JPWO2012095913A1 - リチウムイオン二次電池の劣化評価方法、及び電池パック - Google Patents

リチウムイオン二次電池の劣化評価方法、及び電池パック Download PDF

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Abstract

本発明のリチウムイオン二次電池の劣化評価方法では、インピーダンス測定装置により、所定の周波数域の交流を使用して、リチウムイオン二次電池のインピーダンススペクトルを測定する。測定されたインピーダンススペクトルを抵抗的成分軸及び容量的成分軸で規定される複素平面上に表したときに得られる、円弧状部を含む線図において、円弧状部の頂点の座標を求める。求められた頂点の座標に基づいて、リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価する。

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の劣化状態を、インピーダンススペクトルを利用して評価する方法、並びにそれが適用される電池パックに関する。
リチウムイオン二次電池は、携帯電話機やパーソナルコンピュータ等の民生用小型電子機器の電源として、広く普及している。最近では、さらに、電気自動車やハイブリッド電気自動車等の車載用途、あるいは太陽光発電装置や風力発電装置等の発電装置と組み合わせて用いる据え置き型発電装置等の用途でも注目されている。
リチウムイオン二次電池の電極活物質には、正極にコバルト酸リチウムやニッケル酸リチウム等のリチウム含有複合酸化物を使用し、負極にグラファイト等の炭素材料を使用するのが一般的である。また、それらの電極活物質を使用したリチウムイオン二次電池の寿命は、通常、5〜10年程度である。
一般に、小型民生用の電子機器は、製品寿命が2〜5年であることが多く、リチウムイオン二次電池の劣化が問題となる場合はそれほど多くはない。ところが、製品寿命が電池寿命よりも長い機器や、電池劣化が促進され易い条件下で使用される機器では、電池の劣化により、1回の充電で機器を使用できる時間が短くなったり、機器の本来の機能を発揮するのに障害が生じたりすることも起こりえる。
特に、車載用途等の大型の電源装置では、数十〜数百個の電池が使用されることもあり、それらの電池が直列に接続される割合も多い。よって、1個の電池が劣化するだけでも電源装置全体の性能に影響する場合がある。そのような場合には、1個の電池の劣化により機器本来の機能を正常に発揮できなくなることもある。よって、電池の劣化状態を簡易かつ正確に検出できる技術の開発が望まれる。
そのような要求に対して、特許文献1では、例えば8〜10時間率に相当する電流でリチウムイオン二次電池を充電または放電したときに検出される容量低下率と、例えば30〜50時間率に相当する電流でリチウムイオン二次電池を充電または放電したときに検出される容量低下率とに基づいて、リチウムイオン二次電池の劣化を診断することが提案されている。
特許文献2では、車載用のバッテリー(鉛蓄電池)の劣化状態を判定するために、バッテリーの内部インピーダンスを検出することが提案されている。
特許文献3では、特定周波数の交流信号をリチウムイオン二次電池に入力したときの入出力の位相差に基づいて、リチウムイオン二次電池の状態を検出することが提案されている。
特開2003−308885号公報 特開2007−85772号公報 特開2009−244088号公報
特許文献1に記載の技術では、リチウムイオン二次電池の劣化状態を判定するために、例えば8〜10時間率での容量低下率と、例えば30〜50時間率での容量低下率とを求める必要性がある。このため、劣化状態の判定の基礎となるデータの採取に非常に長い時間を要する。
実験室でそのようなデータを得ることは勿論可能である。しかしながら、実際の機器で電源として使用されているリチウムイオン二次電池では、非常に限られた場合にしかそのようなデータを得ることはできない。よって、特許文献1に記載の技術は、実用化が困難であると思われる。
特許文献2に記載の技術は、電解液の枯渇が劣化と強く関係する、鉛蓄電池の劣化を判定するものである。鉛蓄電池等の水溶液系電解質の二次電池では、特許文献2に記載の技術は有効な劣化判定方法となり得る可能性がある。しかしながら、リチウムイオン二次電池のような非水電解質二次電池は、劣化の主要因が鉛蓄電池とは異なる。よって、特許文献2に記載された方法では、リチウムイオン二次電池等の劣化状態を十分な精度で判定できない場合がある。
特許文献3に記載の技術は、特定周波数の交流信号の入出力の位相差に基づいて、リチウムイオン二次電池の状態を検出している。このため、非常に簡便にリチウムイオン二次電池の劣化状態を診断できる可能性がある。
ところが、交流信号をリチウムイオン二次電池に入力した場合の応答は、電池の容量、温度及び充電状態(SOC)の影響を受けやすい。このため、入出力の位相差にも電池の容量、温度及びSOCの影響が表れる。よって、入出力の位相差をそのまま使用する場合には、劣化の判定基準の定量性が低くなり、十分な精度でリチウムイオン二次電池の劣化度を判定できない場合がある。
そこで、本発明は、リチウムイオン二次電池の劣化状態を、簡易かつ十分な精度で判定し得る手段を提供することを目的としている。
本発明の一局面は、所定の周波数域の交流を使用して、リチウムイオン二次電池のインピーダンススペクトルを測定し、
前記インピーダンススペクトルを、抵抗的成分軸及び容量的成分軸で規定される複素平面上に、円弧状部を含む線図で表した場合の、前記円弧状部の頂点の座標を求め、
前記座標に基づいて、前記リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価する、リチウムイオン二次電池の劣化評価方法に関する。
本発明の他の局面は、1または複数のリチウムイオン二次電池と、
前記リチウムイオン二次電池を外部から供給される電力により充電する充電回路と、
前記リチウムイオン二次電池が蓄えた電力を外部に放電する放電回路と、
前記充電回路及び前記放電回路を制御する制御部と、
前記リチウムイオン二次電池のインピーダンススペクトルを交流インピーダンス法により測定する測定部と、
前記測定部の測定結果に基づいて、前記リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価する評価部と、を具備し、
前記評価部が、前記インピーダンススペクトルを、抵抗的成分軸及び容量的成分軸で規定される複素平面上に、円弧状部を含む線図で表した場合の、前記円弧状部の頂点の座標を求め、
前記座標に基づいて、前記リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価する、電池パックに関する。
本発明のリチウムイオン二次電池の劣化評価方法及び電池パックによれば、リチウムイオン二次電池の劣化状態を、簡易かつ十分な精度で判定することができる。
本発明の新規な特徴を添付の請求の範囲に記述するが、本発明は、構成及び内容の両方に関し、本発明の他の目的及び特徴と併せ、図面を照合した以下の詳細な説明によりさらによく理解されるであろう。
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の劣化評価方法が適用される劣化評価装置の概略構成を示すブロック図である。 リチウムイオン二次電池のインピーダンススペクトルの一例のナイキスト線図である。 リチウムイオン二次電池のインピーダンススペクトルの他の一例の角度θの周波数特性を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係る電池パックの概略構成を示す機能ブロック図である。 本発明の各実施例のリチウムイオン二次電池の出力維持率と、インピーダンススペクトルのtanθとの関係を示すグラフである。
本発明は、リチウムイオン二次電池のインピーダンスの周波数特性を交流インピーダンス法により解析し、解析された周波数特性に基づいて、リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価する方法に関する。
本方法では、所定の周波数域の交流を使用して、リチウムイオン二次電池のインピーダンススペクトルを測定する。測定されたインピーダンススペクトルを抵抗的成分軸(Z'軸、実数軸)及び容量的成分軸(Z"軸、虚数軸)で規定される複素平面上に、円弧状部を含む線図で表した場合の円弧状部の頂点の座標を求め、求められた頂点の座標に基づいて、リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価する。例えば、頂点の座標が(Z',Z")で表されるときには、後で説明するように、比:|Z"|/Z'に基づいて、リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価することができる。さらに例えば、頂点の座標から、その頂点と複素平面の原点とを通る直線を求め、その直線と、抵抗的成分軸との角度θを求め、その角度θに基づいて、リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価することができる。
リチウムイオン二次電池を長寿命化する場合の課題の1つは、リチウムイオン二次電池の出力劣化の抑制である。リチウムイオン二次電池が、正極材料に、ある種のリチウム含有複合酸化物を含む場合には、所定条件下で、容量劣化よりも出力劣化(直流内部抵抗増加率)が何倍にも大きくなるという実験結果が得られている。そのような場合には、電池寿命を決定する主な要因は、容量劣化ではなく、出力劣化である。よって、そのような場合には、リチウムイオン二次電池の内部抵抗の増大を抑制することで、リチウムイオン二次電池をより効果的に長寿命化することができる。
このように、リチウムイオン二次電池の内部抵抗は、リチウムイオン二次電池の劣化状態に関係する主要なパラメータの1つである。ところが、リチウムイオン二次電池の内部抵抗は、容量的成分を含んでおり、その劣化状態を正確に評価するためには、例えば交流インピーダンス法により、容量的成分をも含めて正確に内部抵抗を測定する必要性が生じる。
リチウムイオン二次電池のような電気化学セルのインピーダンスを交流インピーダンス法により測定する場合には、電池の等価回路モデルを使用して、インピーダンスの周波数特性を解析する。より具体的には、電池の電子抵抗とセパレータとを、抵抗と容量との並列回路と考える。また、電解液のイオン抵抗の総和の抵抗と正極及び負極とを、抵抗と容量との並列回路と考える。そのようにして、電池全体の等価回路モデルを導く。
そして、様々な周波数の交流を電池に印加して、その応答を解析することにより電池の等価回路のパラメータを求める。
そのようにして解析された周波数特性を、複素平面上に線図(ナイキスト線図)として表したものを、一般には、コールコールプロットと呼ぶ。
リチウムイオン二次電池では、コールコールプロットは、一般に、原点に近い位置を基点とする円弧状の部分(以下、円弧状部という)と、その円弧状部の終点から斜めに立ち上がる直線状の部分(以下、直線状部)とを含む(図2参照)。
ここで、電極(正極または負極)の等価回路のパラメータは、シート状である電極の面積と活物質の充填量に応じて大きく変動する。また、電池全体の等価回路のパラメータも、電池の容量や出力特性により大きく変動する。その結果、容量や出力特性が互いに異なる電池の間では、コールコールプロットの円弧状部の形状及び大きさも異なったものとなる。よって、様々な容量の電池の劣化状態を、交流インピーダンス法による解析結果をそのまま使用して評価することは実際には困難である。
本方法では、所定の周波数域の交流を使用して測定されたインピーダンススペクトルを複素平面上に円弧状部を含む線図として表した場合の円弧状部の頂点の座標を求める。そして、例えば上記の頂点と複素平面の原点とを通る直線を求める。さらに、その直線と、複素平面の横軸(抵抗的成分軸、Z'軸)との角度θ(0<θ<90°)を求め、その角度θに基づいて、リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価する。
本発明者等が、出力劣化レベルが様々に異なるリチウムイオン二次電池のインピーダンススペクトルを詳細に研究したところ、様々な形状及び容量のリチウムイオン二次電池で、角度θと出力劣化状態との間に、定量的に高い相関関係が存在することが確かめられた(図5参照)。
よって、角度θを、リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価するための基礎として使用することにより、交流インピーダンス法の解析結果を規格化することが可能となる。その結果、様々な形状及び容量のリチウムイオン二次電池の劣化状態を、1つのパラメータ:θだけを使用して評価することも可能となる。
本発明は、鋭角である角度θから一意に導き出せるパラメータ、あるいは、それらと等価なパラメータを使用して、リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価する場合を包含する。
そのようなパラメータとして、例えば、角度θの正接:tanθがある。他に、上記頂点と対応するインピーダンス:Z=Z'−Z"jの成分(Z'、|Z"|)や上記頂点の座標(Z',Z")から導かれる比:|Z"|/Z'がある。これは、tanθ=|Z"|/Z'であることに基づく。他に、角度θの正弦:sinθや、余弦:cosθを使用することもできる。ただし、Z':インピーダンスZの抵抗的成分、Z":インピーダンスZの容量的成分、j:虚数単位、である。
上述したとおり、本方法の一形態では、角度θ、またはtanθ、ないしは比(|Z"|/Z')が算出され、算出された角度θ等に基づいて、リチウムイオン二次電池の劣化状態が評価される。図5からは、tanθと、リチウムイオン二次電池の劣化状態(ここでは、所定の充放電サイクル処理を行ったときの出力維持率)との間に、より単純な近似式で近似できる、高い相関関係が存在することが容易に予想される。よって、角度θをそのまま使用するのではなく、tanθ、ないしは比(|Z"|/Z')を使用することで、より簡易かつ正確にリチウムイオン二次電池の劣化状態を評価することが可能となる。
ここで、リチウムイオン二次電池のインピーダンススペクトルを測定するときに使用する交流の周波数域は、0.1〜30Hzとするのが好ましい。高周波数域では、電極の面積、すなわち電池の形状及び容量の相違による影響が解析結果に大きく表れる場合がある。その結果、角度θ及びtanθにも電極の面積等の相違による影響が反映される可能性が生じる。本発明者等の研究では、0.1〜30Hzのような低周波数域では、インピーダンススペクトルに対するそれらの影響が小さくなることが確かめられた。よって、上述の範囲の周波数域の解析結果を使用することにより、より正確に、リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価することが可能となる。ただし、上記周波数域の下限fb:0.1Hzは、例えば、0.01≦fb≦0.5(Hz)の範囲で変えることができる。上記周波数域の上限fu:30Hzは、例えば、10≦fu≦50(Hz)の範囲で変えることができる。
リチウムイオン二次電池の正極には、リチウムと遷移金属とを含む複合酸化物を活物質として使用することができる。例えば、リチウム及びコバルトを含む複合酸化物(LiCoO2)、リチウム及びニッケルを含む複合酸化物(LiNiO2)、または、リチウム及びマンガンを含む複合酸化物(LiMn24)を使用することができる。リチウム及びコバルトを含む複合酸化物には、ニッケル、鉄、マンガン、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、クロム、モリブデン、銅等の遷移金属元素、並びにアルミニウム、マグネシウム、ホウ素、カルシウム及びストロンチウム等の典型元素を添加することができる。さらに、リチウム及びニッケルを含む複合酸化物には、上記の元素(ニッケルを除く)、及びコバルトよりなる群から選択される少なくとも1種を添加することができる。さらに、リチウム及びマンガンを含む複合酸化物にも上記の元素(マンガンを除く)を添加することができる。特に、電池を高出力化及び高容量化するためには、リチウム及びニッケルを含む複合酸化物にコバルト及びアルミニウムを添加した正極活物質を用いることが好ましい。
これらの正極活物質の中でも、小型民生用のリチウムイオン二次電池の正極活物質には、4Vクラスの高い放電電位を示し、かつ性能安定性の高いコバルト酸リチウム(LiCoO2)が主に使用されている。ところが、コバルトは希少であり、それを使用することによりコストが増大する。よって、正極活物質として、コバルト酸リチウムの代わりに、リチウム及びニッケルを含む複合酸化物を使用することが注目されている。
しかしながら、リチウム及びニッケルを含む複合酸化物を含む正極活物質は、充放電の繰り返しにより、リチウムイオンの拡散抵抗が増大しやすい傾向がある。このため、そのような複合酸化物を正極活物質として含む電池では、寿命が、容量劣化ではなく、出力劣化の程度により決まる傾向が大きい。よって、そのような電池では特に、本発明の適用により、劣化状態をより適切に判定することができる。
また、リチウムイオン二次電池の負極には、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができる材料が活物質として使用される。例えば、炭素材料、Si合金及びSi酸化物等が使用される。炭素材料としては、人造黒鉛、天然黒鉛、石油系コークス、石炭系コークス、フェノール樹脂の炭化物、ピッチ系炭素繊維、及びPAN系炭素繊維等を使用することができる。また、2種類以上の炭素材料を複合した複合材料を使用することも可能である。
さらに、本発明は、1または複数のリチウムイオン二次電池と、リチウムイオン二次電池を外部から供給される電力により充電する充電回路と、リチウムイオン二次電池が蓄えた電力を外部に放電する放電回路と、充電回路及び放電回路を制御する制御部と、を具備する電池パックに関する。
本電池パックは、リチウムイオン二次電池のインピーダンススペクトルを交流インピーダンス法により測定する測定部と、測定部の測定結果に基づいて、リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価する評価部と、を具備する。
評価部は、測定されたインピーダンススペクトルを、抵抗的成分軸及び容量的成分軸で規定される複素平面上に、円弧状部を含む線図で表した場合の、円弧状部の頂点の座標を求め、その座標に基づいて、リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価する。
円弧状部の頂点と、複素平面の原点とを通る直線の傾き(|Z"|/Z')は、その直線と抵抗的成分軸との角度をθとするとき、tanθで表せる。よって、リチウムイオン二次電池の劣化状態は、円弧状部の頂点と対応するインピーダンスZが求められれば、例えば、その抵抗的成分及び容量的成分の比:|Z"|/Z'を算出することで、上述したとおり、その比に基づいて評価することができる。評価結果は、例えば、電気信号として所定の格納場所に格納される。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池の劣化評価方法が適用される劣化評価装置の概略構成を機能ブロック図により示す。
図示例の劣化評価装置10は、リチウムイオン二次電池(以下、単に電池という)12のインピーダンススペクトルを測定するインピーダンス測定装置14と、測定されたインピーダンススペクトルに対して、リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価するための所定の処理を実行するコンピュータ16と、コンピュータ16の処理結果を表示する表示装置18とを備える。
インピーダンス測定装置14は、リチウムイオン二次電池12に印加するように、所定周波数域の交流を発振する交流発振器20、その交流の電圧及び電流を監視するための電流測定部22及び電圧測定部24、並びに周波数応答解析装置(FRA)26を有する。
コンピュータ16は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)28及びメモリ30を有する。CPU28は後述の処理を行う。メモリ30は、後述のデータを記憶する。
定電位分極しながらリチウムイオン二次電池12の電気化学インピーダンスを測定する場合には、所定電位EDCを設定し、それに交流発振器20により発振された所定周波数の交流信号ΔEoscを重畳した電位信号(EDC+ΔEosc)を、リチウムイオン二次電池の例えば正極に印加する。そして、その場合の電流応答(IDC+ΔIres)を電流測定部22により測定する。以下、電位信号(EDC+ΔEosc)を入力信号という。
周波数応答解析装置26には、入力信号(EDC+ΔEosc)、並びに電流応答(IDC+ΔIres)を所定の抵抗Rrangeに通して得られる電位信号Rrange(IDC+ΔIres)が入力される。以下、電位信号Rrange(IDC+ΔIres)を応答信号という。
周波数応答解析装置26は、例えば下記式(1)に示すように、離散フーリエ変換により、入力信号及び応答信号の交流成分を周波数領域のデータに変換し、その比をとることで、当該周波数での無次元のインピーダンス:Zbar(ω)を求める。
Zbar(ω)=FT{ΔEosc}/FT{Rrange×ΔIres} (1)
ただし、FT{ }は、離散フーリエ変換での演算を意味する。ω:角周波数、である。
次に、下記式(2)に示すように、Zbar(ω)に上記抵抗Rrangeを乗算することにより、当該周波数でのインピーダンス:Z(ω)が得られる。
Z(ω)=Rrange×Zbar(ω) (2)
そして、印加する交流の周波数を所定周波数域で掃引することでインピーダンススペクトルを測定する。ここで、インピーダンススペクトルを測定する場合の周波数域は、0.1〜30Hzとするのが、電極(正極及び負極)の面積の影響を小さくできるので好ましい。ただし、上記周波数域の下限fb:0.1Hzは、例えば、0.01≦fb≦0.5(Hz)の範囲で変えることができる。上記周波数域の上限fu:30Hzは、例えば、10≦fu≦50(Hz)の範囲で変えることができる。
CPU28は、インピーダンス測定装置14で測定されたインピーダンススペクトルを、抵抗的成分軸(Z'軸、実数軸)及び容量的成分軸(Z"軸、虚数軸)で規定される複素平面上にプロットすることで、コールコールプロット(ナイキスト線図)を作製する。
図2に、リチウムイオン二次電池のインピーダンスのコールコールプロットの一例を示す。同図に示すように、この場合のコールコールプロット32は、原点に近い位置を始点とする円弧状部32aと、円弧状部32aの終点から斜めに立ち上がる直線状部32bとを含む。
そして、CPU28は、円弧状部32aの頂点32cと、複素平面の原点Oとを通る直線Lを求め、直線LとZ'軸との角度θを求め、角度θの正接:tanθを算出する。算出されたtanθを、メモリ30に記憶された劣化状態判定用データと照合することで、リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価する。例えば、リチウムイオン二次電池の直流内部抵抗の初期状態からの増加割合を算出する。この場合の劣化状態判定用データは、評価対象のリチウムイオン二次電池12と同じ組成の正極及び負極を含むリチウムイオン二次電池について、所定の充電状態(SOC)でのtanθと出力劣化状態との関係を調べたデータである。ここで、SOCは、公称容量での満充電状態を100%とし、公称容量での完全放電状態を0%としたときに、当該電池にどれだけの割合の電気的エネルギが蓄えられているかを示す指標である。
なお、CPU28が実際にコールコールプロットを作図することは必須ではない。円弧状部32aの頂点と対応するインピーダンスZ:Z=Z'−Z"jを特定することができれば、その成分(Z'、Z")から直接に角度θ及びtanθを求めることができる。または、円弧状部32aの頂点の座標(Z',Z")を求め、比:|Z"|/Z'を求めることができる。例えば、円弧状部32aと対応する周波数域が予想できる場合には、その周波数域で、容量的成分が極大となるインピーダンスZを求めることにより、角度θ及びtanθを求めることができる。
図3に、様々な劣化状態のリチウムイオン二次電池を使用して、0.1〜30Hzの周波数域で、コールコールプロット上の各点と原点とを通る直線を求め、その直線とZ'軸との角度θ1を求めた結果を示す。図3の横軸は、周波数の対数軸である。グラフの縦軸には、角度θ1をとっている。
曲線34は、劣化がほとんどないリチウムイオン二次電池に対応し、曲線36は、劣化状態が15%のリチウムイオン二次電池に対応し、曲線38は、劣化状態が69%のリチウムイオン二次電池に対応している。なお、劣化状態(%)としては、リチウムイオン二次電池の直流内部抵抗が、初期状態から増大した割合を使用することができる。
図3に示すように、劣化状態が高いリチウムイオン二次電池ほど、明確な頂点が曲線に表れている。したがって、劣化状態が高いリチウムイオン二次電池ほど、明確な円弧状部32a及びその明確な頂点が表れる。一方、0.1〜30Hzの周波数域で円弧状部32aの明確な頂点が認められない場合は、電池の劣化がほとんどない状態と判定できる。
図5に、後の実施例による、tanθとリチウムイオン二次電池の出力維持率との関係をグラフにより示す。この出力維持率は、SOC:30%の電池で測定したものである。
例えば、SOC:30%での電池出力は、SOC:30%での開回路電圧(OCV)と放電終止電圧(例えば2.5V)との電圧差を直流内部抵抗で割ることにより電流値を求め、求められた電流値と放電終止電圧とを乗算することで求めることができる。電池が劣化した場合の出力は、SOC:30%でのOCVが変動していなければ、直流内部抵抗、ないしはその逆数から容易に求めることができる。したがって、例えば、出力維持率は、当該リチウムイオン二次電池の直流内部抵抗をR1とし、初期状態のリチウムイオン二次電池の直流内部抵抗をR2とすると、式:(R2/R1)×100(%)により算出することができる。
図5に示すように、tanθ、ないしは上記の比(|Z"|/Z')とリチウムイオン二次電池の出力維持率との間には、非常に高い相関関係が存在することが予想される。よって、tanθを求めることで、リチウムイオン二次電池の劣化状態を正確に評価することができる。例えば、直流内部抵抗が初期状態から増加した割合を正確に知ることができる。
ここで、リチウムイオン二次電池のインピーダンススペクトルを測定する場合の周波数域は、0.1〜30Hzとするのが好ましい。0.1Hzよりも小さい周波数域でインピーダンススペクトルを測定すると、測定に長時間を要することとなる。一方、30Hzよりも大きい周波数域では、インピーダンススペクトルが電池の形状や容量の影響を受けるため、tanθにその影響が及ぶ可能性がある。
さらに、リチウムイオン二次電池のインピーダンススペクトルは、SOCと環境温度の影響を強く受ける。例えば、リチウムイオン二次電池のインピーダンスは、低温環境下で大きく、高温環境下では小さくなる傾向がある。よって、より定量的なデータを得るためには、SOC及び環境温度の基準値を定め、その条件下でインピーダンススペクトルを測定するのが好ましい。
このとき、測定時のSOCは、基準値の±5%の範囲内であるのが好ましい。測定時の環境温度は、基準値の±2℃の範囲内であるのが好ましい。なお、インピーダンススペクトルの測定に好ましいSOCの範囲は20〜80%である。特に、正極に、ニッケル及びリチウムを含む複合酸化物を用いた場合は、SOCが20%より小さい状態でのインピーダンススペクトルは、コールコールプロットの円弧状部32aが非常に大きくなるため、劣化判定が困難となる。
また、インピーダンススペクトルの測定に好ましい環境温度は20〜40℃である。これは、インピーダンススペクトルを測定するときの電池の温度は、内部までできるだけ均一であることが望ましいからである。20°未満や40°を超える環境温度で測定を行うと、測定時の環境温度と室温との差異が大きくなることがある。そのような場合には、電池の表面側の温度と、内部の温度との間に大きな温度差が生じることがある。
よって、例えば大型の電池では、電池全体の温度を均一化するのに長時間を要することとなり、良好なインピーダンススペクトルの測定条件を整えるまでの時間が長くなる。ただし、インピーダンススペクトルの測定に十分な時間を掛けることができる場合には、後述の実施例で示されるように、より広い温度範囲で測定されたインピーダンススペクトルを使用して、正確にリチウムイオン二次電池の劣化状態を評価することができる。
以下に、リチウムイオン二次電池12の一例の製造方法を説明する。
正極活物質と導電材と結着材とを混合したものに分散媒を加えてペーストとする。そのペーストを正極集電体の表面に塗布し、それを乾燥することで、正極合剤層が形成された正極の前駆体が得られる。その前駆体を圧延した後、所定寸法に裁断することにより、リチウムイオン二次電池の正極が得られる。
正極活物質については上述したとおりである。正極の導電材としては、人造黒鉛やカーボンブラック等の1種または2種の炭素材料を混合したものを用いることができる。結着材には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、6フッ化プロピレン−4フッ化エチレンコポリマー、フッ素系ゴム等のフッ素樹脂、ポリプロピレン及びポリエチレン等の熱可塑性樹脂、スチレンブタジエンゴム、変性アクリロニトリルゴム、並びにエチレン−アクリル酸共重合体等を使用することができる。結着材は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。
正極活物質、導電材、及び結着材を分散しペースト状とするための分散媒には、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサン、及び酢酸メチル等の有機溶剤や水を用いることができる。集電体には、アルミニウム箔やステンレス鋼箔を用いることができる。
リチウムイオン二次電池の負極を作製する場合も同様に、負極活物質と結着材とを混合したものに分散媒を加えてペーストを得る。そのペーストを負極集電体の表面に塗布し、それを乾燥することで、負極合剤層が形成された負極の前駆体が得られる。その前駆体を圧延した後、所定寸法に裁断することにより、リチウムイオン二次電池の負極が得られる。
負極活物質については上述したとおりである。負極の結着材及び分散媒は、正極について例示したものの中から1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。負極の集電体としては、銅箔やステンレス鋼箔を用いることができる。
セパレータには、正極及び負極の電圧、及び非水電解質に耐えることができる多孔性薄膜を使用することができる。そのような多孔性薄膜としては、ポリエチレン、及びポリプロピレン等の熱可塑性樹脂製のマイクロポーラスフィルム、並びに、ポリプロピレン製の不織布等を使用することができる。
非水電解質は、溶媒に支持塩を溶解して作製することができる。支持塩には、LiPF6及びLiBF4等のフッ化物、並びに、LiN(CF3SO22及びLiN(C25SO2)2等のイミド塩を使用することができる。溶媒には、エチレンカーボネイト(EC)、プロピレンカーボネイト、ジメチルカーボネイト(DMC)、ジエチルカーボネイト、エチルメチルカーボネイト(EMC)等のカーボネイト系溶媒、並びに、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン等のラクトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸エチル等のエステル系溶媒、ジメトキシエタン、及び1,3-ジオキソラン等のエーテル系溶媒等から選ばれた1種または2種以上を混合したものを使用することができる。または、ポリメチルメタクリレート等のゲル化剤を用いたゲル状電解質を用いることも可能である。さらに、電池の信頼性、耐久性を改良するために、ビニレンカーボネイト、ビニルエチレンカーボネイト、並びにフッ素置換したプロピレンカーボネイト等の添加剤を用いることも可能である。
リチウムイオン電池の形状は、コイン形、円筒形、角型、あるいはアルミニウムラミネートフィルムを外装材としたラミネート電池等の様々な形状とすることができる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2を説明する。
実施形態2は、実施形態1で説明したリチウムイオン二次電池の劣化状態評価方法を適用した電池パックに関する。
図4に、実施形態2の電池パックの概略構成を機能ブロック図により示す。同図に示すように、電池パック40は、リチウムイオン二次電池12、リチウムイオン二次電池12を外部からの電力により充電する充電回路42、リチウムイオン二次電池12が蓄えた電力を外部に放電する放電回路44、及び充電回路42及び放電回路44を制御する制御部46を備えている。さらに、電池パック40は、リチウムイオン二次電池12のインピーダンススペクトルを交流インピーダンス法により測定するインピーダンス測定部48、並びに、インピーダンス測定部48の測定結果に基づいて、リチウムイオン二次電池12の劣化状態を評価する評価部50を備えている。
リチウムイオン二次電池12は、1または複数のリチウムイオン二次電池から構成することができる。制御部46は、マイクロプロセッサ、またはCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、RAM(Random Access Memory:ランダム・アクセス・メモリ)及びROM(Read Only Memory:リードオンリーメモリ)等のメモリ、入出力装置及び通信モジュールから構成することができる。
インピーダンス測定部48は、実施形態1のインピーダンス測定装置14と同様の構成であり、実施形態1と同様にして、リチウムイオン二次電池12のインピーダンススペクトルを測定する。
評価部50は、実施形態1のコンピュータ16と同様の構成であり、実施形態1と同様にして、リチウムイオン二次電池12に含まれる個々の電池の劣化状態を評価する。ただし、上述したとおり、測定されたインピーダンススペクトルからコールコールプロットを作図することは必須ではない。例えば、円弧状部32aと対応する周波数域が予想し得る場合には、その周波数域で容量的成分が極大値をとるインピーダンス:Z=Z'−Z"jを求め、そのインピーダンスの成分(Z'、Z")に基づいて、個々の電池の劣化状態を評価してもよい。上記極大値をとるインピーダンス:Zは、円弧状部32aの頂点と一致するからである。
以下、本発明の実施例を説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されない。
(実施例1)
正極活物質には、コバルトを15atom%(原子パーセント)添加するとともに、アルミニウムを10atom%添加したニッケル酸リチウム(LiNi0.75Co0.15Al0.12)を使用した。正極活物質100重量部に対して、導電材のアセチレンブラックを7重量部、結着材のポリフッ化ビニリデンを5重量部混合し、N-メチル−2-ピロリドンを適量添加し、ペーストとした。ペーストをアルミニウム箔の両面に塗工し、乾燥して、正極の前駆体を作製した。その前駆体を圧延し、所定寸法に裁断し、それに正極リード板を溶接して、正極とした。
負極活物質には、黒鉛系炭素材料を使用した。負極活物質100重量部に結着材のスチレンブタジエンゴム3重量部を混合し、適量の水を添加したペーストを銅箔の両面に塗工した。その後、正極と同様の工程で負極を作製した。正極と負極とを、ポリエチレン製微多孔フィルムのセパレータを間に挟んでスパイラル状に巻回することで、電極群を作製した。
電極群を、開口を有する鉄製の円筒型ケース内に挿入し、電解液を注液し、ケースの開口を封口板により封口した。負極リードはケースの底部に溶接し、正極リードは封口板に溶接した。電解液には、EC、DMC、及びEMCの体積比1:1:1の混合溶媒に、LiPF6を1mol/lの濃度で溶解したものを用いた。以上のようにして10個の円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。電池の初期の平均充放電容量は約500mAhであった。
上記作製されたリチウムイオン二次電池(以下、試験電池という)の初期の直流内部抵抗を求めるために、SOCが30%の試験電池を、3通りの定電流で充放電し、放電開始から10秒後の放電電圧を記録した。そして、放電電流と電圧変動との関係(両者の関係を近似する直線の傾き)から直流内部抵抗を算出した。3通りの放電電流は、500mA、1000mA、及び2500mAとした。環境温度は25℃とした。以上の方法で測定された10個の試験電池の直流内部抵抗の平均値は、71mΩであった。これを初期直流内部抵抗とする。
次に、SOC:30%、環境温度:25℃の条件で、ソーラトロン社製のポテンショガルバノスタット(型番:1286)と、ソーラトロン社製の周波数応答解析装置(型番:1260)を用いて、0.1〜30Hzの周波数域で交流インピーダンス法により、試験電池のインピーダンススペクトルを測定した。
(実施例2)
10個の試験電池の中の1個に対して、20℃の環境温度で、以下の要領で試験電池の充放電を1000サイクル繰り返した(充放電サイクル処理)。
500mAの定電流で試験電池を4.05Vまで充電し、引き続いて、4.05Vの定電圧で充電電流が5mA以下となるまで充電した。定電圧充電が終了すると、試験電池を30分間放置した後、500mAの定電流で、電池電圧が3.6Vに低下するまで放電した。以上を充放電の1サイクルとし、1サイクルの充放電が終了すると、試験電池を30分間放置した後、次のサイクルの充放電を開始した。
1000サイクルの充放電サイクル処理を行った試験電池のインピーダンススペクトルを、0.1〜30Hzの周波数域の交流を使用して測定した。測定されたインピーダンススペクトルに基づいて、上述の角度θ及びtanθを算出した。また、当該試験電池の出力維持率を求めるために、実施例1と同様にして、直流内部抵抗を測定した。このとき、試験電池のSOCは30%であり、環境温度は25℃であった。
インピーダンススペクトルの測定には、上述のポテンショガルバノスタット及び周波数応答解析装置を使用した。出力維持率の算出には、式:(R2/R1)×100(%)、を使用した。ただし、R1は、当該試験電池の直流内部抵抗であり、R2は、初期:実施例1の試験電池の直流内部抵抗である。
(実施例3)
充放電サイクル処理のサイクル数を2000サイクルとしたこと以外は、実施例2と同様にして、試験電池の角度θ、tanθ及び出力維持率を求めた。
(実施例4)
充放電サイクル処理のサイクル数を4000サイクルとしたこと以外は、実施例2と同様にして、試験電池の角度θ、tanθ及び出力維持率を求めた。
(実施例5)
環境温度を50℃としたこと以外は実施例2と同様にして、試験電池の角度θ、tanθ及び出力維持率を求めた。
(実施例6)
充放電サイクル処理のサイクル数を2000サイクルとしたこと以外は、実施例5と同様にして、試験電池の角度θ、tanθ及び出力維持率を求めた。
(実施例7)
充放電サイクル処理のサイクル数を4000サイクルとしたこと以外は、実施例5と同様にして、試験電池の角度θ、tanθ及び出力維持率を求めた。
(実施例8)
環境温度を60℃としたこと以外は実施例2と同様にして、試験電池の角度θ、tanθ及び出力維持率を求めた。
(実施例9)
充放電サイクル処理のサイクル数を2000サイクルとしたこと以外は、実施例8と同様にして、試験電池の角度θ、tanθ及び出力維持率を求めた。
(実施例10)
充放電サイクル処理のサイクル数を4000サイクルとしたこと以外は、実施例8と同様にして、試験電池の角度θ、tanθ及び出力維持率を求めた。
(実施例11)
正極及び負極の面積、並びにケースのサイズを大きくすることで、充放電容量が約5Ahである3個の角型ラミネートリチウムイオン二次電池を試験電池として作製した。5A、10A及び25Aの3通りの電流で放電したこと以外は実施例1と同様にして、各試験電池の初期の直流内部抵抗を測定した。その結果、3個の試験電池の直流内部抵抗の平均値は、3.25mΩであった。次に、3個の試験電池の1個に対して、定電流充電及び定電流放電の電流を5Aとしたこと以外は実施例2と同様にして、1000サイクルの充放電サイクル処理を実行した。そして、実施例2と同様にして、角度θ及びtanθを求めた。さらに、出力維持率を求めるために、5A、10A及び25Aの3通りの電流で放電したこと以外は実施例1と同様にして、そのときの試験電池の直流内部抵抗を測定した。
(実施例12)
充放電サイクル処理のサイクル数を2000サイクルとしたこと以外は、実施例11と同様にして、試験電池の角度θ、tanθ及び出力維持率を求めた。
(実施例13)
充放電サイクル処理のサイクル数を4000サイクルとしたこと以外は、実施例11と同様にして、試験電池の角度θ、tanθ及び出力維持率を求めた。
以上の結果を、下記表1に示す。さらに、実施例2〜13の(tanθ、出力維持率)をプロットしたグラフを図5に示す。
Figure 2012095913
表1では、環境温度が高いほど、また、サイクル数が大きいほど、試験電池の出力維持率が低くなっている。そして、図5にプロットした、実施例2〜13のtanθと出力維持率との関係を、例えば指数関数の式:Y=Aexp(−BX)、で近似する近似式を回帰分析により求めた。その結果、出力維持率=112.65×exp(−1.5905×tanθ)という近似式が得られた。このとき、決定係数R2は0.9954であり、tanθと出力維持率との間に高い相関関係が存在することが確かめられた。
以上の結果から、環境温度及び電池容量が異なっても、0.1〜30Hzの周波数域での交流インピーダンス解析により得られるtanθを使用することで、リチウムイオン二次電池の出力維持率を容易に導き出せることが確かめられた。したがって、あらかじめtanθと出力維持率との関係を示す近似式を求めておき、当該電池のtanθを測定することで、容易に当該電池の出力劣化状態を評価することが可能となる。よって、短時間で、かつ簡便に、リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価することができる。
なお、電池を組み立ててからの経過時間が短い場合や電池の劣化が小さい場合等には0.1〜30Hzの周波数域の交流インピーダンス解析で、円弧状部が表れないことがある。そのような場合には、出力劣化はほとんどないので、劣化状態を0%と判定することが可能である。
本発明によれば、長時間を要することなく簡便にリチウムイオン二次電池の劣化状態を評価することができる。よって、本発明の劣化評価方法は、小型民生用のリチウムイオン二次電池および電気自動車やハイブリッド自動車用電源等の大容量・高出力用途リチウムイオン二次電池の劣化評価法として好適である。
本発明を現時点での好ましい実施態様に関して説明したが、そのような開示を限定的に解釈してはならない。種々の変形及び改変は、上記開示を読むことによって本発明に属する技術分野における当業者には間違いなく明らかになるであろう。したがって、添付の請求の範囲は、本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなく、すべての変形及び改変を包含する、と解釈されるべきものである。
10 劣化評価装置
12 リチウムイオン二次電池
14 インピーダンス測定装置
16 コンピュータ
20 交流発振器
22 電流測定部
24 電圧測定部
26 周波数応答解析装置
40 電池パック
42 充電回路
44 放電回路
46 制御部
48 インピーダンス測定部
50 評価部

Claims (11)

  1. 所定の周波数域の交流を使用して、リチウムイオン二次電池のインピーダンススペクトルを測定し、
    前記インピーダンススペクトルを、抵抗的成分軸及び容量的成分軸で規定される複素平面上に、円弧状部を含む線図で表した場合の、前記円弧状部の頂点の座標を求め、
    前記座標に基づいて、前記リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価する、リチウムイオン二次電池の劣化評価方法。
  2. 前記座標が(Z',Z")で表されるとき、比:|Z"|/Z'に基づいて、前記リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価する、請求項1記載のリチウムイオン二次電池の劣化評価方法。
  3. 前記座標から、前記頂点と前記複素平面の原点とを通る直線と、前記抵抗的成分軸との角度θを求め、
    前記角度θに基づいて、前記リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価する、請求項1記載のリチウムイオン二次電池の劣化評価方法。
  4. 前記角度θの正接:tanθを算出し、前記tanθに基づいて、前記リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価する、請求項3記載のリチウムイオン二次電池の劣化評価方法。
  5. 前記所定の周波数域の下限がfbであり、上限がfuであり、fb:0.01≦fb≦0.5Hzであり、かつ、fu:10≦fu≦50Hzである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池の劣化評価方法。
  6. 前記所定の周波数域が0.1〜30Hzである、請求項5記載のリチウムイオン二次電池の劣化評価方法。
  7. 前記リチウムイオン二次電池が、リチウム及びニッケルを含む複合酸化物を含む正極を具備する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池の劣化評価方法。
  8. 前記複合酸化物に、Co、Al、Mn、Mg、Ca、Sr、Ti、Zr、V、Nb、Cr、Mo、Fe、Cu、及びBよりなる群から選択される少なくとも1種が添加されている、請求項7に記載のリチウムイオン二次電池の電池劣化評価方法。
  9. 前記複合酸化物に、Co及びAlが添加されている、請求項8に記載のリチウムイオン二次電池の電池劣化評価方法。
  10. 前記リチウムイオン二次電池が、炭素材料を含む負極を具備する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池の劣化評価方法。
  11. 1または複数のリチウムイオン二次電池と、
    前記リチウムイオン二次電池を外部から供給される電力により充電する充電回路と、
    前記リチウムイオン二次電池が蓄えた電力を外部に放電する放電回路と、
    前記充電回路及び前記放電回路を制御する制御部と、
    前記リチウムイオン二次電池のインピーダンススペクトルを交流インピーダンス法により測定する測定部と、
    前記測定部の測定結果に基づいて、前記リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価する評価部と、を具備し、
    前記評価部が、前記インピーダンススペクトルを、抵抗的成分軸及び容量的成分軸で規定される複素平面上に、円弧状部を含む線図で表した場合の、前記円弧状部の頂点の座標を求め、
    前記座標に基づいて、前記リチウムイオン二次電池の劣化状態を評価する、電池パック。
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