JPWO2011145226A1 - 車両用サスペンション装置 - Google Patents

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Abstract

4つの電磁式ショックアブソーバ30のモータ40FL,40FR,40RL,40RRの第1通電端子T1同士をグランドライン61で接続する。また、モータ40FLとモータ40FRの第2通電端子T2同士を前輪ロール減衰用ライン62Fで接続し、モータ40RLとモータ40RRの第2通電端子T2同士を後輪ロール減衰用ライン62Rで接続し、モータ40FLとモータ40RLの第2通電端子T2同士を左車輪ピッチ減衰用ライン63Lで接続し、モータ40FRとモータ40RRの第2通電端子T2同士を右車輪ピッチ減衰用ライン63Rで接続する。これにより、簡易な構成にて、車両のバウンシングだけでなく、ローリングおよびピッチングに対しても適切な減衰力を発生することができる。

Description

本発明は、車両用サスペンション装置に係り、特に、ばね上部とばね下部との相対運動によりモータを発電させて、ばね上部とばね下部との相対運動を減衰させる電磁式ショックアブソーバを備えた車両用サスペンション装置に関する。
従来から、ばね上部とばね下部との間にモータにより駆動される電磁式ショックアブソーバを設け、電磁式ショックアブソーバへの変位入力に応じた減衰力が得られるようにモータを制御する車両用サスペンション装置が特許第3722127号にて知られている。この特許第3722127号に提案された車両用サスペンション装置においては、モータをアクティブに駆動するモータ駆動回路とは別に、パッシブに減衰力を発生するための電気的減衰要素をモータと並列に接続し、制御対象入力に対してはアクティブな制御を行いながら、制御対象以外の入力に対しては電気的減衰要素を使ってパッシブに減衰力を発生するようにしている。
しかしながら、モータをアクティブに駆動するためには、車両の各種挙動を検出するセンサ、センサ検出値に基づいてモータ制御量を演算するマイクロコンピュータ、演算されたモータ制御量でモータを駆動するモータ駆動回路などが必要となる。このため、モータ制御システムが大がかりとなり、コスト高となってしまう。
一方、パッシブに減衰力を発生するサスペンション装置では、ばね上部とばね下部との相対運動によりモータのロータを回転させ、モータの発電制動によりばね上部とばね下部との相対運動を減衰させるものであるため、車両の姿勢変化に対して適切な減衰力を発生できない。この理由は、各電磁式ショックアブソーバが、それぞれ単独で、ばね上部とばね下部との相対速度に応じた減衰力を発生するからである。
ショックアブソーバの減衰特性を表す減衰係数は、モータの発電電流が流れる回路のインピーダンスを調整することにより任意に設定することができる。しかし、例えば、ソフトな乗り心地が得られるように小さな減衰係数を設定した場合には、ロール方向の挙動(ローリング)、ピッチ方向の挙動(ピッチング)といった車両の姿勢変化に対して減衰力が不足してしまう。逆に、車両の姿勢変化を適正に抑制するように大きな減衰係数を設定した場合には、車両のバウンシングに対して減衰力が大き過ぎてしまい、乗り心地が悪くなる。
従って、電磁式ショックアブソーバごとに単独でパッシブに減衰力を発生するサスペンション装置では、バウンシング、ローリング、ピッチングといった車両の全体的な挙動に対して適切な減衰力を発生することができない。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、簡易な構成で、車両の全体的な挙動に適した減衰力を発生する車両用サスペンション装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、ばね上部(B)とばね下部(W)との相対運動に伴って発電するモータ(40FL,40FR,40RL,40RR)と、前記モータに発電電流を流すために前記モータの2つの通電端子(T1,T2)間を電気的に接続する閉ループ回路(51FL,51FR,51RL,51RR)とを備え、前記ばね上部と前記ばね下部との相対運動に伴って前記モータに発電電流が流れることにより、前記ばね上部と前記ばね下部との相対運動を減衰させる電磁式ショックアブソーバ(30FL,30FR,30RL,30RR)を複数の車輪(WFL,WFR,WRL,WRR)に設けた車両用サスペンション装置において、少なくとも2つ以上の前記電磁式ショックアブソーバのモータを、前記2つの通電端子の一方である第1通電端子(T1)同士、および、前記2つの通電端子の他方である第2通電端子(T2)同士で電気的に接続する相互接続回路(60)を備えたことにある。
本発明の車両用サスペンション装置は、ばね上部とばね下部との相対運動(ばね上部とばね下部との接近動作および離間動作)を減衰させる複数の電磁式ショックアブソーバを備えている。各電磁式ショックアブソーバは、モータと、モータの2つの通電端子間を電気的に接続する閉ループ回路とを備えている。モータは、ばね上部とばね下部との相対運動に伴って、相対速度(ストローク速度)に比例した誘導起電力を発生する。このため、モータには、閉ループ回路を介して発電電流が流れる。これにより、モータは、ばね上部とばね下部との相対運動を減衰させる減衰力を発生する。
各電磁式ショックアブソーバをそれぞれ独立して作動させた場合、電磁式ショックアブソーバは、車両のヒーブ方向の挙動であるバウンシングに対しては、それぞれ適切な減衰力を発生できる。しかし、その減衰力は、車両の全体的な挙動、つまり、車両の姿勢変化(ローリングあるいはピッチング)を捉えた適切な減衰力とはならない。
そこで、本発明の車両用サスペンション装置は、少なくとも2つ以上の電磁式ショックアブソーバのモータを相互接続回路により互いに電気的に接続している。相互接続回路は、少なくとも2つ以上の電磁式ショックアブソーバのモータを、2つの通電端子の一方である第1通電端子同士、および、2つの通電端子の他方である第2通電端子同士で電気的に接続する。
ローリングあるいはピッチングといった車両の姿勢変化が生じている状況では、車輪間において、ばね上部とばね下部との相対速度が相違し、各モータで発生する誘導起電力の大きさも相違する。このため、モータ間に電位差が発生し、この電位差により相互接続回路に電流が流れる。これにより、モータには、閉ループ回路に流れる電流と、相互接続回路に流れる電流とを合成した電流が流れる。
従って、電磁式ショックアブソーバは、車輪のばね上部とばね下部との相対運動に対する減衰力だけでなく、車輪間におけるばね上部とばね下部との相対速度の相違に応じた減衰力を発生する。
このように、本発明によれば、複数の電磁式ショックアブソーバのモータを相互接続回路で電気的に接続するという簡易な構成で、バウンシングに対して減衰力を発生させるだけでなく、ローリングあるいはピッチングといった車両姿勢の変化に対しても、車両姿勢を安定させるような減衰力を発生させることができる。また、大がかりな減衰力制御システムを構成する必要がなく低コストにて実施することができる。
尚、本発明の車両用サスペンション装置は、必ずしも全ての車輪に電磁式ショックアブソーバを設ける必要はなく、例えば、後輪のみ、あるいは、前輪のみに電磁式ショックアブソーバを設け、残りの車輪については、油圧ダンパ式ショックアブソーバなどの電磁式とは異なるショックアブソーバを設ける構成であっても良い。
本発明の他の特徴は、前記閉ループ回路(51FL,51FR,51RL,51RR)には、前記ばね上部とばね下部との相対運動に対する減衰力を設定するためのヒーブ減衰力設定用インピーダンス素子(RhFL,RhFR,RhRL,RhRR)が介装され、前記相互接続回路(60)には、車両姿勢変化に対する減衰力を設定するための姿勢変化減衰力設定用インピーダンス素子(RrF,RrR,RpL,RpR)が介装されていることにある。
電磁式ショックアブソーバにおいては、ばね上部とばね下部との相対速度(ストローク速度)に比例した発電電流が閉ループ回路を介してモータに流れる。このモータに流れる発電電流が大きいほど電磁式ショックアブソーバで大きな減衰力を発生する。本発明においては、閉ループ回路にヒーブ減衰力設定用インピーダンス素子が介装されているため、このヒーブ減衰力設定用インピーダンス素子のインピーダンス調整により、ばね上部とばね下部との相対運動、つまり、バウンシングに対する減衰力を適正に設定することができる。
また、車両の姿勢が変化したときには、モータ間に電位差が発生し、この電位差により相互接続回路に電流が流れる。モータに流れる電流は、この相互接続回路に流れる電流に応じて変化する。従って、車両の姿勢変化に対する減衰力は、相互接続回路に流れる電流の大きさを調整することで可変できる。本発明においては、相互接続回路に姿勢変化減衰力設定用インピーダンス素子が介装されているため、この姿勢変化減衰力設定用インピーダンス素子のインピーダンス調整により、車両の姿勢変化に対する減衰力(減衰係数)を適正に設定することができる。姿勢変化減衰力設定用インピーダンス素子は、例えば、モータの第1通電端子同士を電気的に接続するライン、あるいは、モータの第2通電端子同士を電気的に接続するラインに介装すればよい。
従って、本発明によれば、バウンシングに対する減衰力と、車両姿勢の変化に対する減衰力とをそれぞれ適正に設定することができる。
尚、本発明におけるインピーダンス素子とは、モータに流れる電流の大きさを調整できる素子を意味する。従って、電気抵抗器に限らず、コイル(インダクタ)、コンデンサ(キャパシタ)などを用いることができる。
本発明の他の特徴は、前記相互接続回路(60)は、左車輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータ(40FL,40RL)と右車輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータ(40FR,40RR)とを前記第1通電端子(T1)同士、および、前記第2通電端子(T2)同士で接続するとともに、前記姿勢変化減衰力設定用インピーダンス素子は、車両のローリングに対する減衰力を設定するためのロール減衰力設定用インピーダンス素子(RrF,RrR)であることにある。
本発明においては、左車輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータと右車輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータとが、ロール減衰力設定用インピーダンス素子を有する相互接続回路により電気的に接続されている。
車両のローリング時においては、左車輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータで発生する誘導起電力と右車輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータで発生する誘導起電力とが大きく相違する。例えば、左右一方の車輪でばね上部とばね下部とが接近動作し、他方の車輪でばね上部とばね下部とが離間動作した場合には、左車輪における電磁式ショックアブソーバと右車輪における電磁式ショックアブソーバとで、モータの回転方向が互いに異なり、誘導起電力の発生方向が逆になる。このため、左右のモータ間に大きな電位差が生じて、相互接続回路に電流が流れる。
車両のローリングに対する減衰力は、相互接続回路に流れる電流の大きさに応じたものとなる。本発明においては、相互接続回路にロール減衰力設定用インピーダンス素子が介装されているため、このロール減衰力設定用インピーダンス素子のインピーダンス調整により、車両のローリングに対する減衰力(減衰係数)を適正に設定することができる。
従って、本発明によれば、バウンシングに対する減衰力と、ローリング対する減衰力とをそれぞれ適正に設定することができる。
尚、相互接続回路は、前輪と後輪ともに、左車輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータと右車輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータとを電気的に接続する構成が好ましいが、前輪においてのみ、左車輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータと右車輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータとを電気的に接続する構成でもよいし、後輪においてのみ、左車輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータと右車輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータとを電気的に接続する構成でもよい。
本発明の他の特徴は、前記相互接続回路(60)は、前輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータ(40FL、40FR)と後輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータ(40RL、40RR)とを前記第1通電端子(T1)同士、および、前記第2通電端子(T2)同士で接続するとともに、前記姿勢変化減衰力設定用インピーダンス素子は、車両のピッチングに対する減衰力を設定するためのピッチ減衰力設定用インピーダンス素子(RpL,RpR)であることにある。
本発明においては、前輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータと後輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータとが、ピッチ減衰力設定用インピーダンス素子を有する相互接続回路により電気的に接続されている。
車両のピッチング時においては、前輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータで発生する誘導起電力と後輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータで発生する誘導起電力とが大きく相違する。例えば、前後一方の車輪でばね上部とばね下部とが接近動作し、他方の車輪でばね上部とばね下部とが離間動作した場合には、前輪における電磁式ショックアブソーバと後輪における電磁式ショックアブソーバとで、モータの回転方向が互いに異なり、誘導起電力の発生方向が逆になる。このため、前後のモータ間に大きな電位差が生じて、相互接続回路に電流が流れる。
車両のピッチングに対する減衰力は、相互接続回路に流れる電流の大きさに応じたものとなる。本発明においては、相互接続回路にピッチ減衰力設定用インピーダンス素子が介装されているため、このピッチ減衰力設定用インピーダンス素子のインピーダンス調整により、車両のピッチングに対する減衰力(減衰係数)を適正に設定することができる。
従って、本発明によれば、バウンシングに対する減衰力と、ピッチング対する減衰力とをそれぞれ適正に設定することができる。
本発明の他の特徴は、前記相互接続回路(60)は、左前輪と右前輪と左後輪と右後輪とにそれぞれ設けられる電磁式ショックアブソーバのモータ(40FL,40FR,40RL,40RR)の前記第1通電端子(T1)同士を電気的に接続するとともに、左前輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータ(40FL)の前記第2通電端子と右前輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータ(40FR)の前記第2通電端子とを前輪ロール減衰力設定用インピーダンス素子(RrF)を介して電気的に接続し、左後輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータ(40RL)の前記第2通電端子と右後輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータ(40RR)の前記第2通電端子とを後輪ロール減衰力設定用インピーダンス素子(RrR)を介して電気的に接続し、左前輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータ(40FL)の前記第2通電端子と左後輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータ(40RL)の前記第2通電端子とを左車輪ピッチ減衰力設定用インピーダンス素子(RpL)を介して電気的に接続し、右前輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータ(40FR)の前記第2通電端子と右後輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータ(40RR)の前記第2通電端子とを右車輪ピッチ減衰力設定用インピーダンス素子(RpR)を介して電気的に接続することにある。
本発明においては、左前輪と右前輪と左後輪と右後輪とに設けられる電磁式ショックアブソーバのモータが相互接続回路により互いに電気的に接続されている。相互接続回路は、各電磁式ショックアブソーバのモータの第1通電端子同士を電気的に接続する。また、相互接続回路は、左前輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータの第2通電端子と右前輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータの第2通電端子とを前輪ロール減衰力設定用インピーダンス素子を介して接続し、左後輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータの第2通電端子と右後輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータの第2通電端子とを後輪ロール減衰力設定用インピーダンス素子を介して接続する。従って、車両のローリング時においては、前輪側の左右のモータと、後輪側の左右のモータとで、別々にローリング状況に応じた電流がロール減衰力設定用インピーダンス素子(RrF,RrR)を介して第2通電端子間を流れる。これにより、各ロール減衰力設定用インピーダンス素子のインピーダンスを調整しておくことで、車両のローリングを車両前側と車両後側とでそれぞれ適正に抑制することができる。
また、相互接続回路は、左前輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータの第2通電端子と左後輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータの第2通電端子とを左車輪ピッチ減衰力設定用インピーダンス素子を介して接続し、右前輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータの第2通電端子と右後輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータの第2通電端子とを右車輪ピッチ減衰力設定用インピーダンス素子を介して接続する。従って、車両のピッチング時においては、左車輪側の前後のモータと、右車輪側の前後のモータとで、別々にピッチング状況に応じた電流がピッチ減衰力設定用インピーダンス素子(RpL,RpR)を介して第2通電端子間を流れる。これにより、各ピッチ減衰力設定用インピーダンス素子のインピーダンスを調整しておくことで、車両のピッチングを車両左側と車両右側とでそれぞれ適正に抑制することができる。
尚、上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要件を前記符号によって規定される実施形態に限定させるものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る車両用サスペンション装置のシステム構成図である。
図2は、サスペンション本体の概略構成を表す断面図である。
図3は、外部回路の回路構成図である。
図4は、左前輪アブソーバの閉ループ回路を表す回路図である。
図5は、右前輪アブソーバの閉ループ回路を表す回路図である。
図6は、左後輪アブソーバの閉ループ回路を表す回路図である。
図7は、右後輪アブソーバの閉ループ回路を表す回路図である。
図8は、相互接続回路におけるグランドラインを表す回路図である。
図9は、相互接続回路における前輪ロール減衰用ラインと、後輪ロール減衰用ラインとを表す回路図である。
図10は、相互接続回路における左車輪ピッチ減衰用ラインと、右車輪ピッチ減衰用ラインとを表す回路図である。
図11は、バウンシング時(圧縮動作)における発電電流の流れを表す説明図である。
図12は、バウンシング時(伸長動作)における発電電流の流れを表す説明図である。
図13は、ローリング時における発電電流の流れを表す説明図である。
図14は、ピッチング時における発電電流の流れを表す説明図である。
図15は、バウンシング(圧縮動作)とローリングとが組み合わさった時の発電電流の流れを表す説明図である。
図16は、変形例としての外部回路の回路構成図である。
図17は、他の変形例としての外部回路の回路構成図である。
図18は、他の変形例としての外部回路の回路構成図である。
図19は、他の変形例としての外部回路の回路構成図である。
以下、本発明の一実施形態に係る車両用サスペンション装置について図面を用いて説明する。図1は、同実施形態に係る車両用サスペンション装置のシステム構成を概略的に示している。
このサスペンション装置は、左前輪WFLと車体Bとの間に設けられる左前輪サスペンション本体10FLと、右前輪WFRと車体Bとの間に設けられる右前輪サスペンション本体10FRと、左後輪WRLと車体Bとの間に設けられる左後輪サスペンション本体10RLと、右後輪WRRと車体Bとの間に設けられる右後輪サスペンション本体10RRとを備えている。以下、4組のサスペンション本体10FL、10FR、10RL、10RRおよび車輪WFL、WFR、WRL、WRRについては、前後左右を区別する必要がない場合には、単にサスペンション本体10および車輪Wと呼ぶ。
サスペンション本体10は、図2に示すように、車輪Wを支持するロアアームLAと車体Bとの間に設けられ、路面から受ける衝撃を吸収し乗り心地を高めるとともに車体Bの重量を弾性的に支持するサスペンションばねとしてのコイルばね20と、コイルばね20の上下振動に対して減衰力を発生する電磁式ショックアブソーバ30とを並列的に備えて構成される。以下、コイルばね20の上部側、つまり車体B側を「ばね上部」と呼び、コイルばね20の下部側、つまり車輪W側を「ばね下部」と呼ぶ。
電磁式ショックアブソーバ30は、同軸状に配置されるアウタシリンダ31およびインナシリンダ32と、インナシリンダ32の内側に設けられる減速機であるボールねじ機構35と、ボールねじ機構35の動作によりロータ(図示略)が回されて誘導起電力を発生する電気モータ40(以下、単にモータ40と呼ぶ)とを備える。本実施形態においては、モータ40として、ブラシ付DCモータが用いられる。
アウタシリンダ31とインナシリンダ32とは、同軸異径パイプで構成され、インナシリンダ32の外周に軸方向へ摺動可能にアウタシリンダ31が設けられる。図中、符号33,34は、アウタシリンダ31内にインナシリンダ32を摺動可能に支持する軸受である。
ボールねじ機構35は、モータ40のロータと一体的に回転するボールねじ36と、ボールねじ36に形成された雄ねじ部分37に螺合する雌ねじ部分38を有するボールねじナット39とからなる。ボールねじナット39は、図示しない回り止めにより、その回転運動ができないように規制されている。従って、このボールねじ機構35においては、ボールねじナット39の上下軸方向の直線運動がボールねじ35の回転運動に変換され、逆に、ボールねじ36の回転運動がボールねじナット39の上下軸方向の直線運動に変換される。
ボールねじナット39の下端は、アウタシリンダ31の底面に固着されており、ボールねじ36に対してアウタシリンダ31を軸方向に相対移動させようとする外力が加わると、ボールねじ36が回転してモータ40を回転させる。このときモータ40は、そのロータに設けた電磁コイル(図示略)が、ステータに設けた永久磁石(図示略)から発生する磁束を横切ることによって、電磁コイルに誘導起電力を発生させて発電機として働く。
インナシリンダ32の上端は、取付プレート41に固定される。この取付プレート41は、モータ40のモータケーシング42に固定されるとともに、その中央に形成した貫通孔43にボールねじ36が挿通される。ボールねじ36は、モータケーシング42内においてモータ40のロータと連結されるとともに、インナシリンダ32内の軸受44によって回転可能に支持される。
コイルばね20は、アウタシリンダ31の外周面に設けられた環状のリテーナ45と、モータ40の取付プレート46との間に圧縮状態で介装される。このように構成されたサスペンション本体10は、取付プレート46の上面で弾性材料からなるアッパーサポート26を介して車体Bに取り付けられる。
車両が走行中にばね下部(車輪W)が上下動する場合は、インナシリンダ32に対してアウタシリンダ31が軸方向に摺動してコイルばね20が伸縮することにより、路面から受ける衝撃を吸収し乗り心地を高めるとともに車両の重量を支持する。このとき、ボールねじナット39がボールねじ36に対して上下動してボールねじ36を回転させる。このため、モータ40は、ロータが回転して電磁コイルに誘導起電力が発生し、後述する外部回路50を介して発電電流が流れることによりロータの回転を止めようとする抵抗力が発生する。この抵抗力が電磁式ショックアブソーバ30における減衰力として働く。減衰力の調整は、外部回路50によりモータ40の電磁コイルに流れる電流の大きさを調整することで可能となる。
以下、電磁式ショックアブソーバ30を、単に、アブソーバ30と呼ぶ。また、アブソーバ30、モータ40をそれぞれ車輪位置にて区別する場合には、左前輪サスペンション本体10FLに設けられるアブソーバ30、モータ40を左前輪アブソーバ30FL、左前輪モータ40FLと呼び、右前輪サスペンション本体10FRに設けられるアブソーバ30、モータ40を右前輪アブソーバ30FR、右前輪モータ40FRと呼び、左後輪サスベンション本体10RLに設けられるアブソーバ30、モータ40を左後輪アブソーバ30RL、左後輪モータ40RLと呼び、右後輪サスペンション本体10RRに設けられるアブソーバ30、モータ40を右後輪アブソーバ30RR、右後輪モータ40RRと呼ぶ。
4つの電磁式ショックアブソーバ30FL,30FR,30RL,30RRは、モータ40FL,40FR,40RL,40RRに発電電流を流すための共通の外部回路50を備えている。外部回路50は、ばね上部(車体B側)とばね下部(車輪W側)との間の相対運動によりモータ40のロータがボールねじ機構35を介して回されたとき、モータ40で発生する誘導起電力によりモータ40の通電端子T1,T2間に発電電流が流れることを許容する。従って、アブソーバ30は、モータ40に発電電流が流れることによりロータに働く制動力で、ばね上部とばね下部との間の相対運動に対する減衰力を発生する。
この外部回路50は、図3に示すように、モータ40FL,40FR,40RL,40RRごとに、それらの第1通電端子T1と第2通電端子T2とを接続する閉ループ回路51FL,51FR,51RL,51RRを備えるとともに、4つのモータ40FL,40FR,40RL,40RRを相互に電気的に接続する相互接続回路60を備えている。図中において、Rmはモータ40の内部抵抗、Lはモータ40のインダクタンスを表す。また、図3に示す回路図は、外部回路50にモータ40FL,40FR,40RL,40RRを加えて記載したものである。
閉ループ回路51FLは、図4に示すように、左前輪モータ40FLの第1通電端子T1と第2通電端子T2とをヒーブ減衰力設定用の抵抗器RhFLを介して接続したものである。閉ループ回路51FRは、図5に示すように、右前輪モータ40FRの第1通電端子T1と第2通電端子T2とをヒーブ減衰力設定用の抵抗器RhFRを介して接続したものである。閉ループ回路51RLは、図6に示すように、左後輪モータ40RLの第1通電端子T1と第2通電端子T2とをヒーブ減衰力設定用の抵抗器RhRLを介して接続したものである。閉ループ回路51RRは、図7に示すように、右後輪モータ40RRの第1通電端子T1と第2通電端子T2とをヒーブ減衰力設定用の抵抗器RhRRを介して接続したものである。各抵抗器RhFL,RhFR,RhRL,RhRRの電気抵抗値は、全て同一の値(Rhオーム)に設定されている。
相互接続回路60は、図8に示すように、モータ40FL,40FR,40RL,40RRの第1通電端子T1を相互に接続するグランドライン61を備える。従って、モータ40FL,40FR,40RL,40RRの第1通電端子T1は、全て同電位となる。また、相互接続回路60は、図9に示すように、左前輪モータ40FLの第2通電端子T2と右前輪モータ40FRの第2通電端子T2とを前輪ロール減衰力設定用の抵抗器RrFを介して接続した前輪ロール減衰用ライン62Fと、左後輪モータ40RLの第2通電端子T2と右後輪モータ40RRの第2通電端子T2とを後輪ロール減衰力設定用の抵抗器RrRを介して接続した後輪ロール減衰用ライン62Rとを備える。また、相互接続回路60は、図10に示すように、左前輪モータ40FLの第2通電端子T2と左後輪モータ40RLの第2通電端子T2とを左車輪ピッチ減衰力設定用の抵抗器RpLを介して接続した左車輪ピッチ減衰用ライン63Lと、右前輪モータ40FRの第2通電端子T2と右後輪モータ40RRの第2通電端子T2とを右車輪ピッチ減衰力設定用の抵抗器RpRを介して接続した右車輪ピッチ減衰用ライン63Rとを備える。
従って、相互接続回路60は、グランドライン61と、前輪ロール減衰用ライン62Fと、後輪ロール減衰用ライン62Rと、左車輪ピッチ減衰用ライン63Lと、右車輪ピッチ減衰用ライン63Rとから構成される。
抵抗器RrFの電気抵抗値と抵抗器RrRの電気抵抗値とは、同一の値(Rrオーム)に設定されている。また、抵抗器RpLの電気抵抗値と抵抗器RpRの電気抵抗値とは、同一の値(Rpオーム)に設定されている。
次に、外部回路50の動作について説明する。モータ40は、ばね上部とばね下部との相対運動によりボールねじ機構35を介してロータが回されると、その回転方向に応じた向きに誘導起電力を発生する。例えば、ばね上部とばね下部とが接近してアブソーバ30が圧縮される圧縮動作時においては、モータ40の第2通電端子T2が高電位となり第1通電端子T1が低電位となる。逆に、ばね上部とばね下部とが離れてアブソーバ30が伸ばされる伸長動作時においては、モータ40の第1通電端子T1が高電位となり第2通電端子T2が低電位となる。
本実施形態においては、4つのモータ40FL,40FR,40RL,40RRにおいて、アブソーバ30が圧縮動作したときに高電位側となるほうの通電端子を第2通電端子T2とするが、アブソーバ30が圧縮動作したときに高電位側となるほうの通電端子を第1通電端子T1としてもよく、アブソーバ30の伸縮動作に応じて高電位側(低電位側)となる通電端子を第1通電端子T1あるいは第2通電端子T2としてそろえればよい。
まず、車両のバウンシング(ばね上部とばね下部との上下方向の相対運動)時における発電電流の流れについて図11を使って説明する。ここでは、4つの車輪WFL,WFR,WRL,WRRにおいて、全て同じストローク速度でばね上部とばね下部とが相対運動している場合について考える。例えば、4つのアブソーバ30FL,30FR,30RL,30RRが同じ速度で圧縮動作をしている場合、4つのモータ40FL,40FR,40RL,40RRで同じ電圧(Ehボルト)の誘導起電力を発生する。従って、第1通電端子T1のグランド電位に対して第2通電端子T2の電位が高くなる。この場合、4つのモータ40FL,40FR,40RL,40RRにおける第2通電端子T2が全て同電位(+EhTボルト)となるため、図11に示すように、ロール減衰用ライン62F,62Rおよびピッチ減衰用ライン63L,63Rには電流が流れず、閉ループ回路51FL,51FR,51RL,51RRにのみ発電電流が流れる。この発電電流は、4つの閉ループ回路51FL,51FR,51RL,51RRにおいて、すべて同じ電流値となる。尚、4つのアブソーバ30FL、30FR、30RL、30RRが同じ速度で伸長縮動作をした場合、第2通電端子T2が全てマイナスの同電位(−EhT)となり、図12に示すように、閉ループ回路51FL,51FR,51RL,51RRに逆方向の発電電流が流れる。
この発電電流がモータ40に流れることによりロータに制動力が働く。これにより、アブソーバ30は、車両のバウンシングに対して減衰力を発生する。
モータ40FL,40FR,40RL,40RRに流れる発電電流の電流値をim、モータ40FL,40FR,40RL,40RRで発生する誘導起電力の電圧値をEhとすると、発電電流imは次式(1)のように表される。
im=Eh/(Rm+Ls+Rh) ・・・(1)
ここで、Rhは抵抗器RhFL,RhFR,RhRL,RhRRの電気抵抗値であり、sはラプラス演算子である。
また、誘導起電力Ehは、次式(2)のように表される。
Eh=(2π/N)・X’・Km ・・・(2)
ここで、Nはボールねじ36のリード、X’はアブソーバ30のストローク速度、Kmはモータ40のトルク定数である。
また、発電電流imが流れることによりモータ40で発生するトルクTは次式(3)のように表される。
T=Km・im ・・・(3)
また、モータ40で発生する減衰力Fは次式(4)のように表される。
F=(2π/N)・T ・・・(4)
従って、式(4)に式(1)〜(3)を代入して、減衰力Fは次式(5)のように表される。
F=(2π/N)・X’・Km/(Rm+Ls+Rh) ・・・(5)
また、車両のバウンシングに対するアブソーバ30の減衰係数Chは、減衰力Fをストローク速度X’で除算して求められるため、次式(6)のように表される。
Ch=(2π/N)・Km/(Rm+Ls+Rh) ・・・(6)
従って、式(6)の分母の値を調整することで、適切な乗り心地が得られる減衰係数Chを設定することができる。この場合、振動の周波数特性を考慮せずに定常状態(s=0)における減衰係数Chの最適値を設定する。モータ40の内部抵抗Rmは固定値であるため、ヒーブ減衰力設定用の抵抗器RhFL,RhFR,RhRL,RhRRの抵抗値Rhを調整することで、減衰係数Chを適切な乗り心地が得られる値に設定することができる。この場合、抵抗値Rhを小さくすればするほど、車両のバウンシングに対する減衰力を大きくすることができ、抵抗値Rhを大きくすればするほど、車両のバウンシングに対する減衰力を小さくすることができる。
次に、車両のローリング時における発電電流の流れについて図13を使って説明する。車両のローリング時においては、左車輪のアブソーバ30FL、30RLと、右車輪のアブソーバ30FR、30RRとで動作方向が逆になる。ここでは、左車輪のアブソーバ30FL、30RLが圧縮動作をし、右車輪のアブソーバ30FR、30RRが伸長動作をしている場合、つまり、車両が右方向に旋回している場合について考える。また、アブソーバ30FL、30RL,30FR、30RRのストローク速度の大きさ(絶対値)は、全て等しいものとする。
4つのモータ40FL,40FR,40RL,40RRは、同じ電圧(Erボルト)の誘導起電力を発生するが、左前輪モータ40FLおよび左後輪モータ40RLで発生する誘導起電力の向きと、右前輪モータ40FRおよび右後輪モータ40RRで発生する誘導起電力の向きとは逆になる。従って、グランドライン61に対して、左前輪モータ40FLの第2通電端子T2と左後輪モータ40RLの第2通電端子T2は同電位となり、その電位を+ErTボルトとすると、右前輪モータ40FRの第2通電端子T2と右後輪モータ40RRの第2通電端子T2の電位は、ぞれぞれ−ErTボルトとなる。
この場合、左前輪モータ40FLの第2通電端子T2と、右前輪モータ40FRの第2通電端子T2の間に2ErTボルトの電位差が発生している。また、左後輪モータ40RLの第2通電端子T2と、右後輪モータ40RRの第2通電端子T2の間に2ErTボルトの電位差が発生している。従って、外部回路には、図13に示すように、左前輪モータ40FLの第2通電端子T2から右前輪モータ40FRの第2通電端子T2へ向かう発電電流と、左後輪モータ40RLの第2通電端子T2から右後輪モータ40RRの第2通電端子T2へ向かう発電電流とが流れる。
この場合、左前輪モータ40FLの第2通電端子T2から右前輪モータ40FRの第2通電端子T2に向かう発電電流は、2つのヒーブ減衰力設定用の抵抗器RhFL,RhFRを直列接続した抵抗器と、ロール減衰力設定用の抵抗器RrFとを並列接続した並列抵抗回路を流れることになる。また、左後輪モータ40RLの第2通電端子T2から右後輪モータ40RRの第2通電端子T2に向かう発電電流は、2つのヒーブ減衰力設定用の抵抗器RhRL,RhRRを直列接続した抵抗器と、ロール減衰力設定用の抵抗器RrFとを並列接続した並列抵抗回路を流れることになる。
この発電電流が4つのモータ40FL,40FR,40RL,40RRに流れることにより、4つのアブソーバ30FL,30FR,30RL,30RRが協働して車両のローリングに対して減衰力を発生する。
モータ40FL,40FR,40RL,40RRに流れる発電電流の電流値をim、モータ40FL,40FR,40RL,40RRで発生する誘導起電力の電圧値をErとすると、発電電流imは、次式(7)にて表される。ここでは、モータ40FL,40FRに流れる電流値を示すが、モータ40RL,40RRに流れる電流値についても同様である。
im=2Er/(2Rm+2Ls+Rrh) ・・・(7)
ここで、Rrhは、ヒーブ減衰力設定用の2つの抵抗器RhRL,RhRRの直列回路(抵抗値:2Rh)にロール減衰力設定用の抵抗器RrF(抵抗値Rr)を並列接続した並列抵抗回路の合成抵抗値である。従って、Rrhは、2Rh・Rr/(2Rh+Rr)と表される。
また、誘導起電力Erは、次式(8)のように表される。
Er=(2π/N)・X’・Km ・・・(8)
また、発電電流imが流れることによりモータ40で発生するトルクTは次式(9)のように表される。
T=Km・im ・・・(9)
また、モータ40で発生する減衰力Fは次式(10)のように表される。
F=(2π/N)・T ・・・(10)
従って、式(10)に式(7)〜(9)を代入して、減衰力Fは次式(11)のように表される。
F=2(2π/N)・X’・Km/(2Rm+2Ls+Rrh) ・・・(11)
また、車両のローリングに対するアブソーバ30の減衰係数Crは、減衰力Fをストローク速度X’で除算して求められるため、次式(12)のように表される。
Cr=2(2π/N)・Km/(2Rm+2Ls+Rrh) ・・・(12)
従って、式(12)の分母の値を調整することで、車両のローリングを適正に抑制する減衰係数Crを設定することができる。この場合、振動の周波数特性を考慮せずに定常状態(s=0)における減衰係数Crの最適値を設定する。モータ40の内部抵抗Rmは固定値であるため、合成抵抗値Rrh(=2Rh・Rr/(2Rh+Rr))を調整することで、減衰係数Crを車両のローリングを適正に抑制できる値に設定することができる。この場合、Rhは、上述したように適切な乗り心地が得られる値に設定された抵抗値であるためそのままにして、Rrを適正値に設定すればよい。
車両のローリング時においては、図13に示すように、バウンシング時に比べて、ロール減衰力設定用の抵抗器RrF(RrR)に流れる電流分だけ、モータ40に流れる発電電流が増加する。従って、その電流の増加分(2ErT/Rr)に相当する量だけ減衰力を増加させることができる。図13の例では、左前輪アブソーバ30FLと左後輪アブソーバ30RLとにおいて、圧縮動作に対する減衰力を増加させ、右前輪アブソーバ30FRと右後輪アブソーバ30RRとにおいて、伸長動作に対する減衰力を増加させる。従って、ロール減衰力設定用の抵抗器RrF,RrRの抵抗値Rrの調整により、車両のローリング時に流れる発電電流の増加量を調整しておくことで、車両のローリングに対する減衰力(減衰係数Cr)を適正に設定することができる。
ロール減衰力設定用の抵抗器RrF,RrRの抵抗値Rrを小さくすればするほど、車両のローリングに対する減衰力を大きくすることができる。従って、例えば、車両のローリングに対する減衰力を大きくしたい場合には、ロール減衰力設定用の抵抗器RrF,RrRの抵抗値Rrを小さくすればよく、逆に、車両のローリングに対する減衰力を小さくしたい場合には、ロール減衰力設定用の抵抗器RrF,RrRの抵抗値Rrを大きくすればよい。
これにより、車両のバウンシングに対しては小さい減衰力を発生して快適な乗り心地を維持し、車両のローリングに対しては大きな減衰力を発生して良好な操縦安定性を維持することができる。
次に、車両のピッチング時における発電電流の流れについて図14を使って説明する。車両のピッチング時においては、前輪のアブソーバ30FL、30FRと、後輪のアブソーバ30RL、30RRとで動作方向が逆になる。ここでは、前輪のアブソーバ30FL、30FRが圧縮動作をし、後輪のアブソーバ30RL、30RRが伸長動作をしている場合について考える。また、アブソーバ30FL、30RL,30FR、30RRのストローク速度の大きさ(絶対値)は、全て等しいものとする。
4つのモータ40FL,40FR,40RL,40RRは、同じ電圧(Epボルト)の誘導起電力を発生するが、左前輪モータ40FLおよび右前輪モータ40FRで発生する誘導起電力の向きと、左後輪モータ40RLおよび右後輪モータ40RRで発生する誘導起電力の向きとは逆になる。従って、グランドライン61に対して、左前輪モータ40FLの第2通電端子T2と右前輪モータ40FRの第2通電端子T2は同電位となり、その電位を+EpTボルトとすると、左後輪モータ40RLの第2通電端子T2と右後輪モータ40RRの第2通電端子T2の電位は、それぞれ−EpTボルトとなる。
この場合、左前輪モータ40FLの第2通電端子T2と、左後輪モータ40RLの第2通電端子T2の間に2EpTボルトの電位差が発生している。また、右前輪モータ40FRの第2通電端子T2と、右後輪モータ40RRの第2通電端子T2の間に2EpTボルトの電位差が発生している。従って、外部回路には、図14に示すように、左前輪モータ40FLの第2通電端子T2から左後輪モータ40RLの第2通電端子T2へ向かう発電電流と、右前輪モータ40FRの第2通電端子T2から右後輪モータ40RRの第2通電端子T2へ向かう発電電流とが流れる。
この場合、左前輪モータ40FLの第2通電端子T2から左後輪モータ40RLの第2通電端子T2へ向かう発電電流は、2つのヒーブ減衰力設定用の抵抗器RhFL,RhRLを直列接続した抵抗器と、ピッチ減衰力設定用の抵抗器RpLとを並列接続した並列抵抗回路を流れることになる。また、右前輪モータ40FRの第2通電端子T2から右後輪モータ40RRの第2通電端子T2に向かう発電電流は、2つのヒーブ減衰力設定用の抵抗器RhFR,RhRRを直列接続した抵抗器と、ピッチ減衰力設定用の抵抗器RpRとを並列接続した並列抵抗回路を流れることになる。
この発電電流が4つのモータ40FL,40FR,40RL,40RRに流れることにより、4つのアブソーバ30FL,30FR,30RL,30RRが協働して車両のピッチングに対して減衰力を発生する。
モータ40FL,40FR,40RL,40RRに流れる発電電流の電流値をim、モータ40FL,40FR,40RL,40RRで発生する誘導起電力の電圧値をEpとすると、発電電流imは、次式(13)にて表される。ここでは、モータ40FL,40RLに流れる電流値を示すが、モータ40FR,40RRに流れる電流値についても同様である。
im=2Ep/(2Rm+2Ls+Rph) ・・・(13)
ここで、Rphは、ヒーブ減衰力設定用の2つの抵抗器RhFL,RhRLの直列回路(抵抗値:2Rh)にピッチ減衰力設定用の抵抗器RpL(抵抗値Rp)を並列接続した並列抵抗回路の合成抵抗値である。従って、Rphは、2Rh・Rp/(2Rh+Rp)と表される。
また、誘導起電力Epは、次式(14)のように表される。
Ep=(2π/N)・X’・Km ・・・(14)
また、発電電流imが流れることによりモータ40で発生するトルクTは次式(15)のように表される。
T=Km・im ・・・(15)
また、モータ40で発生する減衰力Fは次式(16)のように表される。
F=(2π/N)・T ・・・(16)
従って、式(16)に式(13)〜(15)を代入して、減衰力Fは次式(17)のように表される。
F=2(2π/N)・X’・Km/(2Rm+2Ls+Rph) ・・・(17)
また、車両のピッチングに対するアブソーバ30の減衰係数Cpは、減衰力Fをストローク速度X’で除算して求められるため、次式(18)のように表される。
Cp=2(2π/N)・Km/(2Rm+2Ls+Rph) ・・・(18)
従って、式(18)の分母の値を調整することで、車両のピッチングを適正に抑制する減衰係数Cpを設定することができる。この場合、振動の周波数特性を考慮せずに定常状態(s=0)における減衰係数Cpの最適値を設定する。モータ40の内部抵抗Rmは固定値であるため、合成抵抗値Rph(=2Rh・Rp/(2Rh+Rp))を調整することで、減衰係数Cpを車両のピッチングを適正に抑制できる値に設定することができる。この場合、Rhは、上述したように適切な乗り心地が得られる値に設定された抵抗値であるためそのままにして、Rpを適正値に設定すればよい。
車両のピッチング時においては、図14に示すように、バウンシング時に比べて、ピッチ減衰力設定用の抵抗器RpL(RpR)に流れる電流分だけ、モータ40に流れる発電電流が増加する。従って、その電流の増加分(2EpT/Rp)に相当する量だけ減衰力を増加させることができる。図14の例では、左前輪アブソーバ30FLと右前輪アブソーバ30FRとにおいて、圧縮動作に対する減衰力を増加させ、左後輪アブソーバ30RLと右後輪アブソーバ30RRとにおいて、伸長動作に対する減衰力を増加させる。従って、ピッチ減衰力設定用の抵抗器RpL,RpRの抵抗値Rpの調整により、車両のピッチング時に流れる発電電流の増加量を調整しておくことで、車両のピッチングに対する減衰力(減衰係数Cp)を適正に設定することができる。
ピッチ減衰力設定用の抵抗器RpL,RpRの抵抗値Rpを小さくすればするほど、車両のピッチングに対する減衰力を大きくすることができる。従って、例えば、車両のピッチングに対する減衰力を大きくしたい場合には、ピッチ減衰力設定用の抵抗器RpL,RpRの抵抗値Rpを小さくすればよく、逆に、車両のピッチングに対する減衰力を小さくしたい場合には、ピッチ減衰力設定用の抵抗器RpL,RpRの抵抗値Rpを大きくすればよい。
これにより、車両のバウンシングに対しては小さい減衰力を発生して快適な乗り心地を維持し、車両のピッチングに対しては大きな減衰力を発生して良好な操縦安定性を維持することができる。
上記外部回路50の作動説明は、車両のバウンシングまたはローリングまたはピッチングを個別に捉えたものであるが、これらの車両挙動が組み合わさった場合においても、同様に考えることができる。例えば、4つのアブソーバ30FL,30FR,30RL,30RRが、圧縮動作をしており、かつ、左車輪WFL,WRL側となるアブソーバ30FL,30RLのストローク速度が右車輪WFR,WRR側となるアブソーバ30FR,30RRのストローク速度よりも大きい場合を考える。つまり、車両のバウンシングとローリングとの組み合わせを考える。この場合、モータ40FL,40RLで発生する誘導起電力は、モータ40FR,40RRで発生する誘導起電力よりも大きくなる。従って、グランドライン61に対する左前輪モータ40FLと左後輪モータ40RLにおける第2通電端子T2の電位を+ErTLボルト、右前輪モータ40FRと右後輪モータ40RRにおける第2通電端子T2の電位を+ErTRボルトとすると、ErTL>ErTRとなる。
このため、ロール減衰力設定用の抵抗器RrF,RrRの両端に電位差(ErTL−ErTR)が生じるため、図15に示すように、ロール減衰力設定用の抵抗器RrF,RrRには、矢印方向に電流が流れる。この電流値は、(ErTL−ErTR)/Rrで表される。従って、左前輪モータ40FLおよび左後輪モータ40RLに流れる電流は、車両のバウンシングにより流れる電流(ErTL/Rh)に、ローリングにより流れる電流((ErTL−ErTR)/Rr)を加算した値となる。一方、右前輪モータ40FRおよび右後輪モータ40RRに流れる電流は、バウンシングにより流れる電流(ErTR/Rh)から、ローリングにより流れる電流((ErTL−ErTR)/Rr)を減算した値となる。
従って、左車輪WFL,WRL側となるアブソーバ30FL,30RLの減衰力を大きくし、右車輪WFR,WRR側となるアブソーバ30FR,30RRの減衰力を小さくすることができる。
こうした車両の挙動は、車両が右に旋回中にバウンシングして4つのアブソーバ30FL,30FR,30RL,30RRが圧縮されたときに発生する。この車両挙動においては、外輪側となる左車輪WFL,WRLのアブソーバ30FL,30RLの減衰力が大きくなるため左側の車体の沈み込みが抑えられるとともに、内輪側となる右車輪WFR,WRRのアブソーバ30FR,30RRの減衰力が小さくなるため右側の車体の沈み込みが許容される。この結果、車両のローリングが抑制され、適正な車両姿勢を保つことができる。
このように、各アブソーバ30FL,30FR,30RL,30RR間において、ストローク速度が異なる場合には、第2通電端子T2間に電位差が発生し、この電位差によりモータ40FL,40FR,40RL,40RR間で電流が流れる。つまり、ローリングあるいはピッチングにより車両姿勢が傾いた場合には、第2通電端子T2間における電位バランスに応じて、前輪ロール減衰用ライン62F,後輪ロール減衰用ライン62R,左車輪ピッチ減衰用ライン63L,右車輪ピッチ減衰用ライン63Rに電流が流れて、モータ40FL,40FR,40RL,40RRに流れる電流が増減調整される。従って、4つのアブソーバ30FL,30FR,30RL,30RRは、車両の姿勢に応じた適切な減衰力を発生して、車両姿勢を安定させる。
以上説明した本実施形態の車両用サスペンション装置によれば、モータ40FL,40FR,40RL,40RRを相互接続回路60により相互に接続したため、車両のバウンシングだけでなく姿勢変化に対しても良好な減衰力を発生させることができる。また、ヒーブ減衰力設定用の抵抗器RhFL,RhFR,RhRL,RhRRの抵抗値の調整により、バウンシング時における減衰係数Chを適正に設定できるだけでなく、ロール減衰力設定用の抵抗器RrF,RrRの調整によりローリング時における減衰係数Crを適正に設定でき、また、ピッチ減衰力設定用の抵抗器RpL,RpRの調整によりピッチング時における減衰係数Cpを適正に設定できる。従って、減衰係数Chを小さく設定してソフトな乗り心地が得られる一方、減衰係数Cr,Cpを大きく設定して車両姿勢を安定させることができる。これにより、心地よい乗り心地と安定した操縦性とを両立することができる。
また、こうした減衰力制御は、車両姿勢に応じてモータ40FL,40FR,40RL,40RR間(ロール減衰用ライン62F,62R、ピッチ減衰用ライン63L,63R)に電流が自然に流れることにより行われるものである。このため、車両の各種挙動を検出するセンサ、センサ検出値に基づいてモータ制御量を演算するマイクロコンピュータ、演算されたモータ制御量でモータを駆動するモータ駆動回路など必要としない。従って、本実施形態の車両用サスペンション装置は、モータ制御システムを簡易に構成することができ、低コストにて実施することができる。
以上、本実施形態の車両用サスペンション装置について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、全てのアブソーバ30FL,30FR,30RL,30RRのモータ40FL,40FR,40RL,40RRを相互接続回路60により相互に接続した構成を採用しているが、図16に示すように、前輪WFL,WFR側のアブソーバ30FL,30FRのモータ40FL,40FRと、後輪WRL,WRR側のアブソーバ30RL,30RRのモータ40RL,40RRとを相互に接続しないように構成してもよい。
この変形例の外部回路501は、左前輪モータ40FLと右前輪モータ40FRとを前輪側相互接続回路601Fで接続し、左後輪モータ40RLと右後輪モータ40RRとを後輪側相互接続回路601Rで接続したものである。前輪側相互接続回路601Fは、左前輪モータ40FLの第2通電端子T2と右前輪モータ40FRの第2通電端子T2とをロール減衰力設定用の抵抗器RrFを介して接続した前輪ロール減衰用ライン62Fと、左前輪モータ40FLの第1通電端子T1と右前輪モータ40FRの第1通電端子T1とを相互に接続した前輪側グランドライン61Fとから構成される。また、後輪側相互接続回路601Rは、左後輪モータ40RLの第2通電端子T2と右後輪モータ40RRの第2通電端子T2とをロール減衰力設定用の抵抗器RrRを介して接続した後輪ロール減衰用ライン62Rと、左後輪モータ40RLの第1通電端子T1と右後輪モータ40RRの第1通電端子T1とを相互に接続した後輪側グランドライン61Rとから構成される。
この外部回路501を用いた場合には、上述した実施形態と同様に、ヒーブ減衰力設定用の抵抗器RhFL,RhFR,RhRL,RhRRの抵抗値Rhを調整することで、車両のバウンシング時における減衰係数Chを適切な乗り心地が得られる値に設定しておくことができる。また、ロール減衰力設定用の抵抗器RrF,RrRの抵抗値Rrの調整により、車両のローリング時における減衰係数Crを適正な値に設定しておくことができる。また、前輪WFL,WFR側と後輪WRL,WRR側とで独立した減衰力を発生することができる。
この外部回路501においては、2つのロール減衰力設定用の抵抗器RrF,RrRの抵抗値を同一にしているが、別々の値に設定するようにしてもよい。この場合には、前輪WFL,WFR側のローリング減衰係数Crと、後輪WRL,WRR側のローリング減衰係数Crとを独立して設定することができる。例えば、抵抗器RrFの抵抗値を抵抗器RrRの抵抗値よりも小さく設定して、前輪WFL,WFR側のローリング減衰係数Crが、後輪WRL,WRR側のローリング減衰係数Crよりも大きくなるように設定することもできる。
また、他の変形例として、図17に示すように、左車輪WFL,WRL側のアブソーバ30FL,30RLのモータ40FL,40RLと、右車輪WFR,WRR側のアブソーバ30FR,30RRのモータ40FR,40RRとを相互に接続しないように構成してもよい。
この変形例の外部回路502は、左前輪モータ40FLと左後輪モータ40RLとを左車輪側相互接続回路602Lで接続し、右前輪モータ40FRと右後輪モータ40RRとを右車輪側相互接続回路602Rで接続したものである。左車輪側相互接続回路602Lは、左前輪モータ40FLの第2通電端子T2と左後輪モータ40RLの第2通電端子T2とをピッチ減衰力設定用の抵抗器RpLを介して接続した左車輪ピッチ減衰用ライン63Lと、左前輪モータ40FLの第1通電端子T1と左後輪モータ40RLの第1通電端子T1とを相互に接続した左車輪側グランドライン64Lとから構成される。また、右車輪側相互接続回路602Rは、右前輪モータ40FRの第2通電端子T2と右後輪モータ40RRの第2通電端子T2とをピッチ減衰力設定用の抵抗器RpRを介して接続した右車輪ピッチ減衰用ライン63Rと、右前輪モータ40FRの第1通電端子T1と右後輪モータ40RRの第1通電端子T1とを相互に接続した右車輪側グランドライン64Rとから構成される。
この外部回路502を用いた場合には、上述した実施形態と同様に、ヒーブ減衰力設定用の抵抗器RhFL,RhFR,RhRL,RhRRの抵抗値Rhを調整することで、車両のバウンシング時における減衰係数Chを適切な乗り心地が得られる値に設定しておくことができる。また、ピッチ減衰力設定用の抵抗器RpL,RpRの抵抗値Rpの調整により、車両のピッチング時における減衰係数Cpを適正な値に設定しておくことができる。また、左車輪WFL,WRL側と右車輪WFR,WRR側とで独立した減衰力を発生することができる。
また、他の変形例として、図18に示すように、前輪WFL,WFR側のアブソーバ30FL,30FRのモータ40FL,40FRのみを前輪側相互接続回路601Fにより相互に接続した外部回路503を設けてもよい。この場合、閉ループ回路51RLは、左後輪モータ40RLの近傍に設けることができ、閉ループ回路51RRは、右後輪モータ40RRの近傍に設けることができる。
また、他の変形例として、図19に示すように、後輪WRL,WRR側のアブソーバ30RL,30RRのモータ40RL,40RRのみを後輪側相互接続回路601Rにより相互に接続した外部回路504を設けても良い。この場合、閉ループ回路51FLは、左前輪モータ40FLの近傍に設けることができ、閉ループ回路51FRは、右前輪モータ40FRの近傍に設けることができる。
また、本実施形態および変形例の車両用サスペンション装置は、4つの車輪WFL,WFR,WRL,WRRすべてについて、電磁式ショックアブソーバ30を設けているが、例えば、前輪WFL,WFR側にのみ電磁式ショックアブソーバ30を設け、後輪WRL,WRR側には、他の方式のショックアブソーバ(例えば、油圧ダンパ式ショックアブソーバ)を設けた構成であってもよい。この場合、前輪WFL,WFR側については、図18に示すように、前輪側相互接続回路601Fを設けるとよい。また、後輪WRL,WRR側にのみ電磁式ショックアブソーバ30を設け、前輪WFL,WFR側には、他の方式のショックアブソーバ(例えば、油圧ダンパ式ショックアブソーバ)設けた構成であってもよい。この場合、後輪WRL,WRR側については、図19に示すように、後輪側相互接続回路601Rを設けるとよい。
また、本実施形態および変形例においては、4つのヒーブ減衰力設定用の抵抗器RhFL,RhFR,RhRL,RhRRの抵抗値を全て同一に設定しているが、それぞれ別々の値に設定するようにしてもよい。これによれば、各輪WFL,WFR,WRL,WRRごとのバウンシング減衰係数Chを独立して設定することができる。この場合でも、前輪WFL,WFR側の抵抗器RhFL,RhFRの抵抗値を同じ前輪側抵抗値(RhFオーム)に設定し、後輪WRL,WRR側の抵抗器RhRL,RhRRの抵抗値を同じ後輪側抵抗値(RhRオーム)に設定することが好ましい。例えば、前輪側抵抗値を後輪側抵抗値よりも小さく設定して(RhF<RhR)、前輪WFL,WFR側のバウンシング減衰係数Chが、後輪WRL,WRR側のバウンシング減衰係数Chよりも大きくなるように設定することもできる。
また、本実施形態および変形例においては、2つのロール減衰力設定用の抵抗器RrF,RrRの抵抗値を同一にしているが、別々の値に設定するようにしてもよい。この場合には、前輪WFL,WFR側のローリング減衰係数Crと、後輪WRL,WRR側のローリング減衰係数Crとを独立して設定することができる。
また、本実施形態および変形例においては、2つのピッチ減衰力設定用の抵抗器RpL,RpRの抵抗値を同一にしているが、別々の値に設定するようにしてもよい。この場合には、左車輪WFL,WRL側のピッチング減衰係数Cpと、右車輪WFR,WRR側のピッチング減衰係数Cpとを独立して設定することができる。
また、本実施形態および変形例においては、減衰力設定用のインピーダンス素子として抵抗器RhFL,RhFR,RhRL,RhRRRrF,RrR,RpL,RpRを用いているが、コイル(インダクタ)、コンデンサ(キャパシタ)を用いることもできる。
また、本実施形態および変形例においては、サスペンションばねとしてコイルばね20を用いているが、コイルばね20に代えてエアばね等の他のばねを用いてもよい。

Claims (5)

  1. ばね上部とばね下部との相対運動に伴って発電するモータと、前記モータに発電電流を流すために前記モータの2つの通電端子間を電気的に接続する閉ループ回路とを備え、前記ばね上部と前記ばね下部との相対運動に伴って前記モータに発電電流が流れることにより、前記ばね上部と前記ばね下部との相対運動を減衰させる電磁式ショックアブソーバを複数の車輪に設けた車両用サスペンション装置において、
    少なくとも2つ以上の前記電磁式ショックアブソーバのモータを、前記2つの通電端子の一方である第1通電端子同士、および、前記2つの通電端子の他方である第2通電端子同士で電気的に接続する相互接続回路を備えたことを特徴とする車両用サスペンション装置。
  2. 前記閉ループ回路には、前記ばね上部とばね下部との相対運動に対する減衰力を設定するためのヒーブ減衰力設定用インピーダンス素子が介装され、
    前記相互接続回路には、車両姿勢変化に対する減衰力を設定するための姿勢変化減衰力設定用インピーダンス素子が介装されていることを特徴とする請求項1記載の車両用サスペンション装置。
  3. 前記相互接続回路は、左車輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータと右車輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータとを前記第1通電端子同士、および、前記第2通電端子同士で接続するとともに、
    前記姿勢変化減衰力設定用インピーダンス素子は、車両のローリングに対する減衰力を設定するためのロール減衰力設定用インピーダンス素子であることを特徴とする請求項2記載の車両用サスペンション装置。
  4. 前記相互接続回路は、前輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータと後輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータとを前記第1通電端子同士、および、前記第2通電端子同士で接続するとともに、
    前記姿勢変化減衰力設定用インピーダンス素子は、車両のピッチングに対する減衰力を設定するためのピッチ減衰力設定用インピーダンス素子であることを特徴とする請求項2または3記載の車両用サスペンション装置。
  5. 前記相互接続回路は、左前輪と右前輪と左後輪と右後輪とにそれぞれ設けられる電磁式ショックアブソーバのモータの前記第1通電端子同士を電気的に接続するとともに、左前輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータの前記第2通電端子と右前輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータの前記第2通電端子とを前輪ロール減衰力設定用インピーダンス素子を介して電気的に接続し、左後輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータの前記第2通電端子と右後輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータの前記第2通電端子とを後輪ロール減衰力設定用インピーダンス素子を介して電気的に接続し、左前輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータの前記第2通電端子と左後輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータの前記第2通電端子とを左車輪ピッチ減衰力設定用インピーダンス素子を介して電気的に接続し、右前輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータの前記第2通電端子と右後輪に設けられる電磁式ショックアブソーバのモータの前記第2通電端子とを右車輪ピッチ減衰力設定用インピーダンス素子を介して電気的に接続することを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れか一項記載の車両用サスペンション装置。
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