JPWO2011039830A1 - 有機elデバイス - Google Patents

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Abstract

本発明は、基板と、前記基板の上に形成される有機EL素子と、前記有機EL素子の上に形成される封止膜とを備える有機ELデバイスであって、前記封止膜が、Hを含有する窒化ケイ素膜であり、前記H含有窒化ケイ素膜中のH含有量が、0.85〜0.95at%である有機ELデバイスを提供する。

Description

本発明は、ディスプレイ用途において有用な有機ELデバイスとその製造方法に関するものである。
近年、ディスプレイ用途において、自発光型の有機EL素子を用いた有機ELデバイスの研究が盛んに行われている。有機ELデバイスは、高い発光輝度および発光効率を実現することが期待されている。なぜなら、低電圧で高い電流密度が実現できるからである。特に、マルチカラー表示、特にフルカラー表示が可能な高精細な多色発光有機ELデバイスの実用化が、ディスプレイの技術分野において期待されている。
有機ELデバイスをカラーディスプレイとして実用化する上での重要な課題は、高い精細度を実現することに加えて、色再現性を含め長期的な安定性を有することである。しかしながら、多色発光有機ELデバイスには、一定期間の駆動により発光特性(電流−輝度特性)が著しく低下するという欠点を有している。
この発光特性の低下原因の代表的なものは、ダークスポットの成長である。「ダークスポット」とは、発光欠陥点を意味する。このダークスポットは、素子中の酸素または水分により、駆動時および保存中に有機EL素子の構成層の材料の酸化または凝集が進行することによって、発生すると考えられている。ダークスポットの成長は、通電中はもちろん、保存中にも進行する。特に、ダークスポットの成長は、(1)素子の周囲の外部環境に存在する酸素または水分により加速され、(2)構成層中に吸着物として存在する酸素または水分に影響され、および(3)デバイス製造に用いられる部品に吸着している水分あるいは製造時における水分の浸入に影響される、と考えられている。その成長が継続すると、ダークスポットが有機ELデバイスの発光面全体に広がっていく。
従来、有機EL素子の構成層への水分の浸入を防止する手段として、金属缶、ガラス板を用いて有機EL素子を封止する方法、あるいは、有機EL素子を封止した空間内に乾燥剤を配置する方法が行われてきている。しかしながら、軽量かつ薄型という有機ELデバイスの特徴を生かすために、乾燥剤を用いずに、薄膜で封止する技術が注目されている。
封止用の薄膜として、酸化ケイ素、窒化ケイ素、窒化酸化ケイ素などが用いられている。例えば、特許文献1では、酸化ケイ素を使用する封止用の膜について開示している。しかし、酸化ケイ素は、酸素および水分の透過性の点で劣るため、ダークスポットの発生を抑制することはできない。特許文献2では、窒化ケイ素を使用する封止用の膜について開示している。しかし、特許文献2では、パーティクルを封止する手段およびクラックの発生を抑制する手段については開示されていない。また、特許文献3では、SiH、N、NHを反応ガスとして使用する封止用の膜について開示している。特許文献4では、SiH、N、Hを反応ガスとして使用する封止用の膜について開示している。
有機ELデバイス、特にボトムエミッション型構造では、ガラス基板上にカラーフィルター層およびCCM層(色変換層)が形成され、その段差を埋めるためにポリイミドシリコン樹脂などの有機樹脂により平坦化層(オーバーコート層)が形成される。さらにこの平坦化層からの残留水分が有機EL層へ拡散するのを防ぐために、SiO、SiNなどのパッシベーション層が設けられる。その後、ITO、IZOなどの透明電極を陽極としてストライプ状に形成し、その上に逆テーパー形状の陰極分離層を透明電極と直交するストライプ状に形成する。その後、発光層である有機EL層が形成され、さらにその上部にアルミ等の反射電極を陰極として形成する。発光層である有機EL層は、酸素および水分に極めて弱いため、僅かに剥き出した部分および陰極の欠陥部分から大気あるいは水分が浸入し、有機EL層に到達するとDA(ダークエリア)またはDS(ダークスポット)といった発光欠陥点に成長する。また、陰極(反射電極)も酸化して導電性および反射率が悪くなる恐れがある。そこで、酸素および水分を極限まで抑えたチャンバー内で、吸湿剤とともにカバーガラスなどの封止基板を、紫外線硬化するエポキシ樹脂などで封止し、空気および水分の浸入を防ぐのが一般的である。しかし、カバーガラスなどの封止基板による封止方法では、有機ELデバイスに対向する位置に吸湿剤を入れているため、上部より光を取り出すトップエミッション型構造を有する有機ELデバイスには適さない。
特開2001−176653号公報 特開2005−183147号公報 特開2005−285659号公報 特開2004−63304号公報
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、水分および酸素の遮断性に優れた、かつ、有機EL素子の劣化を防ぐことができる有機ELデバイスとその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、基板と、前記基板の上に形成される有機EL素子と、前記有機EL素子の上に形成される封止膜とを備える有機ELデバイスであって、前記封止膜が、Hを含有する窒化ケイ素膜であり、前記H含有窒化ケイ素膜中のH含有量が、0.85〜0.95at%である有機ELデバイスを提供する。
また、本発明は、基板上に有機EL素子を形成するステップと、前記有機EL素子上に封止膜を形成するステップとを少なくとも含む有機ELデバイスの製造方法であって、前記封止膜を形成するステップが、水素原子または水素分子を含有する窒化ケイ素膜を形成するために、SiHと、NHと、Nと、Hとを、前記Hの添加流量を前記Nの流量に対して1〜5体積%として混合する段階を少なくとも含む有機ELデバイスの製造方法を提供する。
本発明においては、水分および酸素の遮断性に優れた、かつ、有機EL素子の劣化を防ぐことができる有機ELデバイスとその製造方法を提供することができる。
本発明の有機ELデバイスを示す概略図である。 本発明の有機ELデバイスの1つの例を示す断面図である。 窒化ケイ素膜の成膜時のガス圧と内部応力の関係を示すグラフである。
図1は本発明の有機ELデバイスを示す概略図である。本発明の有機ELデバイスは、基板10と、前記基板10の上に形成される有機EL素子20と、前記有機EL素子20の上に形成される封止膜30とを少なくとも含む。
基板10は、特に限定されるものではなく、一般的に使用される任意の材料を用いて形成することができる。基板は、他の構成層の形成に用いられる種々の条件(例えば、使用される溶媒、温度等)に耐えることができる任意の材料を用いて形成することができる。また、基板は、優れた寸法安定性を有することが望ましい。基板を形成するのに用いられる透明材料は、ガラス、あるいは、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリ速度などのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタ速度などのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびポリイミド樹脂などの樹脂を含む。前述の樹脂を用いる場合、基板は、剛直性であっても可撓性であってもよい。あるいはまた、特にトップエミッション型有機ELデバイスの場合、基板を、シリコン、セラミックなどの不透明材料を用いて形成してもよい。絶縁性、および有機EL素子の形態を保持できる剛性を有する平坦な材料を用いて形成することができる。
有機EL素子20は、特に限定されるものではなく、一般的に使用される任意の材料を用いて形成することができ、2つの電極に挟まれた有機EL層を備える。
封止膜30は、酸素および水分が有機EL素子20へ透過するのを防ぐために、前記有機EL素子20の上に形成される。本発明における封止膜30は、窒化ケイ素(SiN)である。封止膜30は、CVD法のような方法を用いて形成することができる。封止膜30の形成は、有機EL素子20上への成膜である。そのため、成膜の際に有機EL素子20にダメージを与えないように、成膜到達温度は100℃以下に抑えることが好ましい。
また、封止膜30として酸素および水分の透過を抑えるためには、窒化ケイ素膜の膜質を緻密にすることが有効である。そのためには、CVD法を用いて成膜する際、窒化ケイ素膜の成膜速度を2.8nm/sec以下にすることが好ましい。
成膜速度の調整として、例えばCVD装置のRf出力を上げ、反応ガス(SiH、NH、N)流量を多くすることにより、成膜速度を上げることができる。成膜速度を上げること、すなわち成膜処理時間を短縮することは、封止膜としてのカバレッジ性およびパッシベーション性に影響を与える。成膜速度が2.8nm/secでは、凹凸のあるパターンに対して窒化ケイ素膜がしっかり覆っている。成膜速度が3.0nm/secを超えると、凹凸上の窒化ケイ素膜の一部に膜厚の薄い部分が見られるようになる。成膜速度が3.58nm/secでは、凹凸の角の部分にひび割れが見られるようになる(表1)。したがって、パッシベーション性を保つためには、窒化ケイ素膜の成膜速度を好ましくは3.0nm/sec、より好ましくは2.8nm/sec以下にすることが好ましい。成膜速度の下限については、遅すぎると生産性の低下を招くため、好ましくは2.1nm/secである。
本発明では、窒化ケイ素膜の成膜時に、反応ガスとして水素(Hガス)を添加することにより、封止膜30が水分と反応しにくくする。これは、ある一定量の水素添加により、窒化ケイ素膜表面のダングリングボンドが低減し、窒化ケイ素分子状態が安定化するためである。CVD装置に供給されたSiHガスおよびNHガスは、成膜室内でラジカル分子に分解され、再結合することによって基板上に窒化ケイ素(SiN)膜として堆積する。実際には、窒化ケイ素膜中にもH(水素原子)が取り込まれており、SiNH膜とも言うことができる。SiNH膜中のH含有率は、反応ガスであるSiHガスおよびNHガスの混合比に依存しており、これらの反応ガスの混合比によって水素の吸収量が変動する。したがって、Hガスの添加流量により、SiNH膜中のH含有率を変化させることができる。Hガスの添加流量は、反応ガスであるNガスの流量に対して1〜5体積%である。この範囲であれば、窒化ケイ素膜(SiNH膜)中のH含有量が0.85〜0.95at%(atomic percent)となる。1体積%未満では水分透過量が増加し、5体積%を超えると窒化ケイ素膜の色変化が見られ、カバレッジ性の低下の促進による水分透過量が増加する。窒化ケイ素膜中のH含有量は、RBS分析法を用いて測定できる。
一方、DA(ダークエリア)またはDS(ダークスポット)が発生する要因の一つとして、パーティクルの存在が挙げられる。封止膜30がパーティクルをカバーしきれない場合、封止膜30のカバレッジ性が悪い場合には、封止膜30は水分または酸素を透過させてしまい、DAまたはDSに発展する。特に、有機EL素子20の第二電極上に封止膜30を有する態様において、第二電極の形成時および電極分離壁の形成時にパーティクルが発生した場合、その大きさは大きなものでは1μm程度となる。このパーティクルを封止するために、封止膜30の膜厚は1〜5μmであることが好ましく、より好ましい膜厚の下限は3μmである。膜厚が5μmを超えると、窒化ケイ素膜自身のパーティクルを増やすこととなり、封止膜としては適さない場合がある。
また、窒化ケイ素膜は内部応力が大きいため、経時変化により窒化ケイ素膜自身にクラックおよび剥離が生じる恐れがある。そのため、窒化ケイ素膜をCVD法により成膜する際のガス圧を、内部応力の絶対値が50MPa以下となるように調整することが好ましい。ここで、応力がプラス側の場合、窒化ケイ素膜は引張り方向に、マイナス側の場合、窒化ケイ素膜は圧縮方向に力が働く。応力がプラス50MPaを超えると、窒化ケイ素膜は全て剥離し、マイナス50MPa未満の場合には、窒化ケイ素膜の全面にクラックが発生するためである。内部応力は、光学式非接触反り測定法を用いて測定される。
以下、本発明の有機ELデバイスを図2に示す例に基づき説明する。図2は本発明の有機ELデバイスの1つの例である。図2の有機ELデバイスは、ボトムエミッション型有機ELデバイスである。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
基板10は、その表面上に、複数のスイッチング素子(TFTなど)および配線などをさらに含んでもよい。この構成は、複数の独立した発光部を有するアクティブマトリクス駆動型有機ELデバイスの作製に有効である。
基板10と有機EL層22との間に位置する第一電極21、および有機EL層22の基板10とは反対側に位置する第二電極23は、有機EL層22へのキャリア注入および外部駆動回路との接続の機能を有する。第一電極21、有機EL層22、および第二電極23は、有機EL素子20を構成する。第一電極21および第二電極23は、それぞれ、陽極(正孔注入電極)または陰極(電子注入電極)のいずれであってもよい。ただし、第一電極21および第二電極23のいずれか一方は陽極であり、他方は陰極である。また、第一電極21および第二電極23は、いずれか一方が透明電極であることを条件として、反射電極であっても透明電極であってもよい。トップエミッション型構造においては、第一電極21が反射電極であることが望ましく、第二電極23が透明電極である。ボトムエミッション型構造においては、第二電極23が反射電極であることが望ましく、第一電極21は透明電極である。
第一電極21または第二電極23として用いられる反射電極は、高反射率の金属(アルミニウム、銀、モリブデン、タングステン、ニッケル、クロムなど)またはそれらの合金、あるいはアモルファス合金(NiP、NiB、CrP。もしくはCrBなど)を用いて形成することができる。可視光に対して80%以上の反射率を得ることができるという観点から、特に好ましい材料は、銀合金を含む。用いることができる銀合金は、銀と、第10族のニッケルまたは白金、第1族のルビジウム、および第14族の鉛からなる群から選択される少なくとも1種の金属との合金、あるいは、銀と、第2族のマグネシウムおよびカルシウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属との合金を含む。
第一電極21または第二電極23として用いられる透明電極は、SnO、In、In−Sn酸化物、In−Zn酸化物、ZnO、またはZn−Al酸化物などの導電性金属酸化物を用いて形成することができる。透明電極は、有機EL層からの発光を外部に取り出すための経路となることから、波長400〜800nmの範囲内で50%以上、好ましくは85%以上の透過率を有することが望ましい。
第一電極21および第二電極23は、抵抗加熱方式または電子ビーム加熱方式の蒸着法、またはスパッタ法を用いて形成することができる。蒸着法の場合、1.0×10−4Pa以下の圧力において、0.1〜100nm/秒の成膜速度で成膜を行うことができる。一方、DCマグネトロンスパッタ法などのスパッタ法の場合、スパッタガスとしてArなどの不活性ガスを用い、0.1〜2.0Pa程度の圧力において成膜を行うことができる。第二電極23をスパッタ法で形成する場合、被成膜基板の表面となる有機EL層22の劣化を防止するため、ターゲット近傍に形成されるプラズマを有機EL層22に直接照射しないことが好ましい。
電極短絡防止のために、第一電極21上に電極分離壁を形成してもよい。電極分離壁は、逆テーパー状の断面形状を有している。電極分離壁は、CVD法又はスパッタ法を用いて形成することができる。
有機EL層22は、第一電極21と第二電極23との間に位置し、それぞれの電極と接触している。発光部の中核をなす層である。有機EL層22は、少なくとも発光層を含み、必要に応じて正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層および/または電子注入層を含む。例えば、有機EL層22は、下記のような層構成を有することができる。
(1)陽極/発光層/陰極
(2)陽極/正孔注入層/発光層/陰極
(3)陽極/発光層/電子注入層/陰極
(4)陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極
(5)陽極/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
(6)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極
(7)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
なお、上記(1)〜(7)の各構成において、陽極および陰極は、それぞれ第一電極21または第二電極23のいずれかである。
発光層は、公知の材料を用いて形成することができる。青色から青緑色の発光を得るための材料は、例えば、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物もしくはベンゾオキサゾール系化合物のような蛍光増白剤;トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウム錯体(Alq)に代表されるアルミニウム錯体のような金属キレート化オキソニウム化合物;4,4´−ビス(ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)のようなスチリルベンゼン系化合物;芳香族ジメチリディン系化合物;縮合芳香環化合物;環集合化合物;およびポルフィリン系化合物などを含む。
あるいはまた、ホスト化合物にドーパントを添加することによって、種々の波長域の光を発する発光層を形成することもできる。この場合、ホスト化合物としては、ジスチリルアリーレン系化合物、N,N´−ジトリル−N,N´−ジフェニルビフェニルアミン(TPD)、Alqなどを使用することができる。一方、ドーパントとしては、ペリレン(青紫色)、クマリン6(青色)、キナクリドン系化合物(青緑色〜青色)、ルブレン(黄色)、4−ジシアノメチレン−2−(p−ジメチルアミノスチリル)−6−メチル−4H−ピラン(DCM、赤色)、白金オクタエチルポルフィリン錯体(PtOEP、赤色)などを使用することができる。
正孔輸送層は、トリアリールアミン部分構造、カルバゾール部分構造、またはオキサジアゾール部分構造を有する材料を用いて形成することができる。正孔輸送層の好ましい材料は、TPD、4,4´−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD),MTDAPB(o−,m−,p−)、m−MTDATAなどを含む。正孔注入層は、銅フタロシアニン錯体(CuPc)などを含むフタロシアニン(Pc)類、インダンスレン系化合物などの材料を用いて形成することができる。
電子輸送層は、Alqのようなアルミニウム錯体、PBDもしくはTPOBのようなオキサジアゾール誘導体、TAZのようなトリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、フェニルキノキサリン類、BMB−2Tのようなチオフェン誘導体などの材料を用いて形成することができる。電子注入層は、Alqのようなアルミニウム錯体、またはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属をドープしたアルミニウムのキノリノール錯体などの材料を用いて形成することができる。
以上のような各構成層に加えて、任意選択的に、有機EL層22と陰極として用いる第一電極21または第二電極23のいずれかとの間に、キャリア注入効率をさらに高めるためのバッファ層を任意選択的に形成することもできる。バッファ層は、アルカリ金属、アルカリ土類金属もしくはそれらの合金、または希土類金属、あるいはそれら金属のフッ化物などの電子注入性材料を用いて形成することができる。
さらに、有機EL層22の上表面に、第二電極23の形成時のダメージを緩和するために、MgAgなどからなるダメージ緩和層を形成することも好ましい。
有機EL層22を構成する各層は、所望の特性を実現するのに十分な膜厚を有することが重要である。発光層、正孔輸送層、電子輸送層および電子注入層が2〜50nmの膜厚を有し、正孔注入層が2〜200nmの膜厚を有することが望ましい。また、任意選択的なバッファ層は、駆動電圧低減および透明性向上の観点から、10nm以下の膜厚を有することが好ましい。
有機EL層22の各構成層、バッファ層およびダメージ緩和層は、蒸着(抵抗加熱蒸着または電子ビーム加熱蒸着)などの当該技術において知られている任意の手段を用いて作製することができる。
色変換フィルター層40は、有機EL層22からの発光の色相を調整するための層である。本発明における「色変換フィルター層」は、カラーフィルター層、色変換層、およびカラーフィルター層と色変換層との積層体の総称である。
カラーフィルター層は、特定の波長域の光を透過させる層である。カラーフィルター層は、有機EL層22または色変換層からの光の色純度を向上させる機能を有する。カラーフィルター層は、市販のフラットパネルディスプレイ用カラーフィルター材料(例えば、富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ社製のカラーモザイクなど)を用いて形成することができる。カラーフィルター層の形成には、スピンコート、ロールコート、キャスト、ディップコートなどの塗布法を用いることができる。また、塗布法によって形成した膜を、フォトリソグラフ法などによってパターニングして、所望のパターンを有するカラーフィルター層を形成してもよい。
色変換層は、特定の波長域の光を吸収して波長分布変換を行い、異なる波長域の光を放出する層である。色変換層は、少なくとも蛍光色素を含み、必要に応じてマトリクス樹脂を含んでもよい。蛍光色素は、有機EL層22からの光を吸収し、所望の波長域(例えば、赤色領域、緑色領域または青色領域)の光を放射する。
青色から青緑色領域の光を吸収して、赤色領域の蛍光を放射する蛍光色素は、例えば、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2などのローダミン系色素;シアニン系色素;1−エチル−2−[4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]−ピリジニウム−パークロレート(ピリジン1)などのピリジン系色素;およびオキサジン系色素を含む。あるいはまた、前述のような蛍光性を有する各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)を用いてもよい。
青色から青緑色領域の光を吸収して、緑色領域の蛍光を放射する蛍光色素は、例えば、3−(2´−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2´−ベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、3−(2´−N−メチルベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン30)、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジン(9,9a,1−gh)クマリン(クマリン153)などのクマリン系色素;ソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116などのナフタルイミド系色素;および、ベーシックイエロー51などのクマリン色素系染料などを含む。あるいはまた、前述のような蛍光性を有する各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)を用いてもよい。
色変換層のマトリクス樹脂としては、アクリル樹脂、種々のシリコーンポリマー、またはそれらに代替可能な任意の材料を用いることができる。例えば、マトリクス樹脂として、ストレート型シリコーンポリマー、変性樹脂型シリコーンポリマーを用いることができる。
色変換層は、スピンコート、ロールコート、キャスト、ディップコートなどの塗布法、あるいは蒸着法を用いて形成することができる。複数種の蛍光色素を用いて色変換層を形成する場合には、所定の比率の複数種の蛍光色素、およびマトリクス樹脂を混合して予備混合物を形成し、当該予備混合物を用いて蒸着を行うこともできる。あるいはまた、共蒸着法を用いて、色変換層を形成してもよい。共蒸着法は、複数種の蛍光色素のそれぞれを別個の加熱部位に配置し、それらを別個に加熱することによって実施される。必要に応じて、蛍光色素とマトリクス樹脂との混合物を加熱部位に配置して、蒸着源として用いてもよい。特に、複数種の蛍光色素の特性(蒸着速度および/または蒸気圧など)が大きく異なる場合には、共蒸着法を用いることが有利である。
基板10と第一電極21との間に色変換フィルター層40を形成する場合、色変換フィルター層40を覆うように平坦化層50を形成することが望ましい。平坦化層50は、有機EL素子20を形成するための面を平坦にして、有機EL素子中の断線および短絡などの故障の発生を防止する点において有効である。平坦化層50は、光硬化性樹脂、光熱併用硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いて形成することができる。平坦化層50は、スピンコート、ロールコート、キャスト、ディップコートなどの塗布法を用いて形成することができる。
この平坦化層50に含まれる残留水分が有機EL層22へ拡散するのを防ぐために、平坦化層50を覆うようにパッシベーション層60を形成してもよい。パッシベーション層60は、絶縁性酸化物(SiO、TiO、ZrO、AlOなど)、絶縁性窒化物(AlN、SiNなど)、無機酸化窒化物(SiONなど)を用いて形成することができる。パッシベーション層60は、プラズマCVD法のような方法を用いて形成することができる。
酸素および水分が有機EL素子20へ透過するのを防ぐために、本発明においては、第二電極23および電極分離壁上に封止膜30を形成する。詳細については上述した通りである。
次に、本発明の有機ELデバイスの製造方法について説明する。まず、基板10を準備する。基板10の上に、有機EL層22を第一電極21および第二電極23で挟んだ有機EL素子20を形成し、さらに封止膜30を形成する。色変換フィルター層40を形成する場合は、基板10と第一電極21との間に形成する。この色変換フィルター層40を形成する場合、色変換フィルター層40を覆うように平坦化層50を形成することが望ましい。さらに、平坦化層50を覆うようにパッシベーション層60を形成してもよい。
図2は、単一の発光部を備える有機ELデバイスの一例である。しかしながら、本発明の有機ELデバイスは、独立して制御される複数の発光部を備えてもよい。例えば、第一電極および第二電極の両方を複数のストライプ状電極からなる電極群とし、第一電極を構成するストライプ状電極の延在方向と第二電極を構成するストライプ状電極の延在方向とを交差させて、いわゆるパッシブマトリクス駆動の有機ELデバイスを形成してもよい。ここで、任意の画像および/または文字を表示するディスプレイ用途においては、第一電極を構成するストライプ状電極の延在方向と第二電極を構成するストライプ状電極の延在方向とを直交させることが好ましい。あるいはまた、第一電極を複数の部分電極に分割し、複数の部分電極のそれぞれを基板上に形成されたスイッチング素子と1対1に接続し、第二電極を一体型の共通電極として、いわゆるアクティブマトリクス駆動の有機ELデバイスを形成してもよい。
なお、パッシブマトリクス駆動型デバイスおよびアクティブマトリクス駆動型デバイスのいずれの場合においても、第一電極を構成する複数の部分電極の間に絶縁膜を設けることが望ましい。絶縁膜は、絶縁性酸化物(SiO、TiO、ZrO、AlOなど)、絶縁性窒化物(AlN、SiNなど)、または高分子材料などを用いて形成することができる。
さらに、独立して制御される複数の発光部を有する構成において、複数種の色変換フィルター層を用いて、多色表示が可能な有機ELデバイスを形成することができる。例えば、赤色、緑色および青色の色変換フィルター層を用いて、赤色、緑色および青色の副画素を構成し、3色の副画素を1組とする画素をマトリクス状に配列することによってフルカラーディスプレイが可能な有機ELデバイスを形成することができる。
トップエミッション型有機ELデバイスの場合は、薄膜トランジスタなどを備える基板上に、有機EL層を第一電極および第二電極で挟んだ有機EL素子を形成し、さらに窒化ケイ素からなる封止膜を形成する。その後、カラーフィルター層およびCCM層(色変換層)を形成した基板を、封止膜の有機EL素子側の面とは反対の面に貼り合わせることによって得られる。
以下、本発明の実施例、比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<成膜速度の最適化>
試験例1a
レーザーで深さ1μmの凹凸状のパターンが形成されたSiウェハー上に、3μmの窒化ケイ素膜を堆積させ、その断面をSEMで観察した。成膜条件は、Rf出力を1.0kw、SiHガス流量を60sccm、NHガス流量を50sccm、Nガス流量を2500sccm、成膜速度を2.80nm/secとした。
評価方法は、凹凸状パターンのエッジ部分において、ひび割れ状が観察されたものを×、ひび割れはないが窒化ケイ素膜の表面に凹みがあるものを△、均一に覆われているものを○とした。観察結果を表1に示す。
試験例1b〜1c
表1に記載の成膜条件により、試験例1aと同様に行った。成膜条件および観察結果を表1に示す。
Figure 2011039830
表1より、試験例1aでは、凹凸のあるパターンに対して窒化ケイ素膜がしっかり覆っていた。試験例1bでは、凹凸上の窒化ケイ素膜の一部に膜厚の薄い部分が見られた。試験例1cでは、凹凸の角の部分にひび割れが見られた。したがって、成膜速度を2.8nm/sec以下とすることが好適であることが示された。
<窒素流量に対する水素添加量の最適化>
試験例2a
蒸着法により、50mm四方のガラス基板上に、カルシウム(Ca)を約100nmの膜厚で成膜した。その後、大気暴露を行わず、窒素雰囲気で管理されたグローブボックスを通して、CVD法により、カルシウム膜上に窒化ケイ素膜を3μmの膜厚で成膜した。成膜条件は、SiHガス流量を60sccm、NHガス流量を50sccm、Nガス流量を2500sccm、Hガス流量を0sccmとした。得られたサンプルを95℃、50RH%の恒温槽に1000時間放置し、1000時間放置後におけるカルシウム膜の非変質部の面積比を測定した。測定結果を表2に示す。
試験例2b〜2g
表2に記載の成膜条件により、試験例2aと同様に行った。成膜条件および測定結果を表2に示す。
Figure 2011039830
表2より、水素添加量が125sccm以下のとき、非変質部の面積比は高い値を示しており、水素添加量が130sccmを超えると、非変質部の面積比は小さくなることが示された。
<窒化ケイ素膜の成膜時のガス圧と内部応力の関係>
CVD法により、成膜条件をSiHガス流量が60sccm、NHガス流量が50sccm、Nガス流量が2500sccm、Hガス添加なしとし、窒化ケイ素膜を成膜した。成膜時のガス圧を変化させ、各ガス圧によって得られた窒化ケイ素膜の内部応力を測定した。内部応力は、光学式非接触反り測定法を用いて測定された。図3に窒化ケイ素膜の成膜時のガス圧と内部応力の関係を示す。
応力がプラス側の場合、窒化ケイ素膜は引張り方向に、マイナス側の場合、窒化ケイ素膜は圧縮方向に力が働く。図3より、成膜時のガス圧が高いほど、内部応力は引張り方向になる傾向が示された。また、ガス圧が100Paの時、内部応力は±10MPaであり、最も内部応力が小さくなる条件となることが示された。
図3の条件を元に、CVD法により、Siウェハー上に、3μmの窒化ケイ素膜を、応力が±50MPaを超えるようにガス圧を調整することによって成膜した。得られたサンプルを液温75℃の20質量%水酸化カリウム水溶液に30分間浸漬した。比較のため、同様の方法で応力が0MPaである窒化ケイ素膜を成膜し、得られたサンプルを同様に浸漬した。
その結果、応力が+50MPaを超えた場合、浸漬により、窒化ケイ素膜は全て剥離した。また、応力が−50MPa未満の場合、窒化ケイ素膜の全面にクラックが発生した。
実施例1
赤、緑、青(以下、RGBとする)の3色を発光させるために、基板上に、カラーフィルター層およびCCM層(色変換層)を形成した。その後、ポリイミド変性シリコーン樹脂を用いて平坦化層を形成した。次に、スパッタ法により、第2酸化物層であるSiO膜を300nmの膜厚で成膜した。スパッタターゲットには、ホウ素ドープ型のSiターゲットを用い、スパッタガスには、ArおよびO混合ガスを用いた。次に、DCスパッタリング法(ターゲット:IZO(In−10%ZnO)、スパッタガス:Ar、パワー:250W)によって、厚さ220nmのIZOを積層して陽極を形成し、フォトリソグラフィによりIZOを所定のパターンに形成した。その後、フォトプロセスによって、発光させる部位に窓を開けるようにシャドウマスクを形成した。マスク開口部の大きさは、約80×240μmである。次に、IZOのデータライン上に並んだシャドウマスクの窓の隙間に、IZOと直交する方向に陰極分離壁を配置し、マトリクス駆動の構造を作製した。次に、真空中で、有機EL層を蒸着により成膜した後、真空を破らずに膜厚200nmのAl電極をIZOと直交するパターンに形成した。次に、有機EL層が大気暴露しないように乾燥窒素雰囲気下で平行平板型CVD装置に仕込み、窒化ケイ素膜を成膜した。成膜条件は、SiHガス流量を60sccm、NHガス流量を50sccm、Nガス流量を2500sccm、Hガス流量を30sccm、ガス圧を100Pa、RF印加電力を1000Wとした。このときの窒化ケイ素膜の内部応力は−20Paであった。基板ステージの温度は80℃とし、窒化ケイ素膜の膜厚が3000nmとなるように成膜時間を調整した。このときの窒化ケイ素膜の屈折率は1.88であった。その後、ガラス基板とUV硬化接着剤を用い、グローブボックス内で封止した。
比較例1
窒化ケイ素膜の成膜条件は、SiHガス流量を60sccm、NHガス流量を50sccm、Nガス流量を2500sccm、Hガス流量を300sccm、ガス圧を145Pa、RF印加電力を1000Wとした。基板ステージの温度は80℃とし、窒化ケイ素膜の膜厚が3000nmとなるように成膜時間を調整した。このときの窒化ケイ素膜の屈折率は1.91であった。その他の条件は、実施例1と同様に行った。
比較例2
窒化ケイ素膜の成膜条件は、SiHガス流量を60sccm、NHガス流量を50sccm、Nガス流量を2500sccm、Hガス添加なし、ガス圧を90Pa、RF印加電力を1000Wとした。このときの窒化ケイ素膜の内部応力は−60Paであった。基板ステージの温度は80℃とし、窒化ケイ素膜の膜厚が3000nmとなるように成膜時間を調整した。このときの窒化ケイ素膜の屈折率は1.88であった。その他の条件は、実施例1と同様に行った。
実施例1および比較例1〜2で得られた有機ELディスプレイについて、信頼性評価を行った。得られた有機ELディスプレイを60℃、95%環境下で1000時間放置し、1000時間放置後の100cmあたりのダークスポットの個数を観察し、この個数を300ピクセル分収集してその平均値を算出した。表3に、その算出結果を示す。
Figure 2011039830
表3より、比較例1〜2と比較して、実施例1で得られた有機ELディスプレイではダークスポットの数を抑制できたことが示された。
10 基板
20 有機EL素子
21 第一電極
22 有機EL層
23 第二電極
30 封止膜
40 色変換フィルター層
50 平坦化層
60 パッシベーション層
図1は本発明の有機ELデバイスを示す概略図である。本発明の有機ELデバイスは、基板10と、前記基板10の上に形成される有機EL素子20と、前記有機EL素子20の上に形成される封止膜30とを少なくとも含む。
基板10は、特に限定されるものではなく、一般的に使用される任意の材料を用いて形成することができる。基板は、他の構成層の形成に用いられる種々の条件(例えば、使用される溶媒、温度等)に耐えることができる任意の材料を用いて形成することができる。また、基板は、優れた寸法安定性を有することが望ましい。基板を形成するのに用いられる透明材料は、ガラス、あるいは、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、およびポリイミド樹脂などの樹脂を含む。前述の樹脂を用いる場合、基板は、剛直性であっても可撓性であってもよい。あるいはまた、特にトップエミッション型有機ELデバイスの場合、基板を、シリコン、セラミックなどの不透明材料を用いて形成してもよい。絶縁性、および有機EL素子の形態を保持できる剛性を有する平坦な材料を用いて形成することができる。
有機EL素子20は、特に限定されるものではなく、一般的に使用される任意の材料を用いて形成することができ、2つの電極に挟まれた有機EL層を備える。

Claims (5)

  1. 基板と、前記基板の上に形成される有機EL素子と、前記有機EL素子の上に形成される封止膜とを備える有機ELデバイスであって、
    前記封止膜が、Hを含有する窒化ケイ素膜であり、
    前記H含有窒化ケイ素膜中のH含有量が、0.85〜0.95at%である
    有機ELデバイス。
  2. 前記窒化ケイ素膜の膜厚が、1000〜5000nmである請求項1に記載の有機ELデバイス。
  3. 前記窒化ケイ素膜の内部応力の絶対値が、50MPa以下である請求項1に記載の有機ELデバイス。
  4. 基板上に有機EL素子を形成するステップと、前記有機EL素子上に封止膜を形成するステップとを少なくとも含む有機ELデバイスの製造方法であって、
    前記封止膜を形成するステップが、水素原子または水素分子を含有する窒化ケイ素膜を形成するために、SiHと、NHと、Nと、Hとを、前記Hの添加流量を前記Nの流量に対して1〜5体積%として混合する段階を少なくとも含む
    有機ELデバイスの製造方法。
  5. 前記封止膜を形成するステップにおける、前記窒化ケイ素膜の成膜速度が、2.8nm/sec以下である請求項4に記載の有機ELデバイスの製造方法。

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