JP2007284336A - カーボンナノチューブの成長方法およびカーボンナノチューブ構造体の製造方法 - Google Patents

カーボンナノチューブの成長方法およびカーボンナノチューブ構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 基板上に種々の触媒物質を用いて形成した触媒微粒子を用いて高品質のカーボンナノチューブを成長させることができるカーボンナノチューブの成長方法およびカーボンナノチューブ構造体の製造方法の提供。
【解決手段】 カーボンナノチューブの成長方法は、酸化性雰囲気中において加熱処理して得られる触媒微粒子を、大気に曝すことなくカーボンナノチューブ成長用炭素含有ガス雰囲気中に存在させてカーボンナノチューブを成長させる工程を含むことを特徴とする。触媒微粒子は、粒径が0.4〜10nmの範囲にあるものであることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カーボンナノチューブの成長方法およびカーボンナノチューブ構造体の製造方法に関する。
カーボンナノチューブは、黒鉛シートが円筒状に丸まった構造を有していて化学的、力学的に安定しているなどの特長から、例えば電子デバイス・光素子デバイスなどに応用が期待されており、近年、広く研究されている。
カーボンナノチューブは、触媒金属を用いた化学気相成長法(CVD法)や、アーク放電法などによって製造することができる(例えば、特許文献1〜4参照。)。アーク放電法によってカーボンナノチューブを成長させるための触媒としては、主に鉄、コバルト、ニッケルなどの鉄族元素、あるいはこれらにモリブデンなどの添加元素を加えたものや、パラジウム、ロジウム、白金などの白金族元素、イットリウム、ランタン、ガドリニウムなどの希土類元素を用いることができる。
一方、CVD法によって基板上にカーボンナノチューブを成長させる触媒としては、鉄族元素である鉄、コバルト、ニッケルのみが有効であるとされている(例えば、非特許文献1参照。)。特に、一般に、金、銀、銅、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム混合物(SiGe)、炭化シリコン(SiC)に関してはカーボンナノチューブの成長に寄与する触媒作用はないと認識されている。
また、鉄族元素は、カーボンナノチューブを成長させること以外には、ナノワイヤなど他のナノ構造物の成長に寄与する触媒作用を示さず、シリコンナノワイヤや半導体ナノワイヤの成長に用いることができないため、1種類の触媒によってカーボンナノチューブとナノワイヤとを作り分けたり、カーボンナノチューブおよび半導体ナノワイヤを連続的に成長させることはできなかった。
特開2005−145743号公報 特開2001−303250号公報 特許3443648号公報 特公表2005−503273号公報 齋藤弥八、坂東俊治,「カーボンナノチューブの基礎」,コロナ社,1998年
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、基板上に種々の触媒物質を用いて形成した触媒微粒子を用いて高品質のカーボンナノチューブを成長させることができるカーボンナノチューブの成長方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、カーボンナノチューブおよびナノワイヤを連続的に成長させて接木構造のカーボンナノチューブ構造体を得ることのできるカーボンナノチューブ構造体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、通常の方法で得られる、金、銀、銅、白金およびパラジウムなどの金属、並びにシリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム混合物(SiGe)および炭化シリコン(SiC)などの非金属物質(以下、これらの物質を「特定物質」という。)よりなる微粒子(以下、「特定微粒子」ともいう。)がカーボンナノチューブ成長に寄与する触媒作用を示さないのは、当該特定微粒子に触媒作用がないからではなく、大気に曝された特定微粒子の周囲には、大気中の元素による被覆化合物層が不可避的に形成されてしまうことにより、それ自体への炭素含有ガスの到達が妨害されるためであると考え、特定微粒子について、被覆化合物層を除去することによってカーボンナノチューブ成長に寄与する触媒作用を示すことを見出し、本発明を完成させた。
また、本発明のカーボンナノチューブの成長方法は、上記の特定物質ばかりでなく、既に触媒作用が知られている鉄属元素に対してはもちろん、従来触媒作用が知られていなかった他の元素に対しても有効であることを見出した。
本発明のカーボンナノチューブの成長方法は、酸化性雰囲気中において加熱処理して得られる触媒微粒子を、大気に曝すことなくカーボンナノチューブ成長用炭素含有ガス雰囲気中に存在させてカーボンナノチューブを成長させる工程を含むことを特徴とする。
また、本発明のカーボンナノチューブの成長方法は、真空雰囲気中または不活性ガス雰囲気中において形成させた触媒微粒子を、大気に曝すことなくカーボンナノチューブ成長用炭素含有ガス雰囲気中に存在させてカーボンナノチューブを成長させる工程を含むことを特徴とする。
さらに、本発明のカーボンナノチューブの成長方法は、カーボンナノチューブ成長用炭素含有ガスよりなる雰囲気中において形成させた触媒微粒子を、大気に曝すことなく当該カーボンナノチューブ成長用炭素含有ガスに接触させてカーボンナノチューブを成長させる工程を含むことを特徴とする。
本発明のカーボンナノチューブの成長方法においては、触媒微粒子は、粒径が0.4〜10nmの範囲にあるものとすることが好ましい。
また、本発明のカーボンナノチューブの成長方法においては、触媒微粒子は、金、銀、銅、白金およびパラジウムから選ばれた金属よりなる触媒金属微粒子である構成とすることができ、さらに、触媒微粒子は、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム混合物(SiGe)および炭化シリコン(SiC)から選ばれた非金属物質よりなる触媒非金属微粒子である構成とすることができる。
本発明のカーボンナノチューブ構造体の製造方法は、カーボンナノチューブおよびナノワイヤが連続的に配置されて伸びるカーボンナノチューブ構造体の製造方法であって、
上記のカーボンナノチューブの成長方法によってカーボンナノチューブを成長させる工程と、当該カーボンナノチューブを成長させる工程において用いられる触媒金属微粒子を使用して、ナノワイヤを成長させる工程とを連続的に行うことを特徴とする。
本発明のカーボンナノチューブの成長方法によれば、大気に曝された特定微粒子の周囲に不可避的に形成された被覆化合物層が除去され、カーボンナノチューブを成長させることのできる活性化された触媒微粒子を得ることができるので、高品質のカーボンナノチューブを成長させることができる。また、触媒物質が鉄族元素など活性化処理が施されていない状態でも触媒作用を示す元素である場合は、酸化性雰囲気中における加熱処理を行わなかった場合に比して高い収率でカーボンナノチューブを成長させることができる。
また、本発明のカーボンナノチューブの成長方法によれば、大気に曝されない状態で形成された触媒微粒子がカーボンナノチューブの成長に供されるので、酸化性雰囲気において加熱処理する特定物質の活性化処理工程が不要である結果、基板の材質にかかわらず当該基板上に高品質のカーボンナノチューブを成長させることができる。また、触媒物質が鉄族元素などその他の元素である場合は、大気に曝されたものを用いた場合に比して高い収率でカーボンナノチューブを成長させることができる。
本発明のカーボンナノチューブ構造体の製造方法によれば、触媒金属微粒子がカーボンナノチューブの成長、およびナノワイヤの成長の両方に触媒作用を示すために、カーボンナノチューブおよびナノワイヤを連続的に成長させることにより簡単に接木構造のカーボンナノチューブ構造体を製造することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明のカーボンナノチューブの成長方法の一例を示すブロック図である。
このカーボンナノチューブの成長方法は、酸化性雰囲気12中において加熱処理して得られる触媒微粒子を、大気に曝すことなくカーボンナノチューブ成長用炭素含有ガス雰囲気14中に存在させてカーボンナノチューブを成長させる工程を含むものである。
具体的には、酸化性雰囲気12中において活性化処理工程を行うことにより得られた触媒微粒子を、この触媒微粒子が担持された基板ごと大気に曝すことなくカーボンナノチューブ成長用炭素含有ガス雰囲気14中に導入し、基板をカーボンナノチューブの成長温度に加熱して当該基板上にカーボンナノチューブをCVD法によって成長させるカーボンナノチューブ成長工程を行うことにより、カーボンナノチューブを得ることができる。
触媒微粒子は、カーボンナノチューブの成長に寄与する触媒として作用するものであり、これを構成する触媒物質としては、特に限定されずどのような物質を用いてもよく、この触媒微粒子は例えば金、銀、銅、白金およびパラジウムなどの金属、鉄、コバルトおよびニッケルなどの鉄属元素などから選ばれた1種の金属あるいは複数種の合金からなる触媒金属微粒子であってもよく、例えば、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム混合物(SiGe)、炭化シリコン(SiC)、窒化ガリウム(GaN)および窒化インジウム(InN)などの半導体やセラミックスなどの非金属物質からなる触媒非金属微粒子であってもよい。
ここに、シリコンゲルマニウム混合物(SiGe)は、Si1-x Gex で表される混合物である。ただし、xは0<x<1における任意の数値である。
このカーボンナノチューブの成長方法における触媒微粒子を得る方法において、触媒微粒子が金属よりなる触媒金属微粒子である場合に、具体的には、図1(a)に示されるように、適宜の材質の基板上に真空蒸着法、スパッタ法およびアーク放電法などの堆積法を用いて金属を堆積させる金属堆積工程を行い、次いで、この金属を堆積させた基板を酸化性雰囲気12中において加熱処理する活性化処理工程を行うことにより、触媒金属微粒子を得ることができる。以下、この方法を「方法A」という。
この方法Aにおいては、活性化処理工程において金属の微粒子化および金属の活性化処理が並行して進行して触媒金属微粒子が形成される。
また、このカーボンナノチューブの成長方法における触媒微粒子を得る方法において、触媒微粒子が非金属物質よりなる触媒非金属微粒子である場合は、具体的には、図1(b)に示されるように、適宜の材質の基板上に真空蒸着法、スパッタ法およびアーク放電法などの堆積法を用いて非金属物質を堆積させ、さらにこの非金属物質を堆積させた基板を必要に応じて加熱処理して非金属物質を微粒子化させて特定微粒子を得る微粒子形成工程を行い、この特定微粒子を担持させた基板を酸化性雰囲気12中において加熱処理する活性化処理工程を行うことにより、触媒非金属微粒子を得ることができる。以下、この方法を「方法B」という。
なお、特定微粒子を担持させた基板は、一旦、大気中に取り出してもよい。
方法Bにおいて、触媒微粒子が炭化シリコン(SiC)よりなるものである場合、微粒子形成工程においては、シリコン基板を真空雰囲気に導入して900〜1000℃に加熱することにより容易に特定微粒子を形成することができる。これは、真空雰囲気中における900℃以上の加熱によって清浄なシリコン表面が露出すると、大気中においてシリコン基板に吸着していた炭素含有分子が炭素源となって、清浄なシリコン表面と反応することにより炭化シリコン(SiC)よりなる微粒子が形成されるからである。
一方、触媒微粒子がシリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)またはシリコンゲルマニウム混合物(GeSi)よりなるものである場合、真空雰囲気中において炭化シリコン基板などに室温において各物質を堆積させ、これを400℃に加熱することによりそれぞれ特定微粒子を形成することができる。
さらに、このカーボンナノチューブの成長方法における触媒微粒子を得る方法として、適宜の方法によって予め微粒子化された特定物質であって、大気中に存在することによって被覆化合物層が形成されてしまっているものであっても、活性化処理工程を行うことにより、触媒微粒子とすることができる。具体的には、図1(c)に示されるように、適宜の方法によって微粒子化された特定物質(特定微粒子)を、適宜の材質の基板上に担持させる微粒子担持工程を行い、この特定微粒子を担持させた基板を酸化性雰囲気12中において加熱処理する活性化処理工程を行うことにより、触媒微粒子を得ることができる。以下、この方法を「方法C」という。
なお、特定微粒子を担持させた基板は、一旦、大気中に取り出してもよい。
この方法Cにおいて、微粒子化された特定物質としては、特定物質のコロイド粒子や、フェリチンタンパク中に特定物質が内包された状態の微粒子などが挙げられる。
本発明のカーボンナノチューブの成長方法において、カーボンナノチューブを成長させるための基板は、酸化性雰囲気12中において安定な材質のものであれば特に限定されず、例えばシリコン基板やシリコン熱酸化膜などよりなる半導体基板、金属基板、石英基板、アルミナ基板、サファイヤ基板などを適宜に使用することができる。
触媒微粒子は、粒径が0.4〜10nm、実用的には1〜10nmの範囲にあることが好ましい。触媒微粒子の粒径がこの範囲にあることにより、カーボンナノチューブ成長工程において十分に高い品質の単層のカーボンナノチューブを得ることができる。また、さらに高い収率で単層のカーボンナノチューブが得られることから、触媒微粒子の粒径が1〜5nmの範囲にあることがより好ましい。
方法Aの金属堆積工程において触媒金属微粒子を構成すべき触媒金属をバルクの膜厚換算で0.01〜0.1nm相当量を堆積させることにより、粒径が1〜10nmの範囲にある触媒金属微粒子を得ることができ、また、当該金属をバルクの膜厚換算で0.01〜0.03nm相当量を堆積させることにより、粒径が1〜5nmの範囲にある触媒金属微粒子を得ることができる。この金属堆積工程は、例えば真空雰囲気の気相において行うことができるが、粒径が1〜10nmの範囲にある触媒金属微粒子を得ることができれば、液相で行ってもよい。
この金属堆積工程は、基板を加熱することなしに、例えば10−4Torr以下の圧力条件で行われることが好ましい。
このカーボンナノチューブの成長方法において、活性化処理工程が行われる酸化性雰囲気12とは、大気雰囲気や酸素雰囲気などであって、例えば、酸素(O2 )、オゾン(O3 )、水蒸気(H2O)、一酸化窒素(NO)、一酸化二窒素(N2 O)、二酸化窒素(NO2 )などからなる酸化性ガス、またはこれらの2種以上の混合ガスまたは、これらがプラズマ状態になっているものよりなる。
活性化処理工程における加熱処理温度は、触媒物質の種類にもよるが、800〜1000℃であることが好ましく、さらに好ましくは850〜950℃であり、例えば触媒物質が金、銅、白金や鉄族元素である場合は900℃であることが特に好ましく、触媒物質が銀である場合は950℃であることが特に好ましい。また、触媒物質がシリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム混合物(SiGe)、炭化シリコン(SiC)、窒化ガリウム(GaN)および窒化インジウム(InN)である場合は900℃であることが特に好ましく、触媒物質がセラミックスである場合は1000℃であってもよい。
活性化処理工程における加熱処理温度が上記の範囲であることにより、触媒微粒子を凝集させずに高密度で均一に分散させることができる。一方、活性化処理工程における加熱処理温度が800℃未満である場合は十分な活性化処理が行われず、得られる触媒微粒子が性能の低いものとなってしまう。また、活性化処理工程における加熱処理温度が1000℃を超える場合は、特定物質の蒸発や基板の変形などの不具合が発生することがある。
活性化処理工程における加熱処理時間は、触媒物質の種類や求める触媒微粒子のサイズによって異なるが、例えば30秒間〜30分間とされる。加熱処理時間を長くするに従って、得られる触媒微粒子のサイズを小さくすることができる。また、この加熱処理における圧力条件は、例えば大気圧とされる。
この例のカーボンナノチューブの成長方法においては、活性化処理工程が終了してから得られた触媒微粒子を大気に曝すことなくカーボンナノチューブ成長用炭素含有ガス雰囲気14中に導入することが必須である。例え1分間の極僅かな時間でも大気に曝すと、触媒微粒子がカーボンナノチューブの成長に寄与する触媒作用を著しく失ってしまう。
具体的には、図1に示されるように、同一のカーボンナノチューブ成長装置10内において、活性化処理工程のために供給される酸化性ガスを、直接、アルゴンガスやアルゴンガスと水素との混合ガスなどの不活性ガスで置換し、その後、カーボンナノチューブ成長用炭素含有ガスを導入することにより、活性化処理工程およびカーボンナノチューブ成長工程を連続して行うことが好ましい。ここに、酸化性ガスが不活性ガスに直接置換されることに限定されず、酸化性ガスを一度真空排気した後に、カーボンナノチューブ成長用炭素含有ガスを供給してカーボンナノチューブ成長工程に移行してもよい。
カーボンナノチューブ成長工程を行うカーボンナノチューブ成長用炭素含有ガス雰囲気14を構成する炭素含有ガスとしては、構成元素として炭素を含む原料ガス、例えば、メタンガス、エタンガス、プロパンガスなどの飽和炭化水素ガス、エチレンガス、アセチレンガス、ベンゼンガスなどの不飽和炭化水素ガス、メタノールガス、エタノールガスなどのアルコールガス、一酸化炭素ガスなどの炭素系ガスなどが挙げられる。
これらの炭素含有ガスは、当該炭素含有ガスを希釈する目的で、ヘリウムガス、アルゴンガス、水素ガス、窒素ガス、およびこれらの混合ガスなどの不活性ガスと共に用いてもよい。
カーボンナノチューブ成長用炭素含有ガス雰囲気14の具体的な一例としては、エタノール中をバブリングしてエタノール蒸気を含ませたアルゴンガスおよび水素ガスの混合ガスを挙げることができる。
カーボンナノチューブ成長工程においては、例えば供給される炭素含有ガスがエタノールガスである場合、基板を600〜900℃に加熱することが好ましく、800〜850℃に加熱することがより好ましい。また、カーボンナノチューブ成長工程においては圧力条件を1〜10Torrとすることが好ましい。
以上のカーボンナノチューブの成長方法によって得られるカーボンナノチューブの直径は、例えば0.4〜5nmである。得られるカーボンナノチューブの直径は、例えば使用される触媒微粒子の粒径や、カーボンナノチューブ成長工程における加熱温度や炭素含有ガスの供給圧力を制御することによって調整することができる。
カーボンナノチューブの直径は、例えばラマンスペクトルにより算出することができる。具体的には、ラジアルブリージングモード(RBM)とよばれるカーボンナノチューブの直径の伸縮に起因するピークが現れる波数領域νについて、カーボンナノチューブの直径d(nm)と波数νとの関係式;d=248/νより、得ることができる。
以上のカーボンナノチューブの成長方法によれば、大気に曝された特定微粒子の周囲に不可避的に形成された被覆化合物層が除去され、カーボンナノチューブを成長させることのできる活性化された触媒微粒子を得ることができるので、高品質のカーボンナノチューブを成長させることができる。また、触媒物質が鉄族元素など活性化処理が施されていない状態でも触媒作用を示す元素である場合は、酸化性雰囲気中における加熱処理を行わなかった場合に比して高い収率でカーボンナノチューブを成長させることができる。
<第2の実施形態>
この例のカーボンナノチューブの成長方法は、図2に示されるように、不活性ガス雰囲気23中において形成させた触媒微粒子を、大気に曝すことなくカーボンナノチューブ成長用炭素含有ガス雰囲気24中に導入してカーボンナノチューブを成長させる工程を含むものである。
具体的には、不活性ガス雰囲気23中において、適宜の材質の基板上にスパッタ法およびアーク放電法などの堆積法を用いて触媒微粒子を構成する触媒物質を堆積させて触媒物質膜を形成させ、次いで、この触媒物質膜を有する基板を適切な加熱処理温度まで昇温して触媒物質を微粒子化して触媒微粒子を得る触媒微粒子形成工程を行い、次いで、この触媒微粒子が担持された基板を、大気に曝すことなくカーボンナノチューブ成長用炭素含有ガス雰囲気24中に導入し、基板をカーボンナノチューブの成長温度おいて加熱して当該基板上にカーボンナノチューブをCVD法によって成長させるカーボンナノチューブ成長工程を行うことにより、カーボンナノチューブを得ることができる。
触媒微粒子形成工程において触媒物質を微粒子化するための加熱処理温度は、触媒物質の種類によって異なり、例えば触媒物質が金属である場合はカーボンナノチューブの成長温度であることが好ましく、例えば触媒物質がシリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム混合物(SiGe)である場合はいずれも400℃であることが好ましい。
不活性ガス雰囲気23を構成する不活性ガスとしては、アルゴンガス、ヘリウムガス、キセノンガス、水素ガス、窒素ガス、およびこれらの混合ガスなどを挙げることができる。
カーボンナノチューブを成長させるための基板としては、特に酸化性雰囲気での触媒物質の活性化処理が不要であるために、その材質は限定されず、例えばシリコン基板やシリコン熱酸化膜などよりなる半導体基板、タングステン、モリブデンなどよりなる金属基板、石英基板、アルミナ基板などを適宜に使用することができる。
また、触媒微粒子は、第1の実施の形態において挙げたものと同じものが挙げられる。
さらに、触媒微粒子の粒径は、第1の実施の形態において挙げた理由と同様の理由から、当該第1の実施の形態において挙げた大きさであることが好ましい。
触媒微粒子形成工程において触媒物質をバルクの膜厚換算で0.01〜0.1nm相当量を堆積させることにより、加熱処理によって粒径が1〜10nmの範囲にある触媒微粒子を得ることができ、また、触媒物質をバルクの膜厚換算で0.01〜0.03nm相当量を堆積させることにより、加熱処理によって粒径が1〜5nmの範囲にある触媒微粒子を得ることができる。
この触媒微粒子形成工程における触媒物質の堆積は、基板を加熱することなしに、例えば10−3〜1Torrの圧力条件で行われることが好ましい。
形成された触媒微粒子が担持された基板を大気に曝すことなくカーボンナノチューブ成長用炭素含有ガス雰囲気24中に導入する方法としては、例えば、触媒微粒子形成工程およびカーボンナノチューブ成長工程を同一のカーボンナノチューブ成長装置20において行い、供給するガスを不活性ガスから炭素含有ガスに切換える方法などが挙げられる。
カーボンナノチューブ成長工程は、第1の実施形態と同様にして行うことができる。
また、得られるカーボンナノチューブの直径は、第1の実施形態と同様にして調整することができる。
以上のカーボンナノチューブの成長方法によれば、大気に曝されない状態で形成された触媒微粒子がカーボンナノチューブの成長に供されるので、酸化性雰囲気において加熱処理する特定物質の活性化処理工程が不要である結果、基板の材質にかかわらず当該基板上に高品質のカーボンナノチューブを成長させることができる。また、触媒物質が鉄族元素などその他の元素である場合は、大気に曝されたものを用いた場合に比して高い収率でカーボンナノチューブを成長させることができる。
この第2の実施形態のカーボンナノチューブの成長方法においては、種々の変更を加えることができ、例えば、触媒微粒子形成工程は不活性ガス雰囲気において行われることに限定されず、真空雰囲気において行われてもよい。この場合、触媒微粒子形成工程における触媒物質の堆積法として、真空蒸着法を用いることができる。
<第3の実施形態>
この例のカーボンナノチューブの成長方法は、触媒微粒子形成工程を、カーボンナノチューブ成長工程におけるカーボンナノチューブ成長用炭素含有ガス雰囲気と共通の雰囲気中において行うことの他は第2の実施形態と同様にして、カーボンナノチューブを得るものである。
具体的には、図3に示されるように、触媒微粒子形成工程およびカーボンナノチューブ成長工程を、カーボンナノチューブ成長用炭素含有ガス雰囲気31とされた同一のカーボンナノチューブ成長装置30において行うことにより、触媒微粒子形成工程において形成された触媒微粒子が大気に曝されることなくカーボンナノチューブ成長用炭素含有ガス雰囲気に導入される状態が実現される。
以上のカーボンナノチューブの成長方法によれば、第2の実施形態に係るカーボンナノチューブの成長方法と同様の効果を得ることができる。
以上の第1〜第3の実施形態のカーボンナノチューブの成長方法においては、種々の変更を加えてもよい。
<カーボンナノチューブ構造体>
図4は、本発明のカーボンナノチューブ構造体の製造方法によって得られるカーボンナノチューブ構造体の一例を模式的に示す説明図である。
このカーボンナノチューブ構造体40は、カーボンナノチューブ46と、ナノワイヤ48が交互に接木された構造を有するものである。
このカーボンナノチューブ46は、例えば上述のカーボンナノチューブの成長方法において、触媒微粒子として金属による触媒金属微粒子44を用いて成長させたものであり、ナノワイヤ48は、カーボンナノチューブ46の成長に用いた触媒金属微粒子44を触媒として共通に使用し、カーボンナノチューブ46と同一装置において成長させたものである。
なお、触媒金属微粒子は、必ずしも図4のようにカーボンナノチューブ構造体の先端に存在して先端成長させるわけではなく、図5のように触媒金属微粒子54が基板52に接触して存在して根元成長させることもあり、この場合、カーボンナノチューブ56およびナノワイヤ58が触媒金属微粒子54から押し出されるように成長する。
具体的には、まず、例えばナノワイヤを成長させるためのナノワイヤ形成ガス雰囲気中において、ナノワイヤ形成条件下で、触媒金属微粒子44が担持された基板42上にナノワイヤ48を成長させるナノワイヤ成長工程を行い、次いで、同一装置においてガス雰囲気をカーボンナノチューブ成長雰囲気に切換え、カーボンナノチューブ形成条件下で、前記触媒金属微粒子44を触媒としてカーボンナノチューブ46を成長させるカーボンナノチューブ成長工程を行うことにより、ナノワイヤ48上にカーボンナノチューブ46を成長させる。このナノワイヤ成長工程およびカーボンナノチューブ成長工程を繰り返し行うことにより、カーボンナノチューブ構造体40を得ることができる。
ナノワイヤ成長工程においては、例えば触媒金属微粒子として金微粒子を用い、また例えばナノワイヤ形成ガスとして、シランやジシランを供給することにより、ナノワイヤ48としてシリコンナノワイヤを得ることができる。これは、シリコン基板上において触媒金属微粒子を構成する金属は、シリコンとの共融化合物を形成するところ、この共融化合物がシリコンナノワイヤの成長に寄与する触媒作用を有するからである。
このシリコンナノワイヤについてのナノワイヤ形成条件は、具体的には、圧力条件が0.001〜0.1Torr、加熱温度が500〜650℃とされる。
また、ナノワイヤ形成ガスとして、トリエチルガリウム(TEGa)およびターシャリブチルアルシン(t−butylarsine)を供給することにより、GaAsナノワイヤを得ることができる。
このGaAsナノワイヤについてのナノワイヤ形成条件は、具体的には、圧力条件が1〜100Torr、加熱温度が450〜600℃とされる。
さらに、トリエチルインジウム(TEIn)およびターシャリブチルフォスフィン(t−butylphosphine)を供給することにより、InPナノワイヤをそれぞれ形成できる。
このInPナノワイヤについてのナノワイヤ形成条件は、具体的には、圧力条件が1〜100Torr、加熱温度が400〜550℃とされる。
また例えば、ナノワイヤ形成ガスとしてメタンガスを用い、圧力条件を500〜900Torr、温度条件を1000〜1100℃に制御することにより、ナノワイヤ48としてカーボンナノワイヤを得ることができる。
カーボンナノチューブ構造体の製造の一例としては、500〜900Torrの圧力条件で1000〜1100℃に加熱しながらメタンガスを供給することにより、先端に触媒金属微粒子が配置されて垂直に配向したカーボンナノワイヤを得、1〜10Torrの圧力条件で800〜850℃で加熱しながらエタノール含有ガスを供給することにより、カーボンナノチューブを得、このカーボンナノワイヤの形成とカーボンナノチューブの形成とを交互に繰り返すことにより、カーボンナノチューブ構造体を得ることができる。
以上のカーボンナノチューブ構造体の製造方法によれば、触媒金属微粒子がカーボンナノチューブの成長、およびナノワイヤの成長の両方に触媒作用を示すために、カーボンナノチューブおよびナノワイヤを連続的に成長させることにより簡単に接木構造のカーボンナノチューブ構造体を製造することができる。
以上のカーボンナノチューブ構造体の製造方法においては、種々の変更を加えてもよい。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
図1(a)に示すカーボンナノチューブの成長方法に従い、カーボンナノチューブを得た。具体的には、真空蒸着装置を用い、膜厚100nmのシリコン熱酸化膜の表面上に、触媒微粒子を構成する金属として金をバルクの膜厚換算で0.03nm相当量を、室温において10-5Torrの圧力下で真空蒸着した。この基板を真空蒸着装置から取り出し、加熱炉の石英管内に入れ、大気雰囲気中において900℃に昇温し、そのまま10分間保持した。その後、温度を900℃に保持したまま、石英管内部を1Torrまで排気し、次いで、アルゴンと水素(体積比3%)の混合ガスを700Torrの圧力で石英管内を満たし、次いで、炉の温度を850℃に設定した後、エタノール中をバブリングしてエタノール蒸気を含ませたアルゴンと水素(体積比3%)の混合ガスを用い、流量を50sccmで石英管内部の圧力が4Torrになるよう、混合ガスの流量と真空ポンプによる排気を調整した。このまま30分間ガス圧と温度を保持してカーボンナノチューブの化学気相成長を行った後、ガスをアルゴンに切り替え、炉の温度を下げて基板を取り出し、カーボンナノチューブ〔A〕を得た。
このカーボンナノチューブ〔A〕についてSEM(走査電子顕微鏡)写真を撮影すると共にラマン分光測定を行った。結果を図6および図7に示す。
このカーボンナノチューブ〔A〕は、図7のラマンスペクトルより明らかなように、1600cm-1の波数領域にグラファイトシートに起因するGバンドとよばれる強いピークが現れており(図7(b)参照。)、一方、1300cm-1の波数領域にグラファイト構造の欠陥に起因するDバンドとよばれるピークが、Gバンドに比して極めて小さく、得られたカーボンナノチューブが高品質であることが確認された。また、110〜160cm-1の波数領域にラジアルブリージングモード(RBM)とよばれるカーボンナノチューブの直径の伸縮に起因するピークが現れており(図7(a)参照。)、カーボンナノチューブの直径dと波数νとの間にd=248/νの関係があることから、直径が1.5〜2.3nmの単層カーボンナノチューブが形成されていることが確認された。
〔比較例1〕
真空蒸着装置を用い、膜厚100nmのシリコン熱酸化膜の表面上に、金をバルクの膜厚換算で0.03nm相当量を、室温において10-5Torrの圧力下で真空蒸着した。この基板を真空蒸着装置から取り出し、加熱炉の石英管内に入れ、アルゴンと水素(体積比3%)の混合ガスを700Torrの圧力で石英管内を満たし、次いで、炉の温度を850℃に設定した後、エタノール中をバブリングしてエタノール蒸気を含ませたアルゴンと水素(体積比3%)の混合ガスを用い、流量を300sccmで石英管内部の圧力が700Torrになるよう、混合ガスの流量と真空ポンプによる排気を調整した。このまま30分間ガス圧と温度を保持してカーボンナノチューブの化学気相成長を行った後、ガスをアルゴンに切り替え、炉の温度を下げて基板を取り出した。
この基板についてSEM写真を撮影したところ、カーボンナノチューブは観察されなかった。
〔実施例2〕
図2に示すカーボンナノチューブの成長方法に従い、カーボンナノチューブを得た。具体的には、10-5Torrまでの高真空排気が可能な加熱炉を用い、膜厚100nmのシリコン熱酸化膜の表面に、触媒微粒子を構成する金属として金をバルクの膜厚換算で0.03nm相当量を室温において真空蒸着した。この基板を大気に曝すことなく、アルゴンと水素(体積比3%)の混合ガスを700Torrの圧力で石英管内を満たし、次いで、炉の温度を850℃に設定した。次いで、エタノール中をバブリングしてエタノール蒸気を含ませたアルゴンと水素(体積比3%)の混合ガスを用い、流量を50sccmで石英管内部の圧力が4Torrになるよう、混合ガスの流量と真空ポンプによる排気を調整した。このまま30分間ガス圧と温度を保持してカーボンナノチューブの化学気相成長を行った後、ガスをアルゴンに切り替え、炉の温度を下げて基板を取り出し、カーボンナノチューブ〔B〕を得た。
このカーボンナノチューブ〔B〕についてラマン分光測定を行ったところ、直径が1〜3nmの高品質の単層カーボンナノチューブが形成されていることが確認された。
〔実施例3〜6〕
触媒金属微粒子を構成する金属として金の代わりにそれぞれ銀、銅、白金、パラジウムを用いたことの他は実施例1と同様にしてカーボンナノチューブ〔C〕〜〔F〕を得た。
これらのカーボンナノチューブ〔C〕〜〔F〕についてラマン分光測定を行ったところ、高品質の単層カーボンナノチューブが形成されていることが確認された。
〔実施例7〜10〕
触媒金属微粒子を構成する金属として金の代わりにそれぞれ銀、銅、白金、パラジウムを用いたことの他は実施例2と同様にしてカーボンナノチューブ〔G〕〜〔J〕を得た。
これらのカーボンナノチューブ〔G〕〜〔J〕についてラマン分光測定を行ったところ、高品質の単層カーボンナノチューブが形成されていることが確認された。
〔実施例11〕
図1(b)に示すカーボンナノチューブの成長方法に従い、カーボンナノチューブを得た。具体的には、シリコン基板をHF処理して自然酸化膜を除去し、真空装置中に導入して10-7〜10-8Torrの圧力下で900℃に加熱することにより、大気中で吸着された炭素がシリコン基板と反応して、シリコン基板上に炭化シリコン(SiC)よりなる触媒微粒子を得た。この基板を真空装置から取り出し、加熱炉の石英管内に入れ、大気雰囲気中において900℃に昇温し、そのまま10分間保持した。その後、温度を900℃に保持したまま、石英管内部を1Torrまで排気し、次いで、アルゴンと水素(体積比3%)の混合ガスを700Torrの圧力で石英管内を満たし、次いで、炉の温度を850℃に設定した後、エタノール中をバブリングしてエタノール蒸気を含ませたアルゴンと水素(体積比3%)の混合ガスを用い、流量を50sccmで石英管内部の圧力が4Torrになるよう、混合ガスの流量と真空ポンプによる排気を調整した。このまま30分間ガス圧と温度を保持してカーボンナノチューブの化学気相成長を行った後、ガスをアルゴンに切り替え、炉の温度を下げて基板を取り出し、カーボンナノチューブ〔K〕を得た。
このカーボンナノチューブ〔K〕についてSEM(走査電子顕微鏡)写真を撮影すると共にラマン分光測定を行った。結果を図8および図9に示す。
このカーボンナノチューブ〔K〕は、図8のラマンスペクトルより明らかなように、1600cm-1の波数領域にグラファイトシートに起因するGバンドとよばれる強いピークが現れており(図9(b)参照。)、一方、1300cm-1の波数領域にグラファイト構造の欠陥に起因するDバンドとよばれるピークが、Gバンドに比して極めて小さく、得られたカーボンナノチューブが高品質であることが確認された。また、110〜200cm-1の波数領域にラジアルブリージングモード(RBM)とよばれるカーボンナノチューブの直径の伸縮に起因するピークが現れており(図9(a)参照。)、カーボンナノチューブの直径dと波数νとの間にd=248/νの関係があることから、直径が1.2〜2.3nmの単層カーボンナノチューブが形成されていることが確認された。
〔実施例12〕
実施例11において、触媒非金属微粒子として、真空雰囲気中において炭化シリコン基板に室温においてゲルマニウム(Ge)を堆積させ、これを400℃に加熱することによって得たゲルマニウム(Ge)微粒子を用いたことの他は実施例11と同様にしてカーボンナノチューブ〔L〕を得た。
〔実施例13〕
実施例11において、触媒非金属微粒子として、真空雰囲気中において炭化シリコン基板に室温においてシリコン(Si)を堆積させ、これを400℃に加熱することによって得たシリコン(Si)微粒子を用いたことの他は実施例11と同様にしてカーボンナノチューブ〔M〕を得た。
〔実施例14〕
実施例11において、触媒非金属微粒子として、真空雰囲気中において炭化シリコン基板に室温においてシリコンゲルマニウム混合物(SiGe)を堆積させ、これを400℃に加熱することによって得たシリコンゲルマニウム混合物(SiGe)微粒子を用いたことの他は実施例11と同様にしてカーボンナノチューブ〔N〕を得た。
これらのカーボンナノチューブ〔L〕〜〔N〕についてラマン分光測定を行ったところ、高品質の単層カーボンナノチューブが形成されていることが確認された。
第1の実施形態に係る本発明のカーボンナノチューブの成長方法の一例を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る本発明のカーボンナノチューブの成長方法の一例を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る本発明のカーボンナノチューブの成長方法の一例を示すブロック図である。 本発明のカーボンナノチューブ構造体の製造方法によって得られるカーボンナノチューブ構造体の一例を模式的に示す説明図である。 本発明のカーボンナノチューブ構造体の製造方法によって得られるカーボンナノチューブ構造体の他の一例を模式的に示す説明図である。 実施例1において得られたカーボンナノチューブのSEM写真である。 実施例1において得られたカーボンナノチューブのラマン分光測定の結果である。 実施例11において得られたカーボンナノチューブのSEM写真である。 実施例11において得られたカーボンナノチューブのラマン分光測定の結果である。
符号の説明
10 カーボンナノチューブ成長装置
12 酸化性雰囲気
14 カーボンナノチューブ成長用炭素含有ガス雰囲気
20 カーボンナノチューブ成長装置
23 不活性ガス雰囲気
24 カーボンナノチューブ成長用炭素含有ガス雰囲気
30 カーボンナノチューブ成長装置
31 カーボンナノチューブ成長用炭素含有ガス雰囲気
40 カーボンナノチューブ構造体
42,52 基板
44,54 触媒金属微粒子
46,56 カーボンナノチューブ
48,58 ナノワイヤ

Claims (7)

  1. 酸化性雰囲気中において加熱処理して得られる触媒微粒子を、大気に曝すことなくカーボンナノチューブ成長用炭素含有ガス雰囲気中に存在させてカーボンナノチューブを成長させる工程を含むことを特徴とするカーボンナノチューブの成長方法。
  2. 真空雰囲気中または不活性ガス雰囲気中において形成させた触媒微粒子を、大気に曝すことなくカーボンナノチューブ成長用炭素含有ガス雰囲気中に存在させてカーボンナノチューブを成長させる工程を含むことを特徴とするカーボンナノチューブの成長方法。
  3. カーボンナノチューブ成長用炭素含有ガスよりなる雰囲気中において形成させた触媒微粒子を、大気に曝すことなく当該カーボンナノチューブ成長用炭素含有ガスに接触させてカーボンナノチューブを成長させる工程を含むことを特徴とするカーボンナノチューブの成長方法。
  4. 触媒微粒子は、粒径が0.4〜10nmの範囲にあるものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のカーボンナノチューブの成長方法。
  5. 触媒微粒子が、金、銀、銅、白金およびパラジウムから選ばれた金属よりなる触媒金属微粒子であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のカーボンナノチューブの成長方法。
  6. 触媒微粒子が、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム混合物(SiGe)および炭化シリコン(SiC)から選ばれた非金属物質よりなる触媒非金属微粒子であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のカーボンナノチューブの成長方法。
  7. カーボンナノチューブおよびナノワイヤが連続的に配置されて伸びるカーボンナノチューブ構造体の製造方法であって、
    請求項5に記載のカーボンナノチューブの成長方法によってカーボンナノチューブを成長させる工程と、当該カーボンナノチューブを成長させる工程において用いられる触媒金属微粒子を使用して、ナノワイヤを成長させる工程とを連続的に行うことを特徴とするカーボンナノチューブ構造体の製造方法。
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