分布を有するLED素子とから白色の面光源を生成する面光源装置においては、それらの素子から出射される光線の角度強度分布の違いから、色むらが問題となる。
しかし、第2の光源101から出射した第2の光線L12が角度強度分布整形部材110を介すことにより、実施の形態1における液晶表示装置1の面光源装置100は、第2の光線L12の角度強度分布の形状を、LED素子から出射する第1の光線L11の角度強度分布の形状と同等に整形する。このため、面光源装置100は、色むらを抑えた白色の面状の光を得ることができる。
なお、照明光L14は、第1の光学シート12および第2光学シート13などで反射して−z軸方向に進行する場合がある。照明光L14は、面発光導光板15から液晶パネル11に向けて出射した光である。高輝度化および低消費電力化を実現するためには、それらの反射光を再び液晶パネル11の照明光として利用する必要がある。実施の形態1に係る液晶表示装置1は、面発光導光板15の−z軸方向側に光反射シート17を備えている。光反射シート17は、−z軸方向に進む光を+z軸方向に向ける。これにより、液晶表示装置1は、効率的に光を利用することができる。
以上に説明したように、実施の形態1に係る面光源装置100は、面発光導光板15、第1の光源18、第2の光源101、角度強度分布整形部材110およびシリンドリカルミラー102を備えている。そして、第1の光源18は、面発光導光板15の光入射面(側面)15cに対向する位置に配置されている。第2の光源101は、面発光導光板15の背面15b側の位置に配置されている。角度強度分布整形部材110およびシリンドリカルミラー102の両方は、第2の光線L12を光入射面15cに導く光路変更部材としての機能を有する。
このように、実施の形態1に係る面光源装置100は、光路変更部材によって第2の光線L12の進行方向を面発光導光板15の光入射面15cに向かう方向に変えている。このため、面発光導光板の厚み方向に並ぶ2種類の光源を面発光導光板の光入射面に対向配置させた従来の構成に比べ、面発光導光板15の厚みを薄くすることができる。
また、実施の形態1に係る面光源装置100は、角度強度分布整形部材110を備えている。これにより、実施の形態1に係る面光源装置100は、面発光導光板15の領域15fに入射する直前の第2の光線L12の角度強度分布を、領域15fに入射する直前の第1の光線L11の角度強度分布に近付けることができる。領域15fは、面発光導光板15の背面15bに微小光学素子16を備える領域である。
このように、面光源装置100は、角度強度分布整形部材110を用いて、第2の光線L12の角度強度分布を第1の光線L11の角度強度分布に近付けている。これにより、第1の光線L11が作り出す照明光L14の面内輝度分布と、第2の光線L12が作り出す照明光L14の面内輝度分布との差が抑制される。そして、面光源装置100は、照明光L14の色むらを低減することができる。照明光L14は、面発光導光板15の表面15aから出射する面状の光である。また、照明光L14は、第1の光線L11と第2の光線L12とを足し合わせた白色の光である。
また、実施の形態1に係る面光源装置100を有する液晶表示装置1は、面発光導光板15の厚みが薄くなるので、薄型化を実現できる。また、液晶表示装置1は、面光源装置100の色むらを低減することができるので、液晶パネル11の表示面11aの色むらを低減し画質の向上を実現できる。
実施の形態1に係る面光源装置100によれば、制御部21は、光源駆動部23に、第2の光線L12の輝度および第1の光線L11の輝度を調整させる。制御部21は、映像信号25に基づいて各光源L11,L12の発光量を調整する。これにより、液晶表示装置1は消費電力を低減できる。
また、液晶表示装置1は、光源に少なくとも1種類のレーザ発光素子を採用している。このことにより、液晶表示装置1は、色再現領域を広げ色鮮やかでかつ色むらを抑えた画像を提供することが可能となる。
さらに、実施の形態1に係る面光源装置100は、角度強度分布整形部材110を備えている。このため、2種類の光源18,101を離れた位置に配置することが可能となる。一般に、光源に採用される発光素子は、電気−光変換効率が10%から50%までである。光に変換されないエネルギーは、熱となる。ここで、発光素子とは、LED素子およびレーザ発光素子である。
2種類の光源18,101が近くに配置される場合、熱源が狭い領域に集中するため、放熱が困難となる。放熱能力の不足により、2種類の光源18,101の周囲温度が上昇する。一般的に、これらの光源18,101は、周囲温度が上昇するにつれ発光効率が低下する。このため、放熱能力を向上させることが必要である。実施の形態1に係る液晶表示装置1は、2種類の光源18,101が離れて配置されるため、熱源が分散し光源18,101の温度調節が容易になる。このように温度調節を容易にすることで、放熱用の部材を削減でき、面発光装置100の薄型化も容易となる。
上記の説明では、実施の形態1に係る面発光装置100は、2つの光線L11,L12が面発光導光板15の短辺の側面(光入射面15c)から入射する構成を採用している。しかし、面発光装置100は、面発光導光板15の長辺の側面を光入射面とすることも可能である。これは、光源18,101の配列、シリンドリカルミラー102の位置、角度強度分布整形部材110、微小光学素子16の配列および微小光学素子16の形状などを適切に変更することによって可能となる。
また、上記の説明では、実施の形態1に係る面発光装置100は、光線L11,L12が面発光導光板15の1つの側面(光入射面15c)から入射する構成を採用している。しかし、面発光装置100は、面発光導光板15の対向する2つの側面(例えば、光入射面15cとそれに対向する面15d)を光入射面とすることも可能である。これは、光源18,101の配列、シリンドリカルミラー102の位置、角度強度分布整形部材110、微小光学素子16の配列および微小光学素子16の形状などを適切に変更することによって可能となる。
また、実施の形態1に係る面発光装置100の光源駆動部23は、映像信号25に基づいて第1の光源18の出力および第2の光源101の出力の両方を個別に制御している。このため、面発光装置100は、消費電力を低減できる。また、面発光装置100は、迷光を低減してコントラストを向上させることができる。なぜなら、余分な光を低減することで、迷光を低減することができるからである。なお、迷光とは、光学機器内で、正規の光路以外をたどる光のことで、希望する用途に有害な光である。
実施の形態1に係る液晶表示装置1は、第1の光源18に青緑色のLED素子を採用し、第2の光源101に赤色のレーザ発光素子を採用する構成とした。しかし、本発明は、これに限るものではない。例えば、複数の異なる光源を備える液晶表示装置において、広い角度強度分布を有する光源と狭い角度強度分布とを有する光源とを備える場合に、本発明を適用できる。
例えば、第1の光源18に青緑色の光を放射する蛍光ランプを採用し、第2の光源101に赤色のレーザ発光素子を採用する構成でも本発明を適用できる。この場合、蛍光ランプとレーザ発光素子とにより白色の光を生成することができる。また、第1の光源18に青色のLED素子と赤色のLED素子とを採用し、第2の光源101に緑色のレーザ発光素子を採用する構成でも本発明を適用できる。この場合、LED素子とレーザ発光素子とにより白色の光を生成することができる。さらに、第1の光源18に緑色のLED素子を採用し、第2の光源101に青色のレーザ発光素子と赤色のレーザ発光素子とを採用することもできる。
また、上記の説明では、面光源装置100を液晶表示装置1のバックライトユニットとして用いた場合について説明したが、面光源装置を照明用などの他の用途に用いてもよい。
実施の形態2
図9は、実施の形態2に係る液晶表示装置2(面光源装置200を含む)の構成を概略的に示す構成図である。実施の形態2に係る面光源装置200は、実施の形態1の角度強度分布整形部材110に代えて、形状の異なる角度強度分布整形部材210を備えている。また、実施の形態2に係る面光源装置200は、実施の形態1のシリンドリカルミラー102に代えて、形状の異なるシリンドリカルミラー202を備えている。シリンドリカルミラー202は、光路変更部材としての機能を有する。実施の形態1で示した図1の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を省略する。つまり、実施の形態2で示した図9の構成要素のうち、同一の構成要素は、液晶パネル11、光学シート12,13、面発光導光板15、微小光学素子16、光源18および光反射シート17である。
図10は、実施の形態2の角度強度分布整形部材202を+z軸方向から見た構成図である。図10に示すように、角度強度分布整形部材202は、3個の角度強度分布整形部材210a,210b,210cがy軸方向に並んで配置されている。角度強度分布整形部材210a,210b,210cは全て同じ形状をしている。また、角度強度分布整形部材210a,210b,210cは全て同じ材料でできている。そのため、角度強度分布整形部材210a,210b,210cは全て同じ性能を有する。図11は、角度強度分布整形部材210aを+z軸方向から見た構成図である。
角度強度分布整形部材210は、xy平面に平行に配置された板状の部材である。角度強度分布整形部材210は、例えば、厚み1mmの板状の部材である。また、x軸方向の大きさは70mm、y軸方向の大きさは85mmである。角度強度分布整形部材210は、例えば、PMMAなどのアクリル樹脂の透明材料で作製されている。
図11に示すように、角度強度分布整形部材210aの光入射面211aは2つの光入射面211aa,211abを備えている。光入射面211aaはレーザ発光素子201aと対向している。また光入射面211abはレーザ発光素子201bと対向している。レーザ発光素子201aはz軸を中心として、−x軸方向から反時計回りに18度回転している。したがって、レーザ発光素子201aから出射する第2の光線L22aの光線の軸は、z軸を中心として、−x軸方向から反時計回りに18度回転した方向を向いている。レーザ発光素子201bはz軸を中心として、−x軸方向から時計回りに18度回転している。したがって、レーザ発光素子201bから出射する第2の光線L22bの光線の軸は、z軸を中心として、−x軸方向から時計回りに18度回転した方向を向いている。なお、+z軸側からxy平面を見て、z軸を中心とし時計回りに回転する方向を+方向とし、反時計回りに回転する方向を−方向としている。ここで光線の軸とは、任意の平面における光線の角度強度分布の加重平均となる角度方向の軸である。加重平均となる角度は、各角度に光の強度の重みづけをして平均することで求められる。光強度のピーク位置が角度強度分布の中心からずれている場合、光線の軸は光強度のピーク位置の角度とはならない。光線の軸は、角度強度分布の面積の中の重心位置の角度となる。
角度強度分布整形部材210aの光入射面211aaは、第2の光線L22aの光線の軸と直交している。すなわち、第2の光線L22aは光入射面211aaに垂直に入射する。角度強度分布整形部材210aの光入射面211abは、第2の光線L22bの光線の軸と直交している。すなわち、第2の光線L22bは光入射面211abに垂直に入射する。
角度強度分布整形部材210bの光入射面211aは2つの光入射面211ac,211adを備えている。光入射面211acはレーザ発光素子201cと対向している。また光入射面211adはレーザ発光素子201dと対向している。レーザ発光素子201cはz軸を中心として、−x軸方向から反時計回りに18度回転している。したがって、レーザ発光素子201cから出射する第2の光線L22cの光線の軸は、z軸を中心として、−x軸方向から反時計回りに18度回転した方向を向いている。レーザ発光素子201dはz軸を中心として、−x軸方向から時計回りに18度回転している。したがって、レーザ発光素子201dから出射する第2の光線L22dの光線の軸は、z軸を中心として、−x軸方向から時計回りに18度回転した方向を向いている。
角度強度分布整形部材210bの光入射面211acは、第2の光線L22cの光線の軸と直交している。すなわち、第2の光線L22cは光入射面211acに垂直に入射する。角度強度分布整形部材210bの光入射面211adは、第2の光線L22dの光線の軸と直交している。すなわち、第2の光線L22dは光入射面211adに垂直に入射する。
角度強度分布整形部材210cの光入射面211aは2つの光入射面211ae,211afを備えている。光入射面211aeはレーザ発光素子201eと対向している。また光入射面211afはレーザ発光素子201fと対向している。レーザ発光素子201eはz軸を中心として、−x軸方向から反時計回りに18度回転している。したがって、レーザ発光素子201eから出射する第2の光線L22eの光線の軸は、z軸を中心として、−x軸方向から反時計回りに18度回転した方向を向いている。レーザ発光素子201fはz軸を中心として、−x軸方向から時計回りに18度回転している。したがって、レーザ発光素子201fから出射する第2の光線L22fの光線の軸は、z軸を中心として、−x軸方向から時計回りに18度回転した方向を向いている。
角度強度分布整形部材210cの光入射面211aeは、第2の光線L22eの光線の軸と直交している。すなわち、第2の光線L22eは光入射面211aeに垂直に入射する。角度強度分布整形部材210fの光入射面211afは、第2の光線L22fの光線の軸と直交している。すなわち、第2の光線L22fは光入射面211afに垂直に入射する。
図11は、角度強度分布整形部材210aを示す構成図である。図11に示すように、角度強度分布整形部材210aは、光入射面211aaおよび211abの両方に微細光学構造111を有している。微細光学構造111は、入射する光の進行方向を屈折により変化させる作用を有する。図11に示すように、例えば、微細光学構造111は、円柱の側面形状が凹形状として光入射面211aaおよび211abの両方に形成されている。微細光学構造111の凹形状は、y軸方向に一定間隔で形成されている。ここで、円柱の中心軸はz軸と平行である。図11で示した凹形状は、中心軸を通る平面と平行な平面で円柱を切断した側面形状である。微細光学構造111をxy平面で切断した断面は、第2の光源201a,201b側に凹形の円弧形状をしている。また、光入射面211aa,211abをzx平面で切断した断面は、z軸方向に延びる直線形状をしている。角度強度分布整形部材210b,210cは210aと同様の形状を有する。
本実施の形態2に係る角度強度分布整形部材210の微細光学構造111は、xy平面上で、半径40μmの凹形の円弧形状である。円弧形状の中心は、各光入射面211aa,211ab,211ac,211ad,211ae,211afと平行な平面上にある。凹形の深さは20μmである。円弧形状の間隔は、円弧の中心の間隔で80μmである。
光入射面211aに入射する第2の光線L22は、光入射面211aに入射する際に微細光学構造111により拡散する。したがって、角度強度分布整形部材210に入射した第2の光線L22の角度強度分布の全角は、第2の光源201から出射した直後の角度強度分布の全角と比べて大きくなる。また、第2の光線L22はランダムな方向に進む。
第2の光源201から出射する第2の光線L22は、xy平面上において、全角が35度の狭い角度強度分布を有する。角度強度分布の形状は略ガウシアン分布をしている。角度強度分布整形部材210aに入射した後、レーザ発光素子201aから出射される第2の光線L22aとレーザ発光素子201bから出射される第2の光線L22bとは、角度強度分布整形部材210aの中で足し合わされる。つまり、光出射面211cから出射する光線L22の光強度分布は、光線L22aの光強度分布と光線L22bの光強度分布とを足し合わせた分布となる。
角度強度分布整形部材210bに入射した後、レーザ発光素子201cから出射される第2の光線L22cとレーザ発光素子201dから出射される第2の光線L22dとは、角度強度分布整形部材210bの中で足し合わされる。つまり、光出射面211cから出射する光線L22の光強度分布は、光線L22cの光強度分布と光線L22dの光強度分布とを足し合わせた分布となる。
角度強度分布整形部材210cに入射した後、レーザ発光素子201eから出射される第2の光線L22eとレーザ発光素子201fから出射される第2の光線L22fとは、角度強度分布整形部材210cの中で足し合わされる。つまり、光出射面211cから出射する光線L22の光強度分布は、光線L22eの光強度分布と光線L22fの光強度分布とを足し合わせた分布となる。
これらのことから、光出射面211c上での第2の光線L22の角度強度分布の全角は、第2の光源201を出射したときよりも大きくなっている。
具体的に説明すると、レーザ発光素子201aは、レーザ発光素子201bと隣り合って配置されている。図11中、レーザ発光素子201aは、−x軸方向に対してz軸を中心に反時計回りに18度回転している。レーザ発光素子201bは、−x軸方向に対してz軸を中心に時計回りに18度回転している。その結果、第2の光線L22aの光線の軸は、−x軸方向に対してz軸を中心に反時計回りに18度の方向を向いている。第2の光線L22bの光線の軸は、−x軸方向に対してz軸を中心に時計回りに18度の方向を向いている。つまり、2つの光線L22a,L22baの光線の軸は、x軸に対し対称な方向を向いている。
図11に示すように、角度強度分布整形部材210は、y軸方向の側面に角度強度分布を調整する調整面211d,211eを有する。調整面211d,211eはxy平面上において凹形状の円弧形状をしている。また、yz平面で切断された断面はz軸方向に延びる直線状である。調整面211dは、第2の光源201aに対して−y軸方向の側面に形成されている。そして、第2の光線L22aの光束のうち、−y軸方向に出射した光線が調整面211dで反射する。調整面211eは、第2の光源201bに対して+y軸方向の側面に形成されている。そして、第2の光線L22bの光束のうち、+y軸方向に出射した光線が調整面211eで反射する。
調整面211d,211eが無い場合、これらの光線は、第2の光線L22aおよびL22bを足し合わせた光束の最も外側の光となる。つまり、これらの光線は、角度強度分布整形部材210aの光出射面211cにおける角度強度分布の最外角の光線となる。これらの光は、調整面211d,211eで反射して進行方向を変える。このとき、調整面211d,211eに入射する光線L22a,L22bの入射角を調整することにより、光線L22a,L22bの進行方向を調整できる。つまり、調整面211d,211eの形状を変更することにより、第2の光線L22a,L22bを足し合わせた光線の角度強度分布の形状を調整することができる。第2の光線L22a,L22bを足し合わせた光線とは、光出射面211cから出射する光線である。これらの光線とは、第2の光線L22aの光束のうち−y軸方向に出射した光線と第2の光線L22bの光束のうち+y軸方向に出射した光線とである。
このように、隣り合うレーザ発光素子201a,201bから出射する2つの第2の光線L22a,L22bの光線の軸は、x軸に対し対称な方向に傾く。2つの第2の光線L22a,L22bを足し合わせた光線の角度強度分布の光線の軸は、x軸に平行である。2つの第2の光線L22a,L22bを足し合わせた光線の角度強度分布の全角は、角度強度分布整形部材210に入射する前の全角より大きくなる。レーザ発光素子201c,201dから出射する光線も、同様に角度強度分布の全角を大きくすることができる。レーザ発光素子201e,201fから出射する光線も、同様に角度強度分布の全角を大きくすることができる。
本実施の形態2においては、角度強度分布整形部材210aの調整面211d,211eを凹形状の円弧形状としている。調整面211dは、第2の光線L22aの−y軸側の光線を+y軸方向に向けることができる。調整面211eは、第2の光線L22bの+y軸側の光線を−y軸方向に向けることができる。この結果、調整面211d,211eが無かった場合に、第2の光線L22a,L22bを足し合わせた光線の最外角となる光線の進行方向を、角度中心付近に近づけることができる。
なお、本実施の形態2の角度強度分布整形部材210は、調整面211d,211eの形状を凹形の円弧形状とした。しかし、本発明はこれに限るものではない。例えば、調整面211d,211eの形状を凸形状の円弧形状や直線形状としてもよい。また、複数の凹形の円弧形状を複数配列した形状としてもよい。調整面211d,211eの形状は、第2の光線L22の角度強度分布を必要な形状とするために変更することができる。
本実施の形態2においては、角度強度分布整形部材210は、3つの角度強度分布整形部材210a,210b,210cで構成されている。角度強度分布整形部材210b,210cは角度強度分布整形部材210aと同様の形状および機能を有する。
なお、本実施の形態2においては、角度強度分布整形部材210は3つの角度強度分布整形部材210a,210b,210cで構成されるとしたが、本発明は3個に限るものではない。面発光導光板15の光入射面15cの長辺方向(y軸方向)に配置するのであれば、個数を多くする構成としてもよい。また、光源201が備えるレーザ発光素子の数などによっても角度強度分布整形部材210の数は増減する。
xy平面上において、第2の光源201から出射した第2の光線L22の角度強度分布は、全角の狭い略ガウシアン分布形状である。角度強度分布整形部材210を介すことにより、光出射面211cにおける第2の光線L22の角度強度分布は、全角の広い分布形状となる。これにより、面発光導光板15に入射した直後の第2の光線L22は、面発光導光板15に入射した直後の第1の光線L21と略近似した角度強度分布を有する。
角度強度分布整形部材210は、板状部221と光折返し部222とから構成されている。板状部221は、xy平面に平行に配置されている。光折返し部222は、xy平面に対して約45度の傾斜を持った傾斜面211bを有する。傾斜面211bは、y軸を通りxy平面に対して略45度の傾斜を持つ平面に対して平行である。角度強度分布整形部材210は、例えば、厚み1mmの板状の部材である。角度強度分布整形部材210は、例えば、PMMAなどのアクリル樹脂の透明材料で作製されている。
第2の光線L22の全てが、角度強度分布整形部材210の傾斜面211bで全反射するように、傾斜面211bに対する第2の光線L22の入射角を調整する。これにより、角度強度分布整形部材201における光損失は抑制される。
例えば、屈折率1.49のアクリル樹脂部材から屈折率1.00の空気層に光線が入射する場合には、全反射条件を満足する臨界角θtは、スネルの法則から、次に示す数式(1)で表される。
θt=sin−1(1.00/1.49)≒42.16°・・・(1)
第2の光線L22の角度強度分布の全角をαとする場合、傾斜面211bに対する第2の光線L22の入射角は、(θt+α/2)以上が望ましい。
図9に示すように、角度強度分布整形部材210は、光入射面211a、傾斜面211bおよび光出射面211cを有している。光出射面211cは、シリンドリカルミラー202の反射面202aに対向している。傾斜面211bは、xy平面に対して略45度の角度で傾斜している。傾斜面211bは、第2の光線L22の進行方向を−x軸方向から略+z軸方向に変更する。すなわち、第2の光線L22は、傾斜面211bで反射し、進行方向を略+z軸方向に変える。第2の光線L22の屈折は、角度強度分布整形部材210と空気層との界面における屈折率差により生じる。
zx平面上で見た第2の光線L22の挙動について説明する。第2の光線L22は、第2の光源201から出射する。第2の光線L22は、角度強度分布整形部材210の光入射面211aから角度強度分布整形部材210に入射する。第2の光線L22は、角度強度分布整形部材210と空気層との界面で全反射をし、角度強度分布整形部材210内を−x軸方向に進行する。第2の光線L22は、傾斜面211bに達し、傾斜面211bで反射して略+z軸方向に進行方向を変える。進行方向を変えた第2の光線L22は、光出射面211cから出射した後に、シリンドリカルミラー202で反射して光入射面15cから面発光導光板15に入射する。シリンドリカルミラー202は光路変更部材としての機能を有する。
シリンドリカルミラー202の反射面202aは、角度強度分布整形部材210の光出射面211cと対向して配置される。また、シリンドリカルミラー202の反射面202aは、面発光導光板15の光入射面15cとも対向して配置されている。図9に示したように、反射面202aのxz平面で切断した断面は、光入射面15c側に凹形の円弧形状をしている。また、反射面202aのxy平面で切断した断面は、y軸方向に延びる直線状である。なお、反射面202aは、シリンドリカルミラー202の反射面である。また、シリンドリカルミラー202は、光路変更部材である。
図9に示した例では、実施の形態2におけるシリンドリカルミラー202は、離心率0.47の楕円の4分の1筒形状である。その楕円の長軸はx軸と平行である。また、シリンドリカルミラー202はその凹面側を光反射面202aとしている。反射面202aは、円筒を円筒の軸(y軸と平行な軸)を通る平面でn個に分割したn分の1円筒形状(nは1より大きい数)とすることができる。
シリンドリカルミラー202の反射面202aには、光を反射する金属膜の層が設けられている。反射面202aの接線の方向は、反射面202a上の位置に応じて異なる。そのため、光束(光線の束であり、大きさを有する平行光)が反射面202aに入射すると、各光線は入射位置に応じて異なる出射角度で反射する。
シリンドリカルミラー202の基材は、アクリル樹脂(例えば、PMMA)である。反射面202aは、アルミニウムを蒸着した面である。ただし、シリンドリカルミラー202を構成する材料および形状は、この例に限定されない。例えば、基材に加工性に優れた他の樹脂や金属を採用してもよい。また、光反射面202aに蒸着する金属膜に、銀または金などの反射率の高い他の金属を採用してもよい。
zx平面上で見て、角度強度分布整形部材210内を伝播する第2の光線L22は、光出射面211cと面211fとで全反射しながら−x軸方向に進行する。面211fは、光出射面211cと対向する面である。光出射面211cとそれに対向する面211fとは平行である。また、第2の光線L22の光線の軸はそれらの面に平行である。それらの面とは、光出射面211cと面211fとである。
したがって、角度強度分布整形部材210内を伝播する第2の光線L22の角度強度分布は保存される。つまり、光出射面211cから出射した第2の光線L22のzx平面における角度強度分布は、第2の光源201から出射した直後の第2の光線L22のzx平面における角度強度分布と同じである。光出射面211cから出射した後、シリンドリカルミラー202に入射した第2の光線L22は、光反射面202aで反射し、進行方向を面発光導光板15の光入射面15cに向ける(略+x軸方向に向ける)。
第1の光源18から出射する第1の光線L21は、光入射面15cから面発光導光板15に入射する。同様に、第2の光源201から出射する第2の光線L22は、光入射面15cから面発光導光板15に入射する。第1の光線L21は、第1の光源18から略+x軸方向(図9における右方向)に、光入射面15cに向けて出射する。このとき、第1の光線21の光線の軸の軸は、面発光導光板15の基準平面(図9のxy平面)と略平行である。
第2の光線L22は、角度強度分布整形部材210の中を伝播し、シリンドリカルミラー202の反射面202aで反射して面発光導光板15の光入射面15cに向けて出射する。このとき、シリンドリカルミラー202は、次に示す2つの機能を有する。第1の機能は、zx平面上で見て、第2の光線L22の光線の軸を面発光導光板15の基準平面に対し任意の角度に傾ける機能である。基準平面は図9のxy平面である。第2の機能は、zx平面上で見て、第2の光線L22の角度強度分布を任意の形状に変える機能である。zx平面は、面発光導光板15の基準平面と直交する平面である。以下、zx平面と平行な面を面発光導光板15の厚み方向の平面と呼ぶ。ここで、主光線の軸とは任意の平面における角度強度分布の加重平均の角度方向の光線の軸である。
第2の光線L22は、シリンドリカルミラー202で反射した後、面発光導光板15に入射する。zx平面上で見て、第2の光線L22の光線の軸は、面発光導光板15の基準平面に対し任意の角度で傾いている。第2の光線L22は、この角度を有しながら混合領域15eの中を+x軸方向に伝播する。
zx平面上で見て第2の光線L22は、混合領域15eの表面15aと背面15bとで反射をしながら伝播する。このとき、第2の光線L22は自らの発散角により発散しながら伝播する。このため、zx平面上で見て、第2の光線L22は、面発光導光板15の表面15aおよび背面15bで折り返される。そして、第2の光線L22は重ね合わせられる。そして、第2の光線L22の光束は、面発光導光板15の厚みと同等の大きさの光束の直径になる。
これにより、混合領域15eから領域15fに出射する第2の光線L22のzx平面における角度強度分布は、混合領域15eに入射した際の第2の光線L22の角度強度分布とこれを面発光導光板15の基準平面に対して対称に折り返した角度強度分布とを足し合わせた分布形状となる。
第1の光源18から出射した第1の光線L21は、角度強度分布を変えることなく面発光導光板15に入射する。このため、面発光導光板15内に入射した直後の第1の光線L21は、広い角度強度分布を有する。一方、第2の光源201から出射した第2の光線L22は、第1の光線L21に対し狭い角度強度分布を有する。広い角度強度分布の第1の光線L21と狭い角度強度分布の第2の光線L22との両方が、面発光導光板15に入射すると、面発光導光板15内で2種類の光線L21,L22の角度強度分布の差が大きくなる。
しかしながら、本実施の形態2の面光源装置200は、角度強度分布整形部材210により第2の光線L22のxy平面上で見た角度強度分布を、第1の光線L21の角度強度分布に略等しい形状とすることができる。また、本実施の形態2の面光源装置200は、シリンドリカルミラー202と混合領域15eとの両方により第2の光線L22のzx平面上で見た角度強度分布を、第1の光線L21の角度強度分布に略等しい形状とすることができる。
第1の光源18から出射する第1の光線L21は、例えば、青緑色の光線である。第2の光源201から出射する第2の光線L22は、例えば、赤色の光線である。第1の光線L21は、光入射面15cから面発光導光板15に入射する。また、第2の光線L22は、光入射面15cから面発光導光板15に入射する。混合領域15eは、第1の光線21と第2の光線L22とを混合する機能を有する。2種類の光線L21,L22は、角度強度分布整形領域15eを伝播することにより混合され、混合光線L23となる。混合光線L23は、例えば、白色の光線である。なお、混合領域15eは光入射面15cの近傍に配置されている。
混合光線L23は、面発光導光板15の背面15bに備えられた微小光学素子16により照明光L24に変換される。照明光L24は、略+z軸方向に進行し、液晶パネル11の背面11bに向けて進む。照明光L24は、第2の光学シート13および第1の光学シート12を透過して液晶パネル11の背面11bを照射する。第1の光学シート12は、面発光導光板15の発光面15aから出射された照明光L24を、液晶パネル11の背面11bに向ける機能を持つ。第2の光学シート13は、照明光L24による細かな照明むらなどの光学的影響を抑制する機能を持つ。
光反射シート17は、面発光導光板15の背面15bに対向して配置されている。混合光線L23のうちの面発光導光板15の背面15bから出射した光は、光反射シート17で反射して、面発光導光板15の背面15bに向けて進む。その後、その光は、面発光導光板15を通過して、発光面15aから液晶パネル11の背面11bに向けて照明光L24として出射する。また、混合光線L23のうち、微小光学素子16に入射した光線も、照明光L24として出射される。
なお、上記の説明では、角度強度分布整形部材210の傾斜面211bは、xy平面に対して略45°の角度で傾斜しているが、本発明は、これに限られるものではない。傾斜面211bに対する第2の光線L22の入射角は、全反射の条件から設定される。全反射の条件は、上述の臨界角θtおよび第2の光線L22の角度強度分布の半角から求められる。
また、第2の光線L22の最適な光路を作るために、光出射面211c、シリンドリカルミラー202および面発光導光板15などの構成要素と傾斜面211bとの位置関係によって傾斜面211bの傾斜角を変更してもよい。また、第2の光線L22の最適な光路を作るために、傾斜面211bの傾斜角に代えてシリンドリカルミラー202の配置位置および形状を変更してもよい。
傾斜面211bの傾斜角やシリンドリカルミラー202の配置位置などの調整は、次の3つの目的のために行う。第1の目的は、第2の光線L22をシリンドリカルミラー202に効率良く入射させ、また、面発光導光板15に効率良く入射させるためである。第2の目的は、面発光導光板15に入射した直後の第2の光線L22の光線の軸が、zx平面上で見て、面発光導光板15の基準平面に対して任意の角度で傾くことである。第3の目的は、面発光導光板15に入射した直後の第2の光線L22が、zx平面上で見て、任意の角度強度分布を有することである。
第2の光源201とシリンドリカルミラー202との位置関係などは、第2の光線L22の角度強度分布、第2の光線L22の光束の大きさ(直径)、シリンドリカルミラー202の曲率および面発光導光板15の厚みなどに応じて設定される。また、シリンドリカルミラー202と面発光導光板15との位置関係などは、第2の光線L22の角度強度分布、第2の光線L22の光束の大きさ(直径)、シリンドリカルミラー202の曲率および面発光導光板15の厚みなどに応じて設定される。したがって、各条件が異なる場合は、各部材の位置関係などを最適化する必要がある。位置関係などとは、各構成要素の配置位置および反射面の傾きなどで、光線の光路を決める各構成要素どうしの関係である。
また、図9において、角度強度分布整形部材210は面発光導光板15と平行に配置されている。また、第2の光線L22は第2の光源201から面発光導光板15と平行な方向に出射されている。しかし、本発明はこれに限るものではない。
例えば、図12に示す面光源装置300においては、角度強度分布整形部材210の光入射面211aは光反射シート17から離れた位置に配置されている。つまり、角度強度分布整形部材210はxy平面に対して傾斜している。これにより、第2の光源201やその周辺の部材が大きい場合でも、角度強度分布整形部材210の光出射面210cの位置をシリンドリカルミラー202に近接させて配置できる。このため、光出射面210cから出射した第2の光線L22がシリンドリカルミラー202に入射するまでの間に生じる得る光損失を抑制することができる。第2の光源201の周辺の部材とは、例えば第2の光源201の保持部材などである。
なお、角度強度分布整形部材210を面発光導光板15に対し傾けて配置する場合、第2の光源201は、第2の光線L22の光線の軸が光出射面211cおよび面211fと平行となるように配置される。このことにより、光折返し部222における光反射角度の制御が容易となる。なお、第2の光源201は、角度強度分布整形部材210の光入射面211aと対向して配置されている。
また、傾斜面211bの傾斜角は、次に示す3つの要件を考慮して決められる。第1の要件は、光折返し部222に入射する第2の光線L22の光線の軸の方向に対する光折返し部222から出射する第2の光線L22の光線の軸の方向である。第2の要件は、シリンドリカルミラー202に入射する第2の光線L22の光線の軸の方向に対するシリンドリカルミラー202から出射する第2の光線L22の光線の軸の方向である。第3の要件は、傾斜面211bに入射する第2の光線L22が傾斜面211bで全反射の条件を満たすことである。これらの3要件を満たして第2の光線L22の光線の軸と傾斜面211bとの角度を設定することで、傾斜面211bにおける光損失を抑制することが可能となる。
また、実施の形態2における角度強度分布整形部材210の薄型化は、シリンドリカルミラー202の小型化につながる。これは、傾斜面211bから出射する線状の光の厚みが薄くなるためである。また、角度強度分布整形部材210の薄型化は、面発光導光板15の薄型化にもつながる。これは、シリンドリカルミラー202のz軸方向の寸法が小さくなるためである。そのため、厚みの薄い角度強度分布整形部材210を用いることが望ましい。しかし、厚みを薄くすると角度強度分布整形部材210の剛性が低下するため、角度強度分布整形部材210の剛性が低下しすぎない範囲で薄型化することが望ましい。
角度強度分布整形部材210からシリンドリカルミラー202に向けて出射される第2の光線L22は、角度強度分布整形部材210を進行することにより、zx平面において角度強度分布整形部材210の厚みと同じ光束の直径を有する線状の光となる。
また、第2の光線L22は、角度強度分布整形部材210内を進行する際、光出射面211cおよび面211f2つの面で反射しながら−x軸方向に進む。面211fは、光出射面211cと対向する面である。光出射面211cは211fと平行である。また、第2の光線L22の光線の軸は、光出射面211cおよび面211fの2つの面と平行である。
このため、光出射端211cから出射する第2の光線L22は、第2の光源201から出射した直後の角度強度分布とほぼ同じ角度強度分布を持つ光線となる。つまり、光出射端210cから出射する第2の光線L22は、角度強度分布整形部材210から出射する2次光源とみなすことができる。
一方、シリンドリカルミラー202の反射面202aのzx平面による断面は凹形状の円弧形状をしている。この場合、この反射面202aの円弧形状の接線と第2の光線L22の光束を構成する各光線との成す角度は、一定の幅を持つ値となる。つまり、反射面202aは平行光を広げる効果を有する。したがって、本実施の形態2の面光源装置200,300は、シリンドリカルミラー202によって第2の光線L22の角度強度分布の全角を広げることが可能となる。
また、実施の形態2の分割した角度強度分布整形部材210a,210b,210cは、実施の形態3で後述する局所点灯制御においても有効である。角度強度分布整形部材210により第2の光線L22のxy平面上で見た角度強度分布を細やかに調整することができる。そのため、局所点灯制御時の面状の照明光L24において面内の輝度むらや色むらを抑制することが可能となる。
実施の形態3
図13は、実施の形態3に係る液晶表示装置3(面光源装置400を含む)の構成を概略的に示す構成図である。実施の形態3に係る面光源装置400は、実施の形態2の角度強度分布整形部材210に代えて、形状の異なる角度強度分布整形部材310を備えている。実施の形態1で示した図1および実施の形態2で示した図9の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付しその説明を省略する。つまり、実施の形態3で示した図13の構成要素のうち、同一の構成要素は、液晶パネル11、光学シート12,13、面発光導光板15、微小光学素子16、光源18、シリンドリカルミラー202および光反射シート17である。
図14は、実施の形態3の角度強度分布整形部材310を+z軸方向から見た構成図である。図14に示すように、角度強度分布整形部材310は、3個の角度強度分布整形部材310a,310b,310cがy軸方向に並んで配置されている。角度強度分布整形部材310a,310b,310cは全て同じ形状をしている。図15は、角度強度分布整形部材310aを+z軸方向から見た構成図である。
近年、液晶表示装置の低消費電力化や、立体視表示の性能向上を目的として、画像とバックライトの局所点灯制御とを組み合わせた技術が広く展開されている。バックライトの局所点灯とは、液晶表示装置に備えられる面光源装置から発される面状の光を、面方向において部分的に点灯させることである。サイドライト方式の場合、導光板の側面と対向して配置される光源を複数のグループに分割し、グループ毎に点灯制御する。これにより、面発光導光板から発される照明光の面内輝度分布を変化させる。
局所点灯制御により、一部の光源を点灯して面状の照明光をxy平面内で局所的に光らせた場合、面発光導光板に入射する光線の角度強度分布が照明光の面内輝度分布に略投影される。具体的には、照明光の面内輝度分布は、光入射面から光入射面に対向する側面に向けて、光線の角度強度分布と略等しい角度でxy平面内に広がる。光入射面は、点灯する光源と対向する面発光導光板15の側面である。従って、光線が1種類の場合は、局所点灯制御時の照明光は、xy平面内で輝度むらを有してしまう。また、異なる色を有する2種類の光線の角度強度分布の間に差異がある場合、局所点灯制御時の照明光は、xy平面内で色むらを有してしまう。
しかしながら、本実施の形態3の面光源装置400は、角度強度分布整形部材310に調整面311d,311eを備える。これにより、本実施の形態3の面光源装置400は、角度強度分布整形部材310により第2の光線L32のxy平面上で見た角度強度分布を極め細やかに調整することができる。そのため、局所点灯制御時の面状の照明光L34において面内の輝度むらや色むらを抑制することが可能となる。
また、本実施の形態3の面光源装置400は、角度強度分布整形部材310により第2の光線L32のxy平面上で見た角度強度分布を、第1の光線L31の角度強度分布に略等しい形状とすることができる。特に、本実施の形態3の面光源装置400は、角度強度分布整形部材310に調整面311d,311eを備える。これにより、光線L32のxy平面における角度強度分布を極め細やかに調整し、より光線L31の角度強度分布に近似することが可能である。そのため、局所点灯制御時の面状の照明光L34において面内の色むらを抑制することが可能となる。面内の色むらとは、任意の平面において、2次元で表される位置における色むらである。本実施の形態3では、任意の平面はxy平面である。
角度強度分布整形部材310は、xy平面に平行に配置されている。角度強度分布整形部材310は、板状の部材である。角度強度分布整形部材310は、例えば、厚み1mmの板状の部材である。また、x軸方向の大きさは70mm、y軸方向の大きさは85mmである。角度強度分布整形部材310は、例えば、PMMAなどのアクリル樹脂の透明材料で作製されている。
図14に示すように、角度強度分布整形部材310aの光入射面311aaは、レーザ発光素子301a,301bと対向している。第2の光線L32aは、レーザ発光素子301aから出射する。第2の光線L32bは、レーザ発光素子301bから出射する。第2の光線L32aの光線の軸は、x軸と略平行である。第2の光線L32bの光線の軸は、x軸と略平行である。
角度強度分布整形部材310bの光入射面311abは、レーザ発光素子301c,301dと対向している。第2の光線L32cは、レーザ発光素子301cから出射する。第2の光線L32dは、レーザ発光素子301dから出射する。第2の光線L32cの光線の軸は、x軸と略平行である。第2の光線L32dの光線の軸は、x軸と略平行である。
角度強度分布整形部材310cの光入射面311acは、レーザ発光素子301e,301fと対向している。第2の光線L32eは、レーザ発光素子301eから出射する。第2の光線L32fは、レーザ発光素子301fから出射する。第2の光線L32eの光線の軸は、x軸と略平行である。第2の光線L32fの光線の軸は、x軸と略平行である。
ここで光線の軸とは、任意の平面における光線の角度強度分布の加重平均となる角度方向の軸である。加重平均となる角度は、各角度に光の強度の重みづけをして平均することで求められる。光強度のピーク位置が角度強度分布の中心からずれている場合、光線の軸は光強度のピーク位置の角度とはならない。光線の軸は、角度強度分布の面積の中の重心位置の角度となる。
図15は角度強度分布整形部材310aの構成を示す構成図である。図15に示すように、角度強度分布整形部材310aは、光入射面311aaに微細光学構造333を有している。微細光学構造333は、入射する光の進行方向を屈折により変化させる作用を有する。図15に示すように、例えば、微細光学構造333は、円柱の側面形状が凹形状として光入射面311aaに形成されている。微細光学構造333の凹形状は、y軸方向に一定間隔で形成されている。ここで、円柱の中心軸はz軸と平行である。図15で示した凹形状は、中心軸を通る平面と平行な面で円柱を切断した側面形状である。微細光学構造333をxy平面で切断した断面は、第2の光源301aおよび301b側に凹形の円弧形状をしている。また、光入射面311aaをzx平面で切断した断面は、z軸方向に延びる直線形状をしている。角度強度分布整形部材310b,310cは、310aと同様の形状を有する。
本実施の形態3に係る角度強度分布整形部材310の微細光学構造333は、xy平面上で、半径40μmの凹形の円弧形状である。円弧形状の中心は、各光入射面311aa,311ab,311acと平行な平面上にある。凹形の深さは20μmである。円弧形状の間隔は、円弧の中心の間隔で80μmである。
光入射面311aに入射する第2の光線L32は、光入射面311aに入射する際に微細光学構造333により拡散する。したがって、角度強度分布整形部材310に入射した第2の光線L32の角度強度分布の全角は、第2の光源301から出射した直後の角度強度分布の全角と比べて大きくなる。また、第2の光線L32はランダムな方向に進む。なお、角度強度分布整形部材310は、角度強度分布整形部材310a、角度強度分布整形部材310bおよび角度強度分布整形部材310cをまとめて表している。光入射面311aは、光入射面311aa、光入射面311abおよび光入射面311acをまとめて表している。第2の光線L32は、第2の光線L32a、第2の光線L32b、第2の光線L32c、第2の光線L32d、第2の光線L32eおよび第2の光線L32fをまとめて表している。
第2の光源301から出射する第2の光線L32は、xy平面上において、全角が35度の狭い角度強度分布を有する。角度強度分布の形状は略ガウシアン分布をしている。第2の光線L32aは、角度強度分布整形部材310aの中で、第2の光線L32bと足し合わされる。第2の光線L32aは、レーザ発光素子301aから出射する。第2の光線L32bは、レーザ発光素子301bから出射する。第2の光線L32aおよび第2の光線L32bの両方は、角度強度分布整形部材310aに入射する。
第2の光線L32cは、角度強度分布整形部材310bの中で、第2の光線L32dと足し合わされる。第2の光線L32cは、レーザ発光素子301cから出射する。第2の光線L32dは、レーザ発光素子301dから出射する。第2の光線L32cおよび第2の光線L32dの両方は、角度強度分布整形部材310bに入射する。
第2の光線L32eは、角度強度分布整形部材310cの中で、第2の光線L32fと足し合わされる。第2の光線L32eは、レーザ発光素子301eから出射する。第2の光線L32fは、レーザ発光素子301fから出射する。第2の光線L32eおよび第2の光線L32fの両方は、角度強度分布整形部材310cに入射する。
図15に示すように、角度強度分布整形部材310aは、y軸方向の側面に角度強度分布を調整する調整面311d,311eを有する。調整面311d,311eは、xy平面上において凹形状の円弧形状をしている。また、yz平面で切断された断面はz軸方向に延びる直線状である。角度強度分布整形部材310b,310cは、角度強度分布整形部材310aと同じ形状であるため、調整面311d,311eを有する。
角度強度分布整形部材310aにおいて、調整面311dは、第2の光源301aに対して−y軸方向の側面に形成されている。そして、第2の光線L32aの光束のうち、−y軸方向に出射した光線が調整面311dで反射する。調整面311eは、第2の光源301bに対して+y軸方向の側面に形成されている。そして、第2の光線L32bの光束のうち、+y軸方向に出射した光線が調整面311eで反射する。
調整面311d,311eが無い場合、これらの光線は、第2の光線L32aおよびL32bを足し合わせた光束の最も外側の光となる。つまり、これらの光線は、角度強度分布整形部材310aの光出射面311cにおける角度強度分布の最外角の光線となる。これらの光は、調整面311d,311eで反射して進行方向を変える。このとき、調整面311d,311eに入射する光線L32a,L32bの入射角を調整することにより、光線L32a,L32bの進行方向を調整できる。つまり、調整面311d,311eの形状を変更することにより、第2の光線L32a,L32bを足し合わせた光線の角度強度分布の形状を調整することができる。第2の光線L32a,L32bを足し合わせた光線とは、光出射面311cから出射する光線である。なお、これらの光線とは、第2の光線L32aの光束のうち−y軸方向に出射した光線と第2の光線L32bの光束のうち+y軸方向に出射した光線とである。
角度強度分布整形部材310bにおいて、調整面311dは、第2の光源301cに対して−y軸方向の側面に形成されている。そして、第2の光線L32cの光束のうち、−y軸方向に出射した光線が調整面311dで反射する。調整面311eは、第2の光源301dに対して+y軸方向の側面に形成されている。そして、第2の光線L32dの光束の内、+y軸方向に出射した光線が調整面311eで反射する。
調整面311d,311eが無い場合、これらの光線は、第2の光線L32cおよびL32dを足し合わせた光束の最も外側の光となる。つまり、これらの光線は、角度強度分布整形部材310bの光出射面311cにおける角度強度分布の最外角の光線となる。これらの光は、調整面311d,311eで反射して進行方向を変える。このとき、調整面311d,311eに入射する光線L32c,L32dの入射角を調整することにより、光線L32c,L32dの進行方向を調整できる。つまり、調整面311d,311eの形状を変更することにより、第2の光線L32c,L32dを足し合わせた光線の角度強度分布の形状を調整することができる。第2の光線L32c,L32dを足し合わせた光線とは、光出射面311cから出射する光線である。なお、これらの光線とは、第2の光線L32cの光束のうち−y軸方向に出射した光線と第2の光線L32dの光束のうち+y軸方向に出射した光線とである。
角度強度分布整形部材310cにおいて、調整面311dは、第2の光源301eに対して−y軸方向の側面に形成されている。そして、第2の光線L32eの光束のうち、−y軸方向に出射した光線が調整面311dで反射する。調整面311eは、第2の光源301fに対して+y軸方向の側面に形成されている。そして、第2の光線L32fの光束の内、+y軸方向に出射した光線が調整面311eで反射する。
調整面311d,311eが無い場合、これらの光線は、第2の光線L32eおよびL32fを足し合わせた光束の最も外側の光となる。つまり、これらの光線は、角度強度分布整形部材310cの光出射面311cにおける角度強度分布の最外角の光線となる。これらの光は、調整面311d,311eで反射して進行方向を変える。このとき、調整面311d,311eに入射する光線L32e,L32fの入射角を調整することにより、光線L32e,L32fの進行方向を調整できる。つまり、調整面311d,311eの形状を変更することにより、第2の光線L32e,L32fを足し合わせた光線の角度強度分布の形状を調整することができる。第2の光線L32e,L32fを足し合わせた光線とは、光出射面311cから出射する光線である。なお、これらの光線とは、第2の光線L32eの光束のうち−y軸方向に出射した光線と第2の光線L32fの光束のうち+y軸方向に出射した光線とである。
上記のとおり、本実施の形態3においては、角度強度分布整形部材310の調整面311d,311eを凹形状の円弧形状としている。調整面311dは、第2の光線L32a,L32c,L32eの−y軸側の光線を+y軸方向に向けることができる。調整面311eは、第2の光線L32b,L32d,L32fの+y軸側の光線を−y軸方向に向けることができる。この結果、調整面311d,311eが無かった場合に、第2の光線L32a,L32bを足し合わせた光線の最外角となる光線の進行方向を、角度中心付近に近づけることができる。また、第2の光線L32c,L32dを足し合わせた光線の最外角となる光線の進行方向を、角度中心付近に近づけることができる。第2の光線L32e,L32fを足し合わせた光線の最外角となる光線の進行方向を、角度中心付近に近づけることができる。
なお、本実施の形態3の角度強度分布整形部材310は、調整面311d,311eの形状を凹形の円弧形状とした。しかし、本発明はこれに限るものではない。例えば、調整面311d,311eの形状を凸形状の円弧形状や直線形状としてもよい。また、複数の凹形の円弧形状を複数配列した形状としてもよい。調整面311d,311eの形状は、第2の光線L32の角度強度分布を必要な形状とするために変更することができる。
本実施の形態3においては、角度強度分布整形部材310は、3つの角度強度分布整形部材310a,310b,310cで構成されている。角度強度分布整形部材310b,310cは角度強度分布整形部材310aと同様の形状および機能を有する。
なお、本実施の形態3においては、角度強度分布整形部材310は3つの角度強度分布整形部材310a,310b,310cで構成されるとしたが、本発明は3個に限るものではない。面発光導光板15の光入射面15cの長辺方向(y軸方向)に配置するのであれば、個数を多くする構成としてもよい。また、光源301が備えるレーザ発光素子の数などによっても角度強度分布整形部材310の数は増減する。
xy平面上において、第2の光源301から出射した第2の光線L32の角度強度分布は、角度強度分布整形部材310を介すことにより調整される。角度強度分布整形部材310の調整面311d,311eの形状を最適化することによって、光出射面311cから出射される際の第2の光線L32の角度強度分布を、所望の形状に整形できる。光出射面311cは、角度強度分布整形部材310の光出射面である。
本実施の形態3において、角度強度分布整形部材310の調整面311d,311eの形状は、面発光導光板15に入射した直後の第2の光線L32の角度強度分布が面発光導光板15に入射した直後の第1の光線L31の角度強度分布と略近似するように最適化される。
図13に示すように、角度強度分布整形部材310は、光入射面311a、傾斜面311bおよび光出射面311cを有している。光出射面311cは、シリンドリカルミラー202の反射面202aに対向している。傾斜面311bは、xy平面に対して略45度の角度で傾斜している。傾斜面311bは、第2の光線L32の進行方向を−x軸方向から略+z軸方向に変更する。すなわち、第2の光線L32は、傾斜面311bで反射して進行方向を略+z軸方向に変える。第2の光線L32の屈折は、角度強度分布整形部材310と空気層との界面における屈折率差により生じる。
zx平面上で見た第2の光線L32の挙動について説明する。第2の光線L32は、第2の光源301から出射する。第2の光線L32は、角度強度分布整形部材310の光入射面311aから角度強度分布整形部材310に入射する。第2の光線L32は、角度強度分布整形部材310と空気層との界面で全反射をして角度強度分布整形部材310内を−x軸方向に進行する。第2の光線L32は、傾斜面311bに達し、傾斜面311bで反射して略+z軸方向に進行方向を変える。進行方向を変えた第2の光線L32は、光出射面311cから出射した後に、シリンドリカルミラー202で反射して光入射面15cから面発光導光板15に入射する。シリンドリカルミラー202は光路変更部材としての機能を有する。
zx平面上で見て、角度強度分布整形部材310内を伝播する第2の光線L32は、光出射面311cと光出射面311cと対向する面311fにおいて全反射しながら−x軸方向に進行する。光出射面311cとそれに対向する面311fは平行である。また、第2の光線L32の光線の軸はそれらの面に平行である。したがって、角度強度分布整形部材310内を伝播する第2の光線L32の角度強度分布は保存される。つまり、光出射面311cから出射した第2の光線L32のzx平面における角度強度分布は、第2の光源301から出射した直後の第2の光線L32のzx平面における角度強度分布と同じである。光出射面311cから出射した後、シリンドリカルミラー302に入射した第2の光線L32は、光反射面302aで反射し、進行方向を面発光導光板15の光入射面15cに向ける(略+x軸方向に向ける)。
第1の光源19から出射する第1の光線L31は、光入射面15cから面発光導光板15に入射する。同様に、第2の光源301から出射した第2の光線L32は、光入射面15cから面発光導光板15に入射する。第1の光線L31は、第1の光源19から略+x軸方向(図13における右方向)に、光入射面15cに向けて出射する。このとき、第1の光線31の光線の軸の軸は、面発光導光板15の基準平面(図13のxy平面)と略平行である。
第2の光線L32は、角度強度分布整形部材310の中を伝播し、シリンドリカルミラー202の反射面202aで反射する。その後、第2の光線L32は、面発光導光板15の光入射面15cに向けて進む。このとき、シリンドリカルミラー202は、次に示す2つの機能を有する。第1の機能は、zx平面上で見て、第2の光線L32の光線の軸を面発光導光板15の基準平面に対し任意の角度に傾ける機能である。基準平面は図13のxy平面である。第2の機能は、zx平面上で見て、第2の光線L32の角度強度分布を任意の形状に変える機能である。zx平面は、面発光導光板15の基準平面と直交する平面である。以下、zx平面と平行な面を面発光導光板15の厚み方向の平面と呼ぶ。ここで、主光線の軸とは、任意の平面における角度強度分布の加重平均の角度方向の光線の軸である。
第2の光線L32は、シリンドリカルミラー202で反射した後、面発光導光板15に入射する。zx平面上で見て、第2の光線L32の光線の軸は、面発光導光板15の基準平面に対し任意の角度で傾いている。第2の光線L32は、この角度を有しながら混合領域15eの中を+x軸方向に伝播する。
zx平面上で見て、第2の光線L32は、混合領域15eの表面15aと背面15bとで反射をしながら伝播する。このとき、第2の光線L32は自らの発散角により発散しながら伝播する。このため、zx平面上で見て、第2の光線L32は、面発光導光板15の表面15aおよび背面15bで折り返される。そして、第2の光線L32は重ね合わされる。そして、第2の光線L32の光束は、面発光導光板15の厚みと同等の大きさの光束の直径になる。
これにより、混合領域15eから領域15fに出射する第2の光線L32のzx平面における角度強度分布は、混合領域15eに入射した際の第2の光線L32の角度強度分布とこれを面発光導光板15の基準平面に対して対称に折り返した角度強度分布とを足し合わせた分布形状となる。
第1の光源19から出射する第1の光線L31は、例えば、青緑色の光線である。第2の光源301から出射する第2の光線L32は、例えば、赤色の光線である。第1の光線L31は、光入射面15cから面発光導光板15に入射する。また、第2の光線L32は、光入射面15cから面発光導光板15に入射する。混合領域15eは、第1の光線L31と第2の光線L32とを混合する機能を有する。2種類の光線L31,L32は、角度強度分布整形領域15eを伝播することにより混合され、混合光線L33となる。混合光線L33は、例えば、白色の光線である。なお、混合領域15eは光入射面15cの近傍に配置されている。
混合光線L33は、微小光学素子16により照明光L34に変換される。微小光学素子16は、面発光導光板15の背面15bに備えられている。照明光L34は、略+z軸方向に進行し、液晶パネル11の背面11bに向けて進む。照明光L34は、第2の光学シート13および第1の光学シート12を透過して液晶パネル11の背面11bを照射する。第1の光学シート12は、面発光導光板15の発光面15aから出射された照明光L34を、液晶パネル11の背面11bに向ける機能を持つ。第2の光学シート13は、照明光L34による細かな照明むらなどの光学的影響を抑制する機能を持つ。
面発光導光板15に入射する2種類の光線L31,L32の角度強度分布が異なる場合、各光線が面発光導光板15によって生成される面状光の面内輝度分布は異なる分布を有する。面内輝度分布とは、図13のxy平面における輝度分布である。従って、例えば光線L31が青緑色であり、光線L32が赤色の光線である場合、面状の照明光L34は、xy平面内で色むらを生じてしまう。照明光L34は、2つの光線L31,L32が生成する面状の光である。
しかしながら、本実施の形態3の面光源装置400は、角度強度分布整形部材310により第2の光線L32のxy平面上で見た角度強度分布を、第1の光線L31の角度強度分布に略等しい形状とすることができる。また、本実施の形態3の面光源装置400は、シリンドリカルミラー202および混合領域15eにより、第2の光線L32のzx平面上で見た角度強度分布を、第1の光線L31の角度強度分布と略等しい形状に整形することができる。そのため、面状の照明光L34において面内の色むらを抑制することが可能となる。特に、本実施の形態3の面光源装置400は、角度強度分布整形部材310に調整面311d,311eを備える。これにより、光線L32のxy平面における角度強度分布を極め細やかに調整し、より光線L31の角度強度分布に近似することが可能である。したがって、より色むらの抑制に効果的である。面内の色むらとは、任意の平面において、2次元で表される位置における色むらである。本実施の形態3では、任意の平面はxy平面である。
局所点灯制御により、一部の光源を点灯して面状の照明光L34をxy平面内で局所的に光らせた場合、面発光導光板15に入射する光線L31,L32の角度強度分布が照明光L34の面内輝度分布に略投影される。具体的には、照明光L34の面内輝度分布は、光入射面15cから面15dに向けて、光線L31,L32の角度強度分布と略等しい角度でxy平面内に広がる。光入射面15cは、点灯する光源と対向する面発光導光板15の側面である。面15dは、光入射面15cと対向する側面である。従って、異なる色を有する2種類の光線L31,L32の角度強度分布の間に差異がある場合、局所点灯制御時の照明光L34は、xy平面内で色むらを有してしまう。
しかしながら、本実施の形態3の面光源装置400は、角度強度分布整形部材310により第2の光線L32のxy平面上で見た角度強度分布を、第1の光線L31の角度強度分布に略等しい形状とすることができる。特に、本実施の形態3の面光源装置400は、角度強度分布整形部材310に調整面311d,311eを備える。これにより、光線L32のxy平面における角度強度分布を極め細やかに調整し、より光線L31の角度強度分布に近似することが可能である。そのため、局所点灯制御時の面状の照明光L34において面内の色むらを抑制することが可能となる。面内の色むらとは、任意の平面において、2次元で表される位置における色むらである。本実施の形態3では、任意の平面はxy平面である。
また、角度強度分布整形部材310の調整面311d,311eにより、光源が1種類の場合にも適用できる。例えば、実施の形態3において、第1の光源19がなく、第2の光源301が白色のLEDあるいはレーザを用いた光源の場合でも適用できる。
この場合でも、本実施の形態3の面光源装置400は、角度強度分布整形部材310に調整面311d,311eを備える。これにより、本実施の形態3の面光源装置400は、角度強度分布整形部材310により第2の光線L32のxy平面上で見た角度強度分布を極め細やかに調整することができる。そのため、局所点灯制御時の面状の照明光L34において面内の輝度色むらを抑制することが可能となる。
また、この場合、角度強度分布整形部材310を面発光導光板15と同一の平面上に配置することもできる。角度強度分布整形部材310を実施の形態1の角度強度分布整形部材110のように、光折返し部322を有しない形状とする。その場合、角度強度分布整形部材110の光出射面110cのように、光入射面311aに対向する側面が光出射面となる。この光出射面を面発光導光板15の光入射面15cに結合することができる。この場合、混合領域15eは不要となる。また、面発光導光板15と角度強度分布整形部材310とを一体で形成することもできる。
また、本実施の形態3の面光源装置400は、角度強度分布整形部材310に調整面311d,311eを備えることにより、角度強度分布整形部材310から出射される光量を増大することができる。その理由を以下に述べる。
光線L32は、角度強度分布整形部材310の光入射面311aから入射し、その内部を伝播後、光出射面311cに達する。光出射面311cに達した光線L32のうち、光出射面311cへの入射角度が全反射条件を満たす光は、光出射面311cにおいて全反射され、光入射面311aの方向に戻される。すなわち、光出射面311cから後続の光学系に向けて、出射されない。後続の光学系とは、本実施の形態3の面光源装置400においてはシリンドリカルミラー202である。従って、面発光導光板15に入射する光量が減り、面光源装置400から発される面状光の輝度を低下させてしまう。ここで、光出射面311cへの光線L32の入射角度における全反射条件とは、角度強度分布整形部材310と空気層との屈折率差によりスネルの法則から導かれる臨界角のことである。
しかしながら、本実施の形態3の面光源装置400は、角度強度分布整形部材310の調整面311d,311eにより、光線L32の角度強度分布を極め細やかに調整することができる。このため、光線L32のうち光出射面311cへの入射角度が全反射条件を満たす光を、全反射条件を満たさない光に変換することができる。従って、角度強度分布整形部材310から出射される光量を増加することが可能となる。つまり、光源301から出射される光量に対する照明光L34の輝度を向上させ、面光源装置400の低消費電力化を可能にする。
また、実施の形態3において、調整面311d,311eは角度強度分布整形部材310の内側に凸の形状としている。調整面311d,311eの形状は、例えば、平面形状や角度強度分布整形部材310の外側に凸の形状とすることができる。つまり、第2の光線L32の一部が調整面311d,311eで反射することで、第2の光線L32の角度強度分布を調整することができる。しかし、調整面311d,311eの形状を平面形状や角度強度分布整形部材310の外側に凸の形状とする場合、第2の光線L32が調整面311d,311eで反射する際の全反射の条件を確保することが難しくなる。また、調整面311d,311eの形状を平面形状とする場合、第2の光線L32の角度強度分布を極め細やかに制御することが困難となる。
また、実施の形態3において、調整面311d,311eは曲面で形成されている。しかし、調整面311d,311eは、平面を連結した形状とすることができる。なぜなら、第2の光線L32の一部が調整面311d,311eで反射することで、第2の光線L32の角度強度分布を調整することができるからである。なお、調整面311d,311eを曲面で形成した方が、角度強度分布を細やかに調整することができる。
光反射シート17は、面発光導光板15の背面15bに対向して配置されている。混合光線L33のうちの面発光導光板15の背面15bから出射した光は、光反射シート17で反射して、面発光導光板15の背面15bに向けて進む。その後、その光は、面発光導光板15を通過して、発光面15aから液晶パネル11の背面11bに向けて照明光L34として出射する。また、混合光線L33のうち、微小光学素子16に入射した光線も、照明光L34として出射される。
なお、上記の説明では、角度強度分布整形部材310の傾斜面311bは、xy平面に対して略45°の角度で傾斜しているが、本発明は、これに限られるものではない。傾斜面311bに対する第2の光線L32の入射角は、全反射の条件から設定される。全反射の条件は、臨界角θtおよび第2の光線L32の角度強度分布の半角から求められる。
また、第2の光線L32の最適な光路を作るために、光出射面311c、シリンドリカルミラー202および面発光導光板15などの構成要素と傾斜面311bとの位置関係によって傾斜面311bの傾斜角を変更してもよい。また、第2の光線L32の最適な光路を作るために、傾斜面311bの傾斜角に代えてシリンドリカルミラー202の配置位置および形状を変更してもよい。
傾斜面311bの傾斜角やシリンドリカルミラー202の配置位置などの調整は、次の3つの目的のために行う。第1の目的は、第2の光線L32をシリンドリカルミラー202に効率良く入射させ、また、面発光導光板15に効率良く入射させるためである。第2の目的は、面発光導光板15に入射した直後の第2の光線L32の光線の軸が、zx平面上で見て、面発光導光板15の基準平面に対して任意の角度で傾くことである。第3の目的は、面発光導光板15に入射した直後の第2の光線L32が、zx平面上で見て、任意の角度強度分布を有することである。
第2の光源301とシリンドリカルミラー202との位置関係などは、第2の光線L32の角度強度分布、第2の光線L32の光束の大きさ(直径)、シリンドリカルミラー202の曲率および面発光導光板15の厚みなどに応じて設定される。また、シリンドリカルミラー202と面発光導光板15との位置関係などは、第2の光線L32の角度強度分布、第2の光線L32の光束の大きさ(直径)、シリンドリカルミラー202の曲率および面発光導光板15の厚みなどに応じて設定される。したがって、各条件が異なる場合は、各部材の位置関係などを最適化する必要がある。位置関係などとは、各構成要素の配置位置および反射面の傾きなどで、光線の光路を決める各構成要素どうしの関係である。
また、図13において、角度強度分布整形部材310は面発光導光板15と平行に配置されている。また、第2の光線L32は第2の光源301から面発光導光板15と平行な方向に出射されている。しかし、本発明はこれに限るものではない。
例えば、角度強度分布整形部材310の光入射面311aは、光反射シート17から離れた位置に配置されてもよい。つまり、角度強度分布整形部材310はxy平面に対して傾斜する。これにより、第2の光源301やその周辺の部材が大きい場合でも、角度強度分布整形部材310の光出射面310cの位置をシリンドリカルミラー202に近接させて配置できる。このため、光出射面310cから出射した第2の光線L32がシリンドリカルミラー202に入射するまでの間に生じる得る光損失を抑制することができる。第2の光源301の周辺の部材とは、例えば第2の光源301の保持部材などである。
なお、角度強度分布整形部材310を面発光導光板15に対し傾けて配置する場合、第2の光源301は、第2の光線L32の光線の軸が光出射面311cおよび面311fと平行となるように配置される。このことにより、角度強度分布整形部材310の光折返し部322における光反射角度の制御が容易となる。なお、第2の光源301は、角度強度分布整形部材310の光入射面311aと対向して配置されている。
また、傾斜面311bの傾斜角は、次に示す3つの要件を考慮して決められる。第1の要件は、角度強度分布整形部材310の光折返し部322に入射する第2の光線L32の光線の軸の方向に対する光折返し部322から出射する第2の光線L32の光線の軸の方向である。第2の要件は、シリンドリカルミラー202に入射する第2の光線L32の光線の軸の方向に対するシリンドリカルミラー202から出射する第2の光線L32の光線の軸の方向である。第3の要件は、傾斜面311bに入射する第2の光線L32が傾斜面311bで全反射の条件を満たすことである。これらの3要件を満たして第2の光線L32の光線の軸と傾斜面311bとの角度を設定することで、傾斜面311bにおける光損失を抑制することが可能となる。
また、実施の形態3における角度強度分布整形部材310の薄型化は、シリンドリカルミラー202の小型化につながる。これは、傾斜面311bから出射する線状の光の厚みが薄くなるためである。また、角度強度分布整形部材310の薄型化は、面発光導光板15の薄型化にもつながる。これは、シリンドリカルミラー202のz軸方向の寸法が小さくなるためである。そのため、厚みの薄い角度強度分布整形部材310を用いることが望ましい。しかし、厚みを薄くすると角度強度分布整形部材310の剛性が低下するため、角度強度分布整形部材310の剛性が低下しすぎない範囲で薄型化することが望ましい。
角度強度分布整形部材310からシリンドリカルミラー202に向けて出射される第2の光線L32は、角度強度分布整形部材310を進行することにより、zx平面において角度強度分布整形部材310の厚みと同じ光束の直径を有する線状の光となる。
また、第2の光線L32は、角度強度分布整形部材310内を進行する際、光出射面311cおよび面311fの2つの面で反射しながら−x軸方向に進む。面311fは、光出射面311cと対向する面である。光出射面311cは面311fと平行である。また、第2の光線L32の光線の軸は、光出射面311cおよび面311fの2つの面と平行である。
このため、光出射端310cから出射する第2の光線L32は、第2の光源301から出射した直後の角度強度分布とほぼ同じ角度強度分布を持つ光線となる。つまり、光出射端310cから出射する第2の光線L32は、角度強度分布整形部材310から出射する2次光源とみなすことができる。
一方、シリンドリカルミラー202の反射面202aのzx平面による断面は凹形状の円弧形状をしている。この場合、この反射面202aの円弧形状の接線と第2の光線L32の光束を構成する各光線との成す角度は、一定の幅を持つ値となる。つまり、反射面202aは平行光を広げる効果を有する。したがって、本実施の形態3の面光源装置300は、シリンドリカルミラー202によって第2の光線L32の角度強度分布の全角を広げることが可能となる。
また、上述の各実施の形態においては、「平行」や「垂直」などの部品間の位置関係もしくは部品の形状を示す用語を用いている場合がある。また、略正方形、略90度および略平行など「略」または「ほぼ」などの用語をつけた表現を用いている場合がある。これらは、製造上の公差や組立て上のばらつきなどを考慮した範囲を含むことを表している。例えば、「略−z軸方向」も、製造上の公差や組立て上のばらつきなどを含む用語である。このため、請求の範囲に例え「略」を記載しない場合であっても製造上の公差や組立て上のばらつきなどを考慮した範囲を含むものである。また、請求の範囲に「略」を記載した場合は製造上の公差や組立て上のばらつきなどを考慮した範囲を含むことを示している。
本発明は、上記に鑑みて成されたものであって、光の角度強度分布を細やかに調整することで、コンパクトな構成で光強度むらを抑えた光混合ユニット、面光源装置および液晶表示装置、並びに、角度強度分布整形部材を得ることを目的とする。また、特性の異なる複数の光源を用いた場合でも、色むらを抑えた光混合ユニット、面光源装置および液晶表示装置を得ることを目的とする。なお、バックライト装置は液晶表示素子の表示面を照明する光源であるので面光源装置としての機能を有する。