JP4912758B2 - 三相交流電極式円形電気炉とその冷却方法 - Google Patents

三相交流電極式円形電気炉とその冷却方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4912758B2
JP4912758B2 JP2006157322A JP2006157322A JP4912758B2 JP 4912758 B2 JP4912758 B2 JP 4912758B2 JP 2006157322 A JP2006157322 A JP 2006157322A JP 2006157322 A JP2006157322 A JP 2006157322A JP 4912758 B2 JP4912758 B2 JP 4912758B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
furnace
side wall
electric furnace
phase
cooling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006157322A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007327660A (ja
Inventor
直樹 窪田
一哲 川中
敦 貝掛
雅幸 山際
Original Assignee
株式会社日向製錬所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社日向製錬所 filed Critical 株式会社日向製錬所
Priority to JP2006157322A priority Critical patent/JP4912758B2/ja
Publication of JP2007327660A publication Critical patent/JP2007327660A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4912758B2 publication Critical patent/JP4912758B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Vertical, Hearth, Or Arc Furnaces (AREA)
  • Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)

Description

本発明は、三相交流電極式円形電気炉とその冷却方法に関し、さらに詳しくは、鉄鋼及び非鉄金属熔融製錬に用いる三相交流電極式円形電気炉において、局所的な炉側壁の熔損の進行を防止するため、炉側壁内周部に形成するコーティングの厚み、生成領域等の生成状態を適切に制御することができ、さらに、電気炉の電力負荷変動、又は原料鉱石の組成変動にも対応することができる冷却機能をもった三相交流電極式円形電気炉とその冷却方法に関する。
従来から、鉄鋼及び非鉄金属熔融製錬に用いる三相交流電極式円形電気炉においては、原料鉱石等の熔融に伴ない炉内に形成される熔融物(以下、炉内熔融物と呼称する場合がある。)による炉壁の熔損を防止することが、安全上、及び生産効率上の重要な課題であった。このため、電気炉を構成する炉側壁の熔損を防止するため、種々の炉側壁を強制冷却する方法が採用されている。
例えば、(イ)電気炉の炉側壁の外周部に設けられた鉄板(以下、炉側壁外鉄板と呼称する場合がある。)の外表面上の全面に、シャワー冷却水を流し、炉側壁を保護する方法、或いは、(ロ)冷却水を通水した銅製冷却部品等に代表される高効率熱伝導媒体を炉側壁の全面に配置することにより、炉側壁を構成する耐火物を直接的に冷却して炉側壁を保護する方法が挙げられる。
(イ)の方法として、例えば、フェロニッケル製錬用の三相交流電極式円形電気炉でのシャワー冷却水による炉側壁の保護方法においては、電気炉の熔解能力を一般的に評価する炉床電力密度(ただし、電気炉電力/電気炉炉床面積で定義され、単位はkW/mで表される。)が高い場合、或いは原料鉱石の組成等の変動により炉内熔融物の融点が低い場合には、通常、シャワー冷却水による炉側壁の冷却能力が不足するので、炉側壁内周部に形成されるコーティング層の厚みが縮小し、耐火物の熔損が進行する。特に、炉側壁の中で熱負荷が大きい部分、例えば、電気炉に設けられた各電極から最も距離が短い炉側壁部分において、炉側壁内周部に形成されたコーティングと耐火物の熔損が生じ、電気炉寿命が短縮される原因につながる。この方法の改善策としては、炉側壁表面を任意に区画化して、温度上昇が高い区画のシャワー冷却水の流量を増加させ、コーティングの厚さを制御する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
(ロ)の方法して、例えば、高効率熱伝導媒体による炉側壁の保護方法において、炉床電力密度が低い場合、或いは原料鉱石の組成等の変動により炉内熔融物の融点が高い場合には、炉側壁の冷却能力が高いがために、炉側壁内周部の全体に渡ってコーティングが増大することが生じる。特に、炉側壁の中で熱負荷が小さい範囲、例えば、電気炉に備えられた各電極から最も離れた炉側壁部分において、コーティングが局部的に過大に成長付着するため、電気炉内の有効容積が縮小され、電気炉の熔解処理能力が制約される。
以上の状況から、三相交流電極式円形電気炉を構成する炉側壁の熔損を防止するため、炉側壁を強制冷却する方法において、局所的な炉側壁の熔損の進行を防止するため、炉側壁内周部に形成するコーティングの厚み、生成領域等の生成状態を適切に制御することができ、さらに、電気炉の電力負荷変動、又は原料鉱石の組成変動にも対応することができる電気炉の冷却方法が求められている。
特開2004−68099号公報(第1〜3頁)
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、鉄鋼及び非鉄金属熔融製錬に用いる三相交流電極式円形電気炉において、局所的な炉側壁の熔損の進行を防止するため、炉側壁内周部に形成するコーティングの厚み、生成領域等の生成状態を適切に制御することができ、さらに、電気炉の電力負荷変動、又は原料鉱石の組成変動にも対応することができる冷却機能をもった三相交流電極式円形電気炉とその冷却方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、外周部に炉側壁耐火物層が敷設された原料鉱石の熔解処理に用いる三相交流電極式円形電気炉の炉側壁の冷却方法について、鋭意研究を重ねた結果、炉側壁の特定の領域内に所望の冷却機能を有する高効率熱伝導媒体を局所的に配置したところ、コーティングの厚み、生成領域等の生成状態を制御することにより、局所的な炉側壁の熔損の進行を防止することができ、さらに、電気炉の電力負荷変動、原料鉱石の組成変動等にも対応することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、外周部に炉側壁耐火物層が敷設された原料鉱石の熔解処理に用いるための三相交流電極式円形電気炉において、
三相交流電極により炉内に発生する高温雰囲気下で、熱負荷が大きくなる炉側壁の領域内に、炉側壁を構成する耐火物層の局所的な熔損を防止するに十分な程度に冷却できる高効率熱伝導媒体を局所的に配置し、該高効率熱伝導媒体を局所的に配置する場所は、電気炉に垂直に設けられる各電極位置に対応して、水平断面上では、電極からの水平距離が最も短い円周上の範囲であり、かつ垂直断面上では、炉底から炉内熔融物層の上面に渡る範囲であり、さらに、
電気炉の炉側壁外鉄板に沿ってシャワー冷却水を流す冷却手段を併用することを特徴とする三相交流電極式円形電気炉の冷却方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第の発明において、前記高効率熱伝導媒体を配置する炉側壁の割合は、円周長さ全体の30〜40%であることを特徴とする三相交流電極式円形電気炉の冷却方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、前記高効率熱伝導媒体は、炉側壁の内周部に沿って、炉側壁を構成する耐火物層の内部に埋設されることを特徴とする三相交流電極式円形電気炉の冷却方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、前記高効率熱伝導媒体は、冷却水を通水する銅製冷却部品であることを特徴とする三相交流電極式円形電気炉の冷却方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜いずれかの発明において、前記電気炉は、酸化ニッケル鉱石の還元熔解処理に用いるフェロニッケル製錬用であることを特徴とする三相交流電極式円形電気炉の冷却方法が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1〜いずれかの発明の冷却方法を実施する三相交流電極式円形電気炉が提供される。
本発明の三相交流電極式円形電気炉の冷却方法は、鉄鋼及び非鉄金属熔融製錬に用いる三相交流電極式円形電気炉において、炉側壁を構成する耐火物層の局所的な熔損を防止するに十分な程度に冷却できる高効率熱伝導媒体を、前記電気炉の炉側壁の熱負荷が大きい領域に局所的に配置することによって、炉側壁内周部に形成するコーティングの厚み、生成領域等の生成状態を適切に制御することができ、さらに、電気炉の電力負荷変動、又は原料鉱石の組成変動にも対応することができる冷却機能を有するので、その工業的価値は極めて大きい。
以下、本発明の三相交流電極式円形電気炉とその冷却方法を詳細に説明する。
本発明の三相交流電極式円形電気炉とその冷却方法は、外周部に炉側壁耐火物層が敷設された原料鉱石の熔解処理に用いるための三相交流電極式円形電気炉において、三相交流電極により炉内に発生する高温雰囲気下で、熱負荷が大きくなる炉側壁の領域内に、炉側壁を構成する耐火物層の局所的な熔損を防止するに十分な程度に冷却できる高効率熱伝導媒体を局所的に配置することを特徴とする。これにより、炉側壁の熱負荷が大きい領域で、炉側壁内周部に形成するコーティングの生成状態を制御することができるので、局所的な炉側壁の熔損の進行を防止することができ、さらに、電気炉の電力負荷変動、又は原料鉱石の組成変動に適切に対応することができる。
本発明において、電気炉の炉側壁の熱負荷が大きい領域内に、炉側壁を構成する耐火物層の局所的な熔損を防止するに十分な程度に冷却できる高効率熱伝導媒体を局所的に配置することが重要である。すなわち、炉内に形成される熔融物に接する炉側壁に高効率熱伝導媒体を設置することによって、熱移動により炉内熔融物を凝固させて、コーティングを形成することができる。しかも、炉側壁の熱負荷が大きい領域内から効率よく熱移動を行ない、その領域内の炉側壁の熱負荷を特に軽減して、炉側壁全体の熱負荷を均等化する働きがある。したがって、コーティングの局所的な過度の成長、及び耐火物の熔損の進行を防止することができる。
例えば、従来のシャワー冷却水による炉側壁の保護方法に比べて、局所的な炉側壁の熔損が抑えられ、また、高効率熱伝導媒体を炉側壁の全面に配置する炉側壁の保護方法に比べて、コーティングの局部的な成長付着を抑えられるので、電気炉の炉床電力密度を上昇させて熔解処理能力を向上することが達成される。
さらに詳しくは、酸化ニッケル鉱石の還元熔解処理に用いるフェロニッケル製錬用の三相交流電極式円形電気炉において、従来のシャワー冷却水による炉側壁の保護方法による電気炉操業での炉床電力密度、及び炉側壁への熱負荷が大きい範囲、例えば、電極に最も近い炉側壁内周部に形成されるコーティング厚みを、各々1.0とした場合、或いは電気炉の炉床面積を一定とし炉床電力密度を1.8とした場合においても、熱負荷が大きい範囲での炉側壁内周部に形成されるコーティング厚みは1.0となるので、電気炉寿命を従来以上に延長することが可能となる。一方、炉側壁の熱負荷が小さい場合でも、電極から最も離れた炉側壁の過冷却を防ぎ、炉内へのコーティングの過大な成長を防止し、効率的な操業を維持することが可能となる。さらに、原料鉱石の組成変動により、炉内熔融物の融点が低下した場合においても、熱負荷が大きい範囲での炉側壁耐火物を熔損することなく、炉側壁内周部に形成されるのコーティング厚みを適切に維持することができる。
上記高効率熱伝導媒体を局所的に配置する場所としては、特に限定されるものではないが、炉側壁での高効率熱伝導媒体の配置場所は、電気炉に垂直に設けられる各電極位置に対応して、水平断面上では電極からの水平距離が最も短い円周上の範囲であり、かつ垂直断面上では炉底から炉内熔融物層の上面に渡る範囲であることが望ましい。すなわち、三相交流電極式円形電気炉においては、例えば、電極位置、原料鉱石の装入場所、熔融物のタッピングホール等の配置によって、炉側壁の熱負荷が大きい領域は異なるが、通常、電気炉に備えられた各電極からの水平距離が最も短い円周上の範囲で、しかも炉底から炉内熔融物層の上面に渡る高さの範囲である。
上記高効率熱伝導媒体を配置する炉側壁の割合としては、特に限定されるものではないが、例えば、炉側壁の円周長さ全体の30〜40%にあたる範囲になるように、各電極位置に対応して分割して配置することが望ましい。
上記高効率熱伝導媒体としては、特に限定されるものではなく、炉側壁の内周部に所望の状態にコーティングを形成することができる冷却装置が用いられるが、この中で、耐火物中に容易に埋設することができる、冷却水等の冷媒等を用いて冷却される熱伝導性の良い金属等の材料からなる冷却部品、例えば、銅製冷却部品が好ましい。ここで、冷却部品の形状及び大きさは、特に限定されるものではなく、例えば、角柱状、円柱状等のブロック形状、管状のパイプ形状等の部品の複数個を、炉側壁の所定の範囲に配置することができる。
上記高効率熱伝導媒体は、特に限定されるものではなく、炉側壁の内周部に沿って、炉側壁を構成する耐火物内部に埋設されるように設置されることが好ましい。これにより、耐火物の冷却とともに、冷却された耐火物が炉内に形成される熔融物、或いはコーティングと直接的に接することにより、炉内の熔融物への熱伝導媒体からの熱伝導が良好に行なわれる。
さらに、上記電気炉の冷却方法としては、高効率熱伝導媒体を炉側壁の熱負荷が大きい領域に局所的に配置するとともに、高効率熱伝導媒体を配置していない領域においては、電気炉の炉側壁外鉄板に沿ってシャワー冷却水を流す冷却手段を併用することができる。これによって、従来のシャワー冷却水による炉側壁の保護方法における問題点を解消することができる。すなわち、炉床電力密度が高い場合、或いは原料鉱石の組成等の変動により炉内熔融物の融点が低い場合にも、従来のシャワー冷却水による炉側壁の冷却能力の不足を補って、特に、炉側壁の中で熱負荷が大きい部分、例えば、電気炉に設けられた各電極から最も距離が短い炉側壁部分において、炉側壁内周部に安定したコーティングを形成して耐火物の熔損を防止することができる。
上記電気炉としては、特に限定されるものではなく、鉄鋼及び非鉄金属熔融製錬に用いるものが挙げられるが、この中で、酸化ニッケル鉱石の還元熔解処理に用いるフェロニッケル製錬用が好ましい。ここで、フェロニッケル製錬では、原料鉱石としては、ガーニエライト鉱等の酸化ニッケル鉱石が用いられる。最も一般的に用いられるガーニエライト鉱の代表的な組成としては、乾燥鉱換算でNi品位が2.1〜2.5重量%、Fe品位が11〜23重量%、MgO品位が20〜28重量%、SiO品位が29〜39重量%、CaO品位が<0.5重量%、灼熱減量が10〜15重量%であり、通常はロータリーキルンへ装入され焙焼後、電気炉中で炭素質還元剤により還元熔融され、熔融物としてフェロニッケルメタル層とスラグ層が形成される。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いたコーティング厚みの評価方法は、下記の3次元熱流体シミュレーションによるコーティング厚みの算出より求めた。
[3次元熱流体シミュレーションによるコーティング厚みの算出]
酸化ニッケル鉱石の還元熔解処理に用いるフェロニッケル製錬用の三相交流電極式円形電気炉において、電気炉の電力負荷及び冷却構造による熱移動を設定して、3次元熱流体シミュレーションにより、炉側壁内周部に形成されるコーティングの状態を求め、これより、コーティング厚みを算出した。
例えば、図3に示すように炉側壁外表面から炉内溶融物に至る炉側壁内部の温度分布を求めた。その後、炉内熔融物温度と炉側壁耐火物先端温度との温度差範囲を求め、そのうち、炉内熔融物の融点(凝固点)温度以下となっている範囲をコーティング厚みとして算出した。
(実施例1)
酸化ニッケル鉱石の還元熔解処理に用いるフェロニッケル製錬用の三相交流電極式円形電気炉において、図1に表すように、高効率熱伝導媒体を電気炉の円周部の炉側壁に局所配置した。
図1は、本発明の電気炉の冷却方法を表す、高効率熱伝導媒体を炉側壁に局所配置した三相交流電極式円形電気炉の概略図であり、その水平断面とともに、炉側壁の垂直断面の構造の一例が表される。ここで、三相交流電極1からの距離が最も短い炉側壁領域として、三相交流電極式円形電気炉2の炉側壁の約1/3にあたる範囲に、高効率熱伝導媒体9を配置した。なお、炉側壁の垂直断面の構造に見られるように、高効率熱伝導媒体9は炉側壁耐火物5の内部に埋めこまれ、例えば、冷却水の通水により、炉内熔融物3を凝固させ、コーティングを形成する。なお、炉側壁鉄板6へのシャワー冷却水の散布は、この高効率熱伝導媒体を炉側壁に局所配置した領域を除いて行なわれている。
このとき、炉内熔融物としては、メタル温度で1400℃、及びスラグ温度で1600℃まで加熱され、メタル抜出し口10とスラグ抜出し口11より、炉外へ排出されるが、炉内熔融物からの伝導伝熱は炉側壁の内周部に形成されるコーティングと耐火物を通じて、炉側壁外鉄板に伝わるが、この間に耐火物中に局所的に配置された高効率熱伝導媒体により熱移動がなされる。
この際、上記コーティング厚みの評価方法によれば、高効率熱伝導媒体が設置された三相交流電極に最も近い炉側壁の範囲には、コーティングが形成され、耐火物の熔損を抑制することができる。すなわち、図3に一例を示すコーティング状態を3次元熱流体シミュレーションにより、コーティング厚みが増加することが確認され、これよりコーティング厚みを算出した。結果を、表1に示す。なお、表1では、従来操業(比較例1)における炉床電力密度及び炉壁内のコーティング厚みの数値をそれぞれ1.0として、相対値で示した。
(実施例2)
炉床電力密度を180%まで増大したこと以外は、実施例1と同様に行なった。このとき、比較例1と同じ厚さのコーティングが形成され、耐火物の熔損を抑制できることが、上記シミュレーションにより確認された。結果を、表1に示す。
(比較例1)
酸化ニッケル鉱石の還元熔解処理に用いるフェロニッケル製錬用の三相交流電極式円形電気炉において、電気炉の冷却方法として、図1に表すように、従来のシャワー冷却水による炉側壁の保護方法を用いた。
図2は、シャワー冷却水による炉側壁の保護方法を用いた炉内に形成されるコーティング状態を表す電気炉の概略図であり、その水平断面とともに、炉側壁のシャワー冷却水の一例が表される。ここで、三相交流電極1を電力源とする三相交流電極式円形電気炉2において、炉内熔融物3は、メタル温度で1400℃、及びスラグ温度で1600℃まで加熱され、炉内熔融物3からの伝導伝熱は、コーティング4及び炉側壁耐火物5を通じて、炉側壁外鉄板6に伝わる。なお、電気炉側壁外鉄板6は、シャワー冷却水配管7より流出するシャワー冷却水8により冷却される。
この際、三相交流電極1に最も近い炉側壁部分に形成されるコーティング4は薄く、炉側壁耐火物5の熔損が進行しやすい。また、炉床電力密度を増大した場合、或いは原料鉱石組成等の変動により炉内熔融物の融点が低い場合には、三相交流電極1に最も近い炉壁部分の炉側壁耐火物5の熔損はさらに進行し、その他の部分においてもコーティング4が薄いので、炉側壁耐火物5の熔損が進行しやすくなる。すなわち、図3に一例を示すコーティング状態を3次元熱流体シミュレーションにより、コーティング厚みは、実施例1に比べて低いことが確認され、これよりコーティング厚みを算出した。結果を、表1に示す。
Figure 0004912758
表1より、実施例1又は2では、高効率熱伝導媒体を、耐火物の熔損が進行する三相交流電極に最も近い部分である炉側壁の円周の約1/3にあたる範囲に配置したことにより、比較例1に比べて、炉側壁への熱負荷による局所的な熔損の進行を防止し、かつ電気炉の電力負荷変動に対応することができることが分かる。
以上より明らかなように、本発明の三相交流電極式円形電気炉の冷却方法は、三相交流電極式円形電気炉において、局所的な炉側壁の熔損の進行を防止するため、炉側壁内周部に形成するコーティングを制御することができ、特に、電気炉の電力負荷変動、又は原料鉱石の組成変動に適切に対応することができるので、特に鉄鋼及び非鉄金属熔融製錬で利用される電気炉の冷却方法として好適である。
実施例1又は2で用いた電気炉の冷却方法を表す、高効率熱伝導媒体を電気炉外周部の炉側壁に局所配置した三相交流電極式円形電気炉の水平断面の概略図である。また、炉側壁の垂直断面構造の一例が表される。 比較例1で用いたシャワー冷却水による炉側壁の保護方法を用いた炉内に形成されるコーティング状態を表す三相交流電極式円形電気炉の水平断面の概略図である。また、炉側壁のシャワー冷却水の一例が表される。 3次元熱流体シミュレーションによる炉側壁外表面から炉内溶融物に至る炉側壁内部の温度分布の一例を表す図である。
符号の説明
1 三相交流電極
2 三相交流電極式円形電気炉
3 炉内熔融物
4 コーティング
5 炉側壁耐火物
6 炉側壁外鉄板
7 シャワー冷却水配管
8 シャワー冷却水
9 高効率熱伝導媒体
10 メタル抜出し口
11 スラグ抜出し口

Claims (6)

  1. 外周部に炉側壁耐火物層が敷設された原料鉱石の熔解処理に用いるための三相交流電極式円形電気炉において、
    三相交流電極により炉内に発生する高温雰囲気下で、熱負荷が大きくなる炉側壁の領域内に、炉側壁を構成する耐火物層の局所的な熔損を防止するに十分な程度に冷却できる高効率熱伝導媒体を局所的に配置し、該高効率熱伝導媒体を局所的に配置する場所は、電気炉に垂直に設けられる各電極位置に対応して、水平断面上では、電極からの水平距離が最も短い円周上の範囲であり、かつ垂直断面上では、炉底から炉内熔融物層の上面に渡る範囲であり、さらに、
    電気炉の炉側壁外鉄板に沿ってシャワー冷却水を流す冷却手段を併用することを特徴とする三相交流電極式円形電気炉の冷却方法。
  2. 前記高効率熱伝導媒体を配置する炉側壁の割合は、円周長さ全体の30〜40%であることを特徴とする請求項に記載の三相交流電極式円形電気炉の冷却方法。
  3. 前記高効率熱伝導媒体は、炉側壁の内周部に沿って、炉側壁を構成する耐火物層の内部に埋設されることを特徴とする請求項1に記載の三相交流電極式円形電気炉の冷却方法。
  4. 前記高効率熱伝導媒体は、冷却水を通水する銅製冷却部品であることを特徴とする請求項1に記載の三相交流電極式円形電気炉の冷却方法。
  5. 前記電気炉は、酸化ニッケル鉱石の還元熔解処理に用いるフェロニッケル製錬用であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の三相交流電極式円形電気炉の冷却方法。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の冷却方法を実施する三相交流電極式円形電気炉。
JP2006157322A 2006-06-06 2006-06-06 三相交流電極式円形電気炉とその冷却方法 Active JP4912758B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006157322A JP4912758B2 (ja) 2006-06-06 2006-06-06 三相交流電極式円形電気炉とその冷却方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006157322A JP4912758B2 (ja) 2006-06-06 2006-06-06 三相交流電極式円形電気炉とその冷却方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007327660A JP2007327660A (ja) 2007-12-20
JP4912758B2 true JP4912758B2 (ja) 2012-04-11

Family

ID=38928243

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006157322A Active JP4912758B2 (ja) 2006-06-06 2006-06-06 三相交流電極式円形電気炉とその冷却方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4912758B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5445744B2 (ja) * 2009-04-20 2014-03-19 株式会社日向製錬所 三相交流電極式円形電気炉とその炉体の冷却方法
JP5747286B2 (ja) * 2011-11-17 2015-07-15 株式会社日向製錬所 三相交流電極式円形電気炉の冷却方法及びその三相交流電極式円形電気炉
CN107401917A (zh) * 2017-09-15 2017-11-28 巴涌 一种无极间支路电流矿热电炉

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5035044Y1 (ja) * 1968-08-02 1975-10-13
JPS4928274Y1 (ja) * 1970-10-14 1974-08-01
JPS529162B2 (ja) * 1972-04-28 1977-03-14
JPS5521277B2 (ja) * 1972-12-27 1980-06-09
JPS557827Y2 (ja) * 1974-01-23 1980-02-21
JPS52135404A (en) * 1976-05-07 1977-11-12 Shin Meiwa Ind Co Ltd Squeezing pump
JPS625082A (ja) * 1985-07-01 1987-01-12 ヒルサ・エス・エ− ア−ク炉用冷却パネル
JPS6297496A (ja) * 1985-10-23 1987-05-06 Honda Motor Co Ltd 音量調節装置
JP2528586B2 (ja) * 1991-05-17 1996-08-28 株式会社タナベ 電気溶融炉
JP2004068099A (ja) * 2002-08-07 2004-03-04 Hyuga Seirensho:Kk 溶錬炉の操業方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007327660A (ja) 2007-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4912758B2 (ja) 三相交流電極式円形電気炉とその冷却方法
JP5445744B2 (ja) 三相交流電極式円形電気炉とその炉体の冷却方法
US10337797B2 (en) Refractory delta cooling system
JP5408417B2 (ja) フェロニッケル製錬用電気炉の操業方法
JP6429190B2 (ja) 製鋼スラグの溶融処理用の電気炉
JP4064387B2 (ja) 炉体水冷ジャケット
WO2020213393A1 (ja) 含クロム溶鉄の製造方法
JPH11223464A (ja) 電気炉
JP5747286B2 (ja) 三相交流電極式円形電気炉の冷却方法及びその三相交流電極式円形電気炉
CN106062217A (zh) 熔炼含铁、钛和钒的矿物的方法
JP2014105348A (ja) フェロニッケル製錬用電気炉の操業方法
JP5963655B2 (ja) 三相交流電極式円形電気炉及びその冷却方法
JP6689195B2 (ja) 金属の製造方法及び高融点金属の製造方法
JP6380990B2 (ja) スラグ凝固層厚が調整された電気炉及びこれを用いた金属製錬方法
JPWO2021045174A1 (ja) 低炭素フェロクロムの製造方法
CN203437633U (zh) 一种无座砖钢包
EP2960608A1 (en) Method for cooling housing of melting unit and melting unit
CN201440041U (zh) 用于高温熔炼设备的冷却水套和具有其的高温熔炼设备
JP4395482B2 (ja) 溶融塩電解方法及び溶融塩電解槽
CN204174255U (zh) 一种冶金电炉复合中心炉盖
WO2016093197A1 (ja) 電気抵抗炉の運用方法
JP2019184121A (ja) 高温凝固物の熱回収装置
JP7037419B2 (ja) 金属製錬炉及びその操業方法
RU2016132025A (ru) Способ изготовления биметаллического электрода путем электрошлаковой наплавки и способ утилизации металлургических шлаков восстановительной плавкой с использованием биметаллического электрода
KR101619070B1 (ko) 슬래그와 철계 용탕 계면부에서의 침식을 방지하는 내화물 구조체 및 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080402

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110331

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4912758

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150127

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250