JPWO2011001930A1 - 電解質・電極接合体の製造方法 - Google Patents

電解質・電極接合体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2011001930A1
JPWO2011001930A1 JP2011520905A JP2011520905A JPWO2011001930A1 JP WO2011001930 A1 JPWO2011001930 A1 JP WO2011001930A1 JP 2011520905 A JP2011520905 A JP 2011520905A JP 2011520905 A JP2011520905 A JP 2011520905A JP WO2011001930 A1 JPWO2011001930 A1 JP WO2011001930A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
electrolyte
anode electrode
electrode layer
intermediate layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011520905A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5547188B2 (ja
Inventor
小泉 淳
淳 小泉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2011520905A priority Critical patent/JP5547188B2/ja
Publication of JPWO2011001930A1 publication Critical patent/JPWO2011001930A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5547188B2 publication Critical patent/JP5547188B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/86Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
    • H01M4/88Processes of manufacture
    • H01M4/8878Treatment steps after deposition of the catalytic active composition or after shaping of the electrode being free-standing body
    • H01M4/8882Heat treatment, e.g. drying, baking
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/86Inert electrodes with catalytic activity, e.g. for fuel cells
    • H01M4/8605Porous electrodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/10Fuel cells with solid electrolytes
    • H01M8/12Fuel cells with solid electrolytes operating at high temperature, e.g. with stabilised ZrO2 electrolyte
    • H01M8/1231Fuel cells with solid electrolytes operating at high temperature, e.g. with stabilised ZrO2 electrolyte with both reactants being gaseous or vaporised
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M8/00Fuel cells; Manufacture thereof
    • H01M8/10Fuel cells with solid electrolytes
    • H01M8/12Fuel cells with solid electrolytes operating at high temperature, e.g. with stabilised ZrO2 electrolyte
    • H01M8/124Fuel cells with solid electrolytes operating at high temperature, e.g. with stabilised ZrO2 electrolyte characterised by the process of manufacturing or by the material of the electrolyte
    • H01M8/1246Fuel cells with solid electrolytes operating at high temperature, e.g. with stabilised ZrO2 electrolyte characterised by the process of manufacturing or by the material of the electrolyte the electrolyte consisting of oxides
    • H01M8/1253Fuel cells with solid electrolytes operating at high temperature, e.g. with stabilised ZrO2 electrolyte characterised by the process of manufacturing or by the material of the electrolyte the electrolyte consisting of oxides the electrolyte containing zirconium oxide
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Sustainable Energy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

本発明は、電解質・電極接合体(10)の製造方法に関する。先ず、中間層(18)の収縮率の許容範囲、すなわち、収縮率下限値及び収縮率上限値を求め、少なくともアノード電極層(12)の収縮率を中間層(18)の収縮率下限値〜収縮率上限値の間に設定する。このアノード電極層(12)の一端面上に直接、又は間接的に、シート状の電解質層(16)を積層し、さらに、シート状の前記中間層(18)を積層して積層体を得る。この積層体に対して焼成処理を施した後、中間層(18)の一端面上にカソード電極層(20)を形成して電解質・電極接合体(10)を得る。

Description

本発明は、アノード電極層とカソード電極層との間に固体電解質が介装されて構成される電解質・電極接合体の製造方法に関する。
固体電解質型燃料電池の電解質・電極接合体(MEA)は、一般的に、NiO−イットリアドープ安定化ジルコニア(YSZ)系サーメット多孔質体からなるアノード電極層、YSZやスカンジアドープ安定化ジルコニア(SSZ)をはじめとする各種の酸化物イオン伝導体からなる電解質層、SmドープCeO(SDC)、YドープCeO(YDC)、GdドープCeO(GDC)、LaドープCeO(LDC)等のセリア系酸化物からなる中間層、ペロブスカイト型酸化物等からなるカソード電極層が下方からこの順序で積層されることによって構成される。このような構成において、前記中間層は、電解質層とカソード電極層との相互反応を防止する反応防止層として機能する。なお、必要に応じ、アノード電極層と電解質層の間にも中間層が介在されることがある。
この種のMEAを作製する一手法としては、特開2001−283876号公報に記載された製造方法が挙げられる。すなわち、プレス成形によって得られたアノード電極層上にスクリーン印刷法によって中間層スラリ、電解質スラリをこの順序で塗布した後、これらアノード電極層、中間層スラリ及び電解質スラリを共焼結させてアノード電極層、中間層及び電解質の積層体とし、次に、電解質上にSDCスラリを塗布した後、所定の温度でSDCスラリを焼成してSDC膜(中間層)とする方法である。
しかしながら、セリア系酸化物であるSDCを基材とする中間層は、安定化ジルコニアを基材とするアノード電極層及び電解質層に比して難焼結性である。このような中間層を焼結させるためには焼成温度を高温にする必要があるが、この場合、アノード電極層及び電解質層が中間層に比して大きく収縮する。このことに起因して、焼成処理の最中に中間層が電解質層から剥離することがある。すなわち、層間剥離が生じる懸念がある。
一方、フュエルセルズブリティン(Fuel Cells Bulletin)2007年第8号第12頁〜第15頁には、アノード電極基板層、アノード電極機能層、電解質層、中間層となる各シート成形体を積層して積層体を形成し、その後、該積層体に対して1400℃で一体的に焼成することによって、この種のMEAを作製したとの報告がなされている。
さらに、特開2007−200664号公報記載の従来技術では、アノード電極層となるグリーン成形体と、電解質層となるグリーン成形体との積層体を、両グリーン成形体の収縮率が20%超30%以下となるように焼成処理を施し、これにより、電解質層がアノード電極層から剥離したり、アノード電極層と電解質層の積層体に反りが生じたりすることを回避することが試みられている。
前記フュエルセルズブリティン(Fuel Cells Bulletin)2007年第8号第12頁〜第15頁には、焼成温度として1400℃が挙げられるのみである。アノード電極基板層や電解質層、中間層の材質を種々変更した場合においても、この焼成温度であれば必ず層間剥離を回避し得るということにはならない。
また、特開2007−200664号公報記載の従来技術では、例えば、一方のグリーン成形体の収縮率が21%、他方のグリーン成形体の収縮率が30%である場合、収縮率の不整合に起因して層間剥離が起こる可能性がある。しかも、この従来技術では、難焼結性である中間層については何ら考慮されていない。
本発明の一般的な目的は、MEAを効率よく製造することが可能な電解質・電極接合体の製造方法を提供することにある。
本発明の主たる目的は、層間剥離や反りが生じる懸念を払拭し得る電解質・電極接合体の製造方法を提供することにある。
本発明の一実施形態によれば、燃料ガスが通過する気孔を有する多孔質体からなるアノード電極層と、酸化剤ガスが通過するカソード電極層との間に、少なくとも、酸化物イオン伝導体からなる電解質層と、前記電解質層と前記カソード電極層との相互反応を防止する中間層とが前記アノード電極層から前記カソード電極層に向かってこの順序で介在された電解質・電極接合体を製造する方法であって、
前記中間層の出発材料に含まれるバインダの添加量を変化させてシート状の前記中間層を作製するにあたり、前記バインダの許容下限添加量及び許容上限添加量を求める工程と、
許容下限添加量の前記バインダが添加された出発材料から得られたシート状の前記中間層と、許容上限添加量の前記バインダが添加された出発材料から得られたシート状の前記中間層とに対して焼成処理を施し、中間層収縮率下限値及び中間層収縮率上限値を求める工程と、
前記アノード電極層の出発材料を、前記アノード電極層に対して焼成処理を施したときにその収縮率が前記中間層収縮率下限値から前記中間層収縮率上限値の範囲内となるように調製する工程と、
前記アノード電極層の出発材料からシート状の前記アノード電極層を形成する工程と、
前記アノード電極層の一端面上に直接、又は間接的に、シート状の前記電解質層を積層する工程と、
前記電解質の一端面上にシート状の前記中間層を積層した後に圧着することによって、少なくとも、前記アノード電極層、前記電解質層及び前記中間層を有する積層体を得る工程と、
前記積層体に対して焼成処理を施すことで、前記アノード電極層、前記電解質層及び前記中間層を焼結させる工程と、
前記中間層の一端面上に前記カソード電極層を形成する工程と、
を有する電解質・電極接合体の製造方法が提供される。
すなわち、本発明においては、電解質・電極接合体を構成する層の中で厚みが最も大きいアノード電極層の収縮率を、中間層収縮率下限値〜中間層収縮率上限値の範囲内とするようにしている。このようにアノード電極層の収縮率を基準として中間層の収縮率を整合させることにより、層間剥離が起こったり、反りが生じたりすることを回避することができる。
なお、アノード電極層、平坦化層及び電解質層の収縮率が中間層収縮率下限値を下回ることはなく、中間層収縮率上限値を上回ることもない。一方、中間層の収縮率が中間層収縮率上限値であるときには、アノード電極層、平坦化層及び電解質層の収縮率は、中間層収縮率上限値までに設定される。勿論、アノード電極層、平坦化層、電解質層及び中間層の収縮率が全て等しいことが最も好ましい。
また、電解質層の収縮率も、中間層収縮率下限値〜中間層収縮率上限値の範囲内とすることが好ましい。換言すれば、該電解質層に対して焼成処理を施したときにその収縮率が中間層収縮率下限値から前記中間層収縮率上限値の範囲内となるように、電解質層の出発材料を調製することが好ましい。
これにより、焼成処理を行う際の各層の収縮率が揃う。従って、層間剥離や反りが発生することを回避することが一層容易となる。
なお、アノード電極層の出発材料の好適な例としては、希土類酸化物がドープされた酸化ジルコニアと、酸化ニッケルとの混合粉末に対して造孔材及び前記バインダを添加して得られたものが挙げられる。そして、この場合、焼成処理による収縮率が16〜30%に設定されることが好ましい。
収縮率は、例えば、前記出発材料中の前記バインダの割合を適宜調整することによって設定することが可能である。例えば、アノード電極層の収縮率を8〜30%とする場合、バインダの割合を40〜65体積%とすればよい。
さらに、アノード電極層と電解質層との間に、前記アノード電極層の一端面の凹部を充填するとともに凸部を埋没する平坦化層を介在するようにしてもよい。この場合、平坦化層の気孔率は、アノード電極層に比して小さく設定される。平坦化層の気孔率がアノード電極層よりも大きいと、平坦化層にも開気孔が発生するようになるので、平坦化することが困難となる。
平坦化層を形成する場合、該平坦化層の収縮率が中間層収縮率下限値〜中間層収縮率上限値の範囲内となるように、該平坦化層の出発材料を調整する。これにより、平坦化層とこれに隣接するアノード電極層又は電解質層との間に層間剥離や反りが発生することを回避することができる。
ここで、平坦化層の出発材料の好適な例としては、希土類酸化物がドープされた酸化ジルコニアと、NiOとを含むものが挙げられる。平坦化層の出発材料は、造孔材が添加されていないことを除いてアノード電極層の出発材料と同一であることが特に好ましい。この場合、アノード電極層と平坦化層の収縮率が略等しくなるからである。
なお、焼成処理後のアノード電極層の厚みは、200〜800μmとすることが好ましい。200μm未満であると、支持基板としての強度が低下する傾向にある。また、800μmを超えると、積層体の厚みが大きくなるので電解質・電極接合体の厚みが大きくなり、燃料電池が大型化することになる。さらに、アノード電極層の厚み方向に沿う燃料ガスの流通距離が長くなることから、この厚み方向に沿う燃料ガスのリーク量が増加する懸念がある。
電解質層の出発材料の好適な例としては、希土類酸化物がドープされた酸化ジルコニアを含むものが挙げられる。特に、アノード電極層、平坦化層の双方の出発材料にも酸化ジルコニアを含有させることが好ましい。これによりアノード電極層、平坦化層及び電解質層の各々に希土類酸化物がドープされた酸化ジルコニア(YSZ等)が含まれることになるので、各層の収縮挙動が類似する。その結果、これらアノード電極層、平坦化層及び電解質層の収縮率が略整合するので、層間剥離や反りが発生することを回避することがさらに一層容易となる。
一方、中間層の出発材料の好適な例としては、希土類酸化物がドープされた酸化セリウムの粉末を挙げることができる。
いずれの場合においても、前記積層体に対して焼成処理を施す際には、温度を1100〜1450℃とすることが好適である。
以上のように構成される電解質・電極接合体の積層方向厚みは、好適には205〜850μmの範囲内に設定される。このように、本発明によれば、電解質・電極接合体の厚みを十分に小さくすることができるので、燃料電池の小型化を図ることもできる。
なお、電解質・電極接合体の積層方向厚みが205μm未満であると、電解質・電極接合体としての強度が低下する傾向にある。また、これに伴って中間層の厚みも相対的に小さくなるため、該中間層が反応防止層として機能することが容易でなくなる。一方、850μmを超えると、電解質・電極接合体の厚みが大きくなり、燃料電池の大型化を招く。
本発明によれば、アノード電極層、必要に応じて電解質層や平坦化層の収縮率を、中間層の収縮率に整合させるようにしている。このため、アノード電極層、電解質層及び中間層(場合によっては、アノード電極層、平坦化層、電解質層及び中間層)を積層・圧着して構成された積層体に対して焼成処理を施す際、隣接する層同士の間が剥離する層間剥離が起こることや、積層体が反ることが回避される。
このため、隣接する層同士の接触面積が大きくなるので、界面抵抗が低下する。従って、発電特性に優れた電解質・電極接合体、ひいては燃料電池を得ることができる。
しかも、本発明においては、積層体に対して焼成処理を施すことにより、アノード電極層、電解質層及び中間層(ないしはアノード電極層、平坦化層、電解質層及び中間層)を一括して焼結させるようにしている。すなわち、各層を形成する毎に焼成処理を施す必要がない。このため、電解質・電極接合体の生産効率が向上する。
また、積層体を形成する際には圧着を行うので、該積層体中の隣接する層同士が堅牢に密着し合う。このため、焼成処理時に層同士に剥離が生じ難くなる。
その上、この場合、各層を成形体の状態から同時に焼結するので、各層を形成する毎に焼成処理を実施する場合に比して、相対的に焼結性が小さい中間層の収縮率を大きく設定することができる。このため、中間層を容易に緻密化させることができる。加えて、中間層の収縮率を他の層の収縮率に揃えることで、層間剥離を一層抑制することができる。
結局、本発明によれば、層間剥離や反りが生じることが回避され、このために発電特性に優れた電解質・電極接合体を効率よく製造することができるようになる。
本実施の形態に係る電解質・電極接合体の製造方法によって得られる電解質・電極接合体の積層方向に沿う断面説明図である。 本実施の形態に係る電解質・電極接合体の製造方法の概略フローである。 前記製造方法を実施する最中に形成される積層体の積層方向に沿う断面説明図である。 実施例1〜4及び比較例1、2に係る積層体の焼成処理後の状態を示す図表である。
以下、本発明に係る電解質・電極接合体の製造方法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、電解質・電極接合体をMEAと表記することもある。
先ず、MEAの構成につき図1を参照して説明する。このMEA10は燃料電池の発電セルを構成するためのものであり、アノード側電極を構成するアノード電極層12、平坦化層14、電解質層としての固体電解質16、中間層18、カソード側電極を構成するカソード電極層20がこの順序で積層されることで形成される。
本実施の形態において、アノード電極層12は、NiとYSZとが重量比で1:1の割合であるサーメット(焼結体)からなる。
このアノード電極層12は、NiOとYSZの混合粉末に造孔材及びバインダが添加された出発材料から得られたシート成形体に対して焼成処理が行われることで形成されるが、この際(又は脱脂処理時)に前記造孔材が消失する。また、NiO粒子は、初回の発電時にNiに還元される。この還元に伴い、アノード電極層12が体積収縮を起こす。以上のような理由から、アノード電極層12は、その内部に気孔が存在する多孔質体として形成され、その気孔率は約10〜45体積%である。
前記気孔の一部は、アノード電極層12における固体電解質16に臨む側の端面で開気孔となる。この開気孔により、アノード電極層12の一端面は、凹部及び凸部が存在する若干粗い面となる。
なお、このMEA10は、アノード電極層12を支持基板とする、いわゆるアノード支持型のものであり、このため、アノード電極層12の厚みが他の層に比して大きく設定される。後述するシート成形体に対して焼成処理を施すことによって得られるアノード電極層12の好適な厚みは、200〜800μmである。
アノード電極層12に隣接して設けられた平坦化層14は、前記凹部を充填するとともに、前記凸部を埋没するための層である。すなわち、アノード電極層12の固体電解質16側に臨む端面は、平坦化層14によって平坦化される。
勿論、該平坦化層14における固体電解質16側に臨む端面は、平坦面として形成されている。すなわち、この端面は、粗さが極めて小さい面として設けられているため、MEA10を作製する際、アノード電極層12の一端面の凹凸が固体電解質16に転写されることが回避される。このため、固体電解質16における中間層18に臨む側の端面も平坦となる。
この場合、平坦化層14は、アノード電極層12と同様に、NiとYSZとが重量比で1:1の割合であるサーメットからなり、その気孔率は0〜20体積%である。すなわち、アノード電極層12と平坦化層14とは、同一素材且つ同一組成比で構成されているものの、気孔率が互いに相違する。
平坦化層14の厚みは、開気孔の開口径に応じて設定される。例えば、開口径が概ね4〜6μmである場合にはおよそ5μm、概ね12〜14μmである場合にはおよそ13μmに設定される。このように、開気孔の開口径に応じて平坦化層14の厚みを設定することにより、MEA10が厚くなることを回避することができる。換言すれば、平坦化層14を設けることに伴ってMEA10、ひいては発電セルが大型化することはない。
本実施の形態において、固体電解質16はYSZからなり、その厚みは、約2〜10μmに設定される。この固体電解質16におけるカソード電極層20に臨む側の端面は、上記したように平坦である。
中間層18は、好適にはセリア系酸化物からなり、その具体例としては、上記のSDC、YDC、GDC、LDCが挙げられる。この中間層18は、カソード電極層20に含まれる元素が固体電解質16中に拡散すること、及び固体電解質16に含まれる元素がカソード電極層20中に拡散することを防止する役割を果たす。すなわち、中間層18は、カソード電極層20と固体電解質16との相互反応を防止する反応防止層として機能する。この種の中間層18の厚みは、1〜5μmで十分である。
残余のカソード電極層20は、La−Co−O系ペロブスカイト型酸化物、La−Sr−Co−O(LSC)系ペロブスカイト型酸化物、La−Sr−Co−Fe−O(LSCF)系ペロブスカイト型酸化物、Ba−Sr−Co−Fe−O系ペロブスカイト型酸化物の群中から選択されるいずれか1種や、これらのペロブスカイト型酸化物中の1種に対して酸化物イオン伝導体を混合した混合物が挙げられる。なお、ペロブスカイト型酸化物の具体例としてはLn0.6Sr0.4MnOが挙げられ、酸化物イオン伝導体の具体例としてはSDC、YDC、GDC、LDCが挙げられる。該カソード電極層20の厚みは、例えば、約30μmに設定される。
以上のように構成されたMEA10の積層方向寸法(厚み方向寸法)は、205〜850μmに設定される。すなわち、このMEA10は十分に薄く、このため、発電セル、ひいては燃料電池の小型化を図ることができる。
次に、上記したMEA10を得るための本実施の形態に係る電解質・電極接合体の製造方法につき説明する。
図2は、本実施の形態に係る電解質・電極接合体の製造方法の概略フロー図である。この製造方法は、アノード電極層12、平坦化層14、固体電解質16及び中間層18の各々を個別に成形する第1工程S1と、アノード電極層12上に平坦化層14、固体電解質16及び中間層18をこの順序で積層・圧着して図3に示す積層体22とする第2工程S2と、該積層体22に対して焼成処理を施す第3工程S3と、焼成された前記積層体22における中間層18上にカソード電極層20を積層する第4工程S4と、前記カソード電極層20を焼き付ける第5工程S5とを有する。
以上の第1工程S1〜第5工程S5を行うに先んじて、中間層18の収縮率の下限値及び上限値を求める。このためには、はじめに、中間層18の出発材料を調製する。
図1に示すMEA10における中間層18は、上記したように、SDC等のセリア系酸化物からなる。この場合、出発材料は、溶媒に対し、セリア系酸化物の粉末と、ポリビニルブチラール系やアクリル系等のバインダとを添加することで調製すればよい。
本実施の形態においては、次に、バインダの添加量が互いに相違する出発材料を調製し、各々の出発材料を用いてドクターブレード法を行うことで、中間層18と同等の厚みを有するシート状成形体の作製を図る。ここで、バインダの添加量が過度に少ないと、シート状成形体を得ることができない。一方、バインダの添加量が過度に多いと、シート状成形体の粘着性が大きくなるのでハンドリングが容易でなくなる。
以上のようにして、シート状成形体が得られるバインダの添加量の下限値と、シート状成形体を容易にハンドリングし得るバインダの添加量の上限値とを求める。そして、得られたシート状成形体に対して焼成処理を施して収縮率を調べ、添加量が下限値であるときの収縮率を収縮率下限値、添加量が上限値であるときの収縮率を収縮率上限値として設定する。
次に、アノード電極層12、平坦化層14、固体電解質16の各出発材料を調製する。
アノード電極層12の出発材料は、例えば、溶媒に対し、NiO粒子とYSZ粒子とが体積比で1:1の割合で混合された混合粒子と、ポリビニルブチラール系やアクリル系等のバインダと、PMMA樹脂やカーボン等の造孔材とを添加することで調製することができる。
ここで、アノード電極層12の出発材料は、シート状成形体として形成されたアノード電極層12の焼成処理に伴う収縮率が、上記のようにして求めた中間層18の収縮率下限値〜収縮率上限値の間となるように調製される。なお、アノード電極層12のシート状成形体の収縮率は、中間層18と同様に、予め、バインダの添加量を種々変更して形成されたシート状成形体に対して焼成処理を施し、その際の収縮率を調べておくことで求めることができる。また、NiO粒子又はYSZ粒子の粒径や、これらの粒子のBET比表面積を変更することで収縮率を変更することもできる。
すなわち、アノード電極層12の収縮率は、該アノード電極層12の出発材料に含まれるバインダの添加量を変更したり、粒径やBET比表面積が異なるNiO粒子、YSZ粒子を用いたりすることで調整することが可能である。そして、このようなパラメータを調整することで、該アノード電極層12の収縮率を、中間層18の収縮率下限値〜収縮率上限値の間となるように設定する。
例えば、NiO粒子の粒径、BET比表面積が0.4〜2μm、3〜9m/gであり、YSZ粒子の粒径、BET比表面積が0.5〜3μm、4〜8m/gであるときには、バインダの添加割合を40〜65体積%とすることが好ましい。この場合、焼成処理に伴うアノード電極層12の収縮率を8〜30%に制御することができる。
なお、造孔材の平均粒径と、焼成処理後のアノード電極層12に形成された開気孔の開口径とは略相関関係にある。従って、例えば、開気孔の開口径を概ね4〜6μmの範囲内とすることを所望する場合には平均粒径が8μmの造孔材を、開口径を概ね12〜14μmの範囲内とすることを所望する場合には平均粒径が20μmの造孔材を、それぞれ選定するようにすればよい。
また、造孔材の添加割合と、アノード電極層12の気孔率との間にも相関関係が略成立する。従って、気孔率は、造孔材の添加割合を調整することで制御することができる。例えば、造孔材の添加割合を15〜50体積%とすることにより、後述する1100〜1450℃の焼成処理によって気孔率が約10〜45体積%であるアノード電極層12を容易に得ることができる。一層具体的には、焼成温度を1400℃として気孔率が25体積%であるアノード電極層12を得る場合、造孔材の添加割合を27体積%とすればよい。
平坦化層14、固体電解質16の各出発材料も、アノード電極層12と同様にして、焼成処理に伴う各々の収縮率が中間層18の収縮率下限値〜収縮率上限値の間となるように調製するようにすればよい。
平坦化層14の出発材料は、例えば、溶媒に対し、NiO粒子とYSZ粒子とが体積比で1:1の割合で混合された混合粒子と、上記したようなバインダとを添加することで調製することができる。一方、固体電解質16の出発材料は、例えば、溶媒に対し、YSZ粒子と、ポリビニルブチラール系やアクリル系等のバインダとを添加することで調製することができる。
そして、第1工程S1において、上記したように調製したアノード電極層12の出発材料(スラリー)を用い、ドクターブレード法によってシート状成形体として形成する。このシート状成形体の厚みは、ホットプレス等による圧着、及び焼成処理を経た後のアノード電極層12の厚みが好適には200〜800μmとなるように設定される。焼成処理後の厚みが200μmよりも小さいと、支持基板としての強度が十分でなくなるとともに、該アノード電極層12に供給された燃料ガスが拡散することが容易でなくなる。一方、800μmよりも大きいと、積層体22の積層方向(厚み方向)寸法が大きくなってしまい、このためにMEA10の厚みが大きくなって燃料電池が大型化してしまう。また、燃料電池の運転時にアノード電極層12の厚み方向に沿う燃料ガスの流通距離が長くなることから、この厚み方向に沿う燃料ガスのリーク量が増加する懸念がある。
その後、必要に応じ、アノード電極層12に対して脱脂処理を行う。この脱脂処理によって造孔材が消失し、その消失跡に、造孔材の平均粒径に応じた径の閉気孔及び開気孔が形成される。なお、脱脂処理を行わない場合には、焼成処理時に造孔材が消失する。
その一方で、上記したように調製した平坦化層14、固体電解質16及び中間層18の出発材料(スラリー)を用い、例えば、ドクターブレード法によってシート状成形体を各々成形する。なお、ドクターブレード法に代え、押出し成形法やロール塗工法等を行うことによっても、所望の厚みの各シート状成形体を形成することが可能である。
次に、第2工程S2において、これらのシート状成形体、すなわち、平坦化層14、固体電解質16及び中間層18をこの順序でアノード電極層12に順次積層する。その後、ホットプレス等によって各層を圧着することにより、図3に示す積層体22が得られる。勿論、中間層18は、その収縮率が前記収縮率下限値〜前記収縮率上限値の間となるように調製された出発材料から形成されたものである。
次に、第3工程S3において、積層体22に対して焼成処理を施す。この際の温度は、例えば、1100〜1450℃に設定すればよい。この焼成処理により、アノード電極層12、平坦化層14、固体電解質16及び中間層18が熱収縮を起こす。
上記したように、本実施の形態においては、アノード電極層12、平坦化層14及び固体電解質16の収縮率が、中間層18の収縮率下限値〜収縮率上限値の範囲内に設定されている。場合によっては、各層の収縮率が互いに等しく調整されている。
このように各層の収縮率が揃えられた積層体22では、必然的に、各層の収縮量の度合いが揃う。このため、各層の収縮量のバラツキに起因して、積層体22に層間剥離が起こったり、積層体22に反りが生じたりすることを回避することができる。
しかも、本実施の形態では、シート状成形体を積層した後、各層に対して温度や圧力を付与することで圧着するようにしている。これにより隣接する層同士が堅牢に密着し合うので、焼成処理時に層同士に剥離が生じ難くなる。
上記から諒解されるように、シート状成形体の収縮率は、バインダの添加量等を種々変更することによって制御することが容易である。すなわち、各層の収縮率を揃えることが容易である。このため、原材料(出発材料の種類や粒径)や、焼成処理の条件を変更する場合であっても、シート状成形体の収縮率を揃えることによって、上記したように、積層体22に層間剥離が起こったり、反りが生じたりすることを容易に回避することができる。
さらに、積層体22に対して焼成処理を行うことにより、アノード電極層12、平坦化層14、固体電解質16及び中間層18の4層を成形体の状態から同時に焼結させることができる。このため、各層を形成する毎に焼成処理を実施する場合に比して、相対的に焼結性が低い中間層18の収縮率を大きく設定することが可能となるので、該中間層18を容易に一層緻密化させることができる。その上、製造工程数が低減するので、MEA10の生産効率を著しく向上させることもできる。
次に、このようにして得られた積層体22の中間層18上に、第4工程S4において、カソード電極層20のシート状成形体を積層する。又は、カソード電極層20となるスラリーを、スクリーン印刷法等によって中間層18上に塗布するようにしてもよい。
最後に、第5工程S5において、このシート状成形体(又はスラリー)を、例えば、およそ1100℃で積層体22とともに加熱する。これによりカソード電極層20が中間層18に焼き付けられ、アノード電極層12とカソード電極層20との間に平坦化層14、固体電解質16及び中間層18が介装されたMEA10が得られるに至る。
このMEA10は、固体電解質16の厚みが約2〜10μmと極めて小さいにも関わらず、平坦化層14を具備しない従来技術に係るMEAに比してクラックの量が著しく少ない。この理由は、平坦化層14が存在するためにアノード電極層12の凹凸が固体電解質16、中間層18及びカソード電極層20に転写されることが回避され、その結果、これら固体電解質16、中間層18及びカソード電極層20が平坦に形成されるので各層に応力が集中する部位が形成されることが回避されるからである。
燃料電池の発電セルを構成するには、さらに、アノード電極層12及びカソード電極層20の各一端面に集電層を形成してアノード側電極、カソード側電極をそれぞれ構成した後、このMEA10を1組のセパレータで挟持すればよい。この種の発電セルを積層することにより、燃料電池がスタックとして得られる。
この発電セルないしスタックは、500〜1000℃程度に昇温される。その後、カソード側電極に隣接するセパレータのガス流路に酸素を含有する酸素含有ガスが流通され、その一方で、アノード側電極に隣接するセパレータに設けられたガス流路に水素を含有する燃料ガスが流通される。
酸素含有ガス中の酸素は、カソード電極層20において電子と結合し、酸化物イオン(O2−)を生成する。生成した酸化物イオンは、カソード電極層20を起点とし、中間層18を経由して固体電解質16へと伝導する。
ここで、上記したように、中間層18におけるカソード電極層20に臨む側の端面、及び固体電解質16における中間層18に臨む側の端面は、平坦に設けられている。しかも、カソード電極層20と中間層18、中間層18と固体電解質16との間に層間剥離が起こることが回避されている。このため、カソード電極層20と中間層18との接触面積、及び中間層18と固体電解質16との接触面積が大きくなる。
酸化物イオンは、次に、固体電解質16から平坦化層14を経由し、アノード電極層12へと移動する。勿論、上記と同様に、固体電解質16と平坦化層14、平坦化層14とアノード電極層12との間に層間剥離が起こることも回避されている。このため、固体電解質16と平坦化層14との接触面積、及び平坦化層14とアノード電極層12との接触面積が大きくなる。
以上のように隣接する各層同士の接触面積が大きくなることに伴い、各層間の界面抵抗が小さくなる。従って、MEA10の電圧降下が小さくなる。
しかも、上記したように、固体電解質16の厚みが小さい上、該固体電解質16には、酸化物イオンの移動を妨げるクラックが殆ど存在しない。このため、酸化物イオンは、固体電解質16の内部を容易に移動することができる。換言すれば、固体電解質16の内部抵抗が小さい。
このように、本実施の形態によれば、層間剥離が起こることやクラックが生じることが回避されているために電圧降下が小さく、且つ固体電解質16の内部抵抗及び体積抵抗が小さいMEA10が得られる。従って、発電セルないしスタックを大電流密度で放電する場合においても、比較的大きな放電電圧を得ることができる。
なお、上記した実施の形態では、アノード電極層12と固体電解質16との間に平坦化層14を介在するようにしているが、平坦化層14を割愛してMEA10を構成するようにしてもよい。
上記に従って、アノード電極層12、平坦化層14、固体電解質16及び中間層18の各シート状成形体を積層・圧着して積層体22を作製し、その後、様々な温度で焼成処理を施した。各々を実施例1〜10とする。
なお、実施例1〜10では、バインダ量を40〜50体積%とすることでアノード電極層12の収縮率を最大でも27%程度に設定し、且つ残余の平坦化層14、固体電解質16及び中間層18の収縮率も最大で25%に程度に設定している。
比較のため、シート状成形体としてのアノード電極層12を仮焼して仮焼体を得た後、該仮焼体上に平坦化層14、固体電解質16及び中間層18をこの順序でスクリーン印刷して積層体22と同様の積層体を作製した。さらに、各積層体に対して1300℃、又は1400℃で焼成処理を施した。これらを比較例1、2とする。
以上の実施例1〜10及び比較例1、2における焼成処理後の積層体におけるアノード電極層12の収縮率、及び積層体の状態を図4に示す。ここで、中間層18の緻密度は、実施例1の緻密度を基準とし、これよりも緻密化している場合を「大」、大よりも一層緻密化している場合を「極めて大」と評価した。
図4に示すように、焼成温度を1100〜1450℃とした実施例1〜10では層間剥離は認められなかった。また、反りもほとんど認められず、反りが生じた場合であっても極めて小さいか、大きくても許容範囲内であった。勿論、焼成処理温度の上昇に伴い、中間層をより緻密化することができた。
一方、比較例1、2では、焼成温度が1300℃であっても層間剥離が起こり、このために反りを測定することもできなかった。また、焼成温度を1400℃としても、中間層18の緻密度は基準(実施例1における中間層の緻密度)を上回る程度であった。
以上の結果から、アノード電極層12、平坦化層14、固体電解質16及び中間層18の収縮率を合わせることにより、各層のシート状成形体を積層・圧着して作製された積層体22に対して焼成処理を施すことで全層を同時に焼結させるようにしても層間剥離や反りが生じることを回避し得ることが明らかである。
この場合、焼成温度が比較的高温であっても層間剥離や反りが生じ難い。従って、焼成温度を比較的高温に設定することにより、層間剥離や反りが生じることを回避しつつ、中間層18を高緻密化させることが可能となる。

Claims (11)

  1. 燃料ガスが通過する気孔を有する多孔質体からなるアノード電極層(12)と、酸化剤ガスが通過するカソード電極層(20)との間に、少なくとも、酸化物イオン伝導体からなる電解質層(16)と、前記電解質層(16)と前記カソード電極層(20)との相互反応を防止する中間層(18)とが前記アノード電極層(12)から前記カソード電極層(20)に向かってこの順序で介在された電解質・電極接合体(10)を製造する方法であって、
    前記中間層(18)の出発材料に含まれるバインダの添加量を変化させてシート状の前記中間層(18)を作製するにあたり、前記バインダの許容下限添加量及び許容上限添加量を求める工程と、
    許容下限添加量の前記バインダが添加された出発材料から得られたシート状の前記中間層(18)と、許容上限添加量の前記バインダが添加された出発材料から得られたシート状の前記中間層(18)とに対して焼成処理を施し、中間層収縮率下限値及び中間層収縮率上限値を求める工程と、
    前記アノード電極層(12)の出発材料を、前記アノード電極層(12)に対して焼成処理を施したときにその収縮率が前記中間層収縮率下限値から前記中間層収縮率上限値の範囲内となるように調製する工程と、
    前記アノード電極層(12)の出発材料からシート状の前記アノード電極層(12)を形成する工程と、
    前記アノード電極層(12)の一端面上に直接、又は間接的に、シート状の前記電解質層(16)を積層する工程と、
    前記電解質層(16)の一端面上にシート状の前記中間層(18)を積層した後に圧着することによって、少なくとも、前記アノード電極層(12)、前記電解質層(16)及び前記中間層(18)を有する積層体を得る工程と、
    前記積層体に対して焼成処理を施すことで、前記アノード電極層(12)、前記電解質層(16)及び前記中間層(18)を焼結させる工程と、
    前記中間層(18)の一端面上に前記カソード電極層(20)を形成する工程と、
    を有することを特徴とする電解質・電極接合体(10)の製造方法。
  2. 請求項1記載の製造方法において、前記電解質層(16)の出発材料を、前記電解質層(16)に対して焼成処理を施したときにその収縮率が前記中間層収縮率下限値から前記中間層収縮率上限値の範囲内となるように調製する工程をさらに有することを特徴とする電解質・電極接合体(10)の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の製造方法において、前記アノード電極層(12)は、希土類酸化物がドープされた酸化ジルコニアと、酸化ニッケルとの混合粉末に対して造孔材及び前記バインダを添加して得られた出発材料から形成され、且つ焼成処理による収縮率が16〜30%であるものであることを特徴とする電解質・電極接合体(10)の製造方法。
  4. 請求項3記載の製造方法において、前記出発材料中の前記バインダの割合を40〜65体積%とすることで前記アノード電極層(12)の収縮率を8〜30%に調整することを特徴とする電解質・電極接合体(10)の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法において、前記アノード電極層(12)の一端面上に、焼成処理を施したときにその収縮率が前記中間層収縮率下限値から前記中間層収縮率上限値の範囲内となるように調製された出発材料から形成され、前記アノード電極層(12)の一端面の凹部を充填し且つ凸部を埋没するとともに、前記アノード電極層(12)に比して気孔率が小さいシート状の平坦化層(14)を積層する工程をさらに有することを特徴とする電解質・電極接合体(10)の製造方法。
  6. 請求項5記載の製造方法において、前記平坦化層(14)を、希土類酸化物がドープされた酸化ジルコニアと、NiOとを含む出発材料から形成することを特徴とする電解質・電極接合体(10)の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法において、焼成処理後の前記アノード電極層(12)の厚みを200〜800μmの範囲内とすることを特徴とする電解質・電極接合体(10)の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法において、前記電解質層(16)を、希土類酸化物がドープされた酸化ジルコニアを含む出発材料から形成することを特徴とする電解質・電極接合体(10)の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法において、前記中間層(18)を、希土類酸化物がドープされた酸化セリウムの粉末を含む出発材料から形成することを特徴とする電解質・電極接合体(10)の製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法において、前記積層体に対して焼成処理を施す際の温度を1100〜1450℃とすることを特徴とする電解質・電極接合体(10)の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法において、電解質・電極接合体(10)の積層方向厚みを205〜850μmの範囲内とすることを特徴とする電解質・電極接合体(10)の製造方法。
JP2011520905A 2009-06-29 2010-06-28 電解質・電極接合体の製造方法 Active JP5547188B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011520905A JP5547188B2 (ja) 2009-06-29 2010-06-28 電解質・電極接合体の製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009154267 2009-06-29
JP2009154267 2009-06-29
PCT/JP2010/060959 WO2011001930A1 (ja) 2009-06-29 2010-06-28 電解質・電極接合体の製造方法
JP2011520905A JP5547188B2 (ja) 2009-06-29 2010-06-28 電解質・電極接合体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011001930A1 true JPWO2011001930A1 (ja) 2012-12-13
JP5547188B2 JP5547188B2 (ja) 2014-07-09

Family

ID=43411006

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011520905A Active JP5547188B2 (ja) 2009-06-29 2010-06-28 電解質・電極接合体の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5547188B2 (ja)
WO (1) WO2011001930A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20120140476A (ko) * 2011-06-21 2012-12-31 삼성전자주식회사 고체산화물 연료전지용 소재, 상기 소재를 포함하는 캐소드 및 상기 소재를 포함하는 고체산화물 연료전지
DE102012011081A1 (de) * 2012-06-02 2013-12-05 Forschungszentrum Jülich Anoden-Schichtsystem für elektrochemische Anwendungen sowie Verfahren zur Herstellung desselben
JP6491936B2 (ja) * 2015-04-16 2019-03-27 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 固体酸化物形燃料電池の製造方法、固体酸化物形燃料電池のハーフセルグリーンシートおよび固体酸化物形燃料電池

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09245813A (ja) * 1996-03-06 1997-09-19 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 固体電解質型燃料電池の製造方法
JP2004063226A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Kyocera Corp 燃料電池セル及びその製法並びに燃料電池
JP4695828B2 (ja) * 2003-11-05 2011-06-08 本田技研工業株式会社 電解質・電極接合体及びその製造方法
JP2005327507A (ja) * 2004-05-12 2005-11-24 Ngk Spark Plug Co Ltd 固体電解質形燃料電池及びその製造方法
US8288053B2 (en) * 2005-08-18 2012-10-16 Sumitomo Metal Mining Co., Ltd. Nickel oxide powder material for solid oxide fuel cell, production process thereof, raw material composition for use in the same, and anode material using the nickel oxide powder material
JP4999316B2 (ja) * 2005-11-15 2012-08-15 京セラ株式会社 燃料電池セル
JP2007200663A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd セリア系固体電解質型燃料電池の製造方法
JP2007311060A (ja) * 2006-05-16 2007-11-29 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 固体酸化物形燃料電池用の酸化ニッケル粉末の組成物、その製造方法及びそれを用いた燃料極材料

Also Published As

Publication number Publication date
WO2011001930A1 (ja) 2011-01-06
JP5547188B2 (ja) 2014-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5160131B2 (ja) 電解質・電極接合体及びその製造方法
KR101405477B1 (ko) 금속지지체형 고체산화물 연료전지용 셀의 제조방법 및 금속지지체형 고체산화물 연료전지용 셀
US9070946B2 (en) Electrolyte-electrode joined assembly and method for producing the same
KR20080033153A (ko) 자가-지지형 세라믹 멤브레인 및 전기화학 전지 및 이것을포함하는 전기화학 전지 적층체
JP2011150813A (ja) 電解質・電極接合体及びその製造方法
JP5791552B2 (ja) 燃料電池および積層焼結体の製造方法
JP2012221623A (ja) 燃料電池単セルの製造方法および燃料電池単セル
WO2003027041A1 (fr) Pastille fritee ceramique stratifiee, son procede de production, cellule electrochimique, element de jonction electroconducteur pour cellule electrochimique, et dispositif electrochimique
JP5543320B2 (ja) 電解質・電極接合体及びその製造方法
JP5448382B2 (ja) 固体電解質型燃料電池の発電膜の製造方法
JP2012104407A (ja) 電解質・電極接合体及びその製造方法
JP2012212541A (ja) 電解質・電極接合体及びその製造方法
JP6152171B2 (ja) 固体酸化物燃料電池における層のための粉末混合物
JP5547188B2 (ja) 電解質・電極接合体の製造方法
JP3434883B2 (ja) 燃料電池セルの製造方法
JP2011009173A (ja) 電解質・電極接合体の製造方法
JP3643006B2 (ja) 固体電解質型燃料電池の単電池
WO2021192412A1 (ja) 固体酸化物型燃料電池、固体酸化物型燃料電池スタック、及び固体酸化物型燃料電池の製造方法
JP2011009174A (ja) 電解質・電極接合体の製造方法
WO2004109827A1 (ja) 電気化学セル用基板および電気化学セル
JP4468678B2 (ja) 固体酸化物形燃料電池の作製方法
JP2012142241A (ja) 固体酸化物形燃料電池用単セルの製造方法
JP2021144795A (ja) 固体酸化物型燃料電池およびその製造方法
JP2013004483A (ja) 電解質・電極接合体及びその製造方法
JP6075924B2 (ja) 燃料電池単セルおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140114

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140313

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140313

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140415

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140514

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5547188

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150