JPWO2011013721A1 - 乳酸製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、常圧を超えると共に該乳酸生産微生物の乳酸生産活性が維持され得る圧力条件下で乳酸生産微生物を用いて乳酸発酵を行って、D−乳酸又はL−乳酸を得ること、を含む乳酸製造方法を提供する。

Description

本発明は、乳酸製造方法に関する。
D−乳酸は、L−乳酸とのステレオコンプレックス型ポリ乳酸の原料や医薬中間体として近年注目を集めている。上記いずれの用途においても原料であるD−乳酸は高い光学純度が求められる。
乳酸は、一般的に微生物を利用した発酵法により工業的に製造されている。発酵プロセスは、微生物の培養と、増殖した微生物を触媒とした物質生産とが行われる工程であるので、微生物の増殖には栄養源が必要となる。工業的には栄養源として使用されることが多い安価なコーンスティープリカーは、とうもろこしの加工過程で得られるアミノ酸などを多く含む栄養価の高い液であるが、L−乳酸、D−乳酸ともに含むため、光学純度の低下を招く原因の一つとなっている。
このような観点から、効率的に乳酸を製造すると共に製品の光学純度を向上させることを目的として、L−乳酸を含まない原料の使用、あるいは原料または生産物からのL−乳酸量の削減などが検討されている。
例えば、特表2005−528111号公報では、L−乳酸を含まない原料を用い、特定の微生物あたりの酸素取り込み速度を制御パラメーターとして使用して、生産期に所望の微生物あたりの酸素取り込み速度を維持するように調整している。この結果、高い乳酸生産速度と高い乳酸収率が得られることが報告されている。
特開2008−301766号公報において、L−乳酸を含まない原料を用い、乳酸収率を向上させるために培地に葉酸を添加することにより、高い乳酸収率が得られることが報告されている。
国際公開第2005/033324号パンフレットにおいては、D−乳酸を高選択的に高生産するように改変された微生物を用いて原料に含まれるL−乳酸が効率的に分解されて光学純度が向上することやD−乳酸の生産性が向上することが記載されている。また、通気を全く行わなくてもよいが、常圧で0.1vvm〜1vvmの通気量、50rpm〜500rpmの攪拌速度、即ち、温度30℃の水を対象とした場合、常圧で酸素移動速度係数(ka)が1/hr〜400/hrとなる通気攪拌条件で培養してもよいと記載されている。
このような、微生物の改変や原料の調整による生産性向上は既存の設備をそのまま利用できる利点を有するが、乳酸生産微生物の生物活性の検討を行う必要があり、新たな微生物反応系の開発に時間がかかる場合がある。
一方、特開平7−313174号公報には、酵素活性を低下させることなく、反応中の細菌等の微生物の増殖を抑えることが可能な酵素反応方法として、少なくとも1MPaの加圧下、例えば、100MPa又は10MPaの条件下で基質を処理する方法が開示されている。
特開2002−78495号公報には、酵素分解処理を短時間で効率よく処理することができる酵素処理方法として、基質を効率よく変換して酵素反応生成物を得ることができる酵素処理方法が開示されている。この方法では、加圧することによって酵素を活性化すると共に酵素自体の安定性を向上させて、通常の酵素反応温度よりも高温での処理が可能となると記載され、例えば、150MPaの条件下での酵素処理が開示されている。
本発明の目的は、汎用性高く且つ簡便に、乳酸の光学純度を高める乳酸製造方法を提供することである。
本発明は以下のとおりである。
[1] 糖を原料として、常圧を超えると共に該乳酸生産微生物の乳酸生産活性が維持され得る圧力条件下で乳酸生産微生物を用いて乳酸発酵を行って、D−乳酸又はL−乳酸を得ること、を含む乳酸製造方法。
[2] 前記乳酸がD−乳酸である[1]記載の乳酸製造方法。
[3] 得られた前記乳酸を回収すること、を更に含む[1]又は[2]に記載の乳酸製造方法。
[4] 前記圧力条件が、酸素又は酸素を含む混合気体により調整される[1]〜[3]のいずれかに記載の乳酸製造方法。
[5] 前記圧力条件が、0.10MPaを超えると共に0.50MPa以下である[1]〜[4]のいずれかに記載の乳酸製造方法。
[6] 前記圧力条件が、0.12MPa〜0.16MPaである[1]〜[5]のいずれかに記載の乳酸製造方法。
[7] 前記発酵における酸素移動速度(OTR)が、0.0mmol−O/L/hrを超えると共に15.0mmol−O/L/hr以下の範囲である[1]〜[6]のいずれか記載の乳酸製造方法。
[8] 前記発酵における酸素移動速度(OTR)が、1.0mmol−O/L/hr〜15.0mmol−O/L/hrの範囲である[1]〜[6]のいずれか記載の乳酸製造方法。
[9] 前記乳酸発酵を、pH7.0〜pH8.0の範囲で行う[1]〜[8]のいずれかに記載の乳酸製造方法。
[10] 前記乳酸生産微生物が乳酸生産大腸菌である[1]〜[9]のいずれかに記載の乳酸製造方法。
[11] 前記乳酸生産微生物が、D−乳酸及びL−乳酸の一方を目的生産物とする生産機構が強化されると共に、該目的生産物の分解機構が欠失または低減された乳酸生産大腸菌である[1]〜[10]のいずれかに記載の乳酸製造方法。
[12] 前記乳酸生産微生物が、D−乳酸生産機構が強化されると共に、分解機構としてのdldが欠失又は低減されたD−乳酸生産大腸菌である[1]〜[11]記載の乳酸製造方法。
本発明によれば、汎用性高く且つ簡便に乳酸の光学純度を高める乳酸製造方法を提供
することができる。
本発明の実施例で使用された発酵装置の概略図である。
本発明の乳酸製造方法は、糖を原料として、常圧を超えると共に該乳酸生産微生物の乳酸生産活性が維持され得る圧力条件下で乳酸生産微生物を用いて乳酸発酵を行って、D−乳酸又はL−乳酸を得ること、を含む乳酸製造方法である。
本発明では、糖を原料として乳酸生産微生物を用いて乳酸発酵を行う際、常圧を超えると共に該乳酸生産微生物の乳酸生産活性が維持され得る圧力条件下で乳酸発酵を行うので、常圧(0.10MPa)で乳酸発酵を行うよりも、目的とするD−乳酸又はL−乳酸の光学純度を高めることができる。
これにより、大幅に設備を変更することなく簡便な操作で目的とする化合物の光学純度を高めることができると共に、使用実績のある微生物反応系にも適用可能な汎用性のある光学純度の向上方法を提供できる。
なお、本発明において「乳酸の光学純度を高める」とは、回収された生産物における目的とする光学異性体(L−乳酸又はD−乳酸)の割合が増加することを意味する。目的とする光学異性体の割合が増加とは、目的とする一方の光学異性体の生産量が増加する場合に限定されず、目的とする一方の光学異性体の分解が抑制される場合、他方の光学異性体の分解が促進される場合、他の副生物の生成が抑制される場合なども含まれる。
また、本発明において「常圧を超えると共に該乳酸生産微生物の乳酸生産活性が維持され得る加圧条件下」とは、常圧に対して加圧した状態であって、乳酸生産微生物の乳酸生産に関する通常の活性が維持可能な程度の加圧状態を意味する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても本工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
また、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
以下、本発明について説明する。
本発明で使用可能な乳酸生産微生物は、特に制限がなく、L−乳酸又はD−乳酸を生産可能な微生物であればいずれであってもよい。
中でも、D−乳酸を生産する又は生産するように強化された微生物であることが好ましく、光学異性体であるL−乳酸の分解能を有する微生物やL−乳酸分解を促進する作用を持つ微生物であることが更に好ましい。このような微生物を用いることによって、D−乳酸の光学純度をより効率よく高めることができる。
このような微生物としては、乳酸菌などの野生型で乳酸を生産する微生物であってもよいが、遺伝子改変等を行って乳酸生産を可能又は強化した微生物であることが好ましく、更にL−乳酸分解性の観点から微好気から好気条件で乳酸生産可能な微生物であることが更に好ましい。このような微生物としては、例えば、酵母、大腸菌、乳酸菌等を挙げることができ、遺伝子改変の実績が豊富な大腸菌であることがより好ましい。
このような乳酸生産大腸菌としての遺伝子改変大腸菌には、乳酸、例えばD−乳酸の生産が向上するように改変されたものであれば特に制限なく使用できる。このような乳酸生産大腸菌としては、例えば、FAD依存性D−乳酸デヒドロゲナーゼ(dld)活性を不活性化あるいは低減化された大腸菌、D−乳酸デヒドロゲナーゼをコードする遺伝子(例えばldhA)の発現を強化(例えば、グリセリルアルデヒド三リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)のプロモータ又はセリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼ(glyA)プロモータを導入)した大腸菌、ピルベートホルメートリアーゼ(pfl)の活性が不活性化又は低減化されたヘテロ乳酸発酵細菌などを挙げることができる(APPLIED AND ENVIRONMENTAL MICROBIOLOGY, Jan. 2003, p. 399-407)。これらの遺伝子改変を組み合わせて行った微生物であってもよい。
L−乳酸の生産が向上するように改変されたものとしては、ピルビン酸からL−乳酸を合成する反応を主に触媒するNAD型L−乳酸デヒドロゲナーゼ(例えばLdh2)を導入・強化したもの、またこれと独立して又はこれらと組み合わせて、L−乳酸を分解する反応を主に触媒するFMN型L−乳酸デヒドロゲナーゼ(例えばlldD)を欠失・低減させているもの等も好適に用いることができる。
また、上記の乳酸生産大腸菌は、乳酸以外の化合物(副生物)の生産を低減するように改変したものであってもよい。このような遺伝子改変大腸菌としては、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ(mdh)活性が不活性化又は低減され、且つアスパラギン酸アンモニアリアーゼ(aspA)活性が不活性化又は低減化されたものを挙げることができる。
このような大腸菌は、特開2005−102625号、WO2005/033324号等に開示されている。特に、WO2005/033324号に記載された微好気発酵可能なエシェリヒア・コリMG1655△pfl△dld△mdh△asp株/GAPldhAゲノム株がD−乳酸の生産効率の観点から好ましいが、これに限定されず、突然変異処理等により、D−乳酸の生産活性やL−乳酸の分解活性を強化させたその他の菌株についてもその発明の範囲に含まれる。
なお上述したように乳酸菌などの野生型で乳酸を生産する微生物を用いる場合には、乳酸生産を可能にする遺伝子改変又は乳酸生産を強化する遺伝子改変を伴わずに、他方の光学異性体の分解活性が促進するような遺伝子改変や、副生物の生産が低減するような遺伝子改変を、単独で又は組み合わせて導入したものであってもよい。
本乳酸製造方法は、糖を原料として、常圧を超えると共に該乳酸生産微生物の乳酸生産活性が維持され得る圧力条件下で乳酸生産微生物を用いて乳酸発酵を行って、乳酸を得ること(以下、「発酵工程」と単にいうことがある)を含む。
発酵工程は、常圧を超える圧力条件下、即ち0.10MPaを超える圧力条件下で行われる。
このような圧力条件は、通常の大気圧下での発酵条件よりも高いものであり、微生物による乳酸の生産において、このような圧力条件下で、乳酸の光学純度が高まることは予想外のことであった。
発酵工程における圧力条件としては、得られる乳酸の光学純度の観点から、0.10MPaを超えると共に0.50MPa以下であることが好ましく、0.10MPaよりも高く0.20MPa以下であることがより好ましく、0.12MPa〜0.16MPaであることが更に好ましい。0.10MPaを超える圧力であれば、乳酸の光学純度を高めることができるため好ましい。一方、0.50MPa以下の圧力であれば、圧力により微生物が受ける負荷が小さいため、好ましい。また、この範囲の圧力条件であれば、所謂「微加圧」の条件であり、通常の発酵工程で用いられている発酵装置をそのまま又は加圧機構を追加する程度のわずかな装備の変更で使用することができる。
圧力条件の調整は、発酵槽に気体を注入(通気)することにより簡便に行うことができる。
ここで用いられる気体としては、酸素又は酸素を含む混合気体、窒素、炭酸(二酸化炭素)等を挙げることができる。酸素を含む混合気体としては、例えば、酸素を1容量%以上含む混合気体であればよく、例えば空気が該当する。中でも、微生物の生育の観点や光学純度の観点から、酸素又は酸素を含む混合気体であることが好ましい。なお、混合気体の場合には、酸素の分散性の観点から、10容量%〜50容量%の酸素を含む混合気体であること好ましい。
酸素や酸素を含む混合気体の通気は、発酵工程の全過程で行ってもよく、一時期のみ行ってもよい。発酵工程の一時期のみ通気する場合には、微生物の生育期の一部に酸素や酸素を含む混合気体を通気し得る。窒素、炭酸等の気体や無通気に通気条件を切り替えることにより簡便に実施できる。通気を一時期のみで行う場合には、具体的には、酸素や酸素を含む混合気体は発酵開始から1時間以上通気されていることが好ましい。ここでいう生育期とは微生物が生育し発酵槽内の微生物濃度が高くなる期間である。
また発酵工程における反応系のpHとしては、pH6.0〜pH9.0の通常の発酵条件であってもよいが、光学純度の観点からpH7.0〜pH8.0であることが好ましく、pH7.4〜pH7.6であることが更に好ましい。pHはアルカリ中和剤を用いて調整すればよく、使用可能な中和剤の種類は、微生物を死滅させる物質やD−乳酸の生産を停止させる物質でなければ何ら限定されるものではない。例えば、NaOHやNH、Ca(OH)、CaCOなどが挙げられる。
発酵工程における通気は必ずしも発酵液中を気体が通過する必要はなく、発酵槽の形状によっては適度に発酵液を撹拌しながら発酵液上の気相が換気されるような上面通気も含み、発酵槽の内部に気体を流入させることを意味する。また加圧は発酵槽に気体を充填して通気しなくてもよく、この場合は加圧条件が満たされるように、例えば密閉した発酵槽に前記酸素又は酸素を含む混合気体を充填すればよい。
発酵工程における通気量としては、0vvm〜5vvmの通常の通気量でよいが、高光学純度の観点から、0vvmより高い通気量が好ましく、乳酸生産効率の観点から2vvm以下が好ましい。より好ましくは1.5vvm以下である。
なお、本発明では通気量としてvvmとの表記を使用する場合がある。本明細書において「vvm」とは、1分間で、液容量の何倍の通気をするかということを示すものであり、例えば、10Lの発酵液に対して、2vvmの通気を行ったとは、毎分20Lの通気を行ったということを意味するものである。
液中に通気する場合は内圧、撹拌羽根位置、撹拌羽根形状、撹拌速度の組み合わせにより液中への酸素の溶け込み速度が変化するために、乳酸の生産性および乳酸以外の有機酸量などを指標に種々の条件が設定可能である。なお、設定された通気条件は、発酵初期から終了まで一貫して行う必要はなく、発酵工程の一部で行うことでも好ましい結果を得ることができる。上記のように通気を行うことで乳酸の生産性の向上、目的外の光学異性体の削減を達成することができる。
本発酵工程における条件としては、高光学純度の乳酸生産効率の観点から、酸素移動速度(OTR)が、0.0mmol−O/L/hrより大きく15.0mmol−O/L/hr以下の条件下で発酵を行うことが好ましく(以下、微好気条件という)、更には光学純度、乳酸生産性の観点から1.0mmol−O/L/hr〜15.0mmol−O/L/hrであることがより好ましく、1.0mmol−O/L/hr〜10.0mmol−O/L/hrであることが更に好ましく、1.0mmol−O/L/hr〜5.0mmol−O/L/hrであることが更により好ましい。なおOTRは、乳酸生産期に測定されたものであればよい。ここで乳酸生産期とは、発酵開始後、微生物培養の適応期を経て微生物が増殖を開始し乳酸を生産する時期を指す。また微生物の培養と乳酸生産を分けて実施する場合は、乳酸生産工程を指す。
本発明における酸素移動速度(OTR)とは、発酵液の単位容積あたりの酸素移動速度であり、すなわち微生物の酸素摂取速度とも言える。OTRは排ガス分析法によって以下の式1から求めたものを用いる。
(式1)
OTR=7.22×10/VL×(QiPiyi/Ti−QoPoyo/To)
VL:発酵槽中の液量(L)
Qi及びQo:空気入り口及び出口における空気流量(L/min)
Pi及びPo:空気入り口及び出口における空気圧(MPa)
Ti及びTo:空気入り口及び出口における絶対温度(K)
yi及びyo:空気入り口及び出口における酸素のモル分率
なお上記式1に基づいてOTRを求める際に、空気流量、空気圧、絶対温度の値が空気入り口及び出口で無視できる程度の差しかないときには1カ所での測定値を適用してもよい。また、本発明でいう圧力及び空気圧は、絶対圧力を指す。
OTRは、菌体量や菌体あたりの酸素消費量が発酵期間において変化するため、通気量、攪拌回転速度、温度、圧力、pHなどによって変動する。従って、OTRを上述した範囲内に調整するには、空気流量、空気圧等を適宜調整すればよい。
また、上記OTRは他の指標に換算することもできる。このような他の指標としては、液境膜容量係数(ka)を挙げることができる。液境膜容量係数(ka)は通気量・攪拌回転速度の関数であり、以下の関係が知られている(式2、Richards,J.W.1961,Prog.Ind.Micro.3,143−172)
(式2)
a∝(P/V)0.4Vs0.50.5
:通気攪拌槽の消費動力
V:槽に張り込まれた液量
:見かけの空気線速度(通気量/槽断面積)
N:攪拌回転速度
OTRとkaの相関性は、以下の式3で表される。本発明における発酵工程におけるkaは、下記関係式より0/hより大きく68/h未満となることが好ましく、4.5/h〜45/hであることがより好ましい。
(式3)
a=OTR/([DO]−[DO])
[DO]:気相中の酸素の分圧と平衡な発酵液中の溶存酸素濃度
[DO]:実際の溶存酸素
[DO]は槽内の圧力に比例して変化する。そのため槽内のOTRを圧力によらず一定にするには、圧力に応じてkaを変化、具体的には通気量や攪拌回転速度を変化させる必要がある。例えば、加圧した場合は[DO]*が上昇するので、OTRを一定にするには通気量又は攪拌回転速度を下げて調整すればよい。
本発明の乳酸製造方法では、常圧を超えると共に該乳酸生産微生物の乳酸生産活性が維持され得る加圧条件下の発酵において、常圧条件下と同じOTRになるように、加圧に応じてkaを下げた場合においても、常圧条件下での生産と比較して、目的とする乳酸の光学純度を高めることができる。
本発酵工程では、上記圧力条件、pH及びOTRはそれぞれ組み合わせて適用することができる。この場合、各条件に関して記載した好ましい範囲を適宜組み合わせて適用してもよい。
本発明の乳酸製造方法では、乳酸製造の原料として通常用いられる糖を原料として用いることができる。原料として用いられる糖としては、通常用いられる炭素源であればよく、一般的なものとしてデンプン、グルコース、フルクトース、キシロース、アラビノース等の糖類、またはこれら成分を多く含む草木質分解産物やセルロース加水分解物などを挙げることができる。更には植物油由来のグリセリンや脂肪酸も、本発明における炭素源と共に原料に含まれていてもよい。
本発明における原料としての糖は、単体として利用するものであってもよく、植物由来原料そのものを、原料としての糖として用いてもよい。このような植物由来原料の例示としては、穀物等の農作物、トウモロコシ、米、小麦、大豆、サトウキビ、ビート、綿等、又はこれらの組み合わせを好ましく挙げることができ、その原料としての使用形態は、未加工品、絞り汁、粉砕物等、特に限定されない。また、上記の炭素源のみの形態であってもよい。
植物由来原料と乳酸生産細菌との混合は、乳酸生産細菌の活性によって異なるが、一般に、培地中の植物由来原料の濃度として、グルコース換算で初発の糖濃度を混合物の全質量に対して20質量%以下とすることができ、細菌の耐糖性の観点から好ましくは、初発の糖濃度を15質量%以下とすることができる。この他の各成分は、微生物の培地に通常添加される量で添加されればよく、特に制限されない。
本発明における「発酵」とは、培地を用いて本発明に係る微生物を培養すること、また目的物を生産することを意味する。微生物の培養と目的物の生産は同時に実施されてもよく、微生物を培養後、取得した微生物を用いて目的物を生産しても構わない。その際、使用される培地としては、上記炭素源、窒素源、無機イオン、及び乳酸を生産するために微生物が要求する有機微量元素、核酸、ビタミン類等が含まれた培地であれば特に制限はない。
なかでも、2種以上のアミノ酸が添加された培地で発酵することが、生産速度の観点から好ましい。本発明における2種以上のアミノ酸が添加された培地とは、天然に存在する各種アミノ酸の中から少なくとも2種以上を含有する培地を意味し、酵母エキス、カザミノ酸、ペプトン、ホエー、廃糖蜜、コーンスティープリカーなどの天然物や天然物抽出物の加水分解物を含有する培地も含む。より好ましい結果を得るためには酵母エキス、ペプトン、ホエー、廃糖蜜、コーンスティープリカーより選ばれる少なくとも1種類、もしくはそれらの混合物が0.5質量%から20質量%含む培地が好ましく、2質量%から15質量%ではさらに好ましい。特にコーンスティープリカー添加は大きな効果が得られる。培地又は反応系は通常液体培地である。
なお、上記濃度は、組成物中の各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
発酵条件については、得られた微生物、発酵装置により変動するが、例えば発酵温度は0℃〜60℃、微生物の増殖の観点から好ましくは20℃〜40℃、より好ましくは25℃〜35℃の範囲である。
発酵時間は特に限定されないが、菌体が十分に増殖し、且つ乳酸が生成するに必要な時間であればよく、例えば15時間以上とすることができる。
発酵に際しては通常は温度、pH、通気条件、攪拌速度を制御し得る発酵槽を用いるのが一般的であるが、本発明の発酵に際しては発酵槽を使用することに限定されない。発酵槽を用いて発酵する場合には、必要により、予め前培養として種菌体の培養を行い、これを必要量予め調製しておいた発酵槽内の培地に接種してもよい。
種菌体の培地への接種量としては、通常の微生物の培養と同様であり、目的物が生産されれば特に限定されない。一般に前培養液を、培地に対して0.05容量%〜15容量%接種することができる。尚、乳酸生産細菌として複数種を用いてもよい。
本発明における発酵物とは、上述した方法により生産された菌体、発酵液、及びそれらの処理物を指す。
本発明の乳酸製造方法は、更に、発酵工程で得られた前記乳酸を回収すること(以下、「回収工程」と単に言うことがある)を含んでもよい。
以上のようにして得られた発酵液等の発酵物から乳酸を回収する方法は、例えば発酵液から乳酸を回収するために適用可能な通常知られた方法が利用でき、例えば酸性化した後直接蒸留する方法、ラクチドを形成させて蒸留する方法、アルコールと触媒を加えエステル化した後蒸留する方法、有機溶媒中に抽出する方法、イオン交換カラムで分離する方法、電気透析により濃縮分離する方法などやそれらを組み合わせた方法が採用できる。また、本発明の方法で用いられた菌体は、乳酸の生産に適した酵素群を生産していることから、これを利用してさらに乳酸を生産し、回収することも発酵物から乳酸を回収する方法の一部とみなされる。
本発明の乳酸製造方法では、光学純度の高い乳酸を生産することができるので、発酵工程後に得られた発酵物に含まれる乳酸を回収することによって、D−乳酸又はL−乳酸を純度よく得ることができる。
本発明の乳酸製造方法では、定法のHPLCやF−キット D−/L−乳酸(ジェイ・ケイ・インターナショナル 製品番号1112821)を用いて光学純度を確認することができる。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。しかしながら、本発明はそれらに何ら限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」及び「部」は質量基準である。
[実施例1]
<前培養>
LB培地(DifcoTM LB Broth Miller)を、三角フラスコにフラスコ容量の1/5量入れ、121℃、15分間オートクレーブ殺菌を行った。オートクレーブ殺菌後の培地に、WO05/033324記載のエシェリヒア・コリMG1655△pfl△dld△mdh△asp株/GAPldhAゲノム株を0.1vol%接種した。35℃の恒温室にて16hr振盪培養を行い、種菌体を増殖させた。
<発酵>
次いで、表1に示す組成でオートクレーブ殺菌済みの培地500mLが入った1L発酵槽(エイブル社製BML−01PI)に、上記の前培養液25mLを接種した。発酵は圧力0.12MPa、攪拌回転速度260rpm、空気通気量0.26vvm、発酵温度35℃、pH7.5(NaOHで調整)に制御し、48hr実施した。
Figure 2011013721
図1に発酵に用いた発酵装置10を示す。
発酵装置10には、発酵槽12が設けられている。この発酵槽12には、マスフローメータ14を介して空気入り口から空気が供給されるようになっており(矢印A)、一方、コンデンサ16を介して槽内の空気が排気口から排出されるようになっている(矢印B)。コンデンサ16と排気口との間には、槽内圧力計18及び排ガス分析計20が連結され、槽内の圧力及び出口の酸素モル分圧をそれぞれ測定可能になっている。発酵槽12には、温度センサ22、DOセンサ24及びpHセンサ26がそれぞれ配置されており、発酵槽12内の反応液中の、温度、DO(溶在酸素)及びpHが測定可能になっている。また、発酵槽12には、攪拌機としてのディスクタービン翼28が配置されており、ディスクタービン翼28はマグネッティックスターラ44で攪拌・制御される。
また、発酵槽12の周囲にはバンドヒータ32、内部には冷却棒40が備えられており、冷却棒40にはクールサーキュレータ42、冷却水路制御用電磁弁46が接続されている。発酵槽12の外側には、pH調整剤を充填したpH調整部34が設けられている。pH調整部34は、ポンプ36を介して発酵槽12へpH調整剤を供給可能となっている。
発酵槽12には、全体を制御するコントローラ38が備えられており、温度センサ22、DOセンサ24及びpHセンサ26に連結されて、それぞれのセンサからの情報が入力可能になっている。また、コントローラ38は、バンドヒータ32と冷却水路制御用電磁弁46に連結されている。コントローラ38は、各種センサからの情報に応じて、バンドヒータ32、冷却水路制御用電磁弁46を作動させて温度を制御すると共に、ポンプ36を作動によりpH制御するようになっている。
本実施例では、空気入り口の空気流量はマスフローメータ14の値を、また出口の空気流量も酸素消費による減少分は無視できる範囲としてマスフローメータ14の値を採用した。同様に空気入り口及び出口の空気圧は共に槽内圧力計18の値を採用した。また空気入り口及び出口における絶対温度は共に槽内の温度センサ22の値を採用した。空気入り口の酸素モル分率は0.21とし、出口の酸素モル分率は排ガス分析計20の値を採用した。
本実施例では、空気入り口及び出口の空気流量は0.13L/min、空気入り口及び出口の空気圧は0.12MPa、空気入り口及び出口の温度は35℃とした。また、空気入り口の酸素モル分率は0.21とし、出口の酸素モル分率は、測定された酸素モル分率の値(0.21〜0.18)を採用した。ここでは1分ごとに記録した各値を用いて、上述した式1に従って算出した値の平均値をOTRとした。このとき、槽内の溶存酸素濃度(DO)は、発酵開始から3hr以降はほぼ0ppmであった。
得られた発酵液中の乳酸濃度はHPLCで定法に従い測定した。(カラム:ULTRON PS−80H,溶離液:過塩素酸水溶液(pH2.1))。また、乳酸の光学純度については、HPLCで定法に従いD−乳酸、L−乳酸量を測定し(カラム:SUMICHIRAL OA−5000,溶離液:2mM 硫酸銅)、次式に代入し求めた。
光学純度(%ee)
=(D乳酸濃度−L乳酸濃度)/(D乳酸濃度+L乳酸濃度)×100
48hr発酵後の結果を表2に示す。
[実施例2]
圧力0.14MPaで行った以外は実施例1と同じ方法で発酵を実施し、目的物を得た。結果を表2に示す。
[実施例3]
圧力0.16MPaで行った以外は実施例2と同じ方法で発酵を実施し目的物を得た。結果を表2に示す。
[比較例1]
常圧下、空気通気0.32vvmで実施例1と同様に発酵を実施し、目的物を得た。48hr後の結果を表2に示す。
Figure 2011013721
表2に示されるように、本結果より、加圧によって常圧の場合と比較して高い光学純度のD−乳酸が得られることが判明した。
[実施例4]
圧力0.12MPa、攪拌回転速度200rpm、空気通気量0.35vvmで、実施例1と同様に発酵を実施し目的物を得た。結果を表3に示す。
[実施例5]
圧力0.12MPa、pH7.4(NaOHで調整)、攪拌回転速度200rpm、空気通気量0.35vvmで、実施例1と同様に発酵を実施し、目的物を得た。結果を表3に示す。
[実施例6]
圧力0.12MPa、pH7.6(NaOHで調整)、攪拌回転速度200rpm、空気通気量0.35vvmで、実施例1と同様に発酵を実施し、目的物を得た。結果を表3に示す。
[実施例7]
圧力0.12MPa、pH7.0(NaOHで調整)、攪拌回転速度200rpm、空気通気量0.35vvmで、実施例1と同様に発酵を実施し、目的物を得た。結果を表3に示す。
[実施例8]
圧力0.12MPa、pH8.0(NaOHで調整)、攪拌回転速度200rpm、空気通気量0.35vvmで、実施例1と同様に発酵を実施し、目的物を得た。結果を表3に示す。
[比較例2]
常圧、pH7.0(NaOHで調整)、攪拌回転速度200rpm、空気通気量0.45vvmで、実施例1と同様に発酵を実施し、目的物を得た。結果を表3に示す。
[比較例3]
常圧、pH8.0(NaOHで調整)、攪拌回転速度200rpm、空気通気量0.45vvmで、実施例1と同様に発酵を実施し、目的物を得た。結果を表3に示す。
Figure 2011013721
表3の結果より、発酵pH7.0〜pH8.0、特にpH7.4〜pH7.6に制御することにより、高いD−乳酸生産性を維持しつつ高い光学純度となるD−乳酸が得られることが判明した。
[実施例9]
表4に示す組成でオートクレーブ殺菌済みの培地5Lが入った10L発酵槽に、実施例1記載の前培養液250mLを接種した。発酵は圧力0.12MPa、攪拌回転速度150rpm、空気通気量0.24vvm、発酵温度35℃、pH7.5(NaOHで調整)で制御し、48hr実施した。48hr後の結果を表5に示す。
Figure 2011013721
[実施例10]
攪拌回転速度150rpm、空気通気量0.80vvmで実施例9と同様に発酵を実施し目的物を得た。結果を表5に示す。
[実施例11]
攪拌回転速度150rpm、空気通気量1.50vvmで実施例9と同様に発酵を実施し目的物を得た。結果を表5に示す。
[実施例12]
攪拌回転速度100rpm、空気通気量0.20vvmで実施例9と同様に発酵を実施し目的物を得た。結果を表5に示す。
[実施例13]
攪拌回転速度260rpm、空気通気量1.00vvmで実施例9と同様に発酵を実施し目的物を得た。結果を表5に示す。
[比較例4]
常圧、攪拌回転速度100rpm、空気通気量0.25vvmで実施例9と同様に発酵を実施し目的物を得た。結果を表5に示す。
[比較例5]
常圧、攪拌回転速度260rpm、空気通気量1.20vvmで実施例9と同様に発酵を実施し目的物を得た。結果を表5に示す。
Figure 2011013721
表5の結果より、OTR=0.9mmol−O/L/hr〜15.0mmol−O/L/hr、特にOTR=1.0mmol−O/L/hr〜10.0mmol−O/L/hrの範囲に制御することにより、高い光学純度となるD−乳酸が得られることが判明した。
従って、本発明によれば、汎用性高く且つ簡便に、乳酸の光学純度を高めることができる。
2009年7月28日に出願の日本国出願番号第2009−175757号の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (12)

  1. 糖を原料として、常圧を超えると共に該乳酸生産微生物の乳酸生産活性が維持され得る圧力条件下で乳酸生産微生物を用いて乳酸発酵を行って、D−乳酸又はL−乳酸を得ること、
    を含む乳酸製造方法。
  2. 前記乳酸がD−乳酸である請求項1記載の乳酸製造方法。
  3. 得られた前記乳酸を回収すること、を更に含む請求項1又は請求項2記載の乳酸製造方法。
  4. 前記圧力条件が、酸素又は酸素を含む混合気体により調整される請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の乳酸製造方法。
  5. 前記圧力条件が、0.10MPaを超えると共に0.50MPa以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の乳酸製造方法。
  6. 前記圧力条件が、0.12MPa〜0.16MPaである請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の乳酸製造方法。
  7. 前記発酵における酸素移動速度(OTR)が、0.0mmol−O/L/hrを超えると共に15.0mmol−O/L/hr以下の範囲である請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の乳酸製造方法。
  8. 前記発酵における酸素移動速度(OTR)が、1.0mmol−O/L/hr〜15.0mmol−O/L/hrの範囲である請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の乳酸製造方法。
  9. 前記乳酸発酵を、pH7.0〜pH8.0の範囲で行う請求項1〜請求項8のいずれか1項記載の乳酸製造方法。
  10. 前記乳酸生産微生物が乳酸生産大腸菌である請求項1〜請求項9のいずれか1項記載の乳酸製造方法。
  11. 前記乳酸生産微生物が、D−乳酸及びL−乳酸の一方を目的生産物とする生産機構が強化されると共に、該目的生産物の分解機構が欠失または低減された乳酸生産大腸菌である請求項1〜請求項10のいずれか1項記載の乳酸製造方法。
  12. 前記乳酸生産微生物が、D−乳酸生産機構が強化されると共に、分解機構としてのdldが欠失又は低減されたD−乳酸生産大腸菌である請求項1〜11のいずれか1項記載の乳酸製造方法。
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