JPWO2011042998A1 - 建設機械用高圧ホース及びコンベヤベルト - Google Patents

建設機械用高圧ホース及びコンベヤベルト Download PDF

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Abstract

ゴム積層体10において超高分子量ポリエチレン層14に被覆されるゴム層13を、ジエン系ゴムの質量比が60〜80%、エチレン−プロピレン−ジエンゴム及び/又はブチルゴムの質量比が20〜40%である混合ゴム100質量部に対して、軟化剤を20〜40質量部配合したゴム組成物から形成する。

Description

本発明はゴム積層体に関し、更に詳しくは、耐摩耗性及び耐候性を向上したホースやコンベヤベルトなどのゴム積層体に関する。
建設機械などに用いられている高圧ホースや、粒体物などの搬送に用いられているコンベヤベルトは、周辺機器に加わる振動などにより、周囲の金属フレームや金属配管などと繰り返し接触する場合がある。従って、そのような条件下で用いられる高圧ホースやコンベヤベルトには、高い耐摩耗性を有することが求められる。耐摩耗性を向上するには、ホースやコンベヤベルトの表面に、超高分子量ポリエチレン(UHMwPE:Ultra High Molecular Weight Polyethylene)のような耐摩耗性に優れた材料を被覆することが考えられるが、ゴム組成物と超高分子量ポリエチレンとの間の接着性が低いという問題があった。
そのような問題を解決するため、特許文献1は、軟化剤や可塑剤を10〜50質量部配合したスチレン−ブタジエンゴム(SBR)を主成分とするゴム組成物から形成した外面ゴム層に、超高分子量ポリエチレンを被覆したホースを提案している。このホースでは、加硫時に軟化剤や可塑剤が超高分子量ポリエチレン層に浸透して湿潤させ、ゴム組成物と超高分子量ポリエチレンとの間の分子の相互拡散及び絡み合いを促進することで、加硫後における両者の接着力を向上するようにしている。
特開2003−207078号公報
しかし、上記特許文献1のホースでは、ホース温度が大きく上昇したり、太陽光からの紫外線を大量に受けたりすると、主にゴム組成物中のポリマーが分解して、ゴム組成物と超高分子量ポリエチレンとの間の接着力が低下してしまうという問題があった。このように接着力が低下して超高分子量ポリエチレン層が剥がれてしまうと、外観が著しく損なわれ、ホース本体に亀裂等が発生していても、その亀裂等を目視で判別することができないという問題がある。また、軟化剤や可塑剤とスチレン−ブタジエンゴムとの相溶性が低いため、加硫時に超高分子量ポリエチレン層に浸透した軟化剤や可塑剤が、加硫後に超高分子量ポリエチレン層の表面へ洩れ出ることがあるため、実際のホースの破損との見分けが付きにくくなるおそれもあった。
本発明の目的は、耐摩耗性及び耐候性を向上することができ、かつ加硫後において軟化剤がホース表面に漏れ出ないようにしたゴム積層体を提供することにある。
上記の目的を達成する本発明のゴム積層体は、第1ゴム層に補強層と第2ゴム層とを順に積層し、前記第1ゴム層及び第2ゴム層の少なくとも一方の外面に超高分子量ポリエチレン層を被覆したゴム積層体において、前記超高分子量ポリエチレン層が被覆されたゴム層を、ジエン系ゴムの質量比が60〜80%、エチレン−プロピレン−ジエンゴム及び/又はブチルゴムの質量比が20〜40%である混合ゴム100質量部に対して、軟化剤を20〜40質量部配合したゴム組成物から形成したことを特徴とするものである。
軟化剤にはパラフィンオイルを用いることが望ましい。また、超高分子量ポリエチレンの分子量は100万以上とすることが望ましい。
本発明のゴム積層体は、第1ゴム層及び第2ゴム層を、それぞれ内面ゴム層及び外面ゴム層とし、外面ゴム層を上記のゴム組成物から形成すると共に、その表面に超高分子量ポリエチレン層を被覆したホースに好適に用いられる。
あるいは、本発明のゴム積層体は、第1ゴム層及び第2ゴム層を、それぞれ内側ゴム層及び外側ゴム層とし、少なくとも外側ゴム層を上記のゴム組成物から形成すると共に、その表面に超高分子量ポリエチレン層を被覆したコンベヤベルトに好適に用いられる。
本発明のゴム積層体によれば、ゴム積層体において超高分子量ポリエチレン層に被覆されるゴム層を、ジエン系ゴムの質量比が60〜80%、エチレン−プロピレン−ジエンゴム及び/又はブチルゴムの質量比が20〜40%である混合ゴム100質量部に対して、軟化剤を20〜40質量部配合したゴム組成物から形成するようにしたので、ゴム層と超高分子量ポリエチレン層との間の接着力が大きくなって超高分子量ポリエチレン層が剥がれにくくなるため、耐摩耗性を向上することができる。
また、ゴム層と超高分子量ポリエチレン層との間に形成される接着性を奏する相互拡散層に、耐候性に優れたエチレン−プロピレン−ジエンゴム及び/又はブチルゴムが入り込むため、耐候性を向上することもできる。
更に、エチレン−プロピレン−ジエンゴム及びブチルゴムは、軟化剤との相溶性が高いので、加硫時に超高分子量ポリエチレン層に浸透した軟化剤が、加硫後に外面ゴム層又は外側ゴム層に戻ることができるため、軟化剤がホース又はコンベヤベルト表面に漏れ出ないようにすることもできる。
図1は、本発明のゴム積層体の概略図である。 図2は、本発明のゴム積層体であるホースの構造を示す斜視図である。 図3は、本発明のゴム積層体であるコンベヤベルトの構造を示す斜視図である。 図4は、試験方法の概略図である。 図5は、耐候性試験の結果の外観の様子を示す図である。
以下に、本発明にかかるゴム積層体の実施の形態、実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態、実施例によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態からなるゴム積層体を示す。
図1に示すように、本発明のゴム積層体10は、内側に位置する第1ゴム層11に対し、補強層12と第2ゴム層13とを順に積層し、前記第2ゴム層13の一方の外面に超高分子量ポリエチレン層14を被覆したゴム積層体において、前記超高分子量ポリエチレン層14が被覆された第2ゴム層13を、ジエン系ゴムの質量比が60〜80%、エチレン−プロピレン−ジエンゴム及び/又はブチルゴムの質量比が20〜40%である混合ゴム100質量部に対して、軟化剤を20〜40質量部配合したゴム組成物から形成したものである。
本発明のゴム積層体によれば、ゴム積層体において超高分子量ポリエチレン層14に被覆される第2ゴム層13を、ジエン系ゴムの質量比が60〜80%、エチレン−プロピレン−ジエンゴム及び/又はブチルゴムの質量比が20〜40%である混合ゴム100質量部に対して、軟化剤を20〜40質量部配合したゴム組成物から形成するようにしたので、第2ゴム層13と超高分子量ポリエチレン層14との間の接着力が大きくなって超高分子量ポリエチレン層14が剥がれにくくなる。
この結果、耐摩耗性を大幅に向上することができる。
また、第2ゴム層13と超高分子量ポリエチレン層14との間に形成される接着作用を奏する相互拡散層15が形成され、この相互拡散層15に、耐候性に優れたエチレン−プロピレン−ジエンゴム及び/又はブチルゴムが入り込むため、耐候性を向上することもできる。
更に、エチレン−プロピレン−ジエンゴム及びブチルゴムは、軟化剤との相溶性が高いので、加硫時に超高分子量ポリエチレン層14に浸透した軟化剤が、加硫後に第2ゴム層13に戻ることができるため、軟化剤がゴム積層体10の表面に漏れ出ないようにすることもできる。
前述したゴム積層体は、図1に示すように、内側に位置する第1ゴム層11に対し、補強層12と第2ゴム層13とを順に積層し、前記第2ゴム層13の一方の外面に超高分子量ポリエチレン層14を被覆した第1のゴム積層体についての構成を説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、以下の構成とすることもできる。
内側に位置する第1ゴム層11に対し、補強層12と第2ゴム層13とを順に積層し、前記第1ゴム層11の一方の外面に超高分子量ポリエチレン層14を被覆した第2のゴム積層体や、内側に位置する第1ゴム層11に対し、補強層12と第2ゴム層13とを順に積層し、前記第1ゴム層11、第2ゴム層13の一方の外面に超高分子量ポリエチレン層14をそれぞれ被覆した第3のゴム積層体を例示することができる。
さらには、超高分子量ポリエチレン層14と補強層12との間には、薄いインシュレーションゴム層を設けるようにしてもよい。
次に、本発明のゴム積層体をホースに適用した実施の形態について、図2を参照して説明する。図2は、本発明のゴム積層体であるホースの構造を示す斜視図である。
図2に示すように、ゴム積層体であるホース20は、第1ゴム層である内面ゴム層21に、補強層22と第2ゴム層である外面ゴム層23とを順に積層し、更に外面ゴム層23に超高分子量ポリエチレン層24を被覆したものである。使用時においては、外面ゴム層23側が屋外環境面となる。
このようなホース20において、第2ゴム層である外面ゴム層23は、ジエン系ゴムの質量比が60〜80%、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)及び/又はブチルゴム(IIR)の質量比が20〜40%である混合ゴム100質量部に対して、軟化剤を20〜40質量部配合した第2のゴム組成物から形成されている。ここで、ブチルゴムにはハロゲン化ブチルゴム(Br−IIR、Cl−IIR等)も含まれるものとする。また、ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)及びスチレン−ブタジエンゴム(SBR)などが例示される。
第1ゴム層である内面ゴム層21を形成する第1のゴム組成物は、特に限定するものではなく、耐油性や耐薬品性、耐気体透過性、耐冷媒透過性に優れたゴム組成物、例えば、ブチル系共重合ゴムやアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、塩素化ポリエチレンゴム(CM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)などが例示される。
また、補強層22についても特に限定するものではなく、例えば黄銅めっきワイヤー、スチールコード又は有機繊維コードからなる編組又はスパイラルを少なくとも一層用いることができる。
このようにホース20の外面ゴム層23を上記のような第2のゴム組成物から構成したので、後述する「表1」に示すように、エチレン−プロピレン−ジエンゴム及びブチルゴムの臨界表面張力γcは、スチレン−ブタジエンゴムよりも超高分子量ポリエチレンの臨界表面張力γcに近いため、接着力が大きくなって超高分子量ポリエチレン層24が剥がれにくくなり、耐摩耗性を向上することができる。
また、外面ゴム層23と超高分子量ポリエチレン層24との間の接着性を奏する相互拡散層(図示省略する)に、耐候性に優れたエチレン−プロピレン−ジエンゴム及び/又はブチルゴムが入り込むため、ホース20の耐候性を向上することができる。
更に、エチレン−プロピレン−ジエンゴム及びブチルゴムは、軟化剤との相溶性が高いので、加硫時に超高分子量ポリエチレン層24に浸透した軟化剤が、加硫後に外面ゴム層23に戻ることができるため、軟化剤がホース表面に漏れ出ることはない。
更に加えて、補強層22が黄銅めっきワイヤーであると、外面ゴム層23と超高分子量ポリエチレン層24との接着性、ホースの耐候性、軟化剤のにじみ及び外面ゴム層23と黄銅めっきワイヤーとの接着性のバランスが良く好ましい。
上述したホース20は、例えば、マンドレル上に未加硫の内面ゴム層21を筒状に被覆し、次いでその上に補強層22を筒状に巻き付けた後、第2のゴム組成物からなる未加硫の外面ゴム層23を補強層22上に筒状に被覆する。そして、この外面ゴム層23上には、予め識別記号(図示せず)がインクなどによりプリントされているか、あるいは、外面ゴム層23を被覆した後、識別記号をプリントされていても良い。
次いで、外面ゴム層23上に超高分子量ポリエチレン層24を構成する超高分子量ポリエチレンフィルムを筒状に巻き付けた後、リボン状またはテープ状の被覆材(布、鉛などの金属材料、樹脂材料など従来公知のものが使用可能)を被覆した後、加硫する。これにより内面ゴム層21、補強層22、外面ゴム層23、超高分子量ポリエチレン層24の各層が接着して一体的に成形されたホース20を得ることができる。
本実施形態に係るホース20によれば、外面ゴム層23と超高分子量ポリエチレン層24との間に接着力を奏する相互拡散層が形成されるので、接着性が大きくなって超高分子量ポリエチレン層24が剥がれにくくなるため、耐摩耗性を向上することができる。また、外面ゴム層23と超高分子量ポリエチレン層24との間の相互拡散層に、耐候性に優れたエチレン−プロピレン−ジエンゴム及び/又はブチルゴムが入り込むため、耐候性も向上することができる。
更に、エチレン−プロピレン−ジエンゴム及びブチルゴムは、軟化剤との相溶性が高いので、加硫時に超高分子量ポリエチレン層24に浸透した軟化剤が、加硫後に外面ゴム層23に戻ることができるため、軟化剤がホース20の表面に漏れ出ないようにすることもできる。
次に、本発明のゴム積層体をコンベヤベルトに適用した実施の形態について、図3を参照して説明する。図3は、本発明のゴム積層体であるコンベヤベルトの構造を示す斜視図である。
図3は、本発明の別の実施形態からなるゴム積層体を示す。
図3に示すように、ゴム積層体であるコンベヤベルト30は、第1ゴム層である内側ゴム層31に、補強層32と第2ゴム層である外側ゴム層33とを順に積層し、更に外側ゴム層33に超高分子量ポリエチレン層34を被覆したものである。運転時においては、外側ゴム層33側が搬送面となる。
このようなコンベヤベルトにおいて、外側ゴム層33は上述した第2のゴム組成物から形成されている。
内側ゴム層31を形成する第1のゴム組成物は特に限定するものではなく、耐熱性や強度に優れたゴム組成物、例えば、天然ゴムやブタジエンゴムなどが例示される。また、補強層32についても特に限定するものではなく、例えばスチールコードや有機繊維コードからなる帆布やすだれ織物を少なくとも一層用いることができる。
このように、外側ゴム層33を上記のような第2のゴム組成物から構成したので、コンベヤベルト30の耐摩耗性及び耐候性を向上することができると共に、軟化剤がコンベヤベルト30の表面に漏れ出るのを防ぐことができる。
なお、このコンベヤベルト30においては、更に内側ゴム層31も外側ゴム層33と同じ第2のゴム組成物から形成し、その表面に超高分子量ポリエチレン層34を被覆するようにしてもよい。
更に、補強層32がスチールコードであると、外側ゴム層33と超高分子量ポリエチレン層34との接着性、コンベヤベルト30の耐候性、軟化剤のにじみ及び外側ゴム層33とスチールコードとの接着性のバランスが良く好ましい。
上記のいずれの実施形態においても、軟化剤にはパラフィンオイルを用いることが望ましい。パラフィンオイルは、色相が0.5ASTMカラースケール(ASTM D1500)未満であるため、ホース20の外面ゴム層23や、コンベヤベルト30の外側ゴム層33の表面に印刷された識別記号を色汚染することがないので、加硫後における識別記号の判読を妨げることがない。
また、超高分子量ポリエチレン層24、34を構成する超高分子量ポリエチレンは、分子量が100万以上のものを用いることが望ましい。これは、分子量が100万未満であると、加硫時にポリエチレンが発泡してしまい、超高分子量ポリエチレン層24、34が破壊されてしまい、好ましくないからである。
本発明のゴム組成物としてホース、コンベヤベルトについて説明したが、本発明はこれらの限定されるものではなく、例えば空気式防舷材、ゴム支承、タイヤ、ゴムロール、ゴムガスケット、道路橋用伸縮装置、コンクリート構造物可撓継手、免震・制振用ゴム、遮水シート、産業用空気ばね、車両連結部外幌、フラップベルト、タンクライニング等に適用することができる。
また、ホースとして例えば建設機械などに用いられる高圧ホースを例示することができる。
表2に示す原料(ゴム及び軟化剤)を表3及び表4のように異ならせ、表2に示す添加剤を配合した未加硫のゴム組成物に、厚さ100μmの超高分子量ポリエチレンフィルムを貼り付けた後に148℃で60分間の加圧加硫を行い、大きさ6×6インチ、厚さ2.5mmの実施例1〜9(本発明品)及び比較例1〜5のシート状試験片を作製した。それら14種類のシート状試験片について、接着性、耐候性及び超高分子量ポリエチレン表面への軟化剤の洩れ(にじみ)を以下の方法で測定・評価した。
[超高分子量ポリエチレンとの接着性]
シート状試験片から幅25mmで切り出した切片から、50mm/分の割合でゴム層を剥離したときの抵抗力(N/25mm)、及び剥離後の超高分子量ポリエチレンフィルムへのゴム組成物の付着状況(面積比)を、温度25℃及び100℃の条件下で測定した。
[耐候性]
JIS K 6266に規定するオープンフレームカーボンアーク灯式耐候性試験のSA法(直接野外曝露の再現方法)の条件下において、シート状試験片を超高分子量ポリエチレンフィルムが外側(光源側)になるように2つ折りにした試験片を用いて測定した。曝露条件は、以下の通りである。
試験方法の概略を図4に示す。
図4に示すように、光源であるアーク灯50から所定距離をもって、シート状試験片51を設置した。なお、試験片51は、湾曲にして、両端をクリップ52a、52bで挟んで、U字型に湾曲した面にアーク灯50から暴露するようにしている。
・ガラスフィルター:II型
・試験片面の放射照度:255 W/m
・試験時間:480h、600h、1440h
・噴霧サイクル:102分間の照射後、18分間の照射及び水噴霧
試験片の折り曲げ部における超高分子量ポリエチレンフィルムが剥がれた部分の面積比(%)を測定し、以下のような基準で評価を実施した。
◎:0%(剥がれなし)
○:10〜40%(小さな剥がれ)
△:40〜80%(大きな剥がれ)
×:100%(全剥がれ)
[軟化剤のにじみ]
シート状試験片を万力で挟んだ状態で温度25℃で一日放置した後に、超高分子量ポリエチレンフィルム表面への軟化剤のにじみ程度を目視で確認した。評価は比較例1の測定結果を100とする指数により行った。指数値が小さくなるほど、にじみが少ないことを意味する。にじみ試験の面圧は10MPaにて行った。
また、表2に示す原料(ゴム及び軟化剤)を表3及び表4のように異ならせ、表2に示す添加剤を配合した未加硫のゴム組成物からなる外面ゴム層と、黄銅めっきワイヤーからなる補強層とを有するホース状試験片を、次のようにして作製した。
外径34mmのマンドレル上に黄銅めっきワイヤーをスパイラル状に巻き付けて補強層を形成し、その補強層の上に各ゴム組成物から調製した厚さ2.5mmの未加硫のゴムシートを貼り合わせた後に148℃で60分間の加圧加硫を行い、上記実施例1〜9(本発明品)及び比較例1〜5に対応するホース状試験片を作製した。それら14種類のホース状試験片について、ゴム/ワイヤー間の接着性を以下の方法で測定・評価した。
[ワイヤーとの接着性]
ホース状試験片から幅25mmで切り出した切片から、50mm/分の割合で外面ゴム層を剥離したときの抵抗力(N/25mm)、及び剥離後の補強層へのゴム組成物の付着状況(面積比)を測定した。
表3及び表4に示す評価結果から、本発明のシート状試験片は、比較例のシート状試験片に比べて、超高分子量ポリエチレンとの接着性及び耐候性に優れると共に、超高分子量ポリエチレンフィルム表面への軟化剤のにじみが少ないことが分かる。また、本発明のホース状試験片は、比較例のホース状試験片(特に比較例3)に比べて、黄銅めっきワイヤーとの接着性に優れていることが判明した。
耐候性試験の結果の外観の様子を図5に示す。実施例3を本発明品とし、比較例1を従来品として、両者を比較した。図5に示すように、本発明品(実施例3)は1440時間経過しても外観は、微小なクラックが発生しているが、長期間に亙って健全性を保持することができた。これに対し、比較品である従来品(比較例1)は、480時間の経過でクラックが発生し、その後時間の経過と共に、クラックは増大し、1440時間では、かなりの損傷が発生した。よって、本発明品に大幅な優位性があることが確認された。
超高分子量ポリエチレン接着性試験において、ポリマーの特性として、SBRはEPDMより高強度であり、各々のγcの比較より超高分子量ポリエチレンの親和性はEPDM配合の方が優れる。よって、EPDM量が増えると、抵抗力が小さくなり、付着比は高くなることが判明した。
また、耐候性試験において、ポリマーの特性としてEPDM、IIR、Br−IIRはSBRよりも、ジエン系成分が少ないので、耐候性に優れる。よって、EPDM量が増えると、超高分子量ポリエチレンとゴム組成物の間のポリマー相容の相互拡散層の耐候性が高くなり、結果的に上記相互拡散層が破壊されないため、超高分子量ポリエチレンが剥がれなくなることが判明した。
にじみ試験において、軟化剤(パラフィンオイル)との親和性はSBRよりもEPDM、IIR、Br−IIRの方が高い。よって、EPDM量が増えると、圧力で追い出される油の量が減ることが判明した。
Wire接着性試験において、ポリマーの特性として、SBRはEPDM、IIR、Br−IIRより高強度であり、ワイヤーとの接着性もSBRの方が優れる。よって、EPDM量が増えると抵抗力と付着比が小さくなることが判明した。
このように実施例1乃至4を比較するとBR配合品よりもSBR配合品の実施例1乃至実施例3のSBRとEPDMとの組合せが良好ものとなり、特に実施例3の場合には、にじみが小さいものとなり、好適なものとなる。
10 ゴム積層体
11 第1ゴム層
12、22、32 補強層
13 第2ゴム層
14、24、34 超高分子量ポリエチレン層
15 相互拡散層
20 ホース
21 内面ゴム層
23 外面ゴム層
30 コンベヤベルト
31 内側ゴム層
33 外側ゴム層
本発明は、耐摩耗性及び耐候性を向上した建設機械用ホース及びコンベヤベルトに関する。
上記の目的を達成する本発明の建設機械用ホースは、内面ゴム層に補強層と外面ゴム層とを順に積層し、前記外面ゴム層の外面に超高分子量ポリエチレン層を被覆したゴム積層体からなる建設機械用ホースにおいて、前記超高分子量ポリエチレン層が被覆された外面ゴム層を、ジエン系ゴムの質量比が60〜80%、エチレン−プロピレン−ジエンゴム及び/又はブチルゴムの質量比が20〜40%である混合ゴム100質量部に対して、軟化剤を20〜40質量部配合したゴム組成物から形成したことを特徴とするものである。
また、本発明のコンベヤベルトは、内側ゴム層に補強層と外側ゴム層とを順に積層し、前記内側ゴム層及び外側ゴム層の少なくとも一方の外面に超高分子量ポリエチレン層を被覆したゴム積層体からなるコンベヤベルトにおいて、前記超高分子量ポリエチレン層が被覆されたゴム層を、ジエン系ゴムの質量比が60〜80%、エチレン−プロピレン−ジエンゴム及び/又はブチルゴムの質量比が20〜40%である混合ゴム100質量部に対して、軟化剤を20〜40質量部配合したゴム組成物から形成したことを特徴とするものである。
前記軟化剤にはパラフィンオイルを用いることが望ましい。
また、前記超高分子量ポリエチレンの分子量は100万以上とすることが望ましい。
本発明は、耐摩耗性及び耐候性を向上した建設機械用高圧ホース及びコンベヤベルトに関する。
上記の目的を達成する本発明の建設機械用高圧ホースは、内面ゴム層に補強層と外面ゴム層とを順に積層し、前記外面ゴム層の外面に超高分子量ポリエチレン層を被覆したゴム積層体からなる建設機械用ホースにおいて、前記超高分子量ポリエチレン層が被覆された外面ゴム層を、ジエン系ゴムの質量比が60〜80%、エチレン−プロピレン−ジエンゴム及び/又はブチルゴムの質量比が20〜40%である混合ゴム100質量部に対して、軟化剤を20〜40質量部配合したゴム組成物から形成したことを特徴とするものである。

Claims (5)

  1. 第1ゴム層に補強層と第2ゴム層とを順に積層し、前記第1ゴム層及び第2ゴム層の少なくとも一方の外面に超高分子量ポリエチレン層を被覆したゴム積層体において、
    前記超高分子量ポリエチレン層が被覆されたゴム層を、ジエン系ゴムの質量比が60〜80%、エチレン−プロピレン−ジエンゴム及び/又はブチルゴムの質量比が20〜40%である混合ゴム100質量部に対して、軟化剤を20〜40質量部配合したゴム組成物から形成したゴム積層体。
  2. 前記軟化剤がパラフィンオイルである請求項1に記載のゴム積層体。
  3. 前記超高分子量ポリエチレンの分子量が100万以上である請求項1又は2に記載のゴム積層体。
  4. 前記第1ゴム層及び第2ゴム層を、それぞれ内面ゴム層及び外面ゴム層とし、該外面ゴム層を前記ゴム組成物から形成すると共に、その表面に前記超高分子量ポリエチレン層を被覆したホースである請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム積層体。
  5. 前記第1ゴム層及び第2ゴム層を、それぞれ内側ゴム層及び外側ゴム層とし、少なくとも該外側ゴム層を前記ゴム組成物から形成すると共に、その表面に前記超高分子量ポリエチレン層を被覆したコンベヤベルトである請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム積層体。
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