JP2528586B2 - 電気溶融炉 - Google Patents

電気溶融炉

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JP2528586B2
JP2528586B2 JP4121765A JP12176592A JP2528586B2 JP 2528586 B2 JP2528586 B2 JP 2528586B2 JP 4121765 A JP4121765 A JP 4121765A JP 12176592 A JP12176592 A JP 12176592A JP 2528586 B2 JP2528586 B2 JP 2528586B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、原料を溶融する電気
溶融炉にかかり、特に炉壁が改善された電気溶融炉に関
する。
【0002】
【従来の技術】ロックウールの製造には、従来より、電
気溶融炉が用いられている。
【0003】ところで、ロックウールは、玄武岩,安山
岩等の岩石、あるいは金属の精練滓、主として高炉スラ
グを原料とし、これに化学成分調整のための副原料とし
て珪石,ドロマイト,石灰等を添加して、電気溶融炉で
溶融し、この溶融物を製綿機に出湯して、吹製法又はス
ピニング法によって繊維化することで製造している。
【0004】この電気溶融炉には、鋼製の炉殻の内側に
耐火壁を施工してなる炉体が用いられ、この炉体に備え
た複数本のカーボン電極で、直接、原料に通電すること
により、原料を加熱して溶融している。ところが、ロッ
クウールを製造する原料はそれ自体きわめて侵食性が強
い。そこで、電気溶融炉は、直接、溶融物に接し耐蝕性
を必要とする炉壁の内面および炉底に高温耐蝕性の高い
煉瓦を用いている。
【0005】しかし、炉壁の内面および炉底は、電気溶
融炉の操業中、常に高温(1600℃前後)の溶融物に
よる強い化学的侵食作用と熱応力を受けているので、侵
食して次第に消耗する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、侵食の進み
方は一様でない。
【0007】すなわち、炉体の侵食は溶融物表面、すな
わち溶融物の表面と炉内の雰囲気との境界で著しい。ま
た電気溶融炉は操業を続けると、ロックウールの原料中
に含まれている酸化鉄がカーボン電極、耐火壁の炭素に
よって還元されて、生成された鉄が次第に炉底に貯溜す
るが、この溶融鉄(貯溜溶融物)と上記溶融物との境界
でも、同様に侵食は著しい。いずれも熱応力が原因の一
つとなっている。具体的には、操業を続けると、境界の
近傍の炉壁部分だけがえぐり取られたように侵食する。
このとき、他の炉壁部分の侵食は軽い。この結果、他の
部分は十分に使用に耐える状態であるのに、境界の部分
だけが深くえぐれてしまい、他の部分の状況にかかわら
ず補修が必要となる。
【0008】ところが、煉瓦などの補修は、煉瓦積作業
における目地の施工上、侵食の激しい部分のみを新しい
煉瓦に置き換えることは不可能で、どうしても全体を取
り替えなければならない。つまり、他の部分の状況にか
かわらず、二つの境界の近傍の侵食状況によって耐火壁
の寿命が決定されてしまう。このため、高価な耐火物の
消費が多い問題がある上、保守のために行われている炉
体の耐火壁の施工し直しの回数も多くなる問題がある。
こうした問題点は、上記のようなロックウ−ルを製造す
る電気溶融炉だけでなく、成分が似ている原料を溶融す
る電気溶融炉でも起きている。
【0009】具体的には、都市ごみの焼却灰、集塵機の
集塵灰、下水汚泥灰など、廃棄物償却灰(ごみの最終
物)を溶融する電気溶融炉でも、境界の近傍の炉壁部分
の侵食は著しく、同種の電気溶融炉においても、保守の
点で多くの難点をもたらしていた。
【0010】この発明は、このような事情に着目してな
されたもので、その目的とするところは、炉体全体の侵
食を平均化することができる電気溶融炉を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の電気溶融炉は、原料を溶融する炉体
を設け、この炉体内で溶融された溶融物の表面と炉内の
雰囲気との境界、前記溶融物と炉底に溜まる貯溜溶融物
との境界の各位置と対応する前記炉体の炉壁部分の内部
に、各境界と対応した炉壁の内面部分から炉壁の外側へ
向かう伝熱性を高めるための、大きな熱伝導率を有する
高熱伝導層を構成したことにある。請求項2に記載の電
気溶融炉は、請求項1の高熱伝導層を、炉壁の厚み方向
中間部分に、厚み方向に延ばして設けたことにある。
【0012】請求項3に記載の電気溶融炉は、請求項1
の高熱伝導層を、内面を炉体内に臨ませ、外面を炉体の
最外部分に臨ませて、炉壁の厚み方向に延ばして設けた
ことにある。
【0013】請求項4に記載の電気溶融炉は、請求項
1、請求項2又は請求項3の高熱伝導層を、他の炉壁部
分を構成する材料より、高熱伝導層が2倍ないし5倍の
値の熱伝導率を有する材料の耐火物で構成したことにあ
る。請求項5に記載の電気溶融炉は、請求項1、請求項
2、請求項3又は請求項4の高熱伝導層を黒鉛又炭化珪
素で構成したことにある。
【0014】請求項6に記載の電気溶融炉は、請求項
1、請求項2、請求項3又は請求項4の高熱伝導層を黒
鉛又炭化珪素で構成するとともに、この高熱伝導層の周
囲の炉壁部分をアルミナ、マグネシア、マグネシア酸化
クロム又はアルミナ酸化クロムから構成したことにあ
る。請求項7に記載の電気溶融炉は、請求項6の高熱伝
導層の周囲の炉壁部分のうち、炉内の溶融物と接する部
分をアルミナ酸化クロムにしたことにある。
【0015】
【作用】請求項1、請求項2、請求項3に記載の各電気
溶融炉によると、溶融物の表面および貯溜溶融物との境
界と対応する位置に設けた、熱伝導率が大きな高熱伝導
層により、それぞれの境界位置と対応する炉壁の内面か
ら入った熱は、他の内面部分よりも速やかに伝熱して外
部へ逃げる(放熱)。
【0016】このことは、侵食の最も激しいとされる炉
壁部分の熱応力を軽減させることになる。しかも、高熱
伝導層の熱を抜く作用により同部分の温度が下げられる
ことで、同部分の表面には溶融物の凝固層が形成される
から、侵食の最も激しいとされる炉壁部分は重点的に保
護され、溶融物による侵食作用も軽減される。したがっ
て、炉体の炉壁全体の侵食(消耗)は平均化され、炉壁
を構成する耐火物全体の寿命を平均化することができ
る。
【0017】それ故、保守のための炉体の耐火壁の施工
し直しを有効的に行うことができる。しかも、施工し直
し回数を少なくすることができるので、高価な耐火物の
消費を減少させることができる。
【0018】請求項4に記載の電気溶融炉によると、他
の部分より2倍ないし5倍の値の大きな熱伝導率の耐火
物で高熱伝導層を構成することによって、熱応力を軽減
させる作用と炉壁部分を保護する作用とを効果的に得る
ことができた。請求項5に記載の電気溶融炉によると、
黒鉛又は炭化珪素で高熱伝導層を構成することによっ
て、望ましい熱伝導性を得ることができた。
【0019】請求項6に記載の電気溶融炉によると、熱
伝導率が大きい高熱伝導層とその周囲の熱伝導率が小さ
い炉壁部分とは、同一系統の材料であるために、両者の
境界における熱の歪みを小さくすることができ、それに
よる影響を炉体に与えずにすむ。請求項7に記載の電気
溶融炉によると、溶融物と接する部分の表面において、
一定厚みをもつ溶融物の凝固層が形成しやすくなった。
【0020】
【実施例】以下、この発明を図1および図2に示す第1
の実施例にもとづいて説明する。図2は、この発明を適
用した電気溶融炉、例えばロックウール用電気溶融炉の
全体の断面を示し、図中1は炉体である。炉体1は、例
えば鋼製の炉殻2の内側に耐火物の壁を施工して、炉壁
3および炉底4を構成してなる。また炉体1の上部の開
口には炉蓋5が設けられている。そして、この炉蓋5を
貫通して、複数本、例えば2本のカーボン電極6,6が
設けられている。これにより、図示しない注入口からロ
ックウールの原料を炉内に入れて、カーボン電極6,6
から原料に通電することにより、原料を溶融できるよう
になっている。この溶融物7を貯溜した状態を図2に示
してある。なお、8は炉内に入れて、まだ溶融していな
い原料、9は炉底4に溜った酸化鉄(溶融鉄:貯溜溶融
物に相当)を示す。また炉体1の炉壁3には、局所侵食
を抑制するための構造が埋め込まれている。その構造の
詳細な構造となる炉壁3の拡大図が図1に示されてい
る。
【0021】図1について説明すれば、10は炉内に貯
溜された溶融物7の表面と炉内雰囲気との境界Aと対応
する高さ位置となる炉壁3の内部(中間)に埋め込まれ
た上段側の高熱伝導層である。また11は炉内に貯溜さ
れた溶融物7と酸化鉄9との境界Bと対応する高さ位置
となる炉壁3の内部(中間)に埋め込まれた下限側の高
熱伝導層であり、いづれの高熱伝導層10、11共、同
一高さで炉体1の周方向に沿って環状に設けてある。
【0022】高熱伝導層10,11は、いずれも炉壁3
の厚み方向に沿って延びている。そして、各高熱伝導層
10,11の内周面は炉壁3の内面全体に施してある高
温耐蝕性の高い耐火物層12に接し、外周面は炉殻2の
内面に設けた緩衝断熱層18に接している。なお、緩衝
断熱層18は炉壁3を構成する炉殻2と各耐火物との接
触性を良好し、熱膨張を吸収するためのものである。
【0023】また高熱伝導層10,11は、いずれも境
界A,Bの変動を考慮した所定の高さ寸法をもつ。例え
ば本実施例では、変動の上下限界より、それぞれ150
mmを加算した寸法に設定されている。つまり、高熱伝導
層10,11の各断面は、この高さ寸法をもつ矩形の断
面となる。
【0024】また高熱伝導層10,11には、他の炉壁
部分の耐火物より、熱伝導率が大きな耐火物が用いられ
ている。具体的には、例えば黒鉛煉瓦、SiC(炭化珪素
煉瓦)等の熱伝導率の良い耐火物で高熱伝導層10、1
1を構成し、それ以外の高熱伝導層10、11を包む周
囲の耐火物、すなわち溶融物7に直接触れる耐火物層1
2をAl2 3 /Cr2 3 煉瓦(アルミナ酸化クロム
煉瓦)、MgO/Cr2 3 煉瓦(マグネシア酸化クロ
ム煉瓦)などで構成し、その他の耐火物の層13をAl
2 3 煉瓦(アルミナ煉瓦)、MgO煉瓦(マグネシヤ
煉瓦)、MgO/Cr2 3 煉瓦(マグネシア酸化クロ
ム煉瓦)、あるいはAl2 3 /Cr23 煉瓦(アル
ミナ酸化クロム煉瓦)を主成分とする煉瓦かそれらの
粉、顆粒などで構成される不定形の耐火物で構成してい
る。
【0025】なお、これら耐火物の熱伝導率の値は、
「黒鉛煉瓦,SiC煉瓦:10〜20kcal/mh ℃」、
「Al2 3 :1.3〜1.9kcal/mh ℃」、「MgO
煉瓦:1.3〜3.0kcal/mh ℃」、「MgO/Cr2
3 煉瓦:2.5〜6.0kcal/mh ℃」、「Al2 3
/Cr2 3 煉瓦:1.5〜3.0kcal/mh ℃」であ
る。
【0026】このように熱伝導を抑えた炉壁3に高熱伝
導層10,11を埋設したことにより、各境界A,Bに
対応した炉壁3の内面部分から炉壁3の外側へ向かう部
分に、他の部分より高い伝熱性をもつ高熱伝熱帯を構成
している。
【0027】一方、炉殻2の外周面には冷却装置16を
構成する還流路14が設けられている。還流路14は、
例えば高熱伝導層10,11と対応する二点間の部分を
覆うように環状の管状体15を設けてなる。この管状体
15内に炉殻2の外周面が臨んでいる。この管状体15
には、還流路14に水、あるいは他の冷却媒体を還流さ
せるための還流装置17が接続されている。これによ
り、高熱伝導層10,11を通じ伝熱してくる境界A,
Bの近傍の熱の放熱を助けるべく、炉壁3を冷却するよ
うにしている。つぎに、このように構成された電気溶融
炉の作用について説明する。
【0028】玄武岩,安山岩等の岩石、あるいは金属の
精練滓、主として高炉スラグ、化学成分調整のための珪
石,ドロマイト,石灰等といった原料を注入口から炉内
に入れた後、カーボン電極6,6に通電する。これによ
り、原料は直接、通電により加熱されて溶融する。この
溶融した溶融物7が炉内に貯溜される。そして、この操
業を続けていくにしたがって生成(原料中の酸化鉄が炭
素によって還元されることによる)される鉄が次第に炉
底4に貯溜する。
【0029】ここで、炉壁3の内面および炉底4は、操
業中、常に高温(1600℃前後)の溶融物7による強
い化学的侵食作用と熱応力を受けているので、侵食して
次第に消耗する。
【0030】このとき、侵食が最も激しく起こりやすい
境界A,Bの位置の炉壁部分には、他の部分より熱伝導
率が大きな高熱伝導層10,11が埋設されているか
ら、溶融物7の表面、溶融物7の底層と接する各耐火物
層12の表面、すなわち境界A,Bの各位置と対応する
炉壁3の内面部分から入る熱は、高熱伝導層10,11
を伝熱するために、他の内面部分から入って他の耐火物
を伝熱する熱よりも速く伝熱し、炉殻2から還流炉14
を流れる冷却水(冷却媒体)へ放熱される。つまり、境
界A,Bの位置と対応する炉壁3の内面部分からの熱
は、他の部分からのときよりも、速やかに伝熱して外部
へ逃げる。
【0031】これにより、侵食の最も激しいとされる炉
壁部分の熱応力は軽減される。しかも、高熱伝導層1
0,11の熱を抜く作用により、境界A,Bの位置に対
応する炉壁3の内面部分の温度が下げられるので、同部
分の表面には溶融物7の凝固層が形成され、侵食の最も
激しいとされる炉壁部分を重点的に保護し、溶融物7に
よる化学的侵食作用を軽減する。したがって、炉壁全体
の侵食(消耗)は平均化される。つまり、炉壁3を構成
する耐火物全体の寿命を平均化することができる。
【0032】それ故、炉体3の保守に際しては、従来の
ように特定の部分で起きる寿命に合わせて炉体3の耐火
壁の施工し直しをせずに、炉体3の耐火壁全体の寿命に
合わせて炉体3の耐火壁の施工し直しを行うことがで
き、有効的な保守ができる。しかも、施工し直し回数も
少なくすることができるから、高価な耐火物の消費を減
少させることができ、保守の点で多くの利点をもたら
す。
【0033】実験によれば、他の耐火物よりも、高熱伝
導層10,11の熱伝導率が2倍あるいはそれ以上の値
のときで良好な結果が得られ、2倍ないし5倍の値のと
きでは、かなり顕著な効果(熱応力を低減させる作用,
炉壁部分を保護する作用)が得られた。しかも、実験に
よれば高熱伝導層10,11を黒鉛、SiC(炭化珪
素)で構成すると、望ましい熱伝導性が得られたことが
確認できた。
【0034】さらに、実験によれば上記実施例のように
高熱伝導層10,11を黒鉛、SiCで構成し、他の低
熱伝導率の耐火物の層12、13をAl2 3 (アルミ
ナ)、MgO(マグネシア)、MgO/Cr23 (マ
グネシア酸化クロム)、Al2 3 /Cr2 3 (アル
ミナ酸化クロム)を構成すると、同一系統の材料である
ために、両者の境界における熱の歪みを小さくすること
ができた。つまり、熱の歪みによる影響を炉体1に与え
ずにすむ利点をもたらす。
【0035】加えて、実験によれば上記実施例のように
高熱伝導層10,11の周囲の耐火物のうち、炉内の溶
融物7と接する耐火物層12をAl2 3 /Cr2 3
(アルミナ酸化クロム)で構成すると、耐火物層12の
表面に一定の厚みの凝固層を形成しやすく、安定した耐
侵食性能(炉壁部分を保護する作用)を得ることができ
るものであった。なお、特にアルミナと酸化クロムの耐
火物では高クロム質の煉瓦又はそれらの粉、顆粒などで
構成される不定型の耐火物は有効で、望ましくは酸化ク
ロムが約5%以上のものが顕著な効果を期待できた。
【0036】また、上記高熱伝導層10,11を用いた
構造は、局部的に熱を逃がす構造であるために、余分な
熱は炉体1の外部に逃がさずにすむようになり、炉体1
の全体としてのエネルギー効率は高い。
【0037】さらに高熱伝導層10,11だけでなく、
炉体1を冷却する冷却装置16を併用して、積極的に境
界A,Bの近傍の熱を逃がすようにしたことで、高い熱
量を安定して外部に逃がすことができ、それによって高
い能力を得ることができる。図3は、この発明の第2の
実施例を示す。
【0038】これは、第1の実施例のように炉壁3の中
間部に高熱伝導層10,11を設けたのではなく、炉壁
3の厚み方向に渡って高熱伝導層10,11を設けたも
のである。
【0039】詳しくは、第1の実施例では煉瓦構造であ
るために最も加工が容易となる断面が矩形の高熱伝導層
10,11を用いているが、第2の実施例は粉、顆粒な
どといった耐熱性をもつ不定型の高熱伝導材料を用い
て、炉壁3の厚み方向全体に渡り高熱伝導層10,11
を配設し、かつこれら高熱伝導層10,11の内周部の
形状を上下方向で広がる形状、例えば略三角形状に形成
している(不定形状)。そして、三角形状の部分20の
端を炉体1内に臨ませ、高熱伝導層10,11の外周面
側の端部を炉殻2の内面に臨ませている。
【0040】このように高熱伝導層10、11を設けて
も、第1の実施例と同様の効果を奏する。しかも、上下
に広がる部分20を形成した不定形状の耐火物で高熱伝
導層10、11を構成したことにより、たとえ境界A,
Bの高さが大幅に変動するような場合にでも、そのまま
対応できる。図4は、この発明の第3の実施例を示す。
【0041】これは、この発明をロックウ−ルを製造す
る電気溶融炉でなく、同種の電気溶融炉、例えば都市ご
みの焼却灰、集塵機の集塵灰、下水汚泥灰など、廃棄物
焼却灰30(被処理物)を溶融処理する電気溶融炉に適
用したものである。
【0042】こうした、ごみの最終物を溶融する電気溶
融炉でも、高熱伝導層10,11を設けることにより、
先の第1の実施例と同様、侵食の点を改善することがで
きる。
【0043】なお、図中31は炉体1の下部に設けられ
た、炉体1とその炉体1の内蔵物の重量が一定となるよ
うに廃棄物焼却灰30の投入量を制御するために用いる
ロ−ドセルを示す。但し、図3および図4において、第
1の実施例と同一構成部分には同一符号を付して、その
説明を省略した。
【0044】また、この第3の実施例に、第2の実施例
に示されるような高熱伝導層構造を適用してもよいこと
はいうまでもなく、このようにすれば上記した第2の実
施例で述べたような効果を奏する。
【0045】なお、上述したいずれの実施例も、還流式
の冷却装置を用いたが、これに限らず、例えば炉殻の外
面に水、あるいは各種添加物を加えた液体といった冷却
媒体をシャワー状に噴射して炉壁を冷却したり、水、あ
るいは各種添加物を加えた液体といった冷却媒体が流通
する管路を炉壁に埋設あるいは炉殻の外面に添設して炉
壁を冷却するようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように請求項1、請求項
2、請求項3に記載の発明によれば、侵食の最も激しい
とされる炉壁部分の熱応力を軽減させることができる。
とともに高熱伝導層の熱を抜く作用によって形成される
溶融物の凝固層により、侵食の最も激しい炉壁部分にお
ける侵食作用を軽減することができる。したがって、炉
体の炉壁全体の侵食は平均化され、炉壁を構成する耐火
物全体の寿命を平均化することができる。
【0047】それ故、保守のための炉体の耐火壁の施工
し直しを有効的に行うことができる。しかも、施工し直
し回数を少なくすることができるので、高価な耐火物の
消費を減少させることができる。そのうえ、高熱伝導層
を用いて局部的に熱を逃がす構造なので、余分な熱は炉
体の外部に逃がさずにすみ、炉体の全体としてのエネル
ギー効率は高い。請求項4に記載の発明によれば、上記
請求項1〜3の効果に加え、熱応力を軽減させる作用と
炉壁部分を保護する作用を効果的に得ることができる。
請求項5に記載の発明によれば、上記請求項1〜4の効
果に加え、望ましい熱伝導性を得ることができた。
【0048】請求項6に記載の発明によれば、上記請求
項1〜4の効果に加え、熱伝導率が大きい高熱伝導層と
その周囲の熱伝導率が小さい炉壁部分との境界における
熱の歪みを小さくすることができ、それによる影響を炉
体に与えずにすむ。
【0049】請求項7に記載の発明によれば、上記請求
項6の効果に加え、溶融物と接する部分の耐火物の表面
において、一定厚みをもつ溶融物の凝固層が形成しやす
くなり、安定した耐侵食性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例となるロックウ−ル用
の電気溶融炉の炉壁を拡大して示す断面図。
【図2】同実施例の電気溶融炉の全体を示す断面図。
【図3】この発明の第2の実施例となるロックウ−ル用
の電気溶融炉の炉壁を拡大して示す断面図。
【図4】この発明の第3の実施例となる廃棄物焼却灰用
の電気溶融炉の全体を示す断面図。
【符号の説明】
1…炉体、2…炉殻、3…炉壁、4…炉底、6…カーボ
ン電極、7…溶融物、9…酸化鉄(貯溜溶融物)、1
0,11…高熱伝導層、12…耐火物層、13…その他
の耐火物の層、16…冷却装置、A,B…境界。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F27D 1/12 F27D 1/12 Z

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料を溶融する炉体と、 この炉体内で溶融された溶融物の表面と炉内の雰囲気と
    の境界、前記溶融物と炉底に溜まる貯溜溶融物との境界
    の各位置と対応する前記炉体の炉壁部分の内部に構成さ
    れ、各境界と対応した炉壁の内面部分から炉壁の外側へ
    向かう伝熱性を高めるための、大きな熱伝導率を有する
    高熱伝導層とを具備したことを特徴とするロックウール
    用電気溶融炉。
  2. 【請求項2】 高熱伝導層は、炉壁の厚み方向中間部分
    に、炉壁の厚み方向に延びて設けられていることを特徴
    とする請求項1に記載の電気溶融炉。
  3. 【請求項3】 高熱伝導層は、内面が炉体内に臨み、外
    面が炉体の最外部分に臨んで、炉壁の厚み方向に延びて
    設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電気
    溶融炉。
  4. 【請求項4】 高熱伝導層は、他の炉壁部分を構成する
    材料より、熱伝導率が2倍ないし5倍の値の熱伝導率を
    有する材料の耐火物で構成されていることを特徴とする
    請求項1、請求項2又は請求項3に記載の電気溶融炉。
  5. 【請求項5】 高熱伝導層は、黒鉛又炭化珪素で構成さ
    れていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項
    3又は請求項4に記載の電気溶融炉。
  6. 【請求項6】 高熱伝導層を黒鉛又炭化珪素で構成する
    とともに、この高熱伝導層の周囲の炉壁部分をアルミ
    ナ、マグネシア、マグネシア酸化クロム又はアルミナ酸
    化クロムから構成したことを特徴とする請求項1、請求
    項2、請求項3又は請求項4に記載の電気溶融炉。
  7. 【請求項7】 高熱伝導層の周囲の炉壁部分のうちの炉
    内の溶融物と接する部分はアルミナ酸化クロムであるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の電気溶融炉。
JP4121765A 1991-05-17 1992-05-14 電気溶融炉 Expired - Lifetime JP2528586B2 (ja)

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