JP4600102B2 - 還元鉄の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、移動床型還元炉を用いて鉄含有物と炭素質固体還元剤とを含む塊成化物を還元して還元鉄を製造する方法に関し、特に使用する前記固体還元剤の特性と塊成化の方法とに特徴を有する技術についての提案である。
近年、還元鉄製造プロセスとして注目を集めている方法に、鉄鉱石などの鉄含有物と石炭などの炭素質固体還元剤とを混合し成形したものを、移動床型還元炉内で加熱して還元することにより還元鉄を製造する方法がある。その移動床型還元炉は、加熱炉内を炉床が水平に移動し、その移動の過程で該移動床上の前記鉄含有物を加熱して還元する炉であり、その移動床は直線的に移動しても、旋回するように回転移動してもよいが、旋回移動する形態とするものが一般的であり、回転炉床炉とも呼ばれている。
上記回転炉床炉による還元鉄の製造方法としては、例えば、「FASTMET法」や「INMETOCO法」が知られており、これらは、鉄鉱石と炭材混合物をペレット化して炉内に投入する方式であり、また、「MAUMEE法」は、混合原料をブリケット化してから炉内に投入する方式である。その他、特許文献1には、鉄含有物と炭素材料をバインダーを介して結合させて圧粉体とし、この圧粉体を炉内に投入して還元し、鉄等を回収する方法を開示している。なお、この方法において、前記圧粉体中には、20mass%以上の瀝青炭を使用することで、その揮発分をバインダーとして機能させて成形する点に特徴がある。
移動型還元炉(以下、単に「移動炉床炉」という)は、図1に示すように、予熱帯10a、還元帯10b、溶融帯10c、冷却帯10dとして区画された環状型加熱炉の炉体10内に、旋回しながら連続的に移動する移動床11を配設してなるものである。その移動床11の上には、例えば、鉄鉱石と石炭からなる原料12を装入し、所定の厚みに堆積させる。なお、この原料12としては、炭材内装ペレットを用いることもある。前記移動床11は、耐火物の内張りを有する炉体10によって囲われているが、特許文献2に開示されているように、移動床11の保護のために、炭材を床敷材として使用する場合もある。そして、炉体10の上部にはバーナー13が配設され、このバーナー13を熱源として、移動床11上の鉄鉱石を還元するようになっている。なお、図1において、14は原料を移動床11上に装入する装入装置および15は還元物を排出する排出装置である。また、この回転炉床炉は、炉体10内の雰囲気温度を、1300℃程度に保持して、未溶融の還元鉄を回収する方式とすることができる一方、1500℃程度の高温にして溶融させ、メタルとスラグとに分離して回収する方式とすることもできる。
いずれの操業を行う場合であっても、この移動炉床炉では、鉄鉱石等を鉄含有物と石炭等の炭素質固体還元剤とを含む混合物を塊成化することにより、これらの相互の接触面積を増大させることで、還元時の反応速度を促進させ、処理時間を短縮することが可能となる。そして、処理時間の短縮は、生産性向上につながり、生産コストの低減をもたらす上で望ましいことである。
この還元鉄製製造技術において、原料としては、例えば、鉄鉱石と石炭とをペレット化あるいはブリケット化したものを用いるが、その塊成化のとき、普通、粒子の結合を促進させるために、セメントやベントナイト、生石灰等の無機系バインダー、でんぷん、糖蜜、タール等の有機系バインダーを使用することが一般的である。しかし、これらのバインダーは高価であり、製品のコストを上昇させるという問題があった。なお、前記MAUMEE法は、一般的なバインダーは使用しないが、石炭中の揮発分をバインダー作用の代わりに利用する方式であり、比較的高価な瀝青炭を使用する点で、同様に製品のコストを上昇させるという課題があった。
特表平11−511511号公報 特開平11−172312号公報
このように、従来技術は、移動炉床炉を使って還元鉄を製造する際に、原料として塊成化物を使用することを前提としているが、その塊成化には手間もコストもかかることから、この点についての改善が求められていた。
そこで、本発明は、従来技術が抱えている上述した問題点を克服できる還元鉄の製造技術を提案することを主たる目的とする。
本発明の他の目的は、鉄含有物と炭素質固体還元剤とを含む混合物をコスト高を招くことなく簡単に塊成化する技術を提供して、還元鉄を安価に製造する方法を提案するところにある。
従来技術が抱えている上記間題を解決するために鋭意研究した結果、発明者らは、有機・無機のバインダーを全く含まない塊成化物を原料として使う還元鉄の製造方法が、上記の目的の実現に適うことを突き止め、本発明を開発するに到った。即ち、本発明は、鉄含有物および炭素質固体還元剤を含む混合物の塊成化物を、加熱炉内を移動する移動床上に供給して加熱、還元することにより還元鉄を製造する際に、前記塊成化物中に含まれる炭素質固体還元剤として、JIS M8801に規定された石炭の粉砕性試験方法でのHGI値が65以上のものを用いると共に、バインダーを添加することなく水のみで塊成化された塊成化物を使用することを特徴とする還元鉄の製造方法である。
本発明においてまた、前記塊成化物は、鉄含有物として、気孔率が25%以上の鉄鉱石、焼結鉱あるいはスラッジやミルケースの内の一種または二種以上を含むペレットやブリケットであること、還元鉄の製造に当っては、移動床型還元炉内を移動する移動床上に、前記塊成化物を積載して、この塊成化物が炉内を移動する間に加熱して還元すると共に、少なくとも一度は溶融した状態とすることにより、メタルとスラグとに分離した状態で還元鉄を得るようにすること、移動床上に炭材を積載し、その炭材層の上に、前記塊成化物を積載することがより有効な前記課題解決手段となる。
以上のとおりに構成される本発明によれば、バインダーを使うことなく単に水のみで塊成化した原料(鉄含有物+炭素質固体還元剤)を使用することができるので、これらの塊成化が容易で、しかも設備面、作業工数の点で工程が簡素化するため製造コストの低減を図ることができるようになる。
本発明は、図1に示すような移動炉床炉を用いて、未溶融の還元鉄もしくは少なくとも一度は溶融した状態でスラグを分離した状態の還元鉄を製造する方法であり、基本的には上述したとおりの還元プロセスを経て、所定の成分組成ならびに特性を有する還元鉄とする技術である。
前記移動炉床炉10の移動床11上で、鉄含有物(以下、「鉄鉱石」の例で説明する)と炭素質固体還元剤(以下、「石炭」の例で説明する)を含む塊成化物を加熱することにより、還元し還元鉄を製造するプロセスでは、その塊成化物は、加熱炉内の移動床11上に、直接またはコークスや石炭等の炭材層(床敷)を介して間接的に、30mm程度以下の薄い層状に敷きつめられるのが普通である。その理由は、30mmを越えるような厚さに積むと、表層の塊成化物の温度が速やかに上がるのに対し、下層の塊成化物の温度の上昇が遅れるために下層の塊成化物の還元が遅れるという問題点が生じるためである。なお、移動床11上に装入される上記塊成化物は、荷重(静圧)が僅かであり、そのために、この塊成化物については落下強度の高いものを用いる必要はなく、輸送過程で破壊がないこと、即ち、移動炉床炉10上に、塊成化物12の層を形成するまでに壊れない程度の落下強度があればよい。具体的には、50cmの高さから10mm厚さの鉄板上に試料を3回繰返し落下させた後、10mm目の篩で篩った篩上の比率を落下歩留と定義し、その落下歩留が70mass%以上であればよい。原料を塊成化する理由は、鉄鉱石粉と石炭粉とを混合し圧密化した分だけ反応速度が向上するので、処理時間の短縮という効果が得られるからである。
このような要請に応えられる塊成化物、即ち、落下強度として70%以上の塊成化物として、本発明では、まず石炭については、石炭の粉砕性に関する標準試験であるハードグローブ法(ASTM D409、JIS M8801)の指数であるHGI(Hardgrove Grindability Index)値で65以上の特性を示す、いわゆる粉砕性に優れた石炭を使用することが肝要である。この条件を満たすような石炭を塊成化物に混合したものであれば、移動炉床炉の移動床上に供給する場合に求められる強度を十分確保することができる。
また、本発明においては、移動床11上に供給する前記塊成化物中のうちの鉄鉱石、即ち鉄含有物については、下記式で定義される気孔率が、25%以上を示す表面性状(粗さ)のものを使用すると、落下強度が90%以上である塊成化物とするのに有効である。
気孔率*3(%)=100−鉄含有物のみかけ密度*2/鉄含有物の真密度*1×100
*1:JIS M8717
*2:JIS M8719
*3:JIS M8716
一般に、結晶水の多い鉄鉱石は、10μm〜100μmの大きさのマクロ気孔を多く含むことが知られており、このマクロ気孔が鉄鉱石粒子の表面に多く存在すると、該鉄鉱石表面の摩擦力が大きくなるので、粒子間の結合力が大きくなる。したがって、鉄鉱石は気孔率が大きいほど、粒子間の結合力が大きくなるのである。
以下,本発明方法に用いる塊成化物の好適な条件について詳しく説明する。
本発明において用いる塊成化物の条件を決定するに当たり、発明者らは、整形機を用いて、種類の異なる鉄鉱石および石炭を用いた複数のタブレットを成形した。成形したタブレットの形状は、直径25mmで厚さは12mm〜15mmのものとした。鉄鉱石は−3mmの粉、炭材は−3mmの粉を混合した。また、スラグ成分調整剤として−1mmの粒度の石灰石を混合した。炭材の比率は、鉄鉱石中の鉄と結びついた酸素を還元するのに十分な量の固定炭素を含むように配合し、石灰石の比率は、還元鉄を脈石成分と分離する際に好適なスラグ組成となるように配合した。即ち、鉄鉱石、石炭および石灰石は、表1に示す割合で混合した後、所定量の水分のみを添加し、混練したのち成形機に供給して30MPaの圧力でタブレットに成型した。作製したタブレットのサンプル20個を、作成後1時間以内に50cmの高さから厚さ10mmの鉄板上に3回繰返して落下させ、その落下物を10mmの篩で選別し、篩上重量比率を落下強度とした。このようにして測定した成形直後の落下強度を表1に合わせて示した。また、石炭のHGI値、鉄鉱石の気孔率と落下強度の関係を図2に、鉄鉱石の性状を表2に、炭材の性状を表3に示した。鉄鉱石(A〜D)の気孔率は、サンプルA<B<C<Dで、石炭(1〜5)のHGI値は、サンプル1>2>3>4>5であった。
Figure 0004600102
Figure 0004600102
Figure 0004600102
上記実験の結果をよく観察したところ、驚くべきことに、HGI値の異なる石炭の場合、このHGI値が変われば落下強度が大きく変わることが判明した。即ち、HGI値の大きい石炭1および石炭2は、全ての鉄鉱石との組合わせにおいて70%以上の落下強度を示した。一方、HGI値の小さい石炭3、石炭4、石炭5は、全ての鉄鉱石との組合わせにおいて落下強度は70%未満であり、強度不足となって実用に耐えないものになることがわかった。なお、このHGI値は、粒子粉砕時のエネルギーあたりの比表面積増加量の相対値で示されるものであり、石炭の粉砕性の評価に一般的に用いられる指標である。
以上のことから、粉砕性の高い石炭、即ちHGI値の大きい石炭を用いるほど、その石炭が鉄鉱石粒子間に入り込み易くなって、互いの密着性が高くなるため、このような石炭を配合すれば、有機・無機のいかなるバインダーの使用を必要とせず、単に水を添加するのみで、移動炉床炉の原料として必要な落下強度をもつ塊成化物を得ることが可能となることがわかった。
従って、上述したように、鉄鉱石に対し、HGI値が65以上の石炭を混合することにより、鉄鉱石と石炭を含む混合物を、バインダーを添加することなく、水の添加のみで塊成化したとしても、得られたこの塊成化物は移動床11上で還元するに十分な落下強度を有するものであることがわかった。なお、本発明では、表2に示したように、揮発分が10%前後の石炭であってもHGI値が65以上を示す石炭を使用することにより、所期した強度を有する塊成化物を得ることができる。
さらに、上記実験結果から、表3に示すHGI値の大きい石炭1および石炭2を用いると同時に、表1に示す気孔率の小さい(−25%)鉄鉱石AおよびBを使用したものは落下強度が70%台に止まるが、その石炭1および石炭2を選択すると同時に、気孔率の大きい(>25%)鉄鉱石CおよびDを使用したものは、落下強度が90%以上となることがわかった。とくに、気孔率が25%以上の鉄鉱石CおよびDと、前記HGI値が65以上の石炭1および2の組合わせは、高強度の塊成化物が得られることがわかった。
上述した気孔率の高い鉄鉱石とは、結晶水の多い鉄鉱石のことであり、10μm〜100μmの大きさのマクロ気孔を含むものであることが知られている。そして、マクロ気孔が鉄鉱石粒子の表面に存在すると、表面の摩擦力が大きくなって粒子問の結合力が大きくなる。即ち、鉄鉱石は、気孔率が大きいほど粒子間の結合力が大きくなり、塊成化物の強度は、気孔率の大きい鉄鉱石と粉砕性の高い(高HGI値)石炭とを組合わせるとき、両者の接触面積が増大することで、反応速度が促進され、処理時間の短縮をもたらすというさらに大きな効果が得られる。
a.なお、鉄鉱石および石炭はともに複数種類の混合物であってもよく、この場合は、鉄鉱石混合物としての気孔率が25%以上、石炭混合物としてのHGI値が65以上であればよい。
b.塊成化前の鉄鉱石は、塊成化物の大きさの1/3以下の大きさ、例えば5mm以下の大きさが好ましいが、125μm以下の微小粒子の比率が高くなると、粒子の表面積が増加するので、鉄鉱石粒子間に石炭が入り込まない部分が増加し、乾燥後の強度が低下する。従って鉄鉱石の粒径は125μm以下が50mass%程度以下とすることが好ましい。
c.塊成化の方式は、パンペレタイザー、ドラム型、ブリケットに代表される双ロール圧密、押出し造粒、打錠型など、方式の如何は問わないが、塊成化時の圧縮力は、石炭が破壊し粒子間を埋めることができるように、30MPa程度以上とすることが好ましい。
鉄含有物たとえば鉄鉱石と炭素質固体還元剤たとえば石炭とを含む塊成化物は、移動炉床炉内で加熱し、還元して還元鉄とするが、塊成化後は一旦乾燥し、その後、移動炉床炉に供給することがより好ましい。それは、高水分の塊成化物を急速に昇温すると、内部の水分が急速に蒸発して塊成化物が爆裂する可能性があるからである。もちろん、塊成化時の水分によっては、必ずしも乾燥は必要とはならないが、この場合、爆裂を防ぐために、塊成化物投入部の炉内温度を低めに設定する必要が発生するので、炉の生産率が低下する。
前記移動炉床炉内での加熱温度は、鉄含有物の還元が迅速に進行する1200℃以上であればよく、還元鉄が溶融しない1300℃前後の温度、もしくは、少なくとも一旦溶融させて、メタルとスラグとを分離して回収するのに適した1450℃前後あるいはそれ以上で操業してもよく、温度条件については特に限定はない。
この実施例は、図3に示す要領で塊成する設備を用い、図1に示す移動炉床炉10を用いて、本発明法に従う例と比較例(従来法に従う)との比較試験を行ったときの説明である。まず、原料の調整については、鉄鉱石、石炭、石灰石を、1a、1b、1cのホッパーから所定の配合割合で切出し、ベルトコンベア2aで搬送して混合機3に入れた。この混合機3で予混合された鉄鉱石、石炭、石灰石の混合粉は、混合粉ホッパー4に一旦、貯留した後、混練機5に入れた。
混練機5では調湿水を供給して前記混合粉が所定の水分となるように調湿したのち混練した。調湿混練した混合粉は、ホッパー8を経てロール圧縮成型機9で塊成化した。このロール圧縮成型機9は、有効幅200mm、ピッチ15mmの2個の波型ロールを並列配置し、左右より圧力をかけながらプレスする装置である。ロールの幅1cm当たりにかかる圧縮力を線圧と呼ぶが、この線圧は4.2MN/mに調整した。また、ロール間の隙間を調整し、塊成化物の厚みを10mmに調整した。得られた塊成化物はベルトコンベア2bで搬送し、スクリーンSで10mm以上の塊成化物と10mm未満の篩下粉に分離した。篩下粉は混練機5にリサイクルすることとし、一方、塊成化物はベルトコンベア2cで図1に示す移動炉床炉10に搬送した。なお、塊成化物はスクリーンSで分離する間に厚さ10mm、幅が波ロールのピッチの15mm、長さは10〜50mmに解砕した。塊成化物は、移動炉床炉10の炭材を敷きつめた移動炉床11上に、10〜20mmの層厚で敷き詰め、最高1500℃に加熱し、還元し溶融したメタルとスラグとに分離した状態にして回収した。
上記の例は、本発明の一実施例であり、原料処理、塊成化の技術は上述したものに限定されるものではない。なお、ロール圧縮成型機9は、ブリケット成型機やパンペレタイザー等他の形態の塊成化設備でもよいが、30MPa以上の圧力で成型することが好ましい。スクリーンSから移動炉床炉10に搬送する設備のレイアウトは特には限定しないが、塊成化物の落下による粉化を抑えるため、ベルトコンベアの乗り継ぎ等の段差は極力少なく落差は小さいことが好ましい。また、緩衝機構により塊成化物落下時の衝撃を緩和することが好ましい。炉床は炭材床敷の有無どれでもよく、また、炉温も鉄の還元可能な温度である1200℃以上であればよい。
次に、上述のようにして得られた塊成化物を使い、これを移動炉床炉10内に入れて、表4に示す条件で、炉内温度や単位面積当たりに装入される鉄鉱石の量を一定として、移動炉床炉10の移動速度などを変更して操業し、それぞれの効果を比較した。移動速度を増やすと、炉内での滞在時間が減って、還元溶融が間に合わず、スラグ中に残存する鉄分が増えるため、回収されるメタル量を随時に測定し、メタル量が投入した鉄鉱石中の鉄分の95mass%になるように移動速度を調整し生産率を決定した。また、スクリーンSの篩上と篩下を1分間回収し、成型歩留=(篩上重量/(篩上重量+篩下重量)×100)を測定した。さらに回収した篩上の塊成化物の落下強度を上述した方法で測定した。
なお、表4に示すものは、以下に示す例である。
比較例1:HGI値<65の石炭を使用して、鉄鉱石、石炭および石灰石の混合粉を塊成化した原料を用いた本発明の不適合例、
実施例1:HGI値≧65の石炭、気孔率≧25の鉄鉱石を使用して、鉄鉱石、石炭および石灰石の混合粉を塊成化した原料を用いた本発明適合例、
実施例2:HGI値≧65の石炭、気孔率≦25の鉄鉱石を使用して、鉄鉱石、石炭および石灰石の混合粉を塊成化した原料を用いた本発明適合例、
表4に示すとおり、HGI値が88の石炭を使用した実施例1、2は、HGI値が44の石炭を使用した比較例1に比べて、成型歩留、落下強度、生産率が全て高いという結果が得られた。このことから、本発明法を採用することで、塊成化物の強度が上がり生産率が増加することがわかった。
そして、実施例1、2を比較すると、気孔率が28.5%の鉄鉱石を使用した実施例1は気孔率が14.5%の鉄鉱石を使用した実施例2よりも成型歩留、落下強度、生産率の全てが高いという結果が得られた。このことから、本発明において好ましい条件を適用した方法では、塊成化物の強度がさらに上がり生産率の向上効果はがさらに増大することがわかった。
Figure 0004600102
本発明に係る技術は、移動炉床炉による還元鉄の製造に有利に採用されるが、この技術はまた、海綿鉄の製造や鉄粉の他、他の金属粉の製造に際しても利用し得るものである。
移動炉床炉の概略を説明する模式図である。 鉄鉱石の気孔率および石炭のHGI値に関して本発明の適合範囲を示す図である。 本発明で利用する塊成化設備の模式図である。
符号の説明
1a 鉄鉱石ホッパー
1b 炭材ホッパー
1c 石灰石ホッパー
2 ベルトコンベア
3 混合機
4 混合粉ホッパー
5 混練機
6 調湿水供給ポンプ
7 貯水槽
8 ホッパー
9 ロール圧縮成型機
S スクリーン
10 移動炉床炉
11 移動床
12 原料(塊成化物)
13 バーナ
14 装入装置
15 排出装置

Claims (4)

  1. 鉄含有物および炭素質固体還元剤を含む混合物の塊成化物を、加熱炉内を移動する移動床上に供給して加熱、還元することにより還元鉄を製造する際に、前記塊成化物中に含まれる炭素質固体還元剤として、JIS M8801に規定された石炭の粉砕性試験方法でのHGI値が65以上のものを用いると共に、バインダーを添加することなく水のみで塊成化された塊成化物を使用することを特徴とする還元鉄の製造方法。
  2. 前記塊成化物は、鉄含有物として、気孔率が25%以上の鉄鉱石、焼結鉱あるいはスラッジやミルスケールの内の一種または二種以上を含むペレットやブリケットであることを特徴とする請求項1記載の還元鉄の製造方法。
  3. 還元鉄の製造に当っては、移動床型還元炉内を移動する移動床上に、前記塊成化物を積載して、この塊成化物が炉内を移動する間に加熱して還元すると共に、少なくとも一度は溶融した状態とすることにより、メタルとスラグとに分離した状態で還元鉄を得るようにすることを特徴とする請求項1または2に記載の還元鉄の製造方法。
  4. 移動床上に炭材を積載し、その炭材層の上に、前記塊成化物を積載することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の還元鉄の製造方法。
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