JPWO2010110490A1 - 加工性及び焼入れ後の疲労特性に優れた電縫鋼管 - Google Patents

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Abstract

球状化処理を施すことなく複雑形状への加工が可能であり、浸炭処理を施すことなく、冷間加工及び焼入れ後の疲労特性を高めることが可能な、加工性及び焼入れ後の疲労特性に優れた電縫鋼管を提供するもので、その電縫鋼管は、質量%で、C:0.15〜0.55%、Si:0.01〜0.30%、Mn:0.5〜1.5%、Ca:0.0010〜0.0030%、S:0.0005〜0.0050%、O:0.0005〜0.0050%を含有し、Ca、O及びSの含有量が、0.10≦[Ca](1−124[O])/1.25[S]≦2.50を満足し、母材および電縫溶接部に存在するCa系介在物の平均粒径が1.0〜10μm、密度が3〜300個/mm2であり、さらに、電縫溶接部の最高硬さと母材部の平均硬さの差ΔHvが100〜500を満足することを特徴とする。

Description

本発明は、自動車用部品、機械構造用部品などの素材に好適な、加工性及び焼入れ後の疲労特性に優れた電縫鋼管に関するものである。
近年、自動車および機械構造等の性能向上に伴い、一段と高い疲労特性や部品の形状が複雑になり、鋼材には加工性の向上が強く要求されている。自動車用部品や機械構造用部品等の素材として用いられる鋼管は、冷間加工後、切削が施されて最終部品形状となり、その後の焼入れにより強度が調整される。焼入れ後の自動車部品、機械構造用部品には強度と疲労特性が要求される。
焼入れによって鋼管の強度を上げるためには、素材である鋼管のC含有量を高くすることが必要である。しかし、高炭素鋼は加工性に劣るため、球状化熱処理によって強度を低下させる方法が提案されている(例えば、特許文献1〜4、参照)。
一方、疲労特性の向上には、一般的に硬さや強度を高めることと、圧縮の残留応力を付与することが効果的である。これまでに、浸炭焼入れを用いて表層部の硬さや強度を高めることにより、疲労特性を向上させる方法(特許文献5参照)が提案されている。
しかし、近年、低コスト化や製造効率の観点から、球状化熱処理を省略しても、複雑形状に加工することができる、加工性に優れた電縫鋼管が要求されている。また、浸炭処理などを施すことなく、焼入れ後の部品の疲労特性を高めることも要求されている。
さらに、加工性が要求される用途に適用される電縫鋼管では、特に、MnSの形態を制御するためにCaを添加し、更に、母材と溶接部の材質を均質にするため、電縫溶接によって造管した後、焼準(Ac3変態点以上に加熱し、空冷する)などの熱処理を施していた。
しかし、低コスト化や製造効率の観点から、造管後の熱処理を省略した場合には、本発明者らの検討によれば、加工性が劣化するという問題があり、Caを添加した鋼において、造管後の熱処理を省略した場合でも加工性が損なわれないことも要求される。
特開平11−269552号公報 特開平11−269553号公報 特開2006−9141号公報 特開2007−246956号公報 特開平5−117806号公報
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、球状化処理を施すことなく複雑形状への加工が可能であり、浸炭処理を施すことなく、冷間加工及び焼入れ後の疲労特性を高めることも可能であり、さらに、造管後の熱処理を省略しても加工性が損なわれない、加工性及び焼入れ後の疲労特性に優れた電縫鋼管を提供するものである。
本発明は、冷間鍛造などの加工時の割れ及び疲労試験での割れの起点となる介在物の影響について検討した。
その結果、電縫鋼管の母材及び溶接部に存在する、酸化物および硫化物などのカルシウム(Ca)系介在物の形態を制御することによって、造管後の熱処理も省略しても加工性が確保され、かつ、焼入れ後の疲労特性を高めた電縫鋼管が得られることを知見した。
このようにしてなされた本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1) 質量%で、C:0.15〜0.55%、Si:0.01〜0.30%、Mn:0.5〜1.5%、Ca:0.0010〜0.0030%、S:0.0005〜0.0050%、O:0.0005〜0.0050%を含有し、P:0.020%以下、N:0.0050%以下、Al:0.050%以下に制限し、残部がFe及び不純物からなり、Ca、O及びSの含有量が、
0.10≦[Ca](1−124[O])/1.25[S]≦2.50
を満足し、母材および電縫溶接部に存在するCa系介在物の平均粒径が1.0〜10μm、密度が3〜300個/mmであり、さらに、電縫溶接部の最高硬さと母材部の平均硬さの差ΔHvが、
100≦ΔHv≦500
を満足することを特徴とする加工性及び焼入れ後の疲労特性に優れた電縫鋼管。
(2) さらに、質量%で、Mo:0.25%以下を含有することを特徴とする上記(1)に記載の加工性及び焼入れ後の疲労特性に優れた電縫鋼管。
(3) さらに、質量%で、Ti:0.030%以下、B:0.0050%以下を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の加工性及び焼入れ後の疲労特性に優れた電縫鋼管。
(4) さらに、質量%で、Ni:1.00%以下、Cu:1.00%以下、Cr:1.50%以下、Mo:0.05%未満、Nb:0.050%以下、V:0.040%以下の1種又は2種以上を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の加工性及び焼入れ後の疲労特性に優れた電縫鋼管。
(5) 母材の肉厚が4〜12mmであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の加工性及び焼入れ後の疲労特性に優れた電縫鋼管。
本発明によれば、造管後の熱処理を省略しても優れた加工性を有し、更に、焼入れ後の強度及び疲労特性にも優れた電縫鋼管が得られ、高強度で疲労特性に優れた複雑形状の自動車部品や機械構造用部品などの提供が可能になり、産業上の貢献が極めて顕著である。
本発明者らは、C含有量の多い電縫鋼管を冷間加工する際の割れや、焼入れ後の部品の疲労亀裂の起点が、鋼管の母材及び溶接部に存在する酸化カルシウム(CaO)、硫化カルシウム(CaS)など、カルシウム系介在物(Ca系介在物)であることを見出した。
本発明者らは、更に検討を進め、Ca、O及びSの含有量を制御することにより、カルシウム系介在物を微細化し、電縫鋼管の加工性及び焼入れ後の疲労特性を向上させることに成功した。
以下、本発明の加工性及び焼入れ後の疲労特性に優れた電縫鋼管について詳細に説明する。本発明では、化学成分、カルシウム(Ca)系の酸化物および硫化物の形態、密度を特定条件下で限定している。まず、鋼管母材に用いる鋼の化学成分について説明する。含有量の%は質量%である。
C:0.15〜0.55%、
Cは、強度および焼入れ性を確保するために必要な元素であり、含有量を0.15〜0.50%の範囲とする。炭素含有量は、強度および焼入れ性を確保するために0.15%以上を含有させることが必要である。また、強度を高めるには、炭素含有量を0.20%以上にすることがより好ましく、0.25%以上にすることがさらに好ましい。
一方、炭素含有量が0.55%を超えると硬くなりすぎて、加工性の劣化や被削性および靭性の劣化を招くため、上限値は0.55%以下が好ましい。また、この上限値は、好ましくは0.50%以下、より好ましくは0.45%以下、さらに好ましくは0.40%以下である。
Si:0.01〜0.30%、
Siは、脱酸剤として作用するだけでなく、強度の上昇にも有効に寄与する元素であり、含有量を0.01〜0.30%の範囲とする。Si含有量の下限値は、0.01%以上とすることが好ましく、0.10%以上とすることがより好ましく、0.15%以上とすることがさらに好ましい。
一方、Si含有量が0.30%を超えると強度上昇に伴い延性が低下し、加工性の劣化を招く。また、電縫鋼管の電縫溶接部に反応生成物が生成しやすくなり、電縫溶接部の品質を著しく劣化させる。したがって、Si含有量の上限値は、0.30%以下とすることが好ましく、0.25%以下がより好ましく、0.20%以下がさらに好ましい。
Mn:0.5〜1.5%、
Mnは、焼き入れ性の確保に有効な元素であり、含有量を0.5〜1.5%の範囲とする。Mn含有量の下限値は、0.5%以上が好ましく、0.7%以上がより好ましい。一方、Mn含有量が1.5%を超えると強度上昇に伴い延性が低下し、加工性が劣化するため、上限値は1.5%以下が好ましく、1.35%以下がより好ましい。また、Mn含有量が増加すると、電縫鋼管の電縫溶接部に反応生成物を生成しやすくなり、電縫溶接部の品質が劣化するため、上限値を1.3%以下にすることがさらに好ましい。
Ca:0.0010〜0.0030%、
Caは、重要な元素であり、母材および溶接部で硫化物(CaS)を生成し、硫化マンガン(MnS)の生成を抑制し、加工性の向上に極めて有効である。したがって、Ca含有量は0.0010〜0.0030%とする。ここで、Ca含有量が0.0010%未満では、その効果が不十分であるため、下限値としては0.0010%以上とすることが好ましく、0.0015%以上とすることがより好ましい。
一方、0.0030%を超えて過剰にカルシウムを添加すると、鋼中の介在物が増加し、加工性の劣化を招くため、上限値としては0.0030%以下とすることが好ましく、0.0027%以下とすることがより好ましく、0.0025%以下とすることがさらに好ましい。
O:0.0005〜0.0050%
Oは、鋼中に不可避的に含有される不純物であり、含有量を0.0005〜0.0050%とする。O含有量を0.0005%未満にするには製造コストが上昇してしまうため、下限を0.0005%以上とすることが好ましく、0.0015%以上がより好ましい。
一方、Oは、鋼中で酸化物を生成し、含有量が0.0050%を超えると加工性や焼入れ後の疲労特性が低下するため、上限を0.0050%以下とすることが好ましく、0.0035%以下とすることがより好ましい。
S:0.0005〜0.0050%、
Sは、鋼中に不可避的に含有される不純物であり、含有量を0.0005〜0.0050%とする。S含有量を0.0005%未満にするには製造コストが上昇してしまうため、下限を0.0005%以上とすることが好ましく、0.0020%以上とすることがより好ましく、0.0025%とすることがさらに好ましい。
一方、Sは、鋼中で硫化物を生成し、含有量が0.0050%を超えると加工性や焼入れ後の疲労特性が低下するため、上限を0.0050%以下とすることが好ましく、0.0045%以下とすることがより好ましく、0.0040%以下とすることがさらに好ましい。
Al:0.050%以下
Alは、脱酸元素として作用するが、Alの含有量が0.050%を超えると介在物量が増加して、鋼の清浄度を低下させ、加工性の劣化を招く。このため、Alの含有量は、できるだけ少ないことが望ましく、0.050%以下に制限することが好ましく、0.030%以下とすることがより好ましく、0.025%以下とすることがさらに好ましい。
P:0.020%以下、
Pは、鋼中に不可避的に含有される不純物であり、粒界偏析や中心偏析を起こし、延性劣化の原因となる。したがって、Pの含有量は0.020%以下に制限することが好ましく、0.010%以下とすることがより好ましく、0.008%以下とすることがさらに好ましい。
N:0.0050%以下、
Nは、鋼中に不可避的に含有される元素であり、0.0050%を超えて含有すると、粗大な窒化物が生成し、加工性や疲労強度の低下を招く。したがって、窒素の含有量は0.0050%以下に制限することが好ましく、0.035%以下とすることがより好ましい。なお、NをAl、Ti、Nbなどと結合させて微細な窒化物を生成し、強度や疲労強度を向上させるには、0.0010%以上を含有させることが好ましく、0.0020%以上とすることがより好ましい。
本発明における鋼管には、以上のような組成の鋼が用いられるが、この鋼に、さらに、焼入れ性を高めたり、強度を高めたりする目的で次のような元素を添加することができる。
Moは、焼入れ性の確保、さらに、電縫溶接部および母材部のPの粒界偏析抑制による粒界割れ抑制の観点から有効な元素であり、このような効果を更に得るためには、0.25%以下の範囲で含有することが好ましい。
Moの効果を十分に得るためには、0.05%以上であることが好ましく、0.06%以上であることがより好ましく、0.08%以上であることがさらに好ましい。
一方、Mo量が0.25%を超えると強度が高くなり、加工性や被削性の劣化を招くため、上限値としては0.25%以下とすることが好ましく、0.17%以下とすることがより好ましい。また、加工性を高めるに、Mo量の上限値を0.15%以下にすることがさらに好ましい。
なお、Moは高価な元素であるため、コストを考慮して0.05%未満の添加とする場合には、BやCrと共に添加することが、少量の添加でも焼入れ性を高めることができるので好ましい。
更に焼入れ性を高めるためには、Ti及びBを同時に含有させることが好ましい。
Tiは、Nとの親和力が強く、Bを添加した場合に窒化物(BN)の析出を防止し、固溶Bを確保するために、Bとともに添加することが好ましい。しかし、Tiを過剰に添加すると粗大な窒化物の形成によって、加工性や疲労強度の低下を招くため、上限を0.030%以下にすることが好ましい。また、チタンは、炭窒化物を形成し、結晶粒の微細化に寄与するため、0.005%以上を添加することが好ましい。なお、窒化物(BN)の生成を抑制するため、N含有量に応じてTi含有量を適切に制御することが望ましい。
Bは、焼入れ性の確保に有効な元素であるが、0.0050%を超えて添加しても、効果は飽和する。したがって、ホウ素の含有量の上限を0.0050%以下とすることが好ましい。焼入れ性を高めるには、ホウ素を0.0005%以上添加することが好ましい。
更に強度を高めるには、Ni、Cu、Cr、Mo、Nb、Vの1種又は2種以上を添加することが好ましい。
Niは、焼入れ性の確保に有効な元素であるが、Niの含有量が1.00%を超えると強度が高くなり、加工性の劣化を招くことがある。したがって、Ni含有量は1.00%以下とすることが好ましい。焼入れ性を高めるには、0.05%以上のNiを添加することが好ましい。
Cuは、固溶強化および析出強化によって強度を上昇させる元素であり、焼入れ性の向上にも寄与する。しかし、Cuの含有量が1.00%を超えると、熱間加工時の変形抵抗が大きくなり、製造が困難になることがある。したがって、Cu含有量は1.00%以下とすることが好ましい。また、強度を高めるには、Cuを0.05%以上にすることが好ましい。
Crは、焼入れ性の確保に有効な元素であるが、Crの含有量が1.50%を超えると強度が高くなり、加工性の劣化を招くことがある。したがって、Cr含有量は1.50%以下とすることが好ましい。焼入れ性を高めるには、0.05%以上のCrを添加することが好ましい。加工性を高めるには、Cr含有量を1.00%以下にすることが好ましい。
Nbは、焼入れ性の確保に有効な元素であるが、0.050%を超えて添加しても効果が飽和する。したがって、Nbの含有量は0.050%以下とすることが好ましい。焼入れ性を高めるには、Nbを0.005%以上添加することが好ましい。
Vは、炭化物、窒化物を形成し、強度の上昇に有効な元素である。一方、Vを過剰に添加すると粗大な炭化物、窒化物の形成によって、加工性や疲労強度の低下を招くため、含有量の上限を0.040%以下とすることが好ましい。強度を高めるには、Vを0.005%以上添加することが好ましい。
本発明では、加工性及び焼入れ後の疲労特性を高めるために、S、Oの含有量、Caの添加量を適正な関係とするとともに、鋼中のカルシウム系の酸化物(CaO)および硫化物(CaS)の平均粒径と分布密度を適正な範囲に制限する。
電縫鋼管の電縫溶接部に、粗大な酸化物および硫化物が存在すると、加工時の割れおよび疲労破壊の起点となる。特に、Caを添加した電縫鋼管の加工性の劣化の原因や疲労破壊の原因を調査した結果、母材及び電縫溶接部の介在物、特に、CaO、CaSなどのカルシウム系介在物が起点となり、割れが発生していることを見出した。
そこで、CaO、CaSなどのカルシウム系介在物の形態制御について検討した結果、カルシウム系介在物できるだけ細粒化し、分布密度も低下させることが必要であり、そのためには、S、Oの含有量とCaの添加量の関係、及びカルシウム系介在物の平均粒径と分布密度が重要であることがわかつた。
S、Oの含有量とCaの添加量の関係については、下記(1)式で規定されるE値が特定の範囲を満たすことが必要である。ここで、E値は、Caが酸化物を形成することを考慮し、SをCaSとして固定するために必要な、S含有量に対するCa含有量の比である。即ち、カルシウム系の酸化物および硫化物が生成するときのCa含有量、S含有量およびO含有量の比である。
このE値が0.10未満では、S含有量が過剰であるため、鋼の清浄度が低下し、硫化物が加工時の割れや焼入れ後の疲労亀裂の起点となる。一方、E値を2.50超とするには、S含有量を極力低減する必要があり、製造コストの上昇を伴う。
したがって、E値は0.10〜2.50の範囲とする。なお、加工性を高めるには、E値は0.25以上が好ましく、0.30以上が更に好ましい。また、製造コストの観点から、E値は1.0以下が好ましい。
E値=[Ca](1−124[O])/1.25[S] ・・・(1)
但し、上記(1)式において、[Ca]、[O]、[S]は、電縫鋼管に含まれるCa、O、Sの含有量(質量%)をそれぞれ示す。
従来は、O及びSの含有量を厳格に調整していなかった。本発明では、製鋼工程において、脱硫によりS量を低減し、Si、Mn、Alなどの脱酸元素の添加によって溶鋼のO量を低減し、更に、S量、0量に応じて、Caを添加し、パラメータE値を上記の範囲にコントロールする。
カルシウム系介在物の平均粒径と分布密度については、加工性および疲労特性の観点から、電縫鋼管の母材部および電縫溶接部で、カルシウム系介在物の平均粒径が1.0〜10μm、密度が1mm当たり3〜300個であることが必要である。
カルシウム系介在物の平均粒径を10μm以下、密度を300個/mmとすることにより、加工性および焼入れ後の疲労特性が飛躍的に向上する。
一方、その平均粒径を1.0μm未満、密度を3個/mm未満とするには、鋼中に含まれるS含有量及び酸素(O)含有量を低減しなければならないため、製造コストが上昇する。製造コストの観点から、カルシウム系介在物の平均粒径の好ましい下限は1.1μm以上である。
電縫溶接して焼入れた状態のままで、焼き入れ後の熱処理を行わない場合は、電縫溶接部はマルテンサイト主体の組織となっており、電縫溶接部の硬さは母材部に比較して高くなっている。
造管ままの状態で、加工性を確保するためには、ビッカース硬さで測定した電縫溶接部の最高硬さと母材部の平均硬さの差(ΔHv)が、
100≦ΔHv≦500
の関係を満たすことが必要である。
造管ままの状態で、電縫溶接部の最高硬さと母材部の平均硬さの差(△Hv)が大きいと、加工時に電縫溶接部近傍の軟質相である母材部にひずみが集中し、その結果、局部的な変形が進行して破断に至る場合が生じる。そのような破断を防止するためには、この硬さの差△Hvを500以下とすることが必要である。
造管ままの状態での電縫溶接部は前記のようにマルテンサイト主体の組織となっているおり、その硬さは、主に、鋼のC量など化学成分、電縫溶接の比入熱(単位長さ当たり溶接電力量)、母材板厚等に依存する。一般には、C量あるいは炭素等量が高いほど、電縫溶接部の最高硬さは高くなる。また、比入熱が小さいほど、また、板厚が厚いほど電縫溶接部の最高硬さが高くなることが知られている。
しかし、母材の化学成分および板厚は、電縫鋼管を部品に加工した後の製品特性に影響するので、自由には選択できない。したがって、母材の化学成分及び板厚に応じて、比入熱を選択して溶接部の最高硬さを調整し、△Hvが500以下になるようにする。
また、△Hvの値は母材のC量の低下に伴い小さくなることから、△Hvの下限は特に規定しなくてもよいが、現実に可能な比入熱や母材板厚と、C:0.15%の下限域における△Hvの値を考慮して100以上とする。
一般に、電縫鋼管の厚みは、1.5〜15mmである。なお、自動車部品のシャフトなどに使用される中空部品の厚みは厚肉であり、素材となる電縫鋼管の厚みを4mm以上にすることが好ましい。また、自動車部品や機械構造部品の素材である電縫鋼管は外径が小さいため、厚みが増すと成形や電縫溶接が困難になる。したがって、電縫鋼管の厚みの上限を12mm以下とすることが好ましい。
本発明は、以上説明したように構成されるものであるが、以下、実施例を用いて、本発明の実施可能性及び効果についてさらに説明する。
なお、実施例に用いた条件はその確認のための一条件例であり、本発明は、この例に限定されるものではない。
表1に示した化学成分を有する鋼A〜Oを用いて、外径が38.1mm、肉厚が8.0mmである電縫鋼管1〜15を製造した。なお、電縫溶接後は、高周波焼き入れを実施したが、焼き入れ後に焼準などの熱処理は行わなかった。
高周波焼き入れ後の電縫鋼管の溶接部と母材部のビッカース硬さを測定して、電縫溶接部の最高硬さと母材部の平均硬さを求めるとともに、該電縫鋼管から試験片を切り出して、断面観察や特性を評価する試験を実施した。
介在物の大きさと個数の測定は、電縫鋼管の電縫溶接部および母材部から試料を切り出し、鏡面研磨を実施した。EPMAにより、1000μm×1000μmの測定領域を1000×1000点の測定点数で測定を実施し、電縫鋼管の母材及び溶接部のカルシウム系介在物の密度を求めた。また、SEM写真を画像解析し、カルシウム系介在物の平均粒径を円相当径に換算して求めた。
加工性は、圧縮試験により評価した。径が7mm、長さが10mmの円柱状の試験片を、電縫鋼管の管軸方向が圧縮試験片の長手方向(L方向)となるように採取した。試験片のL方向に圧縮した場合、表面に割れが発生したときの試験片の高さを圧縮高さhとした。
なお、上記圧縮高さhは、試験条件(試験片のサイズ、歪速度等)によって変化するものである。本実施例の条件では、圧縮高さが2.0mm以下となる場合に、加工性が良好であると評価した。
焼入れ後の疲労特性は、捩じり疲労試験により評価した。捩じり疲労試験は、電縫鋼管を外面側からの水冷によって焼き入れ処理を施した後、回転トルクを13kNmで一定とし、繰り返し回数で評価した。
なお、上記繰り返し回数は、試験条件によって変化するものである。本実施例の条件では、繰り返し回数が1.5×108以上となる場合に、焼き入れ後の疲労特性が良好であると評価した。
結果を表2に示す。表2に示すように、鋼A〜Kを用いて製造した本発明例の鋼管1〜11は、溶接部と母材部のビッカース硬さの差ΔHが本発明範囲にあり、圧縮試験による加工性および捩じり疲労試験による焼入れ後の疲労特性とも良好である。一方、鋼L〜Oを用いて製造した比較例の鋼管12〜15は、いずれも化学成分、カルシウム系介在物の平均粒径、個数密度が本発明範囲から外れることから加工性、焼入れ後の疲労特性が劣っている。
比較例である鋼Lは、C含有量が低く、焼入れ性が低下して焼き入れ後の強度が低くなるため、その鋼を用いて製造した鋼管12は、焼入れ後の疲労特性が劣っている。
比較例である鋼Mは、S含有量が高いため、製造された鋼管13は、電縫溶接部および母材部のカルシウム系介在物の個数密度が高くなっており、圧縮試験および捩じり疲労試験において、カルシウム系介在物が割れの起点となり、加工性と焼入れ後の疲労特性が劣っている。
比較例である鋼Nは、Ca含有量が過剰であり、E値が高いため、製造された鋼管14は、電縫溶接部および母材部のカルシウム系介在物の個数密度が高くなっており、同様に加工性と焼入れ後の疲労特性が劣っている。
比較例である鋼Oは、Ca含有量が低く、E値が低いため、製造された鋼管15の電縫溶接部および母材部のカルシウム系介在物が粗大になり、個数密度も高くなっており、同様に加工性と焼入れ後の疲労特性が劣っている。
Figure 2010110490
Figure 2010110490
表3に示した化学成分を有する鋼A1〜O1を用いて、実施例1と同じ形状の電縫鋼管16〜30を、実施例1と同様に製造した。
電縫鋼管16〜30の溶接部と母材部のビッカース硬さを測定して、電縫溶接部の最高硬さと母材部の平均硬さを求めるとともに、電縫溶接部および母材部からそれぞれ試料を切り出し、実施例1と同様に、電縫鋼管の母材及び溶接部のカルシウム系介在物の密度と平均粒径を求めた。
また、実施例1と同様に加工性と焼入れ後の疲労特性を評価する試験を実施した。
結果を表4に示す。表4に示すように、鋼A1〜K1を用いて製造した本発明例の鋼管16〜26は、溶接部と母材部のビッカース硬さの差ΔHが本発明範囲にあり、圧縮試験による加工性および捩じり疲労試験による焼入れ後の疲労特性も良好である。一方、鋼L1〜O1を用いて製造した比較例の鋼管27〜30は、化学成分、カルシウム系介在物の平均粒径、個数密度が本発明範囲から外れることから加工性、焼入れ後の疲労特性が劣っている。
比較例である鋼L1は、C量が低く、焼入れ性が劣化しており、その鋼を用いて製造した焼入れ後の鋼管27の疲労特性が劣っている。比較例である鋼M1はS量が高く、鋼N1はCa量が過剰であり、E値は高いものの、製造された鋼管28、29の電縫溶接部および母材部のCa系介在物の個数密度が高くなっている。
また、比較例である鋼O1は、E値が低いため、製造された鋼管30の電縫溶接部および母材部のCa系介在物が粗大になり、個数密度も高くなっている。そのため、鋼M、N及びOを用いた比較例の鋼管28〜30は、圧縮試験および疲労試験において、Ca系介在物が割れの起点となり、加工性と疲労特性が劣っている。
Figure 2010110490
Figure 2010110490
本発明者らは、冷間鍛造などの加工時の割れ及び疲労試験での割れの起点となる介在物の影響について検討した。
その結果、電縫鋼管の母材及び溶接部に存在する、酸化物および硫化物などのカルシウム(Ca)系介在物の形態を制御することによって、造管後の熱処理も省略しても加工性が確保され、かつ、焼入れ後の疲労特性を高めた電縫鋼管が得られることを知見した。
このようにしてなされた本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1) 質量%で、C:0.15〜0.55%、Si:0.01〜0.30%、Mn:0.67〜1.5%、Ca:0.0010〜0.0030%、S:0.0005〜0.0040%、O:0.0005〜0.0050%を含有し、P:0.020%以下、N:0.0050%以下、Al:0.030%以下に制限し、残部がFe及び不純物からなり、Ca、O及びSの含有量が、
0.10≦[Ca](1−124[O])/1.25[S]≦2.50
を満足し、母材および電縫溶接部に存在するCa系介在物の平均粒径が1.0〜10μm、密度が3〜300個/mmであり、さらに、電縫溶接部の最高硬さと母材部の平均硬さの差ΔHvが、
100≦ΔHv≦500
を満足することを特徴とする加工性及び焼入れ後の疲労特性に優れた電縫鋼管。
(2) Oの含有量が、質量%で、
O:0.0005〜0.0035%
であることを特徴とする上記(1)に記載の加工性及び焼入れ後の疲労特性に優れた電縫鋼管。
) さらに、質量%で、Mo:0.25%以下を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の加工性及び焼入れ後の疲労特性に優れた電縫鋼管。
) さらに、質量%で、Ti:0.030%以下、B:0.0050%以下を含有することを特徴とする上記(1)の何れかに記載の加工性及び焼入れ後の疲労特性に優れた電縫鋼管。
) さらに、質量%で、Ni:1.00%以下、Cu:1.00%以下、Cr:1.50%以下、Mo:0.05%未満、Nb:0.050%以下、V:0.040%以下の1種又は2種以上を含有することを特徴とする上記(1)の何れかに記載の加工性及び焼入れ後の疲労特性に優れた電縫鋼管。
) 母材の肉厚が4〜12mmであることを特徴とする上記(1)の何れかに記載の加工性及び焼入れ後の疲労特性に優れた電縫鋼管。
Mn:0.5〜1.5%、
Mnは、焼き入れ性の確保に有効な元素であり、含有量を0.5〜1.5%の範囲とする。Mn含有量の下限値は、0.5%以上が好ましく、0.7%以上がより好ましい。一方、Mn含有量が1.5%を超えると強度上昇に伴い延性が低下し、加工性が劣化するため、上限値は1.5%以下が好ましく、1.35%以下がより好ましい。また、Mn含有量が増加すると、電縫鋼管の電縫溶接部に反応生成物を生成しやすくなり、電縫溶接部の品質が劣化するため、上限値を1.3%以下にすることがさらに好ましい。Mn含有量の下限値は、実施例に基づいて、0.67%以上とする。
本発明では、加工性及び焼入れ後の疲労特性を高めるために、S、Oの含有量、Caの添加量を適正な関係とするとともに、鋼中のカルシウム系の酸化物(CaO)および硫化物(CaS)の平均粒径と分布密度を適正な範囲に制限する。
電縫鋼管の電縫溶接部に、粗大な酸化物および硫化物が存在すると、加工時の割れおよび疲労破壊の起点となる。特に、Caを添加した電縫鋼管の加工性の劣化の原因や疲労破壊の原因を調査した結果、母材及び電縫溶接部の介在物、特に、CaO、CaSなどのカルシウム系介在物が起点となり、割れが発生していることを見出した。
そこで、CaO、CaSなどのカルシウム系介在物の形態制御について検討した結果、カルシウム系介在物できるだけ細粒化し、分布密度も低下させることが必要であり、そのためには、S、Oの含有量とCaの添加量の関係、及びカルシウム系介在物の平均粒径と分布密度が重要であることがわかた。

Claims (5)

  1. 質量%で、
    C:0.15〜0.55%、
    Si:0.01〜0.30%、
    Mn:0.5〜1.5%、
    Ca:0.0010〜0.0030%、
    S:0.0005〜0.0050%、
    O:0.0005〜0.0050%を含有し、
    P:0.020%以下、
    N:0.0050%以下、
    Al:0.050%以下に制限し、残部がFe及び不純物からなり、
    Ca、O及びSの含有量が、
    0.10≦[Ca](1−124[O])/1.25[S]≦2.50
    を満足し、
    母材および電縫溶接部に存在するCa系介在物の平均粒径が1.0〜10μm、密度が3〜300個/mmであり、電縫溶接部の最高硬さと母材部の平均硬さの差ΔHvが、
    100≦ΔHv≦500
    を満足することを特徴とする加工性及び焼入れ後の疲労特性に優れた電縫鋼管。
  2. さらに、質量%で、
    Mo:0.25%以下を含有することを特徴とする請求項1に記載の加工性及び焼入れ後の疲労特性に優れた電縫鋼管。
  3. さらに、質量%で、
    Ti:0.030%以下、
    B:0.0050%以下を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の加工性及び焼入れ後の疲労特性に優れた電縫鋼管。
  4. さらに、質量%で、
    Ni:1.00%以下、
    Cu:1.00%以下、
    Cr:1.50%以下、
    Mo:0.05%未満、
    Nb:0.050%以下、
    V:0.040%以下の1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の加工性及び焼入れ後の疲労特性に優れた電縫鋼管。
  5. 母材の肉厚が4〜12mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の加工性及び焼入れ後の疲労特性に優れた電縫鋼管。
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