JPWO2011040425A1 - 高炉朝顔部構造およびその設計方法 - Google Patents

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Abstract

この高炉朝顔部構造は、高炉の羽口部と炉腹部との間に設けられ、鉛直方向上方に向かって拡径する筒状の朝顔部の構造であって、前記朝顔部が、環状の鉄皮と、この鉄皮の内周に設けられた銅または銅合金の朝顔部用ステーブと、この朝顔部用ステーブの内周に設けられた耐火レンガと、を有し;前記朝顔部の上縁位置における前記耐火レンガの水平方向の厚みが50〜250mmであり;前記朝顔部の下縁位置における前記耐火レンガの水平方向の厚みが200〜500mmであり;前記朝顔部をその軸線を含む断面で見た場合に、前記朝顔部用ステーブの表面と水平面とのなす狭角が75〜82°である。

Description

本発明は、高炉朝顔部構造およびその設計方法に関する。
本願は、2009年09月29日に、日本に出願された特願2009−224434号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、高炉の朝顔部は、鉄皮と、この鉄皮の内側に設けられた冷却用ステーブ(以下、単にステーブと称する)と、このステーブの内側に設けられて同ステーブを保護する耐火レンガと、を備えている。鉄皮とステーブとの間には、キャスタブル等が適宜充填されている。
高炉の操業に伴い、前述した朝顔部では、内部構造の損耗が生じる。先ず耐火レンガが損耗し、続いてステーブまでが侵蝕される。ステーブの損耗が進むと、鉄皮の保護ができなくなり、鉄皮の温度が上昇することによる変形や亀裂で、高炉の朝顔部が寿命を迎える。
高炉では、膨大なパラメータを考慮しつつ、適切な運転状態が得られるように操業管理が行われる。しかし、多くの高炉において、一炉代つまり寿命となる約15年の間には大きな操業実績の変動が生じる。特に、高炉の火入れ後の操業開始から数年の時期には、操業実績が大きく低下する期間が現れることが知られている。
このような高炉の操業実績の低下は、火入れ後の操業に伴って高炉の炉内表面の耐火煉瓦等の構造物が損耗し、炉内表面のプロフィルが変化するためと考えられている。
すなわち、高炉の火入れ直後の操業初期状態において、炉内表面の形状は炉内側に積まれた耐火レンガの表面で規定される。高炉の操業開始から時間が経過すると、耐火レンガの局所的な損耗が進む。これにより、炉内表面のプロフィル(縦断面に表れる輪郭形状)が適切でなくなり、円周バランス(水平断面に表れる周方向の形状)が不均一となることがある。このような高炉内の表面形状が不適切な状態では、炉内のガス流れや内容物の分布等が不安定となり、操業実績の低下を招く原因となる。
このような不安定な期間が過ぎると、高炉の操業が安定する時期が続く。これは、大部分の耐火レンガが消滅し、ステーブ炉内表面に生成した付着物層により、火入れ初期に近い略適正なプロフィルあるいは円周バランスが得られるためと考えられている。
高炉の火入れから操業安定期までに、高炉炉内側に設置した耐火レンガの大部分が熱衝撃や損耗により消失する。しかしながら、炉内側のステーブ表面には、装入物に起因する付着物層が生成し、この付着物層が炉内表面の損耗部分を補填している(セルフライニング効果)と考えられている。
高炉のうち、特に朝顔部および炉腹部の炉内側の表面は、高温の融着帯(装入物中の鉱石の軟化溶融が開始し、半溶融状態の鉱石が相互に融着し板状に繋がっている領域)の根部に接触するため、高熱による損耗を受ける。すなわち、融着帯の根部がステーブ本体に接触することにより、ステーブ本体に熱的負荷及び損耗が生じる。前述した高炉の操業安定期に、高炉内のステーブ表面に生成する付着物は、前記熱的負荷及び損耗に対して保護作用を有し、炉内の耐火煉瓦の損失部分を補修する。この補修により、適切な付着物層の厚みや炉内プロフィルを維持できれば、高炉の更なる長期安定操業および寿命向上が可能になると考えられている。
前述のような高炉の耐火レンガの損傷による炉内表面のプロフィルあるいは円周バランスの不適切さを回避する技術として、特許文献1が知られている。特許文献1には、ステーブの内面に耐火レンガを設置せず、ステーブの内面自体で炉体内壁とすることで、耐火レンガの損耗に起因する炉内表面形状の変化が生じないようにすることが記載されている。
また、特許文献2には、ステーブ表面に生じる付着物を積極的に誘導するために、羽口近くに冷却部材を設置することが記載されている。
これらの技術によれば、ステーブ内側の耐火レンガを省略することで、高炉の火入れ後から操業安定期までにおける耐火煉瓦の損耗による炉内表面形状の急激な変化を回避できる。そして、付着物の誘導により耐火レンガがなくてもステーブの損耗を抑制することができる。
日本国特開2002−115007号公報 日本国特開2005−194567号公報
しかし、特許文献1、2において、ステーブ表面の付着物層により形成される炉内表面形状は、高炉の高さ方向および炉周方向において長期に安定的に生成させることは難しい。また、高炉操業時の装入物および操業条件の変化により高炉内のプロフィルは変化する。特に高炉の炉周方向の炉内表面プロフィルの円周バランスが変化した場合は、高炉の安定操業を阻害し、生産性低下の原因となる。
また、特許文献1に記載の構造のように、ステーブ内側に耐火レンガを設置しない高炉の構造では、高炉の火入れ時にステーブや鉄皮が常温から約1500℃〜2000℃の高温に急速加熱される。このため、ヒートショックつまり急な熱変動によりステーブに損傷を受ける可能性がある。従って、高炉の構築時にはステーブの炉内表面を耐火レンガで覆っておくことが望ましい。このような耐火レンガを備えた場合においても、火入れ後の操業初期に急激な炉内表面プロフィル変化がなく、長期にわたって適切な炉内表面プロフィルが安定的に維持できる高炉が望まれていた。
本発明は、耐火レンガが熱衝撃や損耗により消失した後、操業安定期の炉内表面プロフィルを形成することができる高炉朝顔部構造およびその設計方法の提供を目的とする。
本発明は、高炉の一炉代にわたって炉内表面形状の変化が小さく、長期の安定操業および寿命向上が可能な高炉を実現する。すなわち、本発明では、高炉の構築時にステーブの炉内表面側に配置する耐火レンガの厚みを薄くし、耐火レンガの外側のステーブを適正な位置に配置する。これらにより、火入れ後の高炉操業初期において耐火レンガが消失した後に、ステーブ表面に付着物層を速やかに生成させ、高炉操業初期から操業安定期に移行する際の、炉内の耐火レンガの損耗による炉内表面プロフィルの変化が小さくなるので、高炉の安定操業を長期に維持することが可能となる。
本発明は、上記課題を解決して係る目的を達成するために以下の手段を採用した。
すなわち、
(1)本発明の一態様に係る高炉朝顔部構造は、高炉の羽口部と炉腹部との間に設けられ、鉛直方向上方に向かって拡径する筒状の朝顔部の構造であって、朝顔部が、環状の鉄皮と、この鉄皮の内周に設けられた銅または銅合金の朝顔部用ステーブと、この朝顔部用ステーブの内周に設けられた耐火レンガと、を有し;朝顔部の上縁位置における耐火レンガの水平方向の厚みが50〜250mmであり;朝顔部の下縁位置における耐火レンガの水平方向の厚みが200〜500mmであり;朝顔部をその軸線を含む断面で見た場合に、朝顔部用ステーブの表面と水平面とのなす狭角が75〜82°である。
上記(1)に記載の高炉朝顔部構造によれば、高炉朝顔部の耐火レンガの厚さを従来の高炉に配置される耐火レンガの厚さよりも薄くすることで、火入れ後の操業初期において高炉朝顔部の耐火レンガが損耗、消滅することにより生じる炉内表面プロフィルの変化を大幅に抑制できる。さらには、高炉建設時の煉瓦費用を削減し、朝顔部の煉瓦積工期を短縮することができる。
すなわち、本発明の上記態様においては、火入れ時の高炉の朝顔部の炉内表面プロフィルは、ステーブの炉内表面側に配置する耐火レンガの表面で定められる。火入れ後の高炉操業初期には、熱衝撃や損耗により耐火レンガの大部分が消失する。しかし、耐火レンガの大部分が消失した後、ステーブ表面に生成されて成長する付着物層により、火入れ(設計時)に近い炉内表面プロフィルが形成され、高炉の操業安定期へ移行することができる。特に、高炉の朝顔部の炉内表面は、炉内を下降する装入物の融着帯(装入物中の鉱石の軟化溶融が開始し、半溶融状態の鉱石が相互に融着し板状に繋がっている領域)の根部に接触する領域である。耐火レンガ消失後に、半溶融状態の鉱石を含む装入物がステーブ本体表面で冷却され、固着することにより、ステーブ本体の炉内表面に生成する付着層が生成し、成長する。
本発明の上記態様では、高炉の朝顔部に配置する朝顔部用ステーブが、銅または銅合金製のステーブ本体で構成されている。
ここで、銅や銅合金の熱伝導率及び抜熱能力は高いので、銅または銅合金製のステーブ本体を用いることにより、半溶融状態の鉱石を含む装入物をステーブ本体表面で急速に冷却することができる。これによって、耐火レンガ消失後のステーブの高炉内の表面側に付着物層を速やかに生成、成長させることができる。さらには、高炉の装入物及び操業条件の変化により仮に付着物層が消失しても、付着物層を早期に再生させることができる。
本発明の上記態様では、朝顔部の上縁位置における耐火レンガの水平方向の厚みが50〜250mmであり;朝顔部の下縁位置における耐火レンガの水平方向の厚みが200〜500mmである。 すなわち、この構成では、従来に比べて高炉の朝顔部の耐火レンガの厚みが薄い。その結果、炉高方向及び炉周方向の、耐火レンガ消失前の高炉の朝顔部の炉内表面プロフィルと、耐火レンガ消失後の高炉の朝顔部の炉内表面プロフィルとの変化を小さくすることができる。
特に、高炉の容積が4000m以上の大型高炉では、火入れ後の操業初期から操業安定期までの間に炉周方向の耐火レンガの損耗状態が大きくばらつくことがある。従来、これが原因で炉内表面プロフィルの円周バランスが悪化し、高炉操業の不安定化及び生産性低下を招いていたという問題がある。
本発明の上記態様によれば、このような大型高炉の問題を解消し、高炉の火入れ後の操業初期から操業安定期までの間の炉内表面のプロフィル変化を極力小さくできる。これにより、従来のように高炉火入れ後の操業初期において炉内表面プロフィルの変化に応じて操業条件や装入物分布を何度も調整する必要はなくなる。あるいは、操業条件や装入物分布の調整頻度は従来に比べて格段と少なくなり、高炉操業を長期的に高水準に安定させることが可能となる。
さらには、本発明の上記態様によれば、高炉の朝顔部の耐火煉瓦積量が従来に比べて削減できるため、高炉改修時の煉瓦購入費や煉瓦積作業費を削減でき、更には高炉改修時の工期の短縮も可能となる。
上述したように、高炉の操業安定期の炉内表面プロフィルは、耐火レンガ消失後のステーブ炉内表面に生成する付着物層により形成される。本発明者らの調査結果によれば、高炉操業安定期に朝顔部において半溶融状態の鉱石を含む装入物をステーブ本体表面で急速に冷却することによって、ステーブの炉内表面に生成する付着物層の、炉内表面プロフィルにおける水平面に対する傾斜角度が約75°となることが判明している。
本発明の上記態様では、朝顔部をその軸線を含む断面で見た場合に、朝顔部用ステーブの表面と水平面とのなす狭角が75〜82°であり、より好ましくは75〜78°となるように高炉の朝顔用ステーブを配置する。
この構成により、高炉の火入れ後の操業初期において、耐火レンガ消失後にステーブの炉内表面で自然発生する付着物層の傾斜角度を上記の高炉操業安定期の傾斜角度(約75°)と近くなるようにすることができる。これにより、高炉の火入れ後の操業初期から操業安定期までに生じる炉内表面プロフィルの急激な変化を抑制できるため、操業不安定化及び生産性低下を回避することができる。
(2)上記(1)に記載の高炉朝顔部構造では、羽口部に設けられた羽口の中心から朝顔部の前記下縁位置までの鉛直方向の寸法が1200〜1350mmでかつ;羽口の先端から朝顔部の下縁位置までの水平方向の寸法が700〜1100mmであることが望ましい。
これは、従来の高炉朝顔部構造に比べて、熱伝導率が高く抜熱(冷却)能力の高い銅または銅合金製のステーブ本体からなる朝顔部用ステーブを、その高炉内の下端が高温領域である羽口の先端のレースウェイに近くなるような位置に配置する。これにより、朝顔部用ステーブの高炉内の表面に、厚みが薄く、剥離がし難く、安定した付着物層を生成し、高炉操業においてより安定した炉内プロフィルを維持することができる。この付着物層の保護効果により、ステーブの損傷速度を遅くし、高炉の朝顔部の寿命を長くすることが可能となる。上述のレースウェイとは、羽口から高速のガスを吹き込んで羽口前のコークスを流動化させた空隙率の高い空間である。
本発明の上記態様によれば、高炉の火入れ後の操業初期から操業安定期までに、朝顔部用ステーブの炉内表面に、厚みが薄く、剥離がし難く、安定した付着物層を生成することで、高炉の装入及び操業条件などが変化した場合でも、朝顔部の炉高方向および炉周方向の炉内表面プロフィルの変化が小さくなる。特に大型高炉で問題となる炉内表面プロフィルの円周バランスの悪化による操業不安定化及び生産性低下を回避することができ、高炉の長期操業安定化が可能となる。
(3)上記(1)に記載の高炉朝顔部構造では、羽口部に設けられた羽口の中心から朝顔部の上縁位置までの鉛直方向の寸法が4500mm〜5500mmであることが望ましい。
ここで、高炉の朝顔部の炉内表面は、炉内を下降する装入物の融着帯の根部を支持し、高炉の安定操業を維持する役割を担っている。
そこで、朝顔部用ステーブの上縁位置の高さを上記範囲とすることで、高炉の操業状態の変化により、装入物の融着帯の根部の高さ位置が変動した場合にも、羽口部の上方に朝顔部用ステーブを適正な傾斜角度(上述した朝顔部用ステーブの表面と水平面とのなす狭角)で配置し、羽口の中心から朝顔部の上縁位置までの鉛直方向の寸法を十分な長さにすることにより、融着帯の根部を安定して支持することができる。
本発明の上記態様にかかる高炉朝顔部構造において、朝顔部用ステーブが、炉内側の表面を基準面としてこの基準面から炉内側に突出してかつ炉周方向に連続した突起部を有することが望ましい。
この構成では、炉内側の表面である基準面から炉内側に突出する突起部により、高炉内を下降する融着帯の根部周辺部位の装入物(半溶融状態の鉄鉱石を含む)の降下速度を減速させる。これによって、高炉の操業状態の変化などにより基準面の付着物層が剥がれ落ちることがあっても、その基準面に沿って付着物層を早期に生成、成長させることができる。すなわち、この付着物層の生成、成長により、適正な炉内表面プロフィルを形成することができるため、高炉内の操業を安定的に長期維持することができる。
また、ステーブ本体の基準面に沿って生成、成長した付着物層でステーブ本体を被覆すること(セルフライニング効果)により、ステーブ本体は高温の融着帯に直接曝されなくなり、朝顔部および炉腹部用ステーブとしての耐熱性を高めることができる。
特に、本発明の上記態様では、熱伝導率が高く抜熱能力の高い銅製または銅合金製のステーブ本体を用いるため、高炉内を降下する半溶融状態の鉱石を含む装入物が基準面の突起部により減速した後、急速に冷却して基準面に付着する。これによって、高炉の操業状態の変化などにより基準面の付着物層が剥がれ落ちることがあっても、付着物の被覆層を早期に再生させることができる。
また、朝顔部用ステーブに対して炉周方向の全周に連続して設けられた突起部により、大型高炉の操業において、炉内表面プロフィルの円周バランスを良好に維持することが容易となり、高炉の長期高位安定操業が可能となる。
朝顔部用ステーブにおいて、ステーブ本体の内部に形成される冷却用管路に加えて突起部にも冷却用管路を形成することが望ましい。
本発明の上記態様では、ステーブ本体の材質を熱伝導率が高く抜熱能力の高い銅または銅合金としているため、ステーブ本体内部の冷却用管路のみでも突起部は十分に冷却されるが、突起部内部にも冷却用管路を形成し、突起部を直接的に冷却することにより、その表面の温度を下げて付着物の生成を更に促進することができる。
(4)本発明の一態様に係る高炉設計方法は、羽口部と、炉腹部と、これら羽口部及び炉腹部間に設けられて鉛直方向上方に向かって拡径する筒状の朝顔部とを備え、前記朝顔部が、環状の鉄皮と、この鉄皮の内周に設けられた銅または銅合金の朝顔部用ステーブと、この朝顔部用ステーブの内周に設けられた耐火レンガとを有する、高炉の設計方法であって、前記朝顔部の上縁位置における前記耐火レンガの水平方向の厚みを50〜250mmとし;前記朝顔部の下縁位置における前記耐火レンガの水平方向の厚みを200〜500mmとし;前記朝顔部をその軸線を含む断面で見た場合に、前記朝顔部用ステーブの表面と水平面とのなす狭角を75〜82°とする。
この高炉設計方法によれば、前述した本発明の一態様に係る高炉朝顔部構造と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る高炉を示す模式図である。 同高炉の高炉朝顔部構造の火入れ時(設計時)における朝顔部用ステーブおよび耐火レンガの設置状態および初期の炉内表面プロフィルを示す断面図である。 同高炉の高炉朝顔部構造の火入れ時(設計時)、操業初期及び操業安定期における炉内表面プロフィルを示す断面図である。 従来の高炉朝顔部構造における稼働年数と生産量との変化を示すグラフである。 従来の高炉朝顔部構造の火入れ時(設計時)における朝顔部用耐火レンガの状態を示す模式図である。 従来の高炉朝顔部構造の操業初期における朝顔部用耐火レンガが損耗中の状態を示す模式図である。 従来の高炉朝顔部構造の操業安定期における朝顔部用耐火レンガが消失した状態を示す模式図である。 実施形態の高炉朝顔部構造における稼働年数と生産量との変化を示すグラフである。 同高炉朝顔部構造の火入れ時(設計時)における朝顔部用耐火レンガの操業初期状態を示す模式図である。 同高炉朝顔部構造の操業初期における朝顔部用耐火レンガが損耗中の状態を示す模式図である。 同高炉朝顔部構造の操業安定期における朝顔部用耐火レンガが消失した状態を示す模式図である。
以下、本発明の高炉朝顔部構造およびその設計方法の一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1において、高炉1は、基礎地盤上に構築された筒状の炉体2を有する。
炉体2は、上部のガス捕集マンテル3から順次炉口部S1、シャフト部S2、炉腹部S3、朝顔部S4、羽口部S5、炉底部S6に区分される。一般的に、シャフト部S2の内径は下方に向かって拡張し、炉腹部S3の内径は最大径であり、朝顔部S4の内径は下方に向かって縮小する。朝顔部S4は、筒状であり、羽口部S5と炉腹部S6との間に設けられ、鉛直方向上方に向かって拡径する。
炉体2には、通常はガス捕集マンテル3に装入装置が設置され、この装入装置から炉内に粒状の装入物4が装入される。装入物4としては、8〜25mm程度の粒度の鉱石系装入物と、20〜55mm程度の粒度のコークス系装入物とが交互に層状に装入される。その結果、炉内の炉口部S1及びシャフト部S2には、鉄鉱石とコークスとが交互に成層した塊状帯4Aが形成される。
炉体2には、炉底部S6の上部に羽口5が設置され、ここから熱風5Aが吹き込まれる。この熱風5Aにより、塊状帯4A中のコークスが燃焼して更に高温となり、羽口5近傍には高温ガスによるレースウェイ5B(羽口5から高速のガスを吹き込んで羽口5前のコークスを流動化させた空隙率の高い空間)が形成される。レースウェイ5Bの高熱により、塊状帯4A中の鉄鉱石が溶融する。
これらのコークス燃焼および鉄鉱石の溶融は、塊状帯4Aの下部で順次進行し、炉内には朝顔部S4からシャフト部S2の下部に向かって略円錐形の融着帯4Bが形成される。
融着帯4Bで溶融した鉄分6Aは滴下帯4Cを通過し、炉底部S6に向かって滴下し、溶銑6Bとして炉底部S6に溜まる。融着帯4Bで燃焼しきれなかったコークス等は滴下帯4Cを通過して降下し、炉底部S6に積み上がり、溶銑6Bの上に円錐形の炉芯4Dを形成する。
炉体2には、炉底部S6に出銑口6が設置され、出銑口6により炉底部S6に溜まった溶銑6Bが高炉1の外部に取り出される。
炉体2は、最外周に鉄皮2Aを有し、鉄皮2Aの内側に、冷却用のステーブや耐火レンガ2Dが張られている。
シャフト部S2の上部から中部の塊状帯4Aに面する領域S7にはシャフト用のステーブ2Bが張られる。この領域S7では、塊状帯4Aに含まれる粒状の装入物4がステーブ2Bの表面に接触しながら順次降下するため、ステーブ2Bの表面には機械的な摩耗を生じることがある。
シャフト部S2の下部から炉腹部S3及び朝顔部S4を含む領域S8には朝顔部用のステーブ2Cが張られる。この領域S8では、高温の装入物4からなる融着帯4B(装入物4中の鉱石の軟化溶融が開始し、半溶融状態の鉱石が相互に融着し板状に繋がっている領域)の根部4Eが接触しながら順次降下するため、高炉1の内側のステーブ2Cの表面には高温による摩耗を生じることがある。
これらのステーブ2B,2Cの炉内表面には必要に応じて耐火レンガ2Dが張られる。また、高温の溶銑6Bが貯留される炉底部S6には耐火レンガ2Eが厚く積み上げられる。
本実施形態においては、図2に示すように、高炉朝顔部構造9は、朝顔部S4を主体とする、炉腹S3下部から羽口部S5の羽口5にかけての領域に採用されている。
高炉朝顔部構造9の朝顔部S4は、外側に設置された環状の鉄皮2Aと、この鉄皮2Aの内周に設けられた銅または銅合金の朝顔部用ステーブ10と、この朝顔部用ステーブ10の内周に設けられた耐火レンガ20(2D)とを有する。朝顔部用ステーブ10は、銅または銅合金で一括鋳造された鋳物であってもよい。また、ステーブ2Cは、銅または銅合金の板材から削り出された薄板状のステーブ本体11を有する。
ステーブ本体11の表面側には水平に連続する突起部12が複数列形成され、その間には、高炉1の外側に向かって窪んだ凹部13Bが形成されている。この凹部13Bの、突起部12より一段低い面が平面(基準面)13である。
朝顔部S4の上端側に配置された朝顔部用ステーブ10A(10)は、朝顔部S4から炉腹部S3にかけて配置されている。この朝顔部用ステーブ10Aは、朝顔部S4に位置する部分のみが、朝顔部S4の軸線Oに対して傾斜している。具体的には、朝顔部S4をその軸線Oを含む断面で見た場合に、朝顔部用ステーブ10の平面(基準面)13と水平面とのなす傾斜角度(狭角)αが75〜82°であり、なかでも好ましくは75〜78°である。また、朝顔部用ステーブ10Aの羽口部S5側に配置された朝顔部用ステーブ10も同様に軸線Oに対して傾斜している。
朝顔部S4の上縁位置Eにおける耐火レンガ20(2D)の水平方向の厚みLは50〜250mmであり、好ましくは50〜100mm程度である。また、朝顔部S4の下縁位置Eにおける耐火レンガ20(2D)の水平方向の厚みLは200〜500mmであり、好ましくは200〜300mm程度である。
基準面である平面13を含む凹部13Bは、ステーブ本体11の表面からの切削により形成され、突起部12はこの切削の際に削り残されて形成される。ここで、平面13は朝顔部用ステーブ10の基準面とされ、突起部12は朝顔部用ステーブ10の基準面から突出している。
突起部12は、朝顔部用ステーブ10が炉内に張られた場合に、互いに連続し、高炉1においては各々の突起部12が完全な円環状を形成する。
突起部12の先端面がTiN,TiC,WC,Ti−Al−N系等の高硬度材料でコーティングされても良い。
基準面である平面13からの突起部12の突出量が50〜150mm(平均粒度の大きいコークス系装入物の最大粒径55mmの約1〜3倍の突出量)であり、隣接する突起部12の間隔は500〜1000mm程度であり、より好ましくは、500〜700mmである。
特に、隣接する突起部12は、ステーブ本体11の基準面である平面13で装入物の降下速度を低下させることで装入物の冷却効率を高め、付着物層の形成を促進するため、隣接する突起部12の間隔が重要となる。
隣接する突起部12の間隔が1000mmより広くなると、特に高位置側の突起部12付近で降下する半溶融状態の鉱石を含む装入物の下降速度が減速し、冷却により基準面である平面13に付着物層を生成する作用が小さくなる。
隣接する突起部12の間隔が500mmより狭くなると、隣接する突起部12間で降下する半溶融状態の鉱石を含む装入物の下降速度が減速し、冷却により基準面である平面13に生成する付着物層の厚みが過度に厚くなる。付着物層が過度に厚く生成すると、高炉1の操業条件の変化などで付着物層が剥がれた場合に、朝顔部および炉腹部の炉内面プロフィルが大きく変化する原因となり、高炉1の安定操業を維持するために好ましくない。
図2に示すように、基準面である平面13に沿って、凹部13B内(隣接する突起部12の間)には耐火物13Aが張られている。耐火物13Aおよび突起部12の先端面に沿って、耐火物13Aとは別の耐火レンガ20が張られている。
本実施形態の高炉朝顔部構造9では、この耐火レンガ20により、前述したステーブ2Cの内側の耐火レンガ2Dが構成されている(図1参照)。
前述した通り、図2に示すように、耐火レンガ2Dの厚み、つまり朝顔部用ステーブ10の上縁位置Eにおける耐火レンガ20の水平方向の厚みLは50〜250mmであり、その下縁位置Eにおける耐火レンガ20の水平方向厚みLは200〜500mmである。
耐火レンガ20および耐火物13Aは、高炉1の火入れ時(付着物による被覆がまだ得られない状態)に、朝顔部用ステーブ10を熱ショックから保護する。
高炉1の火入れ後の操業初期には、耐火レンガ20および耐火物13Aは、図1に示す高温状態の装入物4の融着帯4Bの根部4Eから受ける高熱および摩擦力により順次損耗される。この際、図3に示すように、損耗した耐火レンガ20の表面により、朝顔部S4における炉内プロフィルP1が構成される。
しかし、炉内では高炉1の操業により、耐火レンガ20の損耗による消失に対して装入物4に起因する付着物7層が成長し、朝顔部用ステーブ10の炉内表面は付着物7層で被覆される(炉内プロフィルP2)。
高炉1の火入れから操業初期に耐火レンガ20の大部分が消失した後、火入れから4年経過後には、ステーブ本体11の基準面13、あるいは、耐火物13Aの表面に装入物4により付着物7層が生成、成長し、付着物7が薄い厚みで形成される。そして、朝顔部S4における耐火物13Aおよび突起部12が付着物7層で更に被覆される(炉内プロフィルP3)。
さらに、火入れから4〜10年経過後には、ステーブ本体11の基準面13、あるいは、炉内プロファイルP3で形成された付着物7層上に、さらに、付着物7層が成長し、付着物7層の厚みの増加により火入れ時の朝顔部S4における耐火レンガ20の炉内表面プロフィルP0に近づく。また、高炉1の操業状態の変化により、付着物7層及び基準面である平面13の耐火物13Aが剥離し、平面13Aが露出しても、その後、速やかに付着物7層の成長により平面13、あるいは、突起部12が被覆される。これにより、朝顔部用ステーブ10の高炉1の内側表面は付着物7層で自動的に平滑な面に均される。
図2に戻って、ステーブ本体11の内部には冷却用管路(図示省略)が形成され、ステーブ本体11の裏面側には冷却用配管16が接続されている。
ステーブ本体11内部の冷却用管路には、冷却用配管16からの冷却水が通され、この冷却水の流量調整により朝顔部用ステーブ10の基準面である平面13および突起部12は冷却され、それぞれ適切な温度に調整される。
このような適切な冷却により、装入物4の付着物7層(図3参照)の成長が助長され、朝顔部用ステーブ10の高炉1内の表面における付着物7層の厚み等を適切な被覆状態に調整することができる。
以上のように、本実施形態の高炉朝顔部構造9では、火入れ(設計時)から高炉操業初期は、耐火レンガ20の高炉1の内側表面に初期表面形状(初期プロフィル)が形成され、耐火レンガ20が損耗により消失した後は、ステーブ本体11の表面に生成した付着物7層により、高炉1の内側表面に操業安定期の炉内表面プロフィルが形成される。
従来の高炉朝顔部構造においては、火入れから2〜4年経過後までの操業初期に、朝顔部における炉内表面プロフィルが大きく変化し、高炉操業の不安定化及び生産性低下の原因となっていた。
本実施形態によれば、朝顔部S4における耐火レンガ20の厚みを薄くし、かつ耐火レンガ20の消失後にステーブ本体11の基準面に速やかに付着物7層が形成されるように朝顔部用ステーブ10を適切な角度で傾斜配置させるため、火入れ後の操業初期における炉内表面プロフィルの変化が、火入れ(設計時)における炉内表面プロファイルに比べて小さいので、高炉操業の安定性及び生産性を良好に維持できる。
本実施形態の高炉朝顔部構造9では、羽口5に対する朝顔部用ステーブ10の配置が特定の設定とされている。
すなわち、高炉朝顔部構造9において、朝顔部S4の領域に配置する朝顔部用ステーブ10は、朝顔部S4をその軸線を含む断面で見た場合に、朝顔部用ステーブ10の基準面13と水平面とのなす傾斜角度αは75〜82°、より好ましくは75〜78°となるように設置されている。
羽口部S5に設けられた羽口5の中心H0から朝顔部S4の下縁位置(高炉朝顔部構造9の最下段に設置された朝顔部用ステーブ10の高炉1の内表面の下端位置)Eまでの鉛直方向の寸法H1が1200〜1350mmであり、かつ羽口5の先端D0から朝顔部S4の下縁位置Eまでの水平方向の寸法D1が700〜1100mmである(図2参照)。なお、羽口5の中心高さH0は、羽口5のノズルが回動式の場合、その回動中心位置の高さをいう。
本実施形態によれば、従来の高炉朝顔部構造に比べて、熱伝導率が高く抜熱能力の高い銅または銅合金製のステーブ本体11からなる朝顔部用ステーブ10が、その高炉1内の下縁位置Eが高温領域である羽口先のレースウエイ5B(羽口から高速のガスを吹き込んで羽口前のコークスを流動化させた空隙率の高い空間)に近くなるような位置に配置されている。これにより、朝顔部用ステーブ10の高炉1内の表面に、厚みが薄く、剥離がし難い安定な付着物層を早期に生成し、高炉操業においてより安定した炉内プロフィルを維持することができる。さらには、その保護効果によりステーブの損耗速度を遅くできるため、高炉朝顔構造の長寿命化が可能となる。
高炉1の火入れ後の操業初期から操業安定期までに、朝顔部用ステーブ10の炉内表面に厚みが薄く剥離し難い安定付着物層を生成することで、高炉1の装入及び操業条件などの変化によっても、朝顔部S4の炉高方向および炉周方向の炉内表面プロフィルの変化が、火入れ(設計時)における炉内表面プロファイルに比べて小さくなる。その結果、特に大型高炉で問題となる炉内表面プロフィルの円周バランスの悪化による操業不安定化及び生産性低下を回避することができ、高炉1の長期操業安定化が可能となる。
さらに、羽口部S5に設けられた羽口の中心H0から朝顔部S4の上縁位置(前述した高炉朝顔部構造9の最下段に設置した朝顔部用ステーブ10の高炉1内の表面の上端位置)Eまでの鉛直方向の寸法H2が4500〜5500mmとされている。
高炉1の朝顔部S4の炉内表面は、高炉1内を下降する装入物4の融着帯4Bの根部4Eを支持し、高炉1の安定操業を維持する役割を担っている。これにより、前記朝顔部用ステーブ10の上縁位置Eの高さを上記範囲とすることで、高炉1の操業状態の変化により装入物4の融着帯4Bの根部4Eの高さ位置が変動した場合にも、羽口5の上方に適正な朝顔角度(傾斜角度)で朝顔部用ステーブ10を配置し、寸法H2を十分長くすることにより、融着帯4Bの根部4Eを安定して支持することができる。
以上に述べた本実施形態においては、高炉火入れ後、操業に伴って耐火レンガ20が損耗するが、朝顔部用ステーブ10の炉内表面における付着物7層の生成により、炉高方向および炉周方向の炉内表面プロフィルが適切な状態に維持され、炉内表面プロフィルの経年変化による高炉1の操業実績の低下を最小限にすることができる。
以下には、コンピュータシミュレーションにより、本実施形態の高炉朝顔部構造9における炉内表面プロフィルの経年変化と、本実施形態が適用されていない従来の高炉朝顔部構造における経年変化とを比較する。
図4には、本実施形態が適用されない従来の高炉朝顔部構造における稼働年数の経過に伴う生産量の変化が示されている。図5、図6、図7には、同高炉朝顔部構造の火入れ時(設計時)、操業初期および操業安定期における朝顔部用耐火レンガ20の損耗状況が模式的に示されている。
図8には、本実施形態が適用された高炉朝顔部構造9における稼働年数の経過に伴う生産量の変化が示されている。図9、図10、図11には、同高炉朝顔部構造9の火入れ時(設計時)、操業初期および操業安定期における朝顔部S4の耐火レンガ20の損耗状況が模式的に示されている。
図4に生産量の変化が示される従来の高炉1は、その朝顔部S4の基本的な構造は前述した図1および図2に示された本発明の実施形態と同じであるが、朝顔部用ステーブ10の炉内表面側に配置する耐火レンガ20の厚み(朝顔部用ステーブ10の下縁位置Eで水平方向の厚み)が500mmよりも大きく、上縁位置Eが250mmよりも大きく、前記寸法H2が4000mmより小さく、傾斜角度αが82°よりも大きい値となっている。
図4において、高炉1の火入れ時点(稼働年数0年)から6ヶ月は「火入れ立ち上げ期T1」となる。この期間に、高炉1の装入及び操業条件等の操業調整を行い、生産量を目標の生産レベルL0まで立上げる。
稼働年数6ヶ月から2年目までが「立ち上げ後操業初期T2」となる。この期間、朝顔部S4では、朝顔部用ステーブ10の内側に張られた耐火レンガ20がごく僅かしか損傷されずに維持されており、耐火レンガ20表面によって初期の炉内表面プロフィルおよび円周バランスが良好に維持されている(図5参照)。このため、実際の生産量も目標の生産レベルL0を維持しつつ、安定操業が継続される(図4の時期T2参照)。
稼働年数2年から4年までが「朝顔レンガ損傷脱落時期T3」となる。この時期、朝顔部S4では、耐火レンガ20が殆ど損傷され、部分毎に順次脱落することで、炉内表面プロフィルが悪化するとともに、朝顔部S4の円周バランスが悪化する(図6参照)。特に、耐火レンガ20の損傷、あるいは、脱落は、朝顔部S4の炉周方向の特定部位から始まり、順次全周に拡大する。このため、炉内表面プロフィルが悪化し、高炉操業は、円周バランスの不整による大きな影響を受け、全周脱落に到るまでの間は不安定となり、生産量が大きく低下した状態が続く(図4の時期T3参照)。
この期間、様々な高炉操業調整を図ることで、朝顔部S4の高炉内面に付着物層が生成され、炉周方向の炉内表面プロフィルが平滑化され、円周バランスが回復するにつれ、操業が安定化して生産量も回復する。
稼働年数4年から10年までが「操業安定時期T4」となる。この時期、朝顔部S4では、耐火レンガ20が完全に消失し、炉内表面は朝顔部用ステーブ10の表面または付着物層により形成される(図7参照)。高炉操業条件と装入物分布の適正化が行われた時点では、朝顔部用ステーブ10の表面に適正厚みの付着物7層が生成する。この付着物7層により、炉内表面に平滑な炉内表面プロフィルが形成され、炉周方向の全周にわたる円周バランスも良好となる。このため、朝顔レンガ損傷脱落時期T3に比べて、高炉操業も安定し、生産量も回復する。この時期の生産量L1は高炉各部位の経年劣化により徐々に右下がりの直線傾向となる(図4の時期T4参照)。
しかし従来の高炉朝顔部構造では、中期操業安定時期T4において、原料・燃料の品質変動や操業条件の変化が生じた場合に、朝顔部用ステーブ10の炉内表面の付着物7層が散発的に剥離、脱落することがある。このような脱落に伴って一時的に炉内表面プロフィルが急激に変化し、円周バランスが悪化し、一時的に生産量の大きな変動が発生する問題がある。
稼働年数10年から14年までが「操業不安定時期T5」となる。この時期、朝顔部S4では、朝顔部用ステーブ10の損耗も進み、原燃料品質の変動(コークス品質悪化、焼結品質変動等)による影響が大きくなり、朝顔部用ステーブ10の炉内表面での付着物の消失、再生の変化が大きくなる。これに伴って、炉内表面プロフィルの変化や円周バランス変化が更に大きくなり、前述した操業安定時期T4に比べて、高炉1内の状況が大きく変動する。これにより、高炉1の各部位の経年劣化が一段と進行する為、結果として生産量が低下しつつ、その変動も大きくなる。この時期の生産量L2は大きく右下がりの直線傾向となる(図4の時期T5参照)。
稼働年数14年を超え、朝顔部S4、あるいは、シャフト部S2の高熱負荷部位のステーブの損傷や、炉床壁レンガの損耗進行により、高炉1としての能力上限でのフル生産が困難となり、適時突発的な休風や、修理対応のための長時間休風等が必要となる。これにより、操業条件変更が頻繁に発生し、羽口先条件変動により朝顔部S4での付着物7が安定維持できなくなる。このような状況では、結果として生産量が大きく減少し、種々の設備の経年劣化・老朽化等により、操業条件がますます安定せず、羽口先条件変動による朝顔プロフィル不安定、円周バランス不安定の両者共に最も悪化した時期を迎え、炉末期に到る。
図8に示される高炉1は、前述した図1、図2および図3に示された本実施形態の高炉朝顔部構造9を採用したものであり、朝顔部用ステーブ10の炉内表面側に張られる耐火レンガ20の水平方向の厚みが、最下段に配置された朝顔用ステーブ10の上縁位置Eが50〜250mmであり、朝顔用ステーブ10の下縁位置Eが200〜500mmであり、その基準面である平面13と水平面とのなす傾斜角度αが75〜82°である。
図8において、高炉1の火入れ時点(稼働年数0年)から6ヶ月は「火入れ立ち上げ期U1」となる。この期間に、高炉の装入及び操業条件等の操業調整を行い、生産量を目標の生産レベルL0まで立上げる。この時点では炉内プロフィルP0(図3参照)である。
稼働年数6ヶ月から2年目までが「立ち上げ後初期U2」となる。この期間、朝顔部S4では、朝顔部用ステーブ10の内側に張られた耐火レンガ20がごく僅かしか損傷されずに維持されており、耐火レンガ20表面によって初期の炉内表面プロフィルおよび円周バランスが良好に維持されている(図9参照)。このため、実際の生産量も目標の生産レベルL0を維持しつつ、安定操業が継続される(図8の時期U2参照、図3のプロフィルP0)。
稼働年数2年から4年までが「朝顔レンガ脱落時期U3」となる。この時期、朝顔部S4では、耐火レンガ20が損傷され、部分毎に順次脱落することがある。しかしながら、耐火レンガ20の厚みは、上記本実施形態に基づき薄く形成されているため、従来に比べて、炉内表面プロフィルの大きな変化あるいは朝顔部S4の円周バランスの大きな変化の発生が抑制される(図10参照)。これにより、従来(図4の時期T3)のような操業の不安定さや生産量の大きな低下を回避することができる(図8の時期U3参照、図3のプロフィルP1)。
稼働年数4年から10年までが「操業安定時期U4」となる。この時期、朝顔部S4では、耐火レンガ20が完全に消失し、炉内表面は朝顔部用ステーブ10の表面に生成した付着物7層により形成される(図11参照)。この際、本発明の高炉朝顔部構造9は、朝顔部用ステーブ10の基準面である平面13が適正の傾斜角度α(75〜82°)となるように朝顔部用ステーブ10が配置されている。これにより、付着物7層が、朝顔部用ステーブ10の炉内表面で薄い厚みで、かつ、炉周方向に均一厚みで、効率よく生成するため、平滑な炉内表面プロフィルが確保され、高炉1内全周にわたる円周バランスも良好となる。このため、高炉操業も安定し、目標とする生産レベルL0に近い値を確保することができる(図8の時期U4参照、図3のプロフィルP2〜P3)。
また、付着物7層は、従来に比べて、厚みが薄く、剥離がし難い状態で朝顔部用ステーブ10の炉内表面に生成、成長するため、従来のように付着物層が散発的に脱落することにより一時的に炉内表面プロフィルが急激に変化することはない。さらには、高炉1内全周にわたる円周バランスが悪化することがなく、安定した高炉操業が維持できる。また、朝顔部用ステーブ10の基準面である平面13の傾斜角度が適正であることで、操業条件の変化が生じた場合に仮に付着物7層が散発的に剥離、脱落しても、その基準面での付着物7層の再生が効率よく行われ、従来(図4の時期T4)のような生産量の大きな低下をまねくことがない。
稼働年数10年から14年までが「操業不安定時期U5」となる。この時期、朝顔部S4では、従来(図4の時期T5)と同様に炉末期に至る。しかし、その間も前述した朝顔部用ステーブ10の基準面である平面13の適正な傾斜角度α(75〜82°)により、炉内表面プロフィルの適正化および円周バランスの適正化が図られ、目標とする生産レベルL0に近い値を確保することができる(図8の時期U5参照)。
なお、本発明は前述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等をも含むものである。
前記実施形態において、朝顔部用ステーブ10の炉内表面およびその付着物7により形成される操業安定期の炉内表面プロフィルは、朝顔部用ステーブ10の水平面に対する傾斜角度を75〜78°の場合で説明したが、その傾斜角度αが75〜82°の場合でも同様の効果を得ることができる。
前記実施形態において、高炉朝顔部構造9の最下段に設置された朝顔部用ステーブ10の炉内表面の下縁位置E(図2参照)は、羽口5の中心H0からの朝顔部S4の下縁位置Eまでの鉛直方向の寸法H1が1200〜1350mmであり、かつ羽口5の先端D0から朝顔部S4の下縁位置Eまでの水平方向の寸法D1が700〜1100mmであればよい。例えば、朝顔部S4および羽口部S5の境界が、朝顔部S4’および羽口部S5’(図2参照)のように下方に設定できる場合、前述した下縁位置Eに対してより下方に下縁位置E’を設定することができる。この場合、下縁位置E’は元の下縁位置E上縁位置Eを結ぶ直線の延長線上に設定され、羽口5の中心H0から下縁位置E’までの寸法H1’、羽口5の先端D0から下縁位置E’までの寸法D1’となる。これらの寸法H1’および寸法D1’も、前述した寸法H1および寸法D1の数値範囲内となる。
前記実施形態では、高炉1内に朝顔部用ステーブ10を配列した際に、各々の突起部12が連続して円環状となるようにしたが、互いに不連続な円環状であってもよく、異なる高さにジグザグに配列される構成等であってもよい。但し、高炉1の操業上、円周バランスが重要であり、高炉1の中心に対して対称性が得られるように配慮するべきである。
突起部12としては、朝顔部用ステーブ10の表面に形成してもよく、あるいは、ステーブとは別個に、炉内表面に突起部となる別の部材を設置してもよい。また、本実施形態において、より好ましくは突起部12を形成することが望ましい。
前記実施形態において、突起部12を含めた朝顔部用ステーブ10には冷却用の配管16を形成したが、突起部12については省略してもよい。しかし、突起部12の表面の温度を下げることで付着物7の生成を促進できるとともに、温度制御により付着物7の増減の調整にも利用でき、炉内表面のプロフィルを安定的に維持することができるとともに突起部の寿命が延長可能となる。
その他、突起部12の配置、断面形状、冷却用の配管16の配置、ステーブ10の全体的な形状、寸法等は実施にあたって適宜選択すればよい。
1…高炉
2…炉体
2A…鉄皮
2B,2C…ステーブ
2D,2E…耐火レンガ
3…ガス捕集マンテル
4…装入物
4A…塊状帯
4B…融着帯
4C…滴下帯
4D…炉芯
5…羽口
5A…熱風
5B…レースウェイ
6…出銑口
6A…鉄分
6B…溶銑
7…付着物
9…高炉朝顔部構造
10…朝顔部用のステーブ
11…ステーブ本体
12…突起部
13…基準面である平面
16…冷却用の配管
20…耐火レンガ
D0…羽口先端位置
D1…羽口先端から朝顔部の下縁位置までの寸法
…朝顔ステーブ下縁
…朝顔ステーブ上縁
H0…羽口中心高さ
H1…羽口中心からの朝顔部の下縁位置までの寸法
H2…羽口中心からの朝顔部の上縁位置までの寸法
S1…炉口部
S2…シャフト部
S3…炉腹部
S4…朝顔部
S5…羽口部
S6…炉底部

Claims (4)

  1. 高炉の羽口部と炉腹部との間に設けられ、鉛直方向上方に向かって拡径する筒状の朝顔部の構造であって、
    前記朝顔部が、環状の鉄皮と、この鉄皮の内周に設けられた銅または銅合金の朝顔部用ステーブと、この朝顔部用ステーブの内周に設けられた耐火レンガと、を有し;
    前記朝顔部の上縁位置における前記耐火レンガの水平方向の厚みが50〜250mmであり;
    前記朝顔部の下縁位置における前記耐火レンガの水平方向の厚みが200〜500mmであり;
    前記朝顔部をその軸線を含む断面で見た場合に、前記朝顔部用ステーブの表面と水平面とのなす狭角が75〜82°である;
    ことを特徴とする高炉朝顔部構造。
  2. 前記羽口部に設けられた羽口の中心から前記朝顔部の前記下縁位置までの鉛直方向の寸法が1200〜1350mmでかつ;
    前記羽口の先端から前記朝顔部の前記下縁位置までの水平方向の寸法が700〜1100mmである;
    ことを特徴とする請求項1に記載の高炉朝顔部構造。
  3. 前記羽口部に設けられた羽口の中心から前記朝顔部の前記上縁位置までの鉛直方向の寸法が4500mm〜5500mmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高炉朝顔部構造。
  4. 羽口部と、炉腹部と、これら羽口部及び炉腹部間に設けられて鉛直方向上方に向かって拡径する筒状の朝顔部とを備え、
    前記朝顔部が、環状の鉄皮と、この鉄皮の内周に設けられた銅または銅合金の朝顔部用ステーブと、この朝顔部用ステーブの内周に設けられた耐火レンガとを有する、高炉の設計方法であって、
    前記朝顔部の上縁位置における前記耐火レンガの水平方向の厚みを50〜250mmとし;
    前記朝顔部の下縁位置における前記耐火レンガの水平方向の厚みを200〜500mmとし;
    前記朝顔部をその軸線を含む断面で見た場合に、前記朝顔部用ステーブの表面と水平面とのなす狭角を75〜82°とする;
    ことを特徴とする高炉設計方法。
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