JPWO2011021560A1 - 非焼成含炭塊成鉱の製造方法 - Google Patents

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Abstract

この高炉用の非焼成含炭塊成鉱は、炭素含有量(T.C)が18〜25質量%、かつ気孔率が20〜30%である。この高炉用の非焼成含炭塊成鉱の製造方法は、含鉄原料、含炭原料、及びバインダーを混合、混練し、混練物を成形して成形体を得る成形体の形成工程と、次いで前記成形体を養生して非焼成含炭塊成鉱を得る工程を有し、前記非焼成含炭塊成鉱の炭素含有量(T.C)が18〜25質量%であり、かつ気孔率が20〜30%となるように、前記成形体の形成工程において、原料水分、原料粒度、微粉コークス量、高結晶水鉱石配合量、バインダー配合量からなる群から選ばれる1または2以上の配合条件を調整する。

Description

本発明は、含鉄原料と含炭原料とを混合、成形後、養生して製造される高炉用の非焼成含炭塊成鉱に関する。特に、炭素含有量(T.C)が18〜25質量%、気孔率が20〜30%である高炉用の非焼成含炭塊成鉱およびその製造方法に関する。
本願は、2009年8月21日に、日本に出願された特願2009−192273号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、製鉄所の各種集塵装置等から回収される多種の含鉄ダストや含炭ダストを配合し、セメント系の水硬性バインダーを添加して混錬、成型して8〜16mm径の非焼成の塊成鉱やブリケットが製造され、高炉原料として使用されている。
非焼成含炭塊成鉱の製造方法としては、製鉄ダストをペレットに造粒し、次いでペレットを養生し硬化させる方法が知られている。前記製鉄ダストをペレットに造粒する工程では、ダストの粒度分布を適正範囲に調整し、生石灰、セメントなどのバインダーと5〜15%の水分を添加し、混合物をディスクペレタイザー等により造粒してペレットを得ている。
このような非焼成含炭塊成鉱の製造においては、高炉操業における還元材比を低減する目的で、非焼成含炭塊成鉱の炭素含有量(T.C)を高くすることも要求されている。
例えば、特許文献1では、含酸化鉄原料とカーボン系炭材を配合し、バインダーを加えて混錬、成型、養生してカーボン内装非焼成塊成鉱が製造されている。このカーボン内装非焼成塊成鉱は、含酸化鉄原料に含有される酸化鉄を還元し金属鉄とするために必要な理論炭素量の80〜120%のカーボンを有する。また、常温での圧潰強度が7850kN/m以上となるようにバインダーが選択され、混合、成型、養生が行われている。非焼成含炭塊成鉱中の酸化鉄が内装するカーボンにより還元反応が起こるため、還元率を向上させることができる。
しかしながら、特許文献1の非焼成塊成鉱では、強度確保のために炭素含有量が制限され、高炉の還元材比を低減する効果が十分に得られない。還元材比を低減する効果を得るために、特許文献1の非焼成含炭塊成鉱を多量に高炉で使用する場合、高炉内でバインダーの脱水反応による吸熱量が大きくなり、低温熱保存帯が形成される。この低温熱保存帯により、焼結鉱の還元粉化を助長してしまう欠点があった。
特許文献2では、炭材の粒度および炭素含有量が、含炭非焼成含炭塊成鉱の冷間強度とともに、還元温度域での熱間強度に大きく影響することに着目し、冷間圧潰強度50kg/cm以上の高炉用非焼成含炭塊成鉱の製造方法を提案している。この製造方法は、鉄分を40質量%以上含有する微粉状鉄含有原料と、炭素分を10質量%以上含有する微粉状炭材に、水硬性バインダーを添加し、水分を調整しつつ混合し、造粒する工程を有し、全原料の粒度を2mm以下とし、全原料中の炭素含有割合(T.C)が15〜25質量%となるように前記微粉状炭材の配合割合を調整し、かつ前記微粉状炭材のメジアン径を100〜150μmとしている。
以上のように、高炉用の非焼成含炭塊成鉱においては、炭素含有率の向上、還元率の向上、冷間および熱間強度(炉内の粉化率に影響する)の向上が課題となっている。
また、高炉用非焼成塊成鉱は、造粒、成形工程で適正な水分が必要である。さらに、セメント系のバインダーは水和反応によって強度発現するため、他の原料と比較して結晶水が多く、高炉での爆裂特性に劣る欠点を有している。
一方、製鉄所で発生する転炉ダストは、非燃焼式のガス処理装置で集塵され、鉄原料として炭素粉と混合され、ペレットが製造される。このペレットは、回転炉床式還元炉において還元鉄に部分還元され、再利用される。回収される転炉ダストは、水分を多く含み、ハンドリング性や他の粉体との混合性が悪い。このため転炉ダストは乾燥して用いられるが、乾燥しすぎると、転炉ダスト中の微粒状態で比表面積の大きい金属鉄が空気と反応して酸化発熱する問題があった。
特許文献3では、転炉ダストのリサイクル法が開示されている。この方法は、転炉ガスの非燃焼式集塵機で集塵された転炉ダストに、酸化鉄を含む粉体および炭素を含む粉体を混合し、混合物の含水率を17〜27質量%に調整し、混合物を成形して気孔率が40〜54%の成形体を製造し、成形体を回転炉床式還元炉で還元する工程を有する。この方法により、金属鉄の酸化発熱が防止され、還元率も良好にすることができる。
しかしながら、この方法は、回転炉床式還元炉で成形体を還元する際に酸化発熱を防止する効果がある。このため、この方法は、温度などの操業条件が異なる高炉における爆裂特性の改善に直接的に役立つものではない。
また、特許文献4では、回転炉床式還元炉を用いた酸化鉄の還元方法が開示されている。この方法は、移動する炉床上に、酸化金属と炭素を含む成形体を静置して、上部の燃焼ガスからの熱で成形体を加熱して焼成還元する工程を有し、酸化第二鉄を含む成形体の気孔率が特定の値に調整されている。成形体の気孔率が特定の値に調整されていることにより、酸化鉄のヘマタイトからマグネタイトへの還元時に生じる体積膨張が気孔により吸収される。このため、粉化が少なく安定した還元を可能となっている。
しかしながら、この方法も、回転炉床式還元炉で成形体を還元する際の粉化防止には効果があるが、温度および還元パターンなどの操業条件が異なる高炉における粉化防止に直接的に役立つものではない。
高炉用の非焼成含炭塊成鉱において、水蒸気による爆裂や還元粉化などの耐粉化性、非焼成含炭塊成鉱中の酸化鉄の被還元性、冷間および熱間圧潰強度を改善し、効率のよい高炉の操業を行うことができる高炉用の非焼成含炭塊成鉱を提供するためには、高炉用含炭塊成鉱の炭素含有量を一定レベルに保持しつつ、気孔率について詳細な構造設定が必要である。
しかしながら、気孔率が大きいと、炭材のガス化や酸化鉄の還元速度が促進されるが、冷間・熱間強度の低下を伴う。また、気孔率が小さすぎると、水蒸気による爆裂や還元粉化などの炉内粉化が高くなるという問題がある。
特開2003−342646号公報 特開2008−95177号公報 特開2003−82418号公報 特開2003−89813号公報
本発明では、効率のよい高炉の操業に最適な含炭塊成鉱の気孔率および炭素含有量を特定し、効率のよい高炉の操業を可能とする高炉用の非焼成含炭塊成鉱及びその製造方法の提供を目的とする。
本発明者等は、高炉用の非焼成含炭塊成鉱の気孔率および炭素含有量について鋭意検討を行った。その結果、非焼成含炭塊成鉱の気孔率が20〜30%、炭素含有量が18〜25質量%になるように、配合条件や製造条件を制御することで、以下の特性が実現できる非焼成含炭塊成鉱を提供できることを見出した。
(a)水蒸気による爆裂や還元粉化などに対する優れた耐粉化性
(b)非焼成含炭塊成鉱中の酸化鉄の高い被還元性
(c)周囲の鉄鉱石(鉄系装入物)の還元の促進
制御すべき配合条件は、原料粒度、微粉カーボン量、高結晶水鉱石配合量、セメント量などである。
本発明の一態様に係る高炉用の非焼成含炭塊成鉱は、含鉄原料、含炭原料、及びバインダーを混合、混練し、混練物を成形して成形体を得て、次いで前記成形体を養生して製造され、炭素含有量(T.C)が18〜25質量%、かつ気孔率が20〜30%である。
本発明の一態様に係る高炉用の非焼成含炭塊成鉱の製造方法は、含鉄原料、含炭原料、及びバインダーを混合、混練し、混練物を成形して成形体を得る成形体の形成工程と、次いで前記成形体を養生して非焼成含炭塊成鉱を得る工程を有し、前記非焼成含炭塊成鉱の炭素含有量(T.C)が18〜25質量%であり、かつ気孔率が20〜30%となるように、前記成形体の形成工程において、原料水分、原料粒度、微粉コークス量、高結晶水鉱石配合量、バインダー配合量からなる群から選ばれる1または2以上の配合条件を調整する。
本発明の一態様に係る高炉用の非焼成含炭塊成鉱は、非焼成含炭塊成鉱だけでなく、焼結鉱などの主要な高炉用鉄含有原料の還元率を向上するために十分な炭素含有量を有する。さらに、高炉用原料として要求される冷間圧潰強度100kg/cm以上を維持するとともに、従来に比べて、還元温度域での熱間強度に優れる。
このため、高炉操業において、水蒸気による爆裂や還元粉化などの非焼成含炭塊成鉱の粉化を抑制できる。また、高炉操業時の還元材比(コークス比)を大幅に低減できる。これにより、効率のよい高炉の操業が可能となる。
本発明の一態様に係る高炉用の非焼成含炭塊成鉱の製造方法では、非焼成プロセスが適用されているため、焼成プロセスに比べて、省エネルギー化、低CO化が可能となる。また、比較的安価で簡易な方法により、製鉄プロセスで発生したダストを、鉄含有原料および炭材としてリサイクル処理できる。
非焼成含炭塊成鉱の気孔率と還元粉化率の関係を示す図である。 非焼成含炭塊成鉱の気孔率と爆裂性の関係を示す図である。 非焼成含炭塊成鉱の還元粉化率と上部K値の関係を示す図である。 非焼成含炭塊成鉱の炭素含有量(T.C)と爆裂性の関係を示す図である。 非焼成含炭塊成鉱の爆裂性と上部K値の関係を示す図である。 炭素含有量の異なる非焼成含炭塊成鉱の気孔率と冷間圧潰強度の関係を示す図である。 炭素含有量の異なる非焼成含炭塊成鉱の気孔率とBIS炉還元材比の関係を示す図である。 炭素含有量の異なる非焼成含炭塊成鉱の気孔率と1000℃還元率の関係を示す図である。
本実施形態の高炉用の非焼成含炭塊成鉱は、含鉄原料、含炭原料、及びバインダーを混合、混練し、混練物を成形して成形体を得て、次いで成形体を養生する方法により製造される。炭素含有量(T.C)が18〜25質量%であり、気孔率が20〜30%である。これにより、高炉操業において、水蒸気による爆裂や還元粉化などの非焼成含炭塊成鉱の粉化を抑制でき、かつ高炉の還元材比を低減できる。
本実施形態において、非焼成含炭塊成鉱の炭素含有量(T.C)を18〜25質量%とする。
実施例において後述するように、炭素含有量(T.C)が25質量%を超えると、高炉用に使用されるために必要な最低限の冷間圧潰強度を有することができなくなる(図6)。また爆裂性が大きくなり、実炉の高炉において、安定的な操業を行うことができなくなる(図4,5)。
炭素含有量(T.C)が18質量%より低いと、還元率の向上効果が小さい(図7,8)。このため、高炉操業の改善効果が得られなくなる。
非焼成含炭塊成鉱の炭素含有量(T.C)は、好ましくは20〜23質量%であり、更に好ましくは22〜23質量%である。
本実施形態において、非焼成含炭塊成鉱の気孔率を20〜30%とする。
実施例において後述するように、気孔率が20%未満では、還元率の向上効果が限定される(図7,8)。また、高炉内での粉化率が増大し、高炉で使用される原料に要求される粉化率の上限を超えてしまう場合がある(図1)。
気孔率が30%を超えると、還元率の向上の効果が飽和する(図7,8)。また冷間圧潰強度が低下し、高炉用に使用されるために必要な最低限の冷間圧潰強度を有することができなくなる(図6)。
非焼成含炭塊成鉱の気孔率は、好ましくは23〜27%であり、更に好ましくは24〜26%である。
本実施形態の高炉用の非焼成含炭塊成鉱の製造方法は、含鉄原料、含炭原料、及びバインダーを混合、混練し、混練物を成形して成形体を得る成形体の形成工程と、次いで前記成形体を養生する工程を有する。成形体の形成工程では、非焼成含炭塊成鉱の炭素含有量(T.C)が18〜25質量%となり、かつ気孔率が20〜30%となるように、原料水分、原料粒度、微粉コークス量、高結晶水鉱石配合量、バインダー配合量からなる群から選ばれる1または2以上の配合条件を調整する。
本実施形態で使用する含鉄原料としては、製鉄プロセスにおいて発生する焼結ダスト、含油スラジを焼成して得られる焼成ダストなどの含鉄ダスト、焼結用粉状鉄鉱石より粒度が小さいペレットフィード等の微粉状鉄鉱石、結晶水を多く含有する高結晶水鉱石などが挙げられる。
本実施形態で使用する含炭原料としては、高炉一次灰、コークスダスト、微粉コークス、無煙炭などが挙げられる。
本実施形態において、「原料水分」とは、自由水とも呼ばれ、成形後の生(養生前)の成形品原料中に含まれる水分量を意味する。原料水分を多くすることにより、気孔率を増加させることができる。しかし、原料水分が多すぎると、粉化率(爆裂性)が高くなる。このため、原料水分を8〜15%の範囲で調整することが好ましい。
本実施形態において、原料粒度とは、使用する含鉄原料および含炭原料の重量基準のメジアン径d50の加重平均値を意味する。原料粒度を小さくすることにより、気孔率を減少させることができる。しかし、原料粒度が小さすぎると、粉化率(爆裂性)が高くなり、製造時の付着などの問題も生じる。このため、重量基準のメジアン径d50の加重平均値を10〜50μmの範囲で調整することが好ましい。
本実施形態において、微粉コークスとは、重量基準のメジアン径d50の値が100μm以下の微粉状のコークスを意味する。含炭原料としての微粉コークス量を多くすると、気孔率を増加させることができる。しかし、微粉コークス量が少なすぎると、粉化率(爆裂性)が高くなるといった問題も生じる。このため、微粉コークス量を10〜30%の範囲で調整することが好ましい。
本実施形態において、高結晶水鉱石とは、ローブリバー、ヤンディークージナ、マラマンバなどの結晶水を5%以上含有する鉱石を意味する。高結晶水鉱石量を多くすることにより、非焼成含炭塊成鉱の気孔率を増加させることができる。しかし、高結晶水鉱石量が多すぎると、粉化率(爆裂性)が高くなる。このため、高結晶水鉱石の配合量を5〜20%の範囲で調整することが好ましい。
本実施形態で使用するバインダーとしては、一般的に用いられる高炉水砕スラグを主成分とする微粉末やアルカリ刺激剤からなる時効性バインダー、生石灰、ポルトランドセメント、ベントナイトなどが挙げられる。バインダー配合量(添加量)は、他の配合条件等を勘案して適宜決めることができる。バインダー配合量が少なすぎると、非焼成含炭塊成鉱の冷間圧延強度を十分に維持することが困難となる。また、バインダー配合量が多すぎると、非焼成含炭塊成鉱のスラグ量が増大し、炉下部の通気性が不安定化する。このため、安定して還元材比を低減する効果が得られない。上記の観点から、特に好ましいバインダー配合量の範囲は5〜19質量%である。
成形体の形成工程では、原料ホッパーから切り出された含鉄原料及び含炭原料を、セメントなどのバインダーとともに、湿式ボールミルやレデイゲミキサーなどに投入され、混合される。そして、加水された後に混練される。十分混練されて得られた原料の混練物は、パンペレタイザーやブリケットマシーンなどで成形される。次いで、成形体の養生工程では、1次養生ヤードで、ハンドリングに必要な強度が発現するまで、成形体を数日間、天日で養生する。その後、2次養生ヤードで、成形体を天日で養生させて、セメントなどのバインダーによる強度発現を十分図る。以上により高炉用の非焼成含炭塊成鉱は製造される。そして、高炉へ供給されて使用される。
本実施形態において、非焼成含炭塊成鉱の炭素含有量(T.C)を18〜25質量%、気孔率を20〜30%とするには、製造プロセス(ペレット、ブリケット)、配合条件(原料水分、原料粒度、微粉コークス量、高結晶水鉱石配合量、バインダー配合量)を調整することにより行うことができる。特に、原料水分、原料粒度、微粉コークス量、高結晶水鉱石配合量、バインダー配合量からなる群から選択される1又は2以上の配合条件を調整することにより行うことができる。
一般的にペレット成形の方が、ブリケット成形に比べて多孔質となるが、原料条件に合わせてどちらを選択しても構わない。
上述したように、セメント配合量(バインダー配合量)が多いほど、緻密な非焼成含炭塊成鉱となる。原料水分、微粉カーボン量(微粉コークス量)、高結晶水鉱石の配合量は、いずれも多い方が気孔率は増加する。しかし、成形歩留まり、製造時の付着、製品成分も考慮して適宜調整することが好ましい。
本実施形態の非焼成含炭塊成鉱中の炭素は、非焼成含炭塊成鉱中の酸化鉄を還元するが、余剰分の炭素は、更に高炉内の周囲の鉄鉱石も還元する。このため、還元率を向上させることができる(図7,8)。
高炉の連続操業では、COガス(還元ガス)が高炉の下層から上層へ上昇しながら、鉄鉱石を還元する。しかし、還元材としてコークスのみを用いて高炉を操業した場合、鉱石層の上層部では還元ガスの還元力が弱まり、十分に鉱石の還元が進行しない場合があった。
これに対して、本実施形態の非焼成含炭塊成鉱を用いると、高炉内で鉄鉱石と共に本実施形態の非焼成含炭塊成鉱が存在することによって、特に鉱石層の上層での還元効率を大幅に向上させることができる。還元が行われ難い鉱石層の上層での還元効率を大幅に向上できるため、高炉全体での還元効率は大幅に向上することとなる。このため、本実施形態の非焼成含炭塊成鉱中の炭素量の余剰分と同量のコークス量よりも多い量の還元材を低減できる(図7)。
また、高炉全体での還元効率を大幅に向上できるため、羽口から吹き込まれる微粉炭も含めた高炉の操業に係る還元材比を低減できる。還元材比を低減できるため、製銑工程で発生するCO量も低減でき、環境負荷を低減できる。
以下に、具体的な実施例に基づいて本発明の実施態様を説明する。これは、実施態様であって、本発明は、これによって限定されるものでないことは言うまでもない。
[実施例1]
(非焼成含炭塊成鉱の製造)
含鉄原料、含炭原料、バインダーを使用して、表1に示されるように原料の配合量、粒度および水分量を調整しつつ、混合、加水、混錬、成形(造粒)、養生を行って非焼成含炭塊成鉱を製造した。
得られた非焼成含炭塊成鉱について、水置換させて見掛け比重を測定する水法(JIS K2151準拠)により気孔率を測定した。
Figure 2011021560
表1には、具体的に使用した含鉄原料の種類、含炭原料の種類、原料水分量、原料粒度(平均値)、結晶水鉱石の種類と配合量、バインダーの種類及び配合量、得られた非焼成含炭塊成鉱の炭素含有量と気孔率を示している。
表1に示されたように、原料水分、原料粒度、高結晶水鉱石配合量、及びバインダー量を実施形態に記載の数値範囲に調整することによって、本実施形態の非焼成含炭塊成鉱が製造できることが分かった。
なお、造粒設備は、特に限定する必要がなく、原料の混錬、加水、造粒、成品篩の機能を有するものであればよく、混錬機、造粒機などは特に限定されるものではない。
[実施例2]
(気孔率の影響)
気孔率の異なる非焼成含炭塊成鉱を用意して、炉内での非焼成含炭塊成鉱の粉化現象に及ぼす気孔率の影響を調査した。
実施例1と同様の含鉄原料と含炭原料を粉砕し、セメント(バインダー)と共に混合、混練し、混練物を成形した。得られた成形体を所定の期間養生して、炭素含有量(T.C)15,25質量%の非焼成含炭塊成鉱を製造した。
なお、含鉄原料と含炭原料の配合量は一定の値とし、圧縮成形時の成形圧とセメント量を調整して、気孔率が5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%の非焼成含炭塊成鉱を作製した。また、セメント配合量の変化に応じて含炭原料の銘柄を微調整して炭素含有量(T.C)が15質量%又は25質量%で一定となるようにした。
粉化性(還元粉化性)は、還元粉化試験(JIS M8720)を適用して、以下の方法により評価した。試料500gをN中で昇温し、550℃で、COが30%含有される還元ガス中で所定時間保持した。この際、550℃での還元時間を1分、10分、30分、60分として、測定用試料を作製した。そして、回転試験機にて900回転の回転衝撃を測定用試料に与えた。回転衝撃を付与後の測定用試料の2.8mm以下の粒子の割合(粉化率(−2.8mm%))を測定し、この粉化率(−2.8mm%)により、還元粉化性を評価した。炭素含有量(T.C)が25重量%の非焼成含炭塊成鉱の結果を表2及び図1に示した。なお、本明細書では、この還元粉化試験を適用して測定された粉化率(−2.8mm%)を還元粉化率とも言う。
Figure 2011021560
また、非焼成塊成鉱の最大の弱点である高炉内での爆裂性についても評価を行った。
爆裂性は、鉄鉱石の熱割れ試験法(ISO 8371: Iron ores−Determination of description index)を参照し、以下の方法により測定した。試料500gをN中で最高温度700℃まで急速加熱した。この際、加熱速度(昇温速度)の影響を検討するために、加熱速度を5℃/分、50℃/分、500℃/分、1000℃/分として、測定用試料を作製した。そして、測定用試料の6.3mm以下の粒子の割合(粉化率(−6.3mm%))を測定し、この粉化率(−6.3mm%)を爆裂性として評価した。炭素含有量(T.C)が15重量%の非焼成含炭塊成鉱の結果を表3及び図2に示した。
Figure 2011021560
なお、一般的には含有水分、結晶水(鉄鉱石由来とセメント由来)の蒸発とガス化によるガス発生が原因で起こる粉化現象を爆裂と呼ぶ。また、還元に伴う空隙の発生あるいは体積膨張や内部応力が原因で起こる粉化現象を還元粉化と呼ぶ。本明細書では、その原因にかかわらず炉内の粉化量に対する条件の規定を目的とするので、以下においては、「粉化」と統一して使用する場合がある。
図1を参照すると、気孔率の増加と共に、粉化率は低下する傾向を示すが、還元時間の影響が大きいことがわかる。還元粉化は、ヘマタイトからマグネタイトの還元時の体積膨張と内部応力によって引き起こされ、550℃付近において最も激しく粉化する。このため、還元粉化は550℃付近の滞留時間に左右されることが知られている。すなわち、550℃以上の還元では、粉化はむしろ小さくなる。このことから、550℃の滞留時間が気孔率とともに還元粉化に影響を与える。回転炉床式還元炉は、昇温速度が1000℃/分と高く、550℃の滞留時間は約1分程度であり、いずれの気孔率でも還元粉化は小さい。これに対して、高炉での550℃の滞留時間は10分(中心部)〜60分(周辺部)であり、還元粉化率が高くなるという問題がある。
[実施例3]
(還元粉化率の許容範囲)
一般に実炉の高炉において、安定的な操業を行うためには、上部K値を0.4以下とする必要がある。この上部K値の上限値から、非焼成含炭塊成鉱の還元粉化率の許容範囲について検討した。
炭素含有量(T.C)が25質量%となるように原料の配合量を調整し、実施例2の方法と同様にして、気孔率の異なる非焼成含炭塊成鉱を作製した。
実施例2の還元粉化性の評価方法と同様にして、粉化率(−2.8mm%)を測定した。
また、高炉使用時のシャフト部通気性を評価するために、以下の方法により上部K値を測定した。内容積4500mの高炉で、気孔率(すなわち粉化率)の異なる種々の非焼成含炭塊成鉱を使用して短期試験を実施した。全鉄系装入物の10重量%の量の非焼成含炭塊成鉱を鉱石層へ混合装入した。高炉のベース条件の操業諸原は、還元材比480kg/tp、鉱石とコークスの重量比率が5.0であった。炉壁に設置された圧力プローブの測定値から、シャフト上部での通気抵抗値(上部K値)を算出した。得られた結果を表4及び図3に示す。
Figure 2011021560
図3は、非焼成含炭塊成鉱の粉化率と上部K値の関係を示す。前述したように、実炉の高炉で安定的な操業を行うためには、上部K値を0.4以下とする必要がある。図3に示された非焼成含炭塊成鉱の粉化率(還元粉化率)と上部K値の関係から、炭素含有量が25重量%の非焼成含炭塊成鉱では、粉化率(還元粉化率)が40%超になると、上部K値が0.4超に上昇し、安定的な操業が困難となることが分かる。したがって、炭素含有量が25重量%の非焼成含炭塊成鉱では、粉化率(還元粉化率)を40%以下に低下させることが重要である。
図1を参照すると、気孔率20%以上では、粉化率が比較的低い値である。これに対して、20%を境にして、気孔率が20%未満となると、還元粉化率が急増している。特に、還元時間が30分以上の場合に、この傾向が顕著である。逆に、気孔率を20%以上とすれば、還元時間が60分でも、粉化率(還元粉化率)を40%以下に抑えることができる。気孔率が増大すると、非焼成含炭塊成鉱の体積膨張に起因する内部応力が気孔によって分散され、還元粉化が抑制されるためであると考えられる。したがって、高炉用の非焼成含炭塊成鉱の粉化(還元粉化)の問題を解消するためには、還元時間をなるべく短くするとともに、気孔率を20%以上とすべきことがわかる。
図2を参照すると、気孔率の上昇とともに、粉化(爆裂性)は低下する傾向があるが、昇温速度の影響が顕著である。これは、昇温速度が急なほど、時間当たりの試料内部での水蒸気発生量と排出量のバランスが取れなくなり、内部圧力が増加するためであると考えられる。回転炉床炉式還元炉は、昇温速度が1000℃/分と高く、非焼成含炭塊成鉱は爆裂しやすい。一方、高炉の昇温速度は5℃/分(周辺部)〜50℃/分(中心部)である。このため、図2を参照すると、炭素含有量が15質量%の非焼成含炭塊成鉱を高炉にて使用する場合、粉化(爆裂性)の問題は生じないと考えてよい。
[実施例4]
(炭素含有量の影響)
次に非焼成含炭塊成鉱の炭素含有量(T.C)の影響を検討した。
炭素含有量(T.C)及び気孔率の異なる非焼成含炭塊成鉱を用意して、粉化(爆裂性)に及ぼす炭素含有量(T.C)の影響を調査した。
含鉄原料と含炭原料の配合量、圧縮成形時の成形圧、及びセメント量を調整する以外は、実施例2の方法と同様にして、炭素含有量(T.C)が15質量%、18質量%、25質量%、30質量%であり、気孔率が10%、20%、30%、40%の非焼成含炭塊成鉱を作製した。
加熱速度(昇温速度)を50℃/分とする以外は、実施例2の爆裂性の評価方法と同様にして、粉化率(−6.3mm%)を測定して爆裂性を評価した。なお、加熱速度の50℃/分は、高炉内において最も厳しい昇温条件である。得られた結果を表5及び図4に示す。
Figure 2011021560
図4に示されたように、非焼成含炭塊成鉱中の炭素含有量(T.C)の増加に伴って、爆裂による粉化が増加していることが分かる。これは、炭素含有量(T.C)の増加に伴って、非焼成含炭塊成鉱の基質強度が低下し、内部発生ガス圧力への耐力が低下したためであると考えられる。このため、本実施形態のように、炭素含有量(T.C)が18質量%以上である場合、爆裂性を考慮する必要がある。
[実施例5]
(爆裂性の許容範囲)
前述したように、実炉の高炉において、安定的な操業を行うためには、上部K値を0.4以下とする必要がある。この上部K値の上限値から、非焼成含炭塊成鉱の爆裂性の許容範囲について検討した。
含鉄原料と含炭原料の配合量、圧縮成形時の成形圧、及びセメント量を調整する以外は、実施例2の方法と同様にして、炭素含有量(T.C)が20質量%であり、気孔率が種々の値である非焼成含炭塊成鉱を作製した。
加熱速度(昇温速度)を50℃/分とする以外は、実施例2の爆裂性の評価方法と同様にして、粉化率(−6.3mm%)を測定して爆裂性を評価した。
非焼成含炭塊成鉱を全鉄系装入物に対して10質量%の量で使用して、実施例3と同様にして上部K値を測定した。得られた結果を表6及び図5に示す。
Figure 2011021560
図5は、炭素含有量(T.C)が20質量%の非焼成含炭塊成鉱の爆裂性と上部K値の関係を示す。この図5より、高炉にて非焼成含炭塊成鉱を全鉄系装入物に対して10質量%の量で使用した場合に、非焼成含炭塊成鉱の爆裂性が高炉の通気性に及ぼす影響を調べた。
図5に示された高炉使用時の非焼成含炭塊成鉱の爆裂性と上部K値の関係から、爆裂性が30%超になると、上部K値が0.4超に上昇し、安定的な操業が困難となることが分かる。したがって、爆裂性を30%以下に低下させることが重要である。
実施例2,3において、図2より、気孔率が大きいほど、爆裂性は小さくなることが分かった。また、図1より、気孔率を20%以上とする必要があることも分かった。図4を参照すると、気孔率20%以上の非焼成含炭塊成鉱では、炭素含有量(T.C)が25質量%以下のとき、爆裂性が30%以下となることが分かる。このため、炭素含有量(T.C)を25質量%以下とする必要があることが分かる。
[実施例6]
(冷間圧潰強度、BIS炉における1000℃還元率および還元材比)
含鉄原料と含炭原料の配合量、圧縮成形時の成形圧、及びセメント量を調整する以外は、実施例2の方法と同様にして、炭素含有量(T.C)が15質量%、18質量%、25質量%、26質量%であり、気孔率が5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%の非焼成含炭塊成鉱を作製した。
高炉用の装入原料には、高炉へ装入するまでの移送や整粒等のハンドリングに耐えるための強度が要求される。このような強度の指標として、本実施例では、非焼成含炭塊成鉱の冷間圧潰強度を測定した。
冷間圧潰強度は、JIS M8718「鉄鉱石ペレット圧潰強度試験方法」に従って、以下のように測定した。試料1個に対して、規定の加圧盤速度で圧縮荷重を加え、試料が破壊した時の荷重値を測定し、試料100個の平均値を冷間圧潰強度として評価した。得られた結果を表7及び図6に示す。
Figure 2011021560
図6は、非焼成含炭塊成鉱の気孔率と冷間圧潰強度との関係を示す。
図6を参照すると、本実施形態の炭素含有量の範囲内(18質量%、25質量%)では、冷間圧潰強度は、炭素含有量に依存せず、ほぼ気孔率の違いにより決定されることがわかる。いずれの炭素含有量の含炭塊成鉱でも、気孔率30%以上では、高炉で使用されるために必要な冷間圧潰強度の下限とされる100kg/cmを維持することが困難であった。したがって、冷間圧潰強度の観点からは、気孔率を30%以下とすべきである。
また、炭素含有量が26質量%(本実施形態で規定された範囲の上限値25質量%を超える)の非焼成含炭塊成鉱では、気孔率が20%以上において、冷間圧潰強度が100kg/cm(高炉使用の下限値)を下回る。このため、炭素含有量は25質量%以下とすべきである。配合されるコークス量が過度に多くなると、コークス中の開気孔内へ浸透するバインダー量が増大する。従って、炭素含有量が25質量%超では、効率よくバインダーによって強度を発現することが困難となると考えられる。
次に、得られた非焼成含炭塊成鉱について、高炉使用時の特性評価法(BIS炉:鉄と鋼、72(1986)1529参照)に従って、以下のようにBIS炉還元材比及び1000℃還元率を測定した。
全鉄系装入物の10重量%の量の非焼成含炭塊成鉱を鉱石層へ均一混合し、コークス層と層状となるようにBIS炉に装入した。なお、BIS炉は、高炉シャフト部の向流反応を模擬するための試験装置であり、焼結鉱とコークスが層状に装入される反応管と、上下移動式の電気炉から構成される。装入量は、酸化鉄と炭素の重量比率が5.0となるように調製した。そして、還元材比が480kg/tpであり、微粉炭吹き込み比が150kg/tpの操業に相当するボッシュガス量と組成のガスをBIS炉に供給して、鉱石の還元を行った。
BIS炉のシャフト効率と熱保存帯温度を測定し、これら測定値から熱物質収支を算出した。熱物質収支からBIS炉の還元材比を求めた。
また、BIS炉による鉱石の還元を終了した後に、1000℃位置の焼結鉱と非焼成含炭塊成鉱を採取した。そして採取した焼結鉱と非焼成含炭塊成鉱の化学分析を行い、分析値から1000℃還元率を求めた。ここで、1000℃還元率は、装入された非焼成含炭塊成鉱を含む全鉄系装入物の還元特性を表わす。
得られた結果を表8,9及び図7,8に示す。
Figure 2011021560
Figure 2011021560
図7,8は、それぞれ全鉄系装入物の10重量%の量の非焼成含炭塊成鉱を鉱石層へ均一混合した時のBIS炉における還元材比及び1000℃還元率を示す。図7および図8を参照すると、炭素含有量が高いほど、1000℃還元率は高くなり、還元材比は低下することがわかる。炭素含有量15%では、著しく1000℃還元率が低下しており、高炉操業の効率が低下する。このため、炭素含有量(T.C)の下限値を18%とする。
また、気孔率が増大すると共に、1000℃還元率は向上している。炭素含有量(T.C)が18質量%の非焼成含炭塊成鉱であっても、気孔率が20%のとき、還元率は75%に到達し、還元材比は470kg/tp以下に達した。しかし、気孔率が20%未満では、1000℃還元率を向上させて還元材比を低減する効果は限定され、非焼成含炭塊成鉱の無い条件とほぼ同じとなった。また、気孔率が30%を超えると、1000℃還元率を向上させて還元材比を低減する効果は飽和することがわかった。したがって、炭素含有量(T.C)が18質量%、25質量%の含炭塊成鉱については、気孔率を20%以上、30%以下とすればよいことが分かる。
以上の結果から、高炉操業における粉化率、爆裂性、冷間圧潰強度、還元率および還元材比の効果を最も効率よく発揮するためには、炭素含有量(T.C)18〜25質量、かつ気孔率20〜30%の非焼成含炭塊成鉱を使用すればよいことがわかる。
なお、混合、混練、成形、及び養生の製造工程のうち、養生中にセメントの水和反応によって自由水が含炭塊成鉱中の水和物に取り込まれる。このため製造工程を経るときに、原料の全配合量は若干変化するが、その変化量は微小であり、ほとんど変化することは無いと考えて良い。このため、例えばバインダーの配合量は、製造された非焼成含炭塊成鉱中のバインダー含有量とほぼ同一となる。他の成分についても同様に、製造工程での配合量と非焼成含炭塊成鉱中の含有量はほぼ同一である。
本発明の一態様に係る非焼成含炭塊成鉱は、高炉で使用する際に非焼成含炭塊成鉱だけでなく、焼結鉱などの主要な高炉用の鉄含有原料の被還元率を向上するために十分な炭素含有量を有する。さらに高炉用原料として要求される冷間圧潰強度100kg/cm以上を維持するとともに、従来に比べて、還元温度域での熱間強度に優れる。このため、高炉操業時の還元材比(コークス比)を大幅に低減できる。
さらに、本発明の一態様に係る非焼成含炭塊成鉱の製造方法では、焼成プロセスに比べて、省エネルギー化、低CO化が可能となる。また比較的安価で簡易な方法により、製鉄プロセスで発生したダストを、鉄含有原料および炭材としてリサイクル処理できる。
従って、本発明一態様は、高炉で使用される含炭塊成鉱に係る技術分野に好適に適用できる。
本発明の一態様に係る高炉用の非焼成含炭塊成鉱は、含鉄原料63〜75質量%と、含炭原料(残部)と、バインダー5〜19質量%とから成る配合原料を混合、混練し、混練物を成形して成形体を得て、次いで前記成形体を養生して製造され、炭素含有量(T.C)が18〜25質量%、かつ気孔率が20〜30%である。
本発明の一態様に係る高炉用の非焼成含炭塊成鉱の製造方法は、高結晶水鉱石配合を含む含鉄原料63〜75質量%と粒度100μ以下の微粉コークスを含む含炭原料(残部)と、バインダーとから成る配合原料を混合、混練し、混練物を成形して成形体を得る成形体の成形工程と、次いで前記成形体を養生して非焼成含炭塊成鉱を得る工程を有し、前記非焼成含炭塊成鉱の炭素含有量(T.C)が18〜25質量%であり、かつ気孔率が20〜30%となるように、前記成形体の成形工程において、原料水分を8〜15質量%、原料粒度を10〜50μm前記配合原料中の微粉コークス量を10〜30質%、前記配合原料中の高結晶水鉱石配合量を5〜20質量%、前記配合原料中のバインダー配合量を5〜19質量%に調整する。
本発明の一態様に係る高炉用の非焼成含炭塊成鉱の製造方法は、高結晶水鉱石配合を含む含鉄原料63〜75質量%と、粒度100μ以下の微粉コークスを含む含炭原料(残部)と、バインダーとから成る配合原料を混合、混練し、混練物を成形して成形体を得る成形体の成形工程と、次いで前記成形体を養生して非焼成含炭塊成鉱を得る工程を有し、前記非焼成含炭塊成鉱の炭素含有量(T.C)が18〜25質量%であり、かつ気孔率が20〜30%となるように、前記成形体の成形工程において、原料水分を8〜15質量%、原料粒度を10〜50μm、前記配合原料中の微粉コークス量を10〜30質量%、前記配合原料中の高結晶水鉱石配合量を5〜20質量%、前記配合原料中のバインダー配合量を5〜19質量%に調整する。

Claims (2)

  1. 含鉄原料、含炭原料、及びバインダーを混合、混練し、混練物を成形して成形体を得て、次いで前記成形体を養生して製造され、
    炭素含有量(T.C)が18〜25質量%、かつ気孔率が20〜30%であることを特徴とする高炉用の非焼成含炭塊成鉱。
  2. 含鉄原料、含炭原料、及びバインダーを混合、混練し、混練物を成形して成形体を得る成形体の形成工程と、
    次いで前記成形体を養生して非焼成含炭塊成鉱を得る工程を有し、
    前記非焼成含炭塊成鉱の炭素含有量(T.C)が18〜25質量%であり、かつ気孔率が20〜30%となるように、前記成形体の形成工程において、原料水分、原料粒度、微粉コークス量、高結晶水鉱石配合量、バインダー配合量からなる群から選ばれる1または2以上の配合条件を調整することを特徴とする高炉用の非焼成含炭塊成鉱の製造方法。
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