JPWO2011034182A1 - 肝細胞癌マーカー - Google Patents
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Abstract
Description
複雑な糖鎖構造の内で、1つの糖の存在だけでも、糖鎖が結合している蛋白質の持つ機能を変えてしまうことが報告されている。例えば、血清中に多量に存在する免疫グロブリンは、そのFc領域にN結合型糖鎖の結合部位を持っている。ここに結合する糖鎖構造のうち、還元末端のGlcNAcにフコースが付加している糖鎖構造を持つ免疫グロブリンと、フコースが付加していない糖鎖構造を持つ免疫グロブリンとでは、免疫グロブリンがもつ抗体依存性細胞障害機能が100倍以上違うということが報告されている。
しかしながら、糖蛋白質糖鎖の精製には膨大な時間を要することや、糖鎖構造の系統的解析方法が未発達であったため、簡便で且つ感度よく定量的に糖蛋白質糖鎖の解析ができていなかった。
しかしながら、上記の特許文献および非特許文献には、特に肺癌に特異的な糖蛋白質糖鎖しか開示されておらず、他組織の癌における糖蛋白質糖鎖については開示されていなかった。
このような背景から、肝臓疾患における血清中の糖蛋白質糖鎖の異常を解析し、肝硬変と肝細胞癌を区別し、且つ早期の肝細胞癌を確実に検出する方法が望まれていた。
[1]以下の式(1)〜(7)のいずれかで表される糖鎖を含む肝細胞癌マーカー。
[3][1]に記載の肝細胞癌マーカーの量を測定する工程は、予め前記体液中から、該マーカーである糖鎖に結合しているタンパク質と特異的に結合する物質を用いて、該タンパク質と糖鎖を含む複合体を抽出することを含む[2]に記載の肝細胞癌診断のための測定方法。
[4]肝細胞癌の予防もしくは治療を必要とする動物に肝細胞癌予防もしくは治療薬を投与した後に該動物より採取された体液中の[1]に記載の肝細胞癌マーカーの量を測定し、該肝細胞癌マーカーの量または前記肝細胞癌マーカーの量に基づいて算出される値を指標とすることを特徴とする、該動物における肝細胞癌の予防もしくは治療効果の評価方法。
[5][1]に記載の肝細胞癌マーカーの量を測定する工程は、予め前記体液中から、該マーカーである糖鎖に結合しているタンパク質と特異的に結合する物質を用いて、該タンパク質と糖鎖を含む複合体を抽出することを含む[4]に記載の肝細胞癌の予防もしくは治療効果の評価方法。
[6]肝細胞癌の予防もしくは治療を必要とする動物に候補薬化合物を投与した後に該動物より採取された体液中の[1]に記載の肝細胞癌マーカー量を測定し、該肝細胞癌マーカーの量または前記肝細胞癌マーカーの量に基づいて算出される値を指標とすることを特徴とする、該候補薬化合物の肝細胞癌の予防もしくは治療効果の評価方法。
[7][1]に記載の肝細胞癌マーカーの量を測定する工程は、予め前記体液中から、該マーカーである糖鎖に結合しているタンパク質と特異的に結合する物質を用いて、該タンパク質と糖鎖を含む複合体を抽出することを含む[6]に記載の該候補薬化合物の肝細胞癌の予防もしくは治療効果の評価方法。
[8]前記肝細胞癌マーカーの量に基づいて算出される値が、該検体中の含有量が健常動物と肝細胞癌動物で有位な差がない糖鎖と、該肝細胞癌マーカー量との比を用いて算出した値であることを特徴とする[2]〜[7]の何れかに記載の方法。
[9][1]記載の肝細胞癌マーカーのいずれかの量を測定し得る試薬を含んでなる、肝細胞癌診断用、肝細胞癌治療効果評価用、または候補薬化合物の肝細胞癌予防・治療効果の評価用キット。
本発明の肝細胞癌マーカーは、上記の化学構造式(1)〜(7)のいずれかで表される糖鎖を少なくとも含むものである。
式(1)に示す糖鎖を、以下「A2G2B」と称することがある。
式(2)で表される糖鎖を、以下「A2G0B」と称することがある。
式(3)に示す糖鎖を、以下「A2G1(6)FB」と称することがある。
式(4)に示す糖鎖を、以下「A2G0」と称することがある。
式(5)に示す糖鎖を、以下「M5A」と称することがある。
式(6)に示す糖鎖を、以下「シアル化A2G2Fo2」と称することがあり、該糖鎖は血清中では側鎖としてシアル酸を有するが、公知の方法でこれを削除したアシアロ型(以下、「アシアロA2G2Fo2」と称することがある)を含む。
式(7)に示す糖鎖を、以下「シアル化A2G2B」と称することがあり、該糖鎖も血清中では側鎖としてシアル酸を有するが、公知の方法でこれを削除したアシアロ型(以下、「アシアロA2G2B」と称することがある)を含む。
本発明はさらに上記肝細胞癌マーカーの量を測定し、該肝細胞癌マーカーの量または前記肝細胞癌マーカーの量に基づいて算出される値を指標とする肝細胞癌の診断方法も含む。本測定法の検体としては、肝細胞癌の可能性がある被検動物から採取された体液が用いられる。体液としては、血液、リンパ液、髄液、尿及びその処理物などが用いられるが、好ましくは血液、さらに好ましくは該血液を分離して得られる血清が用いられる。また、被検動物としては、肝細胞癌の診断方法の対象として好ましくはヒトである。
上記タンパク質とマーカー糖鎖との切り離しの前に、該検体から取得した体液中から、マーカー糖鎖に結合しているタンパク質と特異的に結合する物質、具体的には抗体等を用いて、該タンパク質と糖鎖を含む複合体を抽出しておくと、その後の糖鎖の構造解析の際に効率良く行うことができるため好ましい。該タンパク質と特異的に結合する物質を用いた抽出は、それ自体既知の通常用いられる方法により行うことができる。本願発明のマーカー糖鎖に結合しているタンパク質としては、例えば、表1に記載のもの等が挙げられる。
TOF型、イオントラップ型の場合はスキャンモードでもよく、この場合は質量範囲を400〜4000に設定することが好ましい。マーカー糖鎖は上述の分析条件において以下の保持時間及びm/zに検出されるが、これらは選択するカラム、溶離液によって変わるため、特に限定されるものではない。また検出するイオンも親イオンに限定されるものではなく、フラグメントイオン、負荷イオン、2量体イオンなど関連イオンであってもよい。
液体クロマトグラフィーを用いて検出・測定する場合には、液体クロマトグラフィーは安定的に送液できるものであればどのような仕様でもよく、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、順相HPLCには、Asahipak NH2P-50 4.6mmI.D. x 250mm(shodex社製)のカラム等を使い、流速は0.6ml/min、カラム温度は30℃、溶媒Aを93% アセトニトリル、0.009% 酢酸、25% アンモニア水でpH 6.8に調整した溶液として、溶媒Bを20%アセトニトリル、0.009% 酢酸、25% アンモニア水でpH 6.8に調整した溶液として、溶媒A:溶媒Bの比を75:25でスタートさせ、検体を投入してから180分の間に、溶媒Bの割合を42%まで直線的に増加させ、HPLC解析を、Prominence (Shimadzu社製)を用いて行い、LC station(Shimadzu社製)を用いて各々のピークを定量する方法等が挙げられる。
また、標準糖鎖(例えば、PA-sugar chain M2A, M3B, M4B, M5A, M6B, M7A, M8A, M9A, TaKaRa社製等)の溶出時間を内部標準(マンノースユニット, MU)とし、溶出してくる蛍光標識化糖鎖のMUを算出していき、マンノースユニットによって振り分けられた各々のピークについて、検体間についてピーク面積の定量解析を行うことにより糖鎖含有量とする方法も好ましい。
さらに、本発明の糖鎖マーカーのうち、M5A、A2G0B、A2G1(6)FB、A2G2Bは、早期の肝細胞癌(TNM分類におけるStage I)患者においても健常者との間に有意な差が見られた。したがって、これらのマーカー糖鎖を検出することで、これまでに報告されている肝細胞癌マーカーでは検出できなかった早期の肝細胞癌を診断することができる。
また、本発明の糖鎖マーカーは肝細胞癌のステージが進行するにつれて含有量が増加する傾向にあるので(図2)、本発明の肝細胞癌マーカーの含有量またはそれから算出される値を指標として肝細胞癌の進行度を見分けることもできる。
なお、本明細書において、TNM分類(Stage I〜IV)とは、国際対がん連合(UICC)によって2002年に出されたTNM分類第6版に基づく肝細胞癌の進行度の分類を意味する(特表2008−505143号公報参照)。
また、肝細胞癌の予防もしくは治療を必要とする動物に肝細胞癌予防もしくは治療薬を投与した後に該動物より採取された体液中の上記肝細胞癌マーカーの含有量を測定し、該肝細胞癌マーカーの含有量またはそれから算出される値を指標とすることによって、該動物における肝細胞癌の予防もしくは治療効果の評価を行うこともできる。
例えば、上記肝細胞癌マーカーの含有量またはそれから算出される値を、肝細胞癌予防薬もしくは治療薬投与前と投与後数日〜数ヵ月の時点において比較し、後者における肝細胞癌マーカーの含有量またはそれから算出される値が低下していれば予防または治療効果があったと判断することができる。
評価対象の動物として好ましくはヒトである。
肝細胞癌治療薬としては、例えば、テガフール(一般名ウラシル)、エピルビジン(一般名)、マイトマイシンC(一般名)、フルオロウラシル(一般名)、シクロホスファミド(一般名)、ミトキサントロン(一般名)などが挙げられる。
さらに、肝細胞癌の予防もしくは治療を必要とする動物に肝細胞癌予防または治療薬の候補化合物を投与した後に該動物より採取された体液中の上記肝細胞癌マーカー量を測定し、該肝細胞癌マーカーの量またはそれから算出される値を指標とすることによって、該候補化合物の肝細胞癌の予防もしくは治療効果を評価することもできる。
例えば、上記肝細胞癌マーカーの含有量またはそれから算出される値を、候補化合物投与前と投与後数日〜数ヵ月の時点において比較し、後者における肝細胞癌マーカーの含有量またはそれから算出される値が低下していれば、該化合物は肝細胞癌予防薬または治療薬の有力な候補物質であると判断することができる。
候補化合物としては、低分子化合物でもよいし、ペプチドやタンパク質などであってもよい。また、評価対象の動物として好ましくはヒトである。
本発明の肝細胞癌診断用、肝細胞癌治療効果評価用、または候補薬化合物の肝細胞癌予防・治療効果の評価用キットは、本発明のマーカー糖鎖の一種類以上を測定し得る試薬を含む。このような試薬としては、順相・逆相高速液体クロマトグラフィー、質量分析、核磁気共鳴などにおいて標準物質として使用するための上記糖鎖や、本発明のマーカー糖鎖を特異的に認識する抗体やレクチンなどが挙げられる。本発明のマーカー糖鎖を特異的に認識する抗体はポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、これらのフラグメントのいずれであってもよく、該マーカー糖鎖を抗原として公知の方法により取得することができる。また、本発明のマーカー糖鎖を特異的に認識するレクチンは上述したようなものが用いられる。
(1)検体血清中のマーカー糖鎖存在量の測定
臨床的に肝細胞癌を有すると診断された患者(以下、肝細胞癌)、臨床的にHCV感染を伴う肝硬変を有すると診断された患者(以下、肝硬変)、およびいかなる肝疾患の徴候もない健常者(以下、健常者)としての対象から血清を得た。具体的には、69例の健常者、7例の慢性肝炎、8例の肝硬変、55例の肝細胞癌の患者血清を用いて糖蛋白質糖鎖解析を行った。55例の肝細胞癌患者は、表2に記載のとおり進行状態により4つのステージに分類されている(TNM分類)。69例の健常者血清は、総合医科学研究所でインフォームドコンセントを得て収集した。肝臓疾患患者血清は、香川大学医学部でインフォームドコンセントを得て収集した。検体の詳細は表2のとおりである。
逆相HPLCには、Develosil C30 (Nomura Kagakus社製) 4.6mmI.D.x150mmのカラムを使い、流速は0.5ml/min、カラム温度は30℃、溶媒A を5mM 酢酸アンモニウム(pH 4.0)に調整した溶液として、溶媒Bを10%アセトニトリル、5mM 酢酸アンモニウム(pH 4.0)に調整した溶液として、溶媒A:溶媒Bの比を75:25でスタートさせた。検体を投入してから60分の間に、溶媒Bの割合を42%まで直線的に増加させた。
上記糖蛋白質糖鎖解析により決定した肝細胞癌を検出するマーカー糖鎖について、その感度、特異性および、陽性予測値(Positive Predictive Value; PPV)の値を示す。感度は、肝細胞癌を有する検体での各マーカーの陽性率を表す。特異度は、肝細胞癌を持たない検体での各マーカーの陰性率を表す。PPVは、各マーカーが陽性の場合に肝細胞癌を有する確率を表す。この際、肝硬変患者の血清中に見られる各マーカーの存在量の平均値の1.2倍高いカットオフ値を使用した。
表4に示すように、中性糖鎖A2G0Bは感度91%、特異度96%、およびPPV 96%を有した。また中性糖鎖A2G1(6)FBは感度89%、特異度96%、およびPPV 94%を有した。
J. Proteome Res. 8, 595-602, 2009、特表2008-541060号公報には、肝細胞癌マーカーとしてフコシル化ヘモペキシンが開示されている。フコシル化ヘモペキシンは肝細胞癌マーカーとしては、感度92%、特異度92%、PPV 100%とされている。しかし、フコシル化ヘモペキシンを検出することで、早期の肝細胞癌(TNM分類でStage I)を精度よく診断できるかは明らかにされていない。一方で本発明の肝細胞癌マーカーであるM5, A2G0B, A2G1(6)FBやA2G2Bは、上記文献と同等の患者群(全肝細胞癌)においても同程度またはより高い有意性を示している。
上記(1)で入手した肝細胞癌と診断された患者から得られた検体のうち、既存の肝細胞癌マーカーであるAFP陰性(< 30ng/ml)(21/55検体)、同じく既存の肝細胞癌マーカーであるPIVKAII陰性(< 40mAU/ml)(18/55検体)、AFP陰性且つPIVKAII陰性(11/55検体)の検体における、本発明のマーカー糖鎖の肝細胞癌検出率を表6に示す(肝硬変患者の血清中に見られる糖鎖マーカーの発現量の平均値の1.2倍高いカットオフ値を使用)。AFP, PIVKAIIの値は、外部の検査機関に委託し検査したものである。検査方法は一般的なEIA法を使用している。
Claims (9)
- 被検動物から採取された体液中の請求項1に記載の肝細胞癌マーカーの量を測定し、該肝細胞癌マーカーの量または該肝細胞癌マーカーの量に基づいて算出される値を指標とすることを特徴とする該動物における肝細胞癌診断のための測定方法。
- 請求項1に記載の肝細胞癌マーカーの量を測定する工程は、予め前記体液中から、該マーカーである糖鎖に結合しているタンパク質と特異的に結合する物質を用いて、該タンパク質と糖鎖を含む複合体を抽出することを含む、請求項2に記載の肝細胞癌診断のための測定方法。
- 肝細胞癌の予防もしくは治療を必要とする動物に肝細胞癌予防もしくは治療薬を投与した後に該動物より採取された体液中の請求項1に記載の肝細胞癌マーカーの量を測定し、該肝細胞癌マーカーの量または該肝細胞癌マーカーの量に基づいて算出される値を指標とすることを特徴とする、該動物における肝細胞癌の予防もしくは治療効果の評価方法。
- 請求項1に記載の肝細胞癌マーカーの量を測定する工程は、予め前記体液中から、該マーカーである糖鎖に結合しているタンパク質と特異的に結合する物質を用いて、該タンパク質と糖鎖を含む複合体を抽出することを含む、請求項4に記載の肝細胞癌の予防もしくは治療効果の評価方法。
- 肝細胞癌の予防もしくは治療を必要とする動物に候補薬化合物を投与した後に該動物より採取された体液中の請求項1に記載の肝細胞癌マーカー量を測定し、該肝細胞癌マーカーの量または該肝細胞癌マーカーの量に基づいて算出される値を指標とすることを特徴とする、該候補薬化合物の肝細胞癌の予防もしくは治療効果の評価方法。
- 請求項1に記載の肝細胞癌マーカーの量を測定する工程は、予め前記体液中から、該マーカーである糖鎖に結合しているタンパク質と特異的に結合する物質を用いて、該タンパク質と糖鎖を含む複合体を抽出することを含む、請求項6に記載の該候補薬化合物の肝細胞癌の予防もしくは治療効果の評価方法。
- 前記肝細胞癌マーカーの量に基づいて算出される値が、該検体中の含有量が健常動物と肝細胞癌動物で有位な差がない糖鎖と、該肝細胞癌マーカー量との比を用いて算出した値であることを特徴とする請求項2〜7の何れかに記載の方法。
- 請求項1記載の肝細胞癌マーカーのいずれかの量を測定し得る試薬を含んでなる、肝細胞癌診断用、肝細胞癌治療効果評価用、または候補薬化合物の肝細胞癌予防・治療効果の評価用キット。
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