JPWO2011108545A1 - カーボンナノチューブの製造方法,カーボンナノチューブ製造用の単結晶基板,およびカーボンナノチューブ - Google Patents
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Abstract
ランバード加工が施された人工水晶から、R面と平行な面でカットしたRカット基板を用意する。こうして得られたRカット基板の表面は、結晶構造上最も滑らかなR面が大部分を占めると共に、加工に伴ってm面およびr面がX軸と平行な向きに僅かながら表出する構造となっている。このRカット基板の表面に触媒金属を配置した後、Rカット基板の表面に対して炭素原料ガスを供給し、この触媒金属を核として結晶の格子構造に沿うようにカーボンナノチューブを成長させる。これにより、配向性および直線性のよいカーボンナノチューブを製造することができる。
Description
本発明は、カーボンナノチューブの製造方法,カーボンナノチューブ製造用の単結晶基板,およびカーボンナノチューブに関する。
カーボンナノチューブ(CNT)の種類としては、一つのグラフェンシートが円筒状に閉じた単層カーボンナノチューブ(SWNT)と、同軸多数のグラフェンシートが円筒状に重なった多層カーボンナノチューブ(MWNT)との2種類が存在し、これらの直径は1〜数十nm程度、長さは数μm〜数百μm程度の微細な構造体である。単層カーボンナノチューブや多層カーボンナノチューブは、製造方法などにより、各々孤立して形成される場合や、束状に形成される場合などがある。カーボンナノチューブは、高い導電性または半導体性を有し、さらに細長い構造を持つことや高い機械的強度をもつという特異な性質をもつことから、その応用について活発に研究されている。また、カーボンナノチューブは、電子の放出源や、電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)のチャンネルなどのデバイスへの応用が期待されている。
カーボンナノチューブは、アーク放電法,レーザ蒸着法,およびCVD法(化学気相成長法)などにより製造することができる。特に、CVD法は、基板の表面上にカーボンナノチューブを自己組織的に形成する用途に適しており、盛んに研究がなされている。CVD法では、Fe,Co,およびニッケルなどの金属(触媒金属)を核(触媒)として基板の表面に形成した上で、一酸化炭素,エタノール,メタノール,エーテル,アセチレン, エチレン,エタン, プロピレン, プロパン, あるいはメタンなどの炭素原料ガスを供給することによって基板の表面上でカーボンナノチューブを成長させるものである。
ところで、カーボンナノチューブを用いたデバイスの特性は、構成要素であるカーボンナノチューブの配向性や直線性などによって大きく左右される。その理由としては、たとえば、カーボンナノチューブの配向性や直線性が悪ければ、カーボンナノチューブの両端とソース電極とドレイン電極との間の位置合わせの精度が低下し、さらには電気伝導性も低下してしまうことなどが挙げられる。また、隣接するカーボンナノチューブ同士がバンドルを形成し、意図しない電気的な相互作用をしてしまうことも挙げられる。
しかしながら、カーボンナノチューブのような微細な構造体を基板の表面に配向性よく形成するのには数多くの困難が伴う。このため、配向性および直線性のよいカーボンナノチューブを製造する方法が確立されれば、その応用価値は極めて高いと考えられている。
そこで、配向性および直線性のよいカーボンナノチューブを製造する方法として、単結晶石英基板や、単結晶サファイア基板を使用して、その原子構造やステップに沿うように単層カーボンナノチューブを製造する方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。この方法によれば、Yカット,ATカット,STカット,Zカットした単結晶石英基板や単結晶サファイア基板を用意し、このような基板に機械的鏡面加工を施し、さらにカーボンナノチューブを合成する前にアニール処理を行なった上で、この単結晶基板の上にカーボンナノチューブを形成している。こうした処理を施すことによって、基板の表面をより滑らかな状態とした上で、基板の表面にカーボンナノチューブを形成することにしている。
しかしながら、特許文献1に記載のカーボンナノチューブの製造方法では、たとえ同じ条件でカーボンナノチューブを製造したとしても、製造したカーボンナノチューブの配向性および直線性に多少のバラツキが生じていた。このため、所望の特性を有するデバイスを製造する際の歩留まりが十分ではなかった。なお、製造したカーボンナノチューブの配向性および直線性にバラツキが生じる原因については、未だに解明されていない。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、より配向性および直線性のよいカーボンナノチューブの製造方法,カーボンナノチューブ製造用の単結晶基板,およびカーボンナノチューブを提供することを目的とする。
本発明に係るカーボンナノチューブの製造方法は、単結晶のR面と平行にカットされたRカット面を有する単結晶基板の前記Rカット面に触媒金属を配置する工程と、前記単結晶基板を所定の温度まで加熱した後に炭素原料ガスを供給して前記触媒金属を核として前記Rカット面の上にカーボンナノチューブを形成する工程とを少なくとも備えることを特徴とするものである。
また、本発明に係るカーボンナノチューブの製造方法において、前記単結晶基板は、アニール処理が施されているものとしてもよい。
さらに、本発明に係るカーボンナノチューブの製造方法において、前記単結晶基板は、前記Rカット面に鏡面加工処理が施されているものとしてもよい。
また、本発明に係るカーボンナノチューブの製造方法において、前記単結晶基板は、単結晶サファイア基板または単結晶石英基板であるものとしてもよい。
さらに、本発明に係るカーボンナノチューブの製造方法において、前記カーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブであるものとしてもよい。
本発明に係るカーボンナノチューブの製造用の単結晶基板は、単結晶基板の表面に触媒金属を配置する工程と、前記単結晶基板を所定の温度まで加熱した後に炭素原料ガスを供給して前記触媒金属を核として前記表面の上にカーボンナノチューブを形成する工程とを少なくとも備えることを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法において用いられるカーボンナノチューブ製造用の単結晶基板であって、単結晶のR面と平行にカットされたRカット面を有することを特徴とするものである。
本発明に係るカーボンナノチューブは、単結晶基板上に形成されたカーボンナノチューブであって、前記単結晶基板は、単結晶のR面と平行にカットされたRカット面を有し、前記カーボンナノチューブは、前記Rカット面の上に形成されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、カーボンナノチューブを形成する面として、R面という結晶構造上最も滑らかな面と平行にカットされたRカット面を用いており、このRカット面では加工後においても、結晶構造上最も滑らかなR面が大部分を占める表面とすることができる。したがって、このカーボンナノチューブ製造用の単結晶基板を用いれば、最も滑らかなR面上で成長するため、結晶の格子配列に沿って配向性および直線性のよいカーボンナノチューブを製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本発明の実施の形態において使用する単結晶基板、すなわち、人工水晶のR面と平行にカットして得られるRカット基板について説明する。
まず、本発明の実施の形態において使用する単結晶基板、すなわち、人工水晶のR面と平行にカットして得られるRカット基板について説明する。
はじめに、ランバード加工が施された人工水晶(SiO2)を用意する。
図1は、ランバード加工が施された人工水晶の斜視図である。図1に示すように、ランバード加工が施された水晶は、mで表した柱面と,rおよびRで表した錐面とが明瞭に現れ、X軸(電気軸),Y軸(機械軸),およびZ軸(光学軸)という互いに直交する三つの結晶軸も明瞭なものとなる。r面およびR面は、X軸に平行で、かつY軸に関して38°13′傾いていることが知られている。rおよびRで表した錘面は、より面積の大きい方をR面であるものとしており、これはR面がr面に比べてゆっくりと結晶が成長することに基づいている。このR面は、水晶の結晶が他の面に比べてゆっくりと安定して成長するため、その結晶構造は他の面に比べて滑らかなものとなっている。
図1は、ランバード加工が施された人工水晶の斜視図である。図1に示すように、ランバード加工が施された水晶は、mで表した柱面と,rおよびRで表した錐面とが明瞭に現れ、X軸(電気軸),Y軸(機械軸),およびZ軸(光学軸)という互いに直交する三つの結晶軸も明瞭なものとなる。r面およびR面は、X軸に平行で、かつY軸に関して38°13′傾いていることが知られている。rおよびRで表した錘面は、より面積の大きい方をR面であるものとしており、これはR面がr面に比べてゆっくりと結晶が成長することに基づいている。このR面は、水晶の結晶が他の面に比べてゆっくりと安定して成長するため、その結晶構造は他の面に比べて滑らかなものとなっている。
図2Aおよび図2Bは、本実施の形態に係るRカット基板の結晶構造を説明するための図である。具体的には、図2Aは人工水晶をX軸方向から見た断面図であり、図2BはRカット基板の平面図である。
図2Aに示すように、ランバード加工が施された人工水晶から、R面と平行な面でカットしたRカット基板を用意する。こうして得られたRカット基板の表面は、図2Bに示すように、結晶構造上最も滑らかなR面が大部分を占めると共に、加工に伴ってm面およびr面がX軸と平行な向きに僅かながら表出する構造となっている。
図2Aに示すように、ランバード加工が施された人工水晶から、R面と平行な面でカットしたRカット基板を用意する。こうして得られたRカット基板の表面は、図2Bに示すように、結晶構造上最も滑らかなR面が大部分を占めると共に、加工に伴ってm面およびr面がX軸と平行な向きに僅かながら表出する構造となっている。
次いで、このようにして得られたRカット基板のRカット面に対し、機械的な鏡面加工処理を施して基板の表面をより滑らかにする。
続いて、鏡面加工処理を施したRカット基板に対しアニール処理を行なう。
以上の一連の処理によって、本発明の実施の形態に係るカーボンナノチューブの製造方法において使用する単結晶基板を得た。
続いて、鏡面加工処理を施したRカット基板に対しアニール処理を行なう。
以上の一連の処理によって、本発明の実施の形態に係るカーボンナノチューブの製造方法において使用する単結晶基板を得た。
このようにして得たRカット基板の表面を、原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)により観察した。
図3は、本実施の形態に係るRカット基板のAFM写真であり、図3のaはアニール処理を施していないRカット基板のAFM写真、図3のbは900℃で13時間にわたって空気中でアニール処理を施したRカット基板のAFM写真を示している。
図3から、Rカット基板に対してアニール処理を施すことによって、ステップの数がよりまばらとなって表面が滑らかになっていることがわかる。これは、Rカット基板に対してアニール処理を施すことによって、結晶のクラスターが高温状況下で激しく移動し、機械的な加工によって形成された加工層の微細な凹凸を埋めたためと考えられる。
図3は、本実施の形態に係るRカット基板のAFM写真であり、図3のaはアニール処理を施していないRカット基板のAFM写真、図3のbは900℃で13時間にわたって空気中でアニール処理を施したRカット基板のAFM写真を示している。
図3から、Rカット基板に対してアニール処理を施すことによって、ステップの数がよりまばらとなって表面が滑らかになっていることがわかる。これは、Rカット基板に対してアニール処理を施すことによって、結晶のクラスターが高温状況下で激しく移動し、機械的な加工によって形成された加工層の微細な凹凸を埋めたためと考えられる。
なお、参考のため、Rカット基板の他、Rカット面以外の5種類のカット面を有するカット基板を用意してその表面をAFMによって観測した。具体的には、各々の法線が、X軸方向を向いているXカット基板,Y軸方向を向いているYカット基板,Z軸方向を向いているZカット基板,X軸と直交すると共にY軸に関して35°25′傾いたATカット基板,X軸と直交すると共にY軸に関して42°45′傾いたSTカット基板という5種類の基板を用意してその表面を観測した。
これら5つの基板についても、機械的な鏡面加工処理を施した後に、900℃で13時間にわたって空気中でアニール処理を施すことによって表面をより滑らかなものにした。
図4〜図7は、それぞれ、STカット基板,Xカット基板,Yカット基板,Zカット基板のアニール処理を施す前後におけるAFM写真である。
これらのAFM写真と照らし合わせると、Rカット基板の表面が他の基板の表面に比べてより滑らかであることがわかる。
これら5つの基板についても、機械的な鏡面加工処理を施した後に、900℃で13時間にわたって空気中でアニール処理を施すことによって表面をより滑らかなものにした。
図4〜図7は、それぞれ、STカット基板,Xカット基板,Yカット基板,Zカット基板のアニール処理を施す前後におけるAFM写真である。
これらのAFM写真と照らし合わせると、Rカット基板の表面が他の基板の表面に比べてより滑らかであることがわかる。
次に、このようにして製造したRカット基板を用いてカーボンナノチューブを製造する方法について図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、本実施の形態に係るカーボンナノチューブの製造方法に用いられる実験装置の構成を説明する。
図8は、本実施の形態に係るカーボンナノチューブの製造方法に用いられる実験装置の一構成例を示す図である。この装置は、図8に示すように、石英管20と、石英管20の中央部に位置すると共に内部に装填された試料を加熱可能な電気炉22と、石英管20にアルゴン・水素(3%)混合ガスを供給する混合ガス供給部30と、混合ガス供給部30から供給されるアルゴン・水素(3%)混合ガスの流量を調節するガス流量制御弁32と、内部に貯蔵しているエタノールなどのアルコールを加熱することによって石英管20の内部にアルコールの蒸気を供給可能なアルコール供給部34と、アルゴン・水素(3%)混合ガスやアルコールの蒸気の流量を制御するガス流量制御器36と、石英管20の内部のガスを吸引する回転式の真空ポンプ40と、石英管20の内部の真空度を検出するピラニーゲージ42とから構成されている。
図8は、本実施の形態に係るカーボンナノチューブの製造方法に用いられる実験装置の一構成例を示す図である。この装置は、図8に示すように、石英管20と、石英管20の中央部に位置すると共に内部に装填された試料を加熱可能な電気炉22と、石英管20にアルゴン・水素(3%)混合ガスを供給する混合ガス供給部30と、混合ガス供給部30から供給されるアルゴン・水素(3%)混合ガスの流量を調節するガス流量制御弁32と、内部に貯蔵しているエタノールなどのアルコールを加熱することによって石英管20の内部にアルコールの蒸気を供給可能なアルコール供給部34と、アルゴン・水素(3%)混合ガスやアルコールの蒸気の流量を制御するガス流量制御器36と、石英管20の内部のガスを吸引する回転式の真空ポンプ40と、石英管20の内部の真空度を検出するピラニーゲージ42とから構成されている。
はじめに、Rカット基板の上に触媒金属を配置する。
その具体的な手段としては、たとえば、触媒金属としての鉄およびコバルトをUSYゼオライトの微粒子に付着させ、このUSYゼオライトの微粒子をRカット基板の上に散布する方法が考えられる。ここで、鉄およびコバルトが付着したUSYゼオライトは、酢酸第1鉄(CH3COO)2Fe、酢酸コバルト4水和物(CH3COO)2Co−4H2O,USYゼオライト,およびエタノール(たとえば、ゼオライト1gに対して40mlの割合。)からなるスラリーをRカット基板に塗布・分散させた後、乾燥機で乾燥させる処理を施すことによって得ることができる。このように、Rカット基板の上に触媒金属を分散して配置するのは、Rカット基板の上に触媒金属があまりに密集して配置されていると、後述する処理によって触媒金属を核として成長したカーボンナノチューブ同士でバンドルを形成したり、ある触媒金属の微粒子を核として成長したカーボンナノチューブが他の触媒金属の微粒子と相互作用をして曲がってしまい、カーボンナノチューブの配向性および直線性が悪くなる恐れがあるためである。
その具体的な手段としては、たとえば、触媒金属としての鉄およびコバルトをUSYゼオライトの微粒子に付着させ、このUSYゼオライトの微粒子をRカット基板の上に散布する方法が考えられる。ここで、鉄およびコバルトが付着したUSYゼオライトは、酢酸第1鉄(CH3COO)2Fe、酢酸コバルト4水和物(CH3COO)2Co−4H2O,USYゼオライト,およびエタノール(たとえば、ゼオライト1gに対して40mlの割合。)からなるスラリーをRカット基板に塗布・分散させた後、乾燥機で乾燥させる処理を施すことによって得ることができる。このように、Rカット基板の上に触媒金属を分散して配置するのは、Rカット基板の上に触媒金属があまりに密集して配置されていると、後述する処理によって触媒金属を核として成長したカーボンナノチューブ同士でバンドルを形成したり、ある触媒金属の微粒子を核として成長したカーボンナノチューブが他の触媒金属の微粒子と相互作用をして曲がってしまい、カーボンナノチューブの配向性および直線性が悪くなる恐れがあるためである。
次いで、上述した実験装置を用いて、触媒金属が配置されたRカット基板上にカーボンナノチューブを製造する手順を説明する。
まず、触媒金属が配置された基板を、石英管20の中に入れて電気炉22の中央部まで装填する。
続いて、ガス流量制御弁32を操作し、真空ポンプ40を稼働させて混合ガス供給部30内のアルゴン・水素(3%)混合ガスを所定流量以上の状態に保ちながら電気炉22に供給し、電気炉22の内部温度を設定温度まで上昇させる。
電気炉22の内部温度が設定温度まで上昇するのを確認した後、ガス流量制御弁32を閉じて電気炉22へのアルゴン・水素(3%)混合ガスの供給を停止する。
次いで、真空ポンプ40により電気炉22の内部を真空状態にしながら、アルコール供給部34の内部にあるアルコールを加熱することによりこのアルコールの蒸気を電気炉22の内部に所定時間にわたって流し続け、電気炉22の内部にあるRカット基板上に単層カーボンナノチューブを成長させる。なお、アルコールの流量は、アルコールの蒸気圧を変化させることによって、ほぼ一定の状態に維持するものとする。
まず、触媒金属が配置された基板を、石英管20の中に入れて電気炉22の中央部まで装填する。
続いて、ガス流量制御弁32を操作し、真空ポンプ40を稼働させて混合ガス供給部30内のアルゴン・水素(3%)混合ガスを所定流量以上の状態に保ちながら電気炉22に供給し、電気炉22の内部温度を設定温度まで上昇させる。
電気炉22の内部温度が設定温度まで上昇するのを確認した後、ガス流量制御弁32を閉じて電気炉22へのアルゴン・水素(3%)混合ガスの供給を停止する。
次いで、真空ポンプ40により電気炉22の内部を真空状態にしながら、アルコール供給部34の内部にあるアルコールを加熱することによりこのアルコールの蒸気を電気炉22の内部に所定時間にわたって流し続け、電気炉22の内部にあるRカット基板上に単層カーボンナノチューブを成長させる。なお、アルコールの流量は、アルコールの蒸気圧を変化させることによって、ほぼ一定の状態に維持するものとする。
次に、このようにしてRカット基板の上に形成したカーボンナノチューブを走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)にて観察した結果を報告する。
図9は、Rカット基板の表面のSEM写真であり、図9のaはアニール処理を施していないRカット基板のSEM写真、図9のbはアニール処理を施したRカット基板のSEM写真である。図9のaに示すように、アニール処理を施していないRカット基板でもX軸方向に配向してカーボンナノチューブが形成される様子が観測された。しかしながら、図9のbに示すように、アニール処理を施したRカット基板の方がより配向性よくカーボンナノチューブが形成される様子が観測された。
なお、これらのSEM写真は、以下の条件によって製造したカーボンナノチューブを観察したものである。まず、鉄およびコバルトが配置されたRカット基板を、電気炉22の内部に装填し、アルゴン・水素(3%)混合ガスを200sccm以上の状態で供給し、電気炉の内部温度を800℃まで上昇させた。次いで、アルゴン・水素(3%)混合ガスの供給を停止し、電気炉22の内部を真空状態にしながら、アルコール供給部34の内部にあるエタノールを加熱することにより、このエタノールを電気炉22の内部に約10分間にわたって約300sccmの流量で流し続け、カーボンナノチューブを成長させた。これらのカーボンナノチューブは、いずれも高品質の単層カーボンナノチューブであることを共鳴ラマン分光によって確認している。
図9は、Rカット基板の表面のSEM写真であり、図9のaはアニール処理を施していないRカット基板のSEM写真、図9のbはアニール処理を施したRカット基板のSEM写真である。図9のaに示すように、アニール処理を施していないRカット基板でもX軸方向に配向してカーボンナノチューブが形成される様子が観測された。しかしながら、図9のbに示すように、アニール処理を施したRカット基板の方がより配向性よくカーボンナノチューブが形成される様子が観測された。
なお、これらのSEM写真は、以下の条件によって製造したカーボンナノチューブを観察したものである。まず、鉄およびコバルトが配置されたRカット基板を、電気炉22の内部に装填し、アルゴン・水素(3%)混合ガスを200sccm以上の状態で供給し、電気炉の内部温度を800℃まで上昇させた。次いで、アルゴン・水素(3%)混合ガスの供給を停止し、電気炉22の内部を真空状態にしながら、アルコール供給部34の内部にあるエタノールを加熱することにより、このエタノールを電気炉22の内部に約10分間にわたって約300sccmの流量で流し続け、カーボンナノチューブを成長させた。これらのカーボンナノチューブは、いずれも高品質の単層カーボンナノチューブであることを共鳴ラマン分光によって確認している。
図10〜図14は、それぞれ、ATカット基板,STカット基板,Xカット基板,Yカット基板,Zカット基板のSEM写真である。いずれとも、アニール処理を施していないものと、アニール処理を施したものとの双方のSEM写真を取得している。
図10のaに示すように、アニール処理を施していないATカット基板では、基板上に形成されるカーボンナノチューブにはさしたる配向性はなかった。しかしながら、図10のbに示すように、アニール処理を施したATカット基板では、アニール処理を施したRカット基板ほどではないものの、X軸方向に配向性および直線性よくカーボンナノチューブが形成されることがわかった。
図11のaに示すように、アニール処理を施していないSTカット基板では、基板上に形成されるカーボンナノチューブがX軸方向に若干配向する様子が観測された。しかしながら、図11のbに示すように、アニール処理を施したSTカット基板では、アニール処理を施したRカット基板ほどではないものの、X軸方向により配向性および直線性よくカーボンナノチューブが形成されることがわかった。
図12のaおよびbに示すように、Xカット基板では、アニール処理を施しているか否かにかかわらず、基板上に形成されるカーボンナノチューブがZ軸方向に若干配向する様子が観測された。しかしながら、その配向性および直線性は、Rカット基板やSTカット基板に比べると低いことがわかった。
図13のaに示すように、アニール処理を施していないYカット基板では、基板上に形成されるカーボンナノチューブにはさしたる配向性および直線性はなかった。しかしながら、図10のbに示すように、アニール処理を施したYカット基板では、Rカット基板やSTカット基板,ATカット基板ほどではないものの、基板上に形成されるカーボンナノチューブはX軸方向に配向性および直線性を有することがわかった。
図14のaおよびbに示すように、Zカット基板では、アニール処理を施しているか否かにかかわらず、基板上に形成されるカーボンナノチューブは配向性および直線性をもたないことが分かった。
この結果、Rカット基板、特にアニール処理を施したRカット基板では、ATカット基板,STカット基板,Xカット基板,Yカット基板,Zカット基板と比べて、より配向性および直線性よくカーボンナノチューブを形成することができることが分かった。
図10のaに示すように、アニール処理を施していないATカット基板では、基板上に形成されるカーボンナノチューブにはさしたる配向性はなかった。しかしながら、図10のbに示すように、アニール処理を施したATカット基板では、アニール処理を施したRカット基板ほどではないものの、X軸方向に配向性および直線性よくカーボンナノチューブが形成されることがわかった。
図11のaに示すように、アニール処理を施していないSTカット基板では、基板上に形成されるカーボンナノチューブがX軸方向に若干配向する様子が観測された。しかしながら、図11のbに示すように、アニール処理を施したSTカット基板では、アニール処理を施したRカット基板ほどではないものの、X軸方向により配向性および直線性よくカーボンナノチューブが形成されることがわかった。
図12のaおよびbに示すように、Xカット基板では、アニール処理を施しているか否かにかかわらず、基板上に形成されるカーボンナノチューブがZ軸方向に若干配向する様子が観測された。しかしながら、その配向性および直線性は、Rカット基板やSTカット基板に比べると低いことがわかった。
図13のaに示すように、アニール処理を施していないYカット基板では、基板上に形成されるカーボンナノチューブにはさしたる配向性および直線性はなかった。しかしながら、図10のbに示すように、アニール処理を施したYカット基板では、Rカット基板やSTカット基板,ATカット基板ほどではないものの、基板上に形成されるカーボンナノチューブはX軸方向に配向性および直線性を有することがわかった。
図14のaおよびbに示すように、Zカット基板では、アニール処理を施しているか否かにかかわらず、基板上に形成されるカーボンナノチューブは配向性および直線性をもたないことが分かった。
この結果、Rカット基板、特にアニール処理を施したRカット基板では、ATカット基板,STカット基板,Xカット基板,Yカット基板,Zカット基板と比べて、より配向性および直線性よくカーボンナノチューブを形成することができることが分かった。
以上説明したように、本実施の形態によれば、R面という結晶構造上最も滑らかな面と平行にカットされたRカット基板を用いており、このRカット面では加工後においても、結晶構造上最も滑らかなR面が大部分を占める表面とすることができる。したがって、このカーボンナノチューブ製造用の単結晶基板を用いれば、最も滑らかなR面上で成長するため、結晶の格子配列に沿って配向性および直線性のよいカーボンナノチューブを製造することができる。
なお、本実施の形態では、単結晶基板として人工水晶をRカットしたものを用いてカーボンナノチューブを製造するものとしたが、サファイアをRカットしたものを用いてもよい。
また、本実施の形態では、表面に触媒金属の微粒子を配置したRカット基板に対してアルコールを供給し、CVD法によりカーボンナノチューブを製造するものとしたが、一酸化炭素やメタンなど他の炭素原料ガスを供給してカーボンナノチューブを製造するものとしてもよい。
さらに、本実施の形態では、触媒金属をUSYゼオライトの微粒子に付着させ、このUSYゼオライトの微粒子をRカット基板の上に散布するものとして説明したが、触媒金属を真空蒸着やスパッタ法などによりRカット基板の上に配置するものとしてもよい。この際、フォトリソグラフィー法によるリフトオフを用いて、Rカット基板の表面を、触媒金属が配置されている部分と、配置されていない部分とに分離してもよい。
その他、Rカット基板の上に直接金属触媒を配置する方法も採用できる。具体的には、
Rカット基板を、酢酸コバルト(または、酢酸コバルトおよび酢酸モリブデンの混合物)をエタノールに溶かした溶液に浸す。しばらく待った後、Rカット基板を溶液からゆっくり引き上げた後、大気中で400℃程度の温度まで加熱してRカット基板の表面に付着している溶液を酸化させる。こうした処理を行なうことにより、Rカット基板の表面にコバルト微粒子(または、コバルト・モリブデンの微粒子)を一様に形成することができる。
その他、Rカット基板の上に直接金属触媒を配置する方法も採用できる。具体的には、
Rカット基板を、酢酸コバルト(または、酢酸コバルトおよび酢酸モリブデンの混合物)をエタノールに溶かした溶液に浸す。しばらく待った後、Rカット基板を溶液からゆっくり引き上げた後、大気中で400℃程度の温度まで加熱してRカット基板の表面に付着している溶液を酸化させる。こうした処理を行なうことにより、Rカット基板の表面にコバルト微粒子(または、コバルト・モリブデンの微粒子)を一様に形成することができる。
また、本実施の形態では、鉄(Fe)およびコバルト(Co)を触媒金属として用いているが、8族のルテニウム(Ru),オスミニウム(Os)、9族のロジウム(Rh),イリジウム(Ir)、および10族のニッケル(Ni),鉛(Pb),白金(Pt)などを用いてもよい。さらに、補助触媒金属として、モリブデン(Mo)やロジウム(Rh)を加えてもよい。
次に、本発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、Rカット基板にエッチング処理を施すことによる、単層カーボンナノチューブに与える影響を調べた。図15は、Rカット基板にエッチング処理を施すことによる単層カーボンナノチューブに与える影響を説明するためのSEM写真であり、図15のaはエッチング処理を施していないRカット基板のSEM写真、図15のbはエッチング処理を施したRカット基板のSEM写真である。
図15のaおよびbから、エッチング処理を施すと単層カーボンナノチューブの配向性がよくなることが分かった。図示しないSEM写真により、エッチング処理を施していないRカット基板には多数の研磨痕が存在するのに対し、エッチング処理を施したRカット基板では研磨痕の数が減少することが確認されていることに照らせば、研磨痕が少ないほど単層カーボンナノチューブの配向性がよくなると考えられる。つまり、研磨痕の周辺ではR面の構造が崩れて単層カーボンナノチューブの配向性が悪くなるところ、エッチング処理を施すことによって研磨痕が減少するので、研磨痕に由来する配向性の悪化を抑制することができたと考えられる。
また、図15のaおよびbから、エッチング処理を施すと単層カーボンナノチューブの密度も高くなることも分かった。単層カーボンナノチューブ同士が接触すると、互いの成長を妨げてしまう様子が図15のaにより観測されている。そこで、エッチング処理を施すことによって単層カーボンナノチューブの配向性を向上できるので、単層カーボンナノチューブ同士が接触することによる悪影響を抑制できたものと考えられる。
図15のaおよびbから、エッチング処理を施すと単層カーボンナノチューブの配向性がよくなることが分かった。図示しないSEM写真により、エッチング処理を施していないRカット基板には多数の研磨痕が存在するのに対し、エッチング処理を施したRカット基板では研磨痕の数が減少することが確認されていることに照らせば、研磨痕が少ないほど単層カーボンナノチューブの配向性がよくなると考えられる。つまり、研磨痕の周辺ではR面の構造が崩れて単層カーボンナノチューブの配向性が悪くなるところ、エッチング処理を施すことによって研磨痕が減少するので、研磨痕に由来する配向性の悪化を抑制することができたと考えられる。
また、図15のaおよびbから、エッチング処理を施すと単層カーボンナノチューブの密度も高くなることも分かった。単層カーボンナノチューブ同士が接触すると、互いの成長を妨げてしまう様子が図15のaにより観測されている。そこで、エッチング処理を施すことによって単層カーボンナノチューブの配向性を向上できるので、単層カーボンナノチューブ同士が接触することによる悪影響を抑制できたものと考えられる。
次いで、CVD時のエタノール分圧が、Rカット基板上に形成される単層カーボンナノチューブに与える影響を調べた。
図16は、CVD時のエタノール分圧が単層カーボンナノチューブに与える影響を説明するためのSEM写真であり、CVD時のエタノール分圧は、図16のa1およびa2では1300Pa、図16のb1およびb2では300Pa、図16のc1およびc2では60Paであり、図16のa1,b1,およびc1は水平方向に配向する単層カーボンナノチューブのSEM写真であり、図16のa2,b2,およびc2はその触媒付近で拡大したSEM写真である。ここで、図16のc1およびc2では、アルゴン/水素ガスをキャリアガスとして用いている。合成された水平配向単層カーボンナノチューブの密度は、図16のa1では0.9本/μm、図16のb1では3.3本/μm、図16のc1では4.9本/μmであった。エタノール分圧が低下するほど、水平配向単層カーボンナノチューブの密度が高まる傾向があることが分かった。
一方、図16のa2,b2,およびc2に示された触媒領域の付近を拡大したSEM写真を見ると、触媒部での単層カーボンナノチューブの量は、エタノールの分圧が最も低い図16のc2の場合に最も少ないことが分かった。これは、従来の実験結果と一致しており、エタノール分圧を下げると単層カーボンナノチューブ全体の合成量が減少することが確認された。
これらの結果、エタノール分圧の低下によって、単層カーボンナノチューブ全体の合成量は減少したが、水平配向単層カーボンナノチューブの量・密度は逆に増加したことがわかった。これは、エタノール分圧が比較的高いときには、触媒領域における単層カーボンナノチューブ同士のバンドリングなどの相互作用が水平配向単層カーボンナノチューブの成長を止めて、高密度化を妨げてしまうためと考えられる。つまり、エタノール分圧が高い場合、多くの単層カーボンナノチューブが同時に成長を開始してしまいバンドル化し、バンドル化によって単層カーボンナノチューブが基板と接せず垂直配向単層カーボンナノチューブのように基板から離れる方向に成長する可能性が高まり、水平配向単層カーボンナノチューブの密度が減少したものと考えられる。これに対し、エタノール分圧を下げた場合、単層カーボンナノチューブ全体の合成量が下がると同時に単層カーボンナノチューブ成長開始頻度が低下することにより単層カーボンナノチューブ同士の相互作用は減少すると考えられる。このため、エタノール分圧を下げることで、単層カーボンナノチューブがバンドル化せずに基板と接して配向性良く成長する確率が高まり、結果的に水平配向単層カーボンナノチューブの密度が増加したものと考えられる。
図16は、CVD時のエタノール分圧が単層カーボンナノチューブに与える影響を説明するためのSEM写真であり、CVD時のエタノール分圧は、図16のa1およびa2では1300Pa、図16のb1およびb2では300Pa、図16のc1およびc2では60Paであり、図16のa1,b1,およびc1は水平方向に配向する単層カーボンナノチューブのSEM写真であり、図16のa2,b2,およびc2はその触媒付近で拡大したSEM写真である。ここで、図16のc1およびc2では、アルゴン/水素ガスをキャリアガスとして用いている。合成された水平配向単層カーボンナノチューブの密度は、図16のa1では0.9本/μm、図16のb1では3.3本/μm、図16のc1では4.9本/μmであった。エタノール分圧が低下するほど、水平配向単層カーボンナノチューブの密度が高まる傾向があることが分かった。
一方、図16のa2,b2,およびc2に示された触媒領域の付近を拡大したSEM写真を見ると、触媒部での単層カーボンナノチューブの量は、エタノールの分圧が最も低い図16のc2の場合に最も少ないことが分かった。これは、従来の実験結果と一致しており、エタノール分圧を下げると単層カーボンナノチューブ全体の合成量が減少することが確認された。
これらの結果、エタノール分圧の低下によって、単層カーボンナノチューブ全体の合成量は減少したが、水平配向単層カーボンナノチューブの量・密度は逆に増加したことがわかった。これは、エタノール分圧が比較的高いときには、触媒領域における単層カーボンナノチューブ同士のバンドリングなどの相互作用が水平配向単層カーボンナノチューブの成長を止めて、高密度化を妨げてしまうためと考えられる。つまり、エタノール分圧が高い場合、多くの単層カーボンナノチューブが同時に成長を開始してしまいバンドル化し、バンドル化によって単層カーボンナノチューブが基板と接せず垂直配向単層カーボンナノチューブのように基板から離れる方向に成長する可能性が高まり、水平配向単層カーボンナノチューブの密度が減少したものと考えられる。これに対し、エタノール分圧を下げた場合、単層カーボンナノチューブ全体の合成量が下がると同時に単層カーボンナノチューブ成長開始頻度が低下することにより単層カーボンナノチューブ同士の相互作用は減少すると考えられる。このため、エタノール分圧を下げることで、単層カーボンナノチューブがバンドル化せずに基板と接して配向性良く成長する確率が高まり、結果的に水平配向単層カーボンナノチューブの密度が増加したものと考えられる。
続いて、合成された水平配向単層カーボンナノチューブについてレーザを照射する位置を変えながらラマン散乱実験を行なった。
図17Aおよび図17Bは、水平方向に配向する単層カーボンナノチューブのラマン散乱実験の結果を説明するための図である。具体的には、図17Aは触媒領域から0μm、5μm、10μm、15μmの位置で測定した水平配向単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル、図17Bはラマン分光装置を構成する光学顕微鏡によるサンプル表面のCCD写真である。図17Bの矢印で示した部分が触媒領域であり、4つ点で示したように、触媒領域から0μm、5μm、10μm、15μmの位置でラマンスペクトルを測定した。図17Aに示すように、触媒領域上のラマンスペクトルには単層カーボンナノチューブに特徴的なG−bandが表れていることから、合成されたものが単層カーボンナノチューブであることが確認された。図17Aの点線で示すように、G−bandのピーク位置は1592cm-1という典型的な値であることが確認された。触媒領域から5μmの位置でのラマンスペクトルではピーク位置は変わらないが、触媒領域から10μmの位置では1598cm-1、触媒領域から15μmの位置では1600cm-1と変化し、触媒領域から離れるに従ってG−bandのピーク位置が高波数側にシフトしていることが見て取れる。
ここで、G−bandのが高周波側にシフトする現象は、単層カーボンナノチューブと水晶基板の相互作用によるものであると報告されている。このため、基板と接触している水平配向単層カーボンナノチューブからのG−bandは高周波側にシフトし、基板と接触しておらずランダムな単層カーボンナノチューブからのG−bandは高周波側にシフトしていないと考えられる。
したがって、触媒領域中ではランダムな単層カーボンナノチューブが多く存在するのに対し、触媒領域から離れるに従ってランダムな単層カーボンナノチューブの割合に対して配向した単層カーボンナノチューブの割合が増加していると考えられる。
なお、単層カーボンナノチューブの直径方向の振動と関係したピークであるRBMは、水晶に由来するピークと位置が重なっており、観察することが困難であった。そのためラマンスペクトルから水平配向単層カーボンナノチューブの直径分布を分析することができなかった。原因として、単層カーボンナノチューブの合成量(密度)が少ないこと、単層カーボンナノチューブが基板と接しておりピークが弱くなっていることが考えられる。
図17Aおよび図17Bは、水平方向に配向する単層カーボンナノチューブのラマン散乱実験の結果を説明するための図である。具体的には、図17Aは触媒領域から0μm、5μm、10μm、15μmの位置で測定した水平配向単層カーボンナノチューブのラマンスペクトル、図17Bはラマン分光装置を構成する光学顕微鏡によるサンプル表面のCCD写真である。図17Bの矢印で示した部分が触媒領域であり、4つ点で示したように、触媒領域から0μm、5μm、10μm、15μmの位置でラマンスペクトルを測定した。図17Aに示すように、触媒領域上のラマンスペクトルには単層カーボンナノチューブに特徴的なG−bandが表れていることから、合成されたものが単層カーボンナノチューブであることが確認された。図17Aの点線で示すように、G−bandのピーク位置は1592cm-1という典型的な値であることが確認された。触媒領域から5μmの位置でのラマンスペクトルではピーク位置は変わらないが、触媒領域から10μmの位置では1598cm-1、触媒領域から15μmの位置では1600cm-1と変化し、触媒領域から離れるに従ってG−bandのピーク位置が高波数側にシフトしていることが見て取れる。
ここで、G−bandのが高周波側にシフトする現象は、単層カーボンナノチューブと水晶基板の相互作用によるものであると報告されている。このため、基板と接触している水平配向単層カーボンナノチューブからのG−bandは高周波側にシフトし、基板と接触しておらずランダムな単層カーボンナノチューブからのG−bandは高周波側にシフトしていないと考えられる。
したがって、触媒領域中ではランダムな単層カーボンナノチューブが多く存在するのに対し、触媒領域から離れるに従ってランダムな単層カーボンナノチューブの割合に対して配向した単層カーボンナノチューブの割合が増加していると考えられる。
なお、単層カーボンナノチューブの直径方向の振動と関係したピークであるRBMは、水晶に由来するピークと位置が重なっており、観察することが困難であった。そのためラマンスペクトルから水平配向単層カーボンナノチューブの直径分布を分析することができなかった。原因として、単層カーボンナノチューブの合成量(密度)が少ないこと、単層カーボンナノチューブが基板と接しておりピークが弱くなっていることが考えられる。
次いで、サンプルの表面上の触媒の表面上の高さをAFMにより測定した。
エッチングをしていないRカット基板を用意し、フォトリソグラフィは行わず全面に鉄0.2nmを蒸着し、空気中で550°Cで10min加熱し、アルゴン水素ガス中で800°Cまで昇温して還元し、エタノールを導入せずに終了した基板をサンプルとして用いた。図18Aおよび図18BはAFMによる測定結果を示す図である。具体的には、図18Aはこのサンプルの表面のAFM写真であり、図18Bは図18Aの実線で示された部分の高さプロファイルである。図18Aおよび図18Bから、還元後の触媒微粒子は、直径はおよそ1〜4nm、密度はおよそ3.0×103個/μm2であることがわかった。
また、水平配向単層カーボンナノチューブをAFMにより観察した。図19A,図19B,および図19CはエッチングしていないRカット基板のAFMによる観測結果を示す図である。具体的には、図19AはエッチングしていないRカット基板を用いて合成された水平配向単層カーボンナノチューブのAFM写真であり、図19Bは図19Aの実線で示された部分の高さプロファイルであり、図19Cは29本の水平配向単層カーボンナノチューブの高さプロファイルから導出した水平配向単層カーボンナノチューブの直径の分布図である。図19AのAFM写真により、単層カーボンナノチューブが水晶のX軸方向に水平配向している様子が観察された。また、図19Bの高さプロファイルから、単層カーボンナノチューブの直径は1.87nmであると見積もることができた。同様にして、29本の単層カーボンナノチューブの高さプロファイルを測定し、得られた直径分布を導出したところ、図19Cに示すように、平均1.88nmとなった。
ただし、測定した単層カーボンナノチューブが単一単層カーボンナノチューブであるかどうかはAFMから判断できないため、バンドルが含まれている可能性がある。また、AFMのプローブと基板との相互作用、プローブと単層カーボンナノチューブとの相互作用が異なり、これが高さプロファイルに影響を与えている可能性も考えられる。
エッチングをしていないRカット基板を用意し、フォトリソグラフィは行わず全面に鉄0.2nmを蒸着し、空気中で550°Cで10min加熱し、アルゴン水素ガス中で800°Cまで昇温して還元し、エタノールを導入せずに終了した基板をサンプルとして用いた。図18Aおよび図18BはAFMによる測定結果を示す図である。具体的には、図18Aはこのサンプルの表面のAFM写真であり、図18Bは図18Aの実線で示された部分の高さプロファイルである。図18Aおよび図18Bから、還元後の触媒微粒子は、直径はおよそ1〜4nm、密度はおよそ3.0×103個/μm2であることがわかった。
また、水平配向単層カーボンナノチューブをAFMにより観察した。図19A,図19B,および図19CはエッチングしていないRカット基板のAFMによる観測結果を示す図である。具体的には、図19AはエッチングしていないRカット基板を用いて合成された水平配向単層カーボンナノチューブのAFM写真であり、図19Bは図19Aの実線で示された部分の高さプロファイルであり、図19Cは29本の水平配向単層カーボンナノチューブの高さプロファイルから導出した水平配向単層カーボンナノチューブの直径の分布図である。図19AのAFM写真により、単層カーボンナノチューブが水晶のX軸方向に水平配向している様子が観察された。また、図19Bの高さプロファイルから、単層カーボンナノチューブの直径は1.87nmであると見積もることができた。同様にして、29本の単層カーボンナノチューブの高さプロファイルを測定し、得られた直径分布を導出したところ、図19Cに示すように、平均1.88nmとなった。
ただし、測定した単層カーボンナノチューブが単一単層カーボンナノチューブであるかどうかはAFMから判断できないため、バンドルが含まれている可能性がある。また、AFMのプローブと基板との相互作用、プローブと単層カーボンナノチューブとの相互作用が異なり、これが高さプロファイルに影響を与えている可能性も考えられる。
本発明は、カーボンナノチューブの製造業などに利用可能である。
20…石英管、22…電気炉、30…混合ガス供給部、32…ガス流量制御弁、34…アルコール供給部、36…ガス流量制御器、40…真空ポンプ、42…ピラニーゲージ。
Claims (7)
- 単結晶のR面と平行にカットされたRカット面を有する単結晶基板の前記Rカット面に触媒金属を配置する工程と、
前記単結晶基板を所定の温度まで加熱した後に炭素原料ガスを供給して前記触媒金属を核として前記Rカット面の上にカーボンナノチューブを形成する工程と
を少なくとも備えることを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。 - 前記単結晶基板は、アニール処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載のカーボンナノチューブ製造方法。
- 前記単結晶基板は、前記Rカット面に鏡面加工処理が施されていることを特徴とする請求項1または2に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
- 前記単結晶基板は、単結晶サファイア基板または単結晶石英基板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの製造方法。
- 前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブである
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブの製造方法。 - 単結晶基板の表面に触媒金属を配置する工程と、
前記単結晶基板を所定の温度まで加熱した後に炭素原料ガスを供給して前記触媒金属を核として前記表面の上にカーボンナノチューブを形成する工程と
を少なくとも備えることを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法において用いられるカーボンナノチューブ製造用の単結晶基板であって、
単結晶のR面と平行にカットされたRカット面を有する
ことを特徴とするカーボンナノチューブ製造用の単結晶基板。 - 単結晶基板上に形成されたカーボンナノチューブであって、
前記単結晶基板は、単結晶のR面と平行にカットされたRカット面を有し、
前記カーボンナノチューブは、前記Rカット面の上に形成されている
ことを特徴とするカーボンナノチューブ。
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