JPWO2010109770A1 - プラズマディスプレイパネルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、放電ガスの組成変動を抑制しつつ、放電空間中の不純物ガスを効果的に除去することにより、たとえ高精細・超高精細なPDPであっても良好な発光効率で優れた画像表示性能の発揮が期待できるPDPの製造方法を提供することを目的とするものである。その方法として、前面基板(2)及び背面基板(9)の封着工程と排気工程をともに非酸化性ガス雰囲気で実施することで、銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトからなる吸着材(39)の劣化を防止する。これにより放電ガス導入工程で吸着材(39)がXeガスを吸着しても、その不純物ガスの吸着特性を劣化させずに維持する。

Description

本発明は、高効率で低電圧駆動することが可能なプラズマディスプレイパネルの製造方法に関し、特に、保護層の劣化防止と放電ガスの組成維持を図るための技術に関する。
ガス放電を利用して画面表示を行うプラズマディスプレイパネル(PDP)において高画質化が進み、ハイビジョン放送の画質をそのまま表現できるフルHDパネルが主流になりつつある。フルHDパネルの放電セルサイズは従来に比べて微小であり、42V型のフルHDパネルでは、放電セル数が1920×1080で、セルピッチが約150μmとなる。また、現在構想されているス−パ−ハイビジョン(超高精細)では、放電セル数が約8000×4000で、100V型ではセルピッチが約100μm程度の微細なセルとなる。
このような高精細・超高精細のPDPでは、従来のPDPに比べて相当にセルピッチが狭くなる。微小なセルでは放電電圧が上昇し、発光効率が低下しやすい。
この問題に対し、放電ガスであるNe−Xe系の混合ガス中のXe分圧を従来の10%程度から30%程度に増加させ、発光効率を向上させる技術がなされている。しかし、誘電体保護層としてMgO膜を用いた高精細・超高精細なPDPでは、Xeガスを多く用いると放電電圧が上昇するため、保護層のスパッタ量が増大し、商品寿命が短くなる。また、放電電圧の上昇により、発光効率がそれほど向上しない。さらには、駆動電圧の増大により、ドライバのコスト高を招くという別の問題も生じる。
一方、高精細・超高精細なPDPでは、一般型のPDPに比べて保護層の占有面積は増加しないが、隔壁の表面積が増加する。これにより、蛍光体の塗布面積が一般型PDPと比較して2倍〜4倍に増える。蛍光体層からは時間経過に伴い、不純ガスが放電ガス中に放出されることが知られている。また、PDP内で使用する封着材に起因するバインダ、溶剤等の有機成分も放電ガス中に漂うことがある。PDPでは、これらの不純物ガスがXeの励起を妨げ、放電電圧の上昇を招く。また、不純物ガスが保護層に吸着されると二次電子放出特性が低下する。これらの影響により、結果として発光効率が低下するという新たな課題が発生する。
そこで近年では、特許文献1、2、非特許文献1に記載されるように、誘電体保護層としてSrO、CaO、BaOなどの高γ酸化物を主成分とする保護層を用いる方法が提案されている。これらの高γ酸化物はMgOに比べて水蒸気、CO,CO等の不純物ガスとの反応性、特に、水蒸気との反応性が大きいので、放電ガスを導入する前に放電空間を1×10−4Pa以下の真空度に排気し、不純物ガスを除去する。あるいは保護層形成工程後から封着工程までを空気、N、Oの乾燥雰囲気中で連続して行い、保護層と水蒸気との反応を防止することが提案されている。
また特許文献3には、SrO、CaO、BaO等からなる保護層を備えるPDPの製造方法において、封着排気工程を真空中で一貫して行う方法が開示されている。これにより保護層が空気中の水蒸気やCO、CO等と反応するのを防ぐとともに、パネル内の不純ガスを効率よく排気する試みがなされている。
さらに特許文献4には、所定の吸着材(銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト)を、PDP内部の放電空間に臨む背面基板上に配設し、不純物ガスを吸着させて放電ガスを清浄化することで、放電電圧を低減させる方法が開示されている。
また特許文献5には、パネル内の封着材中或いは封着材内側周辺にイオン交換型ゼオライトを配置する技術が開示されている。
特開2002−231129号公報 特開2007−265768号公報 特開2007−119833号公報 特開2008−218359号公報 特開2002−358892号公報
NHK技研R&D No.103 2007.5 pp32−39
しかしながら実際には、いずれの従来技術を用いても、良好な発光効率で高精細・超高精細なPDPを駆動することは困難である。
特許文献1、2、および非特許文献1の技術を高精細・超高精細なパネルに適用すれば、一定の不純物ガスを排気することはできるが、従来のパネル構造に比べて蛍光体層の表面積が相当に広いため、十分に不純物ガスを除去できない。このためパネル内に不純物ガスが残留して発光効率が低下するおそれがある。一方、不純物ガスを十分に排気しようとすれば長時間の排気工程を要し、スループットの著しい低下を招くおそれもある。
また特許文献3の技術は、封着工程と排気工程を真空中で一貫して行うので設備が大掛かりになる。例えば50V型以上の大型パネルに適用する場合、製造コストが大幅に増加する実際上の課題がある。
特許文献4の技術は、具体的には背面基板の誘電体層と蛍光体層との間に、吸着材である銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトを層状に配置する。また特許文献5の技術は、放電空間に臨むパネル内部に前記吸着材を配置する。このため、蛍光体の焼成工程や封着工程等で吸着材が高温の熱履歴を受けて変質し、本来の吸着特性を損なうおそれがある。ここで蛍光体層からの不純物ガスは、封着工程を大気中で行う場合に多く生じる傾向がみられるので、高精細および超高精細パネルについて封着工程を大気中で行うと、特に不純物ガスの吸着除去を図ることは一層困難となる。
なお、吸着材は不純物ガス以外にXe等の放電ガスを吸着する特性を持つ場合がある。このような吸着材を放電空間に臨むようにPDP内部に配置すれば、最適な画像表示性能を得るために最適化されている放電ガスの組成を変動させる原因にもなり、PDPにおける各種性能の低下を招くおそれがある。特に、比較的低分圧でXeを含む放電ガスを用いたPDPでは、高分圧でXeを含む放電ガスを用いたPDPに比べ、吸着材がXeを吸着することによる放電特性の劣化問題が顕著になり易い。
このように、高精細・超高精細パネルを有するPDPを実現する上では、未だ解決すべき課題が存在する。
また、上記のように放電空間に不純物が残留する課題は、高精細・超高精細パネルを有するPDPに限らず、一般的なパネル規格のPDPについても、その解決が望まれている。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、放電ガスの組成変動を抑制しつつ、放電空間中の不純物ガスを効果的に除去することにより、たとえ高精細・超高精細なPDPであっても良好な発光効率で優れた画像表示性能の発揮が期待できるPDPの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法は、表面にMgOを含んでなる保護層が形成された前面基板と、表面に蛍光体層が形成された背面基板とを、前記保護層と前記蛍光体層とが一定間隔をおいて対向するように配置し、前面基板及び背面基板の周囲に封着材を配するとともに、前面基板及び背面基板を隔壁を介して重ね合わせる重ね合わせ工程と、前面基板または背面基板に取着した1本以上のチップ管を介し、両基板内部を外部に連通させながら両基板を封着する封着工程と、封着工程後に、前記チップ管を介して前記両基板内部を排気する排気工程と、排気工程後に、前記チップ管を介して前記両基板内部にXeガスを含む放電ガスを導入する放電ガス導入工程とを有するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、排気工程は、両基板内部の不純物を吸着するための吸着材として、銅イオン交換されたゼオライトを前記チップ管内にセットする吸着材セット工程と、前記チップ管を介して両基板内部のガスを排気する加熱排気工程と、加熱排気工程後に両基板を冷却する冷却工程とを有し、排気工程のうち、少なくとも加熱排気工程を減圧下の非酸化性ガス雰囲気において実施するものとした。
ここで、前記排気工程では、前記吸着材として、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトを用いることもできる。
また吸着材セット工程では、予めXeガスを吸着させた吸着材を用いることもできる。
なお、加熱排気工程後冷却工程前、または冷却工程後において、吸着材セット工程を非酸化性ガス雰囲気で実施すると、吸着材が排気ガスに曝されるのを最小限にできるため好適である。
また本発明は、前記吸着材セット工程においてチップ管にセットする吸着材の投入量t、又は放電ガス導入工程において導入する放電ガス中のXe分圧pの少なくともいずれかを、式t=(p−p)v/pxまたは当該式の変形式に基づいて決定することもできる。但し、xは前記吸着材のXe吸着能(cm/g)、pはチップ管に投入する放電ガスのXe分圧(kPa)、pは放電空間に導入すべき放電ガスのXe分圧(kPa)、vは放電空間に導入すべき放電ガス体積(cm)とする。
また、加熱排気工程では、封着材の軟化点よりも低い温度で前記両基板を一定時間加熱することも可能である。一例として、加熱排気工程では、封着材の軟化点よりも少なくとも10℃低い温度で前記両基板を加熱することができる。
また封着工程では、非酸化性ガス雰囲気として、露点−45℃以下のNガス雰囲気を用いることもできる。
また、封着工程前において、背面基板の主面に隣接するピッチを0.15mm以下に設定して複数の隔壁を併設するとともに、隣接する隔壁の間に蛍光体層を形成することもできる。
或いは封着工程前において、画素数が横1920個以上×縦1080個以上となるように、背面基板の主面に隣接する隔壁のピッチを設定して複数の隔壁を併設するとともに、隣接する隔壁の間に蛍光体層を形成することも可能である。
また、放電ガス導入工程では、Xeを15%以上の分圧で含む放電ガスを用いることもできる。
本願発明者らが鋭意検討したところ、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト等の吸着材を大気雰囲気中で一定温度以上に加熱すると、不純物ガスを吸着した状態で変質し、吸着特性が低下することが分かった。一方、前記吸着材を非酸化性雰囲気で加熱すると、このような変質を防止できることが分かった。なお、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトは、Xeガスと不純物ガスに接触させた場合、不純物ガスを優先的に吸着することが分かっている。
そこで本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法では、まず、封着工程後の排気工程において、吸着材をセットした1本以上のチップ管を、両基板の内部(放電空間)に連通するように、前面基板または背面基板に配設する。この吸着材として、O、水蒸気、CO、CO、CH系ガス等を吸着する、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトを用いる。
ここで排気工程のうち、少なくとも加熱排気工程を大気から隔離した非酸化雰囲気下で実施することで、吸着材の吸着特性が大気雰囲気中での加熱で劣化する問題を回避できる。
さらに、放電ガス導入工程において吸着材が放電ガスと接触することにより、放電ガス中のXeを一定量吸着する。しかし、吸着材は上記のように大気雰囲気での加熱による変質が回避されているので、吸着したXeを放電空間に放出するとともに、放電空間の不純物ガスを優先的に吸着して除去することができる。
次に吸着材による不純物ガスの吸着除去効果を説明する。
前記吸着材はチップ管内で放電空間と連通して配設されるので、封着工程後の放電ガス導入工程、チップオフ工程、エージング工程(この中で特にエージング工程)において放電空間で発生する、主として蛍光体層由来の不純物ガスを吸着除去することができる。また、完成後の製品の使用中において放電ガスで発生する不純物ガスも併せて吸着除去を図ることが可能である。不純物ガスは酸化マグネシウムを含む保護層に被着すると、当該保護層を劣化させて二次電子放出特性を低下させ、放電電圧を上昇させる場合があるが、本発明では前記チップ管内の吸着材を用いることで、放電空間中の各種不純物ガス(O、水蒸気、CO、CO、CH系ガス)を効果的に除去することができる。
このため本発明によれば、保護層を不純物ガスの付着による劣化から護り、放電電圧の低減が図れる。また、放電空間中の不純物ガスが除去されることで、当該不純物ガスによる放電ガスのXeの励起・電離が妨害されることがない。従って、高精細・超高精細なパネルに本発明を用いれば、放電ガス中のXe分圧を上昇させても、優れた画像表示性能を低い消費電力で発揮することのできる、発光効率の良いPDPの実現が可能となる。
さらに、PDPの使用中に発生する不純物ガスも順次吸着材に吸着除去できるので、初期特性を長期わたり維持でき、長寿命化が図れる。この効果は蛍光体層の表面積が比較的大きい高精細PDP、超高精細PDPで顕著に得られる。
さらに、本発明の製造方法では、吸着材は比較的高温で実施される封着工程を終えた後に、それまで排気管として使用していた1本以上のチップ管にセットされる。従って、吸着材が封着工程以前の熱履歴を受けないので、不要な加熱による吸着材の熱的変質を回避して、優れた吸着特性の効果を維持できる。
また、チップ管に吸着材をセットするので、吸着材を配設するために特別な構成を別途設ける必要がない。このため本発明は、コスト的にも有利に実現できる利点を有している。
本発明の実施の形態1に係るPDPの構成を示す図である。 各電極とドライバとの関係を示す模式図である。 PDPの製造過程を示すフロ−図である。 排気管と吸気管の位置を示すPDPの正面図と側面図である。 封着工程、排気工程、放電ガス導入工程の温度プロファイルを示す図である。 本発明の実施例と比較例のPDPの放電維持電圧のライフ推移を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態及び実施例を説明するが、当然ながら本発明はこれらの形式に限定されない。本発明は、その技術的範囲を逸脱しない範囲で適宜変更して実施することができる。
<実施の形態1>
実施の形態1では、放電セル数が横1920個×縦1080個の42V型フルHDパネルとして構成した高精細なPDP1について例示する。
(PDP1の構成)
図1は、実施の形態1のAC型PDP1の構成を示す部分斜視図である。当図ではPDP1の周縁における封着部を含む領域を部分的に示す。
PDP1は、前面基板(フロントパネル)2と背面基板(バックパネル)9とを、互いの内側主面が対向するように配置し、両基板2、9の周囲が封着部16で封止されてなる。
図1に示すように、PDP1の構成は互いに主面を対向させて配設された第1基板(前面基板2)および第2基板(背面基板9)に大別される。
前面基板2の基板となる前面基板ガラス3には、その一方の主面に所定の放電ギャップ(70μm)をおいて配設された一対の表示電極対6(走査電極4、維持電極5)が複数対にわたりストライプ状に形成されている。
各表示電極対6における走査電極4(維持電極5)は、透明電極41(51)にバスライン42(52)を積層して構成される。
透明電極41、51は、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO)等の導電性の金属酸化物を透明導電性材料とする透明性の帯状電極(厚さ0.1μm、幅100μm)である。
バスライン42、52は、Ag厚膜(厚み2μm〜10μm)、Al薄膜(厚み0.1μm〜1μm)またはCr/Cu/Cr積層薄膜(厚み0.1μm〜1μm)等の材料を幅50μm程度で形成した帯状の金属電極である。バスライン52、42を用いることで透明電極51、41のシート抵抗が下げられる。
なお、表示電極対6はアドレス電極11と同様にAg等の金属材料のみで構成することもできる。透明電極51、41、バスライン52、42は、いずれもスパッタリング法で成膜し、エッチングでパターニングできる。
表示電極対6を配設した前面基板ガラス3には、その主面の全面にわたり、酸化鉛(PbO)又は酸化ビスマス(Bi)又は酸化燐(PO)、あるいは酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする低融点ガラス(厚み30μm程度)の誘電体層7が、スクリ−ン印刷法等によって形成される。
誘電体層7は、AC型PDP特有の電流制限機能を有し、DC型PDPに比べて長寿命化を実現するために用いられる。
保護層8は、放電時のイオン衝撃から誘電体層7を保護し、放電開始電圧を低減させる目的で配される厚み0.5μm程度の薄膜であって、耐スパッタ性及び二次電子放出係数γに優れるMgO材料からなる。当該材料は、さらに良好な光学透明性、電気絶縁性を有する。
背面基板9の基板となる背面基板ガラス10には、その一方の主面に、Ag厚膜(厚み2μm〜10μm)、Al薄膜(厚み0.1μm〜1μm)又はCr/Cu/Cr積層薄膜(厚み0.1μm〜1μm)等のいずれかからなるアドレス(デ−タ)電極11が、幅100μmで、x方向を長手方向としてy方向に一定間隔毎(約95μm)でストライプ状に並設される。
そして、各々のアドレス電極11を内包するように、背面基板ガラス9の全面にわたって、厚さ30μmの誘電体層12が配設されている。
なお、誘電体層12は上記7と同様の構成であるが、可視光反射層としても機能させるため、ガラス材料中にTiO粒子等の可視光反射特性を有する粒子を分散させるように混合することもできる。
誘電体層12の上には、さらに隣接するアドレス電極11の間隙に合わせ、フォトリソグラフィー法によりストライプ状の隔壁13(高さ約100μm、幅30μm)が突設され、放電セルが区画されることで誤放電や光学的クロスト−クの発生を防ぐ役割をしている。隔壁13の形状はストライプ状に限定されず、井桁状、ハニカム状等、各種形状に形成することができる。
隣接する2つの隔壁13の側面とその間の誘電体層12の面上には、カラ−表示のための赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各々に対応する蛍光体層14(14(R)、14(G)、14(B)のいずれか)が厚み5〜30μmで形成されている。誘電体層12は必須ではなく、アドレス電極11を直接蛍光体層14で内包するようにしてもよい。
ここで、平面図である図4(a)、側面図である(b)にそれぞれ示すように、背面基板9の表示領域外でかつ、後述の封着材を塗布する位置の内側領域にチップ管38が配設されている。このチップ管38の中には、所定の吸着材39(銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト)がセットされている。
銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトは、不純物ガスを非常によく吸着する特性があるため、吸着材39として好適である。
前面基板2と背面基板9は、アドレス電極11と表示電極対6の互いの長手方向が直交するように対向配置され、両パネル2、9の外周縁部が所定の封着材を含む封着部16でガス封着されている。そして、両パネル2、9の間に確保される放電空間15には、He、Xe、Ne等を含む不活性ガス成分からなる放電ガス(一例として、100%のXeからなる希ガス)が所定圧力(30kPa)で投入される。ここで、PDP1の発光特性を高輝度にするためには、Xeガスが15%以上の分圧で含まれる放電ガスに設定することが望ましい。
放電空間15は隣接する隔壁13の間に存在するスペ−スであり、隣り合う一対の表示電極対6と1本のアドレス電極11が放電空間15を挟んで交叉する領域が、画像表示にかかる放電セル(「サブピクセル」とも言う)に対応している。放電セルのピッチは、x方向が150μm〜160μm、y方向が450μm〜480μmである。隣り合うRGBの各色に対応する3つの放電セルで1画素(xy方向に450μm〜480μm角のサイズ)が構成される。
なお、PDP1では放電セル数が横1920個×縦1080個の構成例を示すが、放電セルのサイズ調整は変更可能である。この場合、表示電極対6の走査電極4及び維持電極5の間隔(放電ギャップ)、誘電体層7、12の誘電率と膜厚、隔壁13の高さ、隔壁13のピッチ、蛍光体層14の膜厚などを適宜調整する必要がある。これにより本発明は、パネルサイズが100V型で、放電セル数が横7680個×縦4096個の大型・超高精細パネルのPDPにも適用可能である。
走査電極4、維持電極5及びアドレス電極11の各々には、図2に示すように、駆動回路として走査電極ドライバ111、維持電極ドライバ112、アドレス電極ドライバ113A,113Bが外部接続される。
PDP1は上記各ドライバ111、112、113A、113Bを接続し、公知の駆動方法で駆動することができる。このPDPの駆動方法については、例えば特願2008−116719の記載内容を参照することができる。
(吸着材39の効果について)
以上の構成を有するPDP1では、図4(a)、(b)に示すように、背面基板9側から放電空間15に連通して設けられたチップ管38に吸着材39をセットしている。この吸着材39は、PDP1の製造工程において、大気雰囲気中で高温に曝されることなくチップ管38にセットされたものであるため、吸着特性が劣化していない。また、吸着材39はPDP製造時の封着工程後における加熱排気工程でセットされており、過度の熱履歴を受けていない。従って、良好吸着材38は良好な吸着特性を維持しており、これをチップ管38に配することにより、放電空間15内の不純物ガスを効果的に除去可能にした点が、PDP1の主たる特徴の一つである。
従って、PDP1では放電空間15に存在する蛍光体層14の材料由来のガスや、封着部16の材料(封着材ペ−スト)に起因するバインダ、溶剤等の有機成分を含む不純物ガスを非常に高い効率で吸着して除去できる。このため、不純物ガスがMgOを含んでなる保護層8に吸着されて劣化させる問題を抑制し、保護層8の二次電子放出特性を良好に維持できる。
また、放電ガス中のXeの励起・電離が不純物ガスによる妨害を受けることが少ないので、高精細なPDP1でも良好な放電効率を獲得でき、放電ガス中のXe分圧を上昇しても消費電力を抑制することで、優れた画像表示性能が得られるようになっている。
なお、吸着材39は放電ガス導入工程においてXeガスと接触するため、このXeガスの一部が吸着された状態でチップ管38にセットされる。しかしながら吸着材38の吸着特性は上記のように劣化防止されているため、吸着されたXeは再び放電空間15に放出される。一方、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトは、Xeガスに対して放電空間15中の不純物ガスを優先的に吸着することが分かっている。従って、Xeを吸着した吸着材39をチップ管38にセットしても、経時的にXeガスが吸着材39から放電空間15に放出する一方で、不純物ガスが効率よく吸着材39により吸着除去される。
また、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトをPDPの吸着材として用いること自体は、前述の特許文献4、5にも記載されているように公知である。しかしながら本発明は、吸着材が大気雰囲気中で加熱することで変質する問題に着目し、良好な吸着特性を維持したまま吸着材をチップ管に導入することで、不純物ガスの優れた吸着特性を発揮できるように調整した点において、従来にはない高度な効果を奏するものである。
また、従来ではチップ管にゲッターを投入したPDPが存在する。このゲッターは使用中に次第に粉状に粉砕され、放電空間内に粉が飛散するおそれがある。これに対して本発明では、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト等の吸着材39は不純物ガスを吸着しても安定な形態を保つので、粉化することはない。従って、本発明はゲッターを投入したチップ管を使用した従来技術とも大きく異なるものである。
(本発明の効果とPDPのセルサイズについて)
一般的なセルサイズのPDPでは、放電ガス中のXe分圧を増加させると発光効率が上昇する。一方、高精細・超高精細なPDPにおいて、単に放電ガス中のXe分圧を増加させると放電電圧が上昇するため、Xeの累積電離が生じて発光効率がそれほど上昇しない。
しかしながら、本願発明者らの行った実験によれば、Xe分圧が15%以上の放電ガスを導入したPDPに本発明を適用した場合、放電空間15に存在する不純物ガスを吸着材39で良好に吸着除去することで放電ガスの清浄化が図れ、放電電圧が顕著に低減することが確認された。従って、本発明を適用すれば、たとえ高精細なPDPでも高い発光輝度を低い消費電力で得ることができ、高Xe分圧化による発光効率の上昇が見込める。また、駆動中に発生する不純物ガスも吸着材に吸着されるため、PDPの初期特性が長期間にわたって維持され、結果として商品寿命を延ばすことができる。
このように本発明は、従来の一般的なセルサイズのPDPに留まらず、高精細・超高精細なセルサイズを持つPDPにも幅広く適用できる。特に、高精細・超高精細なPDP(特にセルピッチが150μm以下のパネルで、放電空間に臨む部材の占有体積が大きくなるパネル)に適用した場合、上記のように特に良好な発光効率で長期にわたり駆動させる上で有効である。
次に、本発明のPDPの製造方法について例示する。
(PDPの作製方法)
図3のPDP1の製造方法の概略を示すフロ−図を用いて説明する。
まず、製造工程では前面基板2を作製するとともに(工程A1〜A4)、前面基板2とは別途、背面基板9を作製する(工程B1〜B6)。そして、作製した2枚の基板2、9を所定の配置関係で重ね合わせる(重ね合わせ工程・位置決め工程)。その後は、図5に示す封着工程、排気工程、放電ガス導入工程を順次経て、PDP1を完成する。
本発明の主たる特徴は、封着工程後、排気工程前の段階において、背面基板に取り付けたチップ管に所定の吸着材をセットする点にある。それ以外は、従来のPDPの製造方法とほぼ共通している。したがって、まず前面基板及び背面基板の製造工程をそれぞれ説明し、その後、上記工程を具体的に説明する。
(前面基板作製工程)
厚さ約1.8mmのソ−ダライムからなる板ガラスで前面基板ガラス3を作製する(工程A1)。板ガラスは例えば公知のフロ−ト法で作製できる。作製したパネルガラスを所定のサイズに切断し、前面基板ガラス3とする。
次に、前面基板ガラス3の一方の主面上に表示電極対6を作製する(工程A2)。ここではITO、SnO、ZnO等の透明電極材料を用い、スパッタリング法により最終厚み0.1μm、幅100μmのストライプ状パターンで前面基板ガラス3上に成膜する。以上で透明電極41、51が作製される。
次に、Ag材料を用い、スパッタリング法により最終厚み7μm、幅50μmのストライプ状のパターンで透明電極41、51上に成膜する。以上でバスライン42、52が作製される。
バスライン42、52を構成する金属材料としては、Agの他にPt、Au、Al、Ni、Cr、また酸化錫、酸化インジウム等を用いることができる。あるいはCr/Cu/Crの積層構造で構成することもできる。
以上で表示電極対6が作製される。
次に、表示電極対6の上から、軟化点が550℃〜600℃の鉛系あるいは非鉛系の低融点ガラスやSiO材料粉末とブチルカルビト−ルアセテ−ト等からなる有機バインダを混合したペ−ストをスクリ−ン印刷法で塗布する。そして550℃〜650℃程度で焼成し、最終厚みが約30μmの誘電体層7を形成する(工程A3)。上記非鉛系低融点ガラスとしては酸化ビスマス系低融点ガラスが挙げられる。この場合のガラス材料は、一例として、酸化ビスマス(Bi)60重量%、酸化ホウ素(B)15重量%、酸化ケイ素(SiO)10重量%、酸化亜鉛(ZnO)15重量%の組成として調整できる。
次に、誘電体層7の表面に、真空蒸着法やスパッタリング法、EB蒸着法等により、MgOを含む保護層8を形成する(工程A4)。EB蒸着法によれば、MgOペレットを用い、EB蒸着装置内にOを0.1sccmで流通させることにより、厚み約1.0μmの保護層8を得ることができる。
なお、保護層8の表面には、さらに高いエキソ電子放出能を有する高結晶性のMgO粉体を分散配置させることもできる(特開2008−027924号公報等を参照)。このMgO粉体を利用した場合、その高い電子放出特性によって、PDP1のさらなる放電効率の向上が期待できる。このような有効性については本願発明者らが実験により確認している。
以上で前面基板2の作製が完了する。
(背面基板作製工程)
前記A1と同様の工程で、厚さ約1.8mmのソ−ダライムガラスからなる背面基板ガラス10を得る(工程B1)。なお、背面基板9の表示領域外における四隅のそれぞれに対応する位置に、チップ管38を配設するための孔31を設ける。
次に、背面基板ガラス10の一方の主面上に、スクリ−ン印刷法によりAgを主成分とする導電体材料を一定間隔(ここでは約95μmピッチ)でストライプ状に塗布し、厚さ数μm(例えば約5μm)のアドレス電極11を形成する(工程B2)。アドレス電極11の電極材料としては、Ag、Al、Ni、Pt、Cr、Cu、Pd等の金属や、各種金属の炭化物や窒化物等の導電性セラミックスなどの材料やこれらの組み合わせ、あるいはそれらを積層して形成される積層電極も必要に応じて使用できる。
続いて、アドレス電極11を形成した背面基板ガラス10の面全体にわたって、鉛系あるいは非鉛系の低融点ガラスやSiO材料からなるガラスペ−ストを厚さ約20〜30μmでスクリ−ン印刷法により塗布して焼成し、誘電体層12を形成する(工程B3)。
次に、誘電体層12面上にストライプ状のパタ−ンの複数の隔壁13を形成する(工程B4)。この隔壁13は、酸化ビスマスを主成分とするガラス粒子とフィラー、及び感光性樹脂を含むペ−ストをダイコ−ト法に基づき塗布し、フォトリソグラフィー法で所定のパタ−ンで感光させたのち、エッチング処理して形成する。各隔壁13の形状は、一例として高さ約100μm、幅約30μmの帯状とし、隣接する隔壁13のピッチは先に作製したアドレス電極11と同様に約95μmに設定する。
隔壁13が形成できたら、隔壁13の側面と、隣接する隔壁13同士の間で露出している誘電体層12の表面に、AC型PDPで通常使用される赤色(R)蛍光体、緑色(G)蛍光体、青色(B)蛍光体のいずれかを含む蛍光インクを塗布する。これを乾燥・焼成し、それぞれ蛍光体層14(14R、14G、14B)とする(工程B5)。
ここで、蛍光体層14の形成に利用可能なRGB各色の蛍光体を例示する。本発明は当然ながら、これらの例に限定するものではない。
赤色蛍光体;(Y、Gd)BO:Eu
緑色蛍光体;ZnSiO:MnもしくはこれとYBO:Tbの混合物
青色蛍光体;(Ba、Sr)MgAl1017:Eu
なお、ボレ−ト系蛍光体である(Y,Gd)BO:EuとYBO:Tbを使用しない場合には、封着工程および排気工程において蛍光体を加熱する際に発生する脱ガスが比較的少ないことが知られている。その場合には、排気時間の短縮、排気温度の低温化が可能である。
各蛍光体層14を形成する際には、まず所定の蛍光体粒子を溶解させた蛍光体インクを調整する。蛍光体インクは、体積平均粒径2μmの蛍光体30質量%と、質量平均分子量約20万のエチルセルロース4.5質量%と、ブチルカルビトールアセテート65.5質量%とを混合して作製することができる。インクの粘度としては、最終的に2000cps(2Pas)程度に調整すると、隔壁13に対する蛍光体インクの付着力を高められるので好適である。
調整した蛍光体インクを、例えばメニスカス法やラインジェット法などの公知の塗布方法により、所定の隔壁13側面及び誘電体層12上に塗布する。これを乾燥したのち、500℃で10分間焼成すると蛍光体層14が形成される。
以上で背面基板9が完成される。
なお、背面基板9については後の封着工程のため、以下のように当該基板9の周囲に封着材ペ−スト16を塗布する。その後、背面基板9を仮焼成する(工程B6)。
仮焼成を行うことで、封着材ペースト中の大部分の有機成分を除去するとともに、前記ペーストの一定の硬度を確保できる。
(封着材塗布および封着材仮焼成工程)
まず、所定の封着材(酸化ビスマスや酸化鉛を主成分とした低融点ガラスと、フィラーを含む組成等)に樹脂バインダ、溶剤を混合して調整し、封着材ペーストを得る。
樹脂バインダには例えばアクリル樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース等の各種公知材料が利用できる。また、溶剤も例えば酢酸イソアミル、テルピネオール等の各種公知材料が利用できる。樹脂バインダの添加量は、一例として、溶剤に対して約5重量%の比率となるように調整できる。
封着材の軟化点(封着材が軟化し始める温度)は、410℃〜450℃の範囲が好適である。また、封着材の封着温度(封着材が流動する温度)としては、450℃〜500℃の範囲が望ましい。上記温度範囲に適した封着材として、酸化ビスマス系あるいは酸化鉛系等の低融点ガラス材料と、コージライト、Al、SiO等のフィラーの混合物を例示できる。このフィラーと低融点ガラスの比率としては、酸化ビスマスや酸化鉛を主成分とした低融点ガラスを70体積%、フィラーを30体積%でそれぞれ混合するのが好適である。
上記低融点ガラス材料として、酸化ビスマス系ガラスを主成分とする場合、具体的な組成(PDP完成後の組成として)は、Biを67〜90重量%、Bを2〜12重量%、Alを0〜5重量%、ZnOを1〜20重量%、SiOを0〜0.3重量%、BaOを0〜10重量%、CuOを0〜5重量%、Feを0〜2重量%、CeOを0〜5重量%、Sbを0〜5重量%でそれぞれ含む組成を有する低融点ガラスが挙げられる。
あるいは上記低融点ガラス材料として、酸化鉛系ガラスを主成分とする場合、具体的な組成(PDP完成後の組成として)は、PbOを65〜85重量%、Bを10〜20重量%、ZnOを0〜20重量%、SiOを0〜2.0重量%、CuOを0〜10重量%、Feを0〜5重量%でそれぞれ含む組成を有する低融点ガラスが挙げられる。
このように調整して得た封着材ペーストを、背面基板9の表示領域を囲繞するように塗布(配設)する(封着材ペースト塗布工程)。この封着材ペースト塗布工程は、溶剤を揮発させる等の目的で、比較的高温(封着材の軟化点温度より高い温度)で実施することが望ましい。
次に仮焼成のプロセスを例示すると、まず加熱炉を室温から仮焼成温度まで上昇させる。このときの温度上昇は当該仮焼成工程における最高温度まで行う。この最高温度は前述したように封着材の低融点ガラスの軟化点より高い温度に設定する。この最高温度を一定期間(たとえば10分〜30分)にわたり維持することで仮焼成を実施する。その後、背面基板9の温度を室温まで下降させる。
なお、仮焼成工程は、一般的には封着材ペースト中の溶剤やバインダ成分を燃焼させ、炭酸ガス(CO)を生じさせて除去する。このとき雰囲気中の酸素等の酸化性ガスが多いと炭酸ガスが急激に発生して封着材のガラス成分が発泡し、封着が不完全になるおそれがある。不完全な封着の発生は、後に放電ガスのリークの原因となるため避けなければならない。
ガラス成分の発泡を防ぐためには、仮焼成雰囲気に酸化ガス成分を低減させた弱酸化性雰囲気(酸素分圧が1%以下の窒素を含む雰囲気など)や、非酸化性雰囲気(窒素を含む雰囲気)を用いることが望ましい。封着材ペーストの樹脂成分にアクリル樹脂が用いられたり、封着材にBi系ガラスやP系ガラスが用いられる場合には、N等を用いた非酸化性雰囲気で仮焼成工程を実施することが好適である。
上記例では封着材16の仮焼成温度を、封着剤の軟化点以上に設定する例を示したが、本発明はこれに限定されない。
ここで封着材の軟化点以上の高温で仮焼成すると、封着材のバインダ成分の残留分が封着材中の軟化した低融点ガラス中に閉じ込められ、当該バインダ成分が揮発しにくいタ−ル成分になってしまう場合がある。当該タール成分は、封着材の流動温度で実施される封着工程において、封着材が溶解することで放出される。そして、蛍光体や保護層のMgOに付着し、保護層の二次電子放出特性を低下させ、放電電圧の上昇や、蛍光体の輝度低下等の問題を招く原因となる。従って、このような問題を特に防ごうとする場合には、仮焼成温度を封着材の軟化点温度未満にしてタールの発生を抑制することが望ましい。
一方、タール成分が発生したとしても、タ−ル成分に対して吸着材の吸着力が十分に高く、タール成分による蛍光体層14や保護層8の汚染がそれほど問題とならない場合(例えば銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトを比較的大量に吸着材39として用いることでタール成分を除去できる場合等)には、仮焼成温度を軟化点温度以上に設定することができる。
このように仮焼成温度は、封着材の種類や量等の条件に基づいて調整すべき点に留意する。例えば、前記酸化鉛系ガラスを主成分とする低融点ガラス材料を用いる場合、仮焼成温度を封着材の軟化点よりも10〜20℃低く設定するのがタール成分の発生を防止する点で好適である。仮焼成の温度設定の際には、封着材の軟化点の他に、ガラス転移点を参考にするとよい。
(重ね合わせ工程)
上記作製した前面基板2と背面基板9とを、表示電極対6及びアドレス電極11が直交するように対向配置させて重ね合わせる。このとき、両基板2、9が位置ずれを起こさないように、スプリング機構を備えるクリップ(不図示)で挟んで保持する。この位置合わせの際は、各画素にて、隔壁13のx方向の壁の中間点と、走査電極4、維持電極5の中間点が合致するように行う。
(チップ管取付工程)
チップ管38として、例えば内径3mm、長さ80mm程度であって、一端側が内径9mm程度に拡径されたガラス管を使用する。
まず図4(a)、(b)に示すように、背面基板9の表示領域外における四隅のそれぞれにチップ管38取付用の孔31を設ける。各々の孔31の周囲を座刳り加工し、これに4本のチップ管38をそれぞれはめ込むように位置合わせする。このとき、チップ管38の拡径された端部を背面基板9に当接させる。また、背面基板9におけるチップ管38の周囲には当該チップ管39を固定するための封着材を配設する。この状態で、各チップ管38を背面ガラス9側にクリップで仮止めする。このとき背面ガラス9の主面を上方に向け、チップ管39を垂直方向に立たせた状態とする。
なお、チップ管38の本数は4本に限定されず、少なくとも1本以上であればよい。さらにチップ管38の配設位置についても限定されず、たとえば表示領域の周囲に沿って、所定間隔をおいて配設することもできる。チップ管38の本数を増やすことによって、より迅速に排気を行うことができ、また各チップ管38に吸着材39をセットすれば、より効果的に不純物ガスを除去することが期待できる。
また、画像表示領域外の領域であれば、前面基板2に対してもチップ管38を配設することができる。
またチップ管38を配設するタイミングは、ここでは封着工程直前としているが、封着工程を実施する以前であればどのタイミングでもよい。
(封着工程)
図5に、封着工程、排気工程、ガス導入工程のステップを示す。
封着工程のプロセスは、室温から封着材の流動温度以上の封着温度まで上昇させる工程と、上昇させた温度を一定時間保持する工程と、その後、温度を封着材の軟化点下の温度まで下降させる工程とを、非酸化性ガス雰囲気にて行う。非酸化性ガスとしては両基板2、9及び吸着材39に害を及ぼさない、NまたはArの少なくともいずれかを含むガスが好ましい。
プロセス例を説明すると、まず、位置合わせした両基板2、9を加熱炉に入れ、加熱炉の内部を排気ポンプで10Pa以下まで減圧して排気する。この排気により酸化性ガスを排除し、保護層が酸化して劣化する問題を防止できる。
排気後、加熱炉の内部に露点−45℃以下の非酸化性ガス(ArまたはN)を導入する。特に、ArはNより不活性で、比較的安価であるので好ましい。また、極微量であれば、酸素(あるいは大気)が混入しても問題ない場合がある。残留酸素濃度としては、100ppm以下に抑えることが好適である。
なお、残留水蒸気も酸化性ガスとして作用し、保護層を劣化させる原因にもなるが、露点−45℃以下の非酸化性ガスを用いることで残留水蒸気を低減できる。
この後、室温から封着材の軟化点近傍まで温度上昇させ、当該温度で1時間保持する(以上、ステップ1)。
次に、封着材の軟化点近傍から、さらに封着材の流動温度以上である封着温度(約490℃)まで、炉内温度を上昇させ、この温度で1時間保持する。このときの昇温速度は、急激な温度上昇による炉内温度分布により、パネルガラスが割れないように調整する。この加熱処理により、前面基板2と背面基板9が封着材16で封着されるとともに、チップ管38が背面基板9側に固着される。その後、室温近傍まで冷却し、両基板2、9を加熱炉から取り出す(以上、ステップ2)。
なお、上記プロセス例では示していないが、封着工程時に、両基板2、9の温度を封着材の流動温度以上の封着温度まで上昇させる工程の途中において、バインダ成分を除去する温度保持を入れることも可能である。
(排気工程)
本発明において、排気工程は、吸着材セット工程、加熱排気工程、冷却工程の各サブ工程を有する。以下の例では、これらのサブ工程を順次実施する。
[吸着材セット工程]
まず、背面基板9に取着した4本のチップ管38のうち、1本以上のチップ管38(ここでは図4に示す、画面右下の一本のチップ管38)に吸着材39をセットする(吸着材セット工程)。このセット時において、吸着材39がパネル内部の放電空間15に良好に曝されるように留意する。吸着材39には、比較的軟化点が高い材料が望ましく、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトが好適である。
[加熱排気工程]
次に、加熱炉内に両基板2、9を設置する。チップ管38にタ−ボ分子ポンプを接続し、当該ポンプを駆動させ、両基板2、9の内部を1×10−3Pa以下にまで減圧排気する。ここで、吸着材39に銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトを使用する場合は、加熱時に不純物成分と反応して変質する問題を防ぐため、少なくとも10Pa以下になるまで排気することが望ましい。
なお、この吸着材39は大気中に曝されてガスを吸っており、不純物ガスの吸着活性が低下している。しかしながら、これを次に示す加熱排気工程にて、非酸化性ガス雰囲気下で所定の温度で加熱することで、吸着材39は吸着物を放出し、再度、吸着活性を獲得できる。ここで言う「吸着活性」とは、放電空間内に充填されたNe、Xe等の放電ガス以外のガス(上記した不純物ガス)を吸着する能力を指す。
ここで、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトを大気中(すなわち酸化性雰囲気下)で加熱すると、雰囲気中の不純物と反応して変質することがあるため、後に吸着活性を復活させることは困難である。本実施の形態1では、この問題を考慮し、吸着材39を酸化性雰囲気では一定温度以上に加熱させず、封着工程においても必要な加熱を非酸化性ガス雰囲気で実施することにより、このような吸着材39の変質を回避したものである。
排気完了後、その減圧状態を維持しつつ、炉内の雰囲気を非酸化性ガス雰囲気に保つ。そして、加熱炉の温度を封着材16の軟化点よりも低い400℃まで上昇させ、当該温度で4時間保持する。
この非酸化性雰囲気を用いた加熱排気工程において、両基板2、9の内部から不純物ガスを排気するとともに、現時点で吸着材39に吸着されているガスを脱離させ、吸着特性を復活させる。このときの加熱温度は、封着材16の軟化点より10℃以下の温度で一定時間保持させ、その後、室温まで下降させることが好適である。ただし、吸着材39が活性化する温度以上で、かつ、封着材を構成する低融点ガラスのガラス転移点以上で行う。
[冷却工程]
上記のように、所定時間にわたり加熱排気工程を実施した後は、冷却工程を実施し、両基板2、9を室温近傍まで冷却する。(以上、ステップ3)。
このような排気工程を経ることで、吸着材39は良好な吸着活性を維持したままチップ管38内部に維持される。従って、以降の工程及び製品出荷後も、継続して放電空間15内に生じる各種不純物ガスを効率的に吸着除去することが期待できる。
なお、吸着材セット工程後に加熱排気工程を実施すると、吸着材39がチップ管38内部にセットされた状態で、当該チップ管38を通じて加熱排気を実施することになる。この場合、例えば背面基板9を上面側に向けて主面を水平に保ち、吸着材39をその自重でチップ管38の下方に配置させ、容易にポンプ側に吸い出されないようにする等の工夫を行うことが望ましい。
また、吸着材39の量、及びこれをセットするチップ管38の本数は、吸着材39の吸着能力、作製するPDPの大きさやセルサイズ(換言すると、不純物ガスを放出する蛍光体層14及び封着材16の表面積や量)、封着工程で最初に加熱炉の内部に残留する酸素濃度、排気工程での到達真空度、同加熱温度等を考慮して、適宜調節することが可能である。
また、吸着材セット工程は加熱排気工程と冷却工程の間、若しくは冷却工程の後に実施することもできる。排気ガスにできるだけ吸着材39を曝さない工夫をすることで、セット時の吸着材39に予め吸着される不純物ガスの量を低減できる。また、排気工程のできるだけ最終のタイミングで吸着材39をチップ管38にセットすれば、その分、加熱排気工程において吸着材39から放出される不純物ガスが放電空間15に流れることを防止できる効果も期待できる。
(放電ガス導入工程)
冷却工程を終えた後、チップ管38を介して放電空間15に所定の放電ガスを導入する。放電ガスの一例として、ここでは純度99.995%以上のXeガスのみを用い、放電ガス導入直後の放電空間15内の全圧を30kPaに設定する。放電ガスを導入した後は、チップ管38の先端をガスバ−ナにて封止(チップオフ)する(以上、ステップ4)。封止後のチップ管38の長さは、長さ10mm程度とする。なお、このチップ管38はPDP1において、取着したままで残す。この放電ガス導入工程では、吸着材39は放電ガスと接触するので、Xeガスを一定量吸着する。
なお、放電ガスの組成は、上記したXeガスのみの組成に限定されない。作製するPDPの発光特性を考慮し、例えばNe−Xe系混合ガス、Ne−Xe−Ar系混合ガス等を使用することもできる。
また、放電空間15内の放電ガスの圧力は、例えばXeの混合比に合わせて適宜調整する。一例としてXe混合比が低い場合には、圧力を比較的高くすると発光効率の面で好ましいことが分かっている。
さらに、放電ガス中のXeの量については、吸着材38が放電ガス中のXeガスを吸着することを見越して多い目に導入することもできる。この点については実施の形態2において具体的に説明する。
(エージング工程)
次に、上記形成したパネルに対し、エージング工程を行う。これは各セルの放電開始電圧を均一に安定するまで、パネルを一定時間駆動させて行う。
このとき、パネルに対して初めて通電がなされるため、駆動中の蛍光体層から不純物ガスが比較的発生しやすい。しかしながら、本発明では良好な吸着特性を有する吸着材をセットしたチップ管38が設けられているため、このような不純物ガスは速やかに放電空間15から吸着除去される。
以上の工程を全て経るとPDP1が完成する。
(銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトについて)
加熱排気工程でチップ管38にセットする吸着材39である、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトは以下に例示する方法で作製することができる 。
具体的には、銅イオンと、バッファー作用を有するイオンを含むイオン交換溶液を用いたイオン交換工程(STEP1)と、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトを洗浄する洗浄工程(STEP2)と、これを乾燥する乾燥工程(STEP3)とを順次経て作製する。
イオン交換工程(STEP1)では、銅イオンを含む溶液として、酢酸銅、プロピオン酸銅、塩化銅など、従来既存の化合物の水溶液を利用可能であるが、気体吸着量の増大と強固な吸着の実現のためには、酢酸銅が望ましい。
また、イオン交換溶液中のバッファー作用を有するイオンとしては、例えば酢酸イオン、プロピオン酸イオンなど、銅イオンを含む溶液のイオン解離平衡を緩衝する作用を有するものが利用可能である。このうち低圧領域において大容量の吸着特性を得るためには酢酸イオンの利用が望ましく、酢酸アンモニウムから生じた酢酸イオンを利用すれば、なお望ましい。
銅イオンと、バッファー作用を有するイオンとを含むイオン交換溶液は、それぞれのイオンを含む溶液を予め作製した後に混合しても良いが、同一の溶媒にそれぞれの溶質を溶解して調整しても良い。
調整したイオン交換溶液にゼオライト材料を投入し、混合することでイオン交換処理を行う。なお、このときのイオン交換回数や銅イオン溶液の濃度、バッファー溶液の濃度、イオン交換時間、温度などは、特に限定されないが、イオン交換率としては100%から180%の範囲に設定すると優れた吸着性能が得られる。より好ましいイオン交換率としては110%から170%の範囲である。ここで言う「イオン交換率」とは、2つのNaあたりにCu2+が交換されることを前提とした計算値であり、銅がCuとして交換された場合、計算上は100%を越えて算出される。
次に洗浄工程(STEP2)に移り、上記イオン交換処理を終えた材料を洗浄する。ここでは不要なイオンの混入を防ぐため、蒸留水等を用いて洗浄することが望ましい。
十分に洗浄したら、材料を乾燥工程(STEP3)で乾燥させる。ここでは高温による劣化を防ぐため、100℃未満の緩やかな条件で乾燥させることが望ましい。また、減圧雰囲気下にて室温で乾燥を行うことも好適である。
以上の各ステップを経ると、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトが得られる。
<実施の形態2>
本発明の実施の形態2のPDPについて、実施の形態1との差異点を中心に説明する。
実施の形態2のPDPの特徴は、製造方法において、放電空間15に導入したXeガスが吸着材39に吸着される量を見越して、放電ガス導入工程で放電空間15に導入する放電ガスの圧力を若干高めに(与圧)設定し、Xeガスを多く導入した点に主たる特徴を有する。このような工夫により実施の形態2のPDPでは、放電ガス組成中のXeガスが吸着材に吸着されることによって組成変動や圧力変動を生じ、発光特性が不安定になる問題を良好に抑制できる。
ここで、吸着材39のXe吸着能をx(cm/g)、放電空間15内の全放電ガス容積をv(cm)、放電空間15内に設定すべきXe分圧をp(kPa)、放電空間15に導入した直後の放電ガス中のXe分圧をp(kPa)とすると、チップ管38にセットすべき吸着材39の量t(g)は式(1)のように表わせる。
式(1)
t=(p−p)v/p
従って、PDPの放電ガス導入工程で放電空間15に導入した直後の放電ガス中のXe分圧pは、式(1)を変形して式(2)のように導くことができる。
式(2)
=pv/(v−tx)
この式(2)に基づいて、放電空間15に導入した直後の放電ガス中のXe分圧pを設定することにより、吸着材39のXeガス吸着による放電ガスの組成変動や圧力変動を良好に抑制することが可能である。
なお、実施の形態2のPDPにおいても、放電ガスはXeガスのみに限定するものではなく、Ne−Xe系混合ガス、Ne−Xe−Ar系混合ガス等を利用することが可能である。いずれの放電ガスを用いる場合にも、吸着材39に放電ガス成分が吸着される可能性のある場合には、実施の形態2を適用することで上記した効果が期待できる。
<実施の形態3>
実施の形態3におけるPDPは、製造方法の吸着材セット工程において、予めXeガスを吸着させた吸着材39を用いる点のみが実施の形態1と異なる。この工夫により、放電ガス導入後に少なくとも放電空間15中のXeガスが吸着材39に吸着される量を低減でき、吸着材39による放電ガスの組成変動を防いで安定したPDPの放電特性を維持することができる。
なお、吸着材39に銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトを用いる場合は、非酸化性雰囲気で加熱してXeガスに接触させることで、当該吸着材39中にXeガスを吸着させることができる。しかしながら、これを大気に曝すと、前述したように大気中の不純物ガスが優先的に吸着材39に吸着され、Xeガスが放出されてしまう恐れがある。従って、実施の形態3では、吸着材39にXeガスを吸着させた後は、これを大気に曝さずにチップ管38にセットし、放電ガス導入工程を実施した後、直ちにチップ管38を封止することが望ましい。このため、実施の形態3では、少なくとも吸着材セット工程を大気から隔離した雰囲気(NガスやArガスを満たしたチャンバー内等)で実施することが求められる。
<性能確認実験>
以下、本発明の効果を確認するための各試験を行った。その手法と結果考察を示す。
(実験1)
実施の形態1のPDPと同一セルサイズで同一仕様であるが、表示面積が2型のミニサイズのPDPを実施例1として作製し、評価した。
[実施例1の作製]
具体的な作製方法として、まず前面基板作製工程にて、EB蒸着装置を用い、MgOペレットを蒸着源とし、Oを0.1sccm流しながら、前面側誘電体24上に厚み約1μmの蒸着膜を形成し、保護層8とした。
背面基板9には1箇所に孔を設け、チップ管38が取り付けられるようにした。
封着材塗布および仮焼成工程では、封着材の組成は、Biを主成分としたガラスと、Al,SiO,コ−ジライトからなるフィラーの混合物を用い、封着材の軟化点を430℃に調整した。封着材は490℃にて大気中で仮焼成した。
その後、チップ管38を背面基板に設けた孔の位置にクリップで留め、所定の封着材を用いてチップ管38を固定した。
封着工程のステップ1(図5の昇温プロファイルのステップ1の段階)では、まず、加熱炉の内部を10Pa以下に減圧した。その後、露点−45℃以下のNガスを流量3slmで充填させた。そのままNガスを吹き込みながら、加熱炉内の温度を封着材の軟化点(430℃)まで上昇させた。封着工程のステップ2(図5の昇温プロファイルのステップ2の段階)では、Nガスの吹き込みを維持したまま、封着温度(490℃)まで上昇させ、当該温度を1時間保持した。その後、室温まで炉内の温度を降下させた。
排気工程前に、チップ管38に活性化前の銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト粉末を0.1gセットし、チップ管38を形成した。
排気工程では、図5のプロファイルのステップ3の段階に示すように、パネルの内部空間を、チップ管38を介して排気装置で1×10−4Paまで減圧し、排気した。このとき、温度を再び室温から封着材の軟化点よりも20℃低い410℃まで上昇させ、約4時間保持し、その後、排気しながら室温まで炉の温度を低下させた。
放電ガス導入工程では、図5のプロファイルのステップ4の段階に示すように、室温で、100%のXeガスを30kPaの封入圧力で導入した。
[比較例1の作製]
全体構成は実施例1と同様であるが、封着工程を大気中で実施するとともに、吸着材39を使用しないPDPを比較例1として作製した。
[比較例2の作製]
全体構成は実施例1と同様であるが、吸着材39を使用せず、封着工程を実施例1と同様に減圧後、露点−45℃以下のN雰囲気中で実施したPDPを比較例2として作製した。
[結果考察]
以上のようにして作製した、各PDPについて、ライフ時間の経過に伴う放電維持電圧の変化を測定した。この測定結果を図6に示す。当図において、測定値が一定であるほど放電維持電圧が安定であることを示す。
図6に示す結果から明らかなように、実施例1のPDPは、比較例1よりも初期(ライフ時間0h)での放電維持電圧が低い。比較例1の放電維持電圧は290V付近であって、高い値を示しているが、実施例1では少なくとも220V未満の値に抑えられている。また、比較例2も比較例1ほどではないが、実施例1よりも高い放電維持電圧を示すことが分かった。
次にライフ時間経過に伴う電圧変化の特性を評価すると、比較例2の放電維持電圧は駆動初期の230Vから急上昇し、260V以上にまで達している。そしてその後は緩やかに下降をたどり、250V程度になる。このように、比較例2は放電維持電圧が比較的高く、かつ、その電圧値も安定しないことが分かった。この原因としては、実施例1のように吸着管を持たないため、駆動時間の経過に伴い、放電空間に蛍光体層等由来の不純物ガスが発生し、これが保護層に吸着されて二次電子放出特性が低下したことが考えられる。
また、比較例1は、比較例2よりは放電維持電圧の経時的変化は小さいが、当初の放電維持電圧の高い値(290V付近)を維持している。しかしながら比較例1は、発光輝度の変化は小さいものの、消費電力を低減して駆動することは難しい。これは、大気中で封着工程を行ったことにより、保護層中の放電維持電圧低下に有効な酸素欠損が消失し、放電維持電圧が当初より上昇したものと考えられる。
これらの比較例1、2に対し、実施例1では、放電維持電圧が最も低く抑えられ、かつ、その電圧値が経時的に安定していることが確認できる。これは、熱履歴のない吸着材をセットして吸着管を配設したことによって、PDP完成後も放電空間内の不純物ガスが効率的に除去された結果、良好に保護層の二次電子放出特性を維持できたことが理由であると考えられる。
なお実施例1では、PDPにチップ管を1本のみ設け、排気工程では当該チップ管を利用してなる吸着管を介して排気工程を行った。しかし、この他チップ管を2本設けて、排気管と吸着管を別個に設けた構成としても、同様以上の効果が奏されたものと考えられる。
(実験2)
次に、実施の形態2のPDPを実施例2として作製し、性能確認実験を行った。
[実施例2の作製]
PDPの全体的な構成及び製造方法は実施例1と同様に行い、吸着材セット工程及び放電ガス導入工程のみ、以下の手順で行った。
(実施例2及び比較例3の作製)
放電空間15に設定する所望のXe分圧を6.00(kPa)とする。吸着材39のXe吸着能xは、Xe分圧6.00(kPa)で約10(cm/g)である。上記の表示面積2型のミニサイズパネルの場合、vは約0.2(cm)である。
従って、吸着材セット量tを0.0006(g)とすると、放電空間15に導入した直後の放電ガス中のXe分圧pは式(2)を用い、
6.00×0.2/(0.2−10×0.0006)=6.19(kPa)
と算出される。
ここで、放電ガスとして分圧比でNeを90%、Xeを10%含むNe−Xe系ガスを用いる場合、放電空間15に導入した直後の放電ガスの全圧pall
all=(6.19/10)×100=61.9(kPa)
と算出される。
実験2ではこの条件に基づいて全圧pallの放電ガスを導入し、作製したPDPを実施例2とした。
[比較例3の作製]
また、全体的構成は実施例2と同様とし、チップ管に吸着材をセットせず、Xe混合比を20%とし、放電ガスの全圧を60.0kPaに設定したPDPを比較例3として作製した。
この実施例2及び比較例3について測定した放電開始電圧及び発光効率を表1に示す。
Figure 2010109770
[結果考察]
表1から分かるように、実施例2は比較例3に比べ、放電維持電圧を同等に保ちながら、発光効率が顕著に改善されている。これは、吸着材39のXeガス吸着を見越して予め多めにXeガスを導入したことにより、結果的に良好な放電ガス組成が維持され、優れた発光特性が発揮されたことによるものと考えられる。
なお、実施の形態2では、全圧を制御することでXe分圧を制御する方法に関して記述したが、投入するNe−Xe混合ガスのXe混合比を調整することでも同様の効果を奏することが容易に想定される。
以上の考察により、本発明の優位性が確認された。
<その他の事項>
上記した各実施の形態及び各実施例では、吸着材39として銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトを用いる構成を例示した。しかしながら本発明で用いる吸着材39はZSM−5型に限定されず、各種の銅イオン交換されたゼオライトであればよい。例えば、銅イオン交換されたMFI型、BETA型、もしくはMOR型のゼオライトを例示できる。また、これらの1種以上を選択し、混合したものを吸着材39として用いることも可能である。さらに、これらのゼオライトを吸着材39の主成分(50wt%以上)とし、その他の吸着材や添加物を加えることも可能である。
本発明のPDPの製造方法は、特に高精細な画像表示駆動を低い消費電力で実現できるガス放電パネルの製造方法として、交通機関及び公共施設、家庭などにおけるテレビ及びコンピューター用の表示装置等の製造に利用することが可能である。いずれの用途においても、初期の放電維持電圧が低く、かつ、放電維持電圧の経時変化が少ないため有用である。特に、次世代の高精細PDPへの適用性が高く、優れた産業上の利用可能性を有している。

1 PDP
2 前面基板(フロントパネル)
3 前面基板ガラス
8 保護層
9 背面基板(バックパネル)
10 背面基板ガラス
13 隔壁
16 封着部
31 チップ管取付用の孔
38 チップ管
39 吸着材
本発明は、高効率で低電圧駆動することが可能なプラズマディスプレイパネルの製造方法に関し、特に、保護層の劣化防止と放電ガスの組成維持を図るための技術に関する。
ガス放電を利用して画面表示を行うプラズマディスプレイパネル(PDP)において高画質化が進み、ハイビジョン放送の画質をそのまま表現できるフルHDパネルが主流になりつつある。フルHDパネルの放電セルサイズは従来に比べて微小であり、42V型のフルHDパネルでは、放電セル数が1920×1080で、セルピッチが約150μmとなる。また、現在構想されているス−パ−ハイビジョン(超高精細)では、放電セル数が約8000×4000で、100V型ではセルピッチが約100μm程度の微細なセルとなる。
このような高精細・超高精細のPDPでは、従来のPDPに比べて相当にセルピッチが狭くなる。微小なセルでは放電電圧が上昇し、発光効率が低下しやすい。
この問題に対し、放電ガスであるNe−Xe系の混合ガス中のXe分圧を従来の10%程度から30%程度に増加させ、発光効率を向上させる技術がなされている。しかし、誘電体保護層としてMgO膜を用いた高精細・超高精細なPDPでは、Xeガスを多く用いると放電電圧が上昇するため、保護層のスパッタ量が増大し、商品寿命が短くなる。また、放電電圧の上昇により、発光効率がそれほど向上しない。さらには、駆動電圧の増大により、ドライバのコスト高を招くという別の問題も生じる。
一方、高精細・超高精細なPDPでは、一般型のPDPに比べて保護層の占有面積は増加しないが、隔壁の表面積が増加する。これにより、蛍光体の塗布面積が一般型PDPと比較して2倍〜4倍に増える。蛍光体層からは時間経過に伴い、不純ガスが放電ガス中に放出されることが知られている。また、PDP内で使用する封着材に起因するバインダ、溶剤等の有機成分も放電ガス中に漂うことがある。PDPでは、これらの不純物ガスがXeの励起を妨げ、放電電圧の上昇を招く。また、不純物ガスが保護層に吸着されると二次電子放出特性が低下する。これらの影響により、結果として発光効率が低下するという新たな課題が発生する。
そこで近年では、特許文献1、2、非特許文献1に記載されるように、誘電体保護層としてSrO、CaO、BaOなどの高γ酸化物を主成分とする保護層を用いる方法が提案されている。これらの高γ酸化物はMgOに比べて水蒸気、CO,CO等の不純物ガスとの反応性、特に、水蒸気との反応性が大きいので、放電ガスを導入する前に放電空間を1×10−4Pa以下の真空度に排気し、不純物ガスを除去する。あるいは保護層形成工程後から封着工程までを空気、N、Oの乾燥雰囲気中で連続して行い、保護層と水蒸気との反応を防止することが提案されている。
また特許文献3には、SrO、CaO、BaO等からなる保護層を備えるPDPの製造方法において、封着排気工程を真空中で一貫して行う方法が開示されている。これにより保護層が空気中の水蒸気やCO、CO等と反応するのを防ぐとともに、パネル内の不純ガスを効率よく排気する試みがなされている。
さらに特許文献4には、所定の吸着材(銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト)を、PDP内部の放電空間に臨む背面基板上に配設し、不純物ガスを吸着させて放電ガスを清浄化することで、放電電圧を低減させる方法が開示されている。
また特許文献5には、パネル内の封着材中或いは封着材内側周辺にイオン交換型ゼオライトを配置する技術が開示されている。
特開2002−231129号公報 特開2007−265768号公報 特開2007−119833号公報 特開2008−218359号公報 特開2002−358892号公報
NHK技研R&D No.103 2007.5 pp32−39
しかしながら実際には、いずれの従来技術を用いても、良好な発光効率で高精細・超高精細なPDPを駆動することは困難である。
特許文献1、2、および非特許文献1の技術を高精細・超高精細なパネルに適用すれば、一定の不純物ガスを排気することはできるが、従来のパネル構造に比べて蛍光体層の表面積が相当に広いため、十分に不純物ガスを除去できない。このためパネル内に不純物ガスが残留して発光効率が低下するおそれがある。一方、不純物ガスを十分に排気しようとすれば長時間の排気工程を要し、スループットの著しい低下を招くおそれもある。
また特許文献3の技術は、封着工程と排気工程を真空中で一貫して行うので設備が大掛かりになる。例えば50V型以上の大型パネルに適用する場合、製造コストが大幅に増加する実際上の課題がある。
特許文献4の技術は、具体的には背面基板の誘電体層と蛍光体層との間に、吸着材である銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトを層状に配置する。また特許文献5の技術は、放電空間に臨むパネル内部に前記吸着材を配置する。このため、蛍光体の焼成工程や封着工程等で吸着材が高温の熱履歴を受けて変質し、本来の吸着特性を損なうおそれがある。ここで蛍光体層からの不純物ガスは、封着工程を大気中で行う場合に多く生じる傾向がみられるので、高精細および超高精細パネルについて封着工程を大気中で行うと、特に不純物ガスの吸着除去を図ることは一層困難となる。
なお、吸着材は不純物ガス以外にXe等の放電ガスを吸着する特性を持つ場合がある。このような吸着材を放電空間に臨むようにPDP内部に配置すれば、最適な画像表示性能を得るために最適化されている放電ガスの組成を変動させる原因にもなり、PDPにおける各種性能の低下を招くおそれがある。特に、比較的低分圧でXeを含む放電ガスを用いたPDPでは、高分圧でXeを含む放電ガスを用いたPDPに比べ、吸着材がXeを吸着することによる放電特性の劣化問題が顕著になり易い。
このように、高精細・超高精細パネルを有するPDPを実現する上では、未だ解決すべき課題が存在する。
また、上記のように放電空間に不純物が残留する課題は、高精細・超高精細パネルを有するPDPに限らず、一般的なパネル規格のPDPについても、その解決が望まれている。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、放電ガスの組成変動を抑制しつつ、放電空間中の不純物ガスを効果的に除去することにより、たとえ高精細・超高精細なPDPであっても良好な発光効率で優れた画像表示性能の発揮が期待できるPDPの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法は、表面にMgOを含んでなる保護層が形成された前面基板と、表面に蛍光体層が形成された背面基板とを、前記保護層と前記蛍光体層とが一定間隔をおいて対向するように配置し、前面基板及び背面基板の周囲に封着材を配するとともに、前面基板及び背面基板を隔壁を介して重ね合わせる重ね合わせ工程と、前面基板または背面基板に取着した1本以上のチップ管を介し、両基板内部を外部に連通させながら両基板を封着する封着工程と、封着工程後に、前記チップ管を介して前記両基板内部を排気する排気工程と、排気工程後に、前記チップ管を介して前記両基板内部にXeガスを含む放電ガスを導入する放電ガス導入工程とを有するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、排気工程は、両基板内部の不純物を吸着するための吸着材として、銅イオン交換されたゼオライトを前記チップ管内にセットする吸着材セット工程と、前記チップ管を介して両基板内部のガスを排気する加熱排気工程と、加熱排気工程後に両基板を冷却する冷却工程とを有し、排気工程のうち、少なくとも加熱排気工程を減圧下の非酸化性ガス雰囲気において実施するものとした。
ここで、前記排気工程では、前記吸着材として、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトを用いることもできる。
また吸着材セット工程では、予めXeガスを吸着させた吸着材を用いることもできる。
なお、加熱排気工程後冷却工程前、または冷却工程後において、吸着材セット工程を非酸化性ガス雰囲気で実施すると、吸着材が排気ガスに曝されるのを最小限にできるため好適である。
また本発明は、前記吸着材セット工程においてチップ管にセットする吸着材の投入量t、又は放電ガス導入工程において導入する放電ガス中のXe分圧pの少なくともいずれかを、式t=(p−p)v/pxまたは当該式の変形式に基づいて決定することもできる。但し、xは前記吸着材のXe吸着能(cm/g)、pはチップ管に投入する放電ガスのXe分圧(kPa)、pは放電空間に導入すべき放電ガスのXe分圧(kPa)、vは放電空間に導入すべき放電ガス体積(cm)とする。
また、加熱排気工程では、封着材の軟化点よりも低い温度で前記両基板を一定時間加熱することも可能である。一例として、加熱排気工程では、封着材の軟化点よりも少なくとも10℃低い温度で前記両基板を加熱することができる。
また封着工程では、非酸化性ガス雰囲気として、露点−45℃以下のNガス雰囲気を用いることもできる。
また、封着工程前において、背面基板の主面に隣接するピッチを0.15mm以下に設定して複数の隔壁を併設するとともに、隣接する隔壁の間に蛍光体層を形成することもできる。
或いは封着工程前において、画素数が横1920個以上×縦1080個以上となるように、背面基板の主面に隣接する隔壁のピッチを設定して複数の隔壁を併設するとともに、隣接する隔壁の間に蛍光体層を形成することも可能である。
また、放電ガス導入工程では、Xeを15%以上の分圧で含む放電ガスを用いることもできる。
本願発明者らが鋭意検討したところ、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト等の吸着材を大気雰囲気中で一定温度以上に加熱すると、不純物ガスを吸着した状態で変質し、吸着特性が低下することが分かった。一方、前記吸着材を非酸化性雰囲気で加熱すると、このような変質を防止できることが分かった。なお、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトは、Xeガスと不純物ガスに接触させた場合、不純物ガスを優先的に吸着することが分かっている。
そこで本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法では、まず、封着工程後の排気工程において、吸着材をセットした1本以上のチップ管を、両基板の内部(放電空間)に連通するように、前面基板または背面基板に配設する。この吸着材として、O、水蒸気、CO、CO、CH系ガス等を吸着する、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトを用いる。
ここで排気工程のうち、少なくとも加熱排気工程を大気から隔離した非酸化雰囲気下で実施することで、吸着材の吸着特性が大気雰囲気中での加熱で劣化する問題を回避できる。
さらに、放電ガス導入工程において吸着材が放電ガスと接触することにより、放電ガス中のXeを一定量吸着する。しかし、吸着材は上記のように大気雰囲気での加熱による変質が回避されているので、吸着したXeを放電空間に放出するとともに、放電空間の不純物ガスを優先的に吸着して除去することができる。
次に吸着材による不純物ガスの吸着除去効果を説明する。
前記吸着材はチップ管内で放電空間と連通して配設されるので、封着工程後の放電ガス導入工程、チップオフ工程、エージング工程(この中で特にエージング工程)において放電空間で発生する、主として蛍光体層由来の不純物ガスを吸着除去することができる。また、完成後の製品の使用中において放電ガスで発生する不純物ガスも併せて吸着除去を図ることが可能である。不純物ガスは酸化マグネシウムを含む保護層に被着すると、当該保護層を劣化させて二次電子放出特性を低下させ、放電電圧を上昇させる場合があるが、本発明では前記チップ管内の吸着材を用いることで、放電空間中の各種不純物ガス(O、水蒸気、CO、CO、CH系ガス)を効果的に除去することができる。
このため本発明によれば、保護層を不純物ガスの付着による劣化から護り、放電電圧の低減が図れる。また、放電空間中の不純物ガスが除去されることで、当該不純物ガスによる放電ガスのXeの励起・電離が妨害されることがない。従って、高精細・超高精細なパネルに本発明を用いれば、放電ガス中のXe分圧を上昇させても、優れた画像表示性能を低い消費電力で発揮することのできる、発光効率の良いPDPの実現が可能となる。
さらに、PDPの使用中に発生する不純物ガスも順次吸着材に吸着除去できるので、初期特性を長期わたり維持でき、長寿命化が図れる。この効果は蛍光体層の表面積が比較的大きい高精細PDP、超高精細PDPで顕著に得られる。
さらに、本発明の製造方法では、吸着材は比較的高温で実施される封着工程を終えた後に、それまで排気管として使用していた1本以上のチップ管にセットされる。従って、吸着材が封着工程以前の熱履歴を受けないので、不要な加熱による吸着材の熱的変質を回避して、優れた吸着特性の効果を維持できる。
また、チップ管に吸着材をセットするので、吸着材を配設するために特別な構成を別途設ける必要がない。このため本発明は、コスト的にも有利に実現できる利点を有している。
本発明の実施の形態1に係るPDPの構成を示す図である。 各電極とドライバとの関係を示す模式図である。 PDPの製造過程を示すフロ−図である。 排気管と吸気管の位置を示すPDPの正面図と側面図である。 封着工程、排気工程、放電ガス導入工程の温度プロファイルを示す図である。 本発明の実施例と比較例のPDPの放電維持電圧のライフ推移を示す図である。
以下に、本発明の実施の形態及び実施例を説明するが、当然ながら本発明はこれらの形式に限定されない。本発明は、その技術的範囲を逸脱しない範囲で適宜変更して実施することができる。
<実施の形態1>
実施の形態1では、放電セル数が横1920個×縦1080個の42V型フルHDパネルとして構成した高精細なPDP1について例示する。
(PDP1の構成)
図1は、実施の形態1のAC型PDP1の構成を示す部分斜視図である。当図ではPDP1の周縁における封着部を含む領域を部分的に示す。
PDP1は、前面基板(フロントパネル)2と背面基板(バックパネル)9とを、互いの内側主面が対向するように配置し、両基板2、9の周囲が封着部16で封止されてなる。
図1に示すように、PDP1の構成は互いに主面を対向させて配設された第1基板(前面基板2)および第2基板(背面基板9)に大別される。
前面基板2の基板となる前面基板ガラス3には、その一方の主面に所定の放電ギャップ(70μm)をおいて配設された一対の表示電極対6(走査電極4、維持電極5)が複数対にわたりストライプ状に形成されている。
各表示電極対6における走査電極4(維持電極5)は、透明電極41(51)にバスライン42(52)を積層して構成される。
透明電極41、51は、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化錫(SnO)等の導電性の金属酸化物を透明導電性材料とする透明性の帯状電極(厚さ0.1μm、幅100μm)である。
バスライン42、52は、Ag厚膜(厚み2μm〜10μm)、Al薄膜(厚み0.1μm〜1μm)またはCr/Cu/Cr積層薄膜(厚み0.1μm〜1μm)等の材料を幅50μm程度で形成した帯状の金属電極である。バスライン52、42を用いることで透明電極51、41のシート抵抗が下げられる。
なお、表示電極対6はアドレス電極11と同様にAg等の金属材料のみで構成することもできる。透明電極51、41、バスライン52、42は、いずれもスパッタリング法で成膜し、エッチングでパターニングできる。
表示電極対6を配設した前面基板ガラス3には、その主面の全面にわたり、酸化鉛(PbO)又は酸化ビスマス(Bi)又は酸化燐(PO)、あるいは酸化亜鉛(ZnO)を主成分とする低融点ガラス(厚み30μm程度)の誘電体層7が、スクリ−ン印刷法等によって形成される。
誘電体層7は、AC型PDP特有の電流制限機能を有し、DC型PDPに比べて長寿命化を実現するために用いられる。
保護層8は、放電時のイオン衝撃から誘電体層7を保護し、放電開始電圧を低減させる目的で配される厚み0.5μm程度の薄膜であって、耐スパッタ性及び二次電子放出係数γに優れるMgO材料からなる。当該材料は、さらに良好な光学透明性、電気絶縁性を有する。
背面基板9の基板となる背面基板ガラス10には、その一方の主面に、Ag厚膜(厚み2μm〜10μm)、Al薄膜(厚み0.1μm〜1μm)又はCr/Cu/Cr積層薄膜(厚み0.1μm〜1μm)等のいずれかからなるアドレス(デ−タ)電極11が、幅100μmで、x方向を長手方向としてy方向に一定間隔毎(約95μm)でストライプ状に並設される。
そして、各々のアドレス電極11を内包するように、背面基板ガラス9の全面にわたって、厚さ30μmの誘電体層12が配設されている。
なお、誘電体層12は上記7と同様の構成であるが、可視光反射層としても機能させるため、ガラス材料中にTiO粒子等の可視光反射特性を有する粒子を分散させるように混合することもできる。
誘電体層12の上には、さらに隣接するアドレス電極11の間隙に合わせ、フォトリソグラフィー法によりストライプ状の隔壁13(高さ約100μm、幅30μm)が突設され、放電セルが区画されることで誤放電や光学的クロスト−クの発生を防ぐ役割をしている。隔壁13の形状はストライプ状に限定されず、井桁状、ハニカム状等、各種形状に形成することができる。
隣接する2つの隔壁13の側面とその間の誘電体層12の面上には、カラ−表示のための赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各々に対応する蛍光体層14(14(R)、14(G)、14(B)のいずれか)が厚み5〜30μmで形成されている。誘電体層12は必須ではなく、アドレス電極11を直接蛍光体層14で内包するようにしてもよい。
ここで、平面図である図4(a)、側面図である(b)にそれぞれ示すように、背面基板9の表示領域外でかつ、後述の封着材を塗布する位置の内側領域にチップ管38が配設されている。このチップ管38の中には、所定の吸着材39(銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト)がセットされている。
銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトは、不純物ガスを非常によく吸着する特性があるため、吸着材39として好適である。
前面基板2と背面基板9は、アドレス電極11と表示電極対6の互いの長手方向が直交するように対向配置され、両パネル2、9の外周縁部が所定の封着材を含む封着部16でガス封着されている。そして、両パネル2、9の間に確保される放電空間15には、He、Xe、Ne等を含む不活性ガス成分からなる放電ガス(一例として、100%のXeからなる希ガス)が所定圧力(30kPa)で投入される。ここで、PDP1の発光特性を高輝度にするためには、Xeガスが15%以上の分圧で含まれる放電ガスに設定することが望ましい。
放電空間15は隣接する隔壁13の間に存在するスペ−スであり、隣り合う一対の表示電極対6と1本のアドレス電極11が放電空間15を挟んで交叉する領域が、画像表示にかかる放電セル(「サブピクセル」とも言う)に対応している。放電セルのピッチは、x方向が150μm〜160μm、y方向が450μm〜480μmである。隣り合うRGBの各色に対応する3つの放電セルで1画素(xy方向に450μm〜480μm角のサイズ)が構成される。
なお、PDP1では放電セル数が横1920個×縦1080個の構成例を示すが、放電セルのサイズ調整は変更可能である。この場合、表示電極対6の走査電極4及び維持電極5の間隔(放電ギャップ)、誘電体層7、12の誘電率と膜厚、隔壁13の高さ、隔壁13のピッチ、蛍光体層14の膜厚などを適宜調整する必要がある。これにより本発明は、パネルサイズが100V型で、放電セル数が横7680個×縦4096個の大型・超高精細パネルのPDPにも適用可能である。
走査電極4、維持電極5及びアドレス電極11の各々には、図2に示すように、駆動回路として走査電極ドライバ111、維持電極ドライバ112、アドレス電極ドライバ113A,113Bが外部接続される。
PDP1は上記各ドライバ111、112、113A、113Bを接続し、公知の駆動方法で駆動することができる。このPDPの駆動方法については、例えば特願2008−116719の記載内容を参照することができる。
(吸着材39の効果について)
以上の構成を有するPDP1では、図4(a)、(b)に示すように、背面基板9側から放電空間15に連通して設けられたチップ管38に吸着材39をセットしている。この吸着材39は、PDP1の製造工程において、大気雰囲気中で高温に曝されることなくチップ管38にセットされたものであるため、吸着特性が劣化していない。また、吸着材39はPDP製造時の封着工程後における加熱排気工程でセットされており、過度の熱履歴を受けていない。従って、良好吸着材38は良好な吸着特性を維持しており、これをチップ管38に配することにより、放電空間15内の不純物ガスを効果的に除去可能にした点が、PDP1の主たる特徴の一つである。
従って、PDP1では放電空間15に存在する蛍光体層14の材料由来のガスや、封着部16の材料(封着材ペ−スト)に起因するバインダ、溶剤等の有機成分を含む不純物ガスを非常に高い効率で吸着して除去できる。このため、不純物ガスがMgOを含んでなる保護層8に吸着されて劣化させる問題を抑制し、保護層8の二次電子放出特性を良好に維持できる。
また、放電ガス中のXeの励起・電離が不純物ガスによる妨害を受けることが少ないので、高精細なPDP1でも良好な放電効率を獲得でき、放電ガス中のXe分圧を上昇しても消費電力を抑制することで、優れた画像表示性能が得られるようになっている。
なお、吸着材39は放電ガス導入工程においてXeガスと接触するため、このXeガスの一部が吸着された状態でチップ管38にセットされる。しかしながら吸着材38の吸着特性は上記のように劣化防止されているため、吸着されたXeは再び放電空間15に放出される。一方、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトは、Xeガスに対して放電空間15中の不純物ガスを優先的に吸着することが分かっている。従って、Xeを吸着した吸着材39をチップ管38にセットしても、経時的にXeガスが吸着材39から放電空間15に放出する一方で、不純物ガスが効率よく吸着材39により吸着除去される。
また、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトをPDPの吸着材として用いること自体は、前述の特許文献4、5にも記載されているように公知である。しかしながら本発明は、吸着材が大気雰囲気中で加熱することで変質する問題に着目し、良好な吸着特性を維持したまま吸着材をチップ管に導入することで、不純物ガスの優れた吸着特性を発揮できるように調整した点において、従来にはない高度な効果を奏するものである。
また、従来ではチップ管にゲッターを投入したPDPが存在する。このゲッターは使用中に次第に粉状に粉砕され、放電空間内に粉が飛散するおそれがある。これに対して本発明では、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト等の吸着材39は不純物ガスを吸着しても安定な形態を保つので、粉化することはない。従って、本発明はゲッターを投入したチップ管を使用した従来技術とも大きく異なるものである。
(本発明の効果とPDPのセルサイズについて)
一般的なセルサイズのPDPでは、放電ガス中のXe分圧を増加させると発光効率が上昇する。一方、高精細・超高精細なPDPにおいて、単に放電ガス中のXe分圧を増加させると放電電圧が上昇するため、Xeの累積電離が生じて発光効率がそれほど上昇しない。
しかしながら、本願発明者らの行った実験によれば、Xe分圧が15%以上の放電ガスを導入したPDPに本発明を適用した場合、放電空間15に存在する不純物ガスを吸着材39で良好に吸着除去することで放電ガスの清浄化が図れ、放電電圧が顕著に低減することが確認された。従って、本発明を適用すれば、たとえ高精細なPDPでも高い発光輝度を低い消費電力で得ることができ、高Xe分圧化による発光効率の上昇が見込める。また、駆動中に発生する不純物ガスも吸着材に吸着されるため、PDPの初期特性が長期間にわたって維持され、結果として商品寿命を延ばすことができる。
このように本発明は、従来の一般的なセルサイズのPDPに留まらず、高精細・超高精細なセルサイズを持つPDPにも幅広く適用できる。特に、高精細・超高精細なPDP(特にセルピッチが150μm以下のパネルで、放電空間に臨む部材の占有体積が大きくなるパネル)に適用した場合、上記のように特に良好な発光効率で長期にわたり駆動させる上で有効である。
次に、本発明のPDPの製造方法について例示する。
(PDPの作製方法)
図3のPDP1の製造方法の概略を示すフロ−図を用いて説明する。
まず、製造工程では前面基板2を作製するとともに(工程A1〜A4)、前面基板2とは別途、背面基板9を作製する(工程B1〜B6)。そして、作製した2枚の基板2、9を所定の配置関係で重ね合わせる(重ね合わせ工程・位置決め工程)。その後は、図5に示す封着工程、排気工程、放電ガス導入工程を順次経て、PDP1を完成する。
本発明の主たる特徴は、封着工程後、排気工程前の段階において、背面基板に取り付けたチップ管に所定の吸着材をセットする点にある。それ以外は、従来のPDPの製造方法とほぼ共通している。したがって、まず前面基板及び背面基板の製造工程をそれぞれ説明し、その後、上記工程を具体的に説明する。
(前面基板作製工程)
厚さ約1.8mmのソ−ダライムからなる板ガラスで前面基板ガラス3を作製する(工程A1)。板ガラスは例えば公知のフロ−ト法で作製できる。作製したパネルガラスを所定のサイズに切断し、前面基板ガラス3とする。
次に、前面基板ガラス3の一方の主面上に表示電極対6を作製する(工程A2)。ここではITO、SnO、ZnO等の透明電極材料を用い、スパッタリング法により最終厚み0.1μm、幅100μmのストライプ状パターンで前面基板ガラス3上に成膜する。以上で透明電極41、51が作製される。
次に、Ag材料を用い、スパッタリング法により最終厚み7μm、幅50μmのストライプ状のパターンで透明電極41、51上に成膜する。以上でバスライン42、52が作製される。
バスライン42、52を構成する金属材料としては、Agの他にPt、Au、Al、Ni、Cr、また酸化錫、酸化インジウム等を用いることができる。あるいはCr/Cu/Crの積層構造で構成することもできる。
以上で表示電極対6が作製される。
次に、表示電極対6の上から、軟化点が550℃〜600℃の鉛系あるいは非鉛系の低融点ガラスやSiO材料粉末とブチルカルビト−ルアセテ−ト等からなる有機バインダを混合したペ−ストをスクリ−ン印刷法で塗布する。そして550℃〜650℃程度で焼成し、最終厚みが約30μmの誘電体層7を形成する(工程A3)。上記非鉛系低融点ガラスとしては酸化ビスマス系低融点ガラスが挙げられる。この場合のガラス材料は、一例として、酸化ビスマス(Bi)60重量%、酸化ホウ素(B)15重量%、酸化ケイ素(SiO)10重量%、酸化亜鉛(ZnO)15重量%の組成として調整できる。
次に、誘電体層7の表面に、真空蒸着法やスパッタリング法、EB蒸着法等により、MgOを含む保護層8を形成する(工程A4)。EB蒸着法によれば、MgOペレットを用い、EB蒸着装置内にOを0.1sccmで流通させることにより、厚み約1.0μmの保護層8を得ることができる。
なお、保護層8の表面には、さらに高いエキソ電子放出能を有する高結晶性のMgO粉体を分散配置させることもできる(特開2008−027924号公報等を参照)。このMgO粉体を利用した場合、その高い電子放出特性によって、PDP1のさらなる放電効率の向上が期待できる。このような有効性については本願発明者らが実験により確認している。
以上で前面基板2の作製が完了する。
(背面基板作製工程)
前記A1と同様の工程で、厚さ約1.8mmのソ−ダライムガラスからなる背面基板ガラス10を得る(工程B1)。なお、背面基板9の表示領域外における四隅のそれぞれに対応する位置に、チップ管38を配設するための孔31を設ける。
次に、背面基板ガラス10の一方の主面上に、スクリ−ン印刷法によりAgを主成分とする導電体材料を一定間隔(ここでは約95μmピッチ)でストライプ状に塗布し、厚さ数μm(例えば約5μm)のアドレス電極11を形成する(工程B2)。アドレス電極11の電極材料としては、Ag、Al、Ni、Pt、Cr、Cu、Pd等の金属や、各種金属の炭化物や窒化物等の導電性セラミックスなどの材料やこれらの組み合わせ、あるいはそれらを積層して形成される積層電極も必要に応じて使用できる。
続いて、アドレス電極11を形成した背面基板ガラス10の面全体にわたって、鉛系あるいは非鉛系の低融点ガラスやSiO材料からなるガラスペ−ストを厚さ約20〜30μmでスクリ−ン印刷法により塗布して焼成し、誘電体層12を形成する(工程B3)。
次に、誘電体層12面上にストライプ状のパタ−ンの複数の隔壁13を形成する(工程B4)。この隔壁13は、酸化ビスマスを主成分とするガラス粒子とフィラー、及び感光性樹脂を含むペ−ストをダイコ−ト法に基づき塗布し、フォトリソグラフィー法で所定のパタ−ンで感光させたのち、エッチング処理して形成する。各隔壁13の形状は、一例として高さ約100μm、幅約30μmの帯状とし、隣接する隔壁13のピッチは先に作製したアドレス電極11と同様に約95μmに設定する。
隔壁13が形成できたら、隔壁13の側面と、隣接する隔壁13同士の間で露出している誘電体層12の表面に、AC型PDPで通常使用される赤色(R)蛍光体、緑色(G)蛍光体、青色(B)蛍光体のいずれかを含む蛍光インクを塗布する。これを乾燥・焼成し、それぞれ蛍光体層14(14R、14G、14B)とする(工程B5)。
ここで、蛍光体層14の形成に利用可能なRGB各色の蛍光体を例示する。本発明は当然ながら、これらの例に限定するものではない。
赤色蛍光体;(Y、Gd)BO:Eu
緑色蛍光体;ZnSiO:MnもしくはこれとYBO:Tbの混合物
青色蛍光体;(Ba、Sr)MgAl1017:Eu
なお、ボレ−ト系蛍光体である(Y,Gd)BO:EuとYBO:Tbを使用しない場合には、封着工程および排気工程において蛍光体を加熱する際に発生する脱ガスが比較的少ないことが知られている。その場合には、排気時間の短縮、排気温度の低温化が可能である。
各蛍光体層14を形成する際には、まず所定の蛍光体粒子を溶解させた蛍光体インクを調整する。蛍光体インクは、体積平均粒径2μmの蛍光体30質量%と、質量平均分子量約20万のエチルセルロース4.5質量%と、ブチルカルビトールアセテート65.5質量%とを混合して作製することができる。インクの粘度としては、最終的に2000cps(2Pas)程度に調整すると、隔壁13に対する蛍光体インクの付着力を高められるので好適である。
調整した蛍光体インクを、例えばメニスカス法やラインジェット法などの公知の塗布方法により、所定の隔壁13側面及び誘電体層12上に塗布する。これを乾燥したのち、500℃で10分間焼成すると蛍光体層14が形成される。
以上で背面基板9が完成される。
なお、背面基板9については後の封着工程のため、以下のように当該基板9の周囲に封着材ペ−スト16を塗布する。その後、背面基板9を仮焼成する(工程B6)。
仮焼成を行うことで、封着材ペースト中の大部分の有機成分を除去するとともに、前記ペーストの一定の硬度を確保できる。
(封着材塗布および封着材仮焼成工程)
まず、所定の封着材(酸化ビスマスや酸化鉛を主成分とした低融点ガラスと、フィラーを含む組成等)に樹脂バインダ、溶剤を混合して調整し、封着材ペーストを得る。
樹脂バインダには例えばアクリル樹脂、ニトロセルロース、エチルセルロース等の各種公知材料が利用できる。また、溶剤も例えば酢酸イソアミル、テルピネオール等の各種公知材料が利用できる。樹脂バインダの添加量は、一例として、溶剤に対して約5重量%の比率となるように調整できる。
封着材の軟化点(封着材が軟化し始める温度)は、410℃〜450℃の範囲が好適である。また、封着材の封着温度(封着材が流動する温度)としては、450℃〜500℃の範囲が望ましい。上記温度範囲に適した封着材として、酸化ビスマス系あるいは酸化鉛系等の低融点ガラス材料と、コージライト、Al、SiO等のフィラーの混合物を例示できる。このフィラーと低融点ガラスの比率としては、酸化ビスマスや酸化鉛を主成分とした低融点ガラスを70体積%、フィラーを30体積%でそれぞれ混合するのが好適である。
上記低融点ガラス材料として、酸化ビスマス系ガラスを主成分とする場合、具体的な組成(PDP完成後の組成として)は、Biを67〜90重量%、Bを2〜12重量%、Alを0〜5重量%、ZnOを1〜20重量%、SiOを0〜0.3重量%、BaOを0〜10重量%、CuOを0〜5重量%、Feを0〜2重量%、CeOを0〜5重量%、Sbを0〜5重量%でそれぞれ含む組成を有する低融点ガラスが挙げられる。
あるいは上記低融点ガラス材料として、酸化鉛系ガラスを主成分とする場合、具体的な組成(PDP完成後の組成として)は、PbOを65〜85重量%、Bを10〜20重量%、ZnOを0〜20重量%、SiOを0〜2.0重量%、CuOを0〜10重量%、Feを0〜5重量%でそれぞれ含む組成を有する低融点ガラスが挙げられる。
このように調整して得た封着材ペーストを、背面基板9の表示領域を囲繞するように塗布(配設)する(封着材ペースト塗布工程)。この封着材ペースト塗布工程は、溶剤を揮発させる等の目的で、比較的高温(封着材の軟化点温度より高い温度)で実施することが望ましい。
次に仮焼成のプロセスを例示すると、まず加熱炉を室温から仮焼成温度まで上昇させる。このときの温度上昇は当該仮焼成工程における最高温度まで行う。この最高温度は前述したように封着材の低融点ガラスの軟化点より高い温度に設定する。この最高温度を一定期間(たとえば10分〜30分)にわたり維持することで仮焼成を実施する。その後、背面基板9の温度を室温まで下降させる。
なお、仮焼成工程は、一般的には封着材ペースト中の溶剤やバインダ成分を燃焼させ、炭酸ガス(CO)を生じさせて除去する。このとき雰囲気中の酸素等の酸化性ガスが多いと炭酸ガスが急激に発生して封着材のガラス成分が発泡し、封着が不完全になるおそれがある。不完全な封着の発生は、後に放電ガスのリークの原因となるため避けなければならない。
ガラス成分の発泡を防ぐためには、仮焼成雰囲気に酸化ガス成分を低減させた弱酸化性雰囲気(酸素分圧が1%以下の窒素を含む雰囲気など)や、非酸化性雰囲気(窒素を含む雰囲気)を用いることが望ましい。封着材ペーストの樹脂成分にアクリル樹脂が用いられたり、封着材にBi系ガラスやP系ガラスが用いられる場合には、N等を用いた非酸化性雰囲気で仮焼成工程を実施することが好適である。
上記例では封着材16の仮焼成温度を、封着剤の軟化点以上に設定する例を示したが、本発明はこれに限定されない。
ここで封着材の軟化点以上の高温で仮焼成すると、封着材のバインダ成分の残留分が封着材中の軟化した低融点ガラス中に閉じ込められ、当該バインダ成分が揮発しにくいタ−ル成分になってしまう場合がある。当該タール成分は、封着材の流動温度で実施される封着工程において、封着材が溶解することで放出される。そして、蛍光体や保護層のMgOに付着し、保護層の二次電子放出特性を低下させ、放電電圧の上昇や、蛍光体の輝度低下等の問題を招く原因となる。従って、このような問題を特に防ごうとする場合には、仮焼成温度を封着材の軟化点温度未満にしてタールの発生を抑制することが望ましい。
一方、タール成分が発生したとしても、タ−ル成分に対して吸着材の吸着力が十分に高く、タール成分による蛍光体層14や保護層8の汚染がそれほど問題とならない場合(例えば銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトを比較的大量に吸着材39として用いることでタール成分を除去できる場合等)には、仮焼成温度を軟化点温度以上に設定することができる。
このように仮焼成温度は、封着材の種類や量等の条件に基づいて調整すべき点に留意する。例えば、前記酸化鉛系ガラスを主成分とする低融点ガラス材料を用いる場合、仮焼成温度を封着材の軟化点よりも10〜20℃低く設定するのがタール成分の発生を防止する点で好適である。仮焼成の温度設定の際には、封着材の軟化点の他に、ガラス転移点を参考にするとよい。
(重ね合わせ工程)
上記作製した前面基板2と背面基板9とを、表示電極対6及びアドレス電極11が直交するように対向配置させて重ね合わせる。このとき、両基板2、9が位置ずれを起こさないように、スプリング機構を備えるクリップ(不図示)で挟んで保持する。この位置合わせの際は、各画素にて、隔壁13のx方向の壁の中間点と、走査電極4、維持電極5の中間点が合致するように行う。
(チップ管取付工程)
チップ管38として、例えば内径3mm、長さ80mm程度であって、一端側が内径9mm程度に拡径されたガラス管を使用する。
まず図4(a)、(b)に示すように、背面基板9の表示領域外における四隅のそれぞれにチップ管38取付用の孔31を設ける。各々の孔31の周囲を座刳り加工し、これに4本のチップ管38をそれぞれはめ込むように位置合わせする。このとき、チップ管38の拡径された端部を背面基板9に当接させる。また、背面基板9におけるチップ管38の周囲には当該チップ管39を固定するための封着材を配設する。この状態で、各チップ管38を背面ガラス9側にクリップで仮止めする。このとき背面ガラス9の主面を上方に向け、チップ管39を垂直方向に立たせた状態とする。
なお、チップ管38の本数は4本に限定されず、少なくとも1本以上であればよい。さらにチップ管38の配設位置についても限定されず、たとえば表示領域の周囲に沿って、所定間隔をおいて配設することもできる。チップ管38の本数を増やすことによって、より迅速に排気を行うことができ、また各チップ管38に吸着材39をセットすれば、より効果的に不純物ガスを除去することが期待できる。
また、画像表示領域外の領域であれば、前面基板2に対してもチップ管38を配設することができる。
またチップ管38を配設するタイミングは、ここでは封着工程直前としているが、封着工程を実施する以前であればどのタイミングでもよい。
(封着工程)
図5に、封着工程、排気工程、ガス導入工程のステップを示す。
封着工程のプロセスは、室温から封着材の流動温度以上の封着温度まで上昇させる工程と、上昇させた温度を一定時間保持する工程と、その後、温度を封着材の軟化点下の温度まで下降させる工程とを、非酸化性ガス雰囲気にて行う。非酸化性ガスとしては両基板2、9及び吸着材39に害を及ぼさない、NまたはArの少なくともいずれかを含むガスが好ましい。
プロセス例を説明すると、まず、位置合わせした両基板2、9を加熱炉に入れ、加熱炉の内部を排気ポンプで10Pa以下まで減圧して排気する。この排気により酸化性ガスを排除し、保護層が酸化して劣化する問題を防止できる。
排気後、加熱炉の内部に露点−45℃以下の非酸化性ガス(ArまたはN)を導入する。特に、ArはNより不活性で、比較的安価であるので好ましい。また、極微量であれば、酸素(あるいは大気)が混入しても問題ない場合がある。残留酸素濃度としては、100ppm以下に抑えることが好適である。
なお、残留水蒸気も酸化性ガスとして作用し、保護層を劣化させる原因にもなるが、露点−45℃以下の非酸化性ガスを用いることで残留水蒸気を低減できる。
この後、室温から封着材の軟化点近傍まで温度上昇させ、当該温度で1時間保持する(以上、ステップ1)。
次に、封着材の軟化点近傍から、さらに封着材の流動温度以上である封着温度(約490℃)まで、炉内温度を上昇させ、この温度で1時間保持する。このときの昇温速度は、急激な温度上昇による炉内温度分布により、パネルガラスが割れないように調整する。この加熱処理により、前面基板2と背面基板9が封着材16で封着されるとともに、チップ管38が背面基板9側に固着される。その後、室温近傍まで冷却し、両基板2、9を加熱炉から取り出す(以上、ステップ2)。
なお、上記プロセス例では示していないが、封着工程時に、両基板2、9の温度を封着材の流動温度以上の封着温度まで上昇させる工程の途中において、バインダ成分を除去する温度保持を入れることも可能である。
(排気工程)
本発明において、排気工程は、吸着材セット工程、加熱排気工程、冷却工程の各サブ工程を有する。以下の例では、これらのサブ工程を順次実施する。
[吸着材セット工程]
まず、背面基板9に取着した4本のチップ管38のうち、1本以上のチップ管38(ここでは図4に示す、画面右下の一本のチップ管38)に吸着材39をセットする(吸着材セット工程)。このセット時において、吸着材39がパネル内部の放電空間15に良好に曝されるように留意する。吸着材39には、比較的軟化点が高い材料が望ましく、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトが好適である。
[加熱排気工程]
次に、加熱炉内に両基板2、9を設置する。チップ管38にタ−ボ分子ポンプを接続し、当該ポンプを駆動させ、両基板2、9の内部を1×10−3Pa以下にまで減圧排気する。ここで、吸着材39に銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトを使用する場合は、加熱時に不純物成分と反応して変質する問題を防ぐため、少なくとも10Pa以下になるまで排気することが望ましい。
なお、この吸着材39は大気中に曝されてガスを吸っており、不純物ガスの吸着活性が低下している。しかしながら、これを次に示す加熱排気工程にて、非酸化性ガス雰囲気下で所定の温度で加熱することで、吸着材39は吸着物を放出し、再度、吸着活性を獲得できる。ここで言う「吸着活性」とは、放電空間内に充填されたNe、Xe等の放電ガス以外のガス(上記した不純物ガス)を吸着する能力を指す。
ここで、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトを大気中(すなわち酸化性雰囲気下)で加熱すると、雰囲気中の不純物と反応して変質することがあるため、後に吸着活性を復活させることは困難である。本実施の形態1では、この問題を考慮し、吸着材39を酸化性雰囲気では一定温度以上に加熱させず、封着工程においても必要な加熱を非酸化性ガス雰囲気で実施することにより、このような吸着材39の変質を回避したものである。
排気完了後、その減圧状態を維持しつつ、炉内の雰囲気を非酸化性ガス雰囲気に保つ。そして、加熱炉の温度を封着材16の軟化点よりも低い400℃まで上昇させ、当該温度で4時間保持する。
この非酸化性雰囲気を用いた加熱排気工程において、両基板2、9の内部から不純物ガスを排気するとともに、現時点で吸着材39に吸着されているガスを脱離させ、吸着特性を復活させる。このときの加熱温度は、封着材16の軟化点より10℃以下の温度で一定時間保持させ、その後、室温まで下降させることが好適である。ただし、吸着材39が活性化する温度以上で、かつ、封着材を構成する低融点ガラスのガラス転移点以上で行う。
[冷却工程]
上記のように、所定時間にわたり加熱排気工程を実施した後は、冷却工程を実施し、両基板2、9を室温近傍まで冷却する。(以上、ステップ3)。
このような排気工程を経ることで、吸着材39は良好な吸着活性を維持したままチップ管38内部に維持される。従って、以降の工程及び製品出荷後も、継続して放電空間15内に生じる各種不純物ガスを効率的に吸着除去することが期待できる。
なお、吸着材セット工程後に加熱排気工程を実施すると、吸着材39がチップ管38内部にセットされた状態で、当該チップ管38を通じて加熱排気を実施することになる。この場合、例えば背面基板9を上面側に向けて主面を水平に保ち、吸着材39をその自重でチップ管38の下方に配置させ、容易にポンプ側に吸い出されないようにする等の工夫を行うことが望ましい。
また、吸着材39の量、及びこれをセットするチップ管38の本数は、吸着材39の吸着能力、作製するPDPの大きさやセルサイズ(換言すると、不純物ガスを放出する蛍光体層14及び封着材16の表面積や量)、封着工程で最初に加熱炉の内部に残留する酸素濃度、排気工程での到達真空度、同加熱温度等を考慮して、適宜調節することが可能である。
また、吸着材セット工程は加熱排気工程と冷却工程の間、若しくは冷却工程の後に実施することもできる。排気ガスにできるだけ吸着材39を曝さない工夫をすることで、セット時の吸着材39に予め吸着される不純物ガスの量を低減できる。また、排気工程のできるだけ最終のタイミングで吸着材39をチップ管38にセットすれば、その分、加熱排気工程において吸着材39から放出される不純物ガスが放電空間15に流れることを防止できる効果も期待できる。
(放電ガス導入工程)
冷却工程を終えた後、チップ管38を介して放電空間15に所定の放電ガスを導入する。放電ガスの一例として、ここでは純度99.995%以上のXeガスのみを用い、放電ガス導入直後の放電空間15内の全圧を30kPaに設定する。放電ガスを導入した後は、チップ管38の先端をガスバ−ナにて封止(チップオフ)する(以上、ステップ4)。封止後のチップ管38の長さは、長さ10mm程度とする。なお、このチップ管38はPDP1において、取着したままで残す。この放電ガス導入工程では、吸着材39は放電ガスと接触するので、Xeガスを一定量吸着する。
なお、放電ガスの組成は、上記したXeガスのみの組成に限定されない。作製するPDPの発光特性を考慮し、例えばNe−Xe系混合ガス、Ne−Xe−Ar系混合ガス等を使用することもできる。
また、放電空間15内の放電ガスの圧力は、例えばXeの混合比に合わせて適宜調整する。一例としてXe混合比が低い場合には、圧力を比較的高くすると発光効率の面で好ましいことが分かっている。
さらに、放電ガス中のXeの量については、吸着材38が放電ガス中のXeガスを吸着することを見越して多い目に導入することもできる。この点については実施の形態2において具体的に説明する。
(エージング工程)
次に、上記形成したパネルに対し、エージング工程を行う。これは各セルの放電開始電圧を均一に安定するまで、パネルを一定時間駆動させて行う。
このとき、パネルに対して初めて通電がなされるため、駆動中の蛍光体層から不純物ガスが比較的発生しやすい。しかしながら、本発明では良好な吸着特性を有する吸着材をセットしたチップ管38が設けられているため、このような不純物ガスは速やかに放電空間15から吸着除去される。
以上の工程を全て経るとPDP1が完成する。
(銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトについて)
加熱排気工程でチップ管38にセットする吸着材39である、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトは以下に例示する方法で作製することができる 。
具体的には、銅イオンと、バッファー作用を有するイオンを含むイオン交換溶液を用いたイオン交換工程(STEP1)と、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトを洗浄する洗浄工程(STEP2)と、これを乾燥する乾燥工程(STEP3)とを順次経て作製する。
イオン交換工程(STEP1)では、銅イオンを含む溶液として、酢酸銅、プロピオン酸銅、塩化銅など、従来既存の化合物の水溶液を利用可能であるが、気体吸着量の増大と強固な吸着の実現のためには、酢酸銅が望ましい。
また、イオン交換溶液中のバッファー作用を有するイオンとしては、例えば酢酸イオン、プロピオン酸イオンなど、銅イオンを含む溶液のイオン解離平衡を緩衝する作用を有するものが利用可能である。このうち低圧領域において大容量の吸着特性を得るためには酢酸イオンの利用が望ましく、酢酸アンモニウムから生じた酢酸イオンを利用すれば、なお望ましい。
銅イオンと、バッファー作用を有するイオンとを含むイオン交換溶液は、それぞれのイオンを含む溶液を予め作製した後に混合しても良いが、同一の溶媒にそれぞれの溶質を溶解して調整しても良い。
調整したイオン交換溶液にゼオライト材料を投入し、混合することでイオン交換処理を行う。なお、このときのイオン交換回数や銅イオン溶液の濃度、バッファー溶液の濃度、イオン交換時間、温度などは、特に限定されないが、イオン交換率としては100%から180%の範囲に設定すると優れた吸着性能が得られる。より好ましいイオン交換率としては110%から170%の範囲である。ここで言う「イオン交換率」とは、2つのNaあたりにCu2+が交換されることを前提とした計算値であり、銅がCuとして交換された場合、計算上は100%を越えて算出される。
次に洗浄工程(STEP2)に移り、上記イオン交換処理を終えた材料を洗浄する。ここでは不要なイオンの混入を防ぐため、蒸留水等を用いて洗浄することが望ましい。
十分に洗浄したら、材料を乾燥工程(STEP3)で乾燥させる。ここでは高温による劣化を防ぐため、100℃未満の緩やかな条件で乾燥させることが望ましい。また、減圧雰囲気下にて室温で乾燥を行うことも好適である。
以上の各ステップを経ると、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトが得られる。
<実施の形態2>
本発明の実施の形態2のPDPについて、実施の形態1との差異点を中心に説明する。
実施の形態2のPDPの特徴は、製造方法において、放電空間15に導入したXeガスが吸着材39に吸着される量を見越して、放電ガス導入工程で放電空間15に導入する放電ガスの圧力を若干高めに(与圧)設定し、Xeガスを多く導入した点に主たる特徴を有する。このような工夫により実施の形態2のPDPでは、放電ガス組成中のXeガスが吸着材に吸着されることによって組成変動や圧力変動を生じ、発光特性が不安定になる問題を良好に抑制できる。
ここで、吸着材39のXe吸着能をx(cm/g)、放電空間15内の全放電ガス容積をv(cm)、放電空間15内に設定すべきXe分圧をp(kPa)、放電空間15に導入した直後の放電ガス中のXe分圧をp(kPa)とすると、チップ管38にセットすべき吸着材39の量t(g)は式(1)のように表わせる。
式(1)
t=(p−p)v/p
従って、PDPの放電ガス導入工程で放電空間15に導入した直後の放電ガス中のXe分圧pは、式(1)を変形して式(2)のように導くことができる。
式(2)
=pv/(v−tx)
この式(2)に基づいて、放電空間15に導入した直後の放電ガス中のXe分圧pを設定することにより、吸着材39のXeガス吸着による放電ガスの組成変動や圧力変動を良好に抑制することが可能である。
なお、実施の形態2のPDPにおいても、放電ガスはXeガスのみに限定するものではなく、Ne−Xe系混合ガス、Ne−Xe−Ar系混合ガス等を利用することが可能である。いずれの放電ガスを用いる場合にも、吸着材39に放電ガス成分が吸着される可能性のある場合には、実施の形態2を適用することで上記した効果が期待できる。
<実施の形態3>
実施の形態3におけるPDPは、製造方法の吸着材セット工程において、予めXeガスを吸着させた吸着材39を用いる点のみが実施の形態1と異なる。この工夫により、放電ガス導入後に少なくとも放電空間15中のXeガスが吸着材39に吸着される量を低減でき、吸着材39による放電ガスの組成変動を防いで安定したPDPの放電特性を維持することができる。
なお、吸着材39に銅イオン交換したZSM−5型ゼオライトを用いる場合は、非酸化性雰囲気で加熱してXeガスに接触させることで、当該吸着材39中にXeガスを吸着させることができる。しかしながら、これを大気に曝すと、前述したように大気中の不純物ガスが優先的に吸着材39に吸着され、Xeガスが放出されてしまう恐れがある。従って、実施の形態3では、吸着材39にXeガスを吸着させた後は、これを大気に曝さずにチップ管38にセットし、放電ガス導入工程を実施した後、直ちにチップ管38を封止することが望ましい。このため、実施の形態3では、少なくとも吸着材セット工程を大気から隔離した雰囲気(NガスやArガスを満たしたチャンバー内等)で実施することが求められる。
<性能確認実験>
以下、本発明の効果を確認するための各試験を行った。その手法と結果考察を示す。
(実験1)
実施の形態1のPDPと同一セルサイズで同一仕様であるが、表示面積が2型のミニサイズのPDPを実施例1として作製し、評価した。
[実施例1の作製]
具体的な作製方法として、まず前面基板作製工程にて、EB蒸着装置を用い、MgOペレットを蒸着源とし、Oを0.1sccm流しながら、前面側誘電体24上に厚み約1μmの蒸着膜を形成し、保護層8とした。
背面基板9には1箇所に孔を設け、チップ管38が取り付けられるようにした。
封着材塗布および仮焼成工程では、封着材の組成は、Biを主成分としたガラスと、Al,SiO,コ−ジライトからなるフィラーの混合物を用い、封着材の軟化点を430℃に調整した。封着材は490℃にて大気中で仮焼成した。
その後、チップ管38を背面基板に設けた孔の位置にクリップで留め、所定の封着材を用いてチップ管38を固定した。
封着工程のステップ1(図5の昇温プロファイルのステップ1の段階)では、まず、加熱炉の内部を10Pa以下に減圧した。その後、露点−45℃以下のNガスを流量3slmで充填させた。そのままNガスを吹き込みながら、加熱炉内の温度を封着材の軟化点(430℃)まで上昇させた。封着工程のステップ2(図5の昇温プロファイルのステップ2の段階)では、Nガスの吹き込みを維持したまま、封着温度(490℃)まで上昇させ、当該温度を1時間保持した。その後、室温まで炉内の温度を降下させた。
排気工程前に、チップ管38に活性化前の銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライト粉末を0.1gセットし、チップ管38を形成した。
排気工程では、図5のプロファイルのステップ3の段階に示すように、パネルの内部空間を、チップ管38を介して排気装置で1×10−4Paまで減圧し、排気した。このとき、温度を再び室温から封着材の軟化点よりも20℃低い410℃まで上昇させ、約4時間保持し、その後、排気しながら室温まで炉の温度を低下させた。
放電ガス導入工程では、図5のプロファイルのステップ4の段階に示すように、室温で、100%のXeガスを30kPaの封入圧力で導入した。
[比較例1の作製]
全体構成は実施例1と同様であるが、封着工程を大気中で実施するとともに、吸着材39を使用しないPDPを比較例1として作製した。
[比較例2の作製]
全体構成は実施例1と同様であるが、吸着材39を使用せず、封着工程を実施例1と同様に減圧後、露点−45℃以下のN雰囲気中で実施したPDPを比較例2として作製した。
[結果考察]
以上のようにして作製した、各PDPについて、ライフ時間の経過に伴う放電維持電圧の変化を測定した。この測定結果を図6に示す。当図において、測定値が一定であるほど放電維持電圧が安定であることを示す。
図6に示す結果から明らかなように、実施例1のPDPは、比較例1よりも初期(ライフ時間0h)での放電維持電圧が低い。比較例1の放電維持電圧は290V付近であって、高い値を示しているが、実施例1では少なくとも220V未満の値に抑えられている。また、比較例2も比較例1ほどではないが、実施例1よりも高い放電維持電圧を示すことが分かった。
次にライフ時間経過に伴う電圧変化の特性を評価すると、比較例2の放電維持電圧は駆動初期の230Vから急上昇し、260V以上にまで達している。そしてその後は緩やかに下降をたどり、250V程度になる。このように、比較例2は放電維持電圧が比較的高く、かつ、その電圧値も安定しないことが分かった。この原因としては、実施例1のように吸着管を持たないため、駆動時間の経過に伴い、放電空間に蛍光体層等由来の不純物ガスが発生し、これが保護層に吸着されて二次電子放出特性が低下したことが考えられる。
また、比較例1は、比較例2よりは放電維持電圧の経時的変化は小さいが、当初の放電維持電圧の高い値(290V付近)を維持している。しかしながら比較例1は、発光輝度の変化は小さいものの、消費電力を低減して駆動することは難しい。これは、大気中で封着工程を行ったことにより、保護層中の放電維持電圧低下に有効な酸素欠損が消失し、放電維持電圧が当初より上昇したものと考えられる。
これらの比較例1、2に対し、実施例1では、放電維持電圧が最も低く抑えられ、かつ、その電圧値が経時的に安定していることが確認できる。これは、熱履歴のない吸着材をセットして吸着管を配設したことによって、PDP完成後も放電空間内の不純物ガスが効率的に除去された結果、良好に保護層の二次電子放出特性を維持できたことが理由であると考えられる。
なお実施例1では、PDPにチップ管を1本のみ設け、排気工程では当該チップ管を利用してなる吸着管を介して排気工程を行った。しかし、この他チップ管を2本設けて、排気管と吸着管を別個に設けた構成としても、同様以上の効果が奏されたものと考えられる。
(実験2)
次に、実施の形態2のPDPを実施例2として作製し、性能確認実験を行った。
[実施例2の作製]
PDPの全体的な構成及び製造方法は実施例1と同様に行い、吸着材セット工程及び放電ガス導入工程のみ、以下の手順で行った。
(実施例2及び比較例3の作製)
放電空間15に設定する所望のXe分圧を6.00(kPa)とする。吸着材39のXe吸着能xは、Xe分圧6.00(kPa)で約10(cm/g)である。上記の表示面積2型のミニサイズパネルの場合、vは約0.2(cm)である。
従って、吸着材セット量tを0.0006(g)とすると、放電空間15に導入した直後の放電ガス中のXe分圧pは式(2)を用い、
6.00×0.2/(0.2−10×0.0006)=6.19(kPa)
と算出される。
ここで、放電ガスとして分圧比でNeを90%、Xeを10%含むNe−Xe系ガスを用いる場合、放電空間15に導入した直後の放電ガスの全圧pall
all=(6.19/10)×100=61.9(kPa)
と算出される。
実験2ではこの条件に基づいて全圧pallの放電ガスを導入し、作製したPDPを実施例2とした。
[比較例3の作製]
また、全体的構成は実施例2と同様とし、チップ管に吸着材をセットせず、Xe混合比を20%とし、放電ガスの全圧を60.0kPaに設定したPDPを比較例3として作製した。
この実施例2及び比較例3について測定した放電開始電圧及び発光効率を表1に示す。
Figure 2010109770
[結果考察]
表1から分かるように、実施例2は比較例3に比べ、放電維持電圧を同等に保ちながら、発光効率が顕著に改善されている。これは、吸着材39のXeガス吸着を見越して予め多めにXeガスを導入したことにより、結果的に良好な放電ガス組成が維持され、優れた発光特性が発揮されたことによるものと考えられる。
なお、実施の形態2では、全圧を制御することでXe分圧を制御する方法に関して記述したが、投入するNe−Xe混合ガスのXe混合比を調整することでも同様の効果を奏することが容易に想定される。
以上の考察により、本発明の優位性が確認された。
<その他の事項>
上記した各実施の形態及び各実施例では、吸着材39として銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトを用いる構成を例示した。しかしながら本発明で用いる吸着材39はZSM−5型に限定されず、各種の銅イオン交換されたゼオライトであればよい。例えば、銅イオン交換されたMFI型、BETA型、もしくはMOR型のゼオライトを例示できる。また、これらの1種以上を選択し、混合したものを吸着材39として用いることも可能である。さらに、これらのゼオライトを吸着材39の主成分(50wt%以上)とし、その他の吸着材や添加物を加えることも可能である。
本発明のPDPの製造方法は、特に高精細な画像表示駆動を低い消費電力で実現できるガス放電パネルの製造方法として、交通機関及び公共施設、家庭などにおけるテレビ及びコンピューター用の表示装置等の製造に利用することが可能である。いずれの用途においても、初期の放電維持電圧が低く、かつ、放電維持電圧の経時変化が少ないため有用である。特に、次世代の高精細PDPへの適用性が高く、優れた産業上の利用可能性を有している。
1 PDP
2 前面基板(フロントパネル)
3 前面基板ガラス
8 保護層
9 背面基板(バックパネル)
10 背面基板ガラス
13 隔壁
16 封着部
31 チップ管取付用の孔
38 チップ管
39 吸着材

Claims (11)

  1. 表面にMgOを含んでなる保護層が形成された前面基板と、表面に蛍光体層が形成された背面基板とを、前記保護層と前記蛍光体層とが一定間隔をおいて対向するように配置し、前面基板及び背面基板の周囲に封着材を配するとともに、前面基板及び背面基板を隔壁を介して重ね合わせる重ね合わせ工程と、前面基板または背面基板に取着した1本以上のチップ管を介し、両基板内部を外部に連通させながら両基板を封着する封着工程と、封着工程後に、前記チップ管を介して前記両基板内部を排気する排気工程と、排気工程後に、前記チップ管を介して前記両基板内部にXeガスを含む放電ガスを導入する放電ガス導入工程とを有するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
    排気工程は、両基板内部の不純物を吸着するための吸着材として、銅イオン交換されたゼオライトを前記チップ管内にセットする吸着材セット工程と、前記チップ管を介して両基板内部のガスを排気する加熱排気工程と、加熱排気工程後に両基板を冷却する冷却工程とを有し、
    排気工程のうち、少なくとも加熱排気工程を減圧下の非酸化性ガス雰囲気において実施する
    プラズマディスプレイパネルの製造方法。
  2. 前記排気工程では、前記吸着材として、銅イオン交換されたZSM−5型ゼオライトを用いる
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  3. 吸着材セット工程では、予めXeガスを吸着させた吸着材を用いる
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  4. 加熱排気工程後冷却工程前、または冷却工程後において、吸着材セット工程を非酸化性ガス雰囲気で実施する
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  5. 吸着材セット工程においてチップ管にセットする吸着材の投入量t、又は放電ガス導入工程において導入する放電ガス中のXe分圧pの少なくともいずれかを、式t=(p−p)v/pxまたは当該式の変形式に基づいて決定する
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
    但し、xは前記吸着材のXe吸着能(cm/g)、pはチップ管に投入する放電ガスのXe分圧(kPa)、pは放電空間に導入すべき放電ガスのXe分圧(kPa)、vは放電空間に導入すべき放電ガス体積(cm)とする。
  6. 加熱排気工程では、封着材の軟化点よりも低い温度で前記両基板を一定時間加熱する
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  7. 加熱排気工程では、封着材の軟化点よりも少なくとも10℃低い温度で前記両基板を加熱する
    請求項5に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  8. 封着工程では、非酸化性ガス雰囲気として、露点−45℃以下のNガス雰囲気を用いる
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  9. 封着工程前において、背面基板の主面に隣接するピッチを0.15mm以下に設定して複数の隔壁を併設するとともに、隣接する隔壁の間に蛍光体層を形成する
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  10. 封着工程前において、画素数が横1920個以上×縦1080個以上となるように、背面基板の主面に隣接する隔壁のピッチを設定して複数の隔壁を併設するとともに、隣接する隔壁の間に蛍光体層を形成する
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  11. 放電ガス導入工程では、Xeを15%以上の分圧で含む放電ガスを用いる
    請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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