JPWO2012063619A1 - 絶縁電線 - Google Patents

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Abstract

再生可能なバイオマス資源を用いて環境負荷の低減を図ることができるとともに、バイオマス資源を用いた場合においても耐水性に優れる絶縁電線を提供すること。導体と、前記導体の外周を被覆する絶縁体とを備えた絶縁電線において、前記絶縁体は、下記の一般式(1)および一般式(2)で表される単位構造を繰り返し単位に含む生分解性樹脂を含有する樹脂組成物よりなる。【化1】【化2】ただし、R1およびR2は、炭素数1以上のアルキル基を表す。aおよびbは、1以上の自然数を表す。

Description

本発明は、絶縁電線に関するものであり、さらに詳しくは、自動車、電気・電子機器等に好適な絶縁電線に関するものである。
従来から、例えば自動車や電気・電子機器等に配線される絶縁電線には、ポリオレフィンなどの化石資源(石油資源)を原料とする樹脂を絶縁体(絶縁被覆)に用いたものが知られている。周知の通り、化石資源は限りある資源である。また、化石資源から生産された製品を焼却廃棄すると、大気中のCO濃度の上昇に繋がる。
最近、地球環境への配慮から、バイオマス資源が注目されている。バイオマス資源は、植物等の現生生物由来の、比較的短期間で再生可能な資源である。また、バイオマス資源に含まれる炭素は、そのバイオマスが成長過程で光合成により大気中から吸収されたCOに由来するため、バイオマス資源は大気中のCO濃度のバランスを維持する面を有する。さらに、バイオマス資源の多くは生分解性を有するため、バイオマス資源から生産されたバイオマスプラスチック製品は、使用後に埋め立て処理できる場合がある。なにより、バイオマス資源を用いることで化石資源の使用量を低減できる。したがって、バイオマス資源を用いることにより、環境負荷の低減を図ることができる。
従来、バイオマス資源を用いて得られた生分解性樹脂は、その機械特性から、主に成形部品に用いる試みはなされているものの、自動車等の電線分野で用いる試みはあまりなされていない(特許文献1など)。
特開2007−191547号公報
自動車等の電線分野でこのような生分解性樹脂を用いる場合には、電線を配策する場所の特殊性から、電線として求められる各種機械特性の他、耐水性を備えていることが求められる。しかしながら、生分解性樹脂は、ポリエステルからなるものであり、その分子構造から十分な耐水性を備えていないのが現状である。
本発明が解決しようとする課題は、再生可能なバイオマス資源を用いて環境負荷の低減を図るとともに、バイオマス資源を用いた場合においても耐水性に優れる絶縁電線を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る絶縁電線は、導体と、前記導体の外周を被覆する絶縁体とを備えた絶縁電線において、前記絶縁体は、下記の一般式(1)および一般式(2)で表される単位構造を繰り返し単位に含む生分解性樹脂を含有する樹脂組成物よりなることを要旨とするものである。
Figure 2012063619
Figure 2012063619
ただし、RおよびRは、炭素数1以上のアルキル基を表す。aおよびbは、1以上の自然数を表す。
この際、一般式(1)および一般式(2)において、RおよびRのうちの少なくとも一方は、炭素数2以上のアルキル基であることが好ましい。この場合、一般式(1)および一般式(2)において、a=b=1であることが好ましい。このとき、一般式(1)において、Rは炭素数1のアルキル基であることが好ましい。また、一般式(2)において、Rは炭素数2〜3のアルキル基であることが好ましい。
本発明に係る絶縁電線によれば、導体の外周を被覆する絶縁体が、一般式(1)および一般式(2)で表される特定の単位構造を繰り返し単位に含む生分解性樹脂を含有する樹脂組成物よりなることから、環境負荷の低減を図ることができるとともに、バイオマス資源を用いた場合においても耐水性に優れる。
この際、一般式(1)および一般式(2)において、RおよびRのうちの少なくとも一方が炭素数2以上のアルキル基であると、側鎖の炭素数の増加により、さらに耐水性が向上する。また、このように耐水性が向上する場合にも、十分な生分解性を備えている。
そして、一般式(1)および一般式(2)において、a=b=1であると、生分解性樹脂は3−ヒドロキシアルカノエートを繰り返し単位とするものであり、得られやすい利点がある。このとき、一般式(1)において、Rが炭素数1のアルキル基であると、3−ヒドロキシブチレートを繰り返し単位に含むことから、生分解性に優れる。また、一般式(2)において、Rが炭素数2〜3のアルキル基であると、生分解性樹脂は3−ヒドロキシブチレートを含む3−ヒドロキシアルカノエートの共重合体からなるため、絶縁電線の絶縁体に要求される強度を十分に満足できる。
次に、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明に係る絶縁電線の構成としては、軟銅線等よりなる導体と、導体の外周に被覆された絶縁層とを備えた構成や、導体と、絶縁層と、編組等により構成され、絶縁層の外周に被覆されたシールド導体と、シールド導体の外周に被覆されたシースとを備えた構成などを示すことができる。
本発明に係る樹脂組成物(以下、本組成物ということがある。)を用いた絶縁体は、絶縁電線の絶縁層であっても良いし、絶縁電線のシースであっても良いし、絶縁層とシースの両方であっても良い。
本組成物は、特定の生分解性樹脂を含むものからなる。特定の生分解性樹脂は、バイオマス資源から生産されるものである。バイオマス資源は、再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたものである。特定の生分解性樹脂は、その構造の一部に、バイオマス資源から生産されたものを含むものであっても良いし、その構造の全部が、バイオマス資源から生産されたものであっても良い。
特定の生分解性樹脂は、下記の一般式(1)および一般式(2)で表される単位構造を繰り返し単位に含むものからなる。すなわち、炭素数4以上のヒドロキシアルカノエートを繰り返し単位に含むポリヒドロキシアルカノエートからなる。特定の単位構造は、ポリ乳酸の単位構造よりもアルキル部分が増加しているため、特定の生分解性樹脂の撥水性が高まって耐水性が向上するものと推察される。
Figure 2012063619
Figure 2012063619
ただし、RおよびRは、炭素数1以上のアルキル基を表す。アルキル基は、直鎖状アルキル基であっても良いし、分岐状アルキル基であっても良い。aおよびbは、1以上の自然数を表す。
特定の生分解性樹脂は、一般式(1)および一般式(2)で表される単位構造を繰り返し単位とするものであっても良いし、下記の一般式(1)および一般式(2)で表される単位構造以外の他の単位構造を繰り返し単位として1種以上含むものであっても良い。
他の単位構造としては、乳酸に由来するラクテート、酢酸セルロースなどを挙げることができる。他の単位構造を含む場合には、耐水性を確保するなどの観点から、他の単位構造の割合は10%未満であることが好ましい。より好ましくは5%未満である。
特定の生分解性樹脂としては、耐水性に優れるなどの観点から、一般式(1)および一般式(2)で表される単位構造を繰り返し単位とするものがより好ましい。
一般式(1)および一般式(2)で表される構造は、互いに同じ構造であっても良いし、互いに異なる構造であっても良い。物性の改良を行いやすいなどの観点からいえば、これらは互いに異なる構造であることが好ましい。
これらが互いに異なる構造である場合においては、一般式(1)で表される構造をA、一般式(2)で表される構造をBと表したときに、特定の生分解性樹脂は、下記の式(3)に示すようにブロック重合体であっても良いし、下記の式(4)に示すようにランダム重合体であっても良い。ただし、式(3)において、m,nは、1以上の自然数を表す。すなわち、式(3)は、一般式(1)で表される構造がmだけ繰り返されたブロックと、一般式(2)で表される構造がnだけ繰り返されたブロックとの共重合体であることを示している。
Figure 2012063619
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一般式(1)および一般式(2)において、RおよびRの炭素数は10以下であることが好ましい。また、aおよびbは、10以下の自然数であることが好ましい。R,Rの炭素数や、a,bが10を超えると、生分解性樹脂の生産が難しく、生産性に劣る。
ここで、一般式(1)および一般式(2)において、RおよびRのうちの少なくとも一方は、炭素数2以上のアルキル基であることが好ましい。より好ましくは3以上のアルキル基である。側鎖の炭素数の増加により、さらに耐水性が向上する。これは、側鎖の炭素数の増加により、撥水性が高まるためと推察される。また、このように耐水性が向上する場合にも、十分な生分解性を備えている。
また、一般式(1)および一般式(2)において、a=b=1であることが好ましい。この場合、生分解性樹脂は、下記の式(5)に示される3−ヒドロキシカルボン酸に由来する3−ヒドロキシアルカノエートを繰り返し単位とするポリ3−ヒドロキシアルカノエートである。ただし、Rは、炭素数1以上のアルキル基を表している。ポリ3−ヒドロキシアルカノエートは、例えば微生物が細胞内でメタンなどから合成できるため、得られやすい利点がある。微生物が生産するポリ3−ヒドロキシアルカノエートはポリ3−ヒドロキシブチレートが主であるが、栄養源を変えることで種々のポリ3−ヒドロキシアルカノエートを生産できる。
Figure 2012063619
そして、一般式(1)および一般式(2)において、RおよびRのうちの少なくとも一方が炭素数2以上のアルキル基であるときには、a=b=1であることが好ましい。
一般式(1)および一般式(2)において、a=b=1であるときには、RおよびRの炭素数は5以下であることが好ましい。この条件であれば、生分解性樹脂を生産しやすい利点がある。
また、一般式(1)および一般式(2)において、a=b=1であるときには、一般式(2)においてRが炭素数2以上のアルキル基であり、一般式(1)においてRが炭素数1のアルキル基であることが好ましい。この場合には、3−ヒドロキシブチレートを繰り返し単位に含むことから、生分解性に優れる。
また、一般式(1)および一般式(2)において、a=b=1であるときには、一般式(1)においてRが炭素数1のアルキル基であり、一般式(2)においてRが炭素数2〜3のアルキル基であることが好ましい。この場合には、生分解性樹脂は、3−ヒドロキシブチレートを含む3−ヒドロキシアルカノエートの共重合体からなるため、絶縁電線の絶縁体に要求される強度を十分に満足できる。
特定の生分解性樹脂において、一般式(1)あるいは一般式(2)で表される単位構造としては、具体的には、例えば、3−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシヘキサン酸、3−ヒドロキシヘプタン酸などを挙げることができる。
特定の生分解性樹脂は、例えば、培養された微生物から抽出することにより製造することができる。
本組成物においては、樹脂成分が特定の生分解性樹脂のみで構成されていても良いし、特定の生分解性樹脂以外に、物性を損なわない範囲で、必要に応じて、他の樹脂成分を含有していても良い。他の樹脂成分としては、塩化ビニル樹脂、オレフィン系樹脂、他の生分解性樹脂、ポリアミド樹脂などを挙げることができる。
本組成物が他の樹脂成分を含有する場合には、特定の生分解性樹脂の含有量としては、特に限定されるものではないが、バイオマス資源を用いて環境負荷の低減を図るなどの観点から、本組成物の樹脂成分中における割合として、5質量%以上であることが好ましい。より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上である。
塩化ビニル樹脂は、市販のものを用いることができる。このようなものとしては、昭和電工社製「エラスレン」シリーズや、大洋塩ビ社製「リューロン」シリーズなどを挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
塩化ビニル樹脂は、可塑剤を含有していても良い。可塑剤としてはジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジイソデシルフタレート(DINP)、ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)などを挙げることができる。
オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンや、エチレン−ビニル酢酸共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)等のエチレン共重合体、プロピレン−ビニル酢酸共重合体、プロピレン−アクリル酸エチル共重合体等のプロピレン共重合体などを挙げることができる。ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセンポリエチレンなどを挙げることができる。ポリプロピレンとしては、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレンなどを挙げることができる。オレフィン系樹脂は、酸無水物やカルボン酸等により変性されていても良いし、変性されていなくても良い。
オレフィン系樹脂としては、耐摩耗性に優れる組成物が得られるなどの観点から、ポリプロピレンである。特に好ましくは、耐寒性と耐摩耗性とのバランスに優れる組成物が得られるなどの観点から、ポリプロピレンのうちでも、ポリエチレンとのブロック共重合体(ブロックポリプロピレン)である。
他の生分解性樹脂としては、特定の生分解性樹脂以外の脂肪族ポリエステルおよびその誘導体、多糖類およびその誘導体などを挙げることができる。他の生分解性樹脂としては、ポリ乳酸、ポリブチレンスクシネート、セルロース、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体を挙げることができる。セルロースおよびセルロース誘導体は、木材等から得られるものであり、非可食性であるため、食料とのトレードオフの問題も生じにくい。
本組成物中には、上記成分以外に、物性を損なわない範囲で、必要に応じて、脱水剤が含まれていても良い。脱水剤は、絶縁電線の絶縁体に水分が浸入した場合に、その水分を取り込み、特定の生分解性樹脂に水分が接触するのを抑えるものである。これにより、例えば絶縁体が水分と接触するようなことがあったとしても、絶縁体中の特定の生分解性樹脂の加水分解を防止できる。したがって、特定の生分解性樹脂としたことによる耐水性の向上とともに、特定の生分解性樹脂が水分に接触する機会が抑えられることによる耐水性の向上を図ることができる。
このような脱水剤としては、カルボジイミド、ベンゾトリアゾール、スクシンイミド、および、これらの誘導体を挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。これらのうちでは、特定の生分解性樹脂の加水分解を防止する効果が特に高いなどの観点から、カルボジイミドおよびその誘導体がより好ましい。
カルボジイミドおよびその誘導体としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、3−(ジメチルアミノ)プロピルエチルカルボジイミド、tert−ブチルエチルカルボジイミド、ジ−tert−ブチルカルボジイミドなどを挙げることができる。これらのうちでは、量産化しやすいなどの観点から、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミドが好ましい。
ベンゾトリアゾールおよびその誘導体としては、ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール、1−(メトキシメチル)−1H−ベンゾトリアゾール、1−(クロロメチル)−1H−ベンゾトリアゾールなどを挙げることができる。
スクシンイミドおよびその誘導体としては、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ブロモアセトキシスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、オルト−(2−クロロベンジルオキシカルボニル)−N−ヒドロキシスクシンイミドなどを挙げることができる。
脱水剤の含有量としては、特定の生分解性樹脂を含む樹脂成分100質量部に対し、0.1〜20質量部の範囲内であることが好ましい。より好ましくは1〜15質量部の範囲内、さらに好ましくは3〜15質量部の範囲内である。脱水剤の含有量が0.1質量部未満では、耐水性の向上効果が低下しやすい。一方、脱水剤の含有量が20質量部を超えても、耐水性の向上効果が高止まりになる。また、特定の生分解性樹脂を含む樹脂成分との相溶性が低下して、絶縁体の摩耗性、外観が悪化しやすい。
本組成物中には、上記成分以外に、物性を損なわない範囲で、必要に応じて、添加剤を適宜配合することができる。添加剤としては、例えば、難燃剤、酸化防止剤、銅害防止剤(金属不活性化剤)、紫外線吸収剤、紫外線隠蔽剤、加工助剤(ワックスなど)、顔料、相溶化剤、可塑剤などを挙げることができる。難燃剤としては、窒素系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、金属水和物などを挙げることができる。
窒素系難燃剤としては、メラミンイソシアヌレートなどを挙げることができる。窒素系難燃剤の配合量は、樹脂成分100質量部に対して、通常、5〜100質量部の範囲であれば、自動車等の絶縁電線に要求される難燃性が十分に確保できる。窒素系難燃剤の配合量は、より好ましくは、ベース樹脂100質量部に対して、10〜95質量部であり、さらに好ましくは15〜90質量部である。
ハロゲン系難燃剤としては、エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)などを挙げることができる。ハロゲン系難燃剤の配合量は、樹脂成分100質量部に対して、通常、5〜90質量部の範囲であれば、自動車等の絶縁電線に要求される難燃性が十分に確保できる。ハロゲン系難燃剤の配合量は、より好ましくは、ベース樹脂100質量部に対して、10〜85質量部であり、さらに好ましくは15〜80質量部である。
金属水和物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウムなどを挙げることができる。このうち、水酸化マグネシウムが特に好ましい。金属水和物の平均粒径は、好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.2〜10μm、さらに好ましくは0.5〜5μmである。平均粒径が0.1μm未満では、二次凝集が起こりやすく、本組成物の機械特性が低下しやすい。平均粒径が20μmを超えると、絶縁電線の外観が悪化しやすい。
金属水和物の配合量は、樹脂成分100質量部に対して、通常、30〜250質量部の範囲であれば、自動車等の絶縁電線に要求される難燃性が十分に確保できる。金属水和物の配合量は、より好ましくは、ベース樹脂100質量部に対して、50〜200質量部であり、さらに好ましくは60〜180質量部である。
金属水和物は、有機高分子により表面処理されていることが好ましい。このような有機高分子としては、オレフィン系樹脂などを挙げることができる。金属水和物の表面処理剤として用いるオレフィン系樹脂としては、特定の生分解性樹脂とともに本組成物のマトリックスポリマーとして好適に用いられる樹脂成分として上記したオレフィン系樹脂の他、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等のα−オレフィンの単独重合体、もしくは相互共重合体、あるいはそれらの混合物等を挙げることができる。
金属水和物の表面処理剤は、カルボン酸等により変性されていても良い。表面処理剤の変性は、例えば、不飽和カルボン酸やその誘導体等を変性剤として用い、上記のαオレフィン重合体等の重合体にカルボキシル基(酸)を導入して酸変性する方法が挙げられる。上記変性剤としては具体的には、不飽和カルボン酸としてはマレイン酸、フマル酸等が挙げられ、その誘導体としては無水マレイン酸(MAH)、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル等が挙げられる。変性剤としては、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましい。またこれらの変性剤は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
表面処理剤に酸を導入する酸変性方法としては、グラフト重合や直接法等が挙げられる。また、酸変性量としては、変性剤の使用量として、通常、重合体に対して0.1〜20質量%程度であり、好ましくは0.2〜10質量%、更に好ましくは0.2〜5質量%である。
金属水和物を表面処理剤で処理する際の表面処理方法は特に限定されず、各種処理方法を用いることができる。金属水和物の表面処理方法としては、例えば、金属水和物の粉砕等と同時に行う方法や、予め粉砕等した金属水和物と表面処理剤を混合して後から処理する方法が挙げられる。また、処理方法としては、溶媒を用いた湿式処理方法、溶媒を用いない乾式処理方法のいずれでもよい。
金属水和物の湿式処理に用いられる溶媒は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素等が用いられる。また、金属水和物の表面処理は、本組成物の調製時に、金属水和物とベース樹脂等に表面処理剤を加えて組成物を混練する際に同時に処理を行う方法でもよい。
本発明に係る絶縁電線は、例えば、導体の外周に本組成物を押出成形するなどして、製造することができる。本組成物の調製方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、本組成物の必須成分および任意添加成分をバンバリミキサー、加圧ニーダー、混練押出機、二軸混練押出機、ロール等の通常の混練機で溶融混練して均一に分散することで、本組成物を調製することができる。
以上の構成の本発明に係る絶縁電線においては、絶縁体を構成する材料にバイオマス資源を用いているため、従来の絶縁電線と比較して、化石資源の使用量を低減できる。また、バイオマス資源は、化石資源と比較して、比較的短期に再生可能な資源であり、カーボンニュートラルな性質を有する。したがって、本発明に係る絶縁電線によれば、従来よりも環境負荷の低減を図ることができる。
また、本発明に係る絶縁電線においては、絶縁体を構成する材料に、特定の生分解性樹脂を用いているため、環境負荷の低減を図ることができるとともに、バイオマス資源を用いた場合においても耐水性に優れる。これは、特定の生分解性樹脂における特定の単位構造が、ポリ乳酸の単位構造よりもアルキル部分が増加しているため、特定の生分解性樹脂の撥水性が高まって耐水性が向上しているためと推察される。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(生分解性樹脂<1>〜<6>の合成)
微生物培養における発酵条件を調整することにより、下記の一般式(6)に示す構造よりなる生分解性樹脂<1>〜<6>を合成した。なお、合成した生分解性樹脂は、プロトン−NMR法、カーボン−NMR法、IR法によりその構造を同定した。ただし、mは、一般式(1)で表される単位構造からなる繰り返し単位の割合(1〜100の自然数)を示す。RおよびRは、炭素数1以上のアルキル基を表す。aおよびbは、1以上の自然数を表す。
Figure 2012063619
(他のバイオマスプラスチック成分)
・ポリ乳酸(V351X51):東レ社製
・ポリ乳酸(V554R10):東レ社製
・ポリ乳酸(TCA8070MN):ユニチカ社製
・酢酸セルロース(15300−26):ダイセル社製
・酢酸セルロース(15300−31):ダイセル社製
・ポリブチレンスクシネート(NF01U):ケミテック社製
・ポリブチレンスクシネート(ビオノーレ1020):昭和高分子社製
(添加剤成分)
・酸化防止剤(イルガノックス1010):チバスペシャリティケミカルズ社製
(実施例1〜6)
表1に記載の成分組成(質量部)となるように、特定の生分解性樹脂成分および添加剤を加え、二軸混練機を用いて200℃で混合した後、ペレタイザーにてペレット状に成形して樹脂組成物のペレットを得た。このペレットを押出成形機により、軟銅線を7本撚り合わせた軟銅撚線の導体(断面積:0.5mm)の外周に0.2mm厚で押出して、樹脂組成物からなる絶縁体により導体が被覆された実施例1〜6に係る絶縁電線を得た。
(比較例1〜7)
特定の生分解性樹脂に替えて他のバイオマスプラスチック成分を用いた点以外、実施例と同様にして、比較例1〜7に係る絶縁電線を得た。
実施例及び比較例で得られた絶縁電線を用いて、耐寒性試験及び耐水性試験を行った。試験の結果を表1〜2に示す。耐寒性試験方法及び耐水性試験方法は下記の通りである。
〔耐寒性試験方法〕
JIS C3005に準拠して行った。すなわち、実施例、比較例の絶縁電線を38mmの長さに切断し試験片とし、試験片を耐寒性試験機に装着し、所定の温度まで冷却し、打撃具で打撃して、試験片の打撃後の状態を観察した。5本の試験片を用いて、5本の試験片が全て割れた温度を耐寒温度とした。
〔耐水性試験方法〕
ISO6722に準拠して、実施例、比較例の絶縁電線を80℃の温水に5週間浸漬した後、絶縁体の絶縁抵抗値を測定した。絶縁抵抗値が1×10Ω・mm以上であったものを合格「○」とし、絶縁抵抗値が1×10Ω・mm未満であったものを不合格「×」とした。
Figure 2012063619
Figure 2012063619
比較例は、樹脂成分がポリ乳酸、酢酸セルロース、あるいは、ポリブチレンスクシネートのみからなるものであり、耐水性に劣っている。これに対し、実施例は、樹脂成分が特定の生分解性樹脂であり、耐寒性を維持しつつ、耐水性に優れることが確認できた。
したがって、本発明に係る絶縁電線によれば、再生可能なバイオマス資源を用いて環境負荷の低減を図ることができるとともに、この場合においても耐水性に優れる絶縁電線が得られることが確認できた。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。

Claims (5)

  1. 導体と、前記導体の外周を被覆する絶縁体とを備えた絶縁電線において、
    前記絶縁体は、下記の一般式(1)および一般式(2)で表される単位構造を繰り返し単位に含む生分解性樹脂を含有する樹脂組成物よりなることを特徴とする絶縁電線。
    Figure 2012063619
    Figure 2012063619
    ただし、RおよびRは、炭素数1以上のアルキル基を表す。aおよびbは、1以上の自然数を表す。
  2. 前記一般式(1)および一般式(2)において、RおよびRのうちの少なくとも一方は、炭素数2以上のアルキル基であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁電線。
  3. 前記一般式(1)および一般式(2)において、a=b=1であることを特徴とする請求項2に記載の絶縁電線。
  4. 前記一般式(1)において、Rは炭素数1のアルキル基であることを特徴とする請求項3に記載の絶縁電線。
  5. 前記一般式(2)において、Rは炭素数2〜3のアルキル基であることを特徴とする請求項4に記載の絶縁電線。
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