JPWO2012032846A1 - 点火システム及び点火プラグ - Google Patents

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Abstract

点火システム(31)は、点火プラグ(1)と、放電用電源(32)と、交流電源(33)とを具備する。点火プラグ(1)は、軸孔(4)を有する絶縁碍子(2)と、軸孔(4)内に配設され、先端が絶縁碍子(2)の先端よりも先端側に位置する電極(8)と、絶縁碍子2の外周に配置される主体金具(3)と、主体金具(3)の先端部に固定され、電極(8)の先端部との間で火花放電間隙(28)を形成する接地電極(27)とを備える。放電用電源(32)からの電圧と交流電源(33)からの交流電力とが電極(8)を通して火花放電間隙(28)に供給され、放電用電源(32)からの電圧により火花放電間隙(28)において生じた火花に、交流電源(33)からの交流電力が投入される。これにより、製造コストの増大を招くことなく、火花に対してエネルギーが効率よく投入され、着火性を飛躍的に向上できる。

Description

本発明は、内燃機関等に使用される点火システム及び点火プラグに関する。
内燃機関等の燃焼装置に使用される点火プラグは、例えば、軸線方向に延びる中心電極と、中心電極の外周に設けられる絶縁体と、絶縁体の外側に組付けられる筒状の主体金具と、基端部が主体金具の先端部に接合された接地電極とを備えている。そして、中心電極に高電圧を印加することにより、中心電極と接地電極との間に形成された間隙において火花を生じさせ、その結果、燃料ガスに対する着火がなされるようになっている。
また近年では、着火性の向上を図るべく、高電圧に代えて、交流電力(高周波電力)を前記間隙に投入することで、火花を生じさせる技術が知られている(例えば、特許文献1等参照)。
しかしながら、上記技術においては、高周波電力のみにより火花を生じさせるため、燃焼室内の状態によって、高周波電力のみでは要求電圧を出力できないことがある。従って、高周波電力を投入しているにも関わらず、火花が生じないという事態(いわゆる失火)が発生してしまいやすい。
そこで、火花を発生させるための中心電極及び接地電極に加えて、電磁波を放射するためのアンテナを設け、アンテナから放射された電磁波により前記両電極間で生じた火花(プラズマ)を成長させることで、着火性の向上を図る技術が提案されている(例えば、特許文献2等参照)。
特開2009−8100号公報 特開2009−38026号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載の技術においては、電磁波が空間を介して火花(プラズマ)に伝わるため、火花に対してエネルギーを効率よく投入することができず、着火性の向上効果に乏しい。また、電磁波を効率よく放射するためには、電磁波の波長や周波数などの要素を鑑みてアンテナの大きさ等を細かく調整する必要があり、製造コストの増大を招いてしまうおそれがある。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、製造コストの増大を招くことなく、火花に対してエネルギーを効率よく投入することができ、着火性を飛躍的に向上させることができる点火システム及び点火プラグを提供することにある。
以下、上記目的を解決するのに適した各構成につき、項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果を付記する。
構成1.本構成の点火システムは、点火プラグと、
前記点火プラグに火花放電を発生させるための電圧の印加を行う放電用電源と、
前記火花放電により生じた火花に交流電力を供給する交流電源と
を具備する点火システムであって、
前記点火プラグは、
軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔内に配設され、先端が前記絶縁体の先端よりも前記軸線方向先端側に位置する電極と、
前記絶縁体の外周に配置される主体金具と、
前記主体金具の先端部に固定され、前記電極の先端部との間で間隙を形成する接地電極とを備え、
前記放電用電源からの電圧と前記交流電源からの交流電力とが前記電極を通して前記間隙に供給され、前記放電用電源からの電圧により前記間隙において生じた火花に、前記交流電源からの交流電力が投入されることを特徴とする。
上記構成1によれば、放電用電源からの電圧と交流電源からの交流電力とがともに電極を通って(つまり、同一ラインを通って)間隙に供給されるように構成されている。従って、火花に対して空間等を介することなく交流電力が直接投入されることとなり、火花に対してエネルギーを効率よく投入することができる。その結果、火花に交流電力を投入することで生成されるプラズマをより大きなものとすることができ、着火性を飛躍的に向上させることができる。
また、上記構成1においては、上述した従来技術のような電磁波を放射させるための調整は不要である。さらに、電極が共通の伝送路として機能するため、アンテナ等を設ける場合と比較して部品点数を低減させることができる。その結果、製造コストの抑制を図ることができる。
構成2.本構成の点火システムは、上記構成1において、前記交流電力の波長をλ(m)としたとき、
前記軸線に沿った、前記主体金具の先端からの前記電極の先端の突出長をλ/8(m)以下としたことを特徴とする。
上記構成2によれば、交流電力の波長をλ(m)としたとき、主体金具の先端からの電極の先端の突出長がλ/8(m)以下と十分に小さなものとされている。従って、電極からの電磁波の放射をより確実に防止することができ、火花に対して一層効率よくエネルギーを投入することができる。すなわち、上記従来技術は、電磁波を放射することで火花(プラズマ)の強化を図るものであるところ、本構成2によれば、従来技術とは逆に電磁波の放射を防止することで、一層大きなプラズマを発生させることができ、着火性をより一層向上させることができる。
加えて、上記構成2によれば、電極の先端部の過熱を抑制することができ、電極の溶損や電極を熱源とした着火といった事態をより確実に防止することができる。
構成3.本構成の点火システムは、上記構成1又は2において、1回の火花放電において、火花に投入される交流電力の平均値を50W以上500W以下としたことを特徴とする。
尚、前記「平均値」は、1回の火花放電における交流電力の投入開始から投入終了までの時間(秒)で、投入された電力量を除算した値をいう。
上記構成3によれば、1回の火花放電において火花に投入される交流電力の平均値(以下、「平均電力」と称す)が50W以上とされている。そのため、プラズマをより確実に発生させることができ、上記各構成の作用効果をより確実に発揮させることができる。
一方で、平均電力を増大させると、着火性の更なる向上を期待できるものの、使用に伴い電極の先端部が急激な消耗してしまうため、放電電圧の急速な増大が懸念される。
この点、上記構成3によれば、平均電力が500W以下とされているため、電極の急激な消耗を効果的に抑制することができ、放電電圧の上昇スピードを抑制することができる。その結果、プラズマを生成可能な期間をより長期化でき、優れた着火性を一層長期間に亘って維持することができる。
構成4.本構成の点火システムは、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、間隙の大きさを1.3mm以下としたことを特徴とする。
上記構成4によれば、間隙の大きさが1.3mm以下とされているため、間隙において生じた火花の放電抵抗を十分に小さなものとすることができる。これにより、交流電力を火花に対してより流れ込みやすくすることができ、着火性をより一層向上させることができる。
尚、間隙の大きさを過度に小さくすると、電極の先端部と接地電極との間が燃料やカーボンで繋がってしまう現象(いわゆるブリッジ)が生じやすくなってしまう。ここで、上記各構成の点火システムにおいては、火花のみを発生させる点火システムと比較して、プラズマの影響により使用時において電極や接地電極がより高温となる。そのため、電極や接地電極の変形がより生じやすく、使用に伴い間隙の大きさが小さなものとなってしまいやすい。従って、このような点火システムにおいて、ブリッジの発生をより確実に防止するために、間隙の大きさを十分に大きなもの(例えば、0.5mm以上)とすることが好ましい。
構成5.本構成の点火システムは、上記構成1乃至4のいずれかにおいて、前記間隙の中心から半径1mm以内の範囲に、前記絶縁体が存在しないことを特徴とする。
尚、「間隙の中心」とあるのは、電極のうち間隙を挟んで接地電極に対向する面の中心と、接地電極のうち間隙を挟んで電極に対向する面の中心とを結んだ線分の中点を意味する(以下、同様)。
絶縁体の近傍で火花放電を生じさせると、発生したプラズマが絶縁体に接触しやすくなってしまい、絶縁体の表面がより高温になってしまいやすい。絶縁体表面が高温になると、カーボン等の異物が絶縁体の表面に付着しやすくなってしまい、絶縁体の表面を伝わった電流のリーク等が生じてしまうおそれがある。
この点、上記構成5によれば、間隙の中心から半径1mmの範囲内に絶縁体が存在しないように構成されており、火花放電が絶縁体から離れた位置で生じるように構成されている。従って、発生したプラズマが絶縁体に接触しにくくなり、ひいては絶縁体の表面に対する異物の付着をより確実に防止することができる。
構成6.本構成の点火システムは、上記構成1乃至5のいずれかにおいて、前記交流電力の発振周波数を5MHz以上100MHz以下としたことを特徴とする。
放電用電源からの電圧と交流電源からの交流電力との双方を混合して電極に供給するにあたっては、交流電力の通過を許容しつつ、放電用電源から出力される電流の交流電源側への流入を防止するために、コンデンサを用いることが考えられる。ここで、交流電力を通過させるためには、交流電力の発振周波数が小さいほど、静電容量の大きなコンデンサを用いる必要がある。ところが、放電用電源から出力される電流には、比較的周波数の高い成分が含まれ得るところ、交流電力の発振周波数を小さくすることに対応してコンデンサの静電容量を過度に大きくしてしまうと、交流電力だけでなく前記高周波成分もコンデンサを通過してしまうおそれがある。放電用電源から出力される電流が交流電源側に流入してしまうと、交流電源の破損や間隙に供給されるエネルギーの低下といった事態を招いてしまうおそれがある。
この点、上記構成6によれば、交流電力の発振周波数が5MHz以上と十分に大きなものとされている。従って、交流電力の通過を許容するために、コンデンサの静電容量を過度に増大させる必要がなくなり、ひいては放電用電源から出力される電流の交流電源側への流入を防止することができる。その結果、交流電源の破損をより確実に防止できるとともに、火花に対してエネルギーを一層効率よく投入することができる。
一方で、いわゆる表皮効果により交流電力は導体の外表面を伝わって流れることとなるが、交流電力の発振周波数を過度に大きくしてしまうと、交流電力の伝送路における電気抵抗が増大してしまい、火花に投入されるエネルギーが低下してしまうおそれがある。
この点、上記構成6によれば、交流電力の発振周波数が100MHz以下とされており、交流電力の伝送路における電気抵抗の増大抑制が図られている。その結果、火花に対してエネルギーをより一層効率よく投入することができ、着火性をさらに向上させることができる。
構成7.本構成の点火システムは、上記構成1乃至6のいずれかにおいて、前記点火プラグのうち前記主体金具の先端よりも前記軸線方向先端側に位置する部位の有する静電容量を、前記点火プラグ全体の有する静電容量の1/100以下としたことを特徴とする。
点火プラグ全体の有する静電容量に対して、点火プラグのうち主体金具よりも先端側に位置する部位の静電容量の占める割合が大きいと、火花放電時とプラズマ発生時とで交流電源を基準とした点火プラグ側のインピーダンス変化が大きくなってしまう。その結果、電力の反射が生じやすくなってしまい、火花に投入されるエネルギーの低下を招いてしまうおそれがある。
この点、上記構成7によれば、点火プラグのうち主体金具の先端よりも先端側に位置する部位の有する静電容量が、点火プラグ全体の有する静電容量の1/100以下と非常に小さなものとされている。そのため、火花放電時とプラズマ発生時とにおけるインピーダンス変化を極めて小さなものとすることができ、電力の反射を極力抑制することができる。その結果、火花に対してエネルギーを一層効率よく投入することができ、着火性の更なる向上を図ることができる。
構成8.本構成の点火システムは、上記構成1乃至7のいずれかにおいて、前記電極、前記接地電極、及び、前記絶縁体のうち、前記間隙の中心から半径2.5mmの範囲内に位置する部位の合計体積を20mm3以下としたことを特徴とする。
火花により着火するタイプの点火プラグの分野では、着火性の向上を図るべく、接地電極のうち電極の先端部と対向する部位に突部を設ける手法が知られている(例えば、特開2009−37750号公報参照)。当該手法によれば、火花により生じた初期火炎の成長が、電極や接地電極によって阻害されてしまうという事態を抑制することができるとされている。
ここで、上記構成1等の点火システム〔すなわち、着火性の更なる向上を図るべく、交流(高周波)電力を前記間隙に投入することで、前記間隙に交流(高周波)プラズマを発生させるもの〕においても、火花により着火するタイプの点火プラグと同様に、上記特開2009−37750号公報に記載の手法を採用することで着火性の向上を図ることが考えられる。
そこで、本願発明者が、図23(a)に示すように、接地電極27のうち電極8の先端部と対向する部位に突部27Pを設けた点火プラグのサンプル(サンプルA)と、図23(b)に示すように、接地電極27のうち中心電極5と対向する部位を平坦状に形成した点火プラグのサンプル(サンプルB)とを作製し、高電圧を印加して火花を生じさせたときの失火率と、交流電力(高周波電力)を投入してプラズマを生じさせたときの失火率とをそれぞれのサンプルについて測定し、着火性が向上するか否かを確認した。表1に、各サンプルにおける、高電圧を印加したときの失火率と、交流電力を投入したときの失火率とを示す。尚、失火率は、失火の生じた割合を示し、小さいほど着火性に優れることを意味する。また、高電圧の印加は、出力エネルギー30mJの電源装置を用いて行い、交流電力の投入は、発振周波数13MHz、出力電力(投入される電力量の1秒当たりの平均値)を300Wとした高周波電源を用いて行い、電力の投入時間を1msとした。さらに、高電圧の印加、及び、交流電力の投入ともに、それぞれ1000回ずつ行った。加えて、各サンプルともに、電極の先端部の外径を1.5mm、間隙の大きさを0.8mmとし、サンプルAにおいて突部27Pの外径を1.5mmとした。
Figure 2012032846
表1に示すように、高電圧を印加して火花を生じさせる場合には、サンプルBよりもサンプルAの方が着火性に優れていたが、交流電力を投入してプラズマを生成する場合には、サンプルAの方がサンプルBよりも着火性に劣るという結果となった。つまり、火花により着火を行うタイプの点火プラグにおいて着火性の向上を実現できる手法を用いたとしても、プラズマにより着火を行うタイプの点火プラグにおいては、必ずしも着火性を向上できないことが明らかとなった。
このような結果は、次の理由により生じたものと考えられる。すなわち、火花により着火するタイプの点火プラグにおいては、着火性を向上させるために、火花により生じた初期火炎の成長をいかに阻害しないかがポイントとなる。従って、初期火炎をより成長させるためには、サンプルAのように、特に火花の発生位置(間隙)の近傍において、接地電極や中心電極のボリュームを小さくすることが効果的である。一方で、プラズマにより着火するタイプの点火プラグにおいては、電力の投入直後に前記初期火炎よりも遥かに大きなプラズマが発生可能であり、着火性の向上を図るためには、電力の投入直後においていかに大きなプラズマを発生させるかが重要となる。従って、このような点火プラグにおいて着火性の向上を図るためには、間隙を中心とした、プラズマが発生し得る広い範囲において、接地電極や中心電極のボリュームを適切に設定する必要があり、間隙の近傍における接地電極等のボリュームを小さくするだけでは不十分である。
この点を鑑みて、上記構成8によれば、間隙の中心から半径2.5mmの範囲という非常に広い範囲において、電極、接地電極、及び、絶縁体の合計体積が20mm3以下とされている。すなわち、プラズマが発生し得る範囲内において、電極や接地電極等の合計体積が十分に小さなものとされている。従って、交流電力の投入直後において、電極や接地電極等に極力阻害されることなく、より大きなプラズマを発生させることができる。その結果、着火性を飛躍的に向上させることができる。
構成9.本構成の点火システムは、上記構成8において、前記電極と前記接地電極との間を結び、前記間隙の最短距離を形成する線分の延びる方向に沿って、前記線分と直交する面に、前記接地電極と前記間隙の中心とを投影した際の投影面において、
前記間隙の中心の投影点から半径2mmの範囲内に位置する前記接地電極の投影領域の面積が7.6mm2以下とされることを特徴とする。
上記構成9によれば、接地電極によるプラズマの成長阻害をより確実に抑制することができ、より一層大きなプラズマを発生させることができる。その結果、着火性を一層向上させることができる。
構成10.本構成の点火システムは、上記構成8又は9において、前記接地電極は、前記軸線方向において前記間隙に対応する間隙対応部を有し、
前記間隙対応部の最小幅を3.0mm以下としたことを特徴とする。
尚、「間隙対応部」とあるのは、接地電極のうち、軸線方向に沿って間隙の高さ位置と同じ高さ位置にある部位を意味する。
内燃機関等の燃焼室内には、スワール等の気流が生じており、この気流により間隙からはみ出すようにしてプラズマが広がることで、プラズマを大きく成長させることができる。ところが、内燃機関等の燃焼装置に対する点火プラグの取付状態によっては、気流が接地電極の背面側から間隙側に向けて生じることがある。この場合には、接地電極により間隙に対して気流が入り込みにくくなり、プラズマを大きく成長させることが難しくなってしまうおそれがある。
この点、上記構成10によれば、接地電極のうち間隙に対応する間隙対応部の最小幅が3.0mm以下とされており、間隙に対して気流を流れ込みやすくすることができる。その結果、気流に乗せてプラズマをより大きく成長させることができ、着火性をさらに向上させることができる。
尚、間隙対応部の最小幅を小さくするほど着火性の向上を期待できるが、接地電極を過度に細くしてしまうと、接地電極から主体金具側への熱伝導に支障が生じてしまい、接地電極の耐消耗性が低下してしまうおそれがある。従って、耐消耗性の低下を防止するという観点から、間隙対応部の最小幅を1.0mm以上とすることが好ましい。
構成11.本構成の点火システムは、上記構成8乃至10のいずれかにおいて、前記軸線方向先端側から見たとき、
前記電極の先端面の少なくとも一部が視認可能に構成されることを特徴とする。
上記構成11によれば、接地電極に阻害されることなく、燃焼室の中心側に向けてプラズマがより広がりやすくなる。その結果、着火性をより一層向上させることができる。
構成12.本構成の点火システムは、上記構成8乃至11のいずれかにおいて、前記電極のうち少なくとも先端部は円柱状をなし、
前記電極の先端部の外径を3.0mm以下としたことを特徴とする。
上記構成12によれば、電極の先端部によるプラズマの成長阻害を効果的に抑制することができ、着火性の更なる向上を図ることができる。
尚、電極の先端部の外径を過度に小さくしてしまうと、使用に伴い間隙が急速に拡大してしまい、放電電圧の急激な上昇ひいてはプラズマを生成可能な期間の短縮という事態を招いてしまうおそれがある。従って、優れた着火性を長期間に亘って維持するという点から、電極の先端部の外径を0.5mm以上とすることが好ましい。
構成13.本構成の点火システムは、上記構成8乃至12のいずれかにおいて、前記軸線に沿った、前記主体金具の先端に対する前記接地電極の突出長を10mm以下としたことを特徴とする。
上記構成13によれば、接地電極の先端部から主体金具までの熱伝導経路が短くなり、接地電極の熱を主体金具側へとよりスムーズに伝導することができる。その結果、接地電極の過熱を抑制することができ、接地電極の耐消耗性をより一層向上させることができる。
構成14.本構成の点火プラグは、上記構成1乃至13のいずれかに記載の点火システムに用いられることを特徴とする。
上記構成14によれば、基本的には上記構成1等と同様の作用効果が奏される。
点火システムの概略構成を示すブロック図である。 点火プラグの構成を示す一部破断正面図である。 点火プラグの先端部の構成を示す部分拡大正面図である。 比較例に相当するサンプルの構成を示す模式図である。 中心電極の突出長Lを種々変更したサンプルにおける、着火性評価試験の結果を示すグラフである。 火花放電間隙の大きさGを種々変更したサンプルにおける、着火性評価試験の結果を示すグラフである。 第2実施形態における、点火プラグの構成を示す一部破断正面図である。 点火プラグの先端部の構成を示す部分拡大正面図である。 接地電極等を投影させた投影面を示す投影図である。 (a)は、点火プラグの先端部の構成を示す部分拡大正面図であり、(b)は、点火プラグの先端部の構成を示す部分拡大側面図である。 点火プラグの先端部の構成を示す部分拡大底面図である。 合計体積を種々変更したサンプルにおける、着火性評価試験の試験結果を示すグラフである。 投影面積を種々変更したサンプルにおける、着火性評価試験の試験結果を示すグラフである。 間隙対応部の最小幅を種々変更したサンプルにおける、着火性評価試験の試験結果を示すグラフである。 別の実施形態における点火プラグ先端部の構成を示す部分拡大底面図である。 (a)は、別の実施形態における点火プラグの先端部の部分拡大正面図であり、(b)は、別の実施形態における点火プラグの先端部の部分拡大底面図である。 (a)は、別の実施形態における点火プラグの先端部の部分拡大正面図であり、(b)は、別の実施形態における点火プラグの先端部の部分拡大底面図である。 (a)〜(c)は、別の実施形態における点火プラグの先端部の構成を示す部分拡大正面図である。 (a)〜(c)は、別の実施形態における点火プラグの先端部の構成を示す部分拡大正面図である。 (a)は、別の実施形態における点火プラグの先端部の部分拡大正面図であり、(b)は、別の実施形態における点火プラグの先端部の部分拡大底面図である。 (a)は、別の実施形態における点火プラグの先端部の部分拡大正面図であり、(b)は、別の実施形態における点火プラグの先端部の部分拡大底面図である。 別の実施形態における点火プラグの先端部の部分拡大正面図である。 (a)は、サンプルAの先端部の構成を示す部分拡大正面図であり、(b)は、サンプルBの先端部の構成を示す部分拡大正面図である。
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、点火システム31の概略構成を示すブロック図である。尚、図1では、点火プラグ1を1つのみ示しているが、実際の燃焼装置には複数の気筒が設けられ、各気筒に対応して点火プラグ1が設けられる。そして、次述する放電用電源32や交流電源33からの電力が、図示しないディストリビュータを介して各点火プラグ1に供給されるようになっている。
点火システム31は、点火プラグ1と、放電用電源32と、交流電源33と、混合回路34とを備えている。
放電用電源32は、点火プラグ1に対して高電圧を供給し、後述する火花放電間隙28にて火花放電を生じさせるものである。尚、放電用電源32としては、例えば、点火コイルを用いることができる。
交流電源33は、点火プラグ1に対して交流電力を供給するものである。また、交流電源33と混合回路34との間にはインピーダンスマッチング回路35が設けられている。当該インピーダンスマッチング回路35により、交流電源33側の出力インピーダンスと、混合回路34や点火プラグ1(負荷)側の入力インピーダンスとが一致するように構成されており、点火プラグ1側へと供給される交流電力の減衰防止が図られている。尚、交流電源33から点火プラグ1までの交流電力の伝送路は、内部導体と当該内部導体の外周に配置された外部導体とを有する同軸ケーブルによって構成されており、その結果、電力の反射防止が図られている。
混合回路34は、放電用電源32から出力される高電圧の伝送路38Aと、交流電源33から出力される交流電力の伝送路38Bとを、点火プラグ1に接続される1つの伝送路38Cにまとめるものであり、コイル36とコンデンサ37とを備えている。コイル36においては、放電用電源32から出力される比較的低周波数の電流が通過可能とされる一方で、交流電源33から出力される比較的高周波数の電流が通過不能とされており、交流電源33から出力される電流の放電用電源32側への流入が抑制されている。一方で、コンデンサ37においては、交流電源33から出力される比較的高周波数の電流が通過可能とされる一方で、放電用電源32から出力される比較的低周波数の電流が通過不能とされており、放電用電源32から出力される電流の交流電源33側への流入が抑制されている。尚、放電用電源32として点火コイルを用いる場合には、点火コイルの有する二次コイルを前記コイル36の代わりとして用い、コイル36を省略することとしてもよい。
点火プラグ1は、図2に示すように、筒状をなす絶縁体としての絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。尚、図2では、点火プラグ1の軸線CL1方向を図面における上下方向とし、下側を点火プラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
絶縁碍子2は、周知のようにアルミナ等を焼成して形成されており、その外形部において、後端側に形成された後端側胴部10と、当該後端側胴部10よりも先端側において径方向外向きに突出形成された大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれよりも細径に形成された脚長部13とを備えている。加えて、絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、及び、大部分の脚長部13は、主体金具3の内部に収容されており、後端側胴部10は、主体金具3の後端から露出している。また、中胴部12と脚長部13との連接部にはテーパ状の段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
さらに、絶縁碍子2には、軸線CL1に沿って軸孔4が貫通形成されており、当該軸孔4には電極8が挿入、固定されている。電極8は、軸孔4の先端側に設けられた中心電極5と、軸孔4の後端側に設けられた端子電極6と、両電極5,6の間に設けられたガラスシール部7とを備えている。
中心電極5は、全体として棒状をなしており、その先端が、絶縁碍子2の先端から軸線CL1方向先端側へと突出している。また、中心電極5は、ニッケル(Ni)を主成分とするNi合金により構成されている。尚、中心電極5の内部に、熱伝導性に優れる銅や銅合金からなる内層を設けることとしてもよい。この場合には、中心電極5の熱引きが向上し、耐消耗性の向上を図ることができる。
端子電極6は、低炭素鋼等の金属により形成されており、全体として棒状をなしている。また、端子電極6の後端部には、径方向外側に膨出形成された接続部6Aが設けられている。当該接続部6Aは、絶縁碍子2の後端から突出しており、前記混合回路34の出力(伝送路38C)と電気的に接続されている。
加えて、ガラスシール部7は、金属粉末やガラス粉末等の混合物が焼結されることで形成されたものであり、中心電極5及び端子電極6を電気的に接続するとともに、絶縁碍子2に対して両電極5,6を固定している。
前記主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面には点火プラグ1を燃焼装置(例えば、内燃機関や燃料電池改質器等)の取付孔に取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。また、ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3を前記燃焼装置に取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が設けられるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するためのテーパ状の段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって主体金具3に固定されている。尚、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料ガスが外部に漏れないようになっている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
また、主体金具3の先端部26には、Niを主成分とする合金により形成され、略中間部分にて曲げ返された接地電極27が接合されている。接地電極27は、その先端側側面が電極8(中心電極5)の先端部と対向しており、電極8の先端部と接地電極27との間には、間隙としての火花放電間隙28が形成されている。尚、本実施形態において、接地電極27は、自身の長手方向に沿って同一の幅を有するように構成されている。
本実施形態では、放電用電源32からの電圧と交流電源33からの交流電力とが電極8を通して火花放電間隙28に供給され、放電用電源32からの電圧により火花放電間隙28において生じた火花に、交流電源33からの交流電力が投入されることでプラズマを発生させるように構成されている。すなわち、電極8を共通の伝送路として放電用電源32からの電圧と交流電源33からの交流電力とが火花放電間隙28に供給され、その結果、火花放電間隙28で生じた火花に対して、交流電力が直接投入されるように構成されている。
加えて、交流電源33から供給される交流電力の波長をλ(m)としたとき、軸線CL1に沿った、主体金具3の先端からの電極8(中心電極5)の先端の突出長Lがλ/8(m)以下とされている。
さらに、点火プラグ1においては、図3に示すように、火花放電間隙28の大きさGが0.5mm以上1.3mm以下とされている。また、火花放電間隙28の中心CPから半径1mm以内の範囲に絶縁碍子2が存在しないように構成されている。尚、「火花放電間隙28の中心CP」とあるのは、電極8のうち火花放電間隙28を挟んで接地電極27に対向する面の中心と、接地電極27のうち火花放電間隙28を挟んで電極8に対向する面の中心とを結んだ線分の中点を意味する。
併せて、点火プラグ1は、主体金具3と接地電極27及び電極8との間に絶縁碍子2が挟まれた形(すなわち、絶縁体を電極で挟んだコンデンサのような形)であるため、点火プラグ1はある程度の静電容量を有している。本実施形態では、軸線CL1に沿った主体金具3の長さや絶縁碍子2の厚さを調節することで、点火プラグ1のうち主体金具3の先端よりも軸線CL1方向先端側に位置する部位の有する静電容量が、点火プラグ1全体の有する静電容量の1/100以下に設定されている。
また、交流電源33から供給される交流電力の発振周波数は5MHz以上100MHz以下とされている。さらに、1回の火花放電において、火花に投入される交流電力の平均値(平均電力)が50W以上500W以下となるように、投入される交流電力の電力量や交流電力の投入時間が調節されている。
以上詳述したように、本実施形態によれば、放電用電源32からの電圧と交流電源33からの交流電力とがともに電極8を通って(つまり、同一ラインを通って)火花放電間隙28に供給されるように構成されている。従って、火花に対して空間等を介することなく交流電力が直接投入されることとなり、火花に対してエネルギーを効率よく投入することができる。その結果、より大きなプラズマを発生させることができ、着火性を飛躍的に向上させることができる。
また、電極8が共通の伝送路として機能するため、部品点数を低減させることができ、製造コストの抑制を図ることができる。
さらに、交流電力の波長をλ(m)としたとき、電極8の先端の突出長Lがλ/8(m)以下と十分に小さなものとされている。従って、電極8からの電磁波の放射をより確実に防止することができ、火花に対して一層効率よくエネルギーを投入することができる。また、電極8の先端部の過熱を抑制することができ、電極8の溶損や電極8を熱源とした着火といった事態をより確実に防止することができる。
加えて、平均電力が50W以上500W以下とされているため、プラズマをより確実に発生させることができるとともに、電極8の急激な消耗を効果的に抑制することができる。その結果、安定的な着火を図ることができるとともに、優れた着火性を一層長期間に亘って維持することができる。
併せて、火花放電間隙28の大きさGが1.3mm以下とされているため、生じた火花の放電抵抗を十分に小さなものとすることができる。これにより、交流電力を火花に対してより流れ込みやすくすることができ、着火性をより一層向上させることができる。一方で、火花放電間隙28の大きさGが0.5mm以上とされているため、電極8の先端部と接地電極27との間におけるブリッジの発生をより確実に防止できる。
また、火花放電間隙28の中心CPから半径1mmの範囲内に絶縁碍子2が存在しないように構成されており、火花放電が絶縁碍子2から離れた位置で生じるように構成されている。従って、絶縁碍子2の表面に対するカーボン等の異物の付着をより確実に防止することができ、電流のリークをより確実に抑制することができる。
さらに、交流電力の発振周波数が5MHz以上と十分に大きなものとされているため、交流電力の通過を許容するために、コンデンサ37の静電容量を過度に増大させる必要がなくなり、放電用電源32から出力される電流の交流電源33側への流入を防止することができる。その結果、交流電源33の破損をより確実に防止できるとともに、火花に対してエネルギーを一層効率よく投入することができる。一方で、交流電力の発振周波数は100MHz以下とされているため、交流電源33の伝送路における電気抵抗の増大抑制を図ることができ、着火性をさらに向上させることができる。
加えて、点火プラグ1のうち主体金具3の先端よりも先端側に位置する部位の有する静電容量が、点火プラグ1全体の有する静電容量の1/100以下と非常に小さなものとされている。そのため、電力の反射を極力抑制することができ、着火性の更なる向上を図ることができる。
次いで、上記実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、軸線に沿った電極(中心電極)の突出長Lを種々変更した点火プラグのサンプル(本発明に相当する)と、図4に示すように、放電用電源32に接続され、自身の先端部と接地電極41との間に火花を発生させる電極42と、交流電源33に接続され先端部において電磁波を放射し、空間を介して高周波のエネルギーを火花に投入するアンテナ43とを別々に備えた点火プラグのサンプル(比較例に相当する)とを作製し、各サンプルについて着火性評価試験を行った。着火性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、各サンプルを所定のチャンバーに取付けた上で、交流電力の発振周波数を2.45GHz、交流電源の出力を500mJとしてプラズマを発生させるとともに、サンプルの側面側から発生したプラズマを撮像し、撮像画像からプラズマの大きさ(プラズマ面積)を測定した。そして、比較例に相当するサンプルのプラズマ面積に対する、本発明に相当するサンプルのプラズマ面積の比率(面積比)を算出した。図5に、当該試験の試験結果を示す。尚、図5において、サンプルXは、比較例に相当するサンプルを意味する。また、サンプル1〜3はそれぞれ本発明に相当するサンプルを意味し、サンプル1は突出長Lをλ/6(m)としたものであり、サンプル2は突出長Lをλ/8(m)としたものであり、サンプル3は突出長Lをλ/10(m)としたものである(λは、交流電力の波長を示す)。
図5に示すように、本発明に相当するサンプル(サンプル1〜3)は、比較例に相当するサンプル(サンプルX)と比べてプラズマ面積が増大し、それぞれ優れた着火性を有することが明らかとなった。これは、交流電力が空間を介することなく火花に対して直接投入されたことで、空間を介することに伴うエネルギーの損失が生じなかったことによると考えられる。
また特に、突出長Lをλ/8(m)以下としたサンプル(サンプル2,3)は、一層優れた着火性を実現できることが分かった。これは、突出長Lをλ/8以下としたことで、電極からの電磁波の放射が効果的に抑制され、火花に投入されるエネルギーが増大したためであると考えられる。
以上の試験結果より、着火性の向上を図るべく、電極を共通の伝送路として、放電用電源からの電圧と交流電源からの交流電力とを火花放電間隙に対して供給するように構成することが好ましいといえる。また、着火性の更なる向上を図るという観点からは、電極の突出長Lをλ/8(m)以下とすることがより好ましいといえる。
次いで、交流電源の出力電流を変更することで、火花に投入される交流電力の平均値(平均電力)を変更可能とした点火システムのサンプルについて、耐久性評価試験及び失火率測定試験を行った。
耐久性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、各サンプルの点火プラグを所定のチャンバーに取付けた上で、チャンバー内の圧力を0.4MPaに設定し、印加電圧の周波数を15Hzとして(すなわち、毎分900回の割合で)プラズマを発生させた。そして、40時間経過後に、試験後における火花放電間隙の大きさを測定し、試験前における火花放電間隙の大きさに対する増加量(間隙増加量)を算出した。ここで、間隙増加量が0.1mm以下となったサンプルは、電極の消耗量が非常に少なく、放電電圧の上昇を極めて効果的に抑制できるとして「◎」の評価を下し、間隙増加量が0.1mm超0.2mm以下となったサンプルは、電極の消耗量が少なく、放電電圧の上昇を効果的に抑制できるとして「○」の評価を下すこととした。一方で、間隙増加量が0.2mm超0.3mm以下となったサンプルは、電極の消耗量がやや多く、放電電圧がやや上昇しやすいとして「△」の評価を下すこととした。
また、失火率測定試験の概要は次の通りである。すなわち、各サンプルの点火プラグを排気量2000cc、4気筒DOHCエンジンに取付けた上で、空燃比(A/F)を24に設定した。そして、電圧を印加して火花を発生させるとともに、火花に対して交流電力を投入することを1000回行い、混合気への着火に失敗した回数(失火数)を測定するとともに、1000回中における失火数の割合(失火率)を算出した。ここで、失火率が0.0%となったサンプルは、非常に安定して混合気への着火が行えるとして「◎」の評価を下し、失火率が0.1%以上0.9%以下となったサンプルは、十分に安定して混合気への着火が行えるとして「○」の評価を下すこととした。一方で、着火率が1.0%以上となったサンプルは、着火の安定性に若干劣るとして「△」の評価を下すこととした。
表2に、耐久性評価試験、及び、失火率測定試験の試験結果を示す。尚、両試験においては、各サンプルともに、交流電力の発振周波数を13.56MHzとし、1回の火花放電に対する交流電力の投入時間を2msとした。また、電極の先端部(中心電極)をNi合金により構成するとともに、電極の先端部の外径を2.5mmとし、間隙の大きさを0.8mmとした。尚、表2において、平均電力が0Wとあるのは、交流電力を投入することなく、火花のみを発生させたことを示す。
Figure 2012032846
表2に示すように、平均電力を50W以上500W以下とすることで、放電電圧の上昇を効果的に抑制しつつ、混合気への着火を極めて安定的に行えることが明らかとなった。
以上の試験結果より、長期間に亘っての着火を可能としつつ、優れた着火安定性を実現するという観点から、火花に投入される交流電力の平均値(平均電力)を50W以上500W以下とすることが好ましいといえる。
次いで、火花放電間隙の大きさGを種々変更した点火プラグのサンプルを複数作製し、各サンプルについて上述の着火性評価試験を行った。但し、交流電力の発振周波数を13.56MHzに変更するとともに、1回の火花放電に対する交流電力の投入時間を2msとし、平均電力を300Wとした。また、火花放電間隙の大きさGを1.0mmとしたサンプルのプラズマ面積を基準として各サンプルの面積比を算出した。図6に、当該試験の試験結果を示す。
図6に示すように、火花放電間隙の大きさGを1.5mmとしたサンプルは、他のサンプルと比較して、着火性にやや劣ることが分かった。これは、発生した火花の放電抵抗が比較的大きなものとなり、火花に対して交流電力が流れ込みにくくなったためであると考えられる。
これに対して、大きさGを1.3mm以下としたサンプルは、優れた着火性を有することが明らかとなった。また特に、大きさGを0.8mm以上1.3mm以下としたサンプルは、より優れた着火性を有することが確認された。
以上の試験結果より、着火性の更なる向上を図るべく、火花放電間隙の大きさGを1.3mm以下とすることが好ましいといえる。また、着火性を一層向上させるためには、火花放電間隙の大きさGを0.8mm以上1.3mm以下とすることがより好ましいといえる。
次に、絶縁碍子の先端に対する電極の先端の突出長を変更することで、火花放電間隙の中心から絶縁碍子までの最短距離Xを0.5mm、1mm、又は、1.5mmとした点火プラグのサンプルを作製し、各サンプルについて上述の耐久性評価試験を行った際における絶縁碍子の表面の汚損状態について確認した。ここで、40時間経過後に、絶縁碍子に異常が生じていなかったサンプルは「○」の評価を下すこととし、一方で、絶縁碍子の表面にカーボン等の異物が付着していたサンプルは「△」の評価を下すこととした。表3に、当該試験の試験結果を示す。尚、当該試験においては、交流電力の発振周波数や電極のサイズなどを上述の耐久性評価試験における発振周波数や電極のサイズなどと同一のものとした。
Figure 2012032846
表3に示すように、最短距離Xを0.5mmとしたサンプルは、絶縁碍子の表面に対する異物の付着が確認された。これは、発生したプラズマが絶縁碍子に接触しやすくなってしまい、絶縁碍子の表面がより高温となってしまったためであると考えられる。
これに対して、最短距離Xを1mm以上としたサンプルは、40時間経過後であっても絶縁碍子に異常が生じず、異物の付着を効果的に抑制できることが分かった。
以上の試験結果より、異物の付着防止を図るべく、最短距離Xを1mm以上とすること、換言すれば、火花放電間隙の中心から1mmの範囲内に絶縁碍子が存在しないように構成することが好ましいといえる。
〔第2実施形態〕
次いで、第2実施形態について説明する。本第2実施形態においては、特に点火プラグ1の構成が上記第1実施形態と異なるため、点火プラグ1の構成を説明する。
図7及び図8に示すように、本実施形態においては、電極8、接地電極27、及び、絶縁碍子2のうち、火花放電間隙28の中心CPから半径2.5mmの範囲内に位置する部位の合計体積が20mm3以下とされている。また、本実施形態では、火花放電間隙28の大きさ(後述する線分LSの長さ)が比較的大きく(例えば、0.5mm以上と)されており、前記中心CPから電極8や接地電極27が比較的離間するように構成されている。さらに、主体金具3の先端から火花放電間隙28の中心CPまでの最短距離が2.5mm以上とされており、前記範囲内に主体金具3が存在しないように構成されている。
また、電極8と接地電極27との間を結び、火花放電間隙28の最短距離を形成する線分LSの延びる方向に沿って、前記線分LSと直交する面に、接地電極27と火花放電間隙28の中心CPとを投影した際の投影面PS(図9参照)において、接地電極27の投影領域27Xのうち、火花放電間隙28の中心CPの投影点PPから半径2mmの範囲内に位置する領域(図9中、散点模様を付した部位)の面積が7.6mm2以下とされている。
さらに、図10(a),(b)に示すように、電極8(中心電極5)の先端部の外径Dが3.0mm以下と比較的小径化されている。尚、電極8の耐消耗性を確保するためには、前記外径Dを0.5mm以上とすることが好ましい。
また、接地電極27のうち、軸線CL1方向において火花放電間隙28に対応する間隙対応部27Aの最小幅WMINが3.0mm以下とされている。加えて、軸線CL1に沿った、主体金具3の先端に対する接地電極27の突出長GLが10mm以下とされている。
さらに、本実施形態では、図11に示すように、軸線CL1方向先端側から見たときにおける、電極8の先端面外周のうち接地電極27の基端から最も離間する部位BPと接地電極27の先端との間の、接地電極27の延びる方向に沿った距離KLについて、前記部位BPを基準として接地電極27の基端側をマイナス側としたとき、距離KLがマイナスとなるように設定されている。これにより、軸線CL1方向先端側から見たとき、電極8の先端面の少なくとも一部が視認可能とされている。尚、距離KLを0又はプラスとした場合には、例えば、接地電極27のうち電極8の先端部上に位置する部位の幅を、電極8の先端部の外径Dよりも小さくすることで、軸線CL1方向先端側から見たときにおいて、電極8の先端面の少なくとも一部を視認可能とすることができる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、火花放電間隙28の中心CPから半径2.5mmの範囲という非常に広い範囲において、電極8、接地電極27、及び、絶縁碍子2の合計体積が20mm3以下とされている。すなわち、プラズマが発生し得る範囲内において、電極8や接地電極27等の合計体積が十分に小さなものとされている。従って、交流電力の投入直後において、電極8や接地電極28等に極力阻害されることなく、より大きなプラズマを発生させることができる。その結果、着火性を飛躍的に向上させることができる。
また、前記投影面PSにおいて、火花放電間隙28の中心CPの投影点PPから半径2mmの範囲内に位置する接地電極27の投影領域27Xの面積が7.6mm2以下とされている。このため、接地電極27によるプラズマの成長阻害をより確実に抑制することができ、より一層大きなプラズマを発生させることができる。
さらに、接地電極27のうち火花放電間隙28に対応する間隙対応部28Aの最小幅WMINが3.0mm以下とされており、火花放電間隙28に対して気流を流れ込みやすくすることができる。その結果、気流に乗せてプラズマをより大きく成長させることができ、着火性をさらに向上させることができる。
加えて、本実施形態では、軸線CL1方向先端側から見たとき、電極8の先端面の少なくとも一部が視認可能に構成されているため、燃焼室の中心側に向けてプラズマをより広がりやすくすることができる。その結果、着火性をより一層向上させることができる。
併せて、電極8の先端部の外径Dが3.0mm以下とされているため、電極8の先端部によるプラズマの成長阻害を効果的に抑制することができ、着火性の更なる向上を図ることができる。
また、接地電極27の突出長GLが10mm以下とされ、接地電極27の先端部から主体金具3までの熱伝導経路が短くなるように構成されている。その結果、接地電極27の熱を主体金具3側へとよりスムーズに伝導することができ、接地電極27の耐消耗性をより一層向上させることができる。
次に、上記第2実施形態によって奏される作用効果を確認すべく、電極の先端部の外径Dや火花放電間隙の大きさ(間隙長)、距離KLを変更することで、電極、接地電極、及び、絶縁碍子のうち、火花放電間隙の中心から半径2.5mmの範囲内に位置する部位の合計体積を種々変更した点火プラグのサンプルを作製し、各サンプルについて着火性評価試験を行った。着火性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、各サンプルを所定のチャンバーに取付けた上で、発振周波数を13MHz、出力電力(投入される電力量の1秒当たりの平均値)を300Wとした交流電源からサンプルに対して1msの間電力を投入し、プラズマを発生させた。そして、サンプルの側面側から発生したプラズマを撮像し、撮像画像からプラズマの大きさ(プラズマ面積)を測定するとともに、前記合計体積を23mm3としたサンプルのプラズマ面積に対する、各サンプルのプラズマ面積の比率(面積比)を算出した。図12に、合計体積と面積比との関係を表すグラフを示す。尚、表4に、各サンプルにおける、外径Dや間隙長、距離KLを示す。
Figure 2012032846
図12に示すように、合計体積を20mm3以下とすることで、面積比が急激に増大し、着火性を飛躍的に向上できることが明らかとなった。これは、プラズマの発生領域に対応する広範囲内において電極等のボリュームを小さくしたことで、電極等に阻害されることなく、より大きなプラズマを発生させることができたためであると考えられる。
以上の試験結果より、プラズマを発生させる点火プラグにおいては、電極、接地電極、及び、絶縁碍子のうち、火花放電間隙の中心から半径2.5mmの範囲内に位置する部位の合計体積を20mm3以下とすることで、着火性を飛躍的に向上できるといえる。
次に、接地電極の幅や距離KLを変更することで、前記投影面における、火花放電間隙の中心の投影点から半径2mmの範囲内に位置する接地電極の投影領域の面積(投影面積)を種々変更した点火プラグのサンプルを作製し、各サンプルについて上述の着火性評価試験を行った。図13に、投影面積と面積比との関係を表すグラフを示す。尚、面積比は、投影面積を9.1mm2としたサンプルを基準として算出した。また、各サンプルともに、合計体積を20mm3以下とするとともに、電極の先端部の外径Dを2.5mmとし、間隙長を1.3mmとした。加えて、表5に、各サンプルにおける、接地電極の幅、及び、距離KLを示す。
Figure 2012032846
図13に示すように、投影面積を7.6mm2以下としたサンプルは、特に優れた着火性を有することが分かった。これは、投影面積を比較的小さくしたことで、電力の投入直後において、接地電極に阻害されることなく、一層大きなプラズマを生成できたことに起因すると考えられる。
上記試験の結果より、着火性の更なる向上を図るべく、投影面積を7.6mm2以下とすることがより好ましいといえる。
次いで、間隙対応部の最小幅WMINを種々変更した点火プラグのサンプルを作製し、各サンプルについて着火性評価試験を行った。図14に、最小幅WMINと面積比との関係を表すグラフを示す。尚、面積比は、最小幅WMINを3.2mmとしたサンプルを基準として算出した。また、各サンプルともに、合計体積を20mm3以下とするとともに、電極の先端部の外径Dを2.5mm、間隙長を1.3mm、距離KLを−0.5mmとした。尚、この試験は、間隙対応部の背面側から火花放電間隙に向けて流速4m/s〜6m/sのエアを吹いた状態で行った。また、各サンプルともに、長手方向に沿って接地電極が同一の幅を有するように構成した(以下の試験においても同様)。
図14に示すように、間隙対応部の最小幅WMINを3.0mm以下としたサンプルは、着火性に一層優れることが明らかとなった。これは、火花放電間隙にエアが流入しやすくなったため、プラズマがエアに流される形でより大きく成長したためであると考えられる。
上記試験結の結果より、着火性をより一層向上させるためには、間隙対応部の最小幅WMINを3.0mm以下とすることがより好ましいといえる。
次に、電極の先端部の外径Dを種々変更した点火プラグのサンプルを作製し、各サンプルについて着火性評価試験を行った。表6に、当該試験の試験結果を示す。尚、面積比は、外径Dを1.0mmと小径化した、着火性に極めて優れるサンプルを基準として算出した。また、面積比が0.7以上1.0以下となったサンプルは、十分に優れた着火性を有するとして「◎」の評価を下すこととし、面積比が0.5以上0.7未満となったサンプルは、他のサンプルと比較してやや着火性に劣るものの、優れた着火性を有するとして「○」の評価を下すこととした。尚、各サンプルともに、間隙長を0.8mm、接地電極の幅を1.0mmとし、電極の先端部を白金合金により構成した。また、合計体積を20mm3以下とし、サンプルに対する電力の投入時間を2.0msとした。
Figure 2012032846
表6に示すように、各サンプルともに優れた着火性を有していたが、外径Dを3.0mm以下としたサンプルは、特に着火性に優れることが明らかとなった。これは、電極の先端部を比較的小径としたことで、電極に阻害されることなく、より大きなプラズマが生成されたためであると考えられる。
上記試験結果より、着火性を一層向上させるためには、電極の先端部の外径Dを3.0mm以下とすることがより好ましいといえる。
次いで、間隙対応部の最小幅WMINを種々変更した点火プラグのサンプルを複数作製し、各サンプルについて耐久性評価試験を行った。耐久性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、最小幅WMINを2.0mmとしたサンプルにおいて接地電極の先端部の温度が800℃となる条件にて各サンプルの接地電極を加熱し、加熱時における接地電極の先端部の温度を測定した。ここで、接地電極の先端部の温度が800℃以上900℃以下となったサンプルは、接地電極の熱を十分に引くことができ、十分に優れた耐久性を有するとして「◎」の評価を下し、一方で、前記先端部の温度が900℃超1000℃以下となったサンプルは、他のサンプルよりもやや高温となりやすいものの、優れた耐久性を有するとして「○」の評価を下すこととした。表7に、当該試験の試験結果を示す。
Figure 2012032846
表7に示すように、最小幅WMINを1.0mm以上としたサンプルは、特に耐久性に優れることが明らかとなった。これは、接地電極の断面積が十分に確保され、主体金具側へとよりスムーズに接地電極の熱が伝導したためであると考えられる。
次に、主体金具の先端に対する接地電極の突出長GLを種々変更した点火プラグのサンプルを複数作製し、各サンプルについて上述の耐久性評価試験を行った。尚、この試験では、突出長GLを7mmとしたサンプルにおいて接地電極の先端部の温度が800℃となる条件にて各サンプルの接地電極を加熱した。表8に、当該試験の試験結果を示す。尚、各サンプルともに、接地電極の幅を1.0mmとした。
Figure 2012032846
表8に示すように、突出長GLを10mm以下としたサンプルは、耐久性により優れることが明らかとなった。これは、突出長GLを比較的小さなものとしたことで、接地電極の先端部から主体金具までの熱伝導経路が短くなり、その結果、接地電極の熱を主体金具側へとよりスムーズに伝導できたことによると考えられる。
次に、電極の先端部の外径Dを種々変更した点火プラグのサンプルを複数作製し、各サンプルについて耐消耗性評価試験を行った。耐消耗性評価試験の概要は次の通りである。すなわち、各サンプルを所定のチャンバーに取付けた上で、チャンバー内の圧力を0.4MPaに設定し、印加電圧の周波数を15Hzとして(すなわち、毎分900回の割合で)プラズマを発生させた。そして、40時間経過後に、試験後における火花放電間隙の大きさを測定し、試験前における火花放電間隙の大きさに対する増加量(間隙増加量)を算出した。ここで、間隙増加量が0.2mm以下となったサンプルは、電極の消耗量が非常に少なく、放電電圧の上昇を効果的に抑制できるとして「◎」の評価を下し、間隙増加量が0.2mm超0.3mm以下となったサンプルは、放電電圧の上昇を十分に抑制できるとして「○」の評価を下すこととした。表9に、当該試験の試験結果を示す。尚、各サンプルともに、間隙長を0.8mm、接地電極の幅を1.0mmとし、電極の先端部を白金合金により構成した。また、合計体積を20mm3以下とし、サンプルに対する電力の投入時間を2.0msとした。
Figure 2012032846
表9に示すように、外径Dを0.5mm以上とすることで、使用に伴う電極の消耗が抑制され、放電電圧の上昇抑制ひいてはプラズマ生成可能期間の長期化が図られることが分かった。
以上、耐久性評価試験、及び、耐消耗性評価試験の試験結果より、電極や接地電極の耐久性を向上させ、より長期間に亘ってのプラズマ生成を可能とすべく、接地電極の最小幅WMINを1.0mm以上としたり、接地電極の突出長SLを10mm以下としたり、電極の先端部の外径Dを0.5mm以上としたりすることが好ましいといえる。
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
(a)上記第2実施形態では、接地電極27は同一の幅を有するように構成されているが、図15に示すように、接地電極27の基端部の断面積をある程度確保しつつ、接地電極27の先端部(電極8の先端部と対向する部位)を幅狭に構成することとしてもよい。この場合には、接地電極27の接合強度を低下させることなく、前記合計体積をより減少させることができ、より大きなプラズマを生成することができる。
また、図16(a),(b)に示すように、接地電極27の先端部に加えて、間隙対応部27Aを幅狭に構成することとしてもよい。この場合には、火花放電間隙28に対する気体の流入が促進され、着火性の更なる向上を図ることができる。
(b)上記実施形態における点火プラグ1は、電極8の先端面が接地電極27と対向するように構成されているが、点火プラグ1の構成はこれに限定されるものではない。従って、例えば、図17(a),(b)に示すように、電極8(中心電極5)の先端部外周と接地電極27の先端面とが対向するように構成することとしてもよい。この場合には、軸線CL1方向先端側(燃焼室の中心側)へとプラズマが成長しやすくなるため、着火性を一層向上させることができる。
(c)上記実施形態では、中心電極5及び接地電極27間に火花放電間隙28が形成されているが、図18(a)〜(c)に示すように、両電極5,27の少なくとも一方に貴金属合金(例えば、白金合金やイリジウム合金等)からなる貴金属チップ51,52を設け、一方の電極5(27)に設けられた貴金属チップ51(52)と他方の電極27(5)との間、又は、両電極5,27に設けられた両貴金属チップ51,52の間に火花放電間隙28を形成することとしてもよい。この場合には、前記合計体積を一層減少させることができ、着火性の更なる向上を図ることができる。
また、接地電極27に貴金属チップを設けるにあたっては、図19(a)〜(c)に示すように、接地電極27の先端面から突出するようにして貴金属チップ53,54,55を接合することとしてもよい。この場合には、火花放電間隙56,57,58の中心CPから接地電極27がより遠ざかることとなり、前記合計体積をより一層小さなものとすることができる。また、燃焼室の中心側に向けてプラズマがより広がりやすくなる。その結果、生成されるプラズマを非常に大きなものとすることができ、着火性をより効果的に向上させることができる。
(d)上記実施形態では、軸線CL1方向先端側から見たとき、電極8の先端面の一部が接地電極27で覆われた状態となっているが、図20(a),(b)に示すように、接地電極27の先端部に孔部27Hを設けたり、図21(a),(b)に示すように、接地電極27の先端部にY字状の枝分かれ部27Bを設けたりすることで、軸線CL1方向先端側から見たとき、電極8の先端面が接地電極27で覆われることなく、電極8の先端面全域を視認可能に構成することとしてもよい。この場合には、プラズマが燃焼室の中心側に向けてより大きく広がることとなり、着火性の更なる向上を図ることができる。尚、図22(a),(b)に示すように、接地電極27の孔部27H内に、電極59の先端部を挿通し、孔部27Hの内周面と電極59の外周面との間に火花放電間隙60を形成するように構成することとしてもよい。
(e)上記実施形態では、工具係合部19は断面六角形状とされているが、工具係合部19の形状に関しては、このような形状に限定されるものではない。例えば、Bi−HEX(変形12角)形状〔ISO22977:2005(E)〕等とされていてもよい。
(f)上記実施形態では、放電用電源32や交流電源33からの電力がディストリビュータを介して各点火プラグ1に供給されているが、各点火プラグ1ごとに放電用電源32や交流電源33を設けることとしてもよい。
1…点火プラグ
2…絶縁碍子(絶縁体)
3…主体金具
4…軸孔
8…電極
27…接地電極
27A…間隙対応部
28…間隙(火花放電間隙)
31…点火システム
32…放電用電源
33…交流電源
CL1…軸線
構成1.本構成の点火システムは、点火プラグと、
前記点火プラグに火花放電を発生させるための電圧の印加を行う放電用電源と、
前記火花放電により生じた火花に交流電力を供給する交流電源と
を具備する点火システムであって、
前記点火プラグは、
軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、
前記軸孔内に配設され、先端が前記絶縁体の先端よりも前記軸線方向先端側に位置する電極と、
前記絶縁体の外周に配置される主体金具と、
前記主体金具の先端部に固定され、前記電極の先端部との間で間隙を形成する接地電極とを備え、
前記放電用電源からの電圧と前記交流電源からの交流電力とが前記電極を通して前記間隙に供給され、前記放電用電源からの電圧により前記間隙において生じた火花に、前記交流電源からの交流電力が投入され
1回の火花放電において、火花に投入される交流電力の平均値を500W以下とし、
前記交流電力の発振周波数を100MHz以下としたことを特徴とする。
尚、前記「平均値」は、1回の火花放電における交流電力の投入開始から投入終了までの時間(秒)で、投入された電力量を除算した値をいう。
上記構成1によれば、放電用電源からの電圧と交流電源からの交流電力とがともに電極を通って(つまり、同一ラインを通って)間隙に供給されるように構成されている。従って、火花に対して空間等を介することなく交流電力が直接投入されることとなり、火花に対してエネルギーを効率よく投入することができる。その結果、火花に交流電力を投入することで生成されるプラズマをより大きなものとすることができ、着火性を飛躍的に向上させることができる。
また、上記構成1においては、上述した従来技術のような電磁波を放射させるための調整は不要である。さらに、電極が共通の伝送路として機能するため、アンテナ等を設ける場合と比較して部品点数を低減させることができる。その結果、製造コストの抑制を図ることができる。
さらに、1回の火花放電において火花に投入される交流電力の平均値(以下、「平均電力」と称す)を増大させると、着火性の更なる向上を期待できるものの、使用に伴い電極の先端部が急激な消耗してしまうため、放電電圧の急速な増大が懸念される。
この点、上記構成1によれば、平均電力が500W以下とされているため、電極の急激な消耗を効果的に抑制することができ、放電電圧の上昇スピードを抑制することができる。その結果、プラズマを生成可能な期間をより長期化でき、優れた着火性を一層長期間に亘って維持することができる。
加えて、いわゆる表皮効果により交流電力は導体の外表面を伝わって流れることとなるが、交流電力の発振周波数を過度に大きくしてしまうと、交流電力の伝送路における電気抵抗が増大してしまい、火花に投入されるエネルギーが低下してしまうおそれがある。
この点、上記構成1によれば、交流電力の発振周波数が100MHz以下とされており、交流電力の伝送路における電気抵抗の増大抑制が図られている。その結果、火花に対してエネルギーをより一層効率よく投入することができ、着火性をさらに向上させることができる。
構成3.本構成の点火システムは、上記構成1又は2において、1回の火花放電において、火花に投入される交流電力の平均値を50W以上としたことを特徴とする。
上記構成3によれば、平均電力が50W以上とされている。そのため、プラズマをより確実に発生させることができ、上記各構成の作用効果をより確実に発揮させることができる。
構成6.本構成の点火システムは、上記構成1乃至5のいずれかにおいて、前記交流電力の発振周波数を5MHz以上としたことを特徴とする。

Claims (14)

  1. 点火プラグと、
    前記点火プラグに火花放電を発生させるための電圧の印加を行う放電用電源と、
    前記火花放電により生じた火花に交流電力を供給する交流電源と
    を具備する点火システムであって、
    前記点火プラグは、
    軸線方向に延びる軸孔を有する絶縁体と、
    前記軸孔内に配設され、先端が前記絶縁体の先端よりも前記軸線方向先端側に位置する電極と、
    前記絶縁体の外周に配置される主体金具と、
    前記主体金具の先端部に固定され、前記電極の先端部との間で間隙を形成する接地電極とを備え、
    前記放電用電源からの電圧と前記交流電源からの交流電力とが前記電極を通して前記間隙に供給され、前記放電用電源からの電圧により前記間隙において生じた火花に、前記交流電源からの交流電力が投入されることを特徴とする点火システム。
  2. 前記交流電力の波長をλ(m)としたとき、
    前記軸線に沿った、前記主体金具の先端からの前記電極の先端の突出長をλ/8(m)以下としたことを特徴とする請求項1に記載の点火システム。
  3. 1回の火花放電において、火花に投入される交流電力の平均値を50W以上500W以下としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の点火システム。
  4. 前記間隙の大きさを1.3mm以下としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の点火システム。
  5. 前記間隙の中心から半径1mm以内の範囲に、前記絶縁体が存在しないことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の点火システム。
  6. 前記交流電力の発振周波数を5MHz以上100MHz以下としたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の点火システム。
  7. 前記点火プラグのうち前記主体金具の先端よりも前記軸線方向先端側に位置する部位の有する静電容量を、前記点火プラグ全体の有する静電容量の1/100以下としたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の点火システム。
  8. 前記電極、前記接地電極、及び、前記絶縁体のうち、前記間隙の中心から半径2.5mmの範囲内に位置する部位の合計体積を20mm3以下としたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に点火システム。
  9. 前記電極と前記接地電極との間を結び、前記間隙の最短距離を形成する線分の延びる方向に沿って、前記線分と直交する面に、前記接地電極と前記間隙の中心とを投影した際の投影面において、
    前記間隙の中心の投影点から半径2mmの範囲内に位置する前記接地電極の投影領域の面積が7.6mm2以下とされることを特徴とする請求項8に記載の点火システム。
  10. 前記接地電極は、前記軸線方向において前記間隙に対応する間隙対応部を有し、
    前記間隙対応部の最小幅を3.0mm以下としたことを特徴とする請求項8又は9に記載の点火システム。
  11. 前記軸線方向先端側から見たとき、
    前記電極の先端面の少なくとも一部が視認可能に構成されることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の点火システム。
  12. 前記電極のうち少なくとも先端部は円柱状をなし、
    前記電極の先端部の外径を3.0mm以下としたことを特徴とする請求項8乃至11のいずれか1項に記載の点火システム。
  13. 前記軸線に沿った、前記主体金具の先端に対する前記接地電極の突出長を10mm以下としたことを特徴とする請求項8乃至12のいずれか1項に記載の点火システム。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の点火システムに用いられる点火プラグ。
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