JPWO2012105354A1 - 光モジュール - Google Patents

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啓吾 大島
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要 花田
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力 山崎
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Abstract

基板(2)の表面には、発光素子(3)等を封止した状態で樹脂層(6)を設ける。樹脂層(6)には、発光素子(3)を覆う位置に光路変換部(10)を設けると共に、光路変換部(10)の近傍にプラグ(11)を介して光ファイバ(13)を取り付ける固定機構(7)を設ける。固定機構(7)は、プラグ(11)が装着される嵌合溝(8)と、プラグ(11)を係止する係止部(9)とを有する。そして、発光素子(3)が基板(2)の厚さ方向に向けて光信号を出力すると、光路変換部(10)は、この光信号の進行方向を90°変換し、水平方向に向けて反射する。反射した光信号は、プラグ(11)のレンズ(11C)によって光ファイバ(13)の端面(13A)に集光される。

Description

本発明は、電気信号を光信号に変換して光ファイバに送信する送信用の光モジュール、および、光ファイバから受信した光信号を電気信号に変換する受信用の光モジュールに関する。
一般に、光通信に用いられる光モジュールが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された光モジュールは、発光素子または受光素子である光素子と光ファイバとを有する。光素子は、基板に立設して設けられたサブキャリアの一主面側に取り付けられる。なお、サブキャリアには導光路となる貫通孔が設けられ、発光素子と光ファイバとは貫通孔を介して光結合する。また、基板の表面に設けられたV溝に載置される光ファイバは、光ファイバの一端面とサブキャリアの他主面側とを直接当接することによって位置決めされる。
特開平11−160585号公報
しかしながら、上述した従来技術では、サブキャリアに設けられた貫通孔の形状、基板に対するサブキャリア、光素子および光ファイバの位置ずれにより、光素子と光ファイバとの間の光結合の損失が大きく左右されるという問題がある。
また、光ファイバとサブキャリアとを直接当接するため、サブキャリアと基板の固定強度を大きくする必要がある。さらに、通常は横置き、即ち光の出射方向が基板表面に対して垂直方向となるように基板実装される面発光素子を光素子として用いる場合は、光素子と光ファイバとを光結合させるために光素子を縦置き、即ち光の出射方向が基板表面に対して平行方向となるように基板実装しなければならない。この場合、光素子の実装が難しくなり、また、組立工程が複雑化し、製造コストが上昇するという問題が生じる。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、発光素子あるいは受光素子と光ファイバとの間の光結合の損失を抑制することができ、製造コストを低減することができる送信用および受信用の光モジュールを提供することにある。
(1).上述した課題を解決するために、本発明による送信用の光モジュールは、光素子と、該光素子を表面に実装してなる基板と、該基板の表面を覆う樹脂層とを備え、該樹脂層は、表面が開口すると共に該開口からフェルールに挿通された光ファイバの先端側を装着する凹部と、該凹部に設けられ前記光ファイバの先端側を係止する係止部とが形成されてなる固定機構と、反射面を介して前記光素子を通る光信号の光路と前記フェルールの伸長方向とを一致させる光学的に透明な樹脂材料で形成された光路変換部とを有し、前記光素子は発光素子であり、前記フェルールが挿入される有底の挿入穴と、挿入される前記フェルールの先端面に対向して設けられるレンズとが形成されてなるプラグを介して前記光ファイバの先端側を前記固定機構に固定し、前記発光素子から出射された光信号を、前記光路変換部で光路変換すると共に前記レンズで前記光ファイバの先端面に集光する構成としている。
本発明では、基板の表面を覆うように光路変換部を設けたので、基板表面に対して垂直方向に光信号を出射する発光素子を用いた場合でも、基板表面に対して平行方向に、光信号の光路を容易に変換することができる。
また、固定機構および光路変換部を有する樹脂層は、発光素子を封止した状態で基板表面に形成されるので、基板に対する固定機構の接合強度を高めることができる。また、固定機構および光路変換部を一体に形成することができ、組立工程を簡略化して製造コストを低減することができる。
また、固定機構には表面が開口した凹部を形成したので、光ファイバの先端側を挿通したフェルールが装着されるプラグを、開口から挿入して凹部に容易に固定することができる。また、凹部には係止部が設けられ、挿入されたプラグは係止部によって係止されるので、プラグが外れ難くなる。
また、プラグにはレンズが設けられるので、例えば組み立て時に発光素子と光ファイバとの間の相対的位置ずれが生じたときでも、発光素子から出射された後に光路変換される光信号を、レンズによって光ファイバの先端面に集光させることができる。このため、発光素子と光ファイバとの間の光結合の損失を抑制することができ、発光素子および光ファイバの相対的な位置ずれの影響を低減することができる。
(2).本発明による受信用の光モジュールは、光素子と、該光素子を表面に実装してなる基板と、該基板の表面を覆う樹脂層とを備え、該樹脂層は、表面が開口すると共に該開口からフェルールに挿通された光ファイバの先端側を装着する凹部と、該凹部に設けられ前記光ファイバの先端側を係止する係止部とが形成されてなる固定機構と、反射面を介して前記光素子を通る光信号の光路と前記フェルールの伸長方向とを一致させる光学的に透明な樹脂材料で形成された光路変換部とを有し、前記光素子は受光素子であり、前記フェルールを介して前記光ファイバの先端側を前記固定機構に固定し、前記光ファイバのコアを通る光路と前記光路変換部の反射面とが交わる位置を第1の交差位置とし、前記受光素子の受光中心を通る光路と前記光路変換部の反射面とが交わる位置を第2の交差位置としたときに、前記受光素子と前記第1の交差位置との距離を前記受光素子と前記第2の交差位置との距離よりも長くし、前記光ファイバから出射された光信号を、前記光路変換部で光路変換して前記受光素子に入射させる構成としている。
本発明によれば、基板の表面を覆うように光路変換部を設けたので、基板表面に対して垂直方向の光信号を受光する受光素子を用いた場合でも、基板表面に対して平行方向の光信号が垂直方向に向かうように、光信号の光路を容易に変換することができる。
また、固定機構および光路変換部を有する樹脂層は、受光素子を封止した状態で基板表面に形成されるので、基板に対する固定機構の接合強度を高めることができる。また、固定機構および光路変換部を一体に形成することができ、組立工程を簡略化して製造コストを低減することができる。
また、固定機構には表面が開口した凹部を形成したので、光ファイバの先端側が挿通されたフェルールを、開口から挿入して凹部に容易に固定することができる。また、凹部には係止部が設けられ、挿入されたフェルールは係止部によって係止されるので、フェルールが外れ難くなる。
また、光ファイバのコアを通る光路と光路変換部の反射面とが交わる位置を第1の交差位置とし、受光素子の受光中心を通る光路と光路変換部の反射面とが交わる位置を第2の交差位置としたときに、受光素子と第1の交差位置との距離を受光素子と第2の交差位置との距離よりも長くした。このとき、光ファイバから出力された光は、受光素子と第1の交差位置との距離を受光素子と第2の交差位置との距離よりも長くしたときの方が、短くしたときに比べて、光路変換部の反射面に対する入射角が大きくなる傾向がある。このため、光路変換部から空気中に漏れる漏洩光を減少させることができるから、受光素子と光ファイバとの間の光結合の損失を抑制することができ、受光素子および光ファイバの実装ずれの影響を低減することができる。
(3).本発明では、前記樹脂層には、金属カバーを取り付ける構成としている。
本発明では、樹脂層に金属カバーを取り付けたので、金属カバーによって外部の電磁波や光が混入するのを防ぐことができ、EMI(Electro Magnetic Interference)、イミュニティ、ESD(Electrostatic Discharge)等のノイズ耐性を向上することができる。
(4).本発明では、前記光路変換部の反射面を除く前記樹脂層の外表面には、前記樹脂層よりも光信号の透過率が低い低透明樹脂膜を設け、該低透明樹脂膜を用いて前記金属カバーを前記樹脂層に接着する構成としている。
この構成により、光路変換部の周囲が金属カバーによって密閉されるので、光路変換部は外気との接触が遮断され、耐湿性が向上して信頼性が高まる。
(5).本発明では、前記低透明樹脂膜は、金属またはセラミックの粉からなるフィラーが混入されたフィラー入り樹脂膜によって構成している。
本発明では、低透明樹脂膜を金属またはセラミックの粉からなるフィラーが混入されたフィラー入り樹脂膜によって形成したから、樹脂層と金属カバーとの間の線膨脹係数差を小さくすることができ、耐熱衝撃性を高めることができる。
(6).本発明では、前記樹脂層には、その外表面を覆う導電性膜を設ける構成としている。
本発明では、樹脂層には導電性膜を設ける構成としたから、導電性膜によって外部の電磁波等が混入するのを防ぐことができ、ノイズ耐性を向上することができる。
(7).本発明では、前記基板は、前記樹脂層よりも大きな面積を有し、前記樹脂層の周囲から突出した鍔部を備える構成としている。
例えば親基板に複数の光モジュールを形成したときには、親基板を切断するダイシング工程を行ない、これらのモジュールを取り出す。このとき、基板の鍔部を切断してモジュールを取り出すから、ダイシング工程で親基板に形成された樹脂層がダイシングのブレードに直接接触することがなく、ダイシングによる樹脂層の変形を防ぐことができる。
(8).本発明では、前記光路変換部と、前記基板の表面を覆う前記樹脂層とは、同じ樹脂材料で形成される。
これにより、樹脂層と光路変換部を一緒に形成することができ、生産性を高めることができる。
(9).本発明では、前記光路変換部と、前記基板の表面を覆う前記樹脂層とは、異なる樹脂材料で形成される。
これにより、樹脂層と光路変換部には、例えば剛性、屈折率等の特性がそれぞれに適した樹脂材料を用いることができる。
本発明の第1の実施の形態による送信用および受信用の光モジュールを示す斜視図である。 図1中の送信用の光モジュールを示す斜視図である。 固定機構側からみた送信用の光モジュールを示す斜視図である。 送信用の光モジュールを示す平面図である。 光路変換部、発光素子、光ファイバ等を図4中の矢示V−V方向からみた断面図である。 プラグを単体で示す平面図である。 プラグを図6中の矢示VII−VII方向からみた断面図である。 プラグにフェルールおよび光ファイバを取付けた状態を示す図7と同様な位置の断面図である。 図1中の受信用の光モジュールを示す斜視図である。 固定機構側からみた受信用の光モジュールを示す斜視図である。 受信用の光モジュールを示す平面図である。 光路変換部、受光素子、光ファイバ等を図11中の矢示XII−XII方向からみた断面図である。 送信用の光モジュールにプラグのレンズを設けた場合とレンズを省いた場合において、発光素子のX軸方向のずれ量と光結合の損失との関係を示す特性線図である。 送信用の光モジュールの光路変換部をドーム形状にした場合とスロープ形状にした場合において、発光素子のX軸方向のずれ量と光結合の損失との関係を示す特性線図である。 発光素子とプラグがY軸方向に位置ずれして配置した状態を示す図4と同様な位置の説明図である。 発光素子とプラグがY軸方向に位置ずれなく配置した状態を示す図4と同様な位置の説明図である。 受信用の光モジュールの光路変換部をドーム形状にした場合とスロープ形状にした場合において、光ファイバのZ軸方向のずれ量と光結合の損失との関係を示す特性線図である。 受信用の光モジュールの光ファイバをZ軸方向にオフセットした場合とオフセットしない場合において、光ファイバのZ軸方向のずれ量と光結合の損失との関係を示す特性線図である。 受信用の光モジュールの光ファイバを光路変換部の上部側に配置した状態を示す図12と同様な位置の説明図である。 受信用の光モジュールの光ファイバを光路変換部の下部側に配置した状態を示す図12と同様な位置の説明図である。 受信用の光モジュールの光ファイバを光路変換部の上部側と下部側に配置したときの入射角を示す説明図である。 受信用の光モジュールにレンズを設けた場合とレンズを省いた場合において、光ファイバのZ軸方向のずれ量と光結合の損失との関係を示す特性線図である。 第2の実施の形態による送信用および受信用の光モジュールを示す斜視図である。 図23中の送信用の光モジュールを分解した状態で示す斜視図である。 図23中の受信用の光モジュールを分解した状態で示す斜視図である。 ダイシング工程によって親基板から送信用の光モジュールを取り出す状態を示す説明図である。 第3の実施の形態による送信用の光モジュールを示す斜視図である。 図27中の送信用の光モジュールを分解した状態で示す斜視図である。 第4の実施の形態による送信用および受信用の光モジュールを示すブロック図である。 変形例による送信用の光モジュールを示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態による送信用および受信用の光モジュールについて、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図1に示すように、送信用の光モジュール1は光ファイバ13の一端側に接続され、受信用の光モジュール21は光ファイバ13の他端側に接続され、電気信号と光信号とを相互に変換するための第1の実施の形態に係る光通信用の光モジュールを構成する。
図1ないし図8を用いて、第1の実施の形態に係る光通信用の光モジュールに用いられる送信用の光モジュール1について具体的に説明する。光モジュール1は、基板2、発光素子3、固定機構7および光路変換部10を備える樹脂層6、プラグ11を備える。
基板2は、絶縁材料を用いて形成された長方形状の平板である。基板2としては、例えばプリント配線基板が用いられる。基板2の表面には、発光素子3と、例えば発光素子3を駆動制御するための発光用集積回路部品4(以下、発光用IC部品4という)や、抵抗、コンデンサ、コイル等のような各種の電子部品5が実装される。そして、発光素子3、発光用IC部品4および電子部品5は、ボンディングワイヤ、配線パターン等を用いて電気的に相互に接続されている。
発光素子3は、基板2の表面角部に実装され、基板2の表面に対して垂直方向(Z軸方向)に赤外線や可視光線の光を出射する。発光素子3としては、例えば発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)、面発光レーザ(VCSEL)が用いられる。低消費電力で、高速かつ大容量の光通信を行う場合には、高速変調可能なVCSELを発光素子3として用いるのが好ましい。
固定機構7および光路変換部10が一体に形成された樹脂層6は、トランスファーモールド等の一般的な成形方法や、ポッティング等の簡易な方法を用いて基板2の表面に形成される。樹脂層6は、基板2を全面に亘って覆う略直方体状に形成され、発光素子3、発光用IC部品4および電子部品5を封止する。なお、樹脂層6は、発光素子3から出射される光に対して透明、即ち、光が透過可能であって、空気の屈折率よりも大きい屈折率をもった樹脂材料で形成される。
固定機構7は、凹部としての嵌合溝8と、切欠き9A1,9A2および抜止め突起9B1,9B2を備える係止部9とから構成される。
嵌合溝8は、樹脂層6の短辺縁に形成された、発光素子3の近傍から樹脂層6の長辺側面にまで伸長する溝である。なお、嵌合溝8の伸長方向(X軸方向)に垂直な断面形状は、四角形に形成される。また、嵌合溝8は、樹脂層6の上面に開口8Aを有すると共に、樹脂層6の長辺側面に開口8Bを有する。
切欠き9A1,9A2は、嵌合溝8を挟む両壁面の開口8B側を、直方体状に切欠いたものである。切欠き9A1,9A2は、樹脂層6の上面に開口9A3,9A4を有する。なお、切欠き9A1,9A2は同じ深さに形成されると共に、嵌合溝8の深さよりも浅く形成される。抜止め突起9B1,9B2は、切欠き9A1,9A2のそれぞれの底面の開口8B側に設けられた突起である。
光路変換部10は、直角二等辺三角形柱状に形成される。なお、光路変換部10は、直角二等辺三角形柱状における直角に交わる第一の側面が基板2の表面と平行に、即ち、発光素子3から基板2の表面に対して垂直方向(Z軸方向)に出射される光信号が、第一の側面に垂直に入射するように、また、直角に交わる第二の側面は開口8A側に位置するように配置形成される。このため、直角二等辺三角形柱状における第三の側面は、発光素子3から開口8A方向にむけて略45°の上向きの傾斜角度を有する。樹脂層6は、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する樹脂材料で形成される。このため、発光素子3から出射された光信号は、第三の側面で全反射する。即ち、第三の側面は、発光素子3から出射された光信号を反射させる反射面10Aとして機能する。これにより、光路変換部10の反射面10Aを介して、基板2の表面に対して垂直方向(Z軸方向)の発光素子3を通る光路Lt2を、フェルール12および光ファイバ13の伸長方向(X軸方向)に光路変換する。なお、反射面10Aは平面に限られず、後述するように、その曲率半径が例えば数mm以上の球面の一部によって形成してもよい。
プラグ11は、四角柱状の本体部11Aと、本体部11Aの対向する長辺側面に突設して形成された四角柱状の係合突起11D1,11D2とを備える。本体部11Aには、本体部11Aの伸長方向の一端面側に開口11B4を有する、フェルール12を挿入するための有底の挿入穴11Bが形成される。挿入穴11Bは、伸長方向に同じ中心軸を有する、開口11B4側に形成された内径寸法がφ1の大径孔11B2と、底部側に形成された内径寸法がφ2(φ1>φ2)の小径孔11B1と、大径孔11B2と小径孔11B1とを接続するテーパ孔11B3とから形成される。なお、プラグ11は、光に対して透明、即ち、光が透過可能な樹脂材料で形成される。
本体部11Aの伸長方向の他端面側には、例えば半球面状のレンズ11Cが一体に形成される。なお、レンズ11Cは、フェルール12に挿入された光ファイバ13の光軸の延長方向に配置され、挿入穴11Bの底部と対向すると共に、挿入穴11Bに挿入されたフェルール12の先端面に対向して設けられる。
本体部11Aおよび係合突起11D1,11D2を、樹脂層6の長辺側面に形成された開口8B、あるいは、樹脂層6の上面に形成された開口8A,9A3,9A4を介して挿入すると、係合突起11D1,11D2は切欠き9A1,9A2に嵌め合わされる。これにより、プラグ11に取付けられたフェルール12および光ファイバ13の先端側が、樹脂層6に係止される。
光ファイバ13は、フェルール12を介して挿入穴11Bに装着され、プラグ11に固定される。このとき、光ファイバ13を予め挿通したフェルール12を、挿入穴11Bに装着する方法が一般的である。しかしながら、フェルール12を挿入穴11Bに装着した後、光ファイバ13をフェルール12に挿通してもよい。なお、いずれの場合も、フェルール12の先端面は、テーパ孔11B3のテーパ面に当接するまで押し込まれる。また、フェルール12を挿通した光ファイバ13の先端面13Aは、挿入穴11Bの底部と当接または対面した状態で、透明接着剤を用いて固定される。なお、透明接着剤は、光ファイバ13とプラグ11との間の屈折率を整合させる機能も有する。フェルール12は、例えば金属材料、セラミック、または樹脂材料によって円筒状に形成される。
ここで、光ファイバ13におけるコアの中心軸Lt1と、反射面10Aとが交わる位置を第1の交差位置Pt1とする。また、発光素子3から出射される光信号の中心軸Lt2と反射面10Aとが交わる位置を第2の交差位置Pt2とする。このとき、第1の交差位置Pt1と第2の交差位置Pt2は、略同じ位置に配置される。即ち、光モジュール1を構成する部品の組み立て精度や寸法精度との関係から、第1の交差位置Pt1と第2の交差位置Pt2は、必ずしも同じ位置に配置される必要はなく、許容される範囲内で位置ずれ(オフセット)した状態で配置してもよい。
このように構成される光モジュール1では、発光素子3から出射された光信号が反射面10Aによって反射された後、レンズ11Cによって集光され、光ファイバ13の先端面13Aに入射する。光信号は、光ファイバ13の先端面13Aに焦点を結ぶように集光させて、入射させることが望ましい。しかしながら、ファイバ13の先端面13Aに焦点を結ばせずとも、光通信が可能な光量の光束に光信号を絞り、ファイバ13の先端面13Aに入射させてもよい。
次に、第1の実施の形態に係る送信用の光モジュール1における、光信号の伝播について具体的に説明する。
発光用IC部品4および電子部品5によって構成される電子回路が発光素子3を駆動することによって、光モジュール1に外部から入力された電気信号は光信号に変換される。基板2の表面に対して垂直方向(Z軸方向)に発光素子3から出射した光信号は、光路変換部10における反射面10Aによって、基板2に対して水平方向(X軸方向)に光路変換される。光路変換された光信号は、プラグ11のレンズ11Cによって光ファイバ13の先端面13Aに集光され、光通信用の光モジュールを構成する受信用の光モジュール21に向けて、光ファイバ13内を伝搬する。
ここで、光モジュール1では、光モジュール1を構成する部品の組み立て精度や寸法精度に起因して、発光素子3と光ファイバ13との間に光結合の損失が生じる。発光素子3については、基板2の面内における実装ずれが生じる。また、光ファイバ13については、プラグ本体11Aおよびプラグ嵌合溝8の寸法精度や組み立て精度によって、基板2の表面に対して平行方向および垂直方向に装着ずれが生じる。このため、発光素子3と光ファイバ13との間に相対的位置ずれが発生し、発光素子3から出射された光信号のうち、光路変換されて光ファイバ13内に入射する量が変わってしまい、光結合に損失が生じる。
発光素子3と光ファイバ13との間の相対的位置ずれを許容するためには、予測される相対的位置ずれの範囲内において、光結合の損失が小さく、また、光結合の損失の変化が小さいことが必要とされる。従って、このような観点から、まず、プラグ11におけるレンズの有無についての実験結果を以下に示す。
基板2の短辺方向(X軸方向)における発光素子3の実装ずれが、発光素子3と光ファイバ13との光結合の損失に最も影響を及ぼすことが、光学シミュレーションにより確かめられた。このため、図13に、プラグ11にレンズを設けた場合と設けない場合における、最も影響の大きい発光素子3と光ファイバ13との間の相対的位置ずれ量、具体的には、基板2の短辺方向(X軸方向)に対して、発光素子3を光ファイバ13から遠ざける方向(+方向)および光ファイバ13に近付ける方向(−方向)に変位させたときの相対的位置ずれ量と、発光素子3と光ファイバ13との光結合の損失との関係を示す。
レンズを省いた場合は、+方向および−方向の相対的位置ずれ量が僅かであっても、光結合の損失が急激に大きくなる。一方、レンズを設けた場合は、+方向および−方向の相対的位置ずれ量が±60μm範囲内ならば、光結合の損失量が急激に大きくならず、また、光結合の損失量の変化も小さい。従って、本実施の形態では、プラグ11を構成するプラグ本体11Aには、光ファイバ13の先端面13Aに光信号を集光するためのレンズ11Cを設けた。この結果、発光素子3と光ファイバ13との間で、良好な光結合を行うことができる。
次に、光路変換部10の反射面の形状についての実験結果を、以下に示す。光路変換部10の反射面の形状を変えた際に、発光素子3と光ファイバ13との間の光結合の損失に最も影響を及ぼすのは、基板2の短辺方向(X軸方向)に対しての発光素子3の変位、即ち、発光素子3が光ファイバ13から遠ざかる方向(+方向)および光ファイバ13に近づく方向(−方向)の変位である。このため、基板2の短辺方向(X軸方向)に対しての発光素子3と光ファイバ13との相対的位置ずれ量を優先的に考慮して、光路変換部10の反射面の形状を検討した。
図14に、レンズ径φが2mm、5mm、10mmの球体の一部で形成されてなる反射面、即ちドーム形状の反射面を用いた際、および、レンズ径φが無限に大きい球体の一部で形成されてなる反射面、即ち、略平面状(スロープ形状)の反射面を用いた際の、発光素子3と光ファイバ13との間の相対的位置ずれ量、具体的には、基板2の短辺方向(X軸方向)に対して、発光素子3を光ファイバ13から遠ざかる方向(+方向)および光ファイバ13に近づく方向(−方向)に変位させたときの相対的位置ずれ量と、光素子3と光ファイバ13との間の光結合の損失との関係を示す。この結果、反射面のレンズ径φが小さい程、相対的位置ずれ量に対して、光結合の損失が急激に大きくなる。一方、反射面のレンズ径φが大きい程、相対的位置ずれ量に対しての光結合の損失は急激に大きくならず、光結合の損失量の変化も小さい。従って、反射面は、レンズ径φが大きい球体の一部で形成されてなるほど良い。
なお、実用的には、反射面のレンズ径φが5mm以上(φ≧5mm)ならば、+方向および−方向の相対的位置ずれ量が±60μmあっても、光結合の損失量が急激に大きくならず、また、光結合の損失量の変化が小さいことから、レンズ径φが5mm以上(φ≧5mm)の球体の一部で形成することが好ましい。
また、基板2における長辺方向(Y軸方向)の光素子3と光ファイバ13との相対的位置ずれによっても、光結合の損失が発生する。この場合は、図15に示すように、レンズ11Cから光ファイバ13の先端面13Aまでの距離Lを適切な値に設定することによって、実装ずれの影響を低減する。具体的には、基板2における長辺方向の光素子3と光ファイバ13との相対的位置ずれ量ΔYが最大のときに、発光素子3からの光が光ファイバ13の先端面13Aに最も多く入射するように距離Lの値を決定する。これにより、プラグ11や発光素子3がY軸方向に位置ずれしたときの光結合の損失を低減することができる。但し、図16に示すように、基板2における長辺方向の光素子3と光ファイバ13との相対的位置ずれがない場合または位置ずれの量が小さい場合には、光ファイバ13の先端面13Aがレンズ11Cの焦点位置P0に配置されないため、光結合の損失は増加する。
また、光モジュール1では、発光素子3を覆うように基板2の表面に光路変換部10を設けたから、発光素子3が基板2の表面に対して垂直方向に光信号を出射するときでも、基板2の表面に対して水平方向に光信号の光路変換を容易に行うことができ、光モジュール1を低背化することができる。
また、固定機構7および光路変換部10を有する樹脂層6は、発光素子3を封止した状態で基板2の表面に形成されるため、基板2に対する固定機構7の接合強度を高めることができる。また、固定機構7および光路変換部10が一体に形成されるため、組立工程を簡略化することができ、結果的に製造コストを低減することができる。
また、固定機構7には、表面に開口8Aを有する嵌合溝8が形成されている。このため、開口8Aを介して、嵌合溝8にプラグ11を容易に装着することができる。なお、嵌合溝8に設けられた係止部9によって、装着されたプラグ11は係止されるので、プラグ11は抜け難い。
また、プラグ11にはレンズ11Cが設けられるので、例えば組み立て時に光ファイバ13に位置ずれが生じたときでも、発光素子3から出射された後に光路変換された光信号は、レンズ11Cによって光ファイバ3の先端面に集光する。このため、発光素子3と光ファイバ13との間の光結合の損失を抑制することができ、発光素子3および光ファイバ13の相対的な位置ずれの影響を低減することができる。
次に、図1、図9ないし図12を用いて、第1の実施の形態に係る光通信用の光モジュールに用いられる受信用の光モジュール21について具体的に説明する。光モジュール21は、基板22、受光素子23、固定機構27および光路変換部30を備える樹脂層26を備える。
基板22は、送信用の光モジュール1の基板2とほぼ同様に、絶縁材料を用いて形成された長方形状の平板である。基板22の表面には、受光素子23と、例えば受光素子23による検出信号を増幅するためのリミッティングアンプ等からなる受光用集積回路部品24(以下、受光用IC部品24という)や、抵抗、コンデンサ、コイル等のような各種の電子部品25が実装される。そして、受光素子23、受光用IC部品24および電子部品25は、ボンディングワイヤ、配線パターン等を用いて電気的に相互に接続されている。
受光素子23は、基板22の表面角部に実装され、基板22の表面に対して垂直方向(Z軸方向)に入射される赤外線や可視光線の光を受光する。即ち、受光素子23は、基板22の表面と平行な受光面を備え、基板22の厚さ方向(Z軸方向)に沿って入射する(図1および図12中の下向き方向)光信号を検出する。受光素子23としては、例えばフォトダイオード(PD)、フォトトランジスタ等が用いられる。なお、受光素子23が基板22に実装される表面角部は、受信用の光モジュール21の基板22および送信用の光モジュール1の基板2の長辺方向(Y軸方向)を一致させると共に、基板22および基板2の短辺同士を隣接して並べたときに、受光素子23を実装する基板22の表面角部と発光素子3を実装する基板2の表面角部とが向かい合うように選択される。
固定機構27および光路変換部30が一体に形成された樹脂層26は、送信用の光モジュール1の樹脂層6とほぼ同様に形成される。樹脂層26は、基板22を全面に亘って覆う略直方体状に形成され、受光素子23、受光用IC部品24および電子部品25を封止する。また、樹脂層26は、光ファイバ13から出射される光に対して透明、即ち、光が透過可能であって、空気の屈折率よりも大きい屈折率をもった樹脂材料が用いられる。
固定機構27は、凹部としての嵌合溝28と、係止突起29A1,29A2を備える係止部29とから構成される。
嵌合溝28は、樹脂層26の短辺縁に形成された、受光素子23の近傍から樹脂層26の長辺側面にまで伸長する溝である。なお、嵌合溝28の伸長方向(X軸方向)に垂直な断面形状は、四角形に形成される。また、嵌合溝28は、樹脂層26の上面に開口28Aを有すると共に、樹脂層6の長辺側面に開口28Bを有する。さらに、嵌合溝28は、受光素子23側に位置してフェルール12の外径寸法と略同じ溝幅寸法をもった固定溝部28Cと、開口28B側に位置して開口28Bに近付くに従って幅寸法が徐々に広がる案内溝部28Dとを有する。
係止突起29A1,29A2は、嵌合溝28を挟む両壁面を、内側に向けて突出させたものである。係止突起29A1,29A2は、例えば嵌合溝28のうち固定溝部28Cと案内溝部28Dとの境界位置付近に配置されている。係止突起29A1,29A2は、フェルール12を嵌合溝28の幅方向両側から挟持する。これにより、係止部29は、フェルール12に取付けられた光ファイバ13の先端側をフェルール12と一緒に係止する。
なお、係止部29は、嵌合溝28の伸長方向に対して複数箇所に設ける構成としてもよい。また、フェルール12の外周側には、係止突起29A1,29A2と係合するように、円環状の溝を形成してもよい。また、受光素子23を実装する基板22の表面角部を上述したように選択したことにより、送信用の光モジュール1における固定機構7および光路変換部10は樹脂層6におけるY軸方向の一端側の領域に形成されるのに対し、固定機構27および光路変換部30は、樹脂層26におけるY軸方向の他端側の領域に形成される。
フェルール12は、嵌合溝28に嵌め合わされる。樹脂層26の長辺側面の案内溝部28Dを案内に、あるいは、樹脂層26の上面の開口28Aを介してフェルール12を嵌合溝28に挿入すると、フェルール12の先端面は固定溝部28Cの内壁面に当接あるいは近接すると共に、フェルール12の側面は係止突起29A1,29A2によって係止される。なお、フェルール12には光ファイバ13が挿通され、光ファイバ13の先端面も固定溝部28Cの内壁面に当接あるいは近接する。そして、透明接着剤等を用いて、光ファイバ13が挿通されたフェルール12が、嵌合溝28内に固定される。このとき、透明接着剤は、光ファイバ13と樹脂層26との間の屈折率を整合させる機能も有する。
なお、光ファイバ13を嵌合溝28に固定する場合、光ファイバ13を予め挿通したフェルール12を、嵌合溝28に装着する方法が一般的である。しかしながら、フェルール12を嵌合溝28に装着した後、光ファイバ13をフェルール12に挿通してもよい。
光路変換部30は、曲率半径が例えば0.5mm以上の球面の一部からなる湾曲面を有し、外部に露出したドーム形状に形成される。なお、湾曲面は、フェルール12および光ファイバ13の伸長方向(X軸方向)と、湾曲面との交点近傍での接平面が、受光素子23から開口28A方向に向けて略45°の上向きの傾斜角度を有するように形成される。また、樹脂層26は、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する樹脂材料で形成される。このため、湾曲面は、光ファイバ13から出射された光信号を全反射させる反射面30Aとして機能する。これにより、反射面30Aを介して、受光素子23を通る光路Lr2(Y軸方向)を、フェルール12および光ファイバ13の伸長方向(X軸方向)に光路変換する。また、湾曲面に形成された反射面30Aはレンズとしても機能し、反射面30Aで反射した光信号を受光素子23に集光する。なお、反射面30Aは、湾曲面に限られず、曲率半径が無限に大きい球面の一部、即ち略平面によって形成してもよい。
ここで、光ファイバ13のコアを通る光路Lr1と光路変換部30の反射面30Aとが交わる位置を第1の交差位置Pr1とする。また、受光素子23の受光中心を通る光路Lr2と光路変換部30の反射面30Aとが交わる位置を第2の交差位置Pr2とする。このとき、受光素子23と第1の交差位置Pr1との距離H1(高さ寸法)は、受光素子23と第2の交差位置Pr2との距離H2よりも長くなっている。即ち、光ファイバ13のコアは、Z軸方向に対して第2の交差位置Pr2よりも受光素子23から離れる方向(図12中の上方向)に向けて所定寸法ΔH(例えばΔH=5μm〜50μm程度)位置ずれして配置されている。
次に、第1の実施の形態に係る受信用の光モジュール21における、光信号の伝播について具体的に説明する。
光モジュール21に入力される光ファイバ13内を伝搬した光信号は、光ファイバ13の先端面13Aから基板22の表面に対して水平方向(X軸方向)に進行した後、光路変換部30における反射面30Aによって、基板22に対して垂直方向(Z軸方向)に光路変換される。光路変換された光信号は、受光素子23によって受光され、電気信号に変換される。
ここで、受信用の光モジュール21でも、送信用の光モジュール1とほぼ同様に、光モジュール21を構成する部品の組み立て精度や寸法精度に起因して、受光素子23と光ファイバ13との間に光結合の損失が生じる。受光素子23については、基板22の面内における実装ずれが生じる。また、光ファイバ13については、フェルール12の寸法精度や組み立て精度によって、基板22の表面に対して平行方向および垂直方向に装着ずれが生じる。このため、受光素子23と光ファイバ13との間に相対的位置ずれが発生し、光ファイバ13から出射された光信号のうち、光路変換されて受光素子23に入射する量が変わってしまい、光結合に損失が生じる。
受光素子23と光ファイバ13との間の相対的位置ずれを許容するためには、予測される相対的位置ずれの範囲内において、光結合の損失が小さく、また、光結合の損失の変化が小さいことが必要とされる。従って、このような観点から、光路変換部30の形状についての実験結果を以下に示す。
光路変換部30の反射面の形状を変えた際に、基板22の厚さ方向(Z軸方向)における受光素子23と光ファイバ13との間の相対的位置ずれが、受光素子23と光ファイバ13との光結合の損失に最も影響を及ぼすことが、実験的に確かめられた。このため、図17に、光路変換部30の形状をスロープ形状(平面形状)にした場合とドーム形状(レンズ形状)にした場合における、最も影響の大きい受光素子23と光ファイバ13との間の相対的位置ずれ量、具体的には、基板22の厚さ方向(Z軸方向)に対して、光ファイバ13を基板22から遠ざける方向(+方向)および基板22に近付ける方向(−方向)に変位させたときの相対的位置ずれ量と、受光素子23と光ファイバ13との光結合の損失との関係を示す。
光ファイバ13のZ軸方向のずれ量に拘らず、光路変換部30をドーム形状に形成した場合の方が、スロープ形状に形成した場合に比べて光結合の損失が低下する。この理由は、光路変換部30をドーム形状に形成した場合には、光路変換部30にレンズ作用をもたせることができ、受光素子23の受光面に対して光ファイバ13からの光信号を集光することができるためである。従って、光路変換部30は、受光素子23に光信号を集光するためにドーム形状に形成した。この結果、受光素子23と光ファイバ13との間で、良好な光結合を行うことができる。
次に、光ファイバ13の位置ずれが、受光素子23と光ファイバ13との光結合の損失に与える影響についての実験結果を示す。ここで、光路変換部30は、図17の結果を考慮して、ドーム形状に形成した。また、光ファイバ13の位置ずれにおいて、受光素子23と光ファイバ13との間の光結合の損失に最も影響を及ぼすのは、光ファイバ13が基板22の厚さ方向(Z軸方向)にずれた場合であることが、実験的に確かめられた。このため、光路変換部30をドーム形状にしたときの、最も影響の大きい基板22の厚さ方向(Z軸方向)における受光素子23と光ファイバ13との相対的位置ずれ量、具体的には、光ファイバ13が受光素子23から遠ざかる方向(+方向)および光ファイバ13に近付く方向(−方向)に変位させたときの相対的位置ずれ量と、受光素子23と光ファイバ13との光結合の損失との関係を検討した。
まず、光ファイバ13のコアを通る光路Lr1と光路変換部30の反射面30Aとが交わる第1の交差位置Pr1と、受光素子23の受光中心を通る光路Lr2と光路変換部30の反射面30Aとが交わる第2の交差位置Pr2とを一致させた、即ち、基板22の厚さ方向(Z軸方向)に光ファイバ13をオフセットさせていない設計構造において、組み立て精度や寸法精度によって実際に発生する光ファイバ13の基板22の厚さ方向(Z軸方向)のずれ量と光結合の損失との関係を調べた。具体的には、光ファイバ13が、オフセットさせていない位置を基準にして基板22の表面から遠ざかる方向(+方向)および基板22の表面に近づく方向(−方向)に変位させたときの相対的位置ずれ量と、受光素子23と光ファイバ13との光結合の損失との関係を、図18中に破線で示す。
この場合、光ファイバ13の相対的位置ずれ量が+方向に増加したときに比べて、−方向に増加したときの方が光結合の損失が増加する傾向がある。即ち、図12中で、受光素子23と第1の交差位置Pr1との距離H1が受光素子23と第2の交差位置Pr2との距離H2よりも長いときには、光結合の損失は小さくなり、距離H1が距離H2よりも短いときには、光結合の損失は大きくなる。このように、組み立て精度や寸法精度に起因する光ファイバ13の位置ずれする方向に応じて、光結合の損失量が異なる。
この理由は、光ファイバ13の相対的位置ずれ量が+方向の場合は、−方向の場合と比べて、光路変換部30で全反射する光が増加するためである。具体的に説明すると、光路変換部30は、光結合の損失を抑制するために、レンズ作用をもったドーム形状に形成されている。このとき、基板22の表面にほぼ平行に光ファイバ13から出射した光が、光路変換部30における反射面30Aの上側に行くに従って、図19に示すように、光の入射角θ(反射面30Aと光ファイバ13から出射した光との交点における反射面30Aの半径方向と、光ファイバ13から出射した光のなす角度)は大きくなる。このため、光ファイバ13から出射した光の一部の入射角θは、臨界角よりも大きくなり、光ファイバ13から出射した光の一部は、反射面30Aで全反射して、空気中には光が漏れない。このため、受光素子23に入射される光が増加して、光結合の損失が小さくなる。
一方、光路変換部30における反射面30Aの下側に行くに従って、図20に示すように、光の入射角θは小さくなる。即ち、図21に示すように、光路変換部30における反射面30Aの上側での入射角θ1に比べて、光路変換部30における反射面30Aの下側での入射角θ2の方が小さくなる(θ1>θ2)。このため、光ファイバ13から出射した光の一部の入射角θは、臨界角よりも小さくなり、光ファイバ13から出射した光の一部は、反射面30Aで全反射せず、空気中に光が漏れてしまう。これにより、受光素子23に入射される光が減少して、光結合の損失が大きくなる。なお、臨界角は、空気の屈折率と光路変換部30の透明樹脂材料の屈折率との比率によって決まる。
以上の結果から、光ファイバ13は、予め受光素子23から離れる方向に予め位置ずれさせて配置した方が、光ファイバ13の位置ずれに伴う光結合の損失を抑制できることが分かる。即ち、光ファイバ13の位置ずれの影響を低減するためには、例えば図18中に実線で示すように、光結合の損失特性が+方向のずれ量と−方向のずれ量とで略対称となるように、予め光ファイバ13を基板22の厚さ方向(Z軸方向)の基板22から離れる方向にオフセットさせて配置するのが好ましい。この点を考慮して、本実施の形態では、光ファイバ13は、所定寸法ΔHが5μm〜50μm程度となるように、受光素子23と第1の交差位置Pr1との距離H1を受光素子23と第2の交差位置Pr2との距離H2よりも長くした位置に配置した。
次に、光ファイバ13の先端面13Aと光路変換部30との間にレンズを設けた場合とレンズを省いた場合とについて、光ファイバ13の基板22の厚さ方向(Z軸方向)のずれ量と光結合の損失との関係を調べた。その結果を図22に示す。
図22に示すように、光ファイバ13の先端面13Aと光路変換部30との間にレンズを設けた場合とレンズを省いた場合とでは、光ファイバ13の基板22の厚さ方向(Z軸方向)のずれ量に対する光結合の損失は、いずれの場合でも殆ど変化しない。即ち、送信用の光モジュール1とは異なり、受信用の光モジュール21では、光ファイバ13の先端面13Aと光路変換部30との間にレンズを設けてもよく、設けなくてもよいことが分かる。但し、レンズを設けた場合には、レンズの表面粗さや形状精度の品質管理が必要となり、製造コストが増大する。このことを考慮して、レンズの有無で光結合の損失が殆ど変わらないので、製造コストを低減するために、受信用の光モジュール21ではレンズを省いた。
また、光モジュール21では、受光素子23を覆うように基板22の表面に光路変換部30を設けたから、受光素子23が基板22の表面に対して垂直方向(Z軸方向)の光信号を検出するときでも、基板22の表面に対して水平方向の光信号を垂直方向に向かうように、光信号の光路変換を容易に行うことができ、光モジュール21を低背化することができる。
また、固定機構27および光路変換部30を有する樹脂層26は、受光素子23を封止した状態で基板22の表面に形成されるため、基板22に対する固定機構27の接合強度を高めることができる。また、固定機構27および光路変換部30が一体に形成されるため、組立工程を簡略化することができ、結果的に製造コストを低減することができる。
また、固定機構27には、表面に開口28Aを有する嵌合溝28が形成されている。このため、開口28Aを介して、嵌合溝28にフェルール12を容易に装着することができる。なお、嵌合溝28に設けられた係止部29によって、装着されたフェルール12は係止されるので、フェルール12は抜けにくい。
また、光ファイバ13のコアを通る光路Lr1と光路変換部30の反射面30Aとが交わる位置を第1の交差位置Pr1とし、受光素子23の受光中心を通る光路Lr2と光路変換部30の反射面30Aとが交わる位置を第2の交差位置Pr2としたときに、受光素子23と第1の交差位置Pr1との距離H1を受光素子23と第2の交差位置Pr2との距離H2よりも長くした。このとき、光ファイバ13から出射した光は、受光素子23と第1の交差位置Pr1との距離H1を受光素子23と第2の交差位置Pr2との距離H2よりも長くしたときの方が、短くしたときに比べて、光路変換部30の反射面30Aに対する入射角θが大きくなる傾向がある。このため、光路変換部30から空気中に漏れる漏洩光を減少させることができるから、受光素子23と光ファイバ13との間の光結合の損失を抑制することができ、受光素子23および光ファイバ13の実装ずれの影響を低減することができる。
次に、図23ないし図25に、第2の実施の形態による光通信用の光モジュールを示す。第2の実施の形態による光通信用の光モジュールと第1の実施の形態による光通信用の光モジュールとの差異は、各送信用の光モジュールおよび各受信用の光モジュールを構成する樹脂層の表面に金属カバーを取り付けたことである。本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
まず、図23および図24を用いて、第2の実施の形態による送信用の光モジュール31について説明する。送信用の光モジュール31は、基板32、発光素子3、固定機構7および光路変換部10を備える樹脂層33、プラグ11、金属カバー34を備える。
基板32は、樹脂層33よりも大きな面積を有している。これにより、基板32の外周縁には、基板32を覆う樹脂層33の周囲よりも外側に突出する鍔部32Aが設けられている。
樹脂層33の表面には、固定機構7および光路変換部10の形成領域の周囲を避けて、表面の一部をわずかに窪ませてなる窪み部33Aと、窪まずに同一水平面を構成する表面の残部である平坦部33Bとが形成されている。なお、窪み部33Aには、後述の金属カバー34を接着固定するための接着剤Gが塗布される。また、平坦部33Bは、金属カバー34の天板部34Aと接触して、金属カバー34を支持する。それ以外は、第1の実施の形態による送信用の光モジュール1の樹脂層6と同様に形成されている。
金属カバー34は、長方形の角部に四角形の切欠き34Cを有するL字状の天板部34Aと、切欠き34Cを除く天板部34Aの周縁に垂設して設けられた4枚の壁面34Bとから構成される。切欠き34Cには壁面が垂設されないため、金属カバー34の角部には角部開口35が形成される。また、天板部34Aには、切欠き34Cに沿って四角状の平面開口36が形成されている。なお、周壁34Bの高さは、樹脂層33の高さとほぼ同じ寸法に形成されている。
金属カバー34を、窪み部33Aに接着剤Gを塗布した樹脂層33に被せられる。この後、接着剤Gを硬化させると、金属カバー34の天板部34Aと樹脂層33の平坦部33Bとが当接した状態で固着される。このとき、固定機構7に嵌合されたプラグ11に装着されたフェルール12および光ファイバ13は、角部開口35を通じて外部に引き出されている。
プラグ11の先端部分には、樹脂層33に金属カバー34を取付けたときに平面開口36内に挿入される突起37が形成されている。これにより、金属カバー34は、プラグ11に対して位置決めされる。
本実施の形態による光モジュール31は、第1の実施の形態の光モジュール1と比べて、樹脂層33に金属カバー34を取付けたから、金属カバー34によって外部の電磁波や光が混入するのを防ぐことができ、EMI、イミュニティ、ESD等のノイズ耐性を向上することができると共に、静電気に対する耐性も高めることができる。
基板32には、鍔部32Aが設けられる。例えば図26に示すように、親基板Mに複数の光モジュール31をマトリックス状に一体に形成した後、ブレードBで親基板Mを切断して個々の光モジュール31に分離する製造方法の場合は、隣接する光モジュール31の間の親基板MにはスペーサSが設けられ、スペーサSの中央部がブレードBによって切断される。このため、ブレードBは樹脂層33とは直接接触せず、ダイシング時における樹脂層33の変形を防ぐことができる。なお、鍔部32Aは、カットされたスペーサSに相当する。従って、光モジュール31における樹脂層33の変形が小さいため、金属カバー34を樹脂層33にスムースに被せることができる。
次に、図23および図25を用いて、第2の実施の形態による受信用の光モジュール41について説明する。受信用の光モジュール41は、基板42、受光素子23、固定機構27および光路変換部30を備える樹脂層43、フェルール12、金属カバー44を備える。
基板42は、樹脂層43よりも大きな面積を有している。これにより、基板42の外周縁には、基板42を覆う樹脂層43の周囲よりも外側に突出する鍔部42Aが設けられている。
樹脂層43の表面には、固定機構27および光路変換部30の形成領域の周囲を避けて、表面の一部をわずかに窪ませてなる窪み部43Aと、窪まずに同一水平面を構成する表面の残部である平坦部43Bとが形成されている。なお、窪み部43Aには、後述の金属カバー44を接着固定するための接着剤Gが塗布される。また、平坦部43Bは、金属カバー44の天板部44Aと接触して、金属カバー44を支持する。それ以外は、第1の実施の形態による受信用の光モジュール21の樹脂層26と同様に形成されている。
また、受信用の光モジュール41の樹脂層43と送信用の光モジュール31の樹脂層33の長辺方向(Y軸方向)を一致させると共に、樹脂層43および樹脂層33の短辺同士を隣接して並べたときに、その平面形状がX軸に関して略線対称な関係となっている。このため、固定機構7および光路変換部10は樹脂層33のうちY軸方向の一端側に位置しているのに対し、固定機構27および光路変換部30は、樹脂層43のY軸方向の他端側に位置している。
金属カバー44は、長方形の角部に四角形の切欠き44Cを有するL字状の天板部44Aと、切欠き44Cを除く天板部44Aの周縁に垂設して設けられた4枚の壁面44Bとから構成される。切欠き44Cには壁面が垂設されないため、金属カバー44の角部には角部開口45が形成される。また、天板部44Aには、切欠き44Cに沿って四角状の平面開口46が形成されている。なお、周壁44Bの高さは、樹脂層43の高さとほぼ同じ寸法に形成されている。
金属カバー44を、窪み部43Aに接着剤Gを塗布した樹脂層43に被せる。この後、接着剤Gを硬化させると、金属カバー44の天板部44Aと樹脂層43の平坦部43Bとが当接した状態で固着される。このとき、固定機構27に嵌合されたフェルール12および光ファイバ13は、角部開口45を通じて外部に引き出されている。
樹脂層43の表面には、樹脂層43に金属カバー44を取付けたときに平面開口46内に挿入される突起47が形成されている。これにより、樹脂層43と金属カバー44とは、互いに位置決めされる。
また、受信用の光モジュール41の金属カバー44と送信用の光モジュール31の金属カバー34とは、金属カバー44と金属カバー34との長辺方向(Y軸方向)を一致させるとともに、金属カバー44および金属カバー34の短辺同士(X軸方向)を隣接して並べた際に、その平面形状がX軸に関して略線対称な関係となっている。即ち、角部開口35は金属カバー34のY軸方向の一端側に位置しているのに対し、角部開口45は、金属カバー44のY軸方向の他端側に位置している。これにより、角部開口35,45、平面開口36,46に相当する部分を除去した金属板を、例えば表面側からプレス加工することにより金属カバー34を、また、裏面側からプレス加工することにより金属カバー44を形成することができるので、プレス加工前の金属板を、金属カバー34,44とで共通化することができ、製造コストを低減することができる。また、加工後の金属カバー34,44は、角部開口35,45の位置が異なるため、送信用の光モジュール31と受信用の光モジュール41のうちいずれか一方にしか用いることができない。このため、金属カバー34,44を送信用の光モジュール31と受信用の光モジュール41のうち誤って不適合なモジュールに取り付けることがなく、誤った組付けを防止することができる。
本実施の形態による光モジュール41は、第1の実施の形態の光モジュール21と比べて、樹脂層43に金属カバー44を取付けたから、金属カバー44によって外部の電磁波や光が混入するのを防ぐことができ、EMI、イミュニティ、ESD等のノイズ耐性を向上することができると共に、静電気に対する耐性も高めることができる。
次に、図27および図28に、第3の実施の形態による送信用の光モジュールを示す。第3の実施の形態による送信用の光モジュールと第1の実施の形態による送信用の光モジュールとの差異は、光路変換部を密閉した状態で低透明樹脂膜を用いて金属カバーを樹脂層に接着する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第3に実施の形態による送信用の光モジュール51は、基板52、発光素子3、固定機構7および光路変換部10を備える樹脂層6、プラグ11、金属カバー54を備える。
基板52は、第2の実施の形態による光モジュール31の基板32とほぼ同様に形成されている。このため、基板52の外周縁には、基板52を覆う樹脂層6の周囲よりも外側に突出する鍔部52Aが設けられている。
低透明樹脂膜53は、樹脂層6よりも光信号の透過率が低い樹脂材料を用いて形成され、光路変換部10の反射面10Aを除いて樹脂層6の表面および周壁面を併せた外表面の全体に亘って塗布されている。そして、低透明樹脂膜53は、例えば熱硬化性を有し、金属カバー54を取付けた状態で光モジュール51全体を加熱することによって、金属カバー54を樹脂層6に接着するものである。
また、低透明樹脂膜53は、金属またはセラミックの粉からなるフィラーが混入されたフィラー入り樹脂膜によって形成されている。これにより、低透明樹脂膜53の線膨脹係数は、樹脂層6の線膨脹係数と金属カバー54の線膨脹係数との間の値になっている。
金属カバー54は、長方形の角部に四角形の切欠き54Cを有するL字状の天板部54Aと、切欠き54Cを除く天板部54Aの周縁に垂設して設けられた4枚の壁面54Bとから構成される。切欠き54Cには壁面が垂設されないため、金属カバー54の角部には角部開口55が形成される。また、天板部54Aには、切欠き54Cに沿って四角状の平面開口56が形成されている。なお、周壁54Bの高さは、樹脂層6の高さとほぼ同じ寸法に形成されている。
一方、プラグ11の先端部分には、表面から天板部54Aに向けてZ軸方向に突出した突起57が形成されている。そして、樹脂層6に金属カバー54を取付けたときには、プラグ11の突起57が平面開口56内に挿入される。これにより、プラグ11と金属カバー54とは、互いに位置決めされる。また、固定機構7に嵌合されたプラグ11に装着されたフェルール12および光ファイバ13は、角部開口35を通じて外部に引き出されている。
さらに、金属カバー54の天板部54Aおよび4枚の周壁部54Bは、角部開口55を除いて隙間等が生じない状態で互いに連続して形成されている。このため、低透明樹脂膜53によって金属カバー54を樹脂層6に接着したときには、光路変換部10は金属カバー54によって密閉された状態で覆われる。
かくして、第3の実施の形態による送信用の光モジュール51でも、第1,第2の実施の形態とほぼ同様な作用効果を得ることができる。特に、第3の実施の形態では、樹脂層6の外表面に低透明樹脂膜53を設けると共に、該低透明樹脂膜53を用いて金属カバー54を樹脂層6に接着したから、金属カバー54を用いて光路変換部10の周囲を密閉状態で覆うことができる。このため、光路変換部10を外気と接触しない状態にでき、耐湿性を向上して信頼性を高めることができる。
また、低透明樹脂膜53は金属またはセラミックの粉からなるフィラーが混入されたフィラー入り樹脂膜によって形成したから、樹脂層6と金属カバー54との間の線膨脹係数差を小さくすることができ、耐熱衝撃性を高めることができる。
なお、前記第3の実施の形態では、送信用の光モジュール51を例に挙げて説明したが、受信用の光モジュールにも同様に適用することができる。また、第3の実施の形態では、基板52は鍔部52Aを備える構成としたが、第1の実施の形態による基板2と同様に、鍔部を省く構成としてもよい。さらに、第3の実施の形態では、低透明樹脂膜53はフィラー入り樹脂膜によって形成したが、例えば樹脂材料自体の線膨脹係数が樹脂層6の線膨脹係数と金属カバー54の線膨脹係数との間の値となる場合、樹脂層6と金属カバー54との間の線膨脹係数差が小さい場合、光モジュール51を温度変化が小さい環境で使用する場合等には、フィラーを省いた樹脂膜によって形成してもよい。
次に、図29に、第4の実施の形態による光通信用の光モジュールを示す。本実施の形態の特徴は、送信用の光モジュールにシリアライザを搭載すると共に、受信用の光モジュールにデシリアライザを搭載する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するものとする。
第4の実施の形態による送信用の光モジュール61は、第1の実施の形態による光モジュール1とほぼ同様に構成され、基板2に発光素子3、発光用IC部品4等が実装されると共に、発光素子3からの光信号を伝送するための光ファイバ13が接続されている。また、基板2には、パラレル信号をシリアル信号に変換するシリアライザ62が搭載されている。このシリアライザ62は、その入力側が外部のアプリケーションプロセッサAPに接続されると共に、その出力側が発光用IC部品4に接続されている。
そして、シリアライザ62は、アプリケーションプロセッサAPから出力されるパラレル信号からなるデータ信号をシリアル信号に変換すると共に、該シリアル信号を発光用IC部品4に向けて出力する。これにより、発光用IC部品4はシリアライザ62からのシリアル信号に応じて発光素子3を駆動するから、発光素子3は、シリアル信号によって変調された光信号を出力する。
第4の実施の形態による受信用の光モジュール71は、第1の実施の形態による光モジュール21とほぼ同様に構成され、基板22に受光素子23、受光用IC部品24等が実装されると共に、外部からの光信号を伝送して受光素子23に向けて出力する光ファイバ13が接続されている。また、基板22には、シリアル信号をパラレル信号に変換するデシリアライザ72が搭載されている。このデシリアライザ72は、その入力側が受光用IC部品24に接続されると共に、その出力側が外部に設けられた各種のデバイスドライバDDに接続されている。
そして、光ファイバ13からシリアル信号に応じた光信号が出力されると、この光信号は受光素子23によって検出され、受光用IC部品24を介してデシリアライザ72に入力される。このとき、デシリアライザ72は、受光用IC部品24から出力された光信号の検出信号(シリアル信号)をパラレル信号に変換して、デバイスドライバDDに向けて出力する。これにより、デバイスドライバDDは、パラレル信号からなるデータ信号を用いて各種の信号処理等を行なうことができる。
かくして、第4の実施の形態でも、第1の実施の形態とほぼ同様な作用効果を得ることができる。特に、第4の実施の形態では、送信用の光モジュール61にシリアライザ62を搭載すると共に、受信用の光モジュール71にデシリアライザ72を搭載する構成としたから、これらの光モジュール61,71にシリアル信号とパラレル信号を相互に変換する機能(SERDES機能)を付加することができ、各種のインターフェイスに対応した光モジュールを実現することができる。
なお、第4の実施の形態では、第1の実施の形態による送信用の光モジュール1と受信用の光モジュール21と同様な構成に適用した場合を例に挙げて説明したが、第2,第3の実施の形態に適用してもよい。
また、第2,第3の実施の形態では、樹脂層33,43,6の外表面に金属カバー34,44,54を取り付ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図30に示す変形例による送信用の光モジュール81のように、光路変換部10の反射面10Aを除く樹脂層6の外表面を、金属材料や導電性樹脂材料等からなる導電性膜82によって覆う構成としてもよい。この場合でも、導電性膜82によって外部の電磁波等が混入するのを防ぐことができ、ノイズ耐性を向上することができる。なお、この変形例の構成は、受信用の光モジュールにも適用することができる。
また、本発明における、送信用の光モジュールでは、少なくとも、発光素子と光路変換部との間、光路変換部、光路変換部とプラグに形成されたレンズとの間の樹脂材料が光学的に透明であればよく、受信用の光モジュールでは、少なくとも、光ファイバの先端面と光路変換部との間、光路変換部、光路変換部と受光素子との間の樹脂材料が光学的に透明であればよい。このため、これらの部分は、光学的透明性を確保できるならば、基板の表面を覆う樹脂層と同じ樹脂材料で形成してもよく、異なる樹脂材料で形成してもよい。
さらに、前記各実施の形態では、送信用の光モジュール1,31,51,61,81の基板2,32,52と受信用の光モジュール21,41,71の基板22,42とが異なるものとしたが、単一な共通の基板に送信用と受信用の光モジュールを一緒に形成し、送受信用の光モジュールを構成してもよい。
1,31,51,61,81 送信用の光モジュール
2,22,32,42,52 基板
3 発光素子(光素子)
6,26,33,43 樹脂層
7,27 固定機構
8,28 嵌合溝(凹部)
9,29 係止部
10,30 光路変換部
10A,30A 反射面
11 プラグ
11C レンズ
12 フェルール
13 光ファイバ
13A 先端面
21,41,71 受信用の光モジュール
23 受光素子(光素子)
32A,42A,52A 鍔部
34,44,54 金属カバー
53 低透明樹脂膜
82 導電性膜
Pr1 第1の交差位置
Pr2 第2の交差位置

Claims (9)

  1. 光素子と、該光素子を表面に実装してなる基板と、該基板の表面を覆う樹脂層とを備え、
    該樹脂層は、
    表面が開口すると共に該開口からフェルールに挿通された光ファイバの先端側を装着する凹部と、該凹部に設けられ前記光ファイバの先端側を係止する係止部とが形成されてなる固定機構と、
    反射面を介して前記光素子を通る光信号の光路と前記フェルールの伸長方向とを一致させる光学的に透明な樹脂材料で形成された光路変換部とを有し、
    前記光素子は発光素子であり、
    前記フェルールが挿入される有底の挿入穴と、挿入される前記フェルールの先端面に対向して設けられるレンズとが形成されてなるプラグを介して前記光ファイバの先端側を前記固定機構に固定し、
    前記発光素子から出射された光信号を、前記光路変換部で光路変換すると共に前記レンズで前記光ファイバの先端面に集光してなる送信用の光モジュール。
  2. 光素子と、該光素子を表面に実装してなる基板と、該基板の表面を覆う樹脂層とを備え、
    該樹脂層は、
    表面が開口すると共に該開口からフェルールに挿通された光ファイバの先端側を装着する凹部と、該凹部に設けられ前記光ファイバの先端側を係止する係止部とが形成されてなる固定機構と、
    反射面を介して前記光素子を通る光信号の光路と前記フェルールの伸長方向とを一致させる光学的に透明な樹脂材料で形成された光路変換部とを有し、
    前記光素子は受光素子であり、
    前記フェルールを介して前記光ファイバの先端側を前記固定機構に固定し、
    前記光ファイバのコアを通る光路と前記光路変換部の反射面とが交わる位置を第1の交差位置とし、前記受光素子の受光中心を通る光路と前記光路変換部の反射面とが交わる位置を第2の交差位置としたときに、
    前記受光素子と前記第1の交差位置との距離を前記受光素子と前記第2の交差位置との距離よりも長くし、
    前記光ファイバから出射された光信号を、前記光路変換部で光路変換して前記受光素子に入射させてなる受信用の光モジュール。
  3. 前記樹脂層には、金属カバーを取り付けてなる請求項1または2に記載の光モジュール。
  4. 前記光路変換部の反射面を除く前記樹脂層の外表面には、前記樹脂層よりも光信号の透過率が低い低透明樹脂膜を設け、該低透明樹脂膜を用いて前記金属カバーを前記樹脂層に接着する構成としてなる請求項3に記載の光モジュール。
  5. 前記低透明樹脂膜は、金属またはセラミックの粉からなるフィラーが混入されたフィラー入り樹脂膜からなる請求項4に記載の光モジュール。
  6. 前記樹脂層には、その外表面を覆う導電性膜を設けてなる請求項1または2に記載の光モジュール。
  7. 前記基板は、前記樹脂層よりも大きな面積を有し、前記樹脂層の周囲から突出した鍔部を備える構成としてなる請求項1または2のいずれかに記載の光モジュール。
  8. 前記光路変換部と、前記基板の表面を覆う前記樹脂層とは、同じ樹脂材料で形成されてなる請求項1または2に記載の光モジュール。
  9. 前記光路変換部と、前記基板の表面を覆う前記樹脂層とは、異なる樹脂材料で形成されてなる請求項1または2に記載の光モジュール。
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