JPWO2011048875A1 - プレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター - Google Patents
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Abstract
広い波長帯域で使用できると共に、入射角度に対する依存性が小さく、また、膜枚数が少ないことで歩留まりの向上と製造コストの低減を図れるようにしたプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッターを提供する。光を入射することにより光束を分割するためのビームスプリッターにおいて、両主表面が光学研磨加工された平板状の透明ガラス基板の一方の主表面上に、波長帯域拡大膜と、前記波長帯域拡大膜上に設けられた金属膜と、前記金属膜上に設けられた無偏光化膜と、を有し、前記光がビームスプリッターに入射される際、前記無偏光化膜により前記光が無偏光化され、前記無偏光化された光が前記金属膜に入射する際に所望の透過率及び反射率となり、前記金属膜を透過した光の波長における、ビームスプリッターとして使用可能な帯域が、前記波長帯域拡大膜により拡大される。
Description
本発明は、広い波長帯において光を反射させ、目的の分割比(反射率:透過率)に分ける際、P偏光とS偏光が同じ割合で出てくる、偏光特性の無いプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッターに関するものである。
広帯域無偏光ビームスプリッターは、分光特性グラフにおけるP偏光特性線とS偏光特性線が接近または接触した波長領域で使用されるものであり、現在では、透明ガラス基板の表面に多数層の誘電体膜を成膜したプレート型のビームスプリッター(例えば、非特許文献1参照)と、2つの45°直角プリズムの斜面に誘電体膜や金属膜による無偏光膜を形成し、斜面同士を合わせた状態で2つの直角プリズムを接着したキューブ型のビームスプリッターとが一般的に提供されている。
プレート型のビームスプリッターは、P偏光を透過し、S偏光を反射する仕組みになっている。また、誘電体多層膜のビームスプリッターは、膜による光の吸収がほとんどなく、光量が極めて小さいという特性を有している。更に、温度変化の影響が非常に少ない膜特性を有している。このプレート型のビームスプリッターとしては特許文献1が挙げられる。
キューブ型のビームスプリッターは、入射する光の偏光条件に関係なく、反射光(R)と透過光(T)を1:1に分割するハーフミラーとして使用される。つまり、通常のビームスプリッターのような偏光成分による透過光および反射光の分割比の変動がない。また、入射面および出射面には、反射防止膜(ARコート)がコーティングされている。また一般的に、使用できる波長領域が狭く、単一波長に対してのみ有効となっている。また構造上、入射光の角度は振れないが、適正の入射条件で使用する限り、透過光路のずれやゴーストの発生がほとんどない、といった特性を持っている。
なお、ビームスプリッターとは異なる関連技術であるが、反射鏡においては、銀蒸着膜上に複数の誘電体膜を積層して蒸着し、各層の厚みを調節することによって、任意の入射角度における偏光比を小さくした反射鏡が知られている(例えば特許文献2参照)。
また、銀蒸着膜層を複数の範囲に分割し、分割された各範囲に異なる膜特性を有する保護蒸着膜層を蒸着する反射鏡についても知られている(例えば特許文献3参照)。
また、銀蒸着膜層を複数の範囲に分割し、分割された各範囲に異なる膜特性を有する保護蒸着膜層を蒸着する反射鏡についても知られている(例えば特許文献3参照)。
原著者H.A.Macleod、翻訳 小倉繁太郎 他、書名「光学薄膜」、発行所日刊工業新聞社、1989年11月30日発行
ところで、一般に、キューブ型の無偏光ビームスプリッターは、図11の入射角度=0°(±3°)の場合の透過特性の例に示すように、400nm〜700nm程度の広い範囲でS偏光特性線とP偏光特性線が接近するため、その広い範囲で無偏光ビームスプリッターとしての使用が可能となる。その一方、種々の入射角度に対応できないという問題がある。
その理由は、直角プリズム斜面上の無偏光膜表面と、直角プリズムにおける入射面・出射面との間に距離が開いており、屈折が生じる入射角度であると、光軸が反射面からはずれてしまうからである。また、透明硝子基板を挟んで無偏光膜に対向して設けられた反射防止膜の偏光特性の影響を受けてしまいやすいことも理由の一つである。
また、キューブ型の無偏光ビームスプリッターは、成膜すべき面が多い。それに加え、別途接着工程が必要となってしまう。具体的に言うと、キューブ型の無偏光ビームスプリッターにおいては、別々の複数の膜が成膜された直角プリズム同士を接着させる必要がある。
この接着工程の際に膜の破損や気泡の発生等、不具合が生じる可能性がある。そしてこの可能性は、膜の数を増加させればさせるほど高まる。
この接着工程の際に膜の破損や気泡の発生等、不具合が生じる可能性がある。そしてこの可能性は、膜の数を増加させればさせるほど高まる。
その結果、キューブ型の無偏光ビームスプリッターにおいては、不良率が高くなって歩留まりが悪くなる上、製作工程が複雑であるためにコスト高になるという問題もある。
一方、従来のプレート型の無偏光ビームスプリッターは、例えば、図12に示す入射角度45°のときの分光特性図のように、S偏光特性線とP偏光特性線が交わるまたは接近しているポイントでは使用できるものの、使用できる波長帯域(525nm〜575nm)が非常に狭い(可視域や近赤域で100〜150nm程度)という問題がある。これは、従来のプレート型の無偏光ビームスプリッターで用いる膜が干渉膜であるために、広い範囲で干渉を打ち消せないからである。
また、図13に入射角度が30°になった場合を示すように、入射角度によって分光特性が大きく変わってしまう(例えば、入射角度45°の場合と比べて使用波長範囲がずれてしまい、反射率のばらつきも大きくなってしまう)ため、入射角度の使用範囲が狭いという問題がある。また、多数層(20層〜50層)の誘電体膜を積層して構成する必要があるために、コストが高いという問題もある。
なお、反射鏡についての関連技術である特許文献2及び3の技術では、そもそも反射鏡であるため、幅広い波長領域で使用する以前に、反射光と透過光を1:1に分割することができていない。
本発明は、上記事情を考慮し、広い波長帯域で使用できると共に、入射角度に対する依存性が小さく、また、膜枚数が少ないことで歩留まりの向上と製造コストの低減を図れるようにしたプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッターを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための構成は以下の通りである。
(1)
光を入射することにより光束を分割するためのビームスプリッターにおいて、
両主表面が光学研磨加工された平板状の透明ガラス基板の一方の主表面上に、
波長帯域拡大膜と、
前記波長帯域拡大膜上に設けられた金属膜と、
前記金属膜上に設けられた無偏光化膜と、
を有し、
前記光がビームスプリッターに入射される際、前記無偏光化膜により前記光が無偏光化され、
前記無偏光化された光が前記金属膜に入射する際に所望の透過率及び反射率となり、
前記金属膜を透過した光の波長における、ビームスプリッターとして使用可能な帯域が、前記波長帯域拡大膜により拡大されることを特徴とするプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
(2)
上記(1)の構成において、
前記無偏光化膜の厚さdは、以下の式により定められる厚さであることを特徴とするプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
d=Λ/n
但し、Λは、λ/8≦Λ≦λ/3の範囲の値であり、
n:無偏光化膜の屈折率
λ:入射される光の波長
である。
(3)
上記(2)の構成において、
前記Λはλ/4であることを特徴とするプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
(4)
上記(1)の構成において、
前記波長帯域拡大膜を、低屈折率nLの誘電体膜と高屈折率nH(但し、nH>nL)の誘電体膜とからなる2層とし、
前記基板から最表面側へと数えて第1層目の膜として、低屈折率nLの誘電体膜を成膜し、その第1層目の膜の上に第2層目の膜として、高屈折率nHの誘電体膜を成膜し、
前記波長帯域拡大膜の上に第3層目の膜として、所望の透過率となる厚みを有する金属膜を成膜し、
前記金属膜の上に第4層目の膜として、前記第1層目の膜と実質的に同程度の低屈折率を有する誘電体膜を成膜したことを特徴とするプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
(5)
上記(4)の構成において、
前記第1層目の低屈折率の誘電体膜の屈折率nLは、前記透明ガラス基板の屈折率nGよりも小さく、前記第2層目の高屈折率の誘電体膜の屈折率nHは、前記透明ガラス基板の屈折率nGよりも大きく、前記第3層目の金属膜の屈折率nKは、第2層目の高屈折率の誘電体膜の屈折率nHよりも大きいことを特徴とするプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
(6)
上記(4)又は(5)の構成において、
前記第1層目をMgF2、前記第2層目をHfO2、前記3層目をAg、前記4層目をMgF2により構成したことを特徴とするプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
(7)
上記(1)ないし(6)のいずれかの構成において、
前記透明ガラス基板の他方の主表面上に反射防止膜を形成したことを特徴とするプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
(8)
光を入射することにより光束を分割するためのビームスプリッターにおいて、
両主表面が光学研磨加工された平板状の透明ガラス基板の一方の主表面上に、
波長帯域拡大膜と、
前記波長帯域拡大膜上に設けられたAgからなる金属膜と、
前記金属膜上に設けられたMgF2からなる無偏光化膜と、
を有し、
前記波長帯域拡大膜を、MgF2からなる低屈折率nLの誘電体膜と、前記誘電体膜上に設けられたHfO2からなる高屈折率nH(但し、nH>nL)の誘電体膜と、からなる2層とし、
前記無偏光化膜の屈折率は、前記低屈折率nLの誘電体膜に対して実質的に同程度又はそれより低い屈折率であり、
前記無偏光化膜の厚さdは、以下の式により定められる厚さであることを特徴とするプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
d=λ/(4n)
但し、
n:無偏光化膜の屈折率
λ:入射される光の波長
である。
(1)
光を入射することにより光束を分割するためのビームスプリッターにおいて、
両主表面が光学研磨加工された平板状の透明ガラス基板の一方の主表面上に、
波長帯域拡大膜と、
前記波長帯域拡大膜上に設けられた金属膜と、
前記金属膜上に設けられた無偏光化膜と、
を有し、
前記光がビームスプリッターに入射される際、前記無偏光化膜により前記光が無偏光化され、
前記無偏光化された光が前記金属膜に入射する際に所望の透過率及び反射率となり、
前記金属膜を透過した光の波長における、ビームスプリッターとして使用可能な帯域が、前記波長帯域拡大膜により拡大されることを特徴とするプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
(2)
上記(1)の構成において、
前記無偏光化膜の厚さdは、以下の式により定められる厚さであることを特徴とするプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
d=Λ/n
但し、Λは、λ/8≦Λ≦λ/3の範囲の値であり、
n:無偏光化膜の屈折率
λ:入射される光の波長
である。
(3)
上記(2)の構成において、
前記Λはλ/4であることを特徴とするプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
(4)
上記(1)の構成において、
前記波長帯域拡大膜を、低屈折率nLの誘電体膜と高屈折率nH(但し、nH>nL)の誘電体膜とからなる2層とし、
前記基板から最表面側へと数えて第1層目の膜として、低屈折率nLの誘電体膜を成膜し、その第1層目の膜の上に第2層目の膜として、高屈折率nHの誘電体膜を成膜し、
前記波長帯域拡大膜の上に第3層目の膜として、所望の透過率となる厚みを有する金属膜を成膜し、
前記金属膜の上に第4層目の膜として、前記第1層目の膜と実質的に同程度の低屈折率を有する誘電体膜を成膜したことを特徴とするプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
(5)
上記(4)の構成において、
前記第1層目の低屈折率の誘電体膜の屈折率nLは、前記透明ガラス基板の屈折率nGよりも小さく、前記第2層目の高屈折率の誘電体膜の屈折率nHは、前記透明ガラス基板の屈折率nGよりも大きく、前記第3層目の金属膜の屈折率nKは、第2層目の高屈折率の誘電体膜の屈折率nHよりも大きいことを特徴とするプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
(6)
上記(4)又は(5)の構成において、
前記第1層目をMgF2、前記第2層目をHfO2、前記3層目をAg、前記4層目をMgF2により構成したことを特徴とするプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
(7)
上記(1)ないし(6)のいずれかの構成において、
前記透明ガラス基板の他方の主表面上に反射防止膜を形成したことを特徴とするプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
(8)
光を入射することにより光束を分割するためのビームスプリッターにおいて、
両主表面が光学研磨加工された平板状の透明ガラス基板の一方の主表面上に、
波長帯域拡大膜と、
前記波長帯域拡大膜上に設けられたAgからなる金属膜と、
前記金属膜上に設けられたMgF2からなる無偏光化膜と、
を有し、
前記波長帯域拡大膜を、MgF2からなる低屈折率nLの誘電体膜と、前記誘電体膜上に設けられたHfO2からなる高屈折率nH(但し、nH>nL)の誘電体膜と、からなる2層とし、
前記無偏光化膜の屈折率は、前記低屈折率nLの誘電体膜に対して実質的に同程度又はそれより低い屈折率であり、
前記無偏光化膜の厚さdは、以下の式により定められる厚さであることを特徴とするプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
d=λ/(4n)
但し、
n:無偏光化膜の屈折率
λ:入射される光の波長
である。
本発明によれば、広い波長帯域で使用できると共に、入射角度に対する依存性が小さく、また、膜枚数が少ないことで歩留まりの向上と製造コストの低減を図れるようにしたプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッターを提供できる。
本発明者らは、本発明に至る前にまず、無偏光ビームスプリッターをキューブ型にするかプレート型にするかについて検討した。
この検討の際には、既に、環境負荷の面から金属膜としてZnSの使用を控えるようになっており、代替金属膜が用いられるようになっていた。しかしながら、この代替金属膜は強度に難がある傾向があった。
この代替金属膜において外部との接触機会をなくすため、キューブ型の無偏光ビームスプリッターが多く用いられていた。なぜなら、キューブ型だと、別の直角プリズム同士を接着させることにより、代替金属膜は接着面に閉じ込められる。そのため、代替金属膜は外部と接触せず、代替金属膜の強度はそれほど求められなかったからである。
この代替金属膜において外部との接触機会をなくすため、キューブ型の無偏光ビームスプリッターが多く用いられていた。なぜなら、キューブ型だと、別の直角プリズム同士を接着させることにより、代替金属膜は接着面に閉じ込められる。そのため、代替金属膜は外部と接触せず、代替金属膜の強度はそれほど求められなかったからである。
しかしながら、先にも述べたように、キューブ型の無偏光ビームスプリッターだと成膜すべき面が多い上、接着工程が別途必要となる。しかもこの接着工程では、膜の破損や気泡の発生を防止するためにかなりの精度が求められている。
そこで本発明者らは、コストが高くなり歩留まりが悪いキューブ型ではなく、比較的製造が容易なプレート型の無偏光ビームスプリッターに焦点を当てた。
従来、プレート型の無偏光ビームスプリッターにおいては、プレート型の基板上に無偏光化のための金属膜を設けた場合、それを覆うように金属膜を保護するための膜(保護膜)が設けられていた。この保護膜としては、例えばMgF2等が用いられていた。
本発明者らは、保護膜を含めたプレート型の無偏光ビームスプリッターについて詳細を検討した。その際に、上述の課題、即ち、キューブ型の課題である「種々の入射角度に対応できないという問題」と、プレート型の主な課題である「使用できる波長帯域が非常に狭いという問題」とを同時に解決する構成について検討した。
その結果、本発明者らは、平板状の透明ガラス基板の一方の主表面上に、最表面側に向けて順に、波長帯域拡大膜、金属膜、そして無偏光化膜を組み合わせて設けるという構成を想到した。
つまり、透過率と反射率とを1:1に近づけるための金属膜の上に、更に無偏光化膜を配置し、これらの膜下に、波長帯域拡大膜を更に設けるという構成を想到した。
この構成により、上述の課題を一度に解決でき、更には膜枚数を少なくすることで歩留まりの向上と製造コストの低減が可能となることを見出した。
つまり、透過率と反射率とを1:1に近づけるための金属膜の上に、更に無偏光化膜を配置し、これらの膜下に、波長帯域拡大膜を更に設けるという構成を想到した。
この構成により、上述の課題を一度に解決でき、更には膜枚数を少なくすることで歩留まりの向上と製造コストの低減が可能となることを見出した。
<実施の形態1>
以下、本発明の実施形態について説明する。
順序としては、まず本実施形態において、図1に示すような、プレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター1(以降、単にビームスプリッター1とも言う)の基本構成について説明する。
また、<実施の形態2>においては、ビームスプリッター1を構成する各々の膜の屈折率の関係に焦点を当てた変形例について記載する。
更に、<実施の形態3>においては、無偏光化膜14の厚さに焦点を当てた変形例について記載する。
以下、本発明の実施形態について説明する。
順序としては、まず本実施形態において、図1に示すような、プレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター1(以降、単にビームスプリッター1とも言う)の基本構成について説明する。
また、<実施の形態2>においては、ビームスプリッター1を構成する各々の膜の屈折率の関係に焦点を当てた変形例について記載する。
更に、<実施の形態3>においては、無偏光化膜14の厚さに焦点を当てた変形例について記載する。
本発明の実施の形態に係るプレート型のビームスプリッター1について、以下の順番で説明する。
1.ビームスプリッターの全体構成
2.基板
3.無偏光ハイブリッド膜
1)波長帯域拡大膜(第1層目、第2層目)
2)金属膜(第3層目)
3)無偏光化膜(第4層目)
そして最後に、本実施形態の効果について説明する。
以下、上記の各工程について順に説明する。
1.ビームスプリッターの全体構成
2.基板
3.無偏光ハイブリッド膜
1)波長帯域拡大膜(第1層目、第2層目)
2)金属膜(第3層目)
3)無偏光化膜(第4層目)
そして最後に、本実施形態の効果について説明する。
以下、上記の各工程について順に説明する。
[1.ビームスプリッターの全体構成]
本実施形態のプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター1は、光を入射することにより光束を分割するためのビームスプリッターである。
本実施形態のプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター1は、光を入射することにより光束を分割するためのビームスプリッターである。
ビームスプリッター1の構造については、図1に層構造を模式的に示すように、両主表面が光学研磨加工された平板状の透明ガラス基板2の一方の主表面上に無偏光ハイブリッド膜10を形成し、他方の主表面上に裏面反射の影響を少なくするための広帯域の反射防止膜(ARコート)3を形成したものである。
[2.基板]
透明ガラス基板2としては、BK7などの光学ガラスや、白板ガラス、石英ガラスなど、用途に合わせた透明ガラスを用いる。
透明ガラス基板2としては、BK7などの光学ガラスや、白板ガラス、石英ガラスなど、用途に合わせた透明ガラスを用いる。
[3.無偏光ハイブリッド膜]
次に、本実施形態において用いられる無偏光ハイブリッド膜10について説明する。本実施形態における無偏光ハイブリッド膜10は、両主表面が光学研磨加工された平板状の透明ガラス基板2の一方の主表面上に、波長帯域拡大膜15と、前記波長帯域拡大膜15上に設けられた金属膜13と、前記金属膜13上に設けられた無偏光化膜14とからなる。
次に、本実施形態において用いられる無偏光ハイブリッド膜10について説明する。本実施形態における無偏光ハイブリッド膜10は、両主表面が光学研磨加工された平板状の透明ガラス基板2の一方の主表面上に、波長帯域拡大膜15と、前記波長帯域拡大膜15上に設けられた金属膜13と、前記金属膜13上に設けられた無偏光化膜14とからなる。
機能について更に詳しく言うと、ビームスプリッターの無偏光ハイブリッド膜10に光が入射される際、無偏光化膜14により光が無偏光化される。この無偏光化された光が金属膜13に入射する際に所望の透過率及び反射率となる。金属膜13を透過した光の波長における、ビームスプリッターとして使用可能な帯域が、波長帯域拡大膜15により拡大される。
上記の機能を発揮するように、基板2上に、波長帯域拡大膜15、金属膜13及び無偏光化膜14、即ち無偏光ハイブリッド膜10が形成されることになる。
上記の機能を発揮するように、基板2上に、波長帯域拡大膜15、金属膜13及び無偏光化膜14、即ち無偏光ハイブリッド膜10が形成されることになる。
なお、ここで言う「光の波長における、ビームスプリッターとして使用可能な帯域」とは、偏光を解消しつつ透過率と反射率とが1:1に近づいた状態、即ち、P偏光透過率とS偏光透過率との差がほとんど無い状態、且つP偏光反射率とS偏光反射率との差がほとんど無い状態における光の波長帯域のことである。
実際の製品におけるこれらの差の許容量については、ビームスプリッター全体の構成により許容量が変動するので一概には決定できない。ただ、一例を示すならば、上に挙げた各々の差が10%以下(好ましくは5%以下)における波長帯域であれば、ビームスプリッターとして使用可能な帯域とみなすことができる。また、上記の条件に、45%のレベルを中心に±10%以内に全ての率が収まっているという条件をふかすれば更に好ましい。
実際の製品におけるこれらの差の許容量については、ビームスプリッター全体の構成により許容量が変動するので一概には決定できない。ただ、一例を示すならば、上に挙げた各々の差が10%以下(好ましくは5%以下)における波長帯域であれば、ビームスプリッターとして使用可能な帯域とみなすことができる。また、上記の条件に、45%のレベルを中心に±10%以内に全ての率が収まっているという条件をふかすれば更に好ましい。
1)波長帯域拡大膜
本実施形態においては、波長帯域拡大膜15を2層の膜によって構成する。
具体的には、第3層の金属層13と透明ガラス基板2との間に、第1層の低屈折率誘電体層11とその上の第2層の高屈折率誘電体層12とを組み合わせて波長帯域拡大膜15を形成している。
それにより、可視光域(400〜700nm)程度の広い範囲にわたり、均一な反射率や透過率を得ることが可能となる。つまり、第1層および第2層は、広い波長域で反射率と透過率を均一化するので、無偏光ビームスプリッターとしての使用波長領域を広げる役目を果たしている。
本実施形態においては、波長帯域拡大膜15を2層の膜によって構成する。
具体的には、第3層の金属層13と透明ガラス基板2との間に、第1層の低屈折率誘電体層11とその上の第2層の高屈折率誘電体層12とを組み合わせて波長帯域拡大膜15を形成している。
それにより、可視光域(400〜700nm)程度の広い範囲にわたり、均一な反射率や透過率を得ることが可能となる。つまり、第1層および第2層は、広い波長域で反射率と透過率を均一化するので、無偏光ビームスプリッターとしての使用波長領域を広げる役目を果たしている。
なお、金属層とガラス基板の間に、一つの層で波長帯域を拡大できる膜、具体的には高屈折率(例えばn=2.55)の単層の膜を形成しても良い。この膜ならば、波長帯域拡大膜と金属膜と無偏光化膜(低屈折率誘電体膜)の3層構造の無偏光ハイブリッド膜10を成立させることができる。
その一方、n=2.55程度の高屈折率を有する膜を作成することには困難が伴う。本発明の目的の一つである「歩留まりの向上と製造コストの低減」を考慮すると、波長帯域拡大膜15を上述のような2層構造とするのが好ましい。
その一方、n=2.55程度の高屈折率を有する膜を作成することには困難が伴う。本発明の目的の一つである「歩留まりの向上と製造コストの低減」を考慮すると、波長帯域拡大膜15を上述のような2層構造とするのが好ましい。
機能的な面で見ると、第2層の高屈折率誘電体膜12の屈折率は、先程挙げたn=2.55よりも低い。しかしながら、補助的に屈折率の低い膜(低屈折率誘電体膜11)を第1層目に形成することにより、屈折率が低い分を補うことができる。つまり、主に波長の短い光の反射率を上げるために、第1層の低屈折率誘電体膜11を設けている。
このように、現実的には1層では作成が非常に難しい膜の役割を、膜自体の波長的特性を考慮しながら、第1層の低屈折率誘電体膜11と第2層の高屈折率誘電体膜12の組み合わせで担うようにしている。そのため、コスト(製作時間や材料費)面やリスク(蒸着条件や扱い方)面での利点を最大に得ることができる。
以上の理由により、本実施形態では、2層の膜の組み合わせで同様の効果を得られるように対策している。
以上の理由により、本実施形態では、2層の膜の組み合わせで同様の効果を得られるように対策している。
波長帯域拡大膜15における低屈折率誘電体膜11(第1層目)の具体的な組成としては、公知の低屈折率誘電体膜であれば良いが、例えば、MgF2、SiO2などが挙げられる。
更に、第1層目の低屈折率誘電体膜11を計算された厚みだけ成膜したら、第2層目に、高屈折率誘電体膜12を所定厚みで成膜する。
更に、第1層目の低屈折率誘電体膜11を計算された厚みだけ成膜したら、第2層目に、高屈折率誘電体膜12を所定厚みで成膜する。
この高屈折率誘電体膜12(第2層目)の具体的な組成としては、例えば、Ti2O3、HfO2、ZrO2などが挙げられるが、HfO2が特に好ましい。
HfO2を用いると、ビームスプリッターとして使用可能な波長帯域が短い方にも長い方にも拡大されるためである。更に、Ti2O3だと後述する銀からなる金属層(第3層目)における光の吸収量が増加してしまうところ、HfO2だと光の吸収量を変化させることなく成膜することができるという利点もある。
HfO2を用いると、ビームスプリッターとして使用可能な波長帯域が短い方にも長い方にも拡大されるためである。更に、Ti2O3だと後述する銀からなる金属層(第3層目)における光の吸収量が増加してしまうところ、HfO2だと光の吸収量を変化させることなく成膜することができるという利点もある。
また、波長帯域拡大膜15における低屈折率誘電体膜11及び高屈折率誘電体膜12の屈折率としては、第1層目の低屈折率誘電体膜11の屈折率nLは透明ガラス基板2の屈折率nGよりも小さく、第2層目の高屈折率誘電体膜12の屈折率nHは透明ガラス基板2の屈折率nGよりも大きくしている。後述するが、透過率と反射率とを1:1に近づけるためである。
なお、波長帯域拡大膜15における低屈折率誘電体膜11及び高屈折率誘電体膜12の厚さは、ビームスプリッターとしての機能を発揮する膜の厚みを、分かりやすいようハーフミラー(反射:透過=1:1)に対応できるように設定する。
2)金属膜
上述の波長帯域拡大膜15の上、即ち高屈折率誘電体膜12の上に、第3層の金属膜13を成膜する。
上述の波長帯域拡大膜15の上、即ち高屈折率誘電体膜12の上に、第3層の金属膜13を成膜する。
第3層目の金属膜13としては、Au、AL、Agなどを用いることができる。そして、この金属膜13を、所望の透過率となる厚みに成膜する。例えば、ハーフミラーにする場合は、膜厚d=20nm(物理膜厚)に設定してもよい。
なお、本実施形態においてはハーフミラー(反射:透過=1:1)の場合について述べているが、反射率と透過率が1:1の関係以外(例えば反射:透過=2:1の場合や1:4の関係を有する場合)についても、金属膜13の厚みを変えることにより、任意に変更することができる。そして、このように反射率と透過率において任意の関係を有するビームスプリッターを、制作者の意図に応じて製作することができる。
なお、本実施形態においてはハーフミラー(反射:透過=1:1)の場合について述べているが、反射率と透過率が1:1の関係以外(例えば反射:透過=2:1の場合や1:4の関係を有する場合)についても、金属膜13の厚みを変えることにより、任意に変更することができる。そして、このように反射率と透過率において任意の関係を有するビームスプリッターを、制作者の意図に応じて製作することができる。
なお、第3層に金属膜13を形成する理由は、金属膜は反射率が高い上に蒸着制御がしやすく、さらに波長範囲が広く均一であるからである。
また、後述する第3層目の金属膜13の屈折率nKは第2層目の高屈折率誘電体膜12の屈折率nHよりも大きくしている。
3)無偏光化膜
本実施形態においては、透明ガラス基板2上に無偏光ハイブリッド膜10を設けるに当たり、主層としての第3層に金属膜13を設けると共に、その上側の第4層14に金属膜13の偏光特性を調整する(無偏光化を行う)目的のための低屈折率の誘電体膜14を設けている。
本実施形態においては、透明ガラス基板2上に無偏光ハイブリッド膜10を設けるに当たり、主層としての第3層に金属膜13を設けると共に、その上側の第4層14に金属膜13の偏光特性を調整する(無偏光化を行う)目的のための低屈折率の誘電体膜14を設けている。
第4層に無偏光化膜14を形成する理由は、第3層の金属膜13の持つ偏光特性に無偏光化膜14の偏光特性を干渉させて互いの特性を打ち消すため、つまり、金属膜13のP偏光反射率およびS偏光反射率に対して逆位相の無偏光化膜14のP偏光反射率およびS偏光反射率を付加することによって、S偏光とP偏光を接近させることができる。
そのため、S偏光とP偏光の透過特性および反射特性をそれぞれほぼ同じ値に調整することができる。つまり、透過および反射のそれぞれの場合において、偏光成分(S偏光とP偏光)を互いに接近させることができ、無偏光ビームスプリッターとして成立させることができる。
そのため、S偏光とP偏光の透過特性および反射特性をそれぞれほぼ同じ値に調整することができる。つまり、透過および反射のそれぞれの場合において、偏光成分(S偏光とP偏光)を互いに接近させることができ、無偏光ビームスプリッターとして成立させることができる。
無偏光化膜14の具体的な組成としては、公知の低屈折率誘電体膜であれば良いが、例えば、波長帯域拡大膜15の第1層目(低屈折率誘電体膜11)と同様に、MgF2、SiO2などが挙げられるが、MgF2が好ましい。
第4層目の低屈折率誘電体膜14の材料として、第1層目と同じくMgF2などを選択した理由は、低温下での吸収が少なく、しかも熱に弱い金属膜13の保護膜としての十分な硬さや金属膜13に対する十分な密着性を有しているからである。なお、屈折率の高いTi系やZrO2では吸収が多くなること、また紫外域の使用範囲も考慮している。
無偏光化膜14の屈折率としては、第1層目の低屈折率誘電体膜11と、実質的に同程度又はそれより低い屈折率であれば良い。具体的には、無偏光化膜14における「実質的に同程度又はそれより低い屈折率」とは、第1層目の膜と同じ屈折率を有する場合を含む一方、上述のように、金属膜13の偏光特性を調整する(無偏光化を行う)ことができる程度に屈折率が低いのならば、第1層目の膜よりも高い屈折率を有しても良いし、もちろん第1層目の膜よりも低い屈折率を有していても良い。
無偏光化膜14の厚さとしては、所定の透過率及び反射率を有するような厚みだけ成膜する。
MgF2膜14を設けることにより、無偏光化という効果に加え、金属膜13を含めることで膜枚数を最小に制限することができるから、歩留まりの向上と製造コストの低減を図ることができる。
更に、従来知られていた効果も得られる。即ち、膜強度の弱い第3層の金属膜13を膜強度の強い第4層の無偏光化膜14で保護していることから、プレート型のビームスプリッターとしての必要な膜強度を保証することができる。
更に、従来知られていた効果も得られる。即ち、膜強度の弱い第3層の金属膜13を膜強度の強い第4層の無偏光化膜14で保護していることから、プレート型のビームスプリッターとしての必要な膜強度を保証することができる。
なお、第3層の金属膜13や第4層の低屈折率誘電体膜14の厚みを調整することにより、無偏光を維持しながら、透過と反射の分光比率を変えることができるし、入射角度が変化した場合にも、分光特性の変化を最小限に抑えることができる。例えば、入射角度θ=0°〜±50°の変化において、透過率や反射率の変動を±10%以内に収めることができる。
[本実施形態の効果]
以上に記載した本実施形態のビームスプリッターによれば、以下の効果を奏する。
キューブ型の無偏光ビームスプリッターだと、種々の入射角度に対応できないという問題があった。また、キューブ型の無偏光ビームスプリッターにおいては、不良率が高くなって歩留まりが悪くなる上、製作工程が複雑であるためにコスト高になるという問題があった。
以上に記載した本実施形態のビームスプリッターによれば、以下の効果を奏する。
キューブ型の無偏光ビームスプリッターだと、種々の入射角度に対応できないという問題があった。また、キューブ型の無偏光ビームスプリッターにおいては、不良率が高くなって歩留まりが悪くなる上、製作工程が複雑であるためにコスト高になるという問題があった。
その一方で、プレート型の無偏光ビームスプリッターは、S偏光特性線とP偏光特性線が交わるまたは接近しているポイントにおける波長帯域が非常に狭いという問題があった。更には、多数層(20層〜50層)の誘電体膜を積層して構成する必要があるために、コストが高いという問題もあった。
そのような状況下で、無偏光化のための金属膜13の上に、更に無偏光化膜14を配置し、無偏光化に寄与するこれらの膜下に、波長帯域拡大膜15を設けたことが、本実施形態の特徴である。
以上のような本実施形態ならば、広い波長帯域で使用できると共に、入射角度に対する依存性が小さく、また、膜枚数が少ないことで歩留まりの向上と製造コストの低減が可能となる。
上記効果について具体的なことを述べると、製造コストを、従来のキューブ型のビームスプリッターの1/5、従来のプレート型のビームスプリッターの1/2程度に削減することができる。
<実施の形態2>
実施の形態1における無偏光ハイブリッド膜10は、屈折率の面から見ると、以下のように構成されている。以降、特筆しない部分は<実施の形態1>と同様である。
実施の形態1における無偏光ハイブリッド膜10は、屈折率の面から見ると、以下のように構成されている。以降、特筆しない部分は<実施の形態1>と同様である。
基板2の一方の主表面上に、第1層目の膜として、低屈折率nLの誘電体膜11を成膜する。
その第1層目の膜の上に第2層目の膜として、高屈折率nH(但し、nH>nL)の誘電体膜12を成膜する。
その第2層目の膜の上に第3層目の膜として、所望の透過率となる厚みを有する金属膜13を成膜する。
その第3層目の膜の上に第4層目の膜として、前記第1層目の膜と実質的に同程度の低屈折率を有する誘電体膜を成膜している。
その第1層目の膜の上に第2層目の膜として、高屈折率nH(但し、nH>nL)の誘電体膜12を成膜する。
その第2層目の膜の上に第3層目の膜として、所望の透過率となる厚みを有する金属膜13を成膜する。
その第3層目の膜の上に第4層目の膜として、前記第1層目の膜と実質的に同程度の低屈折率を有する誘電体膜を成膜している。
一例を示すと、以下の構成のビームスプリッターが挙げられる(n:屈折率 d:厚み)。
透明ガラス基板 n=1.52
1層目MgF2 n=1.38 d=100nm
2層目HfO2 n=1.95 d=80nm
3層目Ag n=3.34 d=20nm
4層目MgF2 n=1.38 d=80nm
空気 n=1.00
透明ガラス基板 n=1.52
1層目MgF2 n=1.38 d=100nm
2層目HfO2 n=1.95 d=80nm
3層目Ag n=3.34 d=20nm
4層目MgF2 n=1.38 d=80nm
空気 n=1.00
以上のような屈折率の関係を有する4層構造のプレート型ビームスプリッターであっても、広い波長帯域で使用できると共に、入射角度に対する依存性が小さく、また、膜枚数が少ないことで歩留まりの向上と製造コストの低減が可能となる。
また、前記第1層目の低屈折率の誘電体膜の屈折率nLは、前記透明ガラス基板の屈折率nGよりも小さく、前記第2層目の高屈折率の誘電体膜の屈折率nHは、前記透明ガラス基板の屈折率nGよりも大きく、前記第3層目の金属膜の屈折率nKは、第2層目の高屈折率の誘電体膜の屈折率nHよりも大きいのが好ましい。
このような屈折率の関係にすることにより、以下の作用により、同じく以下の効果が得られる。
まず、無偏光化膜14(第4層目)に光が入射する。
そして、金属膜13(第3層目)に光が入射する。この際、無偏光化膜14(第4層目)よりも屈折率が高いので、金属膜13(第3層目)における不要な反射を軽減することができる。
そして、波長帯域拡大膜15における高屈折率誘電体膜12(第2層目)へと光が入射する。この時、金属膜13(第3層目)の方が、屈折率が高い。更に、この高屈折率誘電体膜12(第2層目)の方が、低屈折率誘電体膜11(第1層目)よりも屈折率が高い。
つまり、屈折率の大小関係を有する層を交互に設けて透過率と反射率の比を1:1と通常するところ、本実施形態においては、この大小関係を第1層目〜第3層目に集約している。
まず、無偏光化膜14(第4層目)に光が入射する。
そして、金属膜13(第3層目)に光が入射する。この際、無偏光化膜14(第4層目)よりも屈折率が高いので、金属膜13(第3層目)における不要な反射を軽減することができる。
そして、波長帯域拡大膜15における高屈折率誘電体膜12(第2層目)へと光が入射する。この時、金属膜13(第3層目)の方が、屈折率が高い。更に、この高屈折率誘電体膜12(第2層目)の方が、低屈折率誘電体膜11(第1層目)よりも屈折率が高い。
つまり、屈折率の大小関係を有する層を交互に設けて透過率と反射率の比を1:1と通常するところ、本実施形態においては、この大小関係を第1層目〜第3層目に集約している。
そのため、無理に高屈折率(例えばn=2.55)の膜を作成する必要なく、製造コストの低減を可能することができる。また、膜枚数についても、本実施形態の場合だと波長帯域拡大膜15を2枚設ければ済み、膜枚数を少なくすることで歩留まりの向上を図ることもできる。
<実施の形態3>
実施の形態1における無偏光ハイブリッド膜10において、無偏光化膜14を膜厚の面から見ると、以下のように構成されている。
d=Λ/n
但し、Λは、λ/8≦Λ≦λ/3の範囲の値であり、
d:無偏光化膜の厚さ
n:無偏光化膜の屈折率
λ:入射される光の波長
である。
実施の形態1における無偏光ハイブリッド膜10において、無偏光化膜14を膜厚の面から見ると、以下のように構成されている。
d=Λ/n
但し、Λは、λ/8≦Λ≦λ/3の範囲の値であり、
d:無偏光化膜の厚さ
n:無偏光化膜の屈折率
λ:入射される光の波長
である。
上記の数値範囲について、図14〜16を用いて説明する。
図14は、この金属膜(Ag膜)の上に低屈折率誘電体膜(MgF2膜:膜厚d=80nm)を付加し、上記の数値範囲内であるnd=λ/4とした場合の分光特性を示す。このように金属膜の上の低屈折率誘電体膜の厚さをλ/(4n)とすることだけで、偏光成分(P偏光およびS偏光)だけでなく反射率および透過率についても、互いに接近させることができる。
また、nd=λ/8とした場合について図15に示し、nd=λ/3とした場合について図16に示す。このときにおいても、偏光成分(P偏光およびS偏光)だけでなく反射率および透過率についても、互いに接近させることができる。
なお、図14〜図16には波長帯域拡大膜15を設けていない例が記載されており、波長帯域拡大膜15を設けた場合、実施例にて示す図3のように、反射率及び透過率を1:1に限りなく近づけることができ、更には偏光を解消することができ、それに加え、以上の条件を満たす波長領域を広く確保することができる。
図14は、この金属膜(Ag膜)の上に低屈折率誘電体膜(MgF2膜:膜厚d=80nm)を付加し、上記の数値範囲内であるnd=λ/4とした場合の分光特性を示す。このように金属膜の上の低屈折率誘電体膜の厚さをλ/(4n)とすることだけで、偏光成分(P偏光およびS偏光)だけでなく反射率および透過率についても、互いに接近させることができる。
また、nd=λ/8とした場合について図15に示し、nd=λ/3とした場合について図16に示す。このときにおいても、偏光成分(P偏光およびS偏光)だけでなく反射率および透過率についても、互いに接近させることができる。
なお、図14〜図16には波長帯域拡大膜15を設けていない例が記載されており、波長帯域拡大膜15を設けた場合、実施例にて示す図3のように、反射率及び透過率を1:1に限りなく近づけることができ、更には偏光を解消することができ、それに加え、以上の条件を満たす波長領域を広く確保することができる。
一方、上記の数値範囲外である、ndをλ/8未満とした場合について図17に示す。この場合、偏光成分は比較的互いに接近させることができているものの、反射率および透過率については互いに大きく離れてしまっている。
他方、同じく上記の数値範囲外である、ndがλ/3を超えた値となった場合について図18に示す。この場合、ndをλ/8未満とした場合とは逆に、反射率および透過率は比較的互いに接近させることができているものの、偏光成分については互いに大きく離れてしまっている。
また、一般には、入射角度θ=45°の場合、無偏光化膜14の厚さがλ/(2n)のとき、入射光と反射光の波長の位相が完全に逆転するため、無偏光化に寄与するはずである。それとは逆に、無偏光化膜14の厚さがλ/(4n)のとき、入射光と反射光の波長の位相が重なり合い、偏光化が激しくなるはずである。
しかしながら、本実施形態の構成においては、偏光化が激しくなるのとは全く逆に、無偏光化膜14の厚さがλ/(4n)のときにこそ、無偏光化の効果が最大となる。それに加え、透過率及び反射率についても他の厚さの場合に比べて1:1に最も近づけることができる。
ただ、無偏光化膜14と金属膜13のみだと、透過率と反射率とが1:1となる波長領域がそれほど広くない。そのため、上述のような波長帯域拡大膜15を設けている。こうすることにより、広い波長帯域で使用できると共に、入射角度に対する依存性が小さくなる。
以上より、Λは、λ/8≦Λ≦λ/3の範囲の値であるのが好ましく、特にΛはλ/4であるのが、従来の常識とは異なり、最も好ましい。
次に実施例を示し、本発明について具体的に説明する。もちろんこの発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例においては、上述の屈折率n及び厚みdを有するビームスプリッター1を作製した(既出だが再掲する)。
透明ガラス基板 n=1.52
1層目MgF2 n=1.38 d=100nm
2層目HfO2 n=1.95 d=80nm
3層目Ag n=3.34 d=20nm
4層目MgF2 n=1.38 d=80nm
空気 n=1.00
透明ガラス基板 n=1.52
1層目MgF2 n=1.38 d=100nm
2層目HfO2 n=1.95 d=80nm
3層目Ag n=3.34 d=20nm
4層目MgF2 n=1.38 d=80nm
空気 n=1.00
なお、成膜においては、公知の方法を用いれば良く、例えば真空蒸着法やスパッタリング法が挙げられる。真空蒸着法の場合、条件としては本明細書に記載の物質を所定の厚さで成膜できる条件であれば良いが、例えば真空蒸着装置内の圧力を2×10−5〜5×10−5Torr、基板温度を300〜350℃で設定する。
このビームスプリッター1を使用する場合は、図2に示すように、無偏光ハイブリッド膜10を形成した面に入射光Bを入射させる。そうすると、入射角度θに応じて反射光Rと透過光Tに分光される。
図3は入射角度θ=45°のときの分光特性を示している。図において、Rは反射率、RPはP偏光反射率、RSはS偏光反射率、RMは平均反射率、Tは透過率、TPはP偏光透過率、TSはS偏光透過率、TMは平均透過率を示す。以降の図4〜図9においても同様である。
この図3に示すように、波長400nm〜700nmの範囲でS偏光特性線とP偏光特性線は接近しており、45%のレベルを中心に±10%以内に全てが収まっていて、450nmから650nmにおいては、特に均一性の点でも良いデータとなっている。
また、入射角度による分光特性を見てみると、図4〜図7に示すように、0°〜50°近辺までほとんど変化がないことが分かる。なお、図4のθ=0°のときは偏光しないので、平均値のみを示してある。
図8は、金属膜(Ag膜:膜厚d=20nm)だけを透明ガラス基板(屈折率n=1.52)に成膜した場合の入射角度θ=45°のときの分光特性を示している。図中、RPはP偏光反射率、RSはS偏光反射率、TPはP偏光透過率、TSはS偏光透過率の特性線である。
図9は、この金属膜(Ag膜)の上に低屈折率誘電体膜(MgF2膜:膜厚d=80nm)を付加した場合の分光特性を示す。このように金属膜の上に低屈折率誘電体膜を成膜することで、偏光成分(P偏光およびS偏光)を互いに接近させることができる。
次に図10は、図8の金属膜と透明ガラス基板との間に、条件と厚みは変えてあるが、高屈折率(n=2.55)の膜を介在させた場合の分光特性を示している。この場合は仮想的な高屈折率膜(n=2.55)の介在による作用により、波長特性がフラットになり、広範囲の波長領域で無偏光ビームスプリッターを成立させることができる。
これらの結果から、入射角度0°±50°の範囲では、反射率と透過比率の変化が少なく、なお且つ、P偏光特性線とS偏光特性線が接近していることが分かる。つまり、入射角度が振られても、透過率も反射率も変化が少なく(S/P=5%以内)、その範囲内での光の量を変えたくない物、及び、偏光成分の影響を受けたくない物にとって、必要な性能を有していると言うことができる。
1 ビームスプリッター
2 透明ガラス基板
10 無偏光ハイブリッド膜
11 低屈折率誘電体膜
12 高屈折率誘電体膜
13 金属膜
14 無偏光化膜(低屈折率誘電体膜)
15 波長帯域拡大膜
2 透明ガラス基板
10 無偏光ハイブリッド膜
11 低屈折率誘電体膜
12 高屈折率誘電体膜
13 金属膜
14 無偏光化膜(低屈折率誘電体膜)
15 波長帯域拡大膜
Claims (8)
- 光を入射することにより光束を分割するためのビームスプリッターにおいて、
両主表面が光学研磨加工された平板状の透明ガラス基板の一方の主表面上に、
波長帯域拡大膜と、
前記波長帯域拡大膜上に設けられた金属膜と、
前記金属膜上に設けられた無偏光化膜と、
を有し、
前記光がビームスプリッターに入射される際、前記無偏光化膜により前記光が無偏光化され、
前記無偏光化された光が前記金属膜に入射する際に所望の透過率及び反射率となり、
前記金属膜を透過した光の波長における、ビームスプリッターとして使用可能な帯域が、前記波長帯域拡大膜により拡大されることを特徴とするプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。 - 前記無偏光化膜の厚さdは、以下の式により定められる厚さであることを特徴とする請求項1に記載のプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
d=Λ/n
但し、Λは、λ/8≦Λ≦λ/3の範囲の値であり、
n:無偏光化膜の屈折率
λ:入射される光の波長
である。 - 前記Λはλ/4であることを特徴とする請求項2に記載のプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
- 前記波長帯域拡大膜を、低屈折率nLの誘電体膜と高屈折率nH(但し、nH>nL)の誘電体膜とからなる2層とし、
前記基板から最表面側へと数えて第1層目の膜として、低屈折率nLの誘電体膜を成膜し、その第1層目の膜の上に第2層目の膜として、高屈折率nHの誘電体膜を成膜し、
前記波長帯域拡大膜の上に第3層目の膜として、所望の透過率となる厚みを有する金属膜を成膜し、
前記金属膜の上に第4層目の膜として、前記第1層目の膜と実質的に同程度の低屈折率を有する誘電体膜を成膜したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。 - 前記第1層目の低屈折率の誘電体膜の屈折率nLは、前記透明ガラス基板の屈折率nGよりも小さく、前記第2層目の高屈折率の誘電体膜の屈折率nHは、前記透明ガラス基板の屈折率nGよりも大きく、前記第3層目の金属膜の屈折率nKは、第2層目の高屈折率の誘電体膜の屈折率nHよりも大きいことを特徴とする請求項4に記載のプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
- 前記第1層目をMgF2、前記第2層目をHfO2、前記3層目をAg、前記4層目をMgF2により構成したことを特徴とする請求項4又は5に記載のプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
- 前記透明ガラス基板の他方の主表面上に反射防止膜を形成したことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
- 光を入射することにより光束を分割するためのビームスプリッターにおいて、
両主表面が光学研磨加工された平板状の透明ガラス基板の一方の主表面上に、
波長帯域拡大膜と、
前記波長帯域拡大膜上に設けられたAgからなる金属膜と、
前記金属膜上に設けられたMgF2からなる無偏光化膜と、
を有し、
前記波長帯域拡大膜を、MgF2からなる低屈折率nLの誘電体膜と、前記誘電体膜上に設けられたHfO2からなる高屈折率nH(但し、nH>nL)の誘電体膜と、からなる2層とし、
前記無偏光化膜の屈折率は、前記低屈折率nLの誘電体膜に対して実質的に同程度又はそれより低い屈折率であり、
前記無偏光化膜の厚さdは、以下の式により定められる厚さであることを特徴とするプレート型の広帯域無偏光ビームスプリッター。
d=λ/(4n)
但し、
n:無偏光化膜の屈折率
λ:入射される光の波長
である。
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