JPWO2012018128A1 - タイヤ - Google Patents

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Abstract

タイヤサイド部の外側表面に、トレッド幅方向内側に凹み、かつタイヤ周方向に延びる周方向凹部を有し、周方向凹部には、周方向凹部におけるタイヤ径方向中心よりタイヤ径方向外側に位置する径方向外側端部と、径方向外側端部よりタイヤ径方向内側に位置する径方向内側先端部とを有するとともに、トレッド幅方向外側へ向けて凸となる第1ブロックと、周方向凹部におけるタイヤ径方向中心よりタイヤ径方向内側に位置する径方向内側端部と、径方向内側端部よりタイヤ径方向外側に位置する径方向外側先端部とを有するとともに、トレッド幅方向外側へ向けて凸となる第2ブロックとが形成されており、第1ブロックの径方向内側先端部と、第2ブロックの径方向外側先端部とは、タイヤ周方向、または、タイヤ径方向に離間している。

Description

本発明は、製造コストを低減しつつ、タイヤサイド部、特にビード部のゴムの温度上昇を抑制するタイヤに関する。
従来、車両に装着されるタイヤにおいては、タイヤ転動時における発熱が問題となっている。発熱によるタイヤの温度上昇は、タイヤの材料物性の変化といった経時的変化を促進したり、高速走行時にはトレッドの破損などの原因となる。特に、重荷重での使用となるオフザロードラジアル(ORR)タイヤ、トラックバスラジアル(TBR)タイヤにおいては、リムフランジとの摩擦、及びリムフランジからの突き上げによってビード部のゴムが変形することによって発熱し易くなる。ビード部における発熱は、ビード部のゴムの劣化を促進し、ビード部の耐久性のみならず、タイヤの耐久性を悪化させてしまうことに繋がるため、ビード部の温度低減を実現するタイヤが望まれている。
例えば、特許文献1に記載のタイヤは、ビード部の温度低減手段として、サイド部からビード部に亘る範囲に、タイヤ径方向に沿って乱流発生用突起を形成している。これにより、タイヤ表面における流速の速い乱流を発生させ、ビード部において放熱を促進することによって、ビード部の温度上昇を抑制している。
国際公開WO2009/084634
ところで、上述した従来のタイヤには、次のような問題があった。すなわち、ビード部に突起を形成する方法は、ビード部のゴムの体積が増え、その結果、タイヤ転動時におけるゴムの変形量が増えることによって発熱し易くなる。この場合、突起を形成することによって放熱を促進し、その結果ビード部の温度上昇を抑制するという効果が薄れてしまう。また、突起を形成するためのゴムを必要とするため、空気入りタイヤに必要なゴム量が増加することによって、製造コストが高くなってしまう。これらの理由から、ビード部の温度上昇を抑制するタイヤについては、更なる改善が望まれている。
そこで、本発明は、製造コストを低減しつつ、タイヤサイド部、特にビード部のゴムの温度上昇を抑制するタイヤの提供を目的とする。
まず、本発明の特徴は、タイヤサイド部(タイヤサイド部20)の外側表面に、トレッド幅方向内側に凹み、かつタイヤ周方向に延びる周方向凹部(周方向凹部100)を有するタイヤ(空気入りタイヤ1)であって、タイヤサイド部の外側表面に、トレッド幅方向内側に凹み、かつタイヤ周方向に延びる周方向凹部を有するタイヤであって、周方向凹部には、周方向凹部におけるタイヤ径方向中心よりタイヤ径方向外側に位置する径方向外側端部と、径方向外側端部よりタイヤ径方向内側に位置する径方向内側先端部(内側先端部110a)とを有するとともに、トレッド幅方向外側へ向けて凸となる第1ブロック(第1ブロック110)と、周方向凹部におけるタイヤ径方向中心よりタイヤ径方向内側に位置する径方向内側端部と、径方向内側端部よりタイヤ径方向外側に位置する径方向外側先端部(外側先端部120a)とを有するとともに、トレッド幅方向外側へ向けて凸となる第2ブロック(第2ブロック120)とが形成されており、第1ブロックの径方向内側先端部と、第2ブロックの径方向外側先端部とは、タイヤ周方向、または、タイヤ径方向に離間していることを要旨とする。
これによれば、空気入りタイヤの回転に伴い、周方向凹部内には乱流が発生する。具体的には、タイヤサイド部の外側表面を流れる空気が周方向凹部に入り込み、周方向凹部に入り込んだ空気は、第1ブロックと第2ブロックとを乗りこえるように流れる。この時、周方向凹部に対して付着と剥離を繰り返す空気の流れによって、ビード部の熱が奪われる。すなわち、周方向凹部を起点に放熱が促進されることによって、ビード部の温度上昇を抑制することができる。その結果、ビード部の温度上昇によるタイヤの劣化を抑制することが可能となり、空気入りタイヤの耐久性を向上させることができる。
さらには、周方向凹部に形成されている第1ブロックと第2ブロックとは離間しているため、第1ブロックと第2ブロックとの間に、空気の流れが発生する。従って、周方向凹部に入り込んだ空気は、第1ブロック及び第2ブロックを乗りこえて流れる空気の流れと、第1ブロックと第2ブロックとの間を流れる空気の流れとによって乱流となりやすい。このため、周方向凹部を起点にビード部の放熱が促進され、空気入りタイヤの回転に伴うビード部の温度上昇を抑制することができる。
また、空気入りタイヤには、周方向凹部が形成されていることによって、周方向凹部が形成されていない場合に比べて、ビード部のゴムの体積を低減させている。すなわち、ビード部において、空気入りタイヤの回転に伴って変形するゴム量を低減させている。このため、ビード部のゴムの変形による発熱を抑制することが可能となる。さらに、空気入りタイヤを製造するためのゴム量を低減させることができるため、結果として空気入りタイヤの製造コストを抑制することが可能となる。
本発明の他の特徴は、第1ブロックは、周方向凹部におけるタイヤ径方向外側端部からタイヤ径方向内側に突出し、第2ブロックは、周方向凹部におけるタイヤ径方向内側端部からタイヤ径方向外側に突出していることを要旨とする。
本発明の他の特徴は、第1ブロックと第2ブロックとは、タイヤ径方向において、直線上に形成されていることを要旨とする。
本発明の他の特徴は、第1ブロックと、第2ブロックとは、タイヤ周方向に互い違い形成されていることを要旨とする。
本発明の他の特徴は、周方向凹部のタイヤ径方向両端部から離間し、第1ブロック及び第2ブロックとはタイヤ周方向に離間し、周方向凹部のトレッド幅方向内側からトレッド幅方向外側へ突出する第3ブロック(第3ブロック330)が形成されていることを要旨とする。
本発明の他の特徴は、第3ブロックは、タイヤ径方向外側に位置する外側端部と、タイヤ径方向内側に位置する内側端部とを有し、外側端部は、第1ブロックの径方向内側先端部よりもタイヤ径方向外側に位置し、内側端部は、第2ブロックの径方向外側先端部よりもタイヤ径方向内側に位置することを要旨とする。
本発明の他の特徴は、周方向凹部は、トレッド幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面において、タイヤ最大幅部からリムフランジ上端部までの位置に形成されることを要旨とする。
本発明の他の特徴は、周方向凹部のトレッド幅方向の深さは、10mmから25mmであることを要旨とする。
本発明の他の特徴は、周方向凹部のタイヤ径方向の長さは、100mm〜150mmであることを要旨とする。
本発明の他の特徴は、第1ブロック、第2ブロック、第3ブロックのタイヤ周方向の幅は、2mm〜10mmであることを要旨とする。
本発明の他の特徴は、第1ブロックの径方向内側先端部と、第2ブロックの径方向外側先端部とのタイヤ径方向に沿った距離は、第1ブロック及び第2ブロックのタイヤ周方向のピッチに対して15%〜30%であることを要旨とする。
本発明の他の特徴は、周方向凹部のトレッド幅方向の深さをH、ブロックのタイヤ周方向のピッチをP、ブロックのタイヤ周方向の幅をWとしたときに、1.0≦P/H≦50.0、かつ、1.0≦(P−W)/W≦100.0の関係であることを要旨とする。
本発明の他の特徴は、トレッド幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面において、前記第1ブロックの径方向内側先端部は、前記周方向凹部の底面に対して傾斜し、前記第1ブロックの径方向内側先端部と前記底面との成す角度は、鈍角であり、前記第2ブロックの径方向外側先端部は、前記底面に対して傾斜し、前記第2ブロックの径方向外側先端部と前記底面との成す角度が鈍角であることを要旨とする。
図1は、本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤ1におけるタイヤサイド部20側のサイドウォール面視である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤ1を示す一部分解斜視図である。 図3は、本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤ1を示す断面図である。 図4(a)は、第1実施形態に係る周方向凹部100の部分拡大斜視図である。図4(b)は、第1実施形態に係る周方向凹部100の部分拡大平面図である。 図5(a)は、乱流の発生の状態を説明する図であり、周方向凹部100のトレッド幅方向における一部拡大断面図である。図5(b)は、乱流の発生の状態を説明する図であり、周方向凹部100の一部拡大平面図である。 図6(a)は、第2実施形態に係る周方向凹部200の部分拡大斜視図である。図6(b)は、第2実施形態に係る周方向凹部200の部分拡大平面図である。 図7(a)は、第2実施形態の変更例に係る周方向凹部200Xの部分拡大斜視図である。図7(b)は、第2実施形態の変更例に係る周方向凹部200Xの部分拡大平面図である。 図8(a)は、第3実施形態に係る周方向凹部300の部分拡大斜視図である。図8(b)は、第3実施形態に係る周方向凹部300の部分拡大平面図である。 図9は、本発明の第4実施形態に係る空気入りタイヤ4におけるタイヤサイド部20側のサイドウォール面視である。 図10(a)は、第4実施形態に係る周方向凹部400の部分拡大斜視図である。図10(b)は、第4実施形態に係る周方向凹部400の部分拡大平面図である。 図11は、本発明の第5実施形態に係る空気入りタイヤ5におけるタイヤサイド部20側のサイドウォール面視である。 図12(a)は、第5実施形態に係る周方向凹部500の部分拡大斜視図である。図12(b)は、第5実施形態に係る周方向凹部500の部分拡大平面図である。 図13は、その他の実施形態に係る周方向凹部の部分拡大平面図である。 図14は、その他の実施形態に係る周方向凹部600のトレッド幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。 図15は、その他の実施形態に係る周方向凹部700の部分拡大平面図である。 図16は、その他の実施形態に係る周方向凹部800の部分拡大平面図である。 図17は、その他の実施形態に係る周方向凹部900のトレッド幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。 図18は、その他の実施形態に係る周方向凹部1000のトレッド幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。
次に、本発明に係る第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態、第5実施形態、比較評価、その他の実施形態について図面を参照しながら説明する。
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。
(1)第1実施形態
第1実施形態においては、(1.1)空気入りタイヤ1の構成、(1.2)周方向凹部100の構成、(1.3)乱流発生の状態、(1.4)作用・効果について説明する。
(1.1)空気入りタイヤ1の構成
本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、ダンプトラックなどの建設車両に装着される重荷重用の空気入りタイヤである。空気入りタイヤ1の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤ1におけるタイヤサイド部20側のサイドウォール面視である。図2は、本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤ1を示す一部分解斜視図である。図3は、本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤ1を示す断面図である。
図1に示すように、空気入りタイヤ1には、走行時に路面に接地するトレッド部10とビードとの間に位置するタイヤサイド部20に、タイヤ周方向に沿って延在する周方向凹部100が形成されている。また、図2及び図3に示すように、空気入りタイヤ1は、空気入りタイヤ1の骨格を形成するカーカス40と、カーカス40をリムフランジ61(図2において不図示)に嵌合させるビード部30と、トレッド部10においてカーカス40のタイヤ径方向外側に配設されるベルト層50とを有する。
カーカス40は、カーカスコードと、カーカスコードを覆うゴムからなる層とにより構成される。ベルト層50は、スチールコードにゴム成分が含浸されることによって構成される。また、ベルト層50は、複数の層により構成され、それぞれの層は、タイヤ径方向に沿って積層している。ビード部30は、タイヤ周方向に沿って配設され、タイヤ赤道線CLを介して、トレッド幅方向の両側に配設される。なお、空気入りタイヤ1は、タイヤ赤道線CLを基準に線対称の構造であるため、図2及び図3においては、片側のみ示している。
(1.2)周方向凹部100構成
次に、周方向凹部100の構成について図面を参照しながら説明する。図4(a)は、第1実施形態に係る周方向凹部100の部分拡大斜視図である。図4(b)は、第1実施形態に係る周方向凹部100の部分拡大平面図である。
図4(a)及び(b)に示すように、周方向凹部100は、タイヤ周方向に沿って連続して形成されている。周方向凹部100は、空気入りタイヤ1がリムホイール60に組み付けられた状態において、タイヤ最大幅部mの位置からリムホイール60のリムフランジ61上端部61aの位置までの範囲Rに形成される。より好ましくは、トレッド幅方向の断面において、空気入りタイヤ1の下端から、タイヤ断面高さHの15〜30%の範囲Raに形成されることが好ましい(図3参照)。なお、空気入りタイヤ1がリムホイール60に組み付けられた状態とは、空気入りタイヤ1がETRTO記載の標準リムに、ETRTO記載の最大荷重に対応する空気圧で組み付けられた状態を意味する。また、リムフランジ60の上端部61aの位置とは、リムフランジ61のタイヤ径方向外側端部の位置を示す。
第1実施形態において、周方向凹部100は、タイヤサイド部20の外側表面から、トレッド幅方向内側へ延びる第1壁面101及び第2壁面102と、第1壁面101と第2壁面102との間に位置する底面103とから形成されている。
第1壁面101は、タイヤ径方向外側に位置している。第2壁面102は、タイヤ径方向内側に位置している。第1壁面101及び第2壁面102と、タイヤサイド部20の外側表面との成す角度は90度である。すなわち、第1壁面101と第2壁面102とは、略平行になるように形成されている。底面103は、タイヤサイド部20の外側表面よりも、トレッド幅方向内側に位置し、第1壁面101及び第2壁面102のそれぞれトレッド幅方向内側端と繋がっている。底面103と、第1壁面101及び第2壁面102との成す角度は90度である。すなわち、周方向凹部100は、タイヤサイド部20において、トレッド幅方向外側表面から内側へ向かって凹むように形成されている。また、凹むように形成されていることにより、空気入りタイヤ1は、タイヤサイド部20を形成するゴムの体積を低減させている。
周方向凹部100のタイヤ径方向の長さL1は、空気入りタイヤ1の大きさや、装着される車両の種類に応じて、100mm〜150mmの範囲の長さとなるように形成される。また、周方向凹部100のトレッド幅方向の深さHは、空気入りタイヤ1の大きさや、装着される車両の種類に応じて、10mm〜25mmの範囲の深さとなるように形成される。なお、周方向凹部100のタイヤ径方向長さL1は、タイヤサイド部20の外側表面と第1壁面101との交点からタイヤサイド部20の外側表面と第1壁面102との交点までのタイヤ径方向における長さである。
次に周方向凹部100に形成される第1ブロック及び第2ブロックについて、図面を参照しながら説明する。
図4(a)及び(b)に示すように、周方向凹部100には、底面103からトレッド幅方向外側へ向けて凸となり、かつ第1壁面101からタイヤ径方向内側に突出するように延びる複数の第1ブロック110が形成されている。また、周方向凹部100には、底面103からトレッド幅方向外側へ向けて凸となり、かつ第2壁面102からタイヤ径方向外側に突出するように延びる複数の第2ブロック120が形成されている。すなわち、第1実施形態において、第1ブロック110のタイヤ径方向の外側の端部である径方向外側端部は第1壁面101と繋がっており、第2ブロック120のタイヤ径方向の内側の端部である径方向内側端部は第2壁面102と繋がっている。第1ブロック110の径方向外側端部は、周方向凹部100におけるタイヤ径方向中心よりもタイヤ径方向外側に位置する。第2ブロック120の径方向内側端部は、周方向凹部100におけるタイヤ径方向中心よりもタイヤ径方向内側に位置する。なお、周方向凹部100におけるタイヤ径方向中心とは、タイヤ径方向における周方向凹部100の平均長さの中点である。具体的には、周方向凹部100におけるタイヤ径方向中心とは、タイヤサイド部20の外側表面及び第1壁面101の交点とタイヤサイド部20の外側表面及び第2壁面102の交点とのタイヤ径方向における平均長さの中点である。
第1実施形態において、第1ブロック110と、第2ブロック120とは、タイヤ径方向における空気入りタイヤ1の中心C(図1参照)を基準点として、放射状の形状となるように形成されている。また、タイヤ径方向に向かい合う第1ブロック110と第2ブロック120とは、タイヤ径方向に、直線上に形成されている。
第1ブロック110は、タイヤ径方向内側に位置する内側先端部110aを有し、第2ブロック120は、タイヤ径方向外側に位置する外側先端部120aを有している。内側先端部110aと外側先端部120aとは、タイヤ径方向に離間するように形成されている。
第1ブロック110及び第2ブロック120のタイヤ周方向の幅Wは略同一である。第1ブロック110及び第2ブロック120のタイヤ周方向の幅Wは、2mm〜10mmの範囲で形成される。
第1ブロック110の内側先端部110aと、第2ブロック120の外側先端部120aとのタイヤ径方向に沿った距離L2は、第1ブロック110及び第2ブロック120のタイヤ周方向のピッチPに対して15%〜30%となるように形成されている。なお、図4(b)に示すように、タイヤ周方向のピッチPとは、第1ブロック110(または第2ブロック120)のタイヤ周方向における中心と、隣りあう他の第1ブロック110(または第2ブロック120)のタイヤ周方向における中心との周方向に沿った直線距離のことである。
また、第1実施形態において、周方向凹部100のトレッド幅方向の深さHと、第1ブロック110(または第2ブロック120)のタイヤ周方向のピッチPと、第1ブロック110(または第2ブロック120)のタイヤ周方向の幅Wとは、1.0≦P/H≦50.0、かつ、1.0≦(P−W)/W≦100.0の関係となるように形成されている。
(1.3)乱流発生の状態
次に、第1実施形態に係る周方向凹部100による乱流発生の状態について、図面を参照して説明する。
図5(a)は、乱流の発生の状態を説明する図であり、周方向凹部100のトレッド幅方向における一部拡大断面図である。図5(b)は、乱流の発生の状態を説明する図であり、周方向凹部100の一部拡大平面図である。
図5(a)に示すように、空気入りタイヤ1の回転に伴い、周方向凹部100内の底面103に接触していた空気の流れS1が第1ブロック110(または第2ブロック120)で底面103から剥離されて第1ブロック110(または第2ブロック120)を乗りこえる。このとき、この第1ブロック110(または第2ブロック120)の背面側(図5(a),(b)において第1,第2ブロックの右側)には、空気の流れが滞留する部分(領域)が生じる。そして、空気の流れS1は、次の第1ブロック110(または第2ブロック120)との間の底面103に再付着して、次の第1ブロック110(または第2ブロック120)で再び剥離される。このとき、この第1ブロック110(または第2ブロック120)の前面側(図5(a),(b)において第1,第2ブロックの左側)には、空気の流れが滞留する部分(領域)が生じる。
ここで、空気の流れS1が第1ブロック100を乗りこえて、底面103へ向かう時に、滞留する部分(領域)で流れる空気S2は、第1ブロック110(または第2ブロック120)の背面側に滞留する熱を奪って、空気の流れS1に引き込まれるように流れていく。
また、空気の流れS1が底面103から剥離して、次の第1ブロック110(または第2ブロック120)を乗りこえようとする時に、滞留する部分(領域)で流れる空気S3は、第1ブロック110(または第2ブロック120)の前面側に滞留する熱を奪って、空気の流れS1に引き込まれるように流れていく。
また、図5(b)に示すように、周方向凹部100において、第1ブロック110と第2ブロック120とは、タイヤ径方向に離間して形成されているため、空気入りタイヤ1の回転に伴い、第1ブロック110の内側先端部110aと第2ブロックの外側先端部120aとの間を流れる空気の流れS4が発生する。ここで、空気の流れS4は、第1ブロック110及び第2ブロック120を乗りこえることなく流れるため、図5(a)において示した空気の流れS1よりも、流れが速くなる。このため、周方向凹部100内において、空気の流れが滞留する部分(領域)で流れる空気S2及びS3は、第1ブロック110(または第2ブロック120)の背面側及び前面側に滞留する部分の熱を奪って、空気の流れS4に引き込まれるように流れていく。
上述したように、第1ブロック及び第2ブロックを乗りこえる空気の流れS1と、第1ブロック110の内側先端部110aと第2ブロックの外側先端部120aとの間を流れる空気の流れS4とによって、空気入りタイヤ1の周方向凹部100に入り込んだ空気は乱流となって流れる。
(1.4)作用・効果
次に第1実施形態に係る空気入りタイヤの作用並びに効果について説明する。
第1実施形態に係る空気入りタイヤ1は、タイヤサイド部20の外側表面に、タイヤ周方向に延びる周方向凹部100を有しており、周方向凹部100には、第1壁面101からタイヤ径方向内側に延びる複数の第1ブロック110と、第2壁面120からタイヤ径方向外側に伸びる複数の第2ブロック120とがタイヤ径方向直線上に形成されているとともに、第1ブロック110における内側先端部110aと、第2ブロック120における外側先端部120aとは、タイヤ径方向に離間している。これによれば、空気入りタイヤ1の回転に伴い、周方向凹部100内には空気の乱流が発生する。具体的には、タイヤサイド部20の外側表面を流れる空気が周方向凹部100内に入り込み、第1ブロック110及び第2ブロック120とを乗りこえながら流れる。このため、周方向凹部100に入り込んだ空気は、第1壁面101と、第2壁面102と、底面103とに対して付着と剥離を繰り返すように乱流となって流れる。このとき、周方向凹部100に入り込んだ空気の流れによって、空気入りタイヤ1の回転に伴い温度が上昇したビード部30の熱が奪われる。すなわち、周方向凹部100を起点に放熱が促進されることによって、ビード部30の温度上昇を抑制することができる。その結果、ビード部30の温度上昇によるタイヤの劣化を抑制することが可能となり、空気入りタイヤ1の耐久性を向上させることができる。
また、第1実施形態に係る空気入りタイヤ1には、周方向凹部100が形成されていることによって、周方向凹部100が形成されていない場合に比べて、ビード部30のゴムの体積を低減させている。すなわち、ビード部30において、空気入りタイヤ1の回転に伴い変形するゴム量を低減させている。このため、ビード部30のゴムの変形による発熱を抑制することが可能となる。さらに、空気入りタイヤ1を製造するためのゴム量を低減することができるため、結果として空気入りタイヤ1の製造コストを抑制することが可能となる。
また、第1実施形態においては、周方向凹部100は、トレッド幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面において、空気入りタイヤ1の下端から、タイヤ断面高さHの15〜30%の範囲Raに形成されている。すなわち、ビード部30に近い範囲Raに周方向凹部100が形成されている。ここで、ビード部30は、固いリムホイール60に嵌合されているため、空気入りタイヤ1が車両に装着された状態においては、リムフランジ61に倒れ込むことによる変形や、リムフランジ61との摩擦を生じ易く、このため、ビード部30は発熱によって温度が上昇し易い。従って、第1実施形態に係る空気入りタイヤ1において、上述した範囲Raに周方向凹部100を形成することにより、発熱し易いビード部30の温度上昇を抑制する効果が大きくなる。
また、第1実施形態において、周方向凹部100のトレッド幅方向の深さは、10mm〜25mmの範囲で形成されている。周方向凹部100のトレッド幅方向の深さが10mmよりも小さいと、周方向凹部100内に、タイヤサイド部20の外側表面を流れる空気が入り込むことが難しく、周方向凹部100において乱流が発生しづらい。従って、ビード部30における放熱が少なくなる。一方、周方向凹部100のトレッド幅方向の深さが25mmよりも大きいと、周方向凹部100内に入り込んだ空気が底面103に付着することが難しくなる。この場合、周方向凹部100の底面103に近い領域においては、空気の乱流が発生せずに、暖かい空気が滞留してしまう。従って、ビード部30における放熱が少なくなる。
また、第1実施形態においては、周方向凹部100のタイヤ径方向の長さは、100mm〜150mmとなるように形成されている。周方向凹部100のタイヤ径方向の長さが100mmよりも小さい場合、周方向凹部100内に、ビード部30における放熱を促進するための十分な空気が入り込むことが難しくなる。一方、周方向凹部100のタイヤ径方向の長さが150mmよりも大きい場合、周方向凹部100内に、ビード部30における放熱を促進するための十分な空気が入り込み易いが、ビード部30を形成するゴムの体積が少なくなってしまうことによって、ビード部30の剛性が低下してしまう。
第1実施形態においては、第1ブロック110及び第2ブロック120のタイヤ周方向の幅Wは、2mm〜10mmの範囲内で形成される。第1ブロック110及び第2ブロック120のタイヤ周方向の幅Wが2mm未満の場合、第1ブロック110及び第2ブロック120が、周方向凹部100に引き込まれた空気の流れによって振動する恐れがある。さらに、第1ブロック110及び第2ブロック120のタイヤ周方向の幅Wが2mm未満の場合、それぞれのブロックの剛性が低減してしまうことにより、悪路走行によって破損してしまう恐れがある。一方、第1ブロック110及び第2ブロック120のタイヤ周方向の幅Wが10mmよりも大きい場合、それぞれのブロックを形成するゴム量が多くなることによって、発熱し易くなる。そのため、周方向凹部100を形成したことによるビード部30の温度上昇を抑制する効果が薄くなってしまう。
第1実施形態においては、第1ブロック110の内側先端部110aと、第2ブロック120の外側先端部120aとのタイヤ径方向に沿った距離L2は、第1ブロック110(または第2ブロック120)のタイヤ周方向のピッチPに対して15%〜30%となるように形成されている。距離L2が、ピッチPに対して15%未満の場合、周方向凹部100に入り込んだ空気の流れが阻害されることによって、周方向凹部100内において空気が滞留する部分(領域)が多く発生してしまう。一方、距離L2が、ピッチPに対して30%よりも大きい場合、距離L2に対するピッチPが小さくなってしまうため、底面103に対して付着と剥離を繰り返すという空気の流れが発生し難くなってしまう。
第1実施形態においては、周方向凹部100のトレッド幅方向の深さHと、各ブロックのタイヤ周方向のピッチPと、各ブロックのタイヤ周方向の幅Wとは、1.0≦P/H≦50.0、かつ、1.0≦(P−W)/W≦100.0の関係となるように形成されている。これによれば、P/Hの範囲を規定したことにより、周方向凹部100に引き込まれた空気の流れの状態は、おおよそP/Hで整理できる。ピッチPを小さくしすぎると、周方向凹部100内に入り込んだ空気が底面103に付着させることが難しくなる。この場合、周方向凹部100の底面103に近い領域においては、空気の乱流が発生せずに、暖かい空気が滞留してしまう。また、ピッチPを大きくしすぎると、第1ブロック110及び第2ブロック120とが形成されていない場合と同様となり、乱流を発生させることが難しくなる。また、(P−W)/Wは、ピッチPに対する第1ブロック110(または第2ブロック120)の幅Wの割合を示すものであり、これが小さすぎることは、放熱することによって温度上昇を抑制させたい面の面積に対する各ブロックの表面積が等しくなることと同様となってしまう。各ブロックはゴムから形成されているため、表面積増加による放熱向上効果が期待できないため、(P−W)/Wの最小値は1としている。
(2)第2実施形態
次に図6を参照して、本発明の第2実施形態に係る空気入りタイヤ2について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、詳細な説明を適宜省略する。図6(a)は、第2実施形態に係る周方向凹部200の部分拡大斜視図である。図6(b)は、第2実施形態に係る周方向凹部200の部分拡大平面図である。
第2実施形態に係る空気入りタイヤ2には、タイヤサイド部20に周方向凹部200が形成されている。周方向凹部200は、タイヤ径方向外側に位置する第1壁面201からタイヤ径方向内側に突出するように延びる複数の第1ブロック210が形成されている。また、周方向凹部200には、タイヤ径方向内側に位置する第2壁面202からタイヤ径方向外側に突出するように延びる複数の第2ブロック220が形成されている。
第2実施形態に係る周方向凹部200は、第1ブロック210と、第2ブロック220とが、互いにタイヤ周方向に互い違いに形成されている点が第1実施形態に係る周方向凹部100と異なる。
第2実施形態に係る空気入りタイヤ2によれば、空気入りタイヤ2の回転に伴い、周方向凹部200に入り込んだ空気が第1ブロック210を乗りこえる時と、第2ブロック220を乗りこえる時とにおいてずれが生じる。これによれば、第1ブロック210の背面側において生じる空気の流れが滞留する部分(領域)と、第2ブロック220の背面側に生じる空気の流れが滞留する部分(領域)とが、タイヤ周方向に位置がずれることになる。従って、滞留する部分(領域)が、タイヤ周方向に分散されることによって、周方向凹部200に入り込んだ空気が乱流となりやすい。その結果、滞留し易い部分(領域)の空気の流れが活発になり、周方向凹部200を起点として、ビード部30の温度上昇を抑制することができる。結果として、空気入りタイヤ2の耐久性を向上させることができる。
(変更例)
次に図7(a),(b)を参照して、第2実施形態の変更例に係る空気入りタイヤ2Xについて説明する。なお、第2実施形態と同一の構成については、詳細な説明を適宜省略する。図7(a)は、第2実施形態の変更例に係る周方向凹部200Xの部分拡大斜視図である。図7(b)は、第2実施形態の変更例に係る周方向凹部200Xの部分拡大平面図である。
変更例に係る空気入りタイヤ2Xは、タイヤサイド部20Xに周方向凹部200Xが形成されており、周方向凹部200Xには、タイヤ径方向外側に位置する第1壁面201Xからタイヤ径方向内側に突出するように延びる複数の第1ブロック210Xと、タイヤ径方向内側に位置する第2壁面202Xからタイヤ径方向外側に突出するように延びる複数の第2ブロック220Xが形成されている。
変更例に係る周方向凹部200Xは、第1ブロック210Xの内側先端部210Xaが、第2ブロック220Xの外側先端部220Xaよりもタイヤ径方向内側に位置する(第2ブロック220Xの外側先端部220Xaが、第1ブロック210Xの内側先端部220Xaよりもタイヤ径方向外側に位置する)点が、第2実施形態に係る周方向凹部200と異なる。すなわち、変更例に係る周方向凹部200Xは、第1ブロック210Xと、第2ブロック220Xとがトレッド幅方向において重なる重なり領域Rを有している。
変更例に係る空気入りタイヤ2Xによれば、空気入りタイヤ2Xの回転に伴い、第1ブロック210Xを乗りこえる空気の流れと、第2ブロック220Xを乗りこえる空気の流れと、さらに、重なり領域Rにおいて、第1ブロック210X及び第2ブロック220Xを乗りこえる空気の流れが生じる。これによれば、周方向凹部200Xに入り込んだ空気は、さらに活発に第1壁面201Xと、第2壁面202Xと、底面203Xとに対して付着と剥離を繰り返すように乱流となって流れる。従って、滞留し易い部分(領域)の空気の流れが活発になり、周方向凹部200Xを起点として、ビード部30の温度上昇を抑制することができる。その結果、空気入りタイヤ2Xの耐久性を向上させることができる。
(3)第3実施形態
次に図8(a),(b)を参照して、第3実施形態に係る空気入りタイヤ3について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、詳細な説明を適宜省略する。図8(a)は、第3実施形態に係る周方向凹部300の部分拡大斜視図である。図8(b)は、第3実施形態に係る周方向凹部300の部分拡大平面図である。
第3実施形態に係る空気入りタイヤ3には、タイヤサイド部20に周方向凹部300が形成されている。タイヤ径方向外側に位置する第1壁面301からタイヤ径方向内側に突出するように延びる複数の第1ブロック310と、タイヤ径方向内側に位置する第2壁面302からタイヤ径方向外側に突出するように延びる複数の第2ブロック320が形成されている。なお、第1ブロック310及び第2ブロック320は、第1実施形態に係る周方向凹部100の第1ブロック110及び第2ブロック120と同様の構成である。
第3実施形態に係る周方向凹部300には、さらに、第1壁面301及び第2壁面302とはタイヤ径方向に離間し、かつ第1ブロック310及び第2ブロック320とはタイヤ周方向に離間する第3ブロック330が形成されている点が第1実施形態とは異なる。第3ブロック330は、周方向凹部300の底面303から、トレッド幅方向外側へ向けて突出するように形成されている。第3実施形態において、第3ブロック330のタイヤ周方向の幅W、及びトレッド幅方向の高さHは、第1ブロック310及び第2ブロック320と同様である。第3ブロック330のタイヤ径方向の長さは35mm〜55mmとなるように形成されている。また、第3ブロック330は、第1ブロック310及び第2ブロック320のピッチPの1/2の地点よりも、一方の第1ブロック310及び第2ブロック320に近い位置に形成される。第3ブロック330と、第1ブロック310及び第2ブロック320とのタイヤ周方向における距離L3は、ピッチPに対して5〜10%となるように形成される。
また、図8(a),(b)に示すように、第3ブロック330は、タイヤ径方向外側に位置する外側端部330bとタイヤ径方向内側に位置する内側端部330cとを有しており、外側端部330bは、第1ブロック310の内側先端部310aよりもタイヤ径方向外側に位置し、内側端部330cは、第2ブロック320の外側先端部320aよりもタイヤ径方向内側に位置するように形成されている。すなわち、第1ブロック310のタイヤ径方向内側端部及び第2ブロック320のタイヤ径方向外側端部と、第3ブロック330のタイヤ径方向両側端部とは、タイヤ周方向において重なるように形成されている。
第3実施形態に係る空気入りタイヤ3によれば、周方向凹部300内に第3ブロック330が形成されていることによって、周方向凹部300に入り込んだ空気の乱流が発生し易くなる。具体的には、周方向凹部300に入り込んだ空気は、第1ブロック310及び第2ブロック320だけではなく、第3ブロックをも乗りこえて、周方向凹部300内を流れる。すなわち、第1壁面301と、第2壁面302と、底面303とに対して付着と剥離を繰り返すようにより大きな乱流となって流れる。すなわち、周方向凹部300に入り込んだ空気は、第1壁面301と第1ブロック310と第2ブロック320と第3ブロック300の背面側において発生する空気が滞留する部分(領域)滞留する部分の熱を奪って流れていく。その結果、ビード部30の温度上昇をさらに抑制することができる。
また、第1ブロック310のタイヤ径方向内側端部及び第2ブロック320のタイヤ径方向外側端部と、第3ブロック330のタイヤ径方向両側端部とは、タイヤ周方向において重なるように形成されている。これによれば、第1ブロック310のタイヤ径方向内側端部及び第2ブロック320のタイヤ径方向外側端部と、第3ブロック330のタイヤ径方向両側端部とは、タイヤ周方向において重ならない場合に比べて、周方向凹部30に入り込んだ空気の乱流が発生し易くなる。具体的には、空気入りタイヤ3の回転に伴い、第3ブロック330に衝突した空気は、第3ブロック330を乗りこえる流れと、第3ブロック330のタイヤ径方向両側に向かう流れとが発生する。この第3ブロック330のタイヤ径方向両側に向かう空気の流れによって、第1ブロック310及び第2ブロック320の背面において滞留し易い部分の空気の流れが活発となる。このため、周方向凹部300において放熱が促進され、ビード部30の温度上昇をさらに抑制することが可能となる。その結果、空気入りタイヤ3の耐久性を向上させることができる。
(4)第4実施形態
次に図9、図10(a),(b)を参照して、第4実施形態に係る空気入りタイヤ4について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、詳細な説明を適宜省略する。図9は、本発明の第4実施形態に係る空気入りタイヤ4におけるタイヤサイド部20側のサイドウォール面視である。図10(a)は、第4実施形態に係る周方向凹部400の部分拡大斜視図である。図10(b)は、第4実施形態に係る周方向凹部400の部分拡大平面図である。
第4実施形態に係る空気入りタイヤ4には、タイヤサイド部20に周方向凹部400が形成されている。タイヤ径方向外側に位置す
る第1壁面401からタイヤ径方向内側に突出するように延びる第1ブロック410と、タイヤ径方向内側に位置する第2壁面402からタイヤ径方向外側に突出するように延びる第2ブロック420とが形成されている。なお、第1ブロック410及び第2ブロック420は、第1実施形態に係る周方向凹部100の第1ブロック110及び第2ブロック120と同様の構成である。
第4実施形態に係る周方向凹部400は、第1ブロック410と、第2ブロック420とが、周方向凹部400に一つのみ形成されている点が第1実施形態に係る周方向凹部100と異なる。
図9、図10(a),(b)に示すように、空気入りタイヤ4は、複数の周方向凹部400を有する。第4実施形態において、周方向凹部400は、タイヤサイド部20の外側表面から、トレッド幅方向内側へ延びる第1壁面401、第2壁面402及び第3壁面404と、第1壁面401及び第2壁面402の間に位置する底面403とから形成されている。
第1壁面401、第2壁面402及び底面403は、それぞれ第1実施形態に係る第1壁面101、第2壁面102及び底面103と同様の構成である。第1壁面401及び第2壁面402は、タイヤ周方向に沿って延びている。第3壁面404は、タイヤ径方向において第1壁面401と第2壁面402との間に位置する。第3壁面404は、タイヤ径方向に沿って延びている。第3壁面404と、タイヤサイド部20の外側表面との成す角度は90度である。
図10(a),(b)に示すように、タイヤ周方向において、各周方向凹部400の間には、タイヤ径方向に延びる第4ブロック440が形成されている。第4ブロック440は、第1壁面401から第2壁面402まで延びている。従って、第4ブロック440は、第1ブロック410及び第2ブロック420のように、先端部を有さない。
第4ブロック440は、第3壁面404を有する。第4ブロック440のタイヤ周方向の幅Tは、一の周方向凹部400の第3壁面404と一の周方向凹部400に隣接する他の周方向凹部400の一の周方向凹部400側の第3壁面404とのタイヤ周方向における幅である。
周方向凹部400のタイヤ周方向の長さXは、空気入りタイヤ4の大きさや、装着される車両の種類に応じて、適切な範囲の長さとなるように形成される。
本実施形態において、第1ブロック410と、第2ブロック420とが、周方向凹部400に一つのみ形成されているが、周方向凹部400に複数の第1ブロック410が形成されていてもよいし、周方向凹部400に複数の第2ブロック420が形成されていてもよい。
第4実施形態に係る空気入りタイヤ4によれば、第4ブロック440が形成されていることによって、空気入りタイヤ4の回転に伴い、第1ブロック410及び第2ブロック420だけでなく、第4ブロック440を乗り越えながら空気が流れる。第1ブロック410と第2ブロック420とによって発生した乱流は、第4ブロック440を乗り越えて、隣接する周方向凹部400に流れ込む。このため、周方向凹部400に乱流のまま入り込む。従って、周方向凹部400に入り込んだ空気は、乱流となって流れる。その結果、周方向凹部400を起点に放熱が促進され、ビード部30の温度上昇を抑制することができる。
第1ブロック410の内側先端部410a又は第2ブロック420の外側先端部420aのように、第4ブロック440は、先端部を有さない。このため、第4ブロック440は、第1ブロック410及び第2ブロック420に比べると、ブロック剛性が高いため、第4ブロック440の損傷が抑制される。
(5)第5実施形態
次に図11、図12(a),(b)を参照して、第5実施形態に係る空気入りタイヤ5について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、詳細な説明を適宜省略する。図11は、本発明の第5実施形態に係る空気入りタイヤ5におけるタイヤサイド部20側のサイドウォール面視である。図12(a)は、第5実施形態に係る周方向凹部500の部分拡大斜視図である。図12(b)は、第5実施形態に係る周方向凹部500の部分拡大平面図である。
第5実施形態に係る空気入りタイヤ5には、タイヤサイド部20に周方向凹部500が形成されている。タイヤ径方向外側に位置する第1壁面501からタイヤ径方向内側に突出するように延びる第1ブロック510と、タイヤ径方向内側に位置する第2壁面502からタイヤ径方向外側に突出するように延びる第2ブロック520が形成されている。なお、第1ブロック510及び第2ブロック520は、第1実施形態に係る周方向凹部100の第1ブロック110及び第2ブロック120と同様の構成である。
第5実施形態に係る周方向凹部500として、第1ブロック510が形成された周方向凹部500aと、第2ブロック520が形成された周方向凹部500bとが形成されている点が第1実施形態に係る周方向凹部500と異なる。
図11、図12(a),(b)に示すように、空気入りタイヤ5は、複数の周方向凹部500を有する。周方向凹部500は、周方向凹部500a及び周方向凹部500bを含む。
周方向凹部500aは、周方向凹部500bよりもタイヤ径方向外側に位置する。周方向凹部500aは、タイヤサイド部20の外側表面から、トレッド幅方向内側へ延びる第1壁面501a、第2壁面502a及び第3壁面504と、第1壁面501a及び第2壁面502aの間に位置する底面503とから形成されている。
第1壁面501a及び底面503は、それぞれ第1実施形態に係る第1壁面101及び底面103と同様の構成である。第2壁面502aは、第2ブロック520が形成されていない点を除いて、第1実施形態に係る第2壁面102と同様の構成である。第1壁面501a及び第2壁面502aは、タイヤ周方向に沿って延びている。第3壁面504は、タイヤ径方向において第1壁面501aと第2壁面502aとの間に位置する。第3壁面504は、タイヤ径方向に沿って延びている。第3壁面504と、タイヤサイド部20の外側表面との成す角度は90度である。
周方向凹部500bは、周方向凹部500aよりもタイヤ径方向内側に位置する。周方向凹部500bは、タイヤサイド部20の外側表面から、トレッド幅方向内側へ延びる第1壁面501b、第2壁面502b及び第3壁面504と、第1壁面501b及び第2壁面502bの間に位置する底面503とから形成されている。
第2壁面502b及び底面503は、それぞれ第1実施形態に係る第2壁面102及び底面103と同様の構成である。第1壁面501bは、第1ブロック510が形成されていない点を除いて、第1実施形態に係る第1壁面101と同様の構成である。第1壁面501b及び第2壁面502bは、タイヤ周方向に沿って延びている。第3壁面504は、タイヤ径方向において第1壁面501aと第2壁面502aとの間に位置する。第3壁面504は、タイヤ径方向に沿って延びている。第3壁面504と、タイヤサイド部20の外側表面との成す角度は90度である。
第5実施形態に係る周方向凹部500として、第1ブロック510が形成された周方向凹部500aと、第2ブロック520が形成された周方向凹部500bとが形成されている点が第1実施形態に係る周方向凹部500と異なる。
図12(a),(b)に示すように、第1ブロック510は、周方向凹部500aにのみ形成される。従って、第1ブロック510は、周方向凹部500bには形成されない。第2ブロック520は、周方向凹部500bにのみ形成される。従って、第2ブロック520は、周方向凹部500aには形成されない。
第1ブロック510は、タイヤ径方向内側に位置する内側先端部510aを有し、第2ブロック520は、タイヤ径方向外側に位置する外側先端部520aを有している。第1ブロック510は、周方向凹部500aに形成され、第2ブロック520は、周方向凹部500bに形成される。このため、内側先端部510aと外側先端部520aとは、タイヤ径方向に離間するように形成されている。
第1ブロック510の内側先端部510aと、第2壁面502aとのタイヤ径方向に沿った距離L4aは、第1ブロック510のタイヤ周方向のピッチPに対して15%〜30%となるように形成されている。第2ブロック520の外側先端部520aと、第1壁面501bとのタイヤ径方向に沿った距離L4bは、第2ブロック520のタイヤ周方向のピッチPに対して15%〜30%となるように形成されている。
図12(a),(b)に示すように、タイヤ周方向において、各周方向凹部500の間には、タイヤ径方向に延びる第4ブロック540が形成されている。第4ブロック540は、周方向凹部500aの第1壁面501aから周方向凹部500bの第2壁面502bまで延びている。従って、第4ブロック540は、第1ブロック410及び第2ブロック520のように、先端部を有さない。
第4ブロック540は、第3壁面504を有する。第4ブロック540のタイヤ周方向の幅Tは、一の周方向凹部500の第3壁面504と一の周方向凹部500に隣接する他の周方向凹部500の一の周方向凹部500側の第3壁面504とのタイヤ周方向における幅である。
図12(a),(b)に示すように、タイヤ径方向において、周方向凹部500aと周方向凹部500bとの間には、タイヤ幅方向に延びる第5ブロック550が形成されている。第5ブロック550は、タイヤ周方向において、連続して形成される。従って、第5ブロック550は、第1ブロック510及び第2ブロック520のように、先端部を有さない。
第5ブロック550は、第2壁面502a及び第1壁面501bを有する。第5ブロック550のタイヤ周方向の幅Yは、周方向凹部500aの第2側面502aと周方向凹部500bの第1側面501bとのタイヤ径方向における幅である。
周方向凹部500のタイヤ周方向の長さXは、空気入りタイヤ5の大きさや、装着される車両の種類に応じて、適切な範囲の長さとなるように形成される。周方向凹部500aのタイヤ径方向の長さL1a及び周方向凹部500bのタイヤ径方向の長さL1bも同様に、空気入りタイヤ5の大きさや、装着される車両の種類に応じて、適切な範囲の長さとなるように形成される。
本実施形態において、周方向凹部500aに第1ブロック510が2つ形成され、周方向凹部500bに第2ブロック520が2つ形成されているが、第1ブロック510及び第2ブロック520の数は、適宜調整可能である。従って、第1ブロック510及び第2ブロック520は、3つ以上形成されていてもよい。第1ブロック510及び第2ブロック520は、1つ形成されていてもよい。
第5実施形態に係る空気入りタイヤ5によれば、第4ブロック540が形成されている。これよって、空気入りタイヤ5の回転に伴い、第1ブロック510及び第2ブロック520だけでなく、第4ブロック540を乗り越えながら空気が流れる。このため、第1ブロック510又は第2ブロック520によって発生した乱流は、第4ブロック540を乗り越えて、タイヤ周方向において隣接する周方向凹部500に流れ込む。さらに、第5実施形態に係る空気入りタイヤ5によれば、第5ブロック550が形成されている。第1ブロック510又は第2ブロック520によって発生した乱流が第5ブロック550を乗り越えて、タイヤ径方向において隣接する周方向凹部500に流れ込む。タイヤ周方向だけでなく、タイヤ径方向から流れ込むことが可能であるため、周方向凹部500に入り込んだ空気がさらに乱流となりやすい。その結果、周方向凹部500を起点に放熱が促進されやすくなり、ビード部30の温度上昇を抑制することができる。
第1ブロック510の内側先端部510a又は第2ブロック520の外側先端部520aのように、第4ブロック540及び第5ブロック550は、先端部を有さない。このため、第4ブロック540及び第5ブロック550は、第1ブロック510及び第2ブロック520に比べると、ブロック剛性が高いため、第4ブロック540及び第5ブロック550の損傷が抑制される。
(6)比較評価
次に、本発明の効果を更に明確にするために、以下の従来例、比較例及び実施例に係る空気入りタイヤを用いて行った比較評価について説明する。具体的には、(6.1)評価方法、(6.2)評価結果について説明する。なお、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
(6.1)評価方法
5種類の空気入りタイヤを用いて試験を行い、タイヤサイド部の温度について評価をした。
従来例としては、タイヤサイド部に周方向凹部が設けられていない空気入りタイヤを使用した。比較例としては、タイヤサイド部に、タイヤサイド部の外側表面からトレッド幅方向に突出するブロックが形成されている空気入りタイヤを使用した。実施例1は、第1実施形態に係る空気入りタイヤを、実施例2は、第2実施形態に係る空気入りタイヤを、実施例3は、第3実施形態に係る空気入りタイヤを使用している。
また、評価については、まず、全てのタイヤを各3本ずつ壁に立て掛けて一週間放置した。その後、TRA正規リムホイールに組み、正規荷重、正規内圧にて車両に装着した。さらに、車両を24時間走行させ、リムフランジの上端部からタイヤ径方向外側20mmの位置に予め設けておいた細穴に熱電体を挿入し、カーカスプライのトレッド幅方向5mm外側の温度を、タイヤ周方向において均等割した6箇所において温度を測定した。評価数値は、6箇所の温度の平均値を使用し、従来例のタイヤとの温度差を示している。なお、車両及び評価試験に関するデータは、以下に示すとおりである。
タイヤサイズ : 59/80R63
タイヤの種類 : 重荷重用タイヤ
車両 :320トン ダンプトラック
車両走行時速 : 15km/h
走行時間 : 24時間
(6.2)評価結果
各空気入りタイヤの評価結果について、表1を参照しながら説明する。
Figure 2012018128
表1に示すとおり、実施例1,2,3に係る空気入りタイヤは、従来例及び比較例に係る空気入りタイヤと比較して、ビード部30の温度上昇を抑制する効果が大きいことが証明された。
[その他の実施形態]
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
例えば、本発明の実施形態は、以下の図13から図16に示すように、変更することができる。図13(a)から図13(d)は、その他の実施形態に係る周方向凹部の部分拡大平面図である。図14は、その他の実施形態に係る周方向凹部600のトレッド幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。図14において、右方向がタイヤ径方向外側であり、左方向がタイヤ径方向内側である。図15は、その他の実施形態に係る周方向凹部700のトレッド幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。図16(a)は、その他の実施形態に係る周方向凹部800の部分拡大斜視図である。図16(b)は、図16(a)のA−A断面図である。すなわち、図16(b)は、その他の実施形態に係る周方向凹部800のトレッド幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。図17は、その他の実施形態に係る周方向凹部900のトレッド幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。図18は、その他の実施形態に係る周方向凹部1000のトレッド幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。
具体的には、図13(a)に示すように、周方向凹部に形成される第1及び第2ブロックは、タイヤ径方向に直線上ではなく、タイヤ周方向に湾曲するような形状でもよい。また、図13(b)〜(d)に示すように、第1ブロック及び第2ブロックは、タイヤ周方向に傾斜する形状でもよい。また、図13(e)に示すように、第1ブロックと第2ブロックのタイヤ径方向における長さが異なっていてもよい。
上述した実施形態及び変更例では、第1ブロックの内側先端部は、周方向凹部の底面に対して垂直であり、第2ブロックの外側先端部は、周方向凹部の底面に対して垂直であったが、これに限られない。すなわち、上述した実施形態及び変更例では、第1ブロックの内側先端部と周方向凹部の底面とが成す角度は、90度であり、第2ブロックの外側先端部と周方向凹部の底面とが成す角度は、90度であったが、それ以外の角度であってもよい。
図14に示すように、トレッド幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面において、第1ブロック610の内側先端部610aは、周方向凹部600の底面603に対して傾斜してもよい。第2ブロック620の外側先端部620aは、底面603に対して傾斜してもよい。図14に示されるその他の実施形態において、第1ブロック610の内側先端部610aと底面603とが成す角度αは、鈍角であり、第2ブロック620の外側先端部620aと底面603とが成す角度βは、鈍角である。第1ブロック610のタイヤ径方向における長さは、トレッド幅方向外側に向かうに連れ、短くなる。第2ブロック620のタイヤ径方向における長さは、トレッド幅方向外側に向かうに連れ、短くなる。
角度α及び角度βが、90度以上の場合、空気入りタイヤの製造時において、第1ブロック610及び第2ブロック620がモールドに引っ掛かりにくい。従って、空気入りタイヤの製造時において、空気入りタイヤをモールドから取り外しやすくなる。従って、角度α及び角度βは、90度以上であることが好ましい。内側先端部610a及び外側先端部620aが底面603に対して傾斜していれば、第1ブロック610及び第2ブロック620がモールドにさらに引っ掛かりにくくなる。従って、第1ブロック610の内側先端部610aと底面603とが成す角度αは、鈍角であり、第2ブロック620の外側先端部620aと底面603とが成す角度βは、鈍角であることがさらに好ましい。
上述した実施形態及び変更例では、第1ブロックの内側先端部は、周方向凹部のタイヤ径方向中心よりもタイヤ径方向外側にあり、第2ブロックの外側先端部は、周方向凹部のタイヤ径方向中心よりもタイヤ径方向内側にあったが、これに限られない。図15に示されるように、第1ブロック710の内側先端部710aは、周方向凹部700のタイヤ径方向中心よりもタイヤ径方向内側にあってもよい。すなわち、第1ブロック710は、タイヤ径方向中心を超えて延びてもよい。第2ブロック720の外側先端部720aは、周方向凹部700のタイヤ径方向中心よりもタイヤ径方向外側にあってもよい。すなわち、第2ブロック720は、タイヤ径方向中心を超えて延びてもよい。
なお、周方向凹部におけるタイヤ径方向中心とは、タイヤサイド部20の外側表面及び第1壁面の交点とタイヤサイド部20の外側表面及び第2壁面の交点とのタイヤ径方向における平均長さの中点である。このため、例えば、第1壁面及び第2壁面が蛇行して、タイヤ周方向に延びている場合であっても、タイヤ径方向中心は、タイヤ周方向に沿って延びる。
図15に示すように、第1ブロック710のタイヤ径方向における長さと第2ブロック720のタイヤ径方向における長さが交互に変化してもよい。これにより、第1ブロック710と第2ブロック720との間を流れる空気の流れは、第1ブロック710又は第2ブロック720にぶつかるため、乱流がさらに発生しやすくなる。その結果、ビード部30の温度上昇をさらに抑制することができる。
上述した実施形態及び変更例では、第1ブロックの径方向外側端部は第1壁面と繋がっており、第2ブロックの径方向内側端部は第2壁面と繋がっていたが、これに限られない。図16に示すように、第1ブロック810の径方向外側端部は、第1壁面801から離れていてもよい。第2ブロック820の径方向内側端部は、第2壁面802から離れていてもよい。図16に示される実施形態において、第1ブロック810の径方向外側端部は、第1壁面801と接していない。第2ブロック820の径方向内側端部は、第2壁面802と接していない。これにより、第1ブロック810と第1壁面801との間に空気の流れが発生するため、乱流がさらに発生しやすくなる。第2ブロック820と第2壁面802との間に空気の流れが発生するため、乱流がさらに発生しやすくなる。その結果、ビード部30の温度上昇をさらに抑制することができる。
また、タイヤサイド部20の外側表面と、第1壁面及び第2壁面との成す角度は90度でなくてもよい。同様に、底面と、第1壁面及び第2壁面との成す角度は90度でなくてもよい。すなわち、タイヤサイド部の外側表面と、第1壁面及び第2壁面と、底面とはなだらかな曲面状に繋がっていてもよい。第3壁面についても同様である。
具体的には、図17に示されるように、タイヤサイド部の外側表面と第2壁面902とが曲面状に繋がっていてもよい。また、第2壁面902と底面903とが曲面状に繋がっていてもよい。第2壁面902が底面903に対して傾斜していてもよい。第1壁面901については、上述した実施形態と同様である。また、図18に示されるように、タイヤサイド部の外側表面と第2壁面1002とが曲面状に繋がるだけでなく、タイヤサイド部の外側表面と第1壁面1001とが曲面状に繋がっていてもよい。第1壁面1001と底面1003とが曲面状に繋がっていてもよい。第3壁面についても同様である。
他にも、例えば、第1壁面と第2壁面とが繋がっていてもよい。すなわち、タイヤ径方向及びトレッド幅方向に沿った断面において、周方向凹部の形状が三角形状であってもよい。第1壁面と第2壁面との境界が周方向凹部の最も深い部分となる。この場合、周方向凹部の高さHは、第1壁面と第2壁面との境界からタイヤサイド部20の外側表面までの高さになる。
また、第1ブロック、第2ブロック、第3ブロックのタイヤ周方向の幅Wや、第1ブロック、第2ブロック、第3ブロックのトレッド幅方向の高さは、同一でなくともよい。第4ブロックのタイヤ周方向の幅T、第5ブロックのタイヤ径方向の幅Y、第4ブロック及び第5ブロックのトレッド幅方向高さは、同一でなくともよい。
タイヤとして、空気や窒素ガスなどが充填される空気入りタイヤであってもよく、空気や窒素ガスなどが充填されないソリッドタイヤでもあってもよい。
上述した実施形態及び変更例のそれぞれの特徴は、発明を損なわない範囲において、組み合わせ可能である。なお、各実施形態及び変更例において、同様の構成については、詳細な説明を適宜省略している。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
なお、日本国特許出願第2010−176494号(2010年8月5日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。
本発明によれば、製造コストを低減しつつ、タイヤサイド部、特にビード部のゴムの温度上昇を抑制するタイヤを提供することができる。

Claims (13)

  1. タイヤサイド部の外側表面に、トレッド幅方向内側に凹み、かつタイヤ周方向に延びる周方向凹部を有するタイヤであって、
    前記周方向凹部には、
    前記周方向凹部におけるタイヤ径方向中心よりタイヤ径方向外側に位置する径方向外側端部と、前記径方向外側端部よりタイヤ径方向内側に位置する径方向内側先端部とを有するとともに、トレッド幅方向外側へ向けて凸となる第1ブロックと、
    前記周方向凹部におけるタイヤ径方向中心よりタイヤ径方向内側に位置する径方向内側端部と、前記径方向内側端部よりタイヤ径方向外側に位置する径方向外側先端部とを有するとともに、トレッド幅方向外側へ向けて凸となる第2ブロックとが形成されており、
    前記第1ブロックの径方向内側先端部と、
    前記第2ブロックの径方向外側先端部とは、
    タイヤ周方向、または、タイヤ径方向に離間していることを特徴とするタイヤ。
  2. 前記第1ブロックは、
    周方向凹部におけるタイヤ径方向外側端部からタイヤ径方向内側に突出し、
    前記第2ブロックは、
    周方向凹部におけるタイヤ径方向内側端部からタイヤ径方向外側に突出していることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記第1ブロックと前記第2ブロックとは、
    タイヤ径方向において、直線上に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ。
  4. 前記第1ブロックと、前記第2ブロックとは、
    タイヤ周方向において、互い違いに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ。
  5. 前記周方向凹部には、
    前記周方向凹部のタイヤ径方向両端部から離間し、
    前記第1ブロック及び前記第2ブロックとはタイヤ周方向に離間し、
    前記周方向凹部のトレッド幅方向内側からトレッド幅方向外側へ突出する第3ブロックが形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載のタイヤ。
  6. 前記第3ブロックは、
    タイヤ径方向外側に位置する外側端部と
    タイヤ径方向内側に位置する内側端部と
    を有し、
    前記外側端部は、前記第1ブロックの径方向内側先端部よりもタイヤ径方向外側に位置し、
    前記内側端部は、前記第2ブロックの径方向外側先端部よりもタイヤ径方向内側に位置することを特徴とする請求項5に記載のタイヤ。
  7. 前記周方向凹部は、
    トレッド幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面において、
    タイヤ最大幅部からリムフランジ上端部までの位置に形成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載のタイヤ。
  8. 前記周方向凹部のトレッド幅方向の深さは、10mmから25mmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載のタイヤ。
  9. 前記周方向凹部のタイヤ径方向の長さは、100mm〜150mmであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載のタイヤ。
  10. 前記第1ブロックと、前記第2ブロックと、前記第3ブロックのタイヤ周方向の幅は、2mm〜10mmであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一つに記載のタイヤ。
  11. 前記第1ブロックの径方向内側先端部と、前記第2ブロックの径方向外側先端部とのタイヤ径方向に沿った距離は、前記第1ブロック及び第2ブロックのタイヤ周方向のピッチに対して15%〜30%であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一つに記載のタイヤ。
  12. 前記周方向凹部のトレッド幅方向の深さをH、前記第1及び第2ブロックのタイヤ周方向のピッチをP、第1及び第2ブロックのタイヤ周方向の幅をWとしたときに、1.0≦P/H≦50.0、かつ、1.0≦(P−W)/W≦100.0の関係であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
  13. トレッド幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面において、
    前記第1ブロックの径方向内側先端部は、前記周方向凹部の底面に対して傾斜し、
    前記第1ブロックの径方向内側先端部と前記底面との成す角度は、鈍角であり、
    前記第2ブロックの径方向外側先端部は、前記底面に対して傾斜し、
    前記第2ブロックの径方向外側先端部と前記底面との成す角度が鈍角であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一つに記載のタイヤ。
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