本発明は、複数の周波数チャネルから、通信に用いるチャネルを選択し、通信相手を起動するウエイクアップ信号を送信する無線通信方法およびその装置に関する。
近年、RFID(Radio Frequency Identification)や無線センサネットワークなど、小容量のデータを、少ない頻度(数百msec〜数時間間隔)で通信する無線通信システムが注目されている。これらの無線通信システムでは、無線通信装置自体が小型であり、電池で駆動されるが、長寿命(数ヶ月〜数年)が求められる。起動時間のうちのほとんどが、受信待ち受け時間であるため、超低消費電力な無線通信装置が求められる。
受信待ち受け時の消費電力を低減する技術として、省電力の、起動(ウエイクアップ)用無線装置と、省電力の、データ通信用の無線装置とを組み合わせるものがある。例えば特許文献1では、ウエイクアップ用の周波数Faと、データ通信用の周波数Fgを用い、これを分けるフィルタを備え、周波数Faのウエイクアップ信号を検出したら、データ通信用の無線部を起動する技術が記載されている。
また、送受信にかかる消費電力が少ないOOK(On Off Keying)変調信号を用いて、データ通信に使用する周波数チャネルを通知する技術として、特許文献2があった。特許文献2では、ウエイクアップ信号をOOK変調して、互いに異なる複数の周波数のうちのそれぞれで、同時に送信し、受信側ではそれぞれの周波数毎に復調を行い、ウエイクアップ信号の受信に成功した周波数で、データ通信を行う技術が記載されている。
米国特許第6920342号明細書
特開2007−173904号公報
複数の周波数チャネルが利用できる無線通信システムにおいて、データ通信に用いる周波数チャネルを相互に通知するには、チャネルサーチやネゴシエーションを行う必要があり、これらの同期に、時間と消費電力がかかっていた。また、データ通信の頻度が、非常に少ない無線通信システムにおいては、通信相手と、起動時間を同期するためのオーバーヘッドに、消費電力がかかっていた。前記先行技術に記載されている、受信待ち受け時の消費電力を削減できるウエイクアップ用無線装置を用いても、ウエイクアップ専用の周波数チャネルを設けるため、周波数の利用効率が低減する。また、専用周波数チャネル検出のための、狭帯域フィルタ手段や、周波数変換器が必要であり、回路コストや消費電力を低減することが難しいという課題を有していた。つまり、狭帯域での検出がされると、スーパーヘテロダインの構成が必要になり、比較的省電力である、狭帯域のフィルタ、ミキサ、および発振器などが必要になり、回路コストが高くなったり、消費電力が大きくなってしまったりする。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ウエイクアップ専用の周波数チャネルを設けることなく、複数の周波数チャネルから、データ通信に用いる周波数チャネルを通知して、ウエイクアップ信号を通信し、消費電力を低減できる無線通信方法および無線通信装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の第1の通信装置は、データ通信を行うデータ通信部と、複数の周波数チャネルの信号が同時に受信された信号(図11〜図14の信号11c等を参照)から、1の前記周波数チャネルにおけるウエイクアップ信号の2つのパルスの時刻の間の間隔(図12の間隔1Rx、図6等参照)により示される周波数チャネル(図1、図12〜図13の周波数チャネル情報112I等を参照)を検出し、前記データ通信部に、検出された前記周波数チャネルで前記データ通信をさせる周波数検出部とを備える通信装置である。
なお、例えば、複数の周波数チャネルの信号が同時に受信された信号の帯域(図4の帯域41を参照)は、ウエイクアップ信号が送信される、上述された1の周波数チャネルの帯域などの、1つの周波数チャネルでの帯域(帯域42を参照)よりも広い帯域である。このため、狭い帯域(帯域42を参照)での受信がされて、スーパーヘテロダインを用いる必要が生じ、受信における消費電力が、大きくなってしまったり、受信のための構成が複雑になってしまったりすることが回避され、消費電力が小さくでき、また、構成が簡単にできる。
また、第2の通信装置は、複数の周波数チャネルから選択された周波数チャネルにより、当該第2の通信装置とは異なる第1の通信装置とデータ通信を行うデータ通信部と、それら2つのパルスの時刻の間の間隔が、選択された前記周波数チャネルを示す2つのパルスが含まれるウエイクアップ信号を前記第1の通信装置に送信させる間隔制御部とを備える通信装置である。
これにより、第1の通信装置において、消費電力が小さくされたり、構成が簡単にされたりするにも関わらず、消費電力が小さくされるなどした第1の通信装置に適する、適切な信号が送信され、第1の通信装置における動作が、確実に、適切な動作にできる。
本発明によれば、周波数チャネルの違いを、符号とパルス間隔に置き換えて送信することで、受信時に、他の周波数チャネルの信号と重畳されても、パルス間隔と符号とから、どの周波数チャネルで送信されたかを検出することができる。これにより、周囲の電波状況に応じた周波数チャネルについて、送信側および受信側の間で、チャネルサーチやネゴシエーションすることなく選択し、ウエイクアップ信号を通信することができる。また、パルス間隔に特徴を持たせることで、複数チャネルの重なりを許容でき、無信号となる区間が増えることから、送信にかかる消費電力も削減することができる無線通信装置を提供することができる。
すなわち、スーパーヘテロダインが用いられず、消費電力が少なくできる。しかも、スーパーヘテロダインが用いられないにも関わらず、受信の帯域(図4の帯域41、帯域42参照)が、比較的広い帯域(帯域41)のため、不適切な信号(例えば、多くのノイズが含まれる信号、大きなノイズが含まれる信号等)が生成されてしまわず、適切な信号が生成できる。つまり、適切な信号に基づいた、適切な動作が維持できる。しかも、単なる、パルスの間隔が用いられるだけのため、構成が簡単にできる。つまり、小さな消費電力と、適切な動作と、簡単な構成とが両立できる。
図1は、実施の形態にかかる通信装置の構成を示すブロック図である。
図2は、ウエイクアップパケットの一例を示す図である。
図3は、ウエイクアップパケットの他の一例を示す図である。
図4は、周波数チャネルの一例を示す図である。
図5は、パルス間隔変調信号の一例を示す図である。
図6は、パルス間隔符号の一例を示す図である。
図7は、無線機の構成の一例を示すブロック図である。
図8は、無線機の構成の一例を示すブロック図である。
図9は、パルス間隔復調部の一例を示すブロック図である。
図10は、パルス間隔復調部の他の一例を示すブロック図である。
図11は、包絡線検波出力の一例を示す図である。
図12は、親機および子機を示す図である。
図13は、子機を示す図である。
図14は、子機を示す図である。
図15は、親機を示す図である。
図16は、システムのフローチャートである。
図17は、システムを示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
実施形態の第1の通信装置(図12、図1等の子機102)は、データ通信を行うデータ通信部(データ通信部114)と、複数の周波数チャネル(図4)の信号が同時に受信された信号(図13、図11等の入力信号110A)から、1の前記周波数チャネルにおけるウエイクアップ信号(ウエイクアップ信号1R、図5の信号51s)の2つのパルスの時刻の間の間隔により示される周波数チャネル(周波数チャネル情報112I:図13)を検出し、前記データ通信部に、検出された前記周波数チャネルで前記データ通信をさせる周波数検出部(パルス間隔復調部111)とを備える通信装置である。
また、第2の通信装置(親機101)は、複数の周波数チャネルから(制御部103により)選択された周波数チャネルにより、当該第2の通信装置とは異なる第1の通信装置(子機102)とデータ通信を行うデータ通信部(データ通信部108)と、それら2つのパルスの時刻の間の間隔が、選択された前記周波数チャネルを示す2つのパルスが含まれるウエイクアップ信号(図11の信号11a等)を前記第1の通信装置に送信させる間隔制御部(パルス間隔変調部105)とを備える通信装置である。
つまり、例えば、複数の周波数チャネルの信号が同時に受信された信号とは、複数の周波数チャネルの高周波信号が含まれる入力信号(図13の入力信号110A参照)から周波数変換部110(図13等)により生成された、それぞれの周波数チャネルの低周波信号が含まれる低周波信号(図11の信号11c)である。そして、生成された、この低周波信号から、1の周波数チャネルで、上記間隔の2つのパルスが含まれるウエイクアップ信号が送信されたか否かがパルス間隔復調部111により検出される。そして、送信されたことが検出される場合にデータ通信がされる。
このため、比較的狭い狭帯域(図4の帯域42)での受信がされず、スーパーヘテロダインの構成が不要になるなどして、消費電力が小さくできる。そして、単に、適切な周波数チャネルを示す間隔を有する2つのパルスが含まれるウエイクアップ信号1Rの送信だけで、簡単な構成により、適切な周波数チャネルでのデータ通信ができる。このため、消費電力の低減と、簡単な構成とが両立できる。
以下、詳しく説明される。
図1は、通信装置(システム1)のブロック図である。
図1において、101は、ウエイクアップ送信を行う無線機(親機)、102は、ウエイクアップ受信を行う無線機(子機)である。
無線機101において、103は制御部、104は符号化部、105はパルス間隔変調部、106は周波数変換部、107はアンテナ、108はデータ通信部である。
また、無線機102において、109はアンテナ、110は周波数変換部、111はパルス間隔復調部、112は復号化部、113は制御部、114はデータ通信部である。
無線機102は、常時、受信待ち受け状態にあり、無線機101から送信されるウエイクアップ信号1Rを受信、復調し、復調されたウエイクアップ信号1Rが、自局(無線機102)宛の信号であれば、データ通信部114を起動して、データ通信を行う。そして、データ通信が終了した後、データ通信部114をスリープさせて、消費電力を削減しつつ、ウエイクアップ信号1Rの受信を待つ受信待ち受け状態に戻る。無線機102は、これらの動作を繰り返す。
図4は、通信装置が利用する周波数チャネルの一例を示す図である。
図4において、横軸は周波数を表し、縦向きの矢印は、周波数チャネルの中心周波数を示す。ここでは、3つのチャネル(周波数チャネル)CH1、CH2、CH3が予め決められているものとする。各チャネルは、それぞれ、予め決められたチャネル帯域幅を持ち、それぞれのチャネルでの通信では、そのチャネルのチャネル帯域幅内で無線通信を行う。
なお、例えば、日本の950MHz帯などでは、チャネル帯域幅200kHzのチャネルを24チャネル分利用することができる。
つまり、通信装置は、これらの複数の周波数チャネルの中から、自通信に利用する周波数チャネルを選択し、送受信の双方で、設定される周波数チャネルを互いに一致させて、通信を行う。本通信装置では、ウエイクアップ信号およびデータ通信信号の送受信を、これらの周波数チャネルを用いて行う。なお、ウエイクアップ信号およびデータ通信信号は、パケットとよばれる単位で送受信される。
なお、利用される複数の周波数チャネルのうちに含まれる周波数チャネルの個数は、上述のように、例えば、24個でもよいし、図4に表されるCH1〜CH3のように、3個でもよいし、他の個数であってもよい。図4では、模式的に、3つの周波数チャネルが存在するケースが例示される。
図2は、本通信装置にかかるウエイクアップパケット2の一例を示す図である。
ウエイクアップパケット2は、送受信器の同期をとるためのプリアンブル部21と、ウエイクアップ情報(ウエイクアップ情報部)22からなる。
プリアンブル部21は、送受信器間の周波数および時間同期をとるための信号であり、例えば、1,0を繰り返す波形と、パケットの検出をするためのユニークワードなどが用いられた部分である(図5等参照)。
ウエイクアップ情報22は、ウエイクアップさせる無線機(子機102)に対する情報をのせる部分であり、制御パラメータ221、宛先ID222、FCS(Frame Check Sequence)223からなる。
制御パラメータ221は、ウエイクアップ情報22の長さや変調方式、制御コマンド種別など、ウエイクアップパケット2の変復調や種類を示す情報を含む。
宛先ID222は、ウエイクアップパケット2の宛先を示す情報を含む。
なお、具体的には、例えば、複数の無線機の中から、1台の無線機だけをウエイクアップさせる場合には、ウエイクアップさせる、その機器のIDを、宛先ID222に含めればよい。あるいは、ある特定のグループの、2以上の無線機(例えば、図17の子機102aおよび子機102b)をそれぞれウエイクアップさせる場合には、それらの2以上の無線機が構成するグループを特定するグループIDを含めるようにしてもよい。あるいは、当該パケットを受信した全ての無線機(例えば、図17の子機102a〜102c)をウエイクアップさせる場合には、ブロードキャストIDを含めるようにしてもよい。また、宛先ID222には、複数のIDを含めてもよいし、送信元(親機101)のIDを含めるようにしてもよい。
FCS223は、ウエイクアップ情報22の復調結果に誤りがないかを検出するビット列であり、例えば、CRC符号などの誤り検出符号を用いることができる。
受信側(子機102)では、このようなウエイクアップパケット2を受信、復調し、FCS223によって、復調誤りがないことを検出できれば、ウエイクアップ情報22に基づいて、受信側(子機102)の動作の制御を行う。
このような、ウエイクアップパケット2の送信および受信について、図1を用いて、詳細に説明する。
制御部103は、無線機102とのデータ通信を無線機101が行うことを判断すると、ウエイクアップ情報22のビット列を生成し、生成されたビット列を、符号化部104に入力する。
また、制御部103は、どの周波数チャネルで通信を行うかを決定し、決定された周波数チャネルを示す周波数チャネル情報103Iを、符号化部104と、周波数変換部106にそれぞれ入力する。
符号化部104は、制御部103から入力されるウエイクアップ情報22のビット列(ウエイクアップ情報104Ia)を、制御部103により入力された周波数チャネル情報103Iに基づいて、当該周波数チャネル情報103Iにより示される周波数チャネルに対応する符号(図6参照)で符号化する。ここで、周波数チャネルに対応する符号は、以下の通りである。
図6は、符号化に用いるテーブルの一例(テーブル6)を示す図である。
図6において、周波数チャネルCH1での通信においては、情報ビット0を、シンボル(2,19)で表し、情報ビット1を、シンボル(12,3)で表すよう、符号化する例を示している(第1の方式)。以下、同様にして、周波数チャネルCH2での通信においては、情報ビット0は、シンボル(16,4)、情報ビット1は、シンボル(5,11)と符号化する(第2の方式)。周波数チャネルCH3での通信においては、情報ビット0は、シンボル(6,13)、情報ビット1は、シンボル(7,10)と符号化する(第3の方式)。このようにして符号化されたウエイクアップ情報22は、パルス間隔変調部105に入力される。
つまり、例えば、符号化部104は、複数の方式の符号(符号61〜符号63)のうちで、制御部103により決定された周波数チャネル(例えば、CH1)に対応する符号(符号61)で、制御部103により生成された、ウエイクアップ情報22のビット列を符号化する。
なお、後で詳述されるように、例えば、子機102の復号化部112は、符号から、その符号に対応する周波数チャネルを、データ通信がされる周波数チャネルとして特定してもよい。
図5は、パルス間隔変調部105によるパルス間隔変調信号の一例(信号51s)を示す図である。
図5において、横軸は時間を示し、501はパルスを示す。パルス間隔変調では、各パルス間の間隔と、情報ビットを対応させることで、変調を行う。
パルス間隔変調部105は、符号化部104からの入力が始まると、まずプリアンブル部(図5の「preample」の部分を参照)を出力する。プリアンブル部は、所定の間隔、例えば、図6の例では、パルス501と同じ幅を持つ間隔(これを基準間隔とし、1とする)で、所定回数パルスを繰り返すことで、生成される。
プリアンブル部に続けて、ウエイクアップ情報22のパルス間隔変調を行う。ここでは、符号化部104で符号化された情報を、パルス間隔に置き換えて、パルスを発生する。図5では、周波数チャネルCH1での通信を行う場合を示し、ビット列0,1,0を送信する場合において、符号化部104は、図6の符号化テーブル(符号テーブル)に基づいて、このビット列を、(2,19)、(12,3)、(2,19)へと符号化する。
パルス間隔変調部105は、これに基づいた間隔でパルスを生成し、プリアンブル部で生成される基準間隔1に対して、間隔2と間隔19で並ぶ3つのパルスによるパルス列でビット0を示し、間隔12と間隔3で並ぶ3つのパルスのパルス列でビット1を示す。
このようにして、ウエイクアップ情報22のビット列を、周波数チャネルに応じたパルス間隔(間隔51sa等)に符号化して、パルス間隔変調信号(信号51s)を生成する。周波数チャネル毎に、パルス間隔の規則(符号化テーブルにおける、その周波数チャネルに対応する符号(符号61〜符号63))が変えてあるため、受信側で、複数の周波数チャネルのパルスが重なって検出されても、この符号化テーブルに基づいて、パルス間隔復調を行えば、周波数チャネルを分離して、情報ビットを再生することができる。
なお、各ビットを表すシンボル(符号)のシンボル長は、ビット毎に同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、図6の例では、ビット0は(2,19)で表されるため、シンボル長は、パルス長を除くと、2+19=21となる。そして、ビット1は、(12,3)で表されるため、シンボル長は、パルス長を除くと、12+3=15となる。このように、シンボル長が異なる場合においては、例えば、情報ビットの1,0に偏りがある場合には、出現確率が多い方のビット列に、短いシンボル長を割り当てることで、パケット長を短くすることもできる。
あるいは、周波数チャネルの状態、例えば、収容局数が多い周波数チャネルでは、短いシンボル長の符号を割り当てることで、時間利用効率を高めるといったこともできる。また、各ビットを表すシンボル長が互いに同じである場合には、パルス位置変調と同様の変復調処理とすることもできる。パルス間隔を決める符号には、種々の符号を用いることができ、例えば、PN系列やM系列などの擬似ランダム系列を用いてもよい。あるいは、符号間の相互相関性が低いWalsh符号やGold符号などに基づいた符号を用いてもよい。より好ましくは、符号間の相互相関性が低く、任意の時間シフトに対して、弁別性が高い符号を用いることで、受信側でパルスが重なって検出された場合でも、シンボルの分離および周波数チャネルの分離が、より精度よく行える。
パルス間隔変調部105が出力するパルス列(信号51s)は、周波数変換部106に入力され、高周波の無線信号に変換され、アンテナ107から送信される。
図7は、周波数変換部106のブロック構成の一例を示す図である。
図7において、703は発振器、704はスイッチ、705は増幅器、706はバンドパスフィルタであり、その他は、図1と同じ符号なので、詳しい説明を省略する。
制御部103からの周波数チャネル情報103Iに基づいて、発振器703は、周波数チャネル情報103Iにより示される周波数チャネルの高周波搬送波信号を発生する。発振器703で発生した高周波搬送波信号は、スイッチ704に入力される。
スイッチ704は、パルス間隔変調部105が出力するパルス列に応じて、スイッチをオン、オフすることにより、OOK変調を行い、高周波信号を生成する。OOK変調された高周波信号は、増幅器705で増幅され、バンドパスフィルタ706で、チャネル帯域以外の不要信号を取り除いて、アンテナ107から送信される。
なお、図7の例では、発振器703の出力を、スイッチ704でOOK変調する構成を示したが、他の構成も用いることができる。例えば、発振器703自体を、オン、オフしてもよいし、あるいは、増幅器705を可変増幅器に変えて、増幅率を、パルス列に応じて変化させることでも実現できる。あるいは、OOK変調に限らず、FSK変調やPSK変調などの他の変調方式も用いることができる。
このようにして送信されたウエイクアップ信号を受信する無線機(受信機)102の動作について、以下で詳細に説明する。
アンテナ109で受信された信号は、周波数変換部110で、高周波信号から、後段の信号処理に適した周波数帯の信号に変換される。なお、この変換については、後述の図8などで、詳しく説明される。
ここでは、OOK変調されている高周波信号の包絡線検波をすることで、ベースバンド帯の受信パルス列に変換する。
受信パルス列は、パルス間隔復調部111によりパルス間隔復調がされることにより、パルス間隔で示される受信シンボル列に変換される。受信シンボル列は、復号化部112により、符号化テーブルに基づいて復号化され、情報ビット列と、周波数チャネル情報112I(周波数チャネル情報103I)とに変換される。なお、変換された周波数チャネル情報112Iは、親機101の周波数チャネル情報103Iの周波数チャネルと同じ周波数チャネルを示す。
復号化された情報ビット列は、制御部113に入力される。
そして、入力された情報ビット列のウエイクアップ情報22が、自局宛のウエイクアップ情報22であるかを、制御部113が判定する。制御部113は、自局宛のウエイクアップ情報22であった場合には、復号化部112からの周波数チャネル情報112Iに基づいて、当該周波数チャネル情報112Iにより示される周波数チャネルに、周波数変換部106の周波数チャネルを設定し、データ通信部114を起動する。
データ通信部114は、制御部113が設定した周波数チャネルを用いて、周波数変換部110、アンテナ109を介して、無線機101とのデータ通信を開始する。
図8は、周波数変換部110のブロック構成の一例を示す図である。
図8において、801はバンドパスフィルタ、802は増幅器、803は包絡線検波器(Envelope Detector)であり、その他は、図1と同じ符号であるので、詳しい説明を省略する。
無線機(受信機)102は、自局宛のウエイクアップ信号(信号51sの高周波信号)が、どの周波数チャネルを用いて送信されるかは分からない。そのため、周波数変換部110は、複数の周波数チャネルが同時に受信できるように設定される。例えば、バンドパスフィルタ801は、図4に示される周波数チャネルCH1,CH2,CH3が全て受信できるように、通過帯域幅を、チャネル帯域幅(図4の帯域42)の3倍(帯域41)とするように設定される。つまり、無線機102でのフィルタリングの帯域41は、従来例における、1チャネルの、比較的狭い帯域42の3倍の、比較的広い広帯域である。
バンドパスフィルタ801を通過した3チャネル分の高周波信号は、増幅器802で増幅され、包絡線検波器803で包絡線検波される。つまり、OOK変調されている受信信号は、包絡線検波により、ベースバンド帯域の信号(図11の信号11c)に周波数変換され、パルス列に変換される。ここで、包絡線検波の周波数特性により、3チャネル分の高周波信号は、ベースバンド帯域に重畳されて、変換される。
こうして、CH1〜CH3の高周波信号が含まれる、周波数変換部110への入力信号110A(図13)が、それぞれの高周波信号で送信される低周波信号が何れも含まれ、それら複数の低周波信号が含まれる信号11c(図13、図11)に変換される。
なお、このとき、異なる送信機、異なるチャネルから到来した複数の信号(図11の信号11a、信号11b)は、受信レベルが互いに異なるため、包絡線の振幅レベルも異なることから、変換されたパルス列のパルス振幅も異なる。この点に関して、後で詳述される。
図11は、包絡線検波出力の一例を示す図である。
図11において、横軸は時間を、縦軸は振幅を示し、四角はパルスを模式的に示している。図11の(a)の信号は、チャネルCH1で送信された信号(信号11a)、図11の(b)欄の信号は、チャネルCH2で送信された信号(信号11b)とする。これら、2つの信号(の各高周波信号が含まれる高周波信号)が、無線機(受信機)102の包絡線検波器(検波部)803に入力されると、その出力は、図11の(c)欄のようになり、振幅の異なる受信パルス列が重畳される(信号11c)。
包絡線検波器803の出力(信号11c)は、パルス間隔復調部111に入力され、各々のパルスの間のパルス間隔が検出される。
図9は、パルス間隔復調部111のブロック構成の一例を示す図である。
図9において、901はパルス検出部、902はタイマー、903は間隔判定部である。
パルス検出部901は、入力されたパルス列(信号11c)の振幅変化を検出し、振幅情報とエッジ情報を出力する。ここで、振幅情報としては、例えば、パルスのピーク振幅などを用いることができる。エッジ情報としては、振幅値が、所定の閾値を超えた時点(立ち上がりエッジ)や、振幅値が、所定の閾値を下回った時点(立ち下りエッジ)のタイミング情報を用いることができる。パルス検出部901が検出したパルスのエッジ情報は、タイマー902に入力される。
タイマー902は、2つのエッジの間の時間を測定する。例えば、立ち上がりエッジから、次の立ち上がりエッジまでの時間を、パルス間隔として測定する。あるいは、立ち上がりエッジから、次の立ち下りエッジまでの時間を、パルス間隔として測定してもよい。また立ち上がりエッジから、直後の立ち下りエッジまでの時間を、パルス幅として測定する。タイマー902で測定された、2つのエッジ間の時間は、間隔判定部903に入力される。
間隔判定部903では、パルス間隔の判定を行う。つまり、タイマー902が測定した、パルスの各エッジ間の間隔から、プリアンブルを検出し、基準間隔を求める。
例えば、プリアンブルの検出においては、パルス幅とパルス間隔とが互いに等しい信号が繰り返されている場合において、立ち上がりエッジから、直後の立ち下りエッジまでの時間が、その立ち上がりエッジから、直後の、次の立ち上がりエッジまでの時間の半分になることが検出できる。このようなタイミング関係が、連続して発生する場合には、プリアンブルを検出したとみなすことができる。このときに得られるパルス間隔を、基準間隔として保存する。
なお、より好ましくは、例えば、プリアンブルの期間中に検出されている、パルス幅およびパルス間隔を、それぞれ平均化することで、より精度よく、基準間隔を求めることができる。
プリアンブル検出後には、パルス間隔変調されたパルス列が続くため、入力される受信パルス列の間隔を、基準間隔に基づいて判定していく。例えば、図5に示したパルス列が入力された場合には、そのパルス間隔を示す数値列、(2,19,12,3,2,19)が出力される。
なお、より好ましくは、例えば、パルス検出部901で検出された振幅情報に基づいて、略同一の振幅とみなせるパルス同士の間隔を判定するとよい。例えば、図11の(c)欄のようなパルス列が、パルス検出部901に入力された場合、振幅の大きなパルス同士の間隔を判定した数値列(2,19,12,3)と、振幅の小さなパルス同士の間隔を判定した数値列(16,4,5,11)が出力される。
パルス間隔復調部111が検出(出力)した、パルス間隔を示す数値列が、復号化部112によって復号化される。つまり、例えば、符号化部104で用いた、図6の符号化テーブルを逆引きすることで、情報ビットと、周波数チャネル情報112Iが得られる(算出される)。例えば、パルス間隔数値列(2,19,12,3,2,19)が入力されると、2つずつの組からなるシンボル(2,19)(12,3)(2,19)に分ける。そして、図6の符号化テーブルを参照すると、周波数チャネルCH1のシンボルであることが分かり、ひいては、それぞれの情報ビット0,1,0であることが分かる。このような復号化をすることで、パルス間隔数値列から、周波数チャネル情報112Iと、情報ビットを再生する。
図10は、パルス間隔復調部(パルス間隔検出部)111の別の構成例(パルス間隔復調部111a)を示す図である。
図10において、1001はコンパレータ、1002はマッチドフィルタである。
コンパレータ1001で、所定閾値を超える信号を、パルスと判定し、マッチドフィルタ1002に入力する。
マッチドフィルタ1002は、図6の符号テーブルに基づいたパルス間隔を検出するよう設定しておくことで、受信パルス列と相関の高いパルス間隔、すなわち情報シンボルを検出することができる。
つまり、例えば、マッチドフィルタ1002は、図11の信号11cの各部分のうちから、周波数チャネル等を示す符号(符号61〜符号63)のパターンに該当する部分を検出することにより、その部分が、そのパターンの符号の部分であることを検知してもよい。
なお、あるいは、包絡線検波器803が出力した信号(信号11c)を、一旦メモリなどに蓄積してから、パルス列全体のパルス幅や、パルス間隔の平均を求め、これを基準として、各パルス間の相対的な間隔を、符号テーブルと照らし合わせながら判定して、情報シンボルを再生することもできる。このような復調を行う場合には、基準間隔を伝送しているプリアンブル部を短縮もしくは削除することもでき、通信オーバーヘッドをさらに低減することができる。
このようにして復号化部112よって復号化された、情報ビット列と周波数チャネル情報112Iとは、それぞれ、制御部113に入力される。
制御部113は、入力された情報ビット列が、ウエイクアップ情報22かどうかを判定し、また、これに含まれる宛先ID222が、自局宛とみなせるものかを判定する。
なお、ここで、「自局宛とみなせる」とは、例えば、宛先ID222が、自局のIDと一致する、自局が含まれるグループIDと一致する、ブロードキャストIDと一致する、などを指す。
入力された情報ビット列が、ウエイクアップ情報22であると判定され、かつ、当該ウエイクアップ情報22のFCS223により、情報ビット列が誤りなく復調でき、かつ、当該ウエイクアップ情報22が、含まれる宛先ID222が、自局宛とみなせるウエイクアップ情報22であると判定されれば、データ通信部114を制御部113等が起動する。
また、周波数変換部110に、復号化部112で検出された周波数チャネル情報112Iにより示される周波数チャネルを設定する。例えば、データ通信時には、設定された周波数チャネルだけを受信するように、バンドパスフィルタ801の帯域幅を、データ通信時の変調方式に合わせて切り替える。あるいは、データ通信時においては、OOK以外の変調方式を用いる場合には、周波数変換器として、包絡線検波器803を用いずに、発振器とミキサ(図示せず)を用いた周波数変換器に切り替えるといったことが行える。起動されたデータ通信部114は、周波数変換部110、アンテナ109を介して、無線機101とのデータ通信を行う。
以上説明したようなウエイクアップ信号1Rを用いることによって、ウエイクアップ情報22が符号化された符号が、符号61〜63の何れであるかにより、データ通信がされる周波数チャネル(周波数チャネル情報112I)が示される。そして、これにより、ウエイクアップ情報22と、ウエイクアップ情報22の符号の種類により示される周波数チャネル情報112Iとを、一度に送信することができる。このため、無線機(受信機)102は、自局宛のウエイクアップ信号1Rが、どの周波数チャネルを用いて送信されるかは直接的には分からなくても、適切な動作ができる。つまり、符号化テーブルに基づいて、パルス間隔を復調することにより、復調により特定される符号の種類に基づいて、どの周波数チャネルでウエイクアップ信号1Rが送信されたかを検出することができる。これにより、符号の種類から、間接的に、周波数チャネルが特定される。また、こうして検出された周波数チャネルで、データ通信を行うことで、データ通信時に双方のチャネルを合わせるためのチャネルネゴシエーションをすることが回避されて、チャネルネゴシエーションによるオーバーヘッドを削減することができる。
なお、ウエイクアップ情報(図3のウエイクアップ情報32)に、データ通信に用いる周波数チャネル情報(図3のデータチャネル番号322)を含めるようにしてもよい。この場合、データ通信に用いる周波数チャネルを、ウエイクアップ信号1Rが送信される周波数チャネルとは違う周波数チャネルに指定することも可能となる。例えば、データ通信を、複数の周波数チャネルを束ねて用いる、より広帯域な変調方式で行ったり、あるいは、干渉が少ない周波数チャネルを指定する、チャネルホッピングのような動作にもこれを使うことができる。
こうして、データ通信に用いる周波数チャネルを通知するウエイクアップ通信の消費電力を低減できる通信方法および通信装置が提供される。つまり、複数の周波数チャネルから、データ通信に用いる周波数チャネルを選択して、通信を行う通信方法であって、送信側(親機101)は、通信相手の宛先(宛先ID222)を少なくとも含んだウエイクアップ情報(ウエイクアップ情報22)を、送信する周波数チャネルに割り当てられた符号(例えば符号61)に基づいて、パルス間隔変調で変調したウエイクアップ信号(ウエイクアップ信号1R)を、前記周波数チャネルで(当該周波数チャネルの通信路に)送信し、受信側(子機102)は、前記複数の周波数チャネルの信号を同時に受信し(信号11c)、前記符号に基づいてパルス間隔復調をして、前記ウエイクアップ情報を再生し、前記宛先が自局宛であれば、パルス間隔復調に用いた前記符号(符号61)に基づいて、前記送信された周波数チャネル(CH1)を検出し、データ通信には、前記検出された周波数チャネルを用いる方法が用いられる。
つまり、例えば、次の動作がされてもよい。
すなわち、親機101と、子機102とを含んだシステム1が構築される(図1、12、17など)。
より具体的には、例えば、子機102は、環境における情報(例えば、気温、湿度など)をセンシングしてもよい。そして、子機102と親機101とのデータ通信で、センシングされた情報が通信されてもよい。つまり、システム1は、センサネットワークのシステムでもよい。そして、具体的には、例えば、親機101および子機102の一方または両方は、RFIDでもよい。
さらに具体的には、例えば、システム1は、図17に示されるように、複数の子機102(子機102a〜102c)と、複数の親機101(親機101a〜親機101b)とを含んでもよい。そして、例えば、それぞれの親機101が、それぞれの子機102とデータ通信してもよい。そして、例えば、複数の子機102が、建物における互いに異なる位置に設けられ、それぞれの子機102が、その子機102が設けられた位置における情報(気温等)をセンシングし、センシングされた情報を、それぞれの親機101とデータ通信してもよい。
ここで、それぞれの子機102は、消費する電力が、十分に小さいことが望まれる無線機である。例えば、子機102は、電池により駆動され、当該電池に蓄えられた電力で駆動される駆動時間が、より長いことが望まれる無線機である。
そこで、子機102においては、例えば、データ通信を開始させるウエイクアップ信号1Rが親機101により送信されたか否かが検出され、送信されたことが検出された場合にのみ、この検出のための機能ブロック(例えば、周波数変換部110、パルス間隔復調部111、復号化部112等)以外の他の機能ブロック(例えば、制御部113、データ通信部114)で、消費電力を(多く)消費させ、送信されたことが検出されない通常時には、他の機能ブロックで、消費電力を(多く)消費させなくてもよい。
一方、データ通信に際しては、アンテナ109で受信された、複数の周波数チャネルの高周波信号が含まれる入力信号から、1つの周波数チャネルの、ベースバンド帯の信号(低周波信号)が生成される。
ここで、このような、入力信号からの、1つの周波数チャネルの低周波信号の生成では、不安定な信号が生成されて、不適切な動作が生じるのを回避するために、従来例などにおいては、スーパーへテロダインの構成が用いられる。なお、スーパーへテロダインの構成が用いられなければ、例えば、多くのノイズが含まれる不適切な信号が生成されてしまったり、大きなノイズが含まれる不適切な信号が生成されてしまったりして、不適切な動作が生じる。
そして、従来例では、ウエイクアップ信号1Rが送信されたか否かが検出される際にも、このような、入力信号からの、1つの周波数チャネルの低周波信号の生成が行われる。ここで、低周波信号が生成される1つの周波数チャネルは、例えば、先述された、ウエイクアップ専用の周波数チャネル(周波数Fa)である。また、先述のように、例えば、複数の周波数チャネルのそれぞれについて、その周波数チャネルの低周波信号の生成が行われ、その周波数チャネルでの送信がされたか否かが検出されることもある。
しかしながら、スーパーヘテロダインの構成が用いられると、例えば、1つの周波数チャネルにおける、比較的狭い狭帯域(図4の帯域42)のフィルタが用いられたり、ミキサおよび発振器が用いられたりして、比較的大きな消費電力が消費されてしまう。ここで、例えば、狭帯域(図4の帯域42)のフィルタは、例えば、比較的多くのオペアンプを含むことにより、比較的多くの消費電力を消費してしまう。
このため、従来例では、ウエイクアップ信号1Rが送信されたことの検出の際に、大きな消費電力が消費されて、ひいては、駆動時間が短くなってしまう。
そこで、システム1の第1の通信装置(子機102、図12、図13など)は、例えば、次の動作をしてもよい。
つまり、第1の通信装置は、先述の周波数変換部(周波数変換部110(図13))を備える。
そして、周波数変換部が、アンテナ(図1のアンテナ109)により受信された、複数の周波数チャネルの高周波信号のそれぞれが含まれる入力信号(図13、図14の入力信号110A)から、それぞれの高周波信号で送信される低周波信号(図11の信号11a、信号11b)が何れも含まれる低周波信号(信号11c)を生成してもよい(図16のSb1)。
なお、生成される低周波信号は、例えば、先述のように、複数の周波数チャネルの低周波信号(信号11a、信号11b)が重畳された、それら複数の低周波信号が重なった低周波信号(信号11c)である。
そして、周波数検出部(パルス間隔復調部111)が、生成された前記低周波信号(信号11c)から、複数の前記周波数チャネルのうちの1つの前記周波数チャネル(例えば、CH1(図11の(a)欄を参照))で、前記ウエイクアップ信号(図12のウエイクアップ信号1R)が送信されたか否かを検出してもよい(Sb1)。
そして、先述のデータ通信部(データ通信部114)が、周波数検出部により、こうして、ウエイクアップ信号が送信されたことが検出された場合に、第2の通信装置(親機101)とデータ通信を行い(Sb2)、検出されない場合には、前記データ通信を行わなくてもよい。
なお、例えば、データ通信部114が、送信されたことが検出された場合にのみ、比較的多い消費電力を消費し(Sb2)、送信が検出されない場合には、例えば0などの、比較的少ない消費電力のみを消費してもよい。また、検出されない場合には、スリープ状態が維持されてもよい。
すなわち、周波数変換部(周波数変換部110)により生成される低周波信号(信号11c)は、スーパーヘテロダインの方式が用いられずに生成される信号であり、スーパーヘテロダインの方式で生成される場合に消費される消費電力よりも少ない消費電力のみの消費により生成される信号である。
そして、具体的には、例えば、周波数変換部(周波数変換部110)が、前記入力信号(入力信号110A)を、前記複数の周波数チャネル(図4の帯域41)にフィルタリングするバンドパスフィルタ(図14のバンドパスフィルタ801)と、フィルタリングされた信号を増幅する増幅器(増幅器802)と、増幅された信号を包絡線検波することにより、複数の前記周波数チャネルの前記低周波信号(信号11a、信号11b)が何れも含まれる前記低周波信号(信号11c)として、前記包絡線検波で得られる低周波信号(信号11c)を生成する包絡線検波器(包絡線検波器803)とを備えてもよい。これにより、前記入力信号から当該低周波信号(信号11c)が生成されるのに際して、スーパーヘテロダイン方式で当該低周波信号が生成される場合に消費される消費電力よりも少ない消費電力が消費されてもよい。
これにより、ウエイクアップ信号1Rが送信されたか否かの検出に際して、少ない消費電力が消費され、ひいては、通信装置の駆動時間が長くできる。
つまり、消費電力の低減(長い駆動時間)が実現できる。
しかも、それら複数の周波数チャネルのうちの1つで、ウエイクアップ信号1Rが送信される複数の周波数チャネル(図4)に含まれる周波数チャネルの個数が多い場合でも(例えば、24個でも)、単に、複数の周波数チャネルの低周波信号が重畳された、1つの低周波信号(信号11c)が生成されるだけで、多くの信号が生成されない。このため、周波数チャネルの個数が多くても、消費電力が少ないことが維持され、確実に、消費電力が少なくできる。
なお、パルス間隔復調部111は、複数の周波数チャネルのうちの、何れの周波数チャネルでウエイクアップ信号1Rが送信された場合にも、送信がされたことを検出してもよい。
これにより、複数の周波数チャネルのうちから、親機101等により選択された、通信の品質が高い周波数チャネルなどの適切な周波数チャネルで、ウエイクアップ信号1Rが送信され、確実に、適切な周波数チャネルで送信ができる。
具体的には、例えば、品質が高い周波数チャネルとして、ウエイクアップ信号1Rの送信以外の他の通信がされない周波数チャネルが選択されてもよい。
これにより、ウエイクアップ専用の周波数チャネル(先述の周波数Fa)が設けられず、他の通信がされない周波数チャネルが変化する場合でも、変化した後の適切な周波数チャネルが選択されて、確実に、適切な周波数チャネルが選択される。つまり、容易かつ確実に、適切な周波数チャネルで、ウエイクアップ信号1Rの送信ができる。
そして、より具体的には、例えば、データ通信部(データ通信部114)が、前記ウエイクアップ信号が送信されたことが検出された場合に、検出がされた当該ウエイクアップ信号の前記間隔(図12の間隔1Ra、1Rb(間隔1Rx))により示される前記周波数チャネルで、前記データ通信を行ってもよい。
なお、ウエイクアップ信号に含まれる2つのパルスの間の間隔(図6の符号61の2など、間隔1Rx)は、そのウエイクアップ信号の周波数チャネル(例えば、CH1)以外の、何れの他の周波数チャネル(CH2、CH3)でのウエイクアップ信号での2つのパルスの間の間隔(符号62および符号63での間隔、例えば、(5、11)における11など)とも異なってもよい。なお、符号における2つのパルスの間隔のみが、この通りで、先述されたプリアンブル部の2つのパルスの間隔は、この通りでなくてもよい。
そして、第2の通信装置(親機101)において、次の動作が行われてもよい。
つまり、間隔制御部(パルス間隔変調部105)が、上述された、複数の周波数チャネル(図4)のうちの1つの周波数チャネルで、ウエイクアップ信号1Rを、子機102に送信させてもよい(Sa1)。
そして、データ通信部(データ通信部108)が、ウエイクアップ信号1Rが送信された場合に、送信された子機102とデータ通信を行う(Sa2)。
そして、より具体的には、例えば、第2の通信装置が、前記複数の周波数チャネルから、前記ウエイクアップ信号1Rを送信させる1つの周波数チャネルを選択し、選択された前記1つの周波数チャネルで、当該ウエイクアップ信号1Rを送信させる制御部(制御部103)を備えてもよい。
これにより、ウエイクアップ信号1Rの送信される周波数チャネルが1個であるにも関わらず、比較的確実に、適切な周波数チャネルでの送信ができる。
そして、例えば、さらに具体的には、当該制御部が、第3の通信装置(当該第2の通信装置(例えば、図17の親機101a)とは異なる他の通信装置(例えば、親機101b))により通信に用いられる、当該第3の通信装置により送信されるウエイクアップ信号により示される周波数チャネル以外の他の周波数チャネルを選択してもよい。
また、第3の通信装置のウエイクアップ信号により示される、当該第3の通信装置により、適切と判定された周波数チャネルと同じ周波数チャネルが選択されてもよい。
こうして、他の親機101bのウエイクアップ信号から特定される周波数チャネルが選択されてもよい。
これにより、簡単かつ確実に、適切な周波数チャネルが選択できる。
なお、例えば、具体的には、子機102の周波数変換部110により生成される、複数の周波数チャネルの低周波信号(信号11a、信号11b)が重畳された低周波信号(信号11c)は、その低周波信号(信号11c)から、上述された、それぞれの周波数チャネルの低周波信号(信号11a、信号11b)が特定される信号である。ここで、それぞれの周波数チャネルの低周波信号が特定されるとは、具体的には、例えば、その低周波信号のプリアンブル部21、宛先ID222、それらが符号化された符号の種類(符号61等)などの、その低周波信号の各情報が特定されることをいう。
なお、重畳された低周波信号(信号11c)に含まれる、ウエイクアップ信号1Rが送信された周波数チャネル(例えばCH1)の低周波信号(信号11a)は、含まれる何れの他の周波数チャネルの低周波信号(信号11bなど)の振幅とも異なる振幅でもよい(図11の信号11cにおける、CH1の振幅を参照)。
なお、ウエイクアップ信号1Rの送信がされた周波数チャネル(例えばCH1)の低周波信号(信号11a)の振幅は、例えば、複数の振幅のうちの、親機101により送信がされる電力に対応する振幅でもよい。
そして、重畳された低周波信号(信号11c)のうちの、当該電力に対応する振幅などの、所定の振幅の部分が、ウエイクアップ信号1Rの低周波信号(信号11a)として、パルス間隔復調部111により検出されてもよい。
なお、ウエイクアップ信号1Rにより、データ通信がされる周波数チャネルが示されてもよい。例えば、ウエイクアップ信号1Rが符号化された符号の種類(符号61〜符号63)により周波数チャネルが示されてもよいし、ウエイクアップ信号1Rに含まれるデータチャネル番号322(図3)により周波数チャネルが示されてもよい。
そして、子機102のデータ通信部114が、送信されたウエイクアップ信号1Rにより示される周波数チャネル(CH1)が設定された周波数変換部110を用いるなどにより、その周波数チャネルでのデータ通信が行われてもよい。
また、子機102は、電池の電力で駆動されるリモコンに設けられる無線機でもよい。そして、親機101は、例えばテレビなどの、そのリモコンにより動作が制御される装置に設けられる無線機でもよい。そして、テレビの側から、リモコンの側にウエイクアップ信号1Rが送信された場合に、それら2つの無線機の間でデータ通信がされてもよい。
このように、親機101では、パルス間隔変調部105などの複数の構成が組み合わされる。これにより、組み合わせによる相乗効果が生じる。また、子機102でも、パルス間隔復調部111などの複数の構成が組み合わさられて、相乗効果が生じる。親機101および子機102のそれぞれは、これらの、構成、作用、効果の点において、従来例とは相違する。
以上、本発明を実施した際における、具体的な形態の例を説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく種々変形して実施可能であり、上述した各実施例を適宜組み合わせることが可能である。
なお、実施形態にかかる各構成は、集積回路であるLSIとして実現されてもよい。これらの構成は、1チップ化されてもよい。つまり、例えば、一部または全てを含むように、1チップ化されてもよい。ここでは、LSIといったが、集積度の違いによっては、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと称呼されることもある。また、集積回路化の手法は、LSIの手法に限られるものではなく、専用回路または汎用プロセッサで集積回路化を行ってもよい。また、LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable GateArray)や、LSI内部の回路セルの接続や、設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを用いてもよい。あるいは、これらの機能ブロックの演算は、例えばDSPやCPUなどを用いて演算することもできる。さらに、これらの処理ステップの処理を、プログラムとして記録媒体に記録して、記録されたプログラムを実行することで、その処理をすることもできる。
さらには、半導体技術の進歩または、派生する別技術により、LSIに置き換わる集積回路かの技術が登場すれば、当然、その技術を用いて、機能ブロックを集積化してもよい。バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
なお、単なる細部については、如何なる形態が採られてもよい。つまり、例えば、細部においては、上述された形態とは異なる形態が採られてもよいし、細部において、公知の技術が付け加えられてもよいし、細部に、改良発明が付け加えられてもよいし、他の形態が採られてもよい。何れのケースのシステムでも、本発明が適用される限り、本システム1の範囲に属する。
また、互いに、遠く離れた箇所に記載された複数の技術事項が、適宜、組み合わせられた形態が構築されてもよい。
また、上述のそれぞれの工程を含んだ方法が構築されてもよいし、上述のそれぞれの機能を実現するためのコンピュータプログラムが構築されてもよいし、そのコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体が構築されてもよいし、それぞれの機能を備える集積回路が構築されてもよい。
本技術は、複数の周波数チャネルを使用し、通信頻度が少なく、受信待ち受け時間が非常に長いが、低消費電力が要求される通信(例えばRFIDや無線センサネットワーク、無線リモコンなど)を行う通信機器一般に、広く適用することができる。
1R ウエイクアップ信号
11c 信号
101 無線機
102 無線機
103、113 制御部
104 符号化部
105 パルス間隔変調部
106、110 周波数変換部
107、109 アンテナ
108、114 データ通信部
111 パルス間隔復調部
112 復号化部
本発明は、複数の周波数チャネルから、通信に用いるチャネルを選択し、通信相手を起動するウエイクアップ信号を送信する無線通信方法およびその装置に関する。
近年、RFID(Radio Frequency Identification)や無線センサネットワークなど、小容量のデータを、少ない頻度(数百msec〜数時間間隔)で通信する無線通信システムが注目されている。これらの無線通信システムでは、無線通信装置自体が小型であり、電池で駆動されるが、長寿命(数ヶ月〜数年)が求められる。起動時間のうちのほとんどが、受信待ち受け時間であるため、超低消費電力な無線通信装置が求められる。
受信待ち受け時の消費電力を低減する技術として、省電力の、起動(ウエイクアップ)用無線装置と、省電力の、データ通信用の無線装置とを組み合わせるものがある。例えば特許文献1では、ウエイクアップ用の周波数Faと、データ通信用の周波数Fgを用い、これを分けるフィルタを備え、周波数Faのウエイクアップ信号を検出したら、データ通信用の無線部を起動する技術が記載されている。
また、送受信にかかる消費電力が少ないOOK(On Off Keying)変調信号を用いて、データ通信に使用する周波数チャネルを通知する技術として、特許文献2があった。特許文献2では、ウエイクアップ信号をOOK変調して、互いに異なる複数の周波数のうちのそれぞれで、同時に送信し、受信側ではそれぞれの周波数毎に復調を行い、ウエイクアップ信号の受信に成功した周波数で、データ通信を行う技術が記載されている。
米国特許第6920342号明細書
特開2007−173904号公報
複数の周波数チャネルが利用できる無線通信システムにおいて、データ通信に用いる周波数チャネルを相互に通知するには、チャネルサーチやネゴシエーションを行う必要があり、これらの同期に、時間と消費電力がかかっていた。また、データ通信の頻度が、非常に少ない無線通信システムにおいては、通信相手と、起動時間を同期するためのオーバーヘッドに、消費電力がかかっていた。前記先行技術に記載されている、受信待ち受け時の消費電力を削減できるウエイクアップ用無線装置を用いても、ウエイクアップ専用の周波数チャネルを設けるため、周波数の利用効率が低減する。また、専用周波数チャネル検出のための、狭帯域フィルタ手段や、周波数変換器が必要であり、回路コストや消費電力を低減することが難しいという課題を有していた。つまり、狭帯域での検出がされると、スーパーヘテロダインの構成が必要になり、比較的省電力である、狭帯域のフィルタ、ミキサ、および発振器などが必要になり、回路コストが高くなったり、消費電力が大きくなってしまったりする。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ウエイクアップ専用の周波数チャネルを設けることなく、複数の周波数チャネルから、データ通信に用いる周波数チャネルを通知して、ウエイクアップ信号を通信し、消費電力を低減できる無線通信方法および無線通信装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の第1の通信装置は、データ通信を行うデータ通信部と、複数の周波数チャネルの信号が同時に受信された信号(図11〜図14の信号11c等を参照)から、1の前記周波数チャネルにおけるウエイクアップ信号の2つのパルスの時刻の間の間隔(図12の間隔1Rx、図6等参照)により示される周波数チャネル(図1、図12〜図13の周波数チャネル情報112I等を参照)を検出し、前記データ通信部に、検出された前記周波数チャネルで前記データ通信をさせる周波数検出部とを備える通信装置である。
なお、例えば、複数の周波数チャネルの信号が同時に受信された信号の帯域(図4の帯域41を参照)は、ウエイクアップ信号が送信される、上述された1の周波数チャネルの帯域などの、1つの周波数チャネルでの帯域(帯域42を参照)よりも広い帯域である。このため、狭い帯域(帯域42を参照)での受信がされて、スーパーヘテロダインを用いる必要が生じ、受信における消費電力が、大きくなってしまったり、受信のための構成が複雑になってしまったりすることが回避され、消費電力が小さくでき、また、構成が簡単にできる。
また、第2の通信装置は、複数の周波数チャネルから選択された周波数チャネルにより、当該第2の通信装置とは異なる第1の通信装置とデータ通信を行うデータ通信部と、それら2つのパルスの時刻の間の間隔が、選択された前記周波数チャネルを示す2つのパルスが含まれるウエイクアップ信号を前記第1の通信装置に送信させる間隔制御部とを備える通信装置である。
これにより、第1の通信装置において、消費電力が小さくされたり、構成が簡単にされたりするにも関わらず、消費電力が小さくされるなどした第1の通信装置に適する、適切な信号が送信され、第1の通信装置における動作が、確実に、適切な動作にできる。
本発明によれば、周波数チャネルの違いを、符号とパルス間隔に置き換えて送信することで、受信時に、他の周波数チャネルの信号と重畳されても、パルス間隔と符号とから、どの周波数チャネルで送信されたかを検出することができる。これにより、周囲の電波状況に応じた周波数チャネルについて、送信側および受信側の間で、チャネルサーチやネゴシエーションすることなく選択し、ウエイクアップ信号を通信することができる。また、パルス間隔に特徴を持たせることで、複数チャネルの重なりを許容でき、無信号となる区間が増えることから、送信にかかる消費電力も削減することができる無線通信装置を提供することができる。
すなわち、スーパーヘテロダインが用いられず、消費電力が少なくできる。しかも、スーパーヘテロダインが用いられないにも関わらず、受信の帯域(図4の帯域41、帯域42参照)が、比較的広い帯域(帯域41)のため、不適切な信号(例えば、多くのノイズが含まれる信号、大きなノイズが含まれる信号等)が生成されてしまわず、適切な信号が生成できる。つまり、適切な信号に基づいた、適切な動作が維持できる。しかも、単なる、パルスの間隔が用いられるだけのため、構成が簡単にできる。つまり、小さな消費電力と、適切な動作と、簡単な構成とが両立できる。
図1は、実施の形態にかかる通信装置の構成を示すブロック図である。
図2は、ウエイクアップパケットの一例を示す図である。
図3は、ウエイクアップパケットの他の一例を示す図である。
図4は、周波数チャネルの一例を示す図である。
図5は、パルス間隔変調信号の一例を示す図である。
図6は、パルス間隔符号の一例を示す図である。
図7は、無線機の構成の一例を示すブロック図である。
図8は、無線機の構成の一例を示すブロック図である。
図9は、パルス間隔復調部の一例を示すブロック図である。
図10は、パルス間隔復調部の他の一例を示すブロック図である。
図11は、包絡線検波出力の一例を示す図である。
図12は、親機および子機を示す図である。
図13は、子機を示す図である。
図14は、子機を示す図である。
図15は、親機を示す図である。
図16は、システムのフローチャートである。
図17は、システムを示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
実施形態の第1の通信装置(図12、図1等の子機102)は、データ通信を行うデータ通信部(データ通信部114)と、複数の周波数チャネル(図4)の信号が同時に受信された信号(図13、図11等の入力信号110A)から、1の前記周波数チャネルにおけるウエイクアップ信号(ウエイクアップ信号1R、図5の信号51s)の2つのパルスの時刻の間の間隔により示される周波数チャネル(周波数チャネル情報112I:図13)を検出し、前記データ通信部に、検出された前記周波数チャネルで前記データ通信をさせる周波数検出部(パルス間隔復調部111)とを備える通信装置である。
また、第2の通信装置(親機101)は、複数の周波数チャネルから(制御部103により)選択された周波数チャネルにより、当該第2の通信装置とは異なる第1の通信装置(子機102)とデータ通信を行うデータ通信部(データ通信部108)と、それら2つのパルスの時刻の間の間隔が、選択された前記周波数チャネルを示す2つのパルスが含まれるウエイクアップ信号(図11の信号11a等)を前記第1の通信装置に送信させる間隔制御部(パルス間隔変調部105)とを備える通信装置である。
つまり、例えば、複数の周波数チャネルの信号が同時に受信された信号とは、複数の周波数チャネルの高周波信号が含まれる入力信号(図13の入力信号110A参照)から周波数変換部110(図13等)により生成された、それぞれの周波数チャネルの低周波信号が含まれる低周波信号(図11の信号11c)である。そして、生成された、この低周波信号から、1の周波数チャネルで、上記間隔の2つのパルスが含まれるウエイクアップ信号が送信されたか否かがパルス間隔復調部111により検出される。そして、送信されたことが検出される場合にデータ通信がされる。
このため、比較的狭い狭帯域(図4の帯域42)での受信がされず、スーパーヘテロダインの構成が不要になるなどして、消費電力が小さくできる。そして、単に、適切な周波数チャネルを示す間隔を有する2つのパルスが含まれるウエイクアップ信号1Rの送信だけで、簡単な構成により、適切な周波数チャネルでのデータ通信ができる。このため、消費電力の低減と、簡単な構成とが両立できる。
以下、詳しく説明される。
図1は、通信装置(システム1)のブロック図である。
図1において、101は、ウエイクアップ送信を行う無線機(親機)、102は、ウエイクアップ受信を行う無線機(子機)である。
無線機101において、103は制御部、104は符号化部、105はパルス間隔変調部、106は周波数変換部、107はアンテナ、108はデータ通信部である。
また、無線機102において、109はアンテナ、110は周波数変換部、111はパルス間隔復調部、112は復号化部、113は制御部、114はデータ通信部である。
無線機102は、常時、受信待ち受け状態にあり、無線機101から送信されるウエイクアップ信号1Rを受信、復調し、復調されたウエイクアップ信号1Rが、自局(無線機102)宛の信号であれば、データ通信部114を起動して、データ通信を行う。そして、データ通信が終了した後、データ通信部114をスリープさせて、消費電力を削減しつつ、ウエイクアップ信号1Rの受信を待つ受信待ち受け状態に戻る。無線機102は、これらの動作を繰り返す。
図4は、通信装置が利用する周波数チャネルの一例を示す図である。
図4において、横軸は周波数を表し、縦向きの矢印は、周波数チャネルの中心周波数を示す。ここでは、3つのチャネル(周波数チャネル)CH1、CH2、CH3が予め決められているものとする。各チャネルは、それぞれ、予め決められたチャネル帯域幅を持ち、それぞれのチャネルでの通信では、そのチャネルのチャネル帯域幅内で無線通信を行う。
なお、例えば、日本の950MHz帯などでは、チャネル帯域幅200kHzのチャネルを24チャネル分利用することができる。
つまり、通信装置は、これらの複数の周波数チャネルの中から、自通信に利用する周波数チャネルを選択し、送受信の双方で、設定される周波数チャネルを互いに一致させて、通信を行う。本通信装置では、ウエイクアップ信号およびデータ通信信号の送受信を、これらの周波数チャネルを用いて行う。なお、ウエイクアップ信号およびデータ通信信号は、パケットとよばれる単位で送受信される。
なお、利用される複数の周波数チャネルのうちに含まれる周波数チャネルの個数は、上述のように、例えば、24個でもよいし、図4に表されるCH1〜CH3のように、3個でもよいし、他の個数であってもよい。図4では、模式的に、3つの周波数チャネルが存在するケースが例示される。
図2は、本通信装置にかかるウエイクアップパケット2の一例を示す図である。
ウエイクアップパケット2は、送受信器の同期をとるためのプリアンブル部21と、ウエイクアップ情報(ウエイクアップ情報部)22からなる。
プリアンブル部21は、送受信器間の周波数および時間同期をとるための信号であり、例えば、1,0を繰り返す波形と、パケットの検出をするためのユニークワードなどが用いられた部分である(図5等参照)。
ウエイクアップ情報22は、ウエイクアップさせる無線機(子機102)に対する情報をのせる部分であり、制御パラメータ221、宛先ID222、FCS(Frame Check Sequence)223からなる。
制御パラメータ221は、ウエイクアップ情報22の長さや変調方式、制御コマンド種別など、ウエイクアップパケット2の変復調や種類を示す情報を含む。
宛先ID222は、ウエイクアップパケット2の宛先を示す情報を含む。
なお、具体的には、例えば、複数の無線機の中から、1台の無線機だけをウエイクアップさせる場合には、ウエイクアップさせる、その機器のIDを、宛先ID222に含めればよい。あるいは、ある特定のグループの、2以上の無線機(例えば、図17の子機102aおよび子機102b)をそれぞれウエイクアップさせる場合には、それらの2以上の無線機が構成するグループを特定するグループIDを含めるようにしてもよい。あるいは、当該パケットを受信した全ての無線機(例えば、図17の子機102a〜102c)をウエイクアップさせる場合には、ブロードキャストIDを含めるようにしてもよい。また、宛先ID222には、複数のIDを含めてもよいし、送信元(親機101)のIDを含めるようにしてもよい。
FCS223は、ウエイクアップ情報22の復調結果に誤りがないかを検出するビット列であり、例えば、CRC符号などの誤り検出符号を用いることができる。
受信側(子機102)では、このようなウエイクアップパケット2を受信、復調し、FCS223によって、復調誤りがないことを検出できれば、ウエイクアップ情報22に基づいて、受信側(子機102)の動作の制御を行う。
このような、ウエイクアップパケット2の送信および受信について、図1を用いて、詳細に説明する。
制御部103は、無線機102とのデータ通信を無線機101が行うことを判断すると、ウエイクアップ情報22のビット列を生成し、生成されたビット列を、符号化部104に入力する。
また、制御部103は、どの周波数チャネルで通信を行うかを決定し、決定された周波数チャネルを示す周波数チャネル情報103Iを、符号化部104と、周波数変換部106にそれぞれ入力する。
符号化部104は、制御部103から入力されるウエイクアップ情報22のビット列(ウエイクアップ情報104Ia)を、制御部103により入力された周波数チャネル情報103Iに基づいて、当該周波数チャネル情報103Iにより示される周波数チャネルに対応する符号(図6参照)で符号化する。ここで、周波数チャネルに対応する符号は、以下の通りである。
図6は、符号化に用いるテーブルの一例(テーブル6)を示す図である。
図6において、周波数チャネルCH1での通信においては、情報ビット0を、シンボル(2,19)で表し、情報ビット1を、シンボル(12,3)で表すよう、符号化する例を示している(第1の方式)。以下、同様にして、周波数チャネルCH2での通信においては、情報ビット0は、シンボル(16,4)、情報ビット1は、シンボル(5,11)と符号化する(第2の方式)。周波数チャネルCH3での通信においては、情報ビット0は、シンボル(6,13)、情報ビット1は、シンボル(7,10)と符号化する(第3の方式)。このようにして符号化されたウエイクアップ情報22は、パルス間隔変調部105に入力される。
つまり、例えば、符号化部104は、複数の方式の符号(符号61〜符号63)のうちで、制御部103により決定された周波数チャネル(例えば、CH1)に対応する符号(符号61)で、制御部103により生成された、ウエイクアップ情報22のビット列を符号化する。
なお、後で詳述されるように、例えば、子機102の復号化部112は、符号から、その符号に対応する周波数チャネルを、データ通信がされる周波数チャネルとして特定してもよい。
図5は、パルス間隔変調部105によるパルス間隔変調信号の一例(信号51s)を示す図である。
図5において、横軸は時間を示し、501はパルスを示す。パルス間隔変調では、各パルス間の間隔と、情報ビットを対応させることで、変調を行う。
パルス間隔変調部105は、符号化部104からの入力が始まると、まずプリアンブル部(図5の「preample」の部分を参照)を出力する。プリアンブル部は、所定の間隔、例えば、図6の例では、パルス501と同じ幅を持つ間隔(これを基準間隔とし、1とする)で、所定回数パルスを繰り返すことで、生成される。
プリアンブル部に続けて、ウエイクアップ情報22のパルス間隔変調を行う。ここでは、符号化部104で符号化された情報を、パルス間隔に置き換えて、パルスを発生する。図5では、周波数チャネルCH1での通信を行う場合を示し、ビット列0,1,0を送信する場合において、符号化部104は、図6の符号化テーブル(符号テーブル)に基づいて、このビット列を、(2,19)、(12,3)、(2,19)へと符号化する。
パルス間隔変調部105は、これに基づいた間隔でパルスを生成し、プリアンブル部で生成される基準間隔1に対して、間隔2と間隔19で並ぶ3つのパルスによるパルス列でビット0を示し、間隔12と間隔3で並ぶ3つのパルスのパルス列でビット1を示す。
このようにして、ウエイクアップ情報22のビット列を、周波数チャネルに応じたパルス間隔(間隔51sa等)に符号化して、パルス間隔変調信号(信号51s)を生成する。周波数チャネル毎に、パルス間隔の規則(符号化テーブルにおける、その周波数チャネルに対応する符号(符号61〜符号63))が変えてあるため、受信側で、複数の周波数チャネルのパルスが重なって検出されても、この符号化テーブルに基づいて、パルス間隔復調を行えば、周波数チャネルを分離して、情報ビットを再生することができる。
なお、各ビットを表すシンボル(符号)のシンボル長は、ビット毎に同じであってもよいし、異なっていてもよい。例えば、図6の例では、ビット0は(2,19)で表されるため、シンボル長は、パルス長を除くと、2+19=21となる。そして、ビット1は、(12,3)で表されるため、シンボル長は、パルス長を除くと、12+3=15となる。このように、シンボル長が異なる場合においては、例えば、情報ビットの1,0に偏りがある場合には、出現確率が多い方のビット列に、短いシンボル長を割り当てることで、パケット長を短くすることもできる。
あるいは、周波数チャネルの状態、例えば、収容局数が多い周波数チャネルでは、短いシンボル長の符号を割り当てることで、時間利用効率を高めるといったこともできる。また、各ビットを表すシンボル長が互いに同じである場合には、パルス位置変調と同様の変復調処理とすることもできる。パルス間隔を決める符号には、種々の符号を用いることができ、例えば、PN系列やM系列などの擬似ランダム系列を用いてもよい。あるいは、符号間の相互相関性が低いWalsh符号やGold符号などに基づいた符号を用いてもよい。より好ましくは、符号間の相互相関性が低く、任意の時間シフトに対して、弁別性が高い符号を用いることで、受信側でパルスが重なって検出された場合でも、シンボルの分離および周波数チャネルの分離が、より精度よく行える。
パルス間隔変調部105が出力するパルス列(信号51s)は、周波数変換部106に入力され、高周波の無線信号に変換され、アンテナ107から送信される。
図7は、周波数変換部106のブロック構成の一例を示す図である。
図7において、703は発振器、704はスイッチ、705は増幅器、706はバンドパスフィルタであり、その他は、図1と同じ符号なので、詳しい説明を省略する。
制御部103からの周波数チャネル情報103Iに基づいて、発振器703は、周波数チャネル情報103Iにより示される周波数チャネルの高周波搬送波信号を発生する。発振器703で発生した高周波搬送波信号は、スイッチ704に入力される。
スイッチ704は、パルス間隔変調部105が出力するパルス列に応じて、スイッチをオン、オフすることにより、OOK変調を行い、高周波信号を生成する。OOK変調された高周波信号は、増幅器705で増幅され、バンドパスフィルタ706で、チャネル帯域以外の不要信号を取り除いて、アンテナ107から送信される。
なお、図7の例では、発振器703の出力を、スイッチ704でOOK変調する構成を示したが、他の構成も用いることができる。例えば、発振器703自体を、オン、オフしてもよいし、あるいは、増幅器705を可変増幅器に変えて、増幅率を、パルス列に応じて変化させることでも実現できる。あるいは、OOK変調に限らず、FSK変調やPSK変調などの他の変調方式も用いることができる。
このようにして送信されたウエイクアップ信号を受信する無線機(受信機)102の動作について、以下で詳細に説明する。
アンテナ109で受信された信号は、周波数変換部110で、高周波信号から、後段の信号処理に適した周波数帯の信号に変換される。なお、この変換については、後述の図8などで、詳しく説明される。
ここでは、OOK変調されている高周波信号の包絡線検波をすることで、ベースバンド帯の受信パルス列に変換する。
受信パルス列は、パルス間隔復調部111によりパルス間隔復調がされることにより、パルス間隔で示される受信シンボル列に変換される。受信シンボル列は、復号化部112により、符号化テーブルに基づいて復号化され、情報ビット列と、周波数チャネル情報112I(周波数チャネル情報103I)とに変換される。なお、変換された周波数チャネル情報112Iは、親機101の周波数チャネル情報103Iの周波数チャネルと同じ周波数チャネルを示す。
復号化された情報ビット列は、制御部113に入力される。
そして、入力された情報ビット列のウエイクアップ情報22が、自局宛のウエイクアップ情報22であるかを、制御部113が判定する。制御部113は、自局宛のウエイクアップ情報22であった場合には、復号化部112からの周波数チャネル情報112Iに基づいて、当該周波数チャネル情報112Iにより示される周波数チャネルに、周波数変換部106の周波数チャネルを設定し、データ通信部114を起動する。
データ通信部114は、制御部113が設定した周波数チャネルを用いて、周波数変換部110、アンテナ109を介して、無線機101とのデータ通信を開始する。
図8は、周波数変換部110のブロック構成の一例を示す図である。
図8において、801はバンドパスフィルタ、802は増幅器、803は包絡線検波器(Envelope Detector)であり、その他は、図1と同じ符号であるので、詳しい説明を省略する。
無線機(受信機)102は、自局宛のウエイクアップ信号(信号51sの高周波信号)が、どの周波数チャネルを用いて送信されるかは分からない。そのため、周波数変換部110は、複数の周波数チャネルが同時に受信できるように設定される。例えば、バンドパスフィルタ801は、図4に示される周波数チャネルCH1,CH2,CH3が全て受信できるように、通過帯域幅を、チャネル帯域幅(図4の帯域42)の3倍(帯域41)とするように設定される。つまり、無線機102でのフィルタリングの帯域41は、従来例における、1チャネルの、比較的狭い帯域42の3倍の、比較的広い広帯域である。
バンドパスフィルタ801を通過した3チャネル分の高周波信号は、増幅器802で増幅され、包絡線検波器803で包絡線検波される。つまり、OOK変調されている受信信号は、包絡線検波により、ベースバンド帯域の信号(図11の信号11c)に周波数変換され、パルス列に変換される。ここで、包絡線検波の周波数特性により、3チャネル分の高周波信号は、ベースバンド帯域に重畳されて、変換される。
こうして、CH1〜CH3の高周波信号が含まれる、周波数変換部110への入力信号110A(図13)が、それぞれの高周波信号で送信される低周波信号が何れも含まれ、それら複数の低周波信号が含まれる信号11c(図13、図11)に変換される。
なお、このとき、異なる送信機、異なるチャネルから到来した複数の信号(図11の信号11a、信号11b)は、受信レベルが互いに異なるため、包絡線の振幅レベルも異なることから、変換されたパルス列のパルス振幅も異なる。この点に関して、後で詳述される。
図11は、包絡線検波出力の一例を示す図である。
図11において、横軸は時間を、縦軸は振幅を示し、四角はパルスを模式的に示している。図11の(a)の信号は、チャネルCH1で送信された信号(信号11a)、図11の(b)欄の信号は、チャネルCH2で送信された信号(信号11b)とする。これら、2つの信号(の各高周波信号が含まれる高周波信号)が、無線機(受信機)102の包絡線検波器(検波部)803に入力されると、その出力は、図11の(c)欄のようになり、振幅の異なる受信パルス列が重畳される(信号11c)。
包絡線検波器803の出力(信号11c)は、パルス間隔復調部111に入力され、各々のパルスの間のパルス間隔が検出される。
図9は、パルス間隔復調部111のブロック構成の一例を示す図である。
図9において、901はパルス検出部、902はタイマー、903は間隔判定部である。
パルス検出部901は、入力されたパルス列(信号11c)の振幅変化を検出し、振幅情報とエッジ情報を出力する。ここで、振幅情報としては、例えば、パルスのピーク振幅などを用いることができる。エッジ情報としては、振幅値が、所定の閾値を超えた時点(立ち上がりエッジ)や、振幅値が、所定の閾値を下回った時点(立ち下りエッジ)のタイミング情報を用いることができる。パルス検出部901が検出したパルスのエッジ情報は、タイマー902に入力される。
タイマー902は、2つのエッジの間の時間を測定する。例えば、立ち上がりエッジから、次の立ち上がりエッジまでの時間を、パルス間隔として測定する。あるいは、立ち上がりエッジから、次の立ち下りエッジまでの時間を、パルス間隔として測定してもよい。また立ち上がりエッジから、直後の立ち下りエッジまでの時間を、パルス幅として測定する。タイマー902で測定された、2つのエッジ間の時間は、間隔判定部903に入力される。
間隔判定部903では、パルス間隔の判定を行う。つまり、タイマー902が測定した、パルスの各エッジ間の間隔から、プリアンブルを検出し、基準間隔を求める。
例えば、プリアンブルの検出においては、パルス幅とパルス間隔とが互いに等しい信号が繰り返されている場合において、立ち上がりエッジから、直後の立ち下りエッジまでの時間が、その立ち上がりエッジから、直後の、次の立ち上がりエッジまでの時間の半分になることが検出できる。このようなタイミング関係が、連続して発生する場合には、プリアンブルを検出したとみなすことができる。このときに得られるパルス間隔を、基準間隔として保存する。
なお、より好ましくは、例えば、プリアンブルの期間中に検出されている、パルス幅およびパルス間隔を、それぞれ平均化することで、より精度よく、基準間隔を求めることができる。
プリアンブル検出後には、パルス間隔変調されたパルス列が続くため、入力される受信パルス列の間隔を、基準間隔に基づいて判定していく。例えば、図5に示したパルス列が入力された場合には、そのパルス間隔を示す数値列、(2,19,12,3,2,19)が出力される。
なお、より好ましくは、例えば、パルス検出部901で検出された振幅情報に基づいて、略同一の振幅とみなせるパルス同士の間隔を判定するとよい。例えば、図11の(c)欄のようなパルス列が、パルス検出部901に入力された場合、振幅の大きなパルス同士の間隔を判定した数値列(2,19,12,3)と、振幅の小さなパルス同士の間隔を判定した数値列(16,4,5,11)が出力される。
パルス間隔復調部111が検出(出力)した、パルス間隔を示す数値列が、復号化部112によって復号化される。つまり、例えば、符号化部104で用いた、図6の符号化テーブルを逆引きすることで、情報ビットと、周波数チャネル情報112Iが得られる(算出される)。例えば、パルス間隔数値列(2,19,12,3,2,19)が入力されると、2つずつの組からなるシンボル(2,19)(12,3)(2,19)に分ける。そして、図6の符号化テーブルを参照すると、周波数チャネルCH1のシンボルであることが分かり、ひいては、それぞれの情報ビット0,1,0であることが分かる。このような復号化をすることで、パルス間隔数値列から、周波数チャネル情報112Iと、情報ビットを再生する。
図10は、パルス間隔復調部(パルス間隔検出部)111の別の構成例(パルス間隔復調部111a)を示す図である。
図10において、1001はコンパレータ、1002はマッチドフィルタである。
コンパレータ1001で、所定閾値を超える信号を、パルスと判定し、マッチドフィルタ1002に入力する。
マッチドフィルタ1002は、図6の符号テーブルに基づいたパルス間隔を検出するよう設定しておくことで、受信パルス列と相関の高いパルス間隔、すなわち情報シンボルを検出することができる。
つまり、例えば、マッチドフィルタ1002は、図11の信号11cの各部分のうちから、周波数チャネル等を示す符号(符号61〜符号63)のパターンに該当する部分を検出することにより、その部分が、そのパターンの符号の部分であることを検知してもよい。
なお、あるいは、包絡線検波器803が出力した信号(信号11c)を、一旦メモリなどに蓄積してから、パルス列全体のパルス幅や、パルス間隔の平均を求め、これを基準として、各パルス間の相対的な間隔を、符号テーブルと照らし合わせながら判定して、情報シンボルを再生することもできる。このような復調を行う場合には、基準間隔を伝送しているプリアンブル部を短縮もしくは削除することもでき、通信オーバーヘッドをさらに低減することができる。
このようにして復号化部112よって復号化された、情報ビット列と周波数チャネル情報112Iとは、それぞれ、制御部113に入力される。
制御部113は、入力された情報ビット列が、ウエイクアップ情報22かどうかを判定し、また、これに含まれる宛先ID222が、自局宛とみなせるものかを判定する。
なお、ここで、「自局宛とみなせる」とは、例えば、宛先ID222が、自局のIDと一致する、自局が含まれるグループIDと一致する、ブロードキャストIDと一致する、などを指す。
入力された情報ビット列が、ウエイクアップ情報22であると判定され、かつ、当該ウエイクアップ情報22のFCS223により、情報ビット列が誤りなく復調でき、かつ、当該ウエイクアップ情報22が、含まれる宛先ID222が、自局宛とみなせるウエイクアップ情報22であると判定されれば、データ通信部114を制御部113等が起動する。
また、周波数変換部110に、復号化部112で検出された周波数チャネル情報112Iにより示される周波数チャネルを設定する。例えば、データ通信時には、設定された周波数チャネルだけを受信するように、バンドパスフィルタ801の帯域幅を、データ通信時の変調方式に合わせて切り替える。あるいは、データ通信時においては、OOK以外の変調方式を用いる場合には、周波数変換器として、包絡線検波器803を用いずに、発振器とミキサ(図示せず)を用いた周波数変換器に切り替えるといったことが行える。起動されたデータ通信部114は、周波数変換部110、アンテナ109を介して、無線機101とのデータ通信を行う。
以上説明したようなウエイクアップ信号1Rを用いることによって、ウエイクアップ情報22が符号化された符号が、符号61〜63の何れであるかにより、データ通信がされる周波数チャネル(周波数チャネル情報112I)が示される。そして、これにより、ウエイクアップ情報22と、ウエイクアップ情報22の符号の種類により示される周波数チャネル情報112Iとを、一度に送信することができる。このため、無線機(受信機)102は、自局宛のウエイクアップ信号1Rが、どの周波数チャネルを用いて送信されるかは直接的には分からなくても、適切な動作ができる。つまり、符号化テーブルに基づいて、パルス間隔を復調することにより、復調により特定される符号の種類に基づいて、どの周波数チャネルでウエイクアップ信号1Rが送信されたかを検出することができる。これにより、符号の種類から、間接的に、周波数チャネルが特定される。また、こうして検出された周波数チャネルで、データ通信を行うことで、データ通信時に双方のチャネルを合わせるためのチャネルネゴシエーションをすることが回避されて、チャネルネゴシエーションによるオーバーヘッドを削減することができる。
なお、ウエイクアップ情報(図3のウエイクアップ情報32)に、データ通信に用いる周波数チャネル情報(図3のデータチャネル番号322)を含めるようにしてもよい。この場合、データ通信に用いる周波数チャネルを、ウエイクアップ信号1Rが送信される周波数チャネルとは違う周波数チャネルに指定することも可能となる。例えば、データ通信を、複数の周波数チャネルを束ねて用いる、より広帯域な変調方式で行ったり、あるいは、干渉が少ない周波数チャネルを指定する、チャネルホッピングのような動作にもこれを使うことができる。
こうして、データ通信に用いる周波数チャネルを通知するウエイクアップ通信の消費電力を低減できる通信方法および通信装置が提供される。つまり、複数の周波数チャネルから、データ通信に用いる周波数チャネルを選択して、通信を行う通信方法であって、送信側(親機101)は、通信相手の宛先(宛先ID222)を少なくとも含んだウエイクアップ情報(ウエイクアップ情報22)を、送信する周波数チャネルに割り当てられた符号(例えば符号61)に基づいて、パルス間隔変調で変調したウエイクアップ信号(ウエイクアップ信号1R)を、前記周波数チャネルで(当該周波数チャネルの通信路に)送信し、受信側(子機102)は、前記複数の周波数チャネルの信号を同時に受信し(信号11c)、前記符号に基づいてパルス間隔復調をして、前記ウエイクアップ情報を再生し、前記宛先が自局宛であれば、パルス間隔復調に用いた前記符号(符号61)に基づいて、前記送信された周波数チャネル(CH1)を検出し、データ通信には、前記検出された周波数チャネルを用いる方法が用いられる。
つまり、例えば、次の動作がされてもよい。
すなわち、親機101と、子機102とを含んだシステム1が構築される(図1、12、17など)。
より具体的には、例えば、子機102は、環境における情報(例えば、気温、湿度など)をセンシングしてもよい。そして、子機102と親機101とのデータ通信で、センシングされた情報が通信されてもよい。つまり、システム1は、センサネットワークのシステムでもよい。そして、具体的には、例えば、親機101および子機102の一方または両方は、RFIDでもよい。
さらに具体的には、例えば、システム1は、図17に示されるように、複数の子機102(子機102a〜102c)と、複数の親機101(親機101a〜親機101b)とを含んでもよい。そして、例えば、それぞれの親機101が、それぞれの子機102とデータ通信してもよい。そして、例えば、複数の子機102が、建物における互いに異なる位置に設けられ、それぞれの子機102が、その子機102が設けられた位置における情報(気温等)をセンシングし、センシングされた情報を、それぞれの親機101とデータ通信してもよい。
ここで、それぞれの子機102は、消費する電力が、十分に小さいことが望まれる無線機である。例えば、子機102は、電池により駆動され、当該電池に蓄えられた電力で駆動される駆動時間が、より長いことが望まれる無線機である。
そこで、子機102においては、例えば、データ通信を開始させるウエイクアップ信号1Rが親機101により送信されたか否かが検出され、送信されたことが検出された場合にのみ、この検出のための機能ブロック(例えば、周波数変換部110、パルス間隔復調部111、復号化部112等)以外の他の機能ブロック(例えば、制御部113、データ通信部114)で、消費電力を(多く)消費させ、送信されたことが検出されない通常時には、他の機能ブロックで、消費電力を(多く)消費させなくてもよい。
一方、データ通信に際しては、アンテナ109で受信された、複数の周波数チャネルの高周波信号が含まれる入力信号から、1つの周波数チャネルの、ベースバンド帯の信号(低周波信号)が生成される。
ここで、このような、入力信号からの、1つの周波数チャネルの低周波信号の生成では、不安定な信号が生成されて、不適切な動作が生じるのを回避するために、従来例などにおいては、スーパーへテロダインの構成が用いられる。なお、スーパーへテロダインの構成が用いられなければ、例えば、多くのノイズが含まれる不適切な信号が生成されてしまったり、大きなノイズが含まれる不適切な信号が生成されてしまったりして、不適切な動作が生じる。
そして、従来例では、ウエイクアップ信号1Rが送信されたか否かが検出される際にも、このような、入力信号からの、1つの周波数チャネルの低周波信号の生成が行われる。ここで、低周波信号が生成される1つの周波数チャネルは、例えば、先述された、ウエイクアップ専用の周波数チャネル(周波数Fa)である。また、先述のように、例えば、複数の周波数チャネルのそれぞれについて、その周波数チャネルの低周波信号の生成が行われ、その周波数チャネルでの送信がされたか否かが検出されることもある。
しかしながら、スーパーヘテロダインの構成が用いられると、例えば、1つの周波数チャネルにおける、比較的狭い狭帯域(図4の帯域42)のフィルタが用いられたり、ミキサおよび発振器が用いられたりして、比較的大きな消費電力が消費されてしまう。ここで、例えば、狭帯域(図4の帯域42)のフィルタは、例えば、比較的多くのオペアンプを含むことにより、比較的多くの消費電力を消費してしまう。
このため、従来例では、ウエイクアップ信号1Rが送信されたことの検出の際に、大きな消費電力が消費されて、ひいては、駆動時間が短くなってしまう。
そこで、システム1の第1の通信装置(子機102、図12、図13など)は、例えば、次の動作をしてもよい。
つまり、第1の通信装置は、先述の周波数変換部(周波数変換部110(図13))を備える。
そして、周波数変換部が、アンテナ(図1のアンテナ109)により受信された、複数の周波数チャネルの高周波信号のそれぞれが含まれる入力信号(図13、図14の入力信号110A)から、それぞれの高周波信号で送信される低周波信号(図11の信号11a、信号11b)が何れも含まれる低周波信号(信号11c)を生成してもよい(図16のSb1)。
なお、生成される低周波信号は、例えば、先述のように、複数の周波数チャネルの低周波信号(信号11a、信号11b)が重畳された、それら複数の低周波信号が重なった低周波信号(信号11c)である。
そして、周波数検出部(パルス間隔復調部111)が、生成された前記低周波信号(信号11c)から、複数の前記周波数チャネルのうちの1つの前記周波数チャネル(例えば、CH1(図11の(a)欄を参照))で、前記ウエイクアップ信号(図12のウエイクアップ信号1R)が送信されたか否かを検出してもよい(Sb1)。
そして、先述のデータ通信部(データ通信部114)が、周波数検出部により、こうして、ウエイクアップ信号が送信されたことが検出された場合に、第2の通信装置(親機101)とデータ通信を行い(Sb2)、検出されない場合には、前記データ通信を行わなくてもよい。
なお、例えば、データ通信部114が、送信されたことが検出された場合にのみ、比較的多い消費電力を消費し(Sb2)、送信が検出されない場合には、例えば0などの、比較的少ない消費電力のみを消費してもよい。また、検出されない場合には、スリープ状態が維持されてもよい。
すなわち、周波数変換部(周波数変換部110)により生成される低周波信号(信号11c)は、スーパーヘテロダインの方式が用いられずに生成される信号であり、スーパーヘテロダインの方式で生成される場合に消費される消費電力よりも少ない消費電力のみの消費により生成される信号である。
そして、具体的には、例えば、周波数変換部(周波数変換部110)が、前記入力信号(入力信号110A)を、前記複数の周波数チャネル(図4の帯域41)にフィルタリングするバンドパスフィルタ(図14のバンドパスフィルタ801)と、フィルタリングされた信号を増幅する増幅器(増幅器802)と、増幅された信号を包絡線検波することにより、複数の前記周波数チャネルの前記低周波信号(信号11a、信号11b)が何れも含まれる前記低周波信号(信号11c)として、前記包絡線検波で得られる低周波信号(信号11c)を生成する包絡線検波器(包絡線検波器803)とを備えてもよい。これにより、前記入力信号から当該低周波信号(信号11c)が生成されるのに際して、スーパーヘテロダイン方式で当該低周波信号が生成される場合に消費される消費電力よりも少ない消費電力が消費されてもよい。
これにより、ウエイクアップ信号1Rが送信されたか否かの検出に際して、少ない消費電力が消費され、ひいては、通信装置の駆動時間が長くできる。
つまり、消費電力の低減(長い駆動時間)が実現できる。
しかも、それら複数の周波数チャネルのうちの1つで、ウエイクアップ信号1Rが送信される複数の周波数チャネル(図4)に含まれる周波数チャネルの個数が多い場合でも(例えば、24個でも)、単に、複数の周波数チャネルの低周波信号が重畳された、1つの低周波信号(信号11c)が生成されるだけで、多くの信号が生成されない。このため、周波数チャネルの個数が多くても、消費電力が少ないことが維持され、確実に、消費電力が少なくできる。
なお、パルス間隔復調部111は、複数の周波数チャネルのうちの、何れの周波数チャネルでウエイクアップ信号1Rが送信された場合にも、送信がされたことを検出してもよい。
これにより、複数の周波数チャネルのうちから、親機101等により選択された、通信の品質が高い周波数チャネルなどの適切な周波数チャネルで、ウエイクアップ信号1Rが送信され、確実に、適切な周波数チャネルで送信ができる。
具体的には、例えば、品質が高い周波数チャネルとして、ウエイクアップ信号1Rの送信以外の他の通信がされない周波数チャネルが選択されてもよい。
これにより、ウエイクアップ専用の周波数チャネル(先述の周波数Fa)が設けられず、他の通信がされない周波数チャネルが変化する場合でも、変化した後の適切な周波数チャネルが選択されて、確実に、適切な周波数チャネルが選択される。つまり、容易かつ確実に、適切な周波数チャネルで、ウエイクアップ信号1Rの送信ができる。
そして、より具体的には、例えば、データ通信部(データ通信部114)が、前記ウエイクアップ信号が送信されたことが検出された場合に、検出がされた当該ウエイクアップ信号の前記間隔(図12の間隔1Ra、1Rb(間隔1Rx))により示される前記周波数チャネルで、前記データ通信を行ってもよい。
なお、ウエイクアップ信号に含まれる2つのパルスの間の間隔(図6の符号61の2など、間隔1Rx)は、そのウエイクアップ信号の周波数チャネル(例えば、CH1)以外の、何れの他の周波数チャネル(CH2、CH3)でのウエイクアップ信号での2つのパルスの間の間隔(符号62および符号63での間隔、例えば、(5、11)における11など)とも異なってもよい。なお、符号における2つのパルスの間隔のみが、この通りで、先述されたプリアンブル部の2つのパルスの間隔は、この通りでなくてもよい。
そして、第2の通信装置(親機101)において、次の動作が行われてもよい。
つまり、間隔制御部(パルス間隔変調部105)が、上述された、複数の周波数チャネル(図4)のうちの1つの周波数チャネルで、ウエイクアップ信号1Rを、子機102に送信させてもよい(Sa1)。
そして、データ通信部(データ通信部108)が、ウエイクアップ信号1Rが送信された場合に、送信された子機102とデータ通信を行う(Sa2)。
そして、より具体的には、例えば、第2の通信装置が、前記複数の周波数チャネルから、前記ウエイクアップ信号1Rを送信させる1つの周波数チャネルを選択し、選択された前記1つの周波数チャネルで、当該ウエイクアップ信号1Rを送信させる制御部(制御部103)を備えてもよい。
これにより、ウエイクアップ信号1Rの送信される周波数チャネルが1個であるにも関わらず、比較的確実に、適切な周波数チャネルでの送信ができる。
そして、例えば、さらに具体的には、当該制御部が、第3の通信装置(当該第2の通信装置(例えば、図17の親機101a)とは異なる他の通信装置(例えば、親機101b))により通信に用いられる、当該第3の通信装置により送信されるウエイクアップ信号により示される周波数チャネル以外の他の周波数チャネルを選択してもよい。
また、第3の通信装置のウエイクアップ信号により示される、当該第3の通信装置により、適切と判定された周波数チャネルと同じ周波数チャネルが選択されてもよい。
こうして、他の親機101bのウエイクアップ信号から特定される周波数チャネルが選択されてもよい。
これにより、簡単かつ確実に、適切な周波数チャネルが選択できる。
なお、例えば、具体的には、子機102の周波数変換部110により生成される、複数の周波数チャネルの低周波信号(信号11a、信号11b)が重畳された低周波信号(信号11c)は、その低周波信号(信号11c)から、上述された、それぞれの周波数チャネルの低周波信号(信号11a、信号11b)が特定される信号である。ここで、それぞれの周波数チャネルの低周波信号が特定されるとは、具体的には、例えば、その低周波信号のプリアンブル部21、宛先ID222、それらが符号化された符号の種類(符号61等)などの、その低周波信号の各情報が特定されることをいう。
なお、重畳された低周波信号(信号11c)に含まれる、ウエイクアップ信号1Rが送信された周波数チャネル(例えばCH1)の低周波信号(信号11a)は、含まれる何れの他の周波数チャネルの低周波信号(信号11bなど)の振幅とも異なる振幅でもよい(図11の信号11cにおける、CH1の振幅を参照)。
なお、ウエイクアップ信号1Rの送信がされた周波数チャネル(例えばCH1)の低周波信号(信号11a)の振幅は、例えば、複数の振幅のうちの、親機101により送信がされる電力に対応する振幅でもよい。
そして、重畳された低周波信号(信号11c)のうちの、当該電力に対応する振幅などの、所定の振幅の部分が、ウエイクアップ信号1Rの低周波信号(信号11a)として、パルス間隔復調部111により検出されてもよい。
なお、ウエイクアップ信号1Rにより、データ通信がされる周波数チャネルが示されてもよい。例えば、ウエイクアップ信号1Rが符号化された符号の種類(符号61〜符号63)により周波数チャネルが示されてもよいし、ウエイクアップ信号1Rに含まれるデータチャネル番号322(図3)により周波数チャネルが示されてもよい。
そして、子機102のデータ通信部114が、送信されたウエイクアップ信号1Rにより示される周波数チャネル(CH1)が設定された周波数変換部110を用いるなどにより、その周波数チャネルでのデータ通信が行われてもよい。
また、子機102は、電池の電力で駆動されるリモコンに設けられる無線機でもよい。そして、親機101は、例えばテレビなどの、そのリモコンにより動作が制御される装置に設けられる無線機でもよい。そして、テレビの側から、リモコンの側にウエイクアップ信号1Rが送信された場合に、それら2つの無線機の間でデータ通信がされてもよい。
このように、親機101では、パルス間隔変調部105などの複数の構成が組み合わされる。これにより、組み合わせによる相乗効果が生じる。また、子機102でも、パルス間隔復調部111などの複数の構成が組み合わさられて、相乗効果が生じる。親機101および子機102のそれぞれは、これらの、構成、作用、効果の点において、従来例とは相違する。
以上、本発明を実施した際における、具体的な形態の例を説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく種々変形して実施可能であり、上述した各実施例を適宜組み合わせることが可能である。
なお、実施形態にかかる各構成は、集積回路であるLSIとして実現されてもよい。これらの構成は、1チップ化されてもよい。つまり、例えば、一部または全てを含むように、1チップ化されてもよい。ここでは、LSIといったが、集積度の違いによっては、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと称呼されることもある。また、集積回路化の手法は、LSIの手法に限られるものではなく、専用回路または汎用プロセッサで集積回路化を行ってもよい。また、LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable GateArray)や、LSI内部の回路セルの接続や、設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを用いてもよい。あるいは、これらの機能ブロックの演算は、例えばDSPやCPUなどを用いて演算することもできる。さらに、これらの処理ステップの処理を、プログラムとして記録媒体に記録して、記録されたプログラムを実行することで、その処理をすることもできる。
さらには、半導体技術の進歩または、派生する別技術により、LSIに置き換わる集積回路かの技術が登場すれば、当然、その技術を用いて、機能ブロックを集積化してもよい。バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
なお、単なる細部については、如何なる形態が採られてもよい。つまり、例えば、細部においては、上述された形態とは異なる形態が採られてもよいし、細部において、公知の技術が付け加えられてもよいし、細部に、改良発明が付け加えられてもよいし、他の形態が採られてもよい。何れのケースのシステムでも、本発明が適用される限り、本システム1の範囲に属する。
また、互いに、遠く離れた箇所に記載された複数の技術事項が、適宜、組み合わせられた形態が構築されてもよい。
また、上述のそれぞれの工程を含んだ方法が構築されてもよいし、上述のそれぞれの機能を実現するためのコンピュータプログラムが構築されてもよいし、そのコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体が構築されてもよいし、それぞれの機能を備える集積回路が構築されてもよい。
本技術は、複数の周波数チャネルを使用し、通信頻度が少なく、受信待ち受け時間が非常に長いが、低消費電力が要求される通信(例えばRFIDや無線センサネットワーク、無線リモコンなど)を行う通信機器一般に、広く適用することができる。
1R ウエイクアップ信号
11c 信号
101 無線機
102 無線機
103、113 制御部
104 符号化部
105 パルス間隔変調部
106、110 周波数変換部
107、109 アンテナ
108、114 データ通信部
111 パルス間隔復調部
112 復号化部