JP5445744B2 - 三相交流電極式円形電気炉とその炉体の冷却方法 - Google Patents

三相交流電極式円形電気炉とその炉体の冷却方法 Download PDF

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本発明は、三相交流電極式円形電気炉とその炉体の冷却方法に関し、さらに詳しくは、鉄鋼及び非鉄金属熔融製錬に用いる三相交流電極式円形電気炉において、局所的な炉側壁の熔損の進行を防止し、かつ炉内の有効容積の縮小を抑制するため、炉側壁内周部に形成するコーティングの厚み、生成領域等の生成状態を適切に制御することができる冷却機能を有する三相交流電極式円形電気炉とその炉体の冷却方法に関する。
従来から、鉄鋼及び非鉄金属熔融製錬に用いる三相交流電極式円形電気炉においては、原料鉱石等の熔融に伴ない炉内に形成される熔融物(以下、炉内熔融物と呼称する場合がある。)による炉壁の熔損を防止することが、安全上、及び生産効率上の重要な課題であった。このため、電気炉を構成する炉側壁の熔損を防止するため、種々の炉側壁を強制冷却する方法が採用されている。
例えば、(イ)電気炉の炉側壁の外周部に設けられた鉄板(以下、炉側壁外鉄板と呼称する場合がある。)の外表面上の全面に、シャワー冷却水を流し、炉側壁を保護する方法(例えば、特許文献1参照。)、(ロ)冷却水を通水した銅製冷却部品(銅クーラーと呼称する場合がある。)等に代表される高効率熱伝導媒体を炉側壁の全面に配置することにより、炉側壁を構成する耐火物を直接的に冷却して炉側壁を保護する方法、(ハ)三相交流電極により炉内に発生する高温雰囲気下で、熱負荷が大きくなる炉側壁の領域内に、炉側壁を構成する耐火物層の局所的な熔損を防止するに十分な程度に冷却できる高効率熱伝導媒体を局所的に配置する方法(例えば、特許文献2参照。)等が挙げられる。
ところで、従来汎用されている(イ)の方法では、例えば、フェロニッケル製錬用の三相交流電極式円形電気炉でのシャワー冷却水による炉側壁の保護方法においては、電気炉の熔解能力を一般的に評価する炉床電力密度(ただし、電気炉電力/電気炉炉床面積で定義され、単位はkW/mで表される。)が高い場合、或いは原料鉱石の組成等の変動により炉内熔融物の融点が低い場合には、通常、シャワー冷却水による炉側壁の冷却能力が不足するので、炉側壁内周部に形成されるコーティング層の厚みが縮小し、耐火物の熔損が進行する。特に、炉側壁の中で熱負荷が大きい部分、例えば、電気炉に設けられた各電極から最も距離が短い炉側壁部分において、炉側壁内周部に形成されたコーティングと耐火物の熔損が生じ、電気炉寿命が短縮される原因につながるという問題があった。
昨今、原料鉱石等の装入物の熔解量増加を目的として、電気炉の電気容量が大型化される傾向にあり、冷却能力を強化するため、炉側壁耐火物層の直接的な強制冷却が可能である(ロ)の方法の採用が増加されつつある。ところで、この方法においては、従来、複数個の銅クーラーへの冷却水の導管は、円周方向に沿って各段の隣接する銅クーラーが直列に連結され、銅クーラーへの導管の接続を簡素化している。このため、円周方向の各段毎で、各銅クーラーへの冷却水通水量が一定となるため、熱負荷の高い電極近傍ではコーティングが形成され難く、炉側壁耐火物層の熔損が進行しやすく、一方、熱負荷が低い電極から離れた箇所においては、コーティングが形成されやすく、電気炉内の有効容積が縮小されるため、電気炉の熔解処理能力が制約されるという問題があった。すなわち、この方法では、全体としての冷却能力は向上するものの、コーティングの生成状態としては、(イ)の方法と同様であり、その制御という面で、(イ)の方法と同様の課題があった。
また、円周方向に沿った通水では、配管内に溜まったエアーが抜け難いこと、配管にリークが生じた場合に連結した全ての銅クーラー内の冷却水が空になりやすいこと等の欠点もあった。
以上の状況から、三相交流電極式円形電気炉を構成する炉側壁の熔損を防止するため、冷却水を通水した銅クーラーを炉側壁の全面に配置することにより炉側壁を強制冷却する方法((ロ)の方法)において、炉側壁内周部に形成するコーティングの厚み、生成領域等の生成状態を適切に制御することができる電気炉の冷却方法が求められている。
特開2004−68099号公報(第1〜3頁) 特開2007−327660号公報(第1、2頁)
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、鉄鋼及び非鉄金属熔融製錬に用いる三相交流電極式円形電気炉において、局所的な炉側壁の熔損の進行を防止し、かつ炉内の有効容積の縮小を抑制するため、炉側壁内周部に形成するコーティングの厚み、生成領域等の生成状態を適切に制御することができる冷却機能を有する三相交流電極式円形電気炉とその炉体の冷却方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、外周部に敷設された炉側壁耐火物層の全面に渡って、該炉側壁耐火物層を冷却するための冷却水を通水する銅製冷却部品が、鉛直方向に複数段及び円周方向に複数列に設置された三相交流電極式円形電気炉において、その炉体の冷却方法について、鋭意研究を重ねた結果、前記冷却水を通水する導管を、特定の銅製冷却部品が直列に連結されるように接続し、連結された各列の冷却水通水量を個別に調節したところ、電気炉各所のコーティングの厚み、生成領域等の生成状態を制御することができ、これにより局所的な炉側壁の熔損の進行を防止し、かつ炉内の有効容積の縮小を抑制することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、外周部に敷設された炉側壁耐火物層の全面に渡って、該炉側壁耐火物層を冷却するための冷却水を通水する銅製冷却部品が、鉛直方向に複数段及び円周方向に複数列に設置された三相交流電極式円形電気炉の炉体の冷却方法であって、
前記冷却水を通水する導管を、円周方向の各列毎に、鉛直方向の複数段に配置された銅製冷却部品の隣接段が順次直列に連結されるように接続するとともに、前記銅製冷却部品のそれぞれに熱流束計を設置して、熱流束を測定し、その測定値により、各列毎の冷却水通水量を調節し、該各列毎での冷却水通水量を調節することにより、各列毎での冷却強度を制御することを特徴とする三相交流電極式円形電気炉の炉体の冷却方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第の発明において、前記各列毎の冷却水通水量は、炉側壁耐火物層の内側に形成されるコーティングの厚みが一定になるように調節することを特徴とする三相交流電極式円形電気炉の炉体の冷却方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1又は2の発明において、前記電気炉は、酸化ニッケル鉱石の還元熔解処理に用いるフェロニッケル製錬用であることを特徴とする冷却方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜いずれかの発明の三相交流電極式円形電気炉の炉体の冷却方法を実施する三相交流電極式円形電気炉が提供される。
本発明の三相交流電極式円形電気炉は、鉄鋼及び非鉄金属熔融製錬に用いる三相交流電極式円形電気炉において、局所的な炉側壁の熔損の進行を防止し、かつ炉内の有効容積の縮小を抑えるため、炉内各所の炉側壁内周部に形成するコーティングの厚み、生成領域等の生成状態を個別にかつ適切に制御することができる冷却機能を有する三相交流電極式円形電気炉であり、その炉体の冷却方法は、冷却水を通水する導管を、鉛直方向の各段の隣接する銅製冷却部品が直列に連結されるように接続し、連結された各列の冷却水通水量を個別に調節することにより、電気炉各所のコーティングの厚み、生成領域等の生成状態を制御することができるので、その工業的価値は極めて大きい。
本発明の方法に用いた三相交流電極式円形電気炉の銅製冷却部品の接続の一例を表す図である。 実施例1で用いた本発明の方法で炉内に形成されるコーティング状態を表す三相交流電極式円形電気炉の水平断面の概略図である。 比較例1で用いたシャワー冷却水による炉側壁の保護方法を用いた炉内に形成されるコーティング状態を表す三相交流電極式円形電気炉の水平断面の概略図である。また、炉側壁のシャワー冷却水の一例が表される。
以下、本発明の三相交流電極式円形電気炉とその炉体の冷却方法を詳細に説明する。
本発明の三相交流電極式円形電気炉の炉体の冷却方法は、外周部に敷設された炉側壁耐火物層の全面に渡って、該炉側壁耐火物層を冷却するための冷却水を通水する銅製冷却部品が、鉛直方向に複数段及び円周方向に複数列に設置された三相交流電極式円形電気炉の炉体の冷却方法であって、前記冷却水を通水する導管を、円周方向の各列毎に、鉛直方向の複数段に配置された銅製冷却部品の隣接段が順次直列に連結されるように接続するとともに、各列毎での冷却水通水量を調節することにより、各列毎での冷却強度を制御することを特徴とする。
本発明において、冷却水を通水する導管を、円周方向の各列毎に、鉛直方向の複数段に配置された銅製冷却部品の隣接段が順次直列に連結されるように接続すること、及び各列毎での冷却水通水量を調節することにより、各列毎での冷却強度を制御することが重要である。
すなわち、各列の冷却強度の制御としては、例えば、熱負荷が大きい電極に近い列では、冷却水通水量を平均量よりも多めの適正量に調節することにより、また、熱負荷が小さい電極から遠い列では、冷却水通水量を平均量よりも少なめの適正量に調節することにより行なわれる。これにより、熱負荷が大きい電極に近い列では、熱移動により炉内熔融物を凝固させてコーティングを形成し、また、熱負荷が小さい電極から遠い列では、過大な厚さにコーティングが成長することを防止する。このように、各列毎の冷却水通水量を、炉側壁内周部に形成するコーティングの厚みが一定になるように調節することにより、各列の冷却強度を調整し、炉側壁内周部に形成するコーティングの生成状態を制御することができるので、局所的な炉側壁の熔損の進行と炉内の有効容積の縮小とを防止することができる。
さらに、従来のシャワー冷却水による炉側壁の保護方法((イ)の方法)に比べて、局所的な炉側壁の熔損が抑えられ、また、銅クーラーを炉側壁の全面に配置し、かつ冷却水の導管を円周方向に沿って直列に連結する炉側壁の保護方法((ロ)の方法)に比べて、コーティングの局部的な成長付着を著しくおさえることができるので、電気炉の炉床電力密度を上昇させ、熔解処理能力を向上することが達成される。
さらに詳しくは、酸化ニッケル鉱石の還元熔解処理に用いるフェロニッケル製錬用の三相交流電極式円形電気炉において、従来のシャワー冷却水による炉側壁の保護方法による電気炉操業での炉床電力密度、及び炉側壁への熱負荷が大きい範囲、或いは電気炉の炉床面積を一定とし炉床電力密度を上昇した場合においても、熱負荷が大きい範囲での炉側壁内周部に形成されるコーティング厚みを維持することができるので、電気炉寿命を従来以上に延長することが可能となる。一方、炉側壁の熱負荷が小さい場合でも、電極から最も離れた炉側壁の過冷却を防ぎ、炉内へのコーティングの過大な成長を防止し、効率的な操業を維持することが可能となる。さらに、原料鉱石の組成変動により、炉内熔融物の融点が低下した場合においても、熱負荷が大きい範囲での炉側壁耐火物を熔損することなく、炉側壁内周部に形成されるのコーティング厚みを適切に維持することができる。
上記冷却方法において、前記銅製冷却部品としては、そのそれぞれに熱流束計を設置して、熱負荷である熱流束を測定し、その測定値により、前記円周方向の各列毎の冷却水通水量を調節することが好ましい。すなわち、各銅製冷却部品に設置した熱流束計で測定された熱流束から、各列のコーティング厚さ等の生成状況が把握される。例えば、熱流束が小さく、コーティング量が増加していると判断された場合においては、その列の通水量を減少させ、逆に熱流束が大きく、コーティングが薄くなっていると判断された場合においては、その列の通水量を増加させることにより、コーティング厚さを適正に操作することができる。
したがって、各列の冷却水通水量の調節としては、各所で形成されるコーティングの厚みが、所望の一定値に近づくように行なわれる。なお、熱流束計で測定された熱流束と、各列毎の冷却水通水量の適正値の関係は、各電気炉及び操業形態に応じて、事前に準備することができる。
上記銅製冷却部品の炉側壁耐火物層への配置としては、特に限定されるものではなく、炉側壁の内周部に沿って、炉側壁を構成する耐火物の内部に埋設されるように設置されることが好ましい。これにより、耐火物の冷却とともに、冷却された耐火物が炉内に形成される熔融物、或いはコーティングと直接的に接することにより、炉内の熔融物への熱伝導媒体からの熱伝導が良好に行なわれる。なお、上記銅製冷却部品の形状及び大きさは、特に限定されるものではなく、例えば、角柱状、円柱状等のブロック形状、管状のパイプ形状等の部品の複数個を、炉側壁の所定の位置に配置する。
上記冷却方法で用いる三相交流電極式円形電気炉としては、特に限定されるものではなく、鉄鋼及び非鉄金属熔融製錬に用いるものが挙げられるが、この中で、酸化ニッケル鉱石の還元熔解処理に用いるフェロニッケル製錬用が好ましい。ここで、フェロニッケル製錬では、原料鉱石としては、ガーニエライト鉱等の酸化ニッケル鉱石が用いられる。最も一般的に用いられるガーニエライト鉱の代表的な組成としては、乾燥鉱換算でNi品位が2.1〜2.5重量%、Fe品位が11〜23重量%、MgO品位が20〜28重量%、SiO品位が29〜39重量%、CaO品位が<0.5重量%、灼熱減量が10〜15重量%であり、通常はロータリーキルンへ装入され焙焼後、電気炉中で炭素質還元剤により還元熔融され、熔融物としてフェロニッケルメタル層とスラグ層が形成される。
本発明の三相交流電極式円形電気炉は、炉側壁内周部に形成するコーティングの厚み、生成領域等の生成状態を適切に制御することができる冷却機能を有するものであり、上記三相交流電極式円形電気炉の炉体の冷却方法が好ましく実施される。
すなわち、電気炉の外周部に炉側壁耐火物層が敷設され、その外部の全面に渡って、該炉側壁耐火物層を冷却するための冷却水を通水する銅製冷却部品が、鉛直方向に複数段及び円周方向に複数列に設置されている。しかも、前記冷却水を通水する導管は、円周方向の各列毎に、鉛直方向の複数段に配置された銅製冷却部品の上下の隣接段が順次直列に連結されるように接続されている。
さらに、前記銅製冷却部品のそれぞれに熱流束計を設置して、熱負荷を測定し、その測定値により、前記各列毎の冷却水通水量を調節する機能を有するものである。
ここで、上記三相交流電極式円形電気炉に設置した銅製冷却部品の接続の一例を図1に示す。図1において、電気炉の側壁耐火物上に、最上段銅クーラー21から最下段銅クーラー22まで鉛直方向に数段(4段を図示している。)にわたって設置し、それら鉛直方向に隣接する銅クーラーを導管23により連結させて、冷却水24を通水する。各銅クーラーには、熱流束計25を設置し熱負荷を測定し、コーティングの状況を推定し、各列毎の冷却水24の通水量を調節する。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1)
酸化ニッケル鉱石の還元熔解処理に用いるフェロニッケル製錬用の三相交流電極式円形電気炉において、電気炉の炉体の冷却方法として、炉側壁耐火物層を冷却するための冷却水を通水する銅クーラーが、該炉側壁耐火物層の全面に渡って、鉛直方向に複数段及び円周方向に複数列に設置され、さらに、冷却水を通水する導管を、図1に示すように、円周方向の各列毎に、鉛直方向の複数段に配置された銅クーラーの隣接する上下段のものが順次直列に連結されるように接続するとともに、各熱流束計で測定した熱負荷の測定値により、各列毎での冷却水通水量を個別に調節して各列毎での冷却強度を制御する方法を用いた。
このとき、炉内熔融物としては、メタル温度で1400℃、及びスラグ温度で1600℃まで加熱され、炉外へ排出される。
この際、炉内に形成されるコーティング状態を表す三相交流電極式円形電気炉の水平断面の概略図を図2に示す。図2より、電極に近い領域においてもコーティングが確認され、耐火物の熔損の進行が抑止され、同時に、電極に遠い領域においてコーティングの局所的な過度の成長が防止されることが分かる。
(比較例1)
酸化ニッケル鉱石の還元熔解処理に用いるフェロニッケル製錬用の三相交流電極式円形電気炉において、電気炉の冷却方法として、図3に表すように、従来のシャワー冷却水による炉側壁の保護方法を用いた。この比較例1(特許文献1)の方法は、炉側壁外部鉄板の表面をシャワー冷却水が上部から下部に向けて流れるものである。
図3は、シャワー冷却水による炉側壁の保護方法を用いた炉内に形成されるコーティング状態を表す電気炉の概略図であり、その水平断面とともに、炉側壁のシャワー冷却水の一例が表される。ここで、三相交流電極1を電力源とする三相交流電極式円形電気炉2において、炉内熔融物3は、メタル温度で1400℃、及びスラグ温度で1600℃まで加熱され、メタル抜出し口10とスラグ抜出し口11より、炉外へ排出されるが、炉内熔融物3からの伝導伝熱は、コーティング4及び炉側壁耐火物5を通じて、炉側壁外鉄板6に伝わる。なお、電気炉側壁外鉄板6は、シャワー冷却水配管7より流出するシャワー冷却水8により冷却される。
この際、三相交流電極1に最も近い炉側壁部分に形成されるコーティング4は薄く、炉側壁耐火物5の熔損が進行しやすい。また、炉床電力密度を増大した場合、或いは原料鉱石組成等の変動により炉内熔融物の融点が低い場合には、三相交流電極1に最も近い炉壁部分の炉側壁耐火物5の熔損はさらに進行し、その他の部分においてもコーティング4が薄いので、炉側壁耐火物5の熔損が進行しやすくなることが分かる。
以上より明らかなように、本発明の三相交流電極式円形電気炉と炉体の冷却方法は、三相交流電極式円形電気炉において、局所的な炉側壁の熔損の進行と炉内の有効容積の縮小を防止するため、炉側壁内周部に形成するコーティングを制御することができるので、特に鉄鋼及び非鉄金属熔融製錬で利用される電気炉の冷却方法として好適である。
1 三相交流電極
2 三相交流電極式円形電気炉
3 炉内熔融物
4 コーティング
5 炉側壁耐火物
6 炉側壁外鉄板
7 シャワー冷却水配管
8 シャワー冷却水
9 高効率熱伝導媒体
10 メタル抜出し口
11 スラグ抜出し口
21 最上段銅クーラー
22 最下段銅クーラー
23 導管
24 冷却水
25 熱流束計

Claims (4)

  1. 外周部に敷設された炉側壁耐火物層の全面に渡って、該炉側壁耐火物層を冷却するための冷却水を通水する銅製冷却部品が、鉛直方向に複数段及び円周方向に複数列に設置された三相交流電極式円形電気炉の炉体の冷却方法であって、
    前記冷却水を通水する導管を、円周方向の各列毎に、鉛直方向の複数段に配置された銅製冷却部品の隣接段が順次直列に連結されるように接続するとともに、前記銅製冷却部品のそれぞれに熱流束計を設置して、熱流束を測定し、その測定値により、各列毎の冷却水通水量を調節し、該各列毎での冷却水通水量を調節することにより、各列毎での冷却強度を制御することを特徴とする三相交流電極式円形電気炉の炉体の冷却方法。
  2. 前記各列毎の冷却水通水量は、炉側壁耐火物層の内側に形成されるコーティングの厚みが一定になるように調節することを特徴とする請求項1に記載の三相交流電極式円形電気炉の炉体の冷却方法。
  3. 前記電気炉は、酸化ニッケル鉱石の還元熔解処理に用いるフェロニッケル製錬用であることを特徴とする請求項1又は2に記載の三相交流電極式円形電気炉の炉体の冷却方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の三相交流電極式円形電気炉の炉体の冷却方法を実施する三相交流電極式円形電気炉。
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