JP2016164300A - 冶金炉のフランジ、冶金炉、および冶金炉のフランジの冷却方法 - Google Patents

冶金炉のフランジ、冶金炉、および冶金炉のフランジの冷却方法 Download PDF

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一真 萩原
Kazuma Hagiwara
一真 萩原
神山 朋典
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朋典 神山
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【課題】水冷により冷却を行う炉口フランジで、水漏れを抑制するとともに、施工やメンテナンスを容易に行うことができる冶金炉のフランジを提供する。【解決手段】本発明に係る冶金炉のフランジは、冶金炉の炉口部に設けられたフランジであって、上面に炉口の外周を囲むように形成された溝を有するフランジ本体と、溝の上部を密閉するフランジ蓋とを備えている。フランジ本体の溝とフランジ蓋との空間が、フランジを冷却する冷却水が流れる冷却水流路として構成されている。【選択図】図2

Description

本発明は、転炉などの高温環境下で精錬する冶金炉のフランジ、冶金炉、および冶金炉のフランジの冷却方法に関する。
図1に示すように、転炉1は、つぼ形の炉体鉄皮6の内側に、耐火物8が積まれて構成されている。炉口2部には、耐火物8を保持するために、レンガ押さえとして炉口金物3が取り付けられている。
炉口金物3は、転炉操業による熱変形が大きくなると、耐火物8の押さえが効かなくなる。そのため、炉口金物3は、フランジ5の上に設置された炉口金物座4にボルトで締結することで、交換容易な構造となっている。また、炉口金物3の交換頻度を少なくするためには、炉口部の冷却が必須である。
ところが、炉口金物3を直接冷却水により冷却すると、炉口金物3の交換時に、冷却水の配管を切り離す作業が発生し、作業量が増大する。そのため、従来から、本体側のフランジ5を冷却して、炉口部を冷却することで、作業量の削減を図っている。
フランジ5を水冷することで、フランジ5および炉口金物座4の変形を抑制すると共に、炉口金物3を間接的に冷却し、炉口金物3の変形を抑止することができる。
特許文献1には、「転炉の炉口フランジの外周面に設けられた周溝と該周溝の蓋体とにより冷却路を形成してなるとともに、該冷却路に炉口フランジに穿設された貫通孔により給排管を接続してなることを特徴とする、転炉の炉口フランジの冷却装置」が開示されている。
また、特許文献2には、「一体に形成されたフランジ状ブロックの外側面から内方に向かって内側面近傍まで穿たれた穴を互いに連通せしめてなる穴を冷却水流路として有することを特徴とする冶金炉の水冷フランジ」が開示されている。
また、特許文献3には、「フランジに設けられた溝の内部に水冷用配管が敷設され、前記溝の開口部は蓋体によって塞がれており、前記水冷用配管が蓋体によって前記溝の内部に収納された構造の水冷フランジであって、前記水冷用配管と前記溝と前記蓋体とで形成する間隔には、融点が350℃以上の固体の金属粉または金属片が充填されていることを特徴とする冶金炉の水冷フランジ」が開示されている。
実願昭58−82648号(実開昭59−189853号)のマイクロフィルム 特開2000−256727号公報 特開2012−77358号公報
しかしながら、特許文献1のように、フランジの外周面に周溝を形成し、周溝を蓋体により蓋をして冷却路とする方法では、フランジの外側からの冷却のみとなり、フランジの内側まで十分に冷却を行うことができないという問題がある。
また、特許文献2では、炉口フランジとなるブロックの外周面から2つの流路を穿孔により形成し、ブロックの外周面から一定深さ入った位置において、2つの流路を交差させて連通させ、交差位置の外周側において、2つの流路を閉じることで、冷却水流路を作製している(段落[0009]など)。そのため、特許文献2の方法では、多くの穿孔加工が必要となり、冷却水流路の製作に、時間およびコストを要するという問題がある。また、外周側において流路を塞ぐ箇所が多く存在するため、転炉操業時に、水漏れのリスクが高いという問題もある。
また、特許文献3では、給排水部分において、配管を敷設し、その配管に下蓋を取付けるが、炉体と下蓋等の溶接スペースがないことから不完全な溶接となり、配管に亀裂が発生した際は、この給排水部分からフランジ外へ水漏れが起こる可能性があるという問題がある。
本発明は、このような問題に対してなされたものであり、フランジの内側まで十分に冷却可能であり、かつ、水漏れを抑制するとともに、作製を容易に行うことができる冶金炉のフランジ、冶金炉、および冶金炉のフランジの冷却方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記のような目的を達成するために、以下のような特徴を有している。
[1] 冶金炉の炉口部に設けられたフランジであって、
上面に炉口を取り囲むよう形成された溝を有するフランジ本体と、
溝の上部を密閉するフランジ蓋とを備え、
フランジ本体の溝とフランジ蓋とで囲まれる空間が、フランジを冷却する冷却水が流れる冷却水流路として構成されている冶金炉のフランジ。
[2] 冷却水流路は、所定の間隔を置いて、円周方向に炉口の外周を分割するように配された複数の流路によって構成され、それぞれの流路は、一端から冷却水を供給し、他端から冷却水を排出するように構成されている[1]に記載の冶金炉のフランジ。
[3] 冷却水流路は、炉口を取り囲む流路が2重に配置されている[1]または[2]に記載の冶金炉のフランジ。
[4] [1]乃至[3]のいずれかに記載のフランジを有する冶金炉。
[5] [1]乃至[3]のいずれかに記載の冶金炉のフランジの冷却水流路に冷却水を流すことにより冶金炉のフランジを冷却する冶金炉のフランジの冷却方法。
本発明に係る冶金炉のフランジ、冶金炉、および冶金炉のフランジの冷却方法によれば、フランジの内側まで十分に冷却可能であり、かつ、水漏れを抑制するとともに、作製を容易に行うことができる。
本発明の実施の形態に係るフランジが適用される転炉の概要を示す断面図である。 図1の右側の炉口部を拡大した図である。 本発明の実施の形態に係るフランジの冷却水流路の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係るフランジの冷却水流路の他の例を示す図である。 本発明の実施の形態に係るフランジの冷却水流路のさらに他の例を示す図である。
以下、添付した図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るフランジを有する転炉の断面図であり、図2は、図1の右側の炉口部を拡大した図である。本発明に係るフランジは、高温の溶鋼を精錬する種々の冶金炉の炉口部に設けられたフランジに適用することができるが、ここでは、本発明を転炉の炉口部のフランジに適用した例について説明する。
図1に示すように、転炉1は、つぼ形の炉体鉄皮6の内側に、耐火物8が積まれて構成されている。転炉1の上部には、炉口2が設けられている。炉体鉄皮6の炉口2の部分には、フランジ5が設けられている。フランジ5の上に、炉口金物座4を介して厚手の炉口金物3が取付けられている。炉口金物3は、耐火物8を保持するレンガ押さえとして設けられている。炉口金物3は、熱などにより変形するため、炉口金物3は、交換できるよう、フランジ5に設置された炉口金物座4に、ボルト(図示せず)で締結されている。
図2は、図1の右側の炉口部を拡大した図である。図2に示すように、本発明の実施の形態に係るフランジ5は、フランジ本体51と、フランジ蓋52を有している。フランジ本体51の上面には、炉口5を取り囲むように溝51aが形成されている。フランジ蓋52は、溝51aの上部に蓋をするように、フランジ本体51に溶接されている。
溝51aとフランジ蓋52によって囲まれた空間は、フランジ5や炉口金物座4を冷却する冷却水が流れる冷却水流路7として構成されている。冷却水流路7は、フランジ5の線Lで示す幅中央よりも内側に配することが好ましい。これにより、より冷却が必要なフランジ5の内側を効果的に冷却することができる。なお、図2中の9は、冷却水流路7に冷却水を供給若しくは排出するための給排水配管である。
図3は、本発明の実施の形態に係るフランジの冷却水流路の一例を示す図である。図3は、冷却水流路7を上から見た図である。
冷却水流路7は、円周方向に炉口の外周を分割するように配された複数の流路によって構成されている。図3の例では、冷却水流路7が、円周方向に炉口2の外周を2分割するように構成されている。それぞれの流路は、半円状の形状を有しており、2つの半円状の流路が、炉口2を囲むように、向い合って配されている。冷却水流路7には、いずれも一端(紙面の上部)から冷却水が供給され、他端(紙面の下部)から冷却水が排出される。なお、冷却水の流れる向きは、逆向きであってもよい。また、2つの流路に流れる冷却水の向きが、互い違いになっていてもよい。
冷却水流路7に冷却水を供給する部分(紙面の上部)や、冷却水を冷却水流路7から排出する部分(紙面の下部)は、フランジ本体51の下面から冷却水流路7に貫通する配管を入れて、この配管から冷却水流路7に冷却水を供給若しくは排出するように構成すればよい。
フランジ5の冷却時には、上述のように構成された冷却水流路7の一端から冷却水を供給し、他端から冷却水を排出すればよい。
このように構成された本発明に係るフランジ5は、フランジ本体51に直接溝51aを加工しているため、冷却水流路7を炉口2側に近づけることができ、最も変形が大きい炉口2部分(フランジ5の内側)を効果的に冷却することができる。
また、本発明に係るフランジ5は、フランジ本体51に直接溝51aを加工しているため、特許文献1のような、フランジの外周面に溝を形成する加工や、特許文献2のような、多くの穿孔加工を行う手間加工が不要であり、製作を容易に行うことができる。
さらに、本発明に係るフランジ5は、簡易な構成、かつ、少ない部品数により構成されているため、水漏れリスクの少ないフランジに仕上げることができる。
しかも、給排水部分においてもフランジ5の中心部まで給排水配管9を敷設する必要がなく、給排水配管9をフランジ5に直接溶接することが可能となり、溝51a側とフランジ5下面側との2個所でシール溶接ができ、水漏れに対して強固な構造となる。
また、本発明では、フランジ本体51とフランジ蓋52の溶接部が水漏れのリスクがある箇所となるが、メンテナンス時には、フランジ5を上から見れば、フランジ本体51とフランジ蓋52の溶接部を簡単に視認することができるため、水漏れ箇所を容易に特定することができるという利点もある。
図4は、本発明の実施の形態に係るフランジの冷却水流路のさらに他の例を示す図である。図4の例では、冷却水流路7Aが、円周方向に炉口2の外周を4分割するように構成されている。冷却水流路7Aは、いずれも一端から冷却水が供給され、他端から冷却水が排出される。なお、それぞれの流路の冷却水の流れる向きは、どのような向きであってもよい。
このように、炉口2を囲む冷却水流路の分割数を多くすることで、冷却水流路の各流路の長さを短くし、冷却効果を高めることができる。本発明では、フランジ本体51の上面に溝加工を施して冷却水流路を形成するため、容易に、任意の流路の形状とすることができる。なお、冷却水流路を構成する流路の数は、1つでもよく、また、2以上であってもよい。
図5は、本発明の実施の形態に係るフランジの冷却水流路の他の例を示す図である。図5の例では、半円状の流路(内側の冷却水流路7Bと外側の冷却水流路7C)が、炉口2を2重に囲むように構成されている。このように、2重以上の冷却水流路によって炉口2を囲むように構成することができる。
なお、図5の例では、内側の冷却水流路7Bおよび外側の冷却水流路7Cは、円周方向に炉口2の外周を2分割するように構成されているが、円周方向に炉口2の外周を任意の数に分割するようにしてもよい。
上述の実施の形態では、転炉の炉口フランジを例として説明したが、本発明はこれに限るものでなく、高温環境に曝され、冷却が必要とされる種々の冶金炉のフランジにも使用できる。本発明を冶金炉のフランジとして適用すれば、フランジの内側まで十分に冷却することができるため、フランジの変形を抑制することができ、冶金炉のメンテナンスの頻度を低減させることができる。また、フランジを効果的に冷却すれば、炉口金物も効率よく冷却できるため、炉口金物3の寿命を長くすることができ、結果として、生産性を向上させることができる。
また、本発明は、冶金炉のフランジの冷却方法として適用することができる。本発明を冶金炉のフランジの冷却方法として適用すれば、フランジの内側まで十分に冷却することができるため、効率よくフランジを冷却することが可能となる。
また、上述の実施の形態では、冷却水流路がいずれも円弧状に形成されていたが、炉口を囲む円弧状の流路をさらに、波形状など種々の形状としてもよい。
1 転炉
2 炉口
3 炉口金物
4 炉口金物座
5 フランジ
51 フランジ本体
51a 溝
52 フランジ蓋
6 炉体鉄皮
7、7A、7B、7C 冷却水流路
8 耐火物
9 給排水配管

Claims (5)

  1. 冶金炉の炉口部に設けられたフランジであって、
    上面に炉口を取り囲むよう形成された溝を有するフランジ本体と、
    溝の上部を密閉するフランジ蓋とを備え、
    フランジ本体の溝とフランジ蓋とで囲まれる空間が、フランジを冷却する冷却水が流れる冷却水流路として構成されている冶金炉のフランジ。
  2. 冷却水流路は、所定の間隔を置いて、円周方向に炉口の外周を分割するように配された複数の流路によって構成され、それぞれの流路は、一端から冷却水を供給し、他端から冷却水を排出するように構成されている請求項1に記載の冶金炉のフランジ。
  3. 冷却水流路は、炉口を取り囲む流路が2重に配置されている請求項1または2に記載の冶金炉のフランジ。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のフランジを有する冶金炉。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の冶金炉のフランジの冷却水流路に冷却水を流すことにより冶金炉のフランジを冷却する冶金炉のフランジの冷却方法。
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