JPWO2010126108A1 - ケイ素系液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕式(1)で表されるアルコキシシラン及び式(2)で表されるアルコキシシランを含むアルコキシシランを重縮合して得られるポリシロキサンを含有する液晶配向剤。
R1Si(OR2)3 (1)
(R1はフッ素原子で置換されていてもよい、炭素原子数8〜30の炭化水素基であり、R2は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)
R3Si(OR4)3 (2)
(R3はアクリル基又はメタクリル基で置換されたアルキル基、R4は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)
(R5)nSi(OR6)4−n (3)
(R5は、水素原子、又はヘテロ原子、ハロゲン原子、アミノ基、グリシドキシ基、メルカプト基、イソシアネート基若しくはウレイド基で置換されていてもよい、炭素原子数1〜16の炭化水素基であり、R6は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、nは0〜3の整数を表す。)
〔3〕前記式(1)で表されるアルコキシシランが、式(1)におけるR1が炭素原子数が8〜22の炭化水素基であり、R2がメチル又はエチルである、上記〔1〕又は〔2〕に記載の液晶配向剤。
〔5〕前記式(3)で表されるアルコキシシランのR5が、炭素原子数1〜6の炭化水素基である、上記〔2〕〜〔4〕のいずれかに記載の液晶配向剤。
〔6〕前記式(3)で表されるアルコキシシランが、式(3)におけるnが0である、テトラアルコキシシランである、上記〔2〕〜〔5〕のいずれかに記載の液晶配向剤。
〔7〕前記式(1)で表されるアルコキシシランが、全アルコキシシラン中、0.1〜30モル%含まれ、かつ前記式(2)で表されるアルコキシシランが全アルコキシシラン中、3〜60モル%含まれる、上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の液晶配向剤。
〔9〕ポリシロキサンの含有量が、SiO2換算濃度で、0.5〜15質量%含有される、上記〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の液晶配向剤。
〔10〕上記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の液晶配向剤を基板に塗布し、焼成して得られる液晶配向膜。
〔11〕上記〔10〕に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
〔12〕上記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の液晶配向剤を塗布し、焼成された2枚の基板で液晶が挟持された液晶セルに、電圧を印加した状態でUVを照射した液晶表示素子。
〔13〕上記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の液晶配向剤を塗布し、焼成した2枚の基板で液晶を挟持し、電圧を印加した状態でUVを照射する液晶表示素子の製造方法。
本発明は、式(1)で表されるアルコキシシラン及び式(2)で表されるアルコキシシランを含むアルコキシシランを重縮合して得られるポリシロキサンを含有する液晶配向剤である。
R1Si(OR2)3 (1)
(R1はフッ素原子で置換されていてもよい炭素原子数8〜30の炭化水素基であり、R2は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)なお、本明細書において「置換されていてもよい」とは、「置換された又は置換されていない」を意味する。
R3Si(OR4)3 (2)
(R3はアクリル基又はメタクリル基で置換されたアルキル基、R4は炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
式(1)で表されるアルコキシシランのR1(以下、特定有機基ともいう)は、フッ素で置換されていてもよい炭素原子数が8〜30、好ましくは8〜22、特に好ましくは10〜22の炭化水素基であって、液晶を垂直に配向させる効果を有するものであれば特に限定されない。それらの例としては、アルキル基、フルオロアルキル基、アルケニル基、フェネチル基、スチリルアルキル基、ナフチル基、フルオロフェニルアルキル基等が挙げられる。これらの中でも、R1がアルキル基、又はフルオロアルキル基であるアルコキシシランは比較的安価で市販品として入手が容易であるため好ましい。特に、R1がアルキル基であるアルコキシシランが好ましい。本発明に用いるポリシロキサンは、これらの特定有機基を複数種有していてもよい。
式(1)で表されるアルコキシシランのR2は、炭素原子数1〜5、好ましくは1〜3のアルキル基である。より好ましくは、R2がメチル基又はエチル基である。
このような式(1)で表されるアルコキシシランの具体例を挙げるが、これに限定されるものではない。
本発明では、式(1)で表されるアルコキシシランが、使用される全アルコキシシラン中、好ましくは0.1〜30モル%、特に好ましくは2〜20モル%含まれ、かつ式(2)で表されるアルコキシシランが使用される全アルコキシシラン中、3〜60モル%、特に好ましくは5〜30モル%含まれるのが好ましい。
(R5)nSi(OR6)4−n (3)
式中、R5は、水素原子、又はヘテロ原子、ハロゲン原子、アミノ基、グリシドキシ基、メルカプト基、イソシアネート基若しくはウレイド基で置換されていてもよい、炭素原子数1〜6の炭化水素基であり、R6は炭素原子数1〜5、好ましくは1〜3のアルキル基であり、nは0〜3、好ましくは0〜2の整数を表す。
このような式(3)で表されるアルコキシシランの具体例を挙げるが、これに限定されるものではない。
式(3)のアルコキシシランにおいて、R5が水素原子である場合のアルコキシシランの具体例としては、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプロポキシシラン、トリブトキシシラン等が挙げられる。
式(3)で表されるアルコキシシランにおいて、nが0であるアルコキシシランは、テトラアルコキシシランである。テトラアルコキシシランは、式(1)及び式(2)で表されるアルコキシシランと縮合し易いので、本発明のポリシロキサンを得るために好ましい。
このような式(3)においてnが0であるアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン又はテトラブトキシシランがより好ましく、特に、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランが好ましい。
式(3)で表されるアルコキシシランを併用する場合、式(3)で表されるアルコキシシランの使用量は、ポリシロキサンを得るために用いる全アルコキシシラン中において、10〜96.9モル%であることが好ましい。より好ましくは、35〜99.8モル%である。
本発明に用いるポリシロキサンを得る方法は特に限定されない。本発明においては、上記した式(1)及び式(2)を必須成分とするアルコキシシランを有機溶媒中で縮合させて得られる。通常、ポリシロキサンは、このようなアルコキシシランを重縮合して、有機溶媒に均一に溶解した溶液として得られる。
上記アルコキシシランを重縮合する方法として、例えば、アルコキシシランをアルコール又はグリコールなどの溶媒中で加水分解・縮合する方法が挙げられる。その際、加水分解・縮合反応は、部分加水分解及び完全加水分解のいずれであってもよい。完全加水分解の場合は、理論上、アルコキシシラン中の全アルコキシ基の0.5倍モルの水を加えればよいが、通常は0.5倍モルより過剰量の水を加えるのが好ましい。
上記反応に用いる水の量は、所望により適宜選択することができるが、通常、アルコキシシラン中の全アルコキシ基の0.5〜2.5倍モルであるのが好ましい。
また、別法として、例えば、アルコキシシラン、溶媒及び蓚酸の混合物を加熱して重縮合する方法が挙げられる。具体的には、あらかじめアルコールに蓚酸を加えて蓚酸のアルコール溶液とした後、該溶液を加熱した状態で、アルコキシシランを混合する方法である。その際、用いる蓚酸の量は、アルコキシシランが有する全アルコキシ基の1モルに対して0.2〜2モルとすることが好ましい。この方法における加熱は、液温50〜180℃で行うことができる。好ましくは、液の蒸発、揮散などが起こらないように、還流下で数十分から十数時間加熱する方法である。
アルコキシシランを重縮合する際に用いられる溶媒(以下、重合溶媒ともいう)は、アルコキシシランを溶解するものであれば特に限定されない。また、アルコキシシランが溶解しない場合でも、アルコキシシランの重縮合反応の進行とともに溶解するものであればよい。一般的には、アルコキシシランの重縮合反応によりアルコールが生成するため、アルコール類、グリコール類、グリコールエーテル類、又はアルコール類と相溶性の良好な有機溶媒が用いられる。
上記の方法で得られたポリシロキサンの重合溶液(以下、重合溶液ともいう。)は、原料として仕込んだ全アルコキシシランのケイ素原子をSiO2に換算した濃度(以下、SiO2換算濃度と称す。)を好ましくは20質量%以下、さらには5〜15質量%とすることがより好ましい。この濃度範囲において任意の濃度を選択することにより、ゲルの生成を抑え、均質な溶液を得ることができる。
本発明においては、上記の方法で得られた重合溶液をそのままポリシロキサンの溶液としてもよいし、必要に応じて、上記の方法で得られた溶液を、濃縮したり、溶媒を加えて希釈したり又は他の溶媒に置換して、ポリシロキサンの溶液としてもよい。
その際、用いる溶媒(以下、添加溶媒ともいう)は、重合溶媒と同じでもよいし、別の溶媒でもよい。この添加溶媒は、ポリシロキサンが均一に溶解している限りにおいて特に限定されず、一種でも複数種でも任意に選択して用いることができる。
これらの溶媒は、液晶配向剤の粘度の調整、又はスピンコート、フレキソ印刷、インクジェット等で液晶配向剤を基板上に塗布する際の塗布性を向上できる。
本発明の液晶配向剤においては、本発明の効果を損なわない限りにおいて、ポリシロキサン以外のその他の成分、例えば、無機微粒子、メタロキサンオリゴマー、メタロキサンポリマー、レベリング剤、更に界面活性剤等の成分が含まれていてもよい。
無機微粒子としては、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、チタニア微粒子、又はフッ化マグネシウム微粒子等の微粒子が好ましく、特にコロイド溶液の状態であるものが好ましい。このコロイド溶液は、無機微粒子を分散媒に分散したものでもよいし、市販品のコロイド溶液であってもよい。本発明においては、無機微粒子を含有させることにより、形成される硬化被膜の表面形状及びその他の機能を付与することが可能となる。無機微粒子としては、その平均粒子径が0.001〜0.2μmであることが好ましく、更に好ましくは0.001〜0.1μmである。無機微粒子の平均粒子径が0.2μmを超える場合には、調製される塗布液を用いて形成される硬化被膜の透明性が低下する場合がある。
無機微粒子の分散媒としては、水及び有機溶剤を挙げることができる。コロイド溶液としては、被膜形成用塗布液の安定性の観点から、pH又はpKaが1〜10に調整されていることが好ましい。より好ましくは2〜7である。
メタロキサンオリゴマー、メタロキサンポリマーとしては、ケイ素、チタン、アルミニウム、タンタル、アンチモン、ビスマス、錫、インジウム、亜鉛等の単独又は複合酸化物前駆体が用いられる。メタロキサンオリゴマー、メタロキサンポリマーとしては、市販品であっても、金属アルコキシド、硝酸塩、塩酸塩、カルボン酸塩等のモノマーから、加水分解等の常法により得られたものであってもよい。
また、レベリング剤及び界面活性剤等は、公知のものを用いることができ、特に市販品は入手が容易なので好ましい。
また、ポリシロキサンに、上記したその他の成分を混合する方法は、ポリシロキサンと同時でも、後であってもよく、特に限定されない。
本発明の液晶配向剤は、溶媒中に、上述したポリシロキサンを溶解し、必要に応じてその他の成分を溶解又は分散して含有する。溶媒としては、上述したポリシロキサンの重合溶媒および添加溶媒からなる群から選ばれる溶媒が用いられる。液晶配向剤におけるポリシロキサンの含有量は、SiO2換算濃度が好ましくは0.5〜15質量%、より好ましくは1〜6質量%である。このようなSiO2換算濃度の範囲であれば、一回の塗布で所望の膜厚を得やすく、充分な溶液のポットライフが得られ易い。
また、液晶配向剤中におけるポリシロキサンの含有量を調整する際には、上述したポリシロキサンの重合溶媒及び添加溶媒からなる群から選ばれる溶媒を用いることができる。
本発明の液晶配向膜は、上記液晶配向剤を用いて得られる。例えば、本発明の液晶配向剤を、基板に塗布した後、乾燥・焼成を行うことで得られる硬化膜を、そのまま液晶配向膜として用いることもできる。また、この硬化膜をラビングしたり、偏光又は特定の波長の光等を照射したり、イオンビーム等の処理をしたり、PSA用配向膜として液晶充填後の液晶表示素子に電圧を印加した状態でUVを照射することも可能である。特に、PSA用配向膜として使用することが有用である。
液晶配向剤を塗布する基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されないが、基板上に液晶を駆動するための透明電極が形成された基板が好ましい。
液晶配向剤の塗布方法としては、スピンコート法、印刷法、インクジェット法、スプレー法、ロールコート法などが挙げられるが、生産性の面から工業的には転写印刷法が広く用いられており、本発明でも好適に用いられる。
上記の方法で液晶配向剤を塗布して形成される塗膜は、焼成して硬化膜とすることができる。その際、焼成温度は、100℃〜350℃の任意の温度で行うことができるが、好ましくは140℃〜300℃であり、より好ましくは150℃〜230℃、更に好ましくは160℃〜220℃である。焼成時間は5分〜240分の任意の時間で焼成を行うことができる。好ましくは10〜90分であり、より好ましくは20〜90分である。加熱は、通常公知の方法、例えば、ホットプレート、熱風循環オーブン、IRオーブン、ベルト炉などを用いることができる。
この硬化膜の厚みは必要に応じて選択することができるが、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上の場合、液晶表示素子の信頼性が得られ易いので好適である。また、硬化膜の厚みが好ましくは300nm以下、より好ましくは150nm以下の場合は、液晶表示素子の消費電力が極端に大きくならないので好適である。
本発明の液晶表示素子は、上記の方法により、基板に液晶配向膜を形成した後、公知の方法で液晶セルを作製して得ることができる。液晶セル作製の一例を挙げると、液晶配向膜が形成された1対の基板を、スペーサーを挟んで、シール剤で固定し、液晶を注入して封止する方法が一般的である。その際、用いるスペーサーの大きさは1〜30μmであるが、好ましくは2〜10μmである。
液晶を注入する方法は特に制限されず、作製した液晶セル内を減圧にした後、液晶を注入する真空法、液晶を滴下した後に封止を行う滴下法などを挙げることができる。
透過型の液晶表示素子の場合は、上記の如き基板を用いることが一般的であるが、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならばシリコンウエハー等の不透明な基板も用いることが可能である。その際、基板に形成された電極には、光を反射するアルミニウムの如き材料を用いることもできる。
本実施例で用いた化合物における略語は以下のとおりである。
TEOS:テトラエトキシシラン
C18:オクタデシルトリエトキシシラン
ACPS:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン
HG:2−メチル−2,4−ペンタンジオール(別名:ヘキシレングリコール)
BCS:2−ブトキシエタノール
UPS:3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン
MPMS:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
温度計、還流管を備え付けた200mL(リットル)の四つ口反応フラスコ中で、HGを22.5g、BCSを7.5g、TEOSを28.3g、C18を1.7g、及びACPSを14.1g混合して、アルコキシシランモノマーの溶液を調製した。この溶液に、予めHGを11.2g、BCSを3.7g、水を10.8g及び触媒として蓚酸0.2gを混合した溶液を、室温下で30分かけて滴下した。この溶液を30分間撹拌してから1時間還流させた後に放冷してSiO2換算濃度が12重量%のポリシロキサン溶液を得た。
得られたポリシロキサン溶液10.0gに、BCS20.0gを混合し、SiO2換算濃度が4重量%の液晶配向剤(K1)を得た。
温度計、還流管を備え付けた200mLの四つ口反応フラスコ中で、HGを21.1g、BCSを7.0g、TEOSを19.2g、C18を1.7g、及びACPSを23.4g混合して、アルコキシシランモノマーの溶液を調製した。この溶液に、予めHGを10.5g、BCSを3.5g、水を10.8g及び触媒として蓚酸0.9gを混合した溶液を、室温下で30分かけて滴下た。
この溶液を30分間撹拌してから1時間還流させた後、予めUPS含有量92質量%のメタノール溶液を1.2g、HGを0.5g及びBCSを0.2gの混合液を加えた。更に30分間還流させてから放冷してSiO2換算濃度が12重量%のポリシロキサン溶液を得た。
得られたポリシロキサン溶液10.0gに、BCS20.0gを混合し、SiO2換算濃度が4重量%の液晶配向剤(K2)を得た。
温度計、還流管を備え付けた200mLの四つ口反応フラスコ中で、HGを20.2g、BCSを6.7g、TEOSを27.9g、C18を1.7g、及びMPMSを17.4g混合して、アルコキシシランモノマーの溶液を調製した。この溶液に、予めHGを10.0g、BCSを3.4g、水を10.8g及び触媒として蓚酸0.9gを混合した溶液を、室温下で30分かけて滴下た。
この溶液を30分間撹拌してから1時間還流させた後、予めUPS含有量92質量%のメタノール溶液0.6g、HG0.3g及びBCS0.1gの混合液を加えた。更に30分間還流させてから放冷してSiO2換算濃度が12重量%のポリシロキサン溶液を得た。
得られたポリシロキサン溶液10.0gに、BCS20.0gを混合し、SiO2換算濃度が4重量%の液晶配向剤(K3)を得た。
温度計、還流管を備え付けた200mLの四つ口反応フラスコ中で、HGを23.3g、BCSを7.7g、TEOSを40.8g、C18を1.7g混合して、アルコキシシランモノマーの溶液を調製した。この溶液に、予めHGを11.6g、BCSを3.9g、水を10.8g及び触媒として蓚酸0.2gを混合した溶液を、室温下で30分かけて滴下した。
この溶液を30分間撹拌してから1時間還流させた後に放冷してSiO2換算固形分濃度が12重量%のポリシロキサン溶液を得た。
得られたポリシロキサン溶液10.0gに、BCS20.0gを混合し、SiO2換算濃度が4重量%の液晶配向剤(L1)を得た。
合成例1で得られた液晶配向処理剤[K1]を、画素サイズが100μm×300μmで、ライン/スペースがそれぞれ5μmのITO電極パターンが形成されているITO電極基板のITO面にスピンコートした。80℃のホットプレートで5分間乾燥した後、180℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの液晶配向膜を形成した。
合成例1で得られた液晶配向処理剤[K1]を、電極パターンが形成されていないITO面にスピンコートし、80℃のホットプレートで5分間乾燥した後、180℃の熱風循環式オーブンで30分間焼成を行い、膜厚100nmの液晶配向膜を形成した。これらの2枚の基板を用意し、一方の基板の液晶配向膜面上に6μmのビーズスペーサーを散布した後、その上からシール剤を印刷した。他方の基板を液晶配向膜面を内側にし、張り合わせた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。液晶MLC−6608(メルク社製商品名)に対して式(S−1)で表される重合性化合物を0.2重量%添加した液晶を作製し、空セルに減圧注入法によって、前記液晶を注入した液晶セルを作製した。
液晶MLC−6608に添加する重合性化合物を0.05重量%に変更した以外は実施例1と同様にして応答速度を測定した。結果を表1に示した。
<実施例3>
液晶MLC−6608に添加する重合性化合物を0.02重量%に変更した以外は実施例1と同様にして応答速度を測定した。結果を表1に示した。
液晶MLC−6608に重合性化合物を添加しなかった以外は実施例1と同様にして応答速度を測定した。結果を表1に示した。
<実施例5>
液晶配向処理剤[K1]を実施合成例2で得られた液晶配向処理剤[K2]に変更した以外は、実施例4と同様にして液晶セルを作製し、応答速度を測定した。その結果を表1に示した。
<実施例6>
液晶配向処理剤[K1]を実施合成例3で得られた液晶配向処理剤[K3]に変更した以外は、実施例4と同様にして液晶セルを作製し、応答速度を測定した。その結果を表1に示した。
液晶配向処理剤[K1]を比較合成例1で得られた液晶配向処理剤[L1]に変更した以外は、実施例1〜実施例4と同様にして液晶セルを作製し、応答速度を測定した。その結果を表1に示した。
電圧を印加していない液晶セルに、電圧 ±4V、周波数1kHzの矩形波を印加した際の、液晶パネルの輝度の時間変化をオシロスコープにて取り込んだ。電圧を印加していない時の輝度を0%、±4Vの電圧を印加し、飽和した輝度の値を100%として、輝度が10%から90%まで変化する時間を立ち上がりの応答速度とした。
なお、2009年5月1日に出願された日本特許出願2009−112197号及び2009年10月29日に出願された日本特許出願2009−249301号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。
Claims (13)
- 式(1)で表されるアルコキシシラン及び式(2)で表されるアルコキシシランを含むアルコキシシランを重縮合して得られるポリシロキサンを含有する液晶配向剤。
R1Si(OR2)3 (1)
(R1はフッ素原子で置換されていてもよい、炭素原子数8〜30の炭化水素基であり、R2は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。)
R3Si(OR4)3 (2)
(R3はアクリル基又はメタクリル基で置換されたアルキル基、R4は炭素原子数1〜5のアルキル基を表す。) - ポリシロキサンが、さらに、下記式(3)で表されるアルコキシシランを含有するアルコキシシランを重縮合して得られるポリシロキサンである、請求項1に記載の液晶配向剤。
(R5)nSi(OR6)4−n (3)
(R5は、水素原子、又はヘテロ原子、ハロゲン原子、アミノ基、グリシドキシ基、メルカプト基、イソシアネート基若しくはウレイド基で置換されていてもよい、炭素原子数1〜16の炭化水素基であり、R6は炭素原子数1〜5のアルキル基であり、nは0〜3の整数を表す。) - 前記式(1)で表されるアルコキシシランが、式(1)におけるR1が炭素原子数が8〜22の炭化水素基であり、R2がメチル又はエチルである請求項1又は2に記載の液晶配向剤。
- 前記式(2)で表されるアルコキシシランが、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれかに記載の液晶配向剤。
- 前記式(3)で表されるアルコキシシランのR5が、炭素原子数1〜6の炭化水素基である、請求項2〜4のいずれかに記載の液晶配向剤。
- 前記式(3)で表されるアルコキシシランが、式(3)におけるnが0である、テトラアルコキシシランである請求項2〜5のいずれかに記載の液晶配向剤。
- 前記式(1)で表されるアルコキシシランが、全アルコキシシラン中、0.1〜30モル%含まれ、かつ前記式(2)で表されるアルコキシシランが全アルコキシシラン中、3〜60モル%含まれる請求項1〜4のいずれかに記載の液晶配向剤。
- 前記式(3)で表されるアルコキシシランが、全アルコキシシラン中、10〜96.9モル%含まれる請求項2〜7のいずれかに記載の液晶配向剤。
- ポリシロキサンの含有量が、SiO2換算濃度で、0.5〜15質量%含有される請求項1〜8のいずれかに記載の液晶配向剤。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の液晶配向剤を基板に塗布し、焼成して得られる液晶配向膜。
- 請求項10に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の液晶配向剤を塗布し、焼成された2枚の基板で液晶が挟持された液晶セルに、電圧を印加した状態でUVを照射した液晶表示素子。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の液晶配向剤を塗布し、焼成した2枚の基板で液晶を挟持し、電圧を印加した状態でUVを照射する液晶表示素子の製造方法。
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