JPWO2011059053A1 - 糖尿病の治療または予防薬 - Google Patents

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Abstract

要約PPAR−γアゴニストであるチアゾリジン誘導体を1つの有効成分とする糖尿病の治療又は予防薬であって、PPAR−γアゴニストの副作用が軽減された糖尿病の治療薬または予防薬が開示されている。糖尿病の治療又は予防薬は、ベラプロストナトリウム(BPS)のような特定のIPアゴニストと、ピオグリタゾンまたはその薬理学的に許容される塩のようなチアゾリジン誘導体を含む。本発明の治療薬または予防薬は、PPAR−γアゴニストの特徴的な副作用(例えば体重増加)を伴わずに充分有効な血糖低下作用を示すことから、安全性、有効性の高い糖尿病の治療薬または予防薬として有用である。

Description

本発明は、副作用が軽減された糖尿病の治療または予防薬に関する。
糖尿病は、インスリンの作用不足を伴う慢性高血糖状態を主徴とし、種々の特徴的な代謝異常を伴う疾患群である。その患者数は世界的に増加の傾向を示しており、特に、高脂肪食および運動不足などのライフスタイルの変化に伴い、肥満、高トリグリセライド血症、低HDL−コレステロール血症、糖代謝異常、高血圧等の危険因子を合併する病態であるメタボリックシンドローム型の2型糖尿病患者が増加している。その背景には、インスリン抵抗性(インスリンの作用不足)が強く関与していることが知られていることから、インスリン抵抗性改善作用を示す2型糖尿病治療薬の開発が特に強く望まれている。
核内受容体であるペルオキシソーム増殖剤応答性受容体−ガンマー(PPAR−γ)アゴニストは近年開発された2型糖尿病治療薬であり、インスリン抵抗性を改善することで血糖低下作用を発揮し、糖尿病の予防および治療に有効であることが知られている。
PPAR−γアゴニストは、現在ピオグリタゾン塩酸塩とロシグリタゾンマレイン酸塩のみが市販されているが、Isaglitazone、Rivoglitazone、Bardoxolone、Aleglitazar、Lobeglitazone、ZYH−1、AVE−0897、Chiglitazar、THR−0921、GFT−505、Indeglitazar、GSK−376501、Inoglitazoneなどの薬剤が開発中であり、2型糖尿病治療に効果的な薬剤として注目されている。
その一方でPPAR−γアゴニストには特徴的な副作用として浮腫や体重増加を示す傾向があり、そのため心不全患者、心不全の既往者には使用できないことや、適切に体重をコントロールする必要があるなど、使用上の制限がある。肥満は糖尿病の危険因子のひとつであることから、体重増加は糖尿病患者にとっては避けたい副作用の一つであり、PPAR−γアゴニストの副作用を軽減することが強く望まれている。
これを受けて、PPAR−γアゴニストとそれ以外の作用機序を有する他の糖尿病治療薬や予防薬(αグルコシダーゼ阻害剤、スルフォニル尿素剤、ビグアナイド剤、アルドース還元酵素阻害剤、スタチン系化合物、スクアレン合成阻害剤、フィブラート系化合物、LDL異化促進剤およびアンジオテンシン変換酵素阻害剤)を組み合わせることにより、安全性が高くかつ効果的な糖尿病治療効果を示す方法が開示されている(特許文献1)。
プロスタグランジンI誘導体を含むIPアゴニストは、血管拡張、血小板凝集抑制、平滑筋増殖抑制、血管内皮保護、炎症性サイトカイン抑制作用を有し、単独で糖尿病治療剤として有効であることや(特許文献2、非特許文献1)、PPAR−γアゴニストと組み合わせることにより糖尿病治療または予防に有効であることが開示されている(特許文献3)。もっとも、特許文献3では、PPAR−γアゴニストは多数の任意成分の1つとして列挙されているに過ぎず、IPアゴニストとの併用効果や、それを裏付ける具体的な記載は全くない。さらに、内因性プロスタサイクリン誘導薬として知られているシクレタニンをPPAR−γアゴニストと組み合わせることにより、相乗的な糖尿病治療効果を示すことや(特許文献4)、脂質代謝、浮腫のコントロールおよびPPAR−γアゴニストの肝毒性の軽減について想定されることが記載されている(特許文献5)。しかし、これらの報告にはIPアゴニストがPPAR−γアゴニストの体重増加を軽減することは記載されていない。
IPアゴニストであるベラプロストナトリウムは、経口投与可能な安定プロスタグランジンI誘導体として慢性動脈閉塞症(非特許文献2)、あるいは原発性肺高血圧症の治療薬として、広く基礎研究または臨床応用されている(非特許文献3、4)。ベラプロストナトリウムまたはその誘導体は、血小板凝集抑制作用を有するため、抗血栓薬としての可能性が指摘されていることや、抗高脂血症作用を有するとの報告もある(特許文献6、7)。また、ベラプロストナトリウムは、動脈硬化、糖尿病性腎症、糖尿病性細小血管障害、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性大血管障害といった糖尿病性合併症に有効であることや(特許文献8)、ベラプロストナトリウムと糖尿病治療薬との組み合わせにより、従来の糖尿病治療薬では十分に治療し得なかった運動神経と知覚神経の機能低下に関して、神経伝導速度が改善することを見出し、これらの薬剤の組み合わせによる糖尿病性神経障害の治療方法が開示されている(特許文献9)。しかし、これらの報告は対象疾患が異なり、ベラプロストナトリウムと糖尿病治療薬との組み合わせによる糖尿病治療効果は記載されていない。一方、ベラプロストナトリウムはピオグリタゾン塩酸塩と併用することにより糖尿病治療または予防に有効であることが開示されているが(特許文献3)、この文献ではベラプロストナトリウムとピオグリタゾン塩酸塩は、IPアゴニストとPPAR−γアゴニストの多数の薬剤の組み合わせの1つとして列挙されているに過ぎず、併用による効果や、それを裏付ける具体的な記載は全くない。
しかしながら、IPアゴニストが該PPAR−γアゴニストの副作用、すなわち体重増加作用を軽減すると同時に優れた血糖低下作用をも有する糖尿病の治療薬または予防薬となることについては、これまでに知られていない。
特開2007−191494号公報 特開平2−167227号公報 特開2006−199694号公報 特表2006−523668号公報 WO2006/034510 特公平1−53672号公報 特開昭62−286924号公報 WO99/13880 特開平10−251146
Paolissoら, Diabetes Care,18,200−205,1995 Melianら, Drugs,62,107−133,2002 Hashidaら,Angiology,49,161−164,1998 Miyataら,J.Cardiovasc.Pharmacol.,27,20−26,1996
本発明の目的は、PPAR−γアゴニストを1つの有効成分とする糖尿病の治療又は予防薬であって、PPAR−γアゴニストの副作用が軽減された糖尿病の治療薬または予防薬を提供することにある。
上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、発明者らは、有効な血糖低下作用を示さない用量のIPアゴニストと、有効な血糖低下作用を示さないが特徴的な副作用、特に体重増加作用を示す用量のPPAR−γアゴニストを組み合わせることで、それぞれの単剤投与で認められない充分有効な血糖低下作用と耐糖能改善作用を示すこと、および該PPAR−γアゴニストの副作用が軽減することを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の通りである。

(1) IPアゴニストとPPAR−γアゴニストとを組合せた糖尿病の治療または予防薬。
(2) 前記IPアゴニストが一般式(I):
Figure 2011059053
(式中Rは薬理学的に許容される陽イオンまたは水素を表し、
は水素または炭素数2から10のアシル基を表し、
は水素または炭素数2から10のアシル基を表し、
は水素、メチル基またはエチル基を表し、Rは炭素数1から5の直鎖アルキル基を表し、
Aは
i) ―CH―CH―または
ii) トランス―CH=CH―
を表し、
Xはトランス―CH=CH―を表す)
で表されるプロスタグランジンI誘導体である、(1)に記載の治療または予防薬。
(3)前記一般式(I)で表されるプロスタグランジンI誘導体がベラプロストナトリウムである、(2)に記載の治療または予防薬。
(4)前記PPAR−γアゴニストがチアゾリジン誘導体である、(1)〜(3)のいずれかに記載の治療または予防薬。
(5)前記チアゾリジン誘導体がピオグリタゾンまたはその薬理学的に許容される塩である、(4)に記載の治療または予防薬。
(6)前記IPアゴニスト及びPPAR−γアゴニストが、それぞれ単独では糖尿病の治療または予防効果を発揮しない投与量で用いられる(1)〜(5)のいずれかに記載の治療または予防薬。
また、本発明は、前記のうち以下の部分が好ましい。

(1)´一般式(I)
Figure 2011059053
(式中Rは薬理学的に許容される陽イオンまたは水素を表し、
は水素または炭素数2から10のアシル基を表し、
は水素または炭素数2から10のアシル基を表し、
は水素、メチル基またはエチル基を表し、Rは炭素数1から5の直鎖アルキル基を表し、
Aは
i) ―CH―CH―または
ii) トランス―CH=CH―
を表し、
Xはトランス―CH=CH―を表す)
で表されるプロスタグランジンI誘導体とチアゾリジン誘導体とを組み合わせた糖尿病の治療または予防薬。
(2)´前記一般式(I)において、RとRはともに水素であり、RとRはともにメチル基であり、Aは―CH―CH―である、(1)´に記載の治療または予防薬。
(3)´前記一般式(I)で表されるプロスタグランジンI誘導体がベラプロストナトリウムである、(2)´に記載の治療または予防薬。
(4)´前記チアゾリジン誘導体がピオグリタゾンまたはその薬理学的に許容される塩である、(1)´から(3)´のいずれかに記載の治療または予防薬。
本発明の治療または予防薬は、PPAR−γアゴニストの特徴的な副作用(例えば体重増加)を伴わずに充分有効な血糖低下作用や耐糖能改善作用を示すことから、安全性、有効性の高い糖尿病の治療または予防薬として有用である。
本発明において、「IPアゴニスト」とは、細胞膜上のプロスタグランジンI(IP)受容体に結合し、血管拡張作用、血小板凝集抑制作用、平滑筋増殖抑制作用、血管内皮保護作用、炎症性サイトカイン抑制作用といった作用を示す薬剤の総称である。IPアゴニストとしては、前記一般式(I)で表されるプロスタグランジンI誘導体が好ましく、特に特公平1−53672に記載された化合物であるベラプロストおよびそのナトリウム塩であるベラプロストナトリウムならびにベラプロストを構成する異性体のひとつである化合物1
Figure 2011059053
およびそのナトリウム塩である化合物2
Figure 2011059053
が好ましい。
前記一般式(I)で表されるプロスタグランジンI誘導体には、d体、l体およびdl体が包含され、この一般式(I)で表される各化合物の混合物も包含される。
また、IPアゴニストとしては、Octimibate(西独特許公開公報3504677号明細書)および同明細書記載の化合物、アタプロスト(特開昭54−130543号公報)および同公報記載の化合物、CS−570(特開昭54−95552号公報)および同公報記載の化合物、シカプロスト(特開昭59−157050号公報)および同公報記載の化合物、OP−2507(特開昭61−30519号公報)および同公報記載の化合物、クリンプロスト(特開昭59−137445号公報)および同公報記載の化合物、ピミルプロスト(特開昭59−141536号公報)および同公報記載の化合物、TY−11223(特開平03−246252号公報)および同公報記載の化合物、samixogrel(特開平03−005457号公報)および同公報記載の化合物、エポプロステノール・ナトリウム(特開昭52−136161号公報)および同公報記載の化合物、treprostinil sodium(米国特許第4306075号明細書)および同明細書記載の化合物、イロプロスト(特開昭55−057559号公報)および同公報記載の化合物、イブジラスト(特開昭48−097898号公報)および同公報記載の化合物、オザグレル・ナトリウム(特開昭55−000313号公報)および同公報記載の化合物、イスボグレル(特開昭58−219162号公報)および同公報記載の化合物、TRA−418(国際公開第00/07992号パンフレット)および同パンフレット記載の化合物、フタラジノール(特開昭50−70380号公報)および同公報記載の化合物、NS−304(国際公開第02/088084号パンフレット)および同パンフレット記載の化合物なども望ましい化合物として挙げられる。なお、IPアゴニストは、1種類のものを用いることもできるし、2種以上のものを組み合わせて用いることもできる。
前記一般式(I)で表されるプロスタグランジンI誘導体において、「薬理学的に許容される陽イオン」としては、金属陽イオン、アミン陽イオンなどが挙げられる。
金属陽イオンは、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム)から誘導されるものである。勿論、その他の金属、例えば、アルミニウム、亜鉛、鉄などから誘導される陽イオンも本発明に包含される。
アミン陽イオンは、第1級、第2級または第3級アミンから誘導されるものである。適当なアミンの例としては、(1)脂肪族、脂環式、芳香族アミン類や複素環式アミン類、例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン、ジブチルアミン、トリイソプロピルアミン、N−メチルヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、アリルアミン、クロチルアミン、シクロペンチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、α−フェニルエチルアミン、β−フェニルエチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、1−メチルピペリジン、4―エチルモルホリン、1−イソプロピルピロリジン、2−メチルピロリジン、1,4−ジメチルピペラジン、2−メチルピペリジンなど、(2)水溶性アミン類、親水性基を含有するアミン類、例えば、モノ−エタノールアミン、ジ−エタノールアミン、トリ−エタノールアミン、エチルジエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、2−アミノ−1−ブタノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N−フェニルエタノールアミンなど、(3)塩基性アミノ酸、例えば、リジン、アルギニンなど、を挙げることができる。
「炭素数1から5の直鎖アルキル基」は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基である。「炭素数2から12のアシル基」としては、アセチル基、プロピオニル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、デカノイル基などが挙げられる。
本発明において、IPアゴニストのうち、前記一般式(I)で表されるプロスタグランジンI誘導体、特にベラプロストナトリウムが好ましい。ベラプロストナトリウムは、物理化学的に長期間安定であり、経口投与でのバイオアベイラビリティが高く、組み合わせによる糖尿病の治療を効果的に実現できる。さらに多数の臨床使用経験があり、ヒトに投与した場合における長期間の安全性が確立されていることから、特に好ましく用いられる。
ベラプロストナトリウムは、既に市販されており、その製造方法も周知であり、例えば、特公平1−53672に記載された方法により製造することができる。また、本発明においては、市販のベラプロストナトリウムを好ましく用いることもできる。通常は薬理学的に許容される担体や賦形剤と一緒に、錠剤、カプセル剤、散在、顆粒剤、液剤などの内服可能な一般的な医薬製剤の形態で用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
一般式(I)で表される、ベラプロストナトリウム以外のプロスタグランジンI誘導体も、例えば、特公平1−53672に記載された方法により製造することができる。
化合物1および2は、例えば、公知文献(Heterocycles、Vol.53、No.5、p.1085−1110、2000年)に記載された方法、および通常用いられる塩化方法により製造することができる。通常は薬理学的に許容される担体や賦形剤と一緒に、錠剤、カプセル剤、散在、顆粒剤、液剤などの内服可能な一般的な医薬製剤の形態で用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明において、「PPAR−γアゴニスト」とは、核内受容体であるペルオキシソーム増殖剤応答性受容体ガンマー(PPAR−γ)に作用し、インスリン感受性を増強する薬剤の総称である。PPAR−γアゴニストとしては、現在市販されているピオグリタゾン塩酸塩およびロシグリタゾンマレイン酸塩や、現在開発中のIsaglitazone、Rivoglitazone、Bardoxolone、Aleglitazar、Lobeglitazone、ZYH−1、AVE−0897、Chiglitazar、THR−0921、GFT−505、Indeglitazar、GSK−376501、Inoglitazoneが好ましい。PPAR−γアゴニストの中でも、チアゾリジン誘導体が好ましい。なお、ここで、「チアゾリジン誘導体」とは、チアゾリジンジオンを部分構造として有する化合物群である。チアゾリジン誘導体の中でも特に好ましくは、米国特許第4,687,777号公報に記載され、市販もされている化合物であるピオグリタゾンまたはその薬理学的に許容される塩である。薬理学的に許容される塩としては、塩酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、などの無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩、安息香酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩などの有機酸塩、リジン、グリシン、フェニルアラニン、アスパラギン、グルタミン酸等のアミノ酸が付加した酸付加塩などが挙げられる。なお、PPAR−γアゴニストは、1種類のものを単独で用いることもできるし、2種以上のものを組み合わせて用いることもできる。
ピオグリタゾン塩酸塩は、優れたインスリン抵抗性改善薬であり、障害を受けているインスリン受容体の機能を元に戻すことによって、糖輸送担体の細胞内局在性を正常化したり、グルコキナーゼ等の糖代謝の中心となる酵素系あるいはリポ蛋白リパーゼ等の脂質代謝関連酵素系を正常化する。その結果、インスリン抵抗性や耐糖能が改善されるのみならず、中性脂肪や遊離脂肪酸も低下する。さらに多数の臨床使用経験があり、ヒトにおける長期間の有効性が確立されていることから、特に好ましく用いられる。
ピオグリタゾンまたはその薬理学的に許容される塩の製造方法は周知であり、例えば、特開昭55−22636や特開昭61−267580に記載された方法により製造することができる。また、市販品を好ましく用いることもできる。通常は薬理学的に許容される担体や賦形剤と一緒に、錠剤、カプセル剤、散在、顆粒剤、液剤などの内服可能な一般的な医薬製剤の形態で用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
本発明において、IPアゴニストのうち、前記一般式(I)で表される化合物、特にベラプロストナトリウムと、PPAR−γアゴニストのうち、特にピオグリタゾン塩酸塩との組合せが最も好ましい。
本発明において、「糖尿病の治療または予防薬」には、糖尿病の治療薬であり予防薬であるものも含まれる。
本発明の治療または予防薬の投与量は、個々の薬剤の投与量に準ずればよく、投与対象の年齢、体重、症状、投与時間、剤形、投与方法、薬剤の組み合わせ等により、適宜選択することができる。
本発明におけるIPアゴニストについては、ヒトに使用する場合、例えば、有効成分である前記一般式(I)で表されるプロスタグランジンI誘導体の量として、成人1回あたり、1から1000μg/人、好ましくは5から500μg/人であり、これを1日1回〜4回程度、1日以上、特に3日以上に亘って投与することが好ましい。ヒト以外の哺乳動物に適用する場合の好適な投与量は、例えば、有効成分である一般式(I)で表されるプロスタグランジンI誘導体の量として、0.1μg/kgから100mg/kg、好ましくは1μg/kgから50mg/kgであり、これを1日1回〜4回程度、1日以上、特に3日以上投与することが好ましい。
本発明におけるPPAR−γアゴニストは、成人1人当たり経口投与の場合、臨床用量である0.01〜10mg/kg体重(好ましくは0.05〜10mg/kg体重、さらに好ましくは0.05 〜5mg/kg体重)、非経口的に投与する場合は0.005〜 10mg/kg体重(好ましくは0.01〜10mg/kg体重、さらに好ましくは0.01〜1mg/kg体重)の範囲で選択できる。投与回数は、1日1〜3回が適当である。
なお、下記実施例において具体的に示されるように、驚くべきことに、前記IPアゴニスト及びPPAR−γアゴニストが、それぞれ単独では糖尿病の治療または予防効果を発揮しない投与量であっても、両成分の併用により、優れた糖尿病の治療または予防効果が発揮される。そして、PPAR−γアゴニストは、このような投与量でも体重増加等の副作用をもたらすが、IPアゴニストにより、PPAR−γアゴニストの副作用が軽減される。従って、本発明においては、IPアゴニスト及びPPAR−γアゴニストが、それぞれ単独では糖尿病の治療または予防効果を発揮しない投与量であって、かつ、IPアゴニストが、PPAR−γアゴニストの副作用を軽減する投与量で投与されるように用いることが、優れた治療、予防効果を達成し、それでいて副作用の軽減及び治療の低コスト化(薬剤の投与量が減れば、値段は当然安くなる)を達成できるので好ましい。このようなIPアゴニストの投与量としては、成人1人当たり経口投与の場合、成人1回あたり、5から500μg/人、好ましくは5から250μg/人であり、これを1日1回〜4回程度、1日以上、特に3日以上に亘って投与することが好ましい。また、PPAR−γアゴニストは、成人1人当たり経口投与の場合、0.05〜1.0mg/kg体重、好ましくは0.05〜0.5mg/kg体重、非経口的に投与する場合は0.025〜 1.0mg/kg体重、好ましくは0.025〜0.5mg/kg体重の範囲で選択できる。投与回数は、1日1〜3回が適当である。
投与方法としては、経口投与、皮下投与、静脈内ないしは血管内投与、筋肉内投与、経肺投与、十二指腸内投与、腹腔内投与など、いずれの投与方法であってもよく、特に限定されないが、より好ましい投与形態は経口投与である。
本発明において、IPアゴニスト、例えば、前記一般式(I)で表されるプロスタグランジンI誘導体は、製剤化に必要な薬理学的に許容される添加物で適宜製剤化することができる。具体的には、賦形剤として、乳糖、マンニトール、キシリトール、デキストリン等の糖類、コーンスターチ、ヒドロキシプロピルスターチ、部分アルファー化デンプン等のデンプン類、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド5000K、あるいはこれら2種以上からなる混合物、結合剤として、ヒロドキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMCNa)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、デンプン、マクロゴール6000、L−グルタミン酸、ステアリン酸マグネシウムあるいはこれら2種以上からなる混合物等を含んでいてもよい。
本発明において、IPアゴニスト、例えば、前記一般式(I)で表されるプロスタグランジンI誘導体の製剤は、経口的に投与しても非経口的に投与してもよい。
経口投与する場合、前記一般式(I)で表されるプロスタグランジンI誘導体は、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、液剤、シロップ剤、カプセル剤、丸剤、スプレー剤として製剤化することができる。この場合、成型品をフィルムコーティングしたり、糖衣掛けしたり、カプセル充填してもよい。特に、錠剤、細粒、顆粒、散剤あるいは液剤として製剤化されることが好ましい。あるいは前記一般式(I)で表されるプロスタグランジンI誘導体を製剤化する場合、その有効成分を食物に含有させた処方食の形態をとってもよい。こうした処方食は固形物であっても半流動体状であっても溶液状態であっても良い。
非経口的投与する場合、IPアゴニスト、例えば、前記一般式(I)で表されるプロスタグランジンI誘導体は、各種注射剤、坐剤として製剤化することができる。この場合、他の溶質、例えば液を等張にするに十分な塩化ナトリウムまたはグルコース等を用いることもできるし、含水ゲルを用いるなどの既存の方法によって徐放化させてもよい。
本発明において使用されるPPAR−γアゴニストの投与ルートは、一般的に、経口投与である。単位投与形態は、通常の製剤技術により調製されるものであれば特に限定はないが、例えば、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤などを挙げることができる。
これらの各種製剤は、常法に従って、賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤沢剤、溶解剤、矯味矯臭、コーティング剤等の、医薬製剤分野において通常使用しうる既知の補助剤を用いて製剤化することができる。
例えば、錠剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ぶどう糖、尿素、澱粉、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ぶどう糖液、澱粉液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥澱粉、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、澱粉、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、澱粉等の保湿剤、澱粉、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、硼酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等が例示できる。更に錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。
丸剤の形態に成形するに際しては、担体としてこの分野で従来公知のものを広く使用でき、例えばぶどう糖、乳糖、澱粉、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナランカンテン等の崩壊剤等が例示できる。更に必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有させてもよい。
前記医薬製剤中に含まれるPPAR−γアゴニストは、特に限定されず広範囲に適宜選択されるが、通常全組成物中1〜70重量%、好ましくは1〜30重量%含まれる量とするのが適当である。
本発明の治療または予防薬は、配合剤の形態で投与することができる。また、それぞれの単剤を同時に投与することもできる。また、それぞれの単剤を適当な間隔をおいて投与することもできる。薬剤の投与によりもたらされる効果が達成されるのに許容される投与間隔は、臨床上または動物実験により確認することができる。それぞれの単剤は、それぞれ化合物に適した形態で製剤化されて投与され、その投与経路は異なっていてもよい。
本発明の治療または予防薬において、PPAR−γアゴニストの投与により副作用、特に体重増加が認められた場合、臨床上許容できる範囲の軽微な副作用を示す用量を上限にして、PPAR−γアゴニストの投与量を適宜減量することができる。
また、本発明においては、さらに既存の糖尿病治療薬を併用することもできる。既存の糖尿病治療薬としては、PPAR−αアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、レチノイドRXRアゴニスト、β3−アドレナリン受容体アゴニスト、11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ阻害剤、タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤、AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)活性化剤、アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤、カンナビノイド受容体1(CB1)アンタゴニスト、インスリン分泌促進剤(ATP依存性カリウムチャネル阻害剤(スルホニルウレア剤、スルホンアミド剤、フェニルアラニン誘導体等))、ビグアナイド剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、インスリン製剤、インスリンアナログ、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤、グルカゴン様ペプチド1(GLP1)アゴニスト、GLP1などが挙げられる。これらの既存の糖尿病治療薬も配合剤の形態で投与することができる。また、それぞれの単剤を同時に投与することもできる。また、それぞれの単剤を適当な間隔をおいて投与することもできる。
本発明の、糖尿病の治療または予防効果を評価する方法としては、血糖測定、ブドウ糖負荷試験または高インスリン正常血糖クランプ法があり、特に血糖測定やブドウ糖負荷試験は糖尿病の診断方法の一つになっている。
以下実施例に基づき、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
KKAyマウスの血糖値および体重に対するベラプロストナトリウム(BPS)とピオグリタゾン塩酸塩の併用効果
実験には雄性KKAyマウス(日本クレア株式会社)を用いた。KKAyマウスは7〜8週齢から肥満、高血糖を示し、2型糖尿病モデルマウスとして汎用されている。KKAyマウスは5週齢で入荷し、入荷時からCMF飼料(オリエンタル酵母工業株式会社)で3週間自由摂食、摂水の環境下で飼育後、実験に供した。溶媒(生理食塩水、6μL/day)またはBPS(1mg/kg/day、東レ社製市販品)を持続皮下投与するため、KKAyマウスの皮下に徐放性ミニポンプ(Alzet micro osmotic pump 1002モデル、Alzet osmotic pumps company)を留置する処置を行った。なお、生理食塩水またはBPSの持続投与は実験終了まで実施した。留置処置(皮下持続投与開始)の3日後から、溶媒(0.5%メチルセルロース(MC)溶液、10mL/kg)またはピオグリタゾン塩酸塩(東レ社内合成品)の経口投与を開始した。ピオグリタゾン塩酸塩は0.5%MC懸濁溶液として投与した。0.5%MC溶液およびピオグリタゾン塩酸塩の投与期間は10日間とし、投与は1日1回夕方行った。実験群は次の通りとした。
(1)コントロール群(n=8):生理食塩水(6μL/day)+0.5%MC溶液(10mL/kg)
(2)BPS群(n=6):BPS(1mg/kg/day)+0.5%MC溶液(10mL/kg)
(3)ピオグリタゾン塩酸塩3mg群(n=6):生理食塩水(6μL/day)+ピオグリタゾン塩酸塩(3mg/kg)
(4)BPS−ピオグリタゾン塩酸塩3mg併用群(n=6):BPS(1mg/kg/day)+ピオグリタゾン塩酸塩(3mg/kg)
(5)ピオグリタゾン塩酸塩30mg群(n=6):生理食塩水(6μL/day)+ピオグリタゾン塩酸塩(30mg/kg)
生理食塩水またはBPSの持続投与開始日の前日に、体重及び随時血糖値を測定した(表1および2の投与前に該当)。0.5%MC溶液またはピオグリタゾン塩酸塩の最終投与時に体重を測定し、最終投与から約18時間後に随時血糖値を測定した(表1および2の投与後に該当)。随時血糖値は尾静脈から約5μLの血液を採取し、簡易型血糖測定装置(メディセンス・プレシジョンエクシード、アボットジャパン株式会社)を用いて測定した。
その結果、表1の通り、BPS群およびピオグリタゾン塩酸塩3mg群では薬物投与開始前と比較して随時血糖値に変化が認められなかった。一方、BPS−ピオグリタゾン塩酸塩3mg併用群とピオグリタゾン塩酸塩30mg群では薬物投与前と比較して随時血糖値の有意な低下が認められ、その作用の程度は同程度だった。
また、体重に対する作用について、表2の通り、ピオグリタゾン塩酸塩3mg群およびピオグリタゾン塩酸塩30mg群で薬物投与開始前と比較して有意な体重増加が認められた。一方、BPS−ピオグリタゾン塩酸塩3mg併用群は薬物投与開始前と比較して体重に変化が認められなかった。
このことから、単剤では充分有効な血糖低下作用を示さない用量のBPSとピオグリタゾン塩酸塩3mgを併用投与することにより、ピオグリタゾン塩酸塩30mg/kgの投与と同程度の随時血糖低下作用が認められ、さらに、ピオグリタゾン塩酸塩3mg/kg単剤の投与により認められる体重増加作用が抑制されることが明らかとなった。
Figure 2011059053
Figure 2011059053
実施例2
KKAyマウスの耐糖能に対するベラプロストナトリウム(BPS)とピオグリタゾン塩酸塩の併用効果
実験には雄性KKAyマウス(日本クレア株式会社)を用いた。KKAyマウスは5または7週齢で入荷し、入荷時からCMF飼料(オリエンタル酵母工業株式会社)で2〜4週間自由摂食、摂水の環境下で飼育後、実験に供した。群分け後、溶媒(0.5%メチルセルロース(MC)溶液、10mL/kg)またはピオグリタゾン塩酸塩(東レ社内合成品)の経口投与を開始した。ピオグリタゾン塩酸塩は0.5%MC懸濁溶液として投与した。MC溶液およびピオグリタゾン塩酸塩の投与期間は20日間とし、投与は1日1回夕方に行った。MC溶液およびピオグリタゾン塩酸塩投与開始から6日後に、溶媒(生理食塩水、6μL/day)またはBPS(1mg/kg/day、東レ社製市販品)を持続皮下投与するため、KKAyマウスの皮下に徐放性ミニポンプ(Alzet micro osmotic pump 1002モデル、Alzet osmotic pumps company)を留置する処置を行った。生理食塩水またはBPSの持続投与は実験終了まで実施した。実験群は次の通りとした。
(1)コントロール群(n=6):生理食塩水(6μL/day)+0.5%MC溶液(10mL/kg)
(2)BPS群(n=5):BPS(1mg/kg/day)+0.5%MC溶液(10mL/kg)
(3)ピオグリタゾン塩酸塩3mg群(n=5):生理食塩水(6μL/day)+ピオグリタゾン塩酸塩(3mg/kg)
(4)BPS−ピオグリタゾン塩酸塩3mg併用群(n=6):BPS(1mg/kg/day)+ピオグリタゾン塩酸塩(3mg/kg)
(5)ピオグリタゾン塩酸塩30mg群(n=6):生理食塩水(6μL/day)+ピオグリタゾン塩酸塩(30mg/kg)
0.5%MC溶液およびピオグリタゾン塩酸塩の最終経口投与後、ブドウ糖負荷試験を実施した。ブドウ糖負荷試験は、17時間以上絶食した条件で、ブドウ糖水溶液(1.5g/10mL/kg)を無麻酔下強制経口投与し、実施した。ブドウ糖投与直前(0分とする)、ブドウ糖投与後15、30、60、120分の各時点の血糖値を測定した。血糖値は尾静脈から約5μLの血液を採取し、簡易型血糖測定装置(グルテストエースR、アールクレイファクトリー/三和化学研究所)を用いて測定した。ブドウ糖投与直前(0分)における血糖値からの各時点における血糖値上昇分をΔ血糖値とした。X軸にブドウ糖投与からの時間(分)、Y軸にΔ血糖値(mg/dL)をプロットした時の、0分〜120分までのΔ血糖値−時間曲線下面積(ΔAUC0−120)を計算した。
その結果、表3の通り、BPS群およびピオグリタゾン塩酸塩3mg群では、コントロール群と比較してΔAUC0−120に変化が認められなかった。一方、BPS−ピオグリタゾン塩酸塩3mg併用群ではコントロール群と比較してΔAUC0−120の有意な低下が認められ、耐糖能改善作用を示した。また、その作用はピオグリタゾン塩酸塩30mg群に比べても有意な低下が認められた。
このことから、KKAyマウスの耐糖能に対し、それぞれ単剤では改善作用を示さない用量のBPSとピオグリタゾン塩酸塩を併用することで、ピオグリタゾン塩酸塩30mg/kgと同程度以上の耐糖能改善作用が認められ、糖尿病の治療および予防薬として十分な効果を示すことが明らかとなった。
Figure 2011059053
本発明により、IPアゴニスト、特に前記一般式(I)で表されるプロスタグランジンI誘導体は、PPAR−γアゴニストと併用投与することによりPPAR−γアゴニストの血糖低下作用を増強するとともに、副作用(特に体重増加)を軽減すること、さらに、耐糖能改善作用を示すことが確認された。したがって、IPアゴニストとPPAR−γアゴニストとの組合せによる本発明の治療または予防薬は、該PPAR−γアゴニストの副作用を軽減した優れた糖尿病の治療または予防薬となることが期待できる。

Claims (4)

  1. 一般式(I)
    Figure 2011059053
    (式中Rは薬理学的に許容される陽イオンまたは水素を表し、
    は水素または炭素数2から10のアシル基を表し、
    は水素または炭素数2から10のアシル基を表し、
    は水素、メチル基またはエチル基を表し、Rは炭素数1から5の直鎖アルキル基を表し、
    Aは
    i) ―CH―CH―または
    ii) トランス―CH=CH―
    を表し、
    Xはトランス―CH=CH―を表す)
    で表されるプロスタグランジンI誘導体とチアゾリジン誘導体とを組み合わせた糖尿病の治療または予防薬。
  2. 前記一般式(I)において、RとRはともに水素であり、RとRはともにメチル基であり、Aは―CH―CH―である、請求項1に記載の治療または予防薬。
  3. 前記一般式(I)で表されるプロスタグランジンI誘導体がベラプロストナトリウムである、請求項2に記載の治療または予防薬。
  4. 前記チアゾリジン誘導体がピオグリタゾンまたはその薬理学的に許容される塩である、請求項1から3のいずれか1項に記載の治療または予防薬。
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