JP4897115B2 - ステーブ、高炉及び高炉の運転方法 - Google Patents

ステーブ、高炉及び高炉の運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、ステーブ、このステーブを備えた高炉及び高炉の運転方法に関する。
本願は、2009年11月19日に、日本に出願された特願2009−263589号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
既存の高炉では、鉄皮の内側にステーブが設置され、その内側に耐火レンガが設置された構造が多用される。高炉の内面は、炉内の高熱を受けつつ炉内を下降する装入物に曝されて機械的な損耗を受ける。そして、一定期間で耐火レンガが損耗・消失した後は、ステーブの表面が損傷・損耗される。このような損傷・損耗に対応するために、ステーブの炉内側の表面に凹部を配列し、この凹部に耐火物を嵌め込む等した構造が開発されている(特許文献1参照)。
日本国特開2001−49316号公報
高炉内面のうち、朝顔部および炉腹部は、高温の融着帯(装入物中の鉱石の軟化溶融が開始し、半溶融状態の鉱石が相互に融着し板状に繋がっている領域)の根部に接触し、特に高温による損傷や機械的損耗を受ける。このような高温の融着帯に対して、前述した嵌め込み耐火物は耐久性が十分とはいえない。
本発明は、高温の融着帯の根部に対しても高い耐久性が得られる朝顔部、炉腹部に設けられたステーブ、これらのステーブを備えた高炉及び高炉の運転方法の提供を目的とする。
本発明は、本発明者らの鋭意研究の結果得られた知見、すなわち、付着物層が融着帯の根部による熱負荷及び損耗に対して保護作用を有する(セルフライニング効果)との知見に基づく。
高炉の火入れから吹止めまでの通常15年程度の炉一炉代において、火入れから2年〜3年程度の比較的初期の時期に高炉炉内側に設置した耐火レンガが、熱衝撃による損傷や機械的損耗により消失した後、炉内側のステーブ表面近傍には装入物起源の付着物層が生成する。本発明は、前述した知見に基づき、ステーブの表面を覆う付着物層(付着物)の生成を促進する構成として、高炉の内側のステーブの表面に炉内側へ突出する突起部を用い、熱伝導率が高く抜熱能力の高い銅または銅合金をステーブ本体の材質に使用する。
本発明は、上記課題を解決して係る目的を達成するために以下の手段を採用した。具体的な構成は以下の通りである。
(1)本発明の一態様に係るステーブは、高炉の朝顔部及び炉腹部の内周に設けられたステーブであって、前記高炉の内部空間に面する基準面を有するとする銅または銅合金のステーブ本体と;前記基準面より、前記高炉の内側に向かって突出した複数の突起部と;を備え、前記ステーブ本体の、前記複数の突起部の間に、前記基準面より、高炉の外側に向かって窪む溝が形成され、その溝内に耐火物が設けられている。
ここで、高炉の内部空間に面する基準面とは、ステーブ本体の外面を構成する各面のうち、高炉の内側に向く、ある一つの面を意味する。このようなステーブでは、装入物の融着帯が高炉内を下降する際、ステーブ本体の基準面から炉内側に突出する突起部によって、装入物の融着帯(装入物中の鉱石の軟化溶融が開始し、半溶融状態の鉱石が相互に融着し板状に繋がっている領域)の根部の下降速度が減速する。これにより、付着物が冷却され、ステーブ本体の基準面に沿って付着物を成長させることができ、上記基準面を付着物で被覆することができる。その結果、付着物が保護層として作用することで、基準面は高温の融着帯に直接曝されなくなり、朝顔部および炉腹部用ステーブとしての耐熱性を高めることができる。
特に、本ステーブでは、熱伝導率が高く抜熱能力の高い銅または銅合金のステーブ本体を用いる。これにより、高炉の操業状態の変化などにより基準面の被覆が剥がれ落ちることがあっても、その後に降下する半溶融状態の鉱石を含む装入物が減速する。装入物が急速に冷却され基準面に付着することによって、付着物の被覆層を早期に再生させることができる。このような付着物を利用したセルフライニング効果によって、朝顔部および炉腹部用のステーブとして十分な耐久性が得られる。
また、前記基準面より高炉の外側に向かって窪む溝が形成されて、その溝内に耐火物が設けられていることにより、高炉内の熱が高炉外に逃げてしまうことを防止することが可能となる。さらには、高炉の内面のプロフィルを所望の形状にし易くなる。
(2)上記(1)に記載のステーブは、前記ステーブ本体の内部に設けられ、このステーブ本体を冷却する流体を流すステーブ本体冷却流路と;前記突起部の内部に設けられ、前記突起部を冷却する流体を流す突起部冷却流路と;をさらに備えることが望ましい。
本ステーブでは、ステーブ本体の材質は、熱伝導率が高く抜熱能力の高い銅または銅合金であるので、ステーブ本体の内部のステーブ本体冷却流路のみでも突起部は十分に冷却される。しかしながら、突起部の内部にも突起部冷却流路を形成し、突起部を直接的に冷却することにより、その表面の温度を下げて付着物の生成を更に促進することができる。
(3)上記(1)に記載のステーブは、前記ステーブ本体の内部に、前記基準面に沿って配置された複数のステーブ本体温度検出部と;前記突起部の内部に配置された突起部温度検出部と;をさらに備えることが望ましい。
このようなステーブでは、各温度検出部において検出された検出温度によって、ステーブ本体の基準面における付着物層の厚さおよびステーブ本体の残存厚みを推定する。これにより、ステーブ本体および炉内プロフィルの健全性を判定することができる。そして、判定結果に基づいて、ステーブの冷却状態あるいはその他のパラメータを調整し、付着物の適切な成長を図り、ステーブ本体の基準面における付着物層の厚みを適切に調整する。その結果、熱負荷および損耗に対するステーブ本体を保護することができ、過度な付着物の成長による炉内プロフィルの悪化を防止し、適正プロフィル維持により高炉操業の安定化を図る事が可能となる。
(4)上記(1)に記載のステーブは、前記各突起部間の隣接間隔が500〜1000mmの範囲内であることが望ましい。
隣接する突起部間の間隔が1000mmより広くなると、突起部を起点として生成し付着した付着物が、その高位置側の突起部下端付近まで生成し付着する事が出来ない。そのため、隣接する突起部間の全ての基準面に亘って所定厚さの付着物層を均一に形成することができなくなる。これにより、融着帯の根部による熱負荷及び機械的損耗に対して保護するセルフライニング効果が十分に得られなくなる。すなわち、ステーブ本体を保護するのが難しくなる。
隣接する突起部間の間隔が500mmより狭くなると、隣接する突起部間での降下する半溶融状態の鉱石を含む装入物が減速し、冷却により基準面に生成する付着物層の厚みが過度に厚くなる。付着物層が過度に厚く生成すると装入物の安定した荷下がりの支障原因となったり、高炉の操業条件の変化などで付着物層が剥がれた場合に朝顔部および炉腹部の炉内面プロフィルを大きく変化させる原因となったりする。したがって、高炉の安定操業を維持するために好ましくない。
(5)上記(4)に記載のステーブは、前記朝顔部には、前記基準面からの突出量E1と、隣接する他の前記突起部の間隔D1との関係が下記(A)式を満足するように前記突起部が設けられ;前記炉腹部には、前記基準面からの突出量E2と、隣接する他の前記突起部の間隔D2との関係が下記(B)式を満足するように前記突起部が設けられていることが好ましい。
D1=E1×tan[90°−(α1−θ1)]…(A)
D2=E2×tan(θ2)=E2×tan[90°−(α2−θ2)]…(B)
ここで、θ1は、前記朝顔部において前記基準面に付着する付着物の傾斜角度である75°であり、θ2は、前記炉腹部において前記基準面に付着する付着物の傾斜角度である85°〜88゜であり、α1は、前記朝顔部に用いられる前記ステーブの傾斜角度である77°〜82°であり、α2は、前記炉腹部に用いられる前記ステーブの傾斜角度である90゜である。
現状では、一般的な装入物は、高炉内に交互に層状に装入される8〜25mmの粒度の鉱石系装入物と20〜55mmの粒度のコークス系装入物とを含み、半溶融状態の鉱石を含む装入物の融着帯の根部付近に設置する朝顔部に設けられたステーブの場合は、傾斜角度θ1は、ほぼ75°と一定になる。また、上記α1は高炉の朝顔部の傾斜角度であり、通常の高炉においてα1は77〜82°の範囲で設計されている。炉腹部に設けられたステーブの場合、傾斜角度θ2は85〜88゜程度と経験的に推定されており、炉腹部の傾斜角度α2は90゜であり、一定の設計である。
本ステーブでは、朝顔部に設けられたステーブおよび炉腹部に設けられたステーブの突起部の突出量E1、E2、間隔D1、D2がそれぞれ上記(A)式および(B)式で規定する関係を満足するように設けられることにより、炉内を降下する半溶融状態の鉱石を含む装入物が減速し、冷却して基準面Rに付着させる。このように、成長する付着物層により基準面Rの全面を効率的に被覆することができ、熱負荷および損耗に対するステーブ本体の保護を十分に行うことができる。
また、朝顔部に設けられたステーブおよび炉腹部に設けられたステーブの突起部の突出量E1、E2、間隔D1、D2がそれぞれ上記(A)式および(B)式で規定する関係を満足するように設けられることにより、基準面Rにおける付着物層が過度に厚く成長するのを防止することができる。また、高炉の操業条件の変化などで付着物層が剥がれた場合に、朝顔部および炉腹部の炉内面のプロフィルが大きく変化するのを防止し、高炉操業時の装入物の荷下がり悪化などの操業トラブルを回避し、高炉の安定操業を長期に継続することが可能となる。
朝顔部に設けられたステーブおよび炉腹部に設けられたステーブの突起部の突出量E1,E2は、上述した望ましい突起部間の間隔である500〜1000mmの範囲内で、それぞれのステーブの隣接する突起部間の間隔D1、D2が設定された場合に、これらのD1、D2および上記(A)および(B)式から設定される。
朝顔部及び炉腹部それぞれのステーブの突起部は、基準面から炉内側に突出しているため、高温の装入物からの熱や摩耗により損耗されやすい。このため、高温の装入物による突起部の損耗速度と、突起部による基準面での付着物の成長速度とのバランスから、ステーブ本体のセルフライニングによる耐久性向上効果を十分に発揮させるためには、朝顔部及び炉腹部ぞれぞれのステーブの何れにおいても突起部の基準面Rからの突出量E1,E2が50〜150mmであることが望ましい。
(6)上記(1)に記載のステーブは、前記突起部が、前記高炉内の周方向に沿って、連続的、または、断続的に設けられていることが望ましい。
このようなステーブでは、高炉内の周方向に沿って全周に連続的に設けられた突起部により、高炉内の円周バランスを適切に維持することが容易であり、高炉の操業を良好に維持することができる。
また、ステーブにおける突起部が、高炉1の周方向に間欠的に(断続的に)配置されていてもよい。この場合、格子状、ジグザグ状など、様々な幾何学的パターンを採用することができるが、必ず円周バランスを考慮した点対称配置とすることが好ましい。
(7)上記(1)に記載のステーブは、前記基準面と前記各突起部とにより形成された凹部に、耐火物が設けられていることが好ましい。
このようなステーブでは、凹部に耐火物を設けることにより、ステーブ本体及び突起部の損傷を防ぐことが可能となる。さらには、高炉の内面のプロフィルを所望の形状にし易くなる。
(8)本発明の一態様に係る高炉は、上記(1)から(7)のいずれか1項に記載のステーブを備える。
ここで、本発明の一態様に係る高炉の朝顔部および炉腹部のそれぞれに設けられるステーブは、高炉のシャフト部の下部から炉腹部あるいは朝顔部のうち融着帯の根部に曝される部位に設置することが望ましい。
このような高炉では、朝顔部および炉腹部の特に融着帯の根部による高温に曝される部位にステーブを設置することにより、高炉の火入れから吹止めまでの通常15年程度の炉一炉代において、火入れから2年〜3年程度の比較的初期の時期に炉内側に設置した耐火レンガが熱衝撃による損傷や機械的損耗により消失した後にも、それ以降ステーブ本体の基準面に装入物を付着させて付着物層を形成することができる。これにより、付着物層が融着帯の根部による熱負荷及び損耗に対して保護する効果(セルフライニング効果)を得ることができる。
また、従来の高炉の朝顔部および炉腹部においては、高炉の火入れから吹き止めまでの約15年程度の操業期間中に融着帯の根部の高熱による耐火レンガおよびステーブの損傷及び損耗が進行しやすい。このため、炉内プロフィルの急激な変化が生じた場合、高炉の安定操業が困難になる。
これに対し、本発明の一態様に係る高炉では、熱伝導率が高く抜熱能力の高い銅または銅合金ステーブ本体を有し、その基準面から炉内側に突出する突起部を備えた朝顔部および炉腹部の特に高炉内の融着帯の根部による高温に曝される部位のそれぞれにステーブを設置する。これにより、高炉の火入れから2年〜3年程度の比較的初期に、炉内側の耐火レンガが消失した後の基準面に、付着物層を早期に生成し、付着物層を安定して維持することができる。その結果、炉内プロフィルの変化が小さく、高炉の操業を安定的に行うことができ、さらには、高炉としての寿命を延長することができる。
(9)上記(8)に記載の高炉は、前記朝顔部及び前記炉腹部に用いられる前記各ステーブのいずれか一方の前記ステーブ本体の内部に、前記基準面に沿って配置された複数のステーブ本体温度検出部と、前記突起部の内部に配置された突起部温度検出部とが設けられ;前記ステーブ本体温度検出部及び前記突起部温度検出部により検出された温度に基づいて前記ステーブ本体の前記基準面からの付着物の厚さおよび前記ステーブ本体の残存している厚みを推定する付着物推定部をさらに有する;ことが望ましい。
このような高炉では、ステーブ本体温度検出部及び突起部温度検出部において、高炉のシャフト部の下部から炉腹部あるいは朝顔部の温度を検出する。この検出された温度に基づき付着物推定部において、ステーブ本体の基準面における付着物層の厚さおよびステーブ本体の残存厚みを推定する。これにより、炉内プロフィルの健全性を判定することができる。そして、判定結果に基づいて、ステーブの冷却状態あるいはその他のパラメータを制御することで、過度な付着物の成長による炉内プロフィルの悪化を防止し、適正プロフィル維持により高炉操業の安定化を図る事が可能となる。
(10)上記(9)に記載の高炉の運転方法は、前記ステーブ本体温度検出部及び前記突起部温度検出部により、前記ステーブ本体の温度及び前記突起部の温度を検出する温度検出工程と;前記付着物推定部により推定された前記付着物の厚み及び前記ステーブ本体の残存している厚みが、所定値よりも薄いか否かを判定する付着物判定工程と;この付着物判定工程による判定に基づいて、前記高炉内の燃焼温度、あるいは、前記ステーブ本体及び前記突起部の温度を制御する温度制御工程と;を備える。
このような高炉の運転方法では、まず、温度検出工程において、ステーブ本体の温度及び突起部の温度を検出する。次に、付着物判定工程において、付着物推定部により推定された付着物の厚み及びステーブ本体の残存している厚みが、所定値よりも薄いか否かを判定する。付着物が所定値と同等であれば、引き続き、テーブ本体の温度及び突起部の温度を検出する。
一方、付着物が所定値よりも薄い場合、温度制御工程において、ステーブの冷却を強化したり、高炉内の温度を下げるための操業条件の調整や装入物分布の調整をしたりする。また、付着物が所定値よりも厚い場合、温度制御工程において、付着物が減少するように、ステーブの冷却を緩和したり、高炉内の温度を上げるための操業条件の調整や装入物分布の調整をしたりする。
すなわち、朝顔部および炉腹部に設けられたステーブ10の保護に必要な被覆がステーブに形成されるように操業調整を行うことができる。
本発明の第1実施形態の高炉を示す模式図である。 同高炉の朝顔部および炉腹部に設けられたステーブを示す断面図である。 同高炉のステーブを示す正面図である。 同高炉のステーブを示す斜視断面図である。 同高炉のステーブの変形例を示す斜視断面図である。 同高炉のステーブを示す背面図である。 同高炉の温度測定システムを示す模式図である。 同高炉の温度測定を示すグラフである。 同高炉の付着物が不足な状態を示す模式図である。 同高炉の付着物が適度な状態を示す模式図である。 同高炉の付着物が過剰な状態を示す模式図である。 同高炉の運転方法の工程を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態の朝顔部および炉腹部に設けられたステーブを示す断面図である。 同朝顔部および炉腹部のステーブを示す正面図である。 同朝顔部および炉腹部のステーブを示す背面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1において、高炉1は、基礎地盤上に構築された筒状の炉体2を有する。
炉体2は、筒状であり、上部のガス捕集マンテル3から順次炉口部S1、シャフト部S2、炉腹部S3、朝顔部S4、羽口部S5、炉底部S6に区分される。一般的に、シャフト部S2の内径は下方に向かって拡張し、炉腹部S3の内径は最大径であり、朝顔部S4の内径は下方に向かって縮小する。
炉体2には、通常はガス捕集マンテル3に装入装置が設置され、この装入装置から高炉1内に粒状の装入物4が装入される。装入物4としては、8〜25mm程度の粒度の鉱石系装入物と、20〜55mm程度の粒度のコークス系装入物とが交互に装入される。その結果、炉内の炉口部S1及びシャフト部S2には、鉄鉱石とコークスとが交互に成層した塊状帯4Aが形成される。
炉体2には、炉底部S6の上部に羽口5が設置され、ここから熱風5Aが吹き込まれる。この熱風5Aにより、塊状帯4A中のコークスが燃焼して更に高温となり、羽口5近傍には高温ガスによるレースウェイ5B(羽口5から高速のガスを吹き込んで羽口5前のコークスを流動化させた空隙率の高い空間)が形成される。レースウェイ5Bの高熱により、塊状帯4A中の鉄鉱石が溶融する。
これらのコークス燃焼および鉄鉱石の溶融は、塊状帯4Aの下部で順次進行し、炉内には朝顔部S4からシャフト部S2の下部に向かって略円錐形の融着帯4Bが形成される。
融着帯4Bで溶融した鉄分6Aは滴下帯4Cを通過し、炉底部S6に向かって滴下し、溶銑6Bとして炉底部S6に溜まる。融着帯4Bで燃焼しきれなかったコークス等は滴下帯4Cを通過して降下し、炉底部S6に積み上がり、溶銑6Bの上に円錐形の炉芯4Dを形成する。
炉体2には、炉底部S6に出銑口6が設置され、出銑口6により炉底部S6に溜まった溶銑6Bが高炉1の外部に取り出される。
炉体2は、最外周に鉄皮2Aを有し、鉄皮2Aの内側に、冷却用のステーブや耐火レンガ2Dが貼られている。
シャフト部S2の上部から中部の塊状帯4Aに面する領域S7にはシャフト用のステーブ2Bが張られる。この領域S7では、塊状帯4Aに含まれる粒状の装入物4がステーブ2Bの表面に接触しながら順次降下するため、ステーブ2Bの表面には機械的な摩耗を生じることがある。
シャフト部S2の下部から炉腹部S3及び朝顔部S4を含む領域S8の内周には朝顔部および炉腹部用のステーブ2Cが配置されている。この領域S8では、高温の装入物4からなる融着帯4B(装入物中の鉱石の軟化溶融が開始し、半溶融状態の鉱石が相互に融着し板状に繋がっている領域、操業により上下変動がある)の根部30が接触しながら順次降下するため、高炉1の内側のステーブ2Cの表面には高温による損傷と機械的な摩耗を生じることがある。
これらのステーブ2B,2Cの高炉1の内側表面には必要に応じて耐火レンガ2Dが貼られる。また、高温の溶融鉄が貯留される炉底部S6には耐火レンガ2Eが厚く積み上げられる。
高炉1のシャフト部S2の下部から炉腹部S3及び朝顔部S4にかけての領域S8は、融着帯4Bの根部30と接触するため、高炉1の中で特に熱負荷が高く、ステーブ2Cの高炉1の内側表面に設けた耐火レンガ2Dの部分は、火入れから2年〜3年程度の比較的炉命初期の時期に消失する。
本実施形態においては、図1に示す朝顔部S4および炉腹部S3に設けられるステーブ2Cとして、図2に示すような本実施形態に基づくステーブ10が採用されている。
本実施形態の朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10(以下、単にステーブ10と称す)は、図1に示す高炉1のシャフト部S2の下部から炉腹部S3及び朝顔部S4にかけての領域S8の中でも、特に朝顔部S4及び炉腹部S3に張られることが好ましい。図2の場合は、朝顔部S4の形状に準拠して、朝顔部S4の上端が高炉1の中心より高炉1の外側に傾斜し、朝顔部S4の下端が高炉1の中心より高炉1の内側に傾斜している。
図2、図3、図4A、図4Bおよび図5の本実施形態において、ステーブ10は、高炉1の内部空間に面する基準面Rを有する銅または銅合金のステーブ本体11と、基準面Rより、高炉1の内側に向かって突出した複数の突起部12と、を備えている。このステーブ10は、銅または銅合金で一括鋳造された鋳物製であってもよい。
ステーブ本体11は、銅または銅合金の板材から削り出された薄板状である。
突起部12は、図4Aに示すように、ステーブ本体11の表面側に水平に連続して複数設けられている。なお、図4Aは、溝21を省略した図である。この複数の突起部12の間には、図2に示すように、一段低い平面13が形成されている。図2及び図3に示すように、平面13には3つの溝21が形成され、これらの溝21には耐火レンガ15が嵌め込まれている。また、平面13と各突起部12とにより形成された凹部22にも耐火物13Aが設けられている。
また、耐火レンガ15に代えて耐火キャスタブルを用いてもよい。また、溝21の数、場所は、これに限定されない。
平面13はステーブ本体11の表面からの切削により形成され、突起部12はこの切削の際に削り残されることで形成される。ここで、平面13はステーブ10の基準面Rであり、突起部12は、ステーブ10の基準面Rから突出している。
突起部12は、ステーブ10が高炉1内に貼られた場合に、図4Aに示すように、高炉1内の周方向に沿って連続的に設けられており、高炉1内においては各々ステーブ10の突起部12が完全な円環状を形成している。
また、突起部12が、図4Bに示すように、高炉1内の周方向に沿って間欠的に(断続的に)配置されていてもよい。この場合、格子状、ジグザグ状など、様々な幾何学的パターンを採用することができるが、必ず円周バランスを考慮した点対称配置とすることが好ましい。なお、図4Bは、溝21を省略した図である。
なお、図2に示すように、ステーブ本体11の裏面側には、高炉1に装着するためのボルト受け部11Aが形成されている。
図2に示すように、ステーブ10は、ステーブ本体11の内部に設けられ、このステーブ本体11を冷却する流体を流すステーブ本体冷却管路(ステーブ本体冷却流路)16と、突起部12の内部に設けられ、突起部12を冷却する流体を流す突起部冷却管路(突起部冷却流路)17と、を備えている。
また、ステーブ本体11の裏面側には、ステーブ本体冷却管路16と接続された接続口16Aが設けられ、突起部冷却管路17と接続された接続口17Aが設けられている。
ステーブ本体冷却管路16は、高炉1の周方向及び高さ方向に平面13に沿って配置され、接続口16Aから供給される冷却水により朝顔部S4および炉腹部S3用ステーブ10の基準面Rとなる平面13を冷却することが可能である。
突起部冷却管路17は、図3に示すように、高炉1内の周方向に沿って突起部12の内部に挿通して配置され、接続口17Aから供給される冷却水により突起部12を冷却することが可能である。
突起部12の先端面12aが、TiN,TiC,WC,Ti−Al−N系等の高硬度材料でコーティングされていることが好ましい。
各突起部12間の隣接間隔Dが500〜1000mmの範囲である。
隣接する突起部12間の間隔Dが1000mmより広くなると、突起部を起点として生成及び付着した付着物19が、その高位置側の突起部下端付近まで生成及び付着する事が出来ない。このため、隣接する突起部間の全ての基準面Rに亘って所定厚さの付着物層(付着物)を均一に形成することができなくなり、ステーブ本体を融着帯4Bの根部30による熱負荷及び損耗に対して保護するセルフライニング効果が十分に得られなくなる。
隣接する突起部12間の間隔Dが500mmより狭くなると、隣接する突起部間での降下する半溶融状態の鉱石を含む装入物4が減速し、冷却により基準面Rに生成する付着物層の厚みが過度に厚くなる。付着物層が過度に厚く生成すると、装入物4の安定した荷下がりの支障原因となることがあり、高炉の操業条件の変化などで付着物層が剥がれた場合に朝顔部S4および炉腹部S3の炉内面プロフィルを大きく変化させる原因となり高炉の安定操業を維持するために好ましくない。
朝顔部S4には、基準面Rからの突出量E1と、隣接する他の突起部12の間隔D1との関係が下記(A)式を満足するように突起部12が設けられ、炉腹部S3には、基準面Rからの突出量E2と、隣接する他の突起部12の間隔D2との関係が下記(B)式を満足するように突起部12が設けられている。
D1=E1×tan[90°−(α1−θ1)]・・・(A)
D2=E2×tan(θ2)=E2×tan[90°−(α2−θ2)]・・・(B)
ここで、上記θ(θ1,θ2)は基準面Rに付着する付着物の傾斜角度である。現状、一般的な装入物4は、高炉内に交互に層状に装入される8〜25mmの粒度の鉱石系装入物と20〜55mmの粒度のコークス系装入物とを含み、半溶融状態の鉱石を含む装入物4の融着帯4Bの根部30付近に設置する朝顔部S4においてステーブ10の基準面Rに付着する付着物19の傾斜角度θ1は、ほぼ75°と一定になる。また、上記α1は、高炉の朝顔部S4の傾斜角度であり、通常の高炉1において77〜82°の範囲で設計される。
突起部12は、その突出量E1,E2、間隔D1,D2がそれぞれ上記(A)式および(B)式で規定する関係を満足するように設けられることにより、高炉1内を降下する半溶融状態の鉱石を含む装入物4が減速し、冷却して基準面Rに付着する。このように、自然に成長する付着物層で基準面Rの全面を効率的に被覆することができ、熱負荷および損耗に対するステーブ本体の保護を十分に行うことができる。
突起部12の突出量E1,E2、間隔D1,D2がそれぞれ上記(A)式および(B)式で規定する関係を満足するように設けられることにより、基準面Rにおける付着物層が過度に厚く成長するのを防止することができる。また、高炉1の操業条件の変化などで付着物層が剥がれた場合に、朝顔部S4および炉腹部S3の高炉1内面のプロフィルを大きく変化するのを防止することができ、高炉操業時の装入物4の荷下がり悪化などの操業トラブルを回避し、高炉の安定操業を長期に継続することが可能となる。
突起部12の突出量E1,E2は、以下の通りである。すなわち、上述した望ましい突起部12間の間隔である500〜1000mmの範囲内に朝顔部用ステーブおよび炉腹部用ステーブのそれぞれの隣接する突起部12間の間隔D1,D2を設定する。そして、設定されたD1,D2と、上記数式(A)と、数式(B)とにより突起部12の突出量E1,E2が算出される。
突起部12は、基準面Rから高炉1の内側に突出しているため、高温の装入物4からの高熱による損傷や機械的摩耗により損耗されやすい。このため、高温の装入物4による突起部12の損耗速度と、突起部12による基準面Rでの付着物の成長速度とのバランスから、ステーブ本体のセルフライニングによる耐久性向上効果を十分に発揮させるためには、朝顔部S4に設けられたステーブ10および炉腹部S3に設けられたステーブ10の何れにおいても突起部12の基準面Rからの突出量E1,E2は50〜150mmとすることが望ましい。
突起部12の間の凹部22には、耐火レンガ13Aが設けられている。この耐火レンガ13Aは、高炉1の火入れ時の高燃料比(高熱負荷)操業中に、朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10の基準面Rを熱ショックから保護するために用いられる。耐火レンガ13Aは、通常火入れ後2年〜3年程度の初期の期間に熱ショックによる損傷や機械的損耗により消失されてよい。
従来の高炉の朝顔部および炉腹部においては、高炉の火入れから吹止めまでの炉一代の期間に融着帯4Bの根部30の高熱による耐火レンガ及びステーブの損傷、損耗の進行で、炉内プロフィルが急激に変化した場合、高炉の安定操業が困難になる。
これに対し、本実施形態においては、熱伝導率が高く抜熱能力の高い銅または銅合金のステーブ本体11と、その基準面Rから高炉1の内側に突出する突起部12とを備えたステーブ10が朝顔部S4および炉腹部S3の内周に設けられている。朝顔部S4および炉腹部S3の特に融着帯の根部30による高温に曝される部位にステーブ10を設置することにより、火入れから2年〜3年程度の比較的炉命初期の時期に耐火レンガ13Aが消失しても、その基準面Rに装入物4からなる付着物層を早期に生成することができ、炉内プロフィルの変化を小さくすることができる。このように、ステーブ10の高炉1の内面側に適正な付着物を早期に生成する事でのセルフライニング効果で、安定操業を長期に維持しながら従来炉寿命の一因となっていた朝顔部及び炉腹部の寿命延長が可能となる。
図6に示すように、ステーブ本体11の内部に、基準面Rに沿って配置された複数のステーブ本体温度センサ(ステーブ本体温度検出部)91a,91b,91cと、突起部12の内部に配置された突起部温度センサ(突起部温度検出部)92とを備えている。
また、高炉1は、ステーブ本体温度センサ91a〜91c及び突起部温度センサ92により検出された温度に基づいてステーブ本体11の基準面Rからの付着物の厚さおよびステーブ本体11の残存している厚みを推定する付着物推定部95を備えている。
ステーブ本体温度センサ91a〜91cは、朝顔部S4および炉腹部S3のステーブ10の基準面Rとなる平面13に、高炉1の高さ方向に沿って埋め込まれており、各ステーブ本体温度センサ91a〜91cから各々の出力TW1,TW2,TW3が外部に出力され、平面13の温度TW(例えば各出力の平均値やその変動値として)が得られる。
突起部温度センサ92は、突起部12に埋め込まれており、出力TLが外部に出力される。各々の出力TW(TW1,TW2,TW3),TLは、高炉1の外側の周囲に設置されるインターフェイス93を介して高炉1の制御装置94に接続されている。制御装置94には、付着判定部95が組み込まれており、ステーブ本体温度センサ91a〜91c,突起部温度センサ92からの温度に基づいて朝顔部S4および炉腹部S3のステーブ本体11の基準面Rにおける付着物の状態を判定する。
なお、ステーブ本体温度センサ91a〜91c、突起部温度センサ92は朝顔部S4及び炉腹部S3のいずれか一方のステーブ10に設けられていれば良い。
ステーブ本体温度センサ91a〜91c(TW,=TW1,TW2,TW3)は、朝顔部S4および炉腹部S3のステーブ10の基準面Rとなる平面13の下側に埋め込まれており、図8に示すように、付着物19が不足した状態では、高炉1内の温度が高温で鋭敏に検出されるが、図9及び図10に示すように、平面13に付着物19が成長すると、付着物19に覆われて検出温度が徐々に低温側に移行し、その変動も鈍感に検出される。
温度センサ92(TL)は、突起部12の先端面に埋め込まれており、図8に示すように付着物19が不足した状態、あるいは、図9に示すように、付着物19により突起部12が覆われていない状態では高炉1内の温度が高温で鋭敏に検出されるが、図10に示すように、付着物19が成長して突起部12まで覆われた際には、検出温度が徐々に低温側に移行し、その変動も鈍感に検出される。
次に、上記高炉1の運転方法について、図11のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステーブ本体温度センサ91a〜91c及び突起部温度センサ92により、ステーブ本体11の温度及び突起部12の温度を検出する(S11:温度検出工程)。
次に、付着物推定部95により推定された付着物19の厚み及びステーブ本体11の残存している厚みが、所定値よりも薄いか否かを判定する(S12:付着物判定工程)。すなわち、付着判定部95は、これらの温度センサ91a〜91c,92からの出力を監視し、各々の温度センサ91a〜91c,92からの温度TW(TW1,TW2,TW3),TLに基づいて付着物19の生成状態を判別する。所定値とは、図9に示す平面13から二点鎖線で示された位置までの厚みであり、本実施形態では、ステーブ10の凹部22の深さである。
ここで、付着判定部95における具体的な判定方法について図7を用いて説明する。
時間帯A1では、検出温度TW(TW1,TW2,TW3),TLともに高い。これにより、付着判定部95において、付着物19が所定値よりも不足した(薄い)状態(図8の状態)と判定する(S12−1)。
時間帯A2では、検出温度TLは高温で鋭敏な動き(変動幅WL,WW1,WW2,WW3)であるが、検出温度TW(TW1,TW2,TW3)が徐々にまた順次低温側に移行する。この場合、付着判定部95において、付着物19が順調に成長した適切な状態(図9の状態)と判定する(S12−2)。その後、再びステーブ本体11の温度及び突起部12の温度の測定を行う(S11)。
なお、図9において、付着物19の適正な状態としては、実線で示された状態(期間A2の中期以降で最適状態への移行状態)から二点鎖線で示された状態(期間Aの末期で最も適切な状態)までが該当する。ここで言う最適状態とは、図7に示すように、ステーブ本体温度センサ91cにより検出される温度TW3が下降し始める時間t1から、突起部温度センサ92により検出される温度TLが下降し始める時間t2までの期間である。
時間帯A3では、検出温度TLも徐々に低温側に低下し、より低温で鈍感な動き(変動幅WL’)となる。従ってこの場合は検出温度TW(TW1,TW2,TW3),TLの全てが低温で極めて鈍感な状態(変動幅WL’,WW1’,WW2’,WW3’)となっている。これにより、付着判定部95において、付着物19が所定値よりも過剰な(厚い)状態(図10の状態)と判定する(S12−3)。
付着物19が不足した場合(S12−1)、付着物19が成長するように、高炉1内の燃焼温度、あるいは、ステーブ本体11及び突起部12の温度を制御する。具体的には、冷却水の流量の増加等によりステーブ10の冷却を強化したり、炉内温度を下げるために、操業条件の調整や装入物分布の調整をしたりする(S13:温度制御工程)。
一方、付着物19が過剰であると判定した場合(S12−3)、付着物19が減少するように、高炉1内の燃焼温度、あるいは、ステーブ本体11及び突起部12の温度を制御する。具体的には、朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10の冷却を緩和したり、高炉1内の温度を上げるために、操業条件の調整や装入物分布の調整をしたりする(S13:温度制御工程)。
温度制御後は、再びステーブ本体11の温度及び突起部12の温度の測定を行う(S11)。
なお、図9において、現状一般的な装入物4は、高炉内に交互に層状に装入される8〜25mmの粒度の鉱石系装入物と20〜55mmの粒度のコークス系装入物とを含んでいる。半溶融状態の鉱石を含む装入物4からなる融着帯4Bの根部30付近に設置する朝顔部S4に設けられたステーブ10の場合、付着物19が順調に成長した状態では、基準面Rに付着する付着物19の傾斜角度θ1は約75°となる事が確認されている。しかし、これまでの実際の高炉調査結果では、装入物状態の還元粉化等による多量の粉発生や炉体プロフィルに起因する装入物側の圧力の変化等で、炉腹部S3に設けられたステーブ10の場合の付着物19の傾斜角度θ2の確認は困難ではあるが、傾斜角度θ2は約85〜88゜の範囲程度であると想定している。
このような付着判定部95により、付着物19の状態を判定し、判定結果に応じた工程を行うことにより、ステーブ10に所望の付着物19の層を形成することができる。すなわち、高炉1のオペレータは、朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10の保護に必要な被覆がステーブ10に形成されるように操業調整を行うことができる。
以上に述べた本実施形態によれば、以下のような効果が得られる。
高炉1内面の特に融着帯4Bの根部30に曝される部位に配置される朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10が、高炉1の炉内側の平面13を基準面Rとする銅または銅合金のステーブ本体11と、前記基準面から炉内側に突出する突起部12とを備えている。これにより、高炉1内を下降する半溶融状態の鉱石を含む装入物4の融着帯4Bの根部30が減速し、冷却して基準面Rに沿って付着物19が成長する。したがって、付着物19により基準面Rを被覆することができる。
その結果、付着物19が保護層として作用することで、基準面Rは高温の融着帯4Bの根部30に直接曝されなくなり、朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10としての耐熱性を高めることができる。
特に、本実施形態では、熱伝導率が高く抜熱能力の高い銅または銅合金のステーブ本体11を用いるため、高炉1の操業状態の変化などにより基準面Rの被覆が剥がれ落ちることがあっても、その後に降下する半溶融状態の鉱石を含む装入物4が減速する。このように、急速に冷却して基準面Rに付着することによって付着物19の被覆層を早期に再生させることができる。このような付着物19を利用したセルフライニング効果によって、朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ2C(10)として十分な耐久性が得られる。
朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10においては、ステーブ本体11の内部に形成されるステーブ本体冷却管路16に加えて突起部12にも突起部冷却管路17を形成している。本実施形態の朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10は、ステーブ本体11の材質を熱伝導率が高く抜熱能力の高い銅または銅合金としているため、ステーブ本体11内部のステーブ本体冷却管路16のみでも突起部は十分に冷却される。しかしながら、突起部12にも突起部冷却管路17を形成し、突起部12を直接的に冷却することにより、ステーブ本体11の基準面Rの温度を下げて付着物19の生成を促進できる。
朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10において、基準面Rである平面13と突起部12の一部にそれぞれ温度センサ91a〜91c,92を設置し、付着判定部95により付着物19の厚さおよびステーブ本体11の残存厚みの推定を行うようにしたため、高炉1外で炉内プロフィルの健全性を判定することができる。
そして、付着判定部95における判定結果に基づいて、朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10の冷却状態あるいはその他のパラメータを調整する。これにより、付着物19の適切な成長を図ることができる。このように、ステーブ本体11の基準面Rにおける付着物層の厚みを適切に調整することで、熱負荷および損耗に対するステーブ本体を保護することができ、過度な付着物19の成長による炉内プロフィルの悪化を防止し、適正プロフィル維持により高炉操業の安定化を図ることができる。
朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10においては、隣接する突起部12間の間隔は500〜1000mmの範囲とした。
隣接する突起部12間の間隔が1000mmより広くなると、突起部12を起点として生成及び付着した付着物19が、その高位置側の突起部12下端付近まで生成及び付着する事が出来ない。このため、隣接する突起部12間の全ての基準面Rに亘って所定厚さの付着物層を均一に形成し、融着帯4Bの根部30による熱負荷及び損耗に対してステーブ本体11を保護するセルフライニング効果が十分に得られなくなる。しかし、隣接する突起部12間の間隔が500〜1000mmの範囲である本実施形態の朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10においては、このようなことが回避できる。
隣接する突起部12間の間隔が500mmより狭くなると、隣接する突起部12間での降下する半溶融状態の鉱石を含む装入物4が減速し、冷却により基準面Rに生成する付着物層の厚みが過度に厚くなる。付着物層が過度に厚く生成すると装入物4の安定した荷下がりの支障原因となったり、高炉1の操業条件の変化などで付着物層が剥がれた場合に朝顔部S4および炉腹部S3の炉内面プロフィルを大きく変化させる原因となったり高炉の安定操業を維持するために好ましくない。しかし、隣接する突起部12間の間隔が500〜1000mmの範囲である本実施形態の朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10においては、このようなことが回避できる。
朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10において、朝顔部S4のステーブ10の突起部12は、基準面Rからの突出量E1と隣接する突起部12間の間隔D1との関係が下記(A)式を満足するように設けられ、炉腹部S3のステーブ10の突起部12は、前記基準面Rからの突出量E2と隣接する突起部12間の間隔D2の関係が下記(B)式を満足するように設けられている。
D1=E1×tan[90°−(α1−θ2)]・・・(A)
D2=E2×tan(θ2)=E2×tan[90°−(α2−θ2)]・・・(B)
ここで、上記θ(θ1,θ2)は、基準面Rに付着する付着物の傾斜角度である。現状、一般的な装入物4は、高炉1内に交互に層状に装入される8〜25mmの粒度の鉱石系装入物と20〜55mmの粒度のコークス系装入物とを含み、半溶融状態の鉱石を含む装入物4の融着帯4Bの根部30付近に設置する朝顔部S4のステーブ10の傾斜角度θは、ほぼ75°と一定となる。この場合、上記α1は高炉の朝顔部S4の傾斜角度であり、通常の高炉1においてα1は77〜82°の範囲で設計されている。炉腹部S3のステーブ10の傾斜角度θ2は85〜88゜程度と経験的に推定されており、炉腹部S3の傾斜角度α2は90゜一定の設計である。
突起部12の突出量E1,E2、間隔D1,D2がそれぞれ上記(A)式および(B)式で規定する関係を満足するように設けることにより、高炉1内を降下する半溶融状態の鉱石を含む装入物4が減速する。これにより、装入物4が冷却され基準面Rに付着し、自然に成長する付着物層で基準面Rの全面を効率的に被覆することができ、熱負荷および損耗に対するステーブ本体11の保護を十分に行うことができる。
突起部12の突出量E1,E2、間隔D1,D2がそれぞれ上記(A)式および(B)式で規定する関係を満足するように設けることにより、基準面Rにおける付着物層が過度に厚く成長し、高炉の操業条件の変化などで付着物層が剥がれた場合に、朝顔部S4および炉腹部S3の高炉1の内面のプロフィルが悪化するのを防止し、高炉操業時の装入物4の荷下がり悪化などの操業トラブルを回避でき、高炉の安定操業を長期に継続することが可能となる。
突起部12の突出量E1,E2は、上述した望ましい突起部12間の間隔である500〜1000mmの範囲内で朝顔部S4に設けられたステーブ10および炉腹部S3に設けられたステーブ10のそれぞれの隣接する突起部間の間隔D1,D2が設定された場合に、これらのD1,D2および上記(A)および(B)式から設定される。
突起部12は、基準面Rから炉内側に突出しているため、高温の装入物4からの熱や摩耗により損耗されやすい。このため、高温の装入物4による突起部12の損耗速度と、突起部12による基準面Rでの付着物の成長速度とのバランスから、朝顔部S4に設けられたステーブ10および炉腹部S3に設けられたステーブ10の何れにおいても、突起部11の基準面Rからの突出量E1,E2は50〜150mmとすることが望ましい。このように、突出量E1,E2を調整することにより、ステーブ本体11のセルフライニングによる耐久性向上効果を十分に発揮させることができる。
突起部12は、その表面に高硬度材料のコーティングを施したため、突起部12自体の摩耗防止を図ることができる。これにより朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10としての耐久性能を安定的に長期間にわたって維持することができる。
突起部12は、ステーブ本体11と一体に形成したため、製造が容易であり、さらに突起部12にも突起部冷却管路17を通すための加工が簡略にできる。
また、突起部12の間の凹部22に耐火レンガ13Aを設けたため、付着物19が未成長である高炉1の火入れ時の熱ショック(高燃料比操業)にも容易に耐えることができる。さらには、高炉の火入れから吹止めまでの通常15年程度の炉一炉代において、火入れから2年〜3年程度の比較的初期の時期に耐火レンガ13Aが熱ショックによる損傷や機械的損耗により消失した後にも、それ以降ステーブ本体11の基準面Rに装入物4が付着した付着物19の層を早期に生成し、この付着物層により融着帯4Bの根部30による熱負荷及び損耗からステーブ本体11を保護(セルフライニング効果)することが可能となり、安定操業と長寿命が可能となる。
本実施形態において、ステーブ2Cとして、朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10を用いることで、ステーブ本体11の基準面Rにおけるセルフライニング効果による耐熱衝撃性、耐摩耗性を高めることができる。
特に、本実施形態に基づく朝顔部S4および炉腹部S3のステーブ10を、高炉1のシャフト部S2の下部から炉腹部S3及び朝顔部S4にかけての領域S8のステーブ2Cとして設置する。これにより、融着帯4Bに含まれる高温の装入物4からなる融着帯4Bの根部30がステーブ2Cの表面に接触しながら順次降下する際に、朝顔部S4および炉腹部S3のステーブ10の突起部12により、付着物19が減速する。このように、付着物19が急速に冷却することにより、基準面Rに付着物層の被覆が早期に形成される。
したがって、高炉1の火入れから2年〜3年程度の比較的炉命初期の時期に高炉1の内側に設置した耐火レンガが熱衝撃による損傷や機械的損耗により消失した後にも、基準面Rに付着物層が形成されるため、融着帯4Bからの高温の伝達を抑制して基準面Rの損傷及び損耗を抑制することができる。
すなわち、高温の装入物4からなる融着帯4Bの根部30が接触する領域S8においては、高炉1の火入れから2年〜3年程度の比較的炉命初期の時期に高熱による耐火レンガの損傷及び損耗が進行することで炉内プロフィルの急激な変化が生じ、高炉1の安定操業が困難になる原因となる。これに対し、本実施形態に基づく高炉1では、高炉1内の朝顔部S4および炉腹部Sの特に融着帯4Bの根部30による高温に曝される部位に、熱伝導率が高く抜熱能力の高い銅または銅合金のステーブ本体11と、その基準面Rから炉内側に突出する突起部12とを備えたステーブ10を設置する。これにより、高炉1の火入れから2年〜3年程度の比較的炉命初期の時期に高炉1の内側の耐火レンガが消失しても、それ以降残りの10数年以上の間は基準面Rに付着物層が早期に生成することができる。このように、付着物層を安定して維持することで炉内プロフィルの変化を小さくし、高炉1の操業を長期に安定的に行うことができ、高炉1としての寿命を大幅に延長することができる。
高炉1は、内部に配置した朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10の突起部12が、高炉1内の全周に連続しているため、高炉1内の円周バランスを適切に維持することが容易であり、高炉1の操業を良好に維持することができる。
高炉1は、制御装置94に付着判定部95を有しているため、朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10の各温度センサ91a〜91c,92からの検出温度TW(TW1,TW2,TW3),TLに基づいて付着物19の状態を判定することができる。その判定結果を参照して制御装置94から高炉1の操業状態を調整することでステーブ本体11の基準面Rにおいて適切な被覆を得ることができる。
〔第2実施形態〕
図12、図13および図14には、本発明の第2実施形態が示されている。
本実施形態の朝顔部および炉腹部用ステーブ20は、前述した第1実施形態の高炉1におけるシャフト部S2の下部から炉腹部S3及び朝顔部S4にかけての領域S8のステーブ2Cとして用いられる。高炉1の構成は前述した第1実施形態の通りであり、本実施形態の朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ20は基本的構成が、前述した第1実施形態の朝顔部S4および炉腹部S3のステーブ10と同様である。従って、前述した第1実施形態のステーブ10との共通部分については説明を省略し、以下には相違する部分について説明する。
図12、図13および図14において、朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ20は、前述した第1実施形態の朝顔部S4および炉腹部S3のステーブ10と同様なステーブ本体11、ボルト受け部11A、突起部12、平面13、耐火レンガ15、ステーブ本体冷却管路16および接続口16Aを有する。但し、前記第1実施形態のステーブ10において突起部12の内部に形成されていた突起部冷却管路17およびその接続口17Aは省略されている。
このような本実施形態においては、前述した第1実施形態と同等な効果を得ることができる。但し、突起部12の内部に形成されていた突起部冷却管路17がないため、突起部12に対する局部的な冷却が得られない。
この点、前述した第1実施形態の朝顔部および炉腹部用ステーブ10は、突起部12に対する局部的な冷却が得られる。これにより突起部12の近辺の温度制御が効果的に行えるため、付着物19の加減に最適である。一方、本実施形態の朝顔部および炉腹部用ステーブ20は、突起部冷却管路17がない分、構造が簡略かつ製造コストも低減でき、ステーブ本体の基準面における付着物19の加減がさほど要求されない部位には、第2実施形態のステーブ20を用いた方が好ましいといえる。
〔変形例〕
本発明は前述した第1,第2実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等をも含むものである。
前記各実施形態の朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10,20は、それぞれステーブ2Cが貼られる領域S8の中でも朝顔部S4に設置される。ステーブ本体11は、朝顔部S4の形状に準拠して上端が炉外側で下端が炉内側となる傾斜としている。炉腹部S3に設けられたステーブにおいては、領域S8の中でも炉腹部S3に適用され、このために炉腹部S3に準拠してステーブ本体11が傾斜のない状態とされ、基準面Rが垂直に形成される事となる。
前記実施形態では、高炉1内に朝顔部S4および炉腹部S3ステーブ10,20を配列した際に、各々の朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10,20の突起部12が高炉1内の周方向で連続して円環状となるようにしたが、互いに不連続な円環状であってもよく、異なる高さにジグザグに配列されていたり、順次高さが変化して並んでいる等であってもよい。但し、高炉1の操業上、円周バランスが重要であり、高炉1の中心に対して対称性が得られるように配慮するべきである。
前記実施形態では、朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10の突起部12の表面に高硬度材料をコーティングし、あるいは突起部12をそれ自体高硬度材料で成形するとしたが、高硬度材料の利用は必須ではない。但し、ステーブ10,20本体の基準面Rから突出して装入物4による摩耗を受けやすいことから、高硬度材料による耐摩耗性を確保することが望ましい。
前記実施形態において、ステーブ10,20を高炉1内に設置するのに先立って、突起部12の間に保護用の耐火レンガを張り、基準面Rを火入れ時の熱ショックから保護するようにしてもよい。
その他、突起部12の配置、断面形状、ステーブ本体冷却管路16,突起部冷却管路17の配置、各温度センサ91a〜91c,92の設置位置や数、朝顔部S4および炉腹部S3に設けられたステーブ10,20の全体的な形状、寸法等は実施にあたって適宜選択すればよい。
また、ステーブ10、20の基準面Rに溝21が形成された構成を用いて説明したが、溝21は必ずしも必要ではない。すなわち、基準面Rに複数の溝21を形成することにより、高炉1内の熱が高炉1外に逃げてしまうのを防止することが可能となるが、外部に熱が逃げても問題にならない程度であれば、溝21を形成する必要はない。
1 高炉
2 炉体
2A 鉄皮
2B,2C ステーブ
2D,2E…耐火レンガ
3 ガス捕集マンテル
4 装入物
4A 塊状帯
4B 融着帯
4C 滴下帯
4D 炉芯
5 羽口
5A 熱風
5B レースウェイ
6 出銑口
6A 鉄分
6B 溶銑
10,20 ステーブ
11 銅または銅合金のステーブ本体
11A ボルト受け部
12 突起部
13 平面
15 耐火レンガ
16,17 ステーブ本体冷却管路
16A,17A 接続口
19 付着物
91a〜91c,92 温度センサ
93 インターフェイス
94 制御装置
95 付着判定部
D1,D2 間隔
E1,E2 突出量
R 基準面
S1 炉口部
S2 シャフト部
S3 炉腹部
S4 朝顔部
S5 羽口部
S6 炉底部
S7 シャフト用ステーブの設置領域
S8 朝顔部および炉腹部用ステーブの設置領域
TL,TW,TW1,TW2,TW3 検出温度
θ,θ1,θ2 基準面Rに付着する付着物の高炉内側表面の傾斜角度
α1,α2 朝顔部および炉腹部用ステーブの角度

Claims (10)

  1. 高炉の朝顔部及び炉腹部の内周に設けられたステーブであって、
    前記高炉の内部空間に面する基準面を有する銅または銅合金のステーブ本体と;
    前記基準面より、前記高炉の内側に向かって突出した複数の突起部と;
    を備え、
    前記ステーブ本体の、前記複数の突起部の間に、高炉の外側に向かって窪む溝が形成され、その溝内に耐火物が設けられていることを特徴とするステーブ。
  2. 前記ステーブ本体の内部に設けられ、このステーブ本体を冷却する流体を流すステーブ本体冷却流路と;
    前記突起部の内部に設けられ、前記突起部を冷却する流体を流す突起部冷却流路と;
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のステーブ。
  3. 前記ステーブ本体の内部に、前記基準面に沿って配置された複数のステーブ本体温度検出部と;
    前記突起部の内部に配置された突起部温度検出部と;
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のステーブ。
  4. 前記各突起部間の隣接間隔が500〜1000mmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のステーブ。
  5. 前記朝顔部には、前記基準面からの突出量E1と、隣接する他の前記突起部の間隔D1との関係が下記(A)式を満足するように前記突起部が設けられ;
    前記炉腹部には、前記基準面からの突出量E2と、隣接する他の前記突起部の間隔D2との関係が下記(B)式を満足するように前記突起部が設けられている;
    ことを特徴とする請求項4に記載のステーブ。
    D1=E1×tan[90°−(α1−θ1)]…(A)
    D2=E2×tan(θ2)=E2×tan[90°−(α2−θ2)]…(B)
    ここで、θ1は、前記朝顔部において前記基準面に付着する付着物の傾斜角度である75°であり、
    θ2は、前記炉腹部において前記基準面に付着する付着物の傾斜角度である85°〜88゜であり、
    α1は、前記朝顔部に用いられる前記ステーブの傾斜角度である77°〜82°であり、
    α2は、前記炉腹部に用いられる前記ステーブの傾斜角度である90゜である。
  6. 前記突起部が、前記高炉内の周方向に沿って、連続的、または、断続的に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のステーブ。
  7. 前記基準面と前記各突起部とにより形成された凹部に、耐火物が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のステーブ。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のステーブを備えたことを特徴とする高炉。
  9. 前記朝顔部及び前記炉腹部に用いられる前記各ステーブのいずれか一方の前記ステーブ本体の内部に、前記基準面に沿って配置された複数のステーブ本体温度検出部と、前記突起部の内部に配置された突起部温度検出部とが設けられ;
    前記ステーブ本体温度検出部及び前記突起部温度検出部により検出された温度に基づいて前記ステーブ本体の前記基準面からの付着物の厚さおよび前記ステーブ本体の残存している厚みを推定する付着物推定部をさらに有する;
    ことを特徴とする請求項8に記載の高炉。
  10. 前記ステーブ本体温度検出部及び前記突起部温度検出部により、前記ステーブ本体の温度及び前記突起部の温度を検出する温度検出工程と;
    前記付着物推定部により推定された前記付着物の厚み及び前記ステーブ本体の残存している厚みが、所定値よりも薄いか否かを判定する付着物判定工程と;
    この付着物判定工程による判定に基づいて、前記高炉内の燃焼温度、あるいは、前記ステーブ本体及び前記突起部の温度を制御する温度制御工程と;
    を備えることを特徴とする請求項に記載の高炉の運転方法。
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