JPWO2010113511A1 - 装飾部材 - Google Patents

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Abstract

基材と;この基材上に設けられた金属蒸着膜と;この金属蒸着膜上に設けられた光散乱透明膜と;を有する装飾部材であって、前記光散乱透明膜には、2種以上の光透過性及び光散乱性を有するフィラーが分散されており、前記光散乱透明膜中のフィラーの分散量が、質量比で0.2〜4.0%である。

Description

本発明は、主にデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどのデジタル家電製品の本体を構成する部材に適用される加飾性に優れた装飾部材に関する。
本願は、2009年3月31日に日本に出願された特願2009−088243号、及び2009年3月31日に日本に出願された特願2009−088244号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどのデジタル家電製品の本体の一部または全部を構成する部材として用いられる装飾部材としては、プラスチック成形品の表面にマット感を付与した、いわゆる「光り物」が採用される傾向にある。
一般的に、上記のような装飾部材に高級感を付与するためには、プラスチック成形品の表面にシボ加工風の塗装(以下、「シボ風塗装」と言う。)が施される。
このような装飾部材として、フィラー入りの樹脂を用いて成形された成形体の表面に蒸着膜を形成することにより、光沢を抑制し、高級感を付与した、自動車部品であるリフレクタやエクステンションが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、フィラーを含有するポリオレフィン系樹脂フィルムを金属面に貼着し、輝度むらを抑制した光反射体が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、自動車用アルミニウム製ホイールなどの基材上に設けられたベース膜上にフィラーと金属顔料とを配合した塗料を塗布することにより、低光沢膜を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2008−071556号公報 特開2004−167820号公報 特開2002−080791号公報
しかしながら、プラスチック成形品の表面に、単にマット剤を含有する塗料を塗布することによりシボ風塗装を施しても、マット剤の特性によってはマット感が得られないという問題があった。
また、マット感のある「光り物」を得るために、プラスチック成形品の表面にメッキを施すか、あるいは、金属蒸着膜が設けられ、さらに高級感を出すために、メッキ層や金属蒸着膜の上に、マット剤を含有する塗料を塗布して、膜が設けられる。しかしながら、塗料の主剤には紫外線硬化型樹脂が用いられているため、マット剤が隠蔽性の高いものであると、塗料の硬化不足が生じ、その結果、膜の表面硬度の低下、膜の耐摩耗性の劣化、膜の下地への密着性の低下を引き起こすことがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、高級感に富み、質感が良好なメタリック調の外観を有し、かつ、耐汗性に優れた装飾部材の提供を目的とする。
本発明の一態様に係る装飾部材は、基材と;この基材上に設けられた金属蒸着膜と;この金属蒸着膜上に設けられた光散乱透明膜と;を有する装飾部材であって、前記光散乱透明膜には、2種以上の光透過性及び光散乱性を有するフィラーが分散されており、前記光散乱透明膜中のフィラーの分散量が、質量比で0.2〜4.0%である。
前記2種以上の光透過性及び光散乱性を有するフィラーは、鱗片状タルク、ファイバー状シリカ、球状ゼオライト、マイカ、ファイバー状アルミノシリケートのうちの2種以上の混合物であることが好ましい。
60度鏡面光沢度がグロスユニット換算で40〜400であることが好ましい。
前記光散乱透明膜の膜厚が3〜15μmであることが好ましい。
前記金属蒸着膜と前記光散乱透明膜との間、又は、前記光散乱透明膜上に、透明膜を更に有することが好ましい。
上記本発明の一態様に係る装飾部材によれば、基材と、この基材上に設けられた金属蒸着膜と、この金属蒸着膜上に設けられた光散乱透明膜を有する装飾部材であって、前記光散乱透明膜には、2種以上の光透過性及び光散乱性を有するフィラーが分散されているので、すなわち、光散乱透明膜中に形状および屈折率の異なるフィラーが混在しているので、これらフィラーが同一方向を向くことなくランダムに配向している。このため、光散乱透明膜の上面から入射した光が、光散乱透明膜中のフィラーで屈折して、あらゆる方向に散乱する。この散乱光が金属蒸着膜にて反射し、その反射光が光散乱透明膜中のフィラーによってあらゆる方向に散乱され再び光散乱透明膜から外部に出射する。また、2種以上のフィラーが混在しているので、同一のフィラー同士の凝集が減少し、光散乱透明膜全体にフィラーが分散される。さらに、前記光散乱透明膜中のフィラーの分散量が、質量比で0.2〜4.0%であるので、光散乱透明膜全域にフィラーがほぼ均一に分散される。よって、光が均一に散乱され、目的とするどの方向から見ても均一なマット感(高級感)が得られる。したがって、金属光沢などの単に光り輝く光沢感ではなく、艶消し状でかつ適度なマット感を伴い、高級感に富み、質感が良好なメタリック調の美麗な外観を有する装飾部材が得られる。
また、金属蒸着膜と前記光散乱透明膜との間、又は、前記光散乱透明膜上に、透明膜が更に設けられている場合には、耐汗性に優れた透明膜により耐汗性が向上する。
本発明の第一の実施形態に係る装飾部材を示す概略断面図である。 同実施形態に係る装飾部材を構成する光散乱透明膜における、フィラーによる光の散乱の原理を示す模式図である。 同実施形態に係る装飾部材の製造方法を示す概略断面図である。 同実施形態に係る装飾部材の製造方法を示す概略断面図である。 同実施形態に係る装飾部材の製造方法を示す概略断面図である。 同実施形態に係る装飾部材の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の第二の実施形態に係る装飾部材を示す概略断面図である。 同実施形態に係る装飾部材を構成する光散乱透明膜における、フィラーによる光の散乱の原理を示す模式図である。 同実施形態に係る装飾部材の製造方法を示す概略断面図である。 同実施形態に係る装飾部材の製造方法を示す概略断面図である。 同実施形態に係る装飾部材の製造方法を示す概略断面図である。 同実施形態に係る装飾部材の製造方法を示す概略断面図である。 同実施形態に係る装飾部材の製造方法を示す概略断面図である。 本発明の第三の実施形態に係る装飾部材を示す概略断面図である。
本発明の実施の形態について説明する。
なお、以下の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
(1)第一の実施形態
「装飾部材」
図1は、本発明の第一の実施形態に係る装飾部材を示す概略断面図である。
この実施形態の装飾部材10は、基材11と、基材11の第1の面11aに順に設けられたアンダーコート膜12、金属蒸着膜13および光散乱透明膜14とを備えている。
この装飾部材10は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどのデジタル家電製品の本体の一部または全部を構成する部材として用いられ、光散乱透明膜14が最表面に配置されている。
すなわち、アンダーコート膜12の基材11と接している面と反対側の面(以下、「第1の面」と言う。)12aに、金属蒸着膜13が設けられている。
また、金属蒸着膜13のアンダーコート膜12と接している面と反対側の面(以下、「第1の面」と言う。)13aに、光散乱透明膜14が設けられている。
基材11としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン(PE)、 ポリエチレンテレフタレート(PET)、 ポリ塩化ビニル(PVC)、 ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、 ポリ乳酸(PLA)、 ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、 ポリカーボネート(PC)、 ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、 ポリウレタン(PU)、 ポリスチレン(PS)、ポリアセタール(POM)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(acrylonitrile butadiene styrene copolymer、ABS樹脂)、アクリル樹脂(PMMA)などの樹脂を、押出成形や射出成形などの成形方法により任意の形状に成形されたプラスチック成形物やアルミニウム、ステンレスなどの金属を任意の成形方法により任意の形状に成形された金属成形物などが挙げられる。基材11には強度や加工性に優れ、安価なプラスチック成形物を用いることが好ましい。
プラスチック成形物におけるシボ加工とは、上記のような樹脂を押出成形や射出成形する際に用いられる金型の内面(樹脂と接する面)に形成された各種の模様を、プラスチック成形物の表面に転写する加工である。
シボ加工によってプラスチック成形物の表面に形成される模様としては、皮革模様、木目模様、岩目模様、砂目模様、梨地模様、幾何学模様などが挙げられる。
アンダーコート膜12は、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂などが挙げられる。詳細には、アンダーコート膜12は、基材11の第1の面11aに塗布した前記樹脂を含む塗料を硬化させてなる樹脂層である。アンダーコート膜12には、アクリル樹脂またはウレタン樹脂を用いることが密着性、耐水性、および、耐久性に優れるため好ましい。
アクリル樹脂系塗料としては、具体的には、紫外線硬化型塗料:VB3025U(商品名、藤倉化成社製)などが用いられる。
ウレタン樹脂系塗料としては、具体的には、熱硬化型塗料:VB8600L(商品名、藤倉化成社製)などが用いられる。
VB3025Uは、酢酸エチルを20〜30質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルを20〜30質量%含むものである。
VB8600Lは、エチレングリコールモノブチルエーテルを10〜20質量%、炭化水素類を10〜20質量%含むものである。
前記塗料には、添加剤が含まれていてもよい。
添加剤としては、架橋促進剤などが用いられ、具体的には、AD2986D(商品名、藤倉化成社製)などが用いられる。
アンダーコート膜12の厚みは、5μm以上、15μm以下であることが好ましく、より好ましくは8μm以上、12μm以下である。
アンダーコート膜12は、ミドルコート層14の下地となる基材11の第1の面11aの下地調整のために設けられている。すなわち、基材11の第1の面11aの凹凸に起因する不陸を均すために、アンダーコート膜12が設けられている。ゆえに、アンダーコート膜12の厚みが上記の範囲内であれば、基材11の第1の面11aに凹凸があっても、アンダーコート膜12がその凹凸を吸収し、アンダーコート膜12の第1の面12aが平らな面となる。また、アンダーコート膜12の厚みが5μm未満では、アンダーコート膜12が基材11の第1の面11aにおける凹凸を吸収することができないことがある。一方、アンダーコート膜12の厚みが15μmを超えても、それ以上の効果が得られないことがある。
金属蒸着膜13は、蒸着法によって形成されたものであり、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)などの卑金属の群から選択される1種およびその酸化物から構成されている。詳細には、金属蒸着膜13は、高純度のスズ(Sn)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)などの卑金属の群から選択される1種を主成分とし、不純物としてその卑金属の酸化物が含まれてなる層である。
金属蒸着膜13の厚みは、100nm以上、300nm以下であることが好ましく、より好ましくは150nm以上、250nm以下である。
金属蒸着膜13は、人体の静電気が装飾部材10を適用した機器内部の回路に影響を及ぼして、静電破壊が生じるのを防止する(静電破壊の防止)ためや、装飾部材10を適用した機器内部からの電磁波により、装飾部材10がアンテナとして機能して、ノイズが生じるのを防止する(誘導起電力の防止)ためなどに設けられた不導電膜であることが好ましい。ゆえに、金属蒸着膜13の厚みが上記の範囲内であれば、装飾部材10を適用した機器における静電破壊および誘導起電力を防止することができる。
一方、金属蒸着膜13の厚みが100nm未満では、装飾部材10の外観(マット感)が損なわれるおそれがある。また、金属蒸着膜13の厚みが300nmを超えると、装飾部材10を適用した機器における静電破壊および誘導起電力の防止が不十分になることがある。
光散乱透明膜14は、2種以上の光透過性及び光散乱性を有するフィラーが分散された透明樹脂から構成されている。この透明樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂などが挙げられる。詳細には、光散乱透明膜14は、金属蒸着膜13の第1の面13aに塗布した、フィラーを含む前記樹脂を含有する塗料を硬化させてなる透明な膜である。光散乱透明膜14には、アクリル樹脂を用いることが密着性、耐水性、および、耐久性に優れるため好ましい。
アクリル樹脂系塗料としては、具体的には、紫外線硬化型塗料:VT9269U(商品名、藤倉化成社製)などが用いられる。
VT9269Uは、キシレンを20〜30質量%、メチルイソブチルケトンを20〜30質量%含むものである。
前記樹脂を含有する塗料には、希釈剤が含まれていてもよい。
希釈剤としては、遅乾性希釈剤などが用いられ、具体的には、VM5584 CN−AD(商品名、藤倉化成社製)などが用いられる。
光散乱透明膜には、2種以上の光透過性及び光散乱性を有するフィラーが分散されており、2種以上の光透過性及び光散乱性を有するフィラーは鱗片状タルク、ファイバー状シリカ、球状ゼオライト、マイカ、ファイバー状アルミノシリケートのうちの2種以上の混合物であることが好ましく、より好ましくは、鱗片状タルク、球状ゼオライト、マイカから選択される少なくとも1種のフィラーと、ファイバー状シリカ、ファイバー状アルミノシリケートから選択される少なくとも1種のフィラーとを少なくとも混合してなる混合物である。
光散乱透明膜14に、これらのフィラーを1種類しか含まない場合には、フィラーは同一の形状、及び、同一の屈折率を持つ。このため、フィラーを1種類しか含まない光散乱透明膜に光を当てると、フィラーにて屈折した光は一定の方向を向くので、その反射光が散乱し難い。また、フィラーが1種類の場合、フィラー同士が凝集をしやすいため、光散乱透明膜14全体にフィラーが分散されない。したがって、これらのフィラーを単独で用いる場合、偏光してしまうので光散乱透明膜14において、目的とするマット感(高級感)が得られない。
そこで、異なる2種以上のフィラーを組み合わせて用いることにより、形状および屈折率の異なるフィラーが混在し同一方向を向くことなく、異方性形状になる。このため、光散乱透明膜の上面から入射した光が、光散乱透明膜中のフィラーにて屈折して、あらゆる方向に散乱されながら金属蒸着膜にて反射し、さらに、その反射光が光散乱透明膜中のフィラーにて屈折しあらゆる方向に散乱され再び光散乱透明膜から外部に出射する。また、異なる2種以上のフィラーを組み合わせて用いることにより、同一のフィラー同士の凝集を減少させることができ、光散乱透明膜14全体にフィラーが分散される。このように、上記のフィラーを2種以上組み合わせて用いることにより、光散乱透明膜14において、目的とするマット感(高級感)が得られる。
また、2種以上の光透過性及び光散乱性を有するフィラーは鱗片状タルク、ファイバー状シリカ、球状ゼオライト、マイカ、ファイバー状アルミノシリケートのうちの2種以上の混合物であることが好ましい理由は、これらのフィラーは光透過性かつ光散乱性が優れるからである。
さらに、鱗片状タルク、球状ゼオライト、マイカは、鱗片状または球状であり、一方、ファイバー状シリカ、ファイバー状アルミノシリケートはファイバー状であるため、両者の形状および屈折率は大きく異なる。したがって、これら形状および屈折率が大きく異なるフィラーを混合すると、形状および屈折率が似ているフィラーを混合する場合に比べて、より同一方向を向くことなく、異方性形状になり、また、同一形状のフィラー同士の凝集を減少させることができるので、より分散する。よって、2種以上の光透過性及び光散乱性を有するフィラーが、鱗片状タルク、球状ゼオライト、マイカから選択される少なくとも1種のフィラーと、ファイバー状シリカ、ファイバー状アルミノシリケートから選択される少なくとも1種のフィラーとを少なくとも混合してなる混合物であることが、よりあらゆる方向に散乱され、安定したマット感(高級感)を得るためには、より好ましい。
ここで、マット感(高級感)について説明する。
本発明では、JIS Z8741に準拠して測定された60度鏡面光沢度をグロスユニットに換算した値を指標とした。
具体的には、装飾部材10の外面10a(光散乱透明膜14の第1の面14a)から、装飾部材10に光を入射し、その入射光が光散乱透明膜14に存在するフィラーにて反射した光(反射光)をグロス計測機により測定した値である。
フィラーの平均二次粒子径は、0.1nm以上、300nm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1nm以上、20nm以下である。
フィラーの平均二次粒子径が0.1nm未満では、フィラーにおける反射光が散乱し難くなるおそれがある。一方、フィラーの平均二次粒子径が300nmを超えると、光散乱透明膜14において、フィラーが十分に分散し難くなり、目的とするマット感(高級感)が得られ難くなることがある。
光散乱透明膜14の厚みは、3μm以上、15μm以下であることが好ましく、より好ましくは3μm以上、13μm以下である。
光散乱透明膜14は、金属蒸着膜13を保護するとともに、装飾部材10にマット感(高級感)を付与するために設けられている。すなわち、光散乱透明膜14に含まれるフィラーにより、光散乱透明膜14の第1の面14a(装飾部材10の外面10a)から入射した光が、光散乱透明膜14内で散乱することによって、装飾部材10にマット感が生じる。光散乱透明膜14の厚みが上記の範囲内であれば、装飾部材10の鏡面光沢度を表すグロスユニットが所定の範囲内となり、装飾部材10に目的とするマット感(高級感)が付与される。
一方、光散乱透明膜14の厚みが3μm未満では、光散乱透明膜14に含まれるフィラーの量が少なくなるため、装飾部材10の鏡面光沢度を表すグロスユニットが大きくなり過ぎるおそれがある。また、光散乱透明膜14の厚みが15μmを超えると、光散乱透明膜14に含まれるフィラーの量が多くなるため、装飾部材10の鏡面光沢度を表すグロスユニットが不足することがある。
また、光散乱透明膜14中のフィラーの分散量は、質量比で0.2%以上、4.0%以下であり、好ましくは0.2%以上、2.0%以下であり、より好ましくは0.5%以上、1.0%以下である。
光散乱透明膜14中のフィラーの分散量が0.2%以上、4.0%以下であれば、光散乱透明膜14の全体にフィラーがほぼ均一に分散されるので、装飾部材10の鏡面光沢度を表すグロスユニットが所定の範囲内となり、装飾部材10に目的とするマット感(高級感)が付与される。
一方、光散乱透明膜14中のフィラーの分散量が、質量比で0.2%未満では、光散乱透明膜14に含まれるフィラーの量が少なくなるため、装飾部材10の鏡面光沢度を表すグロスユニットが大きくなり過ぎるおそれがある。また、光散乱透明膜14中のフィラーの分散量が、質量比で4.0%を超えると、光散乱透明膜14に含まれるフィラーの量が多くなるため、フィラー同士が重なることも多くなる。その結果、フィラーにて散乱された光が、光散乱透明膜14の外部に出射するのが阻害されて、装飾部材10の鏡面光沢度を表すグロスユニットが不足することがある。
また、光散乱透明膜14中のフィラーの分散量が、質量比で2.0%を超えると耐汗性の低いフィラーの量が多くなり、光散乱透明膜14全体として耐汗性が減少するため、光散乱透明膜14中のフィラーの分散量は2.0%以下が好ましい。
さらに、光散乱透明膜14中のフィラーの分散量が、0.5%以上、1.0%以下であることがより好ましい理由としては、安定したマット感(高級感)、及び、優れた耐汗性が付与されるからである。
ここで、耐汗性について説明する。
本発明では、装飾部材10の外面10aに人工汗(L−ヒスチジン塩酸塩水和物、塩化ナトリウムを必須成分とする。)を数滴滴下した後、この装飾部材10を温度65℃、湿度95%RHの環境下に48時間放置して、人工汗を数滴滴下した部分と滴下していない部分との、グロスユニットに換算された60度鏡面光沢度の差を耐汗性の指標とした。
光散乱透明膜14は、全光線透過率が80.0〜95.0%であることが好ましい。
光散乱透明膜14の全光線透過率が上記の範囲内であれば、光散乱透明膜14の第1の面14aから入射した光が、光散乱透明膜14中のフィラーで屈折して、金属蒸着膜13にて反射し、さらに、その反射光が光散乱透明膜14中のフィラーによって散乱され、その散乱光が再び光散乱透明膜14から外部に出射する装飾部材10に、目的とするマット感(高級感)が付与される。また、光散乱透明膜14の全光線透過率が80.0%未満では、光散乱透明膜14の第1の面14aから入射した光が光散乱透明膜14内で減衰するとともに、金属蒸着膜13の第1の面13aにて反射した反射光が光散乱透明膜14内で減衰するため、装飾部材10の鏡面光沢度を表すグロスユニットが不足することがある。一方、光散乱透明膜14の全光線透過率が95.0%を超えると、金属蒸着膜13の第1の面13aにて反射した反射光、および、その反射光が光散乱透明膜14中のフィラーにて散乱した散乱光が強くなりすぎて、装飾部材10の鏡面光沢度を表すグロスユニットが大きくなり過ぎるおそれがある。
ここで、図2を参照して、光散乱透明膜14における、光透過性かつ光散乱性のフィラーによる光の散乱の原理について説明する。
光散乱透明膜14の第1の面14aから入射した光(入射光)31は、光散乱透明膜14中において、フィラー21で屈折するとともに、フィラー21から出射する際、フィラー21と光散乱透明膜14を構成する透明樹脂22との界面にて屈折する。そして、フィラー21から金属蒸着膜13側に出射した屈折光32は、金属蒸着膜13の第1の面13aにて反射し、その反射光33は、再びフィラー21で屈折するとともに、フィラー21から出射する際、フィラー21と透明樹脂22との界面にて屈折する。したがって、フィラー21から光散乱透明膜14側に出射した屈折光34は、光散乱透明膜14の第1の面14aにおいて、入射光31の入射方向とは異なる方向に出射する。このように、光散乱透明膜14中のフィラー21と金属蒸着膜13により、入射光31の入射方向と屈折光34の出射方向が異なるので、光散乱透明膜14において光が散乱する。その結果、金属蒸着膜13における光の反射によるギラツキ感が抑えられ、マット感が得られる。
このような構成の装飾部材10は、光散乱透明膜14側から測定された60度鏡面光沢度がグロスユニットに換算して40以上、400以下であることが好ましく、50以上、150以下であることがより好ましい。
グロスユニットに換算された60度鏡面光沢度が40以上、400以下であれば、装飾部材10には、従来の構成では得られなかったマット感に起因する高級感が得られる。また、装飾部材10は、光散乱透明膜14側から60度鏡面光沢度がグロスユニットに換算して40未満では、光沢が弱くなりすぎるため、目的とするマット感(高級感)が得られないことがある。一方、装飾部材10は、光散乱透明膜14側から測定された60度鏡面光沢度がグロスユニットに換算して400を超えると、光沢が強くなりすぎるため、目的とするマット感(高級感)が得られないおそれがある。
60度鏡面光沢度がグロスユニットに換算して50以上、150以下であることがより好ましい理由は、安定したマット感(高級感)が得られるからである。
この装飾部材10によれば、基材11と、基材11の第1の面11aに順に設けられたアンダーコート膜12、金属蒸着膜13および光散乱透明膜14とを備え、光散乱透明膜14には、2種以上の光透過性及び光散乱性を有するフィラーが分散されているので、すなわち、光散乱透明膜14中に形状及び屈折率の異なるフィラーが混在しているので、これらフィラーが同一方向を向くことなくランダムに配向している。このため、光散乱透明膜14の上面から入射した光が、光散乱透明膜14中のフィラーで屈折して、あらゆる方向に散乱する。この散乱光が金属蒸着膜13にて反射し、その反射光が光散乱透明膜14中のフィラーによってあらゆる方向に散乱され再び光散乱透明膜14から外部に出射する。また、2種以上のフィラーが混在しているので、同一のフィラー同士の凝集が減少し、光散乱透明膜14全体にフィラーが分散される。さらに、前記光散乱透明膜14中のフィラーの分散量が、質量比で0.2〜4.0%であるので、光散乱透明膜14全体にフィラーがほぼ均一に分散される。よって、光が均一に散乱され、目的とするどの方向から見ても均一なマット感(高級感)が得られる。したがって、金属光沢などの単に光り輝く光沢感ではなく、艶消し状でかつ適度なマット感を伴い、高級感に富み、質感が良好なメタリック調の美麗な外観を有する装飾部材10が得られる。
なお、この実施形態では、基材11の第1の面11aに順に設けられたアンダーコート膜12、金属蒸着膜13および光散乱透明膜14を備えた装飾部材10を例示したが、本発明の装飾部材はこれに限定されない。本発明の装飾部材にあっては、アンダーコート膜12を省略して、基材上に直接、金属蒸着膜13を設けても上記の効果を奏する。
「装飾部材の製造方法」
図3〜図6を参照して、本発明の第一の実施形態に係る装飾部材の製造方法について説明する。
まず、図3に示すように、押出成形や射出成形により、所定の形状に形成された基材11を用意する。
次いで、図4に示すように、基材11の第1の面11aに、ロボット式のスプレー法またはスピンドル式のスプレー法により、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂などの樹脂を含む塗料を塗布し、この塗料を硬化させて、アンダーコート膜12を形成する。
例えば、アクリル樹脂系塗料として紫外線硬化型塗料を用いる場合、この紫外線硬化型塗料を硬化させるには、アクリル樹脂系塗料を塗布した基材11を、温度40℃にて、2分間予備乾燥した後、紫外線硬化型塗料に紫外線を照射する。紫外線硬化型塗料に照射する紫外線のピーク強度を105.0mW/cm、紫外線の積算光量を1239.0mJ/cmとする。
また、ウレタン樹脂系塗料として熱硬化型塗料を用いる場合、この熱硬化型塗料を硬化させるには、ウレタン樹脂系塗料を塗布した基材11を、温度80℃にて、90分間乾燥する。
次いで、図5に示すように、アンダーコート膜12の第1の面12aに、蒸着法により、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)などの卑金属の群から選択される1種およびその酸化物からなる金属蒸着膜13を形成する。
蒸着法としては、抵抗線加熱方式を利用した真空蒸着法、スパッタリング法などが用いられるが、操作性や金属蒸着膜13の厚みの制御性を考慮して、抵抗線加熱方式を利用した真空蒸着法が好ましい。
次いで、図6に示すように、金属蒸着膜13の第1の面13aに、ロボット式のスプレー法またはスピンドル式のスプレー法により、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂などの樹脂を含む塗料を塗布し、この塗料を硬化させて、光散乱透明膜14を形成し、装飾部材10を得る。
例えば、紫外線硬化型のアクリル樹脂系塗料を用いる場合、この紫外線硬化型のアクリル樹脂系塗料を硬化させるには、アクリル樹脂系塗料を塗布したプラスチック基材11を、温度60℃にて、3分間予備乾燥した後、アクリル樹脂系塗料に紫外線を照射する。アクリル樹脂系塗料に照射する紫外線のピーク強度を105.0mW/cm、紫外線の積算光量を1239.0mJ/cmとする。
以下、実施例または比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
「実施例1」
射出成形により所定の形状に形成され、表面にシボ加工が施された、ABS樹脂からなる基材の第1の面に、ロボット式のスプレー法により、添加剤としてAD2986D(商品名、藤倉化成社製)を含む紫外線硬化型塗料:VB3025U(商品名、藤倉化成社製)を塗布した。この紫外線硬化型塗料を塗布した基材を、温度40℃にて、2分間予備乾燥した後、この紫外線硬化型塗料に紫外線を照射し、紫外線硬化型塗料を硬化させて、厚み10μmのアンダーコート膜を形成した。紫外線硬化型塗料に照射する紫外線のピーク強度を105.0mW/cm、紫外線の積算光量を1239.0mJ/cmとした。
次いで、アンダーコート膜の基材と接している面とは反対側の面に、抵抗線加熱方式を利用した真空蒸着法により、厚み200nmのスズからなる金属蒸着膜を形成した。
次いで、金属蒸着膜のアンダーコート膜と接している面とは反対側の面に、ロボット式のスプレー法により、フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を含むとともに、希釈剤:VM5584 CN−AD(商品名、藤倉化成社製)を含む紫外線硬化型塗料:VT9269U(商品名、藤倉化成社製)を塗布した。この紫外線硬化型塗料を塗布した基材を、温度60℃にて、3分間予備乾燥した後、この紫外線硬化型塗料に紫外線を照射し、紫外線硬化型塗料を硬化させて、厚み10μmの光散乱透明膜を形成し、実施例1の試料を作製した。紫外線硬化型塗料に照射する紫外線のピーク強度を105.0mW/cm、紫外線の積算光量を1239.0mJ/cmとした。
また、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.2%とした。
「実施例2」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.5%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の試料を作製した。
「実施例3」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の試料を作製した。
「実施例4」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で1.0%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例4の試料を作製した。
「実施例5」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で1.5%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例5の試料を作製した。
「実施例6」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で2.0%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例6の試料を作製した。
「実施例7」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で2.5%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例7の試料を作製した。
「実施例8」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で3.0%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例8の試料を作製した。
「実施例9」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で4.0%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例9の試料を作製した。
「比較例1」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.1%とした以外は、実施例1と同様にして、比較例1の試料を作製した。
「比較例2」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で4.2%とした以外は、実施例1と同様にして、比較例2の試料を作製した。
「比較例3」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクのみを用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とした以外は、実施例1と同様にして、比較例3の試料を作製した。
「比較例4」
フィラーとして平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカのみを用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とした以外は、実施例1と同様にして、比較例4の試料を作製した。
「比較例5」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの球状ゼオライトのみを用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とした以外は、実施例1と同様にして、比較例5の試料を作製した。
「実施例10」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの球状ゼオライトと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状アルミノシリケートの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例10の試料を作製した。
「実施例11」
フィラーとして平均二次粒子径10nmのマイカと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とした以外は、実施例1と同様にして、実施例11の試料を作製した。
「実施例12」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とし、光散乱透明膜の厚みを1μmとした以外は、実施例1と同様にして、実施例12の試料を作製した。
「実施例13」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とし、光散乱透明膜の厚みを3μmとした以外は、実施例1と同様にして、実施例13の試料を作製した。
「実施例14」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とし、光散乱透明膜の厚みを5μmとした以外は、実施例1と同様にして、実施例14の試料を作製した。
「実施例15」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とし、光散乱透明膜の厚みを15μmとした以外は、実施例1と同様にして、実施例15の試料を作製した。
「実施例16」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とし、光散乱透明膜の厚みを18μmとした以外は、実施例1と同様にして、実施例16の試料を作製した。
[試料の評価]
実施例1〜16および比較例1〜5の試料に対して、マット感、耐汗性について評価した。
評価方法は下記の通りである。
<1>マット感(グロスユニット)
光散乱透明膜またはトップコート膜側から、実施例1および比較例1、2の試料に入射角60度で光を入射し、その入射光がそれぞれ試料にて反射した光(反射光)をグロス計測機により測定し、それぞれ試料の光沢度(グロスユニット)を測定した。
ここでは、グロスユニットが40以上、400以下の場合をマット感が「Good」、グロスユニットが50以上、150以下の場合をマット感が「Excellent」、グロスユニットが40未満、または、400を超える場合をマット感が「Bad」とした。
なお、上記数値範囲の設定に際し、視覚試験として、グロスユニットと高級感の有無との関係についてアンケートを行った。具体的には、100人に対し、グロスユニット10ごとに高級感の有無について質問を行った。その結果、グロスユニット40〜50及び150〜400では、高級感ありと答えた人の割合が80〜95%で、グロスユニット50〜150では、95%以上、グロスユニット40未満又は、400を超える場合では、50%以下であった。
実施例1〜16および比較例1〜5の試料の評価結果を表1〜3に示す。
<2>耐汗性
実施例1〜16および比較例1〜5の試料について、試料に装飾部材10の外面10aに人工汗(L−ヒスチジン塩酸塩水和物、塩化ナトリウムを必須成分とする。)を数滴滴下した後、この装飾部材10を温度65℃、湿度95%RHの環境下に48時間放置した。人工汗を数滴滴下した部分と滴下していない部分のトップコート膜側から、入射角60度で光を入射し、その入射光がそれぞれ試料にて反射した光(反射光)をグロス計測機により測定した。測定から得られたグロスユニットの差を計算し、この差が5未満の場合を耐汗性が「Excellent」、差が5以上、10未満の場合を耐汗性が「Good」、差が10以上の場合を耐汗性が「Bad」とした。
結果を表1〜3に示す。
表1および表2の結果から、実施例1〜16の試料は、マット感および耐汗性に優れていることが分かった。
また、フィラーの分散量が0.5質量%以上、1.0質量%以下、かつ、光散乱透明膜の厚みが10μmであれば、実施例1〜16で使用した如何なるフィラーを用いても、マット感および耐汗性が非常に優れていることが分かった。
また、表2の結果から、比較例1、および、比較例3〜5の試料は、耐汗性に優れているものの、マット感に劣ることが分かった。
また、比較例2の試料は、マット感および耐汗性に劣ることが分かった。
(2)第二の実施形態「装飾部材」
図7は、本発明の第二の実施形態に係る装飾部材を示す概略断面図である。
この実施形態の装飾部材110は、基材111と、基材111の第1の面111aに順に設けられたアンダーコート膜112、金属蒸着膜113、透明膜114および光散乱透明膜115とを備えている。
この装飾部材110は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどのデジタル家電製品の本体の一部または全部を構成する部材として用いられ、光散乱透明膜115が最表面に配置されている。
すなわち、アンダーコート膜112の基材111と接している面と反対側の面(以下、「第1の面」と言う。)112aに、金属蒸着膜113が設けられている。
また、金属蒸着膜113のアンダーコート膜112と接している面と反対側の面(以下、「第1の面」と言う。)113aに、透明膜114が設けられている。
また、透明膜114の金属蒸着膜113と接している面と反対側の面(以下、「第1の面」と言う。)114aに、光散乱透明膜115が設けられている。
基材111としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン(PE)、 ポリエチレンテレフタレート(PET)、 ポリ塩化ビニル(PVC)、 ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、 ポリ乳酸(PLA)、 ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)、 ポリカーボネート(PC)、 ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、 ポリウレタン(PU)、 ポリスチレン(PS)、ポリアセタール(POM)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(acrylonitrile butadiene styrene copolymer、ABS樹脂)、アクリル樹脂(PMMA)などの樹脂を、押出成形や射出成形などの成形方法により任意の形状に成形されたプラスチック成形物やアルミ、ステンレスなどの金属を任意の成形方法により任意の形状に成形された金属成形物などが挙げられる。基材111には強度や加工性に優れ、安価なためプラスチック成形物を用いることが好ましい。
このプラスチック成形物としては、その表面が平滑なもの、あるいは、表面にシボ加工が施されたものが用いられる。
プラスチック成形物におけるシボ加工とは、上記のような樹脂を押出成形や射出成形する際に用いられる金型の内面(樹脂と接する面)に形成された各種の模様を、プラスチック成形物の表面に転写する加工である。
シボ加工によってプラスチック成形物の表面に形成される模様としては、皮革模様、木目模様、岩目模様、砂目模様、梨地模様、幾何学模様などが挙げられる。
アンダーコート膜112は、特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂などが挙げられる。詳細には、アンダーコート膜112は、基材111の第1の面111aに塗布した前記樹脂を含む塗料を硬化させてなる樹脂層である。アンダーコート膜112には、アクリル樹脂またはウレタン樹脂を用いることが密着性、耐水性、および、耐久性に優れるため好ましい。
アクリル樹脂系塗料としては、具体的には、紫外線硬化型塗料:VB3025U(商品名、藤倉化成社製)などが用いられる。
ウレタン樹脂系塗料としては、具体的には、熱硬化型塗料:VB8600L(商品名、藤倉化成社製)などが用いられる。
VB3025Uは、酢酸エチルを20〜30質量%、プロピレングリコールモノメチルエーテルを20〜30質量%含むものである。
VB8600Lは、エチレングリコールモノブチルエーテルを10〜20質量%、炭化水素類を10〜20質量%含むものである。
前記塗料には、添加剤が含まれていてもよい。
添加剤としては、架橋促進剤などが用いられ、具体的には、AD2986D(商品名、藤倉化成社製)などが用いられる。
アンダーコート膜112の厚みは、5μm以上、15μm以下であることが好ましく、より好ましくは8μm以上、12μm以下である。
アンダーコート膜112は、ミドルコート層114やトップコート層115の下地となる基材111の第1の面111aの下地調整のために設けられている。すなわち、基材111の第1の面111aの凹凸に起因する不陸を均すために、アンダーコート膜112が設けられている。ゆえに、アンダーコート膜112の厚みが上記の範囲内であれば、基材111の第1の面111aに凹凸があっても、アンダーコート膜112がその凹凸を吸収し、アンダーコート膜112の第1の面112aが平らな面となる。また、アンダーコート膜112の厚みが5μm未満では、アンダーコート膜112が基材111の第1の面111aにおける凹凸を吸収することができないことがある。一方、アンダーコート膜112の厚みが15μmを超えても、それ以上の効果が得られないことがある。
金属蒸着膜113は、蒸着法によって形成されたものであり、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)などの卑金属の群から選択される1種およびその酸化物から構成されている。詳細には、金属蒸着膜113は、高純度のスズ(Sn)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)などの卑金属の群から選択される1種を主成分とし、不純物としてその卑金属の酸化物が含まれてなる層である。
金属蒸着膜113の厚みは、100nm以上、300nm以下であることが好ましく、より好ましくは150nm以上、250nm以下である。
金属蒸着膜113は、人体の静電気が装飾部材110を適用した機器内部の回路に影響を及ぼして、静電破壊が生じるのを防止する(静電破壊の防止)ためや、装飾部材110を適用した機器内部からの電磁波により、装飾部材110がアンテナとして機能して、ノイズが生じるのを防止する(誘導起電力の防止)ためなどに設けられた不導電膜であることが好ましい。ゆえに、金属蒸着膜113の厚みが上記の範囲内であれば、装飾部材110を適用した機器における静電破壊および誘導起電力を防止することができる。
一方、金属蒸着膜113の厚みが100nm未満では、装飾部材110の外観(マット感)が損なわれるおそれがある。また、金属蒸着膜113の厚みが300nmを超えると、装飾部材110を適用した機器における静電破壊および誘導起電力の防止が不十分になることがある。
透明膜114は、特に限定されず、例えば、ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。詳細には、透明膜114は、金属蒸着膜113の第1の面113aに塗布した、前記樹脂を含む塗料を硬化させてなる樹脂層である。透明膜114は、ビニル樹脂を用いることが金属蒸着膜113との密着性が向上するため好ましい。
ビニル樹脂系塗料としては、具体的には、紫外線硬化型塗料:VM5484U(商品名、藤倉化成社製)などが用いられる。
VM5484Uは、トルエンを20〜30質量%、メチルエチルケトンを20〜30質量%含むものである。
前記樹脂を含む塗料には、希釈剤や添加剤が含まれていてもよい。
希釈剤としては、遅乾性希釈剤などが用いられ、具体的には、VM5584 CN−AD(商品名、藤倉化成社製)などが用いられる。
添加剤としては、金属密着性付与剤などが用いられ、具体的には、AD5315D(商品名、藤倉化成社製)などが用いられる。
透明膜114の厚みは、5μm以上、15μm以下であることが好ましく、より好ましくは8μm以上、12μm以下である。
透明膜114は、金属蒸着膜113に対する光散乱透明膜115の密着性を向上させるとともに、装飾部材110に耐汗性を付与するために設けられている。したがって、透明膜114の厚みが上記の範囲内であれば、金属蒸着膜113に対する光散乱透明膜115の密着性を十分に確保することができるとともに、装飾部材110は耐汗性に優れたものとなる。また、透明膜114の厚みが5μm未満では、金属蒸着膜113に対する光散乱透明膜115の密着性が不十分になることがあり、また、装飾部材110の耐汗性が劣化するおそれがある。一方、透明膜114の厚みが15μmを超えても、それ以上の効果が得られないことがある。また、装飾部材110全体の厚みが増すため、好ましくない。
ここで、耐汗性について説明する。
本発明では、装飾部材110の外面110aに人工汗(L−ヒスチジン塩酸塩水和物、塩化ナトリウムを必須成分とする。)を数滴滴下した後、この装飾部材110を温度65℃、湿度95%RHの環境下に48時間放置した。人工汗を数滴滴下した部分と滴下していない部分との、後述するグロスユニットに換算された60度鏡面光沢度の差を耐汗性の指標とした。
光散乱透明膜115は、2種以上の光透過性及び光散乱性を有するフィラーが分散された透明樹脂から構成されている。この透明樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂などが挙げられる。詳細には、光散乱透明膜115は、透明膜114の第1の面114aに塗布した、フィラーを含む前記樹脂を含有する塗料を硬化させてなる透明な膜である。光散乱透明膜114は、アクリル樹脂を用いることが密着性、耐水性、および、耐久性に優れるため好ましい。
アクリル樹脂系塗料としては、具体的には、紫外線硬化型塗料:VT9269U(商品名、藤倉化成社製)などが用いられる。
VT9269Uは、キシレンを20〜30質量%、メチルイソブチルケトンを20〜30質量%含むものである。
前記樹脂を含有する塗料には、希釈剤が含まれていてもよい。
希釈剤としては、遅乾性希釈剤などが用いられ、具体的には、VM5584 CN−AD(商品名、藤倉化成社製)などが用いられる。
光散乱透明膜115には、2種以上の光透過性及び光散乱性を有するフィラーが分散されており、2種以上の光透過性及び光散乱性を有するフィラーは、鱗片状タルク、ファイバー状シリカ、球状ゼオライト、マイカ、ファイバー状アルミノシリケートのうちの2種以上の混合物であることが好ましく、より好ましくは、鱗片状タルク、球状ゼオライト、マイカから選択される少なくとも1種のフィラーと、ファイバー状シリカ、ファイバー状アルミノシリケートから選択される少なくとも1種のフィラーとを少なくとも混合してなる混合物である。
光散乱透明膜115に、これらのフィラーを1種類しか含まない場合には、フィラーは同一形状、および、同一の屈折率を持つ。このため、フィラーを1種類しか含まない光散乱透明膜115に光を当てると、フィラーにて屈折した光は一定の方向を向くので、その反射光が散乱し難い。また、フィラーが1種類の場合、フィラー同士が凝集をしやすいため、光散乱透明膜115全体にフィラーが分散されない。したがって、これらのフィラーを単独で用いる場合、偏光してしまうので光散乱透明膜115において、目的とするマット感(高級感)が得られない。
そこで、異なる2種以上のフィラーを組み合わせて用いることにより、形状および屈折率の異なるフィラーが混在し同一方向を向くことなく、異方性形状になる。このため、光散乱透明膜の上面から入射した光が、光散乱透明膜中のフィラーを屈折して、あらゆる方向に散乱されながら金属蒸着膜にて反射し、その反射光が光散乱透明膜中のフィラーによってあらゆる方向に散乱され再び光散乱透明膜から外部に出射する。また、異なる2種以上のフィラーを組み合わせて用いることにより、同一のフィラー同士の凝集を減少させることができ、光散乱透明膜115全体にフィラーが分散される。このように、上記のフィラーを2種以上組み合わせて用いることにより、光散乱透明膜115において、目的とするどこから見ても均一なマット感(高級感)が得られる。
また、2種以上の光透過性及び光散乱性を有するフィラーは鱗片状タルク、ファイバー状シリカ、球状ゼオライト、マイカ、ファイバー状アルミノシリケートのうちの2種以上の混合物であることが好ましい理由は、これらのフィラーは光透過性かつ光散乱性に優れるからである。
さらに、鱗片状タルク、球状ゼオライト、マイカは、鱗片状または球状であり、一方、ファイバー状シリカ、ファイバー状アルミノシリケートはファイバー状であるため、両者の形状および屈折率は大きく異なる。したがって、これら形状および屈折率が大きく異なるフィラーを混合すると、形状および屈折率が似ているフィラーを混合する場合に比べて、より同一方向を向くことなく、異方性形状になり、また、同一形状のフィラー同士の凝集を防ぐことができるので、より分散する。よって、2種以上の光透過性及び光散乱性を有するフィラーが、鱗片状タルク、球状ゼオライト、マイカから選択される少なくとも1種のフィラーと、ファイバー状シリカ、ファイバー状アルミノシリケートから選択される少なくとも1種のフィラーとを少なくとも混合してなる混合物であることが、よりあらゆる方向に散乱され、安定したマット感(高級感)を得るためには、より好ましい。
ここで、マット感(高級感)について説明する。
本発明では、JIS Z8741に準拠して測定された60度鏡面光沢度をグロスユニットに換算した値を指標とした。
具体的には、装飾部材110の外面110a(光散乱透明膜114の第1の面114a)から、装飾部材110に光を入射し、その入射光が光散乱透明膜114に存在するフィラーにて反射した光(反射光)をグロス計測機により測定した値である。
フィラーの平均二次粒子径は、0.1nm以上、300nm以下であることが好ましく、より好ましくは0.1nm以上、20nm以下である。
フィラーの平均二次粒子径が0.1nm未満では、フィラーにおける反射光が散乱し難くなるおそれがある。一方、フィラーの平均二次粒子径が300nmを超えると、光散乱透明膜115において、フィラーが十分に分散し難くなり、目的とするマット感(高級感)が得られ難くなることがある。
光散乱透明膜115の厚みは、3μm以上、15μm以下であることが好ましく、より好ましくは3μm以上、13μm以下である。
光散乱透明膜115は、装飾部材110にマット感(高級感)を付与するために設けられている。すなわち、光散乱透明膜115に含まれるフィラーにより、光散乱透明膜115の第1の面115a(装飾部材110の外面110a)から入射した光が、光散乱透明膜115内で散乱することによって、装飾部材110にマット感が生じる。光散乱透明膜115の厚みが上記の範囲内であれば、装飾部材110の鏡面光沢度を表すグロスユニットが所定の範囲内となり、装飾部材110に目的とするマット感(高級感)が付与される。
一方、光散乱透明膜115の厚みが3μm未満では、光散乱透明膜115に含まれるフィラーの量が少なくなるため、装飾部材110の鏡面光沢度を表すグロスユニットが大きくなり過ぎるおそれがある。また、光散乱透明膜115の厚みが15μmを超えると、光散乱透明膜115に含まれるフィラーの量が多くなるため、装飾部材110の鏡面光沢度を表すグロスユニットが不足することがある。
また、光散乱透明膜115中のフィラーの分散量は、質量比で0.2%以上、4.0%以下であり、好ましくは0.2%以上、2.0%以下であり、より好ましくは0.5%以上、1.0%以下である。
光散乱透明膜115中のフィラーの分散量が0.2%以上、4.0%以下であれば、光散乱透明膜115の全体にフィラーがほぼ均一に分散されるので、装飾部材110の鏡面光沢度を表すグロスユニットが所定の範囲内となり、装飾部材110に目的とするマット感(高級感)が付与される。また、光散乱透明膜115中のフィラーの分散量が、質量比で0.2%未満では、光散乱透明膜115に含まれるフィラーの量が少なくなるため、装飾部材110の鏡面光沢度を表すグロスユニットが大きくなり過ぎるおそれがある。一方、光散乱透明膜115中のフィラーの分散量が、質量比で4.0%を超えると、光散乱透明膜115に含まれるフィラーの量が多くなるため、フィラー同士が重なることも多くなる。その結果、フィラーにて散乱された光が、光散乱透明膜115の外部に出射するのが阻害されて、装飾部材110の鏡面光沢度を表すグロスユニットが不足することがある。
また、光散乱透明膜115中のフィラーの分散量が、質量比で2.0%を超えると耐汗性の低いフィラーの量が多くなり、光散乱透明膜115全体として耐汗性が減少するため、光散乱透明膜115中のフィラーの分散量は2.0%以下が好ましい。
さらに、光散乱透明膜115中のフィラーの分散量が、0.5%以上、1.0%以下であることがより好ましい理由としては、安定したマット感(高級感)、および、優れた耐汗性が付与されるからである。
さらに、光散乱透明膜115は、全光線透過率が80.0〜95.0%である。
光散乱透明膜115の全光線透過率が上記の範囲内であれば、光散乱透明膜115の第1の面115aから入射した光が、光散乱透明膜115中のフィラーで屈折して、金属蒸着膜113にて反射し、さらに、その反射光が光散乱透明膜115中のフィラーによって散乱され、その散乱光が再び光散乱透明膜115から外部に出射するから、装飾部材110に目的とするマット感(高級感)が付与される。また、光散乱透明膜115の全光線透過率が80.0%未満では、光散乱透明膜115の第1の面115aから入射した光が光散乱透明膜115内で減衰するとともに、金属蒸着膜113の第1の面113aにて反射した反射光が光散乱透明膜115内で減衰するため、装飾部材110の鏡面光沢度を表すグロスユニットが不足することがある。一方、光散乱透明膜115の全光線透過率が95.0%を超えると、金属蒸着膜113の第1の面113aにて反射した反射光、および、その反射光が光散乱透明膜115中のフィラーにて散乱した散乱光が強くなりすぎて、装飾部材110の鏡面光沢度を表すグロスユニットが大きくなり過ぎるおそれがある。
ここで、図8を参照して、光散乱透明膜115における、光透過性かつ光散乱性のフィラーによる光の散乱の原理について説明する。なお、ここでは説明を簡単にするために、図8において、透明膜114を省略している。
光散乱透明膜115の第1の面115aから入射した光(入射光)131は、光散乱透明膜115中において、フィラー121で屈折するとともに、フィラー121から出射する際、フィラー121と光散乱透明膜115を構成する透明樹脂122との界面にて屈折する。そして、フィラー121から金属蒸着膜113側に出射した屈折光132は、金属蒸着膜113の第1の面113aにて反射し、その反射光133は、再びフィラー121で屈折するとともに、フィラー121から出射する際、フィラー121と透明樹脂122との界面にて屈折する。したがって、フィラー121から光散乱透明膜115側に出射した屈折光134は、光散乱透明膜115の第1の面114aにおいて、入射光131の入射方向とは異なる方向に出射する。このように、光散乱透明膜115中のフィラー121と金属蒸着膜113により、入射光131の入射方向と屈折光134の出射方向が異なるので、光散乱透明膜115において光が散乱し、結果として、金属蒸着膜113における光の反射によるギラツキ感が抑えられ、マット感が得られる。
このような構成の装飾部材110は、光散乱透明膜115側から測定された60度鏡面光沢度がグロスユニットに換算して40以上、400以下であることが好ましく、50以上、150以下であることがより好ましい。
グロスユニットに換算された60度鏡面光沢度が40以上、400以下であれば、装飾部材110には、従来の構成では得られなかったマット感に起因する高級感が得られる。また、装飾部材110は、光散乱透明膜115側から測定された60度鏡面光沢度がグロスユニットに換算して40未満では、目的とするマット感(高級感)が得られないことがある。一方、装飾部材110は、光散乱透明膜115側から測定された60度鏡面光沢度がグロスユニットに換算して400を超えると、光沢が強くなりすぎるため、目的とするマット感(高級感)が得られないおそれがある。
60度鏡面光沢度がグロスユニットに換算して50以上、150以下であることがより好ましい理由は、安定したマット感(高級感)が得られるからである。
この装飾部材110によれば、基材111と、基材111の第1の面111aに順に設けられたアンダーコート膜112、金属蒸着膜113に、透明膜114を介して、光散乱透明膜115が積層されているので、装飾部材110の耐汗性が向上する。また、光散乱透明膜115には、2種以上の光透過性及び光散乱性を有するフィラーが分散されているので、すなわち、光散乱透明膜115中に形状及び屈折率の異なるフィラーが混在しているので、これらフィラーが同一方向を向くことなくランダムに配向している。このため、光散乱透明膜115の上面から入射した光が、光散乱透明膜115中のフィラーを屈折して、あらゆる方向に散乱する。この散乱光が金属蒸着膜113にて反射し、その反射光が光散乱透明膜中115のフィラーによってあらゆる方向に散乱され再び光散乱透明膜115から外部に出射する。また、2種以上のフィラーが混在しているので、同一のフィラー同士の凝集が減少し、光散乱透明膜115全体にフィラーが分散される。さらに、前記光散乱透明膜115中のフィラーの分散量が、質量比で0.2〜4.0%であるので、光散乱透明膜115全体にフィラーがほぼ均一に分散される。よって、光が均一に散乱され、目的とするどの方向から見ても均一なマット感(高級感)が得られる。したがって、金属光沢などの単に光り輝く光沢感ではなく、艶消し状でかつ適度なマット感を伴い、高級感に富み、質感が良好なメタリック調の美麗な外観を有し、かつ、耐汗性に優れた装飾部材110が得られる。
なお、この実施形態では、基材111の第1の面111aに順に設けられたアンダーコート膜112、金属蒸着膜113、透明膜114および光散乱透明膜115を備えた装飾部材110を例示したが、本発明の装飾部材はこれに限定されない。本発明の装飾部材にあっては、アンダーコート膜112を省略して、基材111上に直接、金属蒸着膜113を設けても上記の効果を奏する。
「装飾部材の製造方法」
図9〜図13を参照して、この実施形態の装飾部材の製造方法について説明する。
まず、図9に示すように、押出成形や射出成形により、所定の形状に形成された基材111を用意する。
次いで、図10に示すように、基材111の第1の面111aに、ロボット式のスプレー法またはスピンドル式のスプレー法により、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂などの樹脂を含む塗料を塗布し、この塗料を硬化させて、アンダーコート膜112を形成する。
例えば、アクリル樹脂系塗料として紫外線硬化型塗料を用いる場合、この紫外線硬化型塗料を硬化させるには、アクリル樹脂系塗料を塗布した基材111を、温度40℃にて、2分間予備乾燥した後、紫外線硬化型塗料に紫外線を照射する。紫外線硬化型塗料に照射する紫外線のピーク強度を105.0mW/cm、紫外線の積算光量を1239.0mJ/cmとする。
また、ウレタン樹脂系塗料として熱硬化型塗料を用いる場合、この熱硬化型塗料を硬化させるには、ウレタン樹脂系塗料を塗布した基材111を、温度80℃にて、90分間乾燥する。
次いで、図11に示すように、アンダーコート膜112の第1の面112aに、蒸着法により、スズ(Sn)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)などの卑金属の群から選択される1種およびその酸化物からなる金属蒸着膜113を形成する。
蒸着法としては、抵抗線加熱方式を利用した真空蒸着法、スパッタリング法などが用いられるが、操作性や金属蒸着膜113の厚みの制御性を考慮して、抵抗線加熱方式を利用した真空蒸着法が好ましい。
次いで、図12に示すように、不導電蒸着層113の第1の面113aに、ロボット式のスプレー法またはスピンドル式のスプレー法により、ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂など樹脂を含む塗料を塗布し、この塗料を硬化させて、透明膜114を形成する。
例えば、紫外線硬化型のビニル樹脂系塗料を硬化させるには、ビニル樹脂系塗料を塗布した基材111を、温度60℃にて、3分間予備乾燥した後、ビニル樹脂系塗料に紫外線を照射する。ビニル樹脂系塗料に照射する紫外線のピーク強度を105.0mW/cm、紫外線の積算光量を840.0mJ/cmとする。
次いで、図13に示すように、透明膜114の第1の面114aに、ロボット式のスプレー法またはスピンドル式のスプレー法により、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂などの樹脂を含む塗料を塗布し、この塗料を硬化させて、光散乱透明膜115を形成し、装飾部材110を得る。
例えば、紫外線硬化型のアクリル樹脂系塗料を硬化させるには、アクリル樹脂系塗料を塗布した基材111を、温度60℃にて、3分間予備乾燥した後、アクリル樹脂系塗料に紫外線を照射する。アクリル樹脂系塗料に照射する紫外線のピーク強度を105.0mW/cm、紫外線の積算光量を1239.0mJ/cmとする。
(3)第三の実施形態
「装飾部材」
図14は、本発明の第三の実施形態に係る装飾部材を示す概略断面図である。
図14において、図7に示した装飾部材110と同じ構成要素には同一符号を付して、説明を省略する。
この実施形態の装飾部材120が、上述の第二の実施形態の装飾部材110と異なる点は、金属蒸着膜113の第1の面113aに光散乱透明膜115が設けられ、光散乱透明膜115の金属蒸着膜113と接している面とは反対側の面(第1の面)115aに透明膜114が設けられている点である。
この装飾部材120も、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどのデジタル家電製品の本体の一部または全部を構成する部材として用いられ、透明膜114が最表面に配置されて用いられる部材である。
この装飾部材120にあっても、上述の装飾部材110と同様に、光散乱透明膜115において、光透過性かつ光散乱性のフィラーによる光の散乱の現象が起こる。ゆえに、光散乱透明膜115において光が散乱し、結果として、金属蒸着膜113における光の反射によるギラツキ感が抑えられ、マット感が得られる。
このような構成の装飾部材120は、透明膜114側から測定された60度鏡面光沢度がグロスユニットに換算して40以上、400以下であることが好ましく、50以上、150以下であることがより好ましい。
ここで、グロスユニットに換算された光沢度は、装飾部材120の外面120a(透明膜114の第1の面114a)から、装飾部材120に光を入射し、その入射光が光散乱透明膜115に存在するフィラーにて反射した光(反射光)をグロス計測機により測定した値である。
グロスユニットに換算された60度鏡面光沢度が40以上、400以下であれば、装飾部材120には、従来の構成では得られなかったマット感に起因する高級感が得られる。また、装飾部材120は、透明膜114側から測定された60度鏡面光沢度がグロスユニットに換算して40未満では、目的とするマット感(高級感)が得られないことがある。一方、装飾部材110は、透明膜114側から測定された60度鏡面光沢度がグロスユニットに換算して400を超えると、光沢が強くなりすぎるため、目的とするマット感(高級感)が得られないおそれがある。
60度鏡面光沢度がグロスユニットに換算して50以上、150以下であることがより好ましい理由は、安定したマット感(高級感)が得られるからである。
この装飾部材120によれば、基材111と、基材111の第1の面111aに順に設けられたアンダーコート膜112、金属蒸着膜113、光散乱透明膜115および透明膜114とを有する装飾部材120であるので、透明膜114が光散乱透明膜115を保護し、装飾部材120の耐汗性が向上する。また、光散乱透明膜115には、2種以上の光透過性及び光散乱性を有するフィラーが分散されているので、すなわち、光散乱透明膜115中に形状及び屈折率の異なるフィラーが混在しているので、これらフィラーが同一方向を向くことなくランダムに配向している。このため、光散乱透明膜115の上面から入射した光が、光散乱透明膜115中のフィラーを屈折して、あらゆる方向に散乱する。この散乱光が金属蒸着膜113にて反射し、その反射光が光散乱透明膜中115のフィラーによってあらゆる方向に散乱され再び光散乱透明膜115から外部に出射する。また、2種以上のフィラーが混在しているので、同一のフィラー同士の凝集が減少し、光散乱透明膜115全体にフィラーが分散される。さらに、前記光散乱透明膜115中のフィラーの分散量が、質量比で0.2〜4.0%であるので、光散乱透明膜115全体にフィラーがほぼ均一に分散される。よって、光が均一に散乱され、目的とするどの方向から見ても均一なマット感(高級感)が得られる。したがって、金属光沢などの単に光り輝く光沢感ではなく、艶消し状でかつ適度なマット感を伴い、高級感に富み、質感が良好なメタリック調の美麗な外観を有し、かつ、耐汗性に優れた装飾部材120が得られる。
なお、この実施形態では、基材111の第1の面111aに順に設けられたアンダーコート膜112、金属蒸着膜113、光散乱透明膜115および透明膜114を備えた装飾部材120を例示したが、本発明の装飾部材はこれに限定されない。本発明の装飾部材にあっては、アンダーコート膜を省略して、基材上に直接、金属蒸着膜を設けても上記の効果を奏する。
「装飾部材の製造方法」
図9〜図11、および、図14を参照して、この実施形態の装飾部材の製造方法について説明する。
上述の第二の実施形態と同様にして、基材111の第1の面111aに、アンダーコート膜112と金属蒸着膜113を順に形成する。
次いで、金属蒸着膜113の第1の面113aに、ロボット式のスプレー法またはスピンドル式のスプレー法により、紫外線硬化型のアクリル樹脂系塗料を塗布し、このアクリル樹脂系塗料を硬化させて、光散乱透明膜115を形成する。
この紫外線硬化型のアクリル樹脂系塗料を硬化させるには、アクリル樹脂系塗料を塗布した基材111を、温度60℃にて、3分間予備乾燥した後、アクリル樹脂系塗料に紫外線を照射する。アクリル樹脂系塗料に照射する紫外線のピーク強度を105.0mW/cm、紫外線の積算光量を1239.0mJ/cmとする。
次いで、光散乱透明膜115の第1の面115aに、ロボット式のスプレー法またはスピンドル式のスプレー法により、紫外線硬化型のビニル樹脂系塗料を塗布し、このビニル樹脂系塗料を硬化させて、透明膜114を形成し、装飾部材120を得る。
この紫外線硬化型のビニル樹脂系塗料を硬化させるには、ビニル樹脂系塗料を塗布した基材111を、温度60℃にて、3分間予備乾燥した後、ビニル樹脂系塗料に紫外線を照射する。ビニル樹脂系塗料に照射する紫外線のピーク強度を105.0mW/cm、紫外線の積算光量を840.0mJ/cmとする。
以下、実施例または比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
「実施例17」
射出成形により所定の形状に形成され、表面にシボ加工が施されたABS樹脂からなる基材の第1の面に、ロボット式のスプレー法により、添加剤としてAD2986D(商品名、藤倉化成社製)を含む紫外線硬化型塗料:VB3025U(商品名、藤倉化成社製)を塗布した。この紫外線硬化型塗料を塗布した基材を、温度40℃にて、2分間予備乾燥した後、この紫外線硬化型塗料に紫外線を照射し、紫外線硬化型塗料を硬化させて、厚み10μmのアンダーコート膜を形成した。紫外線硬化型塗料に照射する紫外線のピーク強度を105.0mW/cm、紫外線の積算光量を1239.0mJ/cmとした。
次いで、アンダーコート膜の基材と接している面とは反対側の面に、抵抗線加熱方式を利用した真空蒸着法により、厚み100nmのスズからなる金属蒸着膜を形成した。
次いで、金属蒸着膜のアンダーコート膜と接している面とは反対側の面に、ロボット式のスプレー法により、希釈剤:VM5584 CN−AD(商品名、藤倉化成社製)を含む紫外線硬化型塗料:VM5484U(商品名、藤倉化成社製)を塗布した。この紫外線硬化型塗料を塗布した基材を、温度60℃にて、3分間予備乾燥した後、この紫外線硬化型塗料に紫外線を照射し、紫外線硬化型塗料を硬化させて、厚み10μmの透明膜を形成した。紫外線硬化型塗料に照射する紫外線のピーク強度を105.0mW/cm、紫外線の積算光量を840.0mJ/cmとした。
次いで、透明膜の金属蒸着膜と接している面とは反対側の面に、ロボット式のスプレー法により、フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を含むとともに、希釈剤:VM5584 CN−AD(商品名、藤倉化成社製)を含む紫外線硬化型塗料:VT9269U(商品名、藤倉化成社製)を塗布した。この紫外線硬化型塗料を塗布した基材を、温度60℃にて、3分間予備乾燥した後、この紫外線硬化型塗料に紫外線を照射し、紫外線硬化型塗料を硬化させて、厚み10μmの光散乱透明膜を形成し、実施例17の試料を作製した。紫外線硬化型塗料に照射する紫外線のピーク強度を105.0mW/cm、紫外線の積算光量を1239.0mJ/cmとした。
また、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.2%とした。
「実施例18」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.5%とした以外は、実施例17と同様にして、実施例18の試料を作製した。
「実施例19」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とした以外は、実施例17と同様にして、実施例19の試料を作製した。
「実施例20」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で1.0%とした以外は、実施例17と同様にして、実施例20の試料を作製した。
「実施例21」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で1.5%とした以外は、実施例17と同様にして、実施例21の試料を作製した。
「実施例22」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で2.0%とした以外は、実施例17と同様にして、実施例22の試料を作製した。
「実施例23」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で2.5%とした以外は、実施例17と同様にして、実施例23の試料を作製した。
「実施例24」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で3.0%とした以外は、実施例17と同様にして、実施例24の試料を作製した。
「実施例25」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で4.0%とした以外は、実施例17と同様にして、実施例25の試料を作製した。
「比較例6」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.1%とした以外は、実施例17と同様にして、比較例6の試料を作製した。
「比較例7」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で4.2%とした以外は、実施例17と同様にして、比較例7の試料を作製した。
「比較例8」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクのみを用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とした以外は、実施例17と同様にして、比較例8の試料を作製した。
「比較例9」
フィラーとして平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカのみを用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とした以外は、実施例17と同様にして、比較例9の試料を作製した。
「比較例10」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの球状ゼオライトのみを用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とした以外は、実施例17と同様にして、比較例10の試料を作製した。
「実施例26」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの球状ゼオライトと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状アルミノシリケートの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とした以外は、実施例17と同様にして、実施例26の試料を作製した。
「実施例27」
フィラーとして平均二次粒子径10nmのマイカと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とした以外は、実施例17と同様にして、実施例27の試料を作製した。
「実施例28」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とし、光散乱透明膜の厚みを1μmとした以外は、実施例17と同様にして、実施例28の試料を作製した。
「実施例29」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とし、光散乱透明膜の厚みを3μmとした以外は、実施例17と同様にして、実施例29の試料を作製した。
「実施例30」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とし、光散乱透明膜の厚みを5μmとした以外は、実施例17と同様にして、実施例30の試料を作製した。
「実施例31」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とし、光散乱透明膜の厚みを15μmとした以外は、実施例17と同様にして、実施例31の試料を作製した。
「実施例32」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とし、光散乱透明膜の厚みを18μmとした以外は、実施例17と同様にして、実施例32の試料を作製した。
「実施例33」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とし、透明膜の厚みを3μmとした以外は、実施例17と同様にして、実施例33の試料を作製した。
「実施例34」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とし、透明膜の厚みを4μmとした以外は、実施例17と同様にして、実施例34の試料を作製した。
「実施例35」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とし、透明膜の厚みを5μmとした以外は、実施例17と同様にして、実施例35の試料を作製した。
「実施例36」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とし、透明膜の厚みを8μmとした以外は、実施例17と同様にして、実施例36の試料を作製した。
「実施例37」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とし、透明膜の厚みを12μmとした以外は、実施例17と同様にして、実施例37の試料を作製した。
「実施例38」
フィラーとして平均二次粒子径10nmの鱗片状タルクと平均二次粒子径0.5nmのファイバー状シリカの混合物を用い、光散乱透明膜中のフィラーの分散量を、質量比で0.75%とし、透明膜の厚みを15μmとした以外は、実施例17と同様にして、実施例38の試料を作製した。
[試料の評価]
実施例17〜38および比較例6〜10の試料に対して、マット感、耐汗性について評価した。
評価方法は下記の通りである。
<1>マット感(グロスユニット)
光散乱透明膜またはトップコート膜側から、実施例17および比較例6、2の試料に入射角60度で光を入射し、その入射光がそれぞれ試料にて反射した光(反射光)をグロス計測機により測定し、それぞれ試料の光沢度(グロスユニット)を測定した。
ここでは、グロスユニットが40以上、400以下の場合をマット感が「Good」、グロスユニットが50以上、150以下の場合をマット感が「Excellent」、グロスユニットが40未満、または、400を超える場合をマット感が「Bad」とした。
結果を表4〜6に示す。
<2>耐汗性
実施例17〜38および比較例6〜10の試料について、試料に装飾部材10の外面10aに人工汗(L−ヒスチジン塩酸塩水和物、塩化ナトリウムを必須成分とする。)を数滴滴下した後、この装飾部材10を温度65℃、湿度95%RHの環境下に48時間放置した。人工汗を数滴滴下した部分と滴下していない部分のトップコート膜側から、入射角60度で光を入射し、その入射光がそれぞれ試料にて反射した光(反射光)をグロス計測機により測定した。測定から得られたグロスユニットの差を計算し、この差が3未満の場合を耐汗性が「Excellent」、差が3以上、5未満の場合を耐汗性が「Good」、差が5以上、10未満の場合を耐汗性が「Poor」とした。
結果を表4〜6に示す。
表4および表5の結果から、実施例17〜38の試料は、マット感および耐汗性に優れていることが分かった。
また、フィラーの分散量が0.5質量%以上、1.0質量%以下、光散乱透明膜の厚みが10μm、透明膜の厚みが4μm以上であれば、実施例17〜38で使用した如何なるフィラーを用いても、マット感および耐汗性が非常に優れていることが分かった。
また、表5の結果から、比較例6、および、比較例8〜10の試料は、耐汗性に優れているものの、マット感に劣ることが分かった。
また、比較例7の試料は、マット感および耐汗性に劣ることが分かった。
本発明によれば、高級感に富み、質感が良好なメタリック調の外観を有し、かつ、耐汗性に優れた装飾部材を提供することができる。
10・・・装飾部材
11・・・基材
12・・・アンダーコート膜
13・・・金属蒸着膜、
14・・・光散乱透明膜
110・・・装飾部材
111・・・基材
112・・・アンダーコート膜
113・・・金属蒸着膜
114・・・透明膜
115・・・光散乱透明膜

Claims (5)

  1. 基材と;
    この基材上に設けられた金属蒸着膜と;
    この金属蒸着膜上に設けられた光散乱透明膜と;
    を有する装飾部材であって、
    前記光散乱透明膜には、2種以上の光透過性及び光散乱性を有するフィラーが分散されており、
    前記光散乱透明膜中のフィラーの分散量が、質量比で0.2〜4.0%である
    ことを特徴とする装飾部材。
  2. 前記2種以上の光透過性及び光散乱性を有するフィラーは、鱗片状タルク、ファイバー状シリカ、球状ゼオライト、マイカ、ファイバー状アルミノシリケートのうちの2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載の装飾部材。
  3. 60度鏡面光沢度がグロスユニット換算で40〜400であることを特徴とする請求項1または2に記載の装飾部材。
  4. 前記光散乱透明膜の膜厚が3〜15μmであることを特徴とする請求項1〜3に記載の装飾部材。
  5. 前記金属蒸着膜と前記光散乱透明膜との間、又は、前記光散乱透明膜上に、透明膜を更に有することを特徴とする請求項1〜4に記載の装飾部材。
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