JPWO2012005287A1 - マンドレルミル及び継目無管の製造方法 - Google Patents

マンドレルミル及び継目無管の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の圧延スタンドのそれぞれに3つの孔型ロールが配設されたマンドレルミルであって、設備コストの増加やメンテナンス性の低下を招くことなく、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象を十分に抑制可能なマンドレルミル等を提供する。【解決手段】本発明に係るマンドレルミルは、圧下方向の成す角が120°となるように3つの孔型ロールRが各圧延スタンドに配設され、隣接する圧延スタンド間で孔型ロールRの圧下方向が交互に60°ずらされた複数の圧延スタンドを備えるマンドレルミルであって、少なくとも第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドに配設された孔型ロールRの溝底プロフィールを構成する円弧の中心角θが60°未満に設定されていることを特徴とする。

Description

本発明は、複数の圧延スタンドのそれぞれに3つの孔型ロールが配設されたマンドレルミル、及びこのマンドレルミルを用いた継目無管の製造方法に関する。特に、本発明は、素管が延伸圧延される際に、素管の周長が小さくなり過ぎて素管の内面がマンドレルバーに張り付き、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象を十分に抑制可能なマンドレルミル、及びこのマンドレルミルを用いた継目無管の製造方法に関する。
マンネスマン−マンドレルミル方式による継目無管の製造においては、まず丸ビレット又は角ビレットが加熱炉で加熱された後、穿孔機で穿孔圧延され中空素管が製造される。次に、前記中空素管の内面にマンドレルバーが挿入され、複数の圧延スタンドを備えたマンドレルミルで延伸圧延される。その後、延伸圧延後の管が絞り圧延機で所定外径に成形圧延され製品とされる。
上記のマンドレルミルとしては、従来より、対向する2つの孔型ロールが各圧延スタンドに配設され、隣接する圧延スタンド間で孔型ロールの圧下方向が交互に90°ずらされた複数の圧延スタンドを備える2ロール式マンドレルミルが広く用いられている。
この2ロール式マンドレルミルにおいては、孔型ロールの溝底とフランジとの過度の周速差に起因して、孔型ロールのフランジ近傍での孔型ロールと素管との焼き付きが生じたり、孔型ロールのフランジでの素管材料の過度の噛み出しに起因して、素管に疵(噛み出し疵)が生じるおそれがある。これらの焼き付きや噛み出し疵を防止する観点より、2ロール式マンドレルミルにおいては、孔型プロフィール(孔型ロールの回転中心を通る平面で孔型ロールを切断して得られる孔型形状)の両端の曲率半径が大きくなるように孔型ロールを設計するのが通常である。この場合、孔型ロールのフランジ近傍に対応する素管の部位は、孔型ロールにもマンドレルバーにも拘束されず長手方向の張力のみが作用するため、管周方向への変形(張出し)を管理することが困難である。このため、ステンレス鋼等の熱間変形能の低い材料からなる管には、穴あき欠陥等が発生し易いという問題もある。
上記のような2ロール式マンドレルミルの問題を解決するため、近年、各圧延スタンドに3つの孔型ロールが配設された3ロール式マンドレルミルが導入されるようになってきた。
一般的な3ロール式マンドレルミルは、圧下方向の成す角が120°となるように3つの孔型ロールが各圧延スタンドに配設され、隣接する圧延スタンド間で孔型ロールの圧下方向が交互に60°ずらされた複数の圧延スタンドを備える。
一般的な3ロール式マンドレルミルにおいては、上記のように、隣接する圧延スタンド間で孔型ロールの圧下方向が交互に60°ずらされている。従って、隣接する一対の圧延スタンドで素管の全周に肉厚加工を施そうとすると、各圧延スタンドに配設された各孔型ロール毎に、素管の中心角60°の部位の肉厚加工を施す必要がある(図1(b)参照)。換言すれば、各孔型ロールによって肉厚加工が施されないのは、各孔型ロールの両フランジ寄りの部位にそれぞれ対応する素管の中心角30°の部位に過ぎない。なお、素管の中心角60°の部位の肉厚加工を施すために、各孔型ロールの溝底プロフィール(孔型プロフィールのうち溝底近傍のプロフィール)を構成する円弧の中心角は60°以上に設定されている。
これに対し、2ロール式マンドレルミルにおいては、各圧延スタンドに配設された各孔型ロール毎に、素管の中心角90°の部位の肉厚加工を施すことになる(図1(a)参照)。換言すれば、各孔型ロールによって肉厚加工が施されないのは、各孔型ロールの両フランジ寄りの部位にそれぞれ対応する素管の中心角45°の部位であり、一般的な3ロール式マンドレルミルの場合に比べて肉厚加工が施されない範囲が広い。
従って、一般的な3ロール式マンドレルミルの場合には、延伸圧延中の素管材料の外方への逃げが、2ロール式マンドレルミルの場合に比べて少ないため、延伸圧延により素管の周長が小さくなって素管の内面がマンドレルバーに張り付き、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなるおそれがある。
上記のような一般的な3ロール式マンドレルミルの問題を解決するため、特許文献1には、最終圧延スタンドに先行する3つの圧延スタンド間で、孔型ロールの圧下方向が40°ずつずらされていると共に、前記3つの圧延スタンドに配設された各孔型ロールが素管の中心角40°の部位に接する(当該部位の肉厚加工を施す)ように形成された3ロール式マンドレルミルが提案されている(特許文献1の特許請求の範囲等)。
具体的には、特許文献1に記載のマンドレルミルでは、特許文献1の図3等に示すように、第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドに配設された孔型ロールは、一般的な3ロール式マンドレルミルで用いられるものとされている。つまり、第1圧延スタンドと第2圧延スタンドとの間で孔型ロールの圧下方向が60°ずらされていると共に、第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドに配設された各孔型ロールは、素管の中心角60°の部位に接する(当該部位の肉厚加工を施す)ように孔型プロフィールが形成されている(溝底プロフィールを構成する円弧の中心角が60°に設定されている)。
そして、特許文献1に記載のマンドレルミルでは、第3〜第5圧延スタンドの間で孔型ロールの圧下方向が40°ずつずらされていると共に、第3〜第5圧延スタンドに配設された各孔型ロールは、素管の中心角40°の部位に接する(当該部位の肉厚加工を施す)ように孔型プロフィールが形成されている(溝底プロフィールを構成する円弧の中心角が40°に設定されている)。
換言すれば、特許文献1に記載のマンドレルミルでは、第3〜第5圧延スタンドに配設された各孔型ロールによって肉厚加工が施されないのは、各孔型ロールの両フランジ寄りの部位にそれぞれ対応する素管の中心角40°の部位であり、一般的な3ロール式マンドレルミルの場合に比べて肉厚加工が施されない範囲が広い。従って、特許文献1に記載のマンドレルミルでは、一般的な3ロール式マンドレルミルの場合に比べて、第3〜第5圧延スタンドにおいて延伸圧延中の素管材料の外方への逃げが多くなる。
日本国特開平7−47410号公報
しかしながら、本発明者が検討したところ、特許文献1に記載のマンドレルミルでは、特に素管材料がステンレス鋼等の高合金鋼である場合に、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象を十分に抑制できないことが分かった。
また、特許文献1に記載のマンドレルミルでは、第1圧延スタンドと第2圧延スタンドとの間で孔型ロールの圧下方向が60°ずらされている一方、第3〜第5圧延スタンドの間では孔型ロールの圧下方向が40°ずつずらされている。このため、第1圧延スタンドから最終圧延スタンドに至るまで孔型ロールの圧下方向が交互に60°ずらされている一般的な3ロール式マンドレルミルと異なり、特許文献1に記載のマンドレルミルでは孔型ロールの回転駆動軸等の取り回しが複雑となるので、設備コストの増加やメンテナンス性の低下を招く。
さらに、一般的な3ロール式マンドレルミルでは、隣接する2つの圧延スタンドで素管の全周に肉厚加工を施しているのに対して、特許文献1に記載のマンドレルミルでは、3つの圧延スタンド(第3〜第5圧延スタンド)で素管の全周に肉厚加工を施している。このため、特許文献1に記載のマンドレルミルでは、一般的な3ロール式マンドレルミルと比べて圧延スタンド数が増加するので、設備コストの増加やメンテナンス性の低下を招く。
本発明は、斯かる従来技術の問題を解決するためになされたものであり、複数の圧延スタンドのそれぞれに3つの孔型ロールが配設されたマンドレルミルであって、設備コストの増加やメンテナンス性の低下を招くことなく、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象を十分に抑制可能なマンドレルミル、及びこのマンドレルミルを用いた継目無管の製造方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討した結果、以下の知見を得た。
特許文献1に記載のマンドレルミルでは、第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドに配設された孔型ロールが一般的な3ロール式マンドレルミルで用いられる孔型ロール(素管の中心角60°の部位に接するように孔型プロフィールが形成された孔型ロール)であるため、第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドでの延伸圧延中の素管材料の外方への逃げが少なく、素管の周長が小さくなる。特に、素管材料がステンレス鋼等の高合金鋼である場合、素管材料の外方への逃げがさらに少なくなることに加えて、高合金鋼の熱収縮率が大きいため、素管の周長の収縮量も顕著に大きくなる。そして、第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドでの延伸圧延によって素管の周長が過度に小さくなってしまうと、たとえ第3〜第5圧延スタンドにおいて延伸圧延中の素管材料の外方への逃げが多くなるように形成された孔型ロール(素管の中心角40°の部位に接するように孔型プロフィールが形成された孔型ロール)で素管を延伸圧延したとしても、延伸圧延後の管の周長は大きくならず、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象を十分に抑制できないことが分かった。換言すれば、本発明者は、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象を十分に抑制するには、少なくとも第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドにおける延伸圧延中の素管材料の外方への逃げが多くなるように孔型ロールを形成することが肝要であることを知見した。
本発明は、本発明者の上記の知見に基づき完成されたものである。すなわち、本発明は、圧下方向の成す角が120°となるように3つの孔型ロールが各圧延スタンドに配設され、隣接する圧延スタンド間で孔型ロールの圧下方向が交互に60°ずらされた複数の圧延スタンドを備えるマンドレルミルであって、少なくとも第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドに配設された孔型ロールの孔型プロフィールのうち、溝底プロフィールを構成する円弧の中心角が60°未満に設定されると共に、該溝底プロフィール以外の孔型プロフィール上の点と前記円弧の中心との距離が前記円弧の半径よりも長くなっていることを特徴とするマンドレルミルを提供する。
本発明に係るマンドレルミルにおいては、少なくとも第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドに配設された孔型ロールの溝底プロフィール(孔型プロフィールのうち溝底近傍のプロフィール)を構成する円弧の中心角が60°未満に設定されている。そして、溝底プロフィール以外の孔型プロフィール上の点と前記円弧の中心との距離が前記円弧の半径よりも長くなっている。従って、従来の一般的な3ロール式マンドレルミルと比べて、少なくとも第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドでの延伸圧延中の素管材料の外方への逃げが多く、たとえ素管材料がステンレス鋼等の高合金鋼である場合であっても、延伸圧延後の管の周長を大きくすることが可能である。このため、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象を十分に抑制可能である。
また、本発明に係るマンドレルミルにおいては、一般的な3ロール式マンドレルミルと同様に、全ての圧延スタンドで孔型ロールの圧下方向が交互に60°ずらされているため、特許文献1に記載のマンドレルミルのように孔型ロールの回転駆動軸等の取り回しが複雑とはならない。また、一般的な3ロール式マンドレルミルと同様の圧延スタンド数とすることが可能である。従って、設備コストの増加やメンテナンス性の低下を招くことがない。
以上のように、本発明に係るマンドレルミルによれば、設備コストの増加やメンテナンス性の低下を招くことなく、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象を十分に抑制可能である。
なお、第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドに配設され孔型ロールだけではなく、第3圧延スタンド以降の圧延スタンドに配設された孔型ロールについても、その溝底プロフィールを構成する円弧の中心角を60°未満に設定し、溝底プロフィール以外の孔型プロフィール上の点と前記円弧の中心との距離を前記円弧の半径よりも長くすれば、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象をより一層十分に抑制可能である。
ここで、少なくとも第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドに配設された孔型ロールの溝底プロフィールを構成する円弧の中心角は30°以上に設定することが好ましい。仮に前記中心角を30°未満に設定すると、一つの圧延スタンドにおいて肉厚加工が施されない部位が素管の全周の3/4を超え、第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドを合わせても、肉厚加工が施されない部位が素管の全周の1/2を超えることになる。このため、第3圧延スタンド以降の圧延スタンドにおける肉厚圧下量が、第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドにおける肉厚圧下量に比べて大きくなり、結果的に第3圧延スタンド以降の圧延スタンド数を増加させなければならなくなるおそれがあるためである。
なお、本発明における「第1圧延スタンド」とは、マンドレルミル入側から数えて第1番目に配置された圧延スタンドを意味する。同様に、本発明における「第2圧延スタンド」とは、マンドレルミル入側から数えて第2番目に配置された圧延スタンドを意味する。
ここで、圧下方向の成す角が120°となるように3つの孔型ロールが各圧延スタンドに配設され、隣接する圧延スタンド間で孔型ロールの圧下方向が交互に60°ずらされている場合、各孔型ロールの溝底から孔型中心周りに30°近傍の角度に位置する部位で圧下される素管の部位(孔型ロールの溝底とフランジとの中間部位で圧下される部位であるため、以下、適宜「中間部」という)の肉厚が、他の部位の肉厚に比べて大きくなる傾向があることが知られている。
従って、素管に肉厚加工を施す圧延スタンドのうち最終の圧延スタンドにおいては、偏肉防止の観点からすれば、主として上記中間部に肉厚加工を施せばよいことになる。
しかしながら、従来の一般的な3ロールマンドレルミルの最終圧延スタンドにおいては、孔型ロールの孔型プロフィール上の点と孔型中心との距離が、溝底から孔型中心周りに30°近傍の角度に位置する部位に亘ってほぼ一定となっているのが通常である。このため、上記中間部のみならず孔型ロールの溝底に対向する部位も含んだ素管の周方向の広い範囲において、孔型ロールとマンドレルバーとの間で素管に肉厚加工が施されることになる。従って、最終圧延スタンドでの延伸圧延中に素管材料が逃げる方向は、素管の長手方向が主となり、素管の周方向への逃げ代が少ないため、延伸圧延後の管の周長が小さくなってしまう。この結果、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象を十分には抑制できないおそれがある。
本発明者は、最終圧延スタンドでの延伸圧延中に素管材料が主として素管の周方向に逃げるように孔型ロールのプロフィールを形成すれば、延伸圧延後の管の周長を大きくすることができ、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象をより一層十分に抑制できるという点と、最終圧延スタンドでは主として前述した中間部に肉厚加工を施せばよいという点とに鑑みて鋭意検討した結果、本発明に係るマンドレルミルの好ましい構成に想到した。
すなわち、素管に肉厚加工を施す圧延スタンドのうち最終の圧延スタンドに配設された孔型ロールの孔型プロフィールと孔型中心上の点との距離が一定ではなく、孔型中心周りに溝底から27°以上33°以下の範囲内の何れかの角度に位置する孔型プロフィール上の点で最小となることが好ましい。
斯かる好ましい構成によれば、最終圧延スタンドにおいて、孔型プロフィール上の点と孔型中心との距離が一定ではなく、孔型中心周りに溝底から30°近傍(27°以上33°以下)の角度に位置する孔型プロフィール上の点で最小となるため、前述した中間部の周辺においてのみ、孔型ロールとマンドレルバーとの間で素管に肉厚加工が施されることになる。このため、最終圧延スタンドでの延伸圧延中に素管材料が逃げる方向は、素管の周方向が主となるので、従来と同様の孔型プロフィールを有する孔型ロールが配設された最終圧延スタンドで延伸圧延する場合に比べて、延伸圧延後の管の周長が大きくなる。この結果、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象をより一層十分に抑制可能である。
なお、本発明における「素管に肉厚加工を施す圧延スタンドのうち最終の圧延スタンド」とは、素管に肉厚加工を施す圧延スタンドのうち最もマンドレルミル出側に配置された圧延スタンドを意味する。
また、前記課題を解決するため、本発明は、圧下方向の成す角が120°となるように3つの孔型ロールが各圧延スタンドに配設され、隣接する圧延スタンド間で孔型ロールの圧下方向が交互に60°ずらされた複数の圧延スタンドを備えるマンドレルミルであって、素管に肉厚加工を施す圧延スタンドのうち最終の圧延スタンドに配設された孔型ロールの孔型プロフィール上の点と孔型中心との距離が一定ではなく、孔型中心周りに溝底から27°以上33°以下の範囲内の何れかの角度に位置する孔型プロフィール上の点で最小となることを特徴とするマンドレルミルとしても提供される。
斯かる発明によれば、最終圧延スタンドにおいて、孔型プロフィール上の点と孔型中心との距離が一定ではなく、孔型中心周りに溝底から30°近傍(27°以上33°以下)の角度に位置する孔型プロフィール上の点で最小となるため、前述した中間部の周辺においてのみ、孔型ロールとマンドレルバーとの間で素管に肉厚加工が施されることになる。このため、最終圧延スタンドでの延伸圧延中に素管材料が逃げる方向は、素管の周方向が主となるので、従来と同様の孔型プロフィールを有する孔型ロールが配設された最終圧延スタンドで延伸圧延する場合に比べて、延伸圧延後の管の周長が大きくなる。この結果、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象を十分に抑制可能である。
また、本発明に係るマンドレルミルにおいては、一般的な3ロール式マンドレルミルと同様に、全ての圧延スタンドで孔型ロールの圧下方向が交互に60°ずらされているため、特許文献1に記載のマンドレルミルのように孔型ロールの回転駆動軸等の取り回しが複雑とはならない。また、一般的な3ロール式マンドレルミルと同様の圧延スタンド数とすることが可能である。従って、設備コストの増加やメンテナンス性の低下を招くことがない。
以上のように、本発明に係るマンドレルミルによれば、設備コストの増加やメンテナンス性の低下を招くことなく、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象を十分に抑制可能である。
また、前記課題を解決するため、本発明は、前記マンドレルミルによって素管を延伸圧延する工程を含むことを特徴とする継目無管の製造方法としても提供される。
本発明に係るマンドレルミルによれば、設備コストの増加やメンテナンス性の低下を招くことなく、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象を十分に抑制可能である。
図1は、2ロール式マンドレルミルと3ロール式マンドレルミルの相違点を説明する縦断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係るマンドレルミルの第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドに配設された孔型ロールの構成を概略的に示す縦断面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係るマンドレルミルにおいて、素管に肉厚加工を施す圧延スタンドのうち最終の圧延スタンドに配設された孔型ロールの好ましい構成を概略的に示す縦断面図である。 図4は、図3に示す最終圧延スタンドに配設された孔型ロールによる効果を説明するための説明図である。 図5は、実施例1−1〜1−3及び比較例1の評価結果を示す。 図6は、実施例2−1、2−2及び比較例2の評価結果を示す。 図7は、実施例3及び比較例3の評価結果を示す。 図8は、実施例4及び比較例4の評価結果を示す。
以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
本実施形態に係るマンドレルミルは、圧下方向の成す角が120°となるように3つの孔型ロールが各圧延スタンドに配設され、隣接する圧延スタンド間で孔型ロールの圧下方向が交互に60°ずらされた複数(本実施形態では5つ)の圧延スタンドを備えている。
図2は、本実施形態に係るマンドレルミルの第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドに配設された孔型ロールの構成を概略的に示す縦断面図である。図2(a)は第1圧延スタンドに配設された3つの孔型ロールの概略的構成を示す。図2(b)は第2圧延スタンドに配設された3つの孔型ロールの概略的構成を示す。図2(c)は第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドに配設された各孔型ロールの概略的構成を示す。図2において、符号Oは孔型中心(素管のパスライン中心)を、符号C1は半径R1の円弧の中心を意味する。孔型中心Oと円弧の中心C1との距離(オフセット)は、同一の孔型ロールで外径や肉厚の異なる素管を延伸圧延する際に調整され、延伸圧延される素管の外径や肉厚に応じて適宜の値に決定される。
図2に示すように、本実施形態に係るマンドレルミルは、少なくとも第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドに配設された孔型ロールRの溝底プロフィール(孔型プロフィールPのうち溝底B近傍のプロフィール)を構成する円弧(半径R1)の中心角θが60°未満に設定されると共に、該溝底プロフィール以外の孔型プロフィールP上の点と前記円弧の中心C1との距離が前記円弧の半径R1よりも長くなっていることを特徴としている。斯かる構成により、本実施形態に係るマンドレルミルは、従来の一般的な3ロール式マンドレルミルと比べて、少なくとも第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドでの延伸圧延中の素管材料の外方への逃げが多く、たとえ素管材料がステンレス鋼等の高合金鋼である場合であっても、延伸圧延後の管の周長を大きくすることが可能である。このため、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象を十分に抑制可能である。
なお、少なくとも第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドに配設された孔型ロールRの溝底プロフィールを構成する円弧の中心角θは30°以上に設定することが好ましい。仮に中心角θを30°未満に設定すると、一つの圧延スタンドにおいて肉厚加工が施されない部位が素管の全周の3/4を超え、第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドを合わせても、肉厚加工が施されない部位が素管の全周の1/2を超えることになる。このため、第3圧延スタンド以降の圧延スタンドにおける肉厚圧下量が、第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドにおける肉厚圧下量に比べて大きくなり、結果的に第3圧延スタンド以降の圧延スタンド数を増加させなければならなくなるおそれがあるためである。
図3は、本実施形態に係るマンドレルミルにおいて、素管に肉厚加工を施す圧延スタンドのうち最終の圧延スタンド(本実施形態では第5圧延スタンド)に配設された孔型ロールの好ましい構成を概略的に示す縦断面図である。図3(a)は第5圧延スタンドに配設された各孔型ロールの概略的構成を示す。図3(b)は、図3(a)に示す孔型プロフィールの矢符Aで示す部分を誇大表示したものである。図3(c)は第5圧延スタンドに配設された各孔型ロールの孔型プロフィールと孔型中心との距離を模式的に示す。図3において、符号Lは、孔型中心O周りに溝底Bからαの角度に位置する孔型プロフィールP上の点と孔型中心Oとの距離を意味する。
図3に示すように、本実施形態に係るマンドレルミルの好ましい構成では、最終圧延スタンド(第5圧延スタンド)に配設された孔型ロールRの孔型プロフィールP上の点と孔型中心Oとの距離Lが一定ではなく、孔型中心O周りに溝底Bからα(27°≦α≦33°)の角度に位置する孔型プロフィールP上の点で最小値Lとなっている。つまり、α=αにおいて、孔型プロフィールP上の点と孔型中心Oとの距離L=Lとなっている。
図4は、図3に示す最終圧延スタンドに配設された孔型ロールによる効果を説明するための説明図である。図4(a)は孔型ロールRとマンドレルバーMによって素管Sが延伸圧延される様子を模式的に示す断面図である。図4(b)は従来の最終圧延スタンドにおける肉厚加工部位Aを模式的に示す図である。図4(b)の上側の図は孔型ロールRの圧下方向から見た図を、下側の図は圧延方向から見た図を示す。図4(c)は図3に示す孔型ロールが配設された最終圧延スタンドにおける肉厚加工部位Aを模式的に示す図である。図4(c)の上側の図は孔型ロールRの圧下方向から見た図を、下側の図は圧延方向から見た図を示す。図4において、符号Xは素管Sの周方向を、符号Yは孔型ロールRによる圧下方向を、符号Zは圧延方向を意味する。また、図4において、白抜き矢符は素管材料の流れを、黒塗り矢符は肉厚加工位置を意味する。さらに、図4(b)及び(c)における素管Sは、最終圧延スタンド入側における素管を意味する。
従来の最終圧延スタンドにおいては、孔型ロールRの孔型プロフィールP上の点と孔型中心Oとの距離が、溝底Bから孔型中心O周りに30°近傍の角度に位置する部位に亘ってほぼ一定となっているのが通常である。このため、図4(b)に示すように、中間部(各孔型ロールRの溝底Bから孔型中心O周りに30°近傍の角度に位置する部位で圧下される素管Sの部位)のみならず孔型ロールRの溝底Bに対向する部位も含んだ素管Sの周方向の広い範囲Aにおいて、孔型ロールRとマンドレルバーMとの間で素管Sに肉厚加工が施されることになる。従って、最終圧延スタンドでの延伸圧延中に素管材料が逃げる方向は、素管Sの長手方向(Z方向)が主となり、素管Sの周方向(X方向)への逃げ代が少ないため、延伸圧延後の管の周長が小さくなってしまう。この結果、延伸圧延後の管からマンドレルバーMが引き抜けなくなる現象を十分には抑制できないおそれがある。
一方、図3に示す孔型ロールRが配設された最終圧延スタンドにおいては、孔型プロフィールP上の点と孔型中心Oとの距離Lが一定ではなく、孔型中心O周りに溝底Bから30°近傍(27°以上33°以下)の角度αに位置する孔型プロフィールP上の点で最小値Lとなっている。このため、図4(c)に示すように、前述した中間部の周辺Aにおいてのみ、孔型ロールRとマンドレルバーMとの間で素管Sに肉厚加工が施されることになる。このため、最終圧延スタンドでの延伸圧延中に素管材料が逃げる方向は、素管Sの周方向(X方向)が主となるので、従来の最終圧延スタンド(図4(b))で延伸圧延する場合に比べて、延伸圧延後の管の周長が大きくなる。この結果、延伸圧延後の管からマンドレルバーMが引き抜けなくなる現象をより一層十分に抑制可能である。
<第2実施形態>
本実施形態に係るマンドレルミルは、第1実施形態と同様に、圧下方向の成す角が120°となるように3つの孔型ロールが各圧延スタンドに配設され、隣接する圧延スタンド間で孔型ロールの圧下方向が交互に60°ずらされた複数(本実施形態では5つ)の圧延スタンドを備えている。
そして、図3を参照して前述した第1実施形態に係るマンドレルミルの好ましい構成と同様に、本実施形態に係るマンドレルミルでも、最終圧延スタンド(第5圧延スタンド)に配設された孔型ロールRの孔型プロフィールP上の点と孔型中心Oとの距離Lが一定ではなく、孔型中心O周りに溝底Bからα(27°≦α≦33°)の角度に位置する孔型プロフィールP上の点で最小値Lとなっている。つまり、α=αにおいて、孔型プロフィールPと孔型中心Oとの距離L=Lとなっている。
ただし、本実施形態に係るマンドレルミルについては、第1実施形態に係るマンドレルミルと異なり、少なくとも第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドに配設された孔型ロールRの溝底プロフィールを構成する円弧(半径R1)の中心角θが60°未満に設定されるという制約が無い。
上記のように、本実施形態に係るマンドレルミルの最終圧延スタンドにおいては、孔型プロフィールP上の点と孔型中心Oとの距離Lが一定ではなく、孔型中心O周りに溝底Bから30°近傍(27°以上33°以下)の角度αに位置する孔型プロフィールP上の点で最小値Lとなっている。このため、図4を参照して前述した第1実施形態に係るマンドレルミルの好ましい構成と同様に、本実施形態に係るマンドレルミルについても、図4(c)に示すように、前述した中間部(孔型ロールRの溝底Bから孔型中心O周りに30°近傍の角度に位置する部位で圧下される素管Sの部位)の周辺Aにおいてのみ、孔型ロールRとマンドレルバーMとの間で素管Sに肉厚加工が施されることになる。このため、最終圧延スタンドでの延伸圧延中に素管材料が逃げる方向は、素管Sの周方向(X方向)が主となるので、従来の最終圧延スタンド(図4(b))で延伸圧延する場合に比べて、延伸圧延後の管の周長が大きくなる。この結果、延伸圧延後の管からマンドレルバーMが引き抜けなくなる現象を十分に抑制可能である。
以下、本発明の実施例及び比較例について説明する。
<実施例1−1>
5つの圧延スタンドを備えるマンドレルミルにおいて、第1圧延スタンド〜第5圧延スタンドの全てについて孔型ロールRの溝底プロフィールを構成する円弧の中心角θ=40°(溝底プロフィール以外の孔型プロフィール上の点と前記円弧の中心との距離は前記円弧の半径よりも長い)であり、素管材料がステンレス鋼(SUS304)で、マンドレルミル出側の管の外径218mm、肉厚5.5mmという条件で有限要素法(FEM)解析を行い、マンドレルミル出側の管の断面形状を評価した。
<実施例1−2>
第1圧延スタンド〜第3圧延スタンドに配設された孔型ロールRの溝底プロフィールを構成する円弧の中心角θ=40°(溝底プロフィール以外の孔型プロフィール上の点と前記円弧の中心との距離は前記円弧の半径よりも長い)で、第4圧延スタンド及び第5圧延スタンドに配設された孔型ロールRの溝底プロフィールを構成する円弧の中心角θ=60°(溝底プロフィール以外の孔型プロフィール上の点と前記円弧の中心との距離は前記円弧の半径よりも長い)である点を除き、実施例1−1と同様の条件で有限要素法(FEM)解析を行い、マンドレルミル出側の管の断面形状を評価した。
<実施例1−3>
第1圧延スタンド〜第4圧延スタンドに配設された孔型ロールRの溝底プロフィールを構成する円弧の中心角θ=40°(溝底プロフィール以外の孔型プロフィール上の点と前記円弧の中心との距離は前記円弧の半径よりも長い)で、第5圧延スタンドに配設された孔型ロールRの孔型プロフィールP上の点と孔型中心Oとの距離Lが一定ではなく、孔型中心O周りに溝底Bから30°の角度に位置する孔型プロフィールP上の点で最小となる点を除き、実施例1−1と同様の条件で有限要素法(FEM)解析を行い、マンドレルミル出側の管の断面形状を評価した。
<比較例1>
第1圧延スタンド〜第5圧延スタンドに配設された孔型ロールRの溝底プロフィールを構成する円弧の中心角θ=60°(溝底プロフィール以外の孔型プロフィール上の点と前記円弧の中心との距離は前記円弧の半径よりも長い)である点を除き、実施例1−1と同様の条件で有限要素法(FEM)解析を行い、マンドレルミル出側の管の断面形状を評価した。
<評価結果>
図5は、実施例1−1〜1−3及び比較例1の評価結果を示す。図5において矢印で示す角度範囲は、管とマンドレルバーとが接触している範囲を示す。図5に示すように、実施例1−1〜1−3の何れについても、比較例1に比べて、管とマンドレルバーとの接触率が低減すると共に、管の内周長が大きくなる結果が得られた。特に、実施例1−3が最も管の内周長が大きくなる結果となった。これらの結果より、本発明に係るマンドレルミルによれば、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象を十分に抑制可能であることが期待できる。
<実施例2−1>
5つの圧延スタンドを備えるマンドレルミルにおいて、第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドに配設された孔型ロールRの溝底プロフィールを構成する円弧の中心角θ=40°(溝底プロフィール以外の孔型プロフィール上の点と前記円弧の中心との距離は前記円弧の半径よりも長い)で、第3圧延スタンド〜第5圧延スタンドに配設された孔型ロールRの溝底プロフィールを構成する円弧の中心角θ=60°(溝底プロフィール以外の孔型プロフィール上の点と前記円弧の中心との距離は前記円弧の半径よりも長い)であり、素管材料がステンレス鋼(SUS304)で、マンドレルミル出側の管の外径218mm、肉厚4.7mmという条件で有限要素法(FEM)解析を行い、マンドレルミル出側の管の断面形状を評価した。
<実施例2−2>
第5圧延スタンドに配設された孔型ロールRの孔型プロフィールP上の点と孔型中心Oとの距離Lが一定ではなく、孔型中心O周りに溝底Bから30°の角度に位置する孔型プロフィールP上の点で最小となる点を除き、実施例2−1と同様の条件で有限要素法(FEM)解析を行い、マンドレルミル出側の管の断面形状を評価した。
<比較例2>
第1圧延スタンド〜第5圧延スタンドに配設された孔型ロールRの溝底プロフィールを構成する円弧の中心角θ=60°(溝底プロフィール以外の孔型プロフィール上の点と前記円弧の中心との距離は前記円弧の半径よりも長い)である点を除き、実施例2−1と同様の条件で有限要素法(FEM)解析を行い、マンドレルミル出側の管の断面形状を評価した。
<評価結果>
図6は、実施例2−1、2−2及び比較例2の評価結果を示す。図6において矢印で示す角度範囲は、管とマンドレルバーとが接触している範囲を示す。図6に示すように、実施例2−1、2−2の何れについても、比較例2に比べて、管とマンドレルバーとの接触率が低減すると共に、管の内周長が大きくなる結果が得られた。特に、実施例2−2がより管の内周長が大きくなる結果となった。これらの結果より、本発明に係るマンドレルミルによれば、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象を十分に抑制可能であることが期待できる。
<実施例3>
5つの圧延スタンドを備えるマンドレルミルにおいて、第1圧延スタンド〜第4圧延スタンドに配設された孔型ロールRの溝底プロフィールを構成する円弧の中心角θ=60°(溝底プロフィール以外の孔型プロフィール上の点と前記円弧の中心との距離は前記円弧の半径よりも長い)であり、第5圧延スタンドに配設された孔型ロールRの孔型プロフィールP上の点と孔型中心Oとの距離Lが、孔型中心O周りに溝底Bから30°の角度に位置する孔型プロフィールP上の点で最小となり、素管材料がステンレス鋼(SUS304)で、マンドレルミル出側の管の外径218mm、肉厚4.7mmという条件で有限要素法(FEM)解析を行い、マンドレルミル出側の管の断面形状を評価した。
<比較例3>
第5圧延スタンドに配設された孔型ロールRの孔型プロフィールP上の点と孔型中心Oとの距離Lが、溝底Bから、孔型中心O周りに溝底Bから30°の角度に位置する孔型プロフィールP上の点までに亘る範囲でほぼ一定である点を除き、実施例3と同様の条件で有限要素法(FEM)解析を行い、マンドレルミル出側の管の断面形状を評価した。
<評価結果>
図7は、実施例3及び比較例3の評価結果を示す。図7において矢印で示す角度範囲は、管とマンドレルバーとが接触している範囲を示す。図7に示すように、実施例3は、比較例3に比べて、管とマンドレルバーとの接触率が低減すると共に、管の内周長が大きくなる結果が得られた。この結果より、本発明に係るマンドレルミルによれば、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象を十分に抑制可能であることが期待できる。
<実施例4>
第1圧延スタンドに配設された孔型ロールRの溝底プロフィールを構成する円弧の中心角θ=44°(溝底プロフィール以外の孔型プロフィール上の点と前記円弧の中心との距離は前記円弧の半径よりも長い)で、第2圧延スタンドに配設された孔型ロールRの溝底プロフィールを構成する円弧の中心角θ=47°(溝底プロフィール以外の孔型プロフィール上の点と前記円弧の中心との距離は前記円弧の半径よりも長い)で、第3圧延スタンドに配設された孔型ロールRの溝底プロフィールを構成する円弧の中心角θ=50°(溝底プロフィール以外の孔型プロフィール上の点と前記円弧の中心との距離は前記円弧の半径よりも長い)である点を除き、実施例1−2と同様の条件で有限要素法(FEM)解析を行い、マンドレルミル出側の管の断面形状を評価した。
<比較例4>
第1圧延スタンド〜第5圧延スタンドに配設された孔型ロールRの溝底プロフィールを構成する円弧の中心角θ=60°(溝底プロフィール以外の孔型プロフィール上の点と前記円弧の中心との距離は前記円弧の半径よりも長い)である点を除き、実施例4と同様の条件で有限要素法(FEM)解析を行い、マンドレルミル出側の管の断面形状を評価した。
<評価結果>
図8は、実施例4及び比較例4の評価結果を示す。図8において矢印で示す角度範囲は、管とマンドレルバーとが接触している範囲を示す。図8に示すように、実施例4は、比較例4に比べて、管とマンドレルバーとの接触率が低減すると共に、管の内周長が大きくなる結果が得られた。この結果より、本発明に係るマンドレルミルによれば、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象を十分に抑制可能であることが期待できる。
R・・・孔型ロール
B・・・溝底
P・・・孔型プロフィール
O・・・孔型中心
C1・・・円弧の中心
θ・・・円弧の中心角
本発明は、本発明者の上記の知見に基づき完成されたものである。すなわち、本発明は、圧下方向の成す角が120°となるように3つの孔型ロールが各圧延スタンドに配設され、隣接する圧延スタンド間で孔型ロールの圧下方向が交互に60°ずらされた複数の圧延スタンドを備えるマンドレルミルであって、少なくとも第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドに配設された孔型ロールの孔型プロフィールのうち、溝底プロフィールを構成する円弧の中心角が60°未満に設定されると共に、該溝底プロフィール以外の孔型プロフィール上の点と前記円弧の中心との距離が前記円弧の半径よりも長くなっており、素管に肉厚加工を施す圧延スタンドのうち最終の圧延スタンドに配設された孔型ロールの孔型プロフィール上の点と孔型中心との距離が一定ではなく、孔型中心周りに溝底から27°以上33°以下の範囲内の何れかの角度に位置する孔型プロフィール上の点で最小となることを特徴とするマンドレルミルを提供する。
本発明者は、最終圧延スタンドでの延伸圧延中に素管材料が主として素管の周方向に逃げるように孔型ロールのプロフィールを形成すれば、延伸圧延後の管の周長を大きくすることができ、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象をより一層十分に抑制できるという点と、最終圧延スタンドでは主として前述した中間部に肉厚加工を施せばよいという点とに鑑みて鋭意検討した結果、前述した本発明に係るマンドレルミル構成に想到した。
すなわち、本発明に係るマンドレルミルにおいては、素管に肉厚加工を施す圧延スタンドのうち最終の圧延スタンドに配設された孔型ロールの孔型プロフィールと孔型中心上の点との距離が一定ではなく、孔型中心周りに溝底から27°以上33°以下の範囲内の何れかの角度に位置する孔型プロフィール上の点で最小となる
本発明に係るマンドレルミルにおいては、最終圧延スタンドにおいて、孔型プロフィール上の点と孔型中心との距離が一定ではなく、孔型中心周りに溝底から30°近傍(27°以上33°以下)の角度に位置する孔型プロフィール上の点で最小となるため、前述した中間部の周辺においてのみ、孔型ロールとマンドレルバーとの間で素管に肉厚加工が施されることになる。このため、最終圧延スタンドでの延伸圧延中に素管材料が逃げる方向は、素管の周方向が主となるので、従来と同様の孔型プロフィールを有する孔型ロールが配設された最終圧延スタンドで延伸圧延する場合に比べて、延伸圧延後の管の周長が大きくなる。この結果、延伸圧延後の管からマンドレルバーが引き抜けなくなる現象をより一層十分に抑制可能である。

Claims (4)

  1. 圧下方向の成す角が120°となるように3つの孔型ロールが各圧延スタンドに配設され、隣接する圧延スタンド間で孔型ロールの圧下方向が交互に60°ずらされた複数の圧延スタンドを備えるマンドレルミルであって、
    少なくとも第1圧延スタンド及び第2圧延スタンドに配設された孔型ロールの孔型プロフィールのうち、溝底プロフィールを構成する円弧の中心角が60°未満に設定されると共に、該溝底プロフィール以外の孔型プロフィール上の点と前記円弧の中心との距離が前記円弧の半径よりも長くなっていることを特徴とするマンドレルミル。
  2. 素管に肉厚加工を施す圧延スタンドのうち最終の圧延スタンドに配設された孔型ロールの孔型プロフィール上の点と孔型中心との距離が一定ではなく、孔型中心周りに溝底から27°以上33°以下の範囲内の何れかの角度に位置する孔型プロフィール上の点で最小となることを特徴とする請求項1に記載のマンドレルミル。
  3. 圧下方向の成す角が120°となるように3つの孔型ロールが各圧延スタンドに配設され、隣接する圧延スタンド間で孔型ロールの圧下方向が交互に60°ずらされた複数の圧延スタンドを備えるマンドレルミルであって、
    素管に肉厚加工を施す圧延スタンドのうち最終の圧延スタンドに配設された孔型ロールの孔型プロフィール上の点と孔型中心との距離が一定ではなく、孔型中心周りに溝底から27°以上33°以下の範囲内の何れかの角度に位置する孔型プロフィール上の点で最小となることを特徴とするマンドレルミル。
  4. 請求項1から3の何れかに記載のマンドレルミルによって素管を延伸圧延する工程を含むことを特徴とする継目無管の製造方法。
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