JPWO2010107040A1 - Npyy5受容体拮抗剤を含有する固形製剤 - Google Patents
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Abstract
NPYY5受容体拮抗剤が製剤中に高含量含有されていても、NPYY5受容体拮抗剤の水溶解度を改善することができる製剤を提供する。NPYY5受容体拮抗剤、カルボキシメチルエチルセルロース、所望により非晶質化誘導剤を含有する固形製剤であれば、NPYY5受容体拮抗剤の溶出性を改善することができた。
Description
本発明は、NPYY5受容体拮抗剤の水溶解性を改善するための製剤に関する。詳しくは、非晶質安定化剤としてカルボキシメチルエチルセルロースを含有することを特徴とする、トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドの固形製剤に関する。
ニューロペプチドY(以下、NPYとする)は、36個のアミノ酸残基からなるペプチドで、1982年に豚の脳から分離された。NPYはヒトおよび動物の中枢神経系および末梢組織に広く分布している。
これまでの報告において、NPYは中枢神経系においては摂食促進作用、抗痙攣作用、学習促進作用、抗不安作用、抗ストレス作用等を有していることが判明しており、さらにうつ病、アルツハイマー型痴呆、パーキンソン病等の中枢神経系疾患に深く関与している可能性もある。また、末梢組織においては、NPYは血管等の平滑筋や心筋の収縮を引き起こすため、循環器系障害にも関与していると考えられる。さらには肥満症、糖尿病、ホルモン異常等の代謝性疾患にも関与していることが知られている(Trends in Pharmacological Sciences, Vol.15, 153(1994))。従って、NPY受容体拮抗剤は上記のようなNPY受容体が関与する種々の疾患に対する予防または治療薬となる可能性がある。
NPY受容体には、現在までにY1、Y2、Y3、Y4、Y5およびY6のサブタイプが発見されている(Trends in Pharmacological Sciences, Vol.18, 372(1997))。Y5受容体は少なくとも摂食機能に関与しており、その拮抗剤は抗肥満薬になることが示唆されている(Peptides, Vol.18, 445(1997))。
これまでの報告において、NPYは中枢神経系においては摂食促進作用、抗痙攣作用、学習促進作用、抗不安作用、抗ストレス作用等を有していることが判明しており、さらにうつ病、アルツハイマー型痴呆、パーキンソン病等の中枢神経系疾患に深く関与している可能性もある。また、末梢組織においては、NPYは血管等の平滑筋や心筋の収縮を引き起こすため、循環器系障害にも関与していると考えられる。さらには肥満症、糖尿病、ホルモン異常等の代謝性疾患にも関与していることが知られている(Trends in Pharmacological Sciences, Vol.15, 153(1994))。従って、NPY受容体拮抗剤は上記のようなNPY受容体が関与する種々の疾患に対する予防または治療薬となる可能性がある。
NPY受容体には、現在までにY1、Y2、Y3、Y4、Y5およびY6のサブタイプが発見されている(Trends in Pharmacological Sciences, Vol.18, 372(1997))。Y5受容体は少なくとも摂食機能に関与しており、その拮抗剤は抗肥満薬になることが示唆されている(Peptides, Vol.18, 445(1997))。
このNPYY5受容体拮抗剤としては、国際公開パンフレットWO01/37826、WO03/076374に記載の化合物が例示され、特にトランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドは、高い抗肥満効果を示す。本薬物は、経口投与されるが、本発明者らの検討によれば、水溶解度は低く、消化管で薬物が十分に溶解しないために吸収量が低下することが明らかとなった。このような薬物では、投与量が増すに従い薬物の吸収率が低下し、摂食時の消化活動(消化管の収縮運動による機械的刺激、消化液分泌量の増加、消化管滞留時間の延長など)によって空腹時に比べて吸収率が変動しやすいために、期待する治療効果が得られなかったり、あるいは思わぬ有害事象を引き起こしたりすることがある。このため、特に、固形製剤からの薬物の溶出速度を高めることは、経口投与製剤を開発する上で重要である。
固形製剤中の難水溶性薬物の水に対する溶解性を改善する手段の一つとして、固体状態の基剤中に薬物分子が均一に分散し、薬物分子が結晶を形成しない状態(非晶質)である固体分散体が用いられる。このような固体分散体として、薬物、非晶質安定化剤および非晶質化誘導剤を含有する製剤が検討されている。例えば、特許文献1には、塩酸ニカルジピン、非晶質化誘導剤として15重量%の尿素および非晶質化安定化剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロースを含有した製剤を加熱またはメカノケミカル処理することを特徴とする固体分散体が開示されている。また、特許文献2には、塩酸エホニジピン、非晶質化誘導剤として11重量%の尿素および非晶質安定化剤としてヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートを含有した製剤を加熱またはメカノケミカル処理することを特徴とする固体分散体が開示されている。さらに、非特許文献1には、ニフェジピン、ポリビニルピロリドンおよび7重量%の尿素を含有した固体分散体が開示されている。
しかし、特許文献1、2の固体分散体は、製造方法が高温加熱またはメカノケミカル処理という薬物にとっては過度の負荷を与える方法であり、薬物が分解する恐れがある。また、特許文献3において、塩酸エホニジピン、特許文献4において、シクロスポリンA、特許文献5において、ビカルタミド、特許文献6において、アミフォスチン、特許文献7において、イトコナゾール、特許文献8において、6−ヒドロキシ−5,7−ジメチル−2−メチルアミノ−4−(3−ピリジルメチル)ベンゾチアゾール、非特許文献1において、ニフェジピン、非特許文献2において、4″−O−(4−メトキシフェニル)アセチルタイロシンの水溶解度が増大していることが記載されているが、薬物によって、最適な非晶質安定化剤、非晶質化誘導剤の種類や最適配合量は必ずしも同じではない。また、特許文献9には、難水溶性薬物の固体分散体が記載されているが、本発明の固形製剤に配合されるNPYY5受容体拮抗剤の製剤は、具体的に記載されていない。
なお、本出願人により、NPYY5受容体拮抗剤の固形製剤が特許出願されているが、カルボキシメチルエチルセルロースは使用されていない(PCT/JP2008/066818号)。
なお、本出願人により、NPYY5受容体拮抗剤の固形製剤が特許出願されているが、カルボキシメチルエチルセルロースは使用されていない(PCT/JP2008/066818号)。
平成17年度創薬等ヒューマンサイエンス研究重点研究報告書 第3分野 課題番号KH31024(発行日:2006年7月31日)
薬剤学Vol.53,No.4,p.221−228
従って、NPYY5受容体拮抗剤、特にトランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドの溶解性を改善した新規な固形製剤の開発が求められていた。
そこで、本発明者らは鋭意検討し、NPYY5受容体拮抗剤の固形製剤において、カルボキシメチルエチルセルロース(以下CMECとも言う)を含有し、所望により非晶質化誘導剤を含有させれば、NPYY5受容体拮抗剤、特にトランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドの溶解性を改善できることを見出した。
すなわち、本発明は、
(1)式(I):
[式中、R1は置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよいシクロアルキルまたは置換基を有していてもよいアリールであり、
R2は水素または低級アルキルであり、
R1およびR2は一緒になって低級アルキレンを形成してもよく、
nは1または2であり、
Xは
置換基を有していてもよい低級アルキレン、
置換基を有していてもよい低級アルケニレン、
置換基を有していてもよい−CO−低級アルキレン、
置換基を有していてもよい−CO−低級アルケニレンまたは
(式中、R3、R4、R5およびR6は各々独立して水素または低級アルキルであり、
は置換基を有していてもよいシクロアルキレン、置換基を有していてもよいシクロアルケニレン、置換基を有していてもよいビシクロアルキレン、置換基を有していてもよいアリーレンまたは置換基を有していてもよいヘテロ環ジイルであり、pおよびqは各々独立して0または1である)
であり、
−NR2−X−は
(式中、
はピペリジンジイル、ピペラジンジイル、ピリジンジイル、ピラジンジイル、ピロリジンジイルまたはピロールジイルであり、Uは単結合、低級アルキレンまたは低級アルケニレンである)であってもよく、
YはOCONR7、CONR7、CSNR7、NR7COまたはNR7CSであり、
R7は水素または低級アルキルであり、
Zは置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよいアミノ、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよい炭化水素環式基、置換基を有していてもよいヘテロ環式基である]
で示される化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物およびカルボキシメチルエチルセルロースを含有することを特徴とする固形製剤。
(2)式(I):
(式中、Xが
であり、
がヘテロ環ジイルであり、R1が置換基を有していてもよい炭素数3〜10のアルキル
または置換基を有していてもよい炭素数5〜6のシクロアルキルであり、その他の記号は
上記(1)と同義)
で示される化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物およびカルボキシメチルエチルセルロースを含有する上記(1)記載の固形製剤、
(3)
(式中、R1は低級アルキル、
R2は水素又は低級アルキル、
Zは置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよいアミノ、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよい炭化水素環式基又は置換基を有していてもよいヘテロ環式基)で示される化合物、その製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物およびカルボキシメチルエチルセルロースを含有する上記(1)記載の固形製剤、
(4)当該製剤中の式(I)で示される化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の含有量が5〜50重量%である上記(1)から(3)のいずれかに記載の固形製剤、
(5)当該製剤中の式(I)で示される化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の含有量が15〜30重量%である上記(4)記載の固形製剤、
(6)当該製剤中の式(I)で示される化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の含有量が25〜30重量%である上記(4)記載の固形製剤、
(7)当該製剤中の式(I)で示される化合物がトランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドである、上記(1)から(6)のいずれかに記載の固形製剤、
(8)5〜50重量%のトランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドおよび50〜95重量%のカルボキシメチルエチルセルロースを含有する上記(7)記載の固形製剤、
(9)15〜30重量%のトランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドおよび70〜85重量%のカルボキシメチルエチルセルロースを含有する上記(7)記載の固形製剤、
(10)25〜30重量%のトランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドおよび70〜75重量%のカルボキシメチルエチルセルロースを含有する上記(7)記載の固形製剤。
(11)トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドおよびカルボキシメチルエチルセルロースの配合割合が1:1〜1:19である、上記(1)から(10)のいずれかに記載の固形製剤、
(12)トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドおよびカルボキシメチルエチルセルロースの配合割合が1:2.33〜1:5.67である、上記(11)記載の固形製剤、
(13)トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドおよびカルボキシメチルエチルセルロースの配合割合が1:2.33〜1:3である、上記(11)記載の固形製剤、
(14)さらに非晶質化誘導剤を含有する上記(1)から(13)のいずれかに記載の固形製剤、
(15)非晶質化誘導剤がアミノ酸もしくはその塩、アスパルテーム、エリソルビン酸若しくはその塩、アスコルビン酸若しくはその塩、ステアリン酸エステル、アミノエチルスルホン酸、イノシトール、エチル尿素、クエン酸若しくはその塩、グリチルリチン酸若しくはその塩、グルコン酸若しくはその塩、クレアチニン、サリチル酸若しくはその塩、酒石酸若しくはその塩、コハク酸若しくはその塩、酢酸カルシウム、サッカリンナトリウム、水酸化アルミニウム、ソルビン酸若しくはその塩、デヒドロ酢酸若しくはその塩、チオリンゴ酸ナトリウム、ニコチン酸アミド、尿素、フマル酸若しくはその塩、マクロゴール類、マルトース、マルトール、マンニトール、メグルミン、デスオキシコール酸ナトリウムおよびホスファチジルコリンからなる群から選択される1または2以上である上記(14)記載の固形製剤、
(16)非晶質化誘導剤が尿素である上記(14)記載の固形製剤、
(17)当該製剤中の非晶質化誘導剤の含有量が8重量%未満である上記(14)から(16)のいずれかに記載の固形製剤、
(18)当該製剤中の非晶質化誘導剤の含有量が0.1〜6重量%である上記(17)記載の固形製剤、
(19)当該製剤中の非晶質化誘導剤の含有量が2〜4重量%である上記(17)記載の固形製剤、
(20)非晶質化誘導剤を含有しない上記(1)から(13)のいずれかに記載の固形製剤、
(21)固体分散体である上記(1)から(20)のいずれかに記載の固形製剤、
(22)噴霧乾燥法によって得られる、上記(1)から(21)のいずれかに記載の固形製剤、
(23)上記(1)から(22)のいずれかに記載の固形製剤を含有する錠剤、
(24)1錠あたりの重量が450〜550mgである上記(23)記載の錠剤、
(25)噴霧乾燥法によって、上記(22)の固形製剤を製造する方法、
(26)トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドを含有する固形製剤中に、カルボキシメチルエチルセルロースを添加することを特徴とする、当該薬物の溶解性を改善する方法、
(27)トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドおよびカルボキシメチルエチルセルロースを含有する固形製剤中に、非晶質化誘導剤を添加することを特徴とする、当該薬物の溶解性を改善する方法、
(28)カルボキシメチルエチルセルロースを含有することによって、日本薬局方溶出試験法の溶出試験第2液における試験開始60分後のトランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドの溶出率を60%以上とし、かつ180分後で溶出率70%以上に制御する方法、
に関する。
(1)式(I):
[式中、R1は置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよいシクロアルキルまたは置換基を有していてもよいアリールであり、
R2は水素または低級アルキルであり、
R1およびR2は一緒になって低級アルキレンを形成してもよく、
nは1または2であり、
Xは
置換基を有していてもよい低級アルキレン、
置換基を有していてもよい低級アルケニレン、
置換基を有していてもよい−CO−低級アルキレン、
置換基を有していてもよい−CO−低級アルケニレンまたは
(式中、R3、R4、R5およびR6は各々独立して水素または低級アルキルであり、
は置換基を有していてもよいシクロアルキレン、置換基を有していてもよいシクロアルケニレン、置換基を有していてもよいビシクロアルキレン、置換基を有していてもよいアリーレンまたは置換基を有していてもよいヘテロ環ジイルであり、pおよびqは各々独立して0または1である)
であり、
−NR2−X−は
(式中、
はピペリジンジイル、ピペラジンジイル、ピリジンジイル、ピラジンジイル、ピロリジンジイルまたはピロールジイルであり、Uは単結合、低級アルキレンまたは低級アルケニレンである)であってもよく、
YはOCONR7、CONR7、CSNR7、NR7COまたはNR7CSであり、
R7は水素または低級アルキルであり、
Zは置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよいアミノ、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよい炭化水素環式基、置換基を有していてもよいヘテロ環式基である]
で示される化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物およびカルボキシメチルエチルセルロースを含有することを特徴とする固形製剤。
(2)式(I):
(式中、Xが
であり、
がヘテロ環ジイルであり、R1が置換基を有していてもよい炭素数3〜10のアルキル
または置換基を有していてもよい炭素数5〜6のシクロアルキルであり、その他の記号は
上記(1)と同義)
で示される化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物およびカルボキシメチルエチルセルロースを含有する上記(1)記載の固形製剤、
(3)
(式中、R1は低級アルキル、
R2は水素又は低級アルキル、
Zは置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよいアミノ、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよい炭化水素環式基又は置換基を有していてもよいヘテロ環式基)で示される化合物、その製薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物およびカルボキシメチルエチルセルロースを含有する上記(1)記載の固形製剤、
(4)当該製剤中の式(I)で示される化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の含有量が5〜50重量%である上記(1)から(3)のいずれかに記載の固形製剤、
(5)当該製剤中の式(I)で示される化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の含有量が15〜30重量%である上記(4)記載の固形製剤、
(6)当該製剤中の式(I)で示される化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の含有量が25〜30重量%である上記(4)記載の固形製剤、
(7)当該製剤中の式(I)で示される化合物がトランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドである、上記(1)から(6)のいずれかに記載の固形製剤、
(8)5〜50重量%のトランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドおよび50〜95重量%のカルボキシメチルエチルセルロースを含有する上記(7)記載の固形製剤、
(9)15〜30重量%のトランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドおよび70〜85重量%のカルボキシメチルエチルセルロースを含有する上記(7)記載の固形製剤、
(10)25〜30重量%のトランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドおよび70〜75重量%のカルボキシメチルエチルセルロースを含有する上記(7)記載の固形製剤。
(11)トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドおよびカルボキシメチルエチルセルロースの配合割合が1:1〜1:19である、上記(1)から(10)のいずれかに記載の固形製剤、
(12)トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドおよびカルボキシメチルエチルセルロースの配合割合が1:2.33〜1:5.67である、上記(11)記載の固形製剤、
(13)トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドおよびカルボキシメチルエチルセルロースの配合割合が1:2.33〜1:3である、上記(11)記載の固形製剤、
(14)さらに非晶質化誘導剤を含有する上記(1)から(13)のいずれかに記載の固形製剤、
(15)非晶質化誘導剤がアミノ酸もしくはその塩、アスパルテーム、エリソルビン酸若しくはその塩、アスコルビン酸若しくはその塩、ステアリン酸エステル、アミノエチルスルホン酸、イノシトール、エチル尿素、クエン酸若しくはその塩、グリチルリチン酸若しくはその塩、グルコン酸若しくはその塩、クレアチニン、サリチル酸若しくはその塩、酒石酸若しくはその塩、コハク酸若しくはその塩、酢酸カルシウム、サッカリンナトリウム、水酸化アルミニウム、ソルビン酸若しくはその塩、デヒドロ酢酸若しくはその塩、チオリンゴ酸ナトリウム、ニコチン酸アミド、尿素、フマル酸若しくはその塩、マクロゴール類、マルトース、マルトール、マンニトール、メグルミン、デスオキシコール酸ナトリウムおよびホスファチジルコリンからなる群から選択される1または2以上である上記(14)記載の固形製剤、
(16)非晶質化誘導剤が尿素である上記(14)記載の固形製剤、
(17)当該製剤中の非晶質化誘導剤の含有量が8重量%未満である上記(14)から(16)のいずれかに記載の固形製剤、
(18)当該製剤中の非晶質化誘導剤の含有量が0.1〜6重量%である上記(17)記載の固形製剤、
(19)当該製剤中の非晶質化誘導剤の含有量が2〜4重量%である上記(17)記載の固形製剤、
(20)非晶質化誘導剤を含有しない上記(1)から(13)のいずれかに記載の固形製剤、
(21)固体分散体である上記(1)から(20)のいずれかに記載の固形製剤、
(22)噴霧乾燥法によって得られる、上記(1)から(21)のいずれかに記載の固形製剤、
(23)上記(1)から(22)のいずれかに記載の固形製剤を含有する錠剤、
(24)1錠あたりの重量が450〜550mgである上記(23)記載の錠剤、
(25)噴霧乾燥法によって、上記(22)の固形製剤を製造する方法、
(26)トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドを含有する固形製剤中に、カルボキシメチルエチルセルロースを添加することを特徴とする、当該薬物の溶解性を改善する方法、
(27)トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドおよびカルボキシメチルエチルセルロースを含有する固形製剤中に、非晶質化誘導剤を添加することを特徴とする、当該薬物の溶解性を改善する方法、
(28)カルボキシメチルエチルセルロースを含有することによって、日本薬局方溶出試験法の溶出試験第2液における試験開始60分後のトランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドの溶出率を60%以上とし、かつ180分後で溶出率70%以上に制御する方法、
に関する。
本発明の固形製剤は、製剤からのNPYY5受容体拮抗剤、特にトランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドの溶出を増大させることができる。また、本発明の固形製剤は、好ましくは長期間保存後も非晶質状態が維持された安定な製剤である。さらに好ましくは、製剤(例えば、錠剤)のサイズが小型化され、服用性も改善される。
本発明で使用される主薬のNPYY5受容体拮抗剤は、好ましくは前記式(I)で示される化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物であり、WO01/37826国際公開パンフレット、WO03/076374国際公開パンフレットに記載されている。
本明細書中において、「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を包含する。特にフッ素および塩素が好ましい。
「低級アルキル」とは、炭素数1〜10の直鎖または分枝状のアルキルを包含し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、n−ノニルおよびn−デシル等が挙げられる。
R1における「低級アルキル」は好ましくは炭素数3〜10、さらに好ましくは炭素数3〜6、最も好ましくはイソプロピルまたはt−ブチルである。
その他の場合における「低級アルキル」は好ましくは炭素数1〜6、さらに好ましくは炭素数1〜4である。
Zにおける「置換基を有していてもよい低級アルキル」の置換基としては、例えば、(1)ハロゲン;(2)シアノ;
(3)それぞれ下記に定義する置換基群βから選択される1以上の置換可能な基で置換されていてもよい(i)ヒドロキシ、(ii)低級アルコキシ、(iii)メルカプト、(iv)低級アルキルチオ、(v)アシル、(vi)アシルオキシ、(vii)カルボキシ、(viii)低級アルコキシカルボニル、(ix)イミノ、(x)カルバモイル、(xi)チオカルバモイル、(xii)低級アルキルカルバモイル、(xiii)低級アルキルチオカルバモイル、(xiv)アミノ、(xv)低級アルキルアミノもしくは(xvi)ヘテロ環カルボニルで示される等が挙げられる。
Z以外における「置換基を有していてもよい低級アルキル」(例えばR1における場合等)の置換基としては、置換基群βから選択される1以上の基が挙げられ、任意の位置がこれらの置換基で置換されていてもよい。
置換基群βとはハロゲン、保護されていてもよいヒドロキシ、メルカプト、低級アルコキシ、低級アルケニル、アミノ、低級アルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルチオ、アシル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、シアノ、シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、低級アルキルフェニル、低級アルコキシフェニル、ハロゲノフェニル、ナフチルおよびヘテロ環式基からなる群である。
「低級アルコキシ」、「低級アルコキシカルボニル」、「低級アルコキシカルボニル低級アルキル」、「低級アルキルフェニル」、「低級アルコキシフェニル」、「低級アルキルカルバモイル」、「低級アルキルチオカルバモイル」、「低級アルキルアミノ」、「ハロゲノ低級アルキル」、「ヒドロキシ低級アルキル」、「フェニル低級アルコキシ」、「低級アルキルチオ」、「フェニル低級アルキルチオ」、「低級アルコキシカルボニルアミノ」、「低級アルコキシカルボニル低級アルケニル」、「低級アルキルスルフィニル」、「低級アルキルスルホニル」、「アリール低級アルコキシカルボニル」、「低級アルキルベンゾイル」および「低級アルコキシベンゾイル」の低級アルキル部分は上記「低級アルキル」と同様である。
「置換基を有していてもよい低級アルコキシ」の置換基としては置換基群βから選択される1以上の基が挙げられ、好ましくはフェニル、低級アルキルフェニル、低級アルコキシフェニル、ナフチルまたはヘテロ環式基である。
「シクロアルキル」とは、炭素数3〜8、好ましくは5または6の環状のアルキルを包含する。具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル等が挙げられる。
「置換基を有していてもよいシクロアルキル」の置換基としては、置換基群αから選択される1以上の基等が挙げられ、任意の位置が置換されていてもよい。
「ビシクロアルキル」とは、2つの環が2個またはそれ以上の原子を共有している炭素数5〜8の脂肪族環から水素を1つ除いてできる基を包含する。具体的にはビシクロ[2.1.0]ペンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチルおよびビシクロ[3.2.1]オクチル等が挙げられる。
「低級アルケニル」とは、任意の位置に1以上の二重結合を有する炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜8、さらに好ましくは炭素数3〜6の直鎖または分枝状のアルケニルを包含する。具体的にはビニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、プレニル、ブタジエニル、ペンテニル、イソペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、イソヘキセニル、ヘキサジエニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニルおよびデセニル等を包含する。
「低級アルコキシカルボニル低級アルケニル」における「低級アルケニル」部分は上記「低級アルケニル」と同様である。
「置換基を有していてもよい低級アルケニル」の置換基としては、ハロゲン、低級アルコキシ、低級アルケニル、アミノ、低級アルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルチオ、アシル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、シアノ、シクロアルキル、フェニル、低級アルキルフェニル、低級アルコキシフェニル、ナフチルおよび/またはヘテロ環式基等が挙げられる。
「アシル」とは(1)炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6、最も好ましくは炭素数1〜4の直鎖もしくは分枝状のアルキルカルボニルもしくはアルケニルカルボニル、(2)炭素数4〜9、好ましくは炭素数4〜7のシクロアルキルカルボニルおよび(3)炭素数7〜11のアリールカルボニルを包含する。具体的には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、アクリロイル、プロピオロイル、メタクリロイル、クロトノイル、シクロプロピルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロオクチルカルボニルおよびベンゾイル等を包含する。
「アシルオキシ」のアシル部分も上記と同様である。
「シクロアルケニル」とは、上記シクロアルキルの環中の任意の位置に1以上の二重結合を有しているものを包含し、具体的にはシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルおよびシクロヘキサジエニル等が挙げられる。
「置換基を有していてもよいシクロアルケニル」の置換基としては置換基群βから選択される1以上の基が挙げられる。
「置換基を有していてもよいアミノ」の置換基としては、置換基群β、置換基を有していてもよいベンゾイルおよび/または置換基を有していてもよいヘテロ環カルボニル(ここで置換基とはヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシおよび/または低級アルキルチオ)が挙げられる。
「アリール」とは、単環または多環の芳香族炭素環式基であり、フェニル、ナフチル、アントリルおよびフェナントリル等を包含する。また、他の非芳香族炭化水素環式基と縮合しているアリールも包含し、具体的にはインダニル、インデニル、ビフェニリル、アセナフチル、テトラヒドロナフチルおよびフルオレニル等が挙げられる。特にフェニルが好ましい。
「アリール低級アルコキシカルボニル」のアリール部分も同様である。
Zにおける「置換基を有していてもよいアリール」および「置換基を有していてもよいフェニル」は、置換基群α、置換基群αから選択される置換可能な1以上の基で置換されていてもよい低級アルキル等で置換されていてもよい「アリール」、「フェニル」を包含する。
Z以外の「置換基を有していてもよいアリール」および「置換基を有していてもよいフェニル」の置換基としては、置換基群βから選択される1以上の基が挙げられる。
「炭化水素環式基」とは、上記「シクロアルキル」、「シクロアルケニル」、「ビシクロアルキル」および「アリール」を包含する。
「非芳香族炭化水素環式基」とは、上記「シクロアルキル」、「シクロアルケニル」および「ビシクロアルキル」を包含する。
「置換基を有していてもよい炭化水素環式基」とは、上記「置換基を有していてもよいシクロアルキル」、「置換基を有していてもよいシクロアルケニル」、「置換基を有していてもよいビシクロアルキル」および「置換基を有していてもよいアリール」を包含する。
「ヘテロ環式基」とは、O、SおよびNから任意に選択されるヘテロ原子を環内に1以上有するヘテロ環を包含し、具体的にはピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、フリルおよびチエニル等の5〜6員のヘテロアリール;インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、インドリニル、イソインドリニル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、プリニル、プテリジニル、ベンゾピラニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジル、トリアゾロピリジル、イミダゾチアゾリル、ピラジノピリダジニル、キナゾリニル、キノリル、イソキノリル、ナフチリジニル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロベンゾチエニル等の2環の縮合ヘテロ環式基;カルバゾリル、アクリジニル、キサンテニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、ジベンゾフリル等の3環の縮合ヘテロ環式基;ジオキサニル、チイラニル、オキシラニル、オキサチオラニル、アゼチジニル、チアニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、モルホリノ、チオモルホリニル、チオモルホリノ、ジヒドロピリジル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチアゾリル、テトラヒドロイソチアゾリル等の非芳香族ヘテロ環式基を包含する。
ヘテロ環以外の環と縮合している縮合ヘテロ環式基(例えばベンゾチアゾリル等)は、いずれの環に結合手を有していてもよい。
「置換基を有していてもよいヘテロ環式基」の置換基は上記「置換基を有していてもよいアリール」と同様である。
「ヘテロ環カルボニル」、「ヘテロ環オキシ」、「ヘテロ環チオ」および「ヘテロ環置換フェニル」のヘテロ環式基部分は上記「ヘテロ環式基」と同様である。
「低級アルキレン」とは、メチレンが1〜6個、好ましくは2個〜6個、さらに好ましくは3〜6個連続した2価の基を包含し、具体的にはメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレンおよびヘキサメチレン等が挙げられる。特に好ましくはテトラメチレンである。
「低級アルキレンジオキシ」の低級アルキレン部分は上記「低級アルキレン」と同様であり、好ましくはメチレンジオキシまたはエチレンジオキシである。
「低級アルケニレン」とは、メチレンが2〜6個、好ましくは3個〜6個、さらに好ましくは4〜5個連続した2価の基であって、炭素−炭素結合の少なくとも1つが二重結合であるものを包含する。
「シクロアルキレン」とは、上記「シクロアルキル」から水素原子を1つ除いてできる2価の基である。Xにおける「シクロアルキレン」では1,4−シクロヘキサンジイルが好ましい。
「シクロアルケニレン」とは、上記シクロアルキレンの環内に少なくとも1つの二重結合を有する基を包含する。
「ビシクロアルキレン」とは、上記「ビシクロアルキル」からさらに水素を1つ除いてできる基を包含する。具体的にはビシクロ[2.1.0]ペンチレン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタチレン、ビシクロ[2.2.2]オクチレン、ビシクロ[3.2.1]オクチレン等が挙げられる。
「ヘテロ環ジイル」とは、上記「ヘテロ環式基」から水素原子を1つ除いてできる2価の基を包含する。好ましくはピペリジンジイル、ピペラジンジイル、ピリジンジイル、ピリミジンジイル、ピラジンジイル、ピロリジンジイルまたはピロールジイルであり、より好ましくはピペリジンジイルである。
「アリーレン」とは、上記「アリール」から水素原子を1つ除いてできる2価の貴を包含する。好ましくはフェニレンである。
「ヘテロアリーレン」とは、上記「ヘテロ環ジイル」のうち、芳香属性を有するものを包含する。具体的にはピロールジイル、イミダゾールジイル、ピラゾールジイル、ピリジンジイル、ピリダジンジイル、ピリミジンジイル、ピラジンジイル、トリアゾールジイル、トリアジンジイル、イソオキサゾールジイル、オキサゾールジイル、オキサジアゾールジイル、イソチアゾールジイル、チアゾールジイル、チアジアゾールジイル、フランジイルおよびチオフェンジイル等が挙げられる。
「置換基を有していてもよい低級アルキレン」、「置換基を有していてもよい低級アルケニレン」、「置換基を有していてもよいシクロアルキレン」、「置換基を有していてもよいシクロヘキシレン」、「置換基を有していてもよいビシクロアルキレン」「置換基を有していてもよいシクロアルケニレン」、「置換基を有していてもよいフェニレン」、「置換基を有していてもよいヘテロ環ジイル」および「置換基を有していてもよいピペリジニレン」の置換基としては、置換基群βから選択される1以上の置換可能な基が挙げられ、好ましくはハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、アシル、カルボキシまたは低級アルコキシカルボニル等である。任意の位置がこれらの基で置換されていてもよい。
「製薬上許容される塩」としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸またはリン酸等の無機酸の塩;パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸またはクエン酸等の有機酸の塩;アンモニウム、トリメチルアンモニウムまたはトリエチルアンモニウム等の有機塩基の塩;ナトリウムまたはカリウム等のアルカリ金属の塩;およびカルシウムまたはマグネシウム等のアルカリ土類金属の塩等を挙げることができる。
「溶媒和物」とは、好ましくは水和物であり、本発明に係る化合物1分子が任意の数の水分子と配位していてもよい。
「プロドラッグ」とは、化学的または代謝的に分解できる基を有する本発明に係る化合物の誘導体であり、加溶媒分解によりまたは生理学的条件下でインビボにおいて薬学的に活性な本発明に係る化合物となる化合物である。適当なプロドラッグ誘導体を選択する方法および製造する方法は、例えばDesign of Prodrugs,Elsevier,Amsterdam 1985に記載されている。
例えば、本発明に係る化合物(I)がカルボキシを有する場合は、化合物(I)のカルボキシと適当なアルコールを反応させることによって製造されるエステル誘導体、または化合物(I)のカルボキシと適当なアミンを反応させることによって製造されるアミド誘導体のようなプロドラッグが例示される。
例えば、本発明に係る化合物(I)がヒドロキシを有する場合は、例えば化合物(I)のヒドロキシと適当なアシルハライドまたは適当な酸無水物とを反応させることにより製造されるアシルオキシ誘導体のようなプロドラッグが例示される。
例えば、本発明に係る化合物(I)がアミノを有する場合は、化合物(I)のアミノと適当な酸ハロゲン化物または適当な混合酸無水物とを反応させることにより製造されるアミド誘導体のようなプロドラッグが例示される。
本発明に係る化合物(I)が不斉炭素原子を有する場合には、ラセミ体、両対掌体および全ての立体異性体(幾何異性体、エピマー、鏡像異性体等)を含む。また、本発明に係る化合物(I)が二重結合を有する場合にE体およびZ体が存在し得るときはそのいずれをも含む。また、Xがシクロアルキレンである場合にはシス体およびトランス体のいずれをも含む。
式(I)で示される化合物としては、好ましくはトランス−N−(4−((2S,6R)−2,6−ジメチルモルホリノ)フェニル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミド、トランス−N−(6−(5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル)ピリジン−3−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミド、トランス−N−(6−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン−3−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミド、トランス−N−(6−フルオロベンゾ[d]チアゾール−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミド、トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミド(以下、S−2367ともいう)や、以下の化合物が挙げられる。
特に好ましい化合物としては、トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミド(S−2367)である。当該化合物は、室温下においては結晶である。
「低級アルキル」とは、炭素数1〜10の直鎖または分枝状のアルキルを包含し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、n−ヘプチル、イソヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、n−ノニルおよびn−デシル等が挙げられる。
R1における「低級アルキル」は好ましくは炭素数3〜10、さらに好ましくは炭素数3〜6、最も好ましくはイソプロピルまたはt−ブチルである。
その他の場合における「低級アルキル」は好ましくは炭素数1〜6、さらに好ましくは炭素数1〜4である。
Zにおける「置換基を有していてもよい低級アルキル」の置換基としては、例えば、(1)ハロゲン;(2)シアノ;
(3)それぞれ下記に定義する置換基群βから選択される1以上の置換可能な基で置換されていてもよい(i)ヒドロキシ、(ii)低級アルコキシ、(iii)メルカプト、(iv)低級アルキルチオ、(v)アシル、(vi)アシルオキシ、(vii)カルボキシ、(viii)低級アルコキシカルボニル、(ix)イミノ、(x)カルバモイル、(xi)チオカルバモイル、(xii)低級アルキルカルバモイル、(xiii)低級アルキルチオカルバモイル、(xiv)アミノ、(xv)低級アルキルアミノもしくは(xvi)ヘテロ環カルボニルで示される等が挙げられる。
Z以外における「置換基を有していてもよい低級アルキル」(例えばR1における場合等)の置換基としては、置換基群βから選択される1以上の基が挙げられ、任意の位置がこれらの置換基で置換されていてもよい。
置換基群βとはハロゲン、保護されていてもよいヒドロキシ、メルカプト、低級アルコキシ、低級アルケニル、アミノ、低級アルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルチオ、アシル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、シアノ、シクロアルキル、フェニル、フェノキシ、低級アルキルフェニル、低級アルコキシフェニル、ハロゲノフェニル、ナフチルおよびヘテロ環式基からなる群である。
「低級アルコキシ」、「低級アルコキシカルボニル」、「低級アルコキシカルボニル低級アルキル」、「低級アルキルフェニル」、「低級アルコキシフェニル」、「低級アルキルカルバモイル」、「低級アルキルチオカルバモイル」、「低級アルキルアミノ」、「ハロゲノ低級アルキル」、「ヒドロキシ低級アルキル」、「フェニル低級アルコキシ」、「低級アルキルチオ」、「フェニル低級アルキルチオ」、「低級アルコキシカルボニルアミノ」、「低級アルコキシカルボニル低級アルケニル」、「低級アルキルスルフィニル」、「低級アルキルスルホニル」、「アリール低級アルコキシカルボニル」、「低級アルキルベンゾイル」および「低級アルコキシベンゾイル」の低級アルキル部分は上記「低級アルキル」と同様である。
「置換基を有していてもよい低級アルコキシ」の置換基としては置換基群βから選択される1以上の基が挙げられ、好ましくはフェニル、低級アルキルフェニル、低級アルコキシフェニル、ナフチルまたはヘテロ環式基である。
「シクロアルキル」とは、炭素数3〜8、好ましくは5または6の環状のアルキルを包含する。具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル等が挙げられる。
「置換基を有していてもよいシクロアルキル」の置換基としては、置換基群αから選択される1以上の基等が挙げられ、任意の位置が置換されていてもよい。
「ビシクロアルキル」とは、2つの環が2個またはそれ以上の原子を共有している炭素数5〜8の脂肪族環から水素を1つ除いてできる基を包含する。具体的にはビシクロ[2.1.0]ペンチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチルおよびビシクロ[3.2.1]オクチル等が挙げられる。
「低級アルケニル」とは、任意の位置に1以上の二重結合を有する炭素数2〜10、好ましくは炭素数2〜8、さらに好ましくは炭素数3〜6の直鎖または分枝状のアルケニルを包含する。具体的にはビニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、プレニル、ブタジエニル、ペンテニル、イソペンテニル、ペンタジエニル、ヘキセニル、イソヘキセニル、ヘキサジエニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニルおよびデセニル等を包含する。
「低級アルコキシカルボニル低級アルケニル」における「低級アルケニル」部分は上記「低級アルケニル」と同様である。
「置換基を有していてもよい低級アルケニル」の置換基としては、ハロゲン、低級アルコキシ、低級アルケニル、アミノ、低級アルキルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルチオ、アシル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、シアノ、シクロアルキル、フェニル、低級アルキルフェニル、低級アルコキシフェニル、ナフチルおよび/またはヘテロ環式基等が挙げられる。
「アシル」とは(1)炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素数1〜6、最も好ましくは炭素数1〜4の直鎖もしくは分枝状のアルキルカルボニルもしくはアルケニルカルボニル、(2)炭素数4〜9、好ましくは炭素数4〜7のシクロアルキルカルボニルおよび(3)炭素数7〜11のアリールカルボニルを包含する。具体的には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、アクリロイル、プロピオロイル、メタクリロイル、クロトノイル、シクロプロピルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル、シクロオクチルカルボニルおよびベンゾイル等を包含する。
「アシルオキシ」のアシル部分も上記と同様である。
「シクロアルケニル」とは、上記シクロアルキルの環中の任意の位置に1以上の二重結合を有しているものを包含し、具体的にはシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルおよびシクロヘキサジエニル等が挙げられる。
「置換基を有していてもよいシクロアルケニル」の置換基としては置換基群βから選択される1以上の基が挙げられる。
「置換基を有していてもよいアミノ」の置換基としては、置換基群β、置換基を有していてもよいベンゾイルおよび/または置換基を有していてもよいヘテロ環カルボニル(ここで置換基とはヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシおよび/または低級アルキルチオ)が挙げられる。
「アリール」とは、単環または多環の芳香族炭素環式基であり、フェニル、ナフチル、アントリルおよびフェナントリル等を包含する。また、他の非芳香族炭化水素環式基と縮合しているアリールも包含し、具体的にはインダニル、インデニル、ビフェニリル、アセナフチル、テトラヒドロナフチルおよびフルオレニル等が挙げられる。特にフェニルが好ましい。
「アリール低級アルコキシカルボニル」のアリール部分も同様である。
Zにおける「置換基を有していてもよいアリール」および「置換基を有していてもよいフェニル」は、置換基群α、置換基群αから選択される置換可能な1以上の基で置換されていてもよい低級アルキル等で置換されていてもよい「アリール」、「フェニル」を包含する。
Z以外の「置換基を有していてもよいアリール」および「置換基を有していてもよいフェニル」の置換基としては、置換基群βから選択される1以上の基が挙げられる。
「炭化水素環式基」とは、上記「シクロアルキル」、「シクロアルケニル」、「ビシクロアルキル」および「アリール」を包含する。
「非芳香族炭化水素環式基」とは、上記「シクロアルキル」、「シクロアルケニル」および「ビシクロアルキル」を包含する。
「置換基を有していてもよい炭化水素環式基」とは、上記「置換基を有していてもよいシクロアルキル」、「置換基を有していてもよいシクロアルケニル」、「置換基を有していてもよいビシクロアルキル」および「置換基を有していてもよいアリール」を包含する。
「ヘテロ環式基」とは、O、SおよびNから任意に選択されるヘテロ原子を環内に1以上有するヘテロ環を包含し、具体的にはピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、フリルおよびチエニル等の5〜6員のヘテロアリール;インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリジニル、インドリニル、イソインドリニル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、プリニル、プテリジニル、ベンゾピラニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンズオキサジアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾトリアゾリル、イミダゾピリジル、トリアゾロピリジル、イミダゾチアゾリル、ピラジノピリダジニル、キナゾリニル、キノリル、イソキノリル、ナフチリジニル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロベンゾチエニル等の2環の縮合ヘテロ環式基;カルバゾリル、アクリジニル、キサンテニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、ジベンゾフリル等の3環の縮合ヘテロ環式基;ジオキサニル、チイラニル、オキシラニル、オキサチオラニル、アゼチジニル、チアニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、モルホリノ、チオモルホリニル、チオモルホリノ、ジヒドロピリジル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチアゾリル、テトラヒドロイソチアゾリル等の非芳香族ヘテロ環式基を包含する。
ヘテロ環以外の環と縮合している縮合ヘテロ環式基(例えばベンゾチアゾリル等)は、いずれの環に結合手を有していてもよい。
「置換基を有していてもよいヘテロ環式基」の置換基は上記「置換基を有していてもよいアリール」と同様である。
「ヘテロ環カルボニル」、「ヘテロ環オキシ」、「ヘテロ環チオ」および「ヘテロ環置換フェニル」のヘテロ環式基部分は上記「ヘテロ環式基」と同様である。
「低級アルキレン」とは、メチレンが1〜6個、好ましくは2個〜6個、さらに好ましくは3〜6個連続した2価の基を包含し、具体的にはメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレンおよびヘキサメチレン等が挙げられる。特に好ましくはテトラメチレンである。
「低級アルキレンジオキシ」の低級アルキレン部分は上記「低級アルキレン」と同様であり、好ましくはメチレンジオキシまたはエチレンジオキシである。
「低級アルケニレン」とは、メチレンが2〜6個、好ましくは3個〜6個、さらに好ましくは4〜5個連続した2価の基であって、炭素−炭素結合の少なくとも1つが二重結合であるものを包含する。
「シクロアルキレン」とは、上記「シクロアルキル」から水素原子を1つ除いてできる2価の基である。Xにおける「シクロアルキレン」では1,4−シクロヘキサンジイルが好ましい。
「シクロアルケニレン」とは、上記シクロアルキレンの環内に少なくとも1つの二重結合を有する基を包含する。
「ビシクロアルキレン」とは、上記「ビシクロアルキル」からさらに水素を1つ除いてできる基を包含する。具体的にはビシクロ[2.1.0]ペンチレン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタチレン、ビシクロ[2.2.2]オクチレン、ビシクロ[3.2.1]オクチレン等が挙げられる。
「ヘテロ環ジイル」とは、上記「ヘテロ環式基」から水素原子を1つ除いてできる2価の基を包含する。好ましくはピペリジンジイル、ピペラジンジイル、ピリジンジイル、ピリミジンジイル、ピラジンジイル、ピロリジンジイルまたはピロールジイルであり、より好ましくはピペリジンジイルである。
「アリーレン」とは、上記「アリール」から水素原子を1つ除いてできる2価の貴を包含する。好ましくはフェニレンである。
「ヘテロアリーレン」とは、上記「ヘテロ環ジイル」のうち、芳香属性を有するものを包含する。具体的にはピロールジイル、イミダゾールジイル、ピラゾールジイル、ピリジンジイル、ピリダジンジイル、ピリミジンジイル、ピラジンジイル、トリアゾールジイル、トリアジンジイル、イソオキサゾールジイル、オキサゾールジイル、オキサジアゾールジイル、イソチアゾールジイル、チアゾールジイル、チアジアゾールジイル、フランジイルおよびチオフェンジイル等が挙げられる。
「置換基を有していてもよい低級アルキレン」、「置換基を有していてもよい低級アルケニレン」、「置換基を有していてもよいシクロアルキレン」、「置換基を有していてもよいシクロヘキシレン」、「置換基を有していてもよいビシクロアルキレン」「置換基を有していてもよいシクロアルケニレン」、「置換基を有していてもよいフェニレン」、「置換基を有していてもよいヘテロ環ジイル」および「置換基を有していてもよいピペリジニレン」の置換基としては、置換基群βから選択される1以上の置換可能な基が挙げられ、好ましくはハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、ハロゲノ低級アルキル、低級アルコキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、アシル、カルボキシまたは低級アルコキシカルボニル等である。任意の位置がこれらの基で置換されていてもよい。
「製薬上許容される塩」としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸またはリン酸等の無機酸の塩;パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸またはクエン酸等の有機酸の塩;アンモニウム、トリメチルアンモニウムまたはトリエチルアンモニウム等の有機塩基の塩;ナトリウムまたはカリウム等のアルカリ金属の塩;およびカルシウムまたはマグネシウム等のアルカリ土類金属の塩等を挙げることができる。
「溶媒和物」とは、好ましくは水和物であり、本発明に係る化合物1分子が任意の数の水分子と配位していてもよい。
「プロドラッグ」とは、化学的または代謝的に分解できる基を有する本発明に係る化合物の誘導体であり、加溶媒分解によりまたは生理学的条件下でインビボにおいて薬学的に活性な本発明に係る化合物となる化合物である。適当なプロドラッグ誘導体を選択する方法および製造する方法は、例えばDesign of Prodrugs,Elsevier,Amsterdam 1985に記載されている。
例えば、本発明に係る化合物(I)がカルボキシを有する場合は、化合物(I)のカルボキシと適当なアルコールを反応させることによって製造されるエステル誘導体、または化合物(I)のカルボキシと適当なアミンを反応させることによって製造されるアミド誘導体のようなプロドラッグが例示される。
例えば、本発明に係る化合物(I)がヒドロキシを有する場合は、例えば化合物(I)のヒドロキシと適当なアシルハライドまたは適当な酸無水物とを反応させることにより製造されるアシルオキシ誘導体のようなプロドラッグが例示される。
例えば、本発明に係る化合物(I)がアミノを有する場合は、化合物(I)のアミノと適当な酸ハロゲン化物または適当な混合酸無水物とを反応させることにより製造されるアミド誘導体のようなプロドラッグが例示される。
本発明に係る化合物(I)が不斉炭素原子を有する場合には、ラセミ体、両対掌体および全ての立体異性体(幾何異性体、エピマー、鏡像異性体等)を含む。また、本発明に係る化合物(I)が二重結合を有する場合にE体およびZ体が存在し得るときはそのいずれをも含む。また、Xがシクロアルキレンである場合にはシス体およびトランス体のいずれをも含む。
式(I)で示される化合物としては、好ましくはトランス−N−(4−((2S,6R)−2,6−ジメチルモルホリノ)フェニル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミド、トランス−N−(6−(5,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル)ピリジン−3−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミド、トランス−N−(6−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン−3−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミド、トランス−N−(6−フルオロベンゾ[d]チアゾール−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミド、トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミド(以下、S−2367ともいう)や、以下の化合物が挙げられる。
特に好ましい化合物としては、トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミド(S−2367)である。当該化合物は、室温下においては結晶である。
本発明の製剤中のNPYY5受容体拮抗剤、特にS−2367の含有量は、好ましくは、溶解性が改善でき、かつ薬効を生じさせる含有量であり、製剤全量に対して、(1)通常、5〜50重量%、(2)好ましくは、10〜40重量%、(3)より好ましくは、15〜30重量%、(4)さらに好ましくは、20〜30重量%、(5)特に好ましくは、25〜30重量%である。この量よりも少なければ、十分な薬効が得られないか、または製剤が大型化する可能性があり、この量よりも多ければ、溶解性を十分には改善できない恐れがある。
本発明の製剤中のNPYY5受容体拮抗剤は、経口投与可能な薬物であれば特に限定されないが、好ましくは水溶解度が低い、いわゆる難水溶性薬物である。ここで、薬物の水溶解度とは、消化管内環境として考え得るpHが1〜8の範囲の緩衝液および水、代表的には、日本薬局方の溶出試験第1液、溶出試験第2液、水のいずれかに対する37℃における薬物の溶解度をいい、100μg/mL以下、さらには50μg/mL以下、さらには10μg/mL以下が例示される。特に、難水溶性薬物であるS−2367(日本薬局方 溶解度試験による溶解度:約3.5μg/mL(溶出試験第2液(37℃))であっても、溶解性を改善できる。
非晶質安定化剤とは、好ましくは難水溶性薬物の結晶構造を非晶質化誘導剤でゆるがせた上で、その結晶格子の変揺状態に相互作用して非晶質状態を安定化するものである。しかし、非晶質化誘導剤を配合せず、それ自身単独でも化合物の結晶を非晶質状態にすることができる非晶質安定化剤も含まれる。具体的にはカルボキシメチルエチルセルロース(CMEC)が好ましい。
CMECとは、セルロースのカルボキシメチル及びエチルの混合エーテルである。CMECは、医薬品添加物規格に収載のものであればよいが、好ましくは、医薬品添加物規格による定量法で、カルボキシメチル基(-CH2COOH)8.9〜14.9%及びエトキシル基(-OC2H5)32.5〜43.0%を含むものであればよい。具体的には、CMEC(三洋化成工業株式会社製)が例示される。
本発明の製剤中におけるCMECの含有量は、好ましくは、主薬の溶解性が改善できる含有量であり、製剤全量に対して、(1)通常、50〜95重量%、(2)好ましくは、60〜90重量%、(3)より好ましくは、70〜85重量%、(4)さらに好ましくは、70〜80重量%、(5)特に好ましくは、70〜75重量%である。この量よりも少なければ、CMECの結晶析出抑制効果が減るために、製造工程において薬物が結晶化し、非晶質製剤を得ることができない可能性があり、この量よりも多ければ、相対的に主薬の含量が低下し、製剤全体の投与量が多くなる恐れがある。
本発明の固形製剤の好ましい態様の1つは、製剤全量に対して、(1)通常、NPYY5受容体拮抗剤が5〜50重量%、CMECが50〜95重量%である。(2)好ましくは、NPYY5受容体拮抗剤が10〜40重量%、CMECが60〜90重量%である。(3)より好ましくは、NPYY5受容体拮抗剤が15〜30重量%、CMECが70〜85重量%である。(4)さらに好ましくは、NPYY5受容体拮抗剤が20〜30重量%、CMECが70〜80重量%である。(5)特に好ましくは、NPYY5受容体拮抗剤が25〜30重量%、CMECが70〜75重量%である。
本発明の固形製剤の好ましい態様の1つは、製剤全量に対して、(1)通常、S−2367が5〜50重量%、CMECが50〜95重量%である。(2)好ましくは、S−2367が10〜40重量%、CMECが60〜90重量%である。(3)より好ましくは、S−2367が15〜30重量%、CMECが70〜85重量%である。(4)さらに好ましくは、S−2367が20〜30重量%、CMECが70〜80重量%である。(5)特に好ましくは、S−2367が25〜30重量%、CMECが70〜75重量%である。
本発明の固形製剤の好ましい態様の1つは、S−2367とCMECの重量比が(1)通常、S−2367:CMEC=1:1〜1:19である。(2)好ましくは、S−2367:CMEC=1:1.5〜1:9である。(3)より好ましくは、S−2367:CMEC=1:2.33〜1:5.67である。(4)さらに好ましくは、S−2367:CMEC=1:2.33〜1:4である。(5)特に好ましくは、S−2367:CMEC=1:2.33〜1:3である。
本発明で使用される非晶質化誘導剤とは、難水溶性薬物の結晶格子エネルギーを低エネルギー方向に変化させ、かつ、同一温度にて結晶格子のゆらぎを大きくする機能・性質をもつ化合物である。具体的には、アミノ酸又はその塩(アスパラギン酸とそのナトリウム塩、マグネシウム塩等、グリシン、アラニン、グルタミン酸類及び塩酸グルタミン酸等)、アスパルテーム、エリソルビン酸若しくはその塩、アスコルビン酸若しくはその塩(ナトリウム塩)、ステアリン酸エステル、アミノエチルスルホン酸、イノシトール、エチル尿素、クエン酸若しくはその塩(三ナトリウム、二ナトリウム、二水素ナトリウム等の塩、カルシウム塩等)、グリチルリチン酸若しくはその塩(三ナトリウム、二ナトリウム等のナトリウム塩、二アンモニウム、モノアンモニウム等のアンモニウム塩、カリウム塩等)、グルコン酸又はその塩(ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等)、クレアチニン、サリチル酸若しくはその塩(ナトリウム塩等)、酒石酸若しくはその塩(ナトリウム塩、カリウム・ナトリウム塩、水素・カリウム塩等)、コハク酸若しくはその塩(ニナトリウム、一ナトリウム等のナトリウム塩)、酢酸カルシウム、サッカリンナトリウム、水酸化アルミニウム、ソルビン酸若しくはその塩(カリウム塩等)、デヒドロ酢酸若しくはその塩(ナトリウム塩等)、チオリンゴ酸ナトリウム、ニコチン酸アミド、尿素、フマル酸若しくはその塩(ナトリウム塩等)、マクロゴール類、マルトース、マルトール、マレイン酸、マンニトール、メグルミン、デスオキシコール酸ナトリウムおよびホスファチジルコリン等があげられる。
非晶質化誘導剤として、好ましくは、アミノ酸又はその塩(アスパラギン酸とそのナトリウム塩、マグネシウム塩等、グリシン、アラニン、グルタミン酸類及び塩酸グルタミン酸等)、アスコルビン酸又はその塩(ナトリウム塩等)、ステアリン酸エステル、アミノエチルスルホン酸、エチル尿素、クエン酸若しくはその塩(三ナトリウム、ニナトリウム、ニ水素ナトリウム等の塩、カルシウム塩)、グリチルリチン酸又はその塩(三ナトリウム、二ナトリウム等のナトリウム塩、二アンモニウム、モノアンモニウム等のアンモニウム塩、カリウム塩等)、クレアチニン、酒石酸又はその塩(ナトリウム塩、ナトリウム・カリウム塩、水素・カリウム塩等)、コハク酸若しくはその塩(ニナトリウム、一ナトリウム等のナトリウム塩)、サッカリンナトリウム、ニコチン酸アミド、尿素、フマル酸又はその塩(ナトリウム塩等)、マクロゴール類、マルトース、マルトール、マンニトール及びメグルミン等があげられる。
非晶質化誘導剤として、より好ましくは、アミノ酸又はその塩(アスパラギン酸とそのナトリウム塩、マグネシウム塩等、グリシン、アラニン、グルタミン酸類及び塩酸グルタミン酸等)、エチル尿素、グリチルリチン酸又はその塩(三ナトリウム、二ナトリウム等のナトリウム塩、二アンモニウム、モノアンモニウム等のアンモニウム塩、カリウム塩等)、酒石酸又はその塩(ナトリウム塩、ナトリウム・カリウム塩、水素・カリウム塩等)、コハク酸若しくはその塩(ニナトリウム、一ナトリウム等のナトリウム塩)、サッカリンナトリウム、ニコチン酸アミド及び尿素、マルトース、マルトール、マンニトール及びメグルミン等があげられる。特に好ましくは、尿素である。
本発明の製剤中における非晶質化誘導剤の含有量は、溶解性が改善できる含有量であり、製剤全量に対して、(1)通常、8重量%未満、(2)好ましくは、0.1〜6重量%、(3)より好ましくは、0.5〜5重量%、(4)さらに好ましくは、1〜4.5重量%、(5)特に好ましくは、2〜4重量%である。二種類以上の非晶質化誘導剤を併用してもよいが、併用する場合、これらを合わせた量が当該含有量の範囲内であればよい。この量よりも少なければ、薬物の溶解性を増大することができない可能性があり、この量よりも多ければ、薬物の溶解性を低減し、非晶質化誘導剤の副作用が生じる恐れがあり、また、製造工程における非晶質安定化剤(特に水溶性高分子)の結晶析出抑制効果が減るために、溶媒を除去する際に薬物が結晶化しやすくなり、非晶質製剤を得るのが困難となる可能性が大きい。
本発明の固形製剤の好ましい態様の1つは、製剤全量に対して、(1)通常、NPYY5受容体拮抗剤が5重量%以上、CMECが50重量%以上、非晶質化誘導剤が8重量%未満、(2)好ましくはNPYY5受容体拮抗剤が10〜40重量%、CMECが54〜89.9重量%、非晶質化誘導剤が0.1〜6重量%、(3)より好ましくはNPYY5受容体拮抗剤が10〜30重量%、CMECが65〜89.5重量%、非晶質化誘導剤が0.5〜5重量%、(4)さらに好ましくはNPYY5受容体拮抗剤が10〜20重量%、CMECが75.5〜89重量%、非晶質化誘導剤が1〜4.5重量%、(5)特に好ましくはNPYY5受容体拮抗剤が15〜20重量%、CMECが76〜83重量%、非晶質化誘導剤が2〜4重量%である。
本発明の固形製剤の好ましい態様の1つは、製剤全量に対して、(1)通常、S−2367が5重量%以上、CMECが50重量%以上、尿素が8重量%未満、(2)好ましくはS−2367が10〜40重量%、CMECが54〜89.9重量%、尿素が0.1〜6重量%、(3)より好ましくはS−2367が10〜30重量%、CMECが65〜89.5重量%、尿素が0.5〜5重量%、(4)さらに好ましくはS−2367が10〜20重量%、CMECが75.5〜89重量%、尿素が1〜4.5重量%、(5)特に好ましくはS−2367が15〜20重量%、CMECが76〜83重量%、尿素が2〜4重量%である。
非晶質化誘導剤は、本発明の固形製剤中に実質的に含有されていなくても、主薬(特にS−2367)の溶出性は、十分に改善されるが、主薬含量によっては、非晶質化誘導剤が含まれているほうが好ましい場合もある。特に、S−2367が20%の場合、非晶質化誘導剤の添加により、溶出性が改善される。
本発明製剤の製造方法は、好ましくは、NPYY5受容体拮抗剤(特にS−2367)、CMEC、所望により非晶質化誘導剤を溶媒に溶解し、当該溶媒を除去し、得られた固形物を適度な粒度まで粉砕する。溶媒としては、これらの原料が溶解する溶媒であればよい。具体的な溶媒としては、水、アルコール、アセトン、ハロゲン化炭素およびこれらの混合物である。また、溶媒を除去する方法としては、加温減圧や噴霧乾燥(スプレードライ)がある。
噴霧乾燥法としては、好ましくはスプレードライヤーが用いられる。製造条件としては、本発明製剤が収率よく得られる条件であればよい。例えば、固形分濃度約1〜20%の主薬を含有する液を出口温度50〜110℃の条件で噴霧する。
本発明の固体製剤中の非晶質安定化剤であるCMECや非晶質化誘導剤の量が、NPYY5受容体拮抗剤の溶解性や安定性に影響することが明らかとなった。なお、本発明の製剤中の主薬の安定性は、粉末X線回折測定によって非晶質化状態を確認することによって評価した。
本発明の固形製剤は、固体の粉末状、顆粒状、塊状等で得られる。本発明製剤が塊状で得られても粉砕等することによって、粉末を得ることができる。該粉末を顆粒剤や錠剤に含有することもできる。顆粒剤や錠剤で用いられる賦形剤、結合剤、滑沢剤等は従来から製剤学上で使用されているものを用いることができる。例えば、D−マンニトール等の賦形剤、カルメロースカルシウム等の崩壊剤、ヒドロキシプロピルセルロース等の結合剤、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のコーティング剤等がある。
本発明の固形製剤の溶出性は、日本薬局方の第2法(パドル法、50rpm、溶出試験第2液、900mL)で主薬(例:S−2367)の含量が20mgに相当する製剤について溶出試験をおこなった場合、溶出試験開始60分後の溶出率が、(1)通常、30分で4%以上、60分で7%以上、180分で15%以上、(2)好ましくは、30分で10%以上、60分で15%以上、180分で30%以上、(3)より好ましくは、30分で30%以上、60分で40%以上、180分で50%以上、(4)さらに好ましくは、30分で40%以上、60分で50%以上、180分で60%以上、(5)特に好ましくは、30分で50%以上、60分で60%以上、180分で70%以上である。
本発明の固形製剤において、安定な製剤とは、経時保存後においても非晶質状態が維持された製剤であり、特に、60℃、ガラス瓶密栓条件下で1週間保存しても、主薬(例:S−2367)の非晶質状態を維持している固形製剤である。
本発明の固形製剤とすることにより、主薬の溶出性を高めることができるので、例えば、錠剤中の主薬配合量を低減でき、その結果、錠剤を小型化することができる。具体的には、本発明の固形製剤を用いる前のS−2367含有錠剤1錠あたりの重量は、約840mgであったのに対し、本発明の固形製剤を用いた結果、錠剤1錠あたりの重量は、約450〜550mg、好ましくは約500mgとなり、服用性が改善された。
以下に実施例を記載して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら制限されるものではない。
(CMEC含有製剤の製造法)
NPYY5受容体拮抗剤として、トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミド(S−2367)を、非晶質化誘導剤として尿素(和光純薬社製)を、およびカルボキシメチルエチルセルロース (CMEC、三洋化成工業株式会社製、医薬品添加物規格適合品)を用いた。なお、S−2367は、WO01/37826国際公開パンフレット記載の方法に基づき製造した。アセトンに表1で示す処方量のS−2367とCMECを加えて溶解させた。次に、尿素を添加する場合には、エタノールに処方量の尿素を加え、溶解させた。これらの溶解液を混合し、スプレードライヤー B−290/B−295 (ビュッヒ社製) を用い,出口温度約80℃で噴霧乾燥し、粉末状態として、本発明の固形製剤を調製した。
(CMEC含有製剤の製造法)
NPYY5受容体拮抗剤として、トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミド(S−2367)を、非晶質化誘導剤として尿素(和光純薬社製)を、およびカルボキシメチルエチルセルロース (CMEC、三洋化成工業株式会社製、医薬品添加物規格適合品)を用いた。なお、S−2367は、WO01/37826国際公開パンフレット記載の方法に基づき製造した。アセトンに表1で示す処方量のS−2367とCMECを加えて溶解させた。次に、尿素を添加する場合には、エタノールに処方量の尿素を加え、溶解させた。これらの溶解液を混合し、スプレードライヤー B−290/B−295 (ビュッヒ社製) を用い,出口温度約80℃で噴霧乾燥し、粉末状態として、本発明の固形製剤を調製した。
(溶出試験法)
上記方法で得られた本発明の固形製剤について、第15改正日本薬局方に規定の方法に従い、溶出試験を行った。S−2367の濃度は、自動サンプリングシステム (オートサンプラー W PAS−615(富山産業社製)、分光光度計UV−1700(島津製作所社製))あるいは分光光度計 8453型 (アジレント社製))を用いて測定した。溶出試験条件は以下のとおりである。
・試験法:日本薬局方 第2法(パドル法)回転速度50rpm
・試験液:溶出試験第2液(900mL,37℃)
・試験液採取時間:0、5、10、15、20、25、30、45、60、75、90、105、120、150、180分
・検出波長:243nm
層長:5mm
上記方法で得られた本発明の固形製剤について、第15改正日本薬局方に規定の方法に従い、溶出試験を行った。S−2367の濃度は、自動サンプリングシステム (オートサンプラー W PAS−615(富山産業社製)、分光光度計UV−1700(島津製作所社製))あるいは分光光度計 8453型 (アジレント社製))を用いて測定した。溶出試験条件は以下のとおりである。
・試験法:日本薬局方 第2法(パドル法)回転速度50rpm
・試験液:溶出試験第2液(900mL,37℃)
・試験液採取時間:0、5、10、15、20、25、30、45、60、75、90、105、120、150、180分
・検出波長:243nm
層長:5mm
(HPLC測定条件)
・測定波長:242nm
・カラム:Capcell Pak C18 MG、3μm、3.0×50mm、資生堂
・カラム温度:35℃
・移動相:HPLC用メタノール/水混液(27:73)
・流量:約0.6mL/分
注入量:15μL
溶出試験液中のS−2367含量は、以下の式で求めた。
(式1)
・測定波長:242nm
・カラム:Capcell Pak C18 MG、3μm、3.0×50mm、資生堂
・カラム温度:35℃
・移動相:HPLC用メタノール/水混液(27:73)
・流量:約0.6mL/分
注入量:15μL
溶出試験液中のS−2367含量は、以下の式で求めた。
(式1)
(粉末X線回折測定)
本発明の固形製剤の粉末X線回折パターンを、粉末X線回折装置RINT2000(リガク社製)によって調べた。なお、粉末X線回折測定は、製造直後の製剤と60℃、ガラス瓶密栓条件下1週間保存後の製剤について行なった。
本発明の固形製剤の粉末X線回折パターンを、粉末X線回折装置RINT2000(リガク社製)によって調べた。なお、粉末X線回折測定は、製造直後の製剤と60℃、ガラス瓶密栓条件下1週間保存後の製剤について行なった。
試験例1 CMEC含有製剤の溶出挙動
尿素を製剤中に含まず、S−2367およびCMECの含有量が表1に示す通りの本発明の固形製剤を上記方法により製造した。これらの製剤について、上記方法によって溶出試験を行なった。
尿素を製剤中に含まず、S−2367およびCMECの含有量が表1に示す通りの本発明の固形製剤を上記方法により製造した。これらの製剤について、上記方法によって溶出試験を行なった。
S−2367の溶出濃度を経時的に調べた結果、図1に示す通り、S−2367の含有量が15〜30重量%(実施例1〜4)であれば、溶出挙動は同じように推移し、溶出濃度は試験開始60分後でほぼ15〜16μg/mLであった。60分後以降、ほぼ一定の濃度を維持することができた。一方、S−2367の含有量が50重量%(参考例1)である場合、S−2367原体の溶出速度を上回ったが、溶出性はあまり改善されなかった。
S−2367の溶出濃度を溶出率に換算した結果を図2に示す。S−2367の含有量が15〜30重量%であれば、溶出率はほぼ同じように推移し、試験開始60分後でほぼ60%以上、180分後で70%以上であった。
試験例2 CMEC含有製剤の保存安定性
表1の製剤中の主薬(S−2367)の状態を確認するために、粉末X線回折測定をおこなった。その結果、図3に示すように、製造直後では、いずれの製剤でもS−2367の結晶のピークは検出されず、S−2367が非晶質化していた。一方、60℃、ガラス瓶密栓条件下で1週間保存した場合、図4に示すように、S−2367が15〜30重量%の製剤は、S−2367の結晶ピークは観察されず、非晶質化状態を維持することができ、安定であったが、50重量%の製剤は、S−2367の主結晶ピーク(2θ=16.9、17.9、18.9、20.1°)が検出され、非晶質状態を維持することができなかった。
表1の製剤中の主薬(S−2367)の状態を確認するために、粉末X線回折測定をおこなった。その結果、図3に示すように、製造直後では、いずれの製剤でもS−2367の結晶のピークは検出されず、S−2367が非晶質化していた。一方、60℃、ガラス瓶密栓条件下で1週間保存した場合、図4に示すように、S−2367が15〜30重量%の製剤は、S−2367の結晶ピークは観察されず、非晶質化状態を維持することができ、安定であったが、50重量%の製剤は、S−2367の主結晶ピーク(2θ=16.9、17.9、18.9、20.1°)が検出され、非晶質状態を維持することができなかった。
図5、6に示す通り、S−2367が15重量%の製剤の場合、尿素を添加しても溶出速度はほとんど変わらなかったが、S−2367が20重量%の製剤の場合、尿素を添加すると、溶出速度が増大した。
試験例4 CMECおよび尿素含有製剤の保存安定性
表2、3の尿素含有製剤中の主薬(S−2367)の状態を確認するために、粉末X線回折測定をおこなった。その結果、図7、8に示す通り、製造直後、60℃、ガラス瓶密栓条件下で1週間保存後のいずれにおいても、S−2367の結晶ピークは観察されず、非晶質化状態を維持することができ、当該製剤は安定であった。
表2、3の尿素含有製剤中の主薬(S−2367)の状態を確認するために、粉末X線回折測定をおこなった。その結果、図7、8に示す通り、製造直後、60℃、ガラス瓶密栓条件下で1週間保存後のいずれにおいても、S−2367の結晶ピークは観察されず、非晶質化状態を維持することができ、当該製剤は安定であった。
本発明は、NPYY5受容体拮抗剤、特にトランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミド(S−2367)の水溶解性が改善された、安定性の高い製剤を提供することができる。
Claims (28)
- 式(I):
[式中、R1は置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよいシクロアルキルまたは置換基を有していてもよいアリールであり、
R2は水素または低級アルキルであり、
R1およびR2は一緒になって低級アルキレンを形成してもよく、
nは1または2であり、
Xは
置換基を有していてもよい低級アルキレン、
置換基を有していてもよい低級アルケニレン、
置換基を有していてもよい−CO−低級アルキレン、
置換基を有していてもよい−CO−低級アルケニレンまたは
であり、
は置換基を有していてもよいシクロアルキレン、置換基を有していてもよいシクロアルケニレン、置換基を有していてもよいビシクロアルキレン、置換基を有していてもよいアリーレンまたは置換基を有していてもよいヘテロ環ジイルであり、pおよびqは各々独立して0または1である)
であり、
−NR2−X−は
(式中、
はピペリジンジイル、ピペラジンジイル、ピリジンジイル、ピラジンジイル、ピロリジンジイルまたはピロールジイルであり、Uは単結合、低級アルキレンまたは低級アルケニレンである)であってもよく、
YはOCONR7、CONR7、CSNR7、NR7COまたはNR7CSであり、
R7は水素または低級アルキルであり、
Zは置換基を有していてもよい低級アルキル、置換基を有していてもよい低級アルケニル、置換基を有していてもよいアミノ、置換基を有していてもよい低級アルコキシ、置換基を有していてもよい炭化水素環式基、置換基を有していてもよいヘテロ環式基である]
で示される化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物およびカルボキシメチルエチルセルロースを含有することを特徴とする固形製剤。 - 当該製剤中の式(I)で示される化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の含有量が5〜50重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の固形製剤。
- 当該製剤中の式(I)で示される化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の含有量が15〜30重量%である請求項4記載の固形製剤。
- 当該製剤中の式(I)で示される化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の含有量が25〜30重量%である請求項4記載の固形製剤。
- 当該製剤中の式(I)で示される化合物がトランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドである、請求項1〜6のいずれかに記載の固形製剤。
- 5〜50重量%のトランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドおよび50〜95重量%のカルボキシメチルエチルセルロースを含有する請求項7記載の固形製剤。
- 15〜30重量%のトランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドおよび70〜85重量%のカルボキシメチルエチルセルロースを含有する請求項7記載の固形製剤。
- 25〜30重量%のトランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドおよび70〜75重量%のカルボキシメチルエチルセルロースを含有する請求項7記載の固形製剤。
- トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドおよびカルボキシメチルエチルセルロースの配合割合が1:1〜1:19である、請求項1〜10のいずれかに記載の固形製剤。
- トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドおよびカルボキシメチルエチルセルロースの配合割合が1:2.33〜1:5.67である、請求項11記載の固形製剤。
- トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドおよびカルボキシメチルエチルセルロースの配合割合が1:2.33〜1:3である、請求項11記載の固形製剤。
- さらに非晶質化誘導剤を含有する請求項1〜13のいずれかに記載の固形製剤。
- 非晶質化誘導剤がアミノ酸もしくはその塩、アスパルテーム、エリソルビン酸若しくはその塩、アスコルビン酸若しくはその塩、ステアリン酸エステル、アミノエチルスルホン酸、イノシトール、エチル尿素、クエン酸若しくはその塩、グリチルリチン酸若しくはその塩、グルコン酸若しくはその塩、クレアチニン、サリチル酸若しくはその塩、酒石酸若しくはその塩、コハク酸若しくはその塩、酢酸カルシウム、サッカリンナトリウム、水酸化アルミニウム、ソルビン酸若しくはその塩、デヒドロ酢酸若しくはその塩、チオリンゴ酸ナトリウム、ニコチン酸アミド、尿素、フマル酸若しくはその塩、マクロゴール類、マルトース、マルトール、マンニトール、メグルミン、デスオキシコール酸ナトリウムおよびホスファチジルコリンからなる群から選択される1または2以上である請求項14記載の固形製剤。
- 非晶質化誘導剤が尿素である請求項14記載の固形製剤。
- 当該製剤中の非晶質化誘導剤の含有量が8重量%未満である請求項14〜16のいずれかに記載の固形製剤。
- 当該製剤中の非晶質化誘導剤の含有量が0.1〜6重量%である請求項17記載の固形製剤。
- 当該製剤中の非晶質化誘導剤の含有量が2〜4重量%である請求項17記載の固形製剤。
- 非晶質化誘導剤を含有しない請求項1〜13のいずれかに記載の固形製剤。
- 固体分散体である請求項1〜20のいずれかに記載の固形製剤。
- 噴霧乾燥法によって得られる、請求項1〜21のいずれかに記載の固形製剤。
- 請求項1〜22のいずれかに記載の固形製剤を含有する錠剤。
- 1錠あたりの重量が450〜550mgである請求項23記載の錠剤。
- 噴霧乾燥法によって、請求項22の固形製剤を製造する方法。
- トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドを含有する固形製剤中に、カルボキシメチルエチルセルロースを添加することを特徴とする、当該薬物の溶解性を改善する方法。
- トランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドおよびカルボキシメチルエチルセルロースを含有する固形製剤中に、非晶質化誘導剤を添加することを特徴とする、当該薬物の溶解性を改善する方法。
- カルボキシメチルエチルセルロースを含有することによって、日本薬局方溶出試験法の溶出試験第2液における試験開始60分後のトランス−N−(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)−4−(ターシャルブチルスルフォニルアミノ)シクロヘキサンカルボキシアミドの溶出率を60%以上とし、かつ180分後で溶出率70%以上に制御する方法。
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