JP2008031520A - ステーブクーラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】幅方向に並設された複数の冷却水路11を備える冷却部材12と、各冷却水路11の下部に接続された冷却水供給部13と、各冷却水路11の上部に接続された冷却水排出部14とを有し、冷却部材12を高炉の鉄皮15内面側に設置して炉壁を冷却するステーブクーラ10において、各冷却水路11は上下で連通して幅方向に並べて形成された複数の小径水路16で構成されている。
【選択図】図1
Description
図5に示すように、ステーブクーラ90は、幅方向に間隔を有して並設された複数の冷却水路91を備える冷却部材92と、各冷却水路91の下部に接続された冷却水供給部93と、各冷却水路91の上部に接続された冷却水排出部94とを有している。
また、冷却効率を現状よりも向上させるため、冷却部材の厚みを薄くすることも考えられるが、各冷却水路の内径は、例えば、50mm程度と大径であるため、冷却部材の強度を維持しながらその厚みを薄くするには限界がある。なお、冷却部材の厚みが厚ければ、冷却部材の製造に必要な原材料費がかかって経済的でない。
前記各冷却水路は上下で連通して幅方向に並べて形成された複数の小径水路で構成されている。
本発明に係るステーブクーラにおいて、前記小径水路は断面円形であって、その内径が20mm以上40mm以下であることが好ましい。
本発明に係るステーブクーラにおいて、前記冷却部材は、銅又は銅合金で構成されていることが好ましい。
請求項3記載のステーブクーラは、小径水路を断面円形に形成しているので、小径水路の内面にかかる水圧を均等に分散でき、例えば、圧力損失を最小にすることができると共に、冷却水の流れをスムーズにできる。また、小径水路の内径を規定するので、例えば、冷却部材の強度低下を抑制しながら、必要な冷却効率を得ることが可能な小径水路を形成できる。
請求項5記載のステーブクーラは、冷却部材を銅又は銅合金で製造しているので、例えば、冷却部材を鋳鉄で構成した場合と比較して、高い熱伝導を備えることができる。従って、冷却部材の温度上昇を抑制でき、冷却部材の長寿命化に寄与できる。
図1〜図3に示すように、本発明の一実施の形態に係るステーブクーラ10は、幅方向に間隔を有して並設された複数の冷却水路11を備える冷却部材12と、該各冷却水路11の下部に接続された冷却水供給部13と、各冷却水路11の上部に接続された冷却水排出部14とを有し、冷却部材12を高炉の鉄皮15内面側に設置して炉壁を冷却するものであり、各冷却水路11は複数の小径水路16で構成されている。以下、詳しく説明する。
なお、冷却部材の形状は、これに限定されるものではなく、冷却部材の設置箇所(例えば、高炉の炉胸部、朝顔部、炉腹部、炉床部、又は出銑口)に応じて、正面視して屈曲させたり、また平断面視して円弧状(即ち、高炉の鉄皮に対応した形状)にしてもよい。
この冷却部材12の最大厚み(冷却部材12の裏面から、耐火物取付部19の凸部17先端まで)Tは、例えば、80mm以上180mm以下であるが、冷却効率の更なる向上を図るには、80mm以上130mm以下程度とする。なお、隣り合う凸部17の間隔(溝の縦幅)W2は、例えば、50mm以上80mm以下であり、凹部18の深さ(溝の深さ)Dは、冷却部材12の最大厚みTの例えば、1/4以上1/2以下である。
以上のことから、冷却部材12の好ましい最大厚みTを80mm以上130mm以下としたが、下限を90mmとし、更に100mmとすることが好ましく、上限を120mmとし、更に上限を110mmとすることが好ましい。
各小径水路16は、冷却部材12に直線状に形成されているが、例えば、冷却部材の設置場所に応じて、斜め状態又は屈曲状態に形成することもできる。
また、隣り合う冷却水路11の中心の間隔W3は、例えば、150mm以上300mm以下の範囲で等しくなっているが、部分的に異なった間隔にしてもよい。
隣り合う小径水路の間隔が5mm未満の場合、間隔が狭くなり過ぎるため、小径水路を形成する際に、隣り合う小径水路同士が繋がったり、また強度低下によって損傷を受け易くなる。一方、小径水路の間隔が20mmを超える場合、間隔が広くなり過ぎるため、隣り合う小径水路を接続する部分の距離が長くなり、小径水路内の冷却水の流れをスムーズにできず、また小径水路と冷却水供給部及び冷却水排出部とを連結するための加工が困難になる。
なお、各小径水路16は、ガンドリル(穿孔機)を使用して形成するため、加工時に隣り合う小径水路16同士が繋がり隙間W4がなくなる場合(5mmよりも狭くなる場合)もあるが、この場合でも本発明の権利範囲に含まれる。従って、冷却部材の上側及び下側のいずれか一方又は双方における隣り合う小径水路の間隔のみが、前記した数値範囲内になる場合もある。
小径水路の内径が20mm未満の場合、内径が小さくなり過ぎ、小径水路へ冷却水を流すためのポンプの能力を高める必要があり、また内径が小さくなり過ぎ機械加工が難しくなる。一方、小径水路の内径が40mmを超える場合、内径が大きくなり過ぎ、冷却部材の板厚を薄くできなくなる。
以上のことから、小径水路16の内径を20mm以上40mm以下としたが、好ましくは下限を25mmとし、更に好ましくは下限を30mmとする。
これにより、外部に設置されたポンプ(図示しない)によって送られる冷却水は、冷却水供給部13を介して各小径水路16へ流れ込み(例えば、流量:5m3/時間以上20m3/時間程度)、冷却部材12の下側から上側へかけて流れた後、冷却水排出部14を介して外部へ排出される。
なお、銅板の上端面と下端面から冷却部材の中央部へ向けて孔をあけ、貫通孔を形成してもよく、また、銅板の上端面から下端面へかけて、又は銅板の下端面から上端面へかけて、貫通孔を形成してもよい。これらの場合、貫通孔の上端部と下端部に封止栓をすることで、小径水路を形成できる。
このとき、各冷却水供給部13及び各冷却水排出部14を構成する配管も、予め鉄皮15に形成された貫通孔29、30を介して、鉄皮15の外側へ突出させる。
このように、冷却部材12を鉄皮15に設置した後、鉄皮15の外側から複数(ここでは4個)の固定用ボルト31を差込み、冷却部材12を鉄皮15に固定する。なお、冷却部材12と鉄皮15表面の間には、スペーサ32が設けられている。
ここでは、冷却部材に形成した冷却水路の構造、及び冷却部材の厚みが、冷却部材の温度変動、即ち冷却効率に及ぼす影響について調査した結果について説明する。なお、この調査は、有限要素法を用いた数値解析に基づいて行った。
この数値解析では、図4に示すように、最大厚みTが145mm、冷却水路の内径が50mm、冷却水路の形成位置を凹部の底から20mmの位置に設定した冷却部材の一部を取り出し、計算モデルとして用いた。
ここでは、比較例として、前記した構成の冷却部材を使用し、実施例として、各冷却水路を2本の小径水路で構成した場合について説明する。なお、比較例である1本の冷却水路(内径:50mm)の断面積と、実施例である冷却水路を構成する2本の小径水路(内径:35mm)の断面積の合計値とは、同じである。このとき、比較例の冷却水路の周長は157mm、実施例の複数の小径水路の周長の合計は220mmであり、実施例の方が周長が長くなっている。
その結果、比較例については、冷却部材の温度が200℃程度であったが、実施例は175℃となり、冷却部材の温度を低下できた。
このことから、冷却水路を複数の小径水路で構成することにより、冷却効率を向上できることを確認できた。
ここでは、比較例として、前記した構成の厚み145mmの冷却部材を使用し、実施例として、各冷却水路を2本の小径水路(内径:35mm)で構成した厚み110mmの冷却部材を使用した場合について説明する。なお、冷却部材の冷却水路に40℃の冷却水を10m3/時間の流量で流し、冷却部材の表面側に1300℃の熱をかけた状態の数値解析を行った。
その結果、比較例については、冷却部材の表面側温度が200℃程度まで上昇し、冷却部材の冷却効率を充分に高めることができなかった。
一方、実施例では、冷却部材の表面側温度を150℃程度にでき、冷却部材の幅方向に渡って略均等に冷却できた。
このことから、冷却部材の板厚を薄くすることで、冷却効率の更なる向上を図ることができることを確認できた。
Claims (5)
- 幅方向に並設された複数の冷却水路を備える冷却部材と、該各冷却水路の下部に接続された冷却水供給部と、前記各冷却水路の上部に接続された冷却水排出部とを有し、前記冷却部材を高炉の鉄皮内面側に設置して炉壁を冷却するステーブクーラにおいて、
前記各冷却水路は上下で連通して幅方向に並べて形成された複数の小径水路で構成されていることを特徴とするステーブクーラ。 - 請求項1記載のステーブクーラにおいて、前記冷却部材の厚みは80mm以上130mm以下であることを特徴とするステーブクーラ。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載のステーブクーラにおいて、前記小径水路は断面円形であって、その内径が20mm以上40mm以下であることを特徴とするステーブクーラ。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のステーブクーラにおいて、前記各冷却水路を構成する隣り合う前記小径水路の間隔は、5mm以上20mm以下であることを特徴とするステーブクーラ。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のステーブクーラにおいて、前記冷却部材は、銅又は銅合金で構成されていることを特徴とするステーブクーラ。
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