JP6603470B2 - タイヤ - Google Patents

タイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP6603470B2
JP6603470B2 JP2015080721A JP2015080721A JP6603470B2 JP 6603470 B2 JP6603470 B2 JP 6603470B2 JP 2015080721 A JP2015080721 A JP 2015080721A JP 2015080721 A JP2015080721 A JP 2015080721A JP 6603470 B2 JP6603470 B2 JP 6603470B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
groove
protrusion
tire
groove wall
width
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2015080721A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016199154A (ja
Inventor
さやか 三島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2015080721A priority Critical patent/JP6603470B2/ja
Priority to EP16776424.0A priority patent/EP3281806B1/en
Priority to PCT/JP2016/059869 priority patent/WO2016163256A1/ja
Priority to US15/560,090 priority patent/US20180304695A1/en
Priority to CN201680020378.5A priority patent/CN107428207B/zh
Publication of JP2016199154A publication Critical patent/JP2016199154A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6603470B2 publication Critical patent/JP6603470B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/13Tread patterns characterised by the groove cross-section, e.g. for buttressing or preventing stone-trapping
    • B60C11/1353Tread patterns characterised by the groove cross-section, e.g. for buttressing or preventing stone-trapping with special features of the groove bottom
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/0327Tread patterns characterised by special properties of the tread pattern
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C2011/0337Tread patterns characterised by particular design features of the pattern
    • B60C2011/0339Grooves
    • B60C2011/0341Circumferential grooves
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/13Tread patterns characterised by the groove cross-section, e.g. for buttressing or preventing stone-trapping
    • B60C11/1307Tread patterns characterised by the groove cross-section, e.g. for buttressing or preventing stone-trapping with special features of the groove walls
    • B60C2011/1338Tread patterns characterised by the groove cross-section, e.g. for buttressing or preventing stone-trapping with special features of the groove walls comprising protrusions
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/13Tread patterns characterised by the groove cross-section, e.g. for buttressing or preventing stone-trapping
    • B60C11/1353Tread patterns characterised by the groove cross-section, e.g. for buttressing or preventing stone-trapping with special features of the groove bottom
    • B60C2011/1361Tread patterns characterised by the groove cross-section, e.g. for buttressing or preventing stone-trapping with special features of the groove bottom with protrusions extending from the groove bottom
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C2200/00Tyres specially adapted for particular applications
    • B60C2200/06Tyres specially adapted for particular applications for heavy duty vehicles

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Tires In General (AREA)

Description

本発明は、トレッド部にタイヤ周方向に延びる溝部が形成されるタイヤに関する。
従来、車両に装着される空気入りタイヤ(以下、タイヤ)では、車両の走行に伴うタイヤの温度上昇を抑制するために、様々な方法が用いられている。特に、トラック、バスなどに装着される重荷重用タイヤでは、温度上昇が顕著である。
そこで、例えば、タイヤのトレッド部に形成した溝部の溝底において、一方の溝壁から他方の溝壁まで直線状に延在する突起部を設けたタイヤが提案されている(例えば、特許文献1)。
このようなタイヤによれば、タイヤが転動すると、溝部の内部を通過する気流が、突起部によって乱流となり、この乱流によってトレッド部からの放熱が促進される。これにより、トレッド部の温度上昇を抑制することができる。
国際公開WO2012/090917号公報
ところで、タイヤ転動時において、溝部の両側の陸部は、路面に接地すると、圧縮変形するとともに、溝幅の狭くなる方向に膨出変形する。そして、溝部の両側の陸部は、路面から離れると、その膨出変形が元に戻る。このように、溝部の両側の陸部は、路面に接地する度に、溝幅が狭くなる方向への膨出変形を繰り返すため、溝部に形成される突起部は、一方の溝壁と他方の溝壁との両側から、圧縮力を繰り返し受ける。
従来技術に係るタイヤでは、突起部が、一方の溝壁から他方の溝壁まで直線状に連なる構成であり、かかる突起部が両側から圧縮力を繰り返し受けると、突起部のタイヤ幅方向の中央部において、せん断変形が局所的に繰り返し発生し、突起部にクラックが発生するおそれがある。
このようなクラックが突起部に発生すると、突起部によって意図した乱流を発生できずに、トレッド部の温度上昇を抑制する効果が低下するおそれがある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、溝部に形成した突起部に発生するクラックを抑制することによって突起部の耐久性を高めつつ、トレッド部の温度上昇を確実に抑制することが可能なタイヤを提供することを目的とする。
本発明に係るタイヤは、トレッド部にタイヤ周方向に延びる溝部が形成されるタイヤであって、前記溝部の溝底には、前記タイヤ周方向に交差する方向に延在する突起部が設けられており、前記突起部は、前記溝部を形成する一方の溝壁から前記溝部を形成する他方の溝壁に向けて延在し、前記他方の溝壁よりも手前で終端する第1突起部分と、前記他方の溝壁から前記一方の溝壁に向けて延在し、前記一方の溝壁よりも手前で終端する第2突起部分と、によって構成されており、前記他方の溝壁よりも手前で終端する前記第1突起部分の終端部は、前記一方の溝壁よりも手前で終端する前記第2突起部分の終端部よりも、前記他方の溝壁側に配置されることを要旨とする。
本発明によれば、溝部に形成した突起部に発生するクラックを抑制することによって突起部の耐久性を高めつつ、トレッド部の温度上昇を確実に抑制することが可能なタイヤを提供することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るタイヤ1のタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る溝部の一部破断斜視図である。 図3は、本発明の第1実施形態に係る溝部のトレッド面視における形状を示す平面図である。 図4は、本発明の第1実施形態に係る突起部の拡大平面図である。 図5は、図3のF1方向から見た溝部のタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。 図6は、図3のA−A線とタイヤ径方向とに沿った突起部の断面図である。 図7は、タイヤ周方向に対する第1突起部分の延在方向及び第2突起部分の延在方向の角度と溝部における熱伝達率(指数表示)との関係を測定した測定結果を示すグラフ図である。 図8は、間隔Pを規定する突起部の長さLに掛ける係数と、溝部における熱伝達率との関係を測定した測定結果を示すグラフ図である。 図9は、高さHを規定する溝深さDに掛ける係数と、溝部における熱伝達率との関係を測定した測定結果を示すグラフ図である。 図10は、第1〜第2突起部分の間隔Lxを規定する溝幅Wに掛ける係数と、歪み及び熱伝達率との関係を示すグラフ図である。 図11は、第1突起部分と溝壁の間隔Lw1(第2突起部分と溝壁の間隔Lw2)を規定する溝幅Wに掛ける係数と、歪み及び熱伝達率との関係を示すグラフ図である。 図12は、突起部の幅と、歪み及び熱伝達率の関係を示すグラフ図である。 図13は、第1〜第2突起部分の終端部間の間隔Lwを規定する溝幅Wに掛ける係数と、歪み及び熱伝達率との関係を示すグラフ図である。
[第1実施形態]
(1)タイヤの概略構成
本発明に係るタイヤの第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、本実施形態に係るタイヤ1の概略構成について、図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るタイヤ1のタイヤ幅方向TW及びタイヤ径方向TDに沿った断面図である。本実施形態に係るタイヤ1は、タイヤ赤道線CLを基準として左右対称の形状を有する。なお、タイヤ1は、左右非対称の形状を有していてもよい。
本実施形態に係るタイヤ1は、正規リム5に組み付けられた後に空気を充填する空気入りタイヤを想定している。なお、正規リム5に組み付けられたタイヤ1に充填される気体は、空気に限らず、窒素ガスなどの不活性ガスを充填してもよい。さらに、冷却用の液体(クーラント)が充填されてもよい。
タイヤ1は、トラック又はバス(TB)に装着される重荷重用タイヤ(TBRタイヤ)に好適に用いられる。タイヤ1は、乗用車などに装着される空気入りタイヤと比較して、トレッド部10のゴムゲージ(ゴム厚さ)が厚い。具体的には、タイヤ1は、タイヤ外径をOD、タイヤ赤道線CLの位置におけるトレッド部10のゴムゲージをDCとした場合に、DC/OD≧0.005を満たす。
ここで、タイヤ外径OD(単位:mm)とは、タイヤ1の外径が最大となる部分(一般的には、タイヤ赤道線CL付近におけるトレッド部10)のタイヤ1の直径である。ゴムゲージDC(単位:mm)は、タイヤ赤道線CLの位置におけるトレッド部10のゴム厚さである。ゴムゲージDCには、ベルト層40の厚さは含まれない。なお、図1に示すように、タイヤ赤道線CLを含む位置に溝部が形成されている場合には、溝部に隣接する位置におけるトレッド部10のゴム厚さとする。
図1に示すように、タイヤ1は、路面と接するトレッド部10と、トレッド部10に連なり、トレッド部10よりもタイヤ径方向TD内側に位置するサイドウォール部20と、サイドウォール部20に連なり、サイドウォール部20よりもタイヤ径方向TD内側に位置するビード部30とを有する。
トレッド部10は、タイヤ転動時に、路面に接地するトレッド接地面11を有する。トレッド部10には、タイヤ周方向TCに延びる溝部が形成されている。
また、本実施形態では、トレッド部10は、溝部として、タイヤ赤道線CL上に設けられる溝部60と、トレッド接地面11のトレッド端TE側に設けられる溝部70とが形成されている。
ここで、本実施形態に係るタイヤ1において、「トレッド端TE」とは、タイヤ1を正規リム5に組付けて、正規内圧を充填し、正規荷重を適用した状態において、タイヤ表面が路面(地面)と接触するトレッド接地面のタイヤ幅方向最外位置をいう。
また、「正規リム」とは、タイヤのサイズに応じて下記の規格に規定された標準リムをいい、「正規内圧」とは、下記の規格に記載されている、適用サイズにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧をいい、「正規荷重」とは、下記の規格の適用サイズにおける単輪の最大荷重(最大負荷能力)をいうものとする。そして規格とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格であって、たとえば、日本では「日本自動車タイヤ協会」の“JATMA YEAR BOOK”であり、アメリカ合衆国では“THE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC.”の“YEAR BOOK”であり、欧州では、“The European Tyre and Rim Technical Organisation”の“STANDARD MANUAL”である。
溝部70は、一方の溝壁71と、一方の溝壁71に対向する他方の溝壁73と、一方の溝壁71と他方の溝壁73とに連なる溝底72とによって、構成される(図3参照)。
溝部70の溝底72には、タイヤ周方向TCに交差する方向に延在する突起部100が設けられている。なお、突起部100は、タイヤ赤道線CL上の溝部60に設けてもよいが、少なくとも、後述するベルト層40のタイヤ幅方向TWの端部に最も近い溝部70に設けられることが好ましい。
これは、次の理由による。すなわち、ベルト層40のタイヤ幅方向TWの端部は、タイヤ1の転動によって温度が上昇しやすいため、溝部に形成した突起部100によって、温度上昇を効果的に抑制するためには、少なくともベルト層40の端部に最も近い溝部70に突起部100を設けることが好ましい。なお、突起部100の詳細な構成については、後述する。
トレッド部10には、溝部70が形成されることによって、複数の陸部80が区画形成される。具体的に、溝部70のタイヤ幅方向TW内側に陸部81が形成され、溝部70のタイヤ幅方向TW外側に陸部82が形成される。なお、本実施形態では、陸部81及び陸部82を、単に陸部80として適宜説明する。
トレッド部10のタイヤ径方向TD内側には、複数枚のベルト41によって構成されるベルト層40が設けられている。ベルト41の端部41eのタイヤ径方向TD外側には、トレッド部10に形成される溝部70が配置されている。
また、ベルト層40のタイヤ径方向TD内側には、左右一対のビードコア51に跨がり、タイヤ1の骨格を形成するカーカス層52が設けられている。なお、カーカス層52の端部は、ビードコア51を包むように折り返される。
(2)突起部の構成
次に、突起部100の構成について、図面を参照して説明する。図2は、本発明の第1実施形態に係る溝部の一部破断斜視図である。図3は、本発明の第1実施形態に係る溝部のトレッド面視における形状を示す平面図である。図4は、本発明の第1実施形態に係る突起部の拡大平面図である。図5は、図3のF1方向から見た溝部のタイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿った断面図である。図6は、図3のA−A線とタイヤ径方向とに沿った突起部の断面図である。
ここで、図2に示すように、本実施形態では、説明の便宜上、車両にタイヤ1を装着した場合に、車両の前進によってタイヤ1が回転する回転方向TRを規定する。なお、タイヤ1の車両装置時における回転方向TRは、特に指定されるものではない。
図2〜3に示すように、溝部70には、複数の突起部100が設けられている。突起部は、タイヤ周方向TCに所定間隔P毎に設けられている。
突起部100は、第1突起部分110と第2突起部分120とによって構成される。第1突起部分110は、溝部70を形成する一方の溝壁71から溝部70を形成する他方の溝壁73に向けて延在し、他方の溝壁73よりも手前で終端する。
なお、本実施形態において、一方の溝壁71は、溝部70のタイヤ幅方向TW内側の陸部81に形成され、他方の溝壁73は、溝部70のタイヤ幅方向TW外側の陸部82に形成される。
具体的に、第1突起部分110の一方の溝壁71側の端部は、一方の溝壁71に連結する。第1突起部分110の他方の溝壁73側の端部は、他方の溝壁73よりも手前で終端する終端部110aを構成する。つまり、第1突起部分110の終端部110aは、一方の溝壁71と他方の溝壁73との間に位置する。
第2突起部分120は、他方の溝壁73から一方の溝壁71に向けて延在し、一方の溝壁71よりも手前で終端する。第2突起部分120の他方の溝壁73側の端部は、他方の溝壁73に連結する。第2突起部分120の一方の溝壁71側の端部は、一方の溝壁71よりも手前で終端する終端部120aを構成する。つまり、第2突起部分120の終端部120aは、一方の溝壁71と他方の溝壁73との間に位置する。
また、第1突起部分110の終端部110aは、第2突起部分120の終端部120aよりも、他方の溝壁73側に配置される。これにより、突起部100は、タイヤ周方向TCにおいて、第1突起部分110の一部と第2突起部分120の一部とが重複する重複部分(不図示)を有する。さらに、タイヤ径方向TD及びタイヤ幅方向TWに沿った溝部70の断面視において、突起部100は、第1突起部分110と第2突起部分120とによって、一方の溝壁71から他方の溝壁73まで連なるように構成される(図5参照)。
本実施形態では、第1突起部分110の延在方向と第2突起部分120の延在方向とは、平行である。よって、第1突起部分110の中心線CL1と、第2突起部分120の中心線CL2とが、平行である。なお、中心線CL1は、第1突起部分110の幅方向中心を通る仮想線であり、中心線CL2は、第2突起部分120の幅方向中心を通る仮想線である。
また、タイヤ1のトレッド面視において、溝部70の中央を通る溝中央線CL70に沿った突起部100の長さをLとし、突起部100を設けるタイヤ周方向TCの所定間隔をPとした場合、所定間隔Pは、長さLの0.75倍以上かつ10倍以下であることが好ましい。すなわち、所定間隔Pと長さLとは、0.75L≦P≦10Lの関係を満たすことが好ましい。
なお、図3に示すように、溝中央線CL70は、溝部70の延在方向に直交する溝幅方向の中央を通る仮想線であり、本実施形態では、タイヤ周方向TCと平行である。また、長さLは、溝中央線CL70に沿った突起部100の一端から他端までの長さである。間隔Pは、溝中央線CL70に沿って隣接する2つの突起部100間の距離である。
また、第1突起部分110の延在方向と第2突起部分120の延在方向とは、タイヤ周方向TCに対して、傾斜する。本実施形態では、第1突起部分110の延在方向とタイヤ周方向TCとのなす角度θ1、及び、第2突起部分120の延在方向とタイヤ周方向TCとのなす角度θ2は、10〜60度の範囲内であることが好ましい。
なお、第1突起部分110の延在方向は、第1突起部分110の中心線CL1に沿った方向であり、第2突起部分120の延在方向は、第2突起部分120の中心線CL2に沿った方向である。
また、本実施形態では、角度θ1と角度θ2とが同一である。但し、角度θ1と角度θ2とは、必ずしも同一でなくてもよい。すなわち、上述の範囲内であれば、角度θ1と角度θ2とは、互いに異なっていてもよい。
また、図4に示すように、溝部70の幅を溝幅Wとした場合、第1突起部分110の延在方向に直交する方向において、第1突起部分110と第2突起部分120との間隔Lxは、溝幅Wの0.1倍以上かつ0.3倍以下であることが好ましい。すなわち、間隔Lxと溝幅Wとは、0.1W≦Lx≦0.3Wの関係を満たすことが好ましい。なお、溝幅Wは、溝部70の延在方向に直交する溝幅方向における溝部70の幅である。本実施形態では、溝部70の延在方向が、タイヤ周方向TCであるため、溝幅Wは、タイヤ周方向TCに直交するタイヤ幅方向TWにおける溝部70の幅である。
ここで、第1突起部分110の延在方向に直交する方向とは、第1突起部分110の中心線CL1に直交する方向である。
また、溝部70の幅を溝幅Wとした場合、第1突起部分110の終端部110aと他方の溝壁73との溝壁溝壁間隔Lw1、及び、第2突起部分120の終端部120aと一方の溝壁71との溝壁間隔Lw2は、いずれも、溝幅Wの0.1倍以上かつ0.4倍以下であることが好ましい。すなわち、溝壁間隔Lw1(及びLw2)と溝幅Wとは、0.1W≦Lw1(及びLw2)≦0.4Wの関係を満たすことが好ましい。
本実施形態では、溝壁間隔Lw1が、溝壁間隔Lw2と同一である。但し、溝壁間隔Lw1は、必ずしも、溝壁間隔Lw2と同一でなくともよい。例えば、一方の溝壁71が他方の溝壁73よりも変形量が大きい場合、溝壁間隔Lw1と溝壁間隔Lw2とは、Lw1>Lw2の関係を満たしてもよい。
また、溝部70の幅を溝幅Wとした場合、タイヤ幅方向TWにおいて、第1突起部分110の終端部110aと第2突起部分120の終端部120aとの終端間隔Lwは、溝幅Wの0.2倍以上かつ0.6倍以下であることが好ましい。すなわち、終端間隔Lwと溝幅Wとは、0.2W≦Lw≦0.6Wの関係を満たすことが好ましい。
また、本実施形態では、図5に示すように、タイヤ幅方向TWにおいて、第1突起部分110の終端部110aと溝中央線CL70との間隔Lx1と、第2突起部分120の終端部120aと溝中央線CL70との間隔Lx2とは、同一である。但し、間隔Lx1と間隔Lx2とは、必ずしも同一でなくてもよい。例えば、一方の溝壁71が他方の溝壁73よりも変形量が大きい場合、一方の溝壁71から延在する第1突起部分110の間隔Lx1と、他方の溝壁73から延在する第2突起部分120の間隔Lx2とは、Lx1>Lx2の関係を満たしてもよい。
また、図5に示すように、第1突起部分110及び第2突起部分120の溝底72からの高さをHとし、溝部70のトレッド接地面11から溝底72(最深部)までの深さをDとした場合、高さHは、深さDの0.03倍よりも大きく、かつ0.4倍以下であることが好ましい。すなわち、高さHと深さDとは、0.03D<H≦0.4Dの関係を満たすことが好ましい。
また、図6に示すように、本実施形態では、第1突起部分110の幅W110、及び、第2突起部分120の幅W120は、いずれも、1mm以上かつ4mm以下であることが好ましい。ここで、第1突起部分110の幅W110とは、第1突起部分110の延在方向に沿った中心線CL1に直交する方向における長さであり、第2突起部分120の幅W120とは、第2突起部分120の延在方向CL2に沿った中心線CL2に直交する方向における長さである。
本実施形態では、第1突起部分110の幅W110と第2突起部分120の幅W120とは、同一である。但し、第1突起部分110の幅W110と第2突起部分120の幅W120とは、必ずしも同一でなくてもよい。例えば、一方の溝壁71が他方の溝壁73よりも変形量が大きい場合、一方の溝壁71から延在する第1突起部分110の幅W110と、他方の溝壁73から延在する第2突起部分120の幅W120とは、W110>W120の関係を満たしてもよい。
(3)作用・効果
本実施形態に係るタイヤ1では、タイヤ周方向TCに延在する溝部70の溝底72において、突起部100が形成されているため、タイヤ1の回転によって回転方向TRとは反対向きの空気の流れAR1,AR2(相対風)が、溝部70に発生する(図4参照)。
具体的に、溝部70の他方の溝壁73に沿った一部の空気の流れAR1は、進行方向に突起部100が位置するため、溝部70に沿って進めずに、突起部100を乗り越える。このとき、空気の流れAR1は、螺旋状(スワール状)の流れに変化する。また、空気の流れAR1は、周囲の空気を巻き込んで進むため、空気の流量が増大するとともに、空気の流れAR1の速度が上昇する。これにより、トレッド部10からの放熱が促進される。
また、溝部70の一方の溝壁71に沿った一部の空気の流れAR2は、突起部100の延在方向に沿って進む。その後、空気の流れAR2は、溝部70の他方の溝壁73側で、溝部70の外部へ流れ出る。これにより、溝部70の内部を通過することにより熱を蓄えた空気が外部へ流れるため、トレッド部10からの放熱が促進される。
また、本実施形態に係るタイヤ1では、突起部100が、第1突起部分110と第2突起部分120とによって構成されている。第1突起部分110は、一方の溝壁71から他方の溝壁73に向かって延在し、他方の溝壁73よりも手前で終端する。第2突起部分120は、他方の溝壁73から一方の溝壁71に向かって延在し、一方の溝壁71よりも手前で終端する。すなわち、第1突起部分110と第2突起部分120とは、いずれも、溝部70の両溝壁71,73のうちの片側の溝壁71又は73と離間する構成である。
本実施形態に係るタイヤ1によれば、タイヤ転動時において、溝部70の両側の陸部80が変形しても、第1突起部分110と第2突起部分120とは、いずれも、一方の陸部80からのみ圧縮力を受けるものの、両側の陸部80から圧縮力を受けることを防止できる。これにより、従来技術のように、突起部が、一方の溝壁71から他方の溝壁73まで直線状に連なる構成である場合に比べて、陸部80から受ける圧縮力によって、第1突起部分と第2突起部分とにせん断変形が発生することを抑制できる。
従って、第1突起部分110と第2突起部分120とによって構成される突起部100にクラックが発生することを抑制できるため、突起部100によって意図した乱流を確実に発生させることができる。すなわち、突起部100のクラックの発生を抑制することによって突起部100の耐久性を高めつつ、トレッド部10の温度上昇を確実に抑制することができる。
また、突起部100は、第1突起部分110と第2突起部分120とによって構成されるため、両側の陸部80から引張力を受ける場合にも、引張力による歪み(変形)に起因するクラックの発生も抑制できる。
また、本実施形態に係るタイヤ1では、第1突起部分110の終端部110aは、第2突起部分120の終端部120aよりも、他方の溝壁73側に配置される。すなわち、突起部100では、タイヤ径方向TD及びタイヤ幅方向TWに沿った溝部70の断面視において、第1突起部分110と第2突起部分120とが一方の溝壁71から他方の溝壁73まで連なる。
これにより、突起部100には、一方の溝壁71から他方の溝壁73までの間に、タイヤ周方向TCに貫通する隙間が形成されることを防止できるため、溝部70内をタイヤ周方向TCに流れる気流を突起部100に確実に衝突させて、溝部70内を冷却する乱流を確実に発生させることができる。よって、トレッド部10の温度上昇を抑制する効果を高めることができる。
また、本実施形態に係るタイヤ1では、第1突起部分110の延在方向とタイヤ周方向TCとのなす角度θ1、及び、第2突起部分120の延在方向とタイヤ周方向TCとのなす角度θ2は、10度以上かつ60度以下であることが好ましい。
ここで、図7には、タイヤ周方向に対する第1〜2突起部分の延在方向の角度と溝部における熱伝達率(指数表示)との関係を測定した測定結果を示すグラフ図が示されている。なお、図7のグラフ図において、熱伝達率の値「100」は、突起部100を設けていないタイヤの熱伝達率(基準値)を示す。
図7に示すように、角度θ1及び角度θ2が、10度以上であることにより、突起部100と一方の溝壁71(又は他方の溝壁73)により形成される鋭角部分によって、溝部70を流れる空気の流れAR1及びAR2が弱くなることを抑制できる。また、溝部70に突起部100を容易に製造することができるため、製造する上での利便性が高まる。
一方で、角度θ1及び角度θ2が、60度以下であることにより、溝部70を流れる空気の流れAR2を螺旋状の流れに効率よく変化させることができる。このため、溝底72を通過する風量が増加し、トレッド部10から効率的に熱を放熱できる。
なお、角度θ1及び角度θ2は、15度以上かつ40度以下であることがより好ましい。これにより、図7に示すように、実装時に確実に効果を発揮する熱伝達率の値「103」を上回ることができるため、トレッド部10の温度上昇を抑制する効果の確実性が高まる。
また、本実施形態に係るタイヤ1では、タイヤ1のトレッド面視において、溝部70の中央を通る溝中央線CL70に沿った突起部100の長さをLとし、所定間隔をPとした場合、0.75L≦P≦10Lの関係を満たすことが好ましい。
ここで、図8には、所定間隔Pを規定する突起部100の長さLに掛ける係数と、溝部70における熱伝達率との関係を測定した測定結果を示すグラフ図が示されている。なお、図7のグラフ図において、熱伝達率の値「100」は、突起部100を設けていないタイヤの熱伝達率(基準値)を示す。また、係数は、長さLに対する所定間隔Pの比P/Lとも言い換えることができる。
図8に示すように、突起部100は、0.75L≦Pの関係を満たすことにより、溝部70に設けられる突起部100の数が多くなりすぎず、溝部70を流れる空気の速度が低下することを抑制できる。突起部100は、P≦10Lの関係を満たすことにより、溝部70に設けられる突起部100の数が少なくなりすぎず、効率的に空気の流れAR1,AR2が、螺旋状(スワール状)の流れに変化する。
また、1.25L<Pの関係を満たすことが好ましく、1.5L<Pの関係を満たすことがより好ましく、2.0L<Pの関係を満たすことがさらに好ましい。これらの関係を満たすことによって、溝部70に設けられる突起部100がより適切な数となる。また、空気の流れAR1,AR2が通過する溝底72の面積が小さくなりすぎないため、溝底72から熱が効率よく放熱される。これにより、図8に示すように、実装時に確実に効果を発揮する熱伝達率の値「103」を上回ることができるため、トレッド部10の温度上昇を抑制する効果の確実性が高まる。
また、本実施形態に係るタイヤ1では、第1突起部分110及び第2突起部分120の溝底72からの高さをHとし、溝部70のトレッド接地面11から溝底72までの深さをDとした場合、0.03D<H≦0.4Dの関係を満たすことが好ましい。
ここで、図9には、高さHを規定する溝深さDに掛ける係数と、溝部70における熱伝達率との関係を測定した測定結果を示すグラフ図が示されている。なお、図9のグラフ図において、熱伝達率の値「100」は、突起部100を設けていないタイヤの熱伝達率(基準値)を示す。また、係数は、溝深さDに対する高さHの比H/Dとも言い換えることができる。
図9に示すように、0.03D<Hの関係を満たすことにより、第1突起部分110及び第2突起部分120の高さHが所定の高さ以上となるため、溝部70を流れる空気の流れAR1,AR2を螺旋状の流れに効率よく変化させることができる。このため、溝底72を通過する風量が増加し、トレッド部10から効率的に熱が放熱される。H≦0.4Dの関係を満たすことにより、螺旋状の流れに変化した空気の流れAR1,AR2が溝底72に到達しやすくなるため、溝底72から熱が効率よく放熱される。
さらに、0.05D≦Hの関係を満たし、H≦0.35Dの関係を満たすことにより、図9に示すように、実装時に確実に効果を発揮する熱伝達率の値「103」を上回ることができるため、トレッド部10の温度上昇を抑制する効果の確実性が高まる。
また、本実施形態に係るタイヤ1では、溝部70の幅を溝幅Wとした場合、第1突起部分110の延在方向に直交する方向において、第1突起部分110と第2突起部分120との間隔Lxは、溝幅Wの0.1倍以上かつ0.3倍以下であることが好ましい。
ここで、図10には、間隔Lxを規定する溝幅Wに掛ける係数と、溝部70における熱伝達率との関係、及び、当該係数と第1〜第2突起部分に生じた歪みとの関係を測定した測定結果示すグラフ図が示されている。なお、図10では、当該係数と熱伝達率との関係が「実線(×印)」で示されており、当該係数と歪みとの関係が「点線(四角印)」で示されている。また、図10のグラフ図において、熱伝達率の値「100」及び歪みの値「100」は、突起部100を設けていないタイヤの熱伝達率(基準値)及び歪み(基準値)を示す。また、係数は、溝幅Wに対する間隔Lxの比Lx/Wとも言い換えることができる。
第1突起部分110と第2突起部分120との間隔Lxが、溝幅Wの0.1倍以上であることにより、第1突起部分110と第2突起部分120とが陸部80から圧縮力を受けて変形しても、互いに接触することを防止できる。これにより、図10に示すように、第1突起部分110と第2突起部分120とに発生する歪みを抑制できる。一方で、第1突起部分110と第2突起部分120との間隔Lxが、溝幅Wの0.3倍以下であることにより、第1突起部分110と第2突起部分120との間(隙間)に空気の流れAR1,AR2が進入することを抑制して、突起部100を乗り越える空気の流れAR1,AR2をより確実に発生させることができる。
なお、第1突起部分110と第2突起部分120との間隔Lxは、溝幅Wの0.2倍以上かつ0.3倍以下であることがより好ましい。
また、本実施形態に係るタイヤ1では、第1突起部分110の終端部110aと他方の溝壁73との溝壁間隔Lw1、及び、第2突起部分120の終端部120aと一方の溝壁71との溝壁間隔Lw2は、溝幅Wの0.1倍以上かつ0.4倍以下であることが好ましい。
ここで、図11には、溝壁間隔Lw1及び溝壁間隔Lw2を規定する溝幅Wに掛ける係数と、溝部70における熱伝達率との関係、及び、当該係数と第1〜第2突起部分に生じた歪みとの関係を測定した測定結果示すグラフ図が示されている。なお、図11では、当該係数と熱伝達率との関係が「実線(×印)」で示されており、当該係数と歪みとの関係が「点線(四角印)」で示されている。また、図11のグラフ図において、熱伝達率の値「100」及び歪みの値「100」は、突起部100を設けていないタイヤの熱伝達率(基準値)及び歪み(基準値)を示す。また、係数は、溝幅Wに対する溝壁間隔Lw1の比Lw1/Wとも言い換えることができるし、同様に、溝壁間隔Lw2の比Lw2/Wとも言い換えることができる。
第1突起部分110の溝壁間隔Lw1が、溝幅Wの0.1倍以上であることにより、第1突起部分110が、溝底72を伝搬して、他方の溝壁73から受ける圧縮力をより確実に抑制できる。また、第2突起部分120の溝壁間隔Lw2においても、溝幅Wの0.1倍以上であることにより、第2突起部分120が、溝底72を伝搬して、一方の溝壁71から受ける圧縮力をより確実に抑制できる。これにより、図11に示すように、第1突起部分110と第2突起部分120とに発生する歪みを抑制できるため、第1突起部分110及び第2突起部分120に発生するクラックを抑制できる。
一方、第1突起部分110の溝壁間隔Lw1及び第2突起部分120の溝壁間隔Lw2が、溝幅Wの0.4倍以下であることにより、第1突起部分110と第2突起部分120とが、一方の溝壁71と他方の溝壁73との変形に伴って、タイヤ幅方向TWに変形しても、第1突起部分110と第2突起部分120との間に、タイヤ周方向TCに貫通する隙間が形成されることを防止できる。これにより、突起部100を乗り越える空気の流れAR1,AR2をより確実に発生させることができるため、熱伝達率を確保して、トレッド部10の温度上昇を抑制することができる。
なお、溝壁間隔Lw1及び溝壁間隔Lw2は、溝幅Wの0.3倍以上0.4倍以下であることがより好ましい。これにより、第1突起部分110及び第2突起部分120に発生するクラックをより確実に抑制しつつ、トレッド部10の温度上昇をより確実に抑制することができる。
また、本実施形態に係るタイヤ1では、第1突起部分110の幅W110、及び、第2突起部分120の幅W120は、1mm以上かつ4mm以下であることが好ましい。
ここで、図12には、第1突起部分110の幅W110(及び第2突起部分120の幅W120)と溝部70における熱伝達率との関係、及び、当該幅W110(及び幅W120)と第1〜第2突起部分に生じた歪みとの関係を測定した測定結果を示すグラフ図が示されている。なお、図12では、幅W110(及び幅W120)と熱伝達率との関係が「実線(×印)」で示されており、幅W110(及び幅W120)と歪みとの関係が「点線(四角印)」で示されている。また、図12のグラフ図において、熱伝達率の値「100」及び歪みの値「100」は、突起部100を設けていないタイヤの熱伝達率(基準値)及び歪み(基準値)を示す。
第1突起部分110の幅W110、及び、第2突起部分120の幅W120は、1mm以上であることにより、乱流を安定的に発生させるための突起部分自体の剛性を保つことができる。これにより、図12に示すように、熱伝達率を確保できる。また、タイヤ製造時にモールド欠けなどの成形不良の発生を抑制することもできる。
一方で、第1突起部分110の幅W110、及び、第2突起部分120の幅W120は、4mm以下であることにより、第1突起部分110及び第2突起部分120以外の溝底72の領域面積をより広く確保できるため、空気の流れAR1,AR2によって、溝底72を冷却する効果を高めることができる。
なお、第1突起部分110の幅W110、及び、第2突起部分120の幅W120は、1mm以上かつ2mm以下であることがより好ましい。これにより、トレッド部10の温度上昇をより確実に抑制しつつ、成形不良をより確実に抑制することができる。
また、本実施形態に係るタイヤ1では、タイヤ幅方向TWにおいて、第1突起部分110の終端部110aと第2突起部分120の終端部120aとの終端間隔Lwは、溝幅Wの0.2倍以上かつ0.6倍以下であることが好ましい。
ここで、図13には、終端間隔Lwを規定する溝幅Wに掛ける係数と、溝部70における熱伝達率との関係、及び、当該係数と第1〜第2突起部に生じた歪みとの関係を測定した測定結果を示すグラフ図が示されている。なお、図13では、当該係数と熱伝達率との関係が「実線(×印)」で示されており、当該係数と歪みとの関係が「点線(四角印)」で示されている。また、図13のグラフ図において、熱伝達率の値「100」及び歪みの値「100」は、突起部100を設けていないタイヤの熱伝達率(基準値)及び歪み(基準値)を示す。また、係数は、溝幅Wに対する終端間隔Lwの比Lw/Wとも言い換えることができる。
終端間隔Lwが、溝幅Wの0.2倍以上であることにより、第1突起部分110と第2突起部分120とが、一方の溝壁71と他方の溝壁73との変形に伴って変形しても、第1突起部分110と第2突起部分120との間に、タイヤ周方向TCに貫通する隙間が形成されることを防止できる。これにより、図13に示すように、突起部100を乗り越える空気の流れAR1,AR2をより確実に発生させることができるため、熱伝達率を確保して、トレッド部10の温度上昇を抑制することができる。
一方で、終端間隔Lwが、溝幅Wの0.6倍以下であることにより、第1突起部分110及び第2突起部分120による放熱効果を保ちつつ、第1突起部分110及び第2突起部分120の変形によるクラック発生を抑制することができる。
なお、終端間隔Lwは、溝幅Wの0.2倍以上かつ0.3倍以下であることがより好ましい。
[実施例]
次に、本発明の実施形態に係るタイヤの効果を確認するために実施した実施例について説明する。まず、下記に示す比較例1〜2と、実施例1とを準備した。
比較例1に係るタイヤは、溝部に形成される突起部が一方の溝壁から他方の溝壁まで直線状に連なる構成のものを用いた。
比較例2に係るタイヤは、溝部に形成される突起部が一方の溝壁から他方の溝壁の手前まで直線状に延びる構成のものを用いた。すなわち、比較例2は、突起部の一端部を溝壁に連結させるとともに、突起部の他端部を他方の溝壁から離間させたものを用いた。
実施例1に係るタイヤは、上述の第1実施形態に係るタイヤを用いた。なお、比較例1〜2及び実施例1のタイヤサイズとリム幅は、何れも下記の通りである。
・タイヤサイズ:11R22.5
・リム幅:8.25×22.5
そして、準備した比較例1〜2及び実施例1に、内圧700kPa(正規内圧)及び荷重3000kg(約110%load)を与えて、ドラム径1.7mのドラム試験装置を用いた転動試験を行った。また、転動試験では、速度65km/hによって、50000km転動させた後、突起部に発生するクラックの長さを測定した。
また、比較例1〜2及び実施例1による放熱性を評価した。具体的に、それぞれの熱伝導率を測定する試験を行うことによって得られた測定結果に基づいて、放熱性を評価した。
なお、表1には、転動試験後の測定結果と、熱伝導率の測定結果が示されている。また、表1に示す熱伝導率は、比較例1を基準(100)とした指数によって示されており、値が大きいほど、熱伝導率が高いことを示す。
Figure 0006603470

表1に示すように、実施例1に係るタイヤは、比較例1〜2に係るタイヤに比べて、突起部に発生するクラックの長さが大幅に抑制されていることが確認された。すなわち、実施例1に係るタイヤは、突起部にクラックが発生することを抑制できることが確認された。
また、実施例1に係るタイヤは、比較例1〜2に係るタイヤと同等に熱伝導率を確保でき、トレッド部10の温度上昇を十分に抑制できることも確認された。
[その他の実施形態]
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。タイヤ1は、トラック又はバス(TB)に装着される重荷重用タイヤ(TBRタイヤ)に好適に用いられるが、タイヤ1は、例えば、砕石・鉱山・ダム現場を走行するダンプトラックやアーティキュレートダンプなどの建設車両用タイヤ(ORRタイヤ)に用いてもよいし、乗用車用タイヤに用いてもよい。
上述した実施形態では、溝部70がタイヤ周方向TCに沿って平行に延びる場合を例に挙げて説明したが、溝部70は、タイヤ周方向TCに対して数度(例えば10度以下)傾斜していてもよい。
上述した実施形態では、第1突起部分110の延在方向とタイヤ周方向TCとのなす角度θ1、及び、第2突起部分120の延在方向とタイヤ周方向TCとのなす角度θ2は、10〜60度の範囲内である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。角度θ1及びθ2は、10〜60度の範囲外であってもよい。
上述した実施形態では、第1突起部分110と第2突起部分120との間隔Lxは、溝部70の溝幅Wとの関係によって規定したが、第1突起部分110の幅W110(及び第2突起部分120の幅W120)によって規定してもよい。例えば、第1突起部分110と第2突起部分120との間隔Lxは、第1突起部分110の幅W110(及び第2突起部分120の幅W120)と同等、又は、第1突起部分110の幅W110(及び第2突起部分120の幅W120)よりも小さくてもよい。
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1…タイヤ、10…トレッド部、11…トレッド接地面、20…サイドウォール部、30…ビード部、40…ベルト層、52…カーカス層、60…溝部、70…溝部、71…溝壁、72…溝底、73…溝壁、80…陸部、81…陸部、82…陸部、100…突起部、110…第1突起部分、110a…終端部、120…第2突起部分、120a…終端部

Claims (8)

  1. トレッド部にタイヤ周方向に延びる溝部が形成されるタイヤであって、
    前記溝部の溝底には、前記タイヤ周方向に交差する方向に延在する突起部が設けられており、
    前記突起部は、
    前記溝部を形成する一方の溝壁から前記溝部を形成する他方の溝壁に向けて延在し、前記他方の溝壁よりも手前で終端する第1突起部分と、
    前記他方の溝壁から前記一方の溝壁に向けて延在し、前記一方の溝壁よりも手前で終端する第2突起部分と、によって構成されており、
    前記他方の溝壁よりも手前で終端する前記第1突起部分の終端部は、前記一方の溝壁よりも手前で終端する前記第2突起部分の終端部よりも、前記他方の溝壁側に配置されると共に、
    前記溝部の幅を溝幅Wとした場合、前記第1突起部分の延在方向に直交する方向において、前記第1突起部分と前記第2突起部分との間隔Lxは、前記溝幅Wの0.1倍以上かつ0.3倍以下である
    ことを特徴とするタイヤ。
  2. 前記溝部の幅を溝幅Wとした場合、前記第1突起部分の終端部と前記他の溝壁との溝壁間隔Lw1、及び、前記第2突起部分の終端部と前記一方の溝壁との溝壁間隔Lw2は、前記溝幅Wの0.1倍以上かつ0.4倍以下である
    ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ。
  3. トレッド部にタイヤ周方向に延びる溝部が形成されるタイヤであって、
    前記溝部の溝底には、前記タイヤ周方向に交差する方向に延在する突起部が設けられており、
    前記突起部は、
    前記溝部を形成する一方の溝壁から前記溝部を形成する他方の溝壁に向けて延在し、前記他方の溝壁よりも手前で終端する第1突起部分と、
    前記他方の溝壁から前記一方の溝壁に向けて延在し、前記一方の溝壁よりも手前で終端する第2突起部分と、によって構成されており、
    前記他方の溝壁よりも手前で終端する前記第1突起部分の終端部は、前記一方の溝壁よりも手前で終端する前記第2突起部分の終端部よりも、前記他方の溝壁側に配置されると共に、
    前記溝部の幅を溝幅Wとした場合、前記第1突起部分の終端部と前記他の溝壁との溝壁間隔Lw1、及び、前記第2突起部分の終端部と前記一方の溝壁との溝壁間隔Lw2は、前記溝幅Wの0.1倍以上かつ0.4倍以下である
    ことを特徴とするタイヤ。
  4. 前記突起部は、前記タイヤ周方向TCに所定間隔毎に複数設けられており、
    前記タイヤのトレッド面視において、前記溝部の中央を通る溝中央線に沿った前記突起部の長さをLとし、前記所定間隔をPとした場合、0.75L≦P≦10Lの関係を満たす
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のタイヤ。
  5. 前記第1突起部分の幅W110、及び、前記第2突起部分の幅W120は、1mm以上かつ4mm以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のタイヤ。
  6. 前記第1突起部分の延在方向と前記タイヤ周方向とのなす角度、及び、前記第2突起部分の延在方向と前記タイヤ周方向とのなす角度は、10〜60度の範囲内である
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のタイヤ。
  7. 前記溝部の幅を溝幅Wとした場合、タイヤ幅方向において、前記第1突起部分の終端部と前記第2突起部分の終端部との終端間隔Lwは、前記溝幅Wの0.2倍以上かつ0.6倍以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のタイヤ。
  8. トレッド部にタイヤ周方向に延びる溝部が形成されるタイヤであって、
    前記溝部の溝底には、前記タイヤ周方向に交差する方向に延在する突起部が設けられており、
    前記突起部は、
    前記溝部を形成する一方の溝壁から前記溝部を形成する他方の溝壁に向けて延在し、前記他方の溝壁よりも手前で終端する第1突起部分と、
    前記他方の溝壁から前記一方の溝壁に向けて延在し、前記一方の溝壁よりも手前で終端する第2突起部分と、によって構成されており、
    前記他方の溝壁よりも手前で終端する前記第1突起部分の終端部は、前記一方の溝壁よりも手前で終端する前記第2突起部分の終端部よりも、前記他方の溝壁側に配置されると共に、
    前記溝部の幅を溝幅Wとした場合、タイヤ幅方向において、前記第1突起部分の終端部と前記第2突起部分の終端部との終端間隔Lwは、前記溝幅Wの0.2倍以上かつ0.6倍以下である
    ことを特徴とするタイヤ。
JP2015080721A 2015-04-10 2015-04-10 タイヤ Expired - Fee Related JP6603470B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015080721A JP6603470B2 (ja) 2015-04-10 2015-04-10 タイヤ
EP16776424.0A EP3281806B1 (en) 2015-04-10 2016-03-28 Tire
PCT/JP2016/059869 WO2016163256A1 (ja) 2015-04-10 2016-03-28 タイヤ
US15/560,090 US20180304695A1 (en) 2015-04-10 2016-03-28 Tire
CN201680020378.5A CN107428207B (zh) 2015-04-10 2016-03-28 轮胎

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015080721A JP6603470B2 (ja) 2015-04-10 2015-04-10 タイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016199154A JP2016199154A (ja) 2016-12-01
JP6603470B2 true JP6603470B2 (ja) 2019-11-06

Family

ID=57072489

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015080721A Expired - Fee Related JP6603470B2 (ja) 2015-04-10 2015-04-10 タイヤ

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20180304695A1 (ja)
EP (1) EP3281806B1 (ja)
JP (1) JP6603470B2 (ja)
CN (1) CN107428207B (ja)
WO (1) WO2016163256A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7215400B2 (ja) * 2019-11-18 2023-01-31 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2819751A (en) * 1953-03-19 1958-01-14 Lloyd L Felker Tire tread
JPH03276802A (ja) * 1990-03-05 1991-12-09 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
JP3815758B2 (ja) * 1997-10-06 2006-08-30 株式会社ブリヂストン 重荷重用空気入りタイヤ
JP3672026B2 (ja) * 2001-11-21 2005-07-13 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ
JP4540102B2 (ja) * 2004-08-10 2010-09-08 東洋ゴム工業株式会社 重荷重用空気入りタイヤ
WO2008114668A1 (ja) * 2007-03-12 2008-09-25 Bridgestone Corporation 空気入りタイヤ
JP5081477B2 (ja) * 2007-03-12 2012-11-28 株式会社ブリヂストン 空気入りタイヤ
JP4394161B1 (ja) * 2009-04-17 2010-01-06 横浜ゴム株式会社 空気入りタイヤ
WO2012018128A1 (ja) * 2010-08-05 2012-02-09 株式会社ブリヂストン タイヤ
JP5657314B2 (ja) * 2010-09-14 2015-01-21 株式会社ブリヂストン タイヤ
WO2012090917A1 (ja) * 2010-12-28 2012-07-05 株式会社ブリヂストン タイヤ
BR112014023864A2 (pt) * 2012-03-30 2017-08-22 Michelin & Cie Bandas de rodagem de pneu com sub-banda de rodagem de espessura reduzida
JP2013244854A (ja) * 2012-05-25 2013-12-09 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
ES2651301T3 (es) * 2012-07-04 2018-01-25 Bridgestone Corporation Neumático
JP5600143B2 (ja) * 2012-07-04 2014-10-01 株式会社ブリヂストン タイヤ
JP5580369B2 (ja) * 2012-07-04 2014-08-27 株式会社ブリヂストン タイヤ
JP6122258B2 (ja) * 2012-07-04 2017-04-26 株式会社ブリヂストン タイヤ
JP2014218232A (ja) * 2013-05-11 2014-11-20 株式会社ブリヂストン タイヤ
CN203567480U (zh) * 2013-11-25 2014-04-30 山东龙跃橡胶有限公司 一种高排石性半钢轿车轮胎

Also Published As

Publication number Publication date
WO2016163256A1 (ja) 2016-10-13
EP3281806A1 (en) 2018-02-14
CN107428207A (zh) 2017-12-01
EP3281806B1 (en) 2020-05-06
EP3281806A4 (en) 2018-02-28
US20180304695A1 (en) 2018-10-25
JP2016199154A (ja) 2016-12-01
CN107428207B (zh) 2019-12-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2974888B1 (en) Pneumatic tire
JP6273331B2 (ja) タイヤ
RU2573190C1 (ru) Шина
RU2584637C1 (ru) Шина
WO2014129571A1 (ja) タイヤ
EP2974889B1 (en) Pneumatic tire
JP6603470B2 (ja) タイヤ
RU2601793C2 (ru) Шина
EP2871073B1 (en) Tire
JP6603471B2 (ja) タイヤ
WO2017170208A1 (ja) タイヤ
EP2871074A1 (en) Tire
JP6437879B2 (ja) 建設車両用ラジアルタイヤ
JP5814425B2 (ja) タイヤ
WO2014141715A1 (ja) 空気入りタイヤ
RU2575532C1 (ru) Шина
JP2014151690A (ja) タイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190122

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20190322

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190521

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190917

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191011

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6603470

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees