JP2002146444A - 製鉄原料の塊成化物製造方法 - Google Patents

製鉄原料の塊成化物製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶解時に金属鉄中への硫黄成分の溶解を低減
し、スラグ・メタル分離効率を向上させることができる
製鉄原料の塊成化物を提供する。 【解決手段】 鉄源に炭材を混合し、炭材の軟化溶融温
度範囲内で加圧成形し、見掛け密度2300kg/m3
以上である塊成化物を製造するに際して、鉄源に炭材を
混合した原料中にスラグ成分の塩基度が1.05〜1.
5の範囲になるようにCaO含有物質を添加し、還元炉
で還元した還元鉄の溶解時に、スラグ・メタルの溶融分
離温度が1500℃以下で、かつ金属鉄中の硫黄成分が
0.04%以下になる製鉄原料の塊成化物製造方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭材内装塊成化物
中の鉄源を還元して還元鉄または還元鉄を溶解して溶銑
を製造する技術分野に属し、詳しくは、炭材内装塊成化
物中に副原料を添加することにより、スラグ・メタル溶
融分離温度を下げ、さらに金属鉄中の硫黄含有量を低減
する製鉄原料の塊成化物製造方法の技術分野に属するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来の塊成化物は、鉄源である鉄鉱石粉
に炭材である石炭粉を混合して、石炭の軟化および/ま
たは溶融温度範囲内で加圧成形し、成形温度範囲で5分
以上の脱ガス処理を行なって塊成化物を製造し、その
後、塊成化物を還元した還元鉄の見掛け密度が2300
kg/m3 以上になる塊成化物である。その理由は、石
炭の軟化および/または溶融温度範囲内で加圧成形する
ことによつて、石炭と鉄鉱石粉との接触面積が大きくな
り見掛け密度が大きくなる。その結果、熱伝導性がよく
なり還元速度を高めることができるからである。また、
塊成化物の成形時に使用していたベントナイト等の無機
物のバインダーも不要となり還元鉄の品位を向上させる
ことができ、さらに還元鉄の見掛け密度も大きくするこ
とができる。還元鉄の見掛け密度が2300kg/m3
以上になると、還元鉄の溶解に際して、還元鉄は溶解炉
中のスラグ上に浮くことがなくなり短時間で溶解してし
まうと言う利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の塊成化
物では、原料中に含まれる硫黄成分の一部は還元鉄、還
元鉄の溶解過程で金属鉄中に含有され、溶銑の品質を下
げるとともに製鋼過程での脱硫処理が不可欠となり製鋼
コストを引き上げる要因となる。
【0004】また、還元鉄のスラグの融点が高いと、還
元鉄の溶解に際して、スラグ・メタルの溶解が遅れスラ
グ・メタルの分離効率が低下するとともに、溶解までに
長時間を要し溶解エネルギーコストの増大を招くことに
なる。
【0005】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、鉄源と炭材を混合し、炭材の軟化溶融
温度範囲内で加圧成形し、見掛け密度が2300kg/
3以上である塊成化物を製造するに際して、鉄源と炭
材を混合した原料中に副原料の脱硫材を添加し、さらに
スラグ成分の塩基度を調整することによって、溶解時に
金属鉄中への硫黄成分の含有量を低減し、スラグ・メタ
ル分離効率を向上させることができる製鉄原料の塊成化
物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】その要旨は、鉄源と炭材
を混合し、炭材の軟化溶融温度範囲内で加圧成形し、見
掛け密度が2300kg/m3 以上である塊成化物を製
造するに際して、鉄源と炭材を混合した原料中に目的に
則した量の脱硫材を添加し、加圧成形した塊成化物を還
元した還元鉄あるいは還元鉄の溶解によって生成する金
属鉄中の硫黄含有量を所定量に脱硫可能とすることを特
徴とする製鉄原料の塊成化物製造方法である(第1発
明)。
【0007】鉄源と炭材を混合し、炭材の軟化溶融温度
範囲内で加圧成形し、見掛け密度が2300kg/m3
以上である塊成化物を製造するに際して、鉄源と炭材を
混合した原料中にスラグ成分の塩基度(CaO/SiO
2 )が1.05〜1.5の範囲になるようにCaO含有
物質を添加し、還元炉で還元した還元鉄の溶解時に、ス
ラグ・メタルの溶融分離温度が1500℃以下で、かつ
金属鉄中の硫黄成分が0.04%以下になることを特徴
とする製鉄原料の塊成化物製造方法である(第2発
明)。
【0008】上記第2発明において、前記炭材のギーセ
ラー最高流動度MFがlogMF≧1.5であることを
特徴とする製鉄原料の塊成化物製造方法である(第3発
明)。
【0009】還元材である炭材は、炭種によって260
℃を超えると熱分解が始まり軟化溶融し、550℃を超
えると固化する。この温度域で鉄鉱石粉(鉄源)と炭材
を混合し加圧成形すると、鉄鉱石粉粒子間の空隙に溶融
した炭材が容易に浸入し、鉄鉱石粉同士を強固に連結す
る。このため、従来の方法では、バインダーが必要であ
ったが、本発明ではバインダーが不要となり還元鉄の品
位を高めることができる。本発明では、この軟化溶融性
を有する炭材を用いる。
【0010】また、260〜550℃の温度域で熱間成
形した塊成化物を、この成形温度範囲で、5分間以上の
脱ガス処理を行なうことによって、塊成化物中の炭材か
らの揮発分を抜き塊成化物の強度を高め、その後の還元
工程での塊成化物の膨れによる割れを防止することがで
きる。脱ガス処理後の塊成化物の見掛け密度は揮発分が
抜けた分、収縮するため、脱ガス処理前後の塊成化物の
見掛け密度はほとんど変わらない。しかし、脱ガス処理
を行なうことによって、還元過程での塊成化物の膨れが
なくなり還元鉄の見掛け密度は大きくなる。
【0011】図4に塊成化物と還元鉄の見掛け密度の関
係を示す。図に示すように、還元鉄の見掛け密度は還元
前の塊成化物の見掛け密度が大きくなると、それにほぼ
比例して大きくなる。また、熱間成形ブリケットに50
0℃で30分間の脱ガス処理を行なうと、還元過程での
ブリケットの膨れがなくなり、見掛け密度は大きくな
る。このように、熱間成形したブリケットに脱ガス処理
を行なうことにより見掛け密度を2300kg/m3
上にすることによって、図5に示すように、次工程の還
元鉄を溶解する際に、還元鉄の見掛け密度は溶解炉中の
スラグの見掛け密度より大きくなり、還元鉄は速やかに
スラグ中に沈み込み溶解が促進され、溶解時の生産性が
向上する。
【0012】上記の製鉄原料の塊成化物の製造方法につ
いては、本発明者等の一人によって特願平10−081
540号に提案されている。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。図1に本発明に係わる製鉄原料の塊成化物の製造プ
ロセスの概念図の一例を示す。図に示すように、まず原
料である炭材と鉄鉱石を粉砕機で粉砕する。このとき
に、鉄鉱石あるいは炭材に脱硫材である副原料のCaO
含有物質を添加して原料とともに粉砕する。同様に、原
料のスラグ成分の塩基度を調整する場合も、鉄鉱石ある
いは炭材に副原料のCaO含有物質を添加して原料とと
もに粉砕する。CaO含有物質としては生石灰、消石
灰、石灰石等を用いることができる。炭材は鉄鉱石等と
の混合状態を良好に保つために1mm以下に粉砕するの
が好ましい。また炭材は溶融軟化性の程度を示すギーセ
ラー最高流動度が高いものが好ましく、炭材の配合比率
は塊成化物中に体積比率で30%以上が望ましい。粉砕
後の鉄鉱石と炭材の乾燥・予熱に関しては、炭材は水分
変動による鉄鉱石との混合時の温度変動を少なくするた
めに、ロータリードライヤーで200℃以下の温度で乾
燥し、付着水分を除去する。一方、鉄鉱石は、炭材と混
合した時に目標成形温度になるように、ロータリーキル
ンで予熱する。
【0014】乾燥・予熱した鉄鉱石と炭材の混合には、
炭材の一部の過熱を防止するために短時間で混合できる
この業種で常用されている、例えば二軸型のミキサーを
用いる。原料の粉砕時に脱硫材および塩基度を調整する
副原料のCaOを添加しない場合は、別途粉砕したCa
Oをミキサーに添加し、鉄鉱石、炭材とともに混合して
もよい。また、ミキサーは成形温度を確保するために保
温する。
【0015】混合後の鉄鉱石、炭材およびCaOは、熱
間成形用の成形機を用いて塊成化物(ブリケット)に加
圧成形する。加圧成形は塊成化物がハンドリングに耐え
得るに十分な強度が得られればよく、従って、成形加圧
力は1.5t/cm以上とする。このようにして成形し
た塊成化物は、図6(b)に示すように、鉄鉱石粉粒子
間の空隙に溶融した炭材が浸入し、鉄鉱石同士を強固に
連結し、また、炭材と鉄鉱石との接触面積も大きくなっ
ている。また、ミキサーと成形機は密閉構造とし、ミキ
サーおよび成形機で発生するガスをエジェクター等を用
いて吸引回収し、回収したガスは還元炉の還元末期ゾー
ンに吹き込まれ還元ガスとして利用される。
【0016】成形後の塊成化物は揮発分が若干残ってい
る。これをこのまま還元炉に装入すると、揮発分の発生
により塊成化物は膨張し、場合によっては亀裂が入り粉
化する。これを防止し、塊成化物の強度を高めるため
に、成形温度付近あるいはそれ以上の温度に保持した脱
ガス・固化槽に塊成化物を装入して炭材を固化させ、同
時に揮発分も減少させる。揮発分を抜いた塊成化物は、
図6(c)に示すように、揮発分が抜けたガス穴(微細
な気孔)が認められる。このようにして製造された塊成
化物の見掛け密度は2400kg/m3以上である。従
って、この脱ガス・固化処理は、塊成化物の崩壊を防止
し、密度の高い還元鉄を得るために重要な工程である。
このようにして得られた塊成化物は脱ガス・固化槽から
出た後、篩われ、篩上は還元炉に装入され、篩下の粉は
原料として再びミキサーに戻される。
【0017】塊成化物の製造時に脱硫材としてCaOを
添加することによって、還元時あるいは還元鉄の溶解時
に、CaOは炭材に含有されている硫黄成分と反応して
CaSを形成して炭材に含有されている硫黄成分を固定
するため、金属鉄中の硫黄含有量を低減することができ
る。また、硫黄成分を含有する鉄源(鉄鉱石も含む)の
場合も、一部の硫黄成分がCaOと反応して固定され金
属鉄中の硫黄含有量を低減する。
【0018】図2はCaO添加量と金属鉄中の硫黄成分
(S)量との関係を示す図で、横軸には、塊成化物に対
するCaO添加量を示し、縦軸は金属鉄中のS含有量を
示す。図に示すように、CaO添加量が増加すると金属
鉄中のS含有量が低下することがわかる。従って、鉄源
と炭材に含有されるS量を分析により知り、脱硫したい
S量に見合う量のCaOを原料中に添加することによっ
て、金属鉄中のS量を所定量に脱硫することが可能であ
る。
【0019】また、塊成化物の製造時にCaOを添加し
てスラグ成分の塩基度を調整することによって、還元鉄
の溶解時に、スラグの融点を下げることができるため、
スラグ・メタルの分離効率を高め、清浄な金属鉄を得る
ことができる。また、スラグの融点が下がることで還元
鉄の溶解温度が下がり溶解時間を短縮することができ
る。さらに上記のようにCaOは脱硫材として作用し溶
銑の品質を上げることができる。その結果、製鋼過程で
の脱硫コストも低減される。
【0020】塩基度を左右するSiO2 は、原料中に鉄
鉱石と炭材に付随して混入するものである。従って、塩
基度を調整するためには鉄鉱石および炭材に含有される
SiO2量を分析により知り、調整したい塩基度に見合
う量のCaOを添加することによって、還元鉄中のスラ
グ成分の塩基度を所定の値に調整することが可能であ
る。
【0021】図3は塩基度とスラグ・メタル溶融分離温
度との関係および塩基度と金属鉄中のS含有量との関係
を示す図で、横軸には還元鉄中の塩基度を示し、左縦軸
にはスラグ・メタル溶融分離温度を示し、右縦軸には金
属鉄中のS含有量を示す。図に示すように、塩基度によ
ってスラグ・メタル溶融分離温度は変化することが分か
る。一方、金属鉄中のS含有量は塩基度が高くなると低
下することが分かる。
【0022】図3から明らかなように、本発明では、還
元鉄のスラグ成分の塩基度(CaO/SiO2 )を1.
05〜1.5の範囲に調整することで還元鉄の溶融時
に、スラグ・メタル溶融分離温度を1500℃以下に、
金属鉄中のS含有量を0.04%以下にすることができ
る。このように、塊成化物中に副原料を事前に混合して
おくことにより、竪型炉に塊成化物と副原料とを別々に
装入するよりは、副原料が少なくてすみ、副原料の量が
同じであれば、脱硫効率が高くなる。従って、塊成化物
中に副原料を混合することによって、副原料の量を少な
くして脱硫効率を向上させることができる。副原料は1
mm以下の粒径にした方が塊成化物の密度や強度が増
し、脱硫効率が高くなる。
【0023】塊成化物を還元炉で還元した還元鉄は、製
鉄原料として高炉に装入することもでき、あるいはキュ
ポラ炉に装入して銑鉄の原料として使用することもでき
る。
【0024】また、還元前の製鉄原料の塊成化物は製鉄
原料として、この状態で竪型炉に装入することもでき
る。ここに図7は、還元前の塊成化物(未還元塊成化
物)をJIS M8712に基づくタンブラー回転強度
試験を行い、その試験時の−1mm粉率と圧潰強度との
関係を示したものである。図に示すように、未還元塊成
化物の圧潰強度が400N/個以上あれば、−1mm粉
率は17質量%以下と少なくなり、高炉などの竪型炉へ
の装入時のハンドリングに十分耐えることがわかる。未
還元塊成化物のスラグ成分の塩基度(CaO/SiO
2 )が1.05〜1.5の範囲においては、炭材のギー
セラー最高流動度MFをlogMF≧1.5とすれば圧
潰強度400N/個以上が得られ(後述の実施例3参
照)、高炉等の竪型炉に用いることができる。なお、ギ
ーセラー最高流動度はJIS M8801に基づいて測
定された値である。
【0025】
【実施例1】以下に実施例を挙げて本発明を説明する。
表1に示す炭材と表2に示す鉄鉱石粉を、炭材22%、
鉄鉱石粉78%の質量割合で混合した後、図1に示す成
形前のミキサーに脱硫材として、塊成化物に対するCa
Oの質量割合で3%を添加して混合した。成形は450
℃で、2t/cmの成形圧力で体積約3cm3の塊成化
物を双ロール成形機で成形した。成形後500℃、30
分間の脱ガス処理を行なった。このときの塊成化物の見
掛け密度は2300kg/m3以上であった。なお、ギ
ーセラー最高流動度はJIS M8801に基づいて測
定した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】 上記塊成化物を横型還元炉で、1400℃
で10分間の還元処理を行なった。その結果を表3に示
す。表3に示すように、還元鉄の金属化率(M.Fe/
T.Fe)は98.45%で、金属鉄中のSは0.06
%である。また、比較例として脱硫材を添加しなかった
場合の金属鉄中のSは0.11%であった。このよう
に、原料中に脱硫材として生石灰を添加して成形された
塊成化物は還元過程で脱硫され、後工程での脱硫処理が
軽減される。還元鉄の見掛け密度は2400kg/m3
である。
【0029】
【表3】
【0030】
【実施例2】実施例1と同様に、表1および表2に示す
炭材と鉄鉱石粉を、炭材22%、鉄鉱石粉78%の質量
割合で混合した後、図1に示す成形前のミキサーに塩基
度調整のためのCaOを添加し、混合して、塩基度を
1.2に調整した。成形条件および成形後の脱ガス処理
条件は実施例1と同じである。
【0031】この塊成化物について還元溶融実験を行
い、スラグ・メタル溶融分離温度を測定した結果、スラ
グ・メタル溶融分離温度は1440℃であった。そし
て、この時の金属鉄中のSは0.03%であった。この
ように、原料中に塩基度調整のためのCaOを添加して
成形した塊成化物は還元後の溶解過程でのスラグ・メタ
ル溶融分離温度が低下し、溶融温度を下げることができ
る。さらに脱硫も行なわれ、後工程での脱硫処理が軽減
される。なお、還元溶融実験は、鉄鉱石類の高温荷重軟
化試験法に基づいて行なったものである。
【0032】
【実施例3】炭材として、ギーセラー最高流動度MFが
logMFで1.23〜3.54の範囲の石炭4種類を
それぞれ粉砕して粒度が74μm以下70〜80質量%
とした石炭粉を用いた。各石炭粉ごとに表2に示す鉄鉱
石粉と、石炭粉22%、鉄鉱石粉の質量割合で混合した
後、図1の成形前のミキサーに表4に示す石灰石粉をそ
の添加量を種々変更して添加し、混合して、塩基度を
0.0〜2.0の範囲で変化させた。成形条件および成
形後の脱ガス処理条件は実施例1と同じである。
【0033】
【表4】
【0034】この塊成化物の圧潰強度を測定し、その結
果を図8に、塊成化物中スラグ成分の塩基度(CaO/
SiO2 )および炭材のギーセラー最高流動度MFと塊
成化物の圧潰強度との関係を示す図として表した。図よ
り、石灰石の添加量が増加して塊成化物中スラグ成分の
塩基度(CaO/SiO2 )が大きくなるにしたがい圧
潰強度は低下する傾向にあるが、炭材のギーセラー最高
流動度MFが大きくなるほど圧潰強度は上昇することが
分かる。また図8から明らかなように、塊成化物のスラ
グ成分の塩基度(CaO/SiO2 )が1.05〜1.
5の範囲においては、炭材のギーセラー最高流動度MF
をlogMF≧1.5とすることにより、圧潰強度が4
00N/個以上の塊成化物が得られ、ハンドリングによ
る粉化が少なく、高炉等の竪型炉にも装入することがで
きる。
【0035】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明(第1〜第3発明)に係わる製鉄原料の塊成化物
は、副原料としてCaO含有物質を添加しているため、
添加したCaOが脱硫作用と塩基度調整作用をもたら
し、還元工程で硫黄成分の低い清浄な金属鉄を得ること
ができる。また、塊成化物を還元した還元鉄の溶融時に
は、溶融温度を低下させるため、溶融エネルギーコスト
を低減し、かつ脱硫も行なわれるため、後工程での脱硫
処理が軽減される。また、第3発明に係わる製鉄原料の
塊成化物は、炭材としてギーセラー最高流動度が一定値
以上の炭材を用いているため、圧潰強度が高く粉化され
にくいので高炉等の竪型炉にも装入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる製鉄原料の塊成化物の製造プロ
セスの概念図の一例である。
【図2】CaO添加量と金属鉄中のS量との関係を示す
図である。
【図3】塩基度とスラグ・メタル溶融分離温度との関係
および塩基度と金属鉄中のS含有量との関係を示す図で
ある。
【図4】塊成化物の還元前の見掛け密度と還元後の見掛
け密度との関係を示す図である。
【図5】見掛け密度1600kg/m3 と2400k
g/m3の還元後の塊成化物を坩堝で溶融試験したとき
の結果を示す図である。
【図6】塊成化物の内部組織の模式図で、(a)は従来
の塊成化物、(b)は脱ガス処理前の塊成化物、(c)
は本発明の脱ガス処理後の塊成化物の内部組織の模式図
である。
【図7】回転強度試験における塊成化物の圧潰強度と粉
率との関係を示す図である。
【図8】塊成化物中スラグ成分の塩基度および炭材のギ
ーセラー最高流動度と塊成化物の圧潰強度影響との関係
を示す図である。
フロントページの続き (72)発明者 松井 良行 兵庫県加古川市金沢町1番地 株式会社神 戸製鋼所加古川製鉄所内 (72)発明者 伊東 修三 大阪府大阪市西区江戸堀1丁目6番14号 ニッセイ肥後橋ビル 株式会社インダスト リアルサービス・インターナショナル内 Fターム(参考) 4K001 AA10 CA16 CA26 CA27 CA29 HA01 KA02 KA06 4K012 DE03 DE06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄源と炭材を混合し、炭材の軟化溶融温
    度範囲内で加圧成形し、見掛け密度が2300kg/m
    3 以上である塊成化物を製造するに際して、鉄源と炭材
    を混合した原料中に目的に則した量の脱硫材を添加し、
    加圧成形した塊成化物を還元した還元鉄あるいは還元鉄
    の溶解によって生成する金属鉄中の硫黄含有量を所定量
    に脱硫可能とすることを特徴とする製鉄原料の塊成化物
    製造方法。
  2. 【請求項2】 鉄源と炭材を混合し、炭材の軟化溶融温
    度範囲内で加圧成形し、見掛け密度が2300kg/m
    3 以上である塊成化物を製造するに際して、鉄源と炭材
    を混合した原料中にスラグ成分の塩基度(CaO/Si
    2 )が1.05〜1.5の範囲になるようにCaO含
    有物質を添加し、還元炉で還元した還元鉄の溶解時に、
    スラグ・メタルの溶融分離温度が1500℃以下で、か
    つ金属鉄中の硫黄成分が0.04%以下になることを特
    徴とする製鉄原料の塊成化物製造方法。
  3. 【請求項3】 前記炭材のギーセラー最高流動度MFが
    logMF≧1.5であることを特徴とする請求項2に
    記載の製鉄原料の塊成化物製造方法。
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