JPWO2012091065A1 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

空洞共鳴音を低減しつつ、高速耐久性と生産性を維持することが出来る、タイヤ内腔に制音体が設けられた空気入りタイヤを提供する。本発明は、空洞共鳴音を低減するために、タイヤ内部面に制音材料で作られた制音体の取り付けられた、幅TWの転動時に接地するトレッドを備えた空気入りタイヤにおいて、制音体は、制音材料で作られ、トレッドの半径方向内部の少なくとも30%の範囲内でタイヤ内部面に取付幅Wcにて固定された幅W、厚さEの少なくとも1本の連続リボンであり、連続リボンの2つの端部である始端と終端は相互に軸方向にオフセットするよう配置され、連続リボンはタイヤ内部面と共に連続リボンの幅Wの10%以上である溝幅Dを有する連続溝を形成し、取付幅Wcは連続リボンの幅Wよりも小さい。

Description

本発明は、空気入りタイヤに関し、詳しくは、タイヤ内腔で発生する空洞共鳴音を抑制するための制音体が設けられた空気入りタイヤに関する。
タイヤの内腔の共鳴振動(空洞共鳴)は、タイヤ内腔に閉塞された空気が振動されることにより発生する。一般的には、タイヤ内腔の空気はタイヤの転動に伴うタイヤのトレッド部及びサイドウォール部の変形により励起され、円環状の内腔に閉じ込められた空気はその励起により気柱として作用する。
タイヤ内腔で励起された音波は、ホイール、懸架装置及び自動車の車体を伝播する固体伝播音として車室内に伝わり、車の乗員に不快な低周波音として認知される。
この空洞共鳴音を低減するための手段として、タイヤ内腔に制音体を導入することが効果的であることは知られており、特許文献1の図1には、台形形状をしたスポンジ製の制音体をタイヤ回転方向に延伸するようにタイヤ内部面に固定し、空洞共鳴音を低減するようにした技術が開示されている。
また、特許文献2の図1には、2つの略台形形状を持つことにより、その中間部に谷部を設けたスポンジ製の制音体をタイヤ回転方向に延伸するようにタイヤ内部面に固定し、空洞共鳴音を低減するようにした技術が開示されている。
さらに、特許文献3の図1には、複数の独立したリボン状の制音体をタイヤ回転方向に延びるようにタイヤ内部面に固定することにより、空洞共鳴音の低減と高速耐久性を両立させるようにした技術が開示されている。
国際公開WO2003/103989号公報 特開2007−161069号公報 特開2005−262920号公報
しかしながら、一般的に制音体に使われる材料は熱伝導率が低いため、特許文献1及び特許文献2に開示された技術では、空洞共鳴音を低減させるために制音体をタイヤ内部面の40%程度など広い範囲を覆うような場合にタイヤの高速耐久性が低下するという問題点がある。
また、特許文献3に開示された技術では、タイヤ内部面に制音体を取り付ける際に複数回制音体を導入しなければならないため工程が複雑になり、このようなタイヤの生産性が低下するという問題点がある。
さらに、近年、車の乗員に伝わる不快な低周波音をより低減させるために、空洞共鳴音をより低減させることが出来る空気入りタイヤへの要望がなされている。
そこで本発明は、上述した従来技術が抱える問題点を解決するためになされたものであり、空洞共鳴音を低減しつつ、高速耐久性と生産性を維持することが出来る、タイヤ内腔に制音体が設けられた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、トレッドと、タイヤ内部面に囲まれた内腔と、この内腔の空洞共鳴音を低減するための制音体と、を有する空気入りタイヤであって、制音体は、所定の制音材料で形成され、タイヤ内部面のうちトレッドに対応するタイヤ半径方向内部の範囲の少なくとも30%の範囲を覆うようにタイヤ内部面に固定された幅W及び厚さEと、幅Wcのタイヤ内部面に密着する底面を有する少なくとも1本の連続リボンであり、少なくとも1本の連続リボンは、タイヤ内部面をタイヤの回転軸の周りに1周以上し、且つ、少なくとも1本の連続リボンの始端と終端が互いにタイヤの回転軸の方向にオフセットするよう配置され、これにより、少なくとも1本の連続リボンの互いに隣接する部分とタイヤ内部面とにより少なくとも1本の連続リボンの幅Wの10%以上である溝幅Dを有する連続溝が形成され、連続リボンの底面の幅Wcが連続リボンの幅Wよりも小さいことを特徴としている。
このように構成された本発明においては、少なくとも1本の連続リボンの始端と終端が互いに軸方向にオフセットするよう配置されているので、そのような連続リボンはタイヤ周方向に対して所定の角度に沿って延びるように配置されることになり、タイヤ内腔にて励起され、タイヤ周方向に伝播する空気振動を阻害することができ、その結果、空洞共鳴音が改善される。
さらに本発明においては、連続リボンによって、隣接する連続リボンの間とタイヤ内部面とにより連続溝を形成するようにしているので、タイヤ内腔の空気振動が連続溝に導かれ、また、そのような連続溝は、始端と終端が軸方向にオフセットし且つタイヤ内部面をタイヤの回転軸の周りに1周以上する連続リボンにより形成されているので、空気振動の伝播方向(タイヤ周方向)と連続リボンの延びる方向が異なり、これらの結果、連続溝によりタイヤ内腔の空気振動の伝播が阻害され、空洞共鳴音が改善される。
ここで、連続溝内に導かれた空気振動のエネルギーは、連続リボン内部に浸透する成分と、連続リボンの連続溝の表面で反射する成分とに分割される。連続リボン内部に浸透したエネルギー成分は、制音体である連続リボンの制音効果により減衰され、また連続リボンの連続溝表面で反射した成分はその反射による減衰のみならず、連続リボンの他の部分にそのエネルギーが到着することで上述した浸透・反射現象を繰り返すため、より効果的に空洞共鳴音を改善することができる。
さらに、本発明においては、連続リボンとタイヤ内部面とにより連続溝を形成し、その溝幅を連続リボンの幅Wの10%以上としているので、タイヤ内部面が連続溝を介して直接タイヤ内腔の空気に触れる面積を放熱に十分な面積とすることができる。従って、制音体を設けても、タイヤ転動時に主にトレッドで生じる熱を、タイヤ内部面からタイヤの内腔へ確実に放出することが可能となり、その結果、高速耐久性を維持することが出来る。
さらに、本発明においては、連続リボンのタイヤ内部面に密着する底面の幅Wcを連続リボンの幅Wより小さくしているので、タイヤ内部面が連続溝を介して直接タイヤ内腔の空気に触れる面積をより大きくすることが出来る。従って、制音体を設けても、タイヤ転動時に主にトレッドで生じる熱を、タイヤ内部面からタイヤの内腔へより確実に放出することが可能となり、その結果、高速耐久性をより確実に維持することが出来る。
さらに、上述した構成による本発明の空気入りタイヤによれば、連続リボンをタイヤ内腔に固定する場合、例えば、その始端をタイヤ内部面に固定した後、タイヤをタイヤ回転軸周りに回転させつつ、連続リボンまたはタイヤ自身を軸方向に動かしながら、連続リボンの終端まで固定し続ければよい。このように、連続リボンの取り付けを比較的簡単に行うことが出来、制音体を設けるタイヤの生産性を維持することが出来る。
本発明において、好ましくは、少なくとも1本の連続リボンの幅Wの底面の幅Wcに対する割合(W/Wc)は1.2以上である。
このように構成された本発明においては、空洞共鳴音の低減を図りながら、高速耐久性を確保し、生産性を維持することが出来る。即ち、連続リボンの幅Wの底面の幅Wcに対する割合(W/Wc)を1.2よりも小さくすると、タイヤ内部面が連続溝を介して直接タイヤ内腔の空気に触れる面積が減少するため、高速耐久性が低下してしまう。従って、連続リボンの幅Wの底面の幅Wcに対する割合(W/Wc)を1.2以上とすれば、空洞共鳴音の低減を図りながら、より確実に高速耐久性を確保し、生産性を維持することが出来る。
本発明において、好ましくは、トレッドは幅TWを有し、少なくとも1本の連続リボンの幅Wはトレッドの幅TWの5%以上且つ25%以下である。
このように構成された本発明においては、空洞共鳴音の低減を図りながら、高速耐久性を確保し、生産性を維持することができる。即ち、連続リボンの幅Wをトレッドの幅TWの5%よりも小さくすると、連続リボンの幅Wが小さくなりすぎ、効率的に空洞共鳴音を低減させるためには連続リボンの回転数を増やす必要があり、生産性が低下してしまう。一方、連続リボンの幅Wをトレッドの幅TWの25%よりも大きくすると、連続リボンによって占められるタイヤ内部面の割合が大きくなることにより、タイヤ内部面がタイヤ内腔の空気に触れる割合が減少することにより、高速耐久性が低下してしまう。従って、連続リボンの幅Wを、トレッドの幅TWの5%〜25%とすれば、空洞共鳴音の低減を図りながら、高速耐久性を確保し、生産性を維持することが出来る。
本発明において、好ましくは、少なくとも1本の連続リボンは、タイヤ内部面を2周以上するように配置されている。
このように構成された本発明においては、連続リボンによって形成される連続溝が少なくとも1周以上形成されるので、効果的な空気振動の減衰を得ることができ、その結果、より確実に、空洞共鳴音の低減を図りながら、高速耐久性を確保することが出来る。
本発明において、好ましくは、少なくとも1本の連続リボンは2本であり、それらの2本の連続リボンのそれぞれにおいて、連続リボンとタイヤ内部面とにより連続溝が形成されている。
このように構成された本発明においては、タイヤ内部面において連続リボンを固定する位置を空洞共鳴音の抑制に最適な位置にすることができるなど、連続リボンを設置するための自由度を上げることができ、より効果的に空洞共鳴音の低減を図りながら、高速耐久性を確保することが出来る。
本発明において、好ましくは、少なくとも1本の連続リボンは2本であり、それらの2本の連続リボンのうち、一方の連続リボンが、タイヤ回転軸周りでタイヤ周方向に対して所定の角度方向に沿って延び、他方の連続リボンが、タイヤ回転軸周りで、一方の連続リボンが延びる所定の角度方向とタイヤ周方向に対して対称な方向に沿って延びる。
このように構成された本発明においては、タイヤ内部面において連続リボンを固定する位置を空洞共鳴音の抑制に最適な位置にすることができるなど、連続リボンを設置するための自由度を上げることができ、より効果的に空洞共鳴音の低減を図りながら、高速耐久性を確保することが出来る。
本発明において、好ましくは、少なくとも1本の連続リボンの所定の制音材料は、スポンジ、発泡ゴム組成物、グラスウール、ロックウール、セルロース繊維の何れか一つから選択される。これらの材料は防振性・制音性に優れるため、空洞共鳴音の低減を図ることが出来る。
本発明において、好ましくは、少なくとも1本の連続リボンの厚さEは、少なくとも1本の連続リボンの幅Wの50%以上且つ200%以下である。
このように構成された本発明においては、より効果的に空洞共鳴音の低減を図ることが出来る。即ち、連続リボンの厚さEを、連続リボンの幅Wの50%よりも小さくすると、連続リボンの厚さEはタイヤ内腔の空気振動の音波の伝播を妨げる高さが不足するため、空洞共鳴音の低減度合いが低下してしまう。一方、連続リボンの厚さEを、連続リボンの幅Wの200%よりも大きくすると、連続リボンによる制音効果が頭打ちになってしまうことから、タイヤのコストや重量に悪影響をもたらす。従って、連続リボンの厚さEを、連続リボンの幅Wの50%〜200%とすれば、より効率的に空洞共鳴音を低減させることが出来る。
本発明において、好ましくは、連続溝の溝幅Dは、少なくとも1本の連続リボンが延びる方向に沿って、少なくとも1本の連続リボンの幅Wの10%以上且つ250%以下の範囲で変化するよう形成される。
このように構成された本発明においては、連続溝に導入された空気振動の音波は、不規則に連続リボンに浸透・反射することになるため、より効果的に空洞共鳴音の低減を図りながら、高速耐久性を確保し、生産性を維持することが出来る。
本発明による空気入りタイヤによれば、空洞共鳴音を低減しつつ、高速耐久性と生産性を維持させることが出来る。
本発明の第1実施形態による制音体が設けられた空気入りタイヤの半径方向断面を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態による制音体が設けられた空気入りタイヤのタイヤ内部面を模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態による制音体が設けられた空気入りタイヤのタイヤ内部面を模式的に示す図である。 本発明の第3実施形態による制音体が設けられた空気入りタイヤのタイヤ内部面を模式的に示す図である。 本発明の第4実施形態による制音体が設けられた空気入りタイヤのタイヤ内部面を模式的に示す図である。 本発明の第5実施形態による制音体が設けられた空気入りタイヤの半径方向断面を模式的に示す図である。 本発明の第6実施形態による制音体が設けられた空気入りタイヤの半径方向断面を模式的に示す図である。 従来技術による制音体が設けられた空気入りタイヤの半径方向断面を模式的に示す図である。
以下、本発明の好ましい実施形態を図面を参照して説明する。
先ず、図1及至図2により、本発明の第1実施形態による空気入りタイヤを説明する。
図1は、本発明の第1実施形態による制音体が設けられた空気入りタイヤの半径方向断面を模式的に示す図であり、図2は、本発明の第1実施形態による制音体が設けられた空気入りタイヤのタイヤ内部面を模式的に示す図である。図2には、タイヤの周方向がYY‘にて示され、またタイヤの軸方向がXX’にて示されている。
先ず、図1に示すように、符号1は、本発明の第1実施形態による制音体4が設けられた空気入りタイヤ1を示す。制音体4は、空洞共鳴音を低減するためのものであり、図1及び図2に示すように幅W、厚さEの連続した連続リボン41で構成され、幅Wcのタイヤ内部面に密着する底面にて空気入りタイヤの内部面2に取り付けられている。ここで、「タイヤ内部面」(タイヤ内部面2)とは、タイヤの内腔に面した表面のことをいい、通常のタイヤ使用状態(ホイールに取り付けられた状態)においては外部から目視できない面のことである。
この連続リボン41は、1本の連続した連続リボン41で形成され、タイヤの周方向に対して角度を有するように、即ち、タイヤの周方向に対して斜め方向に延びるように、4周にわたりタイヤ内部面2に連続的に取り付けられている。このような1本の連続リボン41の4周にわたる連続的な取り付けにより、隣接する連続リボン41とタイヤ内部面2とにより、3周にわたり延びる溝幅Dを有する連続溝5が、タイヤ内部面2に形成されている。このように形成された連続溝5も、図2に示すように、タイヤの周方向に対して角度を有するように延びている。即ち、本実施形態では、連続リボン41は、タイヤの周方向に対して所定の角度に沿って延びるように取り付けられ、隣接する連続リボン41とタイヤ内部面2とで連続溝5が形成されている。
ここで、連続リボン41の幅Wはタイヤ内部面2に投影される最大幅であり、厚さEはタイヤ径方向の最大の厚みであり、連続リボン41のタイヤ内部面に密着する底面の幅Wcは連続リボン41の取り付けられるタイヤ内部面2に密着しかつタイヤ内部面2に平行な部分のタイヤ内部面2に投影される幅であり、連続リボン41によって形成される連続溝の幅Dは隣り合う連続リボン41のタイヤ内部面2に投影される最大幅間の間隔である。
図1に示すように、タイヤ1は、転動中に路面と接触する幅TWのトレッド面3を有する。なお、この例におけるタイヤサイズは225/55R16である。
連続リボン41の幅Wは、トレッド3の幅TWの5%〜25%となるように形成されている。本実施形態においては、トレッド3の幅TWは168mm、連続リボン41の幅Wは24mmである。
連続リボン41の厚さEは、連続リボン41の幅Wの50%〜200%となるように形成されている。本実施形態においては、連続リボン41の厚さEは15mmである。
連続リボン41のタイヤ内部面に密着する底面の幅Wcは、連続リボン41の幅Wよりも小さくなるように形成されている。また、連続リボン41の幅Wの、タイヤ内部面に密着する底面の幅Wcに対する割合(W/Wc)は、1.2以上になるように形成されている。本実施形態においては、連続リボン41のタイヤ内部面に密着する底面の幅Wcは18mmであり、連続リボン41の幅Wの、タイヤ内部面に密着する底面の幅Wcに対する割合(W/Wc)は1.3である。なお、タイヤ転動中の制音体の固定をより確実にするために、連続リボンの幅Wの底面の幅Wcに対する割合(W/Wc)は3.0以下であるのが好ましい。
連続リボン41は、防振性及び制音性に優れる制音材料で作られている。この連続リボン41は、一本の連続したリボンであることが好ましいが、短いリボンを複数本組み合わせて一本の連続リボンを形成することもできる。連続リボン41を形成する制音材料としては、スポンジ、発泡ゴム組成物、グラスウール、ロックウール、セルロース繊維の何れか一つから選択から選択されることが好ましい。本実施形態の連続リボン41は、スポンジによって作られている。
スポンジはあらかじめタイヤの外部で所定の形状に成形されたものをタイヤ内腔に導入して連続リボン41を形成してもよく、或いは、スポンジを形成する、例えばポリウレタン系の材料を直接タイヤ内腔に導入(注入)しつつ連続リボン41を形成するようにしてもよい。また、連続リボン41を形成する上述したポリウレタン系の材料を直接タイヤ内腔に導入する場合、その連続リボン41の形成過程において材料温度と環境温度との差により材料表面と内部とで材料の成長率に差異が生じ、材料表面に薄い膜状部分を形成する場合がある。このような連続リボン41の表面に存在する膜状部分は、連続リボン41内部への水の浸透を防ぎ、連続リボン41の耐久性を向上させる効果を得ることができる。
連続リボン41は、トレッド3の半径方向内部のトレッド3が形成された範囲に対応するタイヤ内部面2の範囲の少なくとも30%の範囲を占めるようにタイヤ内部面2に固定されている。本実施形態においては、連続リボン41はトレッド3の半径方向内部の85%の範囲を占めるように、即ち、連続リボン41がタイヤ内部面2のトレッド3に対応する範囲の85%を覆うように、タイヤ内部面2に固定されている。
連続溝5の幅Dは、連続リボン41の幅Wの10%以上となるように形成されている。本実施形態においては、連続溝5の幅Dは13mmである。
図1に示す半径方向断面図に図示されている連続リボン41は、上述したように1本の連続リボン41のみで形成されており、図2に示すように、始端411と終端412の2つの端部を有し、これらの2つの端部がタイヤの軸方向に相互にオフセット、すなわち隔たりを持つように形成されている。本実施形態における両端部411、412のオフセット量は、148mmである。
このように、本実施形態では、タイヤの内部面2に取り付けられた連続リボン41は2つの端部、即ち、図2に示すように始端411と終端412を有し、これら2つの端部411、412が互いに軸方向にオフセットするように形成されている。そして、連続リボン41を上述したような1本の連続リボン41の4周にわたる周回、即ち、タイヤ周方向に対して所定の角度に沿うように4周にわたるようにタイヤ内部面2に設けることにより、隣接する連続リボン41とタイヤ内部面2とにより連続溝5が3周にわたり形成されている。
なお、本実施形態では、連続リボン41をタイヤ周方向に4周にさせることで、図2に示すように、始端411と終端412とが、タイヤ内部面2上の軸方向線上にオフセットした位置に配置されるようになっているが、例えばタイヤ周方向に3周半させる場合など、タイヤ周方向に対してずれた位置に始端411と終端412とが配置され、タイヤ内部面2上の軸方向線上とは異なる位置で、始端411と終端412とが軸方向にオフセットさせるように連続リボン41を設けても良い。
なお、本実施形態のタイヤの例においては、連続リボン41の断面形状は上底を底面とする台形であるが、この断面形状は上底を底面とする台形に限定されるものではない。連続リボン41の断面形状は、連続溝5を形成しかつタイヤ内部面に密着する底面の幅Wcを連続リボン41の幅Wよりも小さくすることのできる断面形状であればよく、そのような断面形状として、例えば、タイヤ内部面に密着する底面以外の外形がアーチ状の断面形状、側面や上面が曲線状に膨らんだ形状など、適宜変更することができる。なお、これらの形状の場合も、連続リボン(41)の幅Wはタイヤ内部面2に投影される最大幅であり、厚さEはタイヤ径方向の最大の厚みであり、連続リボンのタイヤ内部面に密着する底面の幅Wcは連続リボンの取り付けられるタイヤ内部面2に密着しかつタイヤ内部面2に平行な部分のタイヤ内部面2に投影される幅であり、連続リボンによって形成される連続溝の幅Dは隣り合う連続リボンのタイヤ内部面2に投影される最大幅間の間隔である。
また、連続リボンは、連続溝が形成されるように、タイヤ周方向に対し所定の角度に沿って蛇行するように形成してもよい。この場合、連続溝の幅Dは、連続リボンが延びる方向に沿って連続的に変化するものでも良いし、隣接する連続リボンの蛇行形状を、連続溝の幅Dが一定となるように配置しても良い。
次に、本実施形態による制音体が設けられた空気入りタイヤの主な作用効果を説明する。
先ず、連続リボン41は、タイヤの周方向に進行する空洞共鳴音の音波の伝播を妨げるように、タイヤの周方向に対して角度を有するように形成されるので、空洞共鳴音を効果的に低減させることができる。
ここで、空洞共鳴音は、タイヤ転動時に、円環状の内腔に閉じ込められた空気が気柱として作用することにより生じ、このような空洞共鳴音は、その気柱内を主にタイヤ周方向に伝播する空気振動が原因となって生じる。従って、連続リボン41をタイヤ周方向に対して所定の角度に沿って斜めに延びるように配置することにより、空洞共鳴音を効果的に低減することが出来る。
また、上述したように、連続溝5がタイヤ円周方向に対して所定の角度に沿って延びるように形成しているので、連続溝5内に導かれた空洞共鳴音の主にタイヤ周方向に伝播する空気振動のエネルギーは、連続リボン41内部に浸透する成分と、連続リボン41表面で反射する成分とに分割される。連続リボン41内部に浸透したエネルギー成分は、連続リボン41を形成している制音材料の効果により減衰され、また連続リボン41表面で反射した成分はその反射による減衰のみならず、連続リボン41の他の部分にそのエネルギーが到着することで前記浸透・反射現象を繰り返すため、効果的に空洞共鳴音を低減することができる。
さらに、本実施形態においては、連続溝5の溝幅Dを連続リボンの幅Wの10%以上としているので、タイヤ内部面が連続溝を介して直接タイヤ内腔の空気に触れる面積を放熱に十分な面積とすることができる。更に、連続リボン41のタイヤ内部面に密着する底面の幅Wcを、連続リボン41の幅Wより小さくしているので、放熱のためにタイヤ内部面が連続溝を介して直接タイヤ内腔の空気に触れる面積を更に広くとることができる。従って、制音体4である連続リボン41をトレッド3の半径方向内部に複数周(本実施形態では4周)を設けても、タイヤ転動時に主にトレッドで生じる熱を、タイヤ内部面からタイヤの内腔へ確実に放出することが可能となり、その結果、高速耐久性を維持することが出来る。
さらに、本実施形態においては、1本の連続リボン41をタイヤ円周方向に対して斜めに延びるように4周させてタイヤ内腔に固定する構造としているので、例えば、その固定方法として、連続リボン41の始端411をタイヤ内部面に固定した後、タイヤ1をタイヤ回転軸周りに回転させつつ、連続リボン41またはタイヤ1自身を軸方向に動かしながら、連続リボン41の終端412まで固定し続ければよい。このように、本実施形態による制音体4が設けられたタイヤ1によれば、連続リボン41の取り付けを比較的簡単に行うことが出来、制音体4である連続リボン41を設けるタイヤ1の生産性を維持することが出来る。
さらに、本実施形態においては、連続リボン41の幅Wは、トレッド3の幅TWの5%〜25%となるように形成されている。ここで、連続リボンの幅Wをトレッド3の幅TWの5%よりも小さくすると、連続リボン41の幅Wが小さくなりすぎ、効率的に空洞共鳴音を低減させるためには連続リボンの回転数を増やす必要があり、生産性が低下してしまう。一方、連続リボン41の幅Wをトレッドの幅TWの25%よりも大きくすると、連続リボンによって占められるタイヤ内部面2の割合が大きくなることにより、タイヤ内部面2がタイヤ内腔の空気に触れる割合が減少するので、高速耐久性が低下してしまう。従って、連続リボン41の幅Wをトレッドの幅TWの5%〜25%とすれば、空洞共鳴音の低減を図りながら、高速耐久性を確保し、生産性を維持することが出来る。
さらに、本実施形態においては、連続リボン41の厚さEは、連続リボン41の幅Wの50%〜200%となるように形成されている。ここで、連続リボン41の厚さEを、連続リボン41の幅Wの50%よりも小さくすると、連続リボン41の厚さEはタイヤ内腔の空気振動の音波の伝播を妨げる高さが不足するため、空洞共鳴音の低減度合いが低下してしまう。一方、連続リボン41の厚さEを、連続リボン41の幅Wの200%よりも大きくすると、連続リボン41による制音効果が頭打ちになってしまうことから、タイヤのコストや重量に悪影響をもたらす。従って、連続リボン41の厚さEを、連続リボン41の幅Wの50%〜200%とすれば、より効率的に空洞共鳴音を低減させることが出来、また、コストや重量の増加を抑制することが出来る。
次に、図3により、本発明の第2実施形態による空気入りタイヤを説明する。
図3は、本発明の第2実施形態による制音体が設けられた空気入りタイヤのタイヤ内部面を模式的に示す図である。なお、この第2実施形態の基本構成及びその効果は、上述した第1実施形態と同様であるので、ここでは、第1実施形態と異なる構成及び効果について主に説明し、第1実施形態と同様の構成及び効果については、その説明を省略する。
図3に示すように、第2実施形態では、2本の連続リボン41、42がそれぞれ空気入りタイヤ1の内部面2を3周する形で取り付けられている。これらの2本の連続リボン41、42は、互いに、タイヤ周方向に対して同じ方向に傾きを持ち、また、第1実施形態と同様な連続溝5がそれぞれ形成されている。2本の連続リボン41、42とタイヤ内部面2により形成される連続溝5は、それぞれ、同じ幅Dを持つように形成されている。
この第2実施形態では、連続リボン41のタイヤ内部面2への取り付け位置の自由度を向上させ、空洞共鳴音の減衰に最も効果的な場所を選択して取り付けすることを可能とするものである。
なお、2本の連続リボン41のタイヤ周方向に対する傾きを、互いに異ならせることも可能であり、また連続溝5の幅Dも、各連続リボン41で異ならせることも可能である。
次に、図4により、本発明の第3実施形態による空気入りタイヤを説明する。
図4は、本発明の第3実施形態による制音体が設けられた空気入りタイヤのタイヤ内部面を模式的に示す図である。なお、この第3実施形態の基本構成及びその効果は、上述した第1実施形態と同様であるので、ここでは、第1実施形態と異なる構成及び効果について主に説明し、第1実施形態と同様の構成及び効果については、その説明を省略する。
図4に示すように、第3実施形態では、2本の連続リボン41、42がそれぞれ空気入りタイヤ1の内部面2を3周する形で取り付けられている。この第3実施形態では、一方の連続リボン41は、第1実施形態と同様に回転軸周りをタイヤ円周方向に対して斜めの方向に延び、他方の連続リボン42は一方の連続リボン41が延びる方向とはタイヤ円周方向に対して対称な方向に回転軸周りに延びるように取り付けられている。どちらの連続リボン41、42も、第1実施形態と同様に、タイヤ内部面2と共に連続溝5を形成し、連続リボン41、42とタイヤ内部面2とに形成される連続溝5は、同じ幅Dを有する。
この第3実施形態もまた、連続リボン41をタイヤ内部面2への取り付け位置の自由度を向上させ、空洞共鳴音の減衰に最も効果的な場所を選択して取り付けすることを可能とするものである。
なお、2本の連続リボン41の傾きは異ならせることも可能であり、また連続溝5の幅Dも各連続リボン41で異ならせることも可能である。
次に、図5により、本発明の第4実施形態による空気入りタイヤを説明する。
図5は、本発明の第4実施形態による制音体が設けられた空気入りタイヤのタイヤ内部面を模式的に示す図である。なお、この第4実施形態の基本構成及びその効果は、上述した第1実施形態と同様であるので、ここでは、第1実施形態と異なる構成及び効果について主に説明し、第1実施形態と同様の構成及び効果については、その説明を省略する。
図5に示すように、第4実施形態では、1本の連続リボン41が空気入りタイヤ1の内部面2を五周する形で取り付けられ、連続リボン41とタイヤ内部面2とで形成される連続溝5の溝幅Dが周回毎に異なるように形成されている。この第4実施形態においては、連続溝5の溝幅Dは、15mmから54mmの間で変化している。なお、連続溝5の溝幅Dが、連続リボン41が延びる方向に沿って連続的に変化するようにしても良い。
この第4実施形態では、連続溝5の幅Dを可変としたことにより、より効率的に空洞共鳴音を低減させることができる。つまり、連続溝5内に導かれた空洞共鳴音の空気振動のエネルギーは、連続溝5内部で不定期に連続リボン41内部に浸透、もしくは連続リボン41表面で反射を繰り返すことになり、結果として空洞共鳴音がより効果的に改善されるのである。
なお、本実施形態においては、連続溝5の溝幅Dの変化を、連続リボン41の取り付け方向を周回ごとに変化させることにより実現しているが、連続溝5の溝幅Dの変化は、例えば連続リボン41をジグザグ状や蛇行するようにタイヤ内部面2に取り付けることにより実現しても良いし、もしくは、連続リボン41の幅Wを可変にするなど、他の方法によって行っても良い(図示せず)。
次に、図6により、本発明の第5実施形態による空気入りタイヤを説明する。
図6は、本発明の第5実施形態による制音体が設けられた空気入りタイヤの半径方向断面を模式的に示す図である。なお、この第5実施形態の基本構成及びその効果は、上述した第1実施形態と同様であるので、ここでは、第1実施形態と異なる構成及び効果について主に説明し、第1実施形態と同様の構成及び効果については、その説明を省略する。
図6に示すように、第5実施形態では、断面形状が上底を底面とする台形であり、厚さEが幅Wの50〜200%である1本の連続リボン41が、始端と終端が軸方向にオフセットし且つタイヤ内部面2をタイヤの回転軸の周りに4周する形で取り付けられ、第1実施形態と同様な連続溝5が形成されている。この第5実施形態においては、連続リボン41の幅Wは24mmであり、厚さEは幅Wの104%である25mmであり、底面の幅Wcは18mmであり、連続溝5の溝幅Dは、15mmである。
この第5実施形態では、連続リボン41の厚さEを、幅Wの50〜200%の範囲内で第1実施形態のものよりも相対的に厚くしているので、連続リボン41の厚さEをタイヤ内腔の空気振動の音波の伝播を妨げるのに十分な高さとしつつ、コストや重量の増加に悪影響をもたらさない範囲内で連続リボン41のタイヤ内腔と接触する表面積を大きくすることができる。これにより、連続リボン41内部に浸透、もしくは連続リボン41表面で反射をする空気振動を増加させて、音波の伝播をより効果的に妨げることができるようになり、結果として空洞共鳴音がより効果的に改善される。
次に、図7により、本発明の第6実施形態による空気入りタイヤを説明する。
図7は、本発明の第6実施形態による制音体が設けられた空気入りタイヤの半径方向断面を模式的に示す図である。なお、この第6実施形態の基本構成及びその効果は、上述した第1実施形態と同様であるので、ここでは、第1実施形態と異なる構成及び効果について主に説明し、第1実施形態と同様の構成及び効果については、その説明を省略する。
図7に示すように、第6実施形態では、連続リボン41の断面形状を、その幅Wの、タイヤ内部面に密着する底面の幅Wcに対する割合(W/Wc)が1.2以上になるようなアーチ状(例えば、図示のような「かまぼこ」のような断面形状)に形成した1本の連続リボン41が、始端と終端が軸方向にオフセットし且つタイヤ内部面2をタイヤの回転軸の周りに4周する形で取り付けられ、第1実施形態と同様な連続溝5が形成されている。この第5実施形態においては、連続リボン41の幅Wは24mmであり、厚さEは15mmであり、底面の幅Wcは18mmであり、連続溝5の溝幅Dは、15mmである。
この第6実施形態では、連続リボン41の断面形状を上述したようなアーチ状としているので、タイヤ内部面が連続溝を介して直接タイヤ内腔の空気に触れる面積を広くとって放熱性を確保しつつ、上述したような上底を底面とする台形の連続リボンよりも連続リボン41の重心をタイヤ内部面2に近づけることができる。これにより、連続リボン41が、タイヤの変形により力を受けた際の、タイヤ内部面に密着する底面にかかるストレスを低減することができるようになり、結果として高速耐久性がより効果的に改善される。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について記述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
なお、図8は従来技術による制音体が設けられた空気入りタイヤの半径方向断面を模式的に示す図である。この図8のタイヤサイズは第1実施形態による空気入りタイヤ1と同じである。この従来技術による空気入りタイヤ100の内部面102には、空洞共鳴音を低減するための制音体104で作られたリボン141が取り付けられている。このリボン141は、連続溝105が形成されるようタイヤ周方向に4周延びて連続するリボンであり、その2つの端部がオフセットするよう取り付けられている。連続するリボン141の断面形状は下底をタイヤ内部面102に密着する底面とする台形であり、底面の幅は連続するリボン141の最大幅Wと同様となっている。なおこの図8において、リボン141の幅は24mm、厚さは15mmである。
次に、本発明の効果を明確にするため、制音体を設けていない従来例、制音体を設けている比較例および本発明の実施例1(第1実施形態)に係る空気入りタイヤを、市販のコンピューターソフトウェアを使用したシミュレーション(有限要素法)用いて行った検証結果について説明する。
従来例、比較例および実施例1に係るタイヤモデルのタイヤサイズは、いずれも、225/55R16を使用し、ホイールサイズは7.0J×16とし、内圧は230kPaとし、荷重は542daNに設定した。なお比較例は図8に相当するタイヤモデルを用い、実施例1に係るモデルの連続リボン41と、リボン43の断面積とが同じになるように設定し、連続リボン41に使用されている材料も同じものに設定した。
上記タイヤモデルを、上記リム、内圧、荷重にて、タイヤ内腔の点音源を用いて騒音レベルをシミュレーションした。計算された騒音は、空洞共鳴音の一次のピークを含む190〜230Hzの間の周波数帯の、Aフィルタを付与された音圧レベルとして、従来例に対する音圧レベルの指数で表示している。数値の大きいほうが良好である。
また、上記タイヤモデルを、上記リム、内圧、荷重にて、80km/hにてタイヤを回転させた際のタイヤ内部面付近の、トレッドに対応する半径方向内部の範囲内の最大温度をシミュレーションした。計算された最大温度は、従来例に対する指数で表示している。数値の大きいほうが良好である。
Figure 2012091065
表1に示される如く、実施例1による空気入りタイヤによれば、空洞共鳴音を効果的に低減しうるのが確認出来、上述した第1乃至第6実施形態の空気入りタイヤの構成により高速耐久性も維持され、生産性も確保し得る。
1 空気入りタイヤ
2 タイヤ内部面
3 トレッド
4 制音体
41 制音体によって作られた連続リボン
411 連続リボンの始端
412 連続リボンの終端
413 連続リボンのタイヤ内部面に密着する底面
5 連続溝

Claims (9)

  1. トレッドと、タイヤ内部面に囲まれた内腔と、この内腔の空洞共鳴音を低減するための制音体と、を有する空気入りタイヤであって、
    前記制音体は、所定の制音材料で形成され、前記タイヤ内部面のうち前記トレッドに対応するタイヤ半径方向内部の範囲の少なくとも30%の範囲を覆うように前記タイヤ内部面に固定された、幅W及び厚さEと、幅Wcのタイヤ内部面に密着する底面を有する少なくとも1本の連続リボンであり、
    前記少なくとも1本の連続リボンは、前記タイヤ内部面をタイヤの回転軸の周りに1周以上し、且つ、前記少なくとも1本の連続リボンの始端と終端が互いに前記タイヤの回転軸の方向にオフセットするよう配置され、これにより、前記少なくとも1本の連続リボンの互いに隣接する部分と前記タイヤ内部面とにより前記少なくとも1本の連続リボンの幅Wの10%以上である溝幅Dを有する連続溝が形成され、
    前記連続リボンの底面の幅Wcが前記連続リボンの幅Wよりも小さいことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記少なくとも1本の連続リボンの幅Wの前記底面の幅Wcに対する割合(W/Wc)が1.2以上である請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記トレッドは幅TWを有し、前記少なくとも1本の連続リボンの幅Wは前記トレッドの幅TWの5%以上且つ25%以下である請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記少なくとも1本の連続リボンは、前記タイヤ内部面を2周以上するように配置されている請求項1から3の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 少なくとも1本の連続リボンは2本であり、それらの2本の連続リボンのそれぞれにおいて、前記連続リボンと前記タイヤ内部面とにより前記連続溝が形成されている。請求項1から4の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 少なくとも1本の連続リボンは2本であり、それらの2本の連続リボンのうち、一方の連続リボンが、タイヤ回転軸周りでタイヤ周方向に対して所定の角度方向に沿って延び、他方の連続リボンが、タイヤ回転軸周りで、前記一方の連続リボンが延びる所定の角度方向とタイヤ周方向に対して対称な方向に沿って延びる請求項1から5の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
  7. 前記少なくとも1本の連続リボンの前記所定の制音材料は、スポンジ、発泡ゴム組成物、グラスウール、ロックウール、セルロース繊維の何れか一つから選択される請求項1から6の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
  8. 前記少なくとも1本の連続リボンの厚さEは、前記少なくとも1本の連続リボンの幅Wの50%以上且つ200%以下である請求項1から7の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
  9. 前記連続溝の溝幅Dは、前記少なくとも1本の連続リボンが延びる方向に沿って、前記少なくとも1本の連続リボンの幅Wの10%以上且つ250%以下の範囲で変化するよう形成される請求項1から8の何れか一項に記載の空気入りタイヤ。
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