JPWO2012046580A1 - 排ガス浄化装置及びその温度制御方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、可燃性有毒成分を含有する排ガスを浄化する排ガス浄化装置(1,501)である。本発明の排ガス浄化装置は、それぞれに蓄熱体(11)が内設され且つ一組の給気口・排気口(21,23)が設けられた複数の蓄熱室(13)と、これらの複数の蓄熱室の上方に連通して形成された燃焼室(15)と、蓄熱室の各々の給気口・排気口に取付けられ蓄熱室への吸気・排気を切替えるための排気・吸気弁(17,19)と、燃焼室に設けられた加熱バーナ(25)と、燃焼室から余剰熱を排出する熱排出ダンパ(27)と、燃焼室温度(t1)に基づき、加熱バーナの着火・消火を行うと共に、熱排出ダンパの開度を調整して燃焼室温度が設定値(SP)となるように温度制御を行うマイクロコンピュータ(MC)と、を有する。このマイロコンピュータは、排ガスが蓄熱体を通過するとき自燃温度以上に昇温して燃焼室に到達する前に燃焼する早期燃焼であるか否かを判定し、早期燃焼と判定したときには、熱排出ダンパを強制開すると共に加熱バーナを消火する早期燃焼対策操作を実行し、この後に早期燃焼ではないと判定したときには、早期燃焼対策操作を解除する。

Description

本発明は、可燃性有害成分を含有する排ガスの浄化処理を行う排ガス浄化装置及びその温度制御方法に関する。
従来から、特開2004−77017号公報に記載されているように、接着剤使用・印刷・塗装・有機溶剤洗浄施設、化学工場等から発生する揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compound)等の可燃性有毒成分を含有する排ガスの浄化処理に排ガス浄化装置が用いられている。
この排ガス浄化装置は、例えば、一対の給気・排気弁が取付けられた給気口・排気口を備えるとともに蓄熱体を内設した蓄熱室を複数個備えている。それらの蓄熱室の上方に連通する燃焼室を備える。この蓄熱燃焼式の排ガス浄化装置においては、蓄熱室の給気・排気弁により排ガスの給気・排気を切替えて運転することにより、排ガスの浄化処理運転が行われるようになっている。
上述のような蓄熱燃焼式の排ガス浄化装置の1基(1台)に対して、排ガス浄化装置の有効利用及び工場内省スペース化の見地から、複数の排ガス発生源と接続することが望まれる。このように、1台の排ガス浄化装置に対して複数の排ガス発生源と接続する場合には、排ガス浄化装置の燃焼室の温度が低下し、排ガスの排気温度が異常上昇する可能性があるという問題があった。この問題は、排ガスが低風量・高濃度の状態になったときに発生しやすい。燃焼室の温度が異常に低下すると排ガス中のVOCが分解不能となり、排ガスの浄化処理運転を停止させる必要があり、問題である。
本発明の目的は、燃焼室温度の低下や排ガスの排気温度の異常上昇を防止して適切な浄化処理運転を行なうことができる排ガス浄化装置及びその温度制御方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、可燃性有毒成分を含有する排ガスを浄化する排ガス浄化装置であって、それぞれに蓄熱体が内設され且つ一組の給気口・排気口が設けられた複数の蓄熱室と、これらの複数の蓄熱室の上方に連通して形成された燃焼室と、蓄熱室の各々の給気口・排気口に取付けられ蓄熱室への吸気・排気を切替えるための排気・吸気弁と、燃焼室に設けられた加熱バーナと、燃焼室から余剰熱を排出する熱排出ダンパと、燃焼室温度に基づき、加熱バーナの着火・消火を行うと共に、熱排出ダンパの開度を調整して燃焼室温度が設定値(SP)となるように温度制御を行う制御手段と、を有し、制御手段は、排ガスが蓄熱体を通過するとき自燃温度以上に昇温して燃焼室に到達する前に燃焼する早期燃焼であるか否かを判定し、早期燃焼と判定したときには、熱排出ダンパを強制開すると共に加熱バーナを消火する早期燃焼対策操作を実行し、この後に早期燃焼ではないと判定したときには、早期燃焼対策操作を解除することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、制御手段が、排ガスが蓄熱体を通過するとき自燃温度以上に昇温して燃焼室に到達する前に燃焼する早期燃焼であるか否かを判定し、早期燃焼と判定したときには、熱排出ダンパを強制開すると共に加熱バーナを消火する早期燃焼対策操作を実行し、この後に早期燃焼ではないと判定したときには、早期燃焼対策操作を解除するので、この早期燃焼に起因する、燃焼室温度の低下や排ガスの排気温度の異常上昇を防止することができ、これにより、適切な浄化処理運転を行なうことができる。
本発明は、好ましくは、更に、燃焼室に取付けられ燃焼室温度を検出する燃焼室温度センサ、蓄熱室の各々の給気口・排気口に取付けられた吸気温度を検出する吸気温度センサ及び排気温度を検出する排気温度センサを有し、制御手段は、燃焼室温度センサ、吸気温度センサ及び排気温度センサによりそれぞれ検出された燃焼室温度(t1)及び給気温度(t2)・排気温度(t3)が、(a)t1≦早期燃焼確認SP、(b)t3−t2≧早期燃焼確認温度差SP、の双方を満たすとき、早期燃焼であると判定し、(c)t1≧早期燃焼解除確認SP、(d)t3−t2≦早期燃焼解除確認温度差SP、の条件の少なくとも一方を満たすとき、早期燃焼ではないと判定する。
このように構成された本発明によれば、制御手段が、燃焼室温度(t1)及び給気温度(t2)・排気温度(t3)により、正確且つ容易に、早期燃焼を判定することができ、さらに、燃焼室温度(t1)又は給気温度(t2)・排気温度(t3)により、正確且つ容易に、早期燃焼ではないことを判定することができる。
本発明において、好ましくは、更に、燃焼室に取付けられ燃焼室温度を検出する燃焼室温度センサ、蓄熱室に取付けられ蓄熱室温度を検出する蓄熱室温度センサを有し、制御手段は、燃焼室温度センサ及び蓄熱室温度センサによりそれぞれ検出された燃焼室温度(t1)及び蓄熱室温度(t4)が、(e)t1≦早期燃焼確認SP、(f)t1−t4≦早期燃焼確認温度差SP、の双方を満たすとき、早期燃焼であると判定し、(g)t1≧早期燃焼解除確認SP、(h)t1−t4≧早期燃焼解除確認温度差SP、の条件の少なくとも一方を満たすとき、早期燃焼ではないと判定する。
このように構成された本発明においては、制御手段が、燃焼室温度(t1)及び蓄熱室温度(t4)により、正確且つ容易に、早期燃焼を判定することができ、さらに、燃焼室温度(t1)又は蓄熱室温度(t4)により、正確且つ容易に、早期燃焼ではないことを判定することができる。本発明によれば、蓄熱室温度により、早期燃焼及び早期燃焼解除を判定しているので、より迅速に早期燃焼対策処理及び早期燃焼解除処理を行なうことができる。
本発明において、好ましくは、早期燃焼解除確認SPが早期燃焼確認SPより高く、早期燃焼解除確認温度差SPが早期燃焼確認温度差SPより低い。
このように構成された本発明においては、早期燃焼解除確認SPが早期燃焼確認SPより高く、早期燃焼解除確認温度差SPが早期燃焼確認温度差SPより低く設定しているので、排ガスの排気温度の上昇を容易に抑制することができる。
本発明は、好ましくは、更に、蓄熱室の各給気口に接続された排ガス供給配管の外気取り入れ口に取り付けられた外気取入れダンパを有し、制御手段は、早期燃焼対策操作実行時に、熱排出ダンパを強制開するとき外気取入れダンパも強制開し、早期燃焼対策操作解除時に、外気取入れダンパを強制閉し、その後、加熱バーナを着火する。
このように構成された本発明においては、制御手段が、早期燃焼対策操作実行時に、外気取入れダンパを強制開し、外気(冷風)を取り入れているので、吸気側の蓄熱体内の流速が早まり、短時間で蓄熱体温度を低下させて排気温度上昇を抑制することができる。
本発明は、可燃性有毒成分を含有する排ガスを浄化する排ガス浄化装置の温度制御方法であって、排ガス浄化装置が、それぞれに蓄熱体が内設され且つ一組の給気口・排気口が設けられた複数の蓄熱室と、これらの複数の蓄熱室の上方に連通して形成された燃焼室と、蓄熱室の各々の給気口・排気口に取付けられ蓄熱室への吸気・排気を切替えるための排気・吸気弁と、燃焼室に設けられた加熱バーナと、燃焼室から余剰熱を排出する熱排出ダンパと、を備え、排ガス浄化装置の温度制御方法が、燃焼室温度に基づき、加熱バーナの着火・消火を行うと共に、熱排出ダンパの開度を調整して燃焼室温度が設定値(SP)となるように温度制御を行う工程と、排ガスが蓄熱体を通過するとき自燃温度以上に昇温して燃焼室に到達する前に燃焼する早期燃焼であるか否かを判定し、早期燃焼と判定したときには、熱排出ダンパを強制開すると共に加熱バーナを消火する早期燃焼対策操作を実行し、この後に早期燃焼ではないと判定したときには、早期燃焼対策操作を解除する工程と、を有することを特徴としている。
本発明の排ガス浄化装置及びその温度制御方法によれば、燃焼室温度の低下や排ガスの排気温度の異常上昇を防止して適切な浄化運転を行なうことができる。
図1は、本発明の第1の実施形態による排ガス浄化装置(二塔式)を示す全体構成図である。 図2(A)は、図1に示す排ガス浄化装置の運転における予備加熱工程を示すフローチャートである。 図2(B)は、図1に示す排ガス浄化装置の運転における定常処理運転工程を示すフローチャートである。 図2(C)は、図1に示す排ガス浄化装置の運転における定常運転工程に組み込まれた早期燃焼対策工程を示すフローチャートである。 図3は、本発明の第1の実施形態による排ガス浄化装置における、燃焼室温度の目標SPに、熱排出ダンパを用いて比例制御する場合のダンパの開き度と燃焼室温度(t1)の関係を示す線図である。 図4は、本発明が適用可能な排ガス浄化装置の他の例(三塔式)を示す全体構成図である。 図5は、本発明が適用可能な排ガス浄化装置の他の例(回転切替弁式)を示す全体構成図である。 図6は、本発明の第2の実施形態による排ガス浄化装置を示す全体構成図である。 図7は、図6に示す排ガス浄化装置の運転における定常運転工程(図2(B))に組み込まれた早期燃焼対策工程を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による排ガス浄化装置及びその温度制御方法について説明する。以下の説明において、「設定値(目標値)」を「SP(Set Point)」と記載することがある。
まず、図1〜図5を用いて、本発明の第1の実施形態による排ガス浄化装置及びその温度制御方法を説明する。
図1には、本発明の第1の実施形態による二塔式の排ガス浄化装置1が示されている。この排ガス浄化装置1は、蓄熱体11が内設された蓄熱室13が複数個(図例では2個)と、該複数個の蓄熱室13、13の上方に連通して形成される燃焼室15とを備えている。ここで、蓄熱体11は、ハニカムセラミックスである。
蓄熱室13には、給気口21・排気口23が設けられており、これらの給気口21・排気口23には、給気・排気弁17、19が取付けられている。これらの給気・排気弁17、19は、ポペットダンパである。また、燃焼室15には、加熱バーナ25が設けられ、さらに、余剰熱排出口29が設けられ、この余剰熱排出口29には熱排出ダンパ27が取り付けられている。この排ガス浄化装置1においては、所定時間経過毎に、給気・排気弁17、19により、蓄熱室13、13の給気側(被処理ガスが供給される側)と排気側(処理済みガスが排出される側)とを切替えて運転するようになっている。なお、ここでは、蓄熱室への給気・排気を所定時間毎に切替運転する場合を説明するが、本実施形態による排ガス浄化装置はこれに限られるものではなく、出入口温度(給気及び排気されるガスの温度を温度センサにより測定しその温度)に基づいて蓄熱室への給気・排気を切替えて運転を行うようにしてもよい。
各給気口21には、排ガス供給配管31が分岐接続されると共に、各排気口23には、浄化ガス排出配管32が合流接続され、この浄化ガス排出配管32の下流側は浄化ガス排気ダクト33に接続されている。
さらに、排ガス供給配管31の分岐部位の上流側には、送風機35が設けられ、さらに、その上流側には、外気取入れダンパ37を備えた外気取入れ口39が設けられている。なお、外気取入れ口39は、排ガス供給配管31の下流側に、直接形成してもよいが、本実施形態においては、フィルタボックス41を介して接続されている。このフィルタボックス41は、排ガス中の塵埃の除去およびフィルタ抵抗を利用した圧力変動を緩和するためのものである。
上述した外気取入れ口39及び余剰熱排出口29は、排ガス浄化装置1における燃焼処理前後の給気側と排気側の蓄熱体11の予備加熱工程及び熱回収(蓄熱)工程における熱負荷量を低減させるために設けられている。
また、排ガス供給配管31の上流側は、マニホールド的に各排ガス発生源(例えば、塗装装置)G1〜G5に、排ガス遮断ダンパ(開閉弁)43を介して接続されている。なお、大気開放ダンパ45は、装置に異常が発生し、停止した場合に、排ガスを緊急放出するために使用される。
上述の蓄熱燃焼式排ガス浄化装置1の運転の概略は、次の通りである。まず、800℃以上の高温で分解された処理ガスは、蓄熱体11を通過して常温近くまで冷却されて排気される。次に、給気・排気弁17、19により排ガスの流れを切り替える。次に、新たに吸気した排ガスは、加熱された蓄熱体11を通過して800℃近くまで加熱されて燃焼室15に入るため、わずかな追加エネルギーで燃焼分解される。排ガス中のVOC濃度が一定以上であれば自燃状態になり発生エネルギーを廃熱ボイラなどに有効利用することが可能となる。
本発明者らは、上述の「複数の排ガス発生源と接続することにより、排ガス浄化装置の燃焼室の温度が低下し、浄化ガスの排気温度が異常上昇する可能性があるという問題」を解決し、すなわち、処理ガスが低風量・高濃度の状態になったときにも、排ガス浄化装置の燃焼室温度低下(必然性のない加熱バーナの着火)や排気温度の異常上昇を防止する解決策を検討している過程で、上述した問題は、排ガスの「早期燃焼(中間燃焼)」に起因して発生することを見出したのである。
ここで、「早期燃焼」とは、処理風量が少なくなって、蓄熱体通過速度が遅くなって、蓄熱体途中で排ガスが自燃温度以上に昇温して、燃焼室に到達する前に早すぎる燃焼をしてしまう現象をいう。
この早期燃焼は、給気側の蓄熱体の後半で燃焼ガスが熱交換されるため、燃焼ガスが降温して燃焼室に至る。すなわち、本来燃焼室で燃焼する燃焼ガス(被処理ガス(VOC等))が蓄熱体部分で早期燃焼を始める。これにより、燃焼により発生した熱は蓄熱体に吸熱される。よって、燃焼室にガスが到達するときに、燃焼室では、被処理ガスの燃焼により発生する熱量が温度として表れず、後述のように「燃焼室温度が着火SP以下になる」という現象が発生する。その結果、下記のような問題点1〜3が発生し易くなる。
問題点1
燃焼室温度が着火SP以下になるため加熱バーナが着火する。その際、熱排出ダンパ27が閉のままであるため、加熱バーナ25により早期燃焼ガスが再加熱されて、全量が排気側蓄熱体に流入する。この際に、排気側蓄熱体には前回の給気側であったときの早期燃焼による熱が残っているため、排気側蓄熱体が熱回収しきれず(熱交換能(熱交換量)が不足するか、又は過負荷となっているので熱回収できない)、排気温度が異常上昇する。
問題点2
蓄熱室13の蓄熱体11が早期燃焼により熱交換されず高温のままで排気側に切り替わるので、蓄熱体の浄化ガス(燃焼ガス)に対する熱交換能が低下し、排気温度が異常上昇する。
問題点3
排気温度が異常上昇した後の蓄熱室13の蓄熱体11は、高温体(蓄熱が必要以上)になる傾向にあり、給気側に切り替わった場合、より早期燃焼が発生し易くなり、悪循環となる。
そして、上述した知見に基づいて、複数の排ガス発生源と接続する場合等の、処理ガスが低風量・高濃度の状態になる場合に好適な排ガス浄化装置及びその温度制御方法に想到した。
以下、本実施形態による排ガス浄化装置及びその温度制御方法において、特徴的な部分について説明する。
排ガス浄化装置1は、燃焼室温度を検出する第一温度検出器T1、給気温度を検出する第二温度検出器T2、及び排気温度を検出する第三温度検出器T3を備えている。これらの温度検出器T1、T2、T3は、検出温度が最低でも650℃以上と高温であるため、通常、熱電対を使用する。
そして、第一・第二・第三温度検出器T1、T2、T3からの検出信号がマイクロコンピュータ(MC)入力部に入力される。さらに、図示しないが、各排ガス発生源のオン信号もMC入力部に入力される。また、MC出力部からの操作信号により加熱バーナ25、熱排出ダンパ27、外気取入れダンパ37が開閉可能になっている。詳細は後述するように、熱排出ダンパ27は比例制御により開度調節可能になっている。
ここで、本実施形態による排ガス処理装置においては、1個の熱排出ダンパ27により、燃焼室温度の比例制御と早期燃焼対策制御とを兼ねて行なっているが、熱排出ダンパを2個設けて、それぞれ別々に制御するようにするようにしてもよい。更に、熱排出ダンパ27は、燃焼室の側壁でなくても、天井壁に設けてもよい。
次に、図2(A)、図2(B)、図2(C)により、本実施形態による排ガス処理装置の浄化処理運転における温度制御方法を説明する。
図2(A)、図2(B)、図2(C)において、「S」は、各ステップを示す。また、設定温度(SP)の後の括弧内に記載した温度は、選定可能な温度範囲を示している。また、各フローチャートにおける「t1」は「T1で検出される燃焼室温度」、「t2」は「T2で検出される排ガス給気温度」、「t3」は「T3で検出される浄化ガス排気温度」を意味する。
まず、運転開始前においては、排ガス供給配管31に設けられた大気開放ダンパ45及び排ガス遮断ダンパ43を閉、外気取入れダンパ37を開とするとともに、排ガス浄化装置1における一方の蓄熱室13(図例では左側)の給気弁17を開、排気弁19を閉、他方の蓄熱室13(図例では右側)の給気弁17を閉、排気弁19を開とし、さらに、熱排出ダンパ27も閉としておく。
(1)運転準備(予熱)工程(図2(A)):
マイクロコンピュータ(MC)の初期設定を行ってリセット(S100)するとともに、給気・排気切替運転を起動させる(S101)。この運転は、設定時間毎に給気・排気切替を行うものである。この設定時間は、排ガスの種類により異なるが、45〜90秒である。
次に、送風機35を起動させる(S102)とともに、加熱バーナ25を着火する(S103)。燃焼室温度t1が、予備加熱完了判定ステップ(S104)における、t1≧予備加熱完了SP(650〜850℃)を満たすようになったら、予備加熱工程を完了して、次の処理運転(定常)に移行する。
こうして、蓄熱体11、11が給気を昇温できる温度に蓄熱(予熱)される。このときの予備加熱完了SPは、排ガスの含有VOCの成分分解に必要な温度(対象成分発火点温度より200〜300℃高い温度)を選定する。
上記初期設定において、温度設定値(SP)等をMCの記憶装置に、適宜、手動入力する。なお、各設定温度(SP)を表1に示すとともに、各温度設定SPの高低比較を欄外に示す。
Figure 2012046580
(2)排ガス浄化処理運転(図2(B)):
1)処理運転(定常)
上記予備加熱工程に続いて、ガス発生源設備(例えば、塗装装置)の運転開始の信号により(START)、選択したガス発生源設備の排ガス遮断ダンパ43を開とする(S105)とともに外気取入れダンパ37を閉とする(S106)。
すると、排ガス供給配管31から排ガスは、給気側(左側)の蓄熱体11で熱交換されて昇温後、燃焼室15で燃焼浄化される。さらに、排気側(右側)の蓄熱体11で、熱交換により冷却されて排気口23から浄化ガス排出配管32を経て大気中に放出される。
そして、t1が上昇して、バーナ消火判定ステップ(S107)のバーナ消火SP(700〜900℃)以上の条件を満足するようになったら、加熱バーナ25を消火する(S108)。このバーナ消火SPは、通常、排ガスの自燃(加熱補助しなくても自己燃焼する。)可能な温度に設定する。
更に、t1が上昇して比例制御開始判定ステップ(S109)の、比例制御開始SP(780〜920℃)以上の条件を満足するようになったら、t1を、熱排出ダンパ27の開度調節により、目標SP(800〜950℃)になるように比例制御をする(S111)。
自燃が継続することにより燃焼室温度t1が昇温するが、上述したように、その燃焼室温度t1を、目標SP(目標値温度)に、熱排出ダンパ27の開度調節(0〜100%)により比例制御をする。例えば、熱排出ダンパ27は、図3に示す如く、目標SPにおいて開度50%となり、調整SP+側偏差内(目標値温度+20℃)超で全開(開度100%)、調整SP−側偏差内(目標値温度−20℃)未満で全閉(開度0%)となるように、目標値との温度差に比例する開度調節を行なう。すなわち、本実施形態において、「比例温度制御」とは、以上のように「燃焼室温度」が「設定値(目標値温度)」となるように、所定の温度幅(ここでは40℃の幅)で、熱排出ダンパ27の開度調節(「燃焼室の温度」の「設定値」に対する温度差に応じて開度を調整)により比例的に行う制御を意味するものである。なお、「設定値(SP)」や「温度幅」は、これに限られるものではない。
なお、本実施形態において、温度制御は、上述した比例温度制御に限られず、積分制御、微分制御、並びに、これらの組合せた制御方式であるPID制御であってもよい。
2)温度調節制御不能時
比例制御によって偏差温度の上限・下限値にt1を制御できない場合(S112)、下記の如く、−側偏差SPより低くなる場合(a)、t1が+側偏差SPより高くなる場合(b)と、に分岐する。
(a)−側偏差SP外の条件(熱排出ダンパ全閉状態)が、タイムアップして(S131)、かつt1が下降してバーナ再着火判定ステップ(S132)におけるバーナ再着火SP(700〜850℃)より低くなったとき、バーナ着火をし(S133)、正常処理運転におけるバーナ消火SP(700〜900℃)の判定ステップに戻る(S107)。
(b)+側偏差SP外の条件(熱排出ダンパ全開状態)が、タイムアップし(S141)、かつ、t1が上昇して外気取入れ開始判定ステップ(S142)における外気取入れ開始SP(820〜1000℃)より高くなったときには、外気取入れダンパ開とし(S143)、t1が下降して、外気取入れ停止判定ステップ(S144)における外気取入れ停止SP(800〜950℃)より低くなったら、外気取入れダンパを閉とする(S145)。その後、比例制御(S111)に移行する。
(3)早期燃焼対策運転(図2(C)):
1)早期燃焼対策工程:
上述した予備工程に続いて、ガス発生源設備(例えば、塗装装置)の運転開始信号により、図2(B)に示す排ガス浄化処理運転を開始すると共に、排ガス浄化処理運転に並行して、この図2(C)に示す早期燃焼対策工程に移行する。
すなわち、燃焼室温度(t1)および給気温度(t2)・排気温度(t3)が、
(a)t1≦早期燃焼確認SP(700〜880℃)
(b)t3−t2≧早期燃焼確認温度差SP(30〜180℃)
の双方の条件を満たし(S201、S202)、かつ、この状態が一定時間(10〜120秒)維持された場合(S203)には、早期燃焼が発生していると判定する。このとき、バーナが着火中(S204−1)であれば、バーナを消火し(S204−2)、さらに、熱排出ダンパ27を設定開度で開とする(S205)。この熱排出ダンパ27の設定開度は、通常、10〜70%の範囲であり、排ガスの種類に応じて実験から求めた最適値である。一方、バーナが消火していれば(S204−1)、そのまま、熱排出ダンパ27を設定開度で開とする(S205)。
なお、オプションとして、外気取入れモードを選択している場合(S301)には、外気取入れダンパを強制開とする(S302)。こうして、外気取入ダンパ37を開として外気(冷風)を取り入れることにより、給気側の蓄熱体11内の流速が早まり、短時間で蓄熱体温度が低下して排気温度上昇を抑制することが可能となる。このとき、外気取入れダンパ37の開度も、装置の処理可能風量をもとに、更には、排ガスの種類に応じて実験から求めた最適な開度を設定する。なお、外気取り入れダンパが開度調整機能付で無い場合は、送風機35の周波数を増やして風量調整を行う。
2)早期燃焼対策解除工程:
上記早期燃焼対策に入った後は、下記の如く、正常運転工程における各ステップに移行する。
(c)t1≧早期燃焼解除確認SP(750〜900℃)
(d)t3−t2≦早期燃焼解除確認温度差SP(20〜150℃)、
の一方が所定時間継続(タイムアップ:10〜120秒)したなら(S206、S207、S208−1・2)、熱排出ダンパ27を全閉とする(S209)。その後、バーナ再着火の判定ステップに移行し(S210)、t1がバーナ再着火SP(750〜850℃)より低い場合は、加熱バーナを着火して(S211)、早期燃焼対策運転のステップS201に戻る。なお、外気取入れモードを選択している場合は、加熱バーナを着火する(S211)前に、外気取り入れダンパを全閉とする(S303−1)。
バーナ着火判定ステップS210において、t1≦バーナ再着火SP(700〜850℃)を満たさない場合、そのまま、早期燃焼対策運転のステップS201に戻る。
また、早期燃焼解除温度差の判定ステップ(S207)において、t3―t2≦早期燃焼解除確認温度差SPの条件を満たさない場合は、早期燃焼対策強制解除確認の判定ステップ(S212)に移る。この判定ステップにおいて、t1≦強制解除温度SP(600〜700℃)を満たす場合は、熱排出ダンパ27を全閉後(S213)、バーナ着火(S214)をした後、所定時間(10〜60分)維持後(S215)、早期燃焼対策運転のステップS201に戻る。
なお、外気取入れモードを選択している場合は、加熱バーナを着火する(S214)前に、外気取り入れダンパを閉じる(S303−2)。
上述したように、早期燃焼解除確認SPを早期燃焼確認SPより高く(例えば、20〜50℃)、かつ、早期燃焼解除確認温度差SPを早期燃焼確認温度SPより低く(10〜30℃)設定するようにしたので、排気温度の上昇が抑制し易くなる。早期燃焼解除確認SPと早期燃焼確認SPが同一で、かつ、早期燃焼解除確認温度差SPが早期燃焼確認温度差SPとが同一でも排ガス浄化装置の早期燃焼による排気温度の上昇はある程度抑制できる。
なお、上記排ガス浄化処理運転の終了(ストップ)は、熱排出ダンパ27を閉じるとともにバーナ25を消火し、さらに、外気取入れダンパ37を開として、排ガス遮断ダンパ43を閉じるとともに送風機35を停止して行う。
また、本発明の第1の実施形態は、図1のような二塔式の排ガス浄化装置に限らず、図4のような三塔式、四塔式、五塔式等、多数の蓄熱体をもつ多塔式の排ガス浄化装置にも適用できる。本発明の第1の実施形態は、更に、多塔式の排ガス浄化装置に限らず、図5の様な回転式切替弁24を使用した回転切替弁式の排ガス浄化装置にも適用できる。それらの各図においては、対応部分について、同一図符号を付して、それらの説明を省略する。
これらの多塔式・回転切替弁式装置においては、一又は複数の室を、給気室・排気室として使用せずに、排ガスが残留している蓄熱体11をパージするパージ室として運転することが望ましい。ここでいうパージとは、蓄熱体11に残留している排ガスを、清澄ガス(パージガス)に置換することを意味している。
例えば、図4に示す三塔式の排ガス浄化装置の場合、二塔を従来と同様、給気室と排気室とするとともに、残りの一塔をパージ室として使用し、図示すように、切替ダンパ21、23により、ガス流路の切替を順次行う。
図4に示す排ガス浄化装置において、パージは、浄化された排ガスをパージガスとし、蓄熱体11からパージによって排出された排ガスを戻り配管22で装置入口(フィルタボックス41)に戻すようになっている。また、パージガスを大気とし、戻り配管22をパージガス吹込み配管として、この配管にブロア(図示せず)を接続して、蓄熱体11にパージガスを吹込むことでパージするようにしてもよい。
また、図5に示す回転切替弁式の浄化装置は、八塔のうち、三塔ずつを給気室13A、排気室13Bに、残りの二塔をパージ室13Cおよび不使用室13Dに割り当て、回転式切替弁24で上記と同様に順送りに切り替えて運転するようにしたものである。
上述したように、パージ室を設けて浄化運転をした場合は、パージ後の蓄熱体11を排気用の蓄熱体11に使用するため、ダンパ切替持に未処理のガスの流出のピーク濃度の発現を防止し、VOCなどの可燃性有害成分を含有する排ガスの浄化性能を確保し易くなる。当然、パージ室を設けない浄化運転も可能である。
また、本実施形態による排ガス浄化装置は、図1、図4及び図5に示すような吸引遮断ダンパ43の数量が多いものに限らす、吸引遮断ダンパの数量が少なくても、ガスの風量・濃度が変化することがあるため、ガス供給側の吸引遮断ダンパ43の数量に関係なく、適用可能である。
以上説明したように、本実施形態による排ガス浄化装置1は、それぞれに蓄熱体11が内設され且つ一組の給気口・排気口21、23が設けられた複数の蓄熱室13と、これらの複数の蓄熱室の上方に連通して形成された燃焼室15と、蓄熱室15の各々の給気口・排気口21、23に取付けられ蓄熱室13への吸気・排気を切替えるための排気・吸気弁17、19と、燃焼室13に設けられた加熱バーナ25と、燃焼室15から余剰熱を排出する熱排出ダンパ27と、マイクロコンピュータ(MC)を備え、給気・排気弁17,19により、蓄熱室13への給気・排気を所定時間毎に切替え運転されるようになっている。また、マイクロコンピュータ(MC)により、燃焼室温度t1に基づき、加熱バーナの着火・消火を行うと共に、熱排出ダンパ27の開度を調整して燃焼室温度t1が設定値(SP)となるように比例温度制御を行っている。
さらに、本実施形態による排ガス浄化装置1においては、マイクロコンピュータ(MC)が排ガスが蓄熱体11を通過するとき自燃温度以上に昇温して燃焼室15に到達する前に燃焼する早期燃焼であるか否かを判定し、早期燃焼と判定したときには、熱排出ダンパ27を強制開すると共に加熱バーナ15を消火する早期燃焼対策操作を実行し、この後に早期燃焼ではないと判定したときには、早期燃焼対策操作を解除するようにしているので、早期燃焼に起因する、燃焼室温度の低下や排ガスの排気温度の異常上昇を防止することができる。
また、本実施形態による排ガス浄化装置においては、マイクロコンピュータ(MC)が上述の関係式(a)、(b)の双方を満たすとき、熱排出ダンパ27を強制開するとともに、バーナ消火をする早期燃焼対策操作を経た後、上述の関係式(c)、(d)の一方又は双方を満たさなくなったとき、熱排出ダンパを全閉して、早期燃焼対策解除操作を経るように制御するようにしているので、正確且つ容易に、早期燃焼であることを判定し、早期燃焼対策操作を実行することができる。
上述したように、燃焼室温度が異常低下すると排ガス中のVOCが分解不能となり、浄化処理運転を停止させる必要があるが、本実施形態による排ガス浄化装置1によれば、この浄化処理運転の停止につながる燃焼室温度の異常低下や排気温度の異常上昇が発生し難くなる。
すなわち、燃焼室温度低下と排気温度上昇を監視し、これらの温度が設定値に達した場合には、熱排出ダンパ27を開き、排出側の蓄熱体に流れるガス流量を減少させるようにしているので、蓄熱体に蓄えられる熱量が減し、これにより、排気温度の異常上昇を抑制することができる。
そして、燃焼室温度の異常低下を抑制することにより、浄化処理運転停止回数や加熱バーナの不要な着火を抑制でき、燃焼室加温用バーナの燃料使用量も抑えることができる。
また、余剰熱排出用ダンパを設けた蓄熱燃焼式ガス浄化装置であれば、排ガス浄化装置自体を改造することなく、温度センサと制御プログラムの変更のみで、本実施形態を実施することが可能となる。
更に、本実施形態による排ガス浄化装置によれば、装置の上流側に設置された外気取入ダンパより強制的に冷風を取り入れ、ガス風量を増やしてやることにより、更に、早期燃焼等の異常事態も短時間で解消することができる。
以上説明したように、本実施形態による排ガス浄化装置1及びその温度制御方法によれば、燃焼室温度の低下や浄化ガス排気温度の異常上昇を防止することにより適切な浄化処理運転を実現することができる。
次に、図2(A)、図2(B)、図6及び図7により、本発明の第2の実施形態による排ガス浄化装置及びその温度制御方法について説明する。第2の実施形態では、上述した第1の実施形態における給気温度(t2)及び排気温度(t3)に換えて、蓄熱室温度(t4)を用いて排ガス浄化装置を制御することを除いて、第1の実施形態と同様である。そのため、第1の実施形態と共通部分については、同一の符号を付し、その説明は省略する。
図6に示すように、本発明の第2の実施形態による排ガス浄化装置501は、蓄熱体11が内設された蓄熱室13が複数個(図例では2個)と、この複数個の蓄熱室13、13の上方に連通して形成される燃焼室15とを備えている。
蓄熱室13は、給気・排気弁17、19が取付けられた給気口21・排気口23を有する。また、燃焼室15は、加熱バーナ25を有するとともに熱排出ダンパ27が取り付けられた余剰熱排出口29を有している。そして、所定時間経過毎に給気・排気弁17、19により蓄熱室13、13の給気側と排気側とを切替えて運転が行われる。
また、排ガス浄化装置501には、排ガス浄化装置1と同様に、排ガス供給配管31、浄化ガス排出配管32、浄化ガス排気ダクト33、送風機35、外気取入れダンパ37、外気取入れ口39、フィルタボックス41等が設けられている。
排ガス浄化装置501は、燃焼室温度を検出する第一温度検出器T1及び蓄熱室温度を検出する第四温度検出器T4を備えている。これらの温度検出器は、検出温度が最低でも650℃以上と高温であるため、通常、熱電対を使用する。そして、第一温度検出器T1と同様に、第四温度検出器T4からの検出信号もマイクロコンピュータ(MC)入力部に入力可能とされている。
排ガス浄化装置501の浄化処理運転における温度制御は、図2(A)、図2(B)、図7に示すフローチャートに従って行う。すなわち、第2の実施形態による排ガス浄化装置501においては、図2(c)のS201,S202,S206,S207に換えて、図7のS701,S702,S706,S707の処理を行うようになっており、これら以外のステップは、第1の実施形態と同様のフローで行われるので、それらの説明を省略する。ここで、図7のフローチャートにおける「t4」は、「T4で検出される蓄熱室温度」を意味する。
排気ガス浄化装置501の浄化処理運転において、「(1)運転準備(予熱)工程(図2(A)):」と、「(2)排ガス浄化処理運転(図2(B)):」は、第1の実施形態と同様である。
(4)早期燃焼対策運転(図7):
1)早期燃焼対策工程:
燃焼室温度t1が、上述した正常運転のバーナ消火判定ステップ(S107)におけるバーナ消火SPより低くなり、排ガス組成が、早期燃焼が発生するおそれがある場合は、早期燃焼対策工程に入る。
すなわち、燃焼室温度(t1)及び蓄熱室温度(t4)が、
(a)t1≦早期燃焼確認SP(700〜880℃)
(b’)t1−t4≦早期燃焼確認温度差SP(100〜300℃)
の双方の条件を満たして(S701、S702)、かつ、この状態が一定時間(10〜120秒)維持された場合(S203)には、早期燃焼が発生していると判定して、バーナを消火するとともに(S204)、熱排出ダンパ27を設定開度で開とする(S205)。このときの熱排出ダンパ27の設定開度は、通常、10〜70%の範囲であり、排ガスの種類に応じて実験から求めた最適値である。
ここで、(b’)や後述の(d’)で用いるt4は、基本的には、給気側の蓄熱室に設けた温度センサ(第四温度検出器T4)で検出される蓄熱室温度を用いた方が、早期燃焼対策として有利である。なお、早期燃焼が発生するときには、給気側及び排気側が順次切り替わる両方の蓄熱室の温度が徐々に上昇することになるので、例えば、蓄熱室に設ける温度センサ(第四温度検出器T4)をいずれか一方の蓄熱室に設け、常にこの蓄熱室の蓄熱層内温度をt4として用いるようにすることも可能である。
なお、オプションとして、外気取入れモードを選択している場合(S301)の外気取入れダンパを強制開とする(S302)ことについては、第1の実施形態と同様である。
2)早期燃焼対策解除工程:
上記早期燃焼対策に入った後は、下記の如く、正常運転工程における各ステップに移行する。
(c)t1≧早期燃焼解除確認SP(750〜900℃)
(d’)t1−t4≧早期燃焼解除確認温度差SP(150〜350℃)、
の一方が所定時間継続(タイムアップ:10〜120秒)したなら(S706、S707、S208−1・2)、熱排出ダンパ27を全閉とする(S209)。その後のステップ(S210,S211,S303−1等)については、図2(C)の場合と同様である。
また、早期燃焼解除温度差の判定ステップ(S707)において、t3―t2≦早期燃焼解除確認温度差SPの条件を満たさない場合は、早期燃焼対策強制解除確認の判定ステップ(S212)に移る。S212やこれ以降のステップ(S213,S214、S215、S303−2等)については、図2(C)の場合と同様である。
上述したように、早期燃焼解除確認SPを早期燃焼確認SPより高く(例えば、20〜50℃)、かつ、早期燃焼解除確認温度差SPを早期燃焼確認温度SPより低く(10〜30℃)設定することが排気温度の上昇を抑制し易くて望ましい。早期燃焼解除確認SPと早期燃焼確認SPが同一で、かつ、早期燃焼解除確認温度差SPが早期燃焼確認温度差SPとが同一でも排ガス浄化装置の早期燃焼による排気温度の上昇はある程度抑制できる。
なお、上記排ガス浄化処理運転の終了(ストップ)は、熱排出ダンパ27を閉じるとともにバーナ25を消火し、さらに、外気取入れダンパ37を開として、排ガス遮断ダンパ43を閉じるとともに送風機35を停止して行う。
また、第2の実施形態は、図6に示す二塔式の排ガス浄化装置に限らず、第1の実施形態と同様に、三塔式、四塔式、五塔式等、多数の蓄熱体をもつ多塔式の排ガス浄化装置にも適用でき、更に、回転式切替弁24を使用した回転切替弁式の排ガス浄化装置にも適用できる。
本実施形態による排ガス浄化装置においては、マイクロコンピュータ(MC)が上述の関係式(a)、(b’)の双方を満たすとき、熱排出ダンパ27を強制開するとともに、バーナ消火をする早期燃焼対策操作を経た後、上述の関係式(c)、(d’)の一方又は双方を満たさなくなったとき、熱排出ダンパ27を全閉して、早期燃焼対策解除操作を経るように制御するようにしている。
さらに、本実施形態による排ガス浄化装置501は、蓄熱室温度(t4)と燃焼室温度(t1)との差が正常値よりも小さくなったことを判定して、早期燃焼解除操作を開始させるので、上述の関係式(b)を用いた温度制御方法(第1の実施形態)よりも、より迅速に早期燃焼対策操作を開始する必要があることを検知でき、よって、より適切な浄化運転を実現できる。特に処理風量の変化量によらず、より迅速に早期燃焼対策操作が必要なことを検知できる。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の発明は、可燃性有毒成分を含有する排ガスを浄化する排ガス浄化装置であって、それぞれに蓄熱体が内設され且つ一組の給気口・排気口が設けられた複数の蓄熱室と、これらの複数の蓄熱室の上方に連通して形成された燃焼室と、蓄熱室の各々の給気口・排気口に取付けられ蓄熱室への吸気・排気を切替えるための排気・吸気弁と、燃焼室に設けられた加熱バーナと、燃焼室から余剰熱を排出する熱排出ダンパと、燃焼室温度に基づき、加熱バーナの着火・消火を行うと共に、熱排出ダンパの開度を調整して燃焼室温度が設定値(SP)となるように温度制御を行う制御手段と、燃焼室に取付けられ燃焼室温度を検出する燃焼室温度センサ、蓄熱室の各々の給気口・排気口に取付けられた吸気温度を検出する吸気温度センサ及び排気温度を検出する排気温度センサと、を有し、制御手段は、排ガスが蓄熱体を通過するとき自燃温度以上に昇温して燃焼室に到達する前に燃焼する早期燃焼であるか否かを判定し、早期燃焼と判定したときには、熱排出ダンパを強制開すると共に加熱バーナを消火する早期燃焼対策操作を実行し、この後に早期燃焼ではないと判定したときには、早期燃焼対策操作を解除し、制御手段は、燃焼室温度センサ、吸気温度センサ及び排気温度センサによりそれぞれ検出された燃焼室温度(t1)及び給気温度(t2)・排気温度(t3)が、(a)t1≦早期燃焼確認SP、(b)t3−t2≧早期燃焼確認温度差SP、の双方を満たすとき、早期燃焼であると判定し、(c)t1≧早期燃焼解除確認SP、(d)t3−t2≦早期燃焼解除確認温度差SP、の条件の少なくとも一方を満たすとき、早期燃焼ではないと判定することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、制御手段が、排ガスが蓄熱体を通過するとき自燃温度以上に昇温して燃焼室に到達する前に燃焼する早期燃焼であるか否かを判定し、早期燃焼と判定したときには、熱排出ダンパを強制開すると共に加熱バーナを消火する早期燃焼対策操作を実行し、この後に早期燃焼ではないと判定したときには、早期燃焼対策操作を解除するので、この早期燃焼に起因する、燃焼室温度の低下や排ガスの排気温度の異常上昇を防止することができ、これにより、適切な浄化処理運転を行なうことができる。更に、本発明によれば、制御手段が、燃焼室温度(t1)及び給気温度(t2)・排気温度(t3)により、正確且つ容易に、早期燃焼を判定することができ、さらに、燃焼室温度(t1)又は給気温度(t2)・排気温度(t3)により、正確且つ容易に、早期燃焼ではないことを判定することができる。
本発明の第2の発明は、可燃性有毒成分を含有する排ガスを浄化する排ガス浄化装置であって、それぞれに蓄熱体が内設され且つ一組の給気口・排気口が設けられた複数の蓄熱室と、これらの複数の蓄熱室の上方に連通して形成された燃焼室と、蓄熱室の各々の給気口・排気口に取付けられ蓄熱室への吸気・排気を切替えるための排気・吸気弁と、燃焼室に設けられた加熱バーナと、燃焼室から余剰熱を排出する熱排出ダンパと、燃焼室温度に基づき、加熱バーナの着火・消火を行うと共に、熱排出ダンパの開度を調整して燃焼室温度が設定値(SP)となるように温度制御を行う制御手段と、燃焼室に取付けられ燃焼室温度を検出する燃焼室温度センサ、蓄熱室に取付けられ蓄熱室温度を検出する蓄熱室温度センサと、を有し、制御手段は、排ガスが蓄熱体を通過するとき自燃温度以上に昇温して燃焼室に到達する前に燃焼する早期燃焼であるか否かを判定し、早期燃焼と判定したときには、熱排出ダンパを強制開すると共に加熱バーナを消火する早期燃焼対策操作を実行し、この後に早期燃焼ではないと判定したときには、早期燃焼対策操作を解除し、制御手段は、燃焼室温度センサ及び蓄熱室温度センサによりそれぞれ検出された燃焼室温度(t1)及び蓄熱室温度(t4)が、(a)t1≦早期燃焼確認SP、(b’)t1−t4≦早期燃焼確認温度差SP、の双方を満たすとき、早期燃焼であると判定し、(c)t1≧早期燃焼解除確認SP、(d’)t1−t4≧早期燃焼解除確認温度差SP、の条件の少なくとも一方を満たすとき、早期燃焼ではないと判定することを特徴としている。
このように構成された本発明においては、制御手段が、排ガスが蓄熱体を通過するとき自燃温度以上に昇温して燃焼室に到達する前に燃焼する早期燃焼であるか否かを判定し、早期燃焼と判定したときには、熱排出ダンパを強制開すると共に加熱バーナを消火する早期燃焼対策操作を実行し、この後に早期燃焼ではないと判定したときには、早期燃焼対策操作を解除するので、この早期燃焼に起因する、燃焼室温度の低下や排ガスの排気温度の異常上昇を防止することができ、これにより、適切な浄化処理運転を行なうことができる。更に、本発明においては、制御手段が、燃焼室温度(t1)及び蓄熱室温度(t4)により、正確且つ容易に、早期燃焼を判定することができ、さらに、燃焼室温度(t1)又は蓄熱室温度(t4)により、正確且つ容易に、早期燃焼ではないことを判定することができる。本発明によれば、蓄熱室温度により、早期燃焼及び早期燃焼解除を判定しているので、より迅速に早期燃焼対策処理及び早期燃焼解除処理を行なうことができる。
本発明において、好ましくは、早期燃焼解除確認SPが早期燃焼確認SPより高く、早期燃焼解除確認温度差SPが早期燃焼確認温度差SPより低い。
このように構成された本発明においては、早期燃焼解除確認SPが早期燃焼確認SPより高く、早期燃焼解除確認温度差SPが早期燃焼確認温度差SPより低く設定しているので、排ガスの排気温度の上昇を容易に抑制することができる。
本発明は、好ましくは、更に、蓄熱室の各給気口に接続された排ガス供給配管の外気取り入れ口に取り付けられた外気取入れダンパを有し、制御手段は、早期燃焼対策操作実行時に、熱排出ダンパを強制開するとき外気取入れダンパも強制開し、早期燃焼対策操作解除時に、外気取入れダンパを強制閉し、その後、加熱バーナを着火する。
このように構成された本発明においては、制御手段が、早期燃焼対策操作実行時に、外気取入れダンパを強制開し、外気(冷風)を取り入れているので、吸気側の蓄熱体内の流速が早まり、短時間で蓄熱体温度を低下させて排気温度上昇を抑制することができる。
本発明の第3の発明は、可燃性有毒成分を含有する排ガスを浄化する排ガス浄化装置の温度制御方法であって、排ガス浄化装置が、それぞれに蓄熱体が内設され且つ一組の給気口・排気口が設けられた複数の蓄熱室と、これらの複数の蓄熱室の上方に連通して形成された燃焼室と、蓄熱室の各々の給気口・排気口に取付けられ蓄熱室への吸気・排気を切替えるための排気・吸気弁と、燃焼室に設けられた加熱バーナと、燃焼室から余剰熱を排出する熱排出ダンパと、を備え、排ガス浄化装置の温度制御方法が、燃焼室温度に基づき、加熱バーナの着火・消火を行うと共に、熱排出ダンパの開度を調整して燃焼室温度が設定値(SP)となるように温度制御を行う工程と、排ガスが蓄熱体を通過するとき自燃温度以上に昇温して燃焼室に到達する前に燃焼する早期燃焼であるか否かを判定し、早期燃焼と判定したときには、熱排出ダンパを強制開すると共に加熱バーナを消火する早期燃焼対策操作を実行し、この後に早期燃焼ではないと判定したときには、早期燃焼対策操作を解除する工程と、を有し、早期燃焼であるか否かを判定する工程は、燃焼室温度(t1)及び給気温度(t2)・排気温度(t3)が、(a)t1≦早期燃焼確認SP、(b)t3−t2≧早期燃焼確認温度差SP、の双方を満たすとき、早期燃焼であると判定し、(c)t1≧早期燃焼解除確認SP、(d)t3−t2≦早期燃焼解除確認温度差SP、の条件の少なくとも一方を満たすとき、早期燃焼ではないと判定することを特徴としている。
本発明の第4の発明は、可燃性有毒成分を含有する排ガスを浄化する排ガス浄化装置の温度制御方法であって、排ガス浄化装置が、それぞれに蓄熱体が内設され且つ一組の給気口・排気口が設けられた複数の蓄熱室と、これらの複数の蓄熱室の上方に連通して形成された燃焼室と、蓄熱室の各々の給気口・排気口に取付けられ蓄熱室への吸気・排気を切替えるための排気・吸気弁と、燃焼室に設けられた加熱バーナと、燃焼室から余剰熱を排出する熱排出ダンパと、を備え、排ガス浄化装置の温度制御方法が、燃焼室温度に基づき、加熱バーナの着火・消火を行うと共に、熱排出ダンパの開度を調整して燃焼室温度が設定値(SP)となるように温度制御を行う工程と、排ガスが蓄熱体を通過するとき自燃温度以上に昇温して燃焼室に到達する前に燃焼する早期燃焼であるか否かを判定し、早期燃焼と判定したときには、熱排出ダンパを強制開すると共に加熱バーナを消火する早期燃焼対策操作を実行し、この後に早期燃焼ではないと判定したときには、早期燃焼対策操作を解除する工程と、を有し、早期燃焼であるか否かを判定する工程は、燃焼室温度(t1)及び蓄熱室温度(t4)が、(a)t1≦早期燃焼確認SP、(b’)t1−t4≦早期燃焼確認温度差SP、の双方を満たすとき、早期燃焼であると判定し、(c)t1≧早期燃焼解除確認SP、(d’)t1−t4≧早期燃焼解除確認温度差SP、の条件の少なくとも一方を満たすとき、早期燃焼ではないと判定することを特徴としている。

Claims (10)

  1. 可燃性有毒成分を含有する排ガスを浄化する排ガス浄化装置であって、
    それぞれに蓄熱体が内設され且つ一組の給気口・排気口が設けられた複数の蓄熱室と、
    これらの複数の蓄熱室の上方に連通して形成された燃焼室と、
    前記蓄熱室の各々の給気口・排気口に取付けられ蓄熱室への吸気・排気を切替えるための排気・吸気弁と、
    前記燃焼室に設けられた加熱バーナと、
    前記燃焼室から余剰熱を排出する熱排出ダンパと、
    燃焼室温度に基づき、前記加熱バーナの着火・消火を行うと共に、前記熱排出ダンパの開度を調整して前記燃焼室温度が設定値(SP)となるように温度制御を行う制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、排ガスが蓄熱体を通過するとき自燃温度以上に昇温して燃焼室に到達する前に燃焼する早期燃焼であるか否かを判定し、早期燃焼と判定したときには、前記熱排出ダンパを強制開すると共に前記加熱バーナを消火する早期燃焼対策操作を実行し、この後に早期燃焼ではないと判定したときには、前記早期燃焼対策操作を解除することを特徴とする排ガス浄化装置。
  2. 更に、燃焼室に取付けられ燃焼室温度を検出する燃焼室温度センサ、前記蓄熱室の各々の給気口・排気口に取付けられた吸気温度を検出する吸気温度センサ及び排気温度を検出する排気温度センサを有し、
    前記制御手段は、前記燃焼室温度センサ、吸気温度センサ及び排気温度センサによりそれぞれ検出された燃焼室温度(t1)及び給気温度(t2)・排気温度(t3)が、
    (a)t1≦早期燃焼確認SP、
    (b)t3−t2≧早期燃焼確認温度差SP、
    の双方を満たすとき、早期燃焼であると判定し、
    (c)t1≧早期燃焼解除確認SP、
    (d)t3−t2≦早期燃焼解除確認温度差SP、
    の条件の少なくとも一方を満たすとき、早期燃焼ではないと判定する排ガス浄化装置。
  3. 更に、燃焼室に取付けられ燃焼室温度を検出する燃焼室温度センサ、前記蓄熱室に取付けられ蓄熱室温度を検出する蓄熱室温度センサを有し、
    前記制御手段は、前記燃焼室温度センサ及び蓄熱室温度センサによりそれぞれ検出された燃焼室温度(t1)及び蓄熱室温度(t4)が、
    (a)t1≦早期燃焼確認SP、
    (b’)t1−t4≦早期燃焼確認温度差SP、
    の双方を満たすとき、早期燃焼であると判定し、
    (c)t1≧早期燃焼解除確認SP、
    (d’)t1−t4≧早期燃焼解除確認温度差SP、
    の条件の少なくとも一方を満たすとき、早期燃焼ではないと判定する排ガス浄化装置。
  4. 前記早期燃焼解除確認SPが前記早期燃焼確認SPより高く、前記早期燃焼解除確認温度差SPが前記早期燃焼確認温度差SPより低い請求項2又は請求項3記載の排ガス浄化装置。
  5. 更に、前記蓄熱室の各給気口に接続された排ガス供給配管の外気取り入れ口に取り付けられた外気取入れダンパを有し、前記制御手段は、早期燃焼対策操作実行時に、前記熱排出ダンパを強制開するとき前記外気取入れダンパも強制開し、前記早期燃焼対策操作解除時に、前記外気取入れダンパを強制閉し、その後、前記加熱バーナを着火する請求項4記載の排ガス浄化装置。
  6. 可燃性有毒成分を含有する排ガスを浄化する排ガス浄化装置の温度制御方法であって、
    前記排ガス浄化装置が、
    それぞれに蓄熱体が内設され且つ一組の給気口・排気口が設けられた複数の蓄熱室と、
    これらの複数の蓄熱室の上方に連通して形成された燃焼室と、
    前記蓄熱室の各々の給気口・排気口に取付けられ蓄熱室への吸気・排気を切替えるための排気・吸気弁と、
    前記燃焼室に設けられた加熱バーナと、
    前記燃焼室から余剰熱を排出する熱排出ダンパと、を備え、
    前記排ガス浄化装置の温度制御方法が、
    燃焼室温度に基づき、前記加熱バーナの着火・消火を行うと共に、前記熱排出ダンパの開度を調整して前記燃焼室温度が設定値(SP)となるように温度制御を行う工程と、
    排ガスが蓄熱体を通過するとき自燃温度以上に昇温して燃焼室に到達する前に燃焼する早期燃焼であるか否かを判定し、早期燃焼と判定したときには、前記熱排出ダンパを強制開すると共に前記加熱バーナを消火する早期燃焼対策操作を実行し、この後に早期燃焼ではないと判定したときには、前記早期燃焼対策操作を解除する工程と、
    を有することを特徴とする排ガス浄化装置の温度制御方法。
  7. 前記早期燃焼であるか否かを判定する工程は、燃焼室温度(t1)及び給気温度(t2)・排気温度(t3)が、
    (a)t1≦早期燃焼確認SP、
    (b)t3−t2≧早期燃焼確認温度差SP、
    の双方を満たすとき、早期燃焼であると判定し、
    (c)t1≧早期燃焼解除確認SP、
    (d)t3−t2≦早期燃焼解除確認温度差SP、
    の条件の少なくとも一方を満たすとき、早期燃焼ではないと判定する請求項6記載の排ガス浄化装置の温度制御方法。
  8. 前記早期燃焼であるか否かを判定する工程は、燃焼室温度(t1)及び蓄熱室温度(t4)が、
    (a)t1≦早期燃焼確認SP、
    (b’)t1−t4≦早期燃焼確認温度差SP、
    の双方を満たすとき、早期燃焼であると判定し、
    (c)t1≧早期燃焼解除確認SP、
    (d’)t1−t4≧早期燃焼解除確認温度差SP、
    の条件の少なくとも一方を満たすとき、早期燃焼ではないと判定する請求項6記載の排ガス浄化装置の温度制御方法。
  9. 前記早期燃焼解除確認SPが前記早期燃焼確認SPより高く、前記早期燃焼解除確認温度差SPが前記早期燃焼確認温度差SPより低い請求項7又は請求項8記載の排ガス浄化装置の温度制御方法。
  10. 前記排ガス浄化装置は、更に、前記蓄熱室の各給気口に接続された排ガス供給配管の外気取り入れ口に取り付けられた外気取入れダンパを有し、前記早期燃焼であるか否かを判定する工程は、早期燃焼であると判定したとき、前記熱排出ダンパを強制開するとき前記外気取入れダンパも強制開し、早期燃焼ではないと判定したとき、前記外気取入れダンパを強制閉し、その後、前記加熱バーナを着火する請求項9記載の排ガス浄化装置の温度制御方法。
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