JPWO2012073475A1 - エアモータ及び静電塗装装置 - Google Patents
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Abstract
駆動効率の向上が可能なエアモータ及び静電塗装装置を提供する。そのために、ハウジング(12)、その内側に挿通された主軸(2)、その一部でハウジングの内側に配される部分に主軸と同心に固定され、外周面に複数のタービン羽根(10)が形成された羽根車(4)、主軸及び羽根車を回転自在に支持する軸受(14,16)、羽根車を周方向へ回転させるべく、圧縮空気を各タービン羽根に向けて噴出する管状もしくは孔状の流路を有するノズル部(タービンエアノズル孔(28)及びブレーキエアノズル孔(34))を備え、ノズル部の流路の水力半径をrh、流路の路面の粘性摩擦係数をcf、圧縮空気の比熱比をk、流路の入口における圧縮空気の流速をve、音速をa0としてM1=ve/a0とした場合、ノズル部の流路の長さを所定数式による算出値(L)以上の寸法に設定する。
Description
本発明は、例えば、静電塗装工程で使用されるスピンドル装置や、高速回転を必要とする小径工具を用いる工作機械の主軸系の駆動部などに搭載されるエアモータ及び静電塗装装置に関する。
かかるエアモータは、主軸が静圧気体軸受により軸支され、圧縮空気などの気体をノズル部(孔や管など)から羽根車(回転翼)へ向けて噴出させることで、上記主軸を回転させる原動機であり、静電塗装機や精密加工機などに広く搭載されている。そして、その回転効率の向上を図るべく、従来から様々な改良が加えられており、それを具現化した各種のモータ構成が知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。
図1及び図2には、このようなエアモータの構成例として、静電塗装機の静電スプレーガンに搭載されるエアモータ(エアタービン付スピンドル装置)の一構成を例示している。かかるエアモータは、基端部から先端部(図1においては、右端部から左端部)へ向けて略直円管状に延出した中空の主軸2と、上記主軸2の基端部に当該主軸2と同心をなして配設される羽根車4を備えている。羽根車4は、主軸2よりも大径の平板状をなし、主軸2の基端部に締結部材などで位置決め固定される円環部6と、主軸2よりも大径かつ円環部6よりも小径の短円筒状をなし、円環部6の軸方向の一側面(図1においては、右側面)に固設される羽根車本体8とを備えている。羽根車本体8には、その外周面に複数のタービン羽根(ブレード)10が全周に亘り、周方向に対して等間隔で形成されている。各タービン羽根(ブレード)10は、同一回転方向に対して同一傾斜(一例として、羽根車4の正転方向(図2における右回転方向C)に対して前傾)するように、同一形状に構成されている。
このような構成をなす主軸2及び羽根車4は、ハウジング12の内側に所定の軸受(ラジアル静圧気体軸受14及びアキシアル静圧気体軸受16)によって回転自在に支持されている。図1に示す構成においては、ラジアル静圧気体軸受14の軸受本体18を多孔質材製の円筒状に構成し、ハウジング12の内側の軸方向中間部位に固定するとともに、その内周面が主軸2の外周面の軸方向中間部位と極僅かな間隙を隔てて対向するように配している。ハウジング12の内部には、ラジアル静圧気体軸受14の軸受本体18の外周面に通じ、当該軸受本体18を介して上記主軸2の外周面との間隙に圧縮空気を供給するための給気通路20が設けられている。一方、アキシアル静圧気体軸受16は、その軸受本体22を多孔質材製の断面形状が矩形をなす円環状に構成し、ハウジング12の基端(図1においては、右端)内側に固定するとともに、その軸方向一側面(同、右側面)が羽根車4を構成する円環部6における羽根車本体8の固設面とは反対側の側面(同、左側面)の外周縁部と極僅かな間隙を隔てて対向するように配している。上記給気通路20は、アキシアル静圧気体軸受16の軸受本体22の外周面に通じており、当該軸受本体22を介することで上記羽根車4の円環部6の側面との間隙にも圧縮空気を供給している。
これらラジアル静圧気体軸受14及びアキシアル静圧気体軸受16により、主軸2及び羽根車4を回転自在に支持する場合、給気通路20、そしてラジアル静圧気体軸受14及びアキシアル静圧気体軸受16の両軸受本体18,22を通じて、これら軸受本体18,22と主軸2及び羽根車4(円環部6)との上記間隙に対して圧縮空気を連続して供給する。かかる間隙へ供給された圧縮空気は、上記主軸2の外周面及び上記円環部6の側面に連続して吹き付けられ、上記間隙全体に圧縮空気による膜を形成する。この結果、主軸2及び羽根車4は、上記膜を介して軸受14,16とはいずれも非接触状態に保たれつつ、これら軸受14,16によって回転自在に支持される。
なお、上記間隙へ給気通路20を通じて連続して供給された圧縮空気は、ラジアル静圧気体軸受14の軸受本体18の内部に設けられた排気孔24、ハウジング12の内部に設けられた排気通路26、及び当該ハウジング12の内部に存在する隙間などを通じて順次、外部空間へ排出される。また、このような構成をなすエアモータ(エアタービン付スピンドル装置)を静電塗装機の静電スプレーガンに実装する場合には、円環部6におけるアキシアル静圧気体軸受16による支持面とは反対側の側面(つまり、羽根車本体8の固設面(図1においては、右側面))をアキシアル静圧気体軸受16とは別個のアキシアル静圧軸受(図示しない)によって回転自在に支持することで、羽根車4及び当該羽根車4が固定される主軸2を軸方向に対して位置決めすればよい。
また、ハウジング12には、基端側(図1においては、右端側)の内周面と羽根車本体8の外周部が全周に亘って対向可能となるように、その内部に羽根車4を配している。すなわち、ハウジング12の基端側内周面は、羽根車本体8の径方向外方に位置付けられている。
そして、羽根車本体8の径方向外方に位置付けられるハウジング12の基端側には、当該羽根車本体8の外周部へ向けて周方向へ所定間隔で開口する複数(図2に示す構成においては、一例として等間隔で6つ)のタービンエアノズル孔28が形成されている。これらのタービンエアノズル孔28は、その中心がいずれもハウジング12の中心軸と直交する仮想平面内に位置付けられるように穿孔されているとともに、当該ハウジング12の径方向に対して同一角度で傾斜(別の捉え方をすれば、羽根車4の正転方向(図2における右回転方向C)に対して前傾)するように穿孔されている。また、これらのタービンエアノズル孔28は、その上流端(圧縮空気(タービンエア)の供給源側)の開口28uをハウジング12の基端側外周部近傍に全周に亘って形成したタービンエア供給通路30に連通させるとともに、当該タービンエア供給通路30は、その周方向の1箇所をハウジング12の基端面(図1においては、右端面)に開口する状態で設けたタービンエア供給口32に連通させている。一方、各タービンエアノズル孔28は、その下流端(タービンエア噴入口)28dをハウジング12の基端側内周面に開口させている。すなわち、各タービンエアノズル孔28の下流端(タービンエア噴入口)28dは、いずれも羽根車本体8の外周面に形成された複数のタービン羽根(ブレード)10と近接対向して開口される。
また、ハウジング12には、その基端側に、上記複数のタービンエアノズル孔28といずれも重ならないように、羽根車本体8の外周部へ向けて開口するブレーキエアノズル孔34が形成されている。ブレーキエアノズル孔34は、その中心がタービンエアノズル孔28の中心軸と同一の仮想平面内(つまり、タービンエアノズル孔28と同一のハウジング12の中心軸と直交する仮想平面内)に位置付けられるように穿孔されているとともに、これらのハウジング12の径方向に対してタービンエアノズル孔28とは反対方向へ所定角度(タービンエアノズル孔28と略同一角度)で傾斜(別の捉え方をすれば、羽根車4の逆転方向(図2における左回転方向A)に対して前傾)するように穿孔されている。また、ブレーキエアノズル孔34は、その上流端(ブレーキエアの供給源側)の開口34uをハウジング12の基端面(図1においては、右端面)に開口する状態で設けたブレーキエア供給口36に連通させるとともに、その下流端(ブレーキエア噴入口)34dをハウジング12の基端側内周面に開口させている。すなわち、ブレーキエアノズル孔34の下流端(ブレーキエア噴入口)34dは、羽根車本体8の外周面に形成された複数のタービン羽根(ブレード)10と近接対向して開口される。
なお、ハウジング12の基端側には、アキシアル静圧気体軸受16の軸受本体22の内周部、及び羽根車4の羽根車本体8の軸方向の他側面(図1においては、左側面)といずれも所定間隔を空けて対向可能となるように、円環状の回転検出センサ38が配設されている。かかる回転検出センサ38には、上記羽根車本体8の軸方向の他側面と対向可能に検出部(図1においては、右側部)が備えられており、当該羽根車本体8の他側面には、被検出部(エンコーダ)が備えられている。これにより、羽根車4の回転状態(回転速度や回転方向など)を検出するためのセンサ機構が構成されている。かかるセンサ機構においては、上記被検出部(エンコーダ)の位置変動を上記検出部で検知、計測することにより、羽根車4の回転状態(回転速度や回転方向など)を検出している。
ここで、図1に示すエアモータにおいては、回転検出センサ38に、例えば、磁石を採用している。これは、図1に示すように、アキシアル軸受16が回転運動の出力側にのみ設けられているため、主軸2、羽根車4、及び羽根車本体8が回転運動の反出力側(回転運動の出力側とは反対の向き)に抜ける可能性があるからである。そこで、回転検出センサ38に磁石を採用することにより、主軸2に対する吸引力を作用させ、主軸2、羽根車4、及び羽根車本体8が回転運動の反出力側に抜ける可能性を抑えることができる。このように、回転検出センサ38は、上記可能性を抑えることができるものであれば、目的に応じてその設置位置や機能を適宜選択することができる。例えば、アキシアル軸受16を羽根車4の両端に設置することで、回転検出センサ38として磁石を採用しない構成とすることができる。
以上のような構成をなすエアモータ(エアタービン付スピンドル装置)が搭載された静電塗装機の静電スプレーガンによって塗装を行う際、かかるエアモータは次のように動作する。
上述したように、主軸2及び羽根車4は、ラジアル静圧気体軸受14及びアキシアル静圧気体軸受16によって、ハウジング12に対して回転自在に支持されている。この状態で、複数のタービンエアノズル孔28に対し、タービンエア供給口32及びタービンエア供給通路30を通じて圧縮空気(タービンエア)を供給する。そして、供給した圧縮空気(タービンエア)を各タービンエアノズル孔28の下流端(タービンエア噴入口)28dから噴出し、羽根車本体8の外周面に形成した複数のタービン羽根(ブレード)10に吹き付ける。これにより、タービン羽根(ブレード)10をその傾斜方向、すなわち羽根車4の正転方向(図2における右回転方向C)へ連続して押圧し、羽根車4そして主軸2を当該正転方向へ所定の回転速度で回転(例えば、分速数万回で高速回転)させる。
上述したように、主軸2及び羽根車4は、ラジアル静圧気体軸受14及びアキシアル静圧気体軸受16によって、ハウジング12に対して回転自在に支持されている。この状態で、複数のタービンエアノズル孔28に対し、タービンエア供給口32及びタービンエア供給通路30を通じて圧縮空気(タービンエア)を供給する。そして、供給した圧縮空気(タービンエア)を各タービンエアノズル孔28の下流端(タービンエア噴入口)28dから噴出し、羽根車本体8の外周面に形成した複数のタービン羽根(ブレード)10に吹き付ける。これにより、タービン羽根(ブレード)10をその傾斜方向、すなわち羽根車4の正転方向(図2における右回転方向C)へ連続して押圧し、羽根車4そして主軸2を当該正転方向へ所定の回転速度で回転(例えば、分速数万回で高速回転)させる。
次いで、この状態で主軸2の内側に挿通した塗料供給管(図示しない)を通じ、所定のカップ(図示しない)内に塗料を供給する。かかるカップは、主軸2の先端部(図1の左端部)のうち、ハウジング12の外側に突出(露出)した部分に結合固定し、マイナスに帯電させる。これにより、上記カップに供給された塗料は、主軸2とともに高速回転する当該カップ内でイオン微粒子化される。
そして、かかるイオン微粒子化させた塗料を、プラスに帯電させた被塗装面へ向けて静電吸引力を利用して飛ばし、当該被塗装面に対して付着させる。なお、各タービン羽根(ブレード)10に吹き付けられた圧縮空気(タービンエア)は、ハウジング12の基端側の内周部と羽根車本体8の外周面との間に存在する環状空間40の基端側(図1においては、右端側)の開口から、当該開口に連通する状態で設けられた排気通路(図示しない)を通じて外部空間に排出される。
これに対し、上記被塗装面の塗装作業を停止する場合には、各タービンエアノズル孔28への圧縮空気(タービンエア)の供給と、上記カップへの塗料の供給をいずれも停止するとともに、ブレーキエア供給口36を通じてブレーキエアノズル孔34に対して圧縮空気(ブレーキエア)を供給する。そして、供給した圧縮空気(ブレーキエア)を上記ブレーキエアノズル孔34の下流端(ブレーキエア噴入口)34dから噴出し、各タービン羽根(ブレード)10に吹き付ける。これにより、タービン羽根(ブレード)10をその傾斜方向とは反対方向、すなわち羽根車4の逆転方向(図2における左回転方向A)へ連続して押圧し、羽根車4そして主軸2の正転方向への惰性回転に負荷をかけ、早期の停止を図る。
そして、羽根車4及び主軸2の回転速度が落ち、これら羽根車4及び主軸2の回転が完全に停止したことを回転検出センサ38で検出した時点で、ブレーキエアノズル孔34への圧縮空気(ブレーキエア)の供給を停止する。なお、この場合も、各タービン羽根(ブレード)10に吹き付けられた圧縮空気(ブレーキエア)は、上記環状空間40の基端側開口から、上記排気通路を通じて外部空間に排出される。
ところで、かかるエアモータにおいて、その駆動力は、タービン部へ衝突させるノズル部からの噴流の運動量、すなわち、羽根車4(具体的には、羽根車本体8)の外周面に形成した複数のタービン羽根(ブレード)10に吹き付けるべく、タービンエアノズル孔28の下流端(タービンエア噴入口)28dから噴出させる圧縮空気(タービンエア)の運動量に依存している。そして、その際に圧縮空気(タービンエア)を吹き付けた羽根車4の駆動力(トルク)は、以下の数式(1)によって算出される(非特許文献1参照)。なお、数式(1)において、Tはタービン部(羽根車4)の駆動力(トルク)、Fはノズル部からの噴流(タービンエアノズル孔28からの噴出圧縮空気)の運動量(駆動力)、Rは上記噴流が衝突するタービン部(上記噴出圧縮空気が吹き付けられる羽根車4)の半径、mは上記噴流(噴出圧縮空気)の質量(ただし、質量流量×Δt)、Vは上記噴流(上記噴出圧縮空気)の流速、Vtは上記噴流が衝突する部位(上記噴出圧縮空気が吹き付けられる羽根車4の部位)における周速(ただし、Vt=2πRN、N:モータ回転数)をそれぞれ示す。
そして、ノズル部へ流入した気体の流速(タービンエア供給路30からタービンエアノズル孔28の入口である上流端の開口28uを通じ、当該タービンエアノズル孔28へ供給された直後の圧縮空気(タービンエア)の流速、以下、入口流速という)は、当該ノズル部において、噴流としての最高速が得られるような閉塞した条件下であっても音速とはならず、以下の数式(2)によって算出される値となる。なお、数式(2)において、veはチョーク状態におけるノズル部(タービンエアノズル孔28)の入口流速、a0は音速、kは圧縮空気(タービンエア)の比熱比をそれぞれ示す。
また、上記チョーク状態における噴流(噴出圧縮空気)の質量(つまり、質量流量の最大値)は、以下の数式(3)によって算出される。なお、数式(3)において、mmaxは、上記チョーク状態における噴流(噴出圧縮空気)の質量、ρ0は上流側の圧縮空気(タービンエア)の密度、Aeはノズル部(タービンエアノズル孔28)の入口面積をそれぞれ示す。
ここで、比熱比(k)=1.40、定圧比熱をCp=1007[J/kg・K]、及び上流側の圧縮空気(タービンエア)の温度をT[K]とすれば、音速(a0)は、以下の数式(4)によって表される。
また、上流側の圧縮空気(タービンエア)の密度(ρ0)は、以下に示す数式(5)によって算出される。なお、数式(5)において、p0は上流側の圧縮空気(タービンエア)の圧力を示す。
以上を踏まえれば、エアモータの駆動効率の向上を図るためには、チョーク状態でのノズル部(タービンエアノズル孔28)における圧縮空気(タービンエア)の入口流速(ve)(約313[m/s])を、音速(340[m/s])まで上昇させればよい。例えば、ノズル部の壁面(タービンエアノズル孔28の内周面)における摩擦による圧縮空気(タービンエア)の圧損により、当該圧縮空気を膨張させることで、上記入口流速(ve)を増大させることが可能となる。ただし、この場合であっても、その上限速度は音速(340[m/s])までとなる。
このような流速増大による上記入口流速(ve)の音速化は、M1=ve/a0とした際に以下に示す数式(6)(非特許文献2参照)によって表されるL以上の寸法にノズル部の長さを設定した場合に達成される。なお、数式(6)において、rhは水力半径(円孔や円管の場合は内半径、角孔や角管の場合は断面積A、周囲長をCとした場合に2×A/Cにより定義する)、cfはノズル部(孔や管)の壁面(タービンエアノズル孔28の内周面)の粘性摩擦係数をそれぞれ示す。その際、粘性摩擦係数(cf)は、圧縮空気の流速をv、ノズル部(孔や管)の直径(内直径)をD、動粘度をνとした場合において、レイノルズ数(Re=vD/ν)を用いて、cf=0.0576×Re−0.2と与えられる。
このように、数式(6)は、ノズル部(タービンエアノズル孔28)の断面形状が円形状のみならず、角形状であっても成立する。
このように、数式(6)は、ノズル部(タービンエアノズル孔28)の断面形状が円形状のみならず、角形状であっても成立する。
富田幸雄著 「水力学」 実教出版 1982年 P224
森康夫/一色尚次/河田治男共著「熱力学概論」 養賢堂 1989年 P214
上述したように、エアモータの駆動効率の向上を図るためには、チョーク状態でのノズル部(孔や管など)における圧縮空気の入口流速(ve)を、音速(340[m/s])近くまで上昇させればよい。すなわち、エアモータにおいて、そのノズル部(タービンエアノズル孔28)の設計を行うに当たっては、当該エアモータに要求される最大トルクから計算される上記ノズル部の入口流速(ve)、当該ノズル部の径寸法(水力半径)(rh)、圧縮空気の供給源の条件(具体的には、供給圧(p0)あるいは供給流量)に従って、数式(6)によって算出される値(すなわち、L)以上の寸法にノズル部の長さ(ノズル長)を設定することが有効であるものと考えられる。
しかしながら、エアモータの駆動効率の向上を図る上で、上記ノズル部における圧縮空気の入口流速(ve)、当該ノズル部の径寸法(水力半径)(rh)、圧縮空気の供給条件(供給圧(p0)あるいは供給流量)に基づいて、かかるノズル部の最適設計を行う技術は現時点において知られていない。
本発明は、このような課題を解決するためになされており、その目的は、羽根車のタービン羽根(ブレード)へ吹き付けるための圧縮空気を供給するノズル部(孔や管など)における圧縮空気の入口流速、当該ノズル部の径寸法(水力半径)、圧縮空気の供給条件(供給圧あるいは供給流量)に基づいて、ノズル部の長さ(ノズル長)を設定することで、駆動効率の向上を図ったエアモータを提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明のある実施形態のエアモータは、ハウジングと、上記ハウジングの内側に挿通された主軸と、上記主軸の一部で上記ハウジングの内側に配される部分に当該主軸と同心に固定され、外周面に複数のタービン羽根が形成された羽根車と、上記主軸及び上記羽根車を上記ハウジングに対して回転自在に支持するための軸受と、上記羽根車を周方向へ回転させるべく、圧縮空気を上記各タービン羽根に向けて噴出するための管状もしくは孔状の流路を有する少なくとも1つのノズル部とを備えている。かかるエアモータにおいて、上記ノズル部の流路の水力半径をrh、上記流路の路面の粘性摩擦係数をcf、上記圧縮空気の比熱比をkとするとともに、上記流路の入口における上記圧縮空気の流速をve、音速をa0としてM1=ve/a0とした場合、
なお、上記ノズル部の流路は、その長さを上記Lの算出値以上の寸法に設定すればよいが、その際には、上記Lの算出値の5倍以上の所定寸法に設定することが好ましい。
また、上記軸受は、静圧気体軸受であることが好ましい。
また、上記軸受のうち、少なくとも一端側の軸受は、セラミック製の転がり軸受として構成されていることが好ましい。
また、上記転がり軸受は、上記ハウジングに装着させる一方の軌道輪と、一方の軌道輪に対向してスピンドルに装着させる他方の軌道輪と、これら軌道輪間に沿って組み込まれる複数の転動体とを備えており、
また、上記軸受は、静圧気体軸受であることが好ましい。
また、上記軸受のうち、少なくとも一端側の軸受は、セラミック製の転がり軸受として構成されていることが好ましい。
また、上記転がり軸受は、上記ハウジングに装着させる一方の軌道輪と、一方の軌道輪に対向してスピンドルに装着させる他方の軌道輪と、これら軌道輪間に沿って組み込まれる複数の転動体とを備えており、
双方の軌道輪及び転動体のいずれか、或いは、その全てが、セラミックで形成されていることが好ましい。
また、上記双方の軌道輪及び転動体のいずれか、或いは、その全てが非導電性セラミックで形成されていることが好ましい。
また、上記双方の軌道輪及び転動体の全てが導電性セラミックで形成されていることが好ましい。
さらに、本発明の静電塗装装置は、上記のいずれかに記載のエアモータを備える。
また、上記双方の軌道輪及び転動体のいずれか、或いは、その全てが非導電性セラミックで形成されていることが好ましい。
また、上記双方の軌道輪及び転動体の全てが導電性セラミックで形成されていることが好ましい。
さらに、本発明の静電塗装装置は、上記のいずれかに記載のエアモータを備える。
本発明によれば、羽根車のタービン羽根(ブレード)へ吹き付けるための圧縮空気を供給するノズル部における圧縮空気の入口流速、当該ノズル部の径寸法(水力半径)、圧縮空気の供給条件(供給圧あるいは供給流量)に基づいて、ノズル部の長さ(ノズル長)を設定することで、駆動効率の向上を図ったエアモータ及び静電塗装装置を実現することができる。
以下、本発明のエアモータのある実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、本実施形態のエアモータは、例えば、静電塗装工程で使用されるスピンドル装置や、高速回転を必要とする小径工具を用いる工作機械の主軸系の駆動部などに対して搭載することを想定可能であるが、その搭載機器はこれらに限定されるものではない。
また、本実施形態のエアモータは、かかるエアモータを構成するノズル部の長さ(ノズル長)を所定範囲の寸法に限定するものであり、当該エアモータのノズル部以外の基本的な構成は、既知のエアモータの構成であっても問題ない。したがって、本実施形態においては、上述したような静電塗装機の静電スプレーに搭載されるエアモータ(エアタービン付スピンドル装置)の構成(図1及び図2)をモータ構成の一例として想定し、かかるモータ構成を前提として説明する。
本実施形態に係るエアモータは、ハウジング12と、上記ハウジング12の内側に挿通された主軸2と、上記主軸2の一部で上記ハウジング12の内側に配される部分に当該主軸2と同心に固定され、外周面に複数のタービン羽根(ブレード)10が形成された羽根車4と、上記主軸2及び上記羽根車4を上記ハウジング12に対して回転自在に支持するための静圧気体軸受(ラジアル静圧気体軸受14及びアキシアル静圧気体軸受16)と、上記羽根車4を周方向へ回転させるべく、圧縮空気を上記各タービン羽根10に向けて噴出するための管状もしくは孔状の流路を有する少なくとも1つのノズル部28,34とを備えている。
上述したように、本実施形態においては、図1及び図2に示すエアモータ(エアタービン付スピンドル装置)の構成を一例として想定しているが、ハウジング12、主軸2、羽根車4、静圧気体軸受(ラジアル静圧気体軸受14及びアキシアル静圧気体軸受16)については、図示構成に特に限定されるものではなく、エアモータの使用目的や使用条件などに応じて適宜、構成変更することが可能である。例えば、ハウジング12及び主軸2の形状、羽根車4の大きさや配設数、当該羽根車4の羽根車本体8に形成するタービン羽根10の形状や配設数、ラジアル静圧気体軸受14及びアキシアル静圧気体軸受16の配設位置や配設数などは、いずれもエアモータの使用目的や使用条件などに応じてそれぞれ任意に設定すればよい。
図1及び図2に示す構成において、タービンエアノズル孔28は、その中心がいずれもハウジング12の中心軸と直交する同一の仮想平面(以下、タービンエアノズル孔形成平面という)内に位置付けられ、ハウジング12の径方向に対して同一角度で傾斜(羽根車4の正転方向(図2における右回転方向C)に対して前傾)するように穿孔されている。この場合、タービンエアノズル孔28は、羽根車4(羽根車本体8)の外周部へ開口する孔として、ハウジング12の基端側に穿孔されており、羽根車4を周方向(正転方向C)へ回転させるべく、圧縮空気(タービンエア)を各タービン羽根10に向けて噴出するための孔状の流路を有している。
また、ブレーキエアノズル孔34は、その中心が上記タービンエアノズル孔形成平面と同一平面内に位置付けられ、ハウジング12の径方向に対してタービンエアノズル孔28とは反対方向へ所定角度(一例として、タービンエアノズル孔28と略同一角度)で傾斜(羽根車4の逆転方向(図2における左回転方向A)に対して前傾)するように穿孔されている。この場合、ブレーキエアノズル孔34は、羽根車4(羽根車本体8)の外周部へ開口する孔として、タービンエアノズル孔28と重ならないようにハウジング12の基端側へ穿孔されており、羽根車4を周方向(逆転方向A)へ回転させるべく、圧縮空気(ブレーキエア)を各タービン羽根10に向けて噴出するための孔状の流路を有している。
すなわち、これらのタービンエアノズル孔28及びブレーキエアノズル孔34は、いずれも、エアモータにおけるノズル部として構成されている。
すなわち、これらのタービンエアノズル孔28及びブレーキエアノズル孔34は、いずれも、エアモータにおけるノズル部として構成されている。
なお、ノズル部として構成されるタービンエアノズル孔28及びブレーキエアノズル孔34の配設位置や配設数、断面形状などは、任意に設定することが可能である。例えば、図1及び図2には、羽根車4(羽根車本体8)の外周部へ向けてハウジング12の基端側に等間隔で、その中心が同一の上記タービンエアノズル孔形成平面内に位置付けられて開口するように、6つのタービンエアノズル孔28を穿孔したエアモータの一構成を例示しているが、複数のタービンエアノズル孔形成平面内にその中心が位置付けられるように、同一もしくは異なる数のタービンエアノズル孔28を穿孔した構成などとすることも想定可能である。また、図1及び図2には、ブレーキエアノズル孔34を1つだけ穿孔したエアモータの一構成を例示しているが、複数のブレーキエアノズル孔34を上述したいずれかのタービンエアノズル孔28と同様の態様(傾斜方向は除く)で穿孔した構成とすることも想定可能である。加えて、図1及び図2には、断面形状が円形となる円孔として、タービンエアノズル孔28及びブレーキエアノズル孔34を穿孔したエアモータの一構成を例示しているが、これらを断面形状が角形(四角形等の多角形)となる角孔として、タービンエアノズル孔28及びブレーキエアノズル孔34を穿孔した構成などとすることも想定可能である。
また、図1及び図2には、羽根車4を周方向(正転方向Cもしくは逆転方向A)へ回転させるべく、圧縮空気(タービンエアもしくはブレーキエア)を各タービン羽根10に向けて噴出するための孔状の流路を有するノズル部(タービンエアノズル孔28及びブレーキエアノズル孔34)の構成を一例として示しているが、ノズル部は、管状(例えば、断面形状が円形や角形(四角形等の多角形)となる円管状や角管状など)の流路を有する構成であっても構わない。
かかるノズル部(タービンエアノズル孔28及びブレーキエアノズル孔34)の流路は、その長さ(上流端の開口28u,34uから下流端の開口28d,34dまでの距離(図1に示す距離Lt,Lb))が、以下の数式(6)で算出されるLの値以上の寸法に設定されている。なお、数式(6)において、rhはノズル部(タービンエアノズル孔28及びブレーキエアノズル孔34)の水力半径(内半径寸法をrとすれば、2×πr2/2πr=r(内半径)となる)、cfはノズル部の壁面(タービンエアノズル孔28及びブレーキエアノズル孔34の内周面)の粘性摩擦係数をそれぞれ示す。その際、粘性摩擦係数(cf)は、圧縮空気(タービンエア及びブレーキエア)の流速をv、ノズル部(タービンエアノズル孔28及びブレーキエアノズル孔34)の直径(内直径)をD、動粘度をνとした場合において、レイノルズ数(Re=vD/ν)を用いて、cf=0.0576×Re−0.2と与えられる。
ノズル部のノズル長(タービンエアノズル孔28のノズル長Lt及びブレーキエアノズル孔34ノズル長Lb)は、数式(6)によるLの算出値以上の寸法に設定されていれば、特に限定されず、エアモータの使用目的や使用条件などに応じて任意に設定することが可能である。一例として、本実施形態においては、ノズル部28,34のノズル長Lt,Lbが上記Lの算出値の5倍以上(5L≦Lt、5L≦Lb)の所定寸法に設定されている場合を想定する。
ノズル部28,34のノズル長Lt,Lbをこのような寸法設定(5L≦Lt、5L≦Lb)とすることで、チョーク状態でのノズル部(タービンエアノズル孔28及びブレーキエアノズル孔34)における圧縮空気(タービンエア及びブレーキエア)の入口流速(ve)を、音速(340[m/s])近くまで上昇させることが可能となる。すなわち、エアモータに要求される最大トルクから計算されるノズル部28,34の入口流速(ve)、当該ノズル部28,34の径寸法(水力半径)(rh)、圧縮空気の供給源の条件(具体的には、供給圧(p0)あるいは供給流量)に従って、当該エアモータのノズル部28,34の最適設計を行うことができる。
このように、羽根車4のタービン羽根(ブレード)10へ吹き付けるための圧縮空気(タービンエア及びブレーキエア)を供給するノズル部(タービンエアノズル孔28及びブレーキエアノズル孔34)における上記圧縮空気の入口流速(ve)、かかるノズル部28,34の径寸法(水力半径)(rh)、上記圧縮空気の供給条件(供給圧(p0)あるいは供給流量)に基づいてノズル部28,34の長さ(ノズル長)を設定することで、エアモータの回転時及び停止時の双方の観点から駆動効率の向上を効果的に図ることが可能となる。
なお、本実施形態においては、タービンエアノズル孔28及びブレーキエアノズル孔34をノズル部として、いずれのノズル長Lt,Lbについても上記Lの算出値以上の寸法、一例として、Lの算出値の5倍以上(5L≦Lt、5L≦Lb)の所定寸法に設定することを想定しているが、エアモータの回転効率に特化すれば、タービンエアノズル孔28のノズル長Ltのみを上記所定寸法(5L≦Lt)に設定するだけでも特段問題はなく、必ずしもブレーキエアノズル孔34のノズル長Lbを上記所定寸法(5L≦Lb)に設定しなくともよい。
ここで、直径(内直径)寸法が1.1[mm]、1.8[mm]及び2.5[mm]のノズル部(タービンエアノズル孔28及びブレーキエアノズル孔34)に一定流量の圧縮空気(タービンエア及びブレーキエア)を流動させた場合に設定すべきノズル長の具体例を以下に示す(図3から図8)。
図3に示すように、直径(内直径)寸法が1.1[mm]のノズル部に、流量20[NL/min]で圧縮空気を流動させる場合、数式(6)によるLの算出値は0.34[mm](L=0.34)となる。そして、ノズル長Lt,Lbを上記Lの算出値の1.0倍から40.0倍の範囲で所定寸法に設定した場合、20[NL/min]の圧縮空気の流量を確保するために必要な供給圧は、0.18[MPa]から0.24[MPa]の範囲となる。この場合の最低供給圧である0.18[MPa]を基準供給圧(ノズル長Lt,Lbが5.60[mm](16.5L)の場合に代表される供給圧)とすれば、当該基準供給圧に対するノズル長Lt,Lbの各設定寸法時(L≦Lt,Lb≦40L)における供給圧の比率(供給圧/基準供給圧、以下、供給圧比という)は、ノズル長Lt,LbがL[mm](L=0.34)及び4.4L[mm](L=1.50)の場合を除き、1.10よりも小さくなり、対基準供給圧の上昇率を10%未満に抑えることができる。
図4に示すように、直径(内直径)寸法が1.1[mm]のノズル部に、流量50[NL/min]で圧縮空気を流動させる場合、数式(6)によるLの算出値は0.40[mm](L=0.40)となる。そして、ノズル長Lt,Lbを上記Lの算出値の1.0倍から40.0倍の範囲で所定寸法に設定した場合、50[NL/min]の圧縮空気の流量を確保するために必要な供給圧は、0.44[MPa]から0.61[MPa]の範囲となる。この場合の最低供給圧である0.44[MPa]を基準供給圧(ノズル長Lt,Lbが6.40[mm](16.0L)の場合に代表される供給圧)とすれば、供給圧比は、ノズル長Lt,LbがL[mm](L=0.40)及び4.5L[mm](L=1.80)の場合を除き、1.10よりも小さくなり、対基準供給圧の上昇率を10%未満に抑えることができる。
図5に示すように、直径(内直径)寸法が1.8[mm]のノズル部に、流量50[NL/min]で圧縮空気を流動させる場合、数式(6)によるLの算出値は0.59[mm](L=0.59)となる。そして、ノズル長Lt,Lbを上記Lの算出値の1.0倍から40.0倍の範囲で所定寸法に設定した場合、50[NL/min]の圧縮空気の流量を確保するために必要な供給圧は、0.23[MPa]から0.16[MPa]の範囲となる。この場合の最低供給圧である0.16[MPa]を基準供給圧(ノズル長Lt,Lbが10.10[mm](17.1L)の場合に代表される供給圧)とすれば、供給圧比は、ノズル長Lt,LbがL[mm](L=0.59)及び4.4L[mm](L=2.60)の場合を除き、1.10よりも小さくなり、対基準供給圧の上昇率を10%未満に抑えることができる。
図6に示すように、直径(内直径)寸法が1.8[mm]のノズル部に、流量150[NL/min]で圧縮空気を流動させる場合、数式(6)によるLの算出値は0.74[mm](L=0.74)となる。そして、ノズル長Lt,Lbを上記Lの算出値の1.0倍から40.0倍の範囲で所定寸法に設定した場合、150[NL/min]の圧縮空気の流量を確保するために必要な供給圧は、0.68[MPa]から0.49[MPa]の範囲となる。この場合の最低供給圧である0.49[MPa]を基準供給圧(ノズル長Lt,Lbが12.60[mm](17.0L)の場合に代表される供給圧)とすれば、供給圧比は、ノズル長Lt,LbがL[mm](L=0.74)及び4.5L[mm](L=3.30)の場合を除き、1.10よりも小さくなり、対基準供給圧の上昇率を10%未満に抑えることができる。
図7に示すように、直径(内直径)寸法が2.5[mm]のノズル部に、流量150[NL/min]で圧縮空気を流動させる場合、数式(6)によるLの算出値は1.00[mm](L=1.00)となる。そして、ノズル長Lt,Lbを上記Lの算出値の1.0倍から40.0倍の範囲で所定寸法に設定した場合、150[NL/min]の圧縮空気の流量を確保するために必要な供給圧は、0.35[MPa]から0.26[MPa]の範囲となる。この場合の最低供給圧である0.26[MPa]を基準供給圧(ノズル長Lt,Lbが16.20[mm](16.2L)の場合に代表される供給圧)とすれば、供給圧比は、ノズル長Lt,LbがL[mm](L=1.00)及び4.4L[mm](L=4.40)の場合を除き、1.10よりも小さくなり、対基準供給圧の上昇率を10%未満に抑えることができる。
図8に示すように、直径(内直径)寸法が2.5[mm]のノズル部に、流量300[NL/min]で圧縮空気を流動させる場合、数式(6)によるLの算出値は1.10[mm](L=1.10)となる。そして、ノズル長Lt,Lbを上記Lの算出値の1.0倍から40.0倍の範囲で所定寸法に設定した場合、300[NL/min]の圧縮空気の流量を確保するために必要な供給圧は、0.51[MPa]から0.71[MPa]の範囲となる。この場合の最低供給圧である0.51[MPa]を基準供給圧(ノズル長Lt,Lbが18.70[mm](17.0L)の場合に代表される供給圧)とすれば、供給圧比は、ノズル長Lt,LbがL[mm](L=1.10)及び4.5L[mm](L=4.90)の場合を除き、1.10よりも小さくなり、対基準供給圧の上昇率を10%未満に抑えることができる。
以上を考慮すれば、ノズル部のノズル長(タービンエアノズル孔28のノズル長Lt及びブレーキエアノズル孔34ノズル長Lb)は、数式(6)によるLの算出値の5倍以上(5L≦Lt、5L≦Lb)の所定寸法に設定することが好ましい。すなわち、このような設定とすることで、圧縮空気の供給圧を特段上昇させることなく、チョーク状態でのノズル部(タービンエアノズル孔28及びブレーキエアノズル孔34)における圧縮空気(タービンエア及びブレーキエア)の入口流速(ve)を、音速(340[m/s])近くまで上昇させることが可能となる。
なお、エアモータに要求される最大トルクから計算される上記ノズル部(タービンエアノズル孔28及びブレーキエアノズル孔34)の入口流速(ve)、当該ノズル部28,34の径寸法(水力半径)(rh)、圧縮空気(タービンエア及びブレーキエア)の供給源の条件(具体的には、供給圧(p0)あるいは供給流量)に基づいて、かかるノズル部28,34のノズル長Lb,Ltを設定する場合、当該ノズル長Lb,Ltの寸法を大きくすると、それに伴って圧縮空気(タービンエア及びブレーキエア)の圧損も増大する。このため、所定の流量を確保するためには、かかる圧縮空気の供給圧も高める必要がある。
一方、上述した各具体例(図3から図8)に示すように、ノズル長Lb,Ltを数式(6)によるLの算出値の16倍から17倍程度に設定すれば、圧縮空気の供給圧を最低値(上述した各具体例における基準供給圧)程度に抑えることが可能となり、供給圧を過度に上昇させずに済む。
したがって、ノズル長Lb,Ltは、数式(6)によるLの算出値の16倍から17倍程度を上限値として所定寸法(5L≦Lt、5L≦Lb)に設定することが好ましい。
したがって、ノズル長Lb,Ltは、数式(6)によるLの算出値の16倍から17倍程度を上限値として所定寸法(5L≦Lt、5L≦Lb)に設定することが好ましい。
以上、本発明のある実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに、種々の変更、改良を行うことができる。例えば、他の実施形態のエアモータとして、使用目的や使用条件などに応じて上記静圧気体軸受の代わりに玉軸受を用いてもよい。以下、玉軸受を採用した本実施形態のエアモータを適用したスピンドル装置の一例について説明する。図9に示すように、本実施形態のエアモータを適用したスピンドル装置は、例えばハウジング102に対して回転可能に配置された主軸104と、主軸104に設けられたタービン駆動部106と、ハウジング102と主軸104との間に設けられ、ハウジング102に対して主軸104を回転可能に支持する複数の軸受108,110とを備えている。そして、当該スピンドル装置は、例えば圧縮空気などの流体の運動エネルギをタービン駆動部106によって回転運動に変換することで、主軸104を所望の速度で回転させることができるようになっている。
このようなスピンドル装置において、主軸104は、ハウジング102内に収容されており、その先端側がハウジング102を越えて当該主軸104の回転軸Lに沿って延出し、その基端側には、タービン駆動部106が構築されている。タービン駆動部106は、主軸104の回転軸Lを直交する方向に延在し、かつ当該回転軸Lと同心円状に形成された円板形状のタービン羽根車106aと、タービン羽根車106aの外周に沿って形成された複数の羽根106bとを備えている。
また、ハウジング102には、タービン駆動部106の複数の羽根106bに向けて開口したタービン用気流噴出口112が形成されており、タービン用気流噴出口112には、ハウジング102に形成されたタービン用給気路114を介して圧縮空気供給源(図示しない)が接続されている。
この場合、圧縮空気供給源から供給された圧縮空気を、タービン用給気路114を介してタービン用気流噴出口112から各羽根106bに吹き付けると、その気流が各羽根106bを周方向に押す圧力となって作用し、このときの押圧力がタービン羽根車106aを介して回転運動となって主軸104に伝達される。これにより、主軸104を、その回転軸Lを中心に所望の速度で回転させることができる。
この場合、圧縮空気供給源から供給された圧縮空気を、タービン用給気路114を介してタービン用気流噴出口112から各羽根106bに吹き付けると、その気流が各羽根106bを周方向に押す圧力となって作用し、このときの押圧力がタービン羽根車106aを介して回転運動となって主軸104に伝達される。これにより、主軸104を、その回転軸Lを中心に所望の速度で回転させることができる。
また、主軸104は、その先端側において、当該主軸104とハウジング102との間に設けられた複数の軸受108,110によって回転可能に支持されている。図面では一例として、ハウジング102と主軸104との間の領域において、その一端側(回転運動の出力側)の軸受108と、その他端側(回転運動の入力側)の軸受110の2つの軸受によって主軸104を支持する構成が示されている。
複数の軸受108,110は、それぞれ、ハウジング102に装着させる一方の軌道輪108a,110a(外輪)と、外輪108a,110aに対向して主軸104に装着させる他方の軌道輪108b,110b(内輪)と、これら外内輪間に沿って組み込まれる複数の転動体116,118とを備えた転がり軸受として構成されている。この場合、転動体116,118としては、玉やコロを適用することができるが、ここでは一例として、玉116,118を想定する。
また、図面では軸受108,110の一例として、一方の溝肩108c,110cが全部又は部分的に取り除かれた肩おとし内輪108b,110bを適用した転がり軸受108,110が示されているが、これに限定されることはなく、例えば、外内輪ともに一方の肩おとしがされたもの、或いは、外内輪ともに双方の溝肩を有するもの(例えば、深溝玉軸受)であってもよい。いずれにおいても、以下、複数の軸受108,110として、外内輪間に複数の転動体(玉)116,118が組み込まれた2つの玉軸受108,110を想定する。
なお、これら玉軸受108,110は、ハウジング102と主軸104との間において、一端側の玉軸受108と他端側の玉軸受110とは、肩おとし内輪108b,110bの背面108d,110d同士が間座120を介して対向配置されている。そして、その状態において、主軸104の先端側からカバー部材122をハウジング102に例えばネジ124等によって締結すると、そのとき一端側の玉軸受108(具体的には、外輪108a)に作用した力が、当該玉軸受108の転動体(玉)116及び内輪108bから間座120を介して他端側の玉軸受110(具体的には、内輪110b)に伝達され、当該玉軸受110の転動体(玉)118及び外輪110aを押圧する。
このとき、各玉軸受108,110には、所定の予圧が与えられ、その結果、主軸104に作用するラジアル荷重と、両方向のアキシアル荷重とを受けることができる状態に維持される。これにより、主軸104は、これら玉軸受108,110によってラジアル方向及びアキシアル方向に支持されることで、一定の回転軸Lを中心に回転することができる。
また、本実施形態では、上記したスピンドル装置において、一端側及び他端側の玉軸受108,110は、セラミック製の転がり軸受として構成されている。ここで、当該玉軸受108,110をセラミック化する仕様としては、外輪108a,110a、内輪108b,110b、転動体(玉)116,118のいずれか、或いは、その全てが、セラミックで形成されている場合がある。この場合、ハウジング102と主軸104との間の絶縁が必要な場合、及び、ハウジング102と主軸104との間の導通が必要な場合を想定する必要がある。
[構成例1:ハウジングとスピンドルとの間の絶縁が必要な場合]
ハウジング102と主軸104との間の絶縁が必要な場合には、外輪108a,110a、内輪108b,110b、転動体(玉)116,118のいずれか、或いは、その全てを非導電性(絶縁性)セラミックで形成すればよい。ここで、非導電性(絶縁性)セラミックとしては、例えば、アルミナ、ジルコニアなどの酸化物や、窒素珪素などの電気抵抗の高い絶縁材料を適用することができる。
この場合、例えば、各転動体(玉)116,118を上記したような非導電性(絶縁性)セラミックで形成した場合には、外輪108a,110aと内輪108b,110bの材質については、特に制限はされず、例えば高炭素クロム軸受鋼や特殊鋼(ステンレス鋼)などを適用することができる。
ハウジング102と主軸104との間の絶縁が必要な場合には、外輪108a,110a、内輪108b,110b、転動体(玉)116,118のいずれか、或いは、その全てを非導電性(絶縁性)セラミックで形成すればよい。ここで、非導電性(絶縁性)セラミックとしては、例えば、アルミナ、ジルコニアなどの酸化物や、窒素珪素などの電気抵抗の高い絶縁材料を適用することができる。
この場合、例えば、各転動体(玉)116,118を上記したような非導電性(絶縁性)セラミックで形成した場合には、外輪108a,110aと内輪108b,110bの材質については、特に制限はされず、例えば高炭素クロム軸受鋼や特殊鋼(ステンレス鋼)などを適用することができる。
なお、例えば、外輪108a,110aを上記したような非導電性(絶縁性)セラミックで形成した場合、内輪108b,110b及び転動体(玉)116,118を例えば高炭素クロム軸受鋼や特殊鋼(ステンレス鋼)で形成すればよい。これに対して、例えば、内輪108b,110bを上記したような非導電性(絶縁性)セラミックで形成した場合、外輪108a,110a及び転動体(玉)116,118を例えば高炭素クロム軸受鋼や特殊鋼(ステンレス鋼)で形成すればよい。
また、当該玉軸受108,110に封入する潤滑剤としては、例えば高速用グリースを適用することが好ましい。なお、高速用グリースとしては、例えばエステル油を基油として添加したものを適用することができる。
また、当該玉軸受108,110に封入する潤滑剤としては、例えば高速用グリースを適用することが好ましい。なお、高速用グリースとしては、例えばエステル油を基油として添加したものを適用することができる。
[構成例2:ハウジングとスピンドルとの間の導通が必要な場合]
ハウジング102と主軸104との間の導通が必要な場合には、外輪108a,110a、内輪108b,110b、転動体(玉)116,118の全てを導電性セラミックで形成すればよい。ここで、導電性セラミックとしては、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)などの酸化物に導電性セラミックス粒子を微細に分散した電気抵抗の低いセラミック材料を適用することができる。
ハウジング102と主軸104との間の導通が必要な場合には、外輪108a,110a、内輪108b,110b、転動体(玉)116,118の全てを導電性セラミックで形成すればよい。ここで、導電性セラミックとしては、例えば、酸化アルミニウム(アルミナ)、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)などの酸化物に導電性セラミックス粒子を微細に分散した電気抵抗の低いセラミック材料を適用することができる。
この場合、当該玉軸受108,110に封入する潤滑剤としては、例えば導電性グリースを適用することが好ましい。また、導電性グリースとしては、例えばカーボンブラック、金属粉、金属酸化物などを充填剤として添加したものを適用することができる。なお、導通とは、電流が流れる状態、即ち、通電可能な状態を指す。
以上、本実施形態によれば、上記したセラミック製の玉軸受108,110は、それ自体の剛性(軸受剛性)が高いため、ハウジング102に対して主軸104を堅牢に支持することができる。このため、スピンドル装置の稼働中におけるタービン駆動部106の旋回負荷の影響を受けることなく、主軸104の回転軸Lを一定に維持することができ、当該主軸104を一定の回転軸Lを中心に回転させることができる。この結果、スピンドル装置の稼働中に、例えば主軸104が変位してハウジング102と接触するようなことはない。
この場合、主軸104の回転状態(回転速度)を一定に保つことができるため、主軸104の回転速度を常に所望の速度に安定化させることができる。これにより、スピンドル装置が例えば静電塗装機に用いられている場合には、塗装対象物に対する塗装ムラを発生させることなく、当該塗装対象物を均一に塗装することができる。
また、上記した空気軸受では、その軸受サイズ(大きさ)によって剛性や負荷容量が決定されるため、スピンドル装置を大型化する必要があるが、当該空気軸受に代えて、それ自体の剛性(軸受剛性)が高いセラミック製の玉軸受108,110を適用することにより、スピンドル装置のコンパクト化を実現することができる。
また、上記した空気軸受では、その軸受サイズ(大きさ)によって剛性や負荷容量が決定されるため、スピンドル装置を大型化する必要があるが、当該空気軸受に代えて、それ自体の剛性(軸受剛性)が高いセラミック製の玉軸受108,110を適用することにより、スピンドル装置のコンパクト化を実現することができる。
これにより、空気軸受を適用した場合に比べて、スピンドル装置の稼働に要するコストを大幅に低減することができる。また、空気軸受を適用した場合に比べて、玉軸受108,110の個数を少なくすることができるため、スピンドル装置全体の部品点数を大幅に削減することが可能となり、その結果、スピンドル装置の製造に要するコストを大幅に低減することができる。
更に、セラミック製の玉軸受108,110は、空気軸受に比べて、その回転性能を高めることができるため、スピンドル装置に要求されている高速回転化(例えば、1分間で60,000回転(rpm)の高速回転化)への対応を可能にすることができる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、以下の各変形例に係る技術思想も本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、以下の各変形例に係る技術思想も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば図11に示すように、上記した構成例1,2において、各玉軸受108,110にシール構造を施すようにしてもよい。図面ではシール構造の一例として、各玉軸受108,110には、転動体(玉)116,118の両側に、外輪108a,110aと内輪108b,110bとの間に区画される軸受内部空間を軸受外部から密封するための密封板126が設けられている。
ここで、密封板126としては、例えば金属板をプレス加工した環状のシールドや、心金入りのゴム製を成すシールを適用することができる。なお、図面では一例として、基端が外輪108a,110aの内周に固定され、先端が内輪108b,110bに向けて延出した密封板126を適用した構成が示されているが、これとは逆に、基端が内輪108b,110bの外周に固定され、先端が外輪108a,110aに向けて延出した密封板126を適用して構成してもよい。この場合、密封板126としてシールを適用した場合には、当該シール126の先端を、相手側軌道輪(即ち、外輪108a,110a、内輪108b,110b)に対して接触させてもよいし、或いは、接触させずに狭い隙間が保たれるようにしてもよい。
以上、本変形例によれば、上記した実施形態に係る効果に加えて、更に、各玉軸受108,110に密封板126を適用したことにより、当該玉軸受108,110の軸受内部空間に封入された潤滑剤(具体的には、上記した構成例1では高速用グリース、上記した構成例2では導電性グリース)が、軸受外部へ漏洩したり、飛散したりすることを確実に防止することができる。これにより、当該玉軸受108,110の回転性能や潤滑性能を長期に亘って一定に維持することができるため、スピンドル装置の長寿命化を図ることができる。
また、例えば図10に示すように、少なくとも一端側の玉軸受108をセラミック製の転がり軸受として構成するようにしてもよい。なお、図面では一例として、当該玉軸受108は、内輪108bの背面108dがハウジング102に当て付けられるように、ハウジング102と主軸104との間に設けられているが、これにより、本発明の技術範囲が限定されるものではない。
この場合、他端側の軸受としては、その種類は特に制限されないが、図面では一例として、空気軸受が適用されており、かかる空気軸受は、ハウジング102に対して主軸104をラジアル方向に支持するラジアル空気軸受128と、当該主軸104をアキシアル方向に支持するアキシアル空気軸受130とを備えて構成されている。
ラジアル空気軸受128は、主軸104の外周を覆うように回転軸Lと同心円状に配置された中空円筒状の多孔質部材128aを備えており、一方、アキシアル空気軸受130は、タービン駆動部106のタービン羽根車106aの片側(回転軸Lに沿った方向の片側)に沿って対向配置された環状の多孔質部材130aを備えている。また、ハウジング102には、各多孔質部材128a,130aに圧縮空気を供給するための圧縮空気給気路132が構築されており、当該圧縮空気給気路132には、図示しない圧縮空気供給源が接続されている。
このような空気軸受によれば、圧縮空気供給源から圧縮空気給気路132に圧縮空気等の気流を供給すると、その気流は、各多孔質部材128a,130aを通って主軸104の外周及びタービン羽根車106aの片側に向けて吹き付けられる。このとき、主軸104と多孔質部材128aとの間が非接触状態に保持されると共に、タービン駆動部106のタービン羽根車106aの片側と多孔質部材130aとの間が非接触状態に保持される。
ここで、一端側の玉軸受108は、それ単体で主軸104をラジアル方向及びアキシアル方向に支持することができるため、アキシアル空気軸受130の多孔質部材130aは、タービン駆動部106のタービン羽根車106aを挟むように両側に設ける必要はなく、片側のみで足りる。これにより、タービン駆動部106を含めて主軸104の全体が、一端側の玉軸受108によってハウジング102に対して支持されると共に、他端側の空気軸受128,130によってハウジング102から浮上支持される。
以上、本変形例によれば、上記した実施形態に係る効果に加えて、更に、一端側の玉軸受108をセラミック製の転がり軸受とし、他端側の軸受のみを空気軸受128,130としたことにより、従来のスピンドル装置に比べて、空気軸受128,130の配置個数を大幅に削減することができる。これにより、空気軸受128,130に使用する空気流量を大幅に低減することができるため、スピンドル装置の稼働に要するコストを大幅に低減することができる。
2 主軸
4 羽根車
10 タービン羽根
12 ハウジング
14 軸受(ラジアル静圧気体軸受)
16 軸受(アキシアル静圧気体軸受)
28 ノズル部(タービンエアノズル孔)
34 ノズル部(ブレーキエアノズル孔)
4 羽根車
10 タービン羽根
12 ハウジング
14 軸受(ラジアル静圧気体軸受)
16 軸受(アキシアル静圧気体軸受)
28 ノズル部(タービンエアノズル孔)
34 ノズル部(ブレーキエアノズル孔)
なお、上記軸受は、静圧気体軸受であることが好ましい。
また、上記軸受のうち、少なくとも一端側の軸受は、セラミック製の転がり軸受として構成されていることが好ましい。
また、上記転がり軸受は、上記ハウジングに装着させる一方の軌道輪と、一方の軌道輪に対向してスピンドルに装着させる他方の軌道輪と、これら軌道輪間に沿って組み込まれる複数の転動体とを備えており、
また、上記軸受のうち、少なくとも一端側の軸受は、セラミック製の転がり軸受として構成されていることが好ましい。
また、上記転がり軸受は、上記ハウジングに装着させる一方の軌道輪と、一方の軌道輪に対向してスピンドルに装着させる他方の軌道輪と、これら軌道輪間に沿って組み込まれる複数の転動体とを備えており、
Claims (8)
- ハウジングと、前記ハウジングの内側に挿通された主軸と、前記主軸の一部で前記ハウジングの内側に配される部分に当該主軸と同心に固定され、外周面に複数のタービン羽根が形成された羽根車と、前記主軸及び前記羽根車を前記ハウジングに対して回転自在に支持するための軸受と、前記羽根車を周方向へ回転させるべく、圧縮空気を前記各タービン羽根に向けて噴出するための管状もしくは孔状の流路を有する少なくとも1つのノズル部とを備えたエアモータであって、
前記ノズル部の流路の水力半径をrh、前記流路の路面の粘性摩擦係数をcf、前記圧縮空気の比熱比をkとするとともに、前記流路の入口における前記圧縮空気の流速をve、音速をa0としてM1=ve/a0とした場合、
前記ノズル部の流路は、その長さが前記Lの算出値以上の寸法に設定されていることを特徴とするエアモータ。 - 前記ノズル部の流路は、その長さが前記Lの算出値の5倍以上の寸法に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のエアモータ。
- 前記軸受が静圧気体軸受であることを特徴とする請求項1に記載のエアモータ。
- 前記軸受のうち、少なくとも一端側の軸受は、セラミック製の転がり軸受として構成されていることを特徴とする請求項1に記載のエアモータ。
- 前記転がり軸受は、前記ハウジングに装着させる一方の軌道輪と、一方の軌道輪に対向してスピンドルに装着させる他方の軌道輪と、これら軌道輪間に沿って組み込まれる複数の転動体とを備えており、
双方の軌道輪及び転動体のいずれか、或いは、その全てが、セラミックで形成されていることを特徴とする請求項4に記載のエアモータ。 - 双方の軌道輪及び転動体のいずれか、或いは、その全てが非導電性セラミックで形成されていることを特徴とする請求項5に記載のエアモータ。
- 双方の軌道輪及び転動体の全てが導電性セラミックで形成されていることを特徴とする請求項5に記載のエアモータ。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のエアモータを備えたことを特徴とする静電塗装装置。
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