JPWO2010109759A1 - 溶接制御方法 - Google Patents

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Abstract

溶接出力電圧と溶接出力電流の関係を示す所定の傾きの出力特性を有する溶接装置の溶接制御方法であって、初期溶接設定電圧と溶接出力電圧との差に応じて、初期溶接設定電圧よりも高い目標溶接設定電圧を設定することで、溶接出力電圧が目標溶接設定電圧となるように制御する。これにより、溶接作業者の手振れ等によるアーク長の変化を修正し早期に適正なアーク長を実現する。

Description

本発明は、消耗電極である溶接ワイヤと被溶接物である母材との間にアークを発生させて溶接を行うアーク溶接の溶接制御方法に関するものである。
近年、溶接業界では溶接作業の生産性向上や溶接品質向上の要求が高まってきている。特に自動車や自動二輪業界では、短時間にこれまでよりも多くの被溶接物(以下、ワークという)を生産することで生産効率を高め、1ワーク当たりの生産コストを低減し、また、溶接ビードの欠落や穴あき等の不良品の発生を低減させ、良品率を向上するという要求が高まっている。これに対応するためには、溶接中のアーク長を安定化することが極めて重要である。
しかし、ワークの位置ズレの発生やワークの精度が良くないと、ワーク間に介在するギャップ等により、ワイヤの突出し長さが変化してアーク長が変化する。また、溶接作業者の手振れ等によってもアーク長が変化する。これらのような外乱によってアーク長が変化するため、溶接品質を向上することができなくなっている。
消耗電極式アーク溶接において、上述した内容を含む種々の外乱によって発生するアーク長の変化に対応するための、溶接電源装置の出力特性が従来から複数知られている。
その1つが、図5の実線に示すように、出力電流が高くなるに伴い出力電圧が低下する右下がりの特性である。この特性によって、アーク長の自己制御作用が働き、アーク長が一定になるというものである。低下傾度は1V〜3V/100A程度が一般的であるが、溶接法や溶接ワイヤ等によっては、0V/100Aの場合もあれば、10V/100A程度の傾度で低下する場合もある。
図5において、出力電流がA1であり出力電圧がV1である溶接条件で溶接している状態(P1)から、例えば外乱によってアーク長が短くなった場合、出力電流はA1からA2に高くなり、出力電圧はV1からV2へと低くなり、出力特性上のP1からP2に移動する。しかし、出力電流が高くなることでワイヤの溶融量が増加し、アーク長が徐々に長くなってP1に戻っていくというのが自己制御作用である。
詳細には、定電圧特性の溶接電源装置を用いてワイヤを定速送給し、ミグ溶接またはマグ溶接を行うとき、アークの長さが自動的に一定値になる現象があり、これを自己制御作用という。ところが、前述のさまざまな外乱によって発生するアーク長の変化に対して、この自己制御作用では、元のアーク長に戻るまでには時間がかかるという課題があった。
また、パルスアーク溶接において、従来の出力制御方法では、外乱によりアーク長の変化が大きい場合、溶接出力電圧と溶接設定電圧の差を用いてベース電流あるいはピーク電流の少なくともいずれか一方を増減するものがある(例えば、特許文献1参照)。この制御方法によりアークが不安定となる場合、つまり外乱によって溶接出力電圧が大きく変動する場合は、その大きな変動量を補正するために、ベース電流あるいはピーク電流を増減することでパルス周波数の変化を抑制することができる。これにより、アーク長を安定化させ、不規則な短絡発生を抑制しスパッタを抑制できる。しかし、この出力制御方法においても元のアーク長に戻すには時間がかかるというという課題があった。
特開2004−237342号公報
本発明の溶接制御方法は、溶接出力電圧と溶接出力電流の関係を示す所定の傾きの出力特性を有する溶接装置の溶接制御方法であって、初期溶接設定電圧と溶接出力電圧との差に応じて、初期溶接設定電圧よりも高い目標溶接設定電圧を設定し、または、初期溶接設定電圧よりも低い目標溶接設定電圧を設定することで、溶接出力電圧が目標溶接設定電圧となるように制御する構成を備える。
また、本発明の溶接制御方法は、溶接出力電圧と溶接出力電流の関係を示す所定の傾きの出力特性を有する溶接装置の溶接制御方法であって、溶接中のある時点のパルスの直前のパルス溶接出力電圧と直前のパルスの前に出力した複数のパルス溶接出力電圧との差に応じて、初期溶接設定電圧よりも高い目標溶接設定電圧を設定し、または、初期溶接設定電圧よりも低い目標溶接設定電圧を設定することで、溶接出力電圧が目標溶接設定電圧となるように制御する構成を備える。
また、本発明の溶接制御方法は、溶接出力電圧と溶接出力電流の関係を示す所定の傾きの出力特性を有する溶接装置の溶接制御方法であって、初期溶接設定電流と溶接出力電流との差に応じて、初期溶接設定電流よりも高い目標溶接設定電流を設定し、または、初期溶接設定電流よりも低い目標溶接設定電流を設定することで、溶接出力電流が目標溶接設定電流となるように制御する構成を備える。
かかる構成によれば、外乱によって発生するアーク長の変化に対して、早期にアーク長を安定化させ、安定した溶滴移行を可能とする。これにより、不規則な短絡発生を抑制しスパッタを抑制できるため、生産性向上及び溶接品質向上を実現することができる。
図1は、本発明の一実施の形態における溶接制御方法が適用される溶接装置を示す概略構成図である。 図2は、本発明の一実施の形態における溶接電流と溶接電圧の出力特性を示す図である。 図3は、本発明の一実施の形態における溶接電流と溶接電圧の他の出力特性を示す図である。 図4は、本発明の一実施の形態における溶接電流波形を示す図である。 図5は、従来の溶接電流と溶接電圧の出力特性を示す図である。
(実施の形態)
以下、本発明の溶接制御方法を実施の形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。しかし、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。図1は、本発明の一実施の形態における溶接制御方法が適用される溶接装置の一例を示す概略構成図である。
図1に示す溶接装置1は、出力特性を数式として記憶した記憶部7と、初期の溶接条件などを設定する初期条件設定部8と、記憶部7に記憶された出力特性と溶接電圧検出部3からの出力と溶接電流検出部4からの出力と初期条件設定部8からの出力に基づき出力特性を設定する出力特性設定部6と、出力特性設定部6の出力に基づいて出力制御部2を駆動する駆動司令部5とを備えている。
このような構成からなる溶接装置1にて、駆動司令部5からの信号を受けて出力制御部2がインバータ制御またはサイリスタ制御などの出力制御を行うことで、トーチ11と母材12との間に電圧・電流を供給し、ワイヤ送給装置10からトーチ11に送給された溶接用ワイヤ9と母材12との間にアーク13を発生させ、母材12の溶接を行う。
図2は、本実施の形態における溶接制御方法で溶接した場合の溶接電流と溶接電圧の出力特性を示す図である。図3は、本実施の形態における溶接電流と溶接電圧の他の出力特性を示す図である。なお、図2、図3において、初期溶接設定電流をA1、初期溶接設定電圧をV1とする。初期溶接設定電流や初期溶接設定電圧は、溶接装置を操作する操作者が、溶接装置に設けられた初期条件設定部8により設定するものである。
また、図2の出力特性Aと出力特性Bと出力特性C、および図3の出力特性Dと出力特性Eは、溶接装置1の出力特性を示すものである。そして、出力特性Aは、初期溶接設定電流A1と初期溶接設定電圧V1を通る直線状の出力特性であり、基本となる出力特性である。また、出力特性Bと出力特性C、および出力特性Dと出力特性Eは、後述するように、基本となる出力特性Aを平行移動した状態の出力特性を示すものである。そして、出力特性は、溶接装置に備えられた記憶部7に数式として記憶されており、出力特性設定部6により切片が変更されることで、傾きを変更せずに平行移動されるものである。
また、図2において、アーク特性K1とアーク特性K2とアーク特性K3とアーク特性K4は、各々、アーク長L1とアーク長L2とアーク長L3とアーク長L4となる場合の電流と電圧の関係を示すものである。そして、アーク長L1は、操作者により設定された初期溶接設定電流や初期溶接設定電圧の場合のアーク長であり、これを適正なアーク長とする。
アーク長L2は、アーク長L1より短い。また、アーク長L3は、アーク長L2より長くアーク長L1より短い。また、アーク長L4は、アーク長L2およびアーク長L3より長くアーク長L1より短い。
また、図3において、アーク特性K1とアーク特性K5とアーク特性K6とアーク特性K7は、各々、アーク長L1とアーク長L5とアーク長L6とアーク長L7となる場合の電流と電圧の関係を示すものである。そして、アーク長L1は、図2と同様に、操作者により設定された初期溶接設定電流や初期溶接設定電圧の場合のアーク長であり、これを適切なアーク長とする。
アーク長L5は、アーク長L1より長い。また、アーク長L6は、アーク長L5より短くアーク長L1より長い。また、アーク長L7は、アーク長L5及びアーク長L6より短くアーク長L1より長い。
以下、本実施の形態の溶接制御方法について説明する。なお、本来は、初期溶接設定電流と初期溶接設定電圧となるように溶接出力を制御して適正なアーク長で溶接を行うことが基本である。しかし、何らかの影響でアーク長が適正な長さでなくなった場合には、後述するような制御を行って、アーク長を早期に適正なアーク長にするものである。
まず、何らかの影響でアーク長が適正な長さから短くなった場合を図2を用いて説明する。
図2に示すように、溶接出力電流が初期溶接設定電流A1と略同一値であり、溶接出力電圧が初期溶接設定電圧V1と略同一値で溶接している状態P1(適正なアーク長L1とする)から、例えば手振れなどの外乱によってアーク長が短くなった(短いアーク長L2とする)場合、出力特性Aとアーク特性K1との交点である状態P1から出力特性Aとアーク特性K2との交点である状態P2へと移動する。これにより、溶接出力電流はA1からA2へと高くなり、溶接出力電圧はV1からV2へと低くなる。この場合、アーク長は、アーク特性K1に基づく適正なアーク長L1から、アーク長L1よりも短いアーク特性K2に基づくアーク長L2になっている。この短いアーク長L2の状態から適正なアーク長L1に戻す場合、背景技術で説明したような自己制御作用におけるアーク長の復帰、すなわち、出力特性A上を状態が移動する復帰では、復帰までに時間がかかる。
そのため、本実施の形態の溶接制御方法では、初期溶接設定電圧V1と、それより低くなった溶接出力電圧V2との差に応じて目標溶接設定電圧を高くする。すなわち、出力特性を平行移動している。そして、目標溶接設定電圧になるように溶接出力を制御する。このように、溶接出力電圧と溶接出力電流を高くすることで積極的にワイヤ6を含む溶接部に入熱を与えてワイヤ6の溶融を増加させて早期に適正なアーク長L1となるようにする。
なお、目標溶接設定電圧は、初期溶接設定電圧V1と溶接出力電圧との差だけ初期溶接設定電圧V1から大きくした値としてもよい。また、初期溶接設定電圧V1と溶接出力電圧との差よりも小さい量だけ初期溶接設定電圧V1から大きくした値としてもよい。あるいは、初期溶接設定電圧V1と溶接出力電圧との差よりも大きい量だけ初期溶接設定電圧V1から大きくした値としてもよい。
例えば、初期溶接設定電圧V1と溶接出力電圧との差に応じて目標溶接設定電圧を初期溶接設定電圧V1より高いV3へと変更し(V3=V1+△V3)、これに伴い出力特性を出力特性Aから出力特性Bに変化させる。これにより、出力特性A上の状態P2から出力特性B上の状態P3’を経由して状態P3に移動する。したがって、溶接出力電流はA2からA3に増加し、溶接出力電圧はV2からV3’に増加する。アーク長は、L2からL2よりも長いL3へ短い時間で長くなり、適正な状態P1におけるアーク長L1に近づく。
次に、初期溶接設定電圧V1と溶接出力電圧との差に応じて目標溶接設定電圧をV3からV4に変更し(V4=V1+△V4)、出力特性を出力特性Bから出力特性Cに変化させる。これにより、出力特性B上の状態P3から出力特性C上の状態P4’を経由して状態P4に移動する。したがって、溶接出力電流はA3からA4に低下し、溶接出力電圧はV3’からV4’に増加する。アーク長は、L3からL3よりも長いL4へ短い時間で長くなり、適正な状態P1のアーク長L1へさらに近づく。
上記一連の動作において、出力特性を出力特性Aのまま変化させない場合と比較して、出力特性を出力特性Bへさらに出力特性Cへと変化させた場合、溶接出力電圧と溶接出力電流を高めて入熱を高めているのでアーク長がL2からL3へ、さらにL4へと短い時間で長くなる。このようにして、出力特性が出力特性Aに近づくように出力特性の平行移動を複数回繰り返してアーク長を適正なアーク長L1に近づけていく。すなわち、出力特性Cから図示していない別の複数の出力特性への平行移動を複数回繰り返す。しかし、1回の平行移動で適正なアーク長に近づけてもよい。
このように、出力特性の変化を繰り返すことで、出力特性を出力特性Aから変化させない図5の場合と比較して、出力特性を出力特性Aから出力特性Bさらに出力特性Cのように複数回変化させた場合の方が、より早く適正な状態P1のアーク長L1に復帰することができる。
次に、何らかの影響でアーク長が適正な長さから長くなった場合を図3を用いて説明する。
この場合の制御は前述の逆に制御すれば良い。すなわち、図3に示すように、溶接出力電流が初期溶接設定電流A1と略同一値であり、溶接出力電圧が初期溶接設定電圧V1と略同一値で溶接している状態P1(適正なアーク長L1とする)から、例えば手振れなどの外乱によってアーク長が長くなった(長いアーク長L5とする)場合、出力特性Aとアーク特性K1との交点である状態P1から出力特性Aとアーク特性K5との交点である状態P7へと移動する。これにより、溶接出力電流はA1からA5へと低くなり、溶接出力電圧はV1からV5へと高くなる。この場合、アーク長は、アーク特性K1に基づく適正なアーク長L1から、アーク長L1よりも長いアーク特性K5に基づくアーク長L5になっている。この長いアーク長L5の状態から適正なアーク長L1に戻す場合、背景技術で説明したような自己制御作用におけるアーク長の復帰、すなわち、出力特性A上を状態が移動する復帰では、復帰までに時間がかかる。
そのため、本実施の形態の溶接制御方法では、初期溶接設定電圧V1と、それより高くなった溶接出力電圧V5との差に応じて目標溶接設定電圧を低くする。すなわち、出力特性を平行移動している。そして、目標溶接設定電圧になるように溶接出力を制御する。このように、溶接出力電圧と溶接出力電流を低くすることで積極的にワイヤ6を含む溶接部に与える入熱を抑えてワイヤ6の溶融を減少させ、早期に適正なアーク長L1となるようにする。
なお、目標溶接設定電圧は、初期溶接設定電圧V1と溶接出力電圧との差だけ初期溶接設定電圧V1から小さくした値としてもよい。また、初期溶接設定電圧V1と溶接出力電圧との差よりも小さい量だけ初期溶接設定電圧V1から小さくした値としてもよい。あるいは、初期溶接設定電圧V1と溶接出力電圧との差よりも大きい量だけ初期溶接設定電圧V1から小さくした値としてもよい。
例えば、初期溶接設定電圧V1と溶接出力電圧との差に応じて目標溶接設定電圧を初期溶接設定電圧V1より低いV6へと変更し(V6=V1−ΔV6)、これに伴い出力特性を出力特性Aから出力特性Dに変化させる。これにより、出力特性A上の状態P7から出力特性D上の状態P8’を経由して状態P8に移動する。したがって、溶接出力電流はA5からA6に減少し、溶接出力電圧はV5からV6´に減少する。アーク長は、L5からL5よりも短いL6へ短い時間で短くなり、適正な状態P1におけるアーク長L1に近づく。
次に、初期溶接設定電圧V1と溶接出力電圧との差に応じて目標溶接設定電圧をV6からV7に変更し(V7=V1+ΔV7)、出力特性を出力特性Dから出力特性Eに変化させる。これにより、出力特性D上の状態P8から出力特性E上の状態P9’を経由して状態P9に移動する。したがって、溶接出力電流はA6からA7に増加し、溶接出力電圧はV6´からV7´に減少する。アーク長は、L6からL6よりも短いL7へ短い時間で短くなり、適正な状態P1のアーク長L1へさらに近づく。
上記一連の動作において、出力特性を出力特性Aから変化させない場合と比較して、出力特性を出力特性Dへさらに出力特性Eへと変化させた場合、溶接出力電圧値と溶接出力電流を低めて入熱を低めているのでアーク長がL5からL6へ、さらにL7へと短い時間で短くなる。このようにして、出力特性が出力特性Aに近づくように出力特性の平行移動を複数回繰り返してアーク長を適正なアーク長L1に近づけていく。すなわち、出力特性Eから図示していない別の複数の出力特性への平行移動を複数回繰り返す。しかし、1回の平行移動で適正なアーク長に近づけてもよい。
このように、出力特性の変化を繰り返すことで、出力特性を出力特性Aから変化させない図5の場合と比較して、出力特性を出力特性Aから出力特性Dさらに出力特性Eのように複数回変化させた場合の方が、より早く適正な状態P1のアーク長L1に復帰することができる。
このように、本実施の形態の溶接制御方法は、前述したように、溶接出力電圧が初期溶接設定電圧より高い場合には、目標溶接設定電圧を低くする方向へ変更し、溶接出力電圧が初期溶接設定電圧より低い場合には目標溶接設定電圧を高くする方向へ変更する。
次に、パルスアーク溶接においてアーク長を調整する場合の例について説明する。この場合も、溶接装置は、溶接出力電圧と溶接出力電流の関係を示す所定の傾きの出力特性を有する。
上記制御をパルスアーク溶接に適用し、ある時点のパルスの直前のパルス溶接電圧出力とこの直前のパルスの前に出力した複数のパルスの溶接電圧出力との差に応じて溶接設定電圧を高くする方向あるいは溶接設定電圧を低くする方向へ変更するようにしても良い。
なお、パルスアーク溶接では、溶接中に複数の溶接パルスを出力するが、あるパルスを出力するに際して、溶接中に前記あるパルスの波形を決定し、その波形を出力するように溶接出力を制御している。
例えば、パルスアーク溶接中におけるある時点を起点として、直前の1パルスの平均電圧とさらにその1パルスの直前の10パルスの平均電圧を比較し、直前の1パルスの平均電圧が低い場合には、図2の状態P1から状態P2に変化した場合と同様であるので、前述したように設定電圧を増加させることで状態P3に移動させる。そして、これにより、短くなったアーク長L2からアーク長L3にアーク長を積極的に長くし、さらに上述したように出力特性の平行移動を繰り返すことで、早期に適正なアーク長L1に復帰させるようにしてもよい。なお、直前の1パルスの平均電圧が高い場合には、低い場合と逆の制御を行えばよい。
さらに、パルスアーク溶接において、溶接設定電圧の変更とともに、ベース電流とピーク電流の少なくとも一方の大きさを変更するように制御してもよい。
ここで、溶接設定電圧を高くする方法としては、パルス周波数を高くする方法やパルス幅を広くする方法がある。しかし、いずれも、パルス周期中に占める時間の割合が少ないので、溶接出力電圧が変化するのに時間がかかる。特に、パルス周波数を変える場合は電流が低くなることに伴いパルス周期が長くなるので、さらに時間がかかり、アーク長が変化するのに時間がかかる。
例えば、溶接出力電流が100Aの場合、パルス周期は約10msec(パルス周波数が概ね100Hz)、パルス幅は約2.0msec程度である。それぞれが大きく変化しても、パルス周期は±2msec、パルス幅は±0.4msecであり±20%しか変化しない。一方、ベース電流が流れる時間は8msecであるため、ベース電流の大きさを調整すると80%変化する。そして、ピーク電流が流れる時間を合わせると100%変化させることができ、溶接電圧を大きく変更することが可能となり、アーク長の早期の調整に有効である。
なお、同様の結果をパルス周波数あるいはパルス幅の調整で得るには、±20%よりもさらに大きくする必要があるが、パルス周波数あるいはパルス幅を大きく変更すると、適正な溶滴移行の状態が乱れる。つまり、スラグや金属粒などのスパッタが増加しアーク不安定の要因となる。このため、溶滴移行を安定したまま、アーク長を元の適正な状態に早期に復帰させる必要がある。これを実現するための制御について図4を用いて説明する。
例えば、あるタイミングT1で目標溶接設定電圧に対して溶接出力電圧が低い場合に、次のパルスで目標溶接設定電圧を高くする場合で、次のパルスピーク電流を△IP増加させる、あるいは、次のベース電流を△IB増加させる、あるいは、次のパルスピーク電流と次のベース電流の両方を増加させる。これにより、パルス周波数やパルス幅を大きく変化させることはないので、溶滴移行を乱すことがなく、溶接電圧を高めてアーク長を長くできる。これにより、スパッタの増加を抑制し、アーク長を元の適正な状態に早期に復帰させることができる。
次に、電圧に代えて、電流に基づいてアーク長を調整する例について説明する。上記実施の形態では、初期溶接設定電圧と溶接出力電圧との差に応じて目標溶接設定電圧を変更する例を示したが、初期溶接設定電流と溶接出力電流との差に応じて目標溶接設定電流を高くする方向あるいは溶接設定電流を低くする方向へ出力特性を変更するようにしてもよい。
これは、前述した溶接出力電圧の変化に応じて制御するパラメータの対象を初期溶接設定電圧から初期溶接設定電流に置き換えたものである。なお、溶接電圧と溶接電流の関係は1対1で対応しているため、置き換えることは容易であり、電圧の場合と同様の効果を得ることができる。
そして、溶接出力電流が初期溶接設定電流より低い場合には、目標溶接設定電流を高くする方向へ出力特性を変更するように制御し、溶接出力電流が初期溶接設定電流より高い場合には、目標溶接設定電流を低くする方向へ出力特性を変更するように制御する。
以上説明してきたように、本発明は、ワークの位置ズレの発生やワーク精度が良くない場合にワーク間に介在するギャップ等によりアーク長が一定でなくなり変化すること、また、溶接作業者の手振れ等の外乱によって発生するアーク長の変化に対して、早期にアーク長を安定化させ、安定した溶滴移行を可能とする。すなわち、外乱によってアーク長が不安定になっても溶滴移行を安定させた状態で、早期にアーク長を元の適正なアーク長に復帰することができるので、良好なビードを得ることができる。これにより、不規則な短絡発生を抑制しスパッタを抑制できるため、生産性向上及び溶接品質向上を実現することができる。
本発明の溶接制御方法は、安定した溶滴移行の状態で早期にアーク長を安定化させることが可能となるので、不規則な短絡発生を抑制しスパッタを抑制できる。したがって、生産性向上及び溶接品質向上を実現することができるので、アーク溶接を行う溶接制御方法として有用である。
1 溶接装置
2 出力制御部
3 溶接電圧検出部
4 溶接電流検出部
5 駆動司令部
6 出力特性設定部
7 記憶部
8 初期条件設定部
9 溶接用ワイヤ
10 ワイヤ送給装置
11 トーチ
12 母材
13 アーク
本発明は、消耗電極である溶接ワイヤと被溶接物である母材との間にアークを発生させて溶接を行うアーク溶接の溶接制御方法に関するものである。
近年、溶接業界では溶接作業の生産性向上や溶接品質向上の要求が高まってきている。特に自動車や自動二輪業界では、短時間にこれまでよりも多くの被溶接物(以下、ワークという)を生産することで生産効率を高め、1ワーク当たりの生産コストを低減し、また、溶接ビードの欠落や穴あき等の不良品の発生を低減させ、良品率を向上するという要求が高まっている。これに対応するためには、溶接中のアーク長を安定化することが極めて重要である。
しかし、ワークの位置ズレの発生やワークの精度が良くないと、ワーク間に介在するギャップ等により、ワイヤの突出し長さが変化してアーク長が変化する。また、溶接作業者の手振れ等によってもアーク長が変化する。これらのような外乱によってアーク長が変化するため、溶接品質を向上することができなくなっている。
消耗電極式アーク溶接において、上述した内容を含む種々の外乱によって発生するアーク長の変化に対応するための、溶接電源装置の出力特性が従来から複数知られている。
その1つが、図5の実線に示すように、出力電流が高くなるに伴い出力電圧が低下する右下がりの特性である。この特性によって、アーク長の自己制御作用が働き、アーク長が一定になるというものである。低下傾度は1V〜3V/100A程度が一般的であるが、溶接法や溶接ワイヤ等によっては、0V/100Aの場合もあれば、10V/100A程度の傾度で低下する場合もある。
図5において、出力電流がA1であり出力電圧がV1である溶接条件で溶接している状態(P1)から、例えば外乱によってアーク長が短くなった場合、出力電流はA1からA2に高くなり、出力電圧はV1からV2へと低くなり、出力特性上のP1からP2に移動する。しかし、出力電流が高くなることでワイヤの溶融量が増加し、アーク長が徐々に長くなってP1に戻っていくというのが自己制御作用である。
詳細には、定電圧特性の溶接電源装置を用いてワイヤを定速送給し、ミグ溶接またはマグ溶接を行うとき、アークの長さが自動的に一定値になる現象があり、これを自己制御作用という。ところが、前述のさまざまな外乱によって発生するアーク長の変化に対して、この自己制御作用では、元のアーク長に戻るまでには時間がかかるという課題があった。
また、パルスアーク溶接において、従来の出力制御方法では、外乱によりアーク長の変化が大きい場合、溶接出力電圧と溶接設定電圧の差を用いてベース電流あるいはピーク電流の少なくともいずれか一方を増減するものがある(例えば、特許文献1参照)。この制御方法によりアークが不安定となる場合、つまり外乱によって溶接出力電圧が大きく変動する場合は、その大きな変動量を補正するために、ベース電流あるいはピーク電流を増減することでパルス周波数の変化を抑制することができる。これにより、アーク長を安定化させ、不規則な短絡発生を抑制しスパッタを抑制できる。しかし、この出力制御方法においても元のアーク長に戻すには時間がかかるというという課題があった。
特開2004−237342号公報
本発明の溶接制御方法は、溶接出力電圧と溶接出力電流の関係を示す所定の傾きの出力特性を有する溶接装置の溶接制御方法であって、初期溶接設定電圧と溶接出力電圧との差に応じて、初期溶接設定電圧よりも高い目標溶接設定電圧を設定し、または、初期溶接設定電圧よりも低い目標溶接設定電圧を設定することで、溶接出力電圧が目標溶接設定電圧となるように制御し、この制御を繰り返して初期溶接設定電圧になるように制御する構成を備える。
また、本発明の溶接制御方法は、溶接出力電圧と溶接出力電流の関係を示す所定の傾きの出力特性を有する溶接装置の溶接制御方法であって、溶接中のある時点のパルスの直前のパルス溶接出力電圧と直前のパルスの前に出力した複数のパルス溶接出力電圧との差に応じて、初期溶接設定電圧よりも高い目標溶接設定電圧を設定し、または、初期溶接設定電圧よりも低い目標溶接設定電圧を設定することで、溶接出力電圧が目標溶接設定電圧となるように制御し、この制御を繰り返して初期溶接設定電圧になるように制御する構成を備える。
また、本発明の溶接制御方法は、溶接出力電圧と溶接出力電流の関係を示す所定の傾きの出力特性を有する溶接装置の溶接制御方法であって、初期溶接設定電流と溶接出力電流との差に応じて、初期溶接設定電流よりも高い目標溶接設定電流を設定し、または、初期溶接設定電流よりも低い目標溶接設定電流を設定することで、溶接出力電流が目標溶接設定電流となるように制御し、この制御を繰り返して初期溶接設定電流になるように制御する構成を備える。
かかる構成によれば、外乱によって発生するアーク長の変化に対して、早期にアーク長を安定化させ、安定した溶滴移行を可能とする。これにより、不規則な短絡発生を抑制しスパッタを抑制できるため、生産性向上及び溶接品質向上を実現することができる。
本発明の一実施の形態における溶接制御方法が適用される溶接装置を示す概略構成図 本発明の一実施の形態における溶接電流と溶接電圧の出力特性を示す図 本発明の一実施の形態における溶接電流と溶接電圧の他の出力特性を示す図 本発明の一実施の形態における溶接電流波形を示す図 従来の溶接電流と溶接電圧の出力特性を示す図
(実施の形態)
以下、本発明の溶接制御方法を実施の形態に基づいて、図面を参照しながら説明する。しかし、本発明は、実施の形態に限定されるものではない。図1は、本発明の一実施の形態における溶接制御方法が適用される溶接装置の一例を示す概略構成図である。
図1に示す溶接装置1は、出力特性を数式として記憶した記憶部7と、初期の溶接条件などを設定する初期条件設定部8と、記憶部7に記憶された出力特性と溶接電圧検出部3からの出力と溶接電流検出部4からの出力と初期条件設定部8からの出力に基づき出力特性を設定する出力特性設定部6と、出力特性設定部6の出力に基づいて出力制御部2を駆動する駆動司令部5とを備えている。
このような構成からなる溶接装置1にて、駆動司令部5からの信号を受けて出力制御部2がインバータ制御またはサイリスタ制御などの出力制御を行うことで、トーチ11と母材12との間に電圧・電流を供給し、ワイヤ送給装置10からトーチ11に送給された溶接用ワイヤ9と母材12との間にアーク13を発生させ、母材12の溶接を行う。
図2は、本実施の形態における溶接制御方法で溶接した場合の溶接電流と溶接電圧の出力特性を示す図である。図3は、本実施の形態における溶接電流と溶接電圧の他の出力特性を示す図である。なお、図2、図3において、初期溶接設定電流をA1、初期溶接設定電圧をV1とする。初期溶接設定電流や初期溶接設定電圧は、溶接装置を操作する操作者が、溶接装置に設けられた初期条件設定部8により設定するものである。
また、図2の出力特性Aと出力特性Bと出力特性C、および図3の出力特性Dと出力特性Eは、溶接装置1の出力特性を示すものである。そして、出力特性Aは、初期溶接設定電流A1と初期溶接設定電圧V1を通る直線状の出力特性であり、基本となる出力特性である。また、出力特性Bと出力特性C、および出力特性Dと出力特性Eは、後述するように、基本となる出力特性Aを平行移動した状態の出力特性を示すものである。そして、出力特性は、溶接装置に備えられた記憶部7に数式として記憶されており、出力特性設定部6により切片が変更されることで、傾きを変更せずに平行移動されるものである。
また、図2において、アーク特性K1とアーク特性K2とアーク特性K3とアーク特性K4は、各々、アーク長L1とアーク長L2とアーク長L3とアーク長L4となる場合の電流と電圧の関係を示すものである。そして、アーク長L1は、操作者により設定された初期溶接設定電流や初期溶接設定電圧の場合のアーク長であり、これを適正なアーク長とする。
アーク長L2は、アーク長L1より短い。また、アーク長L3は、アーク長L2より長くアーク長L1より短い。また、アーク長L4は、アーク長L2およびアーク長L3より長くアーク長L1より短い。
また、図3において、アーク特性K1とアーク特性K5とアーク特性K6とアーク特性K7は、各々、アーク長L1とアーク長L5とアーク長L6とアーク長L7となる場合の電流と電圧の関係を示すものである。そして、アーク長L1は、図2と同様に、操作者により設定された初期溶接設定電流や初期溶接設定電圧の場合のアーク長であり、これを適切なアーク長とする。
アーク長L5は、アーク長L1より長い。また、アーク長L6は、アーク長L5より短くアーク長L1より長い。また、アーク長L7は、アーク長L5及びアーク長L6より短くアーク長L1より長い。
以下、本実施の形態の溶接制御方法について説明する。なお、本来は、初期溶接設定電流と初期溶接設定電圧となるように溶接出力を制御して適正なアーク長で溶接を行うことが基本である。しかし、何らかの影響でアーク長が適正な長さでなくなった場合には、後述するような制御を行って、アーク長を早期に適正なアーク長にするものである。
まず、何らかの影響でアーク長が適正な長さから短くなった場合を図2を用いて説明する。
図2に示すように、溶接出力電流が初期溶接設定電流A1と略同一値であり、溶接出力電圧が初期溶接設定電圧V1と略同一値で溶接している状態P1(適正なアーク長L1とする)から、例えば手振れなどの外乱によってアーク長が短くなった(短いアーク長L2とする)場合、出力特性Aとアーク特性K1との交点である状態P1から出力特性Aとアーク特性K2との交点である状態P2へと移動する。これにより、溶接出力電流はA1からA2へと高くなり、溶接出力電圧はV1からV2へと低くなる。この場合、アーク長は、アーク特性K1に基づく適正なアーク長L1から、アーク長L1よりも短いアーク特性K2に基づくアーク長L2になっている。この短いアーク長L2の状態から適正なアーク長L1に戻す場合、背景技術で説明したような自己制御作用におけるアーク長の復帰、すなわち、出力特性A上を状態が移動する復帰では、復帰までに時間がかかる。
そのため、本実施の形態の溶接制御方法では、初期溶接設定電圧V1と、それより低くなった溶接出力電圧V2との差に応じて目標溶接設定電圧を高くする。すなわち、出力特性を平行移動している。そして、目標溶接設定電圧になるように溶接出力を制御する。このように、溶接出力電圧と溶接出力電流を高くすることで積極的にワイヤ6を含む溶接部に入熱を与えてワイヤ6の溶融を増加させて早期に適正なアーク長L1となるようにする。
なお、目標溶接設定電圧は、初期溶接設定電圧V1と溶接出力電圧との差だけ初期溶接設定電圧V1から大きくした値としてもよい。また、初期溶接設定電圧V1と溶接出力電圧との差よりも小さい量だけ初期溶接設定電圧V1から大きくした値としてもよい。あるいは、初期溶接設定電圧V1と溶接出力電圧との差よりも大きい量だけ初期溶接設定電圧V1から大きくした値としてもよい。
例えば、初期溶接設定電圧V1と溶接出力電圧との差に応じて目標溶接設定電圧を初期溶接設定電圧V1より高いV3へと変更し(V3=V1+△V3)、これに伴い出力特性を出力特性Aから出力特性Bに変化させる。これにより、出力特性A上の状態P2から出力特性B上の状態P3’を経由して状態P3に移動する。したがって、溶接出力電流はA2からA3に増加し、溶接出力電圧はV2からV3’に増加する。アーク長は、L2からL2よりも長いL3へ短い時間で長くなり、適正な状態P1におけるアーク長L1に近づく。
次に、初期溶接設定電圧V1と溶接出力電圧との差に応じて目標溶接設定電圧をV3からV4に変更し(V4=V1+△V4)、出力特性を出力特性Bから出力特性Cに変化させる。これにより、出力特性B上の状態P3から出力特性C上の状態P4’を経由して状態P4に移動する。したがって、溶接出力電流はA3からA4に低下し、溶接出力電圧はV3’からV4’に増加する。アーク長は、L3からL3よりも長いL4へ短い時間で長くなり、適正な状態P1のアーク長L1へさらに近づく。
上記一連の動作において、出力特性を出力特性Aのまま変化させない場合と比較して、出力特性を出力特性Bへさらに出力特性Cへと変化させた場合、溶接出力電圧と溶接出力電流を高めて入熱を高めているのでアーク長がL2からL3へ、さらにL4へと短い時間で長くなる。このようにして、出力特性が出力特性Aに近づくように出力特性の平行移動を複数回繰り返してアーク長を適正なアーク長L1に近づけていく。すなわち、出力特性Cから図示していない別の複数の出力特性への平行移動を複数回繰り返す。しかし、1回の平行移動で適正なアーク長に近づけてもよい。
このように、出力特性の変化を繰り返すことで、出力特性を出力特性Aから変化させない図5の場合と比較して、出力特性を出力特性Aから出力特性Bさらに出力特性Cのように複数回変化させた場合の方が、より早く適正な状態P1のアーク長L1に復帰することができる。
次に、何らかの影響でアーク長が適正な長さから長くなった場合を図3を用いて説明する。
この場合の制御は前述の逆に制御すれば良い。すなわち、図3に示すように、溶接出力電流が初期溶接設定電流A1と略同一値であり、溶接出力電圧が初期溶接設定電圧V1と略同一値で溶接している状態P1(適正なアーク長L1とする)から、例えば手振れなどの外乱によってアーク長が長くなった(長いアーク長L5とする)場合、出力特性Aとアーク特性K1との交点である状態P1から出力特性Aとアーク特性K5との交点である状態P7へと移動する。これにより、溶接出力電流はA1からA5へと低くなり、溶接出力電圧はV1からV5へと高くなる。この場合、アーク長は、アーク特性K1に基づく適正なアーク長L1から、アーク長L1よりも長いアーク特性K5に基づくアーク長L5になっている。この長いアーク長L5の状態から適正なアーク長L1に戻す場合、背景技術で説明したような自己制御作用におけるアーク長の復帰、すなわち、出力特性A上を状態が移動する復帰では、復帰までに時間がかかる。
そのため、本実施の形態の溶接制御方法では、初期溶接設定電圧V1と、それより高くなった溶接出力電圧V5との差に応じて目標溶接設定電圧を低くする。すなわち、出力特性を平行移動している。そして、目標溶接設定電圧になるように溶接出力を制御する。このように、溶接出力電圧と溶接出力電流を低くすることで積極的にワイヤ6を含む溶接部に与える入熱を抑えてワイヤ6の溶融を減少させ、早期に適正なアーク長L1となるようにする。
なお、目標溶接設定電圧は、初期溶接設定電圧V1と溶接出力電圧との差だけ初期溶接設定電圧V1から小さくした値としてもよい。また、初期溶接設定電圧V1と溶接出力電圧との差よりも小さい量だけ初期溶接設定電圧V1から小さくした値としてもよい。あるいは、初期溶接設定電圧V1と溶接出力電圧との差よりも大きい量だけ初期溶接設定電圧V1から小さくした値としてもよい。
例えば、初期溶接設定電圧V1と溶接出力電圧との差に応じて目標溶接設定電圧を初期溶接設定電圧V1より低いV6へと変更し(V6=V1−ΔV6)、これに伴い出力特性を出力特性Aから出力特性Dに変化させる。これにより、出力特性A上の状態P7から出力特性D上の状態P8’を経由して状態P8に移動する。したがって、溶接出力電流はA5からA6に減少し、溶接出力電圧はV5からV6´に減少する。アーク長は、L5からL5よりも短いL6へ短い時間で短くなり、適正な状態P1におけるアーク長L1に近づく。
次に、初期溶接設定電圧V1と溶接出力電圧との差に応じて目標溶接設定電圧をV6からV7に変更し(V7=V1+ΔV7)、出力特性を出力特性Dから出力特性Eに変化させる。これにより、出力特性D上の状態P8から出力特性E上の状態P9’を経由して状態P9に移動する。したがって、溶接出力電流はA6からA7に増加し、溶接出力電圧はV6´からV7´に減少する。アーク長は、L6からL6よりも短いL7へ短い時間で短くなり、適正な状態P1のアーク長L1へさらに近づく。
上記一連の動作において、出力特性を出力特性Aから変化させない場合と比較して、出力特性を出力特性Dへさらに出力特性Eへと変化させた場合、溶接出力電圧値と溶接出力電流を低めて入熱を低めているのでアーク長がL5からL6へ、さらにL7へと短い時間で短くなる。このようにして、出力特性が出力特性Aに近づくように出力特性の平行移動を複数回繰り返してアーク長を適正なアーク長L1に近づけていく。すなわち、出力特性Eから図示していない別の複数の出力特性への平行移動を複数回繰り返す。しかし、1回の平行移動で適正なアーク長に近づけてもよい。
このように、出力特性の変化を繰り返すことで、出力特性を出力特性Aから変化させない図5の場合と比較して、出力特性を出力特性Aから出力特性Dさらに出力特性Eのように複数回変化させた場合の方が、より早く適正な状態P1のアーク長L1に復帰することができる。
このように、本実施の形態の溶接制御方法は、前述したように、溶接出力電圧が初期溶接設定電圧より高い場合には、目標溶接設定電圧を低くする方向へ変更し、溶接出力電圧が初期溶接設定電圧より低い場合には目標溶接設定電圧を高くする方向へ変更する。
次に、パルスアーク溶接においてアーク長を調整する場合の例について説明する。この場合も、溶接装置は、溶接出力電圧と溶接出力電流の関係を示す所定の傾きの出力特性を有する。
上記制御をパルスアーク溶接に適用し、ある時点のパルスの直前のパルス溶接電圧出力とこの直前のパルスの前に出力した複数のパルスの溶接電圧出力との差に応じて溶接設定電圧を高くする方向あるいは溶接設定電圧を低くする方向へ変更するようにしても良い。
なお、パルスアーク溶接では、溶接中に複数の溶接パルスを出力するが、あるパルスを出力するに際して、溶接中に前記あるパルスの波形を決定し、その波形を出力するように溶接出力を制御している。
例えば、パルスアーク溶接中におけるある時点を起点として、直前の1パルスの平均電圧とさらにその1パルスの直前の10パルスの平均電圧を比較し、直前の1パルスの平均電圧が低い場合には、図2の状態P1から状態P2に変化した場合と同様であるので、前述したように設定電圧を増加させることで状態P3に移動させる。そして、これにより、短くなったアーク長L2からアーク長L3にアーク長を積極的に長くし、さらに上述したように出力特性の平行移動を繰り返すことで、早期に適正なアーク長L1に復帰させるようにしてもよい。なお、直前の1パルスの平均電圧が高い場合には、低い場合と逆の制御を行えばよい。
さらに、パルスアーク溶接において、溶接設定電圧の変更とともに、ベース電流とピーク電流の少なくとも一方の大きさを変更するように制御してもよい。
ここで、溶接設定電圧を高くする方法としては、パルス周波数を高くする方法やパルス幅を広くする方法がある。しかし、いずれも、パルス周期中に占める時間の割合が少ないので、溶接出力電圧が変化するのに時間がかかる。特に、パルス周波数を変える場合は電流が低くなることに伴いパルス周期が長くなるので、さらに時間がかかり、アーク長が変化するのに時間がかかる。
例えば、溶接出力電流が100Aの場合、パルス周期は約10msec(パルス周波数が概ね100Hz)、パルス幅は約2.0msec程度である。それぞれが大きく変化しても、パルス周期は±2msec、パルス幅は±0.4msecであり±20%しか変化しない。一方、ベース電流が流れる時間は8msecであるため、ベース電流の大きさを調整すると80%変化する。そして、ピーク電流が流れる時間を合わせると100%変化させることができ、溶接電圧を大きく変更することが可能となり、アーク長の早期の調整に有効である。
なお、同様の結果をパルス周波数あるいはパルス幅の調整で得るには、±20%よりもさらに大きくする必要があるが、パルス周波数あるいはパルス幅を大きく変更すると、適正な溶滴移行の状態が乱れる。つまり、スラグや金属粒などのスパッタが増加しアーク不安定の要因となる。このため、溶滴移行を安定したまま、アーク長を元の適正な状態に早期に復帰させる必要がある。これを実現するための制御について図4を用いて説明する。
例えば、あるタイミングT1で目標溶接設定電圧に対して溶接出力電圧が低い場合に、次のパルスで目標溶接設定電圧を高くする場合で、次のパルスピーク電流を△IP増加させる、あるいは、次のベース電流を△IB増加させる、あるいは、次のパルスピーク電流と次のベース電流の両方を増加させる。これにより、パルス周波数やパルス幅を大きく変化させることはないので、溶滴移行を乱すことがなく、溶接電圧を高めてアーク長を長くできる。これにより、スパッタの増加を抑制し、アーク長を元の適正な状態に早期に復帰させることができる。
次に、電圧に代えて、電流に基づいてアーク長を調整する例について説明する。上記実施の形態では、初期溶接設定電圧と溶接出力電圧との差に応じて目標溶接設定電圧を変更する例を示したが、初期溶接設定電流と溶接出力電流との差に応じて目標溶接設定電流を高くする方向あるいは溶接設定電流を低くする方向へ出力特性を変更するようにしてもよい。
これは、前述した溶接出力電圧の変化に応じて制御するパラメータの対象を初期溶接設定電圧から初期溶接設定電流に置き換えたものである。なお、溶接電圧と溶接電流の関係は1対1で対応しているため、置き換えることは容易であり、電圧の場合と同様の効果を得ることができる。
そして、溶接出力電流が初期溶接設定電流より低い場合には、目標溶接設定電流を高くする方向へ出力特性を変更するように制御し、溶接出力電流が初期溶接設定電流より高い場合には、目標溶接設定電流を低くする方向へ出力特性を変更するように制御する。
以上説明してきたように、本発明は、ワークの位置ズレの発生やワーク精度が良くない場合にワーク間に介在するギャップ等によりアーク長が一定でなくなり変化すること、また、溶接作業者の手振れ等の外乱によって発生するアーク長の変化に対して、早期にアーク長を安定化させ、安定した溶滴移行を可能とする。すなわち、外乱によってアーク長が不安定になっても溶滴移行を安定させた状態で、早期にアーク長を元の適正なアーク長に復帰することができるので、良好なビードを得ることができる。これにより、不規則な短絡発生を抑制しスパッタを抑制できるため、生産性向上及び溶接品質向上を実現することができる。
本発明の溶接制御方法は、安定した溶滴移行の状態で早期にアーク長を安定化させることが可能となるので、不規則な短絡発生を抑制しスパッタを抑制できる。したがって、生産性向上及び溶接品質向上を実現することができるので、アーク溶接を行う溶接制御方法として有用である。
1 溶接装置
2 出力制御部
3 溶接電圧検出部
4 溶接電流検出部
5 駆動司令部
6 出力特性設定部
7 記憶部
8 初期条件設定部
9 溶接用ワイヤ
10 ワイヤ送給装置
11 トーチ
12 母材
13 アーク

Claims (11)

  1. 溶接出力電圧と溶接出力電流の関係を示す所定の傾きの出力特性を有する溶接装置の溶接制御方法であって、
    初期溶接設定電圧と前記溶接出力電圧との差に応じて、前記初期溶接設定電圧よりも高い目標溶接設定電圧を設定し、または、前記初期溶接設定電圧よりも低い前記目標溶接設定電圧を設定することで、前記溶接出力電圧が前記目標溶接設定電圧となるように制御する溶接制御方法。
  2. 前記溶接出力電圧が前記初期溶接設定電圧より高い場合には、前記目標溶接設定電圧を低くする方向へ変更し、前記溶接出力電圧が前記初期溶接設定電圧より低い場合には、前記目標溶接設定電圧を高くする方向へ変更する請求項1記載の溶接制御方法。
  3. 前記目標溶接設定電圧は、前記初期溶接設定電圧と前記溶接出力電圧との差よりも小さい量だけ前記初期溶接設定電圧から大きくした、または、小さくした値である請求項1記載の溶接制御方法。
  4. 溶接出力電圧と溶接出力電流の関係を示す所定の傾きの出力特性を有する溶接装置の溶接制御方法であって、
    溶接中のある時点のパルスの直前のパルス溶接出力電圧と前記直前のパルスの前に出力した複数のパルス溶接出力電圧との差に応じて、初期溶接設定電圧よりも高い目標溶接設定電圧を設定し、または、前記初期溶接設定電圧よりも低い前記目標溶接設定電圧を設定することで、前記溶接出力電圧が前記目標溶接設定電圧となるように制御する溶接制御方法。
  5. 前記溶接中のある時点のパルスの直前のパルス溶接出力電圧の平均値と前記直前のパルスの前に出力した複数のパルス溶接出力電圧の平均値との差に応じて、前記目標溶接設定電圧を設定する請求項4記載の溶接制御方法。
  6. 前記溶接中のある時点のパルスの直前のパルス溶接出力電圧の平均値が、前記直前のパルスの前に出力した複数のパルス溶接出力電圧の平均値より高い場合には前記目標溶接設定電圧を前記初期溶接設定電圧より低くし設定し、低い場合には目標溶接設定電圧を前記初期溶接設定電圧より高く設定する請求項4記載の溶接制御方法。
  7. 前記目標溶接設定電圧の変更とともにパルス溶接ベース電流とピーク電流の少なくとも一方の大きさを変更する請求項1から6のいずれか1項に記載の溶接制御方法。
  8. 前記目標溶接設定電圧に対して前記溶接出力電圧が低い場合には、前記パルス溶接ピーク電流のピーク電流値を増加させる、および、前記パルス溶接ベース電流のベース電流値を増加させる、のうち少なくとも一方を行なう請求項7記載の溶接制御方法。
  9. 溶接出力電圧と溶接出力電流の関係を示す所定の傾きの出力特性を有する溶接装置の溶接制御方法であって、
    初期溶接設定電流と溶接出力電流との差に応じて、前記初期溶接設定電圧よりも高い目標溶接設定電流を設定し、または、前記初期溶接設定電流よりも低い目標溶接設定電流を設定することで、前記溶接出力電流が前記目標溶接設定電流となるように制御する溶接制御方法。
  10. 前記溶接出力電流が前記初期溶接設定電流より高い場合には、前記目標溶接設定電流を前記初期溶接設定電流よりも低くする方向へ変更し、前記溶接出力電流が前記初期溶接設定電流より低い場合には、前記目標溶接設定電流を高くする方向へ変更する請求項9記載の溶接制御方法。
  11. 前記目標溶接設定電流は、前記初期溶接設定電流と前記溶接出力電流との差よりも小さい量だけ前記初期溶接設定電流から大きくした、または、小さくした値である請求項9記載の溶接制御方法。
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